JP2008546640A - 泌尿生殖器癌及びその転移の治療を意図した、亜ヒ酸、そのナトリウム塩、及びその誘導体を含む製薬組成物 - Google Patents

泌尿生殖器癌及びその転移の治療を意図した、亜ヒ酸、そのナトリウム塩、及びその誘導体を含む製薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトにおける泌尿生殖器疾患及び骨転移の治療のための製薬組成物及び方法に関するものであって、前記製薬組成物は有効量の亜ヒ酸アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩及び/または製薬上許容し得るアジュバントを含む。本発明によれば、前記亜ヒ酸アルカリ金属塩は、メタ亜ヒ酸ナトリウム(AsO2Na)またはメタ亜ヒ酸カリウム(AsO2K)である。亜ヒ酸アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩の前記有効量は、1日あたり体重の0.0001-1500 mg/kg、好ましくは1-1000 mg/kg、より好ましくは1-150 mg/kg、さらに好ましくは50-100 mg/kgである。本発明の製薬組成物の投与は好ましくは経口的であり、製薬上許容し得るキャリア、希釈剤、または賦形剤を有する、例えば錠剤、カプセル剤、粉剤、及び/または液剤である。

Description

本発明は、泌尿生殖器癌を含むがこれに制限されない、初期及び転移性新生物疾患の治療のための化合物、方法、及び組成物に関する。
より具体的には、本発明は、前立腺癌、泌尿生殖器系の初期及び転移性腫瘍、並びに膀胱癌、腎臓癌、精巣癌、及び転移性骨肉腫を治療するための、亜ヒ酸ナトリウム塩の新規の化学療法用組成物、方法、経口ヒ素化合物の新規の使用に関する。
癌は世界において重大な健康問題である。癌の検出及び治療においては進歩してきているが、現在利用できるワクチンまたは他の普遍的に成功した予防または治療方法はない。前記疾患の処置は現在、早期診断と、例えば手術、放射線療法、化学療法、及びホルモン療法等の多様な治療の1つ以上を含み得る攻撃的治療との組合せに依存している。そのような治療は多くの患者に有益性を提供するが、多くの癌に対して高い死亡率が観察され続けている。改善された抗腫瘍剤の開発は、癌の予防及び治療を容易にするであろう。
不運なことに、癌は、男性及び女性の両方の心疾患に次いで第二位の死をもたらす原因である。癌との闘いの中で、多くの技術が開発され、現在の研究の主題は、前記疾患の性質及び原因を理解すること及びその制御または治癒方法を提供することに向けられている。
米国特許第4,256,108号 米国特許第4,166,452号 米国特許第4,265,874号
数千の潜在的抗癌剤が審査されているが、ヒトの癌の治療は依然として、しばしば多くの最適以下の治療選択をもたらす複雑性を伴う。例えば、ほとんどまたは全く毒性がなく、獲得または製造するのに安価であり、当該患者によって十分に許容され、且つ容易に投与される化学療法剤は、癌専門医が現在利用できる治療様式への望ましい添加物であろう。より低用量の放射線照射または健常組織へのより少ないダメージで済み、同じ治療効果を達成する治療を可能にする、悪性組織を選択的に感作する薬剤も望ましい。同様に、癌の発症または再発を防ぐ薬剤も望ましい。
本発明は、そのような化学療法剤及び感作物質を提供することによって、これらの必要性を改善する。
従って、本発明の根底にある技術的課題は、抗癌活性を有する代替的またはさらなる化合物、及び臨床上の使用方法を提供することである。
この問題は、特許請求の範囲に規定される実施態様の提供によって解決される。
この発明の化合物は癌の治療に有用である。それらは、癌細胞の生存及び/または増殖を阻害するのに、並びに/あるいは一般に非所望の細胞増殖を阻害するのに有効である。
この発明はさらに、製薬上または治療上有効な量のこれらの化合物を含む製薬及び治療用組成物、治療方法、並びに前記化合物を使用する治療方法を提供する。特に、この発明は、本明細書に開示される経口亜ヒ酸ナトリウム塩の投与によって癌を治療する方法に関する。
何人かの発明者によって記載されている癌の治療における三酸化ヒ素(arsenic trioxide)の役割はこの発明とは異なり、一方、悪性疾患の治療のためのヒ素(WO 800245;Komipharm International)の役割は初期の腫瘍に限られたものであった。
亜ヒ酸ナトリウム塩、並びに/あるいはその合成類似体、修飾体、及び薬理学的に活性のある断片を含む、異常な細胞増殖を阻害するためのキットをさらに主張する。
本化合物、組成物、調合物、及び方法を記載する前に、この発明は、本明細書に記載の特定の化合物、方法、組成物、及び治療上の指示に制限されず、前記の方法、組成物、及び治療上の指示は当然変化すると理解すべきである。さらに、本明細書に使用される用語は特定の実施態様のみを記載する目的のためものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されているだけである。
添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用されるように、用語の単数形と複数形は明確に指示がなければ区別しない。従って、例えば、「生物(an organism)」への言及は1つ以上の異なる生物(organisms)を含み、「細胞(a cell)」への言及は1つ以上の前記細胞(cells)を含み、並びに「方法(a method)」への言及は当業者に既知の同等の工程及び方法への言及を含む。
別に定義されなければ、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、この発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似のまたは同等の方法及び材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、適切な方法及び材料は以下に記載される。前記の事項が議論されているすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献を、本出願の出願日より前のそれらの開示内容に対してのみ提供する。本発明が、その先行発明により前記開示内容に先行する資格が与えられないことの承認として解されるべきものは本明細書にはない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、すべての図解及び図面を含むその全容が参照により本明細書に組み込まれている。
本発明を説明する前に、以下に使用される特定の用語の定義を説明することがその理解に役立つかもしれない。
本発明の目的のための「患者」は、ヒト及び他の動物、特に哺乳動物、並びに他の生物を含む。従って、当該方法は、ヒトの治療及び獣医学上の適用の両方に適用できる。好ましい実施態様において、前記患者は哺乳動物であり、最も好ましい実施態様において、前記患者はヒトである。
用語「動物」は、血管の閉鎖循環系を有する生物を表し、鳥類、哺乳動物、及びクロコダイルを含む。本明細書で使用される用語「動物」はさらに、ヒト被験者を含む。
用語「血管新生」は、細胞、組織、器官、または腫瘍内への新しい血管の形成を表す。
用語「転移」は、腫瘍細胞が身体の遠い部分にまで拡散する過程を表す。本明細書で使用される前記用語はさらに、転移過程を通して発達する腫瘍を表す。
用語「接触する」は、〜と組み合わせる、〜に付加する、〜と混合する、〜を通り過ぎる、〜とインキュベーションする、〜を流れすぎる等と互換的に使用される。さらに、本発明の化合物は、任意の従来方法、例えば、本明細書に記載の非経口的、経口的、局所的、及び吸入の経路等によって「投与され」得る。
本明細書で使用されるように、用語「安全且つ有効な量」は、この発明の方法で使用された場合に、過度の副作用(例えば、毒性、刺激、またはアレルギー応答等)なく、妥当な有益性/危険性の比率と同等の所望の治療反応をもたらすのに十分な成分の量を表す。「治療上有効な量」が意味するものは、所望の治療反応をもたらすのに有効な本発明の化合物の量である。この量は、例えば、肉腫またはリンパ腫のいずれかの癌の、増殖を遅らせる、転移を遅らせる、血管新生及び/またはテロメア(tolemere)を阻害する、並びに/あるいは縮小を引き起こすのに有効であり得る。特定の安全且つ有効な量、または治療上有効な量は、治療される特定の状況、当該患者の身体的状態、治療される哺乳動物の種類、治療継続期間、(もしあれば)併用する治療の性質、並びに使用される特定の調合物及び当該化合物またはその誘導体の構造等の因子によって変化する。
「抗血管新生」量は、血管新生を弱め、抑制し、または阻害するのに、あるいは血管新生疾患に伴う症状の改善をもたらすのに有効な、化合物または組成物の量を表す。所望の結果は、症状の主観的軽減、あるいは臨床医または他の資格のある観察者によって認められるような、投与のレシピエントにおける客観的に認識し得る回復、内皮細胞の血管新生化の減少または血管新生の割合の減少のいずれかであってよい。
用語「癌を治療する」「治療」等は、癌を有する哺乳動物における任意の改善を一般に表し、前記改善は本発明の化合物を用いた治療に起因する可能性がある。前記改善は主観的または客観的のいずれかであってよい。例えば、当該哺乳動物がヒトである場合、当該患者は、治療に対する改善または応答の主観的症状としての、活力または生命力の改善、あるいは痛みの減少に気づくかもしれない。あるいは、臨床医は健康診断、実験用パラメーター、腫瘍マーカー、またはX線撮影の所見に基づき、腫瘍の大きさまたは腫瘍の負荷の減少に気づくかもしれない。治療への応答に対して臨床医が観察し得るいくつかの実験的徴候は、白血球数、赤血球数、血小板数、赤血球沈降速度、及び種々の酵素量等の試験の標準化を含む。さらに、臨床医は検出可能な腫瘍マーカーの減少を観察し得る。あるいは、ソノグラム、核磁気共鳴試験、及び陽電子放射試験等の他の試験を使用して、客観的改善を評価することができる。
「腫瘍細胞の増殖を阻害する」は、腫瘍細胞の増殖が減速または減少したかどうかを測定する任意の容認された方法によって評価され得る。これは、前述のような、直接的観察または間接的評価を含む。
従って、本発明の組成物は細胞に投与される。本明細書の「投与される」は、細胞培養中または患者中のいずれかの細胞への、治療上有効な用量の本発明の候補剤の投与を意味する。本明細書の「治療上有効な用量」は、投与されるものに対して効果を生じる用量を意味する。正確な用量は、治療の目的に依存し、且つ既知の技術を使用する当業者によって確かめられるであろう。当該技術分野において既知であるように、全身的対局所的送達、年齢、体重、総体的な健康状態、性別、食事、投与時間、薬剤相互作用、及び症状の重症度に対する調整が必要であり、当業者による日常的実験を用いて確かめられるであろう。本明細書の「細胞」は、有糸分裂または減数分裂を変更し得るほとんどの任意の細胞を意味する。
従って、本発明は、以下の一般式(I)によって表される、治療上有効な量の亜ヒ酸ナトリウム塩を含む製薬的抗癌組成物に関する。
Figure 2008546640
一般に、大多数の化学療法薬は、静脈内使用向けに開発されている。しかし、抗癌剤を用いた経口的治療は、容易な投与、より高い患者の服薬率、及びコストの軽減と当該患者の生活の質の増加という利点が理由で、現在興味深いものである。例えば、患者は外来患者として経口治療を受けることができるであろう。
従って、癌治療のための経口薬剤は将来性を有しており、それらが過去に果たしてきたものよりも、より重要な役割を担うであろう。緩和的治療措置における中心的な考慮すべき事項となりつつある患者の嗜好及び生活の質の問題は、経口的に投与される薬剤の開発より先行する。静脈内(iv)投与は、癌患者の不快感とストレスの主要な源であり、質問された患者のおよそ90%が、主に臨床環境外での投与の利便性または静脈内アクセスに関する以前の問題についての現在の不安が理由で、iv化学療法に対して経口的化学療法への好みを示している。
本発明の重要な目的の一つは、経口投与後の、高い生体利用率、増強した抗癌活性、及び高レベルの安全性を示す、癌の治療のための化学療法用生成物を提供することである。
<泌尿生殖器癌>
泌尿生殖器系の悪性疾患は、(とりわけ)前立腺、膀胱、腎臓、及び精巣の癌からなる。これらの悪性疾患によってもたらされる問題は、他のすべてのタイプの癌を治療する際に研究者及び臨床医が直面する問題に匹敵する。肺癌の発症と強く関連する喫煙は、膀胱癌の3分の1の原因であり、いくつかの研究は、肥満が大腸癌、乳癌、及び腎臓癌のリスクの増大と関係していることを示している。
<膀胱癌>
尿路の癌は、当該症例の90%が膀胱中に直接に、8%が腎盂中に、及び2%が尿管または尿道中に生じる。膀胱癌は、男性において4番目に、女性において8番目に一般的な癌である。男性における膀胱癌の25%は職業被爆に、50%は喫煙に関係していると推定されている。喫煙は、喫煙の休止後10年まで持続する重要な決定因子である。治療の選択は、疾患の程度:表在性、浸潤性、または転移性に基づく。併用化学療法を使用して、転移性疾患を治療する。尿路上皮性腫瘍は化学感受性であり、多くの単一薬剤が症例の20-30%において短期間の回帰をもたらす。一つの療法は、MVAC療法と呼ばれるものである。それは、メトトレキサート、ビンブラスチン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、及びシスプラチンの併用治療からなる。いくつかの薬剤を、次いで数ヶ月間、数週間おきに繰り返される薬剤とともに数日にわたり提供する。
<腎臓癌>
腎細胞癌は、腎臓から生じる悪性新生物の90-95%を占める。腎細胞癌は毎年30,000人を超える米国人を襲い、アメリカ合衆国における毎年ほぼ12,000人の死亡の原因である。腎細胞癌は、3歳程の幼い子供で報告されているが、50-70歳の成人で最も一般的に発症する。腎臓癌は、成人の悪性疾患のおよそ3%の原因であり、男性:女性の比率は1.5:1である。喫煙と腎細胞癌の発症との間には強い相関関係がある。腎細胞癌のリスクを増大させ得る立証されていない要因としては、多発性嚢胞腎疾患、真性糖尿病、及び慢性的透析を含む。腎細胞癌の85%までは透明細胞タイプのものであり、腎細胞癌の5-15%は乳頭組織学的変種である。腎臓の癌の治療の主な種類は、放射線療法も推奨されるが手術である。ある人々において、手術後または癌を外科的に除去できない場合のいずれかで、ホルモン治療または生物学的治療を用いることができる。非常に稀に、腎臓の癌は、いずれの治療もせずに自然発症的に改善するが、これは稀である。今までのところ、化学療法が腎臓の癌を治療するのに有用であることは示されていない。
<精巣癌>
精巣癌は主に、20-44歳の年齢群にいる若い男性を襲い、前記群において最も一般的な癌である。全体としては、精巣癌はあまり一般的ではない。精巣癌は治療に特によく応答し、10人中9人を超える患者が治癒する。原始胚細胞の悪性転換によって生じる、精巣の初期の胚細胞腫瘍(GCT)は、95%の精巣腫瘍をなす。この疾患は、罹病患者の若い年齢、当該腫瘍細胞の分化の全能性、及びその治癒可能性に関して注目すべきであり、すべての新規に診断された患者の90%を超える患者が治癒し、さらにシスプラチンベースの化学療法の出現以来、転移性疾患に罹患した患者の約70-80%が治癒する。
手術、放射線療法、及び化学療法は一般的に用いられる治療であり、当該癌のステージ及び拡散しているかどうかに依存する。化学療法は、非精上皮腫癌に対してより頻繁に用いられるが、さらに拡散している精上皮腫に対しても用いられる。精巣癌は、BEP、ブレオマイシン、エトポシド、及びシスプラチンの非常に頻繁に使用される組合せを用いて、薬剤の種々の組合せで治療され得る。
<前立腺癌>
前立腺癌は、アメリカ合衆国における男性において最も一般的な悪性疾患であり、55歳以上の男性における癌による死亡の3番目(肺及び大腸の癌に次ぐ)に一般的な原因である。2番目である放射線療法とともに、手術は初期ステージの前立腺癌に対して最も一般的な治療である。さらに、種々のホルモン療法の形態がある。前立腺癌細胞は、いくつかの他の種類の癌のように急速に増殖しない傾向がある。この理由のために、従来の化学療法薬は、それらが他の主要な癌のいくつかにおける程度に非常に有用であることは示されていない。それにもかかわらず、いくつかの標準的化学療法は、特に後期ステージの前立腺癌に有用であることが示されている。前立腺癌における使用のために、米国食品医薬品局によって認可された3つの化学療法薬:タキソテール(登録商標)(ドセタキセル)、ノバントロン(登録商標)(塩酸ミトキサントロン)、及びEmcyt(登録商標)(リン酸エストラムスチンナトリウム)があるが、他の癌に対して認可されている多くの非常に一般的な化学療法薬は、後期ステージの前立腺癌に対しては「認可されていない」基準で使用されている。化学療法は、典型的に、ホルモン療法にもはや応答しない進行したステージの前立腺癌に罹患した患者に使用される。これらの薬剤のうち、当該疾患に一貫して有用なものはない。前立腺癌に罹患した患者における最も一般的な転移部位は、骨とリンパ節である。骨転移は、それらが当該患者に激痛をもたらし得るという点で、特に厄介である。
<二次性骨肉腫>
二次性骨肉腫は、骨の中で始まるのではなく、原発腫瘍から骨へ拡散している癌細胞の結果である。時折、骨の一領域のみが影響を受けるが、他の人々においては、しばしば身体の種々の骨の中に多くの骨の二次的なものが発生する。任意の種類の癌が骨に拡散し得るが、最も一般的な種類は、乳房、前立腺、肺、腎臓、及び甲状腺の癌である。二次性骨肉腫の治療は、原発癌の種類に依存する。例えば、前立腺癌細胞は前立腺から剥がれ、骨へ向かう血液中を移動し、そこで成長及び増殖し始める。従って、骨中の癌細胞は、前立腺中の癌細胞と同じ種類の治療に応答するであろう。二次性骨肉腫は、身体中の任意の骨において発生し得るが、最も一般的に影響を受ける骨は、脊椎、肋骨、骨盤、頭蓋骨、並びに腕及び脚より上部の骨である。
<ヒ素及びその医学的使用>
ヒ素は、2400年以上の間、癌を含む多様な疾患を治療するために製薬剤として使用されているが、それは毒物及び発癌性作用因子でもある。20世紀における医学の急速な発展とともに、医学的ヒ素の使用は急速に減少した。三酸化ヒ素のみの毎日の静脈内投与は、新規に診断された及び再発した急性前骨髄球性白血病の患者の大多数において完全消失(complete response)をもたらすことが示された際に、ヒ素化合物への関心が回復した。さらなる治験が、血液性悪性疾患及び固形腫瘍、例えば前立腺癌及び膵臓癌等の患者において進行中である。三酸化ヒ素の欠点は、6週までの間、毎日1-4時間の点滴で静脈内に投与されるという点である。急性前骨髄球性白血病の患者における、三酸化ヒ素の経口調合物を用いたパイロット試験が進行中である。予備的結果は、有効性及び副作用は静脈内三酸化ヒ素に匹敵することを示している。急性前骨髄球性白血病の患者へ与えられた経口用四硫化テトラヒ素(tetra-arsenic tetrasulphide)を用いたパイロット試験について、同じことが示されている。従って、白血病及び固形腫瘍において、同様またはより優れた有効性、並びにより少ない副作用を有する経口ヒ素剤は、特に長期の治療を必要とする患者において、費用及び生活の質の有益性を有するであろう。
ヒ素は、化学的に不安定な硫化物または酸化物として、あるいはナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩として、三価及び五価の両方の酸化状態で存在する。亜ヒ酸ナトリウム及び三酸化ヒ素を含む三価のヒ素化合物は、利用可能な硫黄基を有する生体リガンドと反応することによって、多くの酵素を阻害する。五価のヒ素は、ミトコンドリアの酸化的リン酸化の脱共役剤である。従って、アポトーシスの活性化、活性酸素種の誘導、血管新生の阻害、並びに急性前骨髄球性白血病細胞においてはさらにPML-RARα融合タンパク質の分解によって、三酸化ヒ素が抗腫瘍活性を発揮することは驚くべきことではない。当該応答は、細胞の種類及びヒ素の形態に依存する。
1991年に国立ガン研究所は、三酸化ヒ素が、多様な癌細胞株において増殖を阻害し、且つアポトーシスを促進することを報告し、血液性悪性疾患、例えば急性前骨髄球性白血病、急性顆粒球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、慢性リンパ球性白血病、脊髄形成異常性症候群、及び多発性骨髄腫等における、その臨床的活性を評価するための研究プログラムを開始した。それはまた、固形腫瘍、例えば進行したホルモン抵抗性前立腺癌及び腎細胞癌等についての、並びに子宮頸癌及び膀胱の抵抗性移行上皮細胞癌についての研究も支援している。
固形腫瘍についての第二相試験を含む他の臨床試験が進行中である。期待できる前臨床データに基づき、固形腫瘍の治療のための三酸化ヒ素の可能性を検討するためのNCI支援の臨床試験が、進行中あるいは最終計画段階にある。
本発明は、泌尿生殖器疾患及び骨転移の治療を意図した製薬組成物、並びに前記疾患を治療する方法に関する。
従って、本発明は、ヒトにおける泌尿生殖器疾患及び骨転移の治療を意図した製薬組成物を提供し、前記製薬組成物は、有効量の亜ヒ酸アルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩及び/または製薬上許容し得るアジュバントを含む。
本発明によれば、前記亜ヒ酸アルカリ金属塩は、メタ亜ヒ酸ナトリウム(AsO2Na)またはメタ亜ヒ酸カリウム(AsO2K)である。
亜ヒ酸アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩の前記有効量は、1日あたり体重の0.0001-1500 mg/kg、好ましくは1-1000 mg/kg、より好ましくは1-150 mg/kg、さらに好ましくは50-100 mg/kgである。
前記製薬組成物は、好ましくは経口投与形態で存在し、前記経口投与形態は、製薬上許容し得るキャリア、希釈剤、または賦形剤を有する、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、及び/または液剤である。
前記泌尿生殖器疾患は、基本的に、前立腺、膀胱、腎臓、及び精巣の癌を含む。
本発明によれば、化学療法用生成物は、一般式(I)を有する亜ヒ酸ナトリウム塩を含む。
Figure 2008546640
さらに、本発明は、製薬上許容し得るキャリアまたは希釈剤とともに前記生成物を含む製薬組成物を含む。適切なキャリア及び希釈剤は、単位用量形態で及び経口投与向けの組成物の配合の原則であるように、公知である。
さらなる特徴点において、本発明は、動物またはヒトの身体における癌の治療方法を含み、前記方法は、前記身体への亜ヒ酸ナトリウム塩の同時の、別々の、または連続の投与を含む。
本発明者は、in vitroのヒト腫瘍細胞株のパネルにおける異なる原子価及びメチル化の3つのヒ素化合物:亜ヒ酸ナトリウム塩(As3+)、ジメチル亜ヒ酸(As5+)、及び亜ヒ酸(As5+)の可能性を調べた。驚くべきことに、亜ヒ酸ナトリウム塩は最も強力であり、in vivoヒト腫瘍モデルにおいて抗腫瘍活性を示し、新規のヒ素化合物として亜ヒ酸ナトリウム塩のさらなる開発を支持する。亜ヒ酸ナトリウム塩は驚くべきことに、As2O3よりもin vitroにおいて強力であり、白血病、黒色腫、及び乳癌株において差異的活性を示した。亜ヒ酸ナトリウム塩は驚くべきことに、ヒト癌細胞のテロメアを短縮し、細胞老化及び染色体異常を誘導し得るが、テロメラーゼ活性を直接的には阻害しない。当該効果は、亜ヒ酸ナトリウム塩がテロメアインヒビターであることを示している。亜ヒ酸ナトリウム塩は、i.v.及びp.o.の両投与の後に急速に吸収され、長期間血漿中に残留した。驚くべきことに、経口亜ヒ酸ナトリウム塩の生体利用率は、およそ100%であった。動物毒性試験は、主な標的器官が骨髄とリンパ器官であることを示した。従って、亜ヒ酸ナトリウム塩は経口的に投与され得る。それは、固形腫瘍または白血病に罹患した癌患者の長期治療において、最大耐量(MTD)以下の投与量レベルで、単独でまたは良好な生活の質を維持する他の治療様式と組み合わせて使用され得る。
本発明のこの化合物(NaAsO2)は、新規の抗癌剤として開発された。前記化合物は、in vitroにおける43のヒト腫瘍細胞株のパネルにおいて、0.6μMのIC50値を有する優れた細胞毒性活性を有する。白血病、乳癌、及び黒色腫由来の腫瘍細胞株において、明らかな選択性が観察された。一対一の比較では、亜ヒ酸ナトリウム塩は驚くべきことに、臨床的に使用されている薬剤の三酸化ヒ素よりも少なくとも15倍強力であり、且つより差異的活性を有した。5-フルオロウラシル(5-FU)またはビンブラスチンと組み合わせた亜ヒ酸ナトリウム塩は、付加的な効果をもたらし得る。亜ヒ酸塩中のカリウムは、細胞毒性活性を低下させる。
In vivoにおける亜ヒ酸ナトリウム塩(経口及び腹腔内)は驚くべきことに、2/7の皮下に移植されたヒト腫瘍異種移植片(腎細胞癌RXF 944LX及び乳癌MAXF 401)において、ぎりぎりの活性であった。一般に、亜ヒ酸ナトリウム塩の最も高い有効性は、最大耐量(MTD)の1/3-2/3の用量で得られた。当該化合物の有効性は、5日以上の連日投与を用いることによって、断続的な計画(4日おき×3、週1回×3)と比較して良好であった。
驚くべきことに、経口亜ヒ酸ナトリウム塩は、14日間連続した2.5、10、12.5、15、17.5、及び20 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩カプセル剤を用いた治療後、泌尿生殖器癌、主に前立腺転移及び骨転移に悩む癌患者において高い治療効果を示した。
驚くべきことに、当該患者のすべては、有害事象(AE)または重篤有害事象(SAE)を生じることなく、当該亜ヒ酸ナトリウム塩に極めてよく耐容性を示した。当該医薬試験は、任意の患者の幸福感を妨害するものを全くもたらさなかった。当該試験の経過の間、任意の患者のECG活性、聴力検査、または神経学的検査に変化はなかった。
驚くべきことに、本発明の化合物の亜ヒ酸ナトリウム塩は、三酸化ヒ素と比較して大きな治療上且つ安全上の利点を有する。三酸化ヒ素As2O3は、QT及び速度に対する補正QT間隔(QTC)を引き延ばすことが示されており、それによって当該患者は潜在的に致死的な心室性頻脈にかかりやすくなり、且つ完全な心房ブロックを生じ得る。
さらに、三酸化ヒ素で治療された患者の10%以上に生じる有害事象は、疲労、発熱、浮腫、胸痛、硬直、注入部位での反応(すなわち、痛み、発疹、浮腫)、脱力、体重増加、吐き気、摂食障害、食欲の減退、下痢または軟便、嘔吐、腹痛、消化不良、のどの痛み、便秘、低カリウム血症、低マグネシウム血症、血清AST(SGOT)及び/またはALT(SGPT)の増加、高カリウム血症、低カルシウム血症、頭痛、不眠症、知覚障害、めまい、振戦、咳、呼吸困難、鼻血、低酸素症、胸水、後鼻漏、喘鳴、呼吸音の減少、捻髪音、水泡音、皮膚炎、そう痒症、斑状出血、乾燥肌、発疹、発汗、頻脈、ECG異常、静脈洞炎、単純ヘルペス、上気道感染、関節痛、筋肉痛、骨痛、背痛、頸痛、下肢痛、白血球増加症、貧血、血小板減少症、好中球減少症(熱性であってもよい)、低血圧、高血圧、顔面紅潮、蒼白、不安、うつ病、眼球刺激、かすみ目、並びに膣出血を含む。
驚くべきことに、本発明の化合物である経口亜ヒ酸ナトリウム塩を用いることによって、これらの有害事象のいずれも観察されていない。
初期及び転移性の泌尿器系腫瘍及び/または骨転移の治療のための方法及び組成物を、本明細書に記載する。
本発明は部分的に、亜ヒ酸ナトリウム塩を含む組成物の経口投与のための用法に基づく。それはまた部分的に、特定の癌に対する本発明の亜ヒ酸ナトリウム塩の治療効果に基づく。
この発明は、哺乳動物における初期の固形腫瘍を治療する方法を含み、致死量でなく且つ治療上有効な量の亜ヒ酸ナトリウム塩の、単独または1つ以上の治療剤と組み合わせた、前記治療を必要とする哺乳動物への投与を含む。
本発明はさらに、哺乳動物における血液の疾患を治療する方法を含み、亜ヒ酸ナトリウム塩の、単独または1つ以上の治療剤と組み合わせたいずれかの、罹患した哺乳動物内への投与を含む。
本発明のヒ素化合物である亜ヒ酸ナトリウム塩を、例えば、塩として、有機/無機複合体として、有機キレート化合物として多様な既知の形態で使用することができ、または薬剤標的化システムでカプセル化することができる。
本発明は、in vivoにおいて当該亜ヒ酸ナトリウム塩の生物学的に活性のある形態へ変換される亜ヒ酸ナトリウム塩プロドラッグまたは化合物を含むと解されるべきである。前記プロドラッグを使用して、通常の製薬剤の毒性を低減または回避することができ、あるいは治療及び有効性を最適化することができる。亜ヒ酸塩ナトリウムを、合成または商業的に購入することができる。
我々の実施態様において、当該亜ヒ酸ナトリウム塩はカプセル剤に調製される。当業者は概して、使用されるべき亜ヒ酸ナトリウム塩の形態は、不当な毒性がなく治療上有効なものであるべきと解するであろう。
亜ヒ酸ナトリウム塩の任意の適切な投与経路は、経口投与、非経口投与、例えば静脈内、皮下、筋肉内、クモ膜下腔内、鼻腔内、直腸、または膣投与等を含むが、これに制限されない本発明に従って使用されてよい。また、当該腫瘍内へ直接的に、あるいは経皮性パッチまたは埋め込み装置(特に、徐放用)を通して投与することができる。さらに、局所的投与を用いてもよい。
使用されるべき製薬組成物は、無菌性の生理学的に許容し得る(水性または有機の)溶液、コロイド状懸濁液、クリーム剤、軟膏剤、糊状剤、カプセル剤、カプレット剤、錠剤、及びカシェ剤の形態であってよい。さらに、遅延性の徐放または持続放出の投与形態も含まれると認識されるべきである。
本発明のヒ素化合物を、中枢神経系、乳房、大腸、卵巣、腎臓、肺、肝臓、膀胱、前立腺、及び頭頸部の初期及び転移性腫瘍を含むが、これに制限されない種々の初期及び転移性腫瘍性疾患に対して使用することができる。
<製薬用調合物>
従って、本発明は、治療上有効な量の、以下の一般式(I):
Figure 2008546640
によって表される亜ヒ酸ナトリウム塩、細胞増殖性疾患の治療のための薬剤の製造に用いられるその製薬上許容し得る塩、並びに1つ以上の製薬上許容し得るアジュバント、賦形剤、キャリア、緩衝剤、希釈剤、及び/または通例の製薬助剤を含む製薬抗癌組成物に関する。本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物を製薬上許容し得る調合物中に施すことができる。本発明は、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、またはビーズの形態の合成または天然ポリマー等の任意の製薬上許容し得る調合物、並びに水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、合成膜小胞、及び再封赤血球を含む脂質ベースの調合物に関する。前記化合物及び前記製薬上許容し得るポリマーに加えて、本発明の方法に使用される製薬上許容し得る調合物は、さらなる製薬上許容し得るキャリア及び/または賦形剤を含んでよい。本明細書で使用されるように、製薬上許容し得るキャリアは、生理学的に適合性である任意及びすべての溶剤、分散媒、コーティング剤、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、及び吸収遅延剤等を含む。賦形剤は、製薬上許容し得る安定化剤及び崩壊剤を含む。別の実施態様において、当該製薬上許容し得る調合物は、脂質ベースの調合物を含む。既知の脂質ベースの送達系のいずれかを、本発明の実施に使用することができる。例えば、多小胞状リポソーム(MVL)、多層状リポソーム(多層状小胞またはMLVとしても知られる)、並びに小さな単層状リポソーム(単層状小胞またはSUVとしても知られる)及び大きな単層状リポソーム(大きな単層状小胞またはLUVとしても知られる)を含む単層状リポソームをすべて、当該カプセル化化合物の徐放速度が確立され得る間、使用することができる。一実施態様において、当該脂質ベースの調合物は多小胞状リポソーム系であってよい。合成膜小胞の組成物は、通常ステロイド、特にcholcompoundolと組み合わせた、通常リン脂質の組合せである。他のリン脂質または他の脂質を使用してもよい。合成膜小胞の生成に役立つ脂質の例としては、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、及びガングリオシドを含む。好ましくは、卵のホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルグリセロールを含むリン脂質を使用する。別の実施態様において、当該化合物を含む組成物を、生体吸収性マトリックス中に合体または浸潤させてよい。さらに、前記マトリックスは前記バイオポリマーを含んでよい。本発明に適切なバイオポリマーは、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、フィブリン、セルロース、ゼラチン、ポリリジン、エチノネクチン、エンタクチン、トロンボスポンジン、ウボモルリン、バイグリカン、デコリン、及びデキストランからなる群から選択される1つ以上の高分子をさらに含んでよい。これらの高分子のバイオポリマー内への配合は、当該技術分野において公知である。好ましい実施態様において、当該治療用組成物は、治療目的のためにヒト患者へ投与した場合に免疫原性がない。
本発明の治療用組成物は、その中に当該成分の製薬上許容し得る塩を含んでよい。製薬上許容し得る塩は、例えば塩酸またはリン酸等の無機酸、あるいは酢酸、酒石酸、及びマンデル酸等の有機酸で形成される酸付加塩を含む。生理的に許容し得るキャリアは当該技術分野において公知である。典型的な液体キャリアは、当該活性成分及び水に加えて何の原料も含まない、あるいは生理的pH値のリン酸ナトリウム等の緩衝液、生理食塩水、または両方、例えばリン酸緩衝食塩水等を含む無菌水溶液である。さらに、水溶性キャリアは、1つ以上の緩衝塩並びに塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、デキストロース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び他の溶質等を含んでよい。液体組成物はさらに、水に加えて及び水を除いた液相を含んでよい。典型的なそのような付加的液相は、グリセリン、綿実油等の植物油、オレイン酸エチル等の有機化合物、及び水油エマルジョンである。治療用組成物は、本発明のポリペプチド、典型的に、治療用組成物の総重量あたり少なくとも0.1重量%の量のポリペプチドを含む。重量%は、組成物全体に対するポリペプチドの重量による比率である。従って、例えば0.1重量%は、100 gの組成物全体あたり0.1 gのポリペプチドのことである。
用語「製薬上許容し得る塩」は、遊離塩基の生物学的効果及び性質を維持し、且つ塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸等の無機酸との反応によって得られる化合物の塩を表す。当該活性成分を含む製薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、舐剤、水性若しくは油性懸濁剤、分散性の粉剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬若しくは軟カプセル剤、またはシロップ剤若しくはエリキシル剤の形態であってよい。経口使用を意図した組成物を、製薬組成物の製造のための当業者に既知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、製薬上洗練され且つ風味のよい調製物を提供するために、甘味剤、香料、着色剤、及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含んでよい。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の製薬上許容し得る賦形剤と混合して活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム等;造粒剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸等;結合剤、例えばスターチ、ゼラチンまたはアカシア等;並びに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク等であってよい。前記錠剤はコーティングされない、または既知の技術によってコーティングされ消化管中での崩壊及び吸収を遅らせ、それによってより長時間にわたり持続した作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリン等の時間遅延原料を使用することができる。それらをさらに、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号、及び第4,265,874号に記載の技術によってコーティングして、徐放のための浸透性治療錠剤を形成することができる。製薬組成物はさらに、あるいは、調節剤に連結され得る、または当該組成物内で遊離していてよい1つ以上の薬剤を含んでよい。実際上、任意の薬剤は、以下に記載の種々の目的のために、本明細書に記載の調節剤と組み合わせて投与され得る。調節剤とともに投与され得る薬剤の種類の例としては、鎮痛剤、麻酔剤、抗狭心症薬、抗真菌剤、抗生物質、抗癌剤(例えば、タキソールまたはマイトマイシンC)、抗炎症剤(例えば、イブプロフェン及びインドメタシン)、駆虫剤、抗うつ剤、解毒剤、制吐剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗マラリア薬、微小管阻害剤(例えば、コルヒチンまたはビンカアルカロイド)、抗片頭痛薬、抗菌剤、抗精神病薬、解熱剤、防腐剤、抗シグナル伝達剤(例えば、プロテインキナーゼCインヒビターまたは細胞内カルシウム動員インヒビター)、抗関節炎薬、抗トロンビン剤、抗結核薬、鎮咳薬、抗ウイルス剤、食欲抑制剤、心臓作用薬、薬物依存薬、下剤、化学療法剤、冠拡張薬、脳血管拡張薬、末梢血管拡張薬、避妊薬、抑制剤、利尿薬、去痰薬、成長因子、ホルモン剤、睡眠薬、免疫抑制剤、麻薬拮抗薬、副交感神経興奮薬、鎮静剤、興奮剤、交感神経興奮薬、毒素(例えば、コレラ毒素)、精神安定剤、及び泌尿器抗感染薬を含む。
経口使用のための調合物は、当該活性成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンと混合された硬ゼラチンカプセル剤として、あるいは当該活性成分が水または油溶媒、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油と混合された軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合した活性剤を含む。前記賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアカシアガムであり、分散剤または湿潤剤は、天然に生じるホスファチド、例えばレシチン、または脂肪酸を有するアルキレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシレンステアレート、または長鎖脂肪族アルコールを有するエチレンオキシドの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分的化合物を有するポリオキシエチレンのような、脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分的化合物を有するエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。前記水性懸濁剤はさらに、1つ以上の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル、1つ以上の着色剤、1つ以上の香料、及び1つ以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンを含んでよい。
油性懸濁剤を、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはココナッツ油中に、あるいは鉱物油、例えば流動パラフィン中に当該活性成分を懸濁することによって配合することができる。前記油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールを含んでよい。前記に示された甘味剤及び香料を添加して、風味のよい経口調製物を提供することができる。これらの組成物を、アスコルビン酸等の抗酸化剤の添加によって保存することができる。
水の添加による水性懸濁剤の調製に適した分散性の粉剤及び顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存剤と混合した当該活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、及び懸濁化剤が例示され、例えば甘味剤、香料、及び着色剤も存在してよい。
本発明の製薬組成物はさらに、水中油型エマルジョンの形態であってよい。当該油性相は、植物油、例えばオリーブ油若しくはラッカセイ油、または鉱物油、例えば流動パラフィン、あるいはこれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、天然に生じるガム、例えばアカシアガムまたはトラガカントゴム、天然に生じるホスファチド、例えば大豆、レシチン、並びに脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する化合物または部分的化合物、例えばソルビタンモノオレアート、及び前記部分的化合物とエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。前記エマルジョンはさらに、甘味剤及び香料を含んでよい。
シロップ剤及びエリキシル剤を、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースで配合することができる。そのような調合物はさらに、粘滑剤、保存剤、香料、及び着色剤を含んでよい。当該製薬組成物は、無菌性注入用水性または油性懸濁剤の形態であってよい。この懸濁剤を、前述のような、適切な分散剤、湿潤剤、及び懸濁化剤を用いる既知の技術に従って配合することができる。前記無菌性注入用調製物はまた、無菌性注入用溶液中に、あるいは無毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶剤、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液中にあってよい。使用され得る溶媒及び溶剤は、水、リンガー溶液、及び等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌性不揮発性油が、溶剤または懸濁化剤として従来的に使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸等の脂肪酸は注入剤の調製における使用を見出している。
1日あたり体重kgあたり約0.05-140 mgのオーダーの投与量レベルが、前記の状態の治療に有用である(1日あたり患者あたり約2.5 mg-7 g)。例えば炎症を、1日あたり体重kgあたり約0.01-50 mgの当該化合物の投与によって効果的に治療することができる(1日あたり患者あたり約0.5 mg-3.5 g)。1回の投与形態を生成するための、当該キャリア原料と組み合わされ得る活性成分の量は、治療される宿主及び投与の特定様式に依存して変化する。例えば、ヒトの経口投与を意図した調合物は、当該組成物全体の約5-95%変化し得る。単位用量形態は、一般的に、約1-500 mgの活性成分を含む。しかし、任意の特定の患者に対する固有の投与量レベルは、使用される特定化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排せつ速度、薬剤の組合せ、及び治療を受ける特定の疾患の重症度を含む種々の要因に依存すると理解されるであろう。本発明に係る化合物の効果的な投与量は、特定の化合物、毒性、阻害活性、治療される状態、及び前記化合物が単独または他の治療とともに投与されるかどうかを含む要因に依存して変化する。典型的に、有効な投与量は、約0.0001-1500 mg/kg、好ましくは1-1000 mg/kg、より好ましくは体重の約1-150 mg/kg、さらに好ましくは体重の約50-100 mg/kgの範囲であろう。本発明はさらに、前述の病態の治療のための工程または方法に関する。本発明の化合物を、予防的または治療的に、好ましくは前記疾患に対して有効な量で、前記治療を必要とする温血動物、例えばヒトに投与することができ、前記化合物は、好ましくは製薬組成物の形態で使用される。
製薬上許容し得る賦形剤及びキャリア溶液の配合は、例えば経口、非経口、静脈内、鼻腔内、及び筋肉内投与、並びに配合を含む種々の治療計画において、本明細書に記載の特定組成物を用いることに対する適切な投薬及び治療計画の開発のように、当該技術分野において公知である。
<経口送達>
特定の用途において、本明細書に記載の製薬組成物を、動物への経口投与によって送達することができる。例えば、これらの組成物を不活性希釈剤とまたは吸収可能な食用キャリアで配合することができ、あるいはそれらを硬殻または軟殻ゼラチンカプセル剤中に封入することができ、あるいはそれらを錠剤中に圧縮することができ、あるいはそれらを食事の食品と直接組み合わせることができる。
当該活性化合物をさらに賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤等の形態で使用することができる。当該錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤等は、以下の:結合剤、例えばトラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン等;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム等;崩壊剤、例えばコーンスターチ、じゃがいもデンプン、アルギン酸等;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム等;並びに甘味剤、例えばスクロース、ラクトース、またはサッカリン等をさらに含んでよく、香料、例えばペパーミント、ウインターグリーン油、またはサクランボの香味を添加してもよい。当該単位用量形態がカプセル剤である場合、それは、前記の種類に加えて液体キャリアを含んでよい。コーティング剤として、さもなければ当該単位用量の物理的形態を修飾するために、種々の他の原料が存在してよい。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤を、セラック、糖、または両方でコーティングすることができる。エリキシル剤のシロップは、当該活性化合物、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのパラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピル、色素、並びにサクランボまたはオレンジの香味等の香料を含んでよい。当然、任意の単位用量形態を調製するのに使用される任意の原料は、製薬上不純物を含まず、且つ使用される用量で実質的に無毒性であるべきである。さらに、当該活性化合物を、徐放調製物及び調合物に組み入れることができる。
典型的に、これらの調合物は、少なくとも約0.1%あるいはそれ以上の当該活性化合物を含んでよいが、ただし前記活性成分のパーセンテージは、当該調合物全体の重量または容量の約1%または2%と約60%または70%の間で当然変化してよく、且つ都合よくその範囲にあって良い。当然ながら、調製され得るそれぞれの治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、前記化合物の任意の所与の単位用量で適切な投与量が得られるような量である。可溶性、生体利用率、生物学的半減期、投与経路、生成物保存寿命、並びに他の薬理学的な検討事項等の要因は、そのような製薬調合物を調製する当業者によって考慮され、例えば、種々の投薬及び治療計画は望ましいかもしれない。
経口投与のために、もう一つの方法として本発明の組成物を、うがい剤、歯磨き剤、バッカル錠、経口噴霧剤、または舌下に経口投与される調合物の形態の1つ以上の賦形剤と組み合わせることができる。例えばうがい剤を、例えばホウ酸ナトリウム溶液(ドーベル液)等の適切な溶剤中に、必要とされる量の当該活性成分を組み込むことによって調製することができる。あるいは、当該活性成分を、例えばホウ酸ナトリウム、グリセリン、及び炭酸水素カリウムを含むもの等の経口溶液中に取り込むことができ、または歯磨き剤中に分散させることができ、または治療上有効な量で、水、結合剤、研磨剤、香料、起泡剤、及び保湿剤を含んでよい組成物に加えることができる。あるいは、当該組成物を、舌下に置くことができるまたはさもなければ口中で溶解し得る、錠剤または溶液の形態にすることができる。
<注入用送達>
ある状況において、本明細書に開示される製薬組成物は、非経口的に、静脈内に、筋肉内に、または腹腔内に送達されることが望ましい。フリーベースまたは製薬上許容し得る塩としての当該活性化合物の溶液を、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と適切に混合された水中に調製することができる。分散剤もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中、並びに油中に調製することができる。保存及び使用の通常の条件下で、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐために保存剤を含む。
注入用の使用に適した製薬形態は、無菌性水溶液または分散液、及び無菌性注入用溶液または分散液の即時調製のための無菌性粉剤を含む。すべての場合において、当該形態は滅菌されているべきであり、且つ容易な注入性がある程度に流動性であるべきである。それは、製造及び保存の条件下で安定であるべきであり、且つ細菌類及び真菌類等の微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。当該キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)を含む溶剤または分散媒、それらの適切な混合物、及び/または植物油であってよい。適切な流動性を、例えばレシチン等のコーティング剤の使用によって、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の活動の阻害を、種々の抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、及びチロメサール等によって促進することができる。多くの場合、例えば糖または塩化ナトリウム等の等張性剤を含むことが好ましい。注入用組成物の持続的吸収は、前記組成物における吸収を遅らせる薬剤、例えばアルミニウムモノステアレート及びゼラチンの使用によってもたらされ得る。
水溶液での非経口投与のために、例えば、当該溶液を必要であれば適切に緩衝処理すべきであり、液体希釈剤をまず十分な生理食塩水またはグルコースで等張性にすべきである。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用され得る無菌性水媒体は、本開示内容を踏まえて当業者に既知であろう。例えば、一投与量を、1mLの等張性NaCl溶液に溶解し、且つ1000mLの皮下注入用流体に添加あるいは注入の予定部位に注射することができる。投与量のいくらかの変更は、治療される患者の状態に依存して必然的に生じるであろう。いずれの場合においても、投与の責任者が個々の被験者に適切な用量を決定するであろう。さらに、ヒトの投与に対して、調製物は、無菌性、発熱性、及び一般的安全性、並びに生物製剤基準についての国または地域の当局によって要求される純度基準を満たすべきである。
無菌性注入用溶液は、適切な溶剤中に必要とされる量の当該活性化合物を、前記に列挙された他の成分のいくつかと組み合わせ、次いで必要に応じてフィルター滅菌を行うことによって調製される。一般に、分散剤は、種々の無菌性活性成分を、基本的分散媒と前記に列挙された必要とされる他の成分とを含む無菌性媒体と組み合わせることによって調製される。無菌性注入用溶液の調製のための無菌性粉剤の場合、好ましい調製方法は、当該活性成分と任意のさらなる所望の成分の粉末を、あらかじめフィルター滅菌されたその溶液から生成する真空乾燥及び凍結乾燥技術である。
本明細書に開示される組成物は、中性または塩の形態で配合されてよい。製薬上許容し得る塩は、例えば塩酸またはリン酸等の無機酸、あるいは酢酸、シュウ酸、酒石酸、及びマンデル酸等の有機酸で形成される酸付加塩(当該タンパク質の遊離アミノ基で形成された)を含む。遊離カルボキシル基で形成された塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄等の無機塩基、並びにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、及びプロカイン等の有機塩基に由来してもよい。配合の際、投与量の配合に適合した方法且つ治療上有効な量で溶液を投与する。当該調合物は、注入用溶液、薬物放出カプセル剤等の種々の投与形態で容易に投与される。
本明細書で使用される「キャリア」は、任意の及びすべての溶剤、分散媒、媒体、コーティング剤、希釈剤、抗細菌剤、抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、緩衝剤、キャリア溶液、懸濁剤、及びコロイド等を含む。製薬用活性物質のための前記溶媒及び薬剤の使用は、当該技術分野において公知である。任意の従来的溶媒または薬剤が当該活性成分に適合しない場合を除いて、当該治療組成物におけるその使用は考慮される。補助的活性成分を当該組成物中に組み込むこともできる。
語句「製薬上許容し得る」は、ヒトへ投与された場合、アレルギー性または類似の有害反応を生じない分子実体及び組成物を表す。活性成分としてタンパク質を含む水性組成物の調製は、当該技術分野において十分に理解されている。典型的に、そのような組成物は、溶液または懸濁液、溶液または懸濁液に適した固形形態のいずれかのような注入剤として調製され、注入前に液体を調製することもできる。当該調製物をさらに乳状にすることもできる。
<経鼻送達>
ある実施態様において、鼻内噴霧、吸入、及び/または他のエアロゾル送達手段によって当該製薬組成物を送達してよい。同様に、鼻腔内用微粒子樹脂及びリソホスファチジルグリセロール化合物を用いる薬剤の送達も、製薬分野において公知である。
<標的となる癌>
治療される被験者は、典型的に哺乳動物を含み、非常に好ましくはヒト被験者、例えばヒト癌被験者である。本発明の化合物を、単独または組み合わせて使用することができる。さらに、投与化合物を他の種類の治療とともに使用することができる。例えば、対象化合物を、他の化学療法剤、例えばタモキシフェン、タキソール、メトトレキサート、生物製剤、例えば抗体、成長因子、またはリンフォカイン等、放射線等とともに使用することができる。併用治療は、相乗効果をもたらし得る。好ましい指標は、特にすでに同定されている癌である。
本明細書で提供される組成物及び方法は、特に、例えば乳房、中枢神経系、大腸、卵巣、腎臓、肺、肝臓、膀胱、前立腺、頭頸部等の固形腫瘍を含む初期及び転移性新生腫瘍の治療に有用であると考えられる。とりわけ、本発明の組成物及び方法によって治療され得る腫瘍は、上皮由来の腫瘍、例えば、肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸系:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌)、胃癌、大腸癌;泌尿生殖器系:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌);骨:骨原性肉腫(骨肉腫);神経系:神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、グリア芽腫、乏突起膠腫;婦人科系:頸部(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部形成異常);血液系:血液(顆粒球性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫;並びに腺及び管:腺癌、乳頭状癌及び乳頭状腺癌を含むが、これに制限されない。従って、本明細書で提供される用語「癌性細胞」は、前記に特定された症状のいずれか1つに罹患した細胞を含む。
用語「白血病」は、造血臓器の進行性の悪性疾患を広範囲に表し、且つ一般的に、血液及び骨髄中の白血球及びそれらの前駆体の乱れた増殖及び成長を特徴とする。白血病は、一般的に、(1)疾患の急性または慢性の持続期間及び性質、(2)関与する細胞の種類:脊髄(脊髄性)、リンパ球系(リンパ行性)、または単球、並びに(3)血液−白血病または亜白血病(aleukaemic/ subleukaemic)中の異常細胞数の増加または非増加に基づいて臨床的に分類される。P388白血病モデルは、in vivoにおける抗白血病活性を予測するものとして広く受け入れられている。P388アッセイにおいて陽性を示す化合物は、概して、治療される白血病の種類に関わらずin vivoにおいてあるレベルの抗白血病活性を示す。従って、本発明は、白血病を治療する方法、好ましくは、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞性白血病、亜白血病性白血病(aleukaemic leukaemia)、白血球性白血病、好塩基球性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄球性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、ヘアリー細胞白血病、血芽球性白血病、血球芽細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性白血病、リンパ球系白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、骨髄巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血病性白血病(subleukaemic leukaemia)、及び未分化細胞性白血病を治療する方法を含む。
用語「肉腫」は、胎生結合組織様の物質から構成される腫瘍を一般的に表し、且つ一般的に線維性または均質な物質中に埋め込まれた緊密に詰め込まれた細胞から構成される。本発明の化合物、並びに任意的に増強剤及び/または化学療法剤で治療され得る肉腫は、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、Abemethy肉腫、脂肪性肉腫、脂肪肉腫、胞状軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍性肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞性肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽細胞性肉腫、T細胞の免疫芽細胞性肉腫、イェンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨性骨肉腫、網赤血球性肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢腫性肉腫、滑膜肉腫、及び毛細血管拡張性肉腫を含む。
用語「黒色腫」は、皮膚及び他の臓器のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味すると解される。前記化合物、並びに任意的に増強剤及び/または別の化学療法剤で治療され得る黒色腫は、例えば、末端性黒子性黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング−パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫、爪下黒色腫、及び表在拡大型黒色腫を含む。
用語「癌」は、周辺組織に浸潤し、且つ転移を生じる傾向のある上皮細胞から構成される悪性新生物を表す。前記化合物、並びに任意的に増強剤及び/または化学療法剤で治療され得る例示的癌は、例えば、細葉細胞癌、腺房細胞癌、腺細胞癌、腺様嚢胞癌、腺腫性癌(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質癌、肺胞癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌、基底細胞性癌(carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底有棘細胞癌、細気管支肺胞癌、細気管支癌、気管支原性癌、大脳様癌(cerebriform carcinoma)、胆管細胞癌、絨毛細胞癌、コロイド状癌、コメド癌、内体癌(corpus carcinoma)、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円筒状癌、円筒細胞癌、腺管癌、緻密性癌(carcinoma durum)、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌、咽頭扁桃上皮癌、外方増殖性癌、潰瘍癌、繊維状癌、ゼラチン状癌、ゼラチン様癌、巨細胞癌、巨細胞性癌、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母癌、血液様癌、幹細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、ガラス様癌、副腎様癌、乳児性胎児性癌、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌、Krompecher癌、Kulchitzky細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌、レンズ性癌、脂肪腫性癌、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟性癌(carcinoma molle)、粘液性癌、粘液分泌性癌(carcinoma muciparum)、粘液細胞性癌、粘液性類表皮癌、粘液性癌(carcinoma mucosum)、粘膜癌、粘液腫様癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、骨様癌、乳頭状癌、門脈周辺癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、糊状癌、腎臓の腎細胞癌、貯蔵細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、ソラノイド癌(solanoid carcinoma)、球状細胞癌、紡錘体細胞癌、多孔性癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、ひも癌(string carcinoma)、毛細血管拡張性癌、毛細血管拡張様癌、移行上皮癌、結節性癌(carcinoma tuberosum)、結節状癌、疣状癌、及び絨毛性癌を含む。
本発明に係る化合物で治療し得るさらなる癌は、例えば、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、小細胞肺腫瘍、原発性脳腫瘍、胃癌、大腸癌、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前癌皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸癌、子宮内膜癌、副腎皮質癌、及び前立腺癌を含む。
特定の実施態様において、本発明は、当該腫瘍性疾患の進行を阻止するために、肝臓へ転移した大腸癌に罹患した個体において腫瘍特異的免疫性を増強するための組成物及び方法を提供する。これらの腫瘍性疾患を治療する好ましい方法は、腫瘍細胞に対する免疫応答を誘発する、ヒ素の組成物を投与する工程を含む。
別の特定の実施態様において、本発明は、当該腫瘍性疾患の進行を阻止し、且つすべての前癌細胞及び腫瘍細胞を最終的に照射するために、肝細胞癌に罹患した個体において特異的免疫性を増強するための組成物及び方法を提供する。
最後に、本発明は、女性における前癌乳腺細胞及び腫瘍乳腺細胞に対する特異的免疫性を増強するための組成物及び方法を提供する。本発明はさらに、癌細胞の増殖及び転移を阻害するための組成物及び方法を提供する。これらの組成物を、単独、あるいは互いにまたは生物反応修飾物質と組み合わせて適用することができる。
以下の章は、癌患者を使用した亜ヒ酸ナトリウム塩を含む製薬組成物のin vivoにおける試験を記載する。当該結果は、経口的に投与された亜ヒ酸ナトリウム塩が泌尿生殖器癌の治療に有効であることを示す。
[方法と材料]
前立腺及び/または泌尿生殖器癌に罹患した癌患者を、経口亜ヒ酸ナトリウム塩を用いたICH-GCP臨床試験において治療した。前記患者は泌尿生殖器癌、主に前立腺癌及び骨転移に罹患しており、任意の確立した治療方法に影響を受けにくく、7の異なる投与量レベルにわたる亜ヒ酸ナトリウム塩を用いて治療した。亜ヒ酸ナトリウム塩は、ヒト癌細胞のテロメアを短縮し得るテロメア毒として作用し、テロメラーゼ活性を阻害せずに染色体異常を引き起こすと考えられている。
以下の投与量レベルの治療計画に従って、14日間連続して毎日、亜ヒ酸ナトリウム塩を投与した。
治療レベル1:各2.5 mgのメタ亜ヒ酸ナトリウムを毎日(24時間おきに)1カプセル
朝食前
治療レベル2:各2.5 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩を毎日2カプセル
1カプセルを朝食前、1カプセルを夕食前
治療レベル3:各2.5 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩を毎日4カプセル
1カプセルを朝食前、2カプセルを昼食前、1カプセルを夕食前
治療レベル4:各2.5 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩を毎日5カプセル
2カプセルを朝食前、2カプセルを昼食前、1カプセルを夕食前
治療レベル5:各2.5 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩を毎日6カプセル
2カプセルを朝食前、2カプセルを昼食前、2カプセルを夕食前
患者の来診を、服薬率、毒性、及び安全性のコントロールのために計画し、以下のように実施した。
来診1:-7日目〜0日目(治療の開始)の間そのままにした。
来診2:メタ亜ヒ酸ナトリウムを用いた治療の初日
来診3:亜ヒ酸ナトリウム塩を用いた治療の8日目
来診4:亜ヒ酸ナトリウム塩を用いた14日間連続した治療の完了(およそ24時間)後の15日目
来診5:亜ヒ酸ナトリウム塩を用いた14日間連続した治療の完了(およそ7日)後の22日目
来診6:亜ヒ酸ナトリウム塩を用いた14日間連続した治療の完了(およそ28日)後の42日目
以下の標的パラメーター:毒性プロファイル、有効性、肝臓酵素パラメーター(GOT、GPT、α-GT、AP)、腎機能、血液学的機能、腫瘍マーカーの評価(CEA及びPSA)、及び亜ヒ酸ナトリウム塩の薬物動態をこの試験の間に査定した。
[結果]
以下は、この試験に関わった各患者に対する臨床所見の概要である。報告された所見は、腫瘍マーカーのCEA(癌胎児性抗原)及びPSA(前立腺特異抗原)に対する値、並びに有効性、毒性、及び安全性に対する結果を含む。
表1及び表2は、PSA及びCEA値に関する患者の詳細についての概要を示す。
表1:亜ヒ酸ナトリウム塩の投与量群1、3、及び5
Figure 2008546640
表2:亜ヒ酸ナトリウム塩の投与量群2及び4
Figure 2008546640
驚くべきことに、当該患者すべてが亜ヒ酸ナトリウム塩に極めてよく耐容性を示した。いずれの有害事象(AE)または重篤有害事象(SAE)も生じなかった。当該医薬試験は、任意の患者の幸福感を妨害するものを全くもたらさなかった。前記試験の経過の間、任意の患者のECG活性、聴力検査、または神経学的検査に変化はなかった。前記患者のいずれも、亜ヒ酸ナトリウム塩を用いた治療前に放射線療法は受けていなかった。当該亜ヒ酸ナトリウム塩は、高レベルの有効性を示した。
<実施例1:患者K. F.>
組織学的所見:進行性、手術不可能、直腸粘膜壁の浸潤を有する固形前立腺癌、11.02.2004
ステージ:デュークスC、pT 4グリソンスコア6
(治療)
前記患者は、心筋梗塞及び冠状動脈ステントの移植を有する冠状動脈性心臓病に罹患しているため、根治的な前立腺精巣切除術を実施することはできず、LHRHアンタゴニスト(3ヶ月おきの1 profactの皮下(s.c.)注射)と経口抗アンドロゲン(昼食後に1×1/dの用量のアンドロクール錠)とを用いた完全なアンドロゲン除去を開始した。頻尿を改善するために緩和的な経尿道前立腺切除術(TURP)を2004年5月に実施した。
この患者は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩試験の投与量レベル1、3、及び5に参加した。この患者の結果は、3つの薬剤投与量レベルのすべてに対するPSAレベルの臨床的に有意な変化を示している。投与量レベル1(2.5 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩)は、0.29 ng/mLから0.16 ng/mLへのPSAの有意な減少を示した。この減少は、44.83%の腫瘍活性の低下に相当する。投与量レベル3(10 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩)は、0.16から0.18 ng/mLへのPSAの増加を示している。投与量レベル5(12.5 mgの亜ヒ酸ナトリウム塩)は、今度は0.17から0.18 ng/mLへの増加を再度示している。投与量レベル3または5はいずれも、腫瘍活性の有意な変化を全く示さなかった。
投与量レベル1は、20×35 mmから20×34 mmへの腫瘍サイズの減少を示した。投与量レベル3も20×35 mmから20×34 mmへの減少を示したが、投与量レベル5は20×34 mmからのサイズの変化を示さなかった。
二次的パラメーター(安全性パラメーター)は、当該投与量レベルのいずれにおいても臨床的に有意な結果を示さなかった。投与量群III及びV(来診3及び4)における亜ヒ酸ナトリウム塩の摂取の間に、肝臓トランスアミナーゼsGPT及びsGOTの可逆的増加が観察された。来診5において、トランスアミナーゼは正常値にほぼ回復した。この増加は、当該調査用亜ヒ酸ナトリウム塩の投与に関係していると考えられる。
投与量レベル1に対する臨床反応/進行についての評価/判断は、部分的反応というものであった。投与量レベル3及び5の両方に対して、当該疾患は安定性を示した。
<実施例2:患者G. R.>
組織学的所見:進行性、手術不可能、腺外腫瘍増殖を有する固形前立腺癌
ステージ:デュークスC、pT 4グリソンスコア4
(治療)
この患者は前立腺癌に罹患しているだけでなく、さらに腎細胞癌(その後、根治的腎摘出術によって治癒した)及び表在性膀胱癌(腫瘍の再発なし)に罹患していた。前記患者は、LHRHアンタゴニスト(3ヶ月おきの1 profactの皮下(s.c.)注射)と経口抗アンドロゲン(昼食後に1×1/dの用量のカソデックス錠)とを用いた完全なアンドロゲン除去の後のPSAレベルの持続的上昇により、当該試験に含まれた。
この患者は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩試験の投与量レベル1、3、及び5に参加した。この患者の結果は、3つの亜ヒ酸ナトリウム塩投与量レベルのすべてに対するPSAレベルの臨床的に有意な変化を示している。投与量レベル1は、1.61 ng/mLから0.37 ng/mLへのPSAの有意な減少を示した。この減少は、77.1%の腫瘍活性の低下に相当する。投与量レベル3及び5は、それぞれ0.37から0.12 ng/mL、0.11から0.07 ng/mLへのPSAの減少を示している。投与レベル3は、さらなる67.56%の腫瘍活性の低下を示したが、投与量レベル5は有意な変化を示さなかった。
投与量レベル1は、12.5×65 mmから0.8×30 mmへの腫瘍サイズの減少を示した。投与量レベル3も60×25 mmから50×25 mmへの前立腺腫瘍の減少を示したが、投与量レベル5はサイズの変化を示さなかった。
二次的パラメーター(安全性パラメーター)は、当該投与量レベルのいずれにおいても臨床的に有意な結果を示さなかった。トリグリセリドとコレステロールのレベルが上昇した先行試験は、当該試験の経過の間に変化しないものを検出していた。グルコースレベルは常に上昇していたように思われるが、これは血液プローブが常に、朝の贅沢な朝食後に採られていたため、栄養的な理由によって説明され得る。
3つすべての投与量レベルに対する臨床反応/進行についての評価/判断は、部分的反応というものであった。
<実施例3:患者E. S.>
組織学的所見:進行性、手術不可能、固形、嚢外腫瘍増殖を有するアンドロゲン抵抗性前立腺癌
ステージ:デュークスC、pT 4グリソンスコア4
(治療)
前立腺癌に罹患しているだけでなく、この患者はさらに直腸癌に罹患している。前記患者は、進行性且つ手術不可能な状況により含まれた。LHRHアンタゴニスト(3ヶ月おきの1 profactの皮下(s.c.)注射)を用いたアンドロゲン除去を実施した。
この患者は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩試験の投与量レベル1、3、及び5に参加した。この患者の結果は、3つの薬剤投与量レベルのすべてに対するPSAレベルの臨床的に有意な変化を示している。投与量レベル1及び3は、それぞれ0.24 ng/mLから0.11 ng/mL、及び0.11から0.08 ng/mLへのPSAの減少を示している。投与量レベル5は、0.09 ng/mLからの変化を示さなかった。投与レベル1は54.12%の腫瘍活性の低下を示し、投与量レベル3はさらなる67.56%の低下を示した。投与量レベル5は有意な変化を示さなかった。
投与量レベル1は、30×35 mmから30×30 mmへの腫瘍サイズの減少を示した。投与量レベル3及び5は、サイズの変化を示さなかった。
二次的パラメーター(安全性パラメーター)は、当該投与量レベルのいずれにおいても臨床的に有意な結果を示さなかった。sGPTの可逆的且つ僅かな増加が検出された。
投与量レベル1及び3に対する臨床反応/進行についての評価/判断は、部分的反応というものであった。投与量レベル5は疾患安定性を示した。
<実施例4:患者J. S.>
組織学的所見:進行性、手術不可能、腺外腫瘍増殖を有するアンドロゲン抵抗性固形前立腺癌
ステージ:デュークスC、pT 4グリソンスコア8
(治療)
当該患者は、アンドロゲン除去のための被膜下睾丸摘出術後のPSAレベルの持続的上昇により、当該試験に含まれた。
この患者は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩試験の投与量レベル1、3、及び5に参加した。この患者の結果は、3つの薬剤投与量レベルのすべてに対するPSAレベルの臨床的に有意な変化を示している。投与量レベル1は、0.19 ng/mLから0.21 ng/mLへのPSAの増加を示した。投与量レベル3及び5は、それぞれ0.21 ng/mLから0.27 ng/mLへのPSAの増加、及び0.27から0.24 ng/mLへのPSAの減少を示している。投与レベル1及び3は、腫瘍の進行の増加を示したが、投与量レベル5は有意な変化を示さなかった。
投与量レベル1は、30×30 mmから35×35 mmへの腫瘍サイズの増加を示した。投与量レベル3及び5は、30×35 mmからのサイズの変化を示さなかった。
二次的パラメーター(安全性パラメーター)は、当該投与量レベルのいずれにおいても臨床的に有意な結果を示さなかった。sGGTの上昇及び血小板増加の存在する先行試験は、当該試験の経過の間、変化しないままであった。
投与量レベル1及び3に対する臨床反応/進行についての評価/判断は、疾患の進行というものであった。投与量レベル5は当該亜ヒ酸ナトリウム塩に対する部分的反応を示した。
<実施例5:患者D. B.>
組織学的所見:膀胱頸部浸潤を有する根治的前立腺摘出術(ステージpT 2Cグリソン6)後の固形前立腺癌の局所的再発、手術不可能
ステージ:デュークスC、pT 4グリソンスコア6
(治療)
この患者は、根治的前立腺摘出術、及びLHRHアンタゴニスト(3ヶ月おきの1 profactの皮下(s.c.)注射)と経口抗アンドロゲン(昼食後に1×1/dの用量のカソデックス錠)を用いた完全なアンドロゲン除去の後のPSAレベルの持続的上昇により、当該試験に含まれた。
この患者は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩試験の投与量レベル1、3、及び5に参加した。この患者の結果は、薬剤投与量レベル1に対するPSAレベルの臨床的に有意な変化を示している。投与量レベル1は、0.45 ng/mLから0.04 ng/mLへのPSAの有意な減少を示した。この減少は、91.11%の腫瘍活性の低下に相当する。投与量レベル3及び5は、0.04 ng/mLからの変化を示さなかった。
腫瘍病変の測定結果は、標準的測定手段のいずれかによって得られなかった。
二次的パラメーター(安全性パラメーター)は、当該投与量レベルのいずれにおいても臨床的に有意な結果を示さなかった。肝臓トランスアミナーゼsGOT、sGPT、及びsGGTの可逆的増加が観察された。
投与量レベル1に対する臨床反応/進行についての評価/判断は、部分的反応というものであった。投与量レベル3及び5の両方に対し、当該疾患は当該亜ヒ酸ナトリウム塩に対する完全消失を示した。
<実施例6:患者H-W. S.>
組織学的所見:進行性、手術不可能、膀胱頸部及び骨盤壁における腺外腫瘍増殖及び骨転移の拡散を有する固形前立腺癌
ステージ:デュークスC、pT 4グリソンスコア9 M2
(治療)
前記患者は、全骨格に浸潤している多発性骨転移を有する検出された前立腺癌の進行した状況のために、当該試験に含まれた。LHRHアンタゴニスト(3ヶ月おきの1 profactの皮下(s.c.)注射)と経口抗アンドロゲン(昼食後に1×1/dの用量のカソデックス錠)とを用いた完全なアンドロゲン除去を実施した。
この患者は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩試験の投与量レベル2及び4に参加した。この患者の結果は、両薬剤投与量レベルに対するPSAレベルの臨床的に有意な変化を示している。投与量レベル2は、99.15%の腫瘍活性の低下を有する725 ng/mLから6.15 ng/mLへのPSAの減少を示し、一方、投与量レベル4は、40.32%のさらなる腫瘍活性の低下を有する6.15 ng/mLから3.67 ng/mLへのPSAの減少を示した。
投与量レベル2は、65×40 mmから15×30 mmへの腫瘍サイズの減少を示し、一方、投与量レベル4は、15×40 mmからのサイズの変化を示さなかった。
二次的パラメーター(安全性パラメーター)は、当該投与量レベルのいずれにおいても臨床的に有意な結果を示さなかった。前記患者の生活の質は、亜ヒ酸ナトリウム塩によって強力に改善された。当該試験の経過の間に、先行試験のsGGTの上昇は、アルコール消費により悪化していた。ヘモグロビン濃度は10.0から11.1 g/Lへ増加し、一方、PSAは725から3.67 ng/mLへ減少した。
両投与量レベルに対する臨床反応/進行についての評価/判断は、当該亜ヒ酸ナトリウム塩に対して部分的反応というものであった。
[結論]
全般的に、投与量レベル1、3、及び5に参加した患者は、大部分、彼らのPSAレベル及び腫瘍サイズの低下を示した。一人の患者は安定的な疾患状態を示したが、ほとんどの患者が当該亜ヒ酸ナトリウム塩に対する少なくとも部分的な反応を示した。投与量レベル2及び4における患者H-E. S.は、PSAレベルの劇的な減少とともに、当該亜ヒ酸ナトリウム塩治療に対する非常に明らかな反応(腫瘍活性の99.15%の低下)、並びに腫瘍サイズの相当な減少を示した。当該安全性(実験室用)パラメーターは、臨床的に有意な結果を示さなかった。当該亜ヒ酸ナトリウム塩は、驚くべきことに、AEまたはSAEを発生することなく、非常によく許容された。全般的に、当該経口亜ヒ酸ナトリウム塩は、低用量且つ比較的短い治療期間でさえ、前立腺及び/または泌尿生殖器癌、並びに骨転移の治療に対して驚くほど非常に肯定的な反応を示した。

Claims (19)

  1. ヒトにおける泌尿生殖器疾患及び骨転移の治療を意図した製薬組成物であって、有効量の亜ヒ酸アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩及び/または製薬上許容し得るアジュバントを含むことを特徴とする製薬組成物。
  2. 前記亜ヒ酸アルカリ金属塩がメタ亜ヒ酸ナトリウム(AsO2Na)またはメタ亜ヒ酸カリウム(AsO2K)であることを特徴とする、請求項1に記載の製薬組成物。
  3. 亜ヒ酸アルカリ若しくはアルカリ土類金属塩の前記有効量が、1日あたり体重の0.0001-1500 mg/kg、好ましくは1-1000 mg/kg、より好ましくは1-150 mg/kg、さらに好ましくは50-100 mg/kgであることを特徴とする、請求項1または2に記載の製薬組成物。
  4. 前記製薬組成物が経口投与形態で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の製薬組成物。
  5. 前記経口投与形態が、製薬上許容し得るキャリア、希釈剤、または賦形剤を有する錠剤、カプセル剤、粉剤、及び/または液剤であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の製薬組成物。
  6. 前記泌尿生殖器疾患が前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、及び精巣癌を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の製薬組成物。
  7. 罹患したヒトへ治療上有効な量の請求項1から6のいずれか一項に記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒトにおける転移性泌尿生殖器癌の治療方法であって、前記泌尿生殖器癌がとりわけ前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、及び精巣癌を含む方法。
  8. 罹患したヒトへ治療上有効な量の請求項1から6のいずれか一項に記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒトにおける黒色腫、乳癌、大腸癌、卵巣癌、腎臓癌、中枢神経系の癌、または肺癌の治療方法。
  9. 罹患したヒトへ治療上有効な量の請求項1から6のいずれか一項に記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒトにおける固形腫瘍の治療方法。
  10. 罹患したヒトへ治療上有効な量の請求項1から6のいずれか一項に記載の製薬組成物を投与することを特徴とする、ヒトにおける転移性固形腫瘍の治療方法。
  11. 前記腫瘍が、上皮組織、リンパ系組織、結合組織、骨、または中枢神経系の腫瘍である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記腫瘍が、食道の扁平上皮細胞癌、食道の腺癌、大腸癌、または胃癌である、請求項11に記載の方法。
  13. 上皮組織の前記腫瘍が、上皮性腺、上皮性管、肝臓、胆管、消化管、気道、または泌尿生殖器の腫瘍である、請求項11に記載の方法。
  14. リンパ系組織の前記腫瘍が、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、び漫性リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、大細胞リンパ腫、または小細胞リンパ腫である、請求項11に記載の方法。
  15. 中枢神経系の前記腫瘍が、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、グリア芽腫、または乏突起膠腫からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  16. 罹患したヒトへ、治療上有効な量の請求項1から6のいずれか一項に記載の製薬組成物あるいは製薬上許容し得るその塩または誘導体を、有効量の少なくとも1つの他の治療剤と組み合わせて投与することを特徴とする、ヒトにおける腫瘍性疾患の治療方法。
  17. 前記他の治療剤が化学療法剤または放射線療法剤である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記投与が非経口的、局所的、経皮的、当該腫瘍内へ直接的に、または埋め込み装置を介して実施される、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記罹患したヒトへ治療上有効な量の亜ヒ酸ナトリウム塩を1つ以上のヒ素化合物と組み合わせて投与することを含む、哺乳動物における造血系疾患の治療方法であって、前記造血系疾患が、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、骨髄様化生、脊髄形成異常性症候群、多発性骨髄腫、及び形質細胞腫からなる群から選択される方法。
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