JP2008545148A - 改善された充填率及びrf磁場振幅を用いる高分解能nmr分光及び/又はイメージング装置及び方法。 - Google Patents

改善された充填率及びrf磁場振幅を用いる高分解能nmr分光及び/又はイメージング装置及び方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2008545148A
JP2008545148A JP2008520027A JP2008520027A JP2008545148A JP 2008545148 A JP2008545148 A JP 2008545148A JP 2008520027 A JP2008520027 A JP 2008520027A JP 2008520027 A JP2008520027 A JP 2008520027A JP 2008545148 A JP2008545148 A JP 2008545148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
sample
frequency
rotor
high sensitivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008520027A
Other languages
English (en)
Inventor
ディミトリアス サケラリオウ
ジャック−フランソワ ジャキノ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Original Assignee
Commissariat a lEnergie Atomique CEA
Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Commissariat a lEnergie Atomique CEA, Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA filed Critical Commissariat a lEnergie Atomique CEA
Publication of JP2008545148A publication Critical patent/JP2008545148A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/32Excitation or detection systems, e.g. using radio frequency signals
    • G01R33/34Constructional details, e.g. resonators, specially adapted to MR
    • G01R33/34046Volume type coils, e.g. bird-cage coils; Quadrature bird-cage coils; Circularly polarised coils
    • G01R33/34053Solenoid coils; Toroidal coils
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/30Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms
    • G01R33/307Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms specially adapted for moving the sample relative to the MR system, e.g. spinning mechanisms, flow cells or means for positioning the sample inside a spectrometer
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/32Excitation or detection systems, e.g. using radio frequency signals
    • G01R33/34Constructional details, e.g. resonators, specially adapted to MR
    • G01R33/34092RF coils specially adapted for NMR spectrometers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は、サンプルのNMR分光及び/又はNMRイメージング装置に関する。前記装置は、核のラーモア周波数で入射高周波磁場を生成することにより、前記サンプルの前記核を励起するための、且つ、前記サンプルにより放射されるリターン高周波磁場を受信するための外部コイルを有する静止プローブと、前記サンプルコンテナの周りに近接もしくは接触してマウントされ、且つ、高周波電磁場により前記外部コイルにワイヤレスに結合される高感度内部コイル(6a’)とを備える。前記高感度コイル内の充填率と高周波磁場振幅とが最大化されるように、前記静止プローブの内部に回転可能にマウントされ、且つ、前記サンプルコンテナに一体化される内部回転ローター(2、102、202)内に、前記高感度内部コイルが埋め込まれる。
【選択図】図1b

Description

本発明は、少なくとも1つの生物又は無生物サンプルの、液体又は固体核磁気共鳴(NMR)分光及び/又はNMRイメージング(MRI)装置及び方法に関し、前記少なくとも1つのサンプルを囲む、少なくとも1つの検出コイル内の充填率及び高周波磁場振幅の両方の改善を可能にする。
NMR装置は、ステータフレーム内に、磁気手段と、励起回路を含む高周波(RF)手段と、放射コイルと、RF受信手段とを備えている。この装置は、分析するべきサンプル又は対象物を保持するための位置決め手段を備えており、位置決め手段は、このステータフレームの中央の穴に配置されている。いくつかの場合、特に固体NMRの場合には、サンプルを保持するための手段は、サンプルを回転させるための手段と、時には、回転軸を傾けるための特別の手段とを有する。回転部分はローターと呼ばれる。ローターは円筒状であり、その一端に、エアジェットによって駆動される小さなターボブレードを着用する。ローターは、磁場を透過する材料で作られており、一般にセラミックス製である。ローターは、分析するべきサンプルで満たされ得る。しかし、このサンプルが小さい場合、ロータは内部サンプルコンテナを着用する。内部サンプルコンテナは機械的に中心に配置され、その軸はローターの機械軸に平行である。本発明は、ローターの直径より小さな直径のサンプルコンテナを、ローターが常に含むような、小さなサイズのサンプルに関する。NMRの文献においてはよく、サンプルコンテナが、「サンプルコンテナ」に代えて、乱用的に短く「サンプル」と呼ばれることを強調する必要がある。
長年知られているように、NMR分光法及び/又はイメージングにおいて、対象物即ち検体となるサンプルは、強力且つ非常に均一な静磁場B内に配置される。量子的な記述では、核スピン(量子数l=1/2を持つと仮定する)は、静磁場Bに対して平行もしくは反平行となり得る。Bの存在下では、これら2つの状態のそれぞれは、異なるエネルギーを有する。これらエネルギーレベルは、ゼーマンエネルギーレベルと称される。また、スピンは、高周波領域のエネルギーを吸収することができ、これら2つの状態間を遷移する。古典的な記述では、核スピンの磁気モーメントは、静磁場を中心とする歳差運動を行う。歳差運動(「ラーモア歳差運動」と呼ばれる)の周波数ωは、静磁場におおよそ比例し、また、局所的な化学環境に依存するので、分子構造及び分子ダイナミクスを探索するために使用され得る。エネルギーを吸収し、かつ遷移を引き起こすために、振動磁場Bを印加する必要がある。この磁場は、対象物即ち検体を囲むアンテナ(即ちコイル)によって生成される。この磁場は、ラーモア周波数(共振条件)で振動しており、また、磁化を乱して磁化を様々な角度に回転させるのに十分に長い遅延時間にわたって印加され得る。通常のNMR実験は、平衡磁化Mを横断面xyに配置させるのに十分に長い遅延時間τにわたって、このB磁場を印加することから成る。この遅延時間の長さは、関係式:
γBτ=π/2 (1)
によって定義される。ここで、γは核の磁気回転比である。
この高周波磁場(π/2パルスと呼ばれる)の印加の後、スピンは平衡状態に戻る。この間、磁化は、まだなお静磁場を中心とする歳差運動を行い、その軌道は、ラーモア周波数におけるアンテナ(即ち同調された回路)を使用して検知される。
通常、同じアンテナが、核磁化を乱し(即ち励起し)、その後、核磁化が平衡状態に戻る間の、核磁化の応答(即ち、自由誘導減衰と称され、また「FID」と呼ばれる)を記録(即ち取得)するのに使用される。この信号は、歳差運動の周波数に関する情報を含んでおり、FIDのフーリエ解析は、NMRスペクトルを与える。スペクトル上で、それらの周波数差に基づいた共鳴が識別され得る。
また、熱雑音に加えて、アンプ、プリアンプ、分光計の残りの部分等の様々な信号源から生じる、信号中の電子ノイズが記録され得る。スペクトルの信号対雑音(S/N)比を改善するために、信号の多くのスキャンが集められて合計される。
相反定理によると、サンプルdVの微少体積で生じてコイルによって検知される信号は、このコイルが空間の同じ位置に単位電流当たり生成することができる高周波磁場Bの強度に比例する[1]。したがって、対象の体積に対して磁場Bの強度を最大化することにより、改善された感度を得ることができ、これは、通常、コイルの充填率を最適化することにより実現される。この充填率は、サンプルの体積とコイルの体積との比率として定義されることができ、このことは、最良の感度が、サンプルサイズと同等のコイルサイズで得られることを意味する。
他方では、化学環境は様々な相互作用を通じて明らかになり、その相互作用は異方性(即ち空間の異なる方向では異なる相互作用)であり、多くの場合、共鳴周波数の連続的な分布をもたらす。液体では、分子の自由な回転運動及び並進運動により、相互作用の異方性の部分は0に平均化される。したがって、NMRスペクトルは狭く、化学情報が容易に引き出され得る。しかしながら、固体では、化学シフト異方性、双極子相互作用、四重極相互作用、そして時にはスカラー結合および磁化率がスペクトルを拡幅し、スペクトル分解能の損失の原因となる。分解能を改善するために慣例的に用いられている1つの解決策は、マジック・アングルと称される静磁場に対して約54度の角度をなす軸を中心とする、サンプルの高速回転である[2]。「マジック・アングル・サンプル・スピニング」(MAS)と呼ばれるこの技術は、高分解能固体NMRの礎石のうちの1つである。また、ほとんどの固体NMRプローブは、現在、1000Hz〜35000Hzで、或いはそれ以上で、小さなサンプルホルダー(即ちローター)を回転させることができる。より高位の平均化方法が存在し、それらは、同時の回転を使用する方法、例えば、「ダブル・ローテーション」と呼ばれる方法(DOR、[3]を参照)、或いは、「ダブル・アングル・スピニング」と呼ばれる、2つの軸を中心とするサンプルの連続した回転方法(DAS、[4]を参照)である。
すべての場合において、RFアンテナは、プローブ又はステータの本体に固定され、従って静止しており、サンプルホルダーの外部に配置される。このことは、特にDOR実験について、不十分な充填率および感度の低下をもたらす。
液体NMRでは、液体サンプルは、通常の巨視的なサイズのサドル型コイル(即ち、1mm〜10mmの範囲の直径を有するマクロコイル)を使用して調査される。或いは、参照文献[5-7]の図面に示されるように、水平に配置された毛細管(直径100〜1000μm)に緊密にフィットするように、より近代的なソレノイド型のマイクロコイルが設計される。これらの装置の欠点は、それらが、プローブの静止した部分へ電気的に接続され且つ機械的にリンクされたコイルと共にのみ動作し得ることである。これは、各々の場合において特定のプローブを構築する必要があることを意味する。
固体NMRでは、静止した固体サンプルが調査され得る。しかし、ほとんどの調査は「マジック・アングル・サンプル・スピニング」(MAS)の下で実行される。回転は、異方性の相互作用の平均化を可能にし、それに伴い、改善されたスペクトル分解能を可能にする。つい最近では、静止した固体サンプルの調査にマイクロコイルが使用されて、感度と磁場Bの強度とを改良した[8]。近代的なすべての構成のうち、励起および検出用にアンテナが使用される。また、回転するサンプルに関して、アンテナは静止した状態で、通常、プローブ・ヘッドの本体に固定される。
そのうえ、機械的な制約およびマイクロ加工が必要なために、小さな(サブミリメートル)対象物を非常に速く、典型的には数千Hzで回転させることは、非常に困難に思われる。サンプルホルダーは、高いガス圧力および機械的ストレスに耐える必要があり、よって、無視できない壁厚を有する。通常のローターは、約0.5mm〜0.75mmの範囲の壁厚を有し、また、より小さなサイズへの縮小は、それらローターの機械的安定性を危険にさらすであろう。強固な材料を高い精度で加工することもまた、サブミリメートルサイズについて非常に要求されてきている。したがって、静止したRFマイクロコイルの内部で高速回転するマイクロローターを開発するのは、非常に困難である。
従来のNMR及びMRIにおいて、様々な型のRFアンテナが使用されてきた。それらRFアンテナは、一般に、同調された回路とコイルとを生産するのに必要な、同調および整合素子から成る電子回路部分を含み、それらRFアンテナに近接して、或いはその内部に、調査される生物又は無生物サンプルが配置される。この回路は、多くの周波数に対して同時に同調され、複数の核の調査を可能にすることができる。
2つの回路間の誘導結合は、それらの間の物理的な近さを通じて実現され得る。2つのコイル間の相互インダクタンスMは、単位電流が一方のコイル中で流れる場合に、他方のコイルを通過する磁束に等しく、コイルの幾何学的な特性と、それらコイル間の距離とに依存する。結合係数は、k=M/√(L)として定義される。ここで、L及びLは2つのコイルのインダクタンスである。1次コイルに結合されて同調された2次コイルについて、k=k=1/√(Q)である場合、2次コイルにおいてトータルパワーの半分が消失する。ここで、Q及びQは、2つのコイルの品質係数Q値である。
MRI等のイメージングにおいて、対象領域にわたってコイルの検出及び同調帯域幅を最適化する[11]目的でイメージを取得するために[9, 10]、通常、2つ以上のコイル間の誘導結合が使用される。2次コイルは検体へ埋め込まれることができ[12]、連続したモニタリングを可能にする。通常、患者である調査中のサンプルは静止しており、患者の動作が、1次回路と2次回路との間の結合に変動を引き起こすことができ、このことが、信号及びBの振幅の変動とをもたらす。医学的なMRIにおいて、相互作用の性質は、サンプルを回転させることによる空間的な平均化が要求されないことに言及する価値がある。相互作用はMRIにとって等方的であり、よって、MASの技術は適用されない。このことは、NMR分光法と完全に異なった、独立した技術の開発をもたらす。
しかしながら、NMR分光法では、誘導結合はほとんど成功せず、誘導結合が、プローブのインピーダンスを発振器の1つにマッチングさせるための、単なる便利な方法として使用されてきたことを述べる必要がある。高分解能NMR分光法における充填率を改善する目的で、誘導結合が使用されたことは無い(通常の定義によると、高分解能NMRとは、強い磁場により、例えば数Hzといった小さな周波数シフトの検知が可能になる、極めて特定のNMR技術を意味する)。
上記で説明されたように、分光法では、最大の充填率を提供するように調査中のサンプルを囲む検出コイルが使用されて、このように、標準化されたサイズのサンプルについて、検出の感度が最適化される。固体及び液体NMR分光法では、サンプルコンテナは標準化されたサイズを有し、そのサイズは、任意のサンプル、特に非常に小さなサイズのサンプルに対しては適していない。それゆえに、商用的に入手可能なプローブを使用して、非常に小さなサイズのサンプルを調査することは、不十分な充填率に該当し、不十分な信号の感度に帰着する。
シールドされた放射性物質サンプルの特別の場合では、最近の研究は[13]に関連し、そこでは、238Pu及び239Puを含有するセラミックス中の29Siスペクトルを記録するために、3重のバリアを含むローター(7.5mmの外径)が回転(3.5kHzで)されて使用された。バリアのうちの1つはローターコンテナ自身であり、2つ目の「テフロン(登録商標)」バリアが使用され、最終の「Shapal(登録商標)」バリアは、放射性物質を収容するために使用された。しかしながら、広く知られているように、多くの保護層の存在は、検出の感度を低下させる。コイルのサイズがサンプルのサイズに適合される場合に、よりよい感度が達成されるので、通常の信号対雑音の式において、コイルの充填率は非常に重要な役割を果たす。シールドバリアが必要とされる場合、静止したコイルの体積がそのままである一方、サンプルの体積は縮小される。このことは感度を劇的に低下させる。
本発明の1つの目的は、明らかとなった上記欠点を克服すること、特に、とりわけ小さく且つ高速回転する固体サンプルについて、充填率およびNMRプローブの感度に関する事項を克服することにある。これは、本発明に係る、少なくとも1つの生物又は無生物サンプルについて液体又は固体NMR分光及び/又はNMRイメージング用の装置により達成される。該装置は、
前記少なくとも1つのサンプルで満たされ、且つ、高周波電磁場にさらされるように設計されているサンプリング体積を含む少なくとも1つのサンプルコンテナと、
前記少なくとも1つのサンプルの核のラーモア周波数で入射高周波磁場を生成することにより、前記核を励起するための、且つ、前記少なくとも1つのサンプルにより放射されるリターン高周波磁場を受信するための励起回路を含む静止プローブとを備える。
ここで、前記装置が、前記サンプルコンテナの周りに近接もしくは接触してマウントされ、且つ、高周波電磁場により前記静止プローブに結合される少なくとも1つの高感度コイルを備え、該高感度コイルが、前記サンプリング体積に実質的に等しい検出体積を定める。
本発明の装置は、前記静止プローブの内部に回転可能にマウントされ、且つ、前記サンプルコンテナに一体化される内部回転ローター内に、前記高感度コイルが埋め込まれることで、前記高感度コイル内の充填率と高周波磁場振幅との両方が最大化されることにより特徴付けられる。
NMR技術の一般的な慣習に従い、本願明細書の記述において、振動ωに対応する周波数を、適切な名称「周波数ω/2π」に代えて、単に「周波数ω」と呼ぶ。
「高周波電磁場」は、如何なる電気的な接触も無い結合(即ち、如何なるガルバニックな接触も欠く結合)を意味するが、それは、高周波電場(キャパシタを通して伝導された)、または、高周波磁場(誘導結合されたコイルを通して伝導された)の何れかである。
前記高感度コイルの「検出体積」とは、本願明細書の記述において、この高感度コイルの、前記電磁場にさらされる内部空間を意味する。
「回転ローター」とは、定義により、例えば少なくとも数Hzの回転周波数で、360度以上に連続的に回転可能なローターを意味する。
「と一体である」とは、本願明細書の記述において、関連する双方の部分が、互いに相対的に移動することができないアセンブリー(即ち、ローター、高感度コイル、およびサンプルの間に相対的な移動が無いこと)を意味する。
前記高感度コイルは、前記サンプルコンテナの周りに、数ミリメートルもしくは数分の一ミリメートル、満足できる充填率を得るためには、2mm以下の距離にマウントされることが好ましいけれども、前記高感度コイルは、好ましくは、任意のリソグラフィプロセス(例えばエッチングプロセス)、マイクロマシニングプロセス(例えばレーザ・マイクロマシニング)、任意のマイクロファブリケーションプロセス(例えばレーザ重合およびメタライゼーション)、あるいは任意のワイヤー巻き技術によって、前記サンプルコンテナに接触してマウントされることに注目すべきである。
本発明の好ましい第1の実施形態では、前記高周波電磁場は、高周波磁場を介して与えられる。
この好ましい実施形態によれば、前記装置は、前記核の歳差運動周波数を検出するための少なくとも1つの共振回路をさらに備え、該共振回路が、実質的に前記核のラーモア周波数で同調可能となるように、前記静止プローブに電磁気的に結合され、前記共振回路が、前記励起回路の放射コイル内にマウントされた前記高感度コイルを備える。
従って、この好ましい実施形態によれば、前記装置は、実質的に前記核のラーモア周波数で同調された前記少なくとも1つの共振回路へ、電磁気的に結合される静止プローブを備える。
前記高感度コイル内の充填率と高周波磁場振幅との両方が最大化されるので、本発明に係るこの装置は、小さな固体サンプルの高分解能NMR分光に特に適しているだけでなく、それらのNMRイメージングにも適している。
さらに、本発明に係る前記装置は、既存の市販のNMRプローブと組み合わされて、小さな静止液体サンプルの調査にも使用されることができることに注目すべきである。RF磁場振幅の増大は、常磁性のタンパク質に典型的な、非常に幅広いスペクトルの場合に特に有用である。
本発明の好ましい第1の実施形態では、高周波電磁場は、プローブ放射コイルとその中の高感度コイルとの間の磁気誘導を介して印加される磁場である。この高感度コイルは、前記少なくとも1つのサンプルコンテナの周りに近接もしくは接触してマウントされる。伝達される誘導エネルギーを増大させるために、キャパシタを高感度コイルに接続する疑似(quasi)共振回路を構成することが必要である。同調回路間の結合の理論は、長さで文献[14]に記述されてきた。そのような磁気結合では、相反定理の結果、高感度コイルは、励起磁場用の磁場コンセントレータと応答信号用の信号エンハンサとの両方の役割をする。
そのような共振回路を形成するために、コイルは、少なくとも1つのキャパシタをさらに備えるネットに接続されなければならず、結局のところ、1セットのキャパシタ及び/又はインダクタのセットが、前記高感度コイルの端子に接続される。
本発明に係る高感度マイクロコイル(インダクタ)は標準技術により製造されることができ、それら高感度マイクロコイルは、例えば小さな毛細管[15-20]等の、どちらのサンプルコンテナも囲むことができる。これら高感度マイクロコイルは、ソレノイド型のコイル(一般に固体NMRに使用される)、サドル型のコイル(一般に液体NMRに使用される)、或いは、例えば表面コイル、円錐コイル、及びLitzコイル等の、NMR文献において既存の他の任意のデザインの何れかであることができる。しかし、それら高感度マイクロコイルはまた、サンプルコンテナそれ自身の表面に直接的に堆積された、導電性のコーティングによって形成され得る。高感度マイクロコイルが回転している限り、サドル型の実施形態は好ましくない。
高感度コイルのコイル型(ソレノイド型又はサドル型)は、放射コイルと同じ型に選ばれるのが有利である。即ち、ソレノイド型の放射プローブを用いる場合、高感度コイルはソレノイド型であるのが有利であり、サドル型の放射プローブである場合、高感度コイルはサドル型であるのが有利であろう。このことは、高感度コイルが回転しないことを暗示する。
より好ましくは、前記少なくとも1つの放射コイルと前記少なくとも1つの高感度コイルとの両方は、円筒状に対称な形を有し、それら放射コイル及び高感度コイルの形は、それぞれ、回転表面を定める。渦電流の効果と加熱効果とを最小限にするために、マイクロコイルの製造に使用されるコンダクタのサイズは注意深く選ばれなければならない。5〜150マイクロメートルの範囲のワイヤー直径が使用されるのが有利である。また、加熱効果をできるだけ低く維持するために、ターン数が最適化される。磁場の均一性を改善するために、或いは、特定の磁場パターンを達成するために、巻き方は変則的であることができる。
本発明に係るそのような装置が、充填率と特別な扱いを要求するサンプルに対する検出感度とを最適化することを可能にし、そして、励起及び共振回路間の結合定数kの値が広い範囲をとるにもかかわらず、高感度コイル内の高周波磁場振幅を可能な限り大きくすることを可能にすることに注目すべきである。しかしながら、高感度コイルの体積が、以下に定義される体積Vより小さくなれば、プローブコイルと高感度コイルとの間のパワー伝導は、著しく減少するであろう。
本発明の装置に対する最適な効率は、次の最適化条件が満たされることにより得られる。
前記NMR静止プローブの品質係数Qと、本発明に係る前記共振回路の期待される品質係数Qとについて、前記NMR静止プローブによって前記高周波磁場が生成される体積であるVと、前記検出体積(それは、前記サンプルの周りに近接してマウントされた高感度コイルにより決定される)であるVとを定義しよう。Vは、サンプルの有効体積(即ち、前記サンプリング体積)に可能な限り近い。よって:
>V/(Q.Q
である場合、最適な性能が得られるであろう。
もちろん、Vによって決定されるそれぞれの大きさ(即ち、直径又は長さ)はまた、Vが配置されるNMR静止プローブ内の放射コイルの対応する次元よりも、小さくなければならない。
本発明の例示的な実施例では、静止又は回転する前記高感度コイルは、好ましくは、100μm〜1500μmの直径を有するマイクロコイルである。
本発明の前記第1の実施形態によれば、前記共振回路は、前記励起回路に誘導結合される。
この第1の実施形態によれば、前記共振回路は、前記少なくとも1つの高感度コイルの端子に接続される少なくとも1つのキャパシタをさらに備えることができ、前記キャパシタは、前記高感度コイルを囲む薄い円筒状のフィルムを備えることができる。
この場合、前記キャパシタは、
前記円筒状のフィルムの軸方向の内部表面及び外部表面それぞれを定めるように、前記高感度コイルの軸に平行に延伸する2つの同軸の円筒電極、或いは、
前記円筒状のフィルムの半径方向の基部の端部それぞれを定めるように、前記高感度コイルの軸に垂直に延伸する、2つの平行な環状の平面電極、の何れかを備えることができる。
本発明のこの第1の実施形態の変形例によれば、前記共振回路は、前記高感度コイルから成る(即ち、従って、キャパシタが欠けている)ことができ、この場合、トリチウム、水素もしくはフッ素等の高ガンマ核を分光するための、1又はいくつかの自己共振型マイクロコイルで作られているのが有利である。
そのような変形例において、前記高感度コイルは、ソレノイド型の1つの自己共振型マイクロコイル、或いは、前記毛細管(3)の軸の周りに間隔を空けて軸方向に配置された、自己共振型の複数の同軸の金属リング(R)で作られていることができる。
本発明のこの第1の実施形態のさらに別の変形例によれば、前記共振回路が、少なくとも1つのタンク回路を定めるために配置される複数の高感度コイルを備えることができ、前記共振回路が、複数のタイプの核を分析するための複数のラーモア周波数で、前記静止プローブに同時に同調可能である。
この他の変形例において、前記共振回路は、2つの高感度コイルを備える周波数二重同調可能な共振回路であることができ、そのうちの一方の高感度コイルが、他方の高感度コイルを含む前記タンク回路に直列に接続されているのが有利である。
そのような二重および多重共振のシステムは、高い周波数チャンネル(典型的に、水素、フッ素、およびトリチウム)で高周波の照射を適用しているにもかかわらず、特に低い周波数チャンネル
(典型的に、炭素−13、窒素−15、およびシリコン−29等用である)で、複数のタイプの核を同時に(液体及び固体NMRもしくはMRIのどちらででも)調査することを可能にする。
本発明の第2の実施形態では、前記高周波電磁場は高周波電場である。この場合、この電気結合は、キャパシタを通じて実行されるのが有利である。2つの入出力キャパシタは、前記高感度コイルに直列に接続され、前記高周波電場が、前記キャパシタを通過する。
プローブを回転させるのに適した好ましい特徴によれば、前記入出力キャパシタは、それぞれ、前記静止プローブに機械的に接続される静止円筒電極と、前記高感度コイルに機械的に接続され、前記サンプルコンテナ内に埋め込まれる回転円筒電極とで作られている。それら2つの円筒電極は、互いに対向しており、ローターおよび前記サンプルコンテナと同じ回転軸を有する。
それらの2つのキャパシタ間の電気的な相互作用を制限するために、前記入出力キャパシタの両方が、ローターの各端部に、そのそれぞれの端部に近接して埋め込まれるのが有利である。
そのような実施形態では、コイルの自己インダクタンスLと2つの結合キャパシタCの値とは、サンプルへ高周波磁場を印加するためのプローブによって、伝導される力を最大化するように選ばれる。それらは適合ネットワーク内に含まれ、前記高感度コイルの端子に接続されるキャパシタ及び/又はインダクタの1セットから成るのが有利である。
発明のこの第2の実施形態によれば、それぞれの入出力キャパシタの2つの電極は、
それぞれの静止電極が、それぞれの回転電極を組み込んでいる前記ローターを囲む方式で同心である、或いは、
それぞれの静止電極が、それぞれの回転電極を組み込んでいる前記ローターの軸方向の外部に配置される方式で、平行、且つ、前記回転軸に沿って軸方向に間隔を空けて配置されることができる(静電容量の値が一層高くなることができ、それにより、より広い範囲の核が調査され得る点で、この変形例が特に有利であることが注目される)。
本発明の別の特徴によれば、いずれのタイプの電磁気的な結合であっても、前記少なくとも1つの高感度コイルは、前記静止プローブの内部に回転可能にマウントされるのが有利であり、且つ、前記サンプルコンテナ及び前記高感度コイルに一体化される内部ローター内に埋め込まれることができる。
よって、本発明のそのような装置は、分析するサンプルに応じて、静止又は回転する高感度コイルの使用を可能にすることが注目されるべきである。
本発明の好ましい特徴によれば、前記少なくとも1つのサンプルコンテナが毛細管であり、該毛細管の表面上に、前記少なくとも1つの高感度コイルがマウントされる。
そのような小さな高感度コイル(好ましくはマイクロコイル)の使用は、サンプルの局所的な検出を可能にし、プローブのハウジングもしくはステータに起因するバックグラウンドの信号が、顕著に減衰されることが注目されるべきである。
前記少なくとも1つの静止又は回転する高感度マイクロコイルは、好ましくは1mm〜20mmの長さと、好ましくは1〜20のターン数とを有することにも注目されるべきである。そのコンビネーションが、前記高感度コイル内の高周波磁場振幅の最大化を提供することが、実験的に証明された。
回転するマイクロコイルの使用が、NMR分析(例えば、高分解能NMR分析)を実行するためのユニークな手段を提供する多くの場合がある。
第1のケースは、サンプル量が制限された(数マイクログラム)場合であり、小さな充填率のせいで、市販のNMRローターの内部にサンプルを配置することは有利ではないであろう。充填率を増強するために、より小さなローターを設計することは可能である(実際、最も小さなローターは外径が2mmである[21])。しかし、サブミリメートルスケールのローターが製作される必要がある場合、その課題は克服できないものとなる。材料に要求される強度と共に、特に壁厚が、このタスクを非常に困難にする。本発明に係る回転するマイクロコイルの使用は、回転する小さなサンプルに関連した制限なしに、より高い充填率の達成を可能にする。
シールドが磁場の伝導を可能にすれば、本発明は、シールドを必要とするすべてのサンプルについて非常に適しており、そして、シールドが電場の伝導をも可能にすれば、本発明は、電場結合の場合にも適している。
例えば、磁場を透過する保護層によってシールドされる放射性のサンプルに、例えば酸化鉛が使用されることができる。高感度コイルは、サンプルの隣り且つシールドの内部に配置されるのが有利である。
「高感度」製品が汚染から保護されなければならない場合、或いは、環境がこの製品によって汚染から保護されなければならない場合、本発明により可能とされる別のシールドのタイプは生物型である。この場合、さらに、高感度コイルは、サンプルの隣り且つシールドの内部に配置されるのが有利である。したがって、本発明の利点は、1又はいくつかのシールドの存在によって著しく影響されない。サンプルコンテナが変わらず、且つ、シールドが磁場を変化させない限り、シールドがある場合と無い場合とで感度は同じである。
サンプルの汚染が禁止される場合(放射性物質もしくは生物学上有害な物質)、本発明の一側面によれば、上記説明したように、NMR装置の前記内部ローターは、前記少なくとも1つのサンプルコンテナおよび前記共振回路の両方と一体化され、且つ、前記少なくとも1つのサンプルコンテナの周りに提供される複数のシールドバリア層を含むことができる。シールドバリア層は、この内部ローターの外壁を形成する。サンプルが放射性物質である場合、前記シールドは放射性バリア層である。
したがって、実験の感度がローターのサイズにそれほど決定的に依存しないので、サンプルホルダー(即ちローター)は、サンプルもしくはプローブのダメージに対する防護バリアを備えて設計されることができる。このことは、例えば、生体、放射性物質、もしくは超高圧及び/又は超高温下での調査といった、サイズが制限されたサンプル、敏感なサンプル、危険なサンプル、もしくは壊れやすいサンプルの調査において、特別な重要性を持つことができる。
本発明の特別の実施形態によれば、前記装置は、「DOR」NMRプローブ設計に従って、前記内部ローターを囲む外部ローターをさらに備え、同時に起こるダブル・ローテーションを可能にするために、該外部ローターが、前記内部ローターの周波数よりも低い周波数で回転するように適合される。
本発明の特定の実施形態によれば、前記装置は、数個の検出コイル(即ち高感度コイル)を備えることができ、それぞれの検出コイルは、ただ1つのマイクロコイルのみが励起コイルのRF磁場により励起されることができる方式で、異なる核に対応する異なるラーモア周波数で同調する。このことは、様々なマイクロコイルの様々な周波数が十分に異なり、いくつかのマイクロコイルが同時に励起するのを防ぐことを意味する。したがって、それぞれの検出コイルが1つのサンプルを囲む、異なる検出コイルの共振周波数のすべてに近接して、プローブの放射コイルは連続的に励起される。それらサンプルは、異なるサンプルコンテナ内に配置されることができ、サンプルコンテナは、それらサンプルコンテナの軸がローターの機械軸と平行に、且つ、一方のサンプルから他方のサンプルへの干渉を防ぐのに十分な距離に、互いに平行に配置される。あるいは、それらサンプルは、同じサンプルコンテナに沿った異なる距離に配置されることもでき、それら距離は、一方のサンプルから他方のサンプルへの干渉を防ぐのに十分な距離である。
本発明に係る、生物又は無生物サンプルの周りに近接してマウントされ、前記サンプルによって実質的に満たされる検出体積を定める少なくとも1つの高感度コイルを備える装置を使用する、前記少なくとも1つのサンプルについて固体又は液体NMR分光及び/又はNMRイメージングを行うための方法によれば、該方法は、
サンプルコンテナを満たす前記サンプルを、高周波電磁場にさらすステップと、
核のラーモア周波数で入射高周波磁場を生成し、前記サンプルの前記核を高周波電磁場により励起し、前記サンプルにより放射されるリターン高周波磁場を受信するステップとを含み、
この励起および受信が、前記装置の静止プローブの励起回路によって遂行され、前記少なくとも1つの高感度コイルが、高周波電磁場により前記静止プローブに結合されることを特徴とし、
前記方法が、さらに、その内部に前記少なくとも1つの高感度コイルが埋め込まれる内部回転ローターを回転させるステップを含み、該内部回転ローターが、前記静止プローブの内部で回転し、且つ、前記サンプルコンテナに一体化されることで、前記高感度コイル内の充填率と高周波磁場振幅との両方が最大化される。
本発明に係るこの方法の好ましい実施形態によれば、前記高周波電磁場は高周波磁場である。
この場合、このRF磁場は、少なくとも1つの共振回路の前記励起回路への電磁気的な結合を引き起こし、該共振回路が、前記励起回路の放射コイルと、前記核の歳差運動周波数を検出し、実質的に前記核のラーモア周波数で前記励起回路に同調される前記少なくとも1つの共振回路との内部に、前記少なくとも1つの高感度コイルを備える。
本発明に係るこの方法の別の実施形態によれば、前記装置について上記説明したように、前記高周波電磁場は高周波電場である。
前記少なくとも1つのサンプルは、固体のサンプルであり、また、前記方法を提供する際に、任意の回転周波数で静止もしくは回転する何れの方式でも使用されることができるのが有利である。
本発明のこの方法によれば、前記少なくとも1つの高感度コイルは、少なくとも1Hzの回転周波数で、連続的に回転することができる。
本発明のこの方法は、液体又は固体NMRのいずれにも使用されることができるのが有利であり、また、前記共振回路、期待されるスペクトル分解能に従って設計され得る。
本発明の特定の実施形態では、前記少なくとも1つの共振回路が、1kHzより高い回転周波数で、前記静止プローブの内部で回転するのが有利であり、また、前記回転周波数が、3kHz〜35kHzの範囲であるのがより有利である。
本発明の別の側面によれば、前記方法は、マジック・アングル・サンプル・スピニング・テクニック(「MAS」)、ダブル・ローテーション・テクニック(「DOR」)およびダブル・アングル・スピニング・テクニック(「DAS」)から成る群から選択される技術を使用して、前記少なくとも1つのサンプルコンテナおよび前記共振回路の両方と一体化されている内部ローターにより、前記共振回路を回転させるステップを含む。
同調可能な励起回路を提供するために、市販の「MAS」プローブが使用されることができ、このことがアセンブリーの微同調を保証することができることに注目すべきである。
本発明は、いくつかの検出コイル(即ち高感度コイル)を使用することができ、これら検出コイルは、互いに干渉を起こさないように十分に異なった周波数に同調されている。この場合、それぞれの検出コイルが1つのサンプルを囲む、異なる検出コイルの共振周波数のすべてに近接して、プローブの放射コイルは連続的に励起される。
本発明は、励起および操作に大きな高周波磁場振幅を必要とするすべての核に対して、特に有利である(例えばプロトン、さらには酸素−17)。大きなB磁場が、周波数の広い範囲にわたって励起確率を定量的に提供する、静止した液体サンプル(例えば常磁性のタンパク質)に関する実験が、さらに実行されることができる。
本発明の上記説明した特性は、他のものに加えて、本発明のいくつかの実施例に関する次の記述を読むことにより、より明確に理解されるであろう。ここで、添付の図面を参照する次の記述は、本発明を例示する目的のために示されたものであり、本発明を限定することを意図したものではない。
図1a及び2a並びに図1b及び2bにそれぞれ示す高分解能NMR装置1および1’は、それぞれ、ローター2と、ローター2の内部に埋め込まれた、サンプリング体積3aを含む毛細管3とを本質的な要素として含む。サンプリング体積3aは、サンプル4によって満たされ(よって、ローター2は、回転するサンプルホルダーを形成する)、かつサンプル4が回転する間、静止プローブと共振回路6’又は回路6とにより、電磁的なRF磁場にさらされるように設計されている。
静止プローブは、サンプル4の核を励起するための、通常のアンテナを含む励起回路を備え(静止プローブおよびその励起回路は完全な状態で図示せず)、励起回路(これら図面には図示せず)は、ローター2を囲み、RF磁場を生成するように設計されている。
共振回路6’又は回路6は、核の歳差運動周波数を検出するために、共振が起こるように、周囲の回路にマッチングされる。この回路6、6’は、核のラーモア周波数に実質的に同調可能であるように、励起回路に電磁気的に結合(即ちワイヤレス接続によって)され、静止プローブ内に、毛細管3の周りにマウントされた小さな高感度マイクロコイル6a又は6a’を含む。
図1a及び1bにおいて見受けられ得るように、高感度マイクロコイル6a又は6a’は、毛細管3のサンプリング体積3aに実質的に等しい内部検出体積を定める。
より詳細には、図1a及び2aの装置1は、毛細管3の周りにマウントされて検出/励起コイルを形成する高感度マイクロコイル6aと、図2aに示す、励起回路を有する静止プローブPを含む装置1の残部との間に、容量結合(即ち電気結合)を示す。マイクロコイル6aは、それぞれの端部において、2つの平行な円の間でローター外部側面をカバーする金属リング6b(好ましくは銅製)に物理的に接続される。静電結合は、これらリング6bと、それらリング6bに対向する円筒状の2つのステータ表面との間に生じる。それは、プローブPのハウジング(図示せず)内に固定された、同軸の金属リング7(好ましくは同様に銅製)を外部に形成する。リング6bと7との間のエアギャップの幅は、共振回路6の静電容量の値を決定する。そのようなリング6b及び7は、それぞれ、2つのキャパシタのキャパシタ電極を形成する。この構成は、サンプル4を自由に回転させる間の電気的な接続を可能にする。よって、ローター2が回転する間は、これら金属リング6b及び7間の距離は、一定に保持されなければならない。
図1b及び2bの装置1’は、2つの同調回路、即ち、共振回路6’と励起回路との間に、誘導結合(即ち磁気結合)を示す。高感度マイクロコイル6a’は、毛細管3を囲み、小さなキャパシタ6b’を使用して共振周波数に同調される。小さなキャパシタ6b’は、コイルの傍に概略的に描かれているが、概して回転軸上に配置されている。図2bに示すように、静止プローブP’の励起回路は、ローター2を囲んでプローブのハウジングに固定された、マクロ放射コイル5を含む。
図1aの変形例である図1cに示すように、静止プローブPと回転可能なマイクロコイル106aとの間の静電結合に関する別の実施形態は次の通りである。前記した回転電極6b及び静止電極7を置き換える回転電極106b及び静止電極107は、毛細管3の回転軸に沿った軸方向に間隔を空けて配置されて、サンプルが回転する間、固定距離に保持される。よって、静止部分Pとマイクロコイル106aを含むポテンシャル回転部分との間のこのワイヤレス結合もまた、2つの空気キャパシタによって実現される。この設計では、ローターの上部及び底部は、電気めっきされてマイクロコイル106aに繋がれる。静止部分Pは、さらに、ローターの電極106bから正しい距離に配置されたこれら2つの金属板107を有する(静止状態のスピニング実験を行う間、この距離は一定に保たれる)。
どちらもが、1次コイルと高感度マイクロコイル306a’又は406a’との間の誘導結合に関する図1bの変形例である図1d及び1eに示すように、対応する共振回路306’又は406’は、図1dに示すソレノイド型の自己共振型マイクロコイル306a’、或いは、同軸の金属リングRで製作された自己共振型マイクロコイル406a’のどちらかを備える。それら金属リングRは、図1gにおいて、毛細管3の軸の周りに軸方向に間隔を空けて配置される。どちらのタイプのマイクロコイルも、例えばトリチウムやフッ素や水素等の高ガンマ核の分光法に特に有利である。
より詳細には、図1dは、毛細管3を含むサンプルに包み込まれる、ソレノイド型の自己共振型マイクロコイル306a’を示す。サンプルの体積において高周波磁場の均一性を最大化するために、自己共振型マイクロコイルの巻き方は等距離ではない。毛細管3はローター2内部の中心に配置され、ローター2を用いて回転される。図1eは、スピンのラーモア周波数に近い周波数の共振器を形成する同心リングRを示す。リングRの間のギャップを変化させることにより、高周波磁場の均一性を最適化することができる。
図1d及び1eの自己共振型マイクロコイル306a’及び406a’は、いずれも、ローター2内のアセンブリーの回転安定性の改善を可能にすることに注目すべきである。
図1f及び1gに図示されるように、それらの寸法のおかげで、いくつかのマイクロコイル506a’又は606a’が、同じサンプルコンテナ3に沿って、或いは、1つ又は複数のサンプルコンテナ3’及び3”の周りのどちらかで、同じローター内に含まれ得る。図1fは磁気結合を用いる場合であり、図1gは容量結合を用いる場合である(それぞれのマイクロコイル606a’は、キャパシタ606b’と接続される)。マイクロコイル506a’及び606a’は、単一のサンプルコンテナ3あるいは3’又は3”の周りに優先的に配置され、充填率が最大化される。しかし、いくつかのサンプルコンテナの周りにマイクロコイルを配置することもまだなお、この発明の範囲にある。
図2cは図2bの変形例である。ここで、共振回路706’は、少なくとも1つのタンク回路TCを定めるために配置される2つの高感度コイル706a’及び706a”を備えた、周波数複同調可能なものである。その結果、2つのタイプの核を同時に分析するために、この共振回路706’は、2つのラーモア周波数で、二重共鳴静止プローブP’に同調可能である。したがって、図2cは、二重共鳴NMRプローブに誘導結合されるマイクロコイル706a’を二重に同調する方法を示す。
図2a、2b、及び2cから明白なように、対応する静止プローブPが、図2b又は2cの静止プローブP’のマクロ放射コイル5の代わりにキャパシタ電極7を含んでいる点で、図2aの電場による結合は、図2b又は2cの磁場による結合と本質的に異なることに注目すべきである。
図1a及び1bによると、好ましくは、コイル5、6a又は6a’の軸と静磁場との間の角度は、マジック・アングルと等しく設定される。しかし、それは一般的に任意であり得る。
さて、この誘導結合を図2bを参照して議論する。
一般に、励起回路は商用NMRプローブの回路に対応する一方、共振回路6’は、コイル6a、好ましくは放射コイル5の内部に配置されたマイクロコイルを含む。双方の回路間の結合Mは、コイルの幾何学的な特性に依存する。
図1bの高感度コイル6a’のインダクタンスをLとする。コイル6a’の端子において、静電容量C(固定タイプもしくは可変タイプどちらかの)の小さなキャパシタ6b’が、インダクタと共に、例えばはんだ付けにより、或いはマイクロコネクターを介して接続され、観測される核のラーモア周波数で同調された同調LC共振回路6’を作成する。回路6’の品質係数Qは、コイル6a’の抵抗Rと、キャパシタ6b’の品質係数とに依存する。品質係数Qは、式:Q=Lω/Rによって、インダクタンスLおよび抵抗Rとに関連付けられ得る。この共振回路6’を共振に同調させるために、静電容量Cの値は、式:
=1/Lω (2)
から、理論価値C近辺に選ばれる。
共振からわずかに離れてこの静電容量Cを選ぶ効果は、図6及び7について以下に議論する際に検討されるであろう。
図3は、高感度同調マイクロコイル6a’を含むローター2の縦断面構造を示す。それは一般に、固体NMRに使用される。このローター2は、外部円筒状ローター本体2aを含み、外部円筒状ローター本体2aは、一端にローターキャップ2bと、内部に放射状に毛細管3を囲む複数の安定化インサート2cとを有して提供される。後者は、毛細管3の円筒状の外部表面に同調マイクロコイル6a’を有し、一端に、それらに接続される同調用キャパシタ6b’を有して提供される。その質量中心は回転軸上にあり、キャパシタ6b’の電極は、毛細管3の円筒状の表面に対して垂直である。
結果として、ローター2の内部に配置される毛細管3、マイクロコイル6a’、およびキャパシタ6b’のアセンブリーは、インサート2cにより、その回転軸に沿ってよく維持される。インサート2cは、プラスチックもしくは優先的にセラミックのプラグであり、これら構成要素にしっかりとフィットする正確な寸法と、高い熱伝導率とを有することができる。しっかりとしたフィッティングは、高い回転周波数におけるこのローター・アセンブリーの安定した回転に確かに必要である。
上記説明したように、ローターは、「MAS」プローブの内部に配置されることができ、任意の商用ローターのように回転する。「MAS」プローブのマクロコイル5はローター2を囲み、核を励起させるためのエネルギーを供給する励起回路を構成する。結合定数kは、結合の強度、言い替えると、各々の回路が他方の回路に対して有する影響を特徴づける。
たとえ、図3中の相対的なサイズが、外径が7mmの「Bruker」ローター2について正確であっても、この図面が、ほとんどの商用「MAS」ローターに対して容易に適用され得ることが示されるであろう。
図3dashは、高感度同調マイクロコイル6a”を含むローター2の縦断面構造を示す。図3dashに示す構造は、毛細管3が、毛細管3の円筒状の外部表面にマイクロコイル6a”を有し、一端に、同調用キャパシタ6b”を有して提供される点でのみ、図3に示す構造と異なる。同調用キャパシタ6b”は、キャパシタ6b”の電極が円筒状且つ毛細管3と同軸となる方式で、それらに接続される。
一方の場合は図3a及び3bが、また他方の場合は図3c及び3dが、それぞれ、誘導結合されたマイクロコイル106a’又は206a’についての、図3に示されたローター2の変形例である。双方の変形例において、キャパシタ106b’又は206b’は、高感度マイクロコイル106a’又は206a’を囲む薄い円筒状のフィルムで作られている。
図3a及び3bのローター102内に、キャパシタ106b’は、この円筒状のフィルムの軸方向の内部表面及び外部表面それぞれを定めるように、マイクロコイル106a’の軸方向に平行に延伸する2つの同軸の円筒電極P1及びP2を有する。図3a及び3bにおいて、キャパシタ106b’は円筒状であり、毛細管3を囲む。マイクロコイル106a’をキャパシタ106b’に接続するリードは、図3に示すものよりも短い。図3と同様に、マイクロコイル106a’は、プラスチック・インサートであり得る固体シリンダ2aの内部に安定させられる。薄膜キャパシタ106b’は、このインサートの外部表面で、或いは、この表面上に接着され得る薄い表面でリソグラフィされ得る。電極P1及びP2は、高周波励起における円形の渦電流を回避するための、スロットSによる母線に沿ったスリットである。より一般的な方法において、例えばリソグラフィ等の近代的な組立て技術のすべてが、そのようなキャパシタ106b’及び206b’を生産するために使用され得る。別の好ましい例は「カプトン(登録商標)キャパシタ」であり、そこでは、カプトン薄膜は、両方の表面が銅でカバーされている。
図3c及び3dのローター202内に、キャパシタ206b’は、この円筒状のフィルムの半径方向の基部の端部それぞれを定めるように、ローター202の軸に垂直な方向に延伸する、環状の平面電極P1’及びP2’に平行な2つのスリット(スロットS’により母線に沿った)を有する。この構成は、金属表面の低減、熱の低減、および静電容量の低減を可能にする。
マイクロコイル106a’又は206a’の典型的なサイズは、直径で10〜1000マイクロメートルである一方、静電容量の値は、0.1〜数百ピコファラッドまで変化し得る。
図3a及び3bのフィルムキャパシタ106b’が、高い閾値電圧(周波数の高い核について有用である)を有する小さなキャパシタを可能にする一方、金属層の間の距離が非常に小さく(数マイクロメートル)なり得るので、図3c及び3dのキャパシタ206b’が、より大きなキャパシタを可能にすることに注目すべきである。
例えばリソグラフィ等の近代的なマイクロマシニング技術のすべてが、そのようなキャパシタ106b’及び206b’を生産するために使用され得る。そして簡単な例として、我々は、両方の表面が銅でカバーされている「カプトン」薄膜からの静電容量を計算することができる。別の態様は、金めっきされた2つの表面間に介装されるシリコン薄膜であろう。その後、非圧縮性の固体を使用して、薄膜キャパシタ106b’又は206b’は、ローター102及び202の軸に沿って固定されたマイクロコイル106a’又は206a’に接続される。
図3a〜3dのこれら構成は、次の長所を有する。
−キャパシタ106b’及び206b’とマイクロコイル106a’及び206a’との間の電気的な接続に使用されるリード長の縮小。従って、電気的な損失が低減する。
−マイクロコイル106a’及び206a’のワイヤーが、毛細管3のトップへ戻る必要が無い。このことは、有効体積内部の高周波の不均一性を低減する。
−同調された毛細管3がローター102及び202の一体部分になることによる、より簡単なサンプル変更、並びに、毛細管3に充填されたサンプルのみが、コイル体積の内部に挿入される必要があること。そして、
−アセンブリーの回転が広がりを平均化することにより、マイクロコイル106a’及び206a’、並びに/或いは、キャパシタ電極P1及びP2とP1’及びP2’とに、ゼロでない磁化率を有する金属が今までどおりに使用され得ること。従って、最適化された材料が使用されることができ、より高い性能が達成され得る。
共振回路’6の同調は、図4aに示す構成で、スペクトル分析器を使用してチェックされる。このことは、ローター2のそれぞれの端部に配置された2つの外部ループコイル8及び9が、スペクトル分析器に接続されることと、スクリーン上に散布的なローレンツ分布が得られることとを示す。
第1の外部ループコイル8は、電流l(t)=lexp(jωt)によって駆動され、高周波磁場が生成される。ここで、j=√−1である。マイクロコイル6a’内のこの磁場からの磁束は、Φ12=M12lに等しい。そして、同調回路内の起電力は:
(t)=−dΦ12(t)/dt=−M12dl(t)/dt=−jωM12l(t) (3)
である。
同調回路のインピーダンスは、Z=R+jωL−j/(ωC)である。また、その電流は:
に等しい。
第2の外部ループコイル9’がマイクロコイル6a’からピックアップする磁束は、Φ23=M23である。また、ループコイル9がループコイル8からピックアップする参照磁束は、Φ13=M13lである。
Φ13≫Φ23であるので、スペクトル分析器上に見えるものは、Φ23のΦ13と同一線上に並ぶ部分に由来する。それは、Φ13の実部:
である。
これは、周波数の散布的なローレンツ関数であり、共振時には、この関数はゼロに等しい。2つの端点間の周波数差は、Δω/ω=1/Qに等しくなり、回路の品質係数の測定を可能にする。
励起及び共振2つの回路間の結合は、コイル5及び6a’の幾何学的な特性に依存し、運動の全体を通して回転の軸が安定しているので、一定であることが示されるであろう。したがって、B磁場は安定であり、信号の記録中に位相歪みは予期されない。
共振回路6’が、励起回路のコイル5の内部に配置された後、それらの間の結合が発現し、アセンブリー用の同調周波数が乱される。静止プローブの、同調キャパシタの値及びマッチング・キャパシタの値の調節は、同調マイクロコイルとプローブとの全体が、50オームのマッチング及びラーモア周波数での同調を回復するのを可能にする。一般的に言えば、励起及び検出の性能は、この共振同調回路6、6’の特性に依存する。例えば、共振回路6又は6’において、励起回路のコイルよりもはるかに小さなコイル6a又は6a’が使用されると、RF振幅は増強され得る。これは、同じ高周波パワーについて、サンプリング体積3a内により高いB磁場を得ることができることを意味する。このことはまた、検出用の感度がより高いことを意味する。
励起回路と共振回路6又は6’とのセットが、共振に同調され、50オームにマッチングされるので、雑音のレベルは、単一のコイルが有するものと同じである。したがって、通常の単一のコイルNMR検出に関して、信号対雑音比は増強される。そのうえ、コイルの回転に起因する人為的な結果の信号は、スピン周波数(0−30kHz)の高調波に変調され、電気的にフィルタリングされて、NMR周波数(数百MHz)から非常に離れた位置に存在する。そのような信号は、実験において観測されていないように見える。
図5a及び5bは、「DOR」NMRプローブ設計に関する、ダブル・ローター構造の2つの例示的な概略図を示す。
この「DOR」プローブ設計[23, 24]では、2つのローターが必要とされ、そして、図5aに示される従来技術では、RFコイル10は静止した状態で2つのローター11及び12の全体を囲む。図5aにおいて見られ得るように、励起及び検出のために、外部のコイル10と共にダブル・ローター11、12が提供される。外部ローター11は、54.7度の角度θの周りでゆっくり回転して、2階の相互作用を平均化する。一方、内部ローター12は、はるかに小さくかつより速く回転して、4階の相互作用を平均化する。サンプルは内部ローター12の内部に配置される。励起及び検出は、コイル10を使用して実行される。
理論上得ることができる最良の充填率は、θ=54.7度及びθ=30.6度で、0.165である[25]。
図5bに示されるように、内部ローター12の内部で回転する同調マイクロコイル13を使用することにより、充填率をほぼ1に最適化することができ、このように、測定の感度を改善することができる。その後、励起及び検出が、通常の励起マクロコイル5と、回転する同調共振回路6又は6’との間の誘導結合を通じて行われ得る。
しかしながら、ここで、xy平面に沿ったRF磁場の射影のみが、Bに対して垂直かつ有効であるので、有効なRF磁場が時間の関数であることが注意されるべきである。この成分は、調和的に時間依存し、分解能又は感度への著しい影響無しに、信号をサイドバンドへ分割する。
図6は、高感度コイル6a’によって生成される最適なRF磁場を、その共振周波数ωの関数として計算するために、共振回路6’内のRF磁場振幅のプロットを、その共振周波数の関数として示す。図1bに示される「MAS」装置1’は、これらのグラフの計算に使用された。励起周波数はラーモア周波数ω=2πFであり、ここで、F=79MHzである。
高感度マイクロコイル6a’について様々なジオメトリーがテストされ、また、励起及び共振回路6’双方についての品質係数Q及びQが、100に等しいと想定された。1次回路は、5ターンおよび品質係数100を有する、直径7mmおよび長さ15mmのソレノイド型のコイルで特定される。2次回路は、品質係数100を有する、直径1.65mmのソレノイド型のコイルで特徴づけられる。2次コイルの長さおよびターン数は、シミュレーションにおいて変化され、図6及び7の挿入図において指定される。青い三角形は、如何なるマイクロコイルも無い状態で、プローブコイルによって生成された磁場を表す。
頂点が下向きの三角形プロットは、如何なる共振回路6’も無い状態で、励起回路のメインコイル5によって生成された磁場に相当し、また、比較のための参照(即ち「制御」)を設定する役目をする。
他の3つのプロットは、様々な高感度マイクロコイル6a’のジオメトリーに対応する。高感度マイクロコイル6a’の共振周波数は、この計算で所定の値に決定され、次に、高感度マイクロコイル6a’内に生成されるRF磁場を最大化するために、励起回路の同調キャパシタ及びマッチング・キャパシタC及びC(再び図2を参照)が変化された。これもまた同様に、実験に従った手続きに対応する。
その後、これらC及びCの値についてマイクロコイル6a’内の磁場が計算され、カーブ上にプロットされた。計算は、図6中に示されるマイクロコイル6a’のジオメトリーに対して、すべての周波数について繰り返された。
幾つかのポイントが滑らかなカーブに従わないことに気付くであろう。このことは、共振回路6’においてRF振幅を最適化するために、図2の回路において、容量的なマッチングよりも、誘導的な要素が使用される必要があるであろうという事実のためである。
図7は、図6中の様々なジオメトリーについて、共振回路6’内で消失されたRFパワーとアンプによって提供されるパワーとの比率のプロットを、共振周波数の関数として示す。図1bに示される「MAS」装置1’は、これらグラフの計算に使用された。また、励起周波数はラーモア周波数ω=2πFであった。ここで、F=79MHzである。
このグラフは、パワーが主に、共振状態にある高感度マイクロコイル6aにおいて消失することと、これとがRF磁場用のアンプ(即ちコンセントレータ)の役割をすることとを確証する。
本発明に係る装置を製造および提供するための実施例
次の実施例の目的は、本発明に係る誘導結合されたコイルのシステムが構築されて高いスピン周波数で回転されることができることと、そのような本発明に係るシステムが、感度とRF磁場振幅との増大を提供することとを確証することである。
これら実施例において、共振回路6’(図1b及び3によると)は、ローター2(即ちサンプルホルダー)の内部に配置された。アセンブリーもまた、「MAS」に従属して、静止もしくは回転何れかの状態にあった。プローブの静止部分と回転するコイルとの間の電気的な接続は、放射コイル5を用いる誘導結合を通じて維持された。
充填率は、毛細管3の円筒状の壁の周りで、共振回路6’のマイクロコイル6a’を手動で包むことにより最適化された。7mmの外径を有する商用の「Bruker」ローター2と、励起回路のソースとして「BLMAS」プローブとを使用して、すべての実験を実行した。毛細管3は1.4mmの外径を有していた。
実験は、静止したサンプル4と、さらに、5000Hz(精度±5Hz以内)で回転するサンプル4とについて実行された。自動回転モジュールが、ローター2の始動及び回転の安定性、並びに停止に使用され、このことから、ローター2の質量が正確にバランスされていたことがわかる。
いくつかの実験は、磁性チップキャパシタ及び非磁性チップキャパシタを使用して実行された。前者の接続電極は磁性を有する材料を含み、このことは、「MAS」において、線幅を拡幅する目立たない効果があることを証明する。図3によると、キャパシタの巨視的な磁化は、サンプル4に関してマジック・アングルに配置されて、構造によりおおよそ平均化された。
さらに、回転しているサンプルに関して、磁化率に誘起される残留性の拡幅が、スピン・サイドバンドへ分割されることが見いだされた。従って、このステージのスペクトルの解釈について大きな問題は現れなかった。
非磁性のキャパシタを含む他のバージョンもまた使用され得ることに注目すべきである。
図8は、共振同調マイクロコイル6a’により囲まれた液体サンプルを含む毛細管3の、静止動作モードにおける感度の増強を、「制御」毛細管3を欠いた場合と比較して図示する。
最初に、プローブの放射コイル5を使用して、RF振幅を較正した。高感度コイル6a’は備えなかった。サンプルはNaClの1M溶液であり、23Na核からの信号が測定された。みそすり運動周波数は、26kHzであると分かった。また、π/2スペクトルについての信号対雑音比は66であった。1秒の反復遅延と較正された9.6μsのπ/2パルスとを使用して、いくつかの8回のスキャンが得られた。
このサンプルの「制御」スペクトルはプロット(a)に示される。
その後、共振同調回路が毛細管3の周りに配置され、RF振幅が較正された。各々が33pFの静電容量を有する、ATCからの2つの非磁性のキャパシタが、マクロコイルに並列に接続された。新しいπ/2長さは2.6μsであり、96kHzのRF振幅に対応した。また、S/Nは230に等しかった。アセンブリーの同調およびマッチングは、「Bruker」分光計のウォブリング・ユーティリィティを使用して、インピーダンス値50に最適化された。
両方のスペクトルは、2Hzのローレンツ関数によって線幅が拡幅された。
本発明に係るこのスペクトルはプロット(b)に示される。
分光計アンプにおける同じパワーレベル(12dB)が適用され、RF振幅の増大が約3.7であったことに注目する必要がある。図8において見られ得るように、感度もまた3.4倍に増強された。このことは、B磁場強度と感度との間の相互関係を証明する。
同数のスキャン(8回のスキャン)、同数の反復時間(1秒)、および同じサンプリング体積3a(即ち、高感度マイクロコイル6a’に正確にフィットする体積に制限されたサンプル4に対応する)を使用して、放射コイル5のみを使用して得られたスペクトルが、共振回路6’を使用して得られたスペクトルと比較された。
これらの実験は、誘導結合が、2つのコイル5と6a’との間の励起及び検出を保証するためのワイヤレスメカニズムとして作用することを証明した。さらに、それらは、高感度コイル6a’が小さなサイズと適切なジオメトリー(典型的に、マイクロコイルのような)とを有する場合に、感度及びRF振幅の増強が生じることを証明した。
図9は、高感度同調コイル6a’により囲まれた固体サンプルを含む毛細管3の、回転動作モードにおける感度の増強を、それらを欠いた場合の「制御」サンプル3と比較して図示する。Na粉末サンプル中の23NaのNMRスペクトルが示される。
(a)のスペクトルは、Naを543.3mg含んでいる完全パックされた7mmのローター2から得られた。このローター2は5kHzで回転している。16回のスキャンが記録された。較正されたπ/2パルス(中央の遷移について選択的)は、10μsであった。
(b)のスペクトルは、約800μgのNaの粉末サンプル4を含んでいる、1.4mmの外径を有する毛細管3から記録された。この毛細管3を囲んでいる同調共振回路6’には、13ターンを有するソレノイド型のコイル6a’と、それに接続される27pFのチップキャパシタとが使用された。2mm×1.3mm×0.6mmのサイズを有するRodenstein製のチップキャパシタが使用された。共振回路6’のQ値は79と測定された。キャパシタ端子は磁性体であり、また、スペクトル分析器で測定された同調(即ち共振)周波数は74MHzであった。サンプル4と共振回路6’とは、図3のインサート2cを使用してしっかりとフィットされ、7mmのローター2の内部で5kHzで回転される。
較正された1μsの「π/2」パルスを使用して、1024回のスキャンが記録された。両方のスペクトルは、100Hzのローレンツ関数によって線幅が拡幅された。
回転周波数は、4〜5日の期間にわたって安定(5Hz以内に)していた。分光計のウォブリング・ユーティリィティにおける同調カーブは、プローブの同調及びマッチング用のノブを使用して、23Naの共振周波数、即ち79.3MHzにおいて、50オーム近辺に同調及びマッチングされた。共振回路6’が無い状態でのプローブのQ値が128と測定され、後者が在る状態でのプローブのQ値が85と測定された。
この長い時間安定性は、2次元のNMR実験を、特に多量子の「MAS」を可能にした[26]。ここで、多量子コヒーレンスの励起及び転換の両方は、高いRF振幅により利点を有し、より高い感度に結びつく。
図10は、この同調回転共振マイクロコイル6a’により囲まれた毛細管3から得られるスペクトルである。それは23Na「MQMAS」実験であった。図9と同じローター2−マイクロコイル6a’のシステムが使用された。
t1の増分当たり1152回のスキャンが記録された。また、スペクトルは、Fに沿って250Hzの、およびFに沿って100Hzのローレンツ関数によって線幅が拡幅された。1sの回復遅延を使用して、20回のt1の増分が得られた。このことは、わずか6.5時間の総実験時間に結びついた。
図10(a)に示されるパルスシーケンスが適用されて、スペクトル(b)が得られた。パルス長はτ=1.1μs、τ=3.6μs、及びτ=2.6μsに設定された。t1の増分は100μsに設定された。
図11a及び11bは、図1dのソレノイド型の自己共振型コイル306a’により囲まれた毛細管の内部の、水及びアルコールの静的なプロトンスペクトルと、同じ毛細管および300Hzの回転状態にあるマイクロコイル306a’の、高分解能「MAS」スペクトルとにそれぞれ対応する。
図11aに示されるように、サンプルが静止状態にある場合、コイル306a’の有限の長さによる磁化率の拡幅が観測される(文献[5, 22]では、磁化率の相違をマッチングしてこの効果を排除するために、通常、マイクロコイル306a’および毛細管3の周りに、フッ素性の不活性な溶液が配置される)。この効果を低減させる別の方法は、磁化率がマッチングされたワイヤーの、特別な多層金属(典型的にはロジウム−銅)の使用である[22]。
図11bに示されるように、マジック・アングル・スピニングは、磁化率の拡幅効果を排除する。したがって、本発明において、磁化率をマッチングするための、従来のそれら如何なるスキームも必要とされず、標準的な銅コイル、もしくは別の最適化されたコイルが使用され得る。図11bは、自己共振型マイクロコイル306a’および適度な回転周波数(300Hz)のみを使用して得られた高分解能スペクトルを示す。線幅は2.5Hz未満である。高周波振幅は350kHz程度であり、周りを囲む1次コイル5によって供給されたもの(25kHz)に関して、非常に増強された。その結果により、信号対雑音比もまた改善される。自己共振条件を与えるマイクロコイル360a’の正確な長さは、実験的に決定された。さらに、高周波磁場の振幅が、プローブのコイル5によって供給されるものよりも14倍も大きいことと、この実験において、ハイパワーアンプからのパワーのわずか50Wが使用されたこととにも注目すべきである。
参照文献
[1] D. I. Hoult and R. E. Richards, The signal-to-noise ratio of the nuclear magnetic resonance experiment, J. Magn. Reson. 24, 71-85 (1976).
[2] E. R. Andrew, A. Bradbury and R. G. Eades, Nuclear magnetic resonance spectra from a crystal rotated at high speed, Nature 182, 1659 (1958).
[3] A. Samoson, E. Lippmaa and A. Pines, High resolution soild-state NMR averaging of second-order effects by means of a double-rotor, Molecular Physics 65, 1013-1018 (1988).
[4] A. Llor and J. Virlet, Towards high-resolution NMR of more nuclei in solids: Sample spinning with time-dependent spinner axis angle, Chem. Phys. Lett. 152, 248-253 (1988).
[5] D. L. Olson, T. L. Peck, A. G. Webb, R. L. Magin and J. V. Sweedler, High-resolution microcoil 1H-NMR for mass-limited, nanoliter-volume samples, Science 270, 1967- 1970 (1995).
[6] R. Subramanian, M. M. Lam and A. G. Webb, Rf microcoil design for practical NMR of mass-limited samples, J. Magn. Reson. 133, 227-231 (1998).
[7] K. R. Minard and R. A. Wind, Picoliter 1H NMR spectroscopy, J. Magn. Reson. 154, 336-343 (2002).
[8] K. Yamauchi, J. W. G. Jannsen and A. P. M. Kentgens, Implementing solenoid microcoils for wide-line solid-state NMR, J. Magn. Reson. 167, 87-96 (2004).
[9] D. I. Hoult, Tuning and matching an impedance. US Patent Number 6,107,798, issued August 2000 (2000).
[10] D. I. Hoult and B. Tomanek, Use of mutually inductive coupling in probe design, Concepts in Magnetic Resonance B 15, 262-285 (2002).
[11] A. Raad and L. Darrasse, Optimization of NMR receiver bandwidth by inductive coupling, Magn. Reson. Imag. 10, 55-65 (1992).
[12] M. D. Schnall, C. Barlow, V. H. Subramanian and J. S. J. Leigh, Wireless implanted magnetic resonance probes for in vivo NMR, J. Magn. Reson. 68, 161-167 (1986).
[13] I. Farnan, H. Cho, W. J. Weber, R. D. Scheele, N. R. Jahnson and A. E. Kozelisky, High-resolution solid-state nuclear magnetic resonance experiments oh highly radioactive ceramics, Rev. Sci. Intrum. 75, 5232-5236 (2004).
[14] F. E. Terman, “Electronic and radio engineering” Electrical and Electronic Engineering Series McGraw-Hill (1955).
[15] D. A. Seeber, R. L. Cooper, L. Ciobanu and C. H. Pennington, Design and testing of high sensitivity microreceiver coil apparatus for nuclear magnetic resonance and imaging, Rev. Sci. Instrum. 72, 2171-2179 (2001).
[16] K. R. Minard and R. A. Wind, Solenoidal microcoil design. Part I: Optimizing RF homogeneity and coil dimensions, Concepts in Magnetic Resonance 13, 128-142 (2001).
[17] K. R. Minard and R. A. Wind, Solenoidal microcoil design. Part II: Optimizing winding parameters for maximum signal-to-noise performance, Concepts in Magnetic Resonance 13, 190-210 (2001).
[18] J. V. Sweedler, T. L. Peck, A. G. Webb, R. L. Magin and N. Wu, Method and apparatus for NMR spectroscopy of nanoliter volume samples. US Patent Number 5,654,636, issued August 5, 1997 (1997).
[19] J. V. Sweedler, R. L. Magin, T. L. Peck and A. G. Webb, Microcoil based micro- NMR spectrometer and method. US Patent Number 6,097,188, issued August 1, 2000 (2000).
[20] J. V. Sweedler, R. L. Magin, T. L. Peck and A. G. Webb, Microcoil based micro-NMR spectrometer and method. US Patent Number 6,788,061, issued September 7, 2004 (2004).
[21] A. Samoson, T. Tuherm and Z. Gan, High-field high-speed MAS resolution enhancement in 1H NMR spectroscopy of solids, Solid State Nuclear Magnetic Resonance 20, 130-136 (2001).
[22] Webb, A. G., ≪ Radiofrequency microcoils in magnetic resonance ≫, Progress in NMR Spectroscopy, 1-42, 31, (1997).
[23] A. Pines and A. Samoson, Probe for high resolution NMR with sample reorientation US Patent Number 4,899,111, issued February 6, 1990 (1990).
[24] A. Llor, Turbine having a rotor forming a nutation and precession movement. US Patent Number 5,159,271, issued October 1992 (1992).
[25] A. Samoson and A. Pines, Double rotor for solid-state NMR, Rev. Sci. Instrum. 60, 3239-3241 (1989).
[26] A. Medek, J. S. Harwood and L. Frydman, Multiple-quantum magic-angle spinning NMR: A new method for the study of quadrupolar nuclei in solids, J. Am. Chem. Soc. 117, 12779-12787 (1995).
電場による結合を用いる発明に係るNMR装置の部分的かつ概略的な縦断面図である。 磁場による結合を用いる発明に係る別のNMR装置の部分的かつ概略的な縦断面図である。 電場による結合を用いる発明に係る図1aのNMR装置の変形例の部分的かつ概略的な縦断面図である。 共に自己共振型の高感度マイクロコイルへの磁場による結合を用いる発明に係る図1bのNMR装置のそれぞれの概略的な変形例を示す図である。 複数のマイクロコイルを用いる発明の特定の実施形態を概略的に示す図であり、図1fは磁気結合を用いる場合を示し、図1gは容量結合を用いる場合を示す。 電気結合を示す図1aに係る装置の電子部品の概略図である。 磁気(誘導)結合を示す図1bに係る装置の電子部品の概略図である。 複同調誘導結合を示す発明に係る図2bの装置の変形例を示す図である。 図1bおよび2bに係る共振を同調可能な回路を含むローターの概略的な縦断面図である。 発明に係る図3のローターの変形例である。 発明に係る図3のローターの変形例であり、それぞれ概略的な縦断面図および横断面図である。 発明に係る図3のローターの別の変形例であり、それぞれ概略的な縦断面図および横断面図である。 図3に係るローターの概略的な縦断面図であり、ローターの各々の端部はスペクトル分析のために2つの外部ループに供給される。 発明に係る同調共振回路の応答電圧Vの発展を示すグラフであり、グラフは、図4aの構成を用いて、換算された周波数スケールでスペクトル分析器によって測定された。 それぞれ「DOR」プローブ設計に関するダブル・ローター構造の2つの例示的な概略的な縦断面図であり、図5aは従来技術に関し、図5bは発明に係る内部の同調共振コイルに関する。 共振回路内のRF磁場振幅の発展を、その共振周波数ωの関数として、様々な高感度コイルジオメトリーに従って示す複数のプロットグラフである。 共振回路内で消失されたRFパワーとNMRプローブのアンプによって供給されるパワーとの比率の発展を、その共振周波数ωの関数として、様々な高感度コイルジオメトリーに従って示す複数のプロットグラフである。 化学シフトの関数としてプロットされた2つのスペクトル(a)および(b)それぞれを用いて、高感度同調コイルにより囲まれた液体サンプルを含む毛細管の、静止動作モードにおける感度の増強を、「制御」毛細管を欠いた場合と比較して図示する。 化学シフトの関数としてプロットされた2つのスペクトル(a)および(b)それぞれを用いて、高感度同調コイルにより囲まれた固体サンプルを含む毛細管の、回転動作モードにおける感度の増強を、「制御」毛細管を欠いた場合と比較して図示する。 図9において使用されるのと同じ同調回転高感度コイルを含む固体NMR装置に対して適用されたパルスシーケンスである。 この同調回転高感度コイルにより囲まれた毛細管から得られるスペクトルである。 図1dに係る装置の自己共振型の高感度コイルにより囲まれた毛細管の内部で得られる静的なプロトンスペクトルである。 図1dに係る同じ毛細管及び装置の高分解能「MAS」スペクトルであり、300Hzで毛細管の回転を行うことにより得られる。

Claims (35)

  1. 少なくとも1つのサンプル(4)の液体又は固体NMR分光及び/又はNMRイメージング装置であって、
    前記少なくとも1つのサンプルで満たされ、且つ、高周波電磁場にさらされるように設計されているサンプリング体積(3a)を含む少なくとも1つのサンプルコンテナ(3)と、
    核のラーモア周波数で入射高周波磁場を生成することにより、前記少なくとも1つのサンプルの核を励起するための、且つ、前記少なくとも1つのサンプルにより放射されるリターン高周波磁場を受信するための励起回路を含む静止プローブ(P,P’)とを備え、
    前記装置が、前記サンプルコンテナの周りに近接もしくは接触してマウントされ、且つ、高周波電磁場により前記静止プローブに結合される少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、6a”、106a’、206a’、306a’、406a’、506a’、606a’、706a’)を備え、該高感度コイルが、前記サンプリング体積に実質的に等しい検出体積を定めることを特徴とし、
    前記高感度コイル内の充填率と高周波磁場振幅との両方が最大化されるように、前記静止プローブの内部に回転可能にマウントされ、且つ、前記サンプルコンテナに一体化される内部回転ローター(2、102、202)内に、前記高感度コイルが埋め込まれることを特徴とする装置(1,1’)。
  2. 前記高周波電磁場は高周波磁場である請求項1に係る装置。
  3. 前記装置が、前記核の歳差運動周波数を検出するための少なくとも1つの共振回路(6’、6”、106’、206’、306’、406’、506’、606’、706’)をさらに備え、該共振回路が、実質的に前記核のラーモア周波数で同調可能となるように、前記静止プローブ(P’)に電磁気的に結合され、前記共振回路が、前記励起回路の放射コイル内にマウントされた前記少なくとも1つの高感度コイル(6a’、6a”、106a’、206a’、306a’、406a’、606a’、706a’、706a”)を備える請求項2に係る装置(1’)。
  4. 前記少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、6a”、106a’、206a’、306a’、406a’、706a’、706a”)が、前記静止プローブ(P,P’)の内部に回転可能にマウントされ、且つ、前記サンプルコンテナ(3)及び前記高感度コイルに一体化される内部ローター(2、102、202)内に埋め込まれる請求項1〜3の何れかに係る装置(1,1’)。
  5. 前記内部ローター(2)が、前記少なくとも1つのサンプルコンテナ(3)の周りに提供される複数の放射性防護バリア層を含んでいる請求項4に係る装置(1,1’)。
  6. 前記装置が、前記内部ローター(12)を囲む外部ローター(11)をさらに備え、同時に起こるダブル・ローテーションを可能にするために、該外部ローターが、前記内部ローターの周波数よりも低い周波数で回転するように適合される請求項4又は5に係る装置(1’)。
  7. 前記静止プローブ(P’)の品質係数Qと前記共振回路(6’、6”、106’、206’、306’、406’、506’)の期待される品質係数Qとについて、前記静止プローブによって前記高周波磁場が生成される体積であるV1と、前記検出体積であるV2とが:
    V2>V1/(Q.Q
    である請求項3〜6の何れかに係る装置(1’)。
  8. 前記少なくとも1つの高感度コイル(6a’、106a’、206a’、306a’、506a’、506a”)が、100μm〜1500μmの直径を有するマイクロコイルである請求項1〜7の何れかに係る装置(1’)。
  9. 前記少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、106a’、206a’、306a’、506a’、506a”)が、1mm〜20mmの長さと1〜20のターン数とを有する請求項1〜8の何れかに係る装置(1,1’)。
  10. 前記放射コイル(5)と前記少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、106a’、206a’、306a’、506a’、506a”)とが、ソレノイド型である請求項1〜9に係る装置(1,1’)。
  11. 前記少なくとも1つのサンプルコンテナ(3)が毛細管であり、該毛細管の表面上に、前記少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、106a’、206a’、306a’、406a’、506a’、506a”)がマウントされる請求項1〜10に係る装置(1,1’)。
  12. 前記共振回路(6’、106’、206’、306’、406’、506’)が、前記励起回路(5)に誘導結合される請求項3〜11の何れかに係る装置(1’)。
  13. 前記共振回路(6’、106’、206’、506’)が、前記少なくとも1つの高感度コイル(6a’、106a’、206a’)の端子に接続される少なくとも1つのキャパシタ(6b’、106b’、206b’、506b’)をさらに備える請求項12に係る装置(1’)。
  14. 前記キャパシタ(106b’、206b’)が、前記高感度コイル(106a’、206a’)を囲む薄い円筒状のフィルムを備える請求項13に係る装置(1’)。
  15. 前記キャパシタ(106b’)が、前記円筒状のフィルムの軸方向の内部表面及び外部表面それぞれを定めるように、前記高感度コイル(106a’)の軸に平行に延伸する2つの同軸の円筒電極(P1及びP2)を有する請求項14に係る装置(1’)。
  16. 前記キャパシタ(206b’)が、前記円筒状のフィルムの半径方向の基部の端部それぞれを定めるように、前記高感度コイル(206a’)の軸に垂直に延伸する、2つの平行な環状の平面電極(P11及びP2’)を有する請求項14に係る装置(1’)。
  17. 前記共振回路(306’、406’)が、前記高感度コイル(306a’、406a’)から成り、トリチウム、水素もしくはフッ素等の高ガンマ核を分光するための、1又はいくつかの自己共振型マイクロコイルで作られている請求項11及び請求項12に係る装置(1’)。
  18. 前記高感度コイル(306a’)が、ソレノイド型の1つの自己共振型マイクロコイルで作られている請求項17に係る装置(1’)。
  19. 前記高感度コイル(406a’)が、前記毛細管(3)の軸の周りに間隔を空けて軸方向に配置された、自己共振型の複数の同軸の金属リング(R)で作られている請求項17に係る装置(1’)。
  20. 前記共振回路(506’)が、少なくとも1つのタンク回路(TC)を定めるために配置される複数の高感度コイル(506a’、506a”)を備え、前記共振回路(506’)が、複数のタイプの核を分析するための複数のラーモア周波数で、前記静止プローブ(P’)に同時に同調可能である請求項12又は13に係る装置(1’)。
  21. 前記共振回路(506’)が、2つの高感度コイル(506a’及び506a”)を備える周波数二重同調可能な共振回路であり、そのうちの一方の高感度コイルが、他方の高感度コイルを含む前記タンク回路に直列に接続されている請求項20に係る装置(1’)。
  22. 前記高周波電磁場は高周波電場である請求項1に係る装置(1)。
  23. 2つの入出力キャパシタ(6b及び7、106b及び107)が、前記高感度コイル(6a、106a)に直列に接続され、前記高周波電場が、前記キャパシタを通過する請求項22に係る装置(1)。
  24. 前記入出力キャパシタ(6b及び7、106b及び107)が、それぞれ、前記静止プローブ(P)に機械的に接続される静止円筒電極(7、107)と、前記高感度コイル(6a、106a)に機械的に接続され、前記サンプルコンテナ(3)内の対応する端部に近接して埋め込まれる回転円筒電極(6b、106b)とで作られており、前記キャパシタのそれぞれが、前記サンプルコンテナ(3)と同じ回転軸を有する請求項23に係る装置(1)。
  25. それぞれの静止電極(7)が、それぞれの回転電極(6b)を組み込んでいる前記ローター(2)を囲む方式で、それぞれの入出力キャパシタ(6b、7)の2つの電極(6b及び7)が同心である請求項24に係る装置(1)。
  26. それぞれの静止電極(107)が、それぞれの回転電極(106b)を組み込んでいる前記ローター(2)の軸方向の外部に配置される方式で、それぞれの入出力キャパシタ(106b及び107)の2つの電極(106b及び107)が、平行、且つ、前記回転軸に沿って間隔を空けて軸方向に配置される請求項24に係る装置(1)。
  27. サンプルの周りに近接してマウントされ、前記サンプルによって実質的に満たされる検出体積を定める少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、106a’、206a’、306a’、406a’、506a’、506a”)を備える装置(1,1’)を使用する、少なくとも前記1つのサンプル(4)について固体又は液体NMR分光及び/又はNMRイメージングを行うための方法であって、該方法が、
    サンプルコンテナ(3)を満たす前記サンプルを、高周波電磁場にさらすステップと、
    核のラーモア周波数で入射高周波磁場を生成し、前記サンプルの前記核を高周波電磁場により励起し、前記サンプルにより放射されるリターン高周波磁場を受信するステップとを含み、
    この励起および受信が、前記装置の静止プローブ(P,P’)の励起回路によって遂行され、前記少なくとも1つの高感度コイルが、高周波電磁場により前記静止プローブに結合され、
    前記方法が、さらに、その内部に前記少なくとも1つの高感度コイルが埋め込まれる内部回転ローター(2、102、202)を回転させるステップを含み、前記高感度コイル内の充填率と高周波磁場振幅との両方が最大化されるように、該内部回転ローターが、前記静止プローブの内部で回転し、且つ、前記サンプルコンテナに一体化されることを特徴とする方法。
  28. 前記高周波電磁場は高周波磁場である請求項27に係る方法。
  29. 前記方法が、少なくとも1つの共振回路(6’、106’、206’、306’、406’、506’)の前記励起回路への電磁気的な結合を含み、該共振回路が、前記励起回路の放射コイルと、前記核の歳差運動周波数を検出し、実質的に前記核のラーモア周波数で前記励起回路に同調される前記共振回路との内部に、前記少なくとも1つの高感度コイル(6a’、106a’、206a’、306a’、406a’、506a’、506a”)を備える請求項28に係る方法。
  30. 前記高周波電磁場は高周波電場である請求項27に係る方法。
  31. 前記少なくとも1つのサンプル(4)が、静止もしくは回転する固体のサンプルである請求項27〜30の何れかに係る方法。
  32. 前記少なくとも1つの高感度コイル(6a、106a、6a’、106a’、206a’、306a’、406a’、506a’、506a”)が、少なくとも1Hzの回転周波数で、連続的に回転する請求項27〜31の何れかに係る方法。
  33. 前記少なくとも1つの共振回路(6’、106’、206’、306’、406’、506’)が、1kHzより高い回転周波数で、前記静止プローブ(P’)の内部で回転する請求項29及び請求項31に係る方法。
  34. 前記回転周波数が、3kHz〜35kHzの範囲である請求項33に係る方法。
  35. 前記方法が、マジック・アングル・サンプル・スピニング・テクニック(「MAS」)、ダブル・ローテーション・テクニック(「DOR」)およびダブル・アングル・スピニング・テクニック(「DAS」)から成る群から選択される技術を使用して、内部ローター(2)により、前記少なくとも1つの共振回路(6’、106’、206’、306’、406’、506’)を回転させるステップを含む請求項33又は34に係る方法。
JP2008520027A 2005-07-05 2006-07-05 改善された充填率及びrf磁場振幅を用いる高分解能nmr分光及び/又はイメージング装置及び方法。 Pending JP2008545148A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP2005/007978 WO2007003218A1 (en) 2005-07-05 2005-07-05 Apparatus for high-resolution nmr spectroscopy and/or imaging with an improved filling factor and rf field amplitude
PCT/IB2006/003399 WO2007020537A2 (en) 2005-07-05 2006-07-05 Apparatus for high resolution nmr spectroscopy and/or imaging with an improved filling factor and rf field amplitude

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008545148A true JP2008545148A (ja) 2008-12-11

Family

ID=35295410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008520027A Pending JP2008545148A (ja) 2005-07-05 2006-07-05 改善された充填率及びrf磁場振幅を用いる高分解能nmr分光及び/又はイメージング装置及び方法。

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8106657B2 (ja)
JP (1) JP2008545148A (ja)
TW (1) TW200710426A (ja)
WO (2) WO2007003218A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118229A1 (ja) * 2010-03-25 2011-09-29 株式会社神戸製鋼所 フロースルー型nmr分析装置
JP2013501222A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 アジレント・テクノロジーズ・インク 二重用途nmrプローブ
WO2017203784A1 (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 国立大学法人九州大学 オーバーハウザー効果mri用共振器およびオーバーハウザー効果mri測定方法
JP2018513977A (ja) * 2015-04-15 2018-05-31 日本電子株式会社 磁気結合の高分解能核磁気共鳴プローブおよび使用法

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7844344B2 (en) 2004-03-30 2010-11-30 Medtronic, Inc. MRI-safe implantable lead
WO2007003218A1 (en) * 2005-07-05 2007-01-11 Commissariat A L'energie Atomique Apparatus for high-resolution nmr spectroscopy and/or imaging with an improved filling factor and rf field amplitude
WO2007070943A1 (en) * 2005-12-19 2007-06-28 Techmin Pty Limited Induction coil sensing
CA2672798A1 (en) * 2006-12-08 2008-06-12 Doty Scientific, Inc. Improved nmr cryomas probe for high-field wide-bore magnets
US9044593B2 (en) 2007-02-14 2015-06-02 Medtronic, Inc. Discontinuous conductive filler polymer-matrix composites for electromagnetic shielding
US8483842B2 (en) 2007-04-25 2013-07-09 Medtronic, Inc. Lead or lead extension having a conductive body and conductive body contact
JP5112001B2 (ja) * 2007-10-16 2013-01-09 株式会社日立製作所 Nmrプローブ
CA2704674A1 (en) * 2007-11-06 2009-05-14 T2 Biosystems, Inc. Small magnet and rf coil for magnetic resonance relaxometry
US8478381B2 (en) * 2008-01-03 2013-07-02 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services MRI guidewire
US9037263B2 (en) 2008-03-12 2015-05-19 Medtronic, Inc. System and method for implantable medical device lead shielding
WO2009152586A1 (en) * 2008-06-20 2009-12-23 The University Of Queensland Mri apparatus and method with moving field component
TWI395966B (zh) * 2009-01-17 2013-05-11 Univ Nat Taiwan 時域核磁共振造影的方法及其裝置
US8788061B2 (en) 2009-04-30 2014-07-22 Medtronic, Inc. Termination of a shield within an implantable medical lead
US10035014B2 (en) 2009-04-30 2018-07-31 Medtronic, Inc. Steering an implantable medical lead via a rotational coupling to a stylet
US8547110B2 (en) * 2009-09-22 2013-10-01 Adem, Llc Impedance sensing systems and methods for use in measuring constituents in solid and fluid objects
DE102009047565A1 (de) * 2009-12-07 2011-06-09 Bruker Biospin Ag Verfahren zur Regelung von HF-Signalen in einem NMR-System sowie Probenkopf zur Durchführung des Verfahrens
TWI429935B (zh) * 2010-08-09 2014-03-11 Shieh Yueh Yang 低磁場核磁共振系統
US10292617B2 (en) * 2010-09-30 2019-05-21 Aspect Imaging Ltd. Automated tuning and frequency matching with motor movement of RF coil in a magnetic resonance laboratory animal handling system
US8773125B2 (en) * 2010-12-29 2014-07-08 Schlumberger Technology Corporation Microcoil NMR for downhole microfluidics platform
GB2489205B (en) * 2011-03-14 2014-08-20 Schlumberger Holdings Examining porous samples
US9528814B2 (en) 2011-05-19 2016-12-27 NeoVision, LLC Apparatus and method of using impedance resonance sensor for thickness measurement
GB2493746A (en) * 2011-08-17 2013-02-20 Schlumberger Holdings NMR Flow meter with superconducting polariser
US9465089B2 (en) 2011-12-01 2016-10-11 Neovision Llc NMR spectroscopy device based on resonance type impedance (IR) sensor and method of NMR spectra acquisition
US8952708B2 (en) 2011-12-02 2015-02-10 Neovision Llc Impedance resonance sensor for real time monitoring of different processes and methods of using same
WO2013128355A1 (en) * 2012-02-27 2013-09-06 Koninklijke Philips N.V. Magnetic field probe sealed with a metallic plug
US9063196B2 (en) * 2012-03-28 2015-06-23 Battelle Memorial Institute Slow magic angle spinning nuclear magnetic resonance device and process for metabolomics profiling of tissues and biofluids
US9411028B2 (en) 2012-04-14 2016-08-09 Bruker Biospin Corporation Multiple resonance sample coil for magic angle spinning NMR probe
EP2838609B1 (en) 2012-04-19 2019-03-06 Medtronic, Inc. Paired medical lead bodies with braided conductive shields having different physical parameter values
US8746762B2 (en) 2012-06-04 2014-06-10 Steven Darrett Car door shock absorber
GB2505232B (en) 2012-08-23 2018-08-01 Schlumberger Holdings Magnetic resonance examination of porous samples
US9366736B2 (en) * 2012-12-13 2016-06-14 Battelle Memorial Institute Sealed magic angle spinning nuclear magnetic resonance probe and process for spectroscopy of hazardous samples
CN106443535B (zh) * 2013-05-21 2019-04-23 上海联影医疗科技有限公司 磁共振装置中成像磁场测量和校正的系统
US9993638B2 (en) 2013-12-14 2018-06-12 Medtronic, Inc. Devices, systems and methods to reduce coupling of a shield and a conductor within an implantable medical lead
US10279171B2 (en) 2014-07-23 2019-05-07 Medtronic, Inc. Methods of shielding implantable medical leads and implantable medical lead extensions
WO2016014816A1 (en) 2014-07-24 2016-01-28 Medtronic, Inc. Methods of shielding implantable medical leads and implantable medical lead extensions
US10281416B2 (en) * 2014-08-04 2019-05-07 Waters Technologies Corporation Devices for use in solid-state NMR analysis
US10067079B2 (en) * 2014-10-15 2018-09-04 The Curators Of The University Of Missouri Solid state NMR spectroscopy/imaging in situ measuring devices and methods for calibration and determining one or more quantitative properties of a target sample
US10295487B2 (en) 2014-10-15 2019-05-21 The Curators Of The University Of Missouri In situ NMR parameter monitoring systems and methods for measuring pH and temperature
US9995801B2 (en) 2014-12-02 2018-06-12 University Of Kentucky Research Foundation Static multiple-sample NMR probe
DE102015201023B4 (de) * 2015-01-22 2016-09-15 Siemens Healthcare Gmbh MR-Feldsonden mit Zusatzwindungen zur Verbesserung der Homogenität und zur Eingrenzung des Mess-Volumens
KR20160104403A (ko) * 2015-02-26 2016-09-05 삼성전자주식회사 무선 충전 방법 및 그 전자 장치
US11921067B2 (en) * 2015-04-17 2024-03-05 New York University System and method for magnetic resonance mapping of physical and chemical changes in conducting structures
CN104898078A (zh) * 2015-06-05 2015-09-09 东南大学 一种微型螺线管线圈探头及其制造方法
US11249068B2 (en) * 2015-11-09 2022-02-15 Ohio State Innovation Foundation Non-invasive method for detecting a deadly form of malaria
FR3063817B1 (fr) * 2017-03-08 2021-02-26 Commissariat Energie Atomique Cellule de mesure par resonance magnetique nucleaire en milieu liquide, systeme comprenant une telle cellule et son utilisation
EP3709040A1 (de) * 2019-03-13 2020-09-16 Siemens Healthcare GmbH Passive magnetfeldkamera und verfahren zum betrieb der passiven magnetfeldkamera
US10908239B1 (en) * 2020-04-14 2021-02-02 Jeol Ltd. Broad band inductive matching of a nuclear magnetic resonance circuit using inductive coupling
US11726152B1 (en) 2022-08-26 2023-08-15 Jeol Ltd. Solid sample magnetic coupling high resolution nuclear magnetic resolution probe and method of use
CN117783974B (zh) * 2024-02-26 2024-05-28 哈尔滨医科大学 一种直肠用氢、氟双共振射频线圈

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58154645A (ja) * 1982-01-04 1983-09-14 ユニバ−シテイ・オブ・サウス・キヤロライナ 高速核磁気共鳴測定用スピナ
US5424644A (en) * 1992-06-30 1995-06-13 Bruker Analytische Messtechnik Gmbh Probehead for the measuring of magnetic resonance
JPH087168B2 (ja) * 1989-04-14 1996-01-29 オオツカ・エレクトロニクス(ユー・エス・エイ)・インコーポレーテッド 可変温度固体磁気共鳴分光を行うための方法及び装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3038115A (en) * 1957-02-11 1962-06-05 Socony Mobil Oil Co Inc Orientation of nuclear magnetic resonance samples
ATE172796T1 (de) * 1988-08-03 1998-11-15 Univ California Sonde für hohe auflösung nmr mit wiederorientierung der muster
US5539315A (en) * 1995-03-24 1996-07-23 Bruker Instruments, Inc. NMR probe for cross-polarization measurements
US6100687A (en) * 1996-06-11 2000-08-08 California Institute Of Technology Force-detected magnetic resonance independent of field gradients
US5767677A (en) * 1996-08-09 1998-06-16 Varian Associates, Inc. Suppression of radiation damping in NMR
DE19844762B4 (de) * 1998-09-29 2005-02-24 Siemens Ag Vorrichtung zur induktiven Einkopplung eines Kernspinresonanzsignals in eine Empfangsantenne sowie medizinisches Interventionsinstrument
US6653832B2 (en) * 2001-03-09 2003-11-25 Battelle Memorial Institute Method for high resolution magnetic resonance analysis using magic angle technique
DE10130283C1 (de) * 2001-06-26 2003-03-13 Bruker Biospin Gmbh NMR-Probenhalter und zugehörige Betriebsverfahren
US6788064B2 (en) * 2002-03-12 2004-09-07 The University Of Chicago Passively shimmed principal detector elements for toroid cavity detector NMR probes
GB0212581D0 (en) * 2002-05-30 2002-07-10 Imp College Innovations Ltd Medical analysis device
US7271592B1 (en) * 2004-06-14 2007-09-18 U.S. Department Of Energy Toroid cavity/coil NMR multi-detector
US7081753B2 (en) * 2004-07-26 2006-07-25 Varian, Inc. Multiple tuned scroll coil
WO2007003218A1 (en) * 2005-07-05 2007-01-11 Commissariat A L'energie Atomique Apparatus for high-resolution nmr spectroscopy and/or imaging with an improved filling factor and rf field amplitude

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58154645A (ja) * 1982-01-04 1983-09-14 ユニバ−シテイ・オブ・サウス・キヤロライナ 高速核磁気共鳴測定用スピナ
JPH087168B2 (ja) * 1989-04-14 1996-01-29 オオツカ・エレクトロニクス(ユー・エス・エイ)・インコーポレーテッド 可変温度固体磁気共鳴分光を行うための方法及び装置
US5424644A (en) * 1992-06-30 1995-06-13 Bruker Analytische Messtechnik Gmbh Probehead for the measuring of magnetic resonance

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013501222A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 アジレント・テクノロジーズ・インク 二重用途nmrプローブ
WO2011118229A1 (ja) * 2010-03-25 2011-09-29 株式会社神戸製鋼所 フロースルー型nmr分析装置
JP2011203106A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Kobe Steel Ltd フロースルー型nmr分析装置
US9372246B2 (en) 2010-03-25 2016-06-21 Kobe Steel, Ltd. Flow-through NMR analyzer
JP2018513977A (ja) * 2015-04-15 2018-05-31 日本電子株式会社 磁気結合の高分解能核磁気共鳴プローブおよび使用法
WO2017203784A1 (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 国立大学法人九州大学 オーバーハウザー効果mri用共振器およびオーバーハウザー効果mri測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20100156414A1 (en) 2010-06-24
US8106657B2 (en) 2012-01-31
WO2007003218A1 (en) 2007-01-11
WO2007020537A2 (en) 2007-02-22
TW200710426A (en) 2007-03-16
WO2007020537A3 (en) 2007-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008545148A (ja) 改善された充填率及びrf磁場振幅を用いる高分解能nmr分光及び/又はイメージング装置及び方法。
US7271592B1 (en) Toroid cavity/coil NMR multi-detector
Kentgens et al. High-resolution liquid-and solid-state nuclear magnetic resonance of nanoliter sample volumes using microcoil detectors
Haase et al. NMR probeheads for in vivo applications
US7081753B2 (en) Multiple tuned scroll coil
JP5276023B2 (ja) 高磁場磁気共鳴適用のための正弦的に共鳴する無線周波ボリューム・コイル
CN108431622B (zh) 在核磁共振探针中的多共振电路中的感性耦合和使用方法
Yamauchi et al. Implementing solenoid microcoils for wide-line solid-state NMR
US20060017440A1 (en) Resonator system
US8203342B2 (en) Nuclear magnetic resonance imaging system and coil unit
JP5548269B2 (ja) 二重用途nmrプローブ
JP2005017291A (ja) 核四極子共鳴及び核磁気共鳴を同時に生じる、又は2重核四極子共鳴を生じる化合物を検出及び/又は分析する方法、センサ素子及び配置
JP6719422B2 (ja) Hfコイルアセンブリを有するmas−nmr磁気共鳴装置、測定用プローブ、およびnmr測定を実行するための方法
US10656107B2 (en) Magnetic coupling high resolution nuclear magnetic resolution probe and method of use
JP6697187B2 (ja) 固体nmr装置及びマジック角調整方法
US20160116554A1 (en) Nmr probe comprising a coil including two helical windings having turns of different opposing angles of between 0 and 90 degrees relative to the axis thereof
JP4266216B2 (ja) Nmr・esrアンテナ及びそれを用いた分析装置
Mispelter et al. Homogeneous resonators for magnetic resonance: A review
EP1910859A2 (en) Apparatus for high resolution nmr spectroscopy and/or imaging with an improved filling factor and rf field amplitude
JP4034223B2 (ja) Nmr装置用超電導マグネットおよびnmr装置
Hudson et al. Open access birdcage coils for microscopic imaging of plants at 11.7 T

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120731