JP2008530537A - 個体のアレルゲン感受性を評価する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、個体のアレルゲン感受性、および/または、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するための方法であって、少なくとも一つの純粋なアレルゲンまたはその誘導体を用いた免疫治療を受ける、または、受けることが意図される個体から、血液またはその分画、結合組織、鼻、気管支、皮膚又は腸の生検材料からなる群より選ばれるすくなくとも二つの、該アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞を含んでいるサンプルを供給する工程;該サンプルと、該アレルゲンまたはその誘導体とを接触させる工程;ならびに該サンプルから放出されたメディエーターの量を測定して、該量を比較することにより、治療に先立った該個人のアレルゲン感受性、および/または、免疫治療の臨床上の有効性を評価する工程を包含する方法を開示する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、アレルゲン免疫療法の有効性をモニターする方法に関する。
アレルギーは、免疫の機能不全であり、一般的には、アレルゲンと呼ばれる本来は無害な物質に対して、個体の免疫学的な反応が過感作状態になるものである。アレルギー反応に関わる主要な抗体は、IgEである。全ての個体は、異なるIgEをもっており、それぞれのアレルギー物質は、その物質に対して特異的なIgEの産生を活性化させる。したがって、ある決められたアレルゲンと結合するIgE抗体は、そのアレルゲンに対してのみ反応する。IgEの定常領域(Fc領域)は、細胞の特異的レセプターと結合することができ、それらの細胞は、ヒスタミンまたはほかの炎症性メディエーター、サイトカインおよび/またはプロテアーゼを周辺組織に放出することができる。ヒスタミンを放出している細胞は、主にマスト細胞および好塩基球細胞である。ヒスタミンの放出は、細胞に結合したIgEが、アレルゲンと接触しクロスリンクすることによって開始される。
とりわけ、ヒスタミンは主要なアレルギー反応の原因となる。たとえば、鼻、目、および副鼻腔に放出されたヒスタミンは、くしゃみ、鼻水、および目のかゆみを引き起こし、肺に放出されたヒスタミンは、気道の内層が狭まったり、膨れたりする原因、および粘度が高い粘液の分泌の原因となり、皮膚に放出されたヒスタミンは、発疹およびじんましんの原因となり、消化器系に放出されたヒスタミンは、胃痙攣および下痢の原因となる。
主要なアレルゲンとしては、ホソムギ、ブタクサ、オオアワガエリ、およびカバノキといった植物の花粉、菌の胞子、ペニシリン、サルファノミド(sulfanomides)、サリチル酸塩、および局部麻酔薬といった薬剤、木の実、魚介類、卵、えんどう豆、いんげん豆、落花生、その他の豆、および牛乳といった食物、ハナバチの針の毒、カリバチの針の毒、ゴキブリのがく(calyx)、およびチリダニといった昆虫に起因するもの、ならびに、動物の毛および鱗屑などに由来するものがある。
アレルギーに対する医学上の治療にはいくつかあり、医療行為としては、一般的には、以下の3つの方法が用いられている。すなわち、化学療法、免疫療法、および他の医学的方法である。
化学療法においては、アレルギー仲介物の働きを抑えるために拮抗薬がもちいられており、それにより細胞の活性化および脱顆粒プロセスの活性化を阻害している。拮抗薬としては、抗ヒスタミン剤、コルチゾン、アドレナリン(エピネフリン)、テオフィリン、およびクロモリンナトリウムがある。これらの薬剤は、アレルギー症状の緩和の助けとなるが、疾患の慢性的な症状については、ほとんど役に立たない。過敏症を引き起こしている人を緊急に回復させるといった急を要する場合に、これらの拮抗薬は役に立つ。
ほかの医学において、いくつかの治療方法については、アレルギーの治療に効果があると、医療行為実践者に考えられており、とりわけ伝統的な漢方医学は効果があるとされている。しかし、そのどれもが、良質な証拠によってはこれまで裏づけがなされていない。
最も見込みのある療法の形態はおそらく免疫療法である。免疫療法は、疑わしいアレルゲンの投与量を次第に増やして、時間をかけて1個体に予防接種をおこなうものである。この手法は、重症度を減少させるか、または過敏性を完全に取り除くことができる。あるいは、モノクローナル抗IgE抗体を投与することも可能である。これらの抗体は、フリーの状態にあるIgEと結合し、原因の破棄を引き起こす。モノクローナル抗IgE抗体は、好塩基球細胞およびマスト細胞上にあるFc受容体とすでに結合しているIgEとは結合せず、したがって、Fc受容体とすでに結合しているIgEは、アレルギー炎症反応を引き起こす。
アレルゲン免疫療法に用いられているタンパク質および糖タンパク質は、通常、花粉、菌、皮膚、および昆虫の毒などの物質から抽出されている。臨床評価に基づき、疾患を引き起こす原因となるアレルゲンまたはその誘導体を含む溶液の皮下注射を、維持量に到達するまで徐々に投与量を増やしながら、1週間に一度または二度の頻度で繰返しおこなう。その後は、2週間から4週間に一度の間隔で、維持量のアレルゲンまたは誘導体を注射によって投与する。
その効果を奏するように免疫療法を遂行するためには、上記療法の進捗状況をモニターする必要がある。
たとえば、Wantke et al. (Clin Exp Allergy 23 (1993) 992-995)において、アレルギー性鼻結膜炎に対する免疫療法をモニターする方法が開示されている。著者らは、この中で、免疫療法を施す前および施した後の患者の、自発的なヒスタミンの放出、すなわち、アレルゲンを与えないときのヒスタミンの放出を解析している。そして、アレルゲンに曝した後の血中へのヒスタミンの放出が、免疫療法を4ヶ月施した後では、著しく減少したことを示している。しかし、この方法は、特定のアレルゲンに対する感受性の変化についての評価、および治療の有効性の評価に用いることはできない。
また、Stephan et al. (Allergy 44 (1989) 453-459)において、アレルゲンによって誘導される全血へのヒスタミン放出を解析した、5年以上の期間にわたるハナバチ毒に対する免疫療法の効果についての研究が報告されている。しかし、この報告の著者らは、ヒスタミン放出の結果と、たとえば皮膚の感受性といった臨床上のパラメータとを関連付けていなかった。それゆえ、あるアレルゲンに対する臨床上の感受性を測定し、反映するためにその検査方法を用いることを正当だとするデータは一切示されていない。さらには、治療前および治療後に採取したサンプルを互いに比較することもおこなっていない。
また、Yuta et al. (Arerugi 51 (2002) 634-648)において、アレルギー性鼻炎に対する免疫療法を評価するために、好塩基球細胞からのヒスタミン放出の研究の報告がなされている。著者らは、治療を開始したときのサンプルおよび治療を開始してから6ヶ月後のサンプルを解析し、免疫療法の明白な効果を示すことができている。この論文において、治療を開始する前および開始した後に採取したサンプルが解析され、著者らは、急激な(rush)治療を施すプロトコルでは、細胞の消耗にいたるということを示すことだけできており、ヒスタミン放出の減少は示していない。これに関連して、免疫療法によって“阻害抗体”が誘導されるよりも前に、すなわち、治療を開始してから数時間から数日後に、急激な(rush)免疫療法が働くことは、留意しておくべきである。これは、細胞の消耗と解釈することができる。しかしながら、治療を施してから数週間後に現れる阻害抗体の効果についての評価は重要である。したがって、IgG抗体が依然として存在する、たとえば全血における検査方法を用いる必要がある。それとは異なり、Yuta et al.の報告においては、細胞は洗浄されており、それゆえ、IgGによる干渉は測定できていない。
ヒスタミン放出に加え、好塩基球細胞およびマスト細胞の活性化を評価するほかの方法も知られており、ロイトリエン(leutrienes)放出の測定(Van Rooyen & Anderson, R. J. Immunol. Methods 2004, 288, 1-7)、トリプターゼ(tryptase)放出の測定(Taira M et al., J. Asthma 2002, 39, 315-322)、ならびに、マスト細胞および好塩基球細胞をアレルゲン特異的に活性化したときに放出されるマスト細胞または好塩基球細胞の産出物の測定などがある。さらには、個体をアレルゲンに曝したときに引き起こる、CD63およびCD203cといった活性化マーカーのアップレギュレーションをフローサイトメトリーを用いて測定することができる(Hauswirth A. W., et al. J. Allergy Clin. Immunol. 2002, 110, 102-109)。
したがって、本発明の目的は、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性および進捗状況、ならびに個体のアレルゲン感受性をできるだけ精密にモニターする、in vitroにおける手段および方法を提供することである。
したがって、本発明は、個体のアレルゲン感受性、および/または、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するための方法であって、少なくとも一つの純粋なアレルゲンまたはその誘導体を用いた免疫治療を受ける、または、受けることが意図される個体から、血液またはその分画、結合組織、鼻、気管支、皮膚又は腸の生検材料からなる群より選ばれるすくなくとも二つの、該アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞を含んでいるサンプルを供給する工程;該サンプルと、該アレルゲンまたはその誘導体とを接触させる工程;ならびに該サンプルから放出されたメディエーターの量を測定して、該量を比較することにより、治療に先立った該個人のアレルゲン感受性、および/または、免疫治療の臨床上の有効性を評価する工程を包含する方法を提供する。
個体のアレルゲン感受性、ならびに/または、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性および進捗状況を評価することは、例えば、適用されるアレルゲンの投与量および/または時間間隔を調整することによる、効果的な治療を確実に行うため重要である。したがって、上記免疫療法をモニターするための信頼性できる方法であって、免疫療法の最中に、特定のタイプのアレルゲンプリオンに対する個体の感受性を直接反映する方法が求められている。アレルゲンに特異的に結合しているIgEの量を測定することは、特定のタイプのアレルゲンに対する個体の感作の度合いの測定にはそぐわないことが判明した。なぜならば、個体におけるIgEの存在量と、マスト細胞および好塩基球細胞から放出されるメディエーターとの間には直接の相関がないからである。したがって、メディエーター放出細胞を備えた個体のサンプルのメディエーターの放出が望ましい。驚くべきことに、本発明に係る方法は、伝統的に用いられている皮膚感作性試験と、全く同じではないにせよ、匹敵し得る結果を与えることが見出された。
個体から供与されたサンプルは、好ましくは、免疫療法に用いられるものと同じアレルゲンに接触される。しかし、免疫療法をアレルゲン抽出物を用いて実施し、該治療を実質的に純化された(「純粋な」)アレルゲンを用いてモニターすることも可能である。
もちろん、本発明に係る方法は、治療の最中に、個体のアレルゲン感受性を測定することにより、アレルゲン免疫治療の進捗をモニターするためにもまた用いることができる。
本発明に係る「アレルゲン」は、メディエーター放出細胞のメディエーターの放出の誘発、および個体における結果的なアレルギー性の影響の発生の原因である、特定の抗体(IgE)の産生を誘導することができる分子または分子の混合物である。もちろん、「アレルゲン」は、IgE以外の抗体(例えば、IgG)の産生を誘導することもできる。しかしながら、本発明に係る方法において用いられるアレルゲンは、好ましくは純化されている。すなわち、上記アレルゲンは、実質的には単一のアレルゲン分子から構成されており、純度は90%(w/w)を超え、好ましくは95%(w/w)であり、最も好ましくは99%(w/w)である。実質的に純化された、または単離されたアレルゲンを用いることにより、再現性のある様式で、免疫療法、および本発明に係る方法において用いられるアレルゲンの量を決定し、投与することができる。対照的に、アレルゲン抽出物は、具体的な精製条件に応じて、特定のアレルゲンを様々な濃度で含む。さらに、アレルゲン抽出物はまた、一以上のアレルゲンを含み得る。これらは、上記抽出物中において、様々な濃度で存在し得(目的のアレルゲンの量を厳密な様式で規定できない)、相互反応を引き起こし得る(例えば、Marth K et al., (2004) J. Allergy Clin. Immunol. 113:470-474; Marth K et al., (2004) XXIII EAACI congress abstract book 597:181; Akkerdaas HJ et al., (2003) Arb. Paul Ehrlich Inst. Bundesamt Sera Impfstoffe Frankf. a. M. 94:87-95を参照)。その上、アレルゲン抽出物は、汚染物質、または該抽出物の安定性に影響を与え得る物質を含み得る。この問題もまた、実質的に純化された、または「純粋な」アレルゲンを用いることによって避けることができる。
本明細書で用いられる場合、用語アレルゲン「誘導体」とは、改変(欠損、点変異、切断等)されたアレルゲンであって、該アレルゲン誘導体の誘導元の、天然のアレルゲンと同じ抗原性およびIgE結合特性を依然示しているものを指す。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記メディエーターは、ヒスタミン、トリプターゼ、プロスタグランジン、ロイコトリエン、特にシステイニルロイコトリエン、好酸球陽イオンタンパク質、インターロイキン(IL)のようなサイトカイン、特にIL−2R、CD63、CD203c、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる。
個体をアレルゲンに曝露した後の該個体のアレルギー性反応は、主に、マスト細胞によるメディエーターの放出によって引き起こされる。これらのメディエーターは、アレルギー性反応の初期症状(例えば、くしゃみ、かゆみ)を引き起こし、循環白血球(例えば、好酸球)の産生および局部組織への浸潤を促す。上記メディエーターは、脱顆粒により(ヒスタミンおよびプロテアーゼ)、または、該メディエーターの新規合成後に(Quraishi S. A. et al., JAOA Supplement 5, 104-. S7-S15)上記細胞から放出される。また、本発明によれば、メディエーターに加えて、活性化マーカーを測定することができる(例えば、Yoshimura C, et al., (2002) J Allergy Clin Immunol. 109:817-23)。
上記サンプルは、血液またはその分画(例えば、血漿、血清)、結合組織、鼻、気管支、皮膚または腸の生検材料である。
メディエーター放出細胞は、血液およびその分画において、結合組織およびその他のいくつかの組織において、見出され得る。驚くべきことに、本発明に係る方法は、純粋なアレルゲンを用いた場合、特に全血を用いた場合において、皮膚の感受性を厳密に反映することが見出された。対照的に、特異的なIgEの測定結果は、皮膚の感受性と相関しない。したがって、本発明に係る方法において用いられるサンプルは、血液サンプル(好ましくはヘパリン処置された血液)、または結合組織であり得る。
本発明に係る方法において用いられるメディエーター放出細胞は、上記サンプルから単離されたものであり得る。上記単離により、該サンプルに含まれる撹乱要因となり得る他の物質を除去し得る。例えば、血液は、アレルゲンと接触することで上記サンプル中に放出されるメディエーターの量を決定する際に、高いバックグラウンドをもたらす放出されたメディエーターを含み得ることを、特に考慮する。この問題は、上記サンプルを上記アレルゲンに曝露する前に該サンプルに含まれるメディエーターの量を測定することによって避けることができる。他方では、ヒスタミンの放出と、例えば、皮膚の感受性との間には実質的に何の相関も存在しないことが実験データにより明らかになった。したがって、本発明に係る方法において用いられるべきサンプルは、該サンプルを上記アレルゲンまたはその誘導体と接触させる前に単離または洗浄されたものではない。このことは、メディエーター放出細胞が洗浄された場合、アレルゲン免疫療法の最中に導入され、IgE−アレルゲン複合体の量を低減させる(IgE分子との拮抗作用による)遮断抗体として働くIgG抗体を含む、すべての抗体が除去される(例えば、Stahl-Skov et al. (1977) Clin. Exp. Immunol. 27:432-439を参照)という事実により理由付けされ得る。
上記細胞は、好ましくは、マスト細胞、および/または、好塩基球細胞、および/または、好酸球細胞である。
マスト細胞および好塩基球細胞は、アレルゲンに曝露されたとき上記メディエーターのほとんど、特にヒスタミンを放出する細胞である。マスト細胞は、皮膚、肺、および消化管の結合組織において見出され、一方、好塩基球細胞は、血液中において見出される。これらの細胞は公知の方法により単離され得、本発明に係る方法において使用され得る。マスト細胞のための単離プロトコルは、Jamur MC et al.(J Histochem Cytochera. 1997 45:1715-1722) , Massey WA (J Immunol. 1991 147:1621-7)において見つけることができ、好塩基球細胞のための単離プロトコルは、Valent P.(Proc. Natl. Acad. Sci USA 1989, 86, 5542-5546)において見つけることができる。
本発明の好適な実施形態によれば、上記サンプルは、免疫グロブリン(Ig)、特に免疫グロブリンG(IgG)をさらに備えている。
処理は、IgGを含んでいるサンプル、例えば全血液のサンプルに対して好適に実施することができる。このようなサンプルにおけるIgGの存在は、上記細胞を上記アレルゲンに曝露している間の遮断IgGの妨害の測定を可能にするため、好ましい。アレルゲン免疫療法の最中、上記アレルゲンを対象とするIgGが産生される。これらのIgGは、個体が上記アレルゲンと接触した際に、該アレルゲンと結合して、該アレルゲンがIgEと結合することを阻止する。したがって、アレルゲン結合IgGの産生は、個体のアレルゲンに対する反応に直接関係して、個体のアレルゲン感受性に影響を与えるため、上記サンプルは、IgGを含んでいることが好ましい。
個体のアレルゲン感受性、またはアレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するため、上記サンプルは、好ましくは、該個体に免疫療法を受けさせる前、および後に供与される。
免疫療法の有効性をモニターし、評価するために、該療法に先立って、および最中に個体のアレルゲンに対する感受性を測定する必要がある。したがって、上記メディエーターの放出は、上記療法の様々な段階において測定される。上記療法の最中、アレルゲンに対する感受性は、理想的には減少する。さらに、免疫療法の前の一以上の時点におけるメディエーターの放出を測定することは、該療法の最中での上記アレルゲンの投与のために有用であり得る。
本発明の他の好適な実施形態によれば、上記サンプルは、上記個体に免疫療法を受けさせた後に供与される。
もちろん、免疫療法は、単に、アレルゲンを含んだ薬物の最初の投与の後にサンプルを分析することでも、評価し得る。
このましくは、少なくとも一つのサンプルが、上記個体に免疫療法を受けさせた、最長1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、5日間、10日間、4週間、6月間、12月間、24月間、および36月間後に供与される。
分析されるべき上記サンプルは、アレルゲンの最初の投与の後、所定の期間後に供与される。一回一回の、メディエーターの放出の測定の間の時間間隔もまた、好ましくは、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、5日間、10日間、4週間、6月間、12月間、24月間、および36月間の範囲内で変更され得る。
一つの好適な実施形態によれば、上記アレルゲンは、組換え技術により製造される。
効率的なアレルゲン免疫療法、およびメディエーターの放出を測定するための正確な方法は、好ましくは、組換え技術により製造されたアレルゲンを用いて実施される。遺伝子組み換え技術によれば、特定のアレルゲンを大量に生産して、該アレルゲンを単離することができる。アレルゲンは、通常、アレルゲン(例えば花粉)を含む供給源から直接単離され、該アレルゲンは抽出物中に含まれているため、該アレルゲンは必ず、様々なアレルゲン性、または潜在的にアレルゲン性の物質の混合物の一部となる。数種のイソ型から構成される精製された「天然のアレルゲン」であっても、該イソ型のうちのいくつかは低アレルゲン性または非アレルゲン性であり得、そのため、誤った試験結果を与える(Ferreira F., et al., J. Exp. Med. 1996, 183, 599-609)。この問題は、アレルゲンの組換え技術による製造によって避け得る。個体への投与に用いられるアレルゲンはまた、本発明に係る方法においても用いられ得る。
上記アレルゲンは好ましくは、少なくとも一つの欠損、少なくとも一つの置換、または少なくとも一つの挿入を含んでいる。
低アレルゲン性のアレルゲンまたはその誘導体もまた、治療中に、それら誘導体に対して患者が監査し得るか否かという疑問に関して、用いられ得る。
本発明の一つの好適な実施形態によれば、上記アレルゲンは、該アレルゲンの断片を、遺伝子組み換え技術により並び換えて改変されたものである。
上記サンプルは、好ましくは、様々な濃度の上記アレルゲンと接触される。
メディエーター放出細胞から放出されるメディエーターの量は、本発明に係る方法において採用された、アレルゲンの濃度に依存する。はっきりした量のメディエーターを誘導するために用いられたアレルゲンの濃が高ければ高いほど、個体から供与された細胞の感受性は低くなり、逆もまた同様である。したがって、放出されたメディエーターの量を決定するためには、様々な濃度のアレルゲンの使用が必要となる。
上記アレルゲンの濃度は、1ng/mlから100μg/mlの範囲内で好適に選択され、1pg/mlから10μg/mlの範囲内で好適に選択される。
一つの好適な実施形態によれば、個体により供給される上記サンプルに含まれる上記細胞のメディエーターの総量は、測定される。
上記細胞に存在する膳メディエーターの量を測定するために、それらの細胞は、例えば、数回の凍結および解凍の繰り返しにより溶解される。測定されたメディエーターの量は、上記細胞より潜在的に放出可能なメディエーターを指し示し、その値は、該細胞の所定のアレルゲンに対する感作の度合いを測定するために用い得る。
細胞の感作の度合いは、上記細胞のメディエーターの総量の10%、好ましくは30%の放出を誘導する上記アレルゲンの濃度を測定することにより好適に規定される。
細胞の感作の度合いは、細胞が、メディエーター放出細胞において存在するメディエーターの総量の10%、好ましくは20%、25%、30%を放出する濃度を明らかにするため、免疫療法の進捗状況の指標となる。成功したアレルゲン免疫療法の最中では、用いられるアレルゲンの濃度は増加する。これは、高い濃度のアレルゲンが、上記細胞から所定の量のメディエーターを放出させることは、該細胞が以前の測定よりも感受性が低いことを指し示すからである。上記メディエーターを最大限の放出を誘導する投与量もまた、評価され得る。これは、用量反応曲線を作成すること、および上記免疫療法の最中に、該曲線の移動を測定することを可能にする。
したがって、個体のアレルゲン感受性および/またはアレルゲン免疫療法の臨床上の有効性が、上記免疫療法の過程における上記細胞の感作の度合いを観察することによって、好適に評価される。
本発明の一つの好適な実施形態によれば、上記サンプルにおける上記メディエーターが、免疫学的なまたは組織学的な方法、好ましくは、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合イムノソルベント検定法(ELIZA)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応、免疫蛍光フローサイトメトリー、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる方法によって測定される。
これらの方法はすべて、臨床上の感受性に近づいたところまで確立されている。しかしながら何れの方法も、血清学上での純粋なアレルゲン、好塩基球の活性化、および皮膚の感受性を見るために用いられたことはない(例えば、Pierkes M. et al., J Allergy Clin Immunol. (1999) 103:326-32; Di Lorenzo G. et al., J Allergy Clin Immunol. (1997) 100:832-7)。
本発明によって用いられるべき好ましいアレルゲンは、例えば、www.allergen.org/List.htmにおいて得られるような、取得可能なすべての主要なタンパク質のアレルゲンを含む。本発明に係る特に好ましいアレルゲンのグループは、例えば、主要なカバノキ花粉アレルゲン、特に、Bet v 1およびBet v 4、主要なオオアワガエリ花粉アレルゲン、特にPhl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7、主要なイエネズミアレルゲン、特にDer p 1およびDer p 2、主要なネコアレルゲンFel d 1、主要なミツバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン、特にPhl p 12、および倉庫ダニアレルゲン、特にLep d 2、そして表1に記載されたアレルゲンのような主要なアレルゲンを含む。
(表1:本発明によって用いられる好ましいアレルゲン(参考例を含む))
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(参考)
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これらのアレルゲンをエンコードする塩基配列の知識は、それらの組換え体の生産を可能にする。したがって、特に、これらのアレルゲンは、免疫療法および本発明に係る方法において、好適に用いることができる。
本発明の他の観点は、個体のアレルゲン感受性、および/または、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するための方法であって、IgE−アレルゲン複合体に反応してメディエーターを放出し得る細胞を供給する工程;該細胞と、すくなくとも一つの純粋なアレルゲンまたはその誘導体が接種された該個体の血清および/または血漿とを接触させる工程;ならびに該サンプルから放出されたメディエーターの量を測定して、該量を比較することにより、治療に先立った該個人のアレルゲン感受性、および/または、免疫治療の臨床上の有効性を評価する工程を包含する方法に関する。
メディエーターを放出可能な細胞は、通常、該細胞に結合したIgE分子を備える。そのような細胞は、本発明に係る方法に供される個体、または他の個体から得られたサンプルから単離され得る。もちろん、本発明に係る方法において、IgEに結合可能な細胞株を用いることも可能である。
本発明に係る方法は、個体の血漿および血清におけるアレルゲン特異的IgEおよびIgG分子の間の比率を測定することを可能にするので、特に、該個体のアレルゲン感受性を測定するために適している。遊離IgEではなく、IgE−アレルゲン複合体のみが、白血球のようなメディエーター放出細胞からのメディエーター放出を誘導し得るため、放出されたメディエーターのレベルは、上記サンプル中に存在するIgE複合体の量と相関する。言い換えれば、上記サンプル中のIgE複合体の量は、アレルゲン特異的IgE、アレルゲン、および、遊離したアレルゲンに対して、IgEと拮抗して、結果的にIgE−アレルゲン複合体の形成を抑制する、IgE以外のアレルゲン特異的抗体、例えばIgG、IgAまたはIgMのそれぞれの量と相関する。これは、低レベルのアレルゲン特異的IgE、または高レベルのアレルゲン特異的IgGはともに、少ない数のIgE複合体の形成を導いて、メディエーター放出を低減させることを意味する。
上記血清および/または血漿におけるアレルゲンの濃度は、好ましくは1ng/mlから100μg/mlの範囲内であり、より好ましくは1pg/mlから10
μg/mlの範囲内である。
本発明の他の観点は、個体のアレルゲン感受性、または、すくなくとも一つのアレルギーのためのアレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するためのキットであって、アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞のメディエーターの放出を誘導するための少なくとも一つのアレルゲン、上記メディエーターを検出する手段、および任意の要素として、すくなくとも一つのメディエーターの標準を備えているキットに関する。
本明細書において提供される上記キットは、すくなくとも一つのアレルゲンを備えており、該アレルゲンは、サンプル中に含まれるメディエーター放出細胞からのメディエーター放出を誘導するために用い得る。放出されたメディエーターは、その後、直接検出されるか、好ましくは、上記サンプルの固形分が除かれた後に、反応混合液の上清において検出される。上記アレルゲンに結合しているIgEの検出のための手段が、任意に、本発明に係るキットに含まれる。IgEは、独特のアレルゲンに結合し得、メディエーター放出細胞およびアレルゲンに結合した際に、該細胞からのメディエーター放出を仲介し得る。しかしながら、アレルゲン特異的なIgEは、通常は血液中には検出されず、個人が、アレルゲンに感作したときのみ生産される。上記サンプルにおけるメディエーターの量を正確に測定するため(検量線の提供のため)、メディエーターの標品が、上記キットに任意的に含まれ得る。
上記細胞は、好ましくはマストおよび/または好塩基球および/または好酸球細胞である。
本発明の他の好適な実施形態によれば、上記アレルゲンは、主要なカバノキ花粉アレルゲン、特に、Bet v 1およびBet v 4、主要なオオアワガエリ花粉アレルゲン、特にPhl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7、主要なイエネズミアレルゲン、特にDer p 1およびDer p 2、主要なネコアレルゲンFel d 1、主要なミツバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン、特にPhl p 12、および倉庫ダニアレルゲン、特にLep d 2、および表1に記載のアレルゲンからなる群より選ばれる。
上記メディエーターを検出する手段は、好ましくは抗体である。
上述したようなメディエーターは、好ましくは、免疫学的な方法により検出される。したがって、上記キットは、特異的なメディエーターに結合し得る、少なくとも一つの抗体を提供し得る。好ましくは、酵素結合イムノソルベント検定法(ELIZA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、または側方流動装置が用いられる。
本発明の他の観点は、個体のアレルゲン感受性、または、すくなくとも一つのアレルギーのためのアレルゲン免疫療法の臨床的効果を評価するためのキットであって、すくなくとも、以下の部材:アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞のメディエーターの放出を誘導するための少なくとも一つのアレルゲン、メディエーターを検出するための手段、 すくなくとも一つのメディエーターの標品、およびIgE−アレルゲン複合体に反応してメディエーターを放出し得る細胞のうちの二つ以上を備えていることを特徴とするキットに関する。
本発明は、図面および実施例によってさらに詳述されるが、これらに限定されるものではない。
〔実施例〕
(実施例1)
アレルゲンによる、エフェクター細胞(マスト細胞および好塩基球)と結合IgE抗体とのクロスリンクは、I型アレルギーにおける即時症状の誘導に不可欠な事象である(Kawakami T, et al., Nat Rev Immunol (2002) 2:773-86)。PrausnitzおよびKustner (Prausnitz C, at al., Centralbe F Bact 1 Abt Orig (1921) 86:160-8)による古典的な実験で示されているように、この事象は、3つの主要な要因、すなわち、アレルゲン特異的IgE抗体、エフェクター細胞、およびアレルゲンに左右されるものである。IgE抗体の特徴づけおよび診断テストの開発により、アレルゲン特異的IgE抗体の正確な量を測定することができるので、アレルゲン特異的な血清IgEレベルと、アレルギー患者のアレルゲンに対する生物学的感受性との関連性を調べる研究がいくつかなされてきている(Stenius B, et al., Clin Allergy (1971) 1:37-55; Bryant DH, et al., Clin Allergy (1975) 5:145-57; Pauli G, et al., Clin Allergy (1977) 7:337-46; Bousquet J, et al., Clin Allergy (1987) 17:529-36; Witteman AM, et al., J Allergy Clin Immunol (1996) 97:16-25; Niederberger V, et al. J Invest Dermatol (2001) 117:845-51; Norman PS, et al., J Allergy Clin Immunol (1973) 52:210-24; Lichtenstein LM, et al. J Allergy Clin Immunol (1971) 47:103 (A37))。即時型の反応が生じるには、アレルゲン特異的血清IgEの存在が必要条件であるということは広く認められていることである。しかし、アレルゲン特異的IgEの量と、ある特定のアレルゲンに対する即時型の感受性との間に関連があるかということに関しては、大いに議論すべき事柄である。問題なのは、過去におこなわれたほとんど全ての研究は、アレルゲン抽出物を使用している、すなわち、アレルゲンと非アレルゲン性分子との混合物を使用しているということである(Stenius B, et al., Clin Allergy (1971) 1:37-55; Bousquet J, et al., Clin Allergy (1987) 17:529-36; Norman PS, et al., J Allergy Clin Immunol (1973) 52:210-24; Lichtenstein LM, et al. J Allergy Clin Immunol (1971) 47:103 (A37))。このことが、これらの研究において、アレルゲン特異的IgEレベルと生物学的活性との間の分子レベルでの関連性を解析できなかった理由である。皮膚の感受性とアレルゲン特異的IgEレベルとの関係を再調査するための、精製した天然のアレルゲンおよび組み換えアレルゲンを用いた最近の研究は、これらのパラメータの間にあるかなりの相違点を報告している(Witteman AM, et al., J Allergy Clin Immunol (1996) 97:16-25; Niederberger V, et al. J Invest Dermatol (2001) 117:848-51)。この例の中では、アレルゲン特異的IgEレベルと、エフェクター細胞の応答性と、in vivoの感受性との間の関連をさらに調査するために、精製した組み換えBet v 1が例証のツールとして用いられている。Bet v 1は、主要なカバノキの花粉アレルゲンである。花粉が飛散するシーズンではないときに、明確な臨床の基準により選択された18人のカバノキ花粉アレルギー患者の集団において、構造上折りたたまった規定量の組み換えBet v 1に応じた、皮膚の感受性と好塩基球の脱顆粒とを定量化した。そして、生物学的な結果と、血清学上の結果とを比較した。なお、Bet v 1特異的IgE抗体レベルを測定するために、異なる二つの測定方法を用いた。一方は、いかなるBet v 1特異的IgEをも検出する測定方法であり、もう一方は、エフェクター細胞に結合することができるBet v 1特異的IgEを検出する測定方法である。
(材料および方法)
(調査の母集団)
患者に対する調査は、カバノキの花粉の季節が始まる前の、1月から4月までの間に行われた。カバノキ花粉症の病歴、および、カバノキ花粉の抽出物に対する皮膚のプリックテスト陽性を基準として、18人の患者、28歳から58歳の間(平均年齢:45.6歳)の、8人の女性と10人の男性が、調査に含められた。すべての患者は、少なくとも3年前に初めて診断を受けている中等度から重度の鼻結膜炎を患っている。5人の患者は、カバノキの花粉の季節において、穏やかな喘息を患い、12人の患者は、バラ科ファミリーの果物(リンゴ、モモ、アプリコット、およびアーモンド)、ナス科の野菜(イモ、トマト)、およびセリ科ファミリーの野菜(セロリ、ニンジン)に対する口腔アレルギー症候群を患っている。イエダニ、菌性のアレルゲンの混合物、イヌおよびネコの鱗屑、ゴキブリ、草、樹木(カバノキ、オリーブ、およびセイヨウトネリコ)、および雑草の花粉からなる一連の標準的な呼吸器のアレルゲン(Stallergenes、France)を用いた皮膚のプリックテストが、感作のプロフィールを同定するために実施された。患者の特徴が、後述するテーブル1に示されている。
(調査の設計)
アレルゲン特異的IgEレベル、皮膚の感受性、および好塩基球の脱顆粒の間の起こり得る関連性を分析するために、同一の日に、患者の血が採血され、彼らの皮膚が試験された。上記分析は、季節的なアレルゲン接触が原因の効果を排除するために、カバノキの花粉の季節を厳格に外して行われた。患者らは、上記調査を開始する少なくとも1週間から、抗アレルギー、または抗炎症性の服用を禁じられていた。何れの患者も、過去5年に渡って、アレルゲン特異的な免疫療法を受けていなかった。インフォームドコンセントが得られた後、好塩基球のヒスタミン放出および血清のサンプリングのために血液が採取された。その直後、皮内皮膚試験が、終点滴定法(end−point titration、Grammer LC, et al., J Allergy Clin Immunol (1985) 76:123-7)を用いて実施された。
(アレルゲン特異的抗体の検出および定量)
アレルゲン特異的なIgG1ないしIgG4サブクラスのレベル、ならびにアレルゲン特異的IgMおよびIgAのレベルが、イソ型特異的モノクローナル抗体を用いたELIZA法により、文献(Vrtala S, et al., J Allergy Clin Immunol (1996) 97:781-7)に記載されたように、測定された。結果は、2回の測定の平均として表され、結合した抗体の量に対応するOD値により示される。
(好塩基球のヒスタミン放出試験)
rBET v 1、およびポジティブコントロールとしてのIgE抗体を用いた、全血への誘発(Challenge)が、Tanisaki et al.(Tanisaki Y, et al., Int Arch Allergy Appl Immunol (1984) 73:141-5)に記載の方法に従った用量反応様式によって実施された。10mlの静脈血が、1mlのヘパリンを含んでいるプラスチックシリンジに吸引された。様々な濃度の、rBET v 1(10−4から10mg/ml)、またはIgE抗体(10−4から10−3;e−specific、Dako、Glostrup、Denmark)が250μl、トリス緩衝液(10mmol/l Tris、136mmol/l Nacl、2.7mmol/l KCl、0.23mmol/l MgCl、1.8mmol/l CaCl、5.5mmol/lグルコース;pH7.3)に1:4の割合で溶解された全血500mlを含んでいるテストチューブに添加された。混合された溶液は、37℃にて30分間インキュベートされた。反応が停止され、5分間の375×gでの低温(4℃)遠心分離によって、細胞が分離された。細胞の含まれていない上清200μlが、アシル化されたヒスタミンモノクローナル抗体(Immunotech、Marseille、France)を用いたラジオイムノアッセイにおいて、文献(Morel AM, et al., J Allergy Clin Immunol (1988) 82:646-54)に以前記載されたように、ヒスタミンの定量に用いられた。全ヒスタミンは、反復された解凍および凍結による細胞の溶解の後に測定された。ずべての実験は、2回行われた。好塩基球の感受性の度合いを示すのに用いられるパラメータは、全ヒスタミンの30%の放出を誘導する最低限のアレルゲンの濃度とした。
(皮内試験)
rBet v 1の10倍希釈液0.03mlを腕の側面部に注射することにより、閾値皮内皮膚試験が実施された。連続的な希釈は、1000mg/mlの溶液から準備され、最初に試験された希釈液は10mg/mlであった。上記テスト群は、注射の15分後に読み取られた。膨疹および紅斑の面積が記録された。誘導された膨疹の面積が、注射による膨疹の面積を超過した場合に、上記試験は陽性であるとみなされ、陽性の試験結果を誘導する最低限のアレルゲン濃度が、他のパラメータとの対比に用いられた(Grammer LC, et al., J Allergy Clin Immunol (1985) 76:123-7)。
(データの統計学的解析)
異なるパラメータ間の相関は、VisualStats Professionalソフトウェア(バージョン2003)を用いた、スピアマン s 非パラメトリック検定により検定された。
(結果)
Figure 2008530537
(rBet v 1−特異的免疫グロブリンEレベルと、rBet v 1に対する皮膚の感受性との間の乏しい関係性)
rBet v 1−特異的免疫グロブリンEレベルと、皮膚の感受性とを比較するために、rBet v 1−特異的IgEレベルがCAPにより測定され、皮内試験膨疹反応陽性を誘導するrBet v 1の濃度の閾値と相関させた。図1は、アレルゲン特異的IgEレベルと、皮膚の感受性との間になんの関連性もないことを示している(r=−0.007、p=0.977)。個々の患者においては、アレルゲン特異的IgEレベルと皮膚の感受性との間に強い不一致が観察された。例えば、患者8は、高いBet v 1特異的IgEレベル(79.9kU/l)を示したが、ID反応陽性を示したのは、10mg/mlのrBet v 1においてのみであった(テーブル1)。一方、患者10は、低いrBet v 1特異的IgEレベル(4.5kU/l)を有していたが、患者8に比べ、1000倍もの大きな、Bet v 1に対する皮膚の感受性を有していた(1ng/mlにおいてID試験反応陽性)。互いに類似するrBet v 1−特異的IgEレベル(17.1 26.6kU/l)を有していた7人の患者(2、5、7、9、11、12および17)は、とても幅広い、rBet v 1に対する皮膚の感受性を示した(3から10 5mg/ml)(テーブル1)。
(rBet v 1−特異的免疫グロブリンEレベルとrBet v 1関連の好塩基球の感受性との間の乏しい関係性)
図2(IgE対30%ヒスタミン放出)は、rBet v 1−特異的IgEレベル」とBet v 1誘導性の好塩基球の感受性との間の関連性もまた欠けていることを示す(図2:r=−0.113、p=0.656)。30%のヒスタミン放出を誘導するためのrBet v 1濃度は、10−3から1mg/mlの間で様々である。rBet v 1−特異的IgE(RASTクラス3:4.51 17.1kU/l)が所定のレベルの場合において、30%のヒスタミン放出を誘導するrBet v 1濃度は、1000倍にも変化する(1 10−3mg/ml)。
(rBet v 1−誘導性の好塩基球のヒスタミン放出と、皮膚の感受性との間の関係性)
図3は、皮内試験および好塩基球のヒスタミン放出試験のそれぞれの結果が、血清学的および生物学的な試験の結果よりもよく関連していることを示している。30%のヒスタミン放出を誘導するrBet v1の濃度と、皮内膨疹反応との間において、明らかな傾向が存在した(r=0.614;p=0.007)。rBet v 1−特異的IgEレベルと生物学的テストとの間の関連性が非常に悪かった患者(例えば、患者8および10)も、皮内試験結果と好塩基球のヒスタミン放出とが比較された場合、よりよい関連性を示す(テーブル1)。血清学的試験と生物学的試験との間の不一致を説明するために実施されたその他の試験の結果は、以下に示される。
(rBet v 1−特異的免疫グロブリンGサブクラス、免疫グロブリンA、および免疫グロブリンMの測定)
上述したように、Bet v 1−アレルギーの患者の血清は、IgEがBet v 1に結合することを妨げ得、またはIgE以外のBet v 1分子上のエピトープを認識し得、よって、IgEのBet v 1への結合に無影響であり得る(Visco V, et al., J Immunol (1996) 157:956-62; Denepoux S, et al., FEBS Lett (2000) 465:39-46)したがって、rBet v 1−特異的IgGレベルが測定された(IgG1 IgG4;テーブル1)。上記患者は、様々なrBet v 1特異的IgG1 IgG4サブクラス反応を示し、IgG1およびIgG4サブクラスにおいて最も目立つ反応を有していた。上記血清では、顕著なrBet v 1−特異的IgAおよびIgM抗体は検出されず、このことは、これらの抗体クラスが、IgEのBet v 1認識に影響を及ぼし得るという可能性を排除している。
(全免疫グロブリンEに対するパーセンテージとしての、Bet v 1−特異的免疫グロブリンEの評価)
もし、Bet v 1−特異的IgEが、全IgEの低いパーセンテージのみを担っているとしたら、乏しいヒスタミン放出および皮膚の反応性は、好塩基球およびマスト細胞が他のアレルゲンに対するIgEによって基本的に占有されているという事実によって説明され得る。したがって、全IgEの値が測定され、Bet v 1−特異的IgEのパーセンテージが算定された。本実施例における患者は、比較的低い全IgE値を有しており(<168kU/L)、低いパーセンテージのBet v 1−特異的IgEと乏しい生物学的反応との間には何の関係性も見つからなかった。例えば、患者11は、高い感受性を有しておりながら、Bet v 1−特異的IgEは、全IgEのたった20%を担っているに過ぎなかった。一方、患者13は、感受性は低かったが、全IgEの62.6%が、Bet v 1に対するものであった(テーブル1)。
(議論)
アレルゲン特異的IgE抗体レベル、エフェクター細胞の感受性、および臨床状の感受性が相関しているかという疑問は未だ議論の的である。様々なアレルゲン性および非アレルゲン性成分の混合複合体を使った場合であっても、アレルゲン−特異的血清IgE抗体とアレルゲン−誘導性の即時型の反応が顕著に相関することをいくつかの研究が示しているが、上記混合複合体を用いることは、皮膚試験とRASTとの比較を困難にしている(Stenius B, et al., Clin Allergy (1971) 1:37-55; Bousquet J, et al., Clin Allergy (1987) 17:529-36; Norman PS, et al., J Allergy Clin Immunol (1973) 52:210-24; Lichtenstein LM, et al., J Allergy Clin Immunol (1971) 47:103 (A37))。近年、精製されたアレルゲン(Witteman AM, et al., J Allergy Clin Immunol (1996) 97:16-25)および組換えアレルゲン(Niederberger V, et al., J Invest Dermatol (2001) 117:848-51)を用いた他の研究が、抗体レベルと生物学的感受性との間の考慮すべき不一致を示している。
特異的IgE、好塩基球の脱顆粒、および皮膚の感受性の間の関係を分子レベルで探査するための構造上折りたたまった規定量の精製アレルゲン(すなわち、主要なカバノキ花粉アレルゲン、Bet v 1)を用いた臨床的な研究が実施された。上記3つの方法間のよい一致と、カバノキの感受性の臨床的な妥当性が見出された;しかしながら、アレルゲン−特異的IgE、好塩基球の感受性、およびin vivoでの感受性(すなわち、終点滴定により測定された皮膚の感受性)の間に強い不一致が見つけられた。いくつかの患者においては、非常に低い特異的IgEレベルと、好塩基球の脱顆粒および皮膚試験における高い感受性とが観察され、その逆も観察された。文献の吟味は、皮膚試験、好塩基球のヒスタミン放出、および特異的IgEレベルを比較する研究が不足していることを明らかにする。数少ない得られる研究は、非常に幅広く変化した結果を示し、精製されていないアレルゲン抽出物を用いて実施されていた。例えば、Norman et al.(Norman PS, et al., J Allergy Clin Immunol (1973) 52:210-24)は、ブタクサ花粉症の診断において、上記3つの試験が互いによく一致することを見出した。Lichtenstein et al.(Lichtenstein LM, et al., J Allergy Clin Immunol (1971) 47:103 (A37))は、皮膚試験とヒスタミン放出との間に定量的に顕著な関係性を見出した。しかしながら、この例では、特異的IgEの測定は実施されていない。抗原に感作された白血球およびマスト細胞の反応は、非常にさまざまな因子に依存し得る。
低い感受性および乏しいヒスタミン放出についての一つの可能性は、全血清IgE中に占めるアレルゲン−特異的IgEの小さい割合である。したがって、全IgEレベルが測定され、アレルゲン−特異的IgEのパーセンテージが算定された。しかしながら、アレルゲン−特異的IgE反応の低いパーセンテージと、乏しい生物学的活性との間の関係性は、見出されなかった。全IgE中の特異的IgEの低いパーセンテージが、所定のアレルゲンに対する生物学的な反応に関与し得るという可能性は、多重に感作された対象において、より重大である(Norman PS, et al., J Allergy Clin Immunol (1973) 52:210-24; Conroy MC, et al., J Immunol (1977) 118:1317-21; MacGlashan DW Jr, et al., J Immunol (1986) 136:2231-9)。
アレルゲン−特異的IgEレベルと生物学的反応の間の不一致に関与するいくつかの他の因子があるが、それらは、精製されたアレルゲンを用いた系においても対処し得ない。それらは、血清IgEレベルによって制御されるパラメータである、IgE受容体細胞表面の密度の多様性に起因する、好塩基球およびマスト細胞の個体間における感受性の差異を含んでいる(Conroy MC, et al., J Immunol (1977) 118:1317-21; Malveaux FJ, et al., J Clin Invest (1978) 62:176-81; Dembo M, et al., J Immunol (1978) 121:345-53; MacGlashan DW Jr, et al., J Allergy Clin Immunol (1999) 104:492-8)。似たような全IgEの血清濃度、および抗原特異的IgEの血清濃度の場合に、様々な細胞の感受性が、用量反応曲線(50%または30%の感受性によって測定)の変数の変化によって示されている(Conroy MC, et al., J Immunol (1977) 118:1317-21; MacGlashan DW Jr., J Allergy Clin Immunol (1993) 91:605-15)。
その上、好塩基球に匹敵する数のIgE分子を有している個人は、0−100%の彼らのヒスタミン容量を放出し得ることが示されている(Conroy MC, et al., J Immunol (1977) 118:1317-21)。同じことが皮膚のマスト細胞についても観察されている(Petersen LJ, et al., J Allergy Clin Immunol (1996) 97:672-9; Bordignon V, Pet al., Invest Allergol Clin Immunol (2000) 10:78-82)。加えて、初期シグナルイベントは、特異的IgEのレベル、または好塩基球の感受性にリンクしない、シクキナーゼ(Sykkinase)およびIP3生成物が関与していることが示されている(MacGlashan DW Jr., J Allergy Clin Immunol (1993) 91:605-15; Miura K, et al., J Immunol (2001) 167:7027; MacGlashan DW Jr., J Immunol (2003) 170:4914-25)。
近年の証拠は、マスト細胞がまた、トル(Toll)様受容体を介して影響され得ることを指し示している(Marshall JS, et al., Int Arch Allergy Immunol (2003) 132:87- 97)。しかしながら、上記実験に用いたrBet v 1調製物は、エンドトキシンを含有していない。
最後に、アナフィラキシー性の活性を誘導するエピトープに対する様々な親和性および結合特異性を有するIgE抗体の存在が、血清学的および生物学的試験結果に影響を及ぼし得た可能性がある。
結論として、本調査は、アレルゲン特異的血清IgEレベルが、細胞およびin vivoの試験で測定されるような生物学的な感受性に必ずしも関連していないことを、分子レベルで示す。しかしながら、穏やかな関連性が、皮膚試験と、好塩基球のヒスタミン放出試験との間に見出された。
(実施例2)
正しい投与量を選択し得るように、治療の前に患者の感受性を測定するために、全血の好塩基球のヒスタミン放出試験が用いられる。高い感受性を有する患者は、より低い感受性を有する患者に比べて、少ない投与量を注射される。処置の前に、精製されたアレルゲンを用いて用量反応曲線が構築される。並行して、アレルゲンに対する感受性に影響し得る細胞の全般的な感受性を測定するために、細胞がIgE抗体によって刺激される。通常のケースでは処置の4〜8週間後の、上記アレルゲンに対するIgG抗体が検出可能となった後に、処置の成功が調整される。IgG抗体のブロッキングは、感受性の低減の原因となり得るため、並行して所定のアレルゲンに対するIgGのレベルを測定することは有用であり得る。再び、用量反応が精製されたアレルゲンおよびIgE抗体を用いて測定される。細胞を最大限に活性化する(すなわち、最大限のヒスタミン放出、またはCD203cの発現亢進)投与量、または、所定の度合いの活性化を与える投与量が測定され、処置の前に得られたテスト結果と比較される。材料および方法は、実施例1の記載に従う。
(実施例3)
洗浄された顆粒球調整物を用いた好塩基球のヒスタミン放出実験が、文献(Stahl-Skov et al., 1977. J Exp Immunol 27:432-439)に記載のように実施された。ヒスタミン放出データと、皮膚の感受性との間には何の相関も見られなかった。
ヒスタミン放出は、アレルギー性の患者から得た好塩基球を用いて行われた。それらは、デキストラン沈降により濃縮され、単離され、洗浄され、ヒスタミン放出バッファーへ再懸濁され、様々な濃度の組換えBet v 1(10−5、10−4、10−3、10−2、10−1、1μg/ml)、またはIgE抗体 mAb E−124−2−8(1μg/ml)に、96ウェルのマイクロタイターのプレート(TPP、Trasadingen、Switzerland)において37℃で30分間さらされた。インキュベーション後、細胞は遠心分離された。細胞の含まれない上清が回収され、市販のラジオイムノアッセイ(Immunotech、Marseille、France)を用いて、ヒスタミン容量が分析された。ヒスタミン放出は、細胞溶解物において測定された全ヒスタミンに対するパーセンテージによって表された(Valent et al., 1989, Proc Natl Acad Sci USA 86:5542-5546)。
皮膚プリックテストが、組換えBet v 1の連続希釈(1:2)を用いて、文献(Pauli et al., 1996, J Allergy Clin Immunol 97:1100-1109)に記載のように、実施された。
組換えBet v 1にさらされた好塩基球からのヒスタミン放出の最大値(HR%−max)は、皮膚プリックテスト反応(mm)とは相関しなかった。(SPT 2μg/ml)(r=0.224、p=0.342)(図5)。
図1は、皮内終点滴定(x軸:最初の陽性反応が得られるアレルゲン濃度)の結果と、rBet v 1−特異的血清IgE(y軸:kU/L CAPシステム)との関係を示す。 図2は、好塩基球のヒスタミン放出(x軸:30%のヒスタミン放出が得られるアレルゲン濃度)の結果と、rBet v 1−特異的血清IgE(y軸:kU/L CAPシステム)との関係を示す。 図3は、皮内終点滴定(x軸:最初の陽性反応を与えるアレルゲン濃度)の結果と、好塩基球のヒスタミン放出(y軸:30%のヒスタミン放出が得られるアレルゲン濃度)の結果との関係を示す。 図4は、CAPにより測定されたrBet v 1−特異的IgE(x軸:kU/L)と、標識されたα鎖により測定されたrBet v 1−特異的IgE(y軸:毎分カウント(c.p.m.);1:5血清希釈液)との関係を示す。 図5は、好塩基球のヒスタミン放出(x軸:最大限のヒスタミン放出(%))の結果と、皮膚プリックテスト(y軸:2μg/mlの組換えBet v 1を用いた皮膚プリックテストにより誘導された膨疹反応(mm))の結果との関係を示す。

Claims (24)

  1. 個体のアレルゲン感受性、および/または、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するための方法であって、
    少なくとも一つの純粋なアレルゲンまたはその誘導体を用いた免疫治療を受ける、または、受けることが意図される個体からの、血液またはその分画、結合組織、鼻、気管支、皮膚または腸の生検材料からなる群より選ばれるすくなくとも二つの、該アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞を含んでいるサンプルを供給する工程;
    該サンプルと、該アレルゲンまたはその誘導体とを接触させる工程;ならびに
    該サンプルから放出されたメディエーターの量を測定して、該量を比較することにより、治療に先立った該個人のアレルゲン感受性、および/または、免疫治療の臨床上の有効性を評価する工程
    を包含することを特徴とする方法。
  2. 個体のアレルゲン感受性、および/または、アレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するための方法であって、
    IgE−アレルゲン複合体に反応してメディエーターを放出し得る細胞を供給する工程;
    該細胞と、すくなくとも一つの純粋なアレルゲンまたはその誘導体が接種された該個体の血清および/または血漿とを接触させる工程;ならびに
    該サンプルから放出されたメディエーターの量を測定して、該量を比較することにより、治療に先立った該個人のアレルゲン感受性、および/または、免疫治療の臨床上の有効性を評価する工程
    を包含することを特徴とする方法。
  3. 上記メディエーターが、ヒスタミン、トリプターゼ、プロスタグランジン、ロイコトリエン、特にシステイニルロイコトリエン、好酸球陽イオンタンパク質、インターロイキン(IL)のようなサイトカイン、特にIL−2R、CD63、CD203c、及び、それらの組合せからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記細胞がマストおよび/または好塩基球細胞および/または好酸球細胞であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 上記サンプルが免疫グロブリン(Ig)、特に免疫グロブリンG(IgG)をさらに含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上記個体を免疫療法に供する前および後に、上記サンプルが供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 上記個体を免疫療法に供した後に、上記サンプルが供給されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 上記個体を免疫療法に供してから、最大、1時間、12時間、24時間、10日間、4週間、6月間および36月間後にすくなくとも一つのサンプルが供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 上記アレルゲンが組換え技術を用いて生産されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 上記アレルゲンが、すくなくとも一つの欠損、すくなくとも一つの置換、またはすくなくとも一つの挿入を含んでいることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 上記アレルゲンが、遺伝子組み換え技術を用いて、該アレルゲンの断片が並び換えられて改変されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 上記サンプルが、様々な濃度の上記アレルゲンと接触されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 上記アレルゲンの濃度が1ng/ml〜100μg/mlの範囲、好ましくは1pgから10μg/mlの範囲から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. さらに、上記細胞のメディエーターの総量が測定されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 細胞の感作の度合いが、上記細胞のメディエーターの総量の10%、好ましくは30%の放出を誘導する上記アレルゲンの濃度を測定することにより規定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 個体のアレルゲン感受性および/またはアレルゲン免疫療法の臨床上の有効性が、上記免疫療法の過程における上記細胞の感作の度合いを観察することによって、評価されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 上記サンプルにおける上記メディエーターが、免疫学的なまたは組織学的な方法によって測定されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 上記免疫学的なまたは組織学的な方法が、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合イムノソルベント検定法(ELIZA)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応、免疫蛍光フローサイトメトリー、およびそれらの組合せからなる群より選ばれることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 上記アレルゲンが、主要なカバノキ花粉アレルゲン、特に、Bet v 1およびBet v 4、主要なオオアワガエリ花粉アレルゲン、特にPhl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7、主要なイエネズミアレルゲン、特にDer p 1およびDer p 2、主要なネコアレルゲンFel d 1、主要なミツバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン、特にPhl p 12、および倉庫ダニアレルゲン、特にLep d 2からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 個体のアレルゲン感受性、または、すくなくとも一つのアレルギーのためのアレルゲン免疫療法の臨床上の有効性を評価するためのキットであって、
    アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞のメディエーターの放出を誘導するための少なくとも一つのアレルゲン、
    上記メディエーターを検出する手段、および
    任意の要素として、すくなくとも一つのメディエーターの標品
    を備えたことを特徴とするキット。
  21. 個体のアレルゲン感受性、または、すくなくとも一つのアレルギーのためのアレルゲン免疫療法の臨床的効果を評価するためのキットであって、すくなくとも、以下の部材:
    アレルゲンに反応してメディエーターを放出し得る細胞のメディエーターの放出を誘導するための少なくとも一つのアレルゲン、
    メディエーターを検出するための手段、
    すくなくとも一つのメディエーターの標品、および
    IgE−アレルゲン複合体に反応してメディエーターを放出し得る細胞
    のうちの二つ以上を備えていることを特徴とするキット。
  22. 上記細胞がマストおよび/または好塩基球および/または好酸球細胞であることを特徴とする請求項21に記載のキット。
  23. 上記アレルゲンが、主要なカバノキ花粉アレルゲン、特に、Bet v 1およびBet v 4、主要なオオアワガエリ花粉アレルゲン、特にPhl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7、主要なイエネズミアレルゲン、特にDer p 1およびDer p 2、主要なネコアレルゲンFel d 1、主要なミツバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン、特にPhl p 12、および倉庫ダニアレルゲン、特にLep d 2からなる群より選ばれることを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載のキット。
  24. 上記メディエーターを検出する手段が、抗体からなる群より選ばれることを特徴とする請求項20〜23のいずれか一項に記載のキット。
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