JP2008539015A - 周期長を使用して頻脈性不整脈を検出する医療デバイス - Google Patents
周期長を使用して頻脈性不整脈を検出する医療デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008539015A JP2008539015A JP2008509007A JP2008509007A JP2008539015A JP 2008539015 A JP2008539015 A JP 2008539015A JP 2008509007 A JP2008509007 A JP 2008509007A JP 2008509007 A JP2008509007 A JP 2008509007A JP 2008539015 A JP2008539015 A JP 2008539015A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- state
- detection
- event
- metric
- oat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
- A61B5/00—Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
- A61B5/24—Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
- A61B5/316—Modalities, i.e. specific diagnostic methods
- A61B5/318—Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]
- A61B5/346—Analysis of electrocardiograms
- A61B5/349—Detecting specific parameters of the electrocardiograph cycle
- A61B5/363—Detecting tachycardia or bradycardia
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
- A61B5/00—Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
- A61B5/24—Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
- A61B5/316—Modalities, i.e. specific diagnostic methods
- A61B5/318—Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]
- A61B5/346—Analysis of electrocardiograms
- A61B5/349—Detecting specific parameters of the electrocardiograph cycle
- A61B5/361—Detecting fibrillation
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Surgery (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Abstract
【課題】心室周期長の情報を使用して、高い感度を持って心房頻脈性不整脈不整脈を検出する医療デバイスを提供する
【解決手段】医療デバイスにおいて実行される、心室周期長の情報を使用して心房不整脈を検出するマルチレイヤ方法は、心房頻脈性不整脈の開始及び終了を検出するベースレイヤアルゴリズムを実施することを含む。マルチレイヤ方法は、ベースレイヤ検出に応答して実行されて、ベースレイヤ検出を確認するか又は排除する1つ又は複数の高次レイヤアルゴリズムをさらに含む。ベースレイヤは、心房細動及び/又は統一性のある心房頻脈に対する高い感度を持って作動するように設計され、高次レイヤは、心房細動及び/又は統一性のある心房頻脈に対して高い感度と高い特異性とを持って作動するように設計される。
【選択図】図1
【解決手段】医療デバイスにおいて実行される、心室周期長の情報を使用して心房不整脈を検出するマルチレイヤ方法は、心房頻脈性不整脈の開始及び終了を検出するベースレイヤアルゴリズムを実施することを含む。マルチレイヤ方法は、ベースレイヤ検出に応答して実行されて、ベースレイヤ検出を確認するか又は排除する1つ又は複数の高次レイヤアルゴリズムをさらに含む。ベースレイヤは、心房細動及び/又は統一性のある心房頻脈に対する高い感度を持って作動するように設計され、高次レイヤは、心房細動及び/又は統一性のある心房頻脈に対して高い感度と高い特異性とを持って作動するように設計される。
【選択図】図1
Description
本発明は、医療デバイスに関し、より詳細には、周期長の弁別シグネチャを使用して医療デバイスにおいて不整脈を検出することに関する。
正常洞調律(NSR)中に、心拍動は、右心房壁に位置する洞房(SA)結節によって生成される電気信号によって調節される。SA結節によって生成される各心房脱分極信号は、心房にわたって広がり、心房の脱分極及び収縮を引き起こし、房室(A−V)結節に到達する。A−V結節は、心室脱分極信号を、心室中隔のヒス束を通って、その後、右心室及び左心室の脚及びプルキンエ筋繊維に伝播させることによって反応する。
心房頻脈性不整脈は、統一性のない形態の心房細動、及び、心房粗動を含む統一性の程度が変動する心房頻脈を含む。心房細動(AF)は、心房内に複数の焦点性トリガーがあるため、又は、心房内の物質の変化が、心房の異なる領域にわたる伝導の不均一性をもたらすために起こる。異所性トリガーは、左心房又は右心房又は肺静脈内のどこででも発生する可能性がある。AV結節は、頻繁で且つ不規則な心房活性化を受けるが、AV結節が不応でないときに脱分極信号を伝導するだけであることになる。心室周期長は、不規則であり、AV結節の不応性の異なる状態に依存するであろう。
心房粗動(AFL)を含む統一性のある心房頻脈(OAT)中に、上室性調律は、心房内の物質変化によって生じる再入力可能な回路によって支配される。AV結節に対するOATの伝導の影響は、心室周期長の、規則的なパターンか、不規則的なパターンか、又は繰り返しパターンのいずれかをもたらす可能性がある。心室周期長の群拍動パターン(group beating pattern)は、近位及び遠位のAV結節内の異なるレベルのブロックによって観測される。1つの共通パターンは、近位AV結節における2:1ブロック及び遠位AV結節における4:3ウェンケバッハ型ブロックによって起こり、2つの短い周期と1つの長い周期とを含む心室周期長の繰り返しパターンをもたらす。心室周期長の変動を生じる他の正常心調律及び異常心調律は、洞頻脈、呼吸洞不整脈、一連の心房期外収縮(PAC)、及び一連の心室期外収縮(PVC)を含む。
昔は、心房不整脈は、これらの不整脈が比較的良性であるという認識によって殆どが不十分に処置されてきた。比較的重篤な心室不整脈及び発作の関連するリスク等の、持続性AT/AFの重篤な結果が理解されるようになるにつれて、昔よりも、心房不整脈を監視し処置することに対する関心が高まってきた。さらに、AF及びOATは、通常、AFとOATとの間の遷移と同時に存在するため、両方の形態のATを検出し監視することは、抗凝固治療の適切な用量を提供すること等の、患者ケアを管理するときに重要である。
臨床状況における、また、外来患者が装着する可搬型外部モニタとしての体外医療デバイス(EMD)、又は、患者の毎日の活動中の電気心臓機能に関連するデータを採取するための、外来患者に埋め込まれる埋め込み可能医療デバイス(IMD)を使用して、心臓の電気活動に関するデータを採取し解釈する種々の技法が開発されてきた。
心臓不整脈を弁別する方法は、心房EGM信号と心室EGM信号との両方を利用可能である、2腔埋め込み可能デバイスで使用するために開発された。心臓不整脈の弁別は、心房及び/又は心室の周期長、周期長パターン、並びにEGM形態に依存する可能性がある。このような方法は、心室不整脈を上室性不整脈から確実に弁別することが示された。
しかし、単腔埋め込み可能デバイス又は埋め込み可能監視デバイス若しくは外部監視デバイスでは、心房EGM信号は、心房不整脈を検出し弁別するときの使用に、常に利用可能であるわけではない。しかし、AF及びOATの検出及び弁別は、患者を適切に処置し、重篤で、生命にかかわるか、又は、消耗性の事象を防止するのに重要である。
本発明の課題は、心室周期長情報を使用して、高い感度を持って心房頻脈性不整脈不整脈を検出する医療デバイスを提供することである。
本発明は、心室周期長情報を使用して心房不整脈を検出するマルチレイヤ方法であって、心房頻脈性不整脈の開始及び終了を検出するベースレイヤアルゴリズムを実施することを含む。マルチレイヤ方法は、ベースレイヤ検出に応答して実行されて、ベースレイヤ検出を確認するか又は排除する1つ又は複数の高次レイヤアルゴリズムをさらに含む。ベースレイヤは、心房細動及び/又は統一性のある心房頻脈に対する高い感度を持って作動するように設計され、高次レイヤは、心房細動及び/又は統一性のある心房頻脈に対して高い感度と高い特異性とを持って作動するように設計される。
本発明が、添付図面に関連して考えられるときに、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるにつれて、本発明の態様及び特徴が、認識されるであろう。
本発明は、心室周期長の弁別クラスタシグネチャを使用してAFを検出し、AFとOATとを弁別する方法及び装置を提供する。AF及び統一性のあるAT並びにPAC中の心臓内の基礎になる伝導メカニズム、又は、心室周期長(VCL)の不規則性の他の原因は、VCLにおいて不規則性の異なるパターンを生成する。AFを検出し、AF及び、AFLを含むOATを弁別することは、基礎になる調律の伝導パターンに固有のVCLの種々のパターンの弁別に基づく。
本方法は、電気信号、圧力信号、酸素測定信号、又は、心室周期長を求めることを可能にする任意の他の生理的信号であることができる心室心臓信号を取得すること、及び、VCLの拍動ごとの差を測定することを含む。一実施形態では、表面ECG信号又は心臓内EGM信号であってよい、電気心臓信号を使用して、R−R間隔(RRI)が測定される。連続するRRI又はδRR間の差が、その後求められる。連続するRRI、δRRi、及びδRR(i−1)の対間の差を使用して、δRR(i−1)対δRRiの2次元ローレンツプロットが生成される。ローレンツプロットエリアは、座標系の原点を基準にして、或る範囲の大きさ及び位相によって定義することができるセグメントに分割される。定義されたセグメントは、OAT又はPACの発生に関連する特定のVCLパターンに相当する。VCL情報の取得中に、各セグメントが、いくつかのヒストグラムビンを含む2次元ヒストグラムによって、ローレンツプロットが数値的に表現される。ヒストグラムビンを使用して、設定された時間間隔中に求めた(δRRi,δRR(i−1))点が記憶される。
いくつかのクラスタシグネチャメトリックが、各セグメントで起こる点の数及び占有されたヒストグラムビンの数に基づいて計算される。不規則性メトリックもまた、測定されたRRIの時間スケーリングされたメジアン(median)を使用して計算される。クラスタシグネチャメトリック及び規則性メトリックは、AF及びOATを検出するための比較解析で使用される。一実施形態では、AFとOATは共に、(δRRi,δRR(i−1))点のローレンツプロットの2次元ヒストグラム表現を使用して、検出され弁別される。一実施形態では、(δRRi,δRR(i−1))点の2次元ヒストグラムだけを使用するAF検出のアルゴリズムが提供される。
さらに別の実施形態では、δRRi点を記憶する1次元ヒストグラムが使用され、検出アルゴリズムを実施するためのメモリ要件を低減する。ローレンツプロットの1次元表現から求めたクラスタシグネチャメトリックを利用する、AFのみの検出アルゴリズム又はAFとOATとの検出アルゴリズムが提供される。さらに別の実施形態では、連続するδRRi点の固定のセットが、AF及びOATを検出し、AFからOATを弁別する同じ原理に基づくロジックで使用される。
本発明の態様は、AF及び/又はOAT等の生理的事象を検出するマルチレイヤ方法であり、その方法は、AF及び/又はOAT検出の高い感度及び高い特異性を、計算量的に効率的な方法で達成するための、ベースレイヤアルゴリズム及び1つ又は複数の高次レイヤアルゴリズムを含む。ベースレイヤアルゴリズムは、AF及び/又はOATの開始及び終了を高い感度を持って検出するために、計算上の複雑さ、電池消耗、メモリ要件等の観点から要求の厳しくないメトリックに依存する。高次レイヤアルゴリズムは、ベースレイヤによって行われた検出を、高い感度と高い特異性を持って確認するか、又は、排除するための、計算上の複雑さ、電池消耗、メモリ要件において比較的要求の厳しいメトリックに依存する。高次レイヤアルゴリズムは、大きな計算パワーを必要とするが、ベースレイヤアルゴリズムによって行われた検出に基づいて好都合な時刻に実施されて、計算負荷を低減した状態で、信頼性の高いAF/OAT検出を達成する。一実施形態では、ベースレイヤアルゴリズム及び高次レイヤアルゴリズムは、AF及び/又はOATを検出するために、心室周期長の情報の評価に依存する。特に、高次レイヤアルゴリズムは、δRR点のローレンツプロットのヒストグラム表現から求めたクラスタシグネチャメトリックに依存してもよい。
本発明は、AFLを含む統一性のある頻脈性不整脈及びAFを検出する方法を提供し、その方法は、VCLを求めるために心室信号に依存し、心房信号源を必要としない。提示される方法は、埋め込み可能医療デバイス又は外部医療デバイス内のソフトウェア又はファームウェアのいずれかで具現化されてもよい。このようなデバイスは、心臓EGM監視能力及び関連するEGMセンス電極(心臓内電極か、心外膜電極か、又は皮下電極であってよい)を有する埋め込み可能監視デバイスを含む。本発明によって提供される方法は、たとえば、単腔ペーシングシステム若しくは両心室ペーシングシステム、又は、心室内でR波を検知し、心室に電気刺激治療を送出するICD等の、医療デバイス用の、治療送出のソフトウェア又はファームウェアに組み込まれることもできる。本発明によって提供される方法はまた、R波を検出するために患者の皮膚に結合したECG電極を有する外部モニタ、たとえば、ホルタモニタのファームウェア又はソフトウェアに、又は、予め記録されたECGデータ又はEGMデータを評価するコンピュータ化されたシステム内に組み込まれてもよい。本発明はまた、埋め込み可能デバイス又は装着可能デバイスによって送出されたデータを処理する集中コピュータシステム等の患者監視システムで実施されてもよい。
本発明は、VCL測定値を、そこから生成することができる心室活動の他のセンサを有する、内部又は外部監視システムで実施されてもよいことも認識される。本発明の実践方法は、VCLを測定するために、EGM信号又はECG信号を使用することに限定されない。圧力信号、血中酸素測定信号、流量信号、心室壁運動信号、容積関連インピーダンス変化、又は、心室周期に応答する他の生理的信号等の、他の信号が、VCLを測定するために使用することができる。一般に、VCL不規則性の規則的なパターン(OATの場合も同様)が、クラスタシグネチャメトリックに基づいて、VCL不規則性の不規則なパターン(AFの場合も同様)から弁別されることを可能にするために、VCL測定は、約1ミリ秒〜20ミリ秒程度の分解能を有するべきである。しかし、本発明の態様は、低い分解能のVCL測定を有するシステムで実施されてもよい。
図1は、本発明の実施形態による、或る時系列のRR間隔についての、連続するRR間隔点間の差のローレンツプロットの生成を示す略図である。ローレンツプロット14は、x軸18に沿ってδRRiを、y軸16に沿ってδRRi−1を定義したデカルト座標系である。したがって、ローレンツプロットの各プロット点は、δRRiに等しいx座標と、δRRi−1に等しいy座標によって定義される。δRRiは、i番目のRRIと、前のRRI、RRIi−1との差である。δRRi−1は、RRIi−1とRRIi−2との差である。したがって、ローレンツプロット14上にプロットされた各点は、3つの連続するVCL、RRIi、RRIi−1、及びRRIi−2に関連するVCLパターンを表す。先に述べたように、VCL情報は、R波の検出及びRRIを求めることに限定されない。VCL測定が、EGM信号又はECG信号からの一連のR波検出から導出されようが、任意の他の生理的信号からの他の心室周期事象検出から導出されようが、本明細書で使用されるRRI及びδRRiという用語は、一般に、それぞれ、VCLの測定値及び2つの連続するVCL測定値間の差を指す。例示のために、本明細書で述べる実施形態は、VCL測定を実施し、(δRRi,δRRi−1)点を求めるための、R波検出を指すことが多い。
図1では、一連のR波事象20が示される。ローレンツプロットエリア14上に点をプロットするために、(δRRi,δRRi−1)点が、R波事象20から求めた連続するRRIを測定することによって求められる。図示する例では、3つの連続するRRI(RRIi−2、RRIi−1及びRRIi)の第1のシリーズ22は、短−短−長のVCLパターンを提示し、最初の2つの短いRRIはほぼ等しい。したがって、RRIi−2とRRIi−1との差であるδRRi−1は、ほぼ0である。δRRi、すなわち短いRRIi−1と比較的長いRRIiとの差は、正の変化である。相応して、0に近いy座標と正のx座標とを有する(δRRi,δRRi−1)点23が、ローレンツプロット14にプロットされ、短−短−長(S−S−L)シーケンス22を表す。
3つのRRIの次のシリーズ24は、短−長−短シリーズを提示し、正のRRI変化(δRRi−1)とそれに続く、ほぼ同じ大きさの負のRRI変化(δRRi)をもたらす。大きさがほぼ同じ、負のx座標と正のy座標を有する(δRRi,δRRi−1)点25が、ローレンツプロット14上にプロットされ、S−L−Sシーケンス24を表す。(δRRi,δRRi−1)点をプロットするこのプロセスは、ひき続き行われ、3つの周期シリーズ26は、長−短−短パターンを提示し、負のδRRi−1とゼロにほぼ等しいδRRiとをもたらす。点27が、負のy座標とゼロに近いx座標に基づいてローレンツプロット上にプロットされ、L−S−Sシーケンス26を表す。
パターンが継続するにつれて、点29、31、及び33が、それぞれの、S−S−Lシリーズ28、S−L−Sシリーズ30、及びL−S−Sシリーズ32に応答してプロットされることになる。S−S−Lの繰り返しパターンは、3つのRRIシーケンスのS−S−L、S−L−S、及びL−S−Sの繰り返しに相当するプロット点のクラスタを生成することになる。2次元ローレンツプロットにプロットされた各点は、3周期パターン及び3周期パターン内の周期長の変化の極性をエンコードする。以下で述べるように、結果的に得られる点クラスタシグネチャは、AF及びOATを検出し弁別するのに使用されるであろう。
AFは、不規則で相関のないVCLをもたらし、また、参照によりその全体が本明細書に援用される、Ritscher他に対する2002年11月11日(No.P10307)に出願された「Algorithm for Detecting Arrhythmias from Discriminatory Signatures of Ventricular Cycle Lengths」という名称の米国特許出願第10/292,285号に以前に述べられたように、まばらに散在した(sparsely scattered)点のプロットを生成するであろう。AT中の、統一性(organization)の程度の変動が、点のクラスタをもたらすことになる。点クラスタシグネチャのメトリックを求めるために、ローレンツプロットエリアは、図1で0〜12と表示された、いくつかのセグメントに分割される。セグメントは、OATに相当する典型的な点クラスタシグネチャに基づいて定義される。
座標系の原点を含むセグメント0は、定義済みの正常洞調律(NRS)RRI差範囲(「NSRmask」と呼ぶ)より大きいRRIの変化が全くないことを特徴とする、3つのRRIのシリーズを表す任意の点を含むことになる。セグメント0は、原点からNSRmask40に等しい大きさまで広がり、1つの例示的な実施形態では、形が円である。しかし、原点から全ての方向において、NSRmask40にほぼ等しい境界を定義するほぼ四角形の形状又は他の幾何形状が許容可能であり、AFを検出し、AFをOATから弁別するアルゴリズムの性能を制限しないであろう。NSRmask40は、基準値(nominal value:公称値)、たとえば、75ミリ秒、又は、AV結節の正常自律神経変調(normal autonomic modulation)によってNSR中に起こることが予測されるVCL変化範囲を含むように求められた別の固定値を割り当てられる。NSRmask40は、NSR中のVCL変動性の履歴尺度(historical measure)に基づいて個々の患者について求められてもよい。
セグメント1〜12は、プロットエリア内で且つ互いを基準にして、OATの特徴的シグネチャを表す点クラスタの検出を可能にするように定義される。プロットエリア14の左上象限のセグメント1及び9は、短−長−短(S−L−S)のVCLパターンを表す点を含むことになる。セグメント1又は9内の点は、短いRRIiから減算された長いRRIi−1から得られる負のδRRi、及び、長いRRIi−1から減算された短いRRIi−2から得られる正のδRRi−1によって生成される。セグメント9は、図1のシリーズ24に示すように、短いVCLと長いVCLとの間の変化が規則的であることを指示する大きさに近いδRRi値とδRRi−1値とを有する点を含むことになる。L−S間隔間の負の変化及びS−L間隔間の正の変化はほぼ等しい。RRIの変化がほぼ等しいこのようなS−L−Sパターンは、A−V伝導比の変化が起こるOATの特徴を表す。セグメント9の幅は、AV結節の自律神経変調によるVCLの変動を反映するためにNSRmask40に等しい。
セグメント1は、短いVCLと長いVCLとの、変動する差を有する点を含むことになる。すなわち、S−L−Sパターンにおいて、L−S間隔間の負の変化とS−L間隔間の正の変化とが異なる。S−L−Sパターンにおける負の変化と正の変化とのこのような差は、PAC又はPVC等の代償性休止期(compensatory pause)を呈する調律の特徴を表す。
反対の、プロットエリア14の右下象限では、セグメント3及び11に含まれる点は、L−S−LのVCLパターンを表す。VCLの正の変化(長いRRIiから短いRRIi−1を減算した値は、正のδRRiをもたらす)は、VCLの負の変化(短いRRIi−1から長いRRIi−2を減算した値は、負のδRRi−1をもたらす)に続く。セグメント11では、L−S−Lパターンにおける負の変化と正の変化とは、同様であり、OAT中の変化する伝導比の特徴を表す。セグメント11の幅は、NSRmaskに等しい。セグメント3では、負の変化と正の変化とは、大きさが同様ではなく、代償性休止期を呈する調律の特徴を表す。
プロットエリア14の右上象限のセグメント4及び12は、短−中間(medium)−長(S−M−L)のパターンによって提示される2つの正のVCLの変化を表す点を含む。左下象限のセグメント2及び10は、L−M−Sのパターンによって提示される2つの負のVCLの変化を表す点を含む。対角セグメント10及び12に沿った点は、2つの負の変化又は2つの正の変化が、それぞれ、大きさが同様であり、NSRmaskの大きさ内にあるパターンを表すことになる。このようなパターンは、通常、VCLの大きな不規則性を表し、AF又は一連の期外収縮に関連する。
座標系の軸に沿って起こるセグメント、セグメント5、6、7、及び8は、全く変化がなく、また、正の変化か負の変化のいずれかがあるVCLパターンを表す点を含むことになる。これらのセグメントはそれぞれ、AV結節に及ぼす自律神経の影響を反映するためにNSRmaskに等しい幅も有する。セグメント5は、NSRmaskより大きくない変化とそれに続く負の変化を表す点、すなわち、L−L−Sのパターンを含むことになる。セグメント6は、負の変化とそれに続くNSRmaskより大きくない変化を表す点、すなわち、L−S−Sのパターンを含むことになる(シリーズ26及びシリーズ32と、それぞれの点27及び33とで表す)。セグメント7は、NSRmaskより大きくない変化とそれに続く正の変化を表す点、すなわち、S−S−Lのパターンを含むことになる(シリーズ22及びシリーズ28と、それぞれの点23及び29とで表す)。セグメント8は、正の変化とそれに続くNSRmaskより大きくない変化を表す点、すなわち、S−L−Lのパターンを含むことになる。
表Iは、VCLパターン、及び、図1に示すセグメント0〜12のそれぞれによって表される、δRRi及びδRRi−1の対応する相対差を要約する。
図3A〜図3Fは、本発明の一実施形態による、統一性の程度が変動する心房頻脈中に得られたローレンツプロットである。プロットは、統一性の程度が変動する間に、RRIの2分セグメントから生成される。図3Aは、一貫した1:1A−V結節伝導による規則的な心房活性化によって非常に規則的なVCLを有するOATを表す。VCLの唯一の変動は、A−V結節の自律神経変調の結果である。図3B〜図3Dは、個別の統一性の異なる程度を示し、点のクラスタが、セグメント6、7、9、及び11にある。これらの例は、個別に一貫性のないA−V結節伝導による恒常的に不規則な(regularly irregular)VCLを有する、OATの共通クラスタシグネチャを表す。各クラスタの密度又は散在性は、A−V結節の自律神経変調の程度の変動を示唆する。
図3E及び図3Fは、不規則な心房活性化及び一貫性のないAV結節伝導の結果としてのVCLの程度の高い不規則性を有するOATを表す。VCLの変動は、不規則な心房活性化によるA−V結節の不応性の変調、A−V結節の自律神経変調、及びA−V伝導比の変化に応じて、AT中に様々な程度で起こる。
図3Bは、最大の程度の統一性を表し、図3Fは、示す例について最小の統一性を表す。図3A〜図3Fは、全ての可能性のあるA−V伝導比の変化及び自律神経系によるA−V結節変調が可能である、統一性の連続体が存在することを示唆する。これらの例はそれぞれ、OAT中に、点が、セグメント6、7、9、及び11内に存在する高い確率が存在することも示す。各クラスタは、A−V伝導比の個別の変化を指示する。点クラスタの密度は、A−V結節の自律神経変調の程度の変動に伴って変動するであろう。AF及びOAT検出アルゴリズムは、いくつかのクラスタシグネチャメトリックを使用してクラスタシグネチャを定量化することによって、VCL変化のこれらの認識可能なパターンを利用することができる。
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態による、一連の心房期外収縮(PAC)中に得られるローレンツプロットである。図4Aでは、セグメント1及び3内とセグメント5及び6内との点クラスタは、一連のPAC中の2連脈(代償性休止期が続く2つの高速な拍動)の提示から得られる。図4Bでは、セグメント1及び3内とセグメント10内との点クラスタは、一連のPAC中の3連脈(代償性休止期が続く3つの高速な拍動)の提示から得られる。1及び3の非対角セグメント内の点クラスタは、一連のPAC中に共通である。
このような観測に基づいて、ローレンツプロット内で、点及び点クラスタのロケーション並びに点クラスタの相対的な散在性又は密度の比較解析を行うための、いくつかのクラスタメトリックを定義することができる。これらのクラスタメトリックは、その後、AFをOATから弁別するために評価されることができる。
図5は、本発明の一実施形態によるローレンツプロットエリアの2次元ヒストグラムである。ローレンツプロットエリアは、それぞれ、δRRi座標及びδRRi−1座標について、正と負の両方の方向に定義済の範囲166及び164を有する2次元ヒストグラム160によって数値的に表現される。2次元ヒストグラムは、それぞれが、δRRi値及びδRRi−1値の定義済の範囲を有するビン168に分割される。一例では、ヒストグラム範囲は、δRRi値とδRRi−1値との両方について、−1200ミリ秒〜+1200ミリ秒に及んでもよく、2次元ヒストグラムのそれぞれにおいて7.5ミリ秒に及ぶビンに分割され、160×160ヒストグラムをもたらす。
外れ値(outlier)境界170が定義される。外れ値境界170の外側の任意の(δRRi,δRRi−1)値は、クラスタシグネチャメトリックを求めるために無視される。一実施形態では、外れ値は、−1500ミリ秒より小さい、又は、+1500ミリ秒より大きい座標値を有する任意の点である。外れ値点は、2次元ヒストグラムビン内でカウントされない。
許容範囲外の(out-of-range)点は、ヒストグラム範囲162の外であるが、外れ値境界170内に入る(δRRi,δRRi−1)座標を有する点として定義されてもよい。たとえば、2次元ヒストグラム160が、各δRRi方向及びδRRi−1方向に±600ミリ秒の範囲162を有し、且つ、外れ値境界170が±1500ミリ秒として定義される場合、(δRRi,δRRi−1)によって定義される点は、δRRi又はδRRi−1が、ヒストグラム範囲162(±1200ミリ秒)の外側にあるが、外れ値境界170(±1500ミリ秒)内にある場合外れ値である。許容範囲外のゾーン176内に入る点は、2次元ヒストグラム162の外側範囲172に沿って選択される適切な「縁」ビン内でカウントされることができる。他の実施形態では、許容範囲外の点は、無視され、ヒストグラムビン内でカウントされない。
原点ビン174は、ローレンツプロットエリアの原点を含むビンとして定義される。統一性の高いAT又はAFL中では、図3Aに示すように、原点ビン174は、(δRRi,δRRi−1)点の大きなパーセンテージを含むことになる。
図5に示す2次元ヒストグラムを使用して、AFとOATとの弁別時に使用するための、いくつかのクラスタシグネチャメトリックを導出することができるように、測定されたVCLから求めた(δRRi,δRRi−1)点の数及び相対ロケーションが定量化される。一部の実施形態では、(δRRi,δRRi−1)座標の一方又は両方は、2次元ヒストグラム内に点を格納する前に、それぞれ、係数ki又はki−1を乗算される。一例では、δRRを計算するのに使用されるVCLの1つが、500ミリ秒より小さい場合、δRR値は、k=2の値を乗算される。δRRを計算するのに使用されるVCLの1つが、1000ミリ秒より大きい場合、δRR値は、k=0.5の値を乗算される。以下に続く説明では、(δRRi,δRRi−1)点に対する言及は、点座標値が、係数ki又はki−1で調整された、(ki *δRRi,ki−1 *δRRi−1)点のことを指すことができる。
定数によるδRR値の乗算は、固定のヒストグラム範囲及びビンサイズの効率的な使用を可能にする。R−R間隔の変動性は、一般に、非常に速いレートでは小さく、狭い範囲のヒストグラムビンにわたって比較的密な点集団を生成する。低い頻脈性不整脈レートでは、δRR値は、比較的大きく、大きな範囲のプロットエリアにわたってより散在したローレンツプロット点を生成する。定数による小さなδRR値の乗算及び定数による大きなδRR値の除算は、固定のヒストグラム範囲及びビンサイズが、クラスタシグネチャメトリックを測定するために効率的に使用されることを可能にする。
一部の実施形態では、2次元ヒストグラムは、固定パラメータで定義される。他の実施形態では、ヒストグラムパラメータ(ヒストグラム範囲及びビンサイズ等)は、VCLデータストリームの何らかの特徴に基づいて動的であることができる。たとえば、ヒストグラム範囲及びビンサイズは、データ取得時間間隔中のVCLメジアンの関数として定義されてもよい。メジアンVCLが変化するにつれて、新しいヒストグラム範囲及びビンサイズを求めることができる。VCLの範囲、平均、又は標準偏差等のVCLデータストリームの他の局面は、可変ヒストグラムパラメータを定義するために使用することができる。
図6は、本発明の一実施形態による、心室周期長のローレンツプロットの数値的2次元ヒストグラム表現を使用して、心房細動と統一性のある心房頻脈とを検出し弁別するために使用される装置の機能ブロック図である。図6に要約される機能は、ペースメーカ及び埋め込み可能カーディオバータ・ディフィブリレータを含む心臓刺激デバイス又は心臓監視デバイス等の埋め込み可能医療デバイスに埋め込むことができる。本発明を組み込むことができる埋め込み可能監視デバイスの例は、参照によりその全体が本明細書に援用される、Klein他に発行された米国特許第5,987,352号に開示される。或いは、図6に要約される機能は、心臓調律を監視するのに使用される外部デバイスで実施されてもよい。他の実施形態では、図6に要約される機能は、2つ以上のデバイスにわたって実施されてもよい。たとえば、埋め込み可能医療デバイスを使用して、解析及び評価のために体外デバイスにアップリンクされるRRIデータを採取し記憶するためのEGM信号が得られてもよい。図6によって要約される機能に従ってAF及びOATの検出及び弁別を達成するための、種々のデバイスの実施態様が実現されてもよい。
VCL信号源101は、RRI検出器103に対する入力として設けられる。VCL信号源101は、VCLが生理的信号から導出されるように、心室周期情報を含む任意の生理的信号として提供される。VCL信号源101は、R波信号を含む、心臓の電気信号を検知する心臓電極又は表面電極として具現化されてもよい。RRI検出器103は、VCL信号源101から受信した信号から、R波又は心室周期の開示時刻を指示する別の事象を検出し、出力としてRRI信号を提供する。一実施形態では、RRI検出器103は、R波検出しきい値を自動的に調整することに基づいてR波を検出するセンス増幅器を含む。R波が検出されるたびに、R波検出信号が生成され、R波検出信号間で起こる時間間隔が、RRI検出器103からの出力として提供される。
本発明は、RRIを検出するためにECG/EGM信号を使用することに限定されない。RRIの概念は、任意のVCLに対して一般化されることができる。対象となるのは、心室の活性化であるが、電気的活性化の詳細ではない。心室周期の開始についての近似を行うことができる他の生理的信号が、VCL信号源101と置換えられることができる。1つの代替の実施形態では、圧力信号を使用して、心周期の開始を検出してもよい。たとえば、圧力振幅及び/又はdP/dt振幅の所定のしきい値交差が、心室活性化関連事象として検出され、RRI検出器103によるVCLの測定のために、心室周期の開示時点として使用されてもよい。VCLの測定時に使用するための代替の心臓信号源は、心室圧信号、壁運動信号、血中酸素測定信号、又は心室周期長に相当する周期的変動を特徴とする他の信号を含む。心室周期の開始に相当するVCL信号源101の特徴部は、心室周期長を測定するRRI検出器103によって検出される。心室周期長を測定する、既知の任意の方法が、RRI検出器103によって使用されてもよい。
RRI検出器103の出力は、RRIスケールメジアンモジュール110に提供される。RRIスケールメジアンモジュール110は、いくつかの異なる時間スケールについてメジアンRRIを計算する。いずれかの統一性の程度を有するAT中に、AV結節伝導比の変化によって、恒常的に不規則になる、基礎になるベースVCLが存在することになる。変動する時間間隔から求めたメジアンRRIは、ベースVCLがOAT中に存在するときに一貫性があることになる。異なる時間スケールにわたってRRIメジアンを求め、これらの「スケールメジアン」を比較することによって、VCLの規則性についての判定を行うことができる。したがって、VCL規則性のメトリック、すなわち、RegularityEvidence(規則性証拠)が、RRIスケールメジアンモジュール110からの入力として受信されたスケールメジアンを使用して、ブロック118にて計算されることができる。
図7は、本発明の一実施形態による、RR間隔(RRI)スケールメジアンを求めるための時間ラインである。一般に、いくつかの異なるサイズのサンプル窓202、204、206、208、210、及び212は、スケールメジアンを計算するために、所定の時間間隔200の間に取得される。サンプル窓は、サンプルサイズに従って、又は、時間間隔に従って定義されてもよい。RRIメジアンは、各時間スケール又はサンプル数スケール窓について求められる。一実施形態では、2n+1のサンプル数スケール窓が、T分時間間隔にわたって取得される。図7に示す例では、5、9、17、33、65、及び129のサンプル数窓サイズが、2分時間間隔にわたって適用される。全ての時間又はサンプル数スケールについてのメジアンが使用されてもよく、又は、選択されたスケールのセットについてメジアンが使用されてもよい。2分間隔の間に起こるRRIの数は、得ることができる、5サンプル窓、9サンプル窓、17サンプル窓等の数を決めることになる。各サンプル窓は、T分間隔200が終了するまで繰り返される。各サンプル窓の間に、2n+1のサンプルからRRIメジアンが求められる。T分間隔についてのメジアンRRIもまた求められる。
RRIスケールメジアンモジュール110によって提供されるスケールメジアンを使用してモジュール118によって計算されたRegularityEvidenceメトリックは、基線RRIメジアンの所定の範囲内にあるスケールメジアンのパーセンテージとして計算されることができる。基線RRIメジアンは、以前の時間窓から求めたRRIメジアンである。1つの例示的な実施形態では、基線RRIメジアンは、以前の時間間隔Tのメジアンとして求められる。代替の実施形態では、基線RRIメジアンは、任意の選択される先行する時間間隔から求められてもよく、又は、拍動ごとに若しくは他の周期的方式で更新される現在のメジアンRRIであってもよい。
図8は、本発明の一実施形態による、RR間隔(RRI)スケールメジアンを使用してメトリックを計算する方法のフローチャートである。方法220は、時間間隔Tの間に計算されるRRIメジアンの数及び基線RRIメジアンの規則性範囲内にあるRRIメジアンの数をカウントするときに使用されることになるカウンタをゼロに初期化することによって、ステップ222にて始まる。
ステップ224にて、タイマが、所定の時間間隔Tに設定され、その時間間隔Tにわたって、いくつかのスケールメジアンRRIが求められることになる。ステップ226にて、RRIは、入力として提供される。RRI検出器103(図6)によって測定されるRRIは、スケールメジアンRRIを求めるために、一時メモリバッファに記憶される。先に示した例示的な実施形態では、2n+1(n=2、3、4、5、6、及び7)のRRIは、5、9、17、33、65、及び129個のRRIのサンプル数窓を満たすために記憶される。代替の一実施形態では、ステップ226にて入力として提供されるRRIは、いくつかの時間スケール窓にわたって記憶されてもよい。たとえば、RRIは、5、10、20、40、60、及び120秒の間隔にわたって記憶されてもよい。各サンプル数又は時間スケール窓は、Tが終了するまで間隔Tにわたって繰り返される。
したがって、サンプル数窓が、所望の数のサンプルで満たされるたびに、又は、Tが終了する前に、時間スケール窓が終了したと、決定ステップ228にて判定されると、ステップ230にて、RRIスケールメジアンが求められる。時間間隔Tの間に計算されるスケールメジアンの数をカウントするのに使用されるカウンタは、ステップ230にてスケールメジアンが求められるたびに、ステップ232にて、1だけ増加する。
ステップ234にて、RRIスケールメジアンと基線メジアンとの差が計算される。1つの例示的な実施形態では、基線メジアンは、以前の時間間隔Tについて求めたRRIメジアンである。RRIスケールメジアンと基線メジアンとの差は、決定ステップ236にて、規則性範囲と比較される。規則性範囲は、A−V伝導比が変動する間の、AFL等の統一性の高いAT、又は、個別のOAT中のVCL変動性を包含すると予想される時間間隔に設定される。図3Aの例を見てわかるように、AV伝導比が一定である間、VCLの変動性が小さいため、統一性の高いAT又はAFL中に、密な点クラスタが、セグメント0に提示される。図3Bの例では、AV伝導比が変化する間、VCLの小さな変動性が起こるため、密な点クラスタは、異なるセグメントに提示される。一実施形態では、規則性範囲は、±12ミリ秒に設定される。規則性範囲は、図2Aに見られるように、NSR中に予想されるVCLの変動性を包含しない。
ステップ230にて求めたスケールメジアンと基線メジアンとの差が、12ミリ秒又は選択された別の規則性範囲より小さい場合、スケールメジアンは、統一性の高いAT中に起こる規則的なVCLを表すと考えられる。規則性カウンタは、ステップ238にて、1だけ増加する。スケールメジアンと基線メジアンとの差が、選択された規則性範囲より大きい場合、スケールメジアンは、NSR中に起こるVCL変動性又はAF中に起こるVCL不規則性を表すと考えられる。差が規則性範囲内にない場合、規則性カウンタは、ステップ238にて増加しない。
ステップ240にて、方法220は、時間間隔Tが終了したか否かを判定する。終了していない場合、方法220は、スケールメジアン窓が満たされるか、又は、終了するときにスケールメジアンを計算するために、入力ステップ226にて、RRIを記憶し続ける。決定ステップ240にて、時間間隔Tが終了した場合、ステップ242にて、基線メジアンを更新することができる。基線メジアンが、以前の時間間隔Tのメジアンとして定義されるとき、新しい基線メジアンが、各時間間隔Tの終了時に求められて、次の時間間隔Tの間に求められるスケールメジアンとの比較時に使用される。
ステップ244にて、RegularityEvidenceが、求めたスケールメジアンの総数又はスケールメジアンカウントに対する規則性カウントのパーセンテージ又は比として計算される。統一性の高いAT中に(図3Aに示すように)、RegularityEvidenceは、1に等しいか又は1に近い値を有することになり、全てのスケールメジアンは、基線メジアンの規則性範囲内にある。AF中、RegularityEvidenceは、0に等しいか又は0に近い値を有することになる。RegularityEvidenceは、NSR中、0と1との中間値及びOATの程度の変動を有することになる。
再び、図6の機能ブロック図を参照すると、ブロック118にて計算されたRegularityEvidenceメトリックは、規則性比較器130への入力として提供される。RegularityEvidenceは、RegularityEvidenceを、規則性比較器130への入力として同様に提供される規則性しきい値128と比較することによってOATの検出で使用することができる。RegularityEvidenceが規則性しきい値128を超える場合、OATが検出され、OAT検出信号132が、比較器130によって生成される。規則性しきい値128は、規則性比較器130によって行われる比較が、統一性の高いATを表すセグメント0内の密な点クラスタの検出に感度があり(図3Aに示すように)、NSRを表すセグメント0内の散在的なクラスタシグネチャを検出しないように選択される(図2Aに示すように)。
RRI検出器103の出力は、減算ブロック105及び1つの心室周期についてRRIを記憶する一時的バッファ104への入力としても提供される。バッファ104によって記憶される以前のRRI(RRi−1)及び新しいRRIは、減算ブロック105への入力として提供され、それにより、2つの連続するRRIの差、即ち又はδRRiが、計算され、Histogram(ヒストグラム)カウンタ109への入力として提供されることができる。減算ブロック105からの出力δRRiは、1つの心室周期についてδRRiを記憶する一時的バッファ107への入力としても提供され、それにより、Histogramカウンタ109への入力として、以前のδRRi又はδRRi−1が、新しいδRRiと共に提供される。(δRRi,δRRi−1)値を受信することによって、Histogramカウンタ109は、(δRRi,δRRi−1)値に相当するヒストグラムビンカウントを更新する。そのため、Histogramカウンタ109は、図5に示す2次元ヒストグラム162に含まれる各ヒストグラムビンに対応するいくつかのカウンタを含む。全てのヒストグラムビンを完璧にカウントすることなくいくつかのクラスタシグネチャメトリックを求めるためには、各セグメント内の点の数及び占有されたビンの数だけをカウントすることで十分であるため、Histogramカウンタ109は、本発明の全ての実施態様について必要とされるわけではない。
適切なヒストグラムビンカウンタを更新することによって、他のカウントの数が、新しい(δRRi,δRRi−1)点を含んだヒストグラムビンに従って更新される。PointCountnカウンタ112を使用して、ローレンツプロットエリアのn個のセグメント、たとえば、図1に示すセグメント0〜12のそれぞれの中のビン内でカウントされる点の数がカウントされ、各セグメント内の点の総数が生成される。したがって、PointCountnカウンタ112は、n個の定義済みセグメントのそれぞれについてセグメント点カウンタを含み、新しい(δRRi,δRRi−1)点によって、ヒストグラムビンが増加されるたびに、セグメント点カウンタのうちの1つが適切に増加する。
NonZeroBinCount(非ゼロビンカウント)nカウンタ114を使用して、ローレンツプロットエリアの各セグメント内の占有されたビンの数がカウントされ、点がその中にあるセグメントの総数が生成される。したがって、NonZeroBinCountnカウンタ114はn個のカウンタを含み、カウンタはそれぞれ、ローレンツプロットエリア内で定義されるN個のセグメントのうちの1つに対応する。新しい(δRRi,δRRi−1)点が、Histogramカウンタ109により、以前に占有されていないビンによってカウントされる場合、以前に占有されていないビンを含むセグメントに対応するNonZeroBinCountnカウンタ114内のカウンタが、1だけ増加する。
OriginCount(原点カウント)カウンタ116を使用して、原点ビン174(図5に示す)内に入る点の数がカウントされる。新しい(δRRi,δRRi−1)点が、Histogramカウンタ108による原点ビンの増分をもたらす場合、OriginCountカウンタ116は、1だけ増加する。そのため、新しい(δRRi,δRRi−1)点が、Histogramカウンタ109によってカウントされるたびに、3つの付加的なカウンタ、PointCount(点カウント)nカウンタ112、NonZeroBinCountnカウンタ114、及びOriginCountカウンタ116が、適切に更新される。
所定のデータ取得時間間隔の終了時に、カウンタ値を使用して、いくつかのクラスタシグネチャメトリックが求められる。データ取得時間間隔は、何秒かに又は何分かにに設定されてもよい。1つの例示的な実施形態では、データ取得時間間隔は、2分に設定され、それにより、カウンタ112、114、及び116は、2分間隔の間、全ての心周期に関して更新され、2分間隔の終了時に、上述したRegularityEvidenceメトリックを含むクラスタシグネチャメトリックが求められる。データ取得間隔の終了時におけるクラスタシグネチャメトリックの計算後に、カウンタは全てゼロにリセットされる。
ブロック120にて、AnisotropyEvidence(異方性証拠)メトリックが計算される。AnisotropyEvidenceメトリックを使用して、図3B〜図3Fに示す例示的なローレンツプロットにおいて観測される、伝導比が変動する間のATの個別の統一性の特徴を表すクラスタパターンの指向性が認識される。セグメント5、6、7、8、9、10、及び11に対応するPointCount値は、PointCountnカウンタ112から得られる。対角セグメント10及び12並びに軸セグメント5及び8(図1に示される)内の点の数に対する、対角セグメント9及び11並びに軸セグメント6及び7内の点の大きな数は、たとえば図3B〜図3Fに示すように、OATクラスタシグネチャを指示するであろう。
図9は、本発明の一実施形態による異方性メトリックの計算の機能ブロック図である。セグメント5及び8(PointCount5及びPointCount8)内にあるビン内でカウントされる点の数は、加算ブロック204への入力として提供される。結果的に得られる和は、減算ブロック210に提供される。PointCount6及びPointCount7の値は、加算ブロック204への入力として提供され、結果的に得られる和は、減算ブロック210に提供され、それにより、セグメント6及び7内の点の数と、セグメント5及び8内の点の数との差が求められて、異方性シグネチャを同定することができる。
同様に、PointCount9及びPointCount11の値は、加算ブロック206への入力として提供され、結果的に得られる和は、減算ブロック220に提供される。PointCount10及びPointCount12の値は、加算ブロック208への入力として提供され、結果的に得られる和は、減算ブロック220に提供され、それにより、セグメント9及び11内の点の数と、セグメント10及び12内の点の数との差が求められて、異方性シグネチャを同定することができる。
減算ブロック210及び減算ブロック220の出力の絶対値は、加算ブロック222にて加算されて、異方性のメトリックとしてAnisotropyEvidence出力224が提供される。
モジュール120によるAnisotropyEvidenceの計算は、以下の式によって数学的に提示される。
図6の機能ブロック図を再び参照すると、ブロック122にて、DensityEvidence(密度証拠)が、各セグメント内でプロットされた点の密度のメトリックとして計算される。DensityEvidenceは、OAT中の異なるA−V伝導比に関連する群拍動現象(group beating phenomenon)の目安である。所与のセグメント内の点の密度Densitynは、セグメント内の点の数と、セグメント内の占有されたビンの数との差を次式で計算することによって測定することができる。
DensityEvidenceは、次式によって、OATに関連する点クラスタを通常含む、セグメント5〜12についてのDensity値の和として、ブロック122にて計算される。
ブロック124にて、PACの証拠を求めるためのメトリックPACEvidence(PAC証拠)が計算される。図4A及び図4Bに示す例に見られるように、一連のPACに関連するクラスタシグネチャは、通常、セグメント1、2、3、又は4内に点のクラスタを提示し、その時、セグメント10内に点のクラスタがあり、対向するセグメント12内には点が全く無いか若しくは少数の点があり(図4B)、又は、セグメント5及び6内に点のクラスタを提示し、その時、対向するセグメント7及び8にはほとんど点がない。したがって、PACEvidenceは、セグメント1〜4についてのDensityn値の加算結果が、セグメント5及び6についてのDensityn値の和とセグメント7及び8についてのDensityn値の和との差に加算され、セグメント10のDensityn値とセグメント12についてのDensityn値との差に加算された値として、次式で計算される。
異方性、密度、PAC、規則性、及び不規則性についてのクラスタシグネチャメトリックは、ブロック134にて、OATを検出するためのメトリックを計算する入力として提供される。PAC及び不規則性についてのクラスタシグネチャメトリック並びにOriginCountは、ブロック142にて、AFを検出するときに使用するためのメトリックへの入力として提供される。規則的なVCL不規則性、(δRRi,δRRi−1)点の異方性パターン、及び一連のPACに関連しない(δRRi,δRRi−1)点の密度又は集合の程度(clustering)は、OATの証拠である。一実施形態では、ATEvidence(AT証拠)メトリックが、以下の式に従って、クラスタシグネチャメトリックから計算される。
不規則なVCL不規則性は、AFの証拠である。高いOriginCountは、AFに対する証拠であることになる。したがって、AFEvidence(AF証拠)は、以下の式に従ってクラスタシグネチャメトリックから計算される。
ATEvidenceメトリック及びAFEvidenceメトリックは、それぞれ、比較器138及び146への入力として提供される。比較器138は、ATEvidenceの値を、以前に定義したOATしきい値136と比較する。ATEvidenceがOATしきい値136より大きい場合、OAT検出信号140が生成される。
比較器146は、AFEvidenceの値を、以前に定義したAFしきい値144と比較する。AFEvidenceがAFしきい値144より大きい場合、AF検出信号148が生成される。OATしきい値136及びAFしきい値144は、比較器138及び146によって行われるそれぞれの比較が、それぞれ、OAT及びAFの検出に対して感度があり且つ特異的であるように選択される。
OAT及びAFの検出に使用される、2次元ヒストグラム寸法及びクラスタシグネチャメトリックについてのパラメータセットを最適化するために実施される調査において、AFの検出についての最大の感度と特異性が、2分の時間間隔Tを使用して見出された。その時間間隔の間に、(δRRi,δRRi−1)点が取得され、ヒストグラムに記憶され、また、その時間間隔の間に、スケールメジアンが求められる。AF検出用の最大の感度と特異性とについての最適ヒストグラム寸法は、各方向で25ミリ秒のビンに分割され、75ミリ秒のNSRmaskを持つ、全ての軸方向で500ミリ秒のヒストグラム範囲であった。これらの設定を使用して、OAT及びAFの検出の感度及び特異性が、或る範囲の規則性しきい値及び或る範囲のOATしきい値について試験された。最適化されたしきい値は、AT/AF負荷測定について、90%以上の特異性と感度とをもたらした。規則性しきい値、OATしきい値、及びAFしきい値の設定は、選択された患者集団の臨床履歴データ又は個々の患者の履歴データに基づいて選択され、最適化されてもよい。最適設定は、患者ごとに変わってもよい。
図10は、本発明の一実施形態による、心臓事象を検出し弁別するためにクラスタシグネチャメトリックを使用する方法のフローチャートである。方法250は、RRIをカウントするために使用されるであろうカウンタ、ヒストグラムビンカウンタ、PointCountカウンタ、NonZeroBinCountカウンタ、OriginCountカウンタ、及び、図6に関連して述べられる機能を実施するときに使用される任意の他のカウンタを全てゼロに初期化することによって、ステップ252にて始まる。
ステップ254にて、タイマが、所望の時間間隔Tに設定される。タイマは、1つの例示的な実施形態では、2分に設定されるが、OAT及びAFを検出し弁別するために実施されるクラスタシグネチャメトリック及び比較解析は、任意の所望の時間間隔にわたって実施することができる。或いは、所望の数の(δRRi,δRRi−1)点が、AF及びOATの検出及び弁別に使用されることが可能になるように、固定数又は可変数のVCLが採取される。得られるVCLの数は、VCLデータストリームの特徴に基づいてもよい。
ステップ256にて、RRI測定値が、ステップ258にてRRIスケールメジアンを求めるための入力として提供される。ステップ257にて、上述したローレンツプロットエリアを表す2次元ヒストグラム内の(δRRi,δRRi−1)座標ロケーションに基づいて、ステップ260にてPointCountnカウンタを、ステップ262にてNonZeroBinCountnカウンタを、ステップ264にてOriginCountカウンタを更新するときに使用するための入力として、δRRi測定値が提供される。
実際には、図6に示す2次元ヒストグラムの計算は、全ての実施態様において完全な形では必要とされない。一実施態様では、ビット算術演算を使用して、各ビンの2値状態が指示される。おそらく、ビン状態(占有されているか、又は、占有されていないか)を指示するのに、単一ビットだけが必要とされる。ビット算術演算を使用して、クラスタシグネチャメトリックを求めるためのメモリ要件が低減される。ローレンツプロット原点を含むビン内の点を除いて、セグメント0内の点はカウントされる必要はない。NonZeroBinCountnは、(単一ビットだけを必要とする)2値状態に基づいて各セグメント内の占有されたビンの数を求めるであろう。PointCountは、各セグメント1〜12内の点をカウントするための12個のカウンタとして設けられるであろう。
ローレンツプロットセグメントの階層的実施態様は、患者履歴に基づいてもよい。患者の調律履歴を使用して、どのセグメントが、(δRRi,δRRi−1)点を含む確率が最も高いかを選択してもよい。たとえば、図1に示すセグメント9〜12は、OATを頻繁に経験する患者における点をカウントするために選択されてもよく、その時、他のセグメント内に入る点は、無視されるか、又は、それらのセグメント内のヒストグラムビンの2値状態(占有されているか、又は、占有されていないか)としてだけカウントされる。セグメント5〜8は、次に考えられてもよく、セグメント1〜4は、点を含む可能性が最も低い。一部の実施形態では、階層の低いセグメント内のビンの数は、階層の高いセグメント内のビンの数に比べて小さい場合がある。たとえば、セグメント1〜4は、それぞれ、単一ビンが割り当てられてもよい。
RRIスケールメジアン、PointCountnカウンタ、NonZeroBinCountnカウンタ、及びOriginCountカウンタは、時間間隔T中の各RRI測定後に更新される。時間間隔Tが終了したと、決定ステップ266にて判定されることによって、ステップ268にて、いくつかのクラスタシグネチャメトリックが計算される。クラスタシグネチャメトリックは、RegularityEvidence、AnisotropyEvidence、DensityEvidence、PACEvidence、及びIrregularityEvidenceを含むことができる。
ステップ270にて、ATEvidence及びAFEvidenceのメトリックが、ステップ268にて計算したクラスタシグネチャメトリックから計算される。統一性指標は、任意選択で、ステップ271にて計算される。統一性指数は、1からAFEvidenceとATEvidenceとの比を引いた値として計算されてもよい。AFLと同様に、ATが、統一性が高い場合、統一性指数は1に近い。AFと同様に、ATが、統一性が非常に低い(highly disorganized)場合、統一性指数は0に近い。統一性指数は、治療を選択するとき、又は、疾病状態を監視するときに有用である場合がある。
別の実施形態では、統一性指数は、OriginCount、RegularityEvidence、AnisotropyEvidence、DensityEvidence、及びIrregularityEvidenceの重み付き和として計算される。1つの例示的な実施形態は、先に指定したメトリックについて、それぞれ、{1、1、1、1、−2}の重み係数を採用するであろう。さらに別の実施形態では、Histogramカウンタを使用して、各セグメント内の任意のビン内の最大カウントが計算される。統一性指数は、その後、各セグメントについての最大カウントの和として計算される。
ATEvidence、AFEvidence、及びRegularityEvidenceのしきい値比較は、AF又はOATを検出するためにステップ272にて使用される。AF及びOATの検出のためのクラスタシグネチャメトリックとの比較に使用される種々のしきい値は、一定値に限定されない。一実施形態では、OAT又はAFの開始を検出するためのしきい値、OATからAFへの遷移を検出するためのしきい値、並びにOAT及びAFの終了を検出するためのしきい値は、異なるように定義されてもよい。別の実施形態では、しきい値は、VCL若しくはVCLの変化、及び/又は、1つ若しくは複数のクラスタシグネチャメトリックの関数として定義されることもできる。たとえば、しきい値は、1つ又は複数のクラスタシグネチャメトリックの値に基づいて、又は、その時の時間間隔について測定されたメジアンVCLに基づいて自動調整されることができる。
しきい値比較に基づいて、AFもOATも検出されない場合、方法250は、ステップ252に戻って、全てのカウンタをゼロにリセットし、新しい時間間隔Tを開始する。AFEvidenceとATEvidenceが共に、関連する検出しきい値を超える場合、統一性指数を使用して、決定ステップ272にて、AFとOATとを弁別してもよい。統一性指数は、しきい値と比較されて、検出された不整脈が、(AFLに似た)統一性のあるATであるか、又はAFであるかが判定される。
こうして、クラスタシグネチャメトリックが、AF又はOATの検出についてしきい値比較基準を満たす場合、各時間間隔T後に、AF又はOATの検出を行うことができる。或いは、AF又はOATの検出は、任意の選択された数の時間間隔後に行うことができる。たとえば、クラスタシグネチャメトリックは、各時間間隔T後に計算することができる。所望の数の時間間隔が過ぎた後、Y個のブロックからX個のブロック(X out of Y)について計算されたクラスタシグネチャメトリックが、OAT又はAF検出についてのしきい値基準を満たすために必要とされるというロジックに基づいて、OAT/AF決定が行われる。同様なロジックは、OATからAFへの遷移及びOAT又はAFの終了を検出するために適用されることができる。
AF又はOATが、決定ステップ272にて検出される場合、ステップ274にて、応答が提供される。適切な応答は、検出結果を記憶すること、AT/AF負荷を計算すること、OAT/AF検出及びAT/AF負荷及び他の関連するデータの報告を生成すること、警告信号を生成すること、又は、治療を送出すること、一時中止する(withhold)こと、若しくは調整することを含んでもよい。送出されるか、又は、調整される治療は、薬剤治療、心臓刺激治療、又は神経刺激治療を含んでもよい。たとえば、OAT又はAFに応答して、適切な抗頻脈性不整脈治療が送出されてもよい。期外収縮刺激等の、1つのタイプの心臓刺激は、OAT又はAFの検出によって一時中止されてもよい。調整されることができる薬剤治療は、抗不整脈薬及び抗凝固剤を含む。
一般に、N次元ヒストグラムを使用して、N時系列のδRR点のローレンツプロットを数値的に表すことができる。2次元ヒストグラムは、2つの時系列のδRR点、δRRiと、1だけ遅延したδRRi又はδRRi−1とを表す。N次元評価において、時系列は、δRRi、δRRi−1、δRRi−2、δRRi−3、…、δRRi−N−1を含むことができる。N時系列のδRR値を表すN次元ヒストグラムから計算されるクラスタシグネチャメトリックを使用して、N時系列間の相関が評価される。以前のδRR点に基づいて次のδRR点を予測することができることは、OATの証拠を提供する、或る程度の相関が存在することを指示する。AF中に、δRR点の相関は存在せず、したがって、予測可能性は存在しない。より一般的に、本明細書で述べる方法を使用して、計算能力及び電池パワーが制限されたデバイスについて理想的に適する、索引付け、カウンティング、加算、減算、及びビットシフト演算だけを使用して、任意の数の時系列間の相関又はコヒーレンスを計算することができる。別の2つの時系列の例は、1つの時系列としての心拍数及び第2の時系列としての血圧である。
図11は、本発明の一実施形態による、心臓事象を検出するためにクラスタシグネチャメトリックを使用する方法のフローチャートである。AF検出だけのためにクラスタシグネチャメトリックを使用する1つの単純化した実施形態では、セグメント1〜12は、単一セグメントとして合成されてもよい。NonZeroBinCountカウンタは、セグメント0の外側に入る占有されたビンの数をカウントすることになる。セグメント0内の原点を含むビン内に入る点だけが、OriginCountカウンタによってカウントされることになる。セグメント0内の他の点は、カウントされる必要はない。
したがって、ステップ302にて、全てのカウンタが、0に初期化され、ステップ304にて、タイマは、2分等の選択された時間間隔Tに設定される。ステップ306にて、δRRiデータが、ステップ308にてNonZeroBinCountカウンタを、ステップ310にてOriginCountカウンタを更新するための入力として提供される。2次元ヒストグラムにおいて、ヒストグラムビンカウントは、その時の心室周期についての(δRRi,δRRi−1)点に基づいて更新される。(δRRi,δRRi−1)点が、以前に占有されなかった、セグメント0の外側の任意のビンに入る場合、ステップ308にて、NonZeroBinCountカウンタは、1だけ増加する。(δRRi,δRRi−1)点が、原点ビンに入る場合、ステップ310にて、OriginCountカウンタは、1だけ増加する。
一部の実施形態では、ローレンツプロットの1次元ヒストグラム表現は、2−Dヒストグラムに置換えられてもよい。δRRiの1−Dヒストグラムは、軸のいずれかに沿って2−Dヒストグラムを投影したようなものであることになる。2−Dヒストグラムは、3つのRRIのシーケンスに関する、大きさと360度の変化方向又は位相情報との両方を含む。1−Dヒストグラムは、2つのRRIのシーケンスについての大きさ及び双方向変化情報を含む。1−Dヒストグラムは、メモリ要件においてかなりの節約を提供するが、計算上の要件においては、2−Dヒストグラムの実施態様と同じである。1−Dヒストグラムの実施態様では、NonZeroBinCountカウンタは、0セグメントの外側で(選択されたNSRmaskより大きい又は小さい)、以前に占有されなかった1−Dビン内に入る各δRRi点について、ステップ308にて更新される。OriginCountカウンタは、1−Dヒストグラムの原点を含むビン内に入る各δRRi点について更新される。
AFだけを検出するためのクラスタシグネチャメトリックの2−D又は1−Dの実施態様について、PointCountカウンタは必要とされない。セグメント0に入るが原点ビンの外側の点、及び、以前に占有されたヒストグラムビンに入る点は、NonZeroBinCountカウンタとOriginCountカウンタのいずれにも影響を及ぼさないであろう。
時間間隔Tがいまだ終了していないと、決定ステップ312にて判定される場合、方法300は、(δRRi,δRRi−1)点を取得し、NonZeroBinCountカウンタ及びOriginCountカウンタを適切に更新し続ける。AFEvidenceのメトリックは、NonZeroBinCountとOriginCountとの差として計算される。AFEvidenceが、AF検出しきい値を超えると、決定ステップ316にて判定される場合、ステップ318にて、AF検出が行われる。図10に関連して先に述べたように、AF検出によって応答が提供されてもよい。方法300は、ステップ302に戻って、カウンタをゼロにリセットして、新しい時間間隔Tを開始させる。
或いは、一定数のVCLが採取されて、AFを検出し、AFをOATから弁別するために、所望の数のδRRi値が使用されることを可能にする。一例では、12個のδRRi値が、採取され、AFを検出するための上述した同じロジックを使用して解析される。
図12は、本発明の一実施形態による心臓事象を検出する方法において、連続するRR間隔点間の差を記憶するために使用することができる1次元ヒストグラムである。3つのセグメント330、332、及び334が定義される。セグメント0 332は、原点ビン340を含み、−NSRmask336から+NSRmask338へ延びる。セグメント1 330は、パラメータ−Extentで定義することができる負の範囲326から−NSRmask336まで延びる。セグメント1 330は、NSRmaskより大きいRRIの負の変化を表す全てのδRRi点を含むことになる。セグメント2 334は、+NSRmask338からヒストグラム325の正の範囲すなわち+Extent328まで延びる。セグメント2 334は、NSRmaskより大きいRRIの正の変化を表す全てのδRRi点を含むことになる。
図13は、本発明の一実施形態による、ローレンツプロットの1次元ヒストグラム表現を使用して心臓事象を検出する方法のフローチャートである。ステップ352にて、RRIサンプル数をカウントするのに使用されるカウンタ、PointCountカウンタ、NonZeroBinCountカウンタ、OriginCountカウンタ、ヒストグラムビンカウンタ、及び方法350を実行する任意の他のカウンタは、ゼロに初期化される。タイマは、ステップ354にて、選択された時間間隔T(通常は2分)に設定される。ステップ356にて、RRI情報が、先に述べたスケーリングされたメジアンを求めるためにステップ358に提供される。2次元の実施態様において計算されるRegularityEvidenceは、1次元の概念であり、したがって、1−Dの実施態様に組み込まれることができる。したがって、図6、図7、及び図8に関連して述べた同じ方法で、RRIスケールメジアンが、ステップ358にて求められる。
ステップ362にて、δRRi情報は、ステップ360にてPointCountカウンタを、ステップ364にてNonZeroBinCountカウンタを、ステップ366にてOriginCountカウンタを更新するために提供される。PointCountカウンタは、各セグメント0、1、及び2(図12に示す)内に記憶されるδRRi点の総数をカウントすることになる。NonZeroBinCountカウンタは、各セグメント0、1、及び2内の占有されるビンの数をカウントすることになる。OriginCountカウンタは、原点ビン340(図12に示す)に入るδRRi点の数をカウントすることになる。
位相方向情報が、1−Dヒストグラム表現から利用可能でないため、2−Dヒストグラムについて計算されるAnisotropyEvidence及びDensityEvidenceは利用可能でない。代替のクラスタシグネチャメトリックが、1−Dの実施態様で計算される。タイマが終了したと、決定ステップ368にて判定された後、代替のDensityEvidenceメトリックが、Density1とDensity2との和として計算される。Density1とDensity2とは、先に述べた各PointCountn値と各NonZeroBinCountn値との差として、それぞれセグメント1及び2について計算される。DensityEvidenceは、セグメント0の外側に入るδRRi点の密度の尺度を提供し、したがって、OATを表すことができる点の集合の程度の目安を提供する。1−Dヒストグラムは、2−Dヒストグラムで利用可能な位相方向情報が欠如し、したがって、1−Dの実施態様で提供されるDensityEvidenceメトリックは、一連の早期収縮を表すことができる点クラスタ(1〜4の2−Dヒストグラムセグメントに見出される)を排除することによって、OATの特徴を表す点クラスタ(5〜12の2−Dヒストグラムセグメントに見出される)だけを考慮するのではない。
SymmetryEvidence(対称性証拠)は、AnisotropyEvidence用の代替メトリックとしてステップ372にて計算される。OAT中に、δRRi点は、一連の期外収縮中又はAF中に比べて、原点を中心とする程度の大きな対称性を提示することになる。したがって、原点ビンから同距離にあるセグメント1内のヒストグラムビンとセグメント2内のヒストグラムビンとの差が求められる。これらの差の最大絶対値を使用して、SymmetryEvidenceメトリックを求めることができる。一実施形態では、SymmetryEvidenceは、次式によって数学的に表される。
ステップ378にて、AF又はOATを検出するために、AFEvidence、ATEvidence、及びRegularityEvidenceのしきい値比較が行われる。これらのクラスタシグネチャメトリックは、それぞれの以前に定義されたしきい値、AFしきい値、OATしきい値、及び規則性しきい値と比較される。AFEvidenceが、AFしきい値を超える場合、AFが検出される。ATEvidenceがOATしきい値を超えるか、又は、RegularityEvidenceが規則性しきい値を超える場合、OATが検出される。しきい値比較を実施し、いずれかの適切な検出を行った後、方法350は、ステップ352に戻って、全てのカウンタをリセットし、新しい時間間隔Tを開始する。任意のAF又はOATの検出に対する適切な応答が、先に述べたように行われてもよい。
クラスタシグネチャメトリックを使用してAF及びOATを検出する方法は、AF及びOATの高い検出感度と高い特異性を提供する。しかし、ほとんどの時間がNSR状態にある患者の場合、CSM方法を連続して実施することは、不必要に、電池エネルギーを消費する場合がある。したがって、心房頻脈性不整脈を検出するときに感度が高い、計算量的に要求の厳しくないベースレイヤアルゴリズム及び感度が高く且つ特異性の高い1つ又は複数の高次レイヤアルゴリズムを使用するマルチレイヤ方法が実施されてもよい。ベースレイヤは、少ない電池エネルギー及び少ないメモリ容量を要求する。計算量的に要求の厳しい高次レイヤアルゴリズム(複数可)は、AF/OAT検出方法の全体性能の高い特異性を回復するために、感度の高いベースレイヤアゴリズムに基づいて好都合な時に実行される。電池エネルギーを保存し、一方、感度があり且つ特異性のあるAF/OAT検出を依然として提供する、このようなマルチレイヤ方法は、上述したクラスタシグネチャ方法又はAF及び/若しくはOATの検出のための任意の他の代替方法を組み込んでもよい。
図14は、本発明の一実施形態による、心臓事象を検出するマルチレイヤ方法の状態図である。ベースレイヤは、特異性が高く且つ感度が高くなるように設計された高次レイヤが、いつ実施されるべきかを判定するスクリーニング方法であるように設計される。ベースレイヤは、高次レイヤアルゴリズムと比較してより多くの時間作動し、高次レイヤアルゴリズムは、ベースレイヤアルゴリズムによって行われた検出を確認(すなわち維持)又は排除するのに使用される。本明細書で述べられることになる2レイヤ方法は、ベースレイヤによって検出された状況を検証するための、様々な複雑さの付加的なレイヤを含むように拡張されることができる。
図14は、4つの可能性のある状態、すなわち、NOT AF/OAT404、AF/OAT開始(ONSET)408、AF/OAT414、及びAF/OAT終了(OFFSET)420の間の遷移を示す。NOT AF/OAT404で始まって、比較的低いCPUパワーを必要とするか、又は、全く必要とせず、且つ、ハードウェアで完全に実施することができるベースレイヤは、AF/OATの検出のために心室周期長を監視する。2レイヤ方法400で使用することができるベースレイヤアルゴリズムは、以下で述べられる。AF/OAT開始検出基準が満たされない限り、2レイヤ方法は、ベースレイヤ内で作動し続け、NOT AF/OAT状態402にとどまる。ベースレイヤアルゴリズムは、2分等の所定の時間間隔にわたって心室周期長の情報を評価する。各時間間隔Tの終了時に、アルゴリズムは、AF/OAT開始状態408に遷移するか、又は、ループ404で示すようにNOT AF/OAT状態402にとどまる。
ベースレイヤアルゴリズムによってAF/OAT開始を検出するための基準が満たされると、AF/OAT開始状態408への遷移406が行われる。遷移406は、ベースレイヤによって検出されたAF/OATを検証する高次レイヤアルゴリズムの使用を誘発する。こうして、AF/OAT開始状態408において、計算的により複雑で、且つ、一般に、マイクロプロセッサによって実施される操作を必要とする、高次レイヤアルゴリズムが実行されて、ベースレイヤによって行われたAF/OAT検出が確認される。高い感度と高い特異性とによってAF/OATを検出するように設計された高次レイヤアルゴリズムが、AF/OATを検出しない場合、NOT AF/OAT状態402に戻る遷移410が行われる。ベースレイヤAF/OAT開始検出は、高次レイヤアルゴリズムによって排除される。NOT AF/OAT状態402に戻る遷移410は、AF/OAT検出のために心室周期長の情報を監視するベースレイヤアルゴリズムの作動を回復する。
高次レイヤアルゴリズムが、AF/OATを検出し、それにより、ベースレイヤによって行われたAF/OAT開始検出を確認する場合、AF/OAT検出状態414への遷移412が行われる。AF/OAT状態414への遷移412は、AF/OATエピソードの検出を維持するベースレイヤの作動を誘発する。ベースレイヤアルゴリズムは、時間間隔Tごとに実施され続ける。ベースレイヤAF/OAT検出基準が満たされたままである場合、アルゴリズム400は、ループ416に示すように、AF/OAT状態414にとどまる。一部の実施形態では、高次レイヤアルゴリズムは、ベースレイヤアルゴリズムによるAF/OATの継続した検出を検証するために、AF/OAT状態414中に周期的に又は或る程度断続的に実施されてもよい。たとえば、高次レイヤアルゴリズムは、時間間隔Tの1つおきに、間隔の2つおきに、又は、任意の他の指定された周期で実施されてもよい。一部の患者において、AF/OAT状態414中の高次レイヤアルゴリズムの連続作動が望ましい場合がある。
AF/OAT検出基準がもはや満たされない場合、AF/OAT終了状態420への遷移418が行われる。AF/OAT終了状態420への遷移418は、ベースレイヤアルゴリズムによるAF/OAT終了検出を確認するための高次レイヤアルゴリズムの作動を誘発する。高次レイヤアルゴリズムは、ベースレイヤによって行われたAF/OAT終了検出を確認し、NOT AF/OAT状態402に戻る遷移424をもたらすか、又は、ベースレイヤによって行われたAF/OAT終了検出を排除し、AF/OAT状態414に戻る遷移422をもたらすことになる。いずれの場合も、方法400は、AF/OAT状態414内でAF/OATの検出を継続するか、又は、NOT AF/OAT状態402内で、新しいAF/OAT検出について心室周期長の情報を監視するためのベースレイヤアルゴリズムに戻る。
AF/OATの継続した検出を確認するための、AF/OAT状態414中の高次レイヤアルゴリズムの周期的な性能は、直接にNOT AF/OAT状態402への遷移426をもたらす可能性がある。一般に、ベースレイヤアルゴリズムによって行われる決定は、AF/OAT開始状態408及びAF/OAT終了状態420への遷移を引き起こす可能性がある。ベースレイヤではなく、高次レイヤアルゴリズムによって行われる決定だけが、AF/OAT状態414又はNOT AF/OAT状態402への遷移を引き起こす可能性がある。検出用のベースレイヤアルゴリズムしきい値は、特異性についてはほとんど関心を払わずに、検出について非常に高い感度が得られるように設定される。高次レイヤアルゴリズムは、検出のための高い特異性を回復するためにベースレイヤによって行われた検出を検証するために使用される。そのため、高次レイヤアルゴリズムの高い感度と高い特異性とは、計算量的に効率的に達成される。一部の実施形態では、マルチレイヤ手法は、AF/OATエピソードの継続を検出する付加的なレイヤ、AF/OATを再検出する付加的なレイヤ、又は、AF/OATエピソード検出の他の態様のための付加的なレイヤを含んでもよい。
図15は、図14の2レイヤ方法における検出状態間の遷移に従う、ベースレイヤアルゴリズムと高次レイヤアルゴリズムとの間の遷移のフローチャートである。2レイヤ方法400は、NOT AF/OAT状態402で始まり、AF/OATの開始を検出するために、NSR中にブロック450にて、ベースレイヤアルゴリズムを実行する。AF/OAT開始検出基準が満たされないと、決定ステップ452にて判定される限り、方法400は、戻りループ404で示すように、各時間間隔Tの間に、ブロック450にてベースレイヤアルゴリズムを繰り返す。AF/OAT開始が、ベースレイヤアルゴリズムによって検出されると、決定ステップ452にて判定される場合、AF/OAT開始状態408への遷移406が、ブロック454にて、高次レイヤアルゴリズムを始動させる。
高次レイヤアルゴリズムが、決定ステップ456にて、AF/OAT開始検出を確認しない場合、NOT AF/OAT状態402へ戻る遷移410が、ブロック450にて、ベースレイヤアルゴリズムを回復させる。AF/OAT開始が、決定ステップ456にて確認される場合、AF/OAT状態414への遷移412は、ベースレイヤアルゴリズムが、AF/OAT検出を継続するために、ブロック458にて再び実行されるようにする。AF/OATの継続した検出は、ブロック458におけるベースレイヤアルゴリズムによって、又は、ブロック458におけるベースレイヤアルゴリズムとブロック460における高次レイヤアルゴリズムとを交互に行うことによって実施することができる。AF/OATが、検出され続けるか、又は、AF/OAT終了基準が満たされてないままであると、決定ステップ462にて判定される限り、戻りループ416によって示すように、高次レイヤアルゴリズムが、ブロック458にて作動し続ける(任意選択の高次レイヤアルゴリズムが周期的に実行される)。
AF/OAT終了が、ベースレイヤアルゴリズムによって検出されると、決定ステップ462にて判定される場合、AF/OAT終了状態420への遷移418は、AF/OATエピソードの終了を確認するために、ブロック464にて、高次レイヤアルゴリズムを始動させる。AF/OAT終了が、高次レイヤアルゴリズムによって確認されないと、決定ステップ466にて判定される場合、AF/OAT状態414へ戻る遷移422は、ベースレイヤアルゴリズムが、ブロック458にて継続するようにする。AF/OAT終了が、決定ステップ466にて確認される場合、NOT AF/OAT状態402への遷移424は、新しいAF/OATエピソードの検出のためVCL情報を監視するために、ブロック450にてベースレイヤアルゴリズムを始動させる。
ベースレイヤアルゴリズムは、NOT AF/OAT状態402及びAF/OAT状態414中に時間間隔Tごとに実施される。高次レイヤアルゴリズムは、AF/OAT開始状態408への遷移により、AF/OAT終了状態420への遷移により、また、任意選択で、AF/OAT状態414中に周期的又は断続的に、時間間隔Tにわたって実施される。こうして、状態遷移は、各時間間隔Tの終了時に起こることができる。2レイヤアルゴリズムは、一時間間隔Tよりも長い間、AF/OAT開始状態408又はAF/OAT終了状態420内にとどまらない。それは、高次レイヤアルゴリズムが、以前の時間間隔Tに関してベースレイヤによって行われた決定を確認するか又は排除し、また、以前の状態へ戻るか又は新しい状態へ遷移することになるためである。ベースレイヤアルゴリズム及び高次レイヤアルゴリズムが、VCL情報を評価する時間間隔Tは、任意の事前定義された間隔、たとえば、2分であってよい。ベースレイヤアルゴリズム及び高次レイヤアルゴリズムが、VCLを評価する時間間隔は、同じ間隔か又は異なる間隔であってよい。一部の実施形態では、ベースレイヤアルゴリズム及び高次レイヤアルゴリズムが実施される時間間隔は、一定ではなく、VCL情報に応じて変わってもよい。
AF/OAT開始状態408及びAF/OAT終了状態420中に、高次レイヤアルゴリズムを使用して、ベースレイヤアルゴリズムによって行われるAF/OATの開始又は終了の検出の特異性が改善される。こうして、高い感度(高次レイヤアルゴリズムの高い感度は、ベースレイヤアルゴリズムによって低下しない)と(高次レイヤアルゴリズムによる)高い特異性との両方を特徴とするAF/OATを検出する計算量的に効率的な方法が達成される。ベースレイヤアルゴリズムが、高次レイヤアルゴリズムによって排除される偽陽性を間隔1つおきに繰り返し検出する、すなわち、NOT AF/OAT状態402とAF/OAT開始状態408との間の循環又はAF/OAT状態414とAF/OAT終了状態420との間の循環を引き起こす場合、計算量的負荷(burden)が最も大きいことになる。
2レイヤ方法400によって採用されるベースレイヤアルゴリズム及び高次レイヤアルゴリズムは、種々の実施形態に従って定義されてもよい。一般に、ハードウェアで実施することができるベースレイヤは、VCLメトリックを求め、これらのメトリックを、高い感度を持った状態でAF又はOATの検出をもたらすように設計されたしきい値又は他の基準と比較するように設計される。目標は、100%に近い感度である。高次レイヤアルゴリズムは、いくつかのクラスタシグネチャメトリックを含むことができるVCLメトリックを求め、これらのメトリックを、高い感度と高い特異性とを持った状態でAF又はOATの検出をもたらすように設計されたしきい値又は他の基準と比較するように設計される。高次レイヤアルゴリズムは、先に述べた、AF及び/又はOATの検出についてのクラスタシグネチャメトリックを使用し、また、AF/OAT検出の高い特異性を得るために、ベースレイヤアルゴリズムに比べて多くの数のメトリックとより複雑なVCL情報の解析とを一般に含むアルゴリズムとして具現化されてもよい。
VCL情報又は本明細書で述べるCSM方法の変形を使用する他のアルゴリズムが、高次レイヤアルゴリズムと置換えられることができる。たとえば、VCL情報を使用するAF/OAT検出のための2レイヤ方法又はマルチレイヤ方法で使用することができる他の方法は、Ritscher他による、先に援用された米国特許公報第2004/0092836号、及び、Wang他による、米国特許公報第2002/0065473号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に全体が開示される。他の実施形態では、高次レイヤアルゴリズムは、たとえば、Tateno K, Glass L著「Automatic detection of atrial fibrillation using the coefficient of variation and density histograms of RR and deltaRR intervals」(Med Biol Eng Comput. 2001 Nov;39(6):664-71)、又は、Glass他による、米国特許公報第2005/0165320号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されるように、AF/OATを検出するように設計された任意の方法に従って実施されてもよい。AF/OATの検出のためのマルチレイヤ方法の実施態様は、クラスタシグネチャ方法によるアルゴリズムを使用することに限定されない。本明細書に述べるクラスタシグネチャ方法は、AF/OATの検出のためのマルチレイヤ方法に含まれる高次レイヤアルゴリズムで実施することができる方法の1つの例を提供するに過ぎない。
さらに、高次レイヤアルゴリズムがいつ必要とされるかを判定するベースレイヤスクリーニングアルゴリズムを使用するマルチレイヤアルゴリズムの実施態様は、心室周期長を使用してAF/OATを検出するアプリケーションに限定さない。AF/OATを検出するために他の情報を使用するアルゴリズム又は任意の他の生理的事象若しくは生理的状態の検出のために他の生理的情報を使用するアルゴリズムは、図14及び図15によって要約されるスキームに従って全体が作動するマルチレイヤアルゴリズムに組み込まれてもよい。
図16は、本発明の一実施形態による、心臓事象を検出するマルチレイヤ方法に含まれるベースレイヤアルゴリズムの略図である。ベースレイヤアルゴリズム500は、AF開始又はOAT開始を検出するために、不規則性メトリック505、心室レート変化メトリック525、及び規則性メトリック540を使用する。一実施形態では、不規則性メトリック505は、以前に定義されたNSRしきい値より大きいRR間隔の総数をカウントすることによって求められてもよい。たとえば、正常洞調律中における拍動ごとの心室周期長の変化は、通常、NSRしきい値についての基準値として選択されることができる75msより小さくてもよい。
心室レート変化メトリック525を使用して、心房頻脈の開始で起こることが多い心室レートの突然の減少及び心房頻脈の終了で起こる可能性がある心室レートの突然の増加が検出される。心室レート変化メトリックは、その時の時間間隔T中のメジアンRR間隔、又は以前の時間間隔T中のメジアンRR間隔のパーセンテージ若しくは比としてのメジアンRR間隔の一部として定義することができ、時間間隔Tは、高次レイヤアルゴリズムが、それにわたって実行される時間間隔以下である。たとえば、心室レート変化(VRC)メトリックは、次式により計算されてもよい。
規則性メトリック540は、OAT開始を検出するためにベースレイヤアルゴリズム500によって使用される。一実施形態では、規則性メトリック540は、以前に定義されたRRしきい値より小さいRR間隔の総数のカウントとして求められる。図3Aの例によって示されるOATの一形態は、たとえば、20ミリ秒より小さいRR間隔を有する規則性の高いVCLを特徴とする。規則性メトリック540及び以前に定義された規則性しきい値545は、比較器550への入力として提供される。比較器550の出力は、規則性メトリック540が規則性しきい値545を超える場合、ハイになることになる。
比較器520、535、及び550の出力は、ORゲート570への入力として提供される。不規則メトリック505が不規則しきい値510を超えるか、心室レート変化メトリック525が開始しきい値530より低くなるか、又は、規則性メトリック540が規則性しきい値550を超える場合、ORゲート570の出力575は、ハイになり、OAT開始検出を指示する。高次レイヤアルゴリズムは、OAT開始検出に応答して実施されて、OAT検出を確認するために、次の時間間隔TにわたってVCLをさらに評価する。
不規則性メトリックが不規則性しきい値より大きい場合、AF開始とOAT開始が共に検出される。高次レイヤアルゴリズムを実施して、AF又はOATの検出を確認して一方の検出が排除されるか、又は両方の検出が排除される。不規則性しきい値、開始しきい値、及び規則性しきい値は、AF開始及びOAT開始の検出について100%に近い高い感度を達成するように最適化される。ベースレイヤアルゴリズム500は、感度があるように設計されるが、心房頻脈性不整脈を検出するときに特異性が高くある必要はない。高いAF/OAT特異性は、高次レイヤアルゴリズムの設計において回復される。
図17は、本発明の一実施形態による、心臓事象終了を検出するベースレイヤアルゴリズムの略図である。不規則性メトリック505及び不規則性しきい値510は、比較器605への入力として提供される。比較器605の反転出力は、不規則性メトリック505が不規則性しきい値510より低くなるとき、ハイになることになる。心室レート変化メトリック525及び以前に定義された終了しきい値610は、比較器615への入力として提供される。比較器615の出力は、心室レート変化メトリック525が終了しきい値610を超える場合、ハイになることになり、心房不整脈の終了に伴う可能性がある突然の心室レートの増加を指示する。
比較器605及び615の出力は、ORゲート630への入力として提供される。ORゲート630の出力635は、不規則性メトリックが不規則性しきい値より低くなるか、又は、心室レート変化メトリックが終了しきい値を交差する場合、ハイになり、ベースレイヤアルゴリズムによるAF終了の検出を指示する。高次レイヤアルゴリズムは、次の時間間隔TにわたってAF終了検出に応答して実行されて、NOT AF状態を検証する。開始を検出するとき、及び、終了を検出するときに使用される不規則性しきい値は、異なるように定義されてもよい。
規則性メトリック540及び以前に定義された規則性しきい値545は、比較器620への入力として提供される。比較器620の反転出力は、規則性メトリック540が規則性しきい値545より低くなる場合、ハイになる。比較器605及び620の出力は、ANDゲート625への入力として提供される。ANDゲート625の出力は、不規則性メトリック505が不規則性しきい値510より低くなり、且つ、規則性メトリック540が規則性しきい値545より低くなるときに、ハイになることになる。開始を検出するとき、及び、終了を検出するときに使用される規則性しきい値は、異なるように定義されてもよい。
ANDゲート625の出力及び比較器615の出力は、ORゲート640への入力として提供される。心室レート変化メトリックが終了しきい値を越えるか、又は、規則性メトリックが規則性しきい値より低くなり且つ不規則性メトリックが不規則性しきい値より低くなる場合、ORゲート640の出力645は、ハイになり、ベースレイヤアルゴリズムによるOAT終了検出を指示する。高次レイヤアルゴリズムは、次の時間間隔TにわたってOAT終了検出に応答して実行されて、NOT OAT状態を確認する。
図18A及び図18Bは、本発明の一実施形態による、心臓事象を検出する2レイヤ方法で使用されるベースレイヤアルゴリズムと高次レイヤアルゴリズムとの略図である。ベースレイヤアルゴリズムは、第1の時間間隔Tにわたって最初に作動する。したがって、タイマは、ステップ705にて、時間間隔Tに設定され、ベースレイヤメトリックは、VCL測定情報710から求めたδRRiデータ入力715を使用して比較される。ベースレイヤによって使用されるメトリックに応じて、メトリックは、δRRiが入力されるたびに、又は、時間間隔Tの終了時に更新されてもよい。図16及び図17に示すベースレイヤアルゴリズムを参照すると、NSRしきい値より大きいδRR間隔をカウントするカウンタは、ベースレイヤの実行中に作動することができる。
時間間隔Tが終了したと、決定ステップ725にて判定されると、ベースレイヤアルゴリズムは、計算されたメトリックを以前に定義されたしきい値と比較することによってメトリックを評価する。図16のベースレイヤアルゴリズムに関して、不規則性メトリック、心室レート変化メトリック、及び規則性メトリックは、対応する不規則性しきい値、開始しきい値、及び規則性しきい値と比較される。これらの比較に基づいて、決定ステップ735にて、AF開始又はOAT開始が検出されてもよい。AF開始又はOAT開始を検出する基準が満たされない場合、方法700は、ステップ705に戻って、次の時間間隔Tにわたってベースレイヤアルゴリズムを繰り返す。
決定ステップ735にて、AF開始又はOAT開始の検出が行われる場合、タイマは、ステップ740にて設定されて、ステップ745にて高次レイヤアルゴリズムが始動される。一実施形態では、ローレンツプロットヒストグラムを生成し、図6に関連して述べたいくつかのクラスタシグネチャメトリックを計算するために、心室周期長の情報742から導出されたδRRiデータ入力744を使用して、ステップ745にて高次レイヤメトリックが計算される。高次レイヤアルゴリズムは、図1に示す、たとえば、複数のセグメントを含む、より詳細なローレンツプロットヒストグラムを使用する。一部の高次レイヤメトリックは、各心周期後に計算されるか又は更新され、一部は、図6に関連して先に述べた時間間隔Tの終了時に計算される。
時間間隔Tが終了したと、決定ステップ750にて判定されると、高次レイヤアルゴリズムは、計算されたクラスタシグネチャメトリックを以前に求めたしきい値と比較することによってVCL情報を評価する。決定ステップ760にて、高次レイヤアルゴリズムが、AF又はOATを検出し、ベースレイヤアルゴリズムによって行われたAF開始又はOAT開始の検出を確認する場合、方法700は、ステップ765(図18B)に進んで、AF/OAT状態においてベースレイヤアルゴリズムを始動する。決定ステップ760にて、高次レイヤアルゴリズムが、AF又はOATを検出せず、ベースレイヤアルゴリズムによって行われたAF開始又はOAT開始の検出を排除する場合、方法700は、ステップ705に戻って、NOT AF/NOT OAT状態においてベースレイヤアルゴリズムの作動を回復させ、AF又はOATの開始の監視を継続する。
ステップ765にて、タイマが設定されて、VCL情報766から導出されたδRRiデータ入力768を使用して、ベースレイヤアルゴリズムが、それにわたってベースレイヤメトリックを計算する次の時間間隔Tが始動される。上述したのと同様に、ベースレイヤメトリックは、ステップ774にて計算され、時間間隔Tが終了したと、決定ステップ776にて判定された後、AF又はOATのエピソードの終了を検出するために、ベースレイヤメトリック比較が実施される。図17に関して、上述したようにAF又はOATの終了を検出するために、ベースレイヤアルゴリズムは、不規則性メトリック、心室周期長メトリック、及び規則性メトリックを計算し、これらのメトリックを対応する不規則性しきい値、終了しきい値、及び規則性しきい値と比較する。不規則性しきい値及び規則性しきい値は、ステップ730にて開始を検出するために使用され、ステップ778にて終了を検出するために使用される不規則性しきい値及び規則性しきい値と異なるように定義されてもよい。
AF/OAT終了が検出されないと、決定ステップ780にて判定される場合、方法700は、ステップ765に戻って、次の時間間隔Tにわたってベースレイヤアルゴリズムを繰り返す。AF/OAT終了が検出される場合、方法700は、ステップ782に進んで、タイマを次の時間間隔Tに設定し、NOT AF/NOT OAT状態を確認するために高次レイヤアルゴリズムを始動させる。ステップ784にて、上述したのと同じ方法で、心室周期長の情報770から導出されたδRRiデータ入力772を使用して、高次レイヤメトリックが計算される。
時間間隔Tが終了すると、高次レイヤアルゴリズムは、所定のしきい値との比較を実施することによって高次レイヤメトリックを評価する。高次レイヤアルゴリズムが、AF又はOATを検出する場合、方法700は、ステップ765に戻って、AF/OAT終了を監視し続けるために、ベースレイヤアルゴリズムを回復させる。高次レイヤアルゴリズムが、AF又はOATを検出せず、それにより、ベースレイヤ終了検出を確認する場合、方法700は、ステップ705に戻って、新しいAF/OAT開始について監視するために、次の時間間隔Tに関してベースレイヤアルゴリズムを再開する。
先に述べたように、高次レイヤアルゴリズムは、AF/OATエピソードの継続した検出についての高い感度と高い特異性とを維持するために、AF/OAT中に、連続して又は周期的に実施されてもよい。一部の実施形態では、高次レイヤアルゴリズムは、AF/OAT状態中に連続して使用されてもよい。特に、高次レイヤアルゴリズムは、発作性AFを患う患者において、断続的に又は連続して使用されてもよい。
本明細書に述べるマルチレイヤ方法とは、一般に、指定された時間間隔Tにわたってベースレイヤアルゴリズムと高次レイヤアルゴリズムとを実行することを言う。これらのアルゴリズムは、代替的に、指定された数の検出されたRR間隔にわたって実施されてもよいことが認識される。一部の実施形態では、クラスタシグネチャメトリック又は他の心室周期長メトリックを計算するのに必要とされる、最小数のδRRiデータ点が定義される。時間間隔が指定され、δRRiデータ点がそれにわたって取得され、最少数のデータ点が、1つの時間間隔中に得られない場合、その時間間隔中に取得されたデータは、破棄されてもよい。R波アンダーセンシングにより、最少数の時間間隔に達しなくてもよい。他の実施形態では、ゆっくりとした心室調律が、AF/OAT検出のためのVCL評価から廃棄されないように、最少数の必要とされるδRRiデータ点に達しない時間間隔が、後続の時間間隔と連結されてもよい。
こうして、心房信号を必要とすることなく、VCL情報を使用してAF及びOATの検出を実現する方法が述べられた。これらの方法は、心室頻脈の上室性頻脈からの弁別が重要である監視及び治療適用において有益である可能性がある。さらに、AFのOATからの弁別は、治療を管理し、疾病状態を監視するための、患者のより正確な診断の観点を提供する。本明細書で詳細に述べる実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示すために提供され、添付の特許請求の範囲に関して限定的であることを意図しない。
Claims (17)
- 心臓事象を同定する方法であって、
前記心臓事象以外の事象の検出中の第1の状態において、第1の検出フォーマットを使用して検知による事象を検出すること、
前記第1の状態から、前記第1の検出フォーマットを使用して検出することを一時中止することに相当する第2の状態へ移行すると共に、前記第1の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当すると前記第1の検出フォーマットが判定することに応答して、該第1の検出フォーマットと異なる第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出すること、
前記第2の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当しないと前記第2の検出フォーマットが判定することに応答して、前記第2の状態から前記第1の状態へ移行すること、
前記第2の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当すると前記第2の検出フォーマットが判定することに応答して、前記第2の状態から第3の状態へ移行することであって、該第3の状態は、前記第1の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することに相当すること、
前記第3の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当しないと判定されることに応答して、前記第3の状態から第4の状態へ移行することであって、該第4の状態は、前記第1のフォーマットを使用して検出することを一時中止すること、及び、前記第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することに相当すること、
前記第4の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当すると判定されることに応答して、前記第4の状態から前記第3の状態へ移行すること、及び
前記第4の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当しないと判定されることに応答して、前記第4の状態から前記第1の状態へ移行すること
を含む、心臓事象を同定する方法。 - 前記第3の状態中に、前記第1の検出フォーマット及び前記第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することをさらに含む、請求項1に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記第3の状態中に、前記第1の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出すること、及び前記第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することを交互にすることをさらに含む、請求項2に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記第2の検出フォーマットを使用して検出することは、所定の期間内に実施され、前記方法は、該所定の期間内に、前記第2の状態から前記第1の状態と前記第3の状態とのうちの一方へ、また、前記第4の状態から該第3の状態と前記第1の状態とのうちの一方へ移行することをさらに含む、請求項1に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記所定の期間は、所定の数の検出されるRR間隔に相当する、請求項4に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記第2の検出フォーマットは、
検知による心臓信号に関連する複数の周期長を求めること、
前記求めた複数の周期長の連続する周期長間の差を求めること、
前記求めた差に応答してクラスタシグネチャメトリックを求めること、
前記求めた差に相当するプロットを生成すること、及び
前記プロットの原点を基準にする、或る範囲の大きさ及び位相によって定義され、且つ、前記心臓事象に関連するパターンに相当する、前記プロットの複数のセグメント内に配置される前記求めた差の数を求めること
を含む、請求項1に記載の心臓事象を同定する方法。 - 前記第1の検出フォーマットは、周期長の第1の変化に相当する第1のメトリック、心室レートの減少と心室レートの増加とのうちの一方に相当する第2のメトリック、及び周期長の第2の変化に相当する第3のメトリックを含む、請求項1に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記心臓事象は、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとのうちの一方に応答して心房細動の開始に相当すると判定され、また、前記第1のメトリック、前記第2のメトリック、及び前記第3のメトリックのうちの1つに応答して統一性のある心房頻脈の開始に相当すると判定される、請求項7に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記心臓事象は、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとのうちの一方に応答して心房細動の開始に相当すると判定され、また、前記第1のメトリック及び第3のメトリック並びに前記第2のメトリックのうちの1つに応答して統一性のある心房頻脈の開始に相当すると判定される、請求項8に記載の心臓事象を同定する方法。
- 心臓事象を同定する方法であって、
前記心臓事象以外の事象の検出中の第1の状態において、第1の検出フォーマットを使用して検知による事象を検出すること、
前記第1の状態から、前記第1の検出フォーマットを使用して検出することを一時中止することに相当する第2の状態へ移行すると共に、前記第1の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当すると前記第1の検出フォーマットが判定することに応答して、該第1の検出フォーマットと異なる第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出すること、
前記第2の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当しないと前記第2の検出フォーマットが判定することに応答して、前記第2の状態から前記第1の状態へ移行すること、
前記第2の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当すると前記第2の検出フォーマットが判定することに応答して、前記第2の状態から第3の状態へ移行することであって、該第3の状態は、前記第1の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することに相当すること、
前記第3の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当しないと判定されることに応答して、前記第3の状態から第4の状態へ移行することであって、該第4の状態は、前記第1のフォーマットを使用して検出することを一時中止すること、及び、前記第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することに相当すること、
前記第4の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当すると判定されることに応答して、前記第4の状態から前記第3の状態へ移行すること、及び
前記第4の状態中に、前記検知による事象が前記心臓事象に相当しないと判定されることに応答して、前記第4の状態から前記第1の状態へ移行すること
を含み、前記第2の検出フォーマットは、
検知による心臓信号に関連する複数の周期長を求めること、
前記求めた複数の周期長の連続する周期長間の差を求めること、
前記求めた差に応答してクラスタシグネチャメトリックを求めること、
前記求めた差に相当するプロットを生成すること、及び
前記プロットの起点を基準にする、或る範囲の大きさ及び位相によって定義され、且つ、前記心臓事象に関連するパターンに相当する、前記プロットの複数のセグメント内に配置される前記求めた差の数を求めること
を含み、前記第1の検出フォーマットは、周期長の第1の変化に相当する第1のメトリック、心室レートの減少と心室レートの増加とのうちの一方に相当する第2のメトリック、及び周期長の第2の変化に相当する第3のメトリックを含む、心臓事象を同定する方法。 - 前記第3の状態中に、前記第1の検出フォーマット及び前記第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することをさらに含む、請求項10に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記第3の状態中に、前記第1の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出すること、及び前記第2の検出フォーマットを使用して前記検知による事象を検出することを交互にすることをさらに含む、請求項11に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記第2の検出フォーマットを使用して検出することは、所定の期間内に実施され、前記方法は、該所定の期間内に、前記第2の状態から前記第1の状態と前記第3の状態とのうちの一方へ、また、前記第4の状態から該第3の状態と前記第1の状態とのうちの一方へ移行することをさらに含む、請求項12に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記所定の期間は、所定の数の検出されるRR間隔に相当する、請求項13に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記心臓事象は、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとのうちの一方に応答して心房細動の開始に相当すると判定され、また、前記第1のメトリック、前記第2のメトリック、及び前記第3のメトリックのうちの1つに応答して統一性のある心房頻脈の開始に相当すると判定される、請求項11に記載の心臓事象を同定する方法。
- 前記心臓事象は、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとのうちの一方に応答して心房細動の開始に相当すると判定され、また、前記第1のメトリック及び第3のメトリック並びに前記第2のメトリックのうちの1つに応答して統一性のある心房頻脈の開始に相当すると判定される、請求項11に記載の心臓事象を同定する方法。
- 心房不整脈を検出する方法であって、
心房頻脈性不整脈の開始を検出するベースレイヤアルゴリズムを実行すること、
前記ベースレイヤアルゴリズムによって前記心房頻脈性不整脈の前記開始を検出することに応答して、前記ベースレイヤアルゴリズムによる前記心房頻脈性不整脈の開始の検出を確認するか又は排除する高次レイヤアルゴリズムを実行すること、
前記高次レイヤアルゴリズムによる前記心房頻脈性不整脈検出の確認に応答して、該心房頻脈性不整脈の終了を検出し、そうでなければ、前記高次レイヤアルゴリズムによる前記心房頻脈性不整脈の排除に応答して該心房頻脈性不整脈の前記開始を検出する、前記ベースレイヤアルゴリズムを実行すること、及び
前記ベースレイヤアゴリズムによって前記心房頻脈性不整脈の前記終了を検出することに応答して、前記心房頻脈性不整脈の終了を確認する前記高次レイヤアゴリズムを実行すること
を含む、心房不整脈を検出する方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US67622705P | 2005-04-29 | 2005-04-29 | |
PCT/US2006/015478 WO2006118852A2 (en) | 2005-04-29 | 2006-04-24 | Method and apparatus for detection of tachyarrhythmia using cycle lengths |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008539015A true JP2008539015A (ja) | 2008-11-13 |
Family
ID=37308472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008509007A Pending JP2008539015A (ja) | 2005-04-29 | 2006-04-24 | 周期長を使用して頻脈性不整脈を検出する医療デバイス |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7537569B2 (ja) |
EP (1) | EP1883346A2 (ja) |
JP (1) | JP2008539015A (ja) |
CA (1) | CA2605511A1 (ja) |
WO (2) | WO2006118852A2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011509706A (ja) * | 2008-01-14 | 2011-03-31 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 心房細動監視 |
JP2017527356A (ja) * | 2014-08-14 | 2017-09-21 | カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド | 心拍数変動を用いた心房細動の検出 |
JP2018158010A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | 学校法人慶應義塾 | 心拍検出システム、心拍検出方法 |
JP2019514635A (ja) * | 2016-03-28 | 2019-06-06 | ジェンドゥ・イノベイションズ・プライベイト・リミテッドJendo Innovations (Pvt) Ltd | 血管系の健康を監視するためのシステムおよび方法 |
US10485442B2 (en) | 2015-11-06 | 2019-11-26 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Method and apparatus for enhancing ventricular based atrial fibrillation detection using atrial activity |
US10542902B2 (en) | 2015-04-02 | 2020-01-28 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Atrial fibrillation detection |
US10617320B2 (en) | 2015-07-30 | 2020-04-14 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Method to trigger an atrial fibrillation electrogram in an implantable device that detects R-waves |
US10881317B2 (en) | 2017-03-07 | 2021-01-05 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Post-hoc atrial fibrillation detection |
US11207536B2 (en) | 2019-01-09 | 2021-12-28 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Method and apparatus for enhancing atrial fibrillation detection |
Families Citing this family (58)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8892196B2 (en) | 2006-07-06 | 2014-11-18 | Los Angeles Biomedial Research Institute At Harbor-Ucla Medical Center | Device and method for screening congenital heart disease |
US8688219B2 (en) | 2006-07-28 | 2014-04-01 | Medronic, Inc. | Dynamic sampling |
US8660630B2 (en) | 2006-12-27 | 2014-02-25 | Los Angeles Biomedical Research Institute At Harbor-Ucla Medical Center | ECG leads system for newborn ECG screening |
US8369924B1 (en) | 2006-12-27 | 2013-02-05 | Los Angeles Biomedical Research Institute At Harbor-Ucla Medical Center | ECG leads system for newborn ECG screening |
US7627368B2 (en) * | 2006-12-28 | 2009-12-01 | Medtronic, Inc. | Method and apparatus for atrial arrhythmia detection |
US8041424B2 (en) * | 2007-07-31 | 2011-10-18 | Medtronic, Inc. | Cardiac resynchronization therapy for patients with right bundle branch block |
US8121675B2 (en) * | 2008-04-25 | 2012-02-21 | Pacesetter, Inc. | Device and method for detecting atrial fibrillation |
US8019407B2 (en) * | 2008-10-24 | 2011-09-13 | Biotronik Crm Patent Ag | Heart monitoring device and method |
US9510764B2 (en) * | 2009-04-22 | 2016-12-06 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Methods for detecting atrial tachyarrhythmia in implantable devices without dedicated atrial sensing |
US8239011B2 (en) * | 2009-04-29 | 2012-08-07 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Atrial arrhythmia detection and discrimination based on intracardiac impedance |
US8332033B2 (en) | 2010-06-24 | 2012-12-11 | Pacesetter, Inc. | Systems and methods for use by an implantable medical device for controlling multi-site CRT pacing in the presence of atrial tachycardia |
US8447400B2 (en) | 2010-06-24 | 2013-05-21 | Pacesetter, Inc. | Systems and methods for use by an implantable medical device for controlling multi-site CRT pacing in the presence of atrial tachycardia |
US8798732B2 (en) * | 2010-08-05 | 2014-08-05 | Lev-El Diagnostics of Heart Diseases Ltd. | Apparatus, system and method of determining a heart rate variability value |
US8403830B2 (en) | 2010-08-06 | 2013-03-26 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Rhythm discrimination enhancement—AV drive |
US8369938B2 (en) | 2010-08-06 | 2013-02-05 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Rhythm discrimination enhancement—chamber of tachy origination |
US8170654B1 (en) | 2010-10-13 | 2012-05-01 | Medtronic, Inc. | Sequential discrimination approach for detecting treatable cardiac rhythms |
US9420959B2 (en) * | 2010-12-15 | 2016-08-23 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Detecting heart failure by monitoring the time sequence of physiological changes |
US8639316B2 (en) | 2011-03-17 | 2014-01-28 | Medtronic, Inc. | Method and apparatus for noise rejection in atrial arrhythmia detection |
US8977350B2 (en) * | 2011-03-17 | 2015-03-10 | Medtronic, Inc. | Methods for ectopy rejection for atrial fibrillation detection based on ventricular cycle lengths |
US9750862B2 (en) | 2011-04-29 | 2017-09-05 | Medtronic, Inc. | Adaptive system for blood fluid removal |
US9456755B2 (en) | 2011-04-29 | 2016-10-04 | Medtronic, Inc. | Method and device to monitor patients with kidney disease |
US9848778B2 (en) | 2011-04-29 | 2017-12-26 | Medtronic, Inc. | Method and device to monitor patients with kidney disease |
CN105848581B (zh) | 2013-11-04 | 2019-01-01 | 美敦力公司 | 用于管理身体中的体液体积的方法和装置 |
WO2015081221A1 (en) | 2013-11-27 | 2015-06-04 | Medtronic, Inc. | Precision dialysis monitoring and synchonization system |
US10219718B2 (en) | 2014-10-22 | 2019-03-05 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia episode detection in a cardiac medical device |
US9717437B2 (en) | 2014-10-22 | 2017-08-01 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia detection during intermittent instances of ventricular pacing in a cardiac medical device |
WO2016064964A1 (en) | 2014-10-22 | 2016-04-28 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia episode detection in a cardiac medical device |
US10004418B2 (en) | 2015-01-23 | 2018-06-26 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia episode detection in a cardiac medical device |
US10213125B2 (en) | 2015-01-23 | 2019-02-26 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia episode detection in a cardiac medical device |
CN107205657B (zh) | 2015-01-23 | 2021-06-01 | 美敦力公司 | 心脏医疗设备中的房性心律失常发作检测 |
US9486155B2 (en) | 2015-02-18 | 2016-11-08 | Medtronic, Inc. | Method and apparatus for atrial arrhythmia episode detection |
US9901276B2 (en) | 2015-02-18 | 2018-02-27 | Medtronic, Inc. | Method and apparatus for identifying sick sinus syndrome in an implantable cardiac monitoring device |
US20170112390A1 (en) | 2015-10-22 | 2017-04-27 | Medtronic, Inc. | Atrial arrythmia detection using a pressure signal in an implantable medical device and medical system |
US10335534B2 (en) | 2015-11-06 | 2019-07-02 | Medtronic, Inc. | Dialysis prescription optimization for decreased arrhythmias |
US10413207B2 (en) | 2016-03-25 | 2019-09-17 | Medtronic, Inc. | Method and apparatus for verifying bradycardia/asystole episodes via detection of under-sensed events |
US10039469B2 (en) | 2016-03-30 | 2018-08-07 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia episode detection in a cardiac medical device |
US10045710B2 (en) | 2016-03-30 | 2018-08-14 | Medtronic, Inc. | Atrial arrhythmia episode detection in a cardiac medical device |
EP3435847A1 (en) | 2016-04-01 | 2019-02-06 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Alert management for physiological event detection |
US10994064B2 (en) | 2016-08-10 | 2021-05-04 | Medtronic, Inc. | Peritoneal dialysate flow path sensing |
US10874790B2 (en) | 2016-08-10 | 2020-12-29 | Medtronic, Inc. | Peritoneal dialysis intracycle osmotic agent adjustment |
US10368769B2 (en) | 2016-07-27 | 2019-08-06 | Medtronic, Inc. | Automatic thresholds for atrial tachyarrhythmia detection in an implantable medical device |
US11013843B2 (en) | 2016-09-09 | 2021-05-25 | Medtronic, Inc. | Peritoneal dialysis fluid testing system |
CN109843166B (zh) * | 2016-10-18 | 2022-05-24 | 心脏起搏器股份公司 | 用于心律失常检测的系统 |
CN110573068B (zh) * | 2017-03-07 | 2023-01-03 | 心脏起搏器股份公司 | 用于房性心律失常检测的系统和方法 |
EP3746176B1 (en) * | 2018-02-01 | 2023-03-01 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Systems for presenting arrhythmia episodes |
US11160481B2 (en) * | 2018-08-22 | 2021-11-02 | Biosense Webster (Israel) Ltd. | Atrial fibrillation mapping using atrial fibrillation cycle length (AFCL) gradients |
US11123005B2 (en) | 2018-11-12 | 2021-09-21 | Medtronic, Inc | Method and apparatus for atrial tachyarrhythmia detection |
US11806457B2 (en) | 2018-11-16 | 2023-11-07 | Mozarc Medical Us Llc | Peritoneal dialysis adequacy meaurements |
US11806456B2 (en) | 2018-12-10 | 2023-11-07 | Mozarc Medical Us Llc | Precision peritoneal dialysis therapy based on dialysis adequacy measurements |
US11517268B2 (en) * | 2019-01-30 | 2022-12-06 | Pacesetter, Inc. | Method and device for detecting premature ventricular contractions based on beat distribution characteristics |
US11559242B2 (en) | 2020-01-30 | 2023-01-24 | Pacesetter, Inc. | Methods and systems for distinguishing over-sensed R-R intervals from true R-R intervals |
US11647940B2 (en) * | 2020-05-04 | 2023-05-16 | Pacesetter, Inc | R-R interval pattern recognition for use in arrhythmia discrimination |
US11766207B2 (en) | 2020-06-01 | 2023-09-26 | Pacesetter, Inc. | Methods, devices and systems for improving R-wave detection and arrhtymia detection accuracy |
US20210369176A1 (en) * | 2020-06-02 | 2021-12-02 | Pacesetter, Inc. | Methods, devices and systems for identifying false r-r intervals and false arrhythmia detections due to r-wave undersensing or intermittent av conduction block |
US20220386930A1 (en) * | 2021-06-04 | 2022-12-08 | Medtronic, Inc. | Detection of atrial tachycardia based on regularity of cardiac rhythm |
US11850344B2 (en) | 2021-08-11 | 2023-12-26 | Mozarc Medical Us Llc | Gas bubble sensor |
US11965763B2 (en) | 2021-11-12 | 2024-04-23 | Mozarc Medical Us Llc | Determining fluid flow across rotary pump |
US11944733B2 (en) | 2021-11-18 | 2024-04-02 | Mozarc Medical Us Llc | Sodium and bicarbonate control |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4587970A (en) * | 1985-01-22 | 1986-05-13 | Telectronics N.V. | Tachycardia reversion pacer |
US5330504A (en) * | 1992-03-16 | 1994-07-19 | Telectronics Pacing Systems, Inc. | Cardioverting defibrillating device with off-line ECG analysis |
WO1998002209A2 (en) | 1996-07-11 | 1998-01-22 | Medtronic, Inc. | Minimally invasive implantable device for monitoring physiologic events |
US5836971A (en) * | 1997-02-26 | 1998-11-17 | Pacesetter, Inc. | Dynamic rezoning of a tiered therapy inplantable cardioverter defibrillator/pacemaker (ICD) device |
ATE362729T1 (de) | 2000-09-20 | 2007-06-15 | Univ Mcgill | Verfahren und system zur ermittlung von herzarrhythmie |
EP1339453B1 (en) | 2000-11-28 | 2004-04-14 | Medtronic, Inc. | Apparatus for discrimination of atrial fibrillation using ventricular rate detection |
US7248921B2 (en) * | 2003-06-02 | 2007-07-24 | Cameron Health, Inc. | Method and devices for performing cardiac waveform appraisal |
US7146206B2 (en) * | 2002-03-20 | 2006-12-05 | Medtronic, Inc. | Detection of cardiac arrhythmia using mathematical representation of standard ΔRR probability density histograms |
US7031765B2 (en) * | 2002-11-11 | 2006-04-18 | Medtronic, Inc | Algorithms for detecting atrial arrhythmias from discriminatory signatures of ventricular cycle lengths |
-
2005
- 2005-12-29 US US11/321,541 patent/US7537569B2/en active Active
-
2006
- 2006-04-24 CA CA002605511A patent/CA2605511A1/en not_active Abandoned
- 2006-04-24 JP JP2008509007A patent/JP2008539015A/ja active Pending
- 2006-04-24 WO PCT/US2006/015478 patent/WO2006118852A2/en active Application Filing
- 2006-04-24 EP EP06751260A patent/EP1883346A2/en not_active Withdrawn
- 2006-04-27 WO PCT/US2006/016300 patent/WO2009091348A1/en unknown
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011509706A (ja) * | 2008-01-14 | 2011-03-31 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 心房細動監視 |
JP2017527356A (ja) * | 2014-08-14 | 2017-09-21 | カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド | 心拍数変動を用いた心房細動の検出 |
US11051746B2 (en) | 2014-08-14 | 2021-07-06 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Atrial fibrillation detection using ventricular rate variability |
US10542902B2 (en) | 2015-04-02 | 2020-01-28 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Atrial fibrillation detection |
US10617320B2 (en) | 2015-07-30 | 2020-04-14 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Method to trigger an atrial fibrillation electrogram in an implantable device that detects R-waves |
US10485442B2 (en) | 2015-11-06 | 2019-11-26 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Method and apparatus for enhancing ventricular based atrial fibrillation detection using atrial activity |
JP2019514635A (ja) * | 2016-03-28 | 2019-06-06 | ジェンドゥ・イノベイションズ・プライベイト・リミテッドJendo Innovations (Pvt) Ltd | 血管系の健康を監視するためのシステムおよび方法 |
JP7045084B2 (ja) | 2016-03-28 | 2022-03-31 | ジェンドゥ・イノベイションズ・プライベイト・リミテッド | 血管系の健康を監視するためのシステムおよび方法 |
US10881317B2 (en) | 2017-03-07 | 2021-01-05 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Post-hoc atrial fibrillation detection |
JP2018158010A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | 学校法人慶應義塾 | 心拍検出システム、心拍検出方法 |
US11207536B2 (en) | 2019-01-09 | 2021-12-28 | Cardiac Pacemakers, Inc. | Method and apparatus for enhancing atrial fibrillation detection |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2006118852A2 (en) | 2006-11-09 |
EP1883346A2 (en) | 2008-02-06 |
WO2009091348A1 (en) | 2009-07-23 |
US7537569B2 (en) | 2009-05-26 |
WO2006118852A3 (en) | 2007-08-23 |
CA2605511A1 (en) | 2006-11-09 |
US20060247548A1 (en) | 2006-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008539015A (ja) | 周期長を使用して頻脈性不整脈を検出する医療デバイス | |
JP2008539017A (ja) | 不整脈を検出することが可能な医療デバイス | |
EP2944251B1 (en) | Method, apparatus and computer-readable medium for confidence level determination of ambulatory hr algorithm based on a three-way rhythm classifier | |
US8977350B2 (en) | Methods for ectopy rejection for atrial fibrillation detection based on ventricular cycle lengths | |
US10098561B2 (en) | Method and apparatus for detection of heartbeat characteristics | |
EP1706031B1 (en) | Cardiac monitoring | |
JP6603324B2 (ja) | 埋込型心臓モニタリング装置において洞不全症候群を識別するための装置 | |
US7657307B2 (en) | Method of and apparatus for classifying arrhythmias using scatter plot analysis | |
JP5090924B2 (ja) | T波交代性を検出し、監視するシステム | |
US9724007B2 (en) | System and method for detecting a characteristic in an ECG waveform | |
US8483808B2 (en) | Methods and systems for characterizing cardiac signal morphology using K-fit analysis | |
Sanamdikar et al. | A literature review on arrhythmia analysis of ECG signal | |
WO2009124187A1 (en) | A cardiac condition detection system | |
EP4272634A1 (en) | Parameter determination method, parameter determination apparatus, storage medium and electronic device | |
Alcaraz et al. | The contribution of nonlinear methods in the understanding of atrial fibrillation | |
Igel et al. | Automated ventricular tachyarrhythmia recognition: A combination of cycle length and nonlinear dynamics measurements |