JP2008541894A - 自動皿洗い機に用いる薬剤及びゆすぎ、乾燥周期中に薬剤を計量、装入する装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、皿洗い機に長い操作期間中芳香を与えることができしかも同時に乾燥期間中にゆすぎ水のパールオフ挙動を改良する、皿洗い機に用いる常温で固体構造好ましくは粒状構造を有する薬剤に関する。該薬剤はそれ自体既知の固体芳香剤を専ら用いることにより製造できる。前記の固体芳香剤は、脂肪アルコール又は脂肪アルコール含有混合物から形成されしかも常温で固体である担持材料と、これに溶解している常温で液体の芳香剤とを含有する。該溶液は定量的には40〜60重量％の担持材料と60〜40重量％の芳香剤とからなる。

Description

本発明は、長い操作期間中に皿洗い機の内部に芳香を与える目的で且つ乾燥周期中に洗浄した物品上のゆすぎ水のパールオフ（pearl-off）挙動を改良する目的で自動皿洗い機に用いる薬剤（agent）に関し且つゆすぎ、乾燥周期中に該薬剤を計量（dosed）、装入する装置に関し、該薬剤は常温で固体構造例えば粒状構造を有する。

消費者の調査が示す処によれば、１人又は２人の家庭では、皿洗い機を１週間に２回のみ作動するに過ぎない。この理由はこの期間中でのみ皿洗い機の完全な又は殆んど完全な装填量に十分な汚れ物品が集積するに過ぎないからである。即ち、２日、３日又はそれ以上の日数の期間に亘って皿洗い機は食べ残しで汚染された物品で満たされる。ほんの短時間後に、不快臭が皿洗い機の内部で発生し、消費者が別の汚れ物品を入れるために皿洗い機を開放する毎に消費者は不快臭に暴露される。数日間持続する操作期間中に消費者は8〜10回不快臭に暴露されると推定される。

皿洗い機を芳香付けする（fragrancing）臭気改良剤は従来技術から既知である。例えば、レックキット ベンキサー（Reckitt Benkiser）及びヘンケル（Henkel）は商標名「カルゴナイト（Calgonite）」及び「ソマット デオパールズ（Somat Deoperls）」による製品を製造している。レックキット ベンキサーの製品は60％までの芳香剤（fragrance）を有する液体芳香剤組成物に基づく。この製品をプラスチック容器に保持し該容器は膜を通して芳香剤が皿洗い機の内部に拡散する膜を有する。この製品の欠点は効果が適当な期間例えば30日間持続するのを確保するためには容器を大容量の芳香剤で充填しなければならないことである。この大容量は、ゆすぎ、乾燥周期中に出会う温水及び熱風温度の結果皿洗い機を操作する度毎に液体芳香剤の高度の損失の故に必要とされる。芳香剤の過度の装入により高経費が生じる。更には、該製品を使用している間に芳香剤の放出は不均一であり、即ち最初はより多くの揮発性芳香剤成分が放出される。その結果、芳香剤の元の臭気は該製品を使用している間に有意な変化を受け、該変化は消費者の間で該製品を受け入れられないものとする。

ヘンケルの製品は、ドイツ特許第10237066号に記載される限定された水溶解度の材料であるエチレンビニルアセテート（EVA）の固体粒状担持材料からの芳香剤の放出に基づく。この担持材料に配合され得る芳香剤の最大容量は40％である。ドイツ特許第10303352号に記載される特別の容器を皿洗い機中への芳香剤の放出に利用する。これによって皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に温水及び熱風に接触している芳香剤の放出を確保する。この放出は皿洗い機のゆすぎ及び乾燥周期中に生起する温水及び熱風の温度によって行われる。然しながら、この製品を用いると芳香剤（fragrance）の放出は制限される。この製品の最も有意な欠点は40％の芳香剤最大含量では操作期間中に皿洗い機の内部で十分な芳香剤濃度を維持するには、多量の担持材料の使用を必要とすることである。

皿洗い機の使用に関連して生起する別の問題は洗浄後の物品上に「フィルム」又は斑点（spotting）が残留することであり、これはガラス器について特に顕著である。この問題は水の供給源が高いミネラル含量を有する場所では特に急性である。今日まで、この問題は洗浄した物品に付着するゆすぎ水がパールオフする（pearl off）程度即ち脱パール様光沢を改良する、ゆすぎ助剤として知られる製品の追加使用によって解決されており、それに加えて皿洗い剤及び恐らくは空気清浄剤（air freshener）の使用によっても解決されている。この種の市販されて入手し得る製品の例はレックキット ベンキサー社により製造される「フィニッシュ（Finish）」である。

既知の空気清浄剤およびゆすぎ助剤の大きな欠点は、実際の皿洗い剤に加えて、別個の製品としてこれらの製品を皿洗い機に入れねばならないことである。

それ故本発明の目的は長い操作期間中に皿洗い機に芳香付けを可能とするのみならず洗浄した物品からゆすぎ水のパーリング オフ（pearling off）を改良する即ち光沢作用を生成する生成物を開発するものである。

本発明の別の目的は皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に芳香付けと光沢作用とを合せて生成するためにこの薬剤の計量（dosed）放出を可能とする装置を提供するものである。同時に、この装置は操作温度が60℃又はそれ以上に達するならばチップ様、パール様又は粒状固体剤の凝集を防止するものである。

芳香付けと光沢作用とを併せて生成する薬剤を開発する問題は請求項１の特徴によって解決される。

本発明によると、長い操作期間中に皿洗い機の芳香付けを可能とし且つ同時に乾燥周期中にゆすぎ水のパールオフ性能を改良する、自動皿洗い機に用いる、常温で固体構造好ましくは粒状構造を有する薬剤であって、それ自体既知の固体芳香剤を専ら用い、該固体芳香剤は、脂肪アルコール又は脂肪アルコール含有混合物からなる常温で固体の担持材料とこれに溶解した常温で液体の芳香剤とを含有し、該溶液は定量的には40〜60重量％の担持材料と60〜40重量％の芳香剤とからなることを特徴とする、自動皿洗い機に用いる薬剤が提供される。

皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に薬剤を放出する装置を提供する問題は請求項７の特徴によって解決される。

更に本発明によると自動皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に請求項１〜６の何れかに記載の薬剤を計量、装入する装置において、硬質材料製で皿洗い機に懸垂させ得る本体（2）であって、懸垂した位置において垂直な篩様の透過性後壁と、本体（2）の内部に間隔をあけて設けた多数の水平な篩様透過性仕切り（3）と、本体（2）に脱着可能に接続された篩様透過性の垂直な前壁［P6］（4）とを有する本体（2）であることを特徴とする、薬剤の投与、装入装置が提供される。

薬剤の好ましい具体例は請求項２〜６の特徴を構成し；皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に薬剤を放出する装置の好ましい具体例は請求項７〜９の特徴を構成する。

次に図１及び図２の図面を参照しながら本発明を具体例に基いて説明する。本発明の薬剤（agent）は、薬剤の40〜60重量％を形成し脂肪アルコール又は部分的に脂肪アルコールよりなる常温で固体の担持材料と、該担持材料に溶解している、該薬剤の60〜40％を構成する液体芳香剤とを包含する。

50℃以上の温度の温水又は熱風が該薬剤に接触するゆすぎ、乾燥周期中に、芳香剤を皿洗い機の内部に固体の担持材料及び芳香剤から放出する。同時に、固体の担持材料がゆすぎ周期中に温水と接触している時には、少量の脂肪アルコールが温水に溶解し且つゆすぎ水が洗浄した物品をパールオフする傾向を有効に改良する。その結果として、洗浄した物品上で、特にガラス器上で顕著なフィルム又は斑点の形成は防止される。洗浄した物品の表面は乾燥後には眼で見える光沢を示す。

脂肪アルコール又は脂肪アルコールと別の成分との混合物よりなる固体の担持材料中に液体芳香剤を配合することは、PCT出願のWO 2004／035721号及びドイツ特許出願DE10 2004 052929.9に記載されており、この文献は本発明との関連をなすのに意図される。驚くべきことには、液体芳香剤を配合するのに選択した脂肪アルコール又は脂肪アルコールと別成分との混合物の形での担持材料は、乾燥周期中にゆすぎ水のパールオフ性能にプラスの影響を追加的に有することが明らかとなった。これはゆすぎ水に溶解している脂肪アルコールに因るものである。C22脂肪アルコールに溶かした芳香剤の溶液は特に適当な薬剤であることが判明した。

脂肪アルコールの20重量％までを脂肪アルコール エチレン／プロピレン オキシドから誘導した表面活性剤により置換すると、芳香剤を配合する担持材料の能力を低減することなしに、ゆすぎ水が洗浄した物品をパールオフする効果を更に改良し得ることが明らかとなった。前記の組成を有し且つ20％までの担持材料を置換し得る市販されて入手可能な製品の例はコグニス−ケア ケミカル社からのデヒポン（DEHYPON）3697である。芳香剤用の担持材料として脂肪アルコールを選択するか又は或る割合の脂肪アルコール特にC22脂肪アルコールを含有する物質を選択すると驚くべきことにはゆすぎ水の良好なパールオフ性能を確保し、即ちフィルム形成及び斑点付けを低減し従って光沢効果を生じるけれども、この効果は脂肪アルコール エチレン／プロピレン オキシドから誘導した表面活性剤の前記添加により増大される。

芳香剤と、ゆすぎ水のパールオフ性能を改良する物質との両方を有効に放出するには、本発明は皿洗い機の内部に取付けるのに適当な刷新的分配装置を提供する。これによって本発明の薬剤とゆすぎ周期中のゆすぎ水との間の良好な接触を確保し且つ分配装置内の固体担持材料がゆすぎ、乾燥周期中に到達する50℃より高い温度でもその自重により凝集しないように防止する。担持材料が凝集しないように防止されないならば、皿洗い機の操作時間中に芳香剤とゆすぎ水のパールオフ性能を改良する物質とを適正に放出することが増々低減して終う。

図１は本発明の分配装置の具体例を例示する。分配装置は固体の粒状、芳香剤浸透した、水−パールオフ改良剤を包含する透過性の再装填可能な単位（unit）を包含する。

図２は本発明の別形式の分配装置を例示する。吊下げ手段を備えるならば該装置は皿洗い機内部の適当な位置で個々に懸垂することができ、あるいは図１に例示した装置で仕切りを取去ったならば、この装置用の詰め替えポウチとして用い得る。

図１の装置は例えば皿洗い機内部の棚の１つから該装置を懸垂させ得るフック１を本質的に含有する。該装置はまた篩様透過性後壁（図１では見られず）を有する堅牢本体２を含有する。堅牢本体２は多数の篩様仕切り３上に粒状材料を保持する。チップ、パール又はペレットの形での粒状の、芳香剤浸透済み固体薬剤は仕切り３の各々の上に単一層として施用されるのが好ましい。該装置は更に、篩様の透過性ドア４［P1］を含有し、該ドアは継ぎ手６の回りで回動可能であり、しかも本体２に対して自己固定する手段５（図１には詳細には示していない）により本体２に対して堅固に但し脱着可能に接続している。

ゆすぎ周期中に、ゆすぎ水はドア４［P4］及び本体２の後壁の篩用開口部を通って流れ、しかもゆすぎ水のパールオフ性能を改良する物質即ち脂肪アルコール及び脂肪アルコールと混合し得る何れかの表面活性剤を溶解する。該物質は液体芳香剤用の担持材料として役立つ。同時に、熱の影響下では即ち温水の影響下及び特にゆすぎ周期後に流入する乾燥用熱風の影響下では、芳香剤は本発明の薬剤の固体粒状構造から放出される。

皿洗い水に溶解した脂肪アルコール及び場合によっては別の表面活性剤は、乾燥周期中にゆすぎ水の大きくフィルム無含有及び斑点なしパールオフを可能とし、然るに乾燥熱によって粒状薬剤から放出される芳香剤は皿洗い機の内部で数日間持続する快適な臭気を提供し、食べ残しで汚染されしかも数日間に亘って皿洗い機に集積する物品の不快な臭気を大幅に遮蔽する。

抗菌作用を同時に発現する芳香剤例えばシオネール又はメチルフェニルブタノールを用いるならば、本発明の生成物には脱臭作用が追加的に吹込まれ、これは不快臭が遮蔽されるのみならず防除もされることを意味する。かくして本発明は特別のゆすぎ助剤又は脱臭剤を添加せねばならないことなしに、従来技術の生成物では芳香付けの役割を演じるに過ぎない薬剤に三重の作用を付与することができる。

図２は皿洗い機のゆすぎ及び乾燥段階中に本発明の薬剤を分配する装置の別の具体例を例示する。この装置は同様に、ゆすぎ及び乾燥段階中に皿洗い機内部で50℃以上の温度に暴露した時粒状の薬剤が凝集し得ないことを意味する。

この装置は篩様の穿孔を有する半軟質熱可塑性プラスチック製ポウチである。該ポウチは間隔をあけた、横方向のシーム様ヒートシール８により多数の小室９に分割されている。仕切り３を有する図１の装置の場合の如く、少量のみの粒状薬剤が各々の小室に収容されるので、50℃以上の温度に暴露した時それ自体の自重により粒子が凝集する危険は実際上零である。

図２に例示した如き分配装置の具体例は図１の装置について詰め替え単位としても用い得る。図１に例示した装置で提供した仕切り３はこの場合不要である。

本発明の分配装置の図解図 本発明の別形式の分配装置の図解図

符号の説明

１ フック ２ 本体 ３ 仕切り ４ 前壁
６ 継ぎ手 ７ 本体 ８ ヒートシール ９ 小室

Claims (9)

1. 長い操作期間中に皿洗い機の芳香付けを可能とし且つ同時に乾燥周期中にゆすぎ水のパールオフ性能を改良する、自動皿洗い機に用いる、常温で固体構造好ましくは粒状構造を有する薬剤であって、それ自体既知の固体芳香剤を専ら用い、該固体芳香剤は、脂肪アルコール又は脂肪アルコール含有混合物からなる常温で固体の担持材料とこれに溶解した常温で液体の芳香剤とを含有し、該溶液は定量的には40〜60重量％の担持材料と60〜40重量％の芳香剤とからなることを特徴とする、自動皿洗い機に用いる薬剤。
2. 用いた脂肪アルコールは少なくとも部分的にはC₂₂脂肪アルコールであることを特徴とする請求項１記載の薬剤。
3. 担持材料の20重量％までが脂肪アルコール エチレン／プロピレン オキシドから誘導される表面活性剤で置換されることを特徴とする請求項１又は２記載の薬剤。
4. 担持材料の20重量％までが改質した脂肪アルコール ポリグリ［P5］コール エーテルで置換されることを特徴とする請求項３記載の薬剤。
5. 芳香剤は追加の抗菌作用を有することを特徴とする請求項１〜４の何れかに記載の薬剤。
6. 芳香剤としてシネオール又はメチルフェニルブタノールを用いることを特徴とする請求項５記載の薬剤。
7. 自動皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に請求項１〜６の何れかに記載の薬剤を計量、装入する装置において、硬質材料製で皿洗い機に懸垂させ得る本体（2）であって、懸垂した位置において垂直な篩様の透過性後壁と、本体（2）の内部に間隔をあけて設けた多数の水平な篩様透過性仕切り（3）と、本体（2）に脱着可能に接続された篩様透過性の垂直な前壁［P6］（4）とを有する本体（2）であることを特徴とする、薬剤の投与、装入装置。
8. 自動皿洗い機のゆすぎ、乾燥周期中に請求項１〜６の何れかに記載の薬剤を計量、装入する装置において、間隔をあけた横方向の継目様ヒートシール（8）によって、薬剤を装填し得る幾つかの篩様小室（9）に細分された、半軟質熱可塑性プラスチック製のパウチとして配置した本体（7）であることを特徴とする、薬剤の計量、装入装置。
9. 仕切り（3）は不在であり、本体（2）に詰め替え単位として請求項８の充填本体（7）を詰め込むことを特徴とする、請求項７記載の装置。

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