JP2009000903A - 筆記ボード - Google Patents

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義章 八幡
Toshiaki Kasai
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Abstract

【課題】暗い場所、遠い場所からも良く見える筆記ボードの提供。
【解決手段】端部に接続された光源からフィルム内に入射した光を伝搬する導光フィルムと、該導光フィルムの表面に付着した際に導光フィルム内を伝搬している光をフィルム表面から出射させる拡散剤を含む拡散剤入インクを筆記具本体内に塗布可能に収容した筆記具とを有することを特徴とする筆記ボード。前記拡散剤は、前記導光フィルムの屈折率よりも高い屈折率を持つ微粒子であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフィス、学校、研究機関等で使用されるホワイトボード、駅等の掲示板(伝言板)や広告パネル等に適用される筆記ボードに関する。
従来、オフィス、学校、研究機関等で使用される一般的なホワイトボードとしては、白色の筆記面に、フェルトペンで筆記するタイプのものが提供されている。この従来のホワイトボードは、白色の筆記面にフェルトペンのインクを塗布し、該インクに含まれる着色顔料(黒、赤、青、緑)が筆記面に残ることで、筆記面に描いた文字や数字等が見えるようになっている。
また、教室等で使用される黒板は、黒色や濃緑色などの筆記面に、白色系のチョークで筆記することで、筆記面に白色のチョーク粉を残し、筆記面に描いた文字や数字等が見えるようになっている。なお、使用するチョークは白色が主体であり、白色に赤色や黄色等の着色を施したものもある。
なお、本発明者らが、本発明に直接関連する従来技術を調査(キーワード:導光フィルム)した結果、該当する従来技術が確認できなかった。
前述した従来のホワイトボードや黒板では、照明の暗い場所や遠距離からでは、描かれた字が良く見えないという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、暗い場所、遠い場所からも良く見える筆記ボードの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、端部に接続された光源からフィルム内に入射した光を伝搬する導光フィルムと、該導光フィルムの表面に付着した際に導光フィルム内を伝搬している光をフィルム表面から出射させる拡散剤を含む拡散剤入インクを筆記具本体内に塗布可能に収容した筆記具とを有することを特徴とする筆記ボードを提供する。
本発明の筆記ボードにおいて、前記拡散剤が、前記導光フィルムの屈折率よりも高い屈折率を持つ微粒子であることが好ましい。
本発明の筆記ボードは、導光フィルムの表面に、筆記具で拡散剤入インクを塗布すると、導光フィルムの表面に拡散剤が付着した部分は、導光フィルム内を伝搬している光が拡散されて表面から出射することで明るくなり、一方、導光フィルム表面の拡散剤が付着していない部分は、光が出射しないことで暗いままであり、この暗い背景にインク塗布部が明るく輝くことで、導光フィルムの表面に描かれた字は、暗い場所、遠い場所からも良く見えることから、本発明によれば、視認性の高い筆記ボードを提供できる。
以下、図面を参照して本発明の筆記ボードの実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の筆記ボードの一実施形態を示し、図1は筆記ボード1の要部断面図、図2は筆記ボード1の正面図である。これらの図中、符号1は筆記ボード、2は導光フィルム、3は筆記面、4は光源、5は光、6は筆記具、7は拡散剤入インク、8は拡散剤、9は明部、10は暗部である。
本実施形態の筆記ボード1は、端部に接続された光源4からフィルム内に入射した光5を伝搬する導光フィルム2と、該導光フィルム2の表面(筆記面3)に付着した際に導光フィルム2内を伝搬している光5を導光フィルム2内から外部に向けて出射させる屈折率を持った拡散剤8を含む拡散剤入インク7を筆記具本体内に塗布可能に収容した筆記具6とからなっている。
前記導光フィルム2は、図1に示すように、フィルム端面から導光フィルム2内に入射された光源4からの光が、フィルムの表裏面間で反射されながら、フィルム外部にほとんど漏れ出すことなく、導光フィルム2内を伝搬することができるような厚さの透明な合成樹脂フィルムを用いている。本実施形態において、導光フィルム2の材質としては、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の屈折率は、合成に用いるモノマーの種類などによって、ある程度の幅があり、後述する拡散剤8の材質を勘案して、適当な屈折率の樹脂フィルムを選択使用することができる。
本発明において、使用する光源4の種類は限定されないが、本実施形態の筆記ボード1では、光源4として発光ダイオード(以下、LEDと記す。)を用いている。LEDは、小型、高効率の光源であり、光出射部も小さいことから、出射した光を導光フィルム2の端面からフィルム内に入射させるように接続することが容易である。図2の例示では、長方形をなす導光フィルム2の一方の短辺側に複数のLEDを並べ、導光フィルム2の長手方向に向けて光を伝搬させているが、これに限定されることなく、導光フィルム2の任意の端面に任意の数のLEDを接続して構成することができる。なお、使用するLEDの発光色は、可視光であれば良く、特に限定されない。
前記導光フィルム2と光源4とからなる筆記ボード1の本体部は、筆記ボード1の基体となる種々の板や筐体などの構造体、或いは建物の壁面等に直接、接合して筆記ボード1を構成することができる。なお、本実施形態の筆記ボード1は、可撓性のある導光フィルム2を用いていることで、平面状の基体表面のみならず、曲面を有する基体の表面に沿わせて接合することができる。
前記筆記具6は、図1に例示した如く、先端に塗布部を有するフェルトペン型の筆記具を用いることができ、またこれに限らず、インクを筆記面3に塗布することが可能な各種タイプの筆記具、例えば、刷毛、毛筆、スプレー等であっても良い。
この筆記具6によって導光フィルム2の筆記面3に塗布される拡散剤入インク7としては、着色顔料に代えて拡散剤8の微粒子を配合した水性(又は油性)インクを用いることが望ましい。この拡散剤入インク7には、水などの分散媒、拡散剤8の他に、一般の水性インク等に配合される分散剤、増粘剤などの添加剤を配合することができる。
この拡散剤8は、導光フィルム2の筆記面3に塗布された際に、筆記面3の光伝搬状態、即ち、導光フィルム2をコアとし、周囲の空気をクラッドとするいわゆるエアクラッド構造を乱して、拡散剤8が付着した部分から光5を出射させるものが使用できる。本実施形態において、この拡散剤8としては、前記導光フィルム2の屈折率よりも高い屈折率を持つ微粒子を用いている。さらに、この拡散剤8の材質は、導光フィルム2がウレタン樹脂の場合はウレタン樹脂とし、シリコーン樹脂の場合はシリコーン樹脂とすることが好ましい。また、拡散剤8の屈折率は、導光フィルム2の屈折率が1.4程度である場合、屈折率が1.45程度あれば十分である。
本実施形態の筆記ボード1は、光源4を駆動し、導光フィルム2内に光5を伝搬させておき、筆記具6で筆記面3に所望の文字や数字等を線描することで、描いた字が明るく輝くことで明瞭に視認することができる。
拡散剤入インク7が塗布されていない筆記面3は、前記エアクラッド構造によって導光フィルム2内を光が伝搬しており、光が出射しないことから、図中符号10で示す暗部となっている。
一方、拡散剤入インク7が塗布された部分は、筆記面3上に屈折率の高い拡散剤8が付着することで、前記エアクラッド構造が乱され、導光フィルム2内を伝搬している光5が筆記面3から外に向けて出射してくるため、図中符号9で示す明部となる。
図2に示すように、暗部10の中に拡散剤入インク7で線描した明部9が明るく輝くことで、導光フィルム2の表面に描かれた字は、暗い場所、遠い場所からも良く見えるので、本実施形態の筆記ボード1は、視認性が高いものとなる。
筆記面3に線描された字を消去する場合には、ホワイトボード用の消去具と同様の道具で線描した字(拡散剤8)を拭き取ることで、筆記面3から拡散剤8が除去され、明部9は再び暗部10となる。
本実施形態の筆記ボード1は、オフィス、学校、研究機関等で使用されるホワイトボード、駅等の掲示板(伝言板)や広告パネル等に適用することができる。
本発明の筆記ボードの一実施形態を示す断面図である。 本発明の筆記ボードの一実施形態を示す正面図である。
符号の説明
1…筆記ボード、2…導光フィルム、3…筆記面、4…光源、5…光、6…筆記具、7…拡散剤入インク、8…拡散剤、9…明部、10…暗部。

Claims (2)

  1. 端部に接続された光源からフィルム内に入射した光を伝搬する導光フィルムと、該導光フィルムの表面に付着した際に導光フィルム内を伝搬している光をフィルム表面から出射させる拡散剤を含む拡散剤入インクを筆記具本体内に塗布可能に収容した筆記具とを有することを特徴とする筆記ボード。
  2. 前記拡散剤が、前記導光フィルムの屈折率よりも高い屈折率を持つ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の筆記ボード。
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