JP2008538087A - 血液分離において使用するための結合繊維構造体 - Google Patents
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Abstract
血液成分の分離において使用するためのバリア部材を提供する。バリア部材は、離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性の流体透過性本体を具備しており、前記複数の繊維は、流体入口表面から流体出口表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定し、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、少なくとも1種の血液成分の通過を可能にする一方、第2血液成分の通過を妨げるように構成されている。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
この出願は、その全体が参照によりここに組み込まれる、2005年3月22日に提出された「エラストマー二成分繊維及びこれらから形成された結合繊維構造体」という名称の米国特許仮出願第60/664,032号に基づく優先権を主張する。また、この出願は、その全体が参照によりここに組み込まれる、代理人事件整理番号第61633.001139の下で、2006年3月14日に提出された米国出願第号に関する。
発明の背景
本発明は、一般には、血液分離の用途において使用するためのバリアを対象としている。より詳細には、本発明は、血液分離の用途において使用するための、結合繊維構造体から形成されたバリアを対象としている。
本発明は、一般には、血液分離の用途において使用するためのバリアを対象としている。より詳細には、本発明は、血液分離の用途において使用するための、結合繊維構造体から形成されたバリアを対象としている。
血液は、数種の成分から構成されており、「固体」血液成分、例えば赤血球、白血球及び血小板と、血漿又は血清とを含んでいる。血漿は、固体血液成分が懸濁されるところの血液の液体成分を示すのに使用される用語である。血漿は、一般には、その全体が液体成分を示す一方、血清は、凝固因子(例えば、フィブリン)が除去されたときに液体成分を示す。議論を簡単にするために、「血漿」を、血漿又は血清のどちらを示すのにも使用する。
血液を固体成分と血漿とに分離することは、非常に重要である。血漿は、様々な実験室試験にとって有用であり、また、疾病、例えば破傷風、狂犬病、麻疹、風疹及びB型肝炎を治療するため及びこれらを防ぐための製品を製造するのにも使用され得る。また、血漿は、病気、例えば血友病及び免疫系不全の治療においても使用され得る。また、血漿由来のタンパク質であるアルブミンは、外傷性の障害、例えばショック及び重症の火傷の治療においても使用される。また、血漿は、コレステロール、脂質、血糖及びグリコーゲン、幅広い種類のタンパク質の試験を含む様々な診断用の検体と、他の興味の対象となる検体との重要な供給源でもある。
血漿は、人工的な手段によっては、製造することができない。従って、血漿を単離すべく、血液をその個々の成分に効果的及び効率的に分離する必要性がある。
遠心分離により、血液をその構成成分に分離することができる。遠心分離は、血液の様々な固体成分を分離させる。遠心分離機は、一般には、遠心作用を用い、遠心チューブ内の血液試料を回転させて、より重い(密度が高い/比重が高い)固体血液成分を遠心チューブの一端に移動させる一方、より軽い(密度が低い/比重が低い)血漿を他端に移動させる。その結果、固体血液成分リッチの相はチューブの一端に位置し、血漿リッチの相は他端に位置することとなる。
しかしながら、遠心分離機の加速力が停止すると、これら成分は再び混ざり合いやすい。それゆえに、血液の固体成分からの血漿の分離状態を維持するための何らかのバリアが必要である。このようなバリアを提供することにおける困難性は、試料の完全な状態を維持しながらそれを設けねばならないことにある。これは、一般には、血液成分を分離した後には、試料容器を開放して他の物質を導入させることはできないことを意味する。その他の難点は、分離中及び分離後の赤血球に対する損傷(溶血)のおそれに由来する。
この困難性を克服するのに使用されてきた1つの方法は、分離しようとする複数の物質の比重の中間の比重、例えば血液血漿の比重と赤血球の比重との中間の比重を有するバリアゲルを、試料容器に導入するものである。遠心分離を受けて赤血球が血漿から分離される際、このゲルは、赤血球と血漿との間に層を形成し、それらの分離状態を維持する。このシステムは、今日、採血管において広く使用されているが、いくつか重大な問題を有している。例えば、滅菌後、このゲルに気泡が発生する傾向がある。これは、血球と血漿との交差汚染をもたらし得、結果として、診断分析の誤りをもたらし得る。
上述のアプローチの変形が、血清分離チューブ(SST)において使用されている。これらチューブは、一般には、上記したのと同様のゲルと共に、凝固を促進するための不活性触媒(例えば、ガラスのビーズ又は粉末)を含んでいる。遠心分離中、不活性触媒は血小板及び他の凝固成分を凝固させ、また、ゲルは固形成分(凝固因子を含む)と血清との間に位置をとる。
これら従来技術のシステムは、一般には、効果と使用方法との両方が限定されている。例えば、上で述べたように、ゲルシステムの使用は、交差汚染をもたらし得る、滅菌後のゲルにおける気泡の形成又は他の欠陥によって妨害され得る。同様の欠点がSSTに存在する。さらに、これら従来技術のシステムは、血液をそれのそれぞれの構成成分に効果的に分離するための遠心分離プロセスにのみ依存している。遠心分離が不完全ならば、ゲルは、血球と血清との間に必要なバリアを形成しないであろう。
従って、血液分離デバイスにおける使用のための、信頼のおける、有効なバリアが必要である。
発明の概要
本発明の側面は、血液成分の分離において使用するためのバリア部材を含む。このバリア部材は、離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性(self-sustaining)の流体透過性本体を具備しており、前記複数の繊維は、流体入口表面から流体出口表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定し、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、少なくとも1種の血液成分の通過を可能にする一方、第2血液成分の通過を妨げるように構成されている。
本発明の側面は、血液成分の分離において使用するためのバリア部材を含む。このバリア部材は、離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性(self-sustaining)の流体透過性本体を具備しており、前記複数の繊維は、流体入口表面から流体出口表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定し、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、少なくとも1種の血液成分の通過を可能にする一方、第2血液成分の通過を妨げるように構成されている。
上述の概要及び以下の詳細な説明は、単に例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載された発明を制限するものではない。添付の図面は、本発明の明細書、例示的ないくつかの実施形態の一部を構成するものであり、詳細な説明と併せて、本発明の原理を説明するのに役立つ。
本発明の理解を補助するために、添付の図面を参照する。ここでは、同じ参照符号は同じ部分要素を指している。図面は、単に例示的なものであり、本発明を限定するように解釈されるべきでない。
発明の詳細な説明
ここで、本発明の実施形態を詳細に説明する。これらの例は添付の図面に図示されている。
ここで、本発明の実施形態を詳細に説明する。これらの例は添付の図面に図示されている。
ここで使用される「血液」は、未分離の状態で、血漿、赤血球、白血球、及び血小板から構成されている血液を意味する。
ここで使用される「血液成分」は、固体の血液成分と血漿との両方を意味する。
ここで使用される「血漿」は、血液の固体成分が懸濁されているところの血液の液体成分を意味し、凝固因子を含まないもの及び含むものの両方を意味する。それゆえ、「血漿」は、血清と見なされるものをも意味する。
ここで使用される「固体成分」又は「固体血液成分」は、赤血球、白血球及び血小板を指す。
上で述べたように、血液成分の分離のためのバリアを提供することにおける主な困難は、血漿試料の汚染を避ける必要性にある。この制約は、一般には、血液を容器内に導入する前に、バリアが収集バイル(collection vile)内又は他の容器内にあることを必要とする。結果として、バリア又はバリア材料は、分離プロセス中に、1種以上の血液成分にバリアを通過させること又は1種以上の血液成分をバリアの周りに流すことを可能にすることと、一旦分離プロセスが完了したらこれら成分の通過を妨げることとが可能でなければならない。
本発明は、このバリアの問題を、或る条件下では或る血液成分の通過を可能にし、他の条件下ではこの血液成分のいくらか又は全ての通過を妨げるように特別に作られた三次元の流体透過性結合繊維構造体を用いることによって解決する。
ポリマー繊維から形成された多孔質の結合構造体は、濾過及び流体処理の用途における利点を以前から示してきている。このような構造体及びそれらの製造は、米国特許第5607766号、第5620641号、第5633082号、第6103181号、第6330883号及び米国特許第6840692号に詳細に記載されており、これら各々は、その全体が参照によりここに組み込まれる。手短に要約すると、結合繊維構造体は、典型的には、自己支持性の三次元構造体を形成すべく、離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維からなるウェブ又はトウから形成される。これら構造体は、複数の曲がりくねった流路からなる複雑な内部ネットワークを有し、このネットワークを通して、流体が押し通され得るし、取り出され得るし又は吐出され得る。流体によって運ばれる粒子はこれら流路を通り抜けることができないために、それらは優れた濾過デバイスを作る。
以下でより詳細に論じるように、結合繊維構造体は、幅広い種類の繊維材料及びタイプから形成され得、特定の構造的特徴を有するように作られ得る。血液分離の問題に関する特別な関心は、或る繊維材料から形成された結合繊維構造体の空隙率及び比重を調製する能力である。
2つのタイプの結合繊維部材を使用して先の血液分離問題を解決し得ることが見出された。第1のタイプは、特定の条件下(例えば、遠心作用下)では全ての血液成分が結合繊維部材を通り抜けられるが、他の条件下(例えば、遠心作用を取り除いた1g(標準重力)条件)では結合濾過部材が1種以上の固体血液成分、例えば赤血球の通過を防ぐように、結合繊維構造体を構築することを含む。第2タイプは、或る血液成分は部材を通り抜けられるが、その他の成分は通り抜けられないように、部材を構築することを含む。
両方のタイプの結合繊維バリア部材を、より詳細に説明する。図1A−1Dを参照すると、結合繊維バリア部材100は、十分な流れポテンシャル(flow potential)が存在する際には、曲がりくねった複数の隙間流路が全ての血液成分の通過を可能にするように形成されている。しかしながら、この流れポテンシャルが取り除かれているときには、バリア部材100は、バリア部材100の流路を通り抜けるには大き過ぎる及び/又は多量すぎる固体血液成分の通過を妨げる。
いくつかの実施形態では、固体血液成分はバリア100を通り抜けるのを妨げられ得る一方、血漿は通り抜け得る。血液成分にバリア100を通り抜けるのを可能にする特定の条件は、遠心分離中に受ける条件を含み得る。当業者に理解されるように、血液の容器の遠心分離は、回転の中心に向けての向心加速度を生じさせる。これは、複数の血液物質を、それらの比重に応じて分離させる。成分間の比重の違いは、一方の成分の他方に対する流れポテンシャルを生じさせる。分離の際、より低密度の血液成分は、回転中心の方向に移動する傾向がある。より高密度の血液成分は、回転中心から遠ざかる傾向にある。
図1A−図1Dは、結合繊維バリア部材100の働きを示している。図1Aに図示したように、血漿11(円で模式的に示している)と固体血液成分12(十字で模式的に示している)とを含んでいる未分離の血液10は、最初、t0では、バリア100の片側に置かれている。バリア100は、未分離の血液と接触する第1表面101と反対側の第2表面102とを有する。バリア部材100の結合繊維構造体は、最初の1g条件下では、未分離の血液10がバリア100を通り抜けるのを阻止するように構築されている。
図1Bを参照すると、時間t1では、遠心分離が始まっている。遠心分離の際、血漿11及び固体成分12が分離し始め、これら成分間の相対的な流れポテンシャルが、それらの比重の差に応じて生ずる。これは、固体成分12を容器の一方の側に向けて移動させ且つ血漿11を容器の他方の側に向けて移動させる。この流れポテンシャルは、十分な抵抗がない場合に固体成分をバリア部材100に押し込んで通す正味の力を固体成分に提供する。結合繊維バリア部材100は、この流れポテンシャルを受けて、固体成分12が結合繊維部材100の内部流路に入り且つ通り抜けるのを可能にされるように構成されている。
時間t2では、まだ遠心分離の最中ではあるが、図1Cに図示したように、血液は完全に血漿11と固体血液成分12とに分離されている。血液が完全に分離している場合には、これら成分間の相対的な流れポテンシャルはもう存在していない。流れポテンシャルは、遠心分離が停止する前に、分離の完了によってなくなり得ることが理解されるであろう。しかしながら、血液成分が完全に分離されていない状態で遠心分離が停止される場合には、血液成分を分離する力(すなわち、遠心分離)及びそれにより流れポテンシャルをもたらす力が停止して、バリア100の血漿側に残る固体成分12は、バリア100を通り抜けないであろう。
図1Dに示したように、遠心分離が時間tFで停止した際、初期条件に再び戻る。これらの条件下では、固体血液成分12にバリア100を通り抜けさせるのに十分な流れポテンシャル又は他の推進力は存在しない。かくして、バリア100は、血漿11と固体血液成分12との分離を維持する。
結合繊維部材100は、血漿が、遠心分離の下で受けるものよりも小さい力を受けて、バリア100を通り抜けるように形成され得る。いくつかの実施形態において、血漿は、1g条件下でも、バリア部材100を通り抜け得る。このような実施形態では、血液分離容器内部でのバリア部材100の相対的な配置は、他の成分からの血漿の分離を維持するのを補助し得る。血液は既知の割合の固体成分12及び血漿11である。一般には、血液は、約55%の血漿11と45%の固体成分12とから構成されている。血液の体積が分かれば、固体成分12及び血漿11の体積が分かる。従って、容器の容積が分かっており、容器に添加される血液の体積が分かっていれば、血漿11と固体血液成分12との間の境界線が決定され得る。この場所でのバリア部材100の設置は、血漿11が流れ込むであろうところの体積が分離後には固体血液成分12で満たされているので、血漿11の通過を妨ぐであろう。課させられた条件の下では固体血液成分12はバリア部材100を通り抜けて戻ることはできないため、これら固体血液成分12は血漿11と置き換わり得ない。
本発明のいくつかの実施形態に従ったバリア100の特定の使用では、バリア100と血液とが、容器内に設置され得る。バリア100は、容器内の特定の位置か、血漿11と固体血液成分12との間の境界点の所定の位置か、又は、先の境界点の大まかな位置に設置され得る。血液が遠心分離される際、血液は血漿11と固体血液成分12とに分離され得る。固体血液成分12はバリア100を通って容器の一端に移動し得るし、血漿11は他端に移動し得る。バリア100はこの境界線に設置されているため、それは、一旦遠心分離が停止した際の複数の血液成分の再混合を防ぐ。
上の例では、未分離の血液10は、最初、バリア部材100の片側のみに置かれる。しかしながら、これがそうである必要はないことは理解されるであろう。バリア部材は全ての血液成分がそれを通り抜けられるように構成されているので、未分離の血液は、最初、バリア100のどちらか片側に在っても良いし、又は、バリア100の両側に在っても良い。バリア部材100の両側に在る未分離の血液を用いて遠心分離が開始されるシナリオでは、構成成分の分離は、バリア部材の両側で起きるであろう。向心加速度を継続的にかけることで、血漿はバリア部材を1つの方向に通り抜け、赤血球はバリア部材を他方の方向に通り抜ける。最終的には、まさに前もって記載したシナリオにあるように、2つの成分は、バリアを挟んだ両側に行き着くだろう。
典型的には、第1タイプのバリア部材は、1g条件下ではバリア部材を通しての血球の通過を妨げるが、典型的な遠心条件下では赤血球の通過を可能にするように、70乃至92%の範囲にある空隙率(すなわち、全体の体積に対する空隙の体積比率)を提供するように形成される。これらバリア部材を製造するのに使用される平均繊維径は、典型的には、5乃至20ミクロンである。
第2タイプの結合繊維バリア部材は、或る血液成分はこの部材を通り抜けられるが、その他の成分は通り抜けられないように部材を構築することを含む。ここで、図2A−2Dを参照して、第2タイプの結合繊維バリア部材200をより詳細に論ずる。結合繊維バリア部材200は、所定の条件下で、1種以上の血液成分がこの結合繊維部材を通り抜けることを可能にする一方、同じ条件下で、他の成分の通過を妨げるように構成されている。特別な実施形態では、バリア部材200は、例えば遠心分離の条件下では、血漿11が通り抜けるのを可能にする一方、固体血液成分12の通過を妨げるように構成され得る。結合繊維部材200は、第1表面201と反対側の第2表面202を有し、流体がこれらを通り抜け得る。
図2Aを参照すると、時間t0では、血液が、バリア部材200の片側で、容器内に導入されている。第1タイプの濾過部材について上で説明したシナリオとは異なり、この場合では、血液は、遠心分離から生ずるであろう加速度の方向とは反対側である、バリア部材の片側に導入されねばならない。t1では、図2Bに示したように、血液にその構成成分への分離を開始させる向心加速度acが生じる。上で論じたように、これは、血漿11を加速度ベクトルの方向に移動させ且つ固体血液成分12をそれとは反対の方向に移動させる、相対的な流れポテンシャルも生じさせる。バリア部材200は、血漿成分11がバリア200を通り抜けるのを可能にするように構成されている。論じられるように、結合繊維バリア部材200は、遠心分離により生ずる同様の相対的流れポテンシャルに応答してそれが移動し得るように、形成され且つ配置され得る。これは、血漿11が固体血液成分12から分離するので、バリア部材が血漿11との流体連通を維持することを確実にする。
図2Cを参照すると、時間t2では、血液は完全に分離されており、バリア部材200は、血漿11と固体成分12との中間に位置している。この時点で、血漿11と固体成分とでの流れポテンシャルは、たとえ遠心分離が停止されていなくても、ゼロに戻っている。tFでは、図2Dに示すように、遠心分離が停止され、システムは初期条件に戻る。
本発明のいくつかの実施形態では、バリア200は、血液を収容する容器内を移動するように設計され得る。これら実施形態では、バリア部材200は、血漿11と固体成分12との中間の比重を持つように設計され得る。結果として、遠心分離の間、バリア200は、血漿11と固体成分12との間の位置を取り得る。固体成分12は、バリア200を通り抜けられないので、遠心分離が停止された際、固体成分12はバリア200によって拘束され得る。
典型的に、第2タイプのバリア部材は、典型的な遠心分離条件下において血漿の通過を自由に可能にする一方で、赤血球の通過を常に妨げるべく、30乃至70%の範囲にある空隙率を提供するように形成されている。これらバリア部材を製造するのに使用される平均繊維径は、典型的には、5乃至20ミクロンの範囲にある。
本発明のバリア部材は、離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維から形成された、多孔性の三次元の自己支持性の結合繊維構造体を含んでいる。
多くのタイプの繊維が結合繊維構造体を作るのに使用されてきた。しかしながら、血液分離の用途における使用のための結合繊維構造体は、特別な特徴を有する結合繊維構造体を必要とする。結合繊維構造体は、或る状況下ではこの構造体を通しての固体血液成分の通過を妨げ且つ、いくつかの実施形態において、他の条件下ではこれら成分の通過を可能にするのに十分小さい孔径を提供する密度を持つように構成されねばならない。更には、結合繊維構造体は、赤血球の溶血を防ぐように形成されなければならない。加えて、これら繊維は、実質的に疎水性であり得て、良好な生体適合性及び熱安定性を示すべきである。
本発明のバリア部材を形成するのに使用される繊維は、単一成分繊維又は多成分繊維であり得る。ここで使用される用語「多成分」は、互いに異なる特徴及び/又は互いに異なる化学的性質を有する複数のポリマー材料から一体的に形成された、2種以上の異なる構成成分を有する繊維を指す。二成分繊維は、2種の異なるポリマー成分を有する多成分繊維である。多成分繊維の一体形成されたポリマー成分が、押出成形又は吐出成形された後に繊維に接着され得るコーティング又は材料層と区別できることは当業者に理解されるであろう。本発明の特別な実施形態では、繊維ネットワークは、芯鞘型の多成分繊維を含み得る。
本発明の結合繊維バリア部材は、使用される繊維の種類及び形態並びに最終構造体の所望される性質に応じて、任意の様々な形成方法を使用して形成され得る。形成プロセスに投入される繊維材料は、束にされた個別フィラメント(bundled individual filaments)、トウ、ロービング、ウェブ又は軽く結合された(lightly bonded)不織布シートの形態であり得る。繊維は、連続形成プロセス中に、機械的に捲縮され得るか、又は、自己捲縮が誘導され得る(例えば、繊維を引伸ばし、その後、弛緩させることによって)ように構築され得る。また、繊維は、メルトブローを受け得るか又はスパンボンドプロセスにより形成され得る。特に、メルトブローなどのプロセスは、生物学的用途において使用される繊維に対する潜在的汚染源を取り除く、表面処理のない繊維の製造を可能にする。
特別な実施形態において、本発明の実施形態に従う濾過部材を形成するのに使用される繊維は、以下の形態で提供され得る:
繊維ネットワークの絡み合いと不均質性を高めるために形成前に捲縮され得る、束にされた個別多成分フィラメント;
芯鞘配置が非中心性であり(それによりそれら自身捲縮する)、捲縮を誘導するために形成前に引伸ばし及び/又は弛緩がなされ得る、束にされた個別芯鞘型二成分フィラメント;
形成前に捲縮され得る多成分繊維のトウ;
形成前に捲縮され且つ可塑剤で処理され得る、単一成分繊維のトウ;
ロービング又は軽く結合された不織布シートへと加工された、多成分ステープルファイバ;
形成前に可塑剤で処理され且つロービング又は軽く結合された不織布シートへと加工された、単一成分ステープルファイバ;
メルトスパンされた又はメルトブローされた多成分繊維のウェブ;及び
メルトブローされた繊維の二峰性(bimodal)ウェブ。
繊維ネットワークの絡み合いと不均質性を高めるために形成前に捲縮され得る、束にされた個別多成分フィラメント;
芯鞘配置が非中心性であり(それによりそれら自身捲縮する)、捲縮を誘導するために形成前に引伸ばし及び/又は弛緩がなされ得る、束にされた個別芯鞘型二成分フィラメント;
形成前に捲縮され得る多成分繊維のトウ;
形成前に捲縮され且つ可塑剤で処理され得る、単一成分繊維のトウ;
ロービング又は軽く結合された不織布シートへと加工された、多成分ステープルファイバ;
形成前に可塑剤で処理され且つロービング又は軽く結合された不織布シートへと加工された、単一成分ステープルファイバ;
メルトスパンされた又はメルトブローされた多成分繊維のウェブ;及び
メルトブローされた繊維の二峰性(bimodal)ウェブ。
上述の繊維材料は、任意のいくつかの連続結合プロセスを用いて、結合繊維構造体にされ得る。結合可能な繊維成分を含む繊維材料と共に使用するための典型的な形成プロセスは、繊維材料を加熱ゾーンを通して引き出して、結合可能材料を軟化させる又は溶融させることを含む。加熱領域は、互いの接点での繊維の結合を容易にするために、繊維材料を所望の温度、典型的には少なくとも1種の繊維成分の溶融温度又は軟化温度を超える温度まで加熱する様々な機構を含み得る。加熱領域の加熱機構は、例えば、放射熱、熱風又はスチームの供給源を含み得る。加熱機構は、オーブンか、又は、いくつかの実施形態においては、加熱機構として役立つだけでなく、繊維材料を所定の断面積にする加熱した金型を含み得る。一旦結合が為されたら、繊維材料は、加熱領域で生じた結合を固定すべく、冷却領域に通され得、それにより、自己支持性の結合繊維構造体を製造する。
上述の技術は、前に記載したどちらのタイプの結合繊維バリア部材を製造するのにも使用され得る。結合繊維バリア部材は、好ましくは、遠心分離をかけた際に、全ての血液成分が無傷のままであるように構成されることが理解されるであろう。これは、バリア部材に接触する及び/又はバリア部材を通り抜けるに違いない赤血球の溶血のおそれに関する特別な関心事である。
発明者らは、繊維材料と結合繊維部材の流れ特性との或る組み合わせは、分離性能と溶血を起さないこととの所望の組み合わせを提供するということを見出した。適切な性能を示した1つの繊維のカテゴリーは、低密度ポリエチレン(LDPE)鞘材料を有する芯鞘型の二成分繊維のカテゴリーである。他の鞘材料(非エラストマー)は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートを含むポリエステル;エチレン酢酸ビニル、又はエチレンアクリル酸メチルのポリマー;ポリスチレン;これらに合わせて、前述したものの全てのコポリマー及び誘導体である。これら繊維は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6及びナイロン6,6から形成された芯を有し得る。特別な実施形態では、繊維は、LDPE鞘及びポリプロピレン芯を有する芯鞘型の二成分繊維である。体積比で、20:80乃至50:50の範囲の鞘と芯との比を有するこれら繊維が形成され得る。鞘材料は、一般には、疎水性であるべきであり、典型的には生物学系に適合するものであるべきである。
上述の繊維材料は、どちらのタイプのバリアデバイスにも使用され得る。しかしながら、第2タイプのデバイスにおけるそれらの使用は、典型的な血液分離容器の形状を原因とする欠点を有し得る。上で記載したように、図2A−図2Dに示されたタイプのバリア部材が使用される際、まず、未分離の血液が、チューブが遠心分離を受ける際に加速度ベクトルが向くチューブの一端に対し、バリアを挟んだ反対側に置かれねばならない。しかしながら、殆どの分離容器では、これは、血液を、閉じた又は永久に封止された容器の壁に接して置く。従って、血液を容器のこの部分へ導入する唯一の方法は、バリア部材に通すことである。
既に論じたように、第2のバリアタイプの重要な側面は、それの隙間の流路を通しての、例えば赤血球の通過を妨げるように形成されていることにある。従って、液体をこの領域に輸送するその他の手段が必要となる。
この問題の解決策は、エラストマー成分多成分(ECM)繊維、例えば、その全体が参照によりここに組み込まれる、代理人事件整理番号第61633.001139の、2006年3月14日に提出された同時継続の米国出願第号に記載された繊維の使用によって提供される。この出願に記載されたように、ECM繊維は、弾性結合繊維構造体を形成するのに使用することができる1種以上のエラストマー成分を有する、多成分の繊維である。ここで使用される用語「多成分繊維」は、互いに異なる特徴及び/又は互いに異なる化学的性質を有する複数のポリマー材料から形成された、2種以上の異なる成分を有する繊維を指す。二成分繊維は、多成分繊維の特別なタイプである。ここで使用される用語「二成分繊維」は、互いに異なる特徴及び/又は互いに異なる化学的性質を有する複数の高分子材料から一体的に形成された、2種以上の異なる成分を有する繊維を指す。二成分繊維の他の形態が考えられる場合、2種のポリマー成分が「サイド・バイ・サイド」又は「芯鞘」の関係にある、最も一般的なタイプが一体形成される。例えば、或るポリマーからなる芯と別のポリマーからなるコーティング又は鞘とを含んだ二成分繊維は、多くの用途に対して特に望ましい。というのは、大きく且つ強靭な繊維を提供する芯材料は比較的安価であり得る一方、より高価ではあるが独特な鞘材料の比較的薄い層が、特に、結合に関する独特の性質を有する繊維を提供し得るからである。
ここで使用される用語「エラストマー材料」は、実質的な変形と応力からの解放との後、それの最初の寸法及び形状に迅速に戻る高分子材料を指す。
ECM繊維から形成された結合繊維構造体の性質は、弾性又は部分弾性が必要とされる広い範囲の用途において利点を提供する。現在の血液分離バリア用途における特別な利点は、これら構造体が変形された後に元の状態に戻る傾向にあることである。より詳細には、これら構造体は、細い針状の物体が突き刺さった後、それらの元の形状を取り戻し得る。この独特な挙動は、ECM繊維のエラストマー成分によって形成された伸縮可能な結合から生ずる。元々或る空隙率を持つECM系の構造体は、構造体を通り抜ける流路の実効孔径よりもはるかに大きい径の針が突き刺さったときに、この空隙率を維持し得る、又は、この空隙率についてわずかな変化だけを受け得ることを見出した。例示的な実施形態では、ECM系結合繊維バリアは、0.5乃至1ミリメートル径の針が突き刺さったが、分離性能の著しい低下はなかった。0.0ミリメートル乃至2ミリメートル径又はそれを超える径の針を含む、より大きい又はより小さい径の針も考えられ得る。
ECM繊維から形成された血液分離バリアにおける使用のために選択される特別なエラストマー材料は、それの紡糸能力と、結合性と、この繊維から形成される結合繊維構造体に必要とされる弾力性の度合いと、結合繊維構造体の使用に関係する他の特徴とを含む様々な因子に依存し得る。特別なエラストマー材料は、例えば、それの相対的な疎水性に基づいて選択され得るか、又は、結合繊維構造体と相互作用することが予想される流体若しくは他の材料との適合性に基づいて選択され得る。さらに、血液分離バリアにおいて使用するための繊維は、一般に、血漿試料に影響を与えかねないタイプの上塗り又は塗布コーティングを何ら持ち得ない。
本発明のECM繊維の様々なエラストマー成分は、何らかの適切なエラストマー材料を含み得る。適切な熱可塑性エラストマーは、ポリウレタン、ポリエステルコポリマー、スチレンコポリマー、オレフィンコポリマー、又はこれら材料の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。より詳細には、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性尿素、エラストマー又はプラストマーポリプロピレン、スチレンブタジエンコポリマー、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ブタジエンアクリロニトリル、エラストマーブロックオレフィンコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンなど)、エラストマーブロックコポリエーテルポリアミド、エラストマーブロックコポリエステル及びエラストマーシリコンが使用され得る。
これらエラストマー材料の中で、熱可塑性ポリウレタンが、結合繊維構造体において使用するためのECM繊維を製造するのに特に適切であることがわかっている。ここで使用される用語「熱可塑性ポリウレタン」、すなわち「TPU」は、ソフト及びハードセグメントで構成される直鎖状セグメント化ブロックポリマーを包含しており、ここで、ハードセグメントは芳香族又は脂肪族のどちらかであり、ソフトセグメントは、直鎖状のポリエーテル又はポリエステルである。TPUを規定する化学物質は、短鎖ジオールと反応し直鎖ハードポリマーブロックを形成する、ジイソシアネートである。芳香族のハードセグメントブロックは、通常、芳香族ジイソシアネート系であり、最も一般的には、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)である。脂肪族ハードセグメントブロックは、通常、脂肪族ジイソシアネート系であり、最も一般的には、水素化MDI(H12MDI)である。一般的に使用される直鎖のポリエーテルのソフトセグメントブロックは、ポリ(ブチレンオキシド)ジオール、ポリ(エチレンオキシド)ジオール及びポリ(プロピレンオキシド)ジオール、又は、様々なグリコールの反応生成物を含む。一般的に使用される直鎖のポリエステルソフトセグメントブロックは、アジピン酸と短い炭素鎖のグリコールとの重縮合生成物を含む。ポリカプロラクトンが使用されても良い。熱可塑性ポリウレタンは、供給業者、例えば、DuPont(登録商標)社、Bayer(登録商標)社、Dow(登録商標)社、Noveon(登録商標)社、及びBASF(登録商標)社から商業的に入手可能である。
本発明のバリア部材において使用されるいくつかのECM繊維は、結晶性又は半結晶性ポリマーを含む繊維成分(例えば、芯鞘型ECM繊維の芯)を有し得る。このようなポリマーは、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、並びに、ナイロン6及びナイロン66などのポリアミドを含み得るが、これらに限定されない。
本発明のいくつかの実施形態では、繊維バリアは、ヘパリン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、又は、他の抗凝固剤を装填され得る又は含み得る。
以下の例で論じるように、結合ECB繊維バリア部材の特定の実施形態は、TPU鞘とポリプロピレン芯とを有する、芯鞘型繊維から形成され得る。その他の結合ECB繊維バリア部材は、エラストマーポリプロピレン鞘とポリプロピレン芯とを有する、芯鞘型繊維から形成され得る。
例
1)メルトブローされたPET/PBT芯鞘型繊維を使用するバリア
バリアとして使用するための結合繊維構造体の第1の例において、結合繊維構造体は、鞘材料としてのポリエチレンテレフタレート(PET)及び芯材料としてのポリブチレンテレフタレート(PBT)を有する、芯鞘型二成分繊維から形成されている。十分に小さい孔径を以って形成された場合、この構造体は、血球の通過を妨げることに成功することがわかった。さらに、メルトブローされたPET/PBT繊維構造体は、もともと疎水性であり、生体適合性であり、熱的に安定である。
1)メルトブローされたPET/PBT芯鞘型繊維を使用するバリア
バリアとして使用するための結合繊維構造体の第1の例において、結合繊維構造体は、鞘材料としてのポリエチレンテレフタレート(PET)及び芯材料としてのポリブチレンテレフタレート(PBT)を有する、芯鞘型二成分繊維から形成されている。十分に小さい孔径を以って形成された場合、この構造体は、血球の通過を妨げることに成功することがわかった。さらに、メルトブローされたPET/PBT繊維構造体は、もともと疎水性であり、生体適合性であり、熱的に安定である。
芯鞘型二成分繊維を、鞘材料及び芯材料として、Dupont(登録商標)社のCrystar(登録商標)PET4449と、Ticona(登録商標)社のCalanex(登録商標)PBT2000−3とを、それぞれ、30:70の鞘/芯体積比で使用して形成した。まず、PETを125℃で最短でも4時間かけて乾燥させ、PBTを120度で同じ時間かけて乾燥させた。これらポリマー材料を、270乃至300℃の温度範囲で溶融し且つ押出成形した。315℃の熱風を使用して、メルトブロースパンビーム(melt blown spin beam)から押出成形した繊維を取り出し且つ減毒した。次に、出来上がったウェブを、10〜15℃の温度の冷風を用いて急冷した。収集テーブルにて、所望の繊維サイズ(5〜15μm)を有する繊維ウェブの層を集め、スチーム金型に供給した。スチーム金型の温度を95〜105℃に制御し、この温度で鞘材料が溶融し且つ互いに融合して三次元の多孔性自己支持性ロッドを形成し、その後これを切断した。出来上がったディスク状のバリア構造体は、9.5mmの直径及び3mmの長さを有し、密度は0.18〜0.42g/ccの範囲にあり、空隙率は70乃至87%の範囲にあった。
2)低密度ポリエチレン(LDPE)/ポリプロピレン(PP)の芯鞘型繊維を使用するバリア
自己支持性の結合繊維構造体を、更に、メルトブローされた芯鞘型繊維から形成した。繊維を、鞘材料及び芯材料として、それぞれ、Equistar(登録商標)社のNA270 LDEPと、Atofina(登録商標)社のPP3860 PPとを使用して形成した。乾燥したLDPE鞘材料のPP芯材料に対する比は、体積比で、約35:65であった。これらLDPE鞘材料及びPP芯材料を、177℃乃至260℃の温度範囲で押出した。出来上がったウェブは、良好な大きさと柔らかさとを示した。スチーム結合を使用して、自己支持性の構造体を形成し、これを所望の長さに切断した。14マイクロメートルの平均径を有する繊維が製造された。0.12乃至0.15g/ccの範囲にある密度を有する結合繊維構造体が製造された。これら構造体は、82%乃至87%の範囲にある実効空隙率を示した。
自己支持性の結合繊維構造体を、更に、メルトブローされた芯鞘型繊維から形成した。繊維を、鞘材料及び芯材料として、それぞれ、Equistar(登録商標)社のNA270 LDEPと、Atofina(登録商標)社のPP3860 PPとを使用して形成した。乾燥したLDPE鞘材料のPP芯材料に対する比は、体積比で、約35:65であった。これらLDPE鞘材料及びPP芯材料を、177℃乃至260℃の温度範囲で押出した。出来上がったウェブは、良好な大きさと柔らかさとを示した。スチーム結合を使用して、自己支持性の構造体を形成し、これを所望の長さに切断した。14マイクロメートルの平均径を有する繊維が製造された。0.12乃至0.15g/ccの範囲にある密度を有する結合繊維構造体が製造された。これら構造体は、82%乃至87%の範囲にある実効空隙率を示した。
3)メルトブローされた熱可塑性ポリウレタン(TPU)/ポリプロピレン(PP)芯鞘型繊維を使用するバリア
自己支持性の結合繊維構造体を、更に、メルトブローされた芯鞘型のECM繊維から形成した。ECM繊維を、鞘材料及び芯材料として、それぞれ、Noveon(登録商標)社のEstane(登録商標)X4280 TPU及びAtofina(登録商標)社のPP3960 PPを使用して形成した。まず、TPUを4時間かけて60℃で乾燥させた。乾燥したTPU鞘材料のPP芯材料に対する比は、体積比で、約30:70であった。TPU鞘材料を218℃乃至240℃の温度範囲で押出成形し、芯の樹脂を177℃乃至199℃の温度範囲で押出成形し、繊維は168℃でダイチップを形成した。できあがったウェブは、良好な大きさと柔らかさとを示した。スチームボンドを使用して、自己支持性のロッドを形成し、これをその後切断した。5乃至15マイクロメートルの範囲にある繊維の大きさを用いて、直径が7.5mmの直径と、3mmの長さと、0.2乃至0.7g/ccの範囲にある密度とを有する結合繊維構造体を製造した。これら構造体は、42%乃至87%の範囲にある実効空隙率を示し、且つ、0.9mm径の針による貫通及び引き抜き後に、これら空隙率レベルに戻る能力を示した。
自己支持性の結合繊維構造体を、更に、メルトブローされた芯鞘型のECM繊維から形成した。ECM繊維を、鞘材料及び芯材料として、それぞれ、Noveon(登録商標)社のEstane(登録商標)X4280 TPU及びAtofina(登録商標)社のPP3960 PPを使用して形成した。まず、TPUを4時間かけて60℃で乾燥させた。乾燥したTPU鞘材料のPP芯材料に対する比は、体積比で、約30:70であった。TPU鞘材料を218℃乃至240℃の温度範囲で押出成形し、芯の樹脂を177℃乃至199℃の温度範囲で押出成形し、繊維は168℃でダイチップを形成した。できあがったウェブは、良好な大きさと柔らかさとを示した。スチームボンドを使用して、自己支持性のロッドを形成し、これをその後切断した。5乃至15マイクロメートルの範囲にある繊維の大きさを用いて、直径が7.5mmの直径と、3mmの長さと、0.2乃至0.7g/ccの範囲にある密度とを有する結合繊維構造体を製造した。これら構造体は、42%乃至87%の範囲にある実効空隙率を示し、且つ、0.9mm径の針による貫通及び引き抜き後に、これら空隙率レベルに戻る能力を示した。
4)メルトブローされたエラストマーポリプロピレン(EPP)/ポリプロピレン(PP)の芯鞘型繊維を使用するバリア
メルトブローされたエラストマー芯鞘型二成分繊維を、鞘材料及び芯材料として、それぞれ、ExxonMobile(登録商標)社のVistamaxx 2330 エチレンポリプロピレンコポリマーエラストマー(EPP)材料と、Atofina(登録商標)社のPP3960 PP材料を使用して形成した。Vistamaxx鞘材料のPP芯材料に対する比は、体積比で、30:70乃至50:50の範囲にあった。鞘及び芯の樹脂を、177〜260℃の温度で押出成型した。スチーム金型と空気金型との組み合わせを使用して、形成と結合とが為された。0.3〜0.7g/ccの範囲にある密度及び5〜15マイクロメートルの範囲にある繊維の大きさを有するバリア構造体を形成した。空隙率は、22乃至67%の範囲にあった。
メルトブローされたエラストマー芯鞘型二成分繊維を、鞘材料及び芯材料として、それぞれ、ExxonMobile(登録商標)社のVistamaxx 2330 エチレンポリプロピレンコポリマーエラストマー(EPP)材料と、Atofina(登録商標)社のPP3960 PP材料を使用して形成した。Vistamaxx鞘材料のPP芯材料に対する比は、体積比で、30:70乃至50:50の範囲にあった。鞘及び芯の樹脂を、177〜260℃の温度で押出成型した。スチーム金型と空気金型との組み合わせを使用して、形成と結合とが為された。0.3〜0.7g/ccの範囲にある密度及び5〜15マイクロメートルの範囲にある繊維の大きさを有するバリア構造体を形成した。空隙率は、22乃至67%の範囲にあった。
試験
上述した例の材料に対して、バリアとしての有効性を調べるために、及び、ECM繊維構造体に対しては突き刺し後のそれらの再封能力を調べるために、以下の手順の試験を行った。
上述した例の材料に対して、バリアとしての有効性を調べるために、及び、ECM繊維構造体に対しては突き刺し後のそれらの再封能力を調べるために、以下の手順の試験を行った。
1.クエン酸ナトリウム抗凝固剤(Lampire生物学研究所)を含んだ4〜5mlの豚の血液を収集チューブ内に入れた。
2.次に、チューブをゴム製ストッパーで栓をし、遠心分離機に設置した。遠心分離機は、3500rpmで10分間、試料を回転させた。
3.次に、チューブを遠心分離機から取り出し、穴が開けられていないバリア又は穴が開けられたバリアを血漿と固体血液成分との間の境界線に挿入した。再封性能を調べるべく、穴が開けられたバリアを直径が720〜920マイクロメートルにある一般的な採血針(blood needle)で突き刺し、試験した。
4.次に、血球の漏れを観察すべく、チューブに再び栓をし、各々、24時間、48時間、100時間転置させた。
上で説明した試験の結果を使用して、バリア構造体の相対的な分離性能を調べた。相対的な再封能力を評価すべく、この構造体を標準的な針による貫通前後での性能を比較した。
表1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)−ポリブチレンテレフタレート(PBT)芯鞘型繊維から形成されたバリアの性能の結果を示している。結果から、バリア構造体は、平均の孔径が4マイクロメートルであった場合には分離の維持に成功したが、それよりも大きい孔径では成功しなかったことがわかった。小さい孔径を有するPET/PBT構造体は、一般には、針の貫通後の再封止(即ち、最初の平均孔径に戻ること)は不可能ではあるが、孔径がより大きい場合には、再封が観察された。血球のブロック及び再封の両方が行われた孔径はなかった。
エラストマーポリプロピレン(EPP)−ポリプロピレン(PP)繊維から形成されたバリア及びTPU−PP二成分繊維から形成されたバリアは、4マイクロメートル未満の孔径を以って形成され、全てが、血球に富む相と血漿に富む相との分離を維持するのに成功した。これら構造体についての孔径は、繊維内の材料の弾性が標準的な多孔度測定を不正確にするために、構造体の密度に基づいて推定された。0.4乃至0.6g/ccを超える密度がTPU−PP系のために使用され、0.4乃至0.5の密度がEPP−PPのために使用された。全てが適格なバリア性能を提供し、全てが針の貫通後に首尾よく再封止した。
図3は、血漿からの固体血液成分の分離の100時間後での、TPU/PP EMC繊維から形成された穴が開けられていないバリアの有効性を図示している。しかしながら、上で論じたように、ECM繊維から形成されたバリアの利点は、穴が開けられた後に再封できるという能力にある。図4は、0.92ミリメートル径の針によって穴が開けられた、TPU/PP ECM繊維から形成されたバリアを示している。図5は、穴が開けられた同じバリアであって、固体血液成分を血漿から分離した100時間後のものを示している。バリアは、針の貫通及び引き抜きの後に、赤血球の通過を妨げ且つ漏れを可能にしない能力を事実上取り戻すことが分かり得る。
本発明の方法、製造、配置及び/又は使用における様々な改良及び変形が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく可能であることは、当業者にとって明らかであろう。
Claims (35)
- 血液成分の分離において使用するためのバリア部材であって、
離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性の流体透過性本体であって、前記複数の繊維は、第1バリア表面から第2バリア表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定しており、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、少なくとも1種の血液成分の通過を可能にする一方、少なくとも1種の固体血液成分の通過を妨げるように構成されている流体透過性本体
を具備するバリア部材。 - 前記流体透過性本体は、2mm以下の径の針による前記流体透過性本体に対する貫通及び引き抜きの後、少なくとも1種の固体血液成分の通過を防ぐ能力を維持する請求項1記載のバリア部材。
- 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー材料を含む少なくとも1種の成分を有する多成分繊維を含む請求項1記載のバリア部材。
- 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項1記載のバリア部材。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、熱可塑性ポリウレタンである請求項4記載のバリア部材。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、エラストマーポリオレフィンである請求項4記載のバリア部材。
- 前記熱可塑性繊維は、ポリエチレンを含む鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項1記載のバリア部材。
- 前記芯鞘型多成分繊維は、ポリプロピレンを含む芯材料を有する請求項7記載のバリア部材。
- 前記少なくとも1種の血液成分は、血漿を含む請求項1記載のバリア部材。
- 前記流体透過性本体は、血漿の比重と赤血球の比重との中間の比重を有する請求項9記載のバリア部材。
- 血液成分の分離において使用するためのバリア部材であって、
離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性の流体透過性本体であって、前記複数の繊維は、第1バリア表面から第2バリア表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定しており、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、少なくとも1種の血液成分の前記曲がりくねった流体流路を通しての通過を、少なくとも所定の大きさの流れポテンシャルが前記少なくとも1種の固体血液成分にかかったときには可能にし、前記少なくとも1種の固体血液成分の通過を、少なくとも前記所定の大きさの流れポテンシャルがない場合には妨げるように構成されている流体透過性本体
を具備するバリア部材。 - 流れポテンシャルを受けて前記曲がりくねった流体流路を通り抜ける前記少なくとも1種の固体血液成分のうち、少なくとも所定の量は損傷を免れる請求項11記載のバリア部材。
- 前記流れポテンシャルは、遠心作用によって提供される請求項11記載のバリア部材。
- 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー材料を含む少なくとも1種の成分を有する多成分繊維を含む請求項11記載のバリア部材。
- 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項11記載のバリア部材。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、熱可塑性ポリウレタンである請求項15記載のバリア部材。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、エラストマーポリオレフィンである請求項15記載のバリア部材。
- 前記熱可塑性繊維は、ポリエチレンを含む鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項11記載のバリア部材。
- 前記芯鞘型多成分繊維は、ポリプロピレンを含む芯材料を有する請求項18記載のバリア部材。
- 血漿からの固体血液成分の分離方法であって、
離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性の流体透過性本体であって、前記複数の繊維は、第1バリア表面から第2バリア表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定しており、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、前記曲がりくねった流体流路を通しての少なくとも1種の血液成分の通過を、少なくとも所定の大きさの流れポテンシャルが前記少なくとも1種の固体血液成分にかかったときには可能にし、前記少なくとも1種の固体血液成分の通過を、少なくとも前記所定の大きさの流れポテンシャルがない場合には、妨げるように構成されている流体透過性本体を提供し、
前記流体透過性本体を、固体血液成分と前記血漿とを含む血液材料と流体連通させ、
前記固体血液成分が前記血漿から分離し且つ前記流体透過性本体の前記曲がりくねった流路を通り抜けるのに十分な流れポテンシャルを、前記固体血液成分にかける
ことを含む方法。 - 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー材料を含む少なくとも1種の成分を有する、多成分繊維を含む請求項20記載の方法。
- 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項20記載の方法。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、熱可塑性ポリウレタンである請求項22記載の方法。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、エラストマーポリオレフィンである請求項22記載の方法。
- 前記熱可塑性繊維は、ポリエチレンを含む鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項20記載の方法。
- 前記芯鞘型多成分繊維は、ポリプロピレンを含む芯材料を有する請求項25記載の方法。
- 前記流れポテンシャルは、遠心作用によって提供される請求項20記載の方法。
- 血漿からの固体血液成分の分離方法であって、
離間した複数の接点にて互いに結合した複数の熱可塑性繊維を含む自己支持性の流体透過性本体であって、前記複数の繊維は、第1バリア表面から第2バリア表面への、前記流体透過性本体を通る曲がりくねった流体流路を共同で規定しており、前記複数の繊維及び前記流体透過性本体は、少なくとも所定の大きさの流れポテンシャルがかけられたとき、血漿の通過を可能にする一方、固体血液成分の通過を妨げるように構成されている流体透過性本体を提供し、
前記固体血液成分が分離し且つ前記血漿が前記流体透過性本体の前記曲がりくねった流路を通り抜けるのに十分な流れポテンシャルを、前記少なくとも血漿と前記固体血液成分とにかける
ことを含む方法。 - 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー材料を含む少なくとも1種の成分を有する、多成分繊維を含む請求項28記載の方法。
- 前記熱可塑性繊維は、エラストマーポリマー鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項28記載の方法。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、熱可塑性ポリウレタンである請求項30記載の方法。
- 前記エラストマーポリマー鞘材料は、エラストマーポリオレフィンである請求項31記載の方法。
- 前記熱可塑性繊維は、ポリエチレンを含む鞘材料を有する芯鞘型多成分繊維を含む請求項28記載の方法。
- 前記芯鞘型多成分繊維は、ポリプロピレンを含む芯材料を有する請求項33記載の方法。
- 前記流れポテンシャルは、遠心作用によって提供される請求項28記載の方法。
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