JP2008537020A - 処分できる皮下注射針 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】
本発明は、(i)主として非晶質であり、ガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である非晶質合金からなる皮下注射針と、(ii) 非晶質合金を鋳込みまたはモールドして皮下注射針を製造する方法と、(iii) 皮下注射針を安全に処分する方法について開示する。

Description

本発明は、使用後に安全に処分することができる皮下注射針に関する。
先の鋭い皮下注射針は、鋼鉄で作ることができるが、鋼鉄は著しく不利である。炭化物,サファイア,ダイアモンドなどの他の硬い材料で作られた注射針は、製造費用が高い。例えば、鋼鉄製の先の鋭い注射針は、高温で製造しなければならず、非常に容易には処分できない。鋼鉄の良好な機械的特性と高い融点(1400℃)は、特別に設計された容器を用いない限り、安全に処分することを非常に難しくしている。このことは、ゴミ収集人や道路掃除夫が、1型糖尿病患者を含む合法的な注射針使用者または麻薬注射中毒者が廃棄した注射器によって、C型肝炎やエイズなどの伝染病に罹る危険に曝されるという事態を招いている。
効果的な注射針を製造するための初期の技術的挑戦が、小断面積で効果的に先の鋭い注射針を安価に形成し,製造することであったことは、長らく前から知られている。
従って、良好な機械的特性と良好な製造特性を有し、生命を脅かす伝染病の危険を減じるように安全に処分できる皮下注射針が、求められている。
本発明で述べられる問題の1つは、金属注射針の処分である。また、他の問題は、注射針を容易に製造することである。
そこで、本発明は、合金からなる皮下注射針であって、この合金が主として非晶質であり、この非晶質合金のガラス遷移温度(Tg)が、50〜650℃である皮下注射針を提供する。
これによって、注射針は、例えば普通のライターで加熱すると柔らかくなり、鋭い先端または尖点が無くなるように変形された後に、処分されるので、処分された注射針を取り扱う人に危険が及ぶことがない。
また、本発明は、(i) 上記皮下注射針の少なくとも先端を、上記合金のガラス遷移温度(Tg)以上に加熱するステップを備えた皮下注射針の処分方法を提供する。
更に、注射針の材料は、良好な機械的特性を有し、相当低い温度(例えば、650℃以下)でモールドでき、この材料を先の鋭い注射針に成形することが可能になる。
かくて、本発明は、
a. 溶融した液状の合金原料を供給するステップと、
b. この合金原料を針状の所望の形状に鋳込んで、主に非晶質でガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である合金になるように冷却するステップと、
c. 予備的な鋭い先を形成すべく注射針を任意で加工するステップ
とからなる皮下注射針の製造方法(i)と、
a. 主に非晶質でガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である固体片の合金原料を供給するステップと、
b. この合金原料を上記ガラス遷移温度(Tg)またはそれ以上、かつ、上記合金原料の晶出温度(Tx)以下に加熱するステップと、
c. この合金原料を針状の所望の形状にモールドするステップと、
d. 予備的な鋭い先を形成すべく注射針を任意で加工するステップ
とからなる皮下注射針の製造方法(ii)とを提供する。
本発明は、安全に処分できる新規な皮下注射針を提供する。より詳しくは、本発明は、主に非晶質であり、そのガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である合金からなる注射針を提供する。
「主に非晶質」という表現は、その合金の体積の85%以上,好ましくは90%以上など例えば80%以上あるいは例えば80〜100%、典型的には75%以上が非晶質の合金であることを意味する。
「皮下注射針」という用語は、人体に物質を注入する注射器と共に通常用いられる中空針を意味する。皮下注射針は、例えば静脈穿刺で静脈から血液を取り出すなど人体から試料液体を取り出すためにも用いられる。
皮下注射針は、典型的には中心軸で特徴付けられる流体導通穴をもつ細長い管またはカニューレの形態である。皮下注射針の近位端は、典型的には皮下注射器などの液体分配器に嵌合または固定されるように、あるいは液体分配器の一部になるように作られている。皮下注射針の遠位端は、注射器に入った薬剤を分配すべく患者の筋肉または組織あるいはエラストマーの隔膜に突き刺せるように、典型的には鋭い先端形状を有する。開業医は、薬瓶などの容器に入った液体を吸い込ませるためにも皮下注射針を用いる。この使用は、開業医が、注射針の鋭い先端を容器に付随するエラストマーのシールに突き刺すことを必要とし、これによって開業医は、容器に入った液体にアクセスできる。
皮下注射針の形状の例を、図1,3に示す。
皮下注射針は、主に次のような「バルク非晶質合金」とも言われる非晶質合金からなる。バルク非晶質合金の特徴的特性は、非晶質合金が晶出する温度(Tx)よりも低いガラス遷移温度(Tg)が在ることである。
後述のことから明らかなように、ガラス遷移温度(Tg)は、皮下注射針の製造の容易化と安全な処分に重要な役割を果たす。好ましい実施形態では、ガラス遷移温度(Tg)は、例えば80〜500℃、100〜650℃、100〜500℃または150〜500℃、好ましくは200〜500℃など80〜650℃の範囲である。この温度範囲のガラス遷移温度は、使用後の注射針が安全に処分できることを保証するとともに、後述するように製造工程において従来の工具や金型を用いることを可能にする。
上記合金の晶出温度(Tx)とガラス遷移温度(Tg)の差Δは、典型的には5Kであり、この温度領域で合金が液体のように挙動し、容易に変形するので、しばしば過冷却液体領域と呼ばれている。最も好ましい実施形態では、合金の晶出温度(Tx)とガラス遷移温度(Tg)の温度差Δは、例えば5〜150K,10〜150Kの範囲など少なくとも5Kまたは20〜120K,30〜100Kの範囲など少なくとも20Kである。
バルク非晶質合金は、異なる特性の合金の全範囲を包含する。皮下注射針を作るために非晶質合金を選ぶ場合、評価すべき最も重要な機械的特性は、脆性と合金がどれほど容易に曲げられるかである。脆性は、破壊靭性や弾性変形歪限度などの機械的特性で表すことができる。高い破壊靭性KIC(>20MPam1/2)は、衝撃で破壊する傾向が低い材料を特徴付ける。既知の非晶質合金の多くは、破壊靭性が低いので、セラミック材料のように脆い傾向がある。このことは、使用中に注射針が破壊すると使用者に重大な障害を与えるので、重要である。弾性変形歪限度が2%以上と高いことは、変形しても元の形状に戻る材料を特徴付けるので、より好ましい。弾性変形歪限度が2%以上と高いことは、破壊せずに変形する材料を特徴付けるので、より好ましい。このことは、皮膚に刺す際に注射針の先端に相当の応力が掛かり、元の形状に戻れなければならないので、重要である。
合金がどれほど容易に曲げられるかは、ヤング率で表すことができ、皮膚を刺す際に注射針が曲がらないためには、20GPa以上であるのが好ましい。これと比較して、鋼鉄のヤング率は200GPaであり、木材(7〜14GPa)やガラス(100〜120GPa)も皮膚を刺すことができるが、例えば50GPa以上など少なくとも30GPaの高いヤング率がより好ましい。
皮下注射針は、例えば少なくとも略2.0%の歪など少なくとも略1.2%の歪で塑性変形が始まるように設計するのが好ましい。
皮下注射針の製造に使われる材料は極少量(5〜10mg)なので、バルク合金の値段は格別重要ではない。
合金が液体のように挙動する効果は、超塑性とも言われる。過冷却液体領域(ΔT)において、材料は、欠陥を生じることなく数千%も変形する。
幾つかの実施形態では、皮下注射針の合金は、陽極酸化される。
既に述べたように、非晶質合金製の皮下注射針は、高い硬度,靭性,弾性限および耐腐食性をもつ鋭い針を提供する。これらの特性は、例えばステンレス鋼など従来の材料からなる注射針のように容易には鈍化しない鋭い皮下注射針を提供する。多くの場合、1回の注射に、容器内の取り出すべき薬剤を保護するゴムに突き刺すために1本が、次いで患者に注射するために取り替えて1本が用いられ、2本の注射針の使用が必要になる。ゴムへの突き刺しで注射針が鈍化するので、取り替えが必要だからである。
注射針を複数回使用したり、新しい注射針の入手が難しかったりする例えば糖尿病患者の場合など幾つかの適用例では、長期に亘って鋭さを保持する注射針が有益である。このことは、人工授精に関連してホルモン薬剤を長期に亘って毎日摂っている患者に有益である。患者は、毎回交換する必要のない改善された注射針によって利益を得る。注射針の交換が減れば、交換に関連する危険も減少し、費用も減って、注射針の浪費の問題も大幅に減じる。
従来の注射針は、ステンレス鋼を針に成形する難しい加工の結果物である。非晶質合金を用いれば、非晶質合金の低い加工温度と容易なモールド可能性により、注射針の設計に更なる柔軟性をもたらすことができる。針穴を針の側面に設けた特別な設計の1つが、米国特許第2,634,726号に開示されている。針穴を針の側面に移すことによって、針穴が詰まる可能性が最小になり、微粒子(例えば懸濁薬剤)に溶液を加えて血流中へ入れることができる。このことは、殆どの薬剤が、細菌や望ましくない粒子から保護するため、ゴムの隔膜で隔てられて殺菌された状態で貯蔵されていることから、主たる問題である。更に、通常の設計の注射針は、皮膚に突き刺した場合、皮膚を針に沿って滑動させるのではなく、針穴が皮膚を抜き取る。針穴を図3に示すように配置することによって、皮膚が針穴によって抜き取られるのではなく、針に沿って滑動するので、より良い結果が得られる。このことは、注射針を体に刺す際に痛みを与えることが少ないので、患者にとって現実の利点となる。
針の側面に沿った細長い開口は、薄い針の場合でも、より速く薬剤や他の液体を注射する可能性を提供することができる。このことは、薬剤を長期間にわたって徐々に放出させるべく、筋肉に多量の薬剤を注射される例えば精神病患者にとって有益である。黄熱病の治療薬についても、同様のことが言える。
他の新規で有益な設計は、到達が難しい部位へ注射するための鉤状の注射針である。曲がった皮下注射針は、現在例えば連続的注射が必要だが、胸部への注射は肺を傷つけるので、注射深さを減じるために皮下注射針が曲げられているガン患者に用いられている。鉤状の注射針は、非晶質合金を用いて容易に作ることができる。
適切な合金の例
一般に、バルク凝固非晶質合金は、500K/sec以下の冷却速度で冷却され、実質上非晶質の原子構造を維持している非晶質合金の集団のことを言う。このようなバルク非晶質合金は、0.002mmという典型的な鋳込み厚さを持ち、105K/secという冷却速度を必要とする従来の非晶質合金よりも実質上厚い1.0mm以上の厚さで製造することができる。
以上の観点から、特に興味深い合金は、次の組から選ばれたものであることが分かった。
a. 銅含有合金
b. 白金含有合金
c. パラジウム含有合金
d. ジルコニウム含有合金
e. チタン含有合金
より詳しくは、上記合金は次の組から有利に選ばれる。
a. 式 CuxZryAlzpTiq(但し、x=40〜70, y=25〜55, z=5〜10, p=0〜5, q=0〜5、かつ x+y+z+p+q=100)で概ね表される銅含有合金
b. 式 PtxCuyNizp(但し、x=55〜60, y=13〜17, z=3〜7, p=20〜25、かつ x+y+z+p=
100)で概ね表される白金含有合金
c. 式 PdxCuyNizFepq(但し、x=32〜38, y=27〜33, z=8〜12, p=3〜7, q=18〜22、かつ x+y+z+p+q=100)で概ね表されるパラジウム含有合金
d. 式 ZrxAlyTizCupNiq(但し、x=49〜56, y=8〜12, z=3〜7, p=16〜20, q=13〜17、かつ x+y+z+p+q=100)で概ね表されるジルコニウム含有合金
e. 式 TixZryHfzCupNiqSir(但し、x=39〜45, y=1.5〜3.5, z=3〜7, p=40〜45, q=6〜9, r=0.8〜1.2、かつ x+y+z+p+q+r=100)で概ね表されるチタン含有合金
ここで、「式…で概ね」という表現は、式で明記した元素は、元素の排他的列挙ではないことを意味する。従って、合金の4重量%までの不可避的微量元素(トレース)が存在しうることを示している。
有用な合金の特別な例は、次の組から選ばれる。
a. ヤング率が87GPa、弾性歪限が2%、破壊歪限が18%、Tgが425℃でΔT>50℃であり、式 Cu47.5Zr47.5Al5で概ね表される銅含有合金
b. ヤング率が95GPa、弾性歪限が1.5%、破壊歪限が20%、Tgが235℃でΔT>50℃であり、略80MPam1/2の非常に高い破壊靭性をもち、式 Pt57.5Cu14.7Ni5.3P22.5で概ね表される白金含有合金
c. ヤング率が120GPa、Tgが298℃でΔT=66℃であり、式 Pd35Cu30Ni10Fe520で概ね表されるパラジウム含有合金
d. 降伏強さが1700MPa、弾性歪限が2〜2.2%、破壊歪限が2〜2.2%、ヤング率が90GPa、破壊靭性が55〜60MPam1/2、Tg=410℃でΔT≒90℃であり、式 Zr52.5Al10Ti5Cu17.9Ni14.6で概ね表されるジルコニウム含有合金
e. ヤング率が100GPa,Tg=407°℃でΔT>50℃であり、式 Ti41.5Zr2.5Hf5Cu42.5Ni7.5Si1で概ね表されるチタン含有合金
特別なバルク凝固非晶質合金を上述したが、永久変形や破壊を生じずに例えば1.5%までなど1.2%までの歪みに耐え、略10MPam1/2以上より詳しくは20MPam1/2以上の高い破壊靭性を持ち、あるいは略4GPa以上より詳しくは略5.5GPa以上の硬さを持つバルク非晶質合金は、適切と考えられる。従来の材料と比較して、適切なバルク非晶質合金は、慣用のチタン合金のそれを超える略2GPa以上の降伏強さを持つ。好ましい機械的特性に加えて、バルク凝固非晶質合金は、非常に良好な耐腐食性を典型的に示す。
このことから、広い範囲の合金が本発明の皮下注射針として用いられると言うことができる。適切な非晶質合金は、米国特許第5,288,344号、第5,368,659号、第5,618,359号、第5,735,975号に開示されている。
適切なバルク凝固非晶質合金の集団の一例は、分子式 (Zr,Ti)a(Ni,Cu,Fe)b(Be,Al,Si,B)cで与えられ、ここで、a,b,cは、夫々原子%で略30〜75,略5〜60,略0〜50である。上記分子式は、有用なバルク非晶質合金の総ての組を包含するものではないと解されなければならない。例えば、このようなバルク非晶質合金は、原子%で略20%までのNb,Cr,V,Coなどの他の遷移金属の実質的成分を含むことができる。バルク非晶質合金の集団の一例は、分子式 (Zr,Ti)a(Ni,Cu)b(Be)cで与えられ、ここで、a,b,cは、夫々略40〜75,略5〜50,略5〜50である。バルク非晶質合金の組成の一例は、Zr41Ti14Ni10Cu12.5Be22.5である。また、他の例は、Tg=683°KのZr52.5Al10Ti5Cu17.9Ni14.6である。
バルク凝固非晶質合金の他の組は、鉄族元素(Fe,Ni,Co)に基づく組成である。このような組成は、米国特許第6,325,868号(A. Inoue et. al., Appl. Phys. Lett., Volume 71, p 464 (1997)), (Shen et. al., Mater. Trans., JM, Volume 42, p 2136 (2001))および日本特許出願第2000-126277(JP 2001/303218 A)に開示されている。このような合金の他の組成の例は、Fe72Al5Ga21164である。また、他の組成の例は、Tg=898KのFe60Co8Zr10Mo5215である。鉄族のバルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、(Fe,Co)に基づく組成である。この組成は、式 (Co,Fe)a(Ta)b(B)cで与えられ、a,b,cは原子%で夫々略40〜75,略2〜15,略5〜25の範囲である。これらの合金組成は、Zr基合金系ほど容易に加工できないが、0.5mm以上の厚さに加工することができ本発明に用いるに十分である。加えて、これらの材料の密度は、6.5g/cm3〜8.5g/cm3と一般に高いが、材料の硬さも7.5GPa〜12GPaと高いので、特に魅力のあるものである。同様に、これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限および2.5GPa〜4GPaの高い降伏強さを有する。
バルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、プラチナ・鉄基(Pt,Ni,Co)の組成である。この組成は、式 (Pt)a(Cu,Ni)b(P,B,Si)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略45〜75,略15〜30,略15〜30の範囲である。このような合金の一例は、Pt57.5Cu14.7Ni5.322.5である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=508Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。
バルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、パラジウム基(Pd)の組成である。この組成は、(Pd)a(Cu,Ni)b(P,B)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略30〜50,略30〜50,略15〜25である。このような合金の一例は、Pd42.5Cu27.5Ni1020である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=572Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。バルク非晶質合金の他の例は、分子式 (Pd)a(Cu,Ni)b(P,B,Si)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略35〜85,略2〜50,略10〜30である。このような合金の一例は、Pd42.5Cu27.5Ni1020である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=572Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。他の例は、分子式 (Pd)a(Cu,Ni)b(P,B,Si)cを特徴とするバルク非晶質合金であり、a,b,cは、原子%で夫々略35〜85,略2〜50,略10〜30である。
バルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、ランタン基(La)の組成である。この組成は、(La,Ce,Pr,Nd)a(Al,Si,B)b(Cu,Ni,Fe)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略45〜70,略15〜40,略15〜30である。このような合金の一例は、La55Al25Cu20である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=456Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。
バルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、ネオジム基(Nd)の組成である。この組成は、(Nd)a(Al,Si)b(Ni,Cu,Fe,Co)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略45〜75,略5〜20,略15〜35である。このような合金の一例は、Nd61Al11Ni8Co5Cu15である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=445Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。
バルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、銅基(Cu)の組成である。この組成は、(Cu)a(Zr,Ce,Hf,Ti)b(Be,B)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略50〜75,略20〜60,略0〜25である。このような合金の一例は、Cu60Zr30Ti10である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=713Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。
バルク凝固非晶質合金の更なる他の組は、チタン基(Ti)の組成である。この組成は、(Ti)a(Ni,Cu)b(B,Si,Sn,P)cで与えられ、a,b,cは、原子%で夫々略40〜65,略30〜60,略5〜25である。このような合金の一例は、Ti50Ni24Cu201Si2Sn3である。これらの材料は、略0.5mm以上の厚さに加工することができ、Tg=726Kで、本発明に用いるに十分である。これらの材料は、1.2%以上の弾性歪限を有する。
一般に、バルク非晶質合金における結晶の晶出は、特に靭性および強度などの特性に極めて有害なので、一般に可能な限り最小の体積成分比であるのが好ましい。しかし、バルク非晶質合金の加工中に、靭性のある金属結晶が本来の場所に析出する場合がある。このような靭性のある析出結晶は、バルク非晶質合金の特に強度と靭性などの特性に有益である。従って、このような有益な析出結晶を含む非晶質合金も、本発明に含まれるが、この非晶質合金は、主として非晶質の形態でなければならないことに留意しなければならない。この一例は、文献(C. C. Hays et. al, Physical Review Letters, Vol. 84, p 2901, 2000)に開示されている。
ステンレス鋼などの従来の材料は、種々の方向に配向した小さな結晶粒からなる多結晶原子構造を有する。材料中の異なった結晶粒は、成形加工に対して異なって応動するので、このような結晶材料から極めて効果的に鋭い先端を作り出すことは、妥協的になり、あるいは著しい付加工程を必要とするので、仕上がった注射針の値段が高くなる。バルク凝固非晶質合金は、結晶構造をもたないので、ラッピング,化学的加工法,エネルギ的加工方法など従来の成形加工に対してより均一に応動する。
これらの注射針の鋭い先端の曲率半径が小さいので、先端の靭性は低く、それ故、皮膚を貫く注射の際に大きな歪みを受ける。例えば、ステンレス鋼などの従来の金属で作られた切断先端は、大きな歪に塑性変形によってのみ耐えるので、鋭さと平坦性を失う。事実、従来の金属は、0.6%以下の歪で塑性変形し始める。一方、ダイアモンドなどの硬い材料で作られた切断先端は、塑性変形しないが、1ksi/sqrt(in)(キロ重量ポンド毎平方インチ/(インチ)1/2)以下という本来的に低い靭性のため、欠損するので、0.6%以上の歪に耐える能力が制限される。従って、バルク凝固非晶質合金で作られた切断刃は、塑性変形や欠損を生じることなく2.0%以上の歪に容易に耐えることができる。さらに、バルク凝固非晶質合金は、(1.0mm以下の)薄い寸法でも高い破壊靭性を有するので、鋭い先端の針のために特に有用になる。
製造方法
本発明は、更なる態様として、皮下注射針の種々の製造方法を提供する。
図2は、本発明の非晶質合金の物品を形成する過程を示すフローチャートである。この過程は、モールド過程の場合は非晶質の固体片、鋳込み過程の場合は融点以上の溶融した液状の合金である原料を供給し(ステップ1)、融点以上の原料を所望の型に鋳込んで冷却し(ステップ2a)あるいは原料をガラス遷移温度以上に加熱して所望の型にモールドする(ステップ2b)。本発明では、永久鋳型鋳造,ダイキャスト,押出し成形,平面流キャスティングなどの連続法などの適切な任意の方法を用いることができる。このようなダイキャスティング法が、米国特許第5,711,363号に開示されている。同様に、ブローモールディング(原料の一部を掴み、掴んでいない部分の両対向面に圧力差を加える),射出成形や金型成形(原料をダイ空洞に圧入する),レプリカ・ダイの表面形状を複製する方法など種々のモールディング方法を用いることができる。米国特許第6,027,586号、第5,950,704号、第5,896,642号、第5,324,368号、第5,306,463号は、非晶質合金のガラス遷移特性を利用してモールド物品を成形する方法を開示する。本発明では、非晶質合金の物品を仕上げるために続く工程(ステップ3)を行うことができるが、バルク非晶質および複合物の機械的特性は、熱処理や機械加工などの後続工程を行わず、鋳込み/モールディングしたままの態様で得られると解されなければならない。さらに、或る実施形態では、バルク非晶質合金とその複合物は、2段階の工程で複雑な網に近い形状に成形される。このような実施形態では、鋳込みやモールディングの精度と網に近い形状が維持される。
最後に、注射針は、しばしば予備的な鋭い先端を形成すべく粗く機械加工され、従来のラッピング,化学的方法,高エネルギ法の1つまたは組み合わせによって鋭い先端が仕上げられる(ステップ4)。
本発明の1態様は、皮下注射針の製造方法に関し、この製造方法は、
a. 溶融した液状の合金原料を供給するステップと、
b. この合金原料を針状の所望の型に鋳込んで、主に非晶質でガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である合金になるように冷却するステップと、
c. 予備的な鋭い先端を形成すべく注射針を任意で加工するステップからなる。
本発明の他の態様は、皮下注射針の製造方法に関し、この製造方法は、
a. 主に非晶質でガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である固体片の合金原料を供給するステップと、
b. この合金原料を上記ガラス遷移温度(Tg)またはそれ以上、かつ、上記合金原料の晶出温度(Tx)以下に加熱するステップと、
c. この合金原料を針状の所望の型にモールドするステップと、
d. 予備的な鋭い先端を形成すべく注射針を任意で加工するステップからなる。
上述の製造方法において、モールディングは、射出成形機によって行われる。
皮下注射針と非晶質合金(バルク非晶質合金)に関する詳細は、好ましくは既述のとおりである。
皮下注射針製造には、関連する多くの工程を用いることができる。2つの実例となる工程の概要は、次のとおりである。
注射針は、押出しによって製造することができる。次に述べる各ステップは、押出しを用いて本発明の非晶質合金の物品を形成する工程の概要である。
ステップ1:ガラス遷移温度またはそれより少し高い温度に加熱される非晶質合金を供給する。
ステップ2:押出しによって管を成形する。
ステップ3:管を小片に切断する。
ステップ4:3方切断によって注射針を鋭くした後、先端を研磨する。
ステップ5:注射針をハブに固定する。
注射針は、射出成形によって製造することができる。次に述べる各ステップは、射出成形による2通りの方法で本発明の非晶質合金の物品を形成する工程の概要である。
1.オーバーワイヤモールディング
オーバーワイヤモールディングは、連続したワイヤ片を工具金型通路の中心に保持し、このワイヤ片を用いて針穴通路を形成する。射出成形は、芯を貫くワイヤ片を含むように設計変更することができる。各モールディングが形成されると、モールドは、後に取り外されるワイヤ片に載っている。
オーバーワイヤモールディングの工程ステップは、
1.工具が開くと、前回のモールディングが取り出され、ワイヤが工具空洞を横切ってクランプされ、
2.工具が閉じられ、
3.注射針を成型すべく、非晶質合金が注入され、
4.空洞が開かれ、
5.注射針の先端付近のワイヤクランプが解放され、構成部材が取り出され、
6.構成部材の背後にワイヤを再クランプし、工具空洞を横切ってワイヤを位置決めして、次のサイクルに備える。
2.オーバーペンモールディング
オーバーペンモールディングの工程ステップは、
1. 金型が閉じられ、
2. 注射針の軸が完全に凝固するのを防ぐべく、金型空洞内の加熱された芯ピンの周囲に材料が注入され、
3. 芯ピンが引き出され、
4. 金型空洞を開き、クランプされた注射針軸の端部を掴んで、引き延ばし、所望の寸法に細くし、
5. 金型を完全に開いてモールディングを取り出し、
6. 注射針軸の端部を切断するためにモールディング後ステップが必要になる。
興味深い実施形態では、上記工程は、注射針の本体部分にハンドルを取り付ける工程を更に備える。
更に興味深い実施形態では、上記工程は、皮下注射針の合金を陽極酸化する工程を更に備える。
皮下注射針の処分
本発明の更に重要な態様は、既述の皮下注射針の処分方法に関し、この処分方法は、(i) 注射針の少なくとも先端を上記合金のガラス遷移温度(Tg)以上に加熱するステップと、(ii) この注射針の鋭い先端を鈍化するように変形させるステップからなる。
本発明の利点の1つは、皮下注射針が安全に処分できることである。皮下注射針の先端は、簡単に利用できる加熱器で加熱でき、これによって先端は、変形できるようになる。先端を必要な温度、即ち上記合金のガラス遷移温度(Tg)以上の温度に加熱するための加熱源の例は、慣用のライター(例えばブタンライター),エタノール炎,実験室用の加熱板,
油浴などである。一例では、皮下注射針の先端は、慣用のライターで加熱される。そうすると、注射針は、元々鋭い先端を鈍くするように、石や金属表面などの耐熱材料に押し付けることによって変形(モールド)する。
特に、既述の関連する実施形態では、皮下注射針は、血液,体液または薬剤の活性な成分で汚染されている。このような場合、注射針の先端を鈍くして皮膚を貫通しないようにすることは、特に重要である。
上述の観点から、本発明は、上記皮下注射針の使用方法も提供する。この使用方法は、(i) 哺乳類の体(例えば、人体)から皮下注射針を引き抜くステップと、(ii) この注射針の少なくとも先端を上記合金のガラス遷移温度(Tg)以上に加熱するステップと、(iii) この注射針の先端を鈍化するように変形させるステップからなる。
皮下注射針と非晶質合金(バルク非晶質合金)に関する詳細は、好ましくは既述のとおりである。
実施例
本発明は、次の予兆となる実施例によって更に説明される。
実施例1
Zr52.5Al10Ti5Cu17.9Ni14.6からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(410℃)に加熱される。そして、原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。最後に、注射針は、ハブに取り付けられる。
実施例2
Zr52.5Al10Ti5Cu17.9Ni14.6からなる原料は、射出成形機内でガラス遷移温度(410℃)に加熱される。そして、この合金は、連続ワイヤ片を針穴として用いて金型に注入され、注射針が成形される。金型が開かれ、ワイヤが切られて、注射針が回収される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。
実施例3
Cu47.5Zr47.5Al5からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(425℃)に加熱される。そして、原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。最後に、注射針は、ハブに取り付けられる。
実施例4
Cu47.5Zr47.5Al5からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(425℃)に加熱される。そして、この合金は、連続ワイヤ片を針穴として用いて金型に注入され、注射針が成形される。金型が開かれ、ワイヤが切られて、注射針が回収される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。
実施例5
Pt57.5Cu14.7Ni5.322.5からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(235℃)に加熱される。そして、原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。最後に、注射針は、ハブに取り付けられる。
実施例6
Pt57.5Cu14.7Ni5.322.5からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(235℃)に加熱される。そして、この合金は、連続ワイヤ片を針穴として用いて金型に注入され、注射針が成形される。金型が開かれ、ワイヤが切られて、注射針が回収される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。
実施例7
Pd35Cu30Ni10Fe520からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(298℃)に加熱される。そして、この原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。最後に、注射針は、ハブに取り付けられる。
実施例8
Pd35Cu30Ni10Fe520からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(298℃)に加熱される。そして、この合金は、連続ワイヤ片を針穴として用いて金型に注入され、注射針が成形される。金型が開かれ、ワイヤが切られて、注射針が回収される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。
実施例9
Ti41.5Zr2.5Hf5Cu42.5Ni7.5Si1からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(407℃)に加熱される。そして、原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。最後に、注射針は、ハブに取り付けられる。
実施例10
Ti41.5Zr2.5Hf5Cu42.5Ni7.5Si1からなる原料は、押出機内でガラス遷移温度(407℃)に加熱される。そして、この合金は、連続ワイヤ片を針穴として用いて金型に注入され、注射針が成形される。金型が開かれ、ワイヤが切られて、注射針が回収される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。原料は、直径0.3mm,内径0.2mmの管に押出し成形される。管は、注射針寸法の20mmに切断される。注射針の先端は、研磨によって3角度の突き刺し端にされる。モールドは、ハブが注射針に一体化されて、モールドの設計に一体化されたものになる。
図1は、3切断の設計をもつ注射針を示す図である。 図2は、図1に示す注射針の製造方法を示すフローチャートである。 図3は、新規な設計をもつ注射針を示す図である。

Claims (10)

  1. 合金からなる皮下注射針において、上記合金は、主として非晶質であり、この非晶質合金のガラス遷移温度(Tg)は、50〜650℃の範囲であることを特徴とする皮下注射針。
  2. 請求項1に記載の皮下注射針において、上記非晶質合金は、体積の75%以上が非晶質の合金であることを特徴とする皮下注射針。
  3. 請求項1または2に記載の皮下注射針において、上記非晶質合金の晶出温度(Tx)とガラス遷移温度(Tg)の差ΔTは、少なくとも5Kであることを特徴とする皮下注射針。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の皮下注射針において、上記合金は、
    a. 銅含有合金、
    b. 白金含有合金、
    c. パラジウム含有合金、
    d. ジルコニウム含有合金、
    e. チタン含有合金、
    からなる組から選ばれたものであることを特徴とする皮下注射針。
  5. 請求項4に記載の皮下注射針において、上記合金は、
    a. 式 CuxZryAlzpTiq(但し、x=40〜70, y=25〜55, z=5〜10, p=0〜5, q=0〜5、かつ x+y+z+p+q=100)で概ね表される銅含有合金、
    b. 式 PtxCuyNizp(但し、x=55〜60, y=13〜17, z=3〜7, p=20〜25、かつ x+y+z+p=
    100)で概ね表される白金含有合金、
    c. 式 PdxCuyNizFepq(但し、x=32〜38, y=27〜33, z=8〜12, p=3〜7, q=18〜22、かつ x+y+z+p+q=100)で概ね表されるパラジウム含有合金、
    d. 式 ZrxAlyTizCupNiq(但し、x=49〜56, y=8〜12, z=3〜7, p=16〜20, q=13〜17、かつ x+y+z+p+q=100)で概ね表されるジルコニウム含有合金、
    e. 式 TixZryHfzCupNiqSir(但し、x=39〜45, y=1.5〜3.5, z=3〜7, p=40〜45, q=6〜9, r=0.8〜1.2、かつ x+y+z+p+q+r=100)で概ね表されるチタン含有合金、
    からなる組から選ばれたものであることを特徴とする皮下注射針。
  6. 請求項5に記載の皮下注射針において、上記合金は、
    a.式 Cu47.5Zr47.5Al5で概ね表される銅含有合金、
    b.式 Pt57.5Cu14.7Ni5.3P22.5で概ね表される白金含有合金、
    c.式 Pd35Cu30Ni10Fe520で概ね表されるパラジウム含有合金、
    d.式 Zr52.5Al10Ti5Cu17.9Ni14.6で概ね表されるジルコニウム含有合金、
    e.式 Ti41.5Zr2.5Hf5Cu42.5Ni7.5Si1で概ね表されるチタン含有合金、
    からなる組から選ばれたものであることを特徴とする皮下注射針。
  7. 皮下注射針の製造方法において、上記製造方法は、
    a. 溶融した液状の合金原料を供給するステップと、
    b. 上記合金原料を針状の所望の型に鋳込んで、主に非晶質でガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である合金になるように冷却するステップと、
    c. 予備的な鋭い先端を形成すべく注射針を任意で加工するステップ
    からなることを特徴とする製造方法。
  8. 皮下注射針の製造方法において、上記製造方法は、
    a. 主に非晶質でガラス遷移温度(Tg)が50〜650℃の範囲である固体片の合金原料を供給するステップと、
    b. 上記合金原料を上記ガラス遷移温度(Tg)またはそれ以上、かつ、上記合金原料の晶出温度(Tx)以下に加熱するステップと、
    c. 上記合金原料を針状の所望の型にモールドするステップと、
    d. 予備的な鋭い先端を形成すべく注射針を任意で加工するステップ
    からなることを特徴とする製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法において、モールディングは、射出成形機によって行われることを特徴とする製造方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれか1つの皮下注射針を処分する方法において、上記方法は、
    (i) 上記皮下注射針の少なくとも先端を、上記合金のガラス遷移温度(Tg)以上に加熱するステップと、(ii) 上記皮下注射針の鋭い先端を鈍化するように変形させるステップからなることを特徴とする方法。
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