JP2008531487A - カンプトセシンサブユニットの新規の合成法 - Google Patents

カンプトセシンサブユニットの新規の合成法 Download PDF

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Abstract

本発明は、カンプトセシン(CPT)の製造における重要な中間体である、式(1)の化合物の製造のための方法を提供する。この化合物は、新規の抗癌剤の開発のための魅力的で有望なリード構造として役立ち続ける。

Description

アルカロイドであるカンプトセシン(CPT、3)は、1958年にWani及びWallによって、中国の木であるカンプトテカ・アクミナタ(Camptotheca accuminata)から単離され、強力な抗増殖活性を示す(M.E.Wall in Chronicles of Drug Discovery,D.Lednicer(Ed.),Am.Chem.Soc.:Washington D.C.,1993;Vol.3,p.327)。五環性骨格の構造(これも、その発見から8年後にWani及びWallにより決定された)は、高い求電子性α−ヒドロキシ−δ−ラクトン環(E環、スキーム1)を含み、それは三級アルコールの形態の立体中心のみを含む。
Figure 2008531487
塩基性及び中性媒体における、鎖式カルボン酸塩形態(4、スキーム1)への急速な加水分解によるその欠点に関わらず、CPTは、新規の抗癌剤の開発のための魅力的で有望なリード(lead)構造として役立ち続けている(例えば、C.J.Thomas,N.J.Rahier,S.M.Hecht,Bioorg.Med.Chem.2004,12,15851604を参照のこと)。
カンプトセシン及びその誘導体の実用的な合成法を開発する試みが多くなされてきたにも関わらず、今までに、新規の効率的な合成法は得られていない。これは主に、現在知られている合成アプローチが、非常に低い収率、高価な又は商業的に入手可能でない試薬、或いは健康被害及び環境問題を引き起こし得る高い毒性の試薬のいずれかに苦しんでいることによる。最新の合成経路の別の主な欠点は、反応順序の間のカラムクロマトグラフィーに対する大きな必要性である。
本発明は、CPT及びその誘導体の製造における重要な中間体である二環式「DE−フラグメント」(命名法に対するs.スキーム1)のための新規の合成経路を提供することによりこの問題に対処する。本発明の合成法は、単純で、容易に入手可能で且つ無害の出発物質及び試薬に基づいており、直接的なカルボニル化学を利用する。更に、本発明の合成法は、面倒なクロマトグラフィーを回避し、従って、所望の生成物の向上した収率を提供する。
具体的には、本発明は、式(1)の化合物を製造するための方法あって、
Figure 2008531487
a)式(I)の化合物を
Figure 2008531487
式HNR23のアミンの存在下で反応させて、式(II)の化合物を得
Figure 2008531487
b)式(II)の化合物を、エチル塩基の存在下で更に反応させて、式(III)の化合物を得、
Figure 2008531487
c)式(III)の化合物を、式(IV)の化合物と更に反応させて
Figure 2008531487
式(V)の化合物を得
Figure 2008531487
d)式(V)の化合物を、オゾンの存在下で更に反応させて、式(VI)の化合物を得
Figure 2008531487
e)式(VI)の化合物を、化合物(VII)の化合物
Figure 2008531487
及び塩基の存在下で更に反応させて、式(VIII)の化合物を得
Figure 2008531487
f)式(VIII)の化合物を、ジ(C1−C6)−アルキルホルムアミド ジ(C1−C6)−アルキルアセタール又は式(R78N)3−CHの化合物の存在下で更に反応させて、式(IX)の化合物を得
Figure 2008531487
g)式(IX)の化合物を、酢酸アンモニウムの存在下で更に反応させて、式(X)の化合物を得
Figure 2008531487
h)式(X)の化合物を、水素化ホウ素アルカリ金属及び希土類金属塩の存在下で更に反応させて、式(XI)の化合物を得
Figure 2008531487
j)式(XI)の化合物を、濃縮鉱酸の存在下で更に反応させて、式(1)の化合物を得る、前記方法を提供する;
{式中、
R、R1、R7及びR8は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキルであり;
2、R3及びR4は、独立に、(C1−C6)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルを表し;且つ
5及びR6は、両方とも同一であるか又は異なる(C1−C6)−アルキル、或いはアリール基である}。
本明細書中で用いる場合、用語「(C1−C6)−アルキル」は、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐炭化水素、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ブチル、tert−ブチルなどを意味する。
本明細書中で用いる場合、用語「(C3−C12)−アルキル」は、3〜12個、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する、直鎖、分岐、単環式、二環式又は三環式飽和炭化水素を意味する。好ましくは、「(C3−C12)−アルキル」は、第三炭素原子により結合する。好ましい例は、tert−ブチル又はアダマンチルである。
本明細書中で用いる場合、用語「(C3−C7)−シクロアルキル」は、3〜7個、好ましくは5又は6個の炭素原子を有する、単環式飽和炭化水素、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを意味する。
本明細書中で用いる場合、用語「アリール」は、6〜14個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有する、単環式、二環式、三環式、芳香族炭化水素、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル又はアントラセニルを意味する。
本明細書中で用いる場合、用語「エチル塩基」は、塩基性有機金属化合物、例えばグリニャール試薬(Et MgHal)(ここで、「Hal」は、 ハロゲン化物を意味する)、好ましくはEt MgBr;又はエチルアルカリ金属化合物、例えばEtLi;又は混合有機金属化合物、例えばEt3AlLi又はEt3ZnLiを指す。
上記の反応段階e)で言及される「塩基」は、好ましくはアルカリ金属炭酸塩又は水素化物、Na2CO3、K2CO3又はCs2CO3;又はNaH又はKHを意味する。Cs2CO3の使用が、特に好ましい。
上記の反応段階h)で用いる場合、用語「水素化ホウ素アルカリ金属」は、好ましくはLiBH4又はNaBH4を意味する。NaBH4の使用が、特に好ましい。
上記の反応段階h)で用いる場合、用語「希土類金属塩」は、希土類金属の通常の塩、好ましくはハロゲン化物、例えば塩化物及び臭化物;トリフレートを意味する。EuCl3又はCeCl3の使用が、特に好ましい。
上記の反応段階j)で用いる場合、用語「鉱酸」は、当業者に周知であり、無機酸、例えばHCl、HBr、HNO3、H2SO4などを表す。本発明によると、HClの使用が、特に好ましい。
記号
Figure 2008531487
は、基R4又はR4'が、二重結合に結合している場合に、(Z)−又は(E)−立体配置で存在し得ることを意味する。
反応段階cc)において本明細書中で言及される場合、用語「アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物」は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)2又はBa(OH)2を意味する。LiOHの使用が、特に好ましい。
反応段階dd)において本明細書中で用いる場合、用語「三級アミン」は、当業者に周知であり、塩基性アミン、好ましくはトリアルキルアミンを意味する。このような三級アミンの例は、エチルジイソプロピルアミン、トリエチルアミンなどである。
本発明の好ましい実施態様は、式(1a)の化合物の製造のための、上記の方法であって、
Figure 2008531487
aa)式(2)の化合物を
Figure 2008531487
式R9OHのキラル二級アルコールの存在下で反応させて、式(IIIa)のエステルを得
Figure 2008531487
bb)式(IIIa)のエステルを、式(IVa)の化合物と更に反応させて
Figure 2008531487
式(Va)の化合物を得
Figure 2008531487
cc)式(Va)の化合物からのエステル開裂を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物の存在下で、任意に過酸化水素の存在下で実施し、式(Vb)の化合物を得
Figure 2008531487
dd)式(Vb)の化合物を、式HNR2'3'のアミンの添加の前に、三級アミン及び塩化チオニルの存在下で更に反応させて、式(Vc)の化合物を得
Figure 2008531487
更なる反応を、上記の反応段階d)〜j)に従って実施し、式(1a)の化合物を得る、前記方法
{式中、
2'は、上記のR2の意味を有し;
3'は、上記のR3の意味を有し;
4'は、上記のR4の意味を有し;
−OR9は、
Figure 2008531487
を表し;且つ
10及びR10'は、独立に、アリール基、又は(C3−C12)アルキル基を表し、これは非置換であるか又はフェニルにより置換される;
11は、水素又は(C1−C6)アルキルであり;且つ
12及びR12'は、独立に、アリール基を表す}。
上記の式(Vb)の化合物を経由した、式(Va)の化合物の式(Vc)の化合物への変換は、式(Vb)の中間体を用いずに、式(Va)の化合物から式(Vc)の化合物へ直接的に、1つの反応段階において実施することもできる。上記の反応順序のこのような変更は、有機化学者の通常の技術の範囲内である。
本発明の別の好ましい実施態様は、上記の方法である
{式中、−OR9
Figure 2008531487
を表す}。
本発明の別の好ましい実施態様は、上記の方法である
{式中、−OR9
Figure 2008531487
を表す}。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法である
{式中、
2'及びR3'は、エチルであり;
4'は、水素又はメチルであり;且つ
−OR9
Figure 2008531487
である}。
上記の不斉反応は、アルコールR9OHの鏡像体(以下で、R18OHと呼ばれる)を用いて実施し、式(1a)の鏡像体(以下で、1bと呼ばれる)を提供することができる。
従って、本発明の更に別の実施態様は、式(1b)の化合物の製造のための、上記の方法であって、
Figure 2008531487
aaa)式(2)の化合物を
Figure 2008531487
式R18OHのキラル二級アルコールの存在下で反応させて、式(IIIb)のエステルを得
Figure 2008531487
bbb)式(IIIb)のエステルを、上記の式(IVa)の化合物と更に反応させて
Figure 2008531487
式(Vd)の化合物を得
Figure 2008531487
ccc)式(Vd)の化合物からのエステル開裂を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物の存在下で、任意に過酸化水素の存在下で実施し、式(Ve)の化合物を得
Figure 2008531487
ddd)式(Ve)の化合物を、上記の式HNR2'3'のアミンの添加の前に、三級アミン及び塩化チオニルの存在下で更に反応させて、式(Vf)の化合物を得
Figure 2008531487
更なる反応を、請求項1に記載の反応段階d)〜j)に従って実施し、式(1b)の化合物を得る、前記方法
{式中、
2'、R3'、R4'、R10、R10'、R11、R12及びR12'は上記の意味を有し;且つ
−OR18は、
Figure 2008531487
を表す}。
上記の式(Ve)の化合物を経由した、式(Vd)の化合物の式(Vf)の化合物への変換は、式(Ve)の中間体を用いずに、式(Vd)の化合物から式(Vf)の化合物へ直接的に、1つの反応段階において実施することもできる。上記の反応順序のこのような変更は、有機化学者の通常の技術の範囲内である。
本発明の別の好ましい実施態様は、上記の方法である
{式中、−OR18
Figure 2008531487
を表す}。
本発明の別の好ましい実施態様は、上記の方法である
{式中、−OR18
Figure 2008531487
を表す}。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法である
{式中、
R、R1、R2、R3、R5及びR6は、エチルであり;且つ
4、R7及びR8は、メチルである}。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階b)のエチル塩基は、エチルマグネシウム臭化物である。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階b)は、−30℃〜0℃の温度において、ジエチルエーテル中で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階c)は、−78℃〜−40℃の温度において、ジイソプロピルエーテル中で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階d)は、−90℃〜−50℃の温度において、硫化ジメチルの存在下で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階e)は、0℃〜40℃の温度において、炭酸セシウムの存在下で、エタノール中で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階f)は、0℃〜40℃の温度において、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールの存在下で、ジメチルホルムアミド中で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階g)は、60℃〜100℃の温度においてジメチルホルムアミド中で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階h)は、0℃〜40℃の温度において、水素化ホウ素ナトリウムと塩化セシウムの存在下で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階h)は、過剰の水素化ホウ素ナトリウムの存在下において、エタノール中で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階j)は、0℃〜40℃の温度において、ジメトキシエタン中で、濃縮塩酸の存在下において実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階cc)は、100℃〜120℃の温度において、圧力管の中で、メタノール中において、水酸化リチウム水溶液の存在下で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階cc)は、過酸化水素の存在下で実施する。
本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記の方法であり、ここで、反応段階dd)は、−40℃〜0℃の温度において、エチルジイソプロピルアミンと塩化チオニルの存在下で実施する。
本明細書中で規定した段階aaa)〜ddd)の反応は、一般的に、上記の段階aa)〜dd)の反応に従って実施することができる。
本発明によると、上記の方法は、一般的に、以下の明細事項に従って実施することができる。ここで、特に明記しない限り、置換基及び定義は、上記明細書中で与えた意味を有する。
式(1)の化合物へのラセミアプローチ:
上記の一般的な反応順序は、式(I)のシュウ酸ジアルキルから出発し、これは、段階a)及びb)に対する変更した文献の手順を適用して、2つの段階にわたって式(III)のα−ケトアミドを調製するのに用いられる(M.A.Ciufolini,F.Roschangar,Targets in Heterocyclic Systems,2000,4,25−55)。反応段階a)は、上記の本明細書中で規定した式HNR23の任意のアミンを用いて、実施することができる。好ましくは、反応段階a)は、40℃〜140℃、より好ましくは80℃〜100℃の温度で実施する。
反応段階b)は、上記の本明細書中で規定したエチル塩基の存在下において、有機溶媒、例えばアルカン又はエーテル、好ましくはジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル又はテトラヒドロフラン中で、−78℃〜35℃、好ましくは−40℃〜室温、より好ましくは−30℃〜0℃の温度において実施する。
段階c)のその後のグリニャール試薬の添加の間に、式(IV)の(E/Z)−1−メチル−1−アルケニル−マグネシウム臭化物、好ましくは(E/Z)−1−メチル−1−プロペニル−マグネシウム臭化物を、−100℃〜室温、好ましくは−78℃〜0℃、より好ましくは−30℃〜0℃の温度で、適切な有機溶媒中に、好ましくはエーテル中に、より好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はメチルtert−ブチルエーテル中に添加する。
反応段階d)において、式(V)の化合物中のC=C二重結合のオゾン分解は、式(VI)のα−ヒドロキシ−β−ケトアミドを円滑に提供する。この反応は、極性有機溶媒中で、好ましくはメタノール、ジクロロメタン、酢酸エチル又は純粋な酢酸又は酢酸の水性混合物中で、−100℃〜室温、好ましくは−90℃〜−50℃の温度において実施する。酢酸を用いる場合、反応は、好ましくは10℃〜20℃の温度で実施する。オゾン分解反応の5員環状中間体は、当業者に周知の方法により、好ましくは還元開裂の条件下で、より好ましくはトリフェニルホスフィン又は硫化ジメチルを用いて開裂される。
その後の反応段階e)は、式(VI)の化合物の式(VII)のマロン酸エステルとのタンデム型のKnoevenagel縮合/ラクトン化反応であり、式(VIII)のα,β−不飽和γ−ラクトンを提供する。この反応は、好ましくは、上記の本願明細書中で規定したアルカリ金属炭酸塩又は水素化物の存在下において、適切な有機溶媒、例えば低級アルコール、アルカン又はエーテル中で実施する。メタノール、エタノール又はテトラヒドロフランの使用が、特に好ましい。反応段階e)は、−20℃〜80℃、好ましくは0℃〜40℃の温度で起こる。
反応段階f)は、式(VIII)の化合物の、ジメチルホルムアミド中のトリス(ジアルキルアミノ)メタン、好ましくはトリス(ジメチルアミノ)メタンとの縮合反応であり、式(IX)のそれぞれのエナミンを提供する。本発明の代用の反応として、ジアルキルホルムアミドジアルキルアセタール、好ましくはジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMFDMA)を用いて、より効果的なトリス(ジメチルアミノ)メタンを置換することができる。反応段階f)は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜40℃の温度で起こる。
反応段階g)において、式(IX)の粗化合物は、ジメチルホルムアミド又は酢酸中の酢酸アンモニウムと、室温〜160℃、好ましくは60℃〜100℃の温度で更に反応させて、式(X)のピリドンを得る。
反応段階h)は、式(X)の化合物中のラクトン環の化学選択的還元であり、式(XI)のジオールを得る。この反応は、関連するが異なる基質のための、Ciufolini et alにより以前報告された条件の変更により達成される(M.A.Ciufolini,F.Roschangar,Tetrahedron 1997,53,11049−11060)。上記の本明細書中で規定した水素化ホウ素アルカリ金属、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムによる還元は、上記に規定した希土類金属塩によるルイス酸活性化を必要とする。塩化物、好ましくは塩化セシウム、及び過剰の水素化ホウ素ナトリウムの使用が、特に好ましい。この還元は、これらの条件下でも完全には進まず、粗生成物は未だ2〜5%の両方のラクトールジアステレオマーを含み、これらは、ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(2:1)を用いたトリチュレーションにより効率良く除去された。塩化セシウムを用いずに、反応は非常にゆっくりと進行し、大部分は式(X)の出発物質の分解が生じた。反応段階h)は、−20℃〜80℃、好ましくは0℃〜40℃の温度で起こる。
最後の反応段階j)は、結晶化反応であり、式(I)のα−ヒドロキシラクトンが生じる。この反応は、好ましくは、室温で、エーテル溶媒中、好ましくはジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン中の濃縮鉱酸の存在下において実施する。本発明によると、ジメトキシエタン中の濃縮塩酸の使用が、特に好ましい。この反応の副生成物は、結晶化反応の間にNR23基開裂から生じる各ハロゲン化アンモニウムであり、特に塩化ジエチルアンモニウムである。このような副生成物は、メタノールを用いたトリチュレーションにより除去することができ、任意のクロマトグラフィー精製をせずに、式(1)(「DEフラグメント」)の精製ラセミ化合物が得られる。反応段階j)は、−20℃〜80℃、好ましくは0℃〜40℃の温度で起こる。
不斉アプローチ:式(1a)の化合物の合成:
上記の不斉バージョンは、主に、上記のラセミアプローチに基づいている。第一の反応段階は、それらが、式(VI)の化合物の各(S)−鏡像体の立体選択的な合成を必要とする点において異なる。これは、文献から分かる条件に従って、2−オキソ酪酸(2)を助剤試薬としての式R9OHのキラルアルコールと反応させることによる式(IIIa)の鏡像異性的に純粋なα−ケトエステルの調製を伴う反応段階aa)から出発して達成される(D.L.Comins,M.F.Baevsky,H.Hong,J.Am.Chem.Soc.1992,114,10971−10972)。この反応は、ベンゼン、トルエン、メシチレン又はキシレンなどの芳香族溶媒の存在下で、且つ硫酸又はパラ−トルエンスルホン酸などの酸の存在下で実施される。ベンゼン及びパラートルエンスルホン酸の使用が、特に好ましい。反応段階aa)は、80℃〜160℃、好ましくは80℃〜130℃の温度で起こる。
その後の立体決定(stereodetermining)反応段階bb)は、式(IVa)のアルケニルマグネシウム臭化物、好ましくはイソプロペニルマグネシウム臭化物を用いる、ジアステレオ選択的グリニャール付加である。上記の段階c)におけるグリニャール付加反応のように、この反応も、−100℃〜室温、好ましくは−90℃〜−60℃の温度、並びに適切な有機溶媒、例えばエーテル、アルカン又は芳香族溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル又はトルエンを必要とする。テトラヒドロフランの使用が、特に好ましい。
その後の反応段階cc)は、含水アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化バリウム、好ましくは水酸化リチウムの存在下での、且つ過酸化水素の存在下での助剤(式R9OHのキラルアルコール)の開裂である。この反応は、適切な溶媒、例えば低級アルコール及びエーテル、又はそれらの混合物中、好ましくはメタノール中で起こる。この反応は、オートクレーブ中での、室温〜180℃、好ましくは80℃〜130℃、より好ましくは100℃〜120℃の温度までの加熱を必要とする。得られる式(Vb)のカルボン酸及び助剤の分離は、pH依存性抽出により達成され、高価なキラル助剤の簡易な再利用を可能にし、このキラル助剤は数回再利用することができる。
段階dd)の式(Vc)のアミドのその後の形成は、ピロリジンから得られる関連のα−ヒドロキシアミドの形成のための既知のプロトコルに基づいている(L.Tan,C.−y.Chen,W.Chen,L.Frey,A.O.King,R.D.Tillyer,F.Xu,D.Zhao,E.J.J.Grabowski,P.J.Reider,P.O'Shea,P.Dagneau,X.Wang,Tetrahedron 2002,58,7403−7410)。既知の手順とは対照的に、このアミド形成は、塩化チオニルへの曝露の前に、好ましくは三級アミンにより、より好ましくはエチルジイソプロピルアミンによる、式(Vb)のカルボン酸の脱プロトン化を必要とする。この反応は、−78℃〜20℃、好ましくは−40℃〜0℃の温度で起こる。式HNR2'3'の二級アミンのその後の添加は、−20℃〜40℃、好ましくは−10℃〜30℃の温度で起こる。好ましくは、この反応は、低級アルコール又はハロゲン化アルキルのような極性有機溶媒中、好ましくはジクロロメタン中で実施する。
式(Vc)の化合物の式(1a)の化合物への更なる反応は、反応段階d)〜j)のための上記の反応条件に従って実施することができる。
本明細書中で規定した段階aaa)〜ddd)の反応は、式R9OHの各キラルアルコールの第二の鏡像異性形態(この鏡像異性形態は、R18OHと呼ばれる)を用いることにより、上記で規定した反応段階aa)〜dd)のみと異なる。従って、反応aaa)〜ddd)の反応条件は、一般的に、上記の段階aa)〜dd)の反応条件に従って実施することができる。
カンプトセシン及びその誘導体のその後の合成
本発明の式(1)、(1a)又は(1b)の化合物の合成の後に、ラセミ、(R)−又は(S)−カンプトセシン、又はそれらの誘導体を得るための最終反応段階は、Mitsunobu−アルキル化及びその後のHeck−環化により、式(1)、(1a)又は(1b)の化合物のキノリン誘導体へのカップリング(5、スキーム2)を必要とする(D.L.Comins,H.Hong,J.K.Saha,G.Jinkua,J.Org.Chem 1994,59,5120−5121;又は、D.L.Comins,H.Hong,J.K.Saha,G.Jinkua,Tetrahedron Lett 1994,35,5331−5334)。この手順は、一般的に、Mitsunobu−アルキル化及びHeck−環化に適した条件下で実施することができ、これらは、当業者に周知である。
この反応に適した反応条件の1つの好ましい例は、スキーム2に記載されている合成経路により与えられる。スキーム2の合成法は、(S)−カンプトセシンをもたらすが、ラセミ経路のように実施して(rac)−カンプトセシンを調製することもでき、或いは(1b)から出発して、(R)−カンプトセシンを提供するもできる。このような変更は、当業者の知識の範囲内であり、従って全ての詳細を更に例示することを必要としないことが理解される。
Figure 2008531487
式(3)の「AB−環」は、任意に置換することができる。本発明の方法を、「AB−環」が更に置換された式(3)の誘導体の製造にも用いることができることは、当業者の通常の知識の範囲内である。
結果として、本発明の更なる実施態様は、式(1a)の化合物を、以下の段階により式(A)の化合物に変換する上記の方法である:
Figure 2008531487
a)式(1a)の化合物を、式(B)の化合物と、
Figure 2008531487
ジイソプロピルアゾジカルボン酸塩(DIAD)、エチルジフェニルホスフィン(EtPPh2)及びジメチルアセトアミド(DMA)の存在下で更に反応させて、式(C)の化合物を得ること
Figure 2008531487
及び
b)式(C)の化合物を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、酢酸カリウム(KOAc)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、テトラブチルアンモニウム臭化物(Bu4NBr)及びアセトニトリル(MeCN)の存在下で更に反応させて、対応する式(A)の化合物を得ること
{式中、
13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素;ハロゲン;シアノ;(C1−C6)アルキル;−O−(C1−C6)アルキル;−S−(C1−C6)アルキル;ヒドロキシル;アミノ;モノ(C1−C6)アルキルアミノ;ジ(C1−C6)アルキルアミノ;ニトロ;トリフルオロメチルから選択され;且つ
13及びR14は、それらが結合している炭素原子と一緒に、6員不飽和環状炭化水素を形成することもでき、ここで、1又は2個の炭素原子は、窒素により任意に置換され、そして窒素は非置換であるか、又は(C1−C6)アルキルにより一回置換される}。
本発明の更に別の実施態様は、式(1)の化合物を、以下の段階により式(A−1)の化合物に変換する上記の方法である:
Figure 2008531487
a)式(1)の化合物を、上記で規定した式(B)の化合物と、
Figure 2008531487
ジイソプロピルアゾジカルボン酸塩(DIAD)、エチルジフェニルホスフィン(EtPPh2)及びジメチルアセトアミド(DMA)の存在下で更に反応させて、式(C−1)の化合物を得ること
Figure 2008531487
及び
b)式(C−1)の化合物を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、酢酸カリウム(KOAc)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、テトラブチルアンモニウム臭化物(Bu4NBr)及びアセトニトリル(MeCN)の存在下で更に反応させて、対応する式(A−1)の化合物を得ること
{式中、
13、R14、R15、R16及びR17は、上記で与えた意味を有する}。
本発明の更に別の実施態様は、式(1b)の化合物を、以下の段階により式(A−2)の化合物に変換する上記の方法である:
Figure 2008531487
a)式(1b)の化合物を、上記で規定した式(B)の化合物と、
Figure 2008531487
ジイソプロピルアゾジカルボン酸塩(DIAD)、エチルジフェニルホスフィン(EtPPh2)及びジメチルアセトアミド(DMA)の存在下で更に反応させて、式(C−2)の化合物を得ること
Figure 2008531487
及び
b)式(C−2)の化合物を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、酢酸カリウム(KOAc)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、テトラブチルアンモニウム臭化物(Bu4NBr)及びアセトニトリル(MeCN)の存在下で更に反応させて、対応する式(A−2)の化合物を得ること
{式中、
13、R14、R15、R16及びR17は、上記で与えた意味を有する}。
本発明の更に別の実施態様は、式(1a)の化合物を、式(3a)の化合物に変換する上記の方法である
Figure 2008531487
本発明の更に別の実施態様は、式(1a)の化合物を、式(3)の化合物に変換する上記の方法である
Figure 2008531487
本発明の更に別の実施態様は、式(1b)の化合物を、式(3b)の化合物に変換する上記の方法である
Figure 2008531487
本発明の更に別の実施態様は、式(1a)の化合物を、式(3c)の化合物に変換する上記の方法である
Figure 2008531487
本発明の更に別の実施態様は、式(A)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、式(A−1)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、式(A−2)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、式(3a)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、式(3)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、式(3b)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
本発明の更に別の実施態様は、式(3c)の化合物の製造における上記の方法の使用である。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために提供される。本発明の精神から逸脱せずに変更がなされ得ることが理解される。
特に明記しない限り、以下の省略が用いられる:
Figure 2008531487
実施例1:
N,N−ジエチル−オキサルアミド酸(oxalamic acid)エチルエステル(8)の合成
30.00gのジエチルシュウ酸塩(7、203.2mmol)に、室温で42.2mLのジエチルアミン(406.4mmol、2.0当量)を添加した。無色透明の溶液を加熱して、還流し(油浴温度:90℃)、反応をHPLCにより観察した。2.5時間後に、得られた黄オレンジ色の液体を室温まで冷却して、全ての揮発性化合物(エタノール、ジエチルアミン)を、ロータリーエバポレーター中で除去し(5O℃、10mbar)、黄色の液体として粗生成物を得た(35.073g、100重量%)。高真空蒸留(0.08mbarでbp 85℃)を用いて精製をし、無色の液体として表題の化合物を得た(30.22g、174.4mmol、86重量%)。
Figure 2008531487
実施例2
N,N−ジエチル−2−オキソブチルアミド(9)の合成
63.95mLのエチルマグネシウム臭化物溶液(191.8mmol、1.10当量)を、182.6mLのジエチルエーテルで希釈した。溶液を−15℃まで冷却し、60.4mLのジエチルエーテル中の実施例1で得られた30.20gの化合物(8)の溶液(174.4mmol)を液滴により添加した。得られた粘性の懸濁液を、−15℃で更に75分間撹拌した。その後、14.96mLの酢酸(261.6mmol、1.5当量)の添加により、反応を急冷した。次いで、5mLの水を添加して全ての塩を溶解し、冷却槽を取り除いた。15分後に、この混合物を、200mLのpH−7−緩衝液で2回洗い、有機相を20gの硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを、40mLのジエチルエーテルで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後に(40℃/10mbar)、粗生成物(26.33g、96重量%)を黄色の液体として得た。高真空蒸留(2.5mbarでbp 86℃)を用いて精製をし、無色の液体として、表題の化合物を得た(18.66g、118.7mmol、68重量%)。
Figure 2008531487
実施例3
2−エチル−2−ヒドロキシ−3−メチル−ペンタ−3−エン酸ジエチルアミド(10)の合成
262mLのジイソプロピルエーテル中の実施例2で得られた13.10gの化合物(9)の予冷した溶液(−78℃)(83.2mmol)のカニューレによるゆっくりな添加の前に、500mLの1−メチル−1−プロペニルマグネシウム臭化物溶液(250.0mmol、3.0当量)を−78℃に冷却した。60分後に、250mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、この混合物を250mLのジクロロメタンで3回抽出した。混合有機相を25gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを、50mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の除去の後に(40℃、10mbar)、粗生成物(18.05g、102重量%)を黄色の液体として得、これを高真空蒸留(0.28mbarでbp 65℃)により精製し、E/Z異性体(E/Z=5.1:1)の形態の淡黄色の液体として、表題の化合物を得た(8.145g、38.18mmol)。(E)−異性体の分析試料を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)によるカラムクロマトグラフィーにより得た。
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例4
2−N,N−トリエチル−2−ヒドロキシ−3−オキソ−ブチルアミド(11)の合成
−78℃の400mLのジクロロメタン中の実施例3で得られた8.000gの化合物(10)の撹拌溶液(37.50mmol)に、青色が現れるまで、オゾンを通気(bubble)した(150L/h)。その後、10分間その溶液にアルゴンを通気した。その後、28mLのジメチルスルフィド(375mmol、10.0当量)を添加し、その溶液を一晩室温までゆっくりと温めた。この混合物を、250mLの水で3回洗った。有機相を20gの硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。固体を40mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後(40℃/10mbar)、粗生成物(7.85g、104重量%)を黄色の油として得た。
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例5
5−ジエチルカルバモイル−5−エチル−4−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(12)の合成
100mLのエタノール中の実施例4で得られた2.500gの化合物(11)(12.42mmol)及び9.73mLのマロン酸ジエチル(62.10mmol、5.0当量)の溶液に、室温で16.27gの炭酸セシウム(49.68mmol、4.0当量)を添加した。26時間後に、黄色の懸濁液を0℃まで冷却し、200mLの塩酸水溶液(0.5M、65.25mmol、5.0当量)を、60分かけて液滴により添加した。その後、95mLのエタノールをロータリーエバポレーター中で除去し(50℃、5mbar)、次いで200mLの酢酸エチルを添加した。有機相を150mLの生理食塩水で洗い、20gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを、40mLの酢酸エチルで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後(50℃、5mbar)、揮発性成分をKugelrohr装置中で除去した(55℃、0.08mbar)。粗生成物(6.758g、183重量%)を、黄色の液体として得た。
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例6
5−ジエチルカルバモイル−4−((E)−2−ジメチルアミノ−ビニル)−5−エチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(13)の合成
3.0mLのジメチルホルムアミド中の実施例5で得られた500.0mgの化合物(12)(22.73mmol) の溶液に、室温で、3.0mLのトリス(ジメチルアミノ)メタン(17.3mmol、10.3当量)を添加した。反応混合物の色は、オレンジ色から茶色、更には緑色へと変化した。17時間後に、この混合物を50mLのジクロロメタンで希釈し、25mLの塩酸水溶液(1.0M)で洗い、50mLの塩水で再び3回洗った。有機相を2gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを4mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後(50℃、5mbar)、粗生成物をオレンジ色の油として得(627.0mg、106重量%)、これを高真空ロータリーエバポレーター(50℃、0.5mbar)中で、残留ジメチルホルムアミドから解放し、オレンジ色の結晶として、表題の化合物を得た(536.0mg、1.517mmol、90重量%)。
Mp:105℃;
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例7
DMFDMAを用いた、5−ジエチルカルバモイル−4−((E)−2−ジメチルアミノ−ビニル)−5−エチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(13)の代替合成
40mLのジメチルホルムアミド中の実施例5で得られた6.758gの化合物(12)の溶液(22.73mmol)に、室温で、40mLのジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMFDMA、285.1mmol、12.5当量)を添加した。反応混合物の色は、オレンジ色から茶色、更には緑色に変化した。2.5時間後に、この混合物を、150mLのジクロロメタンで希釈し、150mLの塩酸水溶液(1.0M)で洗い、その後150mLの塩水で3回洗った。有機相を、20gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを、40mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後(50℃、5mbar)、粗生成物を赤茶色の液体として得た。
実施例8
1−エチル−3,4−ジオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−カルボン酸ジエチルアミド(14)の合成
85mLのジメチルホルムアミド中の実施例6又は7で得られた10.63gの化合物(13)の溶液(29、30.17mmol)に、室温で、23.7gの酢酸アンモニウム(301.7mmol、10.0当量)を添加し、光沢のある赤色の溶液を生成し、これを80℃まで加熱した。19.25時間後に、混合物を150mLのジクロロメタンで希釈し、連続的に130mLの水、130mLの塩酸水溶液(0.5M)で洗い、その後、130mLの塩水で3回洗った。有機相を、20gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを40mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後(50℃、5mbar)、粗生成物を赤色の液体として得た(6.611g、79重量%)。全ての揮発性成分を、Kugelrohr蒸留装置中で除去した。残渣を、18時間室温において、12mLのヘプタン/メチルtert−ブチルエーテル(1:1)、次いで8mLのヘプタン/メチルtert−ブチルエーテル(1:1)、最後に10mLのメチルtert−ブチルエーテルでトリチュレーションすることにより精製し、紫色の結晶として表題の化合物を得た(1.797g、6.46mmol、21重量%)。
Mp:177℃;
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例9
N,N−ジエチル−2−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシメチル−2−オキソ−l,2−ジヒドロ−ピリジン−4−イル)−ブチルアミド(15)の合成
40mLのエタノール中の実施例8で得られた1.000gの化合物(14)の溶液(3.595mmol)に、室温で、2.215g塩化セシウム(III)(粉砕、8.99mmol、2.5当量)を添加した。この懸濁液を、10分間超音波槽に置き、次いで水浴により15℃まで冷却した。2.40gのホウ化水素ナトリウム(61.1mmol、17当量)を、3時間で6回に分けて添加した。室温で2時間後に、懸濁液を800mLの飽和炭酸水素ナトリウム/塩水(1:1)に注ぎ、5回の400mLのジクロロメタン/エタノール(4:1)による抽出の前に、混合物を13時間激しく撹拌した。混合した有機抽出物を、ロータリーエバポレーター中で蒸発させた(50℃、5mbar)。粗生成物を、赤紫色の固体として得(879.6mg、87重量%)、これを5.25mLのジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(2:1)を用いたトリチュレーションにより精製し、白色の固体として表題の化合物を得た(623.2mg、2.21mmol、61重量%)。
Mp:193℃;
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例10
4−エチル−4−ヒドロキシ−1,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−c]ピリジン−3,8−ジオン(16)の合成
11.2mLのジメトキシエタン中の実施例9で得られた560.0mgの化合物(15)の懸濁液(1.983mmol)に、0℃で、1.68mLの濃縮塩酸水溶液(36.5%)(19.83mmol、10.0当量)を液滴により添加した。15分後に氷浴を取り除き、三相混合物を激しく撹拌した。4時間後に、混合物をロータリーエバポレーター中で蒸発乾固した(27℃、5mbar、その後1mbar)。粗生成物を、淡黄色の半固体として得た(805.4mg、194重量%)。333.3mgの粗生成物を、室温で18時間、0.7mLのメタノールを用いてトリチュレーションすることにより精製し、白色の結晶として表題の化合物を得た(168.7mg、0.425mmol、98重量%)。
Mp:227℃(分解)。
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例11
2−オキソ−酪酸(1R,2R,5R)−5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルエステル(17)の合成
48mLのベンゼン中の2.28gの2−オキソ酪酸(2、22.11mmol、1.3当量)、4.04gの(−)−8−フェニルメントール(18、17.02mmol、1.0当量)及び169.9mgのパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.884mmol、0.52当量)の溶液を加熱して、20時間35分還流した。室温まで冷却した後、この溶液を、50mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、その後50mLの水と50mLの塩水で洗った。有機相を、5gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを、10mLのベンゼンで洗った。有機相をロータリーエバポレーター中で蒸発乾固し(40℃、20mbar)、無色の固体として表題の化合物を得た(4.98g、92重量%)。
[α]D 20(c=0.827g/dL、CHCl3)=+1.3;
Figure 2008531487
実施例12
(2S)−2−エチル−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブト−3−エン酸(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルエステル(19)の合成
168mLのテトラヒドロフラン中の実施例11で得られた4.200gの化合物(17)の溶液(13.27mmol)に、−78℃で、39.8mLのイソプロペニルマグネシウム臭化物(19.91mmol、1.5当量)を液滴により添加した。更に50分後、110mLの飽和塩化アンモニウム水溶液の添加により、反応混合物を急冷し、110mLの酢酸エチルで2回抽出した。混合有機相を、110mLの塩水で洗い、15gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過ケーキを、30mLの酢酸エチルで洗った。有気相を、ロータリーエバポレーター中で蒸発乾固し(40℃、8mbar)、黄色の油として表題の化合物を得た(4.790g、101重量%、dr=93:7)
[α]D 20(c=0.615g/dL、CHCl3)=−44.0;
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例14
(5)−2−エチル−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブト−3−エン酸(20)の合成
40mLのメタノール/テトラヒドロフラン(1:1)中の実施例12で得られた3.025gの化合物(19)の溶液(8.435mmol)を、16.9mLの水酸化リチウム水溶液(1.0M、16.9mmol、2.0当量)で処理した。得られた無色の懸濁液を、18.5時間で110℃まで加熱し、わずかに茶色の溶液を得た。室温まで冷却した後、反応混合物を、150mLのメチルtert−ブチルエーテルと150mLの水酸化リチウム水溶液で希釈した。水相を、150mLのメチルtert−ブチルエーテルでもう一度抽出し、助剤である(−)−8−フェニルメントールを除去した。その後、水相を10%の硫酸水素カリウム水溶液の添加により、pH2に調整した。水相を、100mLのクロロホルム/エタノール(4:1)の混合物で4回抽出した。混合有機相を、ロータリーエバポレーター中で蒸発乾固し(40℃、10mbar)、黄色の固体として表題の化合物を得た(931.4mg、77重量%)。
[α]D 20(c=0.251g/dL、CHCl3)=−11.9;
mp:77℃;
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例15
(S)−2−エチル−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブト−3−エン酸ジエチルアミド(21)の合成
30mLのジクロロメタン中の実施例14で得た1.000gの化合物(20)の溶液(6.95mmol)に、−15℃で、2.5mLのN−エチルジイソプロピルアミン(14.60mmol、2.1当量)を液滴により添加し、更に8分後に1.53mLの塩化チオニル(20.85mmol、3.0当量)を液滴により添加した。50分後に、20mLのジクロロメタン中の7.22mLのジエチルアミン(69.5mmol、10.0当量)の溶液を、注射器ポンプ(追加時間:60分)を用いて、液滴により添加した。反応混合物を、一晩で室温までゆっくりと温めた。反応混合物を、50mLのジクロロメタンで希釈し、その後、50mLの塩酸水溶液(1.0M)で洗った。有機相を、5gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。固体を、10mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後に(40℃/10mbar)、粗生成物(1.36g、98重量%)を、黄色の油として得、これを、ヘプタン/酢酸エチル(9:1)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油として表題の化合物を得た(0.900g、4.515mmol、65重量%、er=93.4:6.6)。
[α]D 20(c=0.990g/dL、CHCl3)=+63.3;
Figure 2008531487
Figure 2008531487
実施例16
(S)−2−N,N−トリエチル−2−ヒドロキシ−3−オキソ−ブチルアミド(22)の合成
−78℃の29.8mLのジクロロメタン中の実施例15で得られた595.0mgの化合物(21)の撹拌溶液(2.985mmol)に、青色が現れるまで、オゾンを通気した(150L/h)。その後、溶液に、20分間アルゴンを通気した。その後、2.21mLのジメチルスルフィド(200.7mmol、10.0当量)を添加し、溶液を一晩で室温までゆっくり温めた。混合物を、20mLの水で3回洗った。有機相を、5gの硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。固体を、10mLのジクロロメタンで洗った。ロータリーエバポレーター中での溶媒の蒸発の後に(24℃/10mbar)、黄色の油として、表題の化合物を得た(587.3mg、98重量%)。
[α]D 20(c=g/dL、CHCl3)=+77.1。他の分析データは、実施例4のラセミ形態に従う。
実施例17
(S)−5−ジエチルカルバモイル−5−エチル−4−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(23)の合成
実施例5に記載の手順に従って、23mLのエタノール中の実施例16で得られた587.3mgの化合物(22)(2.918mmol)及び2.29mLマロン酸ジエチル(14.59mmol、5.0当量)を、3.822gの炭酸セシウム(11.67mmol、4.0当量)で処理し、 黄色の液体として粗生成物を得た(1.224g、141重量%)(er=94.15:5.85)。
[α]D 20(c=1.025g/dL、CHCl3)=−134.8。他の分析データは、実施例5のラセミ形態に従う。
実施例18
(S)−5−ジエチルカルバモイル−4−((E)−2−ジメチルアミノ−ビニル)−5−エチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−3−カルボン酸エチルエステル(24)の合成
実施例6に記載の手順に従い、7.3mLのジエチルホルムアミド中の実施例17で得られた1.220gの化合物(23)(4.103mmol)を、7.55mLのトリス(ジメチルアミノ)メタン(42.26mmol、10.3当量)で処理し、オレンジ色の油として粗生成物を得た(1.463mg、101重量%)。
[α]D 20(c=1.020g/dL、CHCl3)=−238.9。他の分析データは、実施例6のラセミ形態に従う。
実施例19
(S)−l−エチル−3,4−ジオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−カルボン酸ジエチルアミド(25)の合成
実施例8に記載の手順に従って、11.7mLのジメチルホルムアミド中の実施例18で得た1.462gの化合物(24)(4.148mmol)を、3.263gの酢酸アンモニウム(41.48mmol、10.0当量)で処理し、赤色の液体として粗生成物を得た(3.175g、275重量%)。全ての揮発性成分を、Kugelrohr蒸留装置(50℃、0.05mbar)中で除去した。残渣を、4.8mLのメチルtert−ブチルエーテルを用いた室温における18時間のトリチュレーションにより精製し、黄色の結晶として、表題の化合物を得た(329.2mg、1.18mmol、29重量%、er=93.26:6.74)。
mp:199度;
[α]D 20(c=0.364g/dL、CHCl3)=−67.9。
他の分析データは、実施例8のラセミ形態に従う。
実施例20
(S)−N,N−ジエチル−2−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−4−イル)−ブチルアミド(26)の合成
実施例9に記載の手順に従って、28mLのエタノール中の実施例19で得られた694.0mgの化合物(25)(2.494mmol)を、1.537gの塩化セシウム(III)(粉砕、6.235mmol、2.5当量)及び1.081gの水素化ホウ素ナトリウム(27.4mmol、11当量)で処理し、ベージュ色の固体として粗生成物を得(576.0mg、82重量%)、これを、60℃の10mLのメタノールに再び溶かした。この溶液を、88mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液/塩水(1:1)に注ぎ、得られた懸濁液を、88mLのジクロロメタン/エタノール混合物(4:1)で5回抽出する前に、更に24時間撹拌した。混合した有機抽出物を、ロータリーエバポレーター中で蒸発させ(50℃、5mbar)、オフホワイト色の固体として表題の化合物を得た(461.5mg、1.63mmol、66重量%)。
mp:174℃(分解);
[α]D 20(c=0.253g/dL、CHCl3)=−81.8。
他の分析データは、実施例9のラセミ形態に従う。
実施例21
(S)−4−エチル−4−ヒドロキシ−1,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−c]ピリジン−3,8−ジオン(27)の合成
実施例10に記載の手順に従い、9.2mLのジメトキシエタン中の実施例20で得られた461.0mgの化合物(26)(1.633mmol)を、1.38mLの濃縮塩酸水溶液(36.5%、16.33mmol、10.0当量)で処理し、 淡黄色の固体として粗生成物を得た(722.8mg、212重量%)、これを、一晩室温で2.2mLのメタノールと共に撹拌した。この混合物をろ過し、表題の化合物を、更に2.2mLのメタノールで洗い、白色の結晶として精製した生成物を得た(117.4mg、34重量%、er=95.0:5.0 キラルHPLCにより)。
mp:226℃(分解);
[α]D 20(c=0.168g/dL、MeOH)=+102.6(er=98.1:1.9を有する試料に関して)。
他の分析データは、実施例10のラセミ形態に従う。

Claims (18)

  1. 式(1)の化合物を製造するための方法であって、
    Figure 2008531487
    a)式(I)の化合物を
    Figure 2008531487
    式HNR23のアミンの存在下で反応させて、式(II)の化合物を得
    Figure 2008531487
    b)式(II)の化合物を、エチル塩基の存在下で更に反応させて、式(III)の化合物を得、
    Figure 2008531487
    c)式(III)の化合物を、式(IV)の化合物と更に反応させて
    Figure 2008531487
    式(V)の化合物を得
    Figure 2008531487
    d)式(V)の化合物を、オゾンの存在下で更に反応させて、式(VI)の化合物を得
    Figure 2008531487
    e)式(VI)の化合物を、化合物(VII)の化合物
    Figure 2008531487
    及び塩基の存在下で更に反応させて、式(VIII)の化合物を得
    Figure 2008531487
    f)式(VIII)の化合物を、ジ(C1−C6)−アルキルホルムアミド ジ(C1−C6)−アルキルアセタール又は式(R78N)3−CHの化合物の存在下で更に反応させて、式(IX)の化合物を得
    Figure 2008531487
    g)式(IX)の化合物を、酢酸アンモニウムの存在下で更に反応させて、式(X)の化合物を得
    Figure 2008531487
    h)式(X)の化合物を、水素化ホウ素アルカリ金属及び希土類金属塩の存在下で更に反応させて、式(XI)の化合物を得
    Figure 2008531487
    j)式(XI)の化合物を、濃縮鉱酸の存在下で更に反応させて、式(1)の化合物を得る、前記方法;
    {式中、
    R、R1、R7及びR8は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキルであり;
    2、R3及びR4は、独立に、(C1−C6)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルを表し;且つ
    5及びR6は、両方とも同一であるか又は異なる(C1−C6)−アルキル、或いはアリール基である}。
  2. 式(1a)の化合物の製造のための、請求項1に記載の方法であって、
    Figure 2008531487
    aa)式(2)の化合物を
    Figure 2008531487
    式R9OHのキラル二級アルコールの存在下で反応させて、式(IIIa)のエステルを得
    Figure 2008531487
    bb)式(IIIa)のエステルを、式(IVa)の化合物と更に反応させて
    Figure 2008531487
    式(Va)の化合物を得
    Figure 2008531487
    cc)式(Va)の化合物からのエステル開裂を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物の存在下で、任意に過酸化水素の存在下で実施し、式(Vb)の化合物を得
    Figure 2008531487
    dd)式(Vb)の化合物を、式HNR2'3'のアミンの添加の前に、三級アミン及び塩化チオニルの存在下で更に反応させて、式(Vc)の化合物を得
    Figure 2008531487
    更なる反応を、請求項1に記載の反応段階d)〜j)に従って実施し、式(1a)の化合物を得る、前記方法
    {式中、
    2'は、請求項1に記載のR2の意味を有し;
    3'は、請求項1に記載のR3の意味を有し;
    4'は、請求項1に記載のR4の意味を有し;
    −OR9は、
    Figure 2008531487
    を表し;且つ
    10及びR10'は、独立に、アリール基、又は(C3−C12)アルキル基を表し、これは非置換であるか又はフェニルにより置換される;
    11は、水素又は(C1−C6)アルキルであり;且つ
    12及びR12'は、独立に、アリール基を表す}。
  3. −OR9
    Figure 2008531487
    を表す、請求項2に記載の方法。
  4. −OR9
    Figure 2008531487
    を表す、請求項2に記載の方法。
  5. 式(1b)の化合物の製造のための、請求項1に記載の方法であって
    Figure 2008531487
    aaa)式(2)の化合物を
    Figure 2008531487
    式R18OHのキラル二級アルコールの存在下で反応させて、式(IIIb)のエステルを得
    Figure 2008531487
    bbb)式(IIIb)のエステルを、請求項2に記載の式(IVa)の化合物と更に反応させて
    Figure 2008531487
    式(Vd)の化合物を得
    Figure 2008531487
    ccc)式(Vd)の化合物からのエステル開裂を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物の存在下で、任意に過酸化水素の存在下で実施し、式(Ve)の化合物を得
    Figure 2008531487
    ddd)式(Ve)の化合物を、請求項2に記載の式HNR2'3'のアミンの添加の前に、三級アミン及び塩化チオニルの存在下で更に反応させて、式(Vf)の化合物を得
    Figure 2008531487
    更なる反応を、上記の反応段階d)〜j)に従って実施し、式(1b)の化合物を得る、前記方法
    {式中、
    2'は、請求項2に記載の意味を有し;
    3'は、請求項2に記載の意味を有し;
    4'は、請求項2に記載の意味を有し;
    −OR18は、
    Figure 2008531487
    を表し;且つ
    10及びR10'は、独立に、アリール基、又は(C3−C12)アルキル基を表し、これは非置換であるか又はフェニルにより置換される;
    11は、水素又は(C1−C6)アルキルであり;且つ
    12及びR12'は、独立に、アリール基を表す}。
  6. R、R1、R2、R3、R5及びR6は、エチルであり;且つ
    4、R7及びR8は、メチルである、
    請求項1に記載の方法。
  7. 2'及びR3'は、エチルであり;
    4'は、メチルであり;且つ
    −OR9は、
    Figure 2008531487
    である、請求項2に記載の方法。
  8. 式(1a)の化合物を、以下の段階により式(A)の化合物に変換する、請求項2に記載の方法:
    Figure 2008531487
    a)式(1a)の化合物を、式(B)の化合物と、
    Figure 2008531487
    ジイソプロピルアゾジカルボン酸塩(DIAD)、エチルジフェニルホスフィン(EtPPh2)及びジメチルアセトアミド(DMA)の存在下で更に反応させて、式(C)の化合物を得ること
    Figure 2008531487
    及び
    b)式(C)の化合物を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、酢酸カリウム(KOAc)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、テトラブチルアンモニウム臭化物(Bu4NBr)及びアセトニトリル(MeCN)の存在下で更に反応させて、対応する式(A)の化合物を得ること
    {式中、
    13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素;ハロゲン;シアノ;(C1−C6)アルキル;−O−(C1−C6)アルキル;−S−(C1−C6)アルキル;ヒドロキシル;アミノ;モノ(C1−C6)アルキルアミノ;ジ(C1−C6)アルキルアミノ;ニトロ;トリフルオロメチルから選択され;且つ
    13及びR14は、それらが結合している炭素原子と一緒に、6員不飽和環状炭化水素を形成することもでき、ここで、1又は2個の炭素原子は、窒素により任意に置換され、そして窒素は非置換であるか、又は(C1−C6)アルキルにより一回置換される}。
  9. 式(1)の化合物を、以下の段階により式(A−1)の化合物に変換する、請求項1に記載の方法:
    Figure 2008531487
    a)式(1)の化合物を、請求項8に記載の式(B)の化合物と、
    Figure 2008531487
    ジイソプロピルアゾジカルボン酸塩(DIAD)、エチルジフェニルホスフィン(EtPPh2)及びジメチルアセトアミド(DMA)の存在下で更に反応させて、式(C−1)の化合物を得ること
    Figure 2008531487
    及び
    b)式(C−1)の化合物を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、酢酸カリウム(KOAc)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、テトラブチルアンモニウム臭化物(Bu4NBr)及びアセトニトリル(MeCN)の存在下で更に反応させて、対応する式(A−1)の化合物を得ること
    {式中、
    13、R14、R15、R16及びR17は、請求項8で与えた意味を有する}。
  10. 式(1b)の化合物を、以下の段階により式(A−2)の化合物に変換する、請求項5に記載の方法:
    Figure 2008531487
    a)式(1b)の化合物を、請求項8に記載の式(B)の化合物と、
    Figure 2008531487
    ジイソプロピルアゾジカルボン酸塩(DIAD)、エチルジフェニルホスフィン(EtPPh2)及びジメチルアセトアミド(DMA)の存在下で更に反応させて、式(C−2)の化合物を得ること
    Figure 2008531487
    及び
    b)式(C−2)の化合物を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、酢酸カリウム(KOAc)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)、テトラブチルアンモニウム臭化物(Bu4NBr)及びアセトニトリル(MeCN)の存在下で更に反応させて、対応する式(A−2)の化合物を得ること
    {式中、
    13、R14、R15、R16及びR17は、請求項8で与えた意味を有する}。
  11. 式(1a)の化合物を、式(3a)の化合物に変換する、請求項8に記載の方法
    Figure 2008531487
  12. 式(1a)の化合物を、式(3)の化合物に変換する、請求項8に記載の方法
    Figure 2008531487
  13. 請求項8に記載の式(A)の化合物の製造における、請求項2に記載の方法の使用。
  14. 請求項9に記載の式(A−1)の化合物の製造における、請求項1に記載の方法の使用。
  15. 請求項10に記載の式(A−2)の化合物の製造における、請求項5に記載の方法の使用。
  16. 請求項12に記載の式(3)の化合物の製造における、請求項2に記載の方法の使用。
  17. 請求項11に記載の式(3a)の化合物の製造における、請求項2に記載の方法の使用。
  18. 上記の本明細書中に記載の発明。
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