JP2008530224A - 粘膜組織の異常の治療のための方法及び組成物 - Google Patents
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Abstract
粘膜組織の異常例えば間質性膀胱炎;粘膜の癌例えば膀胱又は膣の癌;クローン病;炎症性腸疾患又は大腸炎を患っている患者を、局所投与される硫酸化キチン性ポリマーを含む医薬を投与することによって治療する方法を記載する。該硫酸化キチン性ポリマーを含む医薬組成物も又、開示する。
Description
多くの病気は、粘膜の異常へと導く。一層一般的な粘膜の異常の一つは、間質性膀胱炎である。間質性膀胱炎は、十分理解されていない膀胱の疾患であり、これについて万人に有効な治療プログラムはない(Fleischmann, J.D.等、1991. J.Urology, 146:1235)。症状には、尿意緊迫、頻尿及び恥骨上の痛み(通常、排尿により楽になる)が含まれる。他の徴候には、関節炎、刺激結腸及び微熱が含まれる。間質性膀胱炎の個人は、有意に無能力化されうるし、進行した間質性膀胱炎の個人は、機能するために大きい手術を必要としうる。
間質性膀胱炎には標準的な治療法がない。用いられている治療法のうちには、膀胱の水圧による膨張、アミトリプチリン又はナトリウムペントサンポリサルフェートの経口投与、ジメチルスルホキシド、オキシクロロセンナトリウム、硝酸銀、ヘパリン、又は血管新生抑制性ステロイド及びペントサンポリサルフェートの膀胱内点滴注入がある。しかしながら、これらの治療法の効力及び有効性は、変化しやすい。
膀胱の水圧による膨張は、全身麻酔又は1〜2分間の脊髄麻酔下で、80〜100cmH2Oの圧力で行われる。間質性膀胱炎を治療するための膀胱の水圧による膨張を利用する一つの研究において、治療された患者の55%未満が治療直後に軽減を報告し、治療から6ヵ月後では2%しか軽減を報告しなかった(Hanno P.M.等、1991. Semin Urology, 9:143)。
ジメチルスルホキシド(DMSO)の6〜8週間にわたる膀胱内点滴注入は、DMSOに対する53%の応答に対してプラシボに対する18%の応答という結果を生じ、応答の平均の長さは、6ヵ月であった(Perez-Marrero, R.等、1967. J.Urology, 98:671)。DMSOの薬理学的効果には、膜透過効果、増大した薬物吸収、抗炎症及び鎮痛効果、コラーゲン溶解、筋肉弛緩及びマスト細胞のヒスタミン放出が含まれる。副作用には、増大した小胞被刺激性及びニンニク様息臭が含まれる。
DMSOの点滴注入と同等の結果が、オキシクロロセンナトリウムを用いて報告されている(Messing, E.M.等、1978. Urology, 12:381)。しかしながら、オキシクロロセンナトリウムの点滴注入は、強い不快のために麻酔を必要とする。
間質性膀胱炎は、粘膜の破壊又は炎症を引き起こしうる重大な疾患であるが、他の病気例えば大腸炎、クローン病及びある種の癌さえも又、類似の問題を引き起こすようである。
それ故、粘膜に影響を及ぼす間質性膀胱炎及び他の病気の治療のための、改良された効力を有し、大きな手術、望ましくない副作用、又は強い肉体的不快を伴わない治療剤の必要性がある。
従って、本発明の目的は、粘膜の病気例えば膀胱癌、クローン病又は大腸炎、肺癌、肺病及び呼吸疾患、婦人科悪性疾患及び口の癌を治療する方法を提供することである。
この発明の他の目的は、間質性膀胱炎を患っている患者を治療する方法を提供することである。
例えばカテーテル又は浣腸器による投与のための許容しうる医薬組成物を提供することも又、この発明の目的である。
この発明の更なる目的は、新規な硫酸化キチン性ポリマーを提供することである。
この発明の、これらの及び他の目的、特徴及び利点は、下記の説明及び請求の範囲から明らかとなろう。
本発明は、粘膜の病気例えば粘膜組織の癌(例えば、癌腫、肉腫など)を、硫酸化キチン性ポリマーを含む医薬をそれを必要とする患者に投与することによって治療する方法を提供する。本発明により治療することのできる病気の例は、膀胱、大腸及び前立腺の癌及び疾患;尿路疾患;クローン病;大腸炎;過敏性及び炎症性腸疾患;膣及び婦人科の癌;胃、腹部及び腸の癌;肺癌及び肺/呼吸疾患例えば嚢胞性繊維症;口、頬及び口部の癌及び疾患;乳癌及び扁平上皮細胞癌であるが、これらに限られない。
本発明は又、患者例えばヒト患者の間質性膀胱炎を、硫酸化キチン性ポリマーを含む有効量の医薬を患者の冒された領域に局所投与することによって治療する方法をも提供する。この硫酸化キチン性ポリマーを含む医薬は、他の薬物と組み合わせて投与することができ、特に、例えば大腸癌、前立腺癌、婦人科の癌、乳癌、胃癌、腹部の癌又は肺癌を治療するための外科手順後に投与することができる。
この発明は、更に、カテーテル又は浣腸器による投与のために(これらに限られない)許容しうる医薬組成物を提供する。この医薬は、有効量の硫酸化キチン性ポリマー及び製薬上許容しうるキャリアーを含む。
この発明の方法は、下記式のサブユニットを含む硫酸化キチン性ポリマーを利用する:
(式中、
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され(但し、前記のポリマー上のY及び/又はX基の少なくとも1%はSO3 -Bであり且つ前記のポリマー上のY基の少なくとも1%は、−C(=O)−R−CO2Z又は−C(C=O)−R−COGである);
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。
好ましくは、前記のポリマー上のX基の少なくとも10%は、−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGである。
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され(但し、前記のポリマー上のY及び/又はX基の少なくとも1%はSO3 -Bであり且つ前記のポリマー上のY基の少なくとも1%は、−C(=O)−R−CO2Z又は−C(C=O)−R−COGである);
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。
好ましくは、前記のポリマー上のX基の少なくとも10%は、−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGである。
この発明は又、新規な硫酸化キチン性ポリマーをも提供する。
図面の簡単な説明
図1は、実施例1の異なる治療群中のラットの尿中のTNFレベルの評価の結果を示す棒グラフである。
図1は、実施例1の異なる治療群中のラットの尿中のTNFレベルの評価の結果を示す棒グラフである。
発明の詳細な説明
間質性膀胱炎(IC)は、慢性の衰弱性疾患であり、緊急の、ときに痛みのある排尿並びに放散性の骨盤の痛みを引き起こす。病因論は、不確実であるが、性質上、自己免疫でありうるという証拠がある。開始事象は、膀胱の細菌又はウイルス感染でありうる。組織学レベルでは、ICは、炎症並びに炎症細胞例えば好中球、マクロファージ及びマスト細胞の膀胱間質への流入を特徴とする。
間質性膀胱炎(IC)は、慢性の衰弱性疾患であり、緊急の、ときに痛みのある排尿並びに放散性の骨盤の痛みを引き起こす。病因論は、不確実であるが、性質上、自己免疫でありうるという証拠がある。開始事象は、膀胱の細菌又はウイルス感染でありうる。組織学レベルでは、ICは、炎症並びに炎症細胞例えば好中球、マクロファージ及びマスト細胞の膀胱間質への流入を特徴とする。
この発明は、間質性膀胱炎を患っている患者を治療する方法を提供する。この方法は、硫酸化キチン性ポリマーを含む有効量の医薬の、患者の冒された領域への局所投与を含む。この医薬は、他の薬物又は活性剤と組み合わせて、特に手術後病気の治療のための外科手術後に投与することができる。
本発明は、更に、粘膜組織例えば粘膜及び/又は上皮組織の病気を治療する方法を提供する。本発明は、哺乳動物特にヒト患者の尿路の粘膜組織の病気の治療に対する特別の利用可能性を有している。
粘膜又は粘膜組織における病気の例には、大腸炎例えば潰瘍性大腸炎、肉芽腫性大腸炎、虚血性大腸炎、放射性大腸炎、偽膜性腸炎及び細菌性又はアメーバ赤痢;クローン病及び他の大腸及び回腸の病気;胃腸病例えば痙性結腸及び粘液性大腸炎を含む過敏性大腸症候群;膀胱疾患例えば膀胱の移行上皮癌、扁平上皮細胞癌及び腺癌;多発性内分泌性新生物;甲状腺癌;婦人科の子宮内膜における悪性疾患及び膣癌など;癌腫及び肉腫;粘膜性肉腫例えばカポジ肉腫;耳、鼻咽頭及び口の癌を含む口粘膜の癌;肺癌並びに肺及び呼吸疾患が含まれるが、これらに限られない。
本発明の方法により治療することのできる粘膜の偏平上皮細胞癌の例には、頭部及び頚部(口、舌、扁桃、鼻咽頭、中咽頭、副鼻腔、口蓋、口唇、頬粘膜、歯肉、喉頭蓋、皮膚及び喉頭を含む)、鼓室分泌腺、胃腸、尿路、膣、陰茎、頚部及び陰門の癌が含まれるが、これらに限られない。
下記の定義を、この明細書中で用いる。
用語「局所投与」又は「局所的に投与する」は、身体の表面に直接(例えば、膣、口、耳、又は眼への送達);カテーテルにより;浣腸器により;及び/又は身体内の表面(例えば、膀胱、直腸、肺、口又は鼻粘膜表面)へスプレーにより投与することを含むが、これらに限られない。
用語「冒された領域」には、粘膜組織例えば粘膜、上皮組織、及びこれらの外表面及び/又は内表面例えば膀胱の内表面並びに関連構造例えば尿管及び尿道が含まれる。それは又、患者の任意の他の部分であって、そこへの本発明の組成物の投与が患者に利益となる当該部分例えば内側領域、外側領域、直腸領域、大腸領域などをも包含する。
用語「患者」は、間質性膀胱炎を患うかも知れず且つこの発明の方法及び組成物から利益を得るであろう生物体を包含する。患者の例には、哺乳動物例えばイヌ、ネコ、ウマ、マウス、ラット、ウサギ及び好ましくはヒトが含まれる。
用語「硫酸化キチン性ポリマー」には、キチン、キトサン、及び他のキチン性ポリマーの硫酸化誘導体が含まれる。キチン性ポリマーの例には、例えばHayes の米国特許第4,619,995号;Tokura等、J.M.S.- Pure Appl. Chem. A31(11),pp.1701-1718(1994);Hirano等、Carbohydrate Research, 137(1985)p.205-215;及びWhistler等、Archives Biochem. Biophys. 142(1971)p.106-110(参考として、本明細書中にそっくりそのまま援用する)に記載されたものが含まれる。硫酸化キチン性ポリマーの例は、N−硫酸化−N,O−カルボキシアルキルキトサン(例えば、N−硫酸化−N,O−カルボキシメチルキトサン、N−硫酸化−N,O−カルボキシエチルキトサン、及びN−硫酸化−N,O−カルボキシプロピルキトサン)、N−硫酸化O−カルボキシアルキルキトサン(N−硫酸化O−カルボキシメチルキトサン、N−硫酸化O−カルボキシエチルキトサン、及びN−硫酸化O−カルボキシプロピルキトサン)、及び硫酸化キトサンである。硫酸化キチン性ポリマーは又、WO2004/018010(参考として本明細書中に援用する)にも記載されている。
この発明の方法で有用な硫酸化キチン性ポリマーには、下記式のサブユニットよりなるポリマーが含まれる:
(式中、
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され(但し、少なくとも前記のポリマー上のY基の1%及び/又はX基の1%はSO3 -Bである);
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。
好ましくは、前記のポリマー上のX基の少なくとも10%は、−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGである。
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され(但し、少なくとも前記のポリマー上のY基の1%及び/又はX基の1%はSO3 -Bである);
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。
好ましくは、前記のポリマー上のX基の少なくとも10%は、−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGである。
この発明の硫酸化キチン性ポリマーは、該ポリマーのY及び/又はX基の少なくとも1%を有し、あるいは、該基の15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%又は70%は、SO3 -Bである。有利には、bは、1、2又は3であってよい。
カチオンの例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。
この発明の硫酸化キチン性ポリマーは、酸性、中性及び/又は塩基性で水溶性であってよい。有利には、これらのポリマーは、約1〜11の範囲のpHで水溶性であってよい。
これらの硫酸化されたキチン性ポリマーの各々の理想化された構造を以下に示す。これらの構造は、キチン性ポリマーの誘導体化に関して、制限することを意味するものではない。当業者は、これらのポリマー及び/又はその特定の塩の誘導体化パターンが適宜変化しうることを認めるであろう。
これらの硫酸化キチン性ポリマーは、当分野で公知の方法を利用することにより合成することができる。例えば、一般的に、NOCCは、ポリマー上の全窒素中心の約30〜70%をアミンの形態で有する。これらのアミンは、次いで、三酸化硫黄−ピリジン試薬と室温で塩基性pHで反応してNHSO3 -基をポリマーに沿って形成することができる。キトサン中の酸素中心及びその誘導体は又、無水条件下でジメチルホルムアミド−三酸化硫黄試薬を用いて硫酸化されうる。O−硫酸化又はN,O−硫酸化キチン性物質は又、この発明の教示に従って機能するということが予想される。N−アセチルキチン性ポリマーを合成する方法は、米国特許第10/810742号に記載されている。
追加の治療剤を、硫酸化キチン性ポリマーに例えば共有結合により又はイオン結合により結合された医薬の部分として(例えば、G又はZとして)投与することもできる。
この追加の治療剤は、硫酸化キチン性ポリマーと組み合わせて投与することもできる。この治療剤は、キチン性ポリマー中に分散させることができるが、必ずしもそれと共有結合させる必要はない。
追加の治療剤の例には、患者に利益となり又は少なくとも部分的に間質性膀胱炎の少なくとも一つの症状を治療することのできる薬剤が含まれる。例えば、この追加薬剤は、間質性膀胱炎の患者に有益であることが知られた薬剤例えば5−アミノサリチル酸(5−ASA)、ペントサンポリサルフェート、ヒドロコルチゾン、DMSO、ヘパリン、硝酸銀、ナトリウムオキシクロロセン、カルメット−ゲラン杆菌(BCG)、又はこれらの組合せであってよい。
この発明の硫酸化キチン性ポリマーと組み合わせて投与することのできる他の追加の治療剤には、抗生物質、麻酔剤、抗真菌剤、駆虫剤、抗癌剤及び抗炎症剤が含まれる。抗癌剤には、トラスツツマブ(HERCEPTIN、登録商標)、パクリタキセル(TAXOL、登録商標)、ドセタキセル(TAXOTERE、登録商標)、カペシタビン(XELODA、登録商標)、カルボプラチン(PARAPLATIN、登録商標)、(ANGIOSTATINV、登録商標)、(ENDOSTATIN、登録商標)及び他の抗血管形成薬、エクシスリンド(APTOSYN、登録商標)、ペメトレクスト(ALIMTA、登録商標)、イバンドロネート(BONDRONAT、登録商標)、イマチニブ(GLEEVEC、登録商標)、ゲフィチニブ(IRESSA、登録商標)、ドキソルビシンHCl(DOXIL、登録商標)、トポテカン(HYCAMTIN、登録商標)、シスプラチン(PLATINOL、登録商標)、リツキシマブ、サリドマイド(RITUXAN、登録商標)、ベバシズマブ、rhuMAb−VEGF AVASTIN(商標)、オキサリプラチン(ELOXATIN、登録商標)、IMC−C225、セツキシマブ(ERBITUX、登録商標)、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル(GEMZAR、登録商標)、イリノテカン(CAMPTO、登録商標)、ビノレルビン、サトラプラチン、バロルビシン(NAVELBINE、登録商標)又はこれらの組合せが含まれるが、これらに限られない。
抗生物質の例には、微生物の成長を阻害し、又は殺す化学物質が含まれる。抗生物質には、が含まれるが、ペニシリン、テトラサイクリン、クラリスロマイシン(BIAXIN、登録商標)、シプロフロキサシン(CIPRO、登録商標)、及びメトロニダゾール(FLAGYL、登録商標)これらに限られない。
用語「抗真菌剤」は、静真菌又は殺真菌活性を有することが当分野で公知の薬剤を包含する。抗真菌剤の例には、アゾール(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、クロルトリマゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ロブコナゾールなど)、ポリエン(例えば、ナタマイシン、ルセンゾマイシン、ニスタチン、アンホテリシンBなど)、エキノカンジン(例えば、CANCIDAS、登録商標)、プラジミシン(例えば、ベアノミシン、ニッコマイシン、ソルダリン、アリラミンなど)並びにこれらの誘導体及び類似体が含まれるが、これらに限られない。
抗炎症剤の例には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAID)、MK−966(COX−2インヒビター)、イロプロスト、メトトレキセート、サリドマイド及びサリドマイド関連薬(例えば、CELGEN)、レフルノミド、トラネキサム酸、T−614、プロスタグランジンE1、テニダップ、ナプロキセン、メロキシカム、イブプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナク、インドメタシン、スルファサラジン、アザチオプリン、ICEインヒビター(酵素インターロイキン−1β変換酵素のインヒビター)、zap−70及び/又はlckインヒビター(チロシンキナーゼzap−70又はlckのインヒビター)、コルチコステロイド及び抗炎症薬(例えば、SB203580)、TNF変換酵素インヒビター、インターロイキン17インヒビター、金、ペニシラミン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シクロスポリン、全リンパ照射、抗胸腺細胞グロブリン、CD5−トキシン、ロベンザリト二ナトリウム、サイトカイン調節剤(CRA)HP228及びHP466、プレドニソン、オルゴテイン、グリコサミノグリカンポリサルフェート、ミノサイクリン、抗IL2R抗体、オーラノフィン、フェニルブタゾン、メクロフェナミン酸、フルフェナミン酸、静脈内免疫グロブリン、ジロートン、ミコフェノール酸(RS−61443)、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アミプリロース(テラフェクチン)、クラドリビン(2−クロロデオキシアデノシン)、アザリビン、及びメトトレキセートが含まれる。
麻酔剤の例には、フェノール、ベンジルベンゾエート、カラミン、クロロキシレノール、ジクロニン、ケタミン、メントール、プラモキシン、レゾルシノール、トロクロサン、ベンゾカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン、シンコカイン、デキシバカイン、ジアモカイン、ジブカイン、エチドカイン、ヘキシルカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、オキセタザイン、プリロカイン、プロカイン、プロパラカイン、プロポキシカイン、ピロカイン、リゾカイン、ロドカイン、ロピバカイン、及びテトラカイン;及びこれらの製薬上許容しうる誘導体、及びこれらの組合せが含まれる。
用語「アルキル」は、ここで用いる場合、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル又はデシル)、分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、t−ブチル又はイソブチル)、及びシクロアルキル(脂環式)基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル又はシクロオクチル)を含む飽和脂肪族基を包含する。この用語アルキルは、更に、炭化水素主鎖の少なくとも一つの炭素に置き換わった酸素、窒素、硫黄又はリン原子を有する分子を包含する。好ましくは、10以下の炭素原子を主鎖内に有する直鎖又は分枝鎖(例えば、直鎖でC1〜C10、分枝鎖でC3〜C10)アルキルを利用し、一層好ましくは、4炭素原子以下のアルキルを利用する。シクロアルキルは、3〜8炭素原子を、一層好ましくは5又は6炭素を環構造内に有することができる。用語C1〜C6は、1〜6炭素原子を含むアルキル基を包含する。
その上、用語アルキルは、「未置換アルキル」及び「置換されたアルキル」の両方を包含し、後者は、炭化水素主鎖の少なくとも一つの炭素上の水素に置き換わった置換基を有するアルキル部分を指す。かかる置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシレート、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバミル及びウレイドを含む)、シアノ、アジド、ニトロ、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分が含まれる。
用語「アリール」は、5及び6員の単環式芳香族基を含み、0〜4個のヘテロ原子を含むことができる基例えばベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジンなどを包含する。芳香族環は、少なくとも一つの環において、上記のような置換基例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシレート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバミル及びウレイドを含む)、アミジノ、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、又はアジドによって置換されていてよい。
用語「アルケニル」は、長さ及び可能な置換において上記のアルキルと類似しているが、少なくとも一つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を包含する。例えば、用語「アルケニル」には、直鎖アルケニル基(例えば、エチレニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル又はデデニル)、分枝鎖アルケニル基及びシクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル又はシクロオクテニル)基が含まれる。用語アルケニルは、更に、炭化水素主鎖の少なくとも一つの炭素に置き換わった酸素、窒素、硫黄又はリン原子を含むアルケニル基を包含する。ある具体例において、主鎖中に10以下の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖(例えば、C2〜C10の直鎖、C3〜C10の分枝鎖)アルケニル基を利用する。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造中に3〜8炭素原子を、一層好ましくは5又は6炭素を有しうる。用語C2〜C10は、2〜10炭素原子を含むアルケニル基を包含する。
その上、用語アルケニルは、「未置換アルケニル」と「置換されたアルケニル」の両方を包含し、後者は、炭化水素鎖の少なくとも一つの炭素上の水素に置き換わった置換基を有するアルケニル部分を指す。かかる置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシレート、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバミル及びウレイドを含む)、シアノ、アジド、ニトロ、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分が含まれうる。
用語「カルボキシアルキル」は、アルキル、アルケニル、又はアリール基に共有結合されたカルボキシル基を包含する。このカルボキシル基は、例えば、式:−(CH2)cCOOZ(式中、cは、1〜8であり、Zは、上記の通りである)であってよい。カルボキシアルキル基の例には、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピルなどが含まれる。
この発明は又、少なくとも部分的に、ここに記載のすべての新規な硫酸化キチン性ポリマーに関係する。これらの硫酸化キチン性ポリマーは、下記式のサブユニットからなるポリマーを包含する:
(式中、
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され、但し、該ポリマー上のX基の少なくとも10%は、
−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGであり;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され、但し、前記のポリマー上のY及び/又はX基の少なくとも1%はSO3 -Bであり且つ前記のポリマー上のY基の少なくとも1%は、−C(=O)−R−CO2Z又は−C(C=O)−R−COGである;
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され、但し、該ポリマー上のX基の少なくとも10%は、
−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGであり;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され、但し、前記のポリマー上のY及び/又はX基の少なくとも1%はSO3 -Bであり且つ前記のポリマー上のY基の少なくとも1%は、−C(=O)−R−CO2Z又は−C(C=O)−R−COGである;
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。
この発明の硫酸化N−アシル化キチン性ポリマーは、該ポリマーのX基の少なくとも5%を有し、あるいは、該基の15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%又は70%は、式−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGである。
加えて、これらのN−アシル化キチン性ポリマーは、該ポリマー上のY基の少なくとも1%を有し、あるいは、該基の2.5%、5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、25%、30%、35%又は40%は、−C(=O)−R−CO2Z又は−C(=O)−R−COGである。Rは、式−(CH2)a−(式中、aは、1〜8である)である。有利には、aは、2、3又は4であってよい。Rは又、アリール(例えば、フェニル、ナフチル、ヘテロアリールなど)、アルキル又はアルケニルであってもよい。Rは又、アルキル又はアルケニル基の少なくとも一つの炭素に置き換わった少なくとも一つのヘテロ原子を含むこともできる。
この発明のポリマーの例には、硫酸化N,O−カルボキシメチル−N−スクシニルキトサン、硫酸化N,O−カルボキシメチル−N−シトラコニルキトサン、硫酸化N,O−カルボキシメチル−N−グルタリルキトサン、及びこれらの混合物が含まれる。
この発明は又、硫酸化キチン性ポリマーを製薬上許容しうるキャリアーと共に投与する方法をも包含する。この製薬上許容しうるキャリアーは、カテーテル又は浣腸器による投与に適するように選択することができる。
この発明は又、カテーテル及び/又は浣腸器による投与に適した医薬組成物をも提供する。これらの組成物は、有効量の硫酸化キチン性ポリマー及び製薬上許容しうるキャリアーを含んでいる。この硫酸化キチン性ポリマーは、一具体例において、組成物の全重量の約0.5〜30%の濃度で、又は一具体例においては、好ましくは1.0〜10%の濃度で投与することができる。
製薬上許容しうるキャリアーには、製薬上許容しうる物質、組成物又はビヒクル例えば液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤若しくはカプセル封入材料(この発明の治療用組成物例えば硫酸化キチン性ポリマーを、患者内で又は患者に、その組成物が意図した機能を遂行する例えば間質性膀胱炎を治療することができるように、運び又は輸送することに関与するもの)が含まれうる。かかる組成物は、一般に、身体の一の器官又は部分から他の器官又は部分に運ばれ又は輸送される。各追加のキャリアーは、配合物の他の成分と適合性であり且つ患者に無害であるという意味において「許容しうる」ものでなければならない。追加の製薬上許容しうるキャリアーとして役立ちうる物質の幾つかの例には:水;糖類例えばラクトース、グルコース及びスクロース;澱粉例えばトウモロコシ澱粉及びジャガイモ澱粉;セルロース及びその誘導体例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテート;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤例えばカカオバター及び坐薬ワックス;油例えば落花生油、綿実油、紅花油、胡麻油、オリーブ油、コーン油及び大豆油;グリコール例えばプロピレングリコール;ポリオール例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;エステル類例えばエチルオレエート及びエチルラウレート;寒天;緩衝剤例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張塩溶液;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;安定剤;抗酸化剤例えばEDTA及びメタ重亜硫酸塩;及び他の医薬形成に用いられる非毒性の適合性の物質が含まれる。
これらの硫酸化キチン性ポリマーは、一般に、官能基例えばアミノ基を含み、従って、製薬上許容しうる酸又はアニオンと製薬上許容しうる塩を形成することができる。用語「製薬上許容しうる塩」は、この点において、比較的無毒の、この発明の化合物の無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、この発明の化合物の最後の単離精製中に、その場で調製することができ、又はこの発明の純粋な遊離塩基形態の化合物を適当な有機若しくは無機酸と別々に反応させ、そうして形成された塩を単離することにより調製することができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩、及びラウリルスルホン酸塩などが含まれる(例えば、Berge等、(1977)「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.66:1-19参照)。
これらの硫酸化キチン性ポリマーは又、少なくとも一つの酸性官能基を含むこともでき、従って、製薬上許容しうる塩基又はカチオンと製薬上許容しうる塩を形成することもできる。これらの場合における用語「製薬上許容しうる塩」は、比較的無毒の、この発明の化合物の無機及び有機塩基付加塩を指す。これらの塩は、同様にして、これらの化合物の最終的単離精製中にその場で調製することができ、又は遊離形態の純粋化合物を適当な塩基例えば製薬上許容しうる金属カチオンの水酸化物、炭酸塩若しくは重炭酸塩と、アンモニアと、若しくは製薬上許容しうる有機第一、第二若しくは第三アミンと別々に反応させることにより調製することができる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム塩などが含まれる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが含まれる。
湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム並びに着色剤、離型剤、被覆剤、甘味料、調味料及び香料、防腐剤及び抗酸化剤も又、この発明の組成物中に存在してよい。
この発明の配合物は、局所投与(膀胱、尿管及び尿道の内表面への投与を含む)及び/又は直腸投与に適したものを包含する。これらの配合物は、都合よく、単位投薬形態で与えることができ、製薬分野で周知の任意の方法によって製造することができる。これらの配合物は、硫酸化キチン性ポリマーと製薬上許容しうるキャリアーを包含することができる(限定はされない)。
懸濁液は、硫酸化キチン性ポリマーに加えて、懸濁化剤例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにこれらの混合物を含むことができる。
直腸投与のための治療剤と硫酸化キチン性ポリマーの配合物を、坐薬として製造することができ、それは、治療剤と硫酸化キチン性ポリマーを少なくとも一種の適当な非刺激性賦形剤又はキャリアー(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス又はサリチル酸塩を含む)と混合することにより製造することができ、室温で固体であるが体温では液体であり、それ故、直腸内で溶融して硫酸化キチン性ポリマーを放出する。
この発明の硫酸化キチン性ポリマーの局所投与のための投薬形態は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、及びパッチを包含する。物質の鼻及び肺粘膜組織への送達のために用いられる粉末及びスプレーは、本発明において、特に有用である。この硫酸化キチン性ポリマーは、無菌条件下で、製薬上許容しうるキャリアーと、及び必要でありうる防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合することができる。
これらの軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、治療剤及び硫酸化キチン性ポリマーに加えて、賦形剤例えば動物及び植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物を含むことができる。
この発明の医薬組成物において用いることのできる適当な水性及び非水性キャリアーの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの適当な混合物、植物油例えばオリーブ油、及び注射可能な有機エステル例えばエチルオレエートが含まれる。適当な流動性は、例えば、コーティング材例えばレシチンの利用により、必要な粒度の維持により(分散体の場合)、及び界面活性剤の利用により維持することができる。
これらの組成物は、補助剤例えば防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含むこともできる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤、抗癌剤及び抗真菌剤例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含ませることにより確実にすることができる。等張剤例えば糖類、塩化ナトリウムなどをこれらの組成物中に含有することも又、望ましいであろう。
語ポリマー又は薬剤の「有効量」は、患者の間質性膀胱炎を治療し又は予防する(例えば、特定の疾患の様々な形態的及び身体的症状を防止する)のに必要な又は十分な量である。この有功量は、患者の大きさ及び重さ、病気の種類、又は特定のポリマー及び/又は薬剤などの因子によって変化しうる。例えば、ポリマー及び/又は薬剤の選択は、「有効量」を構成するものに影響を及ぼしうる。当業者は、日常的実験により、前記の因子を研究して、有効量について決定することができる。
投与の養生法は、有効量を構成するものに影響を及ぼしうる。ポリマー及び/又は薬剤は、間質性膀胱炎の開始前又は後に、患者に投与することができる。更に、幾つかに分割した投薬量並びにずらした投薬量を毎日又は順次的に投与することができ、又はこの投与量を、連続的に注入することができる。更に、これらのポリマー及び/又は薬剤の投薬量は、治療又は予防状況の緊急性に比例して増減させることができる。
用語「治療した」、「治療する」又は「治療」は、治療及び/又は予防処置を包含する。この処置は、間質性膀胱炎と関連し又は該膀胱炎により引き起こされた少なくとも一つの症状の軽減又は緩和を含む。例えば、処置は、間質性膀胱炎の一つ又は幾つかの症状の軽減であってよく、又は完全な根絶であってよい。
この発明を、更に、下記の実施例により説明する。
実施例1:間質性膀胱炎のラット及びマウスモデル
この実施例においては、5ASAを有し又は有しない幾つかの異なる薬剤を、間質性膀胱炎のラットモデルで試験した。1%N,Oカルボキシメチルキトサン(NOCC)溶液に加えて、NSNOCC(N−スクシニル−NOCC)及びsNOCC(硫酸化NOCC)をも試験した。
この実施例においては、5ASAを有し又は有しない幾つかの異なる薬剤を、間質性膀胱炎のラットモデルで試験した。1%N,Oカルボキシメチルキトサン(NOCC)溶液に加えて、NSNOCC(N−スクシニル−NOCC)及びsNOCC(硫酸化NOCC)をも試験した。
材料と方法
動物:雌のSprague-Dawleyラット(225〜250g)をCharles River Laboratoriesから購入した。動物には、餌と水を自由に摂取させた。
プロタミンサルフェート(PS)及びLPSの血管内接種:ラットを麻酔して、潤滑化した無菌のカテーテル(PE−50)を、上記のように無菌条件下で挿入した。このカテーテルに、1ml注射器を25G針を介して接続して、上記のように膀胱を空にした。一群のラットには、このカテーテルにより、リン酸緩衝塩溶液(PBS)中のPS(10mg/ml)1mlを膀胱に接種した。45分後に、これらの膀胱を空にして、PBSで洗ってから、PBS中のLPS(750μg/ml)1mlで30分間の第二の処理を行なった。この処理期間中、カテーテルは、膀胱中の溶液の損失を防ぐために閉塞され、次いで、最後の処理の終了時に取り出された。
動物:雌のSprague-Dawleyラット(225〜250g)をCharles River Laboratoriesから購入した。動物には、餌と水を自由に摂取させた。
プロタミンサルフェート(PS)及びLPSの血管内接種:ラットを麻酔して、潤滑化した無菌のカテーテル(PE−50)を、上記のように無菌条件下で挿入した。このカテーテルに、1ml注射器を25G針を介して接続して、上記のように膀胱を空にした。一群のラットには、このカテーテルにより、リン酸緩衝塩溶液(PBS)中のPS(10mg/ml)1mlを膀胱に接種した。45分後に、これらの膀胱を空にして、PBSで洗ってから、PBS中のLPS(750μg/ml)1mlで30分間の第二の処理を行なった。この処理期間中、カテーテルは、膀胱中の溶液の損失を防ぐために閉塞され、次いで、最後の処理の終了時に取り出された。
第一の研究のために、ラットを、接種後様々な時点で犠牲にして、膀胱を取り出して、組織学のために10%ホルマリン中で固定した。切片を切ってヘマトキシリン及びエオシンで染色した。切片を、炎症について、盲検方式で試験した。第二の研究において、試験試薬を、1mlの容量で、PS/LPS処理の1日後に投与した。それらの動物を、4日後(即ち、接種後5日目)に犠牲にした。
結果
キチン性ポリマーの効力
様々なキチン性ポリマーを、炎症スコアの低減における効力について試験した。これらの薬剤を、PS/LPS処理の1日後に送達し、それ以上の処理は行なわなかった。接種後5日目に、動物を犠牲にした。
キチン性ポリマーの効力
様々なキチン性ポリマーを、炎症スコアの低減における効力について試験した。これらの薬剤を、PS/LPS処理の1日後に送達し、それ以上の処理は行なわなかった。接種後5日目に、動物を犠牲にした。
対照用ラットには、接種後処理として、塩溶液のみを与えた。この実験におけるこの塩溶液対照は、PS/LPSで処理されたが、その炎症刺激後に塩溶液しか与えられていないので、炎症についての陽性対照である。
5ASAを用いた場合、その5ASAを熱殺菌してから無菌のキチン誘導体と無菌環境(層流フード)中で混合した。一の群において、5ASAは、研究室への送達の前に、NSNOCCに化学結合した(NSNOCC−5ASA)。これは、それ自身として用いられ、又は5ASAと他の化合物と同様の仕方で混合された。後者の場合、この化合物は、NSNOCC−5ASA+5ASAと呼ばれ、これは、化合物が5ASAをNSNOCCに共有結合して有し並びにNSNOCC溶液と混合して有するという事実を示している。
次の3種類のキチン性ポリマーをこの実験で試験した:上記のNSNOCC;上記のNSNOCC−5ASA;及び1%sNOCC(硫酸化NOCC)。このsNOCCを、この実験において、5ASAと組み合わせて用いた。
検討及び結論
このデータは、対照と比較して幾らかの炎症の低減が、キチン性ポリマーで治療したすべての群において見られることを示している。1% sNOCC+ASAが、最大の低減を示し、それ故、更なる研究のために選択された。この実施例は、ICのラットPS/LPSモデルが相当の膀胱の炎症を生じること及びキチン性ポリマーがその炎症を低減させる薬剤としての見込みを示したことを示している。
このデータは、対照と比較して幾らかの炎症の低減が、キチン性ポリマーで治療したすべての群において見られることを示している。1% sNOCC+ASAが、最大の低減を示し、それ故、更なる研究のために選択された。この実施例は、ICのラットPS/LPSモデルが相当の膀胱の炎症を生じること及びキチン性ポリマーがその炎症を低減させる薬剤としての見込みを示したことを示している。
実施例2:間質性膀胱炎のラットモデルにおける炎症の低減におけるsNOCCの効力
材料と方法
動物:雌のSprague-Dawleyラット(225〜250g)をCharles River Laboratoriesから購入した。動物には、餌と水を自由に摂取させた。
材料と方法
動物:雌のSprague-Dawleyラット(225〜250g)をCharles River Laboratoriesから購入した。動物には、餌と水を自由に摂取させた。
プロタミンサルフェート(PS)及びLPSの血管内接種:ラットをナトリウムペントバルビタール(65mg/kg)で麻酔した。尿道開口部周辺表面領域を、70%イソプロピルアルコール及びベタジンを用いて綿棒でふいた。潤滑化した無菌のカテーテル(PE−50)(無菌手袋にて操作)を尿道開口部から膀胱内に挿入した。そのカテーテルに1ml注射器を、25Gの針を介して接続して、上記のように膀胱を空にした。一群のラットに、リン酸緩衝塩溶液(PBS)中のPS(10mg/ml)1mlを、カテーテルを介して膀胱内に接種した。45分後に、これらの膀胱を空にし、PBSで洗ってから、PBS中のLPS(750μg/ml)1mlでの第二の処理を30分間行なった。処理期間中、これらのカテーテルは、膀胱内の溶液の損失を防止するために閉塞し、最後の処理の終了時に取り出した。
試験薬剤での処理及び評価:PS/LPS接種後に、ラットを無作為に様々な群に分けた。PS/LPS接種の1日後に、その試験薬剤を1mlの容積で投与した。これらの動物を、4日後(即ち、接種後5日目)に犠牲にし、尿を集めて炎症性サイトカインのTNF−αのレベルを測定した。次いで、これらの膀胱を取り出して、組織学のために10%ホルマリンで固定した。切片を切って、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。切片を、炎症につき、盲検方式で検査した。
測定された炎症のパラメーターは:増大した静脈のサイズ及び容積(静脈鬱血)、浮腫、細胞浸潤、及び上皮損傷であった。これらのパラメーターは、すべて、急性炎症に特徴的なものである。これらのパラメーターは、5点スコア(0が最も軽く、5が最も重い)を用いる盲観測者により測定した。全炎症スコアを、各ラットにつき、これらの4つの炎症パラメーターを加え合せることにより計算した。平均の全炎症スコアを、各群につき計算した。
TNF評価のために、各群のすべての動物からの尿をプールした。この尿を、全部を一度に検査できるように、これらの動物を犠牲にするまで−70℃に貯蔵した。尿を、アッセイ用希釈剤で1/10に希釈し、標準的プロトコールを用いてELISAを行なった。各試料中のTNFの量を、吸光度を、様々な濃度の組換えラットTNFの標準曲線と比較することにより確認した。
統計的分析:統計的分析は、群の間の比較のために、片道ANOVA及びフィッシャーの多重比較試験を含んだ。これらの分析を、群の間の多重比較のために利用した。2つの群の間の指示された比較のためには、2試料t検定を用いて、0.05未満のp値を有意とみなした。
これらのデータは、3%NOCC+5−ASAが、平均炎症スコアの低減において非常に有効であることを示している。この配合物は、その重さを、塩溶液対照と比較した場合、74.9%だけ軽減させた。この群は、フィッシャーの多重比較検定によって、他のすべての群と有意に異なっており、t検定(p<0.001)により直接比較した場合、塩溶液(PBS)対照と大いに有意に異なっていた。
1% sNOCCそれ自身も相当の効力を示したことも又、顕著である。この配合物は、平均の重さスコアを対照と比較して44.8%だけ低減させた。この差異は又、フィッシャーの多重比較検定によっても有意であった。5ASAの1% sNOCCへの添加の見かけの利益はなかった。1% sNOCCと1% sNOCC+5ASAを直接比較した場合(p=0.7)、全炎症スコアの統計的に有意の差異は、記録されなかった。
1%ヒアルロン酸(HA)は、炎症を有意に低減させないということも見出された。炎症の25%減少が計算されたが、これらの群の分散は、これが、フィッシャーの多重比較検定により統計的に有意でないとなるようなものであった。1%HA処理の群からのスライドの4つにおいて、膀胱内の血液又は膀胱組織における出血が見出されたことも又、注意すべきである。リン酸緩衝塩溶液(PBS)処理した対照を含めて、他の何れの群も、これらの病理的面をを示さなかった。
尿中のTNFの評価:TNFは、炎症部位と密接に関係するサイトカインである。尿中のTNFのレベルは、膀胱の炎症の程度と相関することが見出されている。TNFレベルは、3% sNOCC+5ASAの群で最も低いという事実は、この群における低い炎症スコアの観察とよく相関する。この配合物は、ANOVA及びフィッシャーの多重比較検定により測定して他の群と比較した場合、及びt検定(p=0.006)により直接塩溶液(PBS)対照群と比較した場合に、大いに有意のTNFレベルの減少を示した。同様に、1% sNOCC及び1% sNOCC+5ASAは、共に、TNFレベルの有意の減少を示した。炎症スコアと対照的に、5ASAの1% sNOCCへの添加は、TNFレベルを更に低下させた。これらの2群間の差異は、t検定(p=0.013)により有意であることが見出された。
これらの異なる処理群のラットの尿中のTNFレベルの評価の結果を、図1に示した。図1は、1% sNOCC、1% sNOCC+5ASA、及び3% sNOCC+5ASAが、ラットの尿中のTNF−α産生の低減に最も有効であったことを示している。
前述の実施例は、単に説明のためのものであり、当業者は、これらの記載した手順に対する他の改変物を決定することができ、それらは、この発明の範囲に入るものである。従って、この発明は、後記の請求の範囲及びその同等物により規定される。
Claims (31)
- 粘膜組織の異常を治療する方法であって、有効量の下記式の硫酸化キチン性ポリマーを含む医薬を局所投与することを含む当該方法:
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され(但し、少なくとも前記のポリマー上のY基の1%及び/又はX基の1%はSO3 -Bである);
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。 - 前記のポリマー上のX基の少なくとも10%が、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZである、請求項1に記載の方法。
- 前記のポリマー上のY基の少なくとも10%が、SO3 -Bである、請求項1に記載の方法。
- bが、1である、請求項1に記載の方法。
- Rが、−(CH2)a−(式中、aは、1〜8)である、請求項1に記載の方法。
- aが、2、3又は4である、請求項5に記載の方法。
- 前記の硫酸化キチン性ポリマーを、N−硫酸化−N,O−カルボキシメチルキトサン;N−硫酸化−O−カルボキシメチルキトサン;N−硫酸化−N,O−カルボキシエチルキトサン;N−硫酸化O−カルボキシエチルキトサン;N−硫酸化N,O−カルボキシプロピルキトサン;N−硫酸化−O−カルボキシプロピルキトサン;硫酸化キトサン及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
- G又はZが、追加の治療剤である、請求項1に記載の方法。
- 前記の追加の治療剤を、抗菌剤、抗癌剤、麻酔剤、抗真菌剤、駆虫剤、及び抗炎症剤よりなる群から選択する、請求項8に記載の方法。
- 前記の追加の治療剤が、5−アミノサリチル酸である、請求項9に記載の方法。
- 前記の製薬上許容しうるキャリアーが、カテーテル又は浣腸器による投与に適している、請求項1に記載の方法。
- 追加の治療剤を前記の医薬と共に投与することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記の追加の治療剤を、抗菌剤、抗癌剤、麻酔剤、抗真菌剤、駆虫剤、及び抗炎症剤よりなる群から選択する、請求項12に記載の方法。
- 前記の治療剤を、5−アミノサリチル酸、ヒドロコルチゾン、ペントサンポリサルフェート、DMSO、ヘパリン、硝酸銀、ナトリウムオキシクロロセン、カルメット−ゲラン杆菌、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項12に記載の方法。
- 前記の追加の治療剤が、5−アミノサリチル酸である、請求項14に記載の方法。
- 前記の硫酸化キチン性ポリマーを、組成物の全重量の約0.5〜30%の濃度で投与する、請求項1に記載の方法。
- 前記の硫酸化キチン性ポリマーを、組成物の全重量の約1.0〜10%の濃度で投与する、請求項16に記載の方法。
- 前記の患者が、ヒトである、請求項1に記載の方法。
- 前記の異常が、間質性膀胱炎を包含する、請求項1に記載の方法。
- 前記の異常を、癌、肺病及び呼吸疾患、口の悪性疾患;婦人科学的異常、泌尿器疾患、クローン病、炎症性腸疾患及び大腸炎よりなる群から選択する、請求項1に記載の方法。
- 前記の癌を、膀胱癌、肺癌、婦人科学領域の癌及び口の癌よりなる群から選択する、請求項20に記載の方法。
- 前記の癌が、膀胱癌を包含する、請求項21に記載の方法。
- 医薬を、追加の薬物又は活性剤と共に投与する、請求項1に記載の方法。
- 前記の他の薬物又は活性剤を、外科手術後に投与する、請求項23に記載の方法。
- 有効量の硫酸化キチン性ポリマー及び製薬上許容しうるキャリアーを含む、カテーテル又は浣腸器による投与のための許容しうる医薬組成物であって、該硫酸化キチン性ポリマーが、下記式のサブユニットを含む当該医薬組成物:
Xは、各出現につき、独立に、水素、SO3 -B、−(CH2)bCOG、又は−(CH2)bCOOZから選択され、但し、該ポリマー上のX基の少なくとも10%は、
−(CH2)bCOOZ又は−(CH2)bCOGであり;
Yは、各出現につき、独立に、SO3 -B、−C(=O)−R−CO2Z、−C(C=O)−R−COG、水素、カルボキシアルキル、アセチル、又は製薬上許容しうるこれらの塩から選択され、但し、少なくとも前記のポリマー上のY基の1%及び/又はX基の1%はSO3 -Bであり;
Rは、独立に、アルキル、アルケニル、及びアリールよりなる群から選択され;
bは、1〜5であり;
Bは、水素又はカチオンであり;
Gは、追加の治療剤又は製薬上許容しうるその塩であり;そして
Zは、水素、カチオン、追加の治療剤、又は製薬上許容しうるその塩である)。 - 前記のポリマー上の前記のY基の少なくとも10%が、SO3 -Bである、請求項25に記載の医薬組成物。
- 前記の硫酸化キチン性ポリマーを、N−硫酸化−N,O−カルボキシメチルキトサン;N−硫酸化−O−カルボキシメチルキトサン;N−硫酸化−N,O−カルボキシエチルキトサン;N−硫酸化O−カルボキシエチルキトサン;N−硫酸化N,O−カルボキシプロピルキトサン;N−硫酸化−O−カルボキシプロピルキトサン;硫酸化キトサン及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項25に記載の医薬組成物。
- 追加の治療剤を更に含む、請求項25に記載の医薬組成物。
- 前記の追加の治療剤を、抗菌剤、抗癌剤、麻酔剤、抗真菌剤、駆虫剤、及び抗炎症剤よりなる群から選択する、請求項28に記載の医薬組成物。
- 前記の追加の治療剤を、5−アミノサリチル酸、ヒドロコルチゾン、ペントサンポリサルフェート、DMSO、ヘパリン、硝酸銀、ナトリウムオキシクロロセン、カルメット−ゲラン杆菌、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項28に記載の医薬組成物。
- 前記の追加の治療剤が、5−アミノサリチル酸である、請求項30に記載の医薬組成物。
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