JP2008540452A - 獣医学的用途におけるフィコトキシンの使用 - Google Patents

獣医学的用途におけるフィコトキシンの使用 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンを含む医薬組成物、および局所麻酔、筋肉弛緩、創傷治癒促進、および固定化のために動物に投与する当該組成物の使用が提供される。さらにまた、本発明の組成物を使用した動物の様々な治療法が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、動物疾患の治療において三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンを使用する方法に関するものである。
麻痺性貝毒(paralytic shellfish poisoning:PSP)は、興奮性細胞に見られる電位開口型のナトリウムチャネル上の受容体部位に可逆的に結合するフィコトキシンの混合物から得られる。主要な臨床症状は、急性麻痺疾患である。フィコトキシンまたは藻類毒は、微視的なプランクトン藻類によって産生される。これらの毒素は、二枚貝等のろ過捕食動物に蓄積する。フィコトキシンで汚染された甲殻類の消費すると、ヒトの場合、PSP、下痢性貝毒(diarrhetic shellfish poisoning:DSP),記憶喪失性貝毒(amnestic shellfish poisoning:ASP)、神経性貝毒(neurotoxic shellfish poisoning:NSP)、シガテラ中毒(ciguatera poisoning:CP)、および藍藻毒中毒(cyanobacterial poisoning:CNP)の6つの疾患を引き起こす。
PSPを引き起こすフィコトキシンは、3,4,6−トリアルキルテトラヒドロプリンの共通構造を有する。ゴニオトキシン(gonyautoxins:GTX)は、甲殻類抽出物中で最も豊富に見出されるフィコトキシンであり、全毒素含有量の80%以上を占める。
フィコトキシンの高い毒性は、興奮性細胞における電位開口型ナトリウムチャネル上の受容体部位への可逆的結合によるものであり、これによってナトリウムイオンの流入を阻止し、神経および筋肉細胞が活動電位を発生するのを妨げ、従って神経伝達を阻害して、呼吸停止および心臓血管ショックを経て哺乳動物を死にもたらす。少量のPSP毒素の使用は、用量に応じた期間、横紋筋の弛緩性麻痺をもたらす。
創傷治癒は、筋肉緊張によりもたらされる。創傷での筋肉緊張を軽減することにより、治癒過程における不快感が少なくなると共に、瘢痕形成を少なくすることにつながる可能性がある。同様に、筋肉組織の弛緩は、骨の治癒、特に筋肉緊張が骨折骨の転移につながる可能性のある場合、骨の治癒において有益な場合がある。創傷または骨折の治癒に関連した痛みの軽減は、通常の獣医診療で遭遇する動物に特に有益である。これらの動物には、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、およびイヌ等の大および小動物が挙げられるが、両生類、爬虫類、および鳥類等の近年増加している珍しいペットも含まれる。
本発明の目的によると、麻痺性貝毒の使用に関する新しい方法が提供される。
本発明の一態様によると、1若しくはそれ以上の三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンを含む本発明の組成物を用いて、そのような治療を必要とする動物を治療する方法が提供される。
本発明の別の態様では、有効量の神経毒および/または局所麻酔薬とを併用して使用される本発明の組成物で、そのような治療の必要な動物を治療する方法が提供される。
本発明によると、複素環グアニジン系化合物、より具体的には三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンを含む組成物は、多くの獣医用途に使用可能であり、手術の必要性を低減し、および/または副作用、アレルギ−、免疫拒絶、または血腫を最小限に抑えるものである。本発明の組成物は、これらに限らないが、動物において、筋肉弛緩によって回復予後/過程、筋痙攣に関連する疼痛管理、筋痙攣、動物固定化、および創傷および骨折治癒が改善される疾患の治療において使用可能である。
本発明によると筋肉弛緩は即時的なものであり、通常5分未満で発生する。本発明の組成物は、全身麻酔が必要でない場合や、問題となっている動物に対して有害または危険な場合に、局所麻酔として使用することも可能である。
本発明について詳細に説明する前に、本発明は特定の薬剤送達システム、装置構造、エンハンサ−、または担体に限定されるものではなく、異なる可能性があることは理解される。また、本願明細書において使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のみで使用されているのであり、限定の意図はないことも理解される。
本願明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形の表記は、本文で特に明記されていない限り複数のものも含まれることを留意するべきである。従って、例えば、「薬理学的に許容される活性薬剤」とは、2若しくはそれ以上の活性薬剤の混合物を含み、「エンハンサ−」とは、2若しくはそれ以上のエンハンサーの混合物を含む等である。
本発明の記載および請求項において、以下の用語は下記に示す定義に従って使用される。
本願明細書で使用される「治療する」および「治療」の用語は、症状の重篤度および/または頻度、症状および/またはそれらの根本原因の除去、および損傷の改善または治療を意味する。本願明細書においてこれらの用語を使用した本発明の動物を「治療する」方法とは、従って、臨床症状を示す動物の1若しくはそれ以上の症状または根本原因、及びその症状に罹患しやすい動物の1若しくはそれ以上の症状または根本原因の治療することを包含する。
本願明細書において、「活性」、「活性薬剤」、「薬剤」、および「薬理学的に活性な薬剤」の用語は同義的に使用され、所望の効果を誘発する化学物質または化合物を意味し、治療上有効な、予防上有効な、または美容上有効な薬剤を含む。さらにまた、これらの化合物の誘導体、代謝物、類似体、或いは具体的に述べられた、所望の効果の誘発もする化合物の種類も含まれる。
「治療上有効な」量とは、非毒性であるが、所望の治療効果を与えるのに十分な活性薬剤の量を意味する。
「経皮的」薬剤送達とは、動物の皮膚表面に薬剤を投与することを意味し、薬剤は皮膚組織を通過して、動物の血流に入り、これにより全身効果を生み出す。「経皮的」とは、「経粘膜的」薬剤送達、即ち、薬剤が粘膜組織を通過して個体の血流へ入るように、薬剤を個体の(例えば、舌下、頬、膣、直腸の)粘膜表面へ投与することを含むことを意図する。
「局所投与」とは、例えば、各種の皮膚障害の治療で使用される場合、薬理学的に活性な薬剤の局所用薬を皮膚または粘膜に送達することを意味するという、通常の意味で使用されている。局所薬剤投与は、経皮投与とは対照的に、全身効果よりもむしろ局所効果を与えるものである。特に記載または示唆のない限り、「局所的薬剤投与」および「経皮的薬剤投与」の語は、同義的に使用される。
本願明細書で使用される「有効量」とは、神経筋板での神経伝達物質アセチルコリンのシナプス前放出を遮断することにより神経伝達を妨げ、これにより伝達を阻止し、筋肉を麻痺させ、筋肉収縮を防いだり、或いは収縮した筋肉の弛緩を生み出したりするのを妨げるのに十分な量を意味する。この量は活性単位で示す。1活性単位は、BALB−C系統マウスの脚の大腿二頭筋の筋肉収縮を1.5〜2.0時間遮断するのに必要な本発明の組成物量に対応する。
本願明細書において使用される「担体」または「賦形剤」は、経皮的薬剤投与に好適な担体物質を意味する。本発明において有用な担体および賦形剤は、非毒性であり、有害な方法で組成物の他の成分と相互作用しない当該技術分野で知られている物質を含む。
「水溶性」とは、水を含んでいるか、或いは皮膚または粘膜組織への適用で水を含むようになる製剤または薬剤送達システムを意味する。
本発明の組成物は、以下の化学式(I)で表される三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンであって、
Figure 2008540452
式中、
およびRは、−H、および−OHから成る群から独立に選択されるものであり、
およびRは、−Hおよび−SO から成る群より独立に選択されるものであり、
は、−H、−OH、−COONH、−COONHSO 、および−COOCHから独立に選択されるものであり、
およびRのいずれかは−OSO であるか、或いはRは、−COONHSO でなければならないものである、
三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの少なくとも1つの有効量と、
薬理学的に許容可能な局所用担体とを含む。
本発明による好ましい三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンは、以下の表に示すような化学式(I)を有するゴニオトキシン(以下「GTX」と称する)である。
Figure 2008540452
本発明の一態様において、本発明の獣医用組成物は、GTX1、GTX2、GTX3、GTX4、およびGTX5から選択される、少なくとも1つのGTX化合物を含む。本発明の別の態様においては、この獣医用組成物は、三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの混合物を含む。例えば、2若しくはそれ以上のGTX化合物の混合物が考えられる。当業者には明らかであるが、上記の化学式(I)に関して定められる条件を前提として、三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンのその他の混合物や組み合わせは、本発明の範囲内である。A型ボツリヌス菌とは異なり、これらの調製物は室温で安定であり、冷蔵を必要とせず、滅菌可能であり、実質的に非アレルギ−性であり、天然に存在するペプチドでないため、本質的に非アレルギ−性であり、実質的に即座に作用し、顕著な副作用なく繰り返し使用できる。
化学式(I)の化合物は、渦鞭毛藻類やラン藻類から精製することが可能であり、高度に汚染された軟体動物により蓄積されている場合があり、前記化合物はこの蓄積物から精製される。水、酢酸、および生理食塩水を含む、いかなる薬理学的に許容可能な担体であっても使用可能である。酢酸および0.09%塩化ナトリウム溶液が、好ましい担体物質である。
または、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのGTX化合物、および選択的に2若しくはそれ以上のGTX化合物と共に、サキシトキシン(STX)、ネオサキシトキシン、デカルバモイルサキシトキシン、テトロドトキシン、破傷風毒素、およびA型ボツリヌス菌からなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含む。この組み合わせは、本発明の化合物が使用されるいかなる応用においても使用可能である。別の実施形態においては、本発明の組成物は、有効量の局所麻酔薬と併用して使用することができる。また、本発明の組成物は、必要に応じて、1若しくはそれ以上の神経毒および1若しくはそれ以上の局所麻酔薬と併用して使用することができる。
理論にとらわれることなく、これらの化合物は局所投与した場合、神経インパルス、または神経伝達の広がりを阻止するか、或いは全ての神経細胞や興奮性細胞に存在する、単独の生物学的分子受容体、即ち電位開口型ナトリウムチャネルへ可逆的に結合することにより、鎮痙作用をもたらすように見える。このチャネルへの結合により、ナトリウムが神経細胞へ進入せず、脱分極が起こらず、従ってインパルスの伝播が停止する。この作用機構は、神経筋板での神経伝達物質アセチルコリンの前シナプス放出を阻止し、これによって神経筋伝達を妨げ、筋肉を麻痺させ、収縮、或いは病理的な問題により収縮した筋肉の弛緩を生じさせることを防ぐ。
本発明の医薬調製物は、局所的に筋肉中にまたは麻痺または収縮しないようにされた筋肉の近傍に、経皮的または注射により投与される。この投与は、1回の投与当たり、筋肉に対して、1〜1000単位(U)の活性を与えるのに十分な量であるべきである。効果は、即時にはっきりと現れ、通常、活性化合物の治療領域への投与後、最高30秒から5分以内で起こる。最大効果は、一般に有効化合物の治療領域への投与の15分以内で達成される。その有効持続時間は、投与した体積および具体的な化合物はもちろん、投与量、問題となっている筋肉に依存する。これは、実質的に全ての獣医用途および病態に対して模範的である。
より好ましくは、各用量は32活性単位より高く、最大約1,000活性単位までを含む。さらにより好ましくは、各用量は、約50〜約500活性単位を含む。最も好ましくは、各用量は、約75〜約200活性単位を含む。用量は、所望の効果が得られるまで、筋肉弛緩を持続させるため、必要に応じて随時繰り返してもよい。
本発明の1つの方法によれば、哺乳動物は、本発明の組成物を筋肉または筋肉近傍へ直接局所的注射することにより治療される。好ましくは、注射位置の筋肉は、全ての治療の有効性に必要なことではないが、緊張度が高まっていたり、痙攣を示していることが好ましい。好ましい実施形態において、各注射は、溶媒、免疫賦活剤、および/または担体物質を含む組成物を2mL未満に留めるべきである。投与は、例えば27〜30ゲ−ジの1mLのツベルクリン型使い捨てタイプのシリンジを用いて実施してもよい。或いは、ある方法については、米国特許第5,674,205号明細書に記載の内視鏡を用いて、その投与量を投与するのが望ましいこともある。ここで、当該特許の開示内容を、本発明の方法への使用に適した内視鏡の詳細を提供する目的で、参照により本願明細書に援用する。
または、本発明の医薬組成物は、経皮的送達のために皮膚に局所的に投与してもよい。このような調製物を形成するために、本発明の医薬組成物の有効量は、薬理学的に許容可能な担体に添加する。皮膚に投与する場合、この組成物は、体表面への投与に好ましいいかなる剤型であってもよく、例えばクリ−ム、ロ−ション、溶液、ジェル、軟膏、ペ−スト等が含むものであってもよく、及び/又はリポソ−ム、ミセル、および/または微粒子を含むように調製されていてもよい。この組成物は、体表面に直接使用するものであっても良く、薬剤送達システムの使用を含むものであってもよい。従って、製剤または薬剤貯蔵体は、水性、即ち水を含有しており、或いは非水性で閉塞性の被覆層と併用して使用され、体表面から蒸発する水分が薬剤投与中、調製物または経皮システム内に維持される。しかしながら、場合によっては、例えば閉塞性ジェルを併用する場合、非水溶性調製物を閉塞性層と共に使用または当該層なしで使用することもできる。
薬剤を経皮的に送達することには多くの利点があり、主として、そのような送達手段は、快適であり、簡便であり、非侵襲性の薬剤送達方法である。口腔治療における可変的な吸収速度および代謝速度は避けられるものであり、例えば胃腸炎などのその他固有の不便さもまた同様に除去される。経皮的薬剤送達によって、特定の薬剤全ての血中濃度を高度に制御することも可能となる。
皮膚は構造的に複雑であり、比較的厚みのある膜である。その環境から無処置の皮膚に移動する分子は、まず角質層およびその表面にある核物質に浸透する。その後、これらは、生表皮、乳頭真皮、および毛細血管壁を浸透して、血流またはリンパ管へ移動する。このように吸収されるために、分子は、各種組織で異なる浸透抵抗を克服しなければならない。このため、皮膚膜での輸送は、複雑な現象である。しかしながら、局所用組成物または経皮的に投与された薬剤の吸収に対する主要な障壁となるのは、角質層(表皮の外側の層)の細胞である。角質層は、体の大部分を覆う、およそ厚さ10〜15ミクロンの高密度で高度に角質化した細胞の薄層である。高密度充填はもちろん、これらの細胞内での高度の角質化は多くの場合、薬剤浸透に対して、実質的に浸透不可能の障壁となると考えられている。多くの薬剤の場合、皮膚への浸透速度は、皮膚浸透を促進する何らかの手段を使用しない限り極端に低いものである。
薬剤の皮膚への浸透速度を上昇させるためには、様々な手法が取られており、それぞれの手法は、化学的な浸透促進剤、または物理的浸透促進手段の使用を含む。皮膚浸透の物理的促進手段は、例えば、イオン導入法(iontophoresis)等の電気泳動的手法を含む。化学的な促進剤とは、角質層の浸透性を上昇させるために、薬剤と共に投与(或いは、場合によっては、皮膚をまず化学的促進剤で前処置)される化合物であり、これによって、皮膚への薬剤透過を促進させる。理想的には、このような化学的透過促進剤(或いは、本願明細書において「浸透促進剤」と称する化合物)は、非侵害性で角質層への薬剤拡散の促進にのみ役立つ化合物である。
別の態様においては、本発明は、活性薬剤が患者の体表面を浸透する速度を上昇させるための方法、組成物、および薬剤送達システムに関する。本発明は、損傷を与えずに身体表面への薬剤の流れを促進するのに有効な量の水酸化物放出剤等の化学的浸透促進剤と併用、或いは超音波療法と併用して、当該薬剤を患者の体表面の所定の領域に投与することを含む。別の好適な化学的浸透促進剤は、例えば、W.R.Pfister and D.S.T.Hsieh,"Permeation Enhancers Compatible with Transdermal Drug Delivery Systems,PartI:Selection and Formulation Considerations, "Pharm.Technol.,September 1990,and W.R.Pfister and D.S.T.Hsieh,"Permeation Enhancers Compatible with Transdermal Drug Delivery Systems,PartII:System Design Considerations,"Pharm.Technol.,October 1990に記載されており、好適な化学的浸透促進剤を記述するためのものであり、これらの文献の開示内容はこの参照により本願明細書に組み込まれる。
従って、活性薬剤を経皮的に送達する本方法は様々であるが、三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンを含有する組成物を、薬剤の有効血中濃度または浸透レベルを与えるに十分な時間、皮膚または粘膜組織の所定の領域に投与することを必然的に含む。この方法は、この組成物を軟膏、ジェル、クリ−ム等として、直接適用するか、或いは米国特許第4,915,950号明細書、第4,906,463号明細書、第5,091,186号明細書、または第5,246,705号明細書に記載されているように、当該技術分野で教示されている薬剤送達システムの使用を含んでいてもよい。これらの開示は、具体的な経皮的薬剤送達システムまたは以下に記載したのものを説明する目的のものであり、この参照により本願明細書に組み込まれる。
皮膚浸透性を促進するための各種化合物が当該技術分野で知られており、本発明の化合物中に使用することができる。皮膚浸透性を促進するために使用できる化合物として、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびデシルメチルスルホキシド(C10MSO)等のスルホキシド類、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テル(Transcutol(商標)として市販)およびジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル等のエ−テル類、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ポロクサマ−(Poloxamer 231、182、184)、ツイ−ン(Tween20、40、60、80)、およびレシチン(米国特許第4,783,450号明細書)等の界面活性剤、1−置換アザシクロヘプタン−2−オン類、特に1−n−ドデシルシクロアザシクロヘプタン−2−オン(Nelson Research & Development Co.,Irvine,Calif.からAzone(商標)で市販。米国特許第3,989,816号明細書、第4,316,893号明細書、第4,405,616号明細書、および第4,557,934号明細書を参照)、エタノ−ル、プロパノ−ル、オクタノ−ル、ベンジルアルコ−ル等のアルコ−ル類、ラウリン酸、オレイン酸、および吉草酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、およびオレイン酸エチル等の脂肪酸エステル、プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル、グリセロ−ル、ブタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−ル、およびモノラウリン酸ポリエチレングリコ−ル(PEGML;例えば、米国特許第4,568,343号明細書参照)等のポリオ−ル類およびこれらのエステル類、尿素、ジメチルアセトアミド(DMA),ジメチルホルムアミド(DMF),2−ピロリドン、1−メチル2−ピロリドン、エタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、およびトリエタノ−ルアミン等のアミド類およびその他の窒素化合物、テルペン類、アルカノン類、有機酸、特にサリチル酸およびサリチル酸エステル、クエン酸およびコハク酸が挙げられる。Percutaneous Penetration Enhancers,eds.Smith et al.(CRC Press,1995)は、当該分野の優れた概説であり、さらに多くの化学的および物理的促進手段に関する背景的情報を提供している。
経皮的送達システム
経皮的に三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンを投与する別の好ましい方法は、例えば、活性薬剤が皮膚に貼付される積層構造に含まれる、局所用または経皮的「パッチ」のような薬剤送達システムの使用を含む。このような構造においては、活性薬剤は、上側の下地層の下にある層または「貯蔵体」に含有されている。積層構造は、単一貯蔵体を含有しているか、或いは複数の貯蔵体を含むものであっても良い。
特定実施形態において、前記貯蔵体は、システムを薬剤送達中に皮膚に貼付するのに役立つ医薬的に許容可能な接着材料のポリマ−マトリックスを含み、通常、接着材料は、長期の皮膚接触に適した感圧性接着剤(pressure−sensitive adhesive:PSA)であり、活性薬剤、水酸化物放出剤、および全ての担体と物理的かつ化学的に相溶性である。好適な接着物質の例として、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレ−ト、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、可塑化エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン−イソプレン共重合体、ポリスチレン−ブタジエン共重合体、およびネオプレン(ポリクロロプレン)等の粘着性のゴム類が含まれる。好ましい接着剤は、ポリイソブチレンである。
下地層は、経皮システムの主要な構造要素として機能し、柔軟性、および好ましくは閉塞性を装置に与える。下地層に使用される材料は、不活性で、薬剤、水酸化物放出剤、またはこの装置内に含まれる調製物の成分を吸収できないものであるべきである。下地は、好ましくは、パッチの上面から透過を介して薬剤および/または賦形剤の消失を防ぐための保護被膜として役立つ柔軟なエラストマ−材料を含み、パッチで覆われた体表面の領域が使用中に水和されるように、システムにある程度の閉塞性を与えるものとなる。下地層に使用する材料は、装置が皮膚の輪郭に沿わせるようにするもので、皮膚と装置とで柔軟性または弾力性の違いによる装置の皮膚からの離脱する可能性が少し或いはなく、通常機械的なひずみを受ける、関節または屈曲点等の皮膚部分で快適に着用されるべきである。下地層として使用される材料は、閉塞性の下地が好ましいが、上記のように閉塞性または浸透性であり、一般に合成ポリマ−(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエ−テルアミド)、天然ポリマ−(例えば、セルロ−ス材料)、またはマクロ多孔性の織布または不織布である。
保存中または使用前には、積層構造として剥離性の裏地を含む。使用直前に前記層を装置からはずし、このシステムを皮膚に貼付することができる。前記剥離性裏地は、薬剤/賦形剤非浸透性材料で作製されるべきであり、適用前の装置の保護のみに役立つ使い捨ての構成要素である。通常、この剥離性裏地は、薬理学的に活性な薬剤や水酸化物放出剤に非浸透性の材料で形成されており、使用前に経皮性パッチから容易に剥がされる。
別の実施形態において、前記薬剤含有貯蔵体および皮膚接触接着物質は、貯蔵体の下にある接着剤と共に別個に独立した層として存在する。このような場合、貯蔵体は、上述のようなポリマーマトリックスであってもよい。或いは、貯蔵体は密閉されたコンパートメントまたは「パウチ」に入れられた液体または半固体の調製物でもよく、或いは別の形態であってもよい。ハイドロジェル貯蔵体が本発明において特に好ましい。当業者には理解されるように、ハイドロジェルは、水分を吸収する巨大分子ネットワ−クであり、このため膨潤しても水には溶解しない。即ち、ハイドロジェルは水分吸収性を与える親水性官能基を含むが、ハイドロジェルは、水への不溶性を付与する架橋性ポリマ−を含む。従って、一般には、ハイドロジェルは、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレ−ト)(ポリ(HEMA))、またはこれらの共重合体または混合物等の架橋親水性ポリマ−を含む。特に好ましい親水性ポリマ−は、HEMAとポリビニルピロリドンとの共重合体である。
例えば、中間布層および/または速度調節膜などの追加的な層をこれらの薬剤送達システムにおいて存在させてもよい。布層は、装置の加工を容易にするのに使用可能であり、これに対して速度調節膜、成分が装置外に浸透する速度を調節するために使用可能である。成分は、薬剤、水酸化物放出剤、追加的な促進剤、または薬剤送達システム中に含有されるいくつかの別の成分である。
速度調節膜の形成に有用な代表的な材料として、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル類、エチレン−エタクリレ−ト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルエチルアセテ−ト共重合体、エチレン−ビニルプロピルアセテ−ト共重合体、ポリイソプレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
一般的に、経皮用装置の下部の表面、即ち皮膚接触領域は、約5cm〜200cm、好ましくは約5cm〜100cm、より好ましくは約20cm〜60cmの範囲の面積を有する。当然ながら、この面積は、送達される薬剤の量および体表面を通過する薬剤の流れによって変化する。より多量の薬剤に適応させるには、より大きなパッチが必要となるが、少量の薬剤および/または比較的高い浸透速度を示す薬剤には比較的小さなパッチが使用できる。
このような薬剤送達システムは、当該技術分野で周知の従来の被覆および積層化技術を利用して、加工することができる。例えば、接着剤マトリックスシステムは、液体混和接着剤、薬剤、および賦形剤を流延した後、剥離性裏地を積層化して調製してもよい。同様に、この接着剤混合物は、剥離性裏地に流延した後、剥離性裏地を積層してもよい。
または、薬剤貯蔵体を薬剤または賦形剤なしで調製し、その後、薬剤/賦形剤混合物に「浸漬」することにより充填してもよい。一般に、本発明の経皮用システムは、溶剤蒸発、フィルム流延、溶融押し出し、薄膜積層、打抜き等により加工される。水酸化物放出剤は、一般に、後の装置調整ではなく、パッチ製造中に装置中に組み込まれる。塩の形態で得られた活性薬剤に関して、中和剤として兼用される促進剤は、後の装置調整中ではなく、むしろパッチ製造中に装置中に組み込まれる。従って、例えば、三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの塩酸塩等の三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの塩による酸添加については、水酸化物放出剤等の塩基性促進剤が、経皮性システムの製造中で中和し、薬剤が非イオン化された中性型で、好ましくは、浸透促進剤として機能を果たす過剰量の塩基性化合物と共に、最終薬剤送達装置が得られる。
好ましい送達システムにおいては、送達システムに対する裏地としても機能を果たす接着性被覆層が、パッチを体表面によりよく固定するのに使用される。この被覆層は、被覆層上の接着剤が体表面に接触するように、薬剤貯蔵体を超えた範囲にわたるような大きさとする。この非服装は、接着剤/薬剤貯蔵体層が水和により適用後数時間で接着性を失う可能性があるので、有用である。このような接着性被覆層を組み込むことにより、送達システムは、必要時間、その場に維持される。
経皮的薬剤送達システムの別の種類や形態は、本発明の方法、即ち経皮的薬剤送達に関わる当業者には明らかである浸透促進剤としての水酸化物放出剤の使用と併用してもよい。例えば、Ghosh,Transdermal and Topical Drug Delivery System(Interpharm Press,1997)、特に第2章および8章を参照。さらに、2若しくはそれ以上の経皮送達システムを併用してもよい。
本発明の別の実施形態において、イオン泳動、フォノフォレシス、ソノマクロポ−レション(sono−macroporation)、熱的調節、磁気変調から選択される物理的な経皮的浸透促進法が、単独、または別の物理的または化学的浸透促進手段/剤と併用して採用される。これらの方法の大部分の例は、例えば、"Drug Permeation Enhancement, Theory and Applications,"D.S.T.Hsieh,ed.,Marcel Dekker,New York,New York(1994)で見出すことができる。
浸透促進の特に好ましい方法は、フォノフォレシスおよびソノマクロポレ−ションである。これらの方法は、薬の口腔投与で遭遇する胃腸の劣化および肝臓の初回通過代謝を回避することを含むいくつかの長所があり、非侵襲性なので患者の服薬遵守をを改善し、皮膚を損傷する可能性のある化学的浸透促進剤の使用の必要性をなくす可能性があり、活性成分のイオンまたは非イオンの形での送達に使用でき、水溶性および非水溶性担体の両者と共によく作用し、活性成分を深部の皮下組織に送達でき、経皮パッチおよび/または浸透促進剤等の別の経皮送達システムと併用して使用できる。フォノフォレシスは、例えば、E.J.Novak,Arch.Phys.Med.Rehabil.,May,231(1964)と、H.A.E.Benson,J.C.McElnay,and R.Harland,Int.J.Pharm.,44,65(1988)に記載の局所麻酔薬を送達するのに使用される。フォノフォレシスの好適な条件は、"Y.Sun and J.C.Liu,"Transdermal Drug Deliverty by Phonoporesis:Basics,Mechanimis,and Techniques of Application,Chapter 15,"Drug Permeation Enhancement Theory and Applications,D.S.T.Hsieh,Ed.,Marcel Dekker,New York,New York(1994)に記載されており、これらの文献は、好適なフォノフォレシス条件を記載する目的のものであり、その内容はこの参照により本願明細書に完全に組み込まれる。
フォノフォレシスを採用する場合、当該組成物は、音響エネルギーをトランスデューサ−表面から患者に伝達するための好適なカップリング剤を含むべきである。水と軟部組織の音響インピ−ダンスの差がごくわずかであるため、水は、好ましいカップリング剤である。或いは、水溶性チキソトロピックジェル、グリセロール、および鉱油等の市販のカップリング剤を使用してもよい。
フォノフォレシスを実施するにあたり、約0.05MHz〜約20MHzの周波数が使用される。より好ましくは、約3kHZ〜約16MHzの周波数が使用される。超音波は、パルスまたは連続型で、強度および治療時間は、患者および必要とする薬剤送達の所望レベルに応じて、当業者により決定できる。通常、約2W/cm未満の強度が、フォノフォレシスに使用される。
或いは、ソノマクロポレーションを使用することができる。ソノマクロポレーションを使用する場合、通常、2W/cm以上約40W/cmまでの音響強度が、約10〜30kHzの周波数と併用して使用される。ソノマクロポレ−ションは、約400〜600kDaの分子量を有するより大きな分子の浸透促進に有用である。
本発明に使用されるフィコトキシンは、非タンパク質で、289〜450ダルトンの低分子量を有する化合物である。このことは、同様の目的に対して使用される従来組成物に対するいくつかの長所を与える。第1に、フィコトキシンは非タンパク質であるので、フィコトキシンに対するアレルギ−反応の確率は、大変低い。第2に、大きさの小さいフィコトキシンは、経皮送達に優れた候補である。さらにまた本発明のフィコトキシンは、A型ボツリヌス菌に比べて大変強力なので、長時間持続する効果を達成するのに、少量が使用される。さらに本発明のフィコトキシンは、A型ボツリヌス菌に比べて、効果が現れるまでの時間が短時間である。さらにまた、大きさの小さなフィコトキシンは、比較的迅速な体外への排出を可能にし、このため体内での有毒な副作用または毒素蓄積のリスクを軽減する。
ヒト以外の哺乳動物の皮膚を通した薬物の移行は、毛の除去のために皮膚をそることなく、哺乳動物の厚い皮膚または多くの哺乳動物が有する体表を覆う毛を克服するためには、活性成分濃度の増加を要することもある。
本発明のある実施形態においては、本発明の化合物は、有効量の別の局所麻酔薬と併用して、使用される。この実施形態においては、本発明の医薬組成物は、有効量のベンゾカイン、テトラカイン、メピバカイン、プリロカイン、エチドカイン、ブピバカイン、リドカイン、または同様の局所麻酔薬、ケタミン、ジアゼパム、アセプロマジン、ブトルファノ−ル、キシラジン、ミダゾラム、テラゾ−ル、局所麻酔薬の共融混合物(EMLA)、Betacaine−LA(商標)(リドカイン、プロカイン、およびジブカイン)、Topicaine(商標)(ジェルマイクロエマルジョン中のリドカイン)、Amethocaine(商標)ゲル(テトラカイン)、TAC(テトラカイン、アドレナリン、およびコカイン)、LET(リドカイン、エピネフリン、およびテトラカイン)、およびS−caine(商標)パッチ(使い捨ての酸素活性化加熱要素を有する、リドカインおよびテトラカインの共融混合物)、およびこれらの組み合わせたもの、および少なくとも1つの三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの有効量を含む。さらにまた、リポソ−ムの送達システムを本発明の組成物および方法に採用してもよい。このような組み合わせは、本発明の組成物を使用する獣医用途において使用することができる。
活性薬の投与量は、大きく異なり、治療する疾病および症状、所望の効果、活性約が所定の標的に到達する能力および速度、およびその他の哺乳動物および医師の特定の知識範囲の因子を含む、様々な因子に依存する。好ましい単一投与量は、通常、約1〜1,000活性単位のオ−ダ−であり、より好ましくは、32単位よりも高く約1,000活性単位以下であり、より好ましくは約50〜500活性単位、最も好ましくは75〜200活性単位である。別の表現では、投与量は、約0.01〜14.3単位/kg体重であり、選択的に0.1〜5.7単位/kg体重mp範囲である。これは、約0.004〜3.6μg/kg体重であり、選択的に0.04〜1.4μg/kg体重であることに相当する。
一態様においては、本発明は、動物の筋肉痛の治療法に関する。別の態様においては、本発明は動物の筋痙攣の治療に関する。さらなる態様においては、本発明は、創傷の近位での筋肉弛緩を起こすための動物の1若しくはそれ以上の筋肉の治療による創傷治癒を促進する方法に関する。本発明のこの態様は、特に、術後治療に有用である。
別の態様においては、本発明は、本発明の組成物を動物の局所麻酔薬として使用することに関する。本発明のこの態様は、動物において顕著な眠気および嗜眠を引き起こすことなく、有効な局所麻酔薬を投与することで麻酔を要する動物の様々な治療を促進する可能性がある。本発明のこれらの態様のそれぞれの例は、これらの具体的な使用を証明するために以下に示されている。本発明の各態様に関する投与量は、上記に示すとおりである。
本発明の実施は、特に記載されていない限り、当業者の知識の範囲である、薬剤調製物、特に局所用薬剤調製物の従来法を採用することになる。このような技術は、文献に十分記載されている。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.(New York:McGraw−Hill,1996)を参照。
ウマ、イヌ、その他の動物の筋肉痛および筋痙攣におけるGTXの使用。
特に競走馬の場合における、外傷または肉体的ストレスによる動物の筋肉痛または筋痙攣に対する現行の治療は、全身筋弛緩薬の使用である。この治療は、動物の眠気や倦怠感の一般症状を誘引し、これらの動物を就寝させることになり、多くの場合、その食事消費量を減らすことになる。このため、筋肉痛を起こす筋痙攣の局所治療の必要性がある。
筋肉痛および筋痙攣を治療する目的のため、0.04〜1.4μg/kg体重のGTX2とGTX3との混合物を罹患した筋肉に局所的に浸透させると、一般に痛みを緩和する。具体的には、ウマの場合、当該組成物を首の筋肉(腕頭、胸鎖頭部、または棘下筋)に注射できる。特に一般的なのは、ウマの腰部領域の筋肉痛であり、当該組成物は、広背筋、棘上、または腰背筋膜に注射できる。投与には、全投与量が0.004〜3.6μg/kg体重の1若しくはそれ以上のGTX組成物(各注射位置当たり200〜500μLのGTX溶液)を動物の筋肉の異なる位置に注射する。この投与量は、必要に応じて、症状の状態に応じて、毎日、2日後、または3日後、そしてその後再度と繰り返すことができる。
第三度会陰裂傷は、直腸と前庭との間で組織の完全破壊に相当し、共通の直腸および前庭円蓋を生じる。この状態は、直腸膣または直腸前庭裂傷と呼ばれる。これらの裂傷は、通常続いて起こる膣、頸部、および子宮の細菌感染を伴う、ウシ/雌ウマの膣の糞便汚染を起こす。直腸前庭瘻において、直腸と前庭との間の組織は、完全に孔が開いているが、会陰体またはその下方部分は無傷のままである。外科的整復、および正常な解剖構造の回復は、必須である。しかしながら、創傷直後に裂傷を修復する試みは、通常、裂傷組織が迅速に炎症を起こして浮腫となるので、うまくいかない。さらにまた、直腸および膣の筋肉収縮は、傷を広げて長くする。症状の再発に伴う排便中の直腸筋の収縮の結果、術後、傷部の破壊が起こる。従って、修復を試みる前に便が軟便であることが重要であり、さもなければ手術部位への便の嵌入或いは/および傷の破壊が起こることになる。
このような状況において、直腸および肛門括約筋の末端での局所筋肉で手術後にGTXを使用することは、傷の縫合にかかる収縮圧をいくぶん軽減し、順調な傷の治癒を可能にする。この目的で、雌ウマ/ウシが麻酔にかかったままの状態で、0.004〜3.6μg/kg体重のGTX2とGTX3との混合物を手術後に肛門括約筋を含む会陰領域の筋肉中に浸透させる(部位当たり200μL〜500μL)。この処置は、傷の回復を確実にするため、手術後3日間、軽い鎮静状態下で、繰り返される。本製品の更なる適用は、症状の状態に応じて、毎日、2日後、または3日後、そしてその後再度、症状の状態に応じて必要であれば実施される。
ウマの食道閉塞中におけるGTXの使用
ウマは、食道の最初の3分の2部分のどこかで異物(例えば、リンゴ)を詰まらせることで、食道閉塞を頻繁に起こす。現在のところ、動物は閉塞物を取り除くために麻酔する必要があり、このため、ウマは処置の間横たわらせなければならず、運搬をより面倒にする。このような状況において、食道の筋肉に局所用筋肉弛緩薬、および何らかの全身性鎮静剤を注射する併用療法は、全身麻酔の必要性なく異物の除去に有益である。
1若しくはそれ以上のGTX化合物を食道の筋肉に投与することは、筋肉を弛緩させ、このことは、立位での異物除去を可能にすることになる。0.004〜3.6μg/kg体重のGTX化合物は、この目的で投与できる。
別の態様、長所、および変形は、本発明に係る当業者には明らかであろう。本願明細書において引用されている全ての特許、特許出願書、雑誌記事、およびその他の文献は、この参照により本願明細書に組み込まれるものである。

Claims (22)

  1. 動物における創傷の治癒を促進する方法であって、以下の化学式(I)において、
    Figure 2008540452
    およびRは、−Hおよび−OHから成る群から独立に選択され、
    およびRは、−Hおよび−SOから成る群から独立に選択され、
    は、−H、−OH、−COONH、−COONHSO 、および−COOCHから成る群から選択され、
    およびRのいずれか1つは−SO であるか、或いはRは−COONHSO でなければならないものである、
    前記化学式(I)で表わされる三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの少なくとも1つと、薬理学的に許容可能な担体とを含む組成物の有効量を動物に投与する工程
    を有する、方法。
  2. 請求項1記載の方法において、前記組成物は、筋肉または筋肉近位に注射されるものである。
  3. 請求項1記載の方法において、この方法は、術後治癒を促進するために動物に投与されるものである。
  4. 請求項1記載の方法において、前記化学式(I)で表される少なくとも1つの化合物は、GTX−1、GTX−2、GTX−3、GTX−4、およびGTX−5から成る群から選択されるものである。
  5. 請求項1記載の方法において、前記組成物は、GTX−2およびGTX−3の両方を含むものである。
  6. 請求項1記載の方法において、前記組成物の有効量は、約1〜約1000活性単位を含むものである。
  7. 請求項1記載の方法において、前記組成物の有効量は、約32より大きく、約1000以下の活性単位を含むものである。
  8. 請求項1記載の方法において、前記組成物の有効量は、約50〜約1000活性単位を含むものである。
  9. 請求項1記載の方法において、前記組成物の有効量は、約50〜約500活性単位を含むものである。
  10. 請求項1記載の方法において、前記組成物の有効量は、約75〜約200活性単位を含むものである。
  11. 請求項1記載の方法において、前記組成物は局所的に投与されるものである。
  12. 請求項11記載の方法において、前記局所用組成物は、前記組成物の全重量に対して、約0.0001重量%〜約0.01重量%の前記化学式Iの化合物の1若しくはそれ以上を含むものである。
  13. 動物において筋肉弛緩をもたらす方法であって、
    以下の化学式(I)において、
    Figure 2008540452
    およびRは、−Hおよび−OHから成る群から独立に選択され、
    およびRは、−Hおよび−SOから成る群から独立に選択され、
    は、−H、−OH、−COONH、−COONHSO 、および−COOCHから成る群から選択され、
    およびRのいずれかは−SO であるか、或いはRは−COONHSO でなければならないものである、
    前記化学式(I)で表される三環系3,4−プロピノペルヒドロプリンの少なくとも1つと、薬理学的に許容可能な担体とを含む組成物の有効量を動物の筋肉または筋肉近位に投与する工程
    を有する、方法。
  14. 請求項13記載の方法において、この方法は、麻酔を必要とする治療を促進するために、動物に適用されるものである。
  15. 請求項13記載の方法において、この方法は、筋肉痛または筋痙攣を治療するために動物に適用されるものである。
  16. 請求項13記載の方法において、前記化学式(I)で表される少なくとも1つの化合物は、GTX−1、GTX−2、GTX−3、GTX−4、およびGTX−5から成る群から選択されるものである。
  17. 請求項13記載の方法において、前記組成物は、GTX−2およびGTX−3の両方を含むものである。
  18. 請求項13記載の方法において、約1〜約1000活性単位を含むものである。
  19. 請求項13記載の方法において、約32より大きく、約1000以下の活性単位を含むものである。
  20. 請求項13記載の方法において、前記組成物の有効量は、約50〜約1000活性単位を含むものである。
  21. 請求項13記載の方法において、前記組成物の有効量は、約50〜約500活性単位を含むものである。
  22. 請求項13記載の方法において、前記組成物の有効量は、約75〜約200活性単位を含むものである。
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