JP2008539346A - ヒンジ装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、ヒンジ装置、特に、冷蔵庫ハウジングに旋回可能に関節接合される冷蔵庫扉を備えて成る冷蔵庫ハウジングのためのヒンジ装置に関し、当該ヒンジ装置は、第一部分（２）と、ヒンジ（３、３ａ）を介して第一部分（２）に旋回可能に関節式に接合される第二部分（４）と、ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）とを備え、当該ピストン型シリンダー減衰ユニットは、互いに対する二つの部分（２、４）の旋回動作を減衰するために第一部分（２）と第二部分（４）との間で動作可能に配置され、且つ、少なくとも一つの部分（２、４）に関節式に接合する。

Description

本発明は、ヒンジ装置、特に、ヒンジを介して冷蔵庫ハウジングに関節接合する旋回可能な冷蔵庫扉を備えて成る冷蔵庫ハウジングのためのヒンジ装置に関する。

DE 20306043 U1

冷蔵庫扉のためのストップダンパーが、特許文献１から知られている。しかしながら、特定の開放角度から冷蔵庫扉を開ける場合、扉は、もはやダンパーに接続されていない。したがって、開放された状態における扉は、例えば、隣接する壁にぶつかる。逆に、扉を閉める場合、扉は、特定の閉鎖角度からダンパーに接続されるだけである。冷蔵庫扉の重量は極めて多様なので、公知の減衰は不十分である。

本発明の目的は、従来技術の欠点を克服するヒンジ装置を提供することである。

本目的は、請求項１の特徴によって達成される。本発明の本質は、少なくとも一方の部分に直接関節接合させられるピストン型シリンダー減衰ユニットを設けて、互いと関節接合する二つの部分の旋回動作を減衰することである。ピストン型シリンダー減衰ユニットの減衰特性は、例えば、頻繁にヒンジに用いられる渦巻きバネの減衰特性よりもかなり容易に調整しうる。

本発明のさらに有利な実施形態が従属請求項から明らかにされる。

本発明の付加的な特徴及び詳細が、図面を参照して、複数の実施形態の記述から明らかにされる。

本発明の第一実施形態が、図１〜４を参照して以下に開示される。本発明にしたがうヒンジ装置１において、第一部分（冷蔵庫扉２）は、ヒンジ３を介して、部分的にだけ示さされた第二部分（冷蔵庫ハウジング４）に旋回可能に関節接合される。ヒンジ３は、垂直旋回軸５を備えて成る。実際には、共通の旋回軸５を有する複数個のヒンジ３が、冷蔵庫扉２の少なくとも上側及び下側端部で互いの上方にしばしば配置される。

冷蔵庫扉２の開放動作及び閉鎖動作を減衰するために、ピストン型シリンダー減衰ユニットとして示されるダンパー６が設けられる。前記ダンパーは、実質的に円筒形のハウジング７を備えて成り、当該ハウジング７は、その一方の端部でハウジング７と一体に形成されるベース８によって閉じられる。前記ベース８上に、孔１０を設けられた固定要素９が形成され、孔１０の軸１１は、ハウジング７の中央長手方向軸１２に垂直に延在し、前記中央長手方向軸と交差する。冷蔵庫扉２の内側１３に、対応する孔を備えたヒンジ要素１４が固定され、固定要素９がピン１５を挿入することによりヒンジ要素１４と関節接合式に接続される。

ハウジング７は、同じような円筒形内部空間１６を備えて成り、当該円筒形内部空間は、軸１２に同心状に延在し、一方の端部ではベース８により閉じられている。内部空間１６は、半径方向ではハウジング７の内側壁１７によって画定される。ハウジング７は、その他方の端部では、外側に開いている開口１８を備えて成る。ピストンロッド１９が、軸１２にやはり同心状で、内部空間１６に軸１２の方向で変位可能に配置され、その一方の端部２０がハウジング７から開口１８を通り突出している。この端部２０では、さらに固定要素２１が取り付けられ、当該固定要素は、孔２２を備えて成り、その軸２３は、中央長手方向軸１２に対して垂直に延在し、前記中央長手方向軸と交差する。冷蔵庫ハウジング４に、相応する孔を備えた対応するヒンジ要素２４が固定され、固定要素２１は、ヒンジ要素２４に関節接合式にピン２５を挿入することにより接続される。旋回軸５からのヒンジ要素２４の距離は、ａで示される。旋回軸５からのヒンジ要素１４の距離は、ｂで示される。ダンパ６の一方では扉２に固定された関節と、他方ではハウジング４に固定された関節とは、ダンパ６が密閉される空間の方向に扉２からわずかに突出するように実行され、したがって、ｂはａよりも大きい。ダンパ６は、扉２の上側端部及び下側端部に配置されえる。

ダンパー６の構成は、図２を参照することにより以下により詳細に説明される。ダンパー６は、中央長手方向軸１２に平行に延在する引出し乃至引抜き方向２６を有する。方向２６で設置される内部空間１６の端部領域で、案内／シールブッシュ２７がハウジング７に固定され、当該案内／シールブッシュを通して、ピストンロッド１９が外側に変位可能に案内される。ブッシュ２７は、半径方向及び方向２６でハウジング７により取り囲まれ、それによって固定される。当該ブッシュ２７は、内側壁１７に配置された環状溝２８に設置され、それによって、ブッシュ２７は、方向２６の反対の方向にも固定される。方向２６とは反対の方向に設置される、ブッシュ２７の端部とベース８との間で、作業域２９が形成される。作業域２９において、ピストン３０は、内部壁１７にシールされて当接し且つ軸１２に沿って変位可能に設置され、当該ピストンは、ハウジングの内側でピストンロッド１９の端部に固定される。ピストン３０は、作業域２９をベース８に面する部分的な作業域３１に加えてブッシュ２７に面する部分的な作業域３２に分割する。しかしながら、通例、作業域２９は、減衰液３３、特にオイルで完全には充填されていない。そのレベルは、参照番号３４によって示されている。ガス３５、特に空気が、オイルレベル３４の上方に位置する。

ピストン３０は、ピストンの周囲に渡って割当てられ、且つ、方向２６で前記ピストンを貫通する減衰孔３６を備えて成り、当該減衰孔は、二つの部分的な作業域３１、３２を互いに接続する。減衰孔３６は、バルブ３７によって部分的に閉鎖され、当該バルブは、方向２６における動作で開放され、方向２６と反対方向動作で閉じられる。渦巻きバネとして構成され、ピストンロッド１９を同心状に取り囲むリターンバネ３８が、ピストン３０とブッシュ２７との間に配置される。前記リターンバネは、ピストンロッド１９が引抜かれたときに、方向２６とは反対方向にハウジング７内でピストン３０を押し戻すようにプレテンションされる。内側壁１７において、複数の長手方向溝３９が周囲に渡って均一に分配される。前記長手方向溝３９の領域で、ピストン３０は、内側壁１７にシールされて当接しない。しかしながら、チャネル４０がピストン３０と長手方向溝３９のベース４１との間に形成される。ベース８から延在して、長手方向溝が全く設けられない部分６５が最初に存在する。方向２６における長手方向溝３９の断面がゼロから一定に増加していく部分６６が、これに付随する。長手方向溝３９が実質的に一定な断面を有する部分６７がこれに付随する。長手方向溝の断面が短い長さに減少しゼロに達する部分６８が続く。長手方向溝が全く存在しない部分６９が、これに付随する。ピストン３０を方向２６で伸長するときに有効な孔３６の流れ断面は、部分６７における全長手方向溝３９の最大断面よりも実質的に大きいので、孔３６は流れ抵抗を規定する。さらに、方向２６と反対方向のピストン３０の有効な流れ断面は、方向２６における動作の間のピストンの流れ断面よりも実質的に小さいので、したがって、長手方向溝３９の存在が役割を果たす。

ダンパー６の特性曲線が、図３及び４を参照して以下に記述される。図３は、ダンパー６の力／速度特性曲線を二つの異なる場合に関して示す。引抜き力Ｆは、速度ｖの関数として示される。ＡとＢとの二つの場合が比較される。Ａは、長手方向溝３９が配置される部分にピストン３０が設置されている特性曲線に関する。ピストンロッド１９が方向２６に引抜かれる場合、ピストン３０は方向２６で変位させられる。部分的な作業域３２に置かれている減衰液３３に加え、そこに置かれているガス３５は、部分的な作業域３１に減衰孔３６によって押込まれる。ダンパー６の減衰挙動は弱い。バルブ３７は開かれる。減衰力の速度依存性は低く、わずかにだけ増加し、これは流れ抵抗の速度依存性に起因する。特性曲線Ｂは、ピストン３０が方向２６とは逆方向で長手方向溝３９の端部４２の後に、すなわち溝３９の外側に置かれているときの減衰力を示す。減衰液３３全体は、やはり開いている減衰孔３６を通って押し進まなければならない。かくして、減衰力は、液３３に使用可能である断面が実質的により小さいため、同じ速度では実質的により大きい。

図４は、ピストン３０を方向２６とは逆方向に挿入していくときの一定の速度でのダンパー６の減衰力を示す。したがって、ｘは、挿入深さに対応する。特性曲線は、減衰力が高い第一の平坦領域Ｃを有する。前記領域は、ピストン３０が長手方向溝３９の外側に置かれている部分に対応する。特性曲線は、その後直線上に変化する領域Ｄを有する。これは、長手方向溝３９の断面が連続して変化する領域に対応する。更なる平坦な部分Ｅが部分Ｄに付随する。前記平坦な部分は、長手方向溝３９の断面が完全に均一である領域に対応する。

冷蔵庫扉２の、開閉されるときの減衰挙動が以下に開示される。冷蔵庫扉が最初は閉まっているものと仮定する。ピストンロッド１９は、挿入された状態である。ピストン３０は、ベース８の近くに設置される。リターンバネ３８は、他の状態と比較して最も緩んだ状態にある。ガス３５は、大気圧である。過圧でのガス３５を用いることも可能である。扉が開かれる場合、開放動作は、液３３が比較的大きな減衰孔３６を通って流れることができるので、わずかに減衰されるだけである。バルブ３７は開かれる。扉の開放は、したがって容易である。扉の開放は、状況に応じて緩和ガス３５により補助される。今度は、リターンバネ３８が圧縮される。孔３６と長手方向溝３９との構成によって、ガス３５の過圧とリターンバネ３８のバネ特性（減衰挙動）とを異なる重量の冷蔵庫扉に適合させうる。さらに、冷蔵庫扉が例えばボトルらを伴って重く負荷されているか否かに関係なく、減衰特性が実質的に同一であることを確実にする。

扉の閉鎖動作は、まさに非常に圧縮されたリターンバネ３８によって補助される。バルブ３７の構成によって、扉を閉めるときの減衰が扉を開けるときよりもより大きいことが確実にされる。扉がハウジング４にぶつからないことを確実にすることが意図される。これは、扉２の閉じた状態におけるダンパー６がハウジング４の前面に対してほとんど平行に延在し、したがって、それによって作り出されるトルクが小さいので、ダンパー６の特有の配置によっても作り出される。しかしながら、リターンバネ３８を用いて、扉が完全に閉じられることも確実にされる。ピストンロッド１９を挿入するときのピストン３０の減衰挙動は、長手方向溝３９の存在又は非存在によって実質的に決定される。ピストン３０の流れ断面は、方向２６とは逆側に挿入されるとき、対向する方向よりも実質的により小さい。かくして、長手方向溝２９によって加えられた断面は、重要な役割を果たす。完全な引抜き状態において、およそ図２に示されるようにピストン３０は、未だ部分６７でのレベルにある。したがって、減衰挙動は、比較的弱いが、同じ高さで方向２６にピストンを引く抜くときよりも大きい。ピストン３０が部分６６に達する場合、長手方向溝３９の断面は減少し、減衰力は直線上に増加する。部分６５において、長手方向溝３９がもはや存在しないので、減衰は最大である。かくして、冷蔵庫扉２が閉鎖時にハウジング４にぶつかることが防止される。挿入の間に有効な孔３６と長手方向溝３９とによる減衰は、速度依存性であり、溝によって制御される。扉を強く押して閉じようとすればするほど、減衰はより大きくなる。かくして、扉２の異なる負荷状態での穏やかで安定した閉鎖が常に確実にされる。扉２へのダンパー６の関節接合と、ｂが実質的にａよりも大きいという事実とによって、扉２の開放時に、ダンパー６は、冷蔵庫ハウジング４の可視範囲と操作範囲とから離れて旋回させられる。既に説明したように、扉２の閉じる方向及び開ける方向において、ダンパー６の減衰力の異なる度合いが存在する。閉じる方向において、速度と閉鎖角度とに対する減衰力は、穏やかで安定した扉２の閉鎖がいかなる負荷状況においても確実にされるように構成される。扉２の開放方向において、減衰は可能な限り小さくなるように構成される。

図５〜８を参照することにより、本発明の第二実施形態が以下に開示される。同一部分は、第一実施形態と同一の参照番号を有し、したがって、その記述が参照される。機能上似ているが、構造上異なる部分は、文字ａを後に続けた同一の参照番号を有する。第一実施形態に対する主な違いは、ヒンジ３ａがマルチジョイントヒンジ、特に７−ジョイントヒンジであることである。前記７−ジョイントヒンジは、第一実施形態に対して、開かれるときに扉２が死点（dead centre point）を越えて案内され、したがって扉２の開放位置と閉鎖位置とが安定な端位置を示すという長所を有する。接続具６３、６４が、ヒンジ３ａに設けられ、当該接続具らは、扉２及び／又はハウジング４に接続される。ヒンジ３ａの全ての要素は、実質的にＵ形状断面を有する曲げられたシートメタルから形成される。かくして、ヒンジ３ａは、水平に延在する対称面に対して鏡面対称である。簡略化のために、ヒンジ３ａの半分だけが、すなわち、対称面の上方に配置されたヒンジ３ａが示される。ヒンジ３ａは、実質的に、及び、簡単に表現すると、接続具６４に関節式に接合された第一の平行四辺形から成り、当該第一の平行四辺形には第二の平行四辺形が関節式に接合され、当該第二の平行四辺形には、今度は、接続具６３が関節式に接合される。接続具６４は、実際には、平面的なベース体に加え、扉２に対して突出する突出部４３を備えて成る。中央ヒンジアーム４５は、ジョイント４４を介してこれと旋回可能に固定される。突出部４３（図５において、ジョイント４４の左側で、且つ、ジョイント４４よりもハウジング４からより離れている）の外側端部で、支持アーム４６がジョイント４７を介して関節式に接合される。支持アーム４６は、直線状には延在せず、扉２の方向に曲げられるので、それは、開けるときに、ハウジング４に面する扉２の丸められた端部４８に衝突しない。アーム４５と４６とは、隣接するジョイント５０及び５１上で中間プレート４９に両者ともに関節式に接合する。ヒンジ点５０は、中央ヒンジアーム４５の中央におよそ設置され、かくして、アーム４５は、ジョイント５０を越えて更に延在する。中間プレート４９は、細長い構成であり、中央で広げられる。ジョイント５０は、ハウジング４に面する端部上に設置される。ジョイント５１は、ジョイント５０と、中間プレート４９がジョイント５２を介して関節式に接合される接続具６３との間のおよそ半分の距離に設置される。突出部４３、アーム４５、４６に加え、中間プレート４９は、ジョイント４４、４７、５０、５１と共に第一の４点ジョイント（およそ平行四辺形）を形成する。ハウジング４から離れた中央ヒンジアーム４５の端部に、ジョイント５３を介して、中間アーム５４が関節接合式に固定され、当該中間アームは、その他方の端部で、ジョイント５５を介して接続具６３に固定される。ヒンジ点５２、５０、５３、５５は、第二の４点ジョイントを形成し、当該４点ジョイントは、一方では、曲がらない中央ヒンジアーム４５を介して関節式に接合し、他方では、第二の４点ジョイントに支持アーム４６を介して関節接合式に固定される。ジョイント５２、５０、５３、５５もおよそ平行四辺形に形成される。これは、近似しているだけであることを指摘しておく。ジョイント５０は、ジョイント４４と５３とを通って延在する直線上には設置されず、その外側をハウジング４の方向に設置される。中央ヒンジアーム４５は、かくして、扉２の方向にわずかに角度を付けられる。圧縮バネ５６が、一方でジョイント５０と５２との間の中央に、他方でジョイント５３と５５との間の中央に、中間プレート４９及び／又は中間アーム５４それぞれと二つのジョイント５７、５８を介して旋回可能に関節式に接合される。ジョイント５７の領域で、中間プレート４９は、前述の広げられた部分を有する。ダンパー６は、ピストンロッド１９に固定された固定要素２１ａでジョイント５３に関節式に接合し、これは、図６に詳細に示されている。このために、ピストンロッド１９の外側端部には、二本の脚部６０を備えたフォーク５９が固定される。フォーク５９は、対応する留め開口乃至ラッチング開口６１を備えて成り、当該開口は、中央長手方向軸１２に対して横断して開口する。それにより、フォーク５９は、ジョイント５３を形成するジャーナル６２に留められる。ジャーナル６２も中央ヒンジアーム４５及び中間アーム５４内で対応する孔を通して案内される。ピストンロッド１９の自由端部の関節接合がジョイント５３と同一の空間を閉めることを許容しないこともまた可能である。関節接合は、ジョイント５０の方向でアーム４５上でも実施しうるし、また、その代わりに設けられる、ジョイント５３を外側方向に越えて延在する延長部上でも実施しうる。ダンパー６が中央ヒンジアーム４５に関節接合される場合が、それによって作り出されるレバー動作が特に大きくなるので有利である。ジョイント５０と５３との間の直線上で固定要素２１ａの間接接合点の変位によって、同一のダンパー６で作り出されるトルクを変更しうる。かくして、例えば、同一のダンパー６の適合を、異なるサイズの故に異なる重量の扉２で実施しうる。中央ヒンジアーム４５の、７−ジョイントヒンジの他のアームに対する特殊性は、アーム４５が第一の４点ジョイント４４、５０、５１、４７の構成要素であり、同時に第二の４点ジョイント５０、５３、５５、５２の構成要素であることである。ピストンロッド１９の自由端部を、アーム４５に取り付けられた金属シートに固定することも可能である。第一実施形態におけるように、ダンパー６が、その他方端部で、扉２の幅に対しておよそ中央で、扉２に関節式に接続される。

図５、７、８を参照することにより、以下にヒンジ３ａの動きが開示される。図５において、中央開放位置における扉２が、例えばおよそ４５°の開放角度で示される。この位置は、扉の上述の死点を現している。この位置において、ジョイント５７と５８との間の距離、圧縮バネ５６の関節接合点は最小である。図７に示される閉鎖位置の方向への旋回、又は、図８に示される開放位置への旋回は、ヒンジ５７と５８との間の距離における増加につながる。すなわち、圧縮バネ５６は、扉２を死点を越えてそれぞれ安定な開放位置又は閉鎖位置のどちらかに押す。図７に示される閉鎖位置において、二つのアーム４５と４６とは、ハウジング４の方向に旋回させられる。中間プレート４９と中間アーム５４とは、後部へ斜めに延在する。ヒンジ３ａは、かくして、コンパクトに折りたたまれ、圧縮バネ５６は、図５に記載の中央位置と比較して、相対的に緩ませられる。図８に示される開放位置において、二つのアーム４５と４６とは、最大限度まで接続具６４から離れて旋回させられる。同様のことが中間プレート４９と中間アーム５４とに当てはまる。したがって、ヒンジ３ａはその最大長手方向伸長を有する。扉２の後端部４８は、前記扉に面しているハウジング端部４から最大距離まで移動させられているので、冷蔵庫及び／又は扉の内部空間へのアクセスは、最適な状態で可能である。圧縮バネ５６は、図５に示される位置と比較して、比較的緩んだ状態にある。

ダンパー６の減衰特性を含むことによって、扉２の開放及び閉鎖挙動が以下に記述される。扉２を開放する前に、ピストン３０は、最大挿入位置に設置される。ピストンロッド１９を引抜くときに、比較的に大きな孔３６が減衰挙動を決定するので、減衰は最小である。かくして、扉２を容易に開放しうる。所定の開放角度から、扉が開放位置に維持される。この場合、扉ヒンジの開放力と、ダンパーの閉鎖力とは平衡している。扉２を閉めるときに、バルブ３７が閉じ、ダンパー６の減衰は、かくしてより大きくなる。ピストンロッド１９の挿入は、リターンバネ３８によって簡単にさせられる。死点を越えて、冷蔵庫扉２の完全に減衰された閉鎖が、圧縮バネ５６、リターンバネ３８及び長手方向溝３９を通って増加させられた減衰によって確実にされる。

既述のように、ダンパー６を扉２の上側及び下側ヒンジ３ａの両方に取り付けることも原理上は可能である。例えば、これは、負荷が対応してより高くなる例えば背の高い冷蔵庫で有用である。二系統の扉、例えば、冷蔵庫と冷凍キャビネットとを備えた機器では、二つの扉が互いの上に配置される。前記扉にとっては、一つのそれぞれのダンパー、それぞれ二つのダンパー、又は、それら組み合わたものを必要に応じて用いえる。既述のように、中央ヒンジアーム４５へのダンパー６の関節接合によって、扉２を開放するときに適用される開放力は減少する。これは、ダンパー６が付加的に扉２を支持し、故にヒンジ３ａにおける摩擦力が減少するという事実により説明されうる。かくして、ヒンジ３ａの磨耗は減少し、ヒンジの寿命が増加する。ダンパー６の配置のさらに重要な長所は、扉に対しておよそ平行なダンパー配置に起因する。結果として、扉２を閉めるときに、過度に大きな圧力を扉シール上に働かせることが回避される。これは、非常に長い期間かかって、シールへのダメージ、故に起こり得るリークに場合によってはつながる。

本発明の第三実施形態が図９を参照して以下に開示される。同一部分は、第二実施形態と同一の参照番号を有し、その記述が参照される。機能上似ているが、構造上異なる部分は、文字ｂを後に続けた同一の参照番号を有する。第二実施形態に対する基本的な違いは、ヒンジ３ｂへのダンパー６の関節接合にある。固定要素２１ｂを取り付けるために、分離固定アーム７０が、ジョイント５３の領域で中央ヒンジアーム４５上に設けられる。アーム７０は、その外側端部で、互いから相隔たる二つの重なり突出部７１を備えたフォーク形状を有する。突出部７１は、整列した孔７２を有し、当該孔７２を通して、ジャーナル７３がそこで案内され固定される。他方の端部では、固定アーム７０は、中央ヒンジアーム４５の外側輪郭に適合させられるベアリング表面７４を備えて成る。この場合は、固定アーム７０は、ねじ７５によって中央ヒンジアーム４５に接続される。さらに、リベット留め、溶接などのような接続オプションも用いられうる。固定アーム７０は、図９に示される図の面に垂直に、ヒンジ３ｂよりもより薄い厚さを有する。結果として、固定アーム７０は、ヒンジ３ｂを超えて突出しない。

固定要素２１ｂは、孔を備えたロッド形状ヘッドとして構成され、当該孔を通して、ジャーナル７３が案内される。固定要素２１ｂは、かくして、二つの突出部７１の間に保持され、ジャーナル７３の周りを旋回させられる。この実施形態において、既存のヒンジを用い、当該ヒンジには、ダンパー６が後から取り付けられることが有利である。固定要素２１における孔の代わりに、アゴ形状で外側に案内されるスロットを設けてもよい。

本発明の第四実施形態が図１０を参照して以下に開示される。同一部分は、第二実施形態と同一の参照番号を有し、その記述が参照される。機能上似ているが構造上異なる部分は、文字ｃが後に続く同一の参照番号を有する。第二実施形態に対する基本的な違いは、中央ヒンジアーム４５ｃに対する固定要素２１ｃの関節接合にある。前記中央ヒンジアームは、ジョイント５３を介して外側へ延在させられる。したがって、前記中央ヒンジアームは、ジョイント５３に対して外側に突出する部分７６を備えて成る。図９に記載の実施形態におけるように、部分７６は、互いの上方に配置させられる二つの突出部から成り、整列させられた孔７７を備えたフォーク形状に突出し、当該孔７７を通って、ジャーナル７８が案内され、そこで固定される。ヘッド状固定要素２１ｃは孔を有し、当該孔を通って、ジャーナル７８が案内される。かくして、要素２１ｃは、突出部の間に固定され、ジャーナル７８周りを旋回させられる。第二実施形態に対してこの実施形態では、ジャーナル７８に属するジョイントとジョイント５３とが互いから離れていることが有利である。さらに、第三実施形態とは違い、固定アーム７０の形態の付加的な構成要素が要求されない。

ピストン型シリンダー減衰ユニットを備えた第一実施形態にしたがうヒンジ装置の図を示す。 図１に記載のピストン型シリンダー減衰ユニットの中央長手方向断面図を示す。 二つの異なるピストン位置に関する、図２に記載のピストン型シリンダー減衰ユニットの力／速度特性曲線を示す。 一定の挿入速度での、図２に記載のピストン型シリンダー減衰ユニットの力／挿入特性曲線を示す。 第二実施形態にしたがうヒンジ装置を中央位置で示す。 図５における切断線VI−VIにしたがう断面図を示す。 閉鎖位置における図５に記載のヒンジ装置を示す。 開放位置における図５に記載のヒンジ装置を示す。 第三実施形態にしたがうヒンジ装置を中央位置で示す。 第四実施形態にしたがうヒンジ装置を中央位置で示す。

符号の説明

２ 第一部分
４ 第二部分
３ ヒンジ
６ ピストン型シリンダー減衰ユニット
７ ハウジング
１７ 内部壁
２９ 作業空間
３０ ピストン
３１ 第一部分作業空間
３２ 第二部分作業空間
３３ 減衰液
３８ リターンバネ
３９ 減衰溝
４４ ジョイント
４５ 中央ヒンジアーム
４９ 分離アーム
５４ 分離アーム
７０ 固定アーム

Claims (13)

1. ヒンジ装置、特に冷蔵庫ハウジングに旋回可能に関節式に接合された冷蔵庫扉を備えて成る冷蔵庫ハウジングのためのヒンジ装置であって、
   ａ．第一部分（２）と、
   ｂ．第一部分（２）にヒンジ（３；３ａ；３ｂ；３ｃ）を介して旋回可能に関節式に接合された第二部分（４）と、
   ｃ．ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）であって、
   ｉ．当該二つの部分（２、４）の互いに対する旋回動作を減衰するために、第一部分（２）と第二部分（４）との間に操作可能に配置され、且つ、
   ｉｉ．少なくとも一方の部分（２、４）に関節式に接合させられるピストンシリンダー減衰ユニットと、
   を有するヒンジ装置。
2. ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）が、ハウジング（７）に変位可能に案内されるピストン（３０）を備えて成り、当該ピストン（３０）は、第一部分作業域（３１）と第二部分作業域（３２）とに作業域（２９）を分割することを特徴とする請求項１に記載のヒンジ装置。
3. ピストン（３０）に接続されるリターンバネ（３８）が、引抜き位置から初期位置にピストン（３０）を戻すためにハウジング（７）内に設けられることを特徴とする請求項２に記載のヒンジ装置。
4. 作業域（２９）が、減衰液（３３）によって部分的に充填されていることを特徴とする請求項３に記載のヒンジ装置。
5. ハウジング（７）の内側壁（１７）の少なくとも一部分に沿って、少なくとも一つの減衰溝（３９）が、減衰挙動を変更するために設けられることを特徴とする請求項４に記載のヒンジ装置。
6. ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）が、第一部分（２）に直接間接式に接合され、且つ、第二部分（４）に直接間接式に接合されることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
7. ヒンジ（３ａ；３ｂ；３ｃ）がマルチジョイントヒンジであることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のヒンジ装置。
8. ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）が、マルチジョイントヒンジに関節式に接合することを特徴とする請求項７に記載のヒンジ装置。
9. マルチジョイントヒンジは、ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）が関節式に接合される中央ヒンジアーム（４５；４５ｃ）を備えて成ることを特徴とする請求項８に記載のヒンジ装置。
10. 中央ヒンジアーム（４５；４５ｃ）が少なくとも一つの部分（２、４）と直接間接式に接合されないことを特徴とする請求項９に記載のヒンジ装置。
11. 中央ヒンジアーム（４５；４５ｃ）が、ジョイント（４４）を介して第二部分（４）と直接間接式に接合されることを特徴とする請求項１０に記載のヒンジ装置。
12. 中央ヒンジアーム（４５；４５ｃ）が、少なくとも一つの分離アーム（４９、５４）を介して第一部分（２）に関節式に接合されることを特徴とする請求項１１に記載のヒンジ装置。
13. ピストン型シリンダー減衰ユニット（６）が、固定アーム（７０）を介して中央ヒンジアーム（４５）に関節式に接合されることを特徴とする請求項９に記載のヒンジ装置。

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