JP2008531906A - 直列に接続された２つの排気ターボチャージャを有する内燃機関のためのエンジンブレーキ方法 - Google Patents

Abstract

直列に接続される、２つの排気ターボチャージャ（２、６）を有する内燃機関のためのエンジンブレーキ方法であって、所望のエンジンブレーキ力を、エンジンに最も近いコンプレッサ（４）を迂回するバイパス（１２）を通る空気の質量流量、及びエンジンに最も近い排気ガスタービン（３）を迂回するバイパス（１０）を通る排気ガス質量流量を調整することによって設定する、方法。

Description

本発明は、直列に接続された２つの排気ターボチャージャを有する内燃機関のためのエンジンブレーキ方法に関する。

特許文献１は、直列に接続された２つの排気ターボチャージャを装備する内燃機関を記載している。２つのスーパーチャージャの大きい方はエンジンから離れて配置され、主スーパーチャージャとして機能し、かつ小さい方はエンジンの近くに配置され、必要に応じて接続できる付加的なスーパーチャージャとして機能する。付加的なスーパーチャージャの接続と切断は、吸気マニホルドに回転スライドを備え、かつ排気マニホルドにも備える遮断装置を使用して行う。付加的なスーパーチャージャが接続される場合には、吸気マニホルド及び排気マニホルドの質量流は付加的なスーパーチャージャのコンプレッサ又はタービンを通って導かれ、対照的に、付加的なスーパーチャージャが切断される場合には、質量流はバイパスラインを介して付加的なチャージャを迂回するように導かれる。さらに、主スーパーチャージャの排気ガスタービンを迂回するためにバイパスが設けられる。

２段階過給を使用して、動力駆動モータの作動及びエンジンブレーキモードの両方におけるパワーを増大できる。高いエンジンブレーキ力を達成するために、主スーパーチャージャの排気ガスタービンの可変タービンジオメトリを遮断位置にずらし、その結果、内燃機関の出口と可変タービンジオメトリを有するタービンの入口との間の排気ガス背圧が増大する。排気ガスは、可変タービンジオメトリの残りの開放流断面を介して流れて、高流速でタービンホイールに到り、その後コンプレッサホイールも駆動され、吸気マニホルドにおいて過給圧が増大する。このように、内燃機関のピストンが対抗してピストンストローク作業を行わなければならない、増大した圧力レベルが、吸気側及び排気ガス側の両方において上昇する。排気ガス背圧及び過給圧を、付加的なスーパーチャージャの接続を介してさらに増大できる。

独国特許出願公開第１９８ ５３ ３６０Ａ１号明細書

この従来技術を基本として、本発明は、直列に接続された２つの排気ターボチャージャを有する内燃機関におけるエンジンブレーキ力を、広範なパワースペクトルにわたって単純な手段を使用して変更するという課題に基づく。高いエンジンブレーキ力及びたとえばクルーズコントロール機能のための所望の目標値への調節の両方を実現することが可能である。

この課題は、本発明に従って、請求項１の特徴によって解決される。従属請求項は好都合な発展形態を特定する。

本発明によるエンジンブレーキ方法を２つの排気ターボチャージャを有する内燃機関において行うことができる。２つの排気ターボチャージャの排気ガスタービンは、有効タービン入口断面積を調節することのない固定式構造を備える。エンジンに近い排気ガスタービン及びエンジンから離れた排気ガスタービンの両方の場合において、最小バックアップ位置と最大開放位置との間でタービン入口断面積を調節可能な可変タービンジオメトリ無しで済ますことが基本的に可能である。それゆえ排気ガスタービンを、構造的に非常に単純なかたちで供することができ、これによりエンジンブレーキ力のレベル又はブレーキ力生成の可変性を減少することはない。

これは、エンジンに近いコンプレッサを迂回するバイパスを設け、前記バイパスをエンジンブレーキモードにおいて閉鎖して、吸気されかつエンジンから離れたコンプレッサにおいて予備圧縮された空気をエンジンに近いコンプレッサにも供給し、かつさらに前記コンプレッサにおいて圧縮することによって、達成される。さらに、排気ガス側においては、エンジンに近い排気ガスタービンを迂回するバイパスは、そこに配置されかつ所望の又は必要なエンジンブレーキ力を設定するために調節されるチェックバルブを備え、その結果、調節可能な排気ガス質量流をエンジンに近い排気ガスタービンに導き、かつエンジンに近い排気ターボチャージャのスーパーチャージャのパワーを変更する。

好都合な発展形態においては、エンジンから離れた排気ガスタービンを迂回する、さらなる調節可能なバイパスを設ける。エンジンブレーキ力を増大するために、エンジンから離れた排気ガスタービンを迂回するこのバイパスを開放位置の方向に調節し、その結果、エンジンに近い排気ガスタービンとエンジンから離れた排気ガスタービンとの間の圧力を下げ、エンジンに近い排気ガスタービンにわたる圧力の降下を増大させる。これにより、エンジンに近いスーパーチャージャのパワーの増大と連係して起こる、エンジンに近い排気ガスタービンを通る排気ガス質量流量を比較的高くし、かつ対応してエンジンブレーキ力の増大をもたらす。

基本的には、所望のエンジンブレーキ力を設定するための複数の介入の可能性が考えられる。原理に従って、エンジンに近いコンプレッサ、エンジンに近い排気ガスタービン及びエンジンから離れた排気ガスタービンのバイパスラインのチェックバルブを調節できる。クルーズコントロール機能を実現するために、エンジンから離れた排気ガスタービンを迂回するバイパスを通る流量、及びエンジンに近いコンプレッサを迂回するバイパスの流量を設定し、エンジンに近い排気ガスタービンのバイパスはこの状況において閉鎖したままであり、全体の排気ガス流量をエンジンに近い排気ガスタービンに供給することも適している。

同様に、内燃機関又は車両の状態変数又は他のいくつかの特徴的な変数の目的とする機能を実現するために、高いエンジンブレーキ力値から所定の順序で段階的にエンジンブレーキ力を減少させることが有利であろう。この場合、まずエンジンから離れた排気ガスタービンを迂回するバイパスを閉鎖位置の方向に調節し、その結果、エンジンに近い排気ガスタービンにわたる圧力の降下が減少し、及びエンジンに近いこの排気ガスタービンにおけるタービンのパワーも減少する。この手法が、エンジンブレーキ力を所望の低い値まで減少するのに十分でない場合には、次の手法として、エンジンに近いコンプレッサを迂回するバイパスを、開放位置の方向に調節して、コンプレッサホイールを迂回するように、このバイパスに導かれる空気の質量流の割合を増大させる。その結果、コンプレッサホイールからの空気の流量のうち上昇過給圧まで圧縮されるのは比較的少量となり、これにより全体的に低い圧力レベルとなり、対応してエンジンブレーキ力が低くなる。

さらなる手法として、エンジンに近い排気ガスタービンを迂回するバイパスを、開放位置の方向に調節することも可能であり、その結果、この排気ガスタービンを通過するように導かれる排気ガス流量が増大し、及び対応してエンジンに近い排気ガスタービンが生成するスーパーチャージャのパワーが少なくなる。同時に、エンジンから離れた排気ガスタービンのバイパスを好都合に開放し、その結果排気ガスを直接そらして、排気ガスが、エンジンから離れた排気ガスタービンも迂回するようにして、これによりエンジンから離れた排気ガスタービンがそのチョークラインの範囲で作動しないようにする。

さらなる利点及び好都合な実施形態はさらなる特許請求の範囲、図面の説明及び２つの排気ターボチャージャを備える内燃機関を概略的に示す図面から明らかになる。

内燃機関１、ディーゼル内燃機関又は火花点火機関は、直列に接続される２つの排気ターボチャージャ２及び６を装備し、エンジンに近い排気ターボチャージャ２は高圧スーパーチャージャとして供され、かつエンジンから離れた排気ターボチャージャ６は低圧スーパーチャージャとして供される。エンジンに近い排気ターボチャージャ２は、排気マニホルドに排気ガスタービン３を含み、そのタービンホイールは、吸気マニホルド内の、割り当てられたコンプレッサ４のコンプレッサホイールに、シャフト５を介して回転固定式に接続される。対応する方法で、エンジンから離れた排気ターボチャージャ６は、排気マニホルド内に排気ガスタービン７を含み、そのタービンホイールは、吸気マニホルド内の、割り当てられたコンプレッサ８のコンプレッサホイールに、シャフト９を介して回転固定式に接続される。エンジンに近い排気ガスタービン３、エンジンに近いコンプレッサ４、及びエンジンから離れた排気ガスタービン７は、調整可能なチェックバルブ１１、１３及び１５が配置されたバイパスライン１０、１２及び１４を使用して、それぞれ迂回される。これらのチェックバルブを、内燃機関又はアセンブリの状態変数及び操作変数、又は運転者が望んだ値の関数として閉ループ・開ループ制御ユニット２３の信号を作動することによって設定できる。

排気ガスタービン３及び７を、とりわけ単純な構造設計によって区別される固定式構造タービンと呼ばれるものとして供する。これらの固定式構造のタービンにおいては、有効タービン入口断面積を変更できない。

内燃機関の作動中、燃焼空気は吸気マニホルドに吸気され、エンジンから離れた低圧コンプレッサ８において予備圧縮され、続いて直列に接続された高圧コンプレッサ４において最終値まで圧縮され、かつ最終的に、下流に接続された過給空気冷却器１６において冷却されてから、過給圧下において空気コレクタ１７に供給される。空気コレクタ１７によって、燃焼空気を内燃機関１のシリンダに供給する。排気ガス側においては、初めに排気ガスは排気ガスコレクタ１８において収集され、そこから排気マニホルドまで通過する。排気マニホルドにおいて、排気ガスはまず、エンジンに近い排気ガスタービン３を貫流し、次にエンジンから離れた排気ガスタービン７を貫流する。エンジンに近い排気ガスタービン３、エンジンに近いコンプレッサ４及びエンジンから離れた排気ガスタービン７を迂回する上述のバイパスライン１０、１２及び１４におけるチェックバルブ１１、１３及び１５を調整することによって調節を行うことができる。

さらに、内燃機関１は、排気マニホルドと吸気マニホルドとの間、特に排気ガスコレクタ１８と空気コレクタ１７との間に、排気ガス冷却器２２及び調整可能なチェックバルブ２１が配置された再循環ライン２０を含む排気ガス再循環装置１９を装備する。チェックバルブ２１もまた、閉ループ・開ループ制御ユニット２３の信号を作動することによって設定される。

エンジンブレーキモードにおいては、エンジンに近いコンプレッサ４を迂回するバイパス１２を通る空気の流量及びエンジンに近い排気ガスタービン３を迂回するバイパス１０を通る排気ガス流量を、所望の又は必要なエンジンブレーキ力を設定できるようにするために調整する。最大エンジンブレーキ力を得るには、エンジンから離れた排気ガスタービン７を迂回するバイパス１４にあるバルブ１５を開放し、その後エンジンに近い排気ガスタービン３の下流の圧力を下げて、エンジンに近い排気ガスタービン３にわたる降下圧力を増大させる。

一定の車速を設定するため（クルーズコントロール機能）に、エンジンから離れた排気ガスタービン７とエンジンに近いコンプレッサ４を通る流量を、バイパスライン１４及び１２にそれぞれあるチェックバルブ１５及び１３をそれぞれ対応して設定することにより、調整する。エンジンに近いコンプレッサ４を迂回するためにチェックバルブ１３を開放することによって、さらに確実に最大許容コンプレッサ温度を超えないようにすることが可能である。

高いブレーキ力値から再びエンジンブレーキ力を減少するために、以下の手法を適切に行う。初めに、エンジンから離れた排気ガスタービン７を迂回するバイパス１４を、そこに配置されたチェックバルブ１５に作用することによって閉鎖位置の方向に調節を行うことにより、エンジンに近い排気ガスタービン３全体にわたって圧力の降下を低減させる。この手法が十分でない場合には、バイパス１２を、エンジンに近いコンプレッサ４を迂回するために開放位置の方向にさらに調節を行うことにより、圧縮される空気をより少量にする。さらにエンジンブレーキ力を減少するための最後の手法としては、エンジンに近い排気ガスタービン３を迂回するバイパス１０を開放位置の方向に調節を行うことにより、シリンダ出口とエンジンに近い排気ガスタービン３との間の排気ガスの背圧を降下させ、かつタービンのパワーを対応して削減させる。この最後の手法は、エンジンから離れた排気ガスタービン７が不注意にそのチョークラインの範囲に到達しないことを保証するために、エンジンから離れた排気ガスタービン７を迂回するためのバイパス１４の開放と連係して起こることが有利である。

２つの排気ターボチャージャを備える内燃機関を概略的に示す。

Claims (6)

1. 直列に接続された２つの排気ターボチャージャ（２、６）を有する内燃機関のためのエンジンブレーキ方法であって、それぞれの排気ターボチャージャが、排気マニホルドに排気ガスタービン（３、７）を、吸気マニホルドにコンプレッサ（４、８）を有し、
   前記排気ガスタービン（３、７）のそれぞれが不変のタービン入口断面積を有する固定式構造を備え、
   所望の又は必要なエンジンブレーキ力を設定するために、エンジンに近いコンプレッサ（４）を迂回するバイパス（１２）を通って導かれる空気の流量、及びエンジンに近い排気ガスタービン（３）を迂回するバイパス（１０）を通って導かれる排気ガス流量を調整する、方法。
2. エンジンブレーキ力を増大するために、エンジンから離れた排気ガスタービン（７）を迂回するバイパス（１４）を開放することを特徴とする請求項１に記載のエンジンブレーキ方法。
3. 一定の車速（クルーズコントロール機能）を設定するために、エンジンから離れた排気ガスタービン（７）を迂回するバイパス（１４）及び／又はエンジンに近いコンプレッサ（４）を迂回するバイパス（１２）を通る流量を調節することを特徴とする請求項１あるいは２に記載のエンジンブレーキ方法。
4. エンジンから離れた排気ガスタービン（７）を迂回するバイパス（１４）を閉鎖し、
   エンジンに近いコンプレッサ（４）を迂回するバイパス（１２）を開放し、
   エンジンに近い排気ガスタービン（３）を迂回するバイパス（１０）を開放することによって、
   高いエンジンブレーキ力値から、エンジンブレーキ力を減少することを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のエンジンブレーキ方法。
5. エンジンに近い排気ガスタービン（３）を迂回するバイパス（１０）を開放し次第、エンジンから離れた排気ガスタービン（７）を迂回するバイパス（１４）を開放することを特徴とする請求項４に記載のエンジンブレーキ方法。
6. 直列に接続された２つの排気ターボチャージャ（２、６）を有し、それぞれの排気ターボチャージャが、排気マニホルドに排気ガスタービン（３、７）を、及び吸気マニホルドにコンプレッサ（４、８）を有し、
   エンジンに近いコンプレッサ（４）を迂回するバイパス（１２）と、エンジンに近い排気ガスタービン（３）を迂回するバイパス（１０）と、エンジンから離れた排気ガスタービン（７）を迂回するバイパス（１４）を有し、
   チェックバルブ（１１、１３、１５）を調整する作動信号を生成する閉ループ・開ループ制御ユニット（２３）を有し、
   前記２つの排気ガスタービン（３、７）のそれぞれが不変のタービン入口断面積を有する固定式構造を備え、前記各バイパス（１０、１２、１４）に調整可能な前記チェックバルブ（１１、１３、１５）が配置される、請求項１〜５のいずれか一項に記載のエンジンブレーキ方法を行う内燃機関。

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