JP2008542263A - 認知能力改善薬 - Google Patents

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アルフォンス エフェルハルト フレフェル,マチアス
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Abstract

ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物を含有する組成物は、ヒトの認知能力を改善し又はその低下を防止し、又はヒトにおける神経学的障害を改善し、又はその兆候を防止することを説明する。本組成物は、当該ヒトが、投与時、神経変性疾患のいずれかの種にも罹っておらず;認知能力の低下は、加齢関連であるが、神経変性疾患に関係しない場合;又は神経学的疾患が認知能力の喪失を特徴とする兆候に関連する場合の、治療にとって有利である。

Description

技術分野
本発明は、認知能力改善薬に関する。より特に、本発明は、認知能力、例えば、記憶力の低下を改善又は防止するための樹皮抽出組成物、並びに新規使用及び方法に関する。
背景技術
ヒトの脳は、多数の認知機能を備えたひじょうに複雑なシステムである。生理学的には、脳は、異なる認知作業の遂行に関連する情報処理に異なる程度で関連するいくつかの部分に分割されうる。神経生理学的レベルにおいては、領域、サブ領域、及び領域間結合の神経ネットワークを構築するニューロンの興奮性及び抑制性集団が含まれる。一緒になって、上記ネットワークの複雑な機能は、ヒトに、学習、理解、理由付け、及び記憶ならしめる複雑な認知能力のための基礎と理解されている。
ほとんどのヒト認知能力に関連する脳処理の重要な部分は、短期記憶のより古い概念を含み、そしてこれを超える、作動記憶(working memory)である。作動記憶は、言語理解、学習、及び論理付けの如き複雑な作業のために必要な情報の一時的な保管及び操作を提供する脳の能力をいう。作動記憶は、これらの異なる源を協調させる中央実行機能をもついくつかのサブコンポーネントから成る1つのシステムであると現在考えられている。中央実行機能は、チェス・ゲームの実行の如き技能において重要であり、そしてアルツハイマー病の効果に対して特に敏感である(Baddeley,1992)。
ヒト個々人は、認知能力が相違する。例えば、ヒトは、言葉、数字又は絵を憶えるための異なる能力を有し、そして情報を想起し、又はチェス・ゲームの実行の如き知的要求作業を実行するように頼まれたときの反応速度及び正確さが相違する。
個人の認知能力は、多数の異なるタイプの認知作業を用いて試験及び評価されうる。複雑な神経生理学的及び神経イメージング技術に関しては、認知作業を遂行する人々の異なる脳領域内及び間で異なる脳活動が検出されうる。このアプローチは、異なる作業及び特徴的な脳活動に対する認知能力の間の特定の相関を定めることを可能ならしめる。
このような相関の例は、以下のものを含む:
・作動記憶能力は、標準化知能試験(Colom 2004)により評価される個々人の論理付け技能とひじょうに高く相関すること;
・より高い知能(IQ)をもつ個人は、より低い知能(IQ)をもつ個人と比較して、特定の作業を遂行するとき、より高い負の脳電位をもつこと(Pelosi L et al.,1992)。
このタイプの試験は、認知性能の計測を可能にし、そして、認知能力の改善又は低下を測定することを可能にする。研究は、記憶力を含む認知機能は正常な加齢に伴って、そして神経学的疾患の結果として低下し;そして異なるタイプの認知機能の変化の程度は変動することを示している(Cullum et al.,2000)。
ある研究においては、短期記憶と作動記憶を含む認知能力は、試験された集団の年齢が増加するに伴って空間的作動記憶のコンピュータ支援試験に対する性能の有意な低下により証明されるように、年齢とともに弱くなることが示された(Tournier et al.,2004)。
ひじょうに限られた処置オプションは以下のために存在する:
・いずれかの年齢の健康な人々の記憶を含む認知能力を改善するため;
・加齢に伴う認知能力の正常な低下を防止するため;
・ヒトにおける痴呆を含む多くの神経学的疾患に特徴的な認知弱化の兆候を打ち消すため。
多くの臨床試験において調査されてきた伝統的な処置は、ギンコウ・ビローバ(ginkgo biloba)抽出物を単独で、及び他の植物抽出物とともに、含む食事補助物の使用である。ギンコウ・ビローバの効果に対する科学的な研究は、多くの刊行物においてひじょうに矛盾した結果を与え、そしていくつかは効果を認めず、そして他は記憶改善を示している。
PCT公開WO2002/053152は、脳癌及び神経変性疾患、特にパーキンソン病を治療するためのフラボノイド源、例えば、ぶどうの種子又は緑茶からのプロアンソシアニジン(proanthocyanidins)を含むフラボノイドの使用を考えている。神経変性疾患を治療する上記目的のためのフラボノイドの有用性は、1)神経変性は、細胞に対するフリー・ラジカルの損傷の形での増加した酸化ストレスから生じうる、2)パーキンソン病患者は、上記損傷の兆候を示す、及び3)フラボノイドは、酸化ストレスを打ち消すための抗酸化剤として作用しうる、という教示により推定される。しかしながら、当業者にとって、これらの教示は同時発生の観察を構成するだけであり、因果関係はなく、そして個々のフラボノイド又はフラボノイド混合物が神経変性疾患を治療するために使用しうるという予測を妥当に示唆しないことは明らかである。WO2002/053152中に提供される特定の例は、パーキンソン病の化学物質誘導ラット脳モデルにおけるカンキツ属果実の皮からの特定のフラボノイドであるタンジェレチン(tangeretin)の効果を記載する。この実施例からの教示から、当業者は、タンジェレチン以外のフラボノイドがパーキンソン病における正の効果を潜在的に有しうることを全く予測することはできない。このPCT公開中に記載される適用は、脳癌及びパーキンソン病の如き身体的表示を示す脳疾患の治療に限定される。記憶に関する又は記憶の低下を改善/防止することに関する開示は全くなされていない。
米国特許出願第2003/0180406号は、認知機能を改善するために特にココアから得られたポリフェノール組成物を使用する方法について記載する。しかしながら、そのメカニズムは、細胞間のギャップ接合コミュニケーションに、そしてより特に、細胞膜内コネクシン(connexin)タンパク質の富化に関する。請求に係る効果の証拠は、ギャップ接合細胞間コミュニケーションに制限され、そしてラット肝表皮細胞に対する細胞培養実験からのみのものである。ヒトにおける認知機能又は神経変性疾患に対する効果は証明されておらず、又は米国特許出願第2003/0180406号に示す実施例から当業者により妥当に予測されることはできないであろう。改善された認知機能、例えば記憶に対応しうるヒト脳活動に対する効果は記載されていない。
アルツハイマー性痴呆の最近の薬理学的処置のオプションは、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用である。これらの化合物は、進行を遅らせることができるが、当該疾患を治癒することはできず、そして好ましくないコリン作動性、肝毒性その他の副作用を発揮しうる。薬理学的酵素阻害剤も、不所望の副作用のリスクに因る認知能力を高めるための健康なヒトにおける使用のために好適ではない。
特許公開WO2005/044291号は、神経細胞を保護し、そしてそれゆえ、変性脳疾患を防止するためにぶどうの種子(ヴィタス(Vitus)属)抽出物を使用することを記載する。脳疾患は、脳卒中、大脳震盪症、ハンチントン舞踏病、CJD、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び老人性痴呆症を含むと記載されている。同様の機能を提供するために他の抽出物を使用するという教示は提供されておらず、またぶどうの種子抽出物のユニークなフラボノイド特性に因り、他の抽出物からの同じ結果を予測することは自明ではないであろう。さらに、当該発明は、非疾患状態、例えば、認知能力を改善するための選択的処置には向けられていない。
特許公開WO2005/067915号は、フラボノール(flavonols)及び、フラボン(flavones)、フラボノール(flavonols)、プロアンソシアニジン(proanthocyanidins)、及びアンソシアニジン(anthocyanidins)(合成又は樹皮抽出物由来)と混合されたヒドロキシスチルベン(hydroxystilbenes)(合成又は緑茶由来)の合成混合物を開示する。上記混合物は、疾患状態、例えば、痴呆、アルツハイマー病、脳血管疾患、加齢関連認知弱化、及びうつ病に関連する神経変性を低下させるために使用されることが記載される。個々の成分は、それ自身治療効果をもつとは開示されていない。さらに、上記混合物は、既に疾患状態にあるヒトを治療するために使用される。選択的処置として神経疾患に罹っていないヒトを治療することは、開示されていないし、当該記載から自明ではないであろう。
米国特許第5,719,178号は、ADHDを治療するためのプロアンソシアニジン(proanthocyanidin)抽出物の使用を記載する。上記特許は、ADHDが注意欠陥及び/又は過活動衝動の持続的パターンに等価であることができ、そして認知欠陥といわれることを記載する。米国特許第5,719,178号において使用されるプロアンソシアニジン抽出物は、針葉樹(マツ)の樹皮(カイガンショウ(maritime pine))から抽出され、そして複素環抗うつ薬(デシプラミン(desipramine))及びカンキツ属バイオフラボノイドとともに使用される。先の特許公開と同様に、個々の成分(プロアンソシアニジン、抗うつ薬、及びフラボノイド)はそれら自身有用な治療効果をもつとは開示されていない。さらに、上記混合物は、既に疾患状態にある(ADHDをもつ)ヒトを治療するために使用される。一般的認知能力を改善するための選択的処置として神経疾患に罹っていないヒトを治療することは開示されておらず、また当該記載から自明ではないであろう。
特許公開WO02/076381号は、プロアンソシアニジンの投与による哺乳動物におけるアミロイド、非アミロイド成分、及びα−シヌクレイン(α−synuclein)疾患の治療方法を記載する。プロアンソシアニジンは、アミロイド及びα−シヌクレイン/NAC原線維発生の強力な阻害剤として記載され、そしてアルツハイマー病、パーキンソン病、2型糖尿病、全身性AAアミロイドーシスその他のアミロイド疾患に関連するさまざまなアミロイドα−シヌクレイン疾患のための強力な破壊/脱会合又は事前形成フィブリルを引き起こす。しかしながら、多数のアミロイド疾患におけるアミロイド又はα−シヌクレイン・フィブリルの存在又は原線維発生(fibrillogenesis)プロセスが認知機能の喪失にどのように関係するか、及び何らかの因果関係が存在するのか否かに関しては不明である。さらに、一般的認知能力を改善するために選択的処置として神経疾患に罹っていないヒトを治療することは、開示されていないし、当該記載から自明ではない。
したがって、現存処置に関係しうる不所望の副作用を含まない認知機能を改善し、そして/又はこれを防止する際に使用される配合品をもつことが望ましいことが理解されよう。
それゆえ、本発明の目的は、以上の課題を解決し、又は少なくとも公衆に有用な選択肢を提供する。
本明細書中に引用する特許又は特許出願を含む刊行物の全てをここに援用する。刊行物が先行技術を構成することを自白するものではない。文献の討議は、著者が主張することを記載し、そして本出願人は、引用された文献の正確さ及び適切さを攻撃する権利を留保する。多数の先行技術文献が本明細書中に言及されるけれども、当該文献のいずれも、ニュージーランド国又はその他の国において、技術常識の一部を形成するという自白を当該言及は構成するものではないことは明らかに理解されよう。
用語「含む(comprise)」は、さまざまな司法管轄の下、制限的又は非制限的な意味をもつとされることは承知している。本明細書のためには、別段の定めなき限り、用語「含む(comprise)」は、非制限的な意味をもつ、すなわち、直接に言及された列記された成分だけでなく他の特定されていない成分又は要素も含むと理解される。この解釈は、方法における1以上のステップに関して用語「comprised」又は「coprising」が使用されるときも使用される。
本発明のさらなる局面及び利点は、例示のためにのみ与えられる以下の記載から明らかになるであろう。
発明の開示
樹皮抽出物を含む組成物の経口投与を摂取することにより、ヒト対象者が、認知能力を試験するためにデザインされた作業に対してより良く遂行することが、本出願人により発見された。
本明細書のために、用語「認知能力(cognitive abilities)」は、知能、学習能力、問題解決能力、集中力、記憶、理解、実行力、作動記憶、認知作業に対する応答時間、認知作業に対する正確さを含む情報処理に関係する脳内で生じる精神活動の結果として定義される。
認知機能に関して使用される用語「改善(improve,improving又はimpravement)又はその文法語尾変化は、ヒトにおいて上記認知機能を試験するために使用される作業に関して、計測しうる遂行上昇を達成する能力をいう。
用語「記憶(memory)」は、情報を保存し、そして想い出すことができる脳の生物学的プロセスとして定義される。
用語「作動記憶(working memory)」は、複雑な認知作業、例えば、学習及び論理付けを遂行するために必要な情報の一時的な保存及び操作を提供する脳のプロセスの組合せとして定義される。
用語「集中(concentrate)又はその文法語尾変化は、注意をそらさずに特別な作業に集中する対象者の能力をいう。
用語「正確さ(accuracy)」又はその文法語尾変化は、ヒトにおいて上記認知機能を試験するために使用される作業に対して正しい決定を行う能力をいう。
用語「より高い知能(higher intelligence)及びより低い知能(lower intelligence)」とは、標準的な心理学的知能指数(IQ)試験に基づく個人の相対比較をいう。例えば、フルスケールIQテストにおいて100の値の等級をもつより低い知能の者に比較して、同一テストで120の値の等級をもつとき、その者はより高い知能をもつと考える。
用語「応答時間(response time)」とは、決定を行うことを要求する作業に応答するために対象者が要する時間をいう。応答時間は、対象者がある形態の刺激、例えば、質問に遭遇した時から、例えば、「イエス/ノー」ボタンを押すか又は回答することにより、当該刺激に反応する時まで計測される。
用語「有効量又は投与量(effective amount又はdose)」又はその文法語尾変化は、所望の効果を示すために十分な量の作用物質をいう。有効量は、本明細書中に与えられるガイダンスを用いて当業者により決定されうる。
本発明の1の局面によれば、ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物であって、当該ヒトは、投与時、神経変性疾患のいずれの種にも罹っておらず、かつ、当該組成物は、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む、前記組成物が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物であって、当該認知能力の低下は、加齢に関連するが、神経変性疾患のいずれにも関係せず、かつ、当該組成物は、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む、前記組成物が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの神経学的疾患の兆候を改善又は防止するための組成物であって、当該兆候は、認知能力の喪失を特徴として、かつ、当該薬理学的剤は、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む、前記組成物が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物の製造におけるピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量の使用であって、当該ヒトは、投与時、神経変性疾患のいずれの種にも罹っていない前記使用が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物の製造におけるピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量の使用であって、当該認知能力の低下は、加齢に関連するが、投与時の神経変性疾患のいずれにも関係しない前記使用が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの神経学的疾患の兆候を改善又は防止するための組成物の製造における、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量の使用であって、当該兆候は、認知能力の喪失を特徴とする前記使用が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの認知能力の低下を改善又は防止する方法であって、当該ヒトは、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む組成物を投与され、そして当該ヒトは、投与時、神経変性疾患のいずれの種にも罹っていない前記方法が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの認知能力の低下を改善又は防止する方法であって、当該ヒトは、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む組成物を投与され、そして当該認知能力の低下は、加齢に関連するが、投与時の神経変性疾患のいずれにも関係しない前記方法が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、ヒトの神経学的疾患の兆候を改善又は防止する方法であって、当該ヒトは、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む組成物を投与され、そして当該兆候は、認知能力の喪失を特徴とする前記方法が提供される。
好ましくは、前記認知能力が、知能、学習能力、問題解決能力、集中力、記憶、理解、実行力、作動記憶、認知作業に対する応答時間、認知作業に対する正確さから成る群の内の1以上から選ばれる。
好ましくは、前記組成物中の活性化合物は、水溶性であり、そして水ベースの抽出プロセスを用いて抽出される。1例のプロセスは、NZ329658/US5,968,517のプロセスである。
好ましくは、前記組成物は、フラボノイドと、いくつかの非フラボノイド化合物の複合混合物を含む。より好ましくは、前記樹皮抽出物は、ピナス・ラジアータ(Pinus radiata)(モントレー・マツ又はラジアータ・マツ)の樹皮に由来する。マツの樹皮抽出物は、先の研究により、マウス及びヒトに対して非毒性であることが判明しており、そしてヒトの健康にとって有益である広い作用スペクトルをもつ。
先の研究に基づき、本願発明者は、好ましい組成物は、カテキンのダイマー、オリゴマー及びポリマー、並びにエピカテキンであるさまざまなプロアンソシアニジン化合物に富み、そしてまた、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クエルセチン、ジヒドロクエルセチン、ミリセチン、アストリンジェニン、ピノシルビン、タキシフォリン、スチルベン、ヒドロキシルスチルベン、及びフェノール酸を含む群から選ばれうる1以上の他のフラボノイド及び植物フェノール化合物を含むと理解する。
好ましくは、前記組成物は、水ベースの抽出プロセスを用いて製造される。
好ましい態様においては、前記組成物は、経口投与される。あるいは、他の投与方法、例えば、懸濁液、飲料、トニック、シロップ、粉末、固体又は液体食品中の成分、並びにそれらの組合せも企図される。
好ましい態様においては、実質的に先に記載された組成物は、規則的な日用投与物として経口投与される。
好ましい投与量は、1日当り経口摂取される合計1〜10カプセル(より好ましくは、1日当り4カプセル)であって、各カプセルは、1日当り、約240mgのマツ樹皮抽出物又はプロアンソシアニジンを含むことを本発明者は経験した。投与割合は、対象者の代謝レベルその他の生化学的要因、例えば、季節食事要求、投与方法、抽出能力、等に依存して上記レベルの間で変動しうることを理解すべきである。
上記のものよりも低い又は高い投与量が害を伴わずに使用され、そして未だ有効でありうることも当業者は理解すべきである。マツ樹皮抽出物は非毒性であり、天然源をもち、そしてプロアンソシアニジンに富む物質である。少なくともこの抽出物のより高い投与量は、対象者に毒性反応を生じさせず、そしていくつかの対象者に実際有利でありうる。より低い投与量も有利であることができ、そして処置において同一の効果を達成しうる。
治療的/予防的投与は、養生法として、すなわち、有効時間量にわたり、必要な時間にわたり例えば、毎日、1週間毎、1月毎、2月毎、年2回、1年毎、又は当業者により決定されるいくつかの他の養生法において、続けられる。投与は、少なくとも認知能力を改善するために十分な時間期間にわたり続けられる。好ましくは、養生法は、少なくとも5週間にわたり日用で続けられる。
1の態様においては、樹皮抽出物は、脳電気的活動を変化させることができ、そしてこの変化を通じて、脳電気活性の新しいパターンは、標準的な心理学的試験により測定されるとき、より低い知能をもつ者に比較してより高い知能をもつ者のパターンに似ていると本発明者らは理解している。これは1つの解釈であるけれども、神経学的システムはひじょうに複雑であり、そしてそれゆえ、本発明者らにより理解されていない他のメカニズムも生じうると理解すべきである。
樹皮抽出物は、脳電気活動のパターンを改善し、又はその低下を防止しうることも理解される。好ましくは、樹皮抽出物は、脳の生理学的プロセスの低下を改善又は防止することができる。好ましくは、これらは、認知機能の弱化を導くプロセスである。再び、上記理解は、制限的であると解釈されるべきではない。
発見された主要な利点は、対象者は、処置されていない対象者に比較して記憶作業に対してより良く遂行するということ、及び脳電気活動は好ましいやり方で変更されるということ、である。
本発明のさらなる利点は、本発明に係る組成物による処置後に有害な副作用をもたないようであるということである。これは、神経学的疾患に罹ったヒトにおいて認知の喪失を打ち消すことを目的とする医薬に有害な副作用が共通して生じているという従来技術に対する大きな改良である。
1の態様においては、本組成物は、フラボノイド、ビタミン、ミネラル、他の知られた治療的活性化合物、添加物又は賦形剤を含む他の抗酸化活性成分を含むこともできる。しかしながら、本組成物は、マツ樹皮から抽出された化合物だけを含むときさえ有効であることを、当業者は理解すべきである。
さらなる選択肢においては、実質的に先に記載された組成物は、増量剤、賦形剤、改質剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、その他の知られた配合成分から選ばれる成分を用いて配合されうる。
一定範囲の認知機能、特に記憶に関するものを治療するための組成物並びに関連する使用及び方法が提供されることは、先の記載から明らかであろう。本方法は、認知機能を改善するため又は認知機能の低下を少なくとも防止するために、健康な対象者においてさえ使用されうる。本組成物から有害な副作用は全く生じず、そしてそれゆえ、本方法は、現存の方法及び治療にとっての有用な代替手段を提供しうる。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る方法及び使用を、ヒトにおける認知機能に対するマツ樹皮抽出物の投与からの効果を測定するために、処置群及び対照群における対象を用いた、二重盲目、管理臨床試験を参照して、以下に説明する。
方法論
サプリメント(補給物)
ピナス・ラジアータ(Pinus radiata)の樹皮からのマツ樹皮抽出物を、経口で摂取されるカプセルの形態で、試験処置群において使用した。各カプセルは、約240mgのマツ樹皮抽出物と約30mgのビタミンCの一定投与量を含有していた。対照群においては、同じ外観を呈するが30mgのビタミンCのみを含有するプラシーボ・カプセルを使用した。
対象(Subjects)
試験は、50〜65歳の間にある合計42人に対して実施した。参加者は、彼(女)らが、良好な一般的健康状態にあることに基づき、そして一般実務家により決定される編入及び除外基準の全てを彼らが満たすことを確認した後、当該試験に編入した。基準は、試験前に、ビタミン又はハーブ補給物を摂取していないこと、及び神経学的障害に罹っていないことを含んでいた。
対象を、試験期間(5週間)の間に、マツ樹皮抽出物又はプラジーボ・サプリメントのいずれかを摂取するよう無作為に割り振った。参加者は、試験の間、他のサプリメントは一切摂取しなかった。参加者及び結果を分析することに関係する研究補助者の両者が、補給物のタイプ(マツ樹皮抽出物又はプラシーボ)について盲目であった。
参加者は、4カプセルの日用投与量を摂取するよう要求された。マツ樹皮抽出物補給物に割り振られた者は、上記4カプセルから960mgのマツ樹皮抽出物と120mgのビタミンCから成る合計日用投与量を受容した。プラシーボ補給物に割り振られた参加者は、合計120mgのビタミンCを含有する4個のカプセルを日用摂取するよう要求された。プラシーボ・カプセルは、上記マツ樹皮抽出物含有カプセルと外観は同じであった。
試験(Testing)
脳電気神経イメージング(Brain electrical neuro−imaging)及び認知試験を、補給物開始前(セッション1)に、そして補給物投与5週間後に再び、実施した。
コンピュータ支援認知試験及び静止状態プローブ・トポグラフィー(steady−state probe topography(SSPT))を、脳活動における速い変化、及び記憶性能計測における変化を検出するために使用した。SSPTの電気生理学的技術を、ここで、食事補給物に関連する脳電気活動における変化を調べるために使用した。なぜなら、脳電気活動は即時的であり、そして神経伝達のレベルに感受性であり、そしてこの技術を用いてより容易に計測されうるからである。このSSPT技術により、サブ−セカンド(1秒未満)タイミングをもって生じる神経イメージング記憶プロセスは、特定の脳領域の上での電気信号の変化として検出されうる。これらの活動パターンは、認知作業の実行の間の個々の対象の電気活動の全体的変化の信頼しうる推定を作り出すために、連続した刺激の提示にわたって平均されることができる。SSPT神経イメージングに関するより多くの情報は公開されている(Silberstein et al.,1990;Silberstein et al.,1995)。
補給前及び5週間後である、セッション1とセッション2の間、脳電気活動を64ヶ所の頭皮部位で連続して記録し、同時に対象は、一連のスクリーン・ベースの認知作業を遂行した。視野スクリーン上にスーパーインポーズされたものは、それぞれ、160°と90°の水平角と垂直角を定めるハーフ・ミラー・レンズを備えた一セットのゴーグルによりデリバリーされる連続して提示される光フリッカーであった。このフリッカーは、「無関係(irrelevant)」又は「プローブ・フリッカー(probe flicker)」といわれる。なぜなら、対象は、コンピューター・ベースの作業に集中し、フリッカーには集中しないからである。但し、静止状態の視覚的に発生する電位(SSVEP)を生成するのはこのフリッカーである。
コンピュータ支援認知試験の間、正確さ及び応答時間を、各認知作業についてセッション1とセッション2において各参加者について計測した。情報を、混合デザインANOVAを用いて分析して、群(マツ樹皮抽出物、プラシーボ)と時間(セッション1、セッション2)の可能性のある相互作用を調べ、そして各群についての時間効果を別々に調べるために使用したANOVAを繰り返し計測した。
脳神経イメージングの間、静止状態の視覚的に発生する電位事件関連部分コヒーレンス(SSVEP−ERPC)を、頭皮上の全2016個の別々の電極対について計測し、そして全試験を通じて平均した。ERPCは、皮質領域の間の機能的結合の尺度を提供する。
精神測定計測、例えば、正確さとSSVEP−ERPCの間の関係を、全2016個の電極対について繰り返した作業エポック内の各時間点についての上記計測の間の相関係数を計算することにより特定の電極対についても計測した。いくつかの有意な試験レベルの後、上記部分コヒーレンス計測と精神計測性能を、セッション1とセッション2において集めた結果の間を比較して、上記マツ樹皮抽出物群と上記プラシーボ群の間の脳活動における差を同定した。
結果
特別作動記憶と単純認識記憶
上記コンピュータ支援認知試験からの結果の分析は、上記マツ樹皮抽出物群において特別作動記憶と単純認識記憶について応答時間における有意な改善を示したが、上記プラシーボ群においては示さなかった。表Iは、マツ樹皮抽出物又はプラシーボ・カプセルを投与された参加者についての処置前と処置後における個体の神経・心理学的試験からの神経認知応答時間等級(ミリ秒、ms)に関する結果を示す。
Figure 2008542263
マツ樹皮抽出物群については、補給物投与後、特別作動記憶についての平均応答時間は、64ms程改善された(時間効果有意差p=0.04)。プラシーボ群においては1.5ms程の反応時間における非有意な増加があった。マツ樹皮抽出物群におけるこの変化は、一変量解析によりプラシーボに対して有意であった(p<0.05)。
マツ樹皮抽出物群については、補給物投与後、単純認識記憶についての平均応答時間は、59.7ms程改善された(時間効果有意差p=0.0016)。プラシーボ群においては、反応時間における7ms程の非有意な増加があった。マツ樹皮抽出物群におけるこの変化は、一変量解析によりプラシーボに対して有意であった(p<0.05)。
これらの結果は、プラシーボ群において観察されなかった、マツ樹皮抽出群における重要な記憶成分の有意な改善を示している。
脳電気神経イメージング
脳電気神経イメージングからの結果の分析は、プラシーボ群においては存在していなかったマツ樹皮抽出物補給物を摂取した参加者について驚くべき、かつ、予想外の効果を示した。
脳電気活性計測の事件関連部分コヒーレンス(ERPC)分析は、オブジェクト作動記憶作業及び回復記憶作業(retrieval memory task)の間に、なされた。
上記オブジェクト作動記憶作業の結果(図1と図2)は、記憶作業のホールド期間における脳の前頭/前頭葉前部と頭頂骨−側頭骨部位のロングレンジ脱カップリングを示した、補給物投与後のマツ樹皮抽出物群についてのコヒーレンス・パターンの変化があったことを示した。図1は、セッション2とセッション1の差がマツ樹皮抽出物群についてt>2.86の臨界有意差を超える場合の、電極対の分布を示す。マツ樹皮抽出物群についてのピーク効果が、オブジェクト作動記憶作業におけるホールド間隔の初期に生じ、そして主にロングレンジ脱カップリングを含むことは注目に値する。図2に示すように、個々人の性能レベルとERPCの分布及び性質との相関分析を用いることにより、応答の正確さが、記憶作業のホールド期間の間の前頭/前頭葉前部と頭頂骨−側頭骨部位のロングレンジ脱カップリングとひじょうに有意に相関したことが判明した。図2中の点線は、ERPCが正確さと正に相関するところの電極対に一致することは注目に値する。最高有意差のピークは、ホールド期間内に生じ、そしてロングレンジ脱カップリングを示す。
回復記憶作業のERPC分析の結果(図3と図4)も、プローブの提示後約0.6秒の前頭/前頭葉前部と頭頂骨−側頭骨部位のロングレンジ脱カップリングを示した補給物投与後のマツ樹皮抽出物群についてのコヒーレント・パターンの変化があったことを示した。図3は、約0.6秒における負のコヒーレンスの有意に高いピークをもつマツ樹皮抽出物群についての対合スチューデントt−テストにおいてERPCの差がt=2.86を超える場合の、電極対の分布の概要図を示す。この記憶作業において観察されたロングレンジ脱カップリングの有意差は、正しい回復試験と誤った回復試験の間の差を計測することにより、増強された認知又はその他の観点で、調べられた。
図4は、セッション1において正しい試験についてのERPCから誤った試験についてのERPCを引いたものが、t>2.72の臨界値を超える場合の、電極対の分布の概要図を示す。当該グラフは、正−誤比較についてのスチューデントt−テストが|t|>2.72の臨界値を超えた場合の、電極対の数を示す。正マイナス誤試験についてのERPCの比較は、正しい試験が、点線における最高ピークにより表されるプローブの提示から特に約0.6秒後に、低下した皮質カップリングと関係していたことを示した。
換言すれば、上記の発見は、低下した皮質カップリングは、作業遂行の間に一時的に高められた認知を示す上記記憶作業に対する正しい遂行に関連していることを示すものである。重要には、記憶作業を実行するとき、ロングレンジの皮質カップリングにおけるこの観察された低下が、マツ樹皮抽出物群のみに生じ、プラシーボ群においては生じなかったということである。これは、マツ樹皮抽出物群における者は、記憶作業を遂行するとき、高められた認知プロセスにおいて表示された脳電気活動の変化を示したということを、示している。
さらに、異なるIQレベルをもつ人々における脳電気活動を調べた他の研究は、以下のことを示している:
1.認知作業を実行するとき「より負の(more negative)」事件関連電位は、より高い知能レベルに強く相関する(Pelosi L et al 1992);及び
2.高まった個々人の熟達は、精神回転試験(Silberstein、パーソナル・コミュニケーション)に対する前頭葉前部/前頭部位と後頭部位の間の低下したロングレンジ皮質カップリングと、相関する。
これらの観察は、マツ樹皮抽出物群において観察された脳活性の変化が、より高いIQをもつ人において存在するものに似た脳活動パターンを刺激するという結論を支持する。
試験の結論
上記分析は、以下のことを示した:
・マツ樹皮抽出物補給物は、記憶作業を実行するヒトにおける応答速度を改善した。
・マツ樹皮抽出物群に特異的な脳電気活動のパターンが存在した。
・上記パターンは、オブジェクト記憶作業における応答の高められた正確さ、及び回復記憶作業における正しい試験性能と、相関した。
・これゆえ、上記群において高められた認知プロセスを示した。
・脳活動パターンの特別のタイプは、記憶作業の特定期における脳領域のロングレンジ脱カップリングであった。
・脳活動の上記特別のパターンは、対象が集中している作業から気をそらされる不必要な脳活動を防ぐために生じた、より効率的に高められた脳能力を示した。
推論によって、阻害性脳電気活動の類似のパターンが、IQレベルと、そして神経学的障害又はその兆候の予防及び/又は治療と、相関することが判明したので、対象は、高まった知能をもつこともできる。
試験のまとめ
マツ樹皮抽出物は、空間作動記憶作業及び単純認識記憶作業に対する応答速度を改善した。一方、プラシーボ補給物については変化はなかった。マツ樹皮抽出物は、作動記憶及び認識記憶作業の遂行の間、セッション1とセッション2の間で脳皮質カップリングの有意な変化を示すことも判明した。
上記発見は、作動又はより長い期間の記憶における情報をコードするために不可欠な神経ネットワークは、マツ樹皮抽出物処置の結果として、より有効に働くことを示唆している。この発見は、さらに、マツ樹皮抽出物が、特に、作動及び認識記憶の両者において、認知プロセスを高めるやり方で、皮質機能を変化させることを、示している。
上述の改善は、マツ樹皮抽出物補給物が、認知能力を改善し、又は少なくとも認知能力の低下を少なくとも予防するために有用な治療法でありうること、そして高いIQをもつヒトにおいて見られるものと類似の脳パターンが与えられるので、マツ樹皮抽出物は、知能を改善し、又はその低下を防止することも推定されるということが認められるべきである。
記憶性能及び脳電気活動における改善は、マツ樹皮抽出物補給物が、記憶の正常な加齢関連低下、又は認知機能における低下を特徴とする神経学的障害、例えば、様々なタイプの痴呆の防止又は治療方法をも提供しうることを示唆することも、さらに認められるべきである。
脱カップリング又は阻害プロセスにおける増加を示した脳電気活動の変化は、マツ樹皮抽出物補給物が、てんかん又はうつの場合に見られる異常な脳電気過活動を共有する障害又はその兆候を予防又は治療する方法を提供することができることを示唆することも、さらに認められるべきである。
上記治療は、副作用を示さないようなので、それが健康なヒトと認知不全をもつヒトの両者に等しく使用されうるという点で現存の神経学的治療法を超えるかなりの利点をもつ。
本発明の局面を例示のためにのみ説明してきたが、添付の請求の範囲により画される範囲から逸脱せずに、本発明に変更や付加がなされうることは認められるべきである。
Figure 2008542263
本発明のさらなる局面は、例示としてのみ与える先の説明から、及び以下の添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
試験の開始と終了の間の差が、オブジェクト作動記憶作業におけるマツ樹皮抽出物群についてt>2.86の臨界有意値を超える場合の、電極対の分布の概要図を示す。 事件関連部分コヒーレンス(event related partial coherence(ERPC))が、オブジェクト作動記憶作業における個々人の正確さに相関する場合の、電極対の分布の概要図を示す。 事件関連部分コヒーレンス(ERPC)の差が、マツ樹皮抽出物群について対合スチューデントt−テストにおいてt=2.86を超える場合の、電極対の分布の概要図を示す。 正しい試験についての事件関連部分コヒーレンス(ERPC)から補給前の誤った試験についてのERPCを引いたものが、t>2.72の臨界値を超える場合の、電極対の分布の概要図を示す。

Claims (29)

  1. ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物であって、当該ヒトは、投与時、神経変性疾患のいずれの種にも罹っておらず、かつ、当該組成物は、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む、前記組成物。
  2. ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物であって、当該認知能力の低下は、加齢に関連するが、神経変性疾患のいずれにも関係せず、かつ、当該組成物は、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む、前記組成物。
  3. ヒトの神経学的疾患の兆候を改善又は防止するための組成物であって、当該兆候は、認知能力の喪失を特徴として、かつ、当該薬理学的剤は、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む、前記組成物。
  4. 前記認知能力が、知能、学習能力、問題解決能力、集中力、記憶、理解、実行力、作動記憶、認知作業に対する応答時間、認知作業に対する正確さから成る群の内の1以上から選ばれる、請求項1〜3の内のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記樹皮抽出物が、ピナス・ラジアタ(Pinus radiata)の樹皮に由来する、請求項1〜4の内のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記組成物中の活性化合物が水溶性である、請求項1〜5の内のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、フラボノイド化合物といくつかの非フラボノイド化合物との複合混合物を含む、請求項1〜6の内のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記組成物は、カテキンのダイマー、オリゴマー及びポリマー、並びにエピカテキンであるさまざまなプロアンソシアニジン化合物に富み、そしてまた、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クエルセチン、ジヒドロクエルセチン、ミリセチン、アストリンジェニン、ピノシルビン、タキシフォリン、スチルベン、ヒドロキシルスチルベン、及びフェノール酸を含む群から選ばれうる1以上の他のフラボノイド及び植物フェノール化合物を含む、請求項1〜6の内のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記組成物は、水ベースの抽出法を用いて製造される、請求項1〜8の内のいずれか1項に記載の組成物。
  10. ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物の製造におけるピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量の使用であって、当該ヒトは、投与時、神経変性疾患のいずれの種にも罹っていない前記使用。
  11. ヒトの認知能力の低下を改善又は防止するための組成物の製造における、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量の使用であって、当該認知能力の低下は、加齢に関連するが、投与時の神経変性疾患のいずれにも関係しない前記使用。
  12. ヒトの神経学的疾患の兆候を改善又は防止するための組成物の製造における、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量の使用であって、当該兆候は、認知能力の喪失を特徴とする前記使用。
  13. 前記認知能力が、知能、学習能力、問題解決能力、集中力、記憶、理解、実行力、作動記憶、認知作業に対する応答時間、認知作業に対する正確さから成る群の内の1以上から選ばれる、請求項10〜12の内のいずれか1項に記載の使用。
  14. 前記樹皮抽出物が、ピナス・ラジアタ(Pinus radiata)の樹皮に由来する、請求項10〜13の内のいずれか1項に記載の使用。
  15. 前記組成物中の活性化合物が水溶性である、請求項10〜14の内のいずれか1項に記載の使用。
  16. 前記組成物は、フラボノイド化合物といくつかの非フラボノイド化合物との複合混合物を含む、請求項10〜15の内のいずれか1項に記載の使用。
  17. 前記組成物は、カテキンのダイマー、オリゴマー及びポリマー、並びにエピカテキンであるさまざまなプロアンソシアニジン化合物に富み、そしてまた、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クエルセチン、ジヒドロクエルセチン、ミリセチン、アストリンジェニン、ピノシルビン、タキシフォリン、スチルベン、ヒドロキシルスチルベン、及びフェノール酸を含む群から選ばれうる1以上の他のフラボノイド及び植物フェノール化合物を含む、請求項10〜15の内のいずれか1項に記載の使用。
  18. 前記組成物は、水ベースの抽出法を用いて製造される、請求項10〜17の内のいずれか1項に記載の使用。
  19. 前記組成物は経口投与される、請求項10〜18の内のいずれか1項に記載の使用。
  20. ヒトの認知能力の低下を改善又は防止する方法であって、当該ヒトは、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む組成物を投与され、そして当該ヒトは、投与時、神経変性疾患のいずれの種にも罹っていない前記方法。
  21. ヒトの認知能力の低下を改善又は防止する方法であって、当該ヒトは、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む組成物を投与され、そして当該認知能力の低下は、加齢に関連するが、投与時の神経変性疾患のいずれにも関係しない前記方法。
  22. ヒトの神経学的疾患の兆候を改善又は防止する方法であって、当該ヒトは、ピナス(Pinus)属からの樹皮抽出物の治療有効量を含む組成物を投与され、そして当該兆候は、認知能力の喪失を特徴とする前記方法。
  23. 前記認知能力が、知能、学習能力、問題解決能力、集中力、記憶、理解、実行力、作動記憶、認知作業に対する応答時間、認知作業に対する正確さから成る群の内の1以上から選ばれる、請求項20〜23の内のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記樹皮抽出物が、ピナス・ラジアタ(Pinus radiata)の樹皮に由来する、請求項20〜23の内のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記組成物中の活性化合物が水溶性である、請求項20〜24の内のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記抽出物は、フラボノイド化合物といくつかの非フラボノイド化合物との複合混合物を含む、請求項20〜25の内のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記抽出物は、カテキンのダイマー、オリゴマー及びポリマー、並びにエピカテキンであるさまざまなプロアンソシアニジン化合物に富み、そしてまた、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クエルセチン、ジヒドロクエルセチン、ミリセチン、アストリンジェニン、ピノシルビン、タキシフォリン、スチルベン、ヒドロキシルスチルベン、及びフェノール酸を含む群から選ばれうる1以上の他のフラボノイド及び植物フェノール化合物を含む、請求項20〜25の内のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記抽出物は、水ベースの抽出法を用いて製造される、請求項20〜27の内のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記抽出物は、経口投与される、請求項20〜28の内のいずれか1項に記載の方法。
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