JP2008534735A - 改善された未加工コットンリンター組成物、それらの製造方法および使用 - Google Patents

改善された未加工コットンリンター組成物、それらの製造方法および使用 Download PDF

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Abstract

粉砕した未加工コットンリンター繊維の疎な集合体の組成物は、少なくとも8g/100mlのかさ密度を有し、集合体中の繊維の少なくとも50%が、米国標準の篩サイズ10番(2mmの目開き)を通過する。この組成物は、一次切断、二次切断、三次切断または未選別の未加工コットンリンター、または、それらの混合物の疎な集合体を得ること、および、少なくとも50%が米国標準の篩サイズ10番(2mmの目開き)を通過するサイズに、未加工コットンリンターの疎な集合体を粉砕することによって製造される。この組成物は、セルロースエーテル誘導体を製造するのに用いられる。

Description

発明の分野
本発明は、未加工コットンリンターの新規の組成物、それらの製造方法、および、それらの使用に関する。より具体的には、本発明は、高いかさ密度の未加工コットンリンター、および、このような未加工コットンリンターの製造方法、同様に、それらから工業的に有用な水溶性および水膨潤性のセルロースエーテル誘導体を製造することに関するその有用性に関する。
発明の背景
セルロースエーテルは、商業的に重要な水溶性ポリマー(WSP)の重要な品等の代表である。このようなWSPの例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、および、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が挙げられる。このようなセルロースエーテルに追加の官能基を取り込むことによって、多種多様の混合セルロースエーテル誘導体を製造することができる。現在、セルロースエーテルは、セルロースと適切なエーテル化試薬とを反応させることによって製造される。セルロースエーテルを製造するために用いられるセルロース材料は、「完成紙料(furnish)」と称される。今のところ、精製コットンリンターと精製木材パルプの両方が、セルロースエーテルを製造するのに用いられている。
水溶性セルロースエーテルの水の粘度を高める能力は、主として、その分子量、化学的な誘導体化、および、ポリマー鎖の置換の均一性によって制御される。多くの工業的用途にとって、高い溶液の粘度を付与する高分子セルロースエーテルは、所定の適用ではそれらの使用レベルを低くすることが望ましい。従って、セルロースエーテル溶液の粘度を高めるための技術的な代替法が模索されてきた。セルロースエーテルの溶液の粘度を高めるアプローチは、疎水性基をセルロースエーテル主鎖上にグラフトすることによる非共有結合の鎖間架橋、同様に、様々な適切なイオン性物質による適切なセルロースエーテル鎖のイオン架橋を含む。しかしながら、グラフト化された疎水性物質を含むセルロースエーテルは、さらに高価であり、典型的には多くの水性配合物中に含まれる様々な表面活性物質の存在下で、高い溶液の粘度を示さない場合がある。しかしながら、過度に架橋された水不溶性種の形成を防ぐために架橋剤の濃度や架橋条件を慎重に制御しなければならないため、架橋剤でセルロースエーテルを架橋させることは限界がある。加えて、多くの架橋剤は、高い反応性と毒性を有する。永続的な(すなわち共有結合の)架橋と一時的な(例えば疎水性またはイオン性)架橋はいずれも最終的には非線形ポリマーを形成するため、それらの流動学的な特徴は、それらの直鎖状の類似体の特徴とは異なる。従って、水性媒体中でのセルロースエーテル使用を伴う多くの工業的用途にとって、高分子セルロースエーテルを製造することは重要である。原則的に、これは、開始時のセルロースが極めて高分子量を有する場合、セルロースエーテル製造中にセルロース分子量を維持することによって達成できる。遺憾ながら、現在セルロースエーテルを製造するのに用いられている市販のセルロース完成紙料は、天然に存在するセルロースの分子量よりも低い分子量を有する。従って、これらは、高分子セルロースエーテルの製造には不適切である。
セルロースは、天然に存在するポリマーであり、植物中に繊維の形態で存在する。化学的に言えば、セルロースは、1,4−ベータ−グリコシド結合を介して連結した無水グルコース単位からなるホモポリマーである。無水グルコース単位はそれぞれ、エーテル化剤に反応性を有する3個のヒドロキシル基を有する。天然の形態において、セルロースは、最大の分子量を有する。
最高純度の天然セルロースは、コットンリンターのステープルファイバーであり、これは、乾燥基準で約95重量%のセルロースで構成される。しかしながら、コットンのステープルファイバーは高コストであるため、セルロース誘導体の製造には用いられない。現在、セルロース誘導体を製造するのに用いられるセルロース材料は、木または未加工コットンリンターから単離される。木材の精製により得られたセルロース繊維は、木材パルプと呼ばれる。木材パルプは低コストであるため、その完成紙料は、セルロース誘導体の製造に最も一般的に用いられるセルロース源である。
未加工コットンリンターは、80年以上にわたって優れた高分子セルロース源とみなされてきた。未加工コットンリンター(一般的に「リンター」と称される)は、綿繰りによって長いステープル(「リント」)ファイバーを除去した後に綿実上に残った短い繊維の残留物である。リンターは、ステープルファイバーよりも短く粘性で色が濃い繊維である。これらはまた、ステープルファイバーよりも強く種に付着している。リンターは、多数の技術を用いて綿実から除去されるが、このような技術としてはリンター用鋸や研磨研削法が挙げられ、これらはいずれも適切な材料を生産する。綿実からリンターを除去するのに用いられる通路の数に応じて、これらは、「一次切断」、「二次切断」および「三次切断」の未加工コットンリンターと呼ばれる。1つの通路でリンターを除去する場合、または、一次および二次切断のリンターが重量比約1:4で手動でブレンドされる場合、得られた材料は、「未選別」と呼ばれる。未選別および一次切断の未加工コットンリンターは、医療用途および化粧用途で用いられ、同様に、室内装飾材料、マットレスなどの製造にも用いられ、一方で、二次切断のコットンリンターは、典型的には、精製コットンリンターまたは化学綿を製造するのに用いられる。一般的に、一次切断のコットンリンターは、二次切断のコットンリンターよりも非セルロース系の不純物を含まない。様々なタイプの未加工コットンリンター中のヘミセルロース、リグニンまたは有色の不純物および異物の量は、以下の順番:一次切断<二次切断<三次切断で増加する。典型的には、未加工コットンリンターのセルロース含量は、米国油化学会(American Oil Chemists’Society)(AOCS)の「bB3−47:Cellulose Yield Pressure−Cook Method」で測定すると、約69〜78重量%である。
フィブリルを取り除く装置で綿実の繊維を有する外殻を叩くことによって綿実から回収された、長さが短い未加工コットンリンターのその他の品等は、「外殻繊維」呼ばれる。それほどの頻度ではないが、リンターを除去するのに酸が時々用いられる。この方法で得られたリンターは、酸処理により分子量の低下が起こるため、低分子セルロース誘導体を製造するつもりがない限り、一般的にあまり望ましくない。
これまで、高純度の完成紙料を得るためには、化学的プロセスでのコットンリンターの使用は大規模な機械的および化学的洗浄の後のみであった。未加工コットンリンターから得られた精製セルロースは、化学綿または精製コットンリンターと呼ばれる。綿の商業的な重要性を考慮すると、過去100年にわたって他の混合物からリントとリンターを分離するための多くの機械的な分離プロセスが開発されてきたことは驚くことではない。
残念ながら、未加工コットンリンターまたは木材チップからのセルロースの単離および精製の最中に、セルロースを単離するのに用いられるプロセス条件によっては、セルロースの分子量の顕著な低下が起こる。木材では、他の成分が高濃度のために、精製中の分子量の低下が特に深刻である。加えて、精製中の漂白プロセスによって起こる酸化のために、セルロース主鎖にカルボキシルまたはカルボニル基のような望ましくない官能基が形成され、セルロース鎖の多分散性が変化する。未加工コットンリンターを精製して化学綿を製造すること、または、木材チップを木材パルプに変換することのその他の欠点は、「未処理の」セルロース繊維の結晶性と形態が変化するために、セルロース中に存在するヒドロキシル基の化学反応性が変化することである。このようなセルロースの微細構造の変化により、その反応性または修飾剤への接近しやすさの変化、および/または、異なる構造を有する修飾された誘導体の形成、および、最終用途で用いた場合の異なる挙動が生じる可能性がある。特にこのような精製に伴う加工は、精製セルロースのコストを非常に高くする。従って、経済的な観点から、未加工コットンリンターからのセルロースエーテルの製造は、魅力的な代替法である。
高品質のセルロースエーテルを製造するために、セルロースの完成紙料の物理特性、例えば不純物のレベル、表面領域(繊維の長さ)、および、結晶性を制御することが重要である。セルロースは半結晶性材料であるため、セルロースエーテルの製造における主要な問題の1つは、セルロースのヒドロキシル基が誘導体化剤との反応を均一に受けやすくすることである。マーサーによるセルロースを苛性アルカリで処理することに関する最初の仕事から、過去150年にわたってセルロースの形態を反応物に接近しやすくするための多種多様な方法が開発されてきた。これらのアプローチは、3種の一般的なカテゴリー:分解処理、機械的処理および膨潤処理に分類される。現在の商業的なプロセスでは、ヒドロキシルの接近しやすさと反応性は、セルロースを、アルカリ性試薬、最も典型的には水酸化ナトリウムで活性化することによって達成される。
一般的に、分解処理(例えばアルカリと酸素の混合物へのセルロースの曝露)、または、機械的な手段は、多くの用途にとって重要な特性(例えば粘度)が失われるため望ましくない。ほとんどの商業的なプロセスでは、無水グルコース単位に存在する全てのセルロースヒドロキシルの接近しやすさを強化するために、機械的処理と膨潤処理の両方が用いられている。
セルロースを非反応性の溶媒に完全に溶解させたセルロースエーテルの溶媒ベースの合成が文献で周知であるが、このようなアプローチは、溶媒に付随するコスト、環境および回収の問題があるために商業的には実施されない。商業的なセルロース誘導体化法は、非反応性の有機性の希釈剤、および/または、ハイソリッド用反応器を用いることによって、ヘテロジニアスな反応条件を利用する。
スラリー法において、セルロース繊維は、非反応性の有機溶媒または有機溶媒の混合物中に懸濁(スラリー化)され、塩基溶液で活性化され、適切な試薬を用いてエーテル化される。スラリー濃度は、全反応混合物中のセルロースの重量分率と定義される。典型的には、現存のセルロースエーテルを製造するための商業的なスラリー法は、切断された精製セルロース繊維を用いて約4〜9重量%のセルロースのスラリー濃度で実施される。精製セルロースの完成紙料に存在することが多い「毛で覆われた」繊維の形態と、さらにそれらの低いかさ密度のために、それらを9重量%より高いスラリー濃度で処理して、均一に誘導体化することが不可能である。
スラリー濃度の選択および操作性は、以下によって決定される:
a)セルロースの繊維の長さ、
b)セルロースのかさ密度、および、
c)セルロースのスラリーを機械的に撹拌し、反応物を均一に分配させ、効率的に熱伝達させる能力。
あるセルロースエーテルの水溶性および性能特性は、それを製造するのに用いられたスラリー特性によって決定される。一般的に、セルロースマトリックスの修飾が不均一なために、高品質のセルロースエーテルをより高いスラリー濃度で製造することは難しい。一般的に、所定のタイプのセルロースエーテルを製造するためには、ハイソリッド法よりスラリー法が好ましく、優れた撹拌特性、熱伝達、および、エーテル化が最低限の(置換度で測定した)水溶性を有する高品質の生成物(不溶性物質なし)を達成することができる。
スラリー法において、製造されたセルロース誘導体の処理量は、セルロースのスラリー濃度に依存する。スラリー濃度が高ければ、処理量も高くなり、従って、製造(ミル)コストも低くなる。従って、経済的な観点から、現在実施されている濃度より高いスラリー濃度で高分子セルロースエーテルを製造する能力が望ましい。
ハイソリッド(高固形分)法において、セルロースは、有機溶媒をわずかしか用いず、または全く用いずに塩基溶液で活性化され、ペーストを形成し、続いてエーテル化される。一般的に、ハイソリッド法においてエーテル化剤の均一な反応を得ることは、試薬を均一に混合/分配することが困難であるために、さらに難しい。スラリー法では、遊離の非反応性の液体希釈剤により低い粘度の媒体が得られ、反応物の混合に役立つ。両方のプロセスにおいて、繊維の長さを減少させることによって、試薬の混合が改善される。
セルロースエーテルを製造するためのスラリー法の経済面での欠点の1つは、9重量%より高いスラリー濃度でセルロースエーテルを製造できないことである。原則的に、セルロースの繊維を切断して長さを実質的に減少させることによって、9重量%より高いスラリー濃度でセルロースエーテルを製造することが可能である。しかしながら、繊維の長さを短くするのに必要な大規模なセルロースの切断は費用がかかり、さらに、セルロースの分子量を低下させる。多くの用途において、所定の適用性を達成するためにセルロースエーテルのより高い使用レベルが要求されるような場合、セルロースの切断中に起こる分子量の低下は望ましくない。商業的なプロセスに関するその他の考察は、反応装置への充填である:生産高を最大にするために、反応装置の所定の投入量に応じて可能な限り多くの生成物を生産することが望ましい。これらの問題を処理するための手段の1つは、セルロース繊維を切断して、かさ密度を高めることを含む。このアプローチにより、反応装置への充填を高めること、同様に、反応装置内での混合を改善することが可能である。
繊維の長さを短くすることによってセルロース繊維のかさ密度を高める多種多様なアプローチが提唱されている。セルロース繊維のかさ密度を高めるための1つのアプローチは、切断すること、または、粉砕することを含む。米国特許第5,976,320号は、製紙用パルプの製造方法を開示しており、本方法は、コットンファイバーのような繊維状材料を水中に懸濁すること、および、精製装置に送ること(例えば円錐型またはディスク型の精製装置)によるものであり、この場合、この装置中で、繊維材料を叩くことによって短くし、繊維化する。次に、短くされた繊維材料を漂白し、均一な製紙用パルプに加工する。
米国特許出願番号2002/0103368A1で、セルロースのかさ密度を高め、さらに、セルロースパルプから製造されたセルロースエーテル溶液の流動性を高めるその他のアプローチが説明されている。本発明は、セルロースのフロックの製造方法に関し、本方法は、(a)マーセル法で処理し、回収したセルロースパルプを得る工程、および、(b)該マーセル法で処理したパルプを処理して、セルロースのフロックを形成するする工程を含む。この方法で製造されたセルロースのフロックは、類似しているがマーセル法で処理されていないフロックから製造されたセルロースのフロックよりも高いかさ密度を有することが見出された。マーセル法で処理し、回収したセルロースパルプから生産されたカルボキシメチルセルロース(CMC)の溶液の粘度は、マーセル法で処理されていないセルロースパルプから生産されたそれらの粘度より著しく大きい。
米国特許第2,663,907号は、セルロースを高温で砕けやすくして、高圧下での2つの回転ロールを通過させることによって高濃度の粉末に変換する方法を開示している。遺憾ながら、この特定のプロセスではセルロース鎖の分解が起こり、得られた低分子セルロースの完成紙料は、多くのセルロース誘導体を製造するための供給材料として不適切である。
ジェットミルは、セルロースおよびセルロースエーテルの粒度を減少させるために利用されてきたが、リンターの場合、実施例に記載の重合度は26重量%減少した。しかしながら、このアプローチでは、コットンリンターがミルにかけられると、セルロースの分子量の顕著な低下を引き起こす。
ティッシュペーパーの製造方法の一部として、Paterson−Brown等の米国特許第6,174,412号B1では、コットンリンターベースのパルプの製造方法を開示しており、本方法において、リンターを最初は機械的に洗浄し、苛性アルカリで消化し、漂白し、平均の繊維の長さが0.3〜3.0mmの範囲内になるまでオランダータイプのビーターで数時間かけて精製する。
これまで、活性セルロースを形成し、次に適切な試薬と反応させて多種多様なセルロース誘導体を形成することに、微粉末化した、または、切断されたセルロースがバッチプロセスと連続プロセスの両方で用いられてきた。
未加工コットンリンターから製造された混合型の、メチルセルロースおよびそのヒドロキシエチルエーテルまたはヒドロキシプロピルエーテルが、開示されている。ドイツ特許出願番号4,034,709A1では、未加工コットンリンターからの高分子メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシアルキルアルキルセルロースの製造が説明されている。米国特許第5,028,342号では、でい水中の、20〜80重量%のカルボキシメチルセルロース、および、80〜20重量%の、アクリル酸のホモポリマー、メタクリル酸のホモポリマー、および/または、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、および/または、それらの塩から選択される少なくとも1つのポリカルボン酸の混合物の使用が説明されている。低粘度の未精製の(工業グレード)カルボキシメチルセルロース(CMC)(DS約0.9〜1.3)を、スラリー法によって未加工コットンリンターおよび/または木材セルロースから得たことが述べられている。しかしながら、CMC製造の詳細、および、CMC製造に用いられるスラリー濃度は開示されていなかった。
上記の公報のいくつかでは、未加工コットンリンターからの様々なタイプのセルロースエーテルの製造を説明しているが、それらはいずれも、高いかさ密度の未加工コットンリンターからのセルロースエーテルの製造を説明していない。このような材料は、追加の投資を必要とすることなく設備資産の利用を高めることが可能なため、特に、大きく削減されたコストで、スラリー法とハイソリッド法の両方を用いて高品質のセルロース誘導体の商業的な製造によく適している特有の組成物を提供する。
発明の要約
本発明は、未精製の未加工コットンリンター繊維の集合体を含む組成物に向けられ、本組成物は、
a)少なくとも8g/100mlのかさ密度を有し、および、
b)該集合体中の繊維の少なくとも50重量%が、US篩の篩サイズ10番(2mmの目開き)を通過する平均長さを有する。
本発明はさらに、上述の未精製の未加工コットンリンターの集合体の製造方法に関し、本方法は、
a)AOCS公定法Bb3−47で測定すると少なくとも60%のセルロースを含む、一次切断、二次切断、三次切断および/または未選別の未精製の天然の未加工コットンリンター、または、それらの混合物からなる疎な集合体を得ること、および、
b)該疎な集合体を、少なくとも50重量%の繊維が米国標準の篩サイズ10番を通過する長さに粉砕すること、
を含む。
本発明はまた、未精製の天然の未加工コットンリンターの上述の切断された疎な集合体を出発原料として用いたセルロースエーテル誘導体の製造方法も含む。未精製の天然の未加工コットンリンターの切断された集合体を用いて製造することができるセルロースエーテル誘導体としては、これらに限定されないが、カルボキシメチルセルロース(CMC)、疎水化修飾したカルボキシメチルセルロース(HMCMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水性修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)、疎水性修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、および、疎水化修飾したヒドロキシプロピルセルロース(HMHPC)が挙げられる。
発明の詳細な説明
驚くべきことに、本発明は、現存の多様な用途に適した高品質のセルロース誘導体の生産アプローチに比べて多数の改善を提供することが見出された。特に、本発明は、未加工コットンリンターのコストがかかる精製を除いているため、セルロースエーテルの製造元に製造コストを著しく減少させる手段を提供する。本発明のさらなる驚くべき利点は、セルロース誘導体製造のための供給材料として適した高分子セルロース材料で構成される特有の組成物を提供できることである。意外なことに、これらの繊維の長さが短い材料は高いかさ密度を有するため、プラントでの製造の処理量が高められたセルロースエーテル製造が可能であり、それによって、ミルのコストをさらに減少させることができる。
ミルのコストを減少させるために、セルロース誘導体の製造元は常に以下を模索している:
(1)生成物の性能を犠牲にすることなく原材料コストを低くすること、
(2)追加の設備投資を行うことなく製造能力を高めること、および、
(3)エネルギー消費を減らしてコストを削減すること。
本発明は、特有の組成を有する切断された未加工コットンリンターを使用する経済的な方法でセルロースエーテルを製造することに関して、これら全ての目的を達成する。未加工コットンリンターは、精製リンターまたは木材パルプのいずれかに比べて顕著に経済的な節約を提供し、さらに、典型的にはポリマー分子量の低下を引き起こす化学的な加工を受けていないため、高分子量グレードのセルロースの代表である。これらの利点に加えて、意外なことに、未加工コットンリンターをより短い繊維長さに切断すると、比較的高いかさ密度のセルロースの完成紙料が生産されることが見出された。この発見は、かさ密度は、スラリーの撹拌特性と互いに関係があることが以前からわかっていたため、重要である。優れた撹拌特性がなければ、誘導体化した反応物をセルロースに密接混合することは不可能であり、最終的には望ましい適用性を有さない均等でない(不均一な)製品が得られる。驚くべきことに、切断された未加工コットンリンターは、切断された化学綿または木材パルプのかさ密度に比べて極めて高いかさ密度を有することが見出された。
高められたかさ密度のために、切断された未加工コットンリンターは、スラリー法で、より著しく高いセルロース濃度(>9重量%)で扱って、エーテル化することが可能なので、処理量を高めることができる。このようにして得られた未加工コットンリンターから製造されたセルロースエーテルの水溶液の粘度は、市販の分子量が最大の化学綿から製造された類似品の粘度より実質的に高かった。
また意外なことに、同じ粒度分布を達成するために未加工コットンリンターを切断する際に、精製セルロースよりも少ないエネルギーしか要しないことも見出された。本発明のその他の形態は、有機性の希釈剤と塩基の混合物中で、所定の混合速度で、切断された未加工コットンリンターの懸濁液を混合する際、同等に粉砕した精製セルロースの懸濁液よりも少ない力しか要しないことである。セルロースが膨潤または活性化するように、セルロース繊維の懸濁液を塩基と非反応性の有機性の希釈剤の混合物中で滑らかに混合することは、スラリー法でのセルロースエーテルの製造における重要な工程段階である。セルロースを、塩基、水、および場合により非反応性の有機性の希釈剤と混合すると、活性セルロースが形成される。
より具体的には、塩基と有機性の希釈剤の混合物中で粉砕した未加工コットンリンターの懸濁液を滑らかに混合するのに必要な力は、粉砕した未加工コットンリンターの粒度分布と同じ粒度分布を有する粉砕した精製セルロースの類似の懸濁液を混合するのに必要な力よりも5%低く、好ましくはそれより10%低く、より好ましくはそれより15%低いことが発見された。これらの発見は実施例の章で説明されている。
本発明の数種の実用的な利点がある:典型的には精製コットンリンターまたは木材パルプの完成紙料のいずれかに用いるために、未加工コットンリンターを同じ繊維の長さに切断することによって、製造元が、同じ反応装置を用いてバッチサイズを増加させ、それによって、現存する資産を用いて設備能力を高めることが可能である。未加工コットンリンターそのものより低いコストに基づき、同様に、より多い反応装置への投入量から生じる減少した運転コストから、コスト節約が達成できる。あるいは、未加工コットンリンターは、現在精製リンターまたは木材パルプの完成紙料で用いられている長さよりも長い繊維の長さに切断して、同じ反応装置の充填に用いてもよい。切断はエネルギーを消費し、セルロース分子量の低下が起こる可能性があるため、この場合、エネルギーコスト節約と改善された材料の両方が実現し得る。これらの材料から生産されたセルロース誘導体は、多種多様な用途で有用性を有する。規制された産業の場合、セルロース誘導体化の後に適切な精製工程を使用することによって、未精製のリンターに関連する高い能力の利点を増し、規制基準を満たすことが可能である。
未加工コットンリンターを切断すると、多くの用途に適した高品質のセルロース誘導体の製造に十分なセルロース材料の組成物を得られることが見出された。場合により、誘導体の特性を用途に応じた必要条件にさらに適合させるために追加の加工を行ってもよい。精製した完成紙料と比べると、同等の条件下で加工した場合、未加工コットンリンターを切断することによって、より著しく高いかさ密度を有する材料が得られる。この特性により、より多い反応装置への充填が可能になるため、追加の設備投資を行うことなくより高い製造能力を得ることができる。あるいは、異なる切断条件を利用して、より大きい切断機の処理量とより少ない分子量の低下で、同等のかさ密度の材料を生産することができる。
本発明によれば、切断されていない未加工コットンリンターの繊維に含まれるセルロースの固有粘度(IV)の下限は、15dl/g、好ましくは20dl/gであり、上限は、40dl/gであると予想される。切断されていない未加工コットンリンターを本発明に従って粉砕した後、疎な切断された集合体中のIVによって測定した繊維の分子量は、粉砕していない未加工コットンリンターに比べて20%を超えて、好ましくは10%を超えて減少していないと予想される。本発明によれば、切断されたリンターの集合体中の繊維は、少なくとも60重量%、好ましくは70重量%、より好ましくは75重量%のセルロース含量を有する。切断された未加工コットンリンターの集合体における繊維中のセルロース含量の上限は、95重量%であり、好ましくは90重量%である。
未加工コットンリンターの機械的な洗浄により得られた、未加工コットンリンターを含む組成物は、非セルロース系の異物(例えば田畑の塵、くず、種の外殻など)を実質的に含まず、これもまた、本発明のセルロースエーテルを製造するために用いることができる。未加工コットンリンターの機械的洗浄技術としては、打綿、スクリーニングおよび空気分離技術に関するものが挙げられ、これらは当業者周知である。機械的な打綿技術、および、空気分離技術の組み合わせを用いて、繊維とくずとの密度差を利用してくずから繊維を分離する。また、機械的に洗浄した未加工コットンリンターと、「そのままの」未加工コットンリンターとの混合物も、セルロースエーテルを製造するのに用いることができる。また、機械的に洗浄した未加工コットンリンターまたは「そのままの」未加工コットンリンター、および、精製セルロースの混合物を用いても、セルロースエーテルを製造することができる。
市販のリンター製品は、高圧縮のベールプレスによって形成された梱包製品になる。梱は、かさ密度40〜50g/100mlに圧縮されているが、その繊維は易流動性ではなく、非反応性の希釈溶媒に容易に分散することができる。本発明の目的において、切断された未加工リンター繊維の少なくとも95重量%が、米国標準の篩サイズ10番、好ましくはサイズ18番、より好ましくはサイズ60番を通過すると予想される。この基準を満たし、かつ高濃度の易流動性の材料が生産されるように、繊維の長さをさらに減少させることが必要である。
未加工コットンリンターを望ましい範囲に粉砕する、または、切断する多様な切断器具を用いることができ、このような器具としては、例えば、これらに限定されないが、回転切断機、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、および/または、振動ミルが挙げられる。酸化的分解反応を防ぐために、切断機は実質的に熱の上昇を起こさずに、切断を不活性雰囲気下で行うことが好ましい。好ましい手段は、ネッチ(Netzsch)のコンデュクス(Condux(R))切断造粒機CS(Cutting Granulator CS)の使用を含む。このような切断は、前もって圧縮されていないサンプルで観察されたかさ密度に比べて、材料のかさ密度の増加を起こすと予想される。極めて分子量に敏感な用途では、温度を減少させるため、および、切断チャンバー中の不活性雰囲気を維持するために、低温でのグライディングを利用する場合がある。
本発明によれば、切断された未加工コットンリンターのかさ密度は、少なくとも8g/100ml、好ましくは12g/100ml、より好ましくは20g/100mlの下限を有すると予想される。その上限は、約75g/100ml、好ましくは60g/100ml、より好ましくは50g/100mlと予想される。切断された未加工コットンリンターの疎な集合体は、乾燥していてもよいし、または、湿っていてもよい。用語「乾燥」は、本明細書において、10重量%以下の水分を含む繊維の疎な集合体を意味する。言い換えれば、これらの繊維は、触ってみると乾燥しているように感じると予想される。用語「湿った」は、本明細書において、10重量%より多い水分を含む繊維の疎な集合体を意味する。これらの繊維は、湿っていると感じると予想され、場合によっては、顕著な含水量を有すると予想される。
本発明によれば、切断された未加工コットンリンターの疎な集合体中の少なくとも50%、好ましくは75%、より好ましくは95%の繊維が、米国標準の篩サイズ10番(2mmの目開き)、好ましくはサイズ18番(1mmの目開き)、より好ましくはサイズ35番(0.5mmの目開き)、さらにより好ましくは60番(0.25mmの目開き)を通過する。
本発明によれば、切断された未精製の未加工コットンリンター繊維の集合体の製造方法は、
a)一次、二次、三次または未選別の切断した繊維、同様に、それらの混合物の未精製の天然の未加工コットンリンターの集合体を得ること、および、
b)実質的に熱の上昇を起こさない切断機で、少なくとも50重量%の繊維がUS篩サイズ10番を通過する長さに切断すること、
以下を含む。
切断された未加工コットンリンターから、10〜11重量%のスラリー濃度で、高分子カルボキシメチルセルロース(CMC)を生産できることが発見された。このような濃度でCMCを製造する実行可能性は、切断された未加工コットンリンターのかさ密度が、より高いことに依存する。
上記セルロースエーテルの水溶性や溶液特性は、置換度、置換の均一性、および、未加工コットンリンターに含まれる非セルロース系の不純物の量によって決定される。優れた水溶性と溶液特性を有するセルロースエーテルを製造するために、本方法は、好ましくは11重量%のスラリー濃度で実行することができる。しかしながら、グライディングによって、さらに適切な添加剤を用いてかさ密度を高めることによって、11重量%より高いスラリー濃度でも天然に存在するセルロース繊維をエーテル化することができる。また、11重量%より高いのスラリー濃度で天然に存在するセルロース繊維をエーテル化するために、効率的な混合装置を用いてもよい。
未加工コットンリンターから様々なセルロースエーテルを製造するために、スラリー法によって精製セルロースからセルロースエーテルを製造するのに用いられる標準的なエーテル化試薬、典型的な手法および反応条件が、使用可能である。このようにして製造されたセルロースエーテルは、反応混合物からの副産物の除去の程度に応じて、未精製のままでもよいし、精製してもよい。セルロースエーテルに含まれる副産物のレベルは、適切な溶媒での洗浄の程度によって制御することができる。洗浄溶媒の組成、および、セルロースエーテルの精製法は、その化学組成(置換度および分子量)に依存する。驚くべきことに、未加工コットンリンターのセルロースを塩基溶液で活性化する際に必要な、混合に要する力は、精製コットンリンターまたは木材パルプの活性化に必要な力に比べて実質的に減少することが見出された。
本発明によれば、出発原料として未加工コットンリンターの粉砕した集合体を用いるセルロースエーテル誘導体の製造方法は、
a)スラリー法またはハイソリッド法で、9重量%より高いセルロース濃度で、切断された未加工コットンリンターの集合体を塩基で処理し、活性セルロースのスラリーを形成すること、
b)該活性セルロースのスラリーと、エーテル化剤とを反応させ、セルロースエーテル誘導体を形成すること、および、
c)セルロースエーテル誘導体生成物を回収すること、
を含む。
未加工コットンリンターの塩基溶液(工程a)、および、エーテル化剤(工程b)での処理の順番は逆でもよい。本発明はまた、同時の活性化およびエーテル化も含み、ここで、塩基およびエーテル化剤は、反応の集合体に同時に添加される。
本発明において、エーテル誘導体の製造方法では、塩基は、有機または無機のいずれでもよいし、または、それらの混合物でもよい。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、および、それらの混合物が挙げられる。有機塩基は強塩基である必要があり、例えば、これらに限定されないが、アミン、および、第四アンモニウム水酸化物が挙げられる。
エーテル誘導体の製造において、エーテル化剤としては、ハロゲン化アルキル(例えば、塩化メチルおよび塩化エチル)、ハロゲン化アルケニル(例えば、ハロゲン化エチレンおよびプロピレン)、酸化アルキレン(例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、および、酸化ブチレン)、グリシジルエーテル、アルファ−ハロゲノアルカノアートの金属塩、スルホン酸ビニル、および、それらの混合物が挙げられる。その他のエーテル化剤は、モノクロロ酢酸およびそれらの塩、ブチルグリシジルエーテル、ならびに、グリシジルシラン(例えば、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、ならびに、3−グリシドオキシプロピルメチルジメトキシシラン)である。
場合により、本セルロースエーテル誘導体生成物は、純度を高めるためにさらに加工することができる。さらなる加工は、液状媒体の使用によってセルロースエーテル生成物から非ポリマー塩を抽出すること(ここで、セルロース誘導体は実質的に不溶性である)を含んでもよい。
本発明の方法は、セルロースエーテル誘導体生成物を生産するが、セルロースエーテル誘導体としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、疎水化修飾したカルボキシメチルセルロース(HMCMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MECHEC)、疎水性修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、疎水性修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、および、疎水性修飾したヒドロキシプロピルセルロース(HMHPC)が挙げられる。最終的なセルロースエーテル誘導体生成物の反応集合体は、少なくとも85重量%のセルロース誘導体を含む。CMCの置換度は、0.1〜2.5である。HECのヒドロキシエチルのモル置換度(MS)は、0.1〜6である。MCの置換度(DS)は、0.1〜2.5である。MEHECのエチルおよびメチルDSは、0.1〜2.5であり、MSのヒドロキシエチルのDSは、0.1〜6である。
本発明のセルロースエーテルは、その他のエーテル化剤でさらに修飾して、混合エーテル誘導体を形成してもよい。
本発明によれば、本セルロースエーテル誘導体は、適切なカチオン性試薬を用いて、カチオン性基でさらに修飾されていてもよい。カチオン性試薬の例は、グリシジルプロピルトリメチル塩化アンモニウムである。カチオン性試薬はまた、2〜20個の炭素原子を含むアルキル基のような疎水性基を含んでもよい。セルロースエーテルのカチオン性誘導体の例としては、グリシジルプロピルトリメチル塩化アンモニウムと反応したHEC、HMHECおよびCMCが挙げられる。
本発明のセルロースエーテルの固有粘度(IV)は、具体的な用途における具体的な必要性を満たすように、化学的な手段、機械的な手段、放射線源への接触、および、酵素的な手段、または、それらの組み合わせによってさらに減少させることができる。
HECを疎水性の試薬とさらに反応させて、疎水化修飾したHEC(HMHEC)を形成することができる。HMHECまたはHMEHECの疎水性基は、2〜30個の炭素原子を有する。HMHECおよびHMEHECの疎水性基は、2〜30個の炭素を有する直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり得る。HMHECの疎水性基は、2〜30個の炭素を有するアルキル成分、5〜30個の炭素を有するアリール成分、8〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルまたはアルキルアリール成分、または、1〜15個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり得る。好ましい成分は、ヘキサデシル(C16)基である。HMHECの疎水性基は、疎水性物質と混合することができ、この場合、混合されたHMHECの疎水性基は、3〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリールアルキル基、および、8〜24個の炭素原子を有するその他の基を有し、それによって2つの基の差は、少なくとも2個の炭素でなければならない。
本発明によれば、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)の疎水性基は、0.1〜2.5のメチル置換度を有し、0.1〜6のヒドロキシエチルのモル置換度(MS)を有する。
本発明によれば、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)のエチル置換度は、0.1〜2である。EHECのヒドロキシエチルのモル置換度は、0.1〜6である。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、0.1〜5のHPモル置換度を有する。メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)は、0.1〜2.5のメチル置換度を有し、0.1〜6のヒドロキシプロピルのモル置換度を有する。
以下の実施例で本発明をさらに説明するが、記載された全ての部またはパーセンテージは、特に他の規定がない限り、重量に基づく。これらの実施例は単に例証として示されたものであり、請求項に記載されていることを除き、本発明を限定することは目的としない。
標準的な手法
1.セルロース繊維の切断
様々な篩サイズを備えたネッチのコンデュクス(R)CS150/100−2実験用切断造粒機を用いて、セルロースの完成紙料を切断した。回収されたセルロース繊維のサイズは、切断機に適切なサイズの篩を取り付けることによって制御した。場合によっては、特定の繊維の長さを達成するために、異なるサイズの篩を用いた複数の切断通路を作った。
2.切断されたセルロース繊維の長さの篩による特徴付け
200gの材料を適切なサイズの米国標準の篩(ASTM法E437−85の付則1)に置き、CEテイラーモデル2A携帯篩振盪機(CE Tyler CE Tyler Model 2A Portable Sieve Shaker)を用いて20分間振盪し、篩を通過した材料の重量分率を測定することによって、繊維の長さを間接的に測定した。
3.セルロース繊維の長さ顕微鏡による特徴付け
切断されたセルロース繊維の繊維の長さの分布を、以下の視像の解析に基づく手法を用いて、それらそれぞれの数および重量の平均モーメントによって特徴付けた:
a)約20mgのセルロースサンプルを約15mlの浸漬油と混合し、油中繊維スラリーを形成した。
b)次に、この油中繊維スラリーを5分間撹拌し、次に、スライドガラス上に置いた。
c)このスライドを、1/2インチのCCDモノクロームビデオカメラ上で倍率を0.0174mm/ピクセルに設定した実体顕微鏡で、干渉偏光で試験した。スコープ−プロ4.1(Scope−Pro 4.1)ソフトウェアによって制御されるプログラム可能な電動のX−Y翻訳工程を用いた均一な系統的無作為抽出スキームによって測定された視界から、480×640ピクセルの解像度でセルロース繊維の画像を得た。各画像を、イメージ−プロ・プラス4.5.1(Image−Pro Plus4.5.1)ソフトウェアを用いて加工し、解析し、それぞれの目的に応じて領域の測定、アスペクト比、ホール領域、外周、フェレット(ferret)長さおよびフェレット幅を得た。直線ではないセルロース繊維の真の長さは、外周パラメーターから得た。繊維の長さ分布の統計を得るために、最低でも30,000本の繊維を測定した。
4.切断されたセルロース繊維のかさ密度の測定
ローブファルマ・エレクトロラボ・タップ密度試験機(LobePharma Electrolab Tap Density Tester)(USP)モデルETD−1020を用いて、セルロース繊維と未加工コットンリンターのかさ密度を以下のように測定した:
1)100mlのUSP1メスシリンダーの(空の)風袋重量を±0.01gの範囲内で測定した。
2)100mlのUSP1メスシリンダー中に、〜90mlの圧縮されていない切断された繊維を入れた。
3)このメスシリンダーをタップ密度試験機中に置き、落下300回/分の速度で200回分「落下させた」。
4)得られたタップ後の体積を、目で見て±1mlの範囲内で測定し、同様に、繊維の正味の集合体の体積を±0.01gの範囲内で測定した。
5)繊維集合体の体積をタップ後の体積で割ることによって、かさ密度を計算した。
5.未加工コットンリンターのセルロース含量の測定
未加工コットンリンターのセルロース含量を、付則2に含まれるAOCS公定法Bb3−47を用いて測定した。この方法は、実質的に、特別に設計された反応装置中での、未加工コットンリンターサンプルの高温高圧での苛性アルカリ抽出を含む。
6.未加工コットンリンターの固有粘度の測定
固有粘度(IV)は、高分子物質の分子量を反映する。セルロースのIVを測定するために、セルロースのメチロール誘導体のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液の相対的な粘度を測定した。セルロースのメチロール誘導体は、セルロースとホルムアルデヒドとを反応させることによって製造された。実験的に、0.95gのパラホルムアルデヒドを用いてDMSOに溶解させた0.08gのセルロースを、5.0%LiClと共に60gのDMSOに添加し、110℃で30分間、撹拌しながら加熱した。サンプル製造工程中にパラホルムアルデヒドがホルムアルデヒドに分解し、その後、このホルムアルデヒドはセルロースと反応し、DMSO可溶性のメチロールセルロース誘導体を形成した。
得られたストック溶液をDMSOと水で希釈し、0.5%LiCl、および、3.0%HOを含むメチロールセルロースのDMSO溶液(濃度範囲0.007〜0.008g/dl)を製造した。この溶液を、50℃に温度調節されたビスコテック(Viscotek)Y501Cキャピラリー粘度計を用いて解析した。粘度計のアウトプットは、圧力トランスデューサー値であり、各希釈液に対する相対的な粘度を計算することが可能である。相対的な粘度の測定を繰り返して、Solomon&Ciuta,J.App.Polym.Sci.,,683(1962)の単一点におけるIV方程式に従って、セルロースのIVを測定した。
7.切断のためのエネルギーの測定
切断のためのエネルギーは、所定量のセルロース系材料を切断するのに必要なエネルギーの量と定義される。切断のためのエネルギーは、適切な篩を備えたネッチ−コンデュクスCS150/100−2モデル造粒機を用いたセルロース系材料の切断に伴う力消費を長期にわたり測定することによって測定された。この切断機は、モーター負荷の力の測定も可能なように改変された。これらの測定は、コンピューターで0.25Hzの比率で自動的に記録された。切断機には、総計で250gのセルロースを170秒にわたり一定速度で供給した。セルロース供給の前に、「無負荷」の力消費を確立するために、モーターを少なくとも60秒間稼働させた。切断のための力を測定するために、「無負荷」の力を、切断中に測定された力から引いた。切断のためのエネルギーを得るために、切断のための力を、切断時間および切断されたセルロースの量で標準化した。
8.混合に要する力の測定
混合に要する力は、所定量のアルカリ水溶液と有機性の希釈剤の混合物に懸濁した所定量のセルロース系材料の懸濁液を混合するのに必要な力と定義される。混合に要する力は、ジャケット付き1リットル樹脂製反応がまで構成される装置を用いて測定された。温度は、ネスラブ(Neslab)のエンドカル(Endocal)の冷却循環槽モデルRTE−8DDで制御した。1.5インチ離した2個の3.4インチA−310インペラーを備えた3/8インチ撹拌シャフトを備えたライトニン(Lightnin)モデルL1U08F撹拌器を用いて、スラリーを撹拌した。以下の手法で説明されているようにして、以下の成分の比率を樹脂製反応がまに添加した:
Figure 2008534735
1.循環槽の冷却温度を、21℃のスラリー温度が得られると予想される値に設定し、循環を開始させた。これがその日の初回の稼働の場合、製造元の説明書に従って取り付けたかきまぜ機を用いずにモーターを較正した。溶媒と水の重さを測り、投入する。セルロースの重さを測り、投入した。
2.フランジにグリースを塗り、シャフトを調節し、および、樹脂製反応がまを閉じた。インペラーがガラスの底面にあたるまでシャフトを調節して、シャフトに印を付けた。その印の1/2インチ上にシャフトを調節した。スラリーが混合されるまで撹拌を徐々に強めた(約200rpm)。
3.10インチHgの真空を適用して反応がまを不活性にし、雰囲気に窒素を10回加えて中断した。
4.添加漏斗を用いて、7分間にわたり50%NaOHを投入した。
5.正確に30分間アルカリ化を行った。
6.撹拌を、増加量100rpmずつ徐々に800rpmまで強め、飛び跳ねのない優れた混合を達成した。速度、温度および力を記録する前に、各速度で、測定値を2分間平衡化した。
7.増加量100rpmずつ、800rpmから200rpmに一定比率で減少させた。速度、温度および力を記録する前に、測定値を2分間平衡化した。
実施例1〜7
未加工コットンリンターの切断
プランターズ・コットン・オイルミル(Planters Cotton Oil Mill)、生産者協同組合オイルミル(Producers Cooperative Oil Mill)、および、サザン・コットン・オイル社(Southern Cotton Oil Co.)から得られた、未加工コットンリンターの一次、二次および未選別の切断をそれぞれ切断し、上述のようにして特徴付けた(平均繊維の長さ、および、かさ密度)。表1に、様々な篩サイズで回収された切断された未加工コットンリンターのかさ密度を示す。
比較例A〜F
精製コットンリンターの切断
バックアイ・テクノロジーズ(Buckeye technologies)から得られた、広げられたUVEおよびHVE精製コットンリンター(〜95重量%のセルロース、および、〜5重量%の水分)を上述のようにして切断した。表1に、様々な篩サイズで回収された、切断された精製コットンリンターのかさ密度を示す。
Figure 2008534735
比較例G〜L
精製木材パルプの切断
ボーレガード(Borregaard)から得られた精製VHV−S木材パルプを用いて、実施例1〜5を繰り返した。切断された木材パルプサンプルのかさ密度を、150〜450μm篩で、11.7〜4.3g/100mlの範囲で回収した。表1のデータからわかるように、同じ繊維の長さでは、切断された未加工コットンリンターは、精製コットンリンター(UVEセルロースまたはHVEセルロース)または木材パルプの約2倍のかさ密度を有する。
実施例8
7.5重量%のセルロースのスラリー濃度での、二次切断の未加工コットンリンターのカルボキシメチル化
イソプロピルアルコール(IPA)(473g)、および、メタノール(24g)の混合物を含む樹脂製反応がまのボウルに、切断された未加工コットンリンター(52.7g;「そのままの」重量)(かさ密度26g/100ml)を添加し、この混合物を混合して、スラリーを形成した。反応装置を密閉した後、このセルロースのスラリーを、20℃に冷却し、100〜600rpmで撹拌し、優れた均一な混合を達成する。反応装置からの酸素の完全除去を確実にするために、5サイクルの排出(水流アスピレーター)と窒素パージによって反応装置の内容物を不活性化した。よく撹拌した未加工コットンのスラリーに、20℃で、水酸化ナトリウム溶液(73.4gの水に溶解させた、44.97gの水酸化ナトリウム)を添加した。水酸化ナトリウム溶液を加えた後、このセルロースのスラリーを20℃で1時間撹拌し、活性セルロースを形成した。
次に、この活性セルロースのスラリーに、モノクロロ酢酸(MCA)溶液(51.53gのイソプロパノールに溶解させた、51.53gのMCA)を、窒素雰囲気下で20℃で添加した。得られた反応混合物を70℃で1時間を加熱し、室温に冷却し、ろ過した。残留物を80%(w/w)メタノール/水混合物(800g)中でスラリー化し、氷酢酸(2.7g)で処理した。得られたスラリーを、80%(w/w)メタノール/水で3回洗浄し、ろ過した。次に、ろ過したケークを流動層乾燥機中で25℃で5分間、50℃で10分間、および、70℃で20分間乾燥させた。
カルボキシメチル化した未加工コットンリンター(CM−RCL)は、1.05のカルボキシメチル置換度(DS)を有していた。CM−RCLの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で、7040cPであった。
比較例M
7.5重量%のセルロースのスラリー濃度での、UVEセルロースのカルボキシメチル化
UVEセルロース(かさ密度11g/100ml)を用いて実施例8を繰り返した。
CMCのカルボキシメチルDSは、30rpm、25℃で、1.14であった。CMCの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で5560cPであった。
実施例9
10重量%のセルロースのスラリー濃度での、二次切断の未加工コットンリンターのカルボキシメチル化
以下の成分を用いて実施例8を繰り返した。成分1〜5を用いて活性セルロースを製造した。
1.切断された二次切断の未加工コットンリンター(かさ密度26g/100ml)−69.8g(「そのままの」)、
2.イソプロパノール−404.6g、
3.メタノール−22.5g、
4.水−95.5g、
5.水酸化ナトリウム(純度97%)−58.5g、
6.モノクロロ酢酸(純度99.5%)−65.1g、
7.イソプロパノール−65.1g、
8.氷酢酸−3.1g。
CM−RCLのカルボキシメチルDSは、0.94であった。CM−RCLの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で7300cPであった。
実施例10
11重量%のセルロースのスラリー濃度での、二次切断の未加工コットンリンターのカルボキシメチル化
以下の成分を用いて実施例8を繰り返した。成分1〜5を用いて活性セルロースを製造した。この活性セルロースとモノクロロ酢酸とを反応させ、CM−RCLを形成した。
1.切断された二次切断の未加工コットンリンター(かさ密度26g/100ml)−52.7g(「そのままの」)、
2.イソプロパノール−298g、
3.メタノール−15.9g、
4.水−61g、
5.水酸化ナトリウム−37.0g、
6.モノクロロ酢酸(純度99.5%)−43.5g、
7.イソプロパノール−43.5g。
CM−RCLのカルボキシメチルDSは、1.08であった。CM−RCLの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で6100cPであった。
実施例11
7.5重量%のセルロースのスラリー濃度での、切断された一次切断の未加工コットンリンターのカルボキシメチル化
切断された一次切断の未加工コットンリンター(かさ密度22g/100ml)を用いて、実施例8を繰り返した。
CM−RCLのカルボキシメチルDSは、1.05であった。CM−RCLの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で6760cPであった。
実施例12
7.5重量%のセルロースのスラリー濃度での、切断された三次切断の未加工コットンリンターのカルボキシメチル化
切断された三次切断の未加工コットンリンター(かさ密度14g/100ml)を用いて、実施例8を繰り返した。
CM−RCLのカルボキシメチルDSは、1.02であった。CM−RCLの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で7440cPであった。
比較例N
7.5重量%のセルロースのスラリー濃度での、切断されていない二次切断の未加工コットンリンターのカルボキシメチル化
切断されていない(入手時のまま)二次切断の未加工コットンリンターを完成紙料として用いたことを除いて、実施例8を繰り返した。カルボキシメチル化の経過中に、撹拌器のモーターを、過剰な負荷を与えることにより止めて、それによって、稼働を止めた直後にMCAが混合されるあらゆる可能性をなくした。その結果により、活性化された切断されていない未加工コットンリンターを滑らかに混合することは不可能なことが実証された。
比較例O
11重量%のセルロースのスラリー濃度での、切断されたUVEセルロースのカルボキシメチル化
未加工コットンリンターの代わりにUVE精製リンターを用いたことを除いて、実施例10を繰り返した。稼働中、〜50%の材料が反応器の壁に付着し、スラリーの不十分な混合が観察された。
CMCのカルボキシメチルDSは、1.15であった。CMCの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で5020cPであった。
実施例13
切断された二次切断の未加工コットンリンターのエトキシ化
t−ブチルアルコール(611.2g)、イソプロパノール(28.8g)、アセトン(21.6g)、および、水(59.07g)の混合物を含むケムコ(Chemco)の反応装置に、切断された二次切断の未加工コットンリンター(乾燥基準で80g)を投入した。反応装置を密閉した後、反応装置中の雰囲気を、5サイクルの排出および窒素パージで不活性化した。次に、このセルロースのスラリーに、撹拌しながら50%の苛性アルカリ溶液(44.8g)をゆっくり添加した。得られたスラリーを20℃で45分間混合し、次に、酸化エチレン(76g)を添加した。得られた混合物を55℃で25分間、次に95℃で30分間加熱した。これに続いて、この反応混合物を、50℃に冷却し、70%硝酸(50.4g)で処理した。その後、この反応混合物を室温に冷却し、真空中でろ過した。残留物を、80:20(w/w)のアセトン/水の混合物で3回洗浄し、精製したポリマーをアセトンで脱水した。脱水したポリマーを、流動層乾燥機で、70℃で0.5時間乾燥させた。
ヒドロキシエチルのモル置換度(MS)は、生成物のセルロースの無水グルコース単位1モルあたりグラフト化した酸化エチレンのモル数の平均と定義され、2.67であった。エトキシ化した未加工コットンリンターの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で5620cPであった。
比較例P
切断されたHVEセルロースのエトキシ化
HVEセルロースを用いて、実施例13を繰り返した。
形成されたヒドロキシエチルセルロース(HEC)のヒドロキシエチルMSは、2.59であった。エトキシ化した未加工コットンリンターの1%溶液のブルックフィールド粘度は、30rpm、25℃で2040cPであった。
上記のデータからわかるように、未加工コットンリンターのエトキシ化により、精製コットンリンター(HVEセルロース)で作製されるHECよりも高い1%溶液の粘度を有する生成物が得られる。
比較例Q
切断されたUVEセルロースからのメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)の製造
LodigeのドライスTR(Drais TR)2.5反応装置に、切断されたUVEコットンリンター(312g)を添加した。次に、この反応装置を排気して、窒素でパージし、反応装置から酸素を除去した。UVEを含む反応装置に、ジメチルエーテル(256g)、塩化メチル(329g)、および、酸化エチレン(52g)を添加し、スラリーを形成した。反応装置のジャケット温度20℃に維持しながら、最後にこのセルロースのスラリーに50%水酸化ナトリウム溶液(401g)を添加した。得られた混合物を50℃に加熱し、続いて40分間にわたって50℃から87℃に加熱した。87℃に達した後、この反応混合物を87℃で45分間維持してエーテル化を完了させた。これに続いて、この反応装置を87℃に保持しながら排気し、その後、内容物を取り出してすぐに20℃に冷却した。この反応装置の内容物を6.6kgの熱水(水の温度90〜95℃)に分散し、スラリーを1N塩酸でpH6.7〜7.5に中和した。固体生成物をろ過によって回収し、そのろ液を追加の6.6kgの熱水で洗浄した。MHECを、窒素パージしたオーブンで80℃で一晩乾燥させた。
生成物のメチル置換度(DS)、および、ヒドロキシエチルMSは、それぞれ1.57、および、0.33であった。1%溶液のブルックフィールド粘度は、6,360cPであった(スピンドル4,30rpm、25℃)。
実施例14
切断された二次切断の未加工コットンリンターからのメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)の製造
以下の成分を用いて比較例Qを繰り返した。
1.切断された二次切断の未加工コットンリンター317g
2.ジメチルエーテル−252g、
3.塩化メチル−328g、
4.酸化エチレン−52g、および、
5.50%水酸化ナトリウム溶液−393g。
生成物のメチル置換度(DS)、および、ヒドロキシエチルMSは、それぞれ1.57、および、0.34であった。1%溶液のブルックフィールド粘度は、13,500cPであった(スピンドル4,30rpm、25℃)。
比較例R
切断されていない二次切断の未加工コットンリンターからのメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)の製造
切断されていない未加工コットンリンターを用いたことを除いて、実施例14を繰り返した。切断されていない未加工リンターを反応器に入れる前に、それらを1mlの房に分けた。反応サイクルが完了した後、この反応装置を開いた。その時、46gの未反応のセルロースが供給マニホールド中に付着していることが観察された。これは、切断されていない未加工リンターセルロースの完成紙料の低いかさ密度によって発生した。
実施例15
切断された二次切断の未加工コットンリンターからの、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)の製造
MHPCサンプルを、手法と反応装置への投入量を以下のように変更したことを除き、比較例Qと類似の手法を用いて製造した。
1.切断された二次切断の未加工コットンリンター156g
2.ジメチルエーテル−138g、
3.最初の塩化メチルの投入量−105g、
4.酸化プロピレン−15g、
5.50%水酸化ナトリウム溶液−267g、および、
6.二回目の塩化メチル投入量−102g。
この場合、酸化エチレンの代わりに酸化プロピレンを用いた。塩化メチルは2回で添加しており、第二の添加は、この反応装置が18分間かけて80℃になった後に行った。第二の添加の後、この反応装置80〜85℃で70分間を維持した。サンプルの中和および精製は、熱水の量を半分で用いたことを除いて、比較例Qと同様にした。
生成物のメチル置換度(DS)、および、ヒドロキシプロピルMSは、それぞれ1.63、および、0.09であった。2%溶液のブルックフィールド粘度は、92,600cPであった(スピンドル4,30rpm、25℃)。
実施例16
切断された未加工コットンリンターの混合に要する力の測定
450μm篩を通過するように切断された二次切断の未加工コットンリンターサンプルの混合に要する力を、標準的な手法で明示された方法で、21℃で測定したところ、以下の結果が得られた:
Figure 2008534735
比較例S
切断された精製コットンリンターの混合に要する力の測定
バックアイHVEを二次切断の未加工リンターで置き換えたことを除いては、実施例16を繰り返したところ、以下の結果が得られた:
Figure 2008534735
この材料の混合に要する力は、実施例16で切断された未加工リンターで観察された力よりも実質的に高い。
好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、当然ながら、特許請求された発明の本質と範囲を逸脱することなく、それらの形態および詳細における変化形および改変を作製することができる。このような変化形および改変は、本明細書に添付された請求項の権利および範囲内とみなされる。

Claims (96)

  1. 粉砕した未加工コットンリンター繊維の疎な集合体を含む組成物であって、
    a)少なくとも8g/100mlのかさ密度を有し、および、
    b)該疎な集合体中の繊維の少なくとも50重量%が、米国標準の篩サイズ10番(2mmの目開き)を通過する、上記組成物。
  2. 前記集合体中の繊維は、フィブリルを実質的に含まない表面を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記疎な集合体は、10重量%以下の水分を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記疎な集合体は、20重量%以下の水分を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記疎な集合体は、少なくとも12g/100mlのかさ密度を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記疎な集合体は、少なくとも20g/100mlのかさ密度を有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記疎な集合体のかさ密度は、上限75g/100mlを有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記疎な集合体のかさ密度は、上限60g/100mlを有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記疎な集合体のかさ密度は、上限50g/100mlを有する、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記疎な集合体中の繊維の少なくとも50%が、米国標準の篩サイズ18番(1mmの目開き)を通過する、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記疎な集合体中の繊維の少なくとも50%が、米国標準の篩35番(0.5mmの目開き)を通過する、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記疎な集合体中の繊維の少なくとも50%が、米国標準の篩60番(0.25mmの目開き)を通過する、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記疎な集合体中の繊維の固有粘度は、粉砕していない未加工コットンリンターの固有粘度に比べて20%を超えて減少していない、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記疎な集合体中の繊維の固有粘度は、粉砕していない未加工コットンリンターの固有粘度に比べて10%を超えて減少していない、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記疎な集合体中の繊維に存在するセルロースは、下限約15dl/gの固有粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記疎な集合体中の繊維に存在するセルロースは、下限約20dl/gの固有粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
  17. 前記疎な集合体中の繊維に存在するセルロースは、上限約40dl/gの固有粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
  18. 前記組成物は、少なくとも60重量%のセルロース含量を有する、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記組成物は、少なくとも70重量%のセルロース含量を有する、請求項1に記載の組成物。
  20. 前記組成物は、少なくとも75重量%のセルロース含量を有する、請求項1に記載の組成物。
  21. 前記組成物は、95重量%のセルロース含量の上限を有する、請求項1に記載の組成物。
  22. 前記組成物は、90重量%のセルロース含量の上限を有する、請求項1に記載の組成物。
  23. a)一次切断、二次切断、三次切断または未選別の未加工コットンリンター、または、それらの混合物の疎な集合体を得ること、および、
    b)該未加工コットンリンターの疎な集合体を、少なくとも50%が米国標準の篩サイズ10番(2mmの目開き)を通過するサイズに粉砕すること、
    を含む、請求項1に記載の組成物の製造方法。
  24. 前記疎な集合体は、10重量%以下の水分を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記疎な集合体は、20重量%以下の水分を含む、請求項23に記載の方法。
  26. 前記粉砕することは、回転ミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、バウルミル、および、振動ミルからなる群より選択される粉砕装置で行われる、請求項23に記載の方法。
  27. 前記粉砕することは、酸化的分解反応を防ぐために不活性雰囲気下で行われ、セルロースの分子量の低下を防ぐ、請求項23に記載の方法。
  28. 前記疎な集合体は、一次切断の未加工コットンリンターである、請求項23に記載の方法。
  29. 前記疎な集合体は、二次切断の未加工コットンリンターである、請求項23に記載の方法。
  30. 前記疎な集合体は、三次切断の未加工コットンリンターである、請求項23に記載の方法。
  31. 前記疎な集合体は、未選別の未加工コットンリンターである、請求項23に記載の方法。
  32. 前記疎な集合体はまた、機械的に洗浄した未加工コットンリンター、および/または、精製セルロースも含む、請求項23に記載の方法。
  33. 前記組成物中の疎な集合体は、少なくとも60重量%のセルロース含量を有する、請求項23に記載の方法。
  34. 前記組成物中の疎な集合体は、少なくとも75重量%のセルロース含量を有する、請求項23に記載の方法。
  35. 前記組成物中の疎な集合体は、少なくとも85重量%のセルロース含量を有する、請求項23に記載の方法。
  36. 前記組成物中の疎な集合体は、90重量%のセルロース含量の上限を有する、請求項23に記載の方法。
  37. 前記組成物中の疎な集合体は、95重量%のセルロース含量の上限を有する、請求項23に記載の方法。
  38. 前記粉砕することは、冷却した装置で行われる、請求項23に記載の方法。
  39. 前記冷却は、液体冷却剤を用いて行われる、請求項37に記載の方法。
  40. 前記液体冷却剤は、液体窒素である、請求項39に記載の方法。
  41. エーテル誘導体の製造方法であって:
    a)出発原料として請求項1に記載の組成物と塩基とを混合し、活性セルロース混合物を形成すること、および、
    b)該活性セルロース混合物と、少なくとも1種のエーテル化剤とを反応させ、セルロースエーテル誘導体を形成すること、
    を含み、ここで、該活性セルロース混合物の混合に要する力は、同じ方法で同等に粉砕した精製セルロースを用いた場合の混合に要する力よりも5%低い、上記方法。
  42. 前記活性セルロース混合物の混合に要する力は、同じ方法で同等に粉砕した精製セルロースを用いた場合の混合に要する力よりも10%低い、請求項41に記載の方法。
  43. 前記活性セルロース混合物の混合に要する力は、同じ方法で同等に粉砕した精製セルロースを用いた場合の混合に要する力よりも15%低い、請求項41に記載の方法。
  44. 前記出発原料は、まず、前記エーテル化剤で処理され、続いて塩基で処理され、セルロースエーテル誘導体を形成する、請求項41に記載の方法。
  45. 前記出発原料は、エーテル化剤と塩基とで同時に処理され、セルロースエーテル誘導体を形成する、請求項41に記載の方法。
  46. 前記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、有機強塩基、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  47. 前記塩基は、アミン、第四アンモニウム水酸化物、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  48. 前記エーテル化剤は、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、酸化アルキレン、グリシジルエーテル、アルファ−ハロゲノアルカノアートの金属塩、スルホン酸ビニル、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  49. 前記エーテル化剤は、塩化メチル、塩化エチル、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、モノクロロ酢酸およびそれらの塩、ブチルグリシジルエーテル、ならびに、グリシジルシランからなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  50. 前記エーテル化剤は、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、または、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシランのいずれかである、請求項41に記載の方法。
  51. 前記エーテル誘導体生成物は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、疎水化修飾したカルボキシメチルセルロース(HMCMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)、カルボキシメチルで疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(CMHMHEC)、疎水性修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水性修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、および、疎水性修飾したヒドロキシプロピルセルロース(HMHPC)からなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  52. 前記エーテル誘導体は、カチオンで修飾されている、請求項41に記載の方法。
  53. カチオン性試薬は、グリシジルプロピルトリメチル塩化アンモニウムである、請求項52に記載の方法。
  54. 前記カチオン性試薬は、疎水性基を含む、請求項53に記載の方法。
  55. 前記エーテル誘導体の疎水性基は、2〜20個の炭素原子を含むアルキル基である、請求項54に記載の方法。
  56. 前記エーテル誘導体生成物は、その純度を高くするためにさらに加工される、請求項41に記載の方法。
  57. 前記さらなる加工は、液状媒体の使用によって最終産物から非ポリマー塩を抽出し、それにより前記エーテル誘導体を実質的に不溶性にすることを含む、請求項56に記載の方法。
  58. 前記出発原料またはセルロースエーテル誘導体を粘度低下剤でさらに加工して、セルロースエーテルの固有粘度をさらに低くする、請求項41に記載の方法。
  59. 前記粘度低下剤は、化学的な手段によって実行される、請求項58に記載の方法。
  60. 前記粘度低下剤は、機械的な手段によって実行される、請求項58に記載の方法。
  61. 前記粘度低下剤は、放射線照射によって実行される、請求項58に記載の方法。
  62. 前記粘度低下剤は、酵素的な手段によって実行される、請求項58に記載の方法。
  63. 最終産物に、少なくとも65%の前記セルロースエーテル誘導体が含まれる、請求項41に記載の方法。
  64. 最終産物に、少なくとも75%の前記セルロースエーテル誘導体が含まれる、請求項41に記載の方法。
  65. 最終産物に、少なくとも95%の前記セルロースエーテル誘導体が含まれる、請求項41に記載の方法。
  66. 前記エーテル誘導体生成物は、0.1〜2.5の置換度を有するカルボキシメチルセルロースである、請求項51に記載の方法。
  67. 前記エーテル誘導体生成物は、ヒドロキシエチルのモル置換度0.1〜6を有するHECである、請求項51に記載の方法。
  68. 前記エーテル誘導体生成物は、エチル置換度0.1〜2を有するEHECである、請求項51に記載の方法。
  69. 前記EHECは、ヒドロキシエチルのモル置換度0.1〜6を有する、請求項68に記載の方法。
  70. 前記エーテル誘導体生成物は、ヒドロキシプロピルのモル置換度0.1〜5を有するHPCである、請求項51に記載の方法。
  71. 前記エーテル誘導体生成物は、疎水化修飾したHEC(HMHEC)を形成するために、さらに疎水性の試薬と反応させたHECである、請求項51に記載の方法。
  72. 前記HMHECは、2〜30個の炭素原子を有する疎水性基を含む、請求項71に記載の方法。
  73. 前記疎水性基は、親水性のスペーサー基でHMHEC主鎖から隔てられている、請求項72に記載の方法。
  74. 前記親水性のスペーサー基は、ポリ酸化エチレン成分である、請求項73に記載の方法。
  75. 前記HMHECの疎水性基は、直鎖状または分岐状の炭化水素鎖である、請求項72に記載の方法。
  76. 前記HMHECの疎水性基は、5〜30個の炭素からなるアリール成分、8〜20個の炭素原子からなるアリールアルキルまたはアルキルアリール成分、および、1〜15個の炭素原子からなるパーフルオロアルキル成分からなる群より選択される成分である、請求項72に記載の方法。
  77. 前記HMHECの疎水性基は、ヘキサデシル(C16)基、または、テトラデシル(C14)基である、請求項72に記載の方法。
  78. 前記HMHECの疎水性基は、異なっているか、または、混合型である、請求項72に記載の方法。
  79. 前記HMHECの疎水性基は混合型であり、一種の3〜18個の炭素原子を有するアルキル基と、その他の8〜24個の炭素原子を有する基を有し、従ってこれら2つの基の差は少なくとも2個の炭素である、請求項78に記載の方法。
  80. 前記エーテル誘導体生成物は、疎水性基が2〜30個の炭素原子を含むHMEHECである、請求項51に記載の方法。
  81. 前記疎水性基は、親水性のスペーサー基でHMEHEC主鎖と離れている、請求項80に記載の方法。
  82. 前記親水性のスペーサー基は、ポリ酸化エチレン成分である、請求項81に記載の方法。
  83. 前記HMEHECの疎水性基は、直鎖状または分岐状の炭化水素鎖である、請求項80に記載の方法。
  84. 前記HMEHECの疎水性基は、5〜30個の炭素からなるアリール成分、8〜20個の炭素からなるアリールアルキルまたはアルキルアリール成分、および、1〜15個の炭素原子からなるパーフルオロアルキル基からなる群より選択される成分である、請求項80に記載の方法。
  85. 前記HMEHECの疎水性基は、ヘキサデシル(C16)基、または、テトラデシル(C14)基である、請求項80に記載の方法。
  86. 前記HMEHECの疎水性基は、異なっているか、または、混合型である、請求項80に記載の方法。
  87. 前記HMEHECの疎水性基は混合型であり、一種の3〜18個の炭素原子を有するアルキル基と、その他の8〜24個の炭素原子を有する基を有し、従ってこれら2つの基の差は少なくとも2個の炭素である、請求項86に記載の方法。
  88. 前記セルロースエーテル誘導体は、メチル置換度0.1〜2.5を有するメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)である、請求項51に記載の方法。
  89. 前記MHECのヒドロキシエチルのモル置換度(MS)は0.1〜6である、請求項88に記載の方法。
  90. 前記セルロースエーテル誘導体は、0.1〜2.5のDSを有するメチルセルロース(MC)である、請求項51に記載の方法。
  91. 前記セルロースエーテル誘導体は、0.1〜2.5のメチルDS、0.1〜2.5のエチルDS、および、0.1〜6.0のヒドロキシエチルMSを有するMEHECである、請求項51に記載の方法。
  92. 前記セルロースエーテル誘導体は、0.1〜2.5のメチル置換度を有するメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)である、請求項51に記載の方法。
  93. 前記MHPCのヒドロキシプロピルのモル置換度(MS)は、0.1〜6である、請求項95に記載の方法。
  94. 前記出発原料は、非反応性の有機性の希釈剤中に分散される、請求項41に記載の方法。
  95. 前記非反応性の有機性の希釈剤は、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項94に記載の方法。
  96. 前記非反応性の有機性の希釈剤は、水を含む、請求項95に記載の方法。
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