JP2008533159A - 不純な6−アミノカプリロニトリルからカプロラクタムを製造する改良された方法 - Google Patents

不純な6−アミノカプリロニトリルからカプロラクタムを製造する改良された方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アミノニトリルからのラクタムの製造の分野に、および特に6−アミノカプロニトリルの気相加水分解環化によるε−カプロラクタムの製造に関する。ACNの気相環化反応から得られるε−カプロラクタム(CL)、6−アミノカプロニトリル(ACN)および水を含む粗液体カプロラクタムは、水素化触媒の存在下に水素と接触させられて粗液体カプロラクタム中のACNを、ヘキサメチレンジアミン(HMD)およびヘキサメチレンイミン(HMI)を含む生成物に転化させる。粗液体カプロラクタム中のテトラヒドロアゼピン(THA)はこの水素化中にHMIに転化される。HMDおよびHMIはACNと比較してより低い沸点を有し、こうしてそれらは、その後の蒸留操作でCLからより容易に分離される。こうして、より少ない蒸留位置で、かつ、より低い圧力降下およびより低いベース温度でACNからCLを製造する方法が成し遂げられる。

Description

本発明は、アミノニトリルからのラクタムの製造の分野に、および特に6−アミノカプロニトリルの気相加水分解環化によるε−カプロラクタムの製造に関する。
ε−カプロラクタムはナイロン−6(Nylon−6)の製造用の前駆体である。ナイロン−6は6−アミノヘキサン酸を加熱することによって1899年に初めて製造された。ε−カプロラクタム(CL)からの商業的に実現可能な合成は1938年にI.G.ファルベンインダストリー(I.G.Farbenindustrie)のポール・シュラック(Paul Schlack)によって発見された。現在は、世界のε−カプロラクタムのおおよそ95重量%はベックマン(Beckmann)転位によりシクロヘキサノンオキシムから製造されている。シクロヘキサノンの出発原料はシクロヘキサン、フェノール、またはベンゼンであることができる。次に、一連の還元および/または酸化によって、シクロヘキサノンが形成される。後者は次に、ヒドロキシルアミン塩、通常は硫酸塩と反応させられてオキシムおよび硫酸アンモニウムを形成する。オキシムは濃硫酸中で転位させられ、生じたラクタム硫酸塩はアンモニアで中和されてε−カプロラクタムおよび追加の硫酸アンモニウムを形成する。その後、純ε−カプロラクタムは多数の分離および精製工程によって得られる。現在のところ、この方法は極めて資本集約的であり、大量の廃棄物を発生させる。
ε−カプロラクタムの経済的に魅力的な製造方法は6−アミノカプロニトリル(ACN)を使用する。米国特許公報(特許文献1)(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours & Company))は、液相法でのアミノニトリルおよび水からのラクタムの製造を開示している。加水分解および同時に起こるラクタム形成は、アミノニトリルが薄い水溶液で反応させられるときに迅速に進行する。200℃〜375℃の温度が用いられる。アミノニトリルおよび水はこの反応温度に1時間以下維持される。反応は好ましくは硫化水素で触媒される。
米国特許公報(特許文献2)(マーチン(Martin)、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーに付与された)は、N−置換アミドの気相触媒製造方法を開示している。該方法は、水と少なくとも1つのアミノニトリル部分を含有する脂肪族アミノニトリルとの気化混合物を、典型的には150℃〜500℃の温度で1分間以下脱水型触媒上に通す工程を含む。アミノ基とニトリル基とが隣接関係で少なくとも2個の炭素原子によって分離されている開鎖脂肪族アミノニトリルが使用されるとき、得られる生成物はラクタムである。
近年、安価なアジポニトリル(ADN)がブタジエンの直接ヒドロシアン化によって製造されてきた。これは、安価なADNが部分水素化され、そして精製されてACNを含む不純な生成物を生成することができるので、マーチンCL法への新たな関心につながってきた。この生成物は水素化反応の幾つかの副生物、とりわけテトラヒドロアゼピン(THA)を含有するかもしれない。
米国特許公報(特許文献3)は、次の工程:
(1)不純なACNおよび水が両方とも気相にある、不純なACNを脱水触媒の存在下に高温で水と接触させてCL、アンモニア、水、ACN、およびTHAを含む気相反応生成物を生成する工程と、
(2)アンモニアおよび主要部分の水を気相反応生成物から分離してCL、ACNおよびTHAを含む粗液体CLを生成する工程と、
(3)粗液体CLを低沸点蒸留カラムへ導入し、そしてTHAおよびACN両方の主要部分を低沸点カラムの蒸留物として取り出し、かつ、CL、高沸点物および多くとも少量部分のTHAおよびACNの両方を低沸点カラムの後留物として取り出す工程と、
(4)低沸点カラムの後留物を高沸点蒸留カラムへ導入し、そしてCLおよび多くとも少量部分の高沸点物を高沸点カラムの蒸留物生成物として取り出し、かつ、高沸点物の主要部分を高沸点カラムの後留物として除去する工程と
を含む、THAを含有する不純なACNからのCLの製造方法を開示している。
この方法では、CLからのACNおよびTHAの分離は、分離の困難さのために、低沸点カラムにかなりの数の位置を必要とする。このカラムでの多数の位置は、増加した圧力降下およびカラムのベースでの過度に高い温度をもたらすであろう。それ故、粗カプロラクタム生成物中の不純物がより高い蒸気圧を有する化学種へ転化され、それがより少ない蒸留位置を必要とする、ACNからのCLの製造方法を有することは望ましいであろう。
米国特許第2,301,964号明細書 米国特許第2,357,484号明細書 米国特許第6,716,977号明細書
本発明では、ACNの気相環化反応から得られたε−カプロラクタム(CL)、6−アミノカプロニトリル(ACN)および水を含む粗液体カプロラクタムが水素化触媒の存在下に水素と接触させられて粗液体カプロラクタム中のACNをヘキサメチレンジアミン(HMD)およびヘキサメチレンイミン(HMI)を含む生成物に転化させる。テトラヒドロアゼピン(THA)はこの水素化中にHMIに転化される。HMDおよびHMIはACNと比較してより低い沸点を有し、こうしてその後の蒸留操作でCLからより容易に分離される。このように、より少ない蒸留位置(従ってより低い圧力降下およびより低いベース温度)でのACNからのCLの製造方法が成し遂げられる。本発明は、それ故、6−アミノカプロニトリル(ACN)からε−カプロラクタム(CL)を製造する方法であって、
(a)ACNと水との気化混合物を、脱水触媒を含む反応器内で接触させてCL、アンモニア、水およびACNを含む気相反応生成物を生成する工程と、
(b)アンモニアおよび主要部分の水を前記気相反応生成物から分離してCL、ACNおよび少量部分の水を含む粗液体カプロラクタムを生成する工程と、
(c)前記粗液体カプロラクタムを水素化触媒の存在下に水素と接触させてCL、HMI、HMDおよび水を含む水素化された粗カプロラクタムを生成する工程と、
(d)前記水素化された粗カプロラクタムから水およびHMIを脱水カラムで除去してCLおよびHMDを含む無水粗カプロラクタムを生成する工程と、
(e)前記無水粗カプロラクタムを低沸点蒸留カラムへ導入する工程であって、低沸点カラムの蒸留物がHMDを含み、そして低沸点カラムの後留物がCLおよび高沸点物を含む工程と、
(f)前記低沸点カラムの後留物を高沸点蒸留カラムへ導入する工程であって、高沸点カラムの蒸留物がCLを含み、そして高沸点カラムの後留物が高沸点物を含む工程と
を含む方法である。
さて図1について言及すると、本発明の一実施形態を描くシステム10が示されている。場合によりテトラヒドロアゼピン(THA)およびACNの二量体を含む6−アミノカプロニトリル(ACN)の流れ12、および水の流れ16がミキサー14へ導入される。水対ACNのモル比は約1:1〜10:1の範囲に維持される。ACN流れ12は約0〜約1200ppmテトラヒドロアゼピン(THA)および約0〜約2重量%のACNの二量体を含有することができる。ACN流れ12および水流れ16は約0.1重量%未満の溶存酸素を含有すべきであり、それはミキサー14に供給する前にACNおよび水を窒素でガスシールすることによって成し遂げることができる。ミキサー14はACN流れ12および水流れ16を均質に混合する。ケニックス(Kenix)(登録商標)ミキサーなどの、静的ミキサーを用いることができる。ミキサー14によって生成されたACNと水との液体混合物は気化器18へ導入され、そこには液体混合物を気化させてACNとスチームとの蒸気混合物20を生成するために熱が供給される。商標「ダウサム−A(Dowtherm−A)」でダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)によって販売される材料などの、好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、スチームまたは熱油システムを用いて熱を供給することができる。蒸気混合物20は好ましくは、約160℃〜約190℃の範囲の温度および約30psig(323kPa)未満の圧力にある。蒸気混合物20は過熱器22へ導入され、そこで蒸気混合物20は約220℃〜約300℃の範囲の温度にさらに加熱されてACN蒸気とスチームとの過熱混合物24を生成する。商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料などの、好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、高圧スチームまたは熱油システムを用いて過熱器22に熱を供給することができる。
過熱蒸気24は過熱器22を出て、カプロラクタム合成反応器26へ供給される。反応器26は、活性アルミナ、二酸化チタン、酸化バナジウムなどの、マーチンによって教示されるような脱水触媒を含有する。反応器は固定床または流動床反応器であることができる。
反応熱は、反応温度を約250℃〜約325℃の範囲内に好ましくはコントロールする伝熱流体(示されていない)によって反応器26から除去される。好適な伝熱流体は、商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料である。あるいはまた、反応器26は、中間冷却(示されていない)と連続して配置された複数の断熱充填床反応ゾーンを含んでもよい。反応器26の内部で起こる反応はCLおよびアンモニアを生成する。
約30重量%〜約70重量%のCL、相当する化学量論量のアンモニア、約30重量%〜約70重量%の水、約0〜約5重量%の未反応ACN、および約0〜約1重量%のTHAを含む気相生成物流れ28が反応器26を出る。生成物流れ28は、好ましくは約150℃より高い温度および約1気圧〜約2気圧(101〜203kPa)の範囲の圧力で動作する部分縮合器30へ供給される。部分縮合器30は水、CL、未反応ACNの幾らか、および存在するかもしれないTHAの実質的にすべてを凝縮させて液体の流れ32を生成する。液体の流れ32は約90重量%より多い、好ましくは約99重量%より多いCL、約5重量%未満、好ましくは約1重量%未満のACN、約0〜約5重量%の水、約900ppmTHA、約300ppmヘキサメチレンイミン(HMI)、および約1000ppm未満のACNの二量体を含む。水蒸気およびアンモニアガスを含む蒸気の流れ34(約10重量%〜約20重量%のNH3および約80重量%〜約90重量%の水)がまた凝縮器30を出る。
液体の流れ32および蒸気の流れ34は両方ともアンモニア除去蒸留カラム36の異なる位置へ供給される。液体の流れ32はカラム36の下方部分に供給されるが、蒸気の流れ34は、液体の流れ32が供給される位置より上方の位置へ供給される。アンモニア除去蒸留カラム36はトレー(示されていない)を含有し、大気圧よりわずかに上の圧力(例えば、約1気圧〜約2気圧、すなわち約101kPa〜約203kPa)で、約100℃〜約160℃の範囲の温度で、そして約0.1〜0.5の範囲の還流比で動作する。アンモニア除去蒸留カラム36は、ほとんどの水と一緒にアンモニアの実質的にすべてを蒸留物38として除去する。蒸留物38組成は約10重量%〜約20重量%のNH3、約0〜約0.5重量%のHMI、および約80重量%〜約90重量%の水である。
蒸留物38は、トレーを含有し、そして約0.1〜1の還流比で動作する高圧アンモニア精製カラム40へ供給される。アンモニア精製カラム40から、無水アンモニア製品が蒸留物42として取り出され、水(約0.5重量%未満の有機物質と一緒の)がカラムの後留物44として取り出される。アンモニア精製カラム40での圧力は、利用可能な除熱流体(示されていない)の温度に依存して、変わることができる。
アンモニア除去蒸留カラム36は粗液体カプロラクタムをカラムの後留物46として生成し、それは約5重量%未満の水、約0〜約10重量%の未反応ACN、約0.5重量%未満の未反応THA、約90重量%より多いCL、および幾らかの高沸点物を含む。アンモニア除去カラム36はトレーまたは充填材(示されていない)を含有することができ、好ましくはCLオリゴマーの形成を最小限にするために約160℃より下の後留物温度で運転される。
粗液体カプロラクタムを含むアンモニア除去蒸留カラムの後留物46は、水素化反応器70内で水素の流れ68と接触させられて水素化された粗カプロラクタム72を生成する。粗カプロラクタム46中のACNおよびTHAは水素と反応してHMDおよびHMIを生成する。水素68対粗液体カプロラクタムカラムの後留物46中のCLのモル比は約1:50〜1:1の範囲にある。水素化された粗カプロラクタム72は約0.2重量%のHMI、約0〜約5重量%のHMI、約50ppm未満のTHA、および約300ppm未満のACNを含有する。水素化反応器70は、約50℃〜約130℃および約50psia〜約2,500psia(約345kPa〜約17,237kPa)圧力、好ましくは約200psia〜約600psia(約1,379kPa〜約4,137kPa)に維持される。
水素化反応器70は水素化触媒(示されていない)を含有する。水素化触媒は、Ni、Co、Rh、Pd、およびPtなどの、周期表の遷移金属族の元素をベースにすることができる。助触媒元素が触媒の活性および選択性を向上させるために触媒に添加されてもよい。好適な助触媒の例はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、モリブデン、クロム、鉄、パラジウム、白金、銅、アルミニウム、およびケイ素である。触媒を調製するための様々な方法が当該技術で知られており、多くの触媒が商業的に入手可能である。触媒は炭素、アルミナ、もしくはシリカなどの担体を含んでもよいし、またはそれらは担体なしに、例えば、中身が名目上すべて金属である、ラネー(Raney)型触媒として知られるスポンジ金属触媒、もしくは還元された金属酸化物の形態で提供することができる。好ましい触媒はラネー(登録商標)Niである。
水素化された粗カプロラクタム72は、約60℃〜約150℃の範囲の温度、約20mmHg〜約100mmHg(約2.7kPa〜約13.3kPa)の範囲の圧力、およびおおよそ0.5の還流比で動作する真空脱水カラム48へ供給される。真空脱水カラム48は構造化充填材(示されていない)を含有する。水およびHMIは、約30重量%〜約70重量%のHMIおよび約30重量%〜約70重量%の水を含有する脱水カラムの蒸留物50として脱水カラム48から取り出される。脱水カラムの後留物52は脱水カラム48から取り出される。脱水カラムの後留物52は約95重量%〜約99.5重量%のCL、約0.1重量%〜約5重量%のHMD、および約1重量%未満の高沸点物を含む。好ましくは、脱水カラム48は、収率ロスであるかまたは別のやり方でプロセスを複雑にし得る、CLオリゴマーの形成を最小限にするために約160℃より下の後留物温度で運転される。
脱水カラムの後留物52は、約160℃より下の後留物温度で動作する真空低沸点蒸留カラム54へ供給される。低沸点カラム54は構造化充填材(示されていない)を含有し、約20〜50の範囲の還流比で約5mmHg絶対〜約40mmHg絶対(約0.7kPa〜約5.3kPa)の範囲の圧力で、好ましくは約10mmHg絶対(約1.3kPa)で運転される。低沸点カラムの蒸留物56は低沸点カラム54から取り出される。低沸点カラムの蒸留物56は未反応HMDおよび幾らかのCL、例えば約50重量%のHMDおよび約50重量%のCLを含む。低沸点カラムの後留物58は低沸点カラム54から取り出される。低沸点カラムの後留物58はCLおよび約1重量%未満の高沸点物を含む。
低沸点カラムの後留物58は、構造化充填材(示されていない)を含有する高沸点蒸留カラム60へ供給される。高沸点蒸留カラム60は、サブ大気圧で、例えば、約10mmHg絶対〜約40mmHg絶対(約1.3kPa〜約5.3kPa)の範囲で、好ましくは約10mmHg絶対(約1.3kPa)で、および約160℃より下の後留物温度で動作する。還流比は約1未満である。高沸点物および少量部分(約5重量%未満)の入ってくるCLが高沸点カラムの後留物64として取り出される。入ってくるCLの主要部分(約95重量%より多い)が高沸点カラムの蒸留物62として取り出される。この高沸点カラムの蒸留物62はCLの99.5%より高い純度を有する。必要ならば、高沸点カラムの後留物64は、薄膜エバポレーター(示されていない)に供給して高沸点カラムの後留物64中に存在するCLを回収することができる。この回収されたCLは高沸点蒸留カラム60に供給することができる。
本発明方法が商業的規模で操作される場合、かなりの量の水が流れ44および50をもたらすであろう。本方法の経済的効率を高めるために、これらの流れは組み合わせられ、適切に処理され、本方法にリサイクルされてもよい。
図2は、本発明の第2実施形態を描くシステム100を示す。場合によりTHAおよびACNの二量体を含む6−アミノカプロニトリル(ACN)の流れ120、および水の流れ160がミキサー140へ導入される。水対ACNのモル比は約1:1〜10:1の範囲に維持される。ACN流れ120は約0〜1200ppmテトラヒドロアゼピンおよび約0〜2重量%のACNの二量体を含有することができる。ACN流れ120および水流れ160は約0.1重量%未満の溶存酸素を含有すべきであり、それはミキサー140に供給する前にACNおよび水を窒素でガスシールすることによって成し遂げることができる。ミキサー140はACN流れ120および水流れ160を均質に混合する。ケニックス(登録商標)ミキサーなどの、静的ミキサーを用いることができる。ミキサー140によって生成されたACNと水との液体混合物は、気化器180へ導入され、そこにはACNとスチームとの蒸気混合物200を生成するために熱が供給される。商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料などの、好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、スチームまたは熱油システムを用いて熱を供給することができる。蒸気混合物200は約160℃〜約190℃の範囲の温度および約30psig(約323kPa)未満の圧力にある。蒸気混合物200は過熱器220へ導入され、そこで蒸気混合物200は約220℃〜約300℃の範囲の温度にさらに加熱されてACN蒸気とスチームとの過熱混合物240を生成する。商標「ダウサムA−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料などの、好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、高圧スチームまたは熱油システムを用いて過熱器220に熱を供給することができる。
過熱蒸気240は過熱器220を出て、CL合成反応器260へ供給される。反応器260は、活性アルミナ、二酸化チタン、酸化バナジウムなどの、マーチンによって教示されるような脱水触媒を含有する。反応器は、固定床または流動床反応器であることができる。
反応熱は、反応温度を約250℃〜約325℃の範囲内に好ましくはコントロールする伝熱流体(示されていない)によって反応器260から除去される。好適な伝熱流体は、商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料である。あるいはまた、反応器260は、中間冷却(示されていない)と連続して配置された複数の断熱充填床反応ゾーンを含んでもよい。反応器260の内部で起こる反応はCLおよびアンモニアを生成する。
約30重量%〜約70重量%のCL、相当する化学量論量のアンモニア、約30重量%〜約70重量%の水、約0〜約5重量%の未反応ACN、および約0〜約1重量%のTHAを含む気相生成物流れ280が反応器260を出る。この実施形態では、気相生成物流れ280は、凝縮させることなく、アンモニア除去蒸留カラム300の下方部分に直接供給される。アンモニア除去カラム300はトレー(示されていない)を含有し、大気圧よりわずかに上の圧力(例えば約1気圧〜約2気圧、すなわち、約101kPa〜約203kPa)で,約100℃〜約170℃の範囲の後留物温度で、そして約0.1〜5の範囲の還流比で動作する。アンモニア除去カラム300は、実質的にすべてのアンモニアおよび水のほとんどをオーバーヘッド流れ320に除去する。アンモニア除去カラム300は、オーバーヘッド流れ320を凝縮させて液体還流流れ360、液体蒸留物流れ380および少量の非凝縮性蒸気ベント流れ(示されていない)を生成するのに十分な能力を有する凝縮器340を備えている。
あるいはまた、気相生成物流れ280は、CLオリゴマーの形成を依然として制限しながら凝縮器340に対する要件を減らす手段として、蒸気を冷却するが、その露点より下の温度までは冷却しないためにクーラー(示されていない)を通過させることができる。クーラー用の冷却媒体は、循環する冷却水、空気、他のプロセス流れ、または他の熱交換流体であることができるが、それらに限定されない。
液体蒸留物380は、トレー(示されていない)を含有し、そして約0.1〜1の範囲の還流比で動作する高圧アンモニア精製カラム400へ供給され、それから無水アンモニア製品が蒸留物420として取り出され、水(約0.5重量%未満の有機物質と一緒の)がカラムの後留物440として取り出される。アンモニア精製カラム400での圧力は、利用可能な除熱流体(示されていない)の温度に依存して、変わることができる。
アンモニア除去蒸留カラム300は粗液体カプロラクタム460をカラムの後留物として生成し、それは約0.5重量%未満の水、約0〜約10重量%の未反応ACN、約0.5重量%未満のTHA、約90重量%より多いCL、および約3重量%未満の高沸点物を含む。アンモニア除去カラム300はトレーまたは充填材(示されていない)を含有することができ、好ましくはCLオリゴマーの形成を最小限にするために約160℃より下の後留物温度で運転される。
粗液体カプロラクタム460は、水素化反応器700内で水素の流れ680と接触させられて水素化された粗カプロラクタム720を生成する。粗カプロラクタム中のACNおよびTHAは水素と反応してHMDおよびHMIを生成する。水素680対粗液体カプロラクタム460中のCLのモル比は約1:50〜1:1の範囲にある。水素化された粗カプロラクタム720は約0.2重量%のHMI、約0〜約5重量%のHMI、約50ppm未満のTHA、および約300ppm未満のACNを含有する。水素化反応器700は、約50℃〜約130℃および約50psia〜約2,500psia(約345kPa〜約17,237kPa)圧力、好ましくは約200psia〜約600psia(約1,379kPa〜約4,137kPa)に維持される。
水素化反応器700は水素化触媒を含有する。水素化触媒は、Ni、Co、Rh、Pd、およびPtなどの、周期表の遷移金属族の元素をベースにすることができる。助触媒元素が触媒の活性および選択性を向上させるために触媒に添加されてもよい。好適な助触媒の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、モリブデン、クロム、鉄、パラジウム、白金、銅、アルミニウム、およびケイ素である。触媒を調製するための様々な方法が当該技術で知られており、多くの触媒が商業的に入手可能である。触媒は、炭素、アルミナ、もしくはシリカなどの担体を含んでもよいし、またはそれらは担体なしに、例えば、中身が名目上すべて金属である、ラネー型触媒として知られるスポンジ金属触媒、もしくは還元された金属酸化物の形態で提供することができる。好ましい触媒はラネー(登録商標)Niである。
水素化された粗カプロラクタム720は、おおよそ0.5の還流比で、約60℃〜約150℃の範囲の温度、約20mmHg絶対〜約100mmHg絶対(約2.7kPa〜約13.3kPa)の範囲の圧力で動作する真空脱水カラム480へ供給される。真空脱水カラム480は構造化充填材(示されていない)を含有する。水およびHMIは、約30重量%〜約70重量%のHMIおよび約30重量%〜約70重量%の水を含有する脱水カラムの蒸留物500として脱水カラム480から取り出される。脱水カラムの後留物520は脱水カラム480から取り出される。脱水カラムの後留物520は約95重量%〜約99.5重量%のCL、約0.1重量%〜約5重量%のHMD、および約1重量%未満の高沸点物を含む。好ましくは、真空脱水カラム480は、収率ロスであるか、別のやり方でプロセスを複雑にし得るかのどちらかである、CLオリゴマーの形成を最小限にするために約160℃より下の後留物温度で運転される。
脱水カラムの後留物520は、約160℃より下の後留物温度でおよびサブ大気圧で動作する低沸点蒸留カラム540へ供給される。低沸点カラム540は構造化充填材(示されていない)を含有し、それは約20〜50の範囲の還流比で、約5mmHg絶対〜40mmHg絶対(約0.7kPa〜5.3kPa)の範囲の圧力で、好ましくは約10mmHg絶対(約1.3kPa)で運転される。低沸点カラムの蒸留物560は低沸点カラム540から取り出される。低沸点カラムの蒸留物560はHMDおよびCL(おおよそ50重量%のHMD、50重量%のCL)を含む。低沸点カラムの後留物580は低沸点カラム540から取り出される。低沸点カラムの後留物580はCLおよび約1重量%未満の高沸点物を含む。
低沸点カラムの後留物580は、構造化充填材(示されていない)を含有し、そして約160℃より下の後留物温度で、および約1未満の還流比で、サブ大気圧で(例えば、約10mmHg〜約40mmHg、すなわち、約1.3kPa〜約5.3kPaの範囲で、好ましくは約10mmHg絶対、すなわち、約1.3kPaで)動作する高沸点蒸留カラム600へ供給される。高沸点物および少量部分(約5重量%未満)の入ってくるCLが高沸点カラムの後留物640として取り出される。入ってくるCLの主要部分(約95%より多い)が高沸点カラムの蒸留物620として取り出される。高沸点カラムの蒸留物620中のこのCLは約99.5%より高い純度を有する。必要ならば、高沸点カラムの後留物640は、薄膜エバポレーター(示されていない)に供給して高沸点カラムの後留物640中に存在するCLを回収することができる。この回収されたCLは高沸点蒸留カラム600に供給することができる。
本発明方法が商業的規模で操作される場合、かなりの量の水が流れ440および500をもたらすであろう。本方法の経済的効率を高めるために、これらの流れは組み合わせられ、適切に処理され、本方法にリサイクルされてもよい。
(実施例1)
(カプロラクタム製造装置)
6−アミノカプロニトリル(ACN)の加水分解環化によるε−カプロラクタム(CL)の気相合成を実証するために2ステージ断熱反応器を用いた。実験セットアップは、
・1つが蒸留水を、他方がACNを含有する2つの供給ドラム。両供給ドラムを窒素のガスシール下に保ち、前もって窒素でスパージして溶存酸素を除去した。
・ジャケット付き1.5インチのステンレススチール管からなる、そしてジャケット中の140psig(965kPa)スチームで加熱される気化器。気化器に2つの計量供給ポンプによって供給ドラムから供給した。静的ミキサーを気化器とポンプとの間に取り付けて反応体の完全な混合を確実にした。必要ならば、ラインを気化器の底部に取り付けて気化器からブローダウン・パージを取った。
・気化器から蒸気を取り、そしてそれを反応器の所望の入口温度に過熱した、電気加熱過熱器。
・2ステージ−ステージ1およびステージ2の断熱反応器。
・ステージ1反応器は高断熱性であり、長さ3フィートの1.5インチ直径ステンレススチール管で作られていた。この反応器は触媒ペレットを装入され、4つの電気ヒーターを含有した。反応器の周りにラップされたヒーターの2つを、表面積対容量比が商業的製造規模においてより著しく大きい、この非常に小さい実験規模ではかなりなものであり得る、反応器の断熱材を通して失われる熱を供給するようデザインされたパワースタット(powerstat)によって手動でコントロールした。2つの他のヒーター、反応器の各端に1つを追加して端での熱ロスに対処した。これらは、ヒーターと反応器の端との間に置かれた熱電対によって測定して、設定温度に自動的にコントロールした。サーモウェルを反応器の長さの下方へ設置し、それは反応器長さの下方へ19の温度を測定するための2つのマルチポイント熱電対を含有した。
・ステージ2反応器は高断熱性であり、7フィート長さおよび1.5インチ直径ステンレススチール管で作られていた。この反応器は触媒ペレットを装入され、ステージ1反応器で行われたように4つの電気ヒーターを含有した。この反応器は反応器の各端に1つの内部熱電対を含有して入口および出口温度を監視した。
・冷却器としての機能を果たす、加熱された移送ラインが2ステージの反応器を連結した。
・凝縮器システムは2ステージ装置であった。ステージ1は凝縮の主要部分を達成し、ステージ2は蒸発するアンモニアと混合された凝縮性物質の最終凝縮を提供した。
・さらなるワークアップおよび分析のために粗カプロラクタム溶液を集めるための生成物受器(55ガロンのドラム)
からなった。
(カプロラクタム製造)
水性カプロラクタム(CL)溶液を、米国特許公報(特許文献2)にE.L.マーチンによって記載されているように、活性アルミナ触媒を用いる気相での6−アミノカプロニトリル(ACN)の加水分解環化によって製造した。反応器の第1および第2ステージを、それぞれ600gおよび1197gの活性アルミナ触媒の1/8インチ円筒形押出物で満たした。20g/分のACNおよび40g/分の水をミキサーで一緒に混合し、気化器のシェル側に140psig(965kPa)スチームを用いる186℃の気化器で気化させた。気化器から出る蒸気の流れを次に220℃に過熱し、過熱スチーム中に33重量%のACNを含有する反応体を0.7h-1の重量基準空間速度(WHSV)で2−ステージ反応器システムに供給した。反応器の第1および第2ステージを、それぞれ、おおよそ256℃/312℃、および260℃/312℃の入口/出口温度で、5時間の総オンストリーム時間ランさせた。移送ラインは反応器ステージ間で材料を搬送し、そしてまた熱を消散させるのに役立った。オンストリーム時間の関数としての生成物流れの組成を表1に示す。データは、有機物のみ基準での重量パーセント組成として与えられる。生成物流れは約70重量%の水を含んだ。
Figure 2008533159
複合生成物(すなわち上記反応の全コースにわたって集め、そして組み合わせた生成物)は、水性カプロラクタムと有機物のみ基準で1.35重量%のACNとを含んだ。この生成物を、比較例および発明実施例での使用のために二分した。
(比較例:蒸留)
上記のカプロラクタム溶液は、1.35重量%のACN(有機物のみ基準で)および検出できないレベルのヘキサメチレンイミン(HMI)を含んだ。この材料を、2インチ直径の、そして4.5フィートのワイヤメッシュ充填材(コッホBX(Koch BX))を含有する回分蒸留缶で蒸留した。リボイラーは2リットル丸底フラスコであった。
水を先ず1未満の還流比を用いて200トル(27kPa)のカラムヘッド圧で除去した。この工程中にリボイラーに連続的に水性CL溶液を供給し、水を蒸留物として取り出した。この工程中にリボイラー温度は、リボイラー中のCLの濃度が上がるにつれて上昇した。リボイラー温度が140℃に達し、そしてリボイラーが一杯になったときに、供給を停止した。
この時点でカラムヘッド圧を10トル(1.3kPa)に下げ、還流比を50に上げた。蒸留のこのステージ中に、CLより高い揮発度を有する不純物は除去された。この工程中に除去される主要な不純物はACNである。それぞれ50ml容量の一連の5連続蒸留物カットを取った。ガスクロマトグラフィによるこれらのカットの分析は表2の結果を与えた。
Figure 2008533159
この時点で還流比を2に下げ、そして90mlのストリップ−カットを取ってカラムをフラッシュした。これに一連の185ml生成物カットが続いた。これらの生成物カットの第1番目は0.03重量%のACNを含有した。精製CLオーバーヘッドを取り出した後、1.7重量%の高沸点不純物を含む残液がポットに残った。
(発明実施例:水素化および蒸留)
カプロラクタム製造からの生成物溶液を蒸留装置に装入してアンモニアおよび水を含むカットを除去し、そしておおよそ70重量%のカプロラクタム(水性)および0.9重量%の6−アミノカプロニトリル(すなわち有機物のみ基準で1.3重量%)を含む後留物生成物をもたらした。一部(1960g)を、40gのラネー(登録商標)Ni2800スラリー触媒および約40g水入りのおおよそ4リットルのオートクレーブに装入した。反応器を水素でパージし、漏洩について試験した。装入物を、撹拌しながらほぼ90℃に加熱し、次に圧力を900psig(6205kPa)に上げた。反応混合物を90℃および900psig(6205kPa)に5時間維持し、その時点で反応器を冷却し、混合物を排出させた。5時間未満の反応時間もまた本発明の方法において有効である。生成物は、0.42重量%のヘキサメチレンイミン(HMI)、0.47重量%のヘキサメチレンジアミン(HMD)、検出できるACNなしおよびおおよそ0.4重量%の高沸点物(有機物のみ基準で)を含んだ。
比較例と同じ蒸留装置を次の工程で用いた。水除去工程は、比較例で用いたのと同じ手順を用いて行った。水およびHMIは低沸点共沸混合物を形成するので、この工程中にHMIの実質的にすべてが水と共に除去された。
CLより高い揮発度を有する不純物の除去は、10トルヘッド圧および20の還流比で行った。この工程中に除去される主要な不純物はHMDであった。本実施例では、HMDがACNより揮発性であることが知られているので、より低い還流比を用いた。それぞれ50ml容量の一連の2蒸留カットを取った。ガスクロマトグラフィによるこれらのカットの分析は表3に提示される結果を与えた。
Figure 2008533159
この時点で還流比を2に下げ、そして80mlのストリップ−カットを取ってカラムをフラッシュした。これに一連の185ml生成物カットが続いた。これらの生成物カットの第1番目は0.03重量%のHMDを含有した。精製CLオーバーヘッドの主要部分を取り出した後に、1重量%の高沸点不純物を含む残液が残った。
比較例では、第1生成物カットのACNレベルを0.03重量%に下げるために50の還流比で操作し、そしてそれぞれ50mlの5低沸点カットを取ることが必要であった。本発明実施例では、第1生成物カットのHMD含有率は、20の還流比を用いることによって、そしてたったの2低沸点カットを取ることによって0.03重量%に低下した。これらの例は、不純物の除去が水性CL溶液を蒸留前に水素化することによって大いに容易にされることを例示する。
(実施例2)
本実施例は、ACNをHMDに転化するための蒸留前CLの水素化が、蒸留が連続的に行われるときに揮発性不純物を除去するのに必要とされる理論位置の数を減らすことを示すことを意図される。これらの例は、蒸留技術の当業者に公知の通常の技法を用いる計算によって生み出される。
0.5重量%のACNを含有する無水CLを、40の還流比、および10トル(1.3kPa)のヘッド圧で動作する蒸留カラムに供給する。設計目標は、40重量%のACNを含有する留出生成物および0.0001重量%のACNを含有する後留物流れを得ることである。この目標を達成するために、合計18の理論位置が必要とされ、それは、位置当たり1トル(0.13kPa)の圧力降下を仮定すると、162℃のリボイラー温度を与える。
0.5重量%のHMDを含有する無水CLを、40の還流比、および10トル(1.3kPa)のヘッド圧で動作する蒸留カラムに供給する。設計目標は、40重量%のHMDを含有する留出生成物および0.0001重量%のHMDを含有する後留物流れを得ることである。この目標を達成するために、合計7の理論位置が必要とされ、それは、位置当たり1トル(0.13kPa)の圧力降下を仮定すると、148℃のリボイラー温度を与える。
水素化によるHMDへのACNの転化は、理論位置の数が18から7に減らされるのを可能にし、それはカラムのコストを低減する。それはまた、リボイラー温度が162℃から148℃に下げられるのを可能にし、それは順繰りに精製中に起こるCLの熱分解の量を減らす。
本発明の方法の選び得る実施形態を例示するフローダイヤグラムである。 本発明の方法の選び得る実施形態を例示するフローダイヤグラムである。

Claims (13)

  1. 6−アミノカプロニトリル(ACN)からε−カプロラクタム(CL)を製造する方法であって、
    (a)ACNと水との気化混合物を、脱水触媒を含む反応器内で接触させてCL、アンモニア、水およびACNを含む気相反応生成物を生成する工程と、
    (b)アンモニアおよび主要部分の水を前記気相反応生成物から分離してCL、ACNおよび少量部分の水を含む粗液体カプロラクタムを生成する工程と、
    (c)前記粗液体カプロラクタムを水素化反応器内で水素化触媒の存在下に水素と接触させてCL、ヘキサメチレンイミン(HMI)、ヘキサメチレンジアミン(HMD)および水を含む水素化された粗カプロラクタムを生成する工程と、
    (d)前記水素化された粗カプロラクタムから水およびHMIを脱水カラムで除去してCLおよびHMDを含む無水粗カプロラクタムを生成する工程と、
    (e)前記無水粗カプロラクタムを低沸点蒸留カラムへ導入する工程であって、低沸点カラムの蒸留物がHMDを含み、そして低沸点カラムの後留物がCLおよび高沸点物を含む工程と、
    (f)前記低沸点カラムの後留物を高沸点蒸留カラムへ導入する工程であって、高沸点カラムの蒸留物がCLを含み、そして高沸点カラムの後留物が高沸点物を含む工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 工程(b)が、
    (a)気相反応生成物を部分的に縮合させてアンモニアおよび水を含む蒸気の流れ、ならびに水、カプロラクタム、および未反応ACNを含む液体の流れを生成する工程と、
    (b)前記蒸気の流れを蒸留カラムの予め定められた位置へ導入し、そして前記液体の流れを前記予め定められた位置より低い蒸留カラムの位置へ導入する工程と、次に
    (c)カプロラクタムおよび少量部分の水を含む粗液体カプロラクタムを前記蒸留カラムの底から取り出す工程と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記粗液体カプロラクタムが約0〜約50重量%の水を含むことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記粗液体カプロラクタムが約20重量%の水を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記水素化触媒が遷移金属族の1種または複数種の金属を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記水素化触媒がラネーNiを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  7. 前記水素化反応器内の温度が約80℃〜130℃の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  8. 前記水素化反応器内の圧力が約50psia〜2,500psia(約345kPa〜約17,237kPa)の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  9. 前記水素化反応器内の圧力が約200psia〜600psia(約1,379kPa〜約4,137kPa)の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  10. 工程(a)の反応器が中間冷却付きの複数の断熱充填床反応ゾーンを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  11. 前記高沸点カラム蒸留物が約99.5重量%のCLを含むことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記高沸点カラム後留物を薄膜蒸発器に導入する工程と、前記高沸点カラム後留からCLを回収する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1または2のいずれか一項に記載の方法によって製造されることを特徴とするε−カプロラクタム。
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