JP3214711U - タッチセンサ付きホワイトボード - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス板のハンドリング性と、タッチセンサの検出性とを両立した、タッチセンサ付きホワイトボードを提供する。【解決手段】タッチセンサ付きホワイトボード10は、凹凸面を含む第1主表面21および第1主表面に対向する第2主表面22を有し、反射型スクリーンを兼ねるホワイトボード20と、ホワイトボードの第2主表面の側に設けられ、ホワイトボードの第1主表面への物体の接触または近接を検出するタッチセンサ40とを有し、ホワイトボードは、第1主表面の側から第2主表面の側に向けて、少なくともガラス板と光散乱層とをこの順で有し、ガラス板は、板厚が1.5mm以上6mm以下の未強化ガラスである。【選択図】図2
Description
本考案は、タッチセンサ付きホワイトボードに関する。
インクによる書き消しが行われるホワイトボードが市販されている(例えば、特許文献1参照)。このホワイトボードは、前方から投影される映像を、前方のユーザに対し表示する反射型スクリーンを兼ねる。投影された映像に対し、インクによる書き込みが可能である。
特許文献1に記載のホワイトボードは、ガラス板と、光拡散性塗料または顔料を含む層とを有する。ガラス板は、表面に凹凸面を有し、凹凸面への文字や図形の書き込みとその書き込みの消去が可能とされている。光拡散性塗料または顔料を含む層は、ガラス板の背面に形成され、ガラス板の表面に入射した光を反射する。
ホワイトボード用のガラス板としては大面積のものが必要となる。そのため、ガラス板の板厚が薄すぎると、ガラス板の輸送時に欠けや割れなどが生じやすく、ガラス板のハンドリング性が悪く、設置時に撓みが発生し平坦性が低下してしまう。一方で、ガラス板の板厚が厚すぎると、ガラス板を介して物体の接触または近接を検出するタッチセンサの感度が悪くなる。
本考案は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ガラス板のハンドリング性と、タッチセンサの検出性とを両立した、タッチセンサ付きホワイトボードの提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本考案の一態様によれば、
凹凸面を含む第1主表面および前記第1主表面に対向する第2主表面を有し、反射型スクリーンを兼ねるホワイトボードと、
前記ホワイトボードの前記第2主表面の側に設けられ、前記ホワイトボードの前記第1主表面への物体の接触または近接を検出するタッチセンサとを有し、
前記ホワイトボードは、前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて、少なくともガラス板と光散乱層とをこの順で有し、
前記ガラス板は、板厚が1.5mm以上6mm以下の未強化ガラスである、タッチセンサ付きホワイトボードが提供される。
凹凸面を含む第1主表面および前記第1主表面に対向する第2主表面を有し、反射型スクリーンを兼ねるホワイトボードと、
前記ホワイトボードの前記第2主表面の側に設けられ、前記ホワイトボードの前記第1主表面への物体の接触または近接を検出するタッチセンサとを有し、
前記ホワイトボードは、前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて、少なくともガラス板と光散乱層とをこの順で有し、
前記ガラス板は、板厚が1.5mm以上6mm以下の未強化ガラスである、タッチセンサ付きホワイトボードが提供される。
本考案の一態様によれば、ガラス板のハンドリング性と、タッチセンサの検出性とを両立した、タッチセンサ付きホワイトボードが提供される。
以下、本考案を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
<タッチセンサ付きホワイトボード>
図1は、一実施形態によるタッチセンサ付きホワイトボードを示す正面図である。図2は、一実施形態によるタッチセンサ付きホワイトボードを示す上面図である。図2において、Pはプロジェクタ、Uはユーザを示す。各図面において、X方向は横方向、Y方向は前後方向、Z方向は縦方向である。X方向、Y方向およびZ方向は互いに垂直な方向であって、X方向およびY方向が水平方向、Z方向が鉛直方向である。
図1は、一実施形態によるタッチセンサ付きホワイトボードを示す正面図である。図2は、一実施形態によるタッチセンサ付きホワイトボードを示す上面図である。図2において、Pはプロジェクタ、Uはユーザを示す。各図面において、X方向は横方向、Y方向は前後方向、Z方向は縦方向である。X方向、Y方向およびZ方向は互いに垂直な方向であって、X方向およびY方向が水平方向、Z方向が鉛直方向である。
タッチセンサ付きホワイトボード10は、インクによる書き消しが行われる書き消し面11(図2参照)を有する。インクによる書き込みには、専用マーカなどの筆記具などが用いられる。その書き込みの消去には、字消具(イレーザー)、水、溶剤などが用いられる。インクは、例えば、色素と、色素を溶かす溶剤と、離型剤とを含む。溶剤としては、アルコールなどが用いられる。離型剤としては、オイルなどが用いられる。色素は、離型剤には溶けない。
タッチセンサ付きホワイトボード10は、不図示の枠で取り囲まれてもよい。その枠には吊り下げ具や脚が設けられてもよく、脚にはキャスターが取り付けられてもよい。タッチセンサ付きホワイトボード10は、例えば室内で使用される。尚、タッチセンサ付きホワイトボード10の使用場所は、特に限定されない。例えばタッチセンサ付きホワイトボード10は、乗り物や建物の壁材などに適用されてもよい。
タッチセンサ付きホワイトボード10は、書き消し面11の前方(図2中下側)から書き消し面11に投影される映像を、書き消し面11の前方のユーザUに対し表示する反射型スクリーンを兼ねる。映像の投影には、プロジェクタPなどが用いられる。投影された映像に対し、インクによる書き込みが可能である。
タッチセンサ付きホワイトボード10は、ホワイトボード20と、ホワイトボード20を介して、ホワイトボード用マーカーや指などの物体の接触または近接を検出するタッチセンサ40とを有する。ホワイトボード20とタッチセンサ40とは、別々に施工現場まで輸送され、施工現場で組み立てられてよい。ホワイトボード20は、タッチセンサ40を介して取付部材80に取り付けられる。尚、ホワイトボード20とタッチセンサ40とは、予め積層されたうえで施工現場まで輸送されてもよい。
<ホワイトボード>
図3は、一実施形態によるホワイトボードを示す断面図である。ホワイトボード20は、凹凸面を含む第1主表面21(以下、「前面21」とも呼ぶ。)と、第1主表面21に対向する第2主表面22(以下、「背面22」とも呼ぶ。)とを有する。前面21が書き消し面11として用いられる。ホワイトボード20は、前面21側から背面22側に向けて、ガラス板31、接着層32、光散乱層33および保護層35をこの順で有する。以下、ホワイトボード20の各構成についてこの順で説明する。尚、ホワイトボード20は、前面21側から背面22側に向けて、少なくともガラス板31と光散乱層33とを有すればよい。接着層32や保護層35は、任意の構成であって、必須の構成ではない。
図3は、一実施形態によるホワイトボードを示す断面図である。ホワイトボード20は、凹凸面を含む第1主表面21(以下、「前面21」とも呼ぶ。)と、第1主表面21に対向する第2主表面22(以下、「背面22」とも呼ぶ。)とを有する。前面21が書き消し面11として用いられる。ホワイトボード20は、前面21側から背面22側に向けて、ガラス板31、接着層32、光散乱層33および保護層35をこの順で有する。以下、ホワイトボード20の各構成についてこの順で説明する。尚、ホワイトボード20は、前面21側から背面22側に向けて、少なくともガラス板31と光散乱層33とを有すればよい。接着層32や保護層35は、任意の構成であって、必須の構成ではない。
(ガラス板)
ガラス板31は、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラスなどで形成される。また、ガラス板31としては、未強化ガラスが用いられる。未強化ガラスは、溶融ガラスを板状に成形し、徐冷したものであり、ガラス表面に圧縮応力層を形成する前のものである。未強化ガラスは、ガラス表面に圧縮応力層を形成してなる強化ガラスと比較して、大面積であっても平坦性が高く、歪みが少ないため光沢性、画像映写性に優れる。また、強化ガラスと比較して切断などの加工性が良好である。未強化ガラスのガラス表面における最大圧縮応力は、50MPa以下である。
ガラス板31は、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラスなどで形成される。また、ガラス板31としては、未強化ガラスが用いられる。未強化ガラスは、溶融ガラスを板状に成形し、徐冷したものであり、ガラス表面に圧縮応力層を形成する前のものである。未強化ガラスは、ガラス表面に圧縮応力層を形成してなる強化ガラスと比較して、大面積であっても平坦性が高く、歪みが少ないため光沢性、画像映写性に優れる。また、強化ガラスと比較して切断などの加工性が良好である。未強化ガラスのガラス表面における最大圧縮応力は、50MPa以下である。
ガラス板31は、フロート法、フュージョン法などで成形される。
ガラス板31は、映像の光を透過する。ガラス板31は、無色透明であるが、有色透明であってもよい。ガラス板31のヘーズ(Haze)値は、50%以下である。ガラス板31のヘーズ値が50%以下であれば、十分な透明度が得られる。尚、ガラス板31のヘーズ値は、通常、1%以下である。
ヘーズ値は、日本工業規格(JIS K7136)に準拠して測定され、測定対象の試験板を板厚方向に透過する透過光のうち、前方散乱によって入射光から2.5°以上それた透過光の百分率として求められる。ヘーズ値の測定に用いる光源としては、日本工業規格(JIS Z8720:2012)に記載のD65光源を用いる。
ガラス板31の板厚T1は、ガラス板31のハンドリング性およびタッチセンサ40の検出性を両立する観点から、例えば1.5mm以上6.0mm以下である。ガラス板31の板厚T1は、好ましくは1.8mm以上、より好ましくは2.0mm以上である。
ガラス板31の板厚T1が1.5mm以上であると、ガラス板31の輸送時に欠けや割れが抑制でき、ガラス板31のハンドリング性が良い。また、ガラス板31の板厚T1が1.5mm以上であると、ガラス板31の剛性が高いため、取付部材80の取付面のうねりに起因するガラス板31の変形が抑制できる。
一方、ガラス板31の板厚T1が6.0mm以下であると、ホワイトボード20の前面21に接触する指などの物体とタッチセンサ40との間隔が狭く、タッチセンサ40の検出性が良い。また、ガラス板31の板厚T1が6.0mm以下であると、ガラス板31の前面で反射した光の像と、ガラス板31の背面など(光散乱層33を含む)で反射した光の像とがズレて見えることを抑制できる。
ガラス板31の各主表面(前面および背面)は、縦30cm以上300cm以下、横30cm以上500cm以下の矩形状であってよい。ガラス板31の各主表面が大面積である場合に、ガラス板31の板厚T1を1.5mm以上6mm以下とすることで、ガラス板31のハンドリング性とタッチセンサ40の検出性とを両立できる。
ガラス板31の前面は、凹凸を有する。この凹凸により、プロジェクタPからの光を散乱でき、ホットスポットの発生を抑制できる。ホットスポットとは、反射型スクリーンに対し映像が投映されたときに反射型スクリーンの中心部などが明るく光って見える現象である。この現象は、反射型スクリーンの前面が入射光を正反射することで生じる。本実施形態によれば、ガラス板31の前面の凹凸によって、プロジェクタPからの光を散乱でき、ホットスポットの発生を抑制できる。
ガラス板31の前面に凹凸を形成するガラス板の加工方法としては、一般的な加工方法が用いられ、例えばブラスト法などの機械的方法やウェットやドライなどのエッチング法が用いられる。エッチング法では、ガラス板31のエッチング液として例えばフッ化水素とフッ化アンモニウムを混合した水溶液や、フッ化水素アンモニウム水溶液などが使用される。
(接着層)
接着層32は、ガラス板31と光散乱層33との間に設けられ、ガラス板31と光散乱層33とを接着する。接着層32は、光散乱層33がシート状に形成されたうえで、ガラス板31に貼り付けられる場合に用いられる。接着層32としては、一般的なものが用いられる。
接着層32は、ガラス板31と光散乱層33との間に設けられ、ガラス板31と光散乱層33とを接着する。接着層32は、光散乱層33がシート状に形成されたうえで、ガラス板31に貼り付けられる場合に用いられる。接着層32としては、一般的なものが用いられる。
尚、光散乱層33は、本実施形態ではシート状に形成されたうえでガラス板31に貼り付けられるが、光散乱層33の原料液をガラス板31に塗布して形成されてもよい。後者の場合、接着層32は不要である。
(光散乱層)
光散乱層33は、ガラス板31を透過した光を散乱する。これにより光散乱層33が白色を呈するため、インクの書き込み視認性や映像のコントラストが向上する。光散乱層33は、屈折率が異なる複数の材料で形成される。光散乱層33は、例えばマトリックス部と、マトリックス部中に散在する光散乱部とを含む。
光散乱層33は、ガラス板31を透過した光を散乱する。これにより光散乱層33が白色を呈するため、インクの書き込み視認性や映像のコントラストが向上する。光散乱層33は、屈折率が異なる複数の材料で形成される。光散乱層33は、例えばマトリックス部と、マトリックス部中に散在する光散乱部とを含む。
マトリックス部は、無機材料、有機材料のいずれを含んでもよい。無機材料としては、二酸化ケイ素などが挙げられる。有機材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。有機材料は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
光散乱部は、粒子、空洞のいずれを含んでもよく、両者を含んでもよい。粒子は、無機粒子、有機粒子のいずれでもよい。無機粒子の材料としては、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ホスフィン酸塩、ジホスフィン酸塩、硫酸バリウム、タルクおよびマイカなどが挙げられる。有機粒子の材料としては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。また、粒子は多孔質粒子であってもよい。多孔質粒子の空孔の細孔直径は2nm〜50nmが好ましい。粒子の数平均粒径は100nm〜10μmである。空洞は、延伸操作や発泡剤などによって形成される。光散乱部が空洞を含む場合、光散乱層33は多孔質層である。
光散乱層33は、マトリックス部や光散乱部に加えて、光吸収部をさらに含んでもよい。光吸収部は、カーボンブラックやチタンブラックなどの光吸収性粒子を含む。光散乱層33に占める光吸収部の割合は、例えば0.01体積%〜5体積%、好ましくは0.1体積%〜3体積%である。光吸収部は、映像のコントラストを向上する。
光散乱層33の全光線透過率は、15%〜40%である。「全光線透過率」は、光散乱層33の一の主表面(例えば前面)に対し入射角0゜で入射した入射光に対する、光散乱層33の残りの一の主表面(例えば背面)に透過した全透過光の割合(百分率)を意味する。全光線透過率は、日本工業規格(JIS K7136)に準拠して測定され、測定対象の試験板を板厚方向に透過する透過光のうち、拡散光を含めた透過率として求められる。全光線透過率の測定に用いる光源としては、日本工業規格(JIS Z8720:2012)に記載のD65光源を用いる。
光散乱層33の厚さT2は、例えば10μm以上188μm以下である。光散乱層33の厚さT2が10μm以上であると、インクの書き込みや映像のコントラストが良い。一方、光散乱層33の厚さT2が188μm以下であると、光散乱層33の厚さT2によるタッチセンサ40の検出性の低下がほとんどない。T2が10μm以上100μm以下であると、より好ましい。
(保護層)
保護層35は、ホワイトボード20の背面22に後述のタッチセンサ40を貼り付けるまで、光散乱層33を保護するものである。尚、タッチセンサ40が保護層35を兼ねてもよい。
保護層35は、ホワイトボード20の背面22に後述のタッチセンサ40を貼り付けるまで、光散乱層33を保護するものである。尚、タッチセンサ40が保護層35を兼ねてもよい。
<タッチセンサ>
図2に示すように、タッチセンサ40は、ホワイトボード20を基準として、ユーザUとは反対側に設けられる。ホワイトボード20は、白色を呈するため、タッチセンサ40の配線等をユーザUから隠すことができる。タッチセンサ40の検出方式が静電容量方式である場合、タッチセンサ40に含まれる格子状の金属電極をユーザUから隠すこともできる。
図2に示すように、タッチセンサ40は、ホワイトボード20を基準として、ユーザUとは反対側に設けられる。ホワイトボード20は、白色を呈するため、タッチセンサ40の配線等をユーザUから隠すことができる。タッチセンサ40の検出方式が静電容量方式である場合、タッチセンサ40に含まれる格子状の金属電極をユーザUから隠すこともできる。
タッチセンサ40は、ホワイトボード20の背面22に設けられ、ホワイトボード20の前面21への物体の接触または近接を検出する。タッチセンサ40は検出結果を示す信号をコンピュータなどの制御装置に送信し、制御装置はタッチセンサ40の検出結果に基づきプロジェクタPから投影される映像を制御する。
タッチセンサ40の検出方式は、特に限定されないが、例えば静電容量方式であってよい。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式などがある。投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検出が可能となるため好ましい。
タッチセンサ40の検出方式が静電容量方式である場合、ホワイトボード20は金属層を有しない。金属層は、プロジェクタPから投影される映像の光を前方に向けて反射することによりプロジェクタPから投影される映像の輝度を向上する反面、タッチセンサ40の検出性を損なうためである。
尚、ホワイトボード20は、金属層を有していなければよく、誘電体多層膜を有してもよい。誘電体多層膜は、プロジェクタPから投影される映像の光を前方に向けて反射する。誘電体多層膜は、屈折率が異なる複数の誘電体を積層する方法により形成できる。高屈折率の誘電体としては例えばSi3N4、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al2O3、MoO、NbO、TiO2およびZrO2が挙げられる。高屈折率の誘電体より低屈折率の誘電体としては例えばSiO2、MgF2、およびAlF3が挙げられる。
[実施例1]
実施例1では、先ず、反射型スクリーンを兼ねるホワイトボードを作製した。ホワイトボードは、図3に示すように、ガラス板、接着層、光散乱層および保護層で構成した。ガラス板としては、縦1100mm、横1800mm、板厚1.9mmのフロートガラス(旭硝子社製、ソーダライムガラス、未強化)を用いた。ガラス板の前面には、予めウエットエッチング処理によって凹凸を施した。光散乱層としては、厚さ38μmの白色PETフィルムを用いた。白色PETフィルムの前面とガラス板の背面とを向い合せて接着剤で貼り合わせた。その後、白色PETフィルムの背面と保護層の前面とを向い合せて貼り合わせた。保護層としては、前面に接着剤を有するPETフィルム(東レ社製、厚さ50μm)を用いた。
実施例1では、先ず、反射型スクリーンを兼ねるホワイトボードを作製した。ホワイトボードは、図3に示すように、ガラス板、接着層、光散乱層および保護層で構成した。ガラス板としては、縦1100mm、横1800mm、板厚1.9mmのフロートガラス(旭硝子社製、ソーダライムガラス、未強化)を用いた。ガラス板の前面には、予めウエットエッチング処理によって凹凸を施した。光散乱層としては、厚さ38μmの白色PETフィルムを用いた。白色PETフィルムの前面とガラス板の背面とを向い合せて接着剤で貼り合わせた。その後、白色PETフィルムの背面と保護層の前面とを向い合せて貼り合わせた。保護層としては、前面に接着剤を有するPETフィルム(東レ社製、厚さ50μm)を用いた。
次いで、ホワイトボードの背面とタッチセンサの前面とを向い合せて接着剤で貼り合わせることにより、タッチセンサ付きホワイトボードを作製した。タッチセンサとしては、静電容量式タッチセンサモジュール(ビット・トレード・ワン社製)を用いた。
[実施例2]
実施例2では、ガラス板の板厚を2.9mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
実施例2では、ガラス板の板厚を2.9mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
[実施例3]
実施例3では、ガラス板の板厚を4.8mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
実施例3では、ガラス板の板厚を4.8mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
[比較例1]
比較例1では、ガラス板の板厚を1.1mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
比較例1では、ガラス板の板厚を1.1mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
[比較例2]
比較例2では、ガラス板の板厚を6.8mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
比較例2では、ガラス板の板厚を6.8mmとした以外、実施例1と同様にしてタッチセンサ付きホワイトボードを作製した。
[タッチセンサ付きホワイトボードの評価]
<光沢度>
光沢度として、Glossメーター(Rhopoint Instruments社製、Rhopoint IQ-S)を用いて、入射角60°で入射した入射光に対する反射角60°で反射した反射光の割合(%)を測定した。光沢度の測定は、接着層、光散乱層および保護層を形成しない単独のガラス板に対して行い、ガラス板の背面に黒色のフェルト布を接触させ、ガラス板の背面での反射を抑えた状態で測定した。光沢度は65%より小さいことが好ましい。
<光沢度>
光沢度として、Glossメーター(Rhopoint Instruments社製、Rhopoint IQ-S)を用いて、入射角60°で入射した入射光に対する反射角60°で反射した反射光の割合(%)を測定した。光沢度の測定は、接着層、光散乱層および保護層を形成しない単独のガラス板に対して行い、ガラス板の背面に黒色のフェルト布を接触させ、ガラス板の背面での反射を抑えた状態で測定した。光沢度は65%より小さいことが好ましい。
<ホットスポット評価>
ホットスポットは、反射型スクリーンに対し約1mの距離をおいて正対させた液晶プロジェクタ(Qumi社製、最大輝度:800ルーメン)から反射型スクリーンに映像を投影して、目視で評価した。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは反射型スクリーンに画像を投影したときにホットスポットの存在が認められなかったことを意味する。
ホットスポットは、反射型スクリーンに対し約1mの距離をおいて正対させた液晶プロジェクタ(Qumi社製、最大輝度:800ルーメン)から反射型スクリーンに映像を投影して、目視で評価した。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは反射型スクリーンに画像を投影したときにホットスポットの存在が認められなかったことを意味する。
<書き消し試験>
書き消し試験では、専用マーカとして赤色のホワイトボード用マーカー(コクヨ社製、ホワイトボード用マーカーPM−B102NR)を用い、字消具としてはホワイトボード用イレーサー(コクヨ社製、RA−12NB−DM)を用いた。専用マーカで反射型スクリーンの凹凸面に3本の線を引き、これらの線を字消具で消去したときの色残りを目視で評価した。反射型スクリーンに押し付けた専用マーカの移動速度(線を引く速度)は20cm/秒とし、反射型スクリーンに専用マーカを押し付ける荷重は0.98Nとした。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは色残りが認められなかったことを意味する。
書き消し試験では、専用マーカとして赤色のホワイトボード用マーカー(コクヨ社製、ホワイトボード用マーカーPM−B102NR)を用い、字消具としてはホワイトボード用イレーサー(コクヨ社製、RA−12NB−DM)を用いた。専用マーカで反射型スクリーンの凹凸面に3本の線を引き、これらの線を字消具で消去したときの色残りを目視で評価した。反射型スクリーンに押し付けた専用マーカの移動速度(線を引く速度)は20cm/秒とし、反射型スクリーンに専用マーカを押し付ける荷重は0.98Nとした。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは色残りが認められなかったことを意味する。
<ハンドリング試験>
ハンドリング試験では、ガラス板を単独で縦型パレットから平置き作業台へ移動し、さらに平置き作業台から縦型パレットに戻す操作を20回繰り返し、ガラス板が割れたり欠けたりしたか否かで評価した。ガラス板としては、各タッチセンサ付きホワイトボードで使用したものと同じ形状および同じ寸法(板厚を含む)のものを使用した。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは割れや欠けが発生しなかったことを意味し、「×」とは割れや欠けが発生したことを意味する。
ハンドリング試験では、ガラス板を単独で縦型パレットから平置き作業台へ移動し、さらに平置き作業台から縦型パレットに戻す操作を20回繰り返し、ガラス板が割れたり欠けたりしたか否かで評価した。ガラス板としては、各タッチセンサ付きホワイトボードで使用したものと同じ形状および同じ寸法(板厚を含む)のものを使用した。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは割れや欠けが発生しなかったことを意味し、「×」とは割れや欠けが発生したことを意味する。
<タッチセンサ反応試験>
タッチセンサ反応試験では、ホワイトボードの前面に対する指の接触をタッチセンサで検出できたか否かで評価した。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは指の接触を検出できたことを意味し、「×」とは指の接触を検出できなかったことを意味する。
<平坦性評価試験>
平坦性評価試験では、反射型スクリーンの前面に対して、スクリーン中心を通る水平方向及び鉛直方向に長さ1mの金属製直尺を当て、隙間ゲージで前面のガラス表面と直尺との隙間距離を測定して評価した。評価結果を示す下記の表1において、「○」とは隙間距離が1mm以下であったことを意味し、「×」とは隙間距離が1mmより大きかったことを意味する。
タッチセンサ反応試験では、ホワイトボードの前面に対する指の接触をタッチセンサで検出できたか否かで評価した。評価結果を示す下記の表1において、「〇」とは指の接触を検出できたことを意味し、「×」とは指の接触を検出できなかったことを意味する。
<平坦性評価試験>
平坦性評価試験では、反射型スクリーンの前面に対して、スクリーン中心を通る水平方向及び鉛直方向に長さ1mの金属製直尺を当て、隙間ゲージで前面のガラス表面と直尺との隙間距離を測定して評価した。評価結果を示す下記の表1において、「○」とは隙間距離が1mm以下であったことを意味し、「×」とは隙間距離が1mmより大きかったことを意味する。
<評価結果>
評価結果を表1に示す。
評価結果を表1に示す。
<変形、改良>
以上、ホワイトボードの実施形態などについて説明したが、本考案は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本考案の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
以上、ホワイトボードの実施形態などについて説明したが、本考案は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本考案の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
ガラス板31の前面は、本実施形態では露出しているが、被覆層などで覆われていてもよい。被覆層は、ガラス板31の前面の少なくとも一部を覆い、ガラス板31の前面のうち少なくとも凹凸面を覆う。被覆層は、その前面に、ガラス板31の凹凸面に倣う凹凸面を有する。被覆層とガラス板31との間に、被覆層とガラス板31との密着性を改善する下地層がさらに形成されてもよい。
被覆層は、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種で形成される。被覆層は、ガラス板31よりもインクとの親和性が低いことが好ましい。インクによる書き込みの消去が容易になる。
被覆層は、インクとの親和性や耐久性の観点から、好ましくはシリコーン系硬化物を含む。シリコーン系硬化物は、例えば硬化性のシリコーンレジンおよび硬化性のシリコーンオリゴマーの少なくとも一方を縮合硬化させることで得られる。
被覆層は、インクによる書き込みの消去性を向上するため、シリコーン系硬化物に加えて、フッ素系化合物を含んでもよい。フッ素系化合物としては、CnF2n+1基やCnF2nO基を含む化合物が好ましい。尚、nは1以上の自然数である。
被覆層の層厚は、0.01μm以上20μmが好ましく、0.05μm以上10μm以下がより好ましい。被覆層の層厚が0.01μm未満では耐久性が不十分である。被覆層の層厚が20μm超では凹凸面の高低差が小さくなり、ホットスポットの発生が十分に抑制できない。被覆層は平均膜厚が0.1μmとなるように形成することが好ましい。
ガラス板31の前面は、本実施形態では凹凸面であるが、平坦面であってもよい。ガラス板31の平坦な前面に、凹凸層が形成されればよい。この凹凸層の形成方法としては、例えば型押し法、エッチング法、インプリント法、コート法などが単独または任意の組合せで用いられる。凹凸層の前面には凹凸が形成され、その凹凸の上に被覆層などが形成されてよい。被覆層と凹凸層との間に、被覆層と凹凸層との密着性を改善する下地層が形成されてもよい。
タッチセンサ付きホワイトボード10の少なくとも一部に、タッチセンサの感度を損なわない範囲で、磁性層をさらに有してもよい。磁性層は、鉄などの軟磁性材料、永久磁石などの硬磁性材料のいずれを含んでもよい。磁石の吸着力を利用して、タッチセンサ付きホワイトボード10に紙などを留めたり、壁にタッチセンサ付きホワイトボード10を取り付けたりすることができる。
10 タッチセンサ付きホワイトボード
11 書き消し面
20 ホワイトボード
21 前面
22 背面
31 ガラス板
32 接着層
33 光散乱層
35 保護層
40 タッチセンサ
80 取付部材
11 書き消し面
20 ホワイトボード
21 前面
22 背面
31 ガラス板
32 接着層
33 光散乱層
35 保護層
40 タッチセンサ
80 取付部材
Claims (3)
- 凹凸面を含む第1主表面および前記第1主表面に対向する第2主表面を有し、反射型スクリーンを兼ねるホワイトボードと、
前記ホワイトボードの前記第2主表面の側に設けられ、前記ホワイトボードの前記第1主表面への物体の接触または近接を検出するタッチセンサとを有し、
前記ホワイトボードは、前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて、少なくともガラス板と光散乱層とをこの順で有し、
前記ガラス板は、板厚が1.5mm以上6mm以下の未強化ガラスである、タッチセンサ付きホワイトボード。 - 前記光散乱層の厚さが10μm以上188μm以下である、請求項1に記載のタッチセンサ付きホワイトボード。
- 前記ガラス板の各主表面は、縦30cm以上300cm以下、横30cm以上300cm以下の矩形状である、請求項1または2に記載のタッチセンサ付きホワイトボード。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017005234U JP3214711U (ja) | 2017-11-16 | 2017-11-16 | タッチセンサ付きホワイトボード |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2017005234U JP3214711U (ja) | 2017-11-16 | 2017-11-16 | タッチセンサ付きホワイトボード |
Publications (1)
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JP3214711U true JP3214711U (ja) | 2018-02-01 |
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Family Applications (1)
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