JP2021502952A - 間質性膀胱炎の処置方法 - Google Patents

間質性膀胱炎の処置方法 Download PDF

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Abstract

本出願は、任意選択で、ジメチルスルホキシド(DMSO)やメチルスルホニルメタン(MSM)等の間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の投与又は使用と併せた、対象において間質性膀胱炎を処置するための、ベータ-カリオフィレン等のCB2ターゲット剤局所麻酔剤に関する方法及び使用に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月15日出願の同時係属の米国仮出願第62/586,516号の優先権の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本出願は、間質性膀胱炎処置のための、ベータ-カリオフィレン等の、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(CB2 target agent local anaesthetic)の使用に関する。
間質性膀胱炎(IC)は、感染症のない状況での膀胱の慢性の炎症性障害である。ICの症状としては、骨盤痛、持続性の排泄衝動、及び尿意頻数が挙げられる。ICの有病率及び出現率は、男性より女性において高くなる傾向があり、たとえば、女性対男性の比は、5:1になると報告されている1。ICは、患者の生活の質に著しいマイナスの影響を及ぼしかねない疾患として認識されている。しかし、これまで、数十年に及ぶ基礎的な科学研究にもかかわらず、明確な病態生理は特定されておらず、標準治療選択肢は、依然として不十分である。
間質性膀胱炎の現在の処置は、経口薬物療法又は膀胱内点滴注入が最も一般的である。ペントサンポリ硫酸塩(PPS)や三環系抗うつ薬等の最もよく使用される経口療法は、一定割合のIC患者において一部の症状の軽減に有益であることがわかっているが、すべての患者がこうした手法から治療利益を得られるとは限らない2。たとえば、ある研究から、PPS処置の効果が4分の1の患者だけに限られたことが明らかになっている3。PPS及び三環系抗うつ薬処置を他の補助処置と共に1年を超えて試した別の研究では、ICの症状が変化しないままであった、又は再発してしまったことがわかっている4
薬剤が直接膀胱に送達される膀胱内療法は、患者に多少の緩和をもたらしている。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、IC点滴注入に一般に使用されるそうした一薬剤であり5、FDAに承認されている。DMSOは、抗炎症効果及び肥満細胞安定化能を有すると報告されている2。残念ながら、初期の多少の緩和にもかかわらず、IC症状の再発が一般的である。たとえば、DMSO処置は、重症IC患者では失敗率が高い6。メチルスルホニルメタン(MSM;他の呼称には、ジメチルスルホン、メチルスルホン、スルホニルビスメタン、有機硫黄、結晶質ジメチルスルホキシド、及びDMSO2がある)も、ICの臨床症例研究における報告があり、ICに罹患している6人のうち4人の患者について有効な処置となることが報告されている7。メチルスルホニルメタンは、FDAによってGRASに指定されている。
内因性カンナビノイド系(ECS)は、限定はしないが、代謝、痛覚、神経伝達、及び炎症を始めとする様々な生理学的過程に関与する8。ECSは、カンナビノイド受容体(カンナビノイド1(CB1)受容体及びカンナビノイド2(CB2)受容体)と、内因性カンナビノイド(EC;N-アラキドノイルエタノールアミン又はアナンダミド(AEA)や2アラキドノイルグリセロール(2-AG)等)と、エンドカンナビノイド代謝酵素で構成される8(a)。CB1受容体は、中枢神経系(CNS)及び非神経性末梢組織において発現される9。CB2受容体は、免疫細胞に高度に局在しており、選択されたCNS範囲、及び腸や膀胱等の一部の末梢組織について、限定された分布が報告されている10。カンナビノイド受容体は、内因性リガンドによる活性化に加えて、植物性カンナビノイド及び誘導体のターゲットでもある。これまでに、CB1又はCB2受容体に選択的に結合するいくつかの合成リガンドが開発されている11
免疫応答の変調におけるECSの役割は、20年余りにわたり、研究者らによって盛んに研究されてきた12。しかし、膀胱に関して、カンナビノイド受容体の機能的役割に注目した研究は、数件しかない。たとえば、カンナビノイド(経口合成Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、又はΔ9-THC及びカンナビジオール(CBD)を主なカンナビノイドとして含有するカンナビス抽出物)の、多発性硬化症患者における膀胱コントロールに対する治療効果が、CAMS研究からの知見と共に報告されている13。げっ歯動物、サル、及びヒトを含む様々な種の膀胱にカンナビノイド受容体CB1及びCB2が存在することを示す証拠もある14。別の研究では、合成カンナビノイド受容体リガンドGP1a(選択的CB2アゴニスト)の、膀胱炎によって誘発された膀胱炎症の処置における治療薬としての効果が調査されている15。エンドカンナビノイドであるAEA、又は脂肪酸エタノールアミンであるN-パルミトイルエタノールアミド(PEA)の全身投与によって、ラットでは、局在性の神経成長因子(NGF)によって誘発された膀胱反射亢進及び排尿閾値の低下が和らげられている16。AEAの効果は、CB1及びCB2受容体の拮抗作用によってブロックされ、エンドカンナビノイドであるAEAの作用が、CB1とCB2の両方を媒介としていたことが示唆されたのに対し、PEAの効果は、CB2によるところが大きかった。より以前の研究でも、テルペンチンによって誘発された膀胱反射亢進における、カンナビノイド受容体を媒介とするPEAの効果について報告がなされている17。Tambaroらは、LPS誘発ICモデルにおけるオルソステリックカンナビノイドリガンド(JWH015)の使用を調査している18。他の少数の研究では、実験的膀胱炎における免疫応答へのCB2受容体の関与が調べられている19
ベータ-カリオフィレン(ベータC)は、CB2受容体においてアゴニストとして作用する天然の食物セスキテルペノイドであり、オレガノやシナモン等の多くの食用植物並びにカンナビス中に豊富な濃度で見出される。ベータCは、炎症性及び神経因性疼痛のマウスモデルにおいて、鎮痛及び抗炎症効果を発揮することが示されており20、加えて、プロカインに匹敵する用量依存的な局所麻酔作用も示す21
Remington's Pharmaceutical Sciences(2000 -第20版) The United States Pharmacopeia: The National Formulary(USP 24 NF19)、1999年刊
全身性膀胱炎症モデルでは、ベータCの投与によって、付着性白血球の数が有意に減少し、膀胱微小循環の機能性毛細血管における灌流が、内毒素負荷後の健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。局所性膀胱炎症モデルでは、点滴注入によるベータCの投与によって、白血球付着が減少し、白血球ローリングが回復し、機能性毛細血管密度が回復した。ベータCの経口投与でも、局所性膀胱炎症モデルにおいて白血球付着性が低下し、対照動物において機能性毛細血管密度が増大した。経口ベータC投与によって、呼吸率、開眼、運動活性、及び体位スコアが向上することもわかっており、この研究で使用された実験的膀胱炎モデルにおいて、行動性疼痛スコアは下がり、疼痛引っ込め閾値は上がった。
したがって、本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する方法であって、対象にCB2ターゲット剤局所麻酔剤を投与することを含む方法を包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置するための、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の使用も包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する医薬を調製するための、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の使用も包含する。本出願は、対象における間質性膀胱炎の処置に使用される、CB2ターゲット剤局所麻酔剤も包含する。本出願の一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、ベータ-カリオフィレンである。
したがって、本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する方法であって、対象にベータ-カリオフィレンを投与することを含む方法も包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置するための、ベータ-カリオフィレンの使用も包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する医薬を調製するための、ベータ-カリオフィレンの使用も包含する。本出願は、対象における間質性膀胱炎の処置に使用される、ベータ-カリオフィレンも包含する。
局所性膀胱炎症モデルにおいて、DMSO処置のみでは、白血球付着性が有意に低下しなかったのに対し、ベータCをDMSO処置と組み合わせると、付着性白血球の数が有意に減少した。5%DMSO中ベータCの点滴注入によって、白血球付着性についての全体的な値が最も低くなった。同様に、膀胱微小循環の機能性毛細血管における灌流も、DMSO処置では回復しなかったのに対し、ベータCをDMSOと共に投与すると、内毒素負荷後の健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。局所性膀胱炎症モデルにおいて、ベータCをDMSO点滴注入と組み合わせると、ローリング流動数が、未処置群に比べて向上し、毛細血管潅流が、健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。メチルスルホニルメタン(MSM)は、DMSOと同様の作用を有するが、たとえば、DMSOに比べて匂いが軽減されているため、有利となりうる。局所性膀胱炎症モデルにおいて、ベータCとMSMを経口投与すると、白血球付着性が低下し、機能性毛細血管密度が向上した。ベータCをMSM点滴注入と組み合わせて経口投与すると、局所性膀胱炎症モデルにおいて、白血球付着性が低下し、白血球ローリングが回復し、機能性毛細血管密度が回復した。
したがって、対象において間質性膀胱炎を処置する方法の一部の実施形態では、方法は、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤を対象に投与することを更に含む。同様に、本出願の使用の一部の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータ-カリオフィレン)は、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤と組み合わせて使用されるものであり、すなわち、使用は、対象における、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の使用を更に含む。本出願の一部の実施形態では、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はメチルスルホニルメタン(MSM)である。一実施形態では、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。別の実施形態では、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、メチルスルホニルメタン(MSM)である。
本出願の他の特色及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになると予想される。しかし、詳細な説明及び特定の例は、本出願の実施形態を示してはいるものの、例示として示されるにすぎないこと、並びに特許請求の範囲は、こうした実施形態によって限定されるべきでなく、全体としての記述と一致した最も広い解釈がなされるべきであることが理解されるものとする。
ここで、本出願の実施形態について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
雌CD-1マウスの膀胱小静脈における白血球付着(n/mm2)を、ベータ-カリオフィレン(ベータC)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌CD-1マウスの膀胱小静脈における白血球ローリング(n/分)を、ベータ-カリオフィレン(ベータC)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌CD-1マウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(mm/mm2)を、ベータ-カリオフィレン(ベータC)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 潅流が不十分であり、縮小された毛細血管床サイズを示す、LPS誘発間質性膀胱炎を有する雌CD-1マウスの膀胱毛細血管の顕微鏡写真である。スケールバーは、50μmを示す。 十分に潅流がなされ、毛細血管床が良好に広がっている、健康な対照雌CD-1マウスの膀胱毛細血管の顕微鏡写真である。スケールバーは、50μmを示す。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着(n/mm2)を、ベータC/DMSO40%組合せ点滴注入(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、DMSO40%点滴注入のみでの処置(LPS+DMSO)、健康な対照(CON)、及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球ローリング(n/分)を、ベータC/DMSO40%組合せ点滴注入(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、DMSO40%点滴注入のみでの処置(LPS+DMSO)、健康な対照(CON)、及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(mm/mm2)を、ベータC/DMSO40%組合せ点滴注入(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、DMSO40%点滴注入のみでの処置(LPS+DMSO)、健康な対照(CON)、及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着(細胞/mm2)を、ベータ-カリオフィレン(BCP)、40%DMSO、又はBCPと40%DMSOの組合せで処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球ローリング(細胞/分)を、ベータ-カリオフィレン(BCP)、40%DMSO、又はBCPと40%DMSOの組合せで処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(cm/cm2)を、ベータ-カリオフィレン(BCP)、40%DMSO、又はBCPと40%DMSOの組合せで処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着(細胞/mm2)を、ベータ-カリオフィレン(BCP)、又はBCPと5%DMSO、40%DMSO、若しくは50%DMSOの組合せで処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(cm/cm2)を、ベータ-カリオフィレン(BCP)、又はBCPと5%DMSO、40%DMSO、若しくは50%DMSOの組合せで処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着(細胞/mm2)を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(mm/mm2)を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着(細胞/mm2)を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)、又は経口ベータ-カリオフィレンとメチルスルホニルメタンの組合せ(LPS+MSM/BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(mm/mm2)を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)、又は経口ベータ-カリオフィレンとメチルスルホニルメタンの組合せ(LPS+MSM/BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着(細胞/mm2)を、経口ベータ-カリオフィレンと膀胱内5%メチルスルホニルメタンの組合せ(LPS+MSM/BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球ローリング(細胞/分)を、経口ベータ-カリオフィレンと膀胱内5%メチルスルホニルメタンの組合せ(LPS+MSM/BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流(mm/mm2)を、経口ベータ-カリオフィレンと膀胱内5%メチルスルホニルメタンの組合せ(LPS+MSM/BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(CON)及び未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)と比較して示すプロットである。平均±SDとして示したデータ。 雌BALB/cマウスの呼吸率に関する行動性結果を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。膀胱炎誘発前(T0)及び後(T1)の個々のデータポイント、また各パラメーターについての平均±SDとして表したデータを示す。 雌BALB/cマウスの開眼に関する行動性結果を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。膀胱炎誘発前(T0)及び後(T1)の個々のデータポイント、また各パラメーターについての平均±SDとして表したデータを示す。 雌BALB/cマウスの運動活性に関する行動性結果を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。膀胱炎誘発前(T0)及び後(T1)の個々のデータポイント、また各パラメーターについての平均±SDとして表したデータを示す。 雌BALB/cマウスの体位に関する行動性結果を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。膀胱炎誘発前(T0)及び後(T1)の個々のデータポイント、また各パラメーターについての平均±SDとして表したデータを示す。 雌BALB/cマウスの行動性結果の合計合算スコアを、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。膀胱炎誘発前(T0)及び処置期間後(T1)の、合計スコアでの個々のデータポイント、各群についての平均±SDとして表したデータを示す。 雌BALB/cマウスにおいて反応(たとえば、引っ込め)が観察される前の、電子フォンフライ知覚計によって印加されたグラムでの力の量を、経口ベータ-カリオフィレン(LPS+BCP)で処置したリポ多糖(LPS)誘発膀胱炎モデルについて、健康な対照(対照)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS)、及び経口ベータ-カリオフィレン(BCP)で処置した健康な対照と比較して示すプロットである。膀胱炎誘発前(T0)及び処置期間後(T1)の、合計印加力での個々のデータポイント、各群についての平均±SDとして表したデータを示す。
I.定義
別段指摘しない限り、この欄及び他の欄に記載する定義及び実施形態は、ここに記載する本出願のすべての実施形態及び態様に適用できるものとし、当業者に理解されるような適切でものである。
本出願では、当業者によって使用される数々の化学用語及び略語が述べられている。それでもなお、明確性及び一貫性のために、選択された用語の定義を示す。
本明細書で使用するとき、単語「含む(comprising)」(及び「comprise」や「comprises」等のcomprisingのあらゆる形態)、「有する(having)」(及び「have」や「has」等のhavingのあらゆる形態)、「含む(including)」(及び「include」や「includes」等のincludingのあらゆる形態)、又は「含有する(containing)」(及び「contain」や「contains」等のcontainingのあらゆる形態)は、非限定的又はオープンエンドであり、追加の列挙されない要素又はプロセス/方法工程を除外しない。本明細書で使用するとき、単語「からなる」及びその派生形は、記載された特色、要素、成分、群、整数、及び/又は工程の存在を指定し、また記載されていない他の特色、要素、成分、群、整数、及び/又は工程の存在を除外する、閉鎖型の用語であるものとする。本明細書で使用する用語「本質的に〜からなる」は、記載された特色、要素、成分、群、整数、及び/又は工程、並びにこうした特色、要素、成分、群、整数、及び/又は工程の基本的及び新奇な特徴に著しく影響を及ぼさないものの存在を指定するものとする。
本明細書で使用する「実質的に」、「約」、「およそ」等の度合いの用語は、最終結果を大きく変化させないような、修飾される用語の妥当な量のずれを意味する。こうした度合いの用語は、修飾される用語の少なくとも±5%のずれを、そのずれによってこれが修飾する単語の意味が打ち消されないのであれば、含むと解釈すべきである。
本出願において使用するとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈からそうでないことが明らかに規定されない限り、複数の言及を包含する。
本明細書で使用する用語「及び/又は」は、挙げられた項目が、個々に、又は組み合わさって存在する又は使用されることを意味する。実際には、この用語は、挙げられた項目の「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」が使用される又は存在することを意味する。
本明細書で使用する用語「CB2ターゲット剤局所麻酔剤」とは、CB2受容体に結合する、それを活性化させる、かつ/又はその活性化を増大させ、加えて局所麻酔作用も有する化合物を指す。
本明細書で使用する用語「CB2オルソステリックアゴニスト剤局所麻酔剤」とは、CB2受容体においてオルソステリックアゴニストとして作用し、加えて局所麻酔作用も有する化合物を指す。
本明細書で使用する「ベータ-カリオフィレン」、「ベータC」、又は「BCP」等の用語は、次の化学構造を有する化合物を指す。
用語「薬学的に許容される」とは、対象、たとえば、ヒト等の哺乳動物の処置に適合することを意味する。
本明細書で使用する用語「非経口」とは、消化管を介する以外の方法で身体に入れられる又は投与若しくは使用されることを意味する。
本明細書で使用する用語「経腸」とは、消化管を介する方法で身体に入れられる又は投与若しくは使用されることを意味する。
本明細書で使用する用語「対象」は、哺乳動物を含む動物界のすべてのメンバーを包含する。一実施形態では、対象は、ヒトである。本出願の別の実施形態では、対象は、女性である。
本明細書で使用され、当業界でよく理解されている用語「処置する」、「処置すること」、及び「処置」は、臨床結果を始めとする、有益な又は所望の結果を得るための手法を意味する。有益な又は所望の臨床結果としては、限定はしないが、検出可能であろうと検出不可能であろうと、間質性膀胱炎の1つ又は複数の症状の軽減若しくは改善、間質性膀胱炎の程度の軽減、安定した(すなわち、悪化しない)間質性膀胱炎、間質性膀胱炎の進行の遅延若しくは緩徐化、間質性膀胱炎の病状の改善若しくは一時的緩和、間質性膀胱炎の再発の減少、及び/又は間質性膀胱炎の寛解(部分的か又は完全かにかかわらず)が挙げられる。本明細書で使用する「処置する」、「処置すること」、及び「処置」は、間質性膀胱炎の予防的処置も包含する。たとえば、早期段階の間質性膀胱炎を有する対象は、進行を予防するために処置され、又は別法として、寛解期にある対象は、再発を予防するために処置される。
本明細書で使用する用語「投与」とは、有効量のCB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータ-カリオフィレン)と、任意選択で、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤(たとえば、DMSO又はMSM)とを、細胞培養物又は対象における細胞に投与することを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「有効量」又は「治療有効量」とは、所望の結果を得るのに必要な投与量及び期間で有効である量を意味する。たとえば、間質性膀胱炎を処置するという状況では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータ-カリオフィレン)、及び任意選択で、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤(たとえば、DMSO又はMSM)の有効量は、たとえば、CB2ターゲット剤局所麻酔剤、及び任意選択で、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の投与がなされていない間質性膀胱炎に比べて、間質性膀胱炎を軽減させる量である。「間質性膀胱炎を軽減する」とは、たとえば、尿路上皮機能不全、神経原性炎症、及び/又は神経因性疼痛等の、間質性膀胱炎の症状又は影響を減らすことを意味する。有効量は、対象の病状、年齢、性別、及び/又は体重等の要素に応じて様々となりうる。そのような量に対応する、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータ-カリオフィレン)、及び任意選択で、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤(たとえば、DMSO又はMSM)の量は、所与のCB2ターゲット剤局所麻酔剤(又は任意選択で、投与若しくは使用するのなら、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤)、医薬製剤、投与又は使用経路、処置を受ける対象の性質等の様々な要素に応じて異なるが、それでもなお、当業者によって型通りに決定することができる。
本明細書で使用する用語「尿路上皮機能不全」とは、膀胱尿路上皮及び膀胱尿路上皮細胞の機能不全を指す22。尿路上皮機能不全には、膀胱尿路上皮生理のいくつもの異常が関与する場合があり、たとえば、間質性膀胱炎の病態生理の特色をなす場合もある。
本明細書で使用する用語「神経原性炎症」とは、求心性ニューロンの感覚神経終末からの炎症メディエーター、たとえば、限定はしないが、サブスタンスP、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ニューロキニンA、エンドセリン3の局所放出から起こる炎症を指し、たとえば、間質性膀胱炎の病態生理の特色をなす場合もある23。LPSによって刺激されたTRPA1チャネルによっても、神経原性炎症が引き起こされることがある。
本明細書で使用する用語「神経因性疼痛」とは、体性感覚神経系に影響を及ぼす損傷及び/又は疾患によって引き起こされる疼痛を指し、たとえば、間質性膀胱炎の病態生理の特色をなす場合もある24
II.方法及び使用
全身性膀胱炎症モデルでは、ベータCの投与によって、付着性白血球の数が有意に減少し、膀胱微小循環の機能性毛細血管における灌流が、内毒素負荷後の健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。局所性膀胱炎症モデルでは、点滴注入によるベータCの投与によって、白血球付着が減少し、白血球ローリングが回復し、機能性毛細血管密度が回復した。ベータCの経口投与でも、局所性膀胱炎症モデルにおいて白血球付着性が低下し、対照動物において機能性毛細血管密度が増大した。経口ベータC投与によって、呼吸率、開眼、運動活性、及び体位スコアが向上することもわかっており、この研究で使用された実験的膀胱炎モデルにおいて、行動性疼痛スコアは下がり、疼痛引っ込め閾値は上がった。
したがって、本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する方法であって、対象にCB2ターゲット剤局所麻酔剤を投与することを含む方法を包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置するための、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の使用も包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する医薬を調製するための、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の使用も包含する。本出願は、対象における間質性膀胱炎の処置に使用される、CB2ターゲット剤局所麻酔剤も包含する。
一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、CB2オルソステリックアゴニスト剤局所麻酔剤である。別の実施形態では、CB2オルソステリックアゴニスト剤局所麻酔剤は、ベータ-カリオフィレンである。別の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、ベータ-カリオフィレンである。
したがって、本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する方法であって、対象にベータ-カリオフィレンを投与することを含む方法も包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置するための、ベータ-カリオフィレンの使用も包含する。本出願は、対象において間質性膀胱炎を処置する医薬を調製するための、ベータ-カリオフィレンの使用も包含する。本出願は、対象における間質性膀胱炎の処置に使用される、ベータ-カリオフィレンも包含する。
局所性膀胱炎症モデルにおいて、DMSO処置のみでは、白血球付着性が有意に低下しなかったのに対し、ベータCをDMSO処置と組み合わせると、付着性白血球の数が有意に減少した。5%DMSO中ベータCの点滴注入によって、白血球付着性についての全体的な値が最も低くなった。同様に、膀胱微小循環の機能性毛細血管における灌流も、DMSO処置では回復しなかったのに対し、ベータCをDMSOと共に投与すると、内毒素負荷後の健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。局所性膀胱炎症モデルにおいて、ベータCをDMSO点滴注入と組み合わせると、ローリング流動数が、未処置群に比べて向上し、毛細血管潅流が、健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。メチルスルホニルメタン(MSM)は、DMSOと同様の作用を有するが、たとえば、DMSOに比べて匂いが軽減されているため、有利となりうる。局所性膀胱炎症モデルにおいて、ベータCとMSMを経口投与すると、白血球付着性が低下し、機能性毛細血管密度が向上した。ベータCをMSM点滴注入と組み合わせて経口投与すると、局所性膀胱炎症モデルにおいて、白血球付着性が低下し、白血球ローリングが回復し、機能性毛細血管密度が回復した。
したがって、対象において間質性膀胱炎を処置する方法の一部の実施形態では、方法は、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤を対象に投与することを更に含む。同様に、本出願の使用の一部の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータ-カリオフィレン)は、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤と組み合わせて使用されるものであり、すなわち、使用は、対象における、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の使用を更に含む。本出願の一部の実施形態では、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はメチルスルホニルメタン(MSM)である。一実施形態では、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。別の実施形態では、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、メチルスルホニルメタン(MSM)である。
CB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータ-カリオフィレン)は、当業者に理解されるところとなるとおり、選択される投与又は使用経路に応じて様々な形態で対象に投与され、又は使用される。一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、たとえば、経腸又は非経口経路によって、対象に投与され、又は使用され、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、それに応じて製剤される。適切な組成物を選択及び調製するための従来の手順及び成分については、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences(2000 -第20版)及びThe United States Pharmacopeia: The National Formulary(USP 24 NF19)、1999年刊に記載されている。
経腸的な投与又は使用には、消化管が関与するすべての経路、たとえば、経口、頬側、舌下、経鼻、及び直腸が含まれる。本出願の一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の経腸的な投与又は使用は、経口的な投与又は使用であり、すなわち、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、場合に応じて、経口投与される、又は経口的に使用される。経口的な投与又は使用に適する製剤は、当業者に知られている方法によって調製することができる。一部の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤を含むカプセル剤の形態で経口投与される、又は経口的に使用される。
非経口的な投与又は使用には、膀胱内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、肺内、くも膜下腔内、及び局所方式の投与又は使用が含まれる。非経口的な投与又は使用に適する製剤は、当業者によって既知の方法で調製することができる。一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の非経口的な投与又は使用は、膀胱内への投与又は使用であり、すなわち、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、場合に応じて、膀胱内投与される、又は膀胱内に使用される。たとえば、CB2ターゲット剤局所麻酔剤がジメチルスルホキシド(DMSO)又はメチルスルホニルメタン(MSM)と組み合わせて投与又は使用される一部の実施形態では、膀胱内投与は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤とジメチルスルホキシド(DMSO)又はメチルスルホニルメタン(MSM)とを含む水溶液の形態になる。別法として、一部の実施形態では、膀胱内への使用に適する別の溶媒に溶解させたCB2ターゲット剤局所麻酔剤が、膀胱内に投与又は使用され、溶媒の選択は、当業者が行うことができる。別の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の非経口的な投与又は使用は、局所的な投与又は使用であり、すなわち、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、場合に応じて、局所投与される、又は局所的に使用される。局所的な投与又は使用に適する製剤は、当業者に知られている方法によって調製することができる。一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、局所用クリームとして投与又は使用され、すなわち、局所的な投与又は使用は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤を含む局所用クリームの形態になる。そのような局所用クリームは、適切な非薬用成分も含有する。
間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、たとえば、薬剤の性質次第となりうる、当技術分野で知られている適切ないずれかの経路又は剤形で製剤され、投与又は使用される。間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤がDMSOである実施形態では、投与又は使用は、膀胱内への投与又は使用である。膀胱内への投与又は使用に適するDMSO製剤は、当業者に知られている方法によって調製することができる。一実施形態では、DMSOは、約40%又は約50%のジメチルスルホキシドを含む水溶液として投与又は使用される。別の実施形態では、DMSOは、約1%〜約60%又は約5%〜約50%のジメチルスルホキシドを含む水溶液として投与又は使用される。さらなる実施形態では、DMSOは、約1%〜約10%又は約5%のDMSOを含む水溶液として投与又は使用される。別の実施形態では、DMSOは、約35%〜約45%又は約40%のDMSOを含む水溶液として投与又は使用される。さらなる実施形態では、DMSOは、約45%〜約55%又は約50%のDMSOを含む水溶液として投与又は使用される。間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤がMSMである一部の実施形態では、投与又は使用は、膀胱内への投与又は使用である。膀胱内への投与又は使用に適するMSM製剤は、当業者に知られている方法によって調製することができる。一実施形態では、MSMは、約40%又は約50%のメチルスルホニルメタンを含む水溶液として投与又は使用される。別の実施形態では、MSMは、約1%〜約60%又は約5%〜約50%のMSMを含む水溶液として投与又は使用される。さらなる実施形態では、MSMは、約1%〜約10%又は約5%のMSMを含む水溶液として投与又は使用される。別の実施形態では、MSMは、約35%〜約45%又は約40%のMSMを含む水溶液として投与又は使用される。さらなる実施形態では、MSMは、約45%〜約55%又は約50%のMSMを含む水溶液として投与又は使用される。膀胱内点滴注入用のこのような製剤において、水が、薬学的に許容される水であることは、当業者によく理解されるところとなる。間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤がMSMである他の実施形態では、投与又は使用は、経口的な投与又は使用であり、すなわち、MSMは、場合に応じて、経口投与される、又は経口的に使用される。経口的な投与又は使用に適する製剤は、当業者に知られている方法によって調製することができる。一部の実施形態では、MSMは、MSMを含むカプセル剤の形態で経口投与される、又は経口的に使用される。本出願の一部の実施形態では、カプセル剤は、MSMとCB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータC)とを含む。
処置方法は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(及び任意選択で、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤)の対象への投与又は使用を含み、任意選択で、1回の投与若しくは使用からなり、又は別法として、一連の投与若しくは使用を含む。処置期間の長さは、間質性膀胱炎の重症度、対象の年齢及び/若しくは性別、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の活性及び/若しくは製剤、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の性質及び/若しくは製剤、及び/又はこれらの組合せ等の、様々な要素に応じて決まる。
CB2ターゲット剤局所麻酔剤が、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤と共に投与又は使用される実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、時期及び/又は投与若しくは使用方式に関して別々に(すなわち、異なる投与若しくは使用経路で)使用又は投与されるか、又は同じ医薬調製物として一緒に、かつ/又は同時に投与又は使用され、これは、たとえば、薬剤の性質次第となりうる。
一実施形態は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤が、時期及び/又は投与若しくは使用方式に関して別々に使用又は投与されるものである。
別の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、同時期に投与又は使用される。本明細書で使用するとき、対象への2種の物質の同時期の投与又は使用とは、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤を、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の薬理効果が対象において同時に存在するように提供することを意味する。投与又は使用の厳密な細目は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の、互いの存在下での薬物動態次第となり、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤とを互いに数時間以内に投与又は使用すること、又はなお、薬物動態が適切であれば、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤を、他方の投与又は使用から24時間以内、又は48時間若しくはそれを超える時間内に投与又は使用することが含まれうる。一実施形態では、同時期の投与又は使用は、CB2ターゲット剤局所麻酔剤を所望の期間毎日投与又は使用し、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤(DMSOやMSM等)を、所望の期間にかけて1又は複数のサイクルとして投与又は使用することを含み、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の投与又は使用は、同時に開始してもしなくてもよく、同時に終了してもしなくてもよい。適切な投与計画の設計は、当業者にとって慣例的な作業である。
本出願の別の実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、同時期でない形で対象に投与又は使用される。
本出願のさらなる実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、同時期の形で対象に投与又は使用され、続いて、又は交互に、非同時期の形で投与又は使用され、たとえば、CB2ターゲット剤局所麻酔剤と間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤が同時期の形で投与又は使用された後、CB2ターゲット剤局所麻酔剤が、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の投与なしで対象に投与又は使用される。
CB2ターゲット剤局所麻酔剤、及び任意選択で間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の投与量は、その薬力学的性質、投与又は使用方式、対象の年齢、性別、健康、及び/又は体重、症状の性質及び程度、処置の頻度、存在すれば併用処置の種類、処置を受ける対象におけるクリアランス速度等の、多くの要素に応じて様々となる。当業者なら、上記要素に基づき、適切な投与量を決定することができる。典型的な一例として、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の経口投与量は、成人の場合、1日約1mg〜1日約1000mgの範囲になる場合がある。本出願の一実施形態では、CB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータC)は、経口的な投与又は使用向けに製剤され、CB2ターゲット剤局所麻酔剤は、たとえば、1カプセルあたり0.25、0.5、0.75、1.0、5.0、10.0、20.0、25.0、30.0、40.0、50.0、60.0、70.0、75.0、80.0、90.0、100.0、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000mgのCB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータC)を含有するカプセル剤の形態になる。別の実施形態では、カプセル剤は、1カプセルあたり25mgのCB2ターゲット剤局所麻酔剤(たとえば、ベータC)を含有する。メチルスルホニルメタン(MSM)の経口投与量は、典型的な一例として、成人の場合、1日約4000mgまでの範囲になる場合がある。本出願の一実施形態では、MSMの経口投与量は、1日約1500mg〜1日約2000mgである。本出願の別の実施形態では、MSMは、経口的な投与又は使用向けに製剤され、MSMは、たとえば、1カプセルあたり50、100、150、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、又は2000mgのMSMを含有するカプセル剤の形態になる。CB2ターゲット剤局所麻酔剤、及び任意選択で間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤は、最初は、臨床的な応答次第で必要に応じて任意選択で調整してもよい適切な投与量で投与又は使用することができる。
以下の非限定的な実施例は、本出願を例示するものである。
(実施例1)
膀胱炎症を生じている局所性及び全身性炎症動物モデル
I.材料及び方法
(a)動物モデル
動物: 雌CD-1及びBALB/cマウス(20〜40g)をCharles River Laboratories社(米国マサチューセッツ州Wilmington)から取得し、1週間の環境順化期間の後、実験に使用した。実験手順はすべて、Canadian Council for Animal Careガイドラインに従って実施され、Dalhousie University Committee on Laboratory Animalsによって承認された。動物は、カナダ国ノヴァスコシア州ハリファックスのダルハウジー大学にある医学部のCarlton Animal Care Facilityに収容した。この研究で使用したマウスには、標準の12時間の周期的明/暗条件下で、水及びげっ歯動物固形飼料が制約なく与えられた。2種の動物ICモデル:全身性(内毒血症誘発)膀胱炎症モデル及び局所性(内毒素誘発)膀胱炎症モデルを使用した。
全身性膀胱炎症モデル: 動物をペントバルビタール投与(腹腔内)によって麻酔した。麻酔導入後、10mg/kgのリポ多糖(LPS、同義語:内毒素)を腹腔内投与して、全身性炎症(=内毒血症)を誘発した。LPS注射(t=0分)後、実験群に応じて動物に治療を施した(t=15分)。処置後、動物を温熱パッドに載せ、麻酔の深さ、呼吸、及び全般的な安楽さについて綿密にモニターした。処置から2時間後、IVMに向けて以下に記載するとおりに動物を準備した。マウスの群は、次のとおりとした。(1)食塩水を注射した対照群、(2)LPSを注射した実験群、及び(3)LPS及び100mg/kgベータCを注射した処置群。
局所性膀胱炎症モデル: 動物をペントバルビタール投与(腹腔内)によって麻酔した。その後、P10カテーテルを尿道にそっと挿入した。尿道外傷を引き起こす可能性がより低いため、軟性カテーテルを使用した。次いで、膀胱に穏やかな圧力をかけて膀胱内容物を除去するものである、クレーデ法を使用することにより、膀胱を手作業で排液した。その後、LPS溶液(100μg/ml)を30分間ゆっくりと点滴注入した25。逆流又は漏出を回避するため、膀胱内点滴注入後にカテーテルをクランプした。LPS点滴注入期間の満了後、LPS溶液を膀胱から除去し、実験群に応じて、食塩水又は薬物点滴注入と差し替えた。マウスの群は、次のとおりとした。(1)食塩水を点滴注入した対照群、(2)食塩水を点滴注入したLPS群、(3)ベータC及びDMSO(40%)を点滴注入したLPS群、及び(4)DMSO(40%)を点滴注入したLPS群。群(3)では、ベータCをDMSOに溶解させてから投与し、DMSO及びベータCを1回の単一点滴注入として同時に投与した。
(b)膀胱の生体顕微鏡法
5mg/kgのペントバルビタールの腹腔内注射を繰り返して麻酔を維持し、その間、麻酔の深さを臨床検査(足を戻す引っ込め反射)によって継続的にモニターした。開腹を行って、生体顕微鏡法(IVM)に向けて膀胱を準備した。次いで、膀胱を、予め濡らした(温かい食塩水)綿棒で穏やかに露出させ、少し傾けた。小さいカバーガラスを膀胱の上部に置いて、顕微鏡観察を可能にした。生体顕微鏡法の間、呼吸アーチファクトを回避するため、上腹部範囲に置かれた温め湿らせた綿スポンジに穏やかな圧力をかける金属アームによって腹部の脂肪及び筋肉を膀胱から遠ざけて、呼吸等の横隔膜活動による重大な動きを防止した。腹部切開は可能な限り小さく保ったが、実験にかけられない腹部領域の範囲は、生理的温度に保たれた生理食塩液に一部浸し、継続的に過剰水和させたガーゼで覆って、脱水及び周囲空気への暴露を回避した。白血球-内皮相互作用を可視化するために、0.05%のローダミン6G溶液を尾静脈注射によって静脈内投与し、5%の静脈内FITC-アルブミン溶液を使用して、毛細血管床のより明瞭な評価を容易にした。焦点を合わせた後、コンピューター化された画像処理システムを使用して、膀胱壁内の毛細血管のランダムな視野からなる5つの動画像列(30秒)を記録した。次いで、確立されているプロトコールに従って動画像列を分析した。
(c)統計分析
Prism 6ソフトウェア(GraphPad Software社、米国カリフォルニア州ラホヤ)を使用して結果を分析した。すべてのデータを平均±標準偏差(SD)として表示する。コルモゴロフ-スミルノフ検定によって正規分布を確認した後、ダネットの事後検定を用いた一元配置分散分析(ANOVA)を使用して、群の有意性を検定した。有意性をp<0.05とみなした。
II.結果
(a)全身性膀胱炎症モデル
白血球付着性: 図1に、雌CD-1マウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な対照(CON、n=9)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=9)、及びCB2アゴニストであるベータCで処置したLPS誘発膀胱炎(ベータC、n=7)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。#LPSに対してp<0.05。図1に示されるとおり、対照動物では、低い白血球付着性ベースラインレベルが観察された。内毒素負荷動物では、対照動物に比べて、付着白血球数の有意な増加が認められた。図1からわかるとおり、ベータC処置によって、付着性白血球数は有意に減少した。
白血球ローリング: 図2に、雌CD-1マウスの膀胱小静脈における白血球ローリングの結果を、健康な対照(CON、n=9)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=9)、及びCB2アゴニストであるベータCで処置したLPS誘発膀胱炎(ベータC、n=7)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。図2に示されるとおり、健康な対照群は、白血球ローリングの基礎レベルを伴った。LPS投与は、ローリング白血球数を、対照動物に比べて有意に減少させた。ベータC処置群では、増加に向かう傾向が示されたが、内毒血症群に対してローリング白血球数は有意に変化しなかった。
機能性毛細血管密度: 図3に、雌CD-1マウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、健康な対照(CON、n=9)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=9)、及びCB2アゴニストであるベータCで処置したLPS誘発膀胱炎(ベータC、n=7)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。#LPSに対してp<0.05。図4〜図5においても認められるとおり、内毒素負荷後の膀胱微小循環(図4)における機能性毛細血管数は、健康な対照群(図5)に比べて有意に減少していた。ベータCを投与すると、潅流が、健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。
(b)局所性膀胱炎症モデル
白血球付着性: 図6に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な対照(CON、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、BCP/DMSO40%点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=3)、及びDMSO40%点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+DMSO、n=2)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。#LPSに対してp<0.05。図6に示されるとおり、対照動物では、低い白血球付着性ベースラインレベルが観察された。内毒素負荷動物では、対照動物に比べて、付着白血球数の有意な増加が認められた。ベータC+DMSO処置によって、付着性白血球数は有意に減少した。対照的に、DMSO処置のみでは、白血球付着性は有意に低下しなかった。
白血球ローリング: 図7に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球ローリングの結果を、健康な対照(CON、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、BCP/DMSO40%点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=3)、及びDMSO40%で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+DMSO、n=2)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。図7に示されるとおり、健康な対照群は、白血球ローリングの基礎レベルを伴った。LPS投与は、ローリング白血球数を、対照動物に比べて有意に減少させた。このモデルにおける内毒血症群と比べたとき、DMSOを用いたベータC処置又はDMSOのみによって、有意差は示されなかった。
機能性毛細血管密度: 図8に、雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、健康な対照(CON、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、BCP/DMSO40%点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=3)、及びDMSO40%で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+DMSO、n=2)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。#LPSに対してp<0.05。図8において認められるとおり、内毒素負荷後の膀胱微小循環における機能性毛細血管数は、対照群に比べて有意に減少していた。ベータCをDMSOと共に投与すると、潅流が、健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。対照的に、DMSOのみによる処置では、潅流は、改善したものの、健康な対照動物において観察されたレベルに戻らなかった。
III.考察
膀胱炎症を生じている局所性及び全身性炎症モデルは、炎症並びに膀胱機能不全及び膀胱痛の実験モデルとなる。図1〜図3及び図6〜図8におけるデータから示されたのは、1)ベータC処置群において、LPS負荷後の白血球-内皮付着が減少し、2)ベータC処置群において、LPS負荷後の膀胱の毛細血管潅流が有意に改善したが、3)ともすると以下でより詳細に論述する理由のために、ベータC処置群において、白血球ローリングには有意な変化がなかったことである。
最新の研究における知見からは、膀胱炎における炎症反応の、CB2受容体の変調による減弱が示されるだけでなく、テルペノイドであるベータC等のある特定のCB2リガンドの役割を特定する新たなデータも提供されており、ベータCは、複数のターゲット、すなわち、カンナビノイド受容体及び非カンナビノイド受容体の両方を介して作用して、炎症だけでなく疼痛も軽減し、局所麻酔によって緩和をもたらす。加えて、本研究の結果は、DMSOとCB2オルソステリックアゴニスト(たとえば、ベータC)等の併用療法が、DMSO単独等の既存の療法より有利となりうることを示している。
尿路上皮機能不全は、サイトカイン産生の上向き調節、及び肥満細胞の活性化につながる。実験的研究からの最新の証拠によって、膀胱肥満細胞活性化が、ICの病態生理において中心的な役割を果たすことが示唆されている26。更に、肥満細胞は、インターロイキン(IL)-6、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)のような種々のサイトカインを分泌するため、炎症に関与するといわれている27。加えて、肥満細胞それ自体も、炎症の開始に必要な28、白血球-内皮相互作用を媒介する分子である細胞接着分子(CAM)、特に、内皮細胞ICAM-1(細胞内CAM-1)及び血管細胞接着分子-1(VCAM-1)を産生し、その発現を調節する。IC患者からの膀胱生検材料において白血球-内皮接着に関与するICAM-1及び他の分子の存在を調査する研究によって、IC患者の膀胱組織に種々のCAMの発現があったことが示されている29。更に、LPS誘発炎症モデルにおいて、肥満細胞がLPS負荷に応じて活性化するには、トール様受容体4(TLR-4)が必要であることが示されている30。理論だけに依拠するつもりはないが、これは、白血球付着の増加及び炎症反応の増大につながる、活性化した肥満細胞によるICAM-1の発現及び調節の過程が、本研究において使用したLPS誘発ICのモデル内で起こっていることを示唆している。炎症の際、付着白血球の数が増加すると、白血球ローリングの減少が認められることが予想され、これは、本研究において群全体で観察されている。しかし、ベータCが投与され、これに伴って白血球付着が減少しても、白血球ローリングは、対照群で認められる同等のレベルに回復しなかった。これに対する一つの理由は、観察の時機が早すぎて、ローリング数の有意な変化を察知できなかったことであるといえる。しかし、理論だけに依拠するつもりはないが、考えられるもう一つの説明は、ベータCが白血球の動因を抑制し続けるということであり、これによって、ベータC処置後に観察された少ないローリング白血球数に説明を付けることができる。
微小血管潅流は、血管系の全般的な生理状態の有用な指標である。毛細血管潅流の調節は、神経内分泌、パラ分泌、及び機械感覚性経路の相互作用によって実現される31。しかし、全身性炎症の際は、種々の要素、たとえば、赤血球変形能の低下、血液粘度の増大、及び接着分子の上向き調節による活性化白血球の凝集性の増大により、この過程の混乱が認められる32。理論だけに依拠するつもりはないが、こうした機序が、群において観察されたFCD変化の原因となると考えられる。更に、ラット内毒血症モデルにおけるTLR-4の遮断によって、腸管の微小循環潅流が増加するという知見が示されている33。理論だけに依拠するつもりはないが、これは、LPSによってもたらされたTLR-4経路の活性化が、毛細血管潅流において役割を果たすことを示唆している。たとえば、理論だけに依拠するつもりはないが、炎症誘発性サイトカイン及び接着分子の放出の増加に関与する34NF-κBがベータCによって直接又は間接的に阻害されたことで、本研究において観察されたFCDの向上につながったといってよく、したがって、同様の活性を示す化合物も、この状態の処置に有用となりうる。LPS負荷によって引き起こされた過剰な免疫活性化にもかかわらず、ベータC処置群において、血管潅流データ内に有意な向上が存在したことは、理論だけに依拠するつもりはないが、実験的ICにおける、CB2関連免疫調節の強力な役割を示唆している。
臨床研究において、肥満細胞によって放出される、炎症誘発性サイトカインのIL-6及びTNF-αは、IC患者の血清中に高濃度で見出される2大サイトカインであることが観察されており、これらのサイトカインは、ICのバイオマーカーとして開発することができる35。理論だけに依拠するつもりはないが、IL-6及びTNF-αのこの顕著な増加は、ICにおける肥満細胞の役割による部分もあるといえる。こうした知見と一致して、いくつかの研究でも、LPS処置げっ歯動物神経膠又はLPS誘発内毒血症において、CB2受容体活性化による炎症誘発性サイトカイン、特にTNF-αの抑制が報告されている36。理論だけに依拠するつもりはないが、これによって、本研究において観察されたベータCの治療効果がもたらされたといえ、したがって、同様の活性を示す化合物も、ICの処置に有用となりうる。
要約すると、データからは、ベータC等の、付加的な局所麻酔作用を有するCB2受容体アゴニストは、ICにおける炎症と疼痛両方の軽減において有用となりうること、及び、こうした薬剤をDMSO療法等の既存のIC療法と付加的に同時投与すると、ICに対するこのような併用療法の有効性を有利にできることが示唆される。
(実施例2)
膀胱炎症を生じている局所性及び全身性炎症動物モデルを使用しての付加的な研究
I.材料及び方法
動物: 雌BALB/cマウス(到着時6週齢、体重20〜30g)をCharles River Laboratories社(米国マサチューセッツ州Wilmington)から取得し、1週間の環境順化期間の後、実験に使用した。実験手順はすべて、Canadian Council for Animal Careガイドラインに従って実施され、Dalhousie University Committee on Laboratory Animalsによって承認された。動物は、カナダ国ノヴァスコシア州ハリファックスのダルハウジー大学にある医学部のCarlton Animal Care Facilityに収容した。この研究で使用したマウスには、標準の12時間の周期的明/暗条件下で、水及びげっ歯動物固形飼料が制約なく与えられた。
局所性膀胱炎症モデル: 動物をペントバルビタール投与(腹腔内)によって麻酔した。次いで、開腹を行って、膀胱に接触できるように、また膀胱点滴注入の成功を目視によって確認できるようにした。膀胱を周囲の組織及び臓器から露出させたなら、穏やかな圧力によって手作業で排液した(膀胱に穏やかな圧力をかけて膀胱内容物を除去するものであるクレーデ法と同様)。次いで、この後、P10カテーテルを尿道に挿入した。尿道外傷を引き起こす可能性がより低いため、軟性カテーテルを使用した。LPS溶液(150μg/ml)をゆっくりと点滴注入し、膀胱内で30分間保持した。次いで、動物を温熱パッド上で半分まで回転させて、膀胱のすべての側面がLPSに等しく曝されるよう徹底した。逆流又は漏出を回避するため、膀胱内点滴注入後にカテーテルをクランプした。LPS点滴注入期間の満了後、LPS溶液を膀胱から除去し、実験群に応じて、(実施例1において上述したとおりに)食塩水又は薬物点滴注入と差し替えた。
膀胱の生体顕微鏡法: 上記からの、麻酔された同じ動物を、5mg/kgのペントバルビタールの腹腔内注射を繰り返して現状維持し、その間、麻酔の深さを臨床検査(足を戻す引っ込め反射)によって継続的にモニターした。膀胱を、予め濡らした(温かい食塩水)綿棒で再び穏やかに露出させ、少し傾けた。小さいカバーガラスを膀胱の上部に置いて、顕微鏡観察を可能にした。生体顕微鏡法の間、呼吸アーチファクトを回避するため、上腹部範囲に置かれた温め湿らせた綿スポンジに穏やかな圧力をかける金属アームによって腹部の脂肪及び筋肉を膀胱から遠ざけて、呼吸等の横隔膜活動による重大な動きを防止した。腹部切開は可能な限り小さく保ったが、実験にかけられない腹部領域の範囲は、生理的温度に保たれた生理食塩液に一部浸し、継続的に過剰水和させたガーゼで覆って、脱水及び周囲空気への暴露を回避した。白血球-内皮相互作用を可視化するために、0.05%のローダミン6G溶液を尾静脈注射によって静脈内投与し、5%の静脈内FITC-アルブミン溶液を使用して、毛細血管床のより明瞭な評価を容易にした。焦点を合わせた後、コンピューター化された画像処理システムを使用して、膀胱壁内の毛細血管のランダムな視野からなる5つの動画像列(30秒)を記録した。次いで、確立されているプロトコールに従って動画像列を分析した。
統計分析: Prism 6ソフトウェア(GraphPad Software社、米国カリフォルニア州ラホヤ)を使用して結果を分析した。すべてのデータを平均±標準偏差(SD)として表示する。コルモゴロフ-スミルノフ検定によって正規分布を確認した後、ダネットの事後検定を用いた一元配置分散分析(ANOVA)を使用して、群の有意性を検定した。有意性をp<0.05とみなした。
II.結果及び考察
BCP点滴注入によって、実験的膀胱炎における白血球付着は減少する。図9に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な対照(CON、n=6)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=8)、媒体中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+媒体中BCP、n=6)、40%DMSO点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+DMSO、n=5)、及び40%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+40%DMSO、n=5)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。#LPSに対してp<0.05。図9に示されるとおり、対照動物では、低い白血球付着性ベースラインレベルが観察された。内毒素負荷動物では、対照動物に比べて、付着白血球数の有意な増加が認められた。ベータC(100mg/kg)処置によって、付着性白血球数は、再び健康な対照動物のレベルに有意に減少した。対照的に、40%DMSO処置では、このモデルにおける高い活性化白血球レベルが保たれた。
BCP点滴注入によって、実験的膀胱炎における白血球ローリングは回復する。図10に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球ローリングの結果を、健康な対照(CON、n=6)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=8)、媒体中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+媒体中BCP、n=6)、40%DMSO点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+40%DMSO、n=5)、及び40%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+40%DMSO、n=5)について示す。平均±SDとして示したデータ。*CONに対してp<0.05。図10に示されるとおり、健康な対照群は、白血球ローリングの基礎レベルを伴った。LPS投与は、ローリング白血球数を、対照動物に比べて有意に減少させた。媒体中のBCP処置によって、白血球のレベルは、対照動物のレベルに回復した。DMSO投与では、白血球ローリングは改善されず、このモデルにおける内毒血症群(LPS)と比べたとき、有意差は示されなかった。BCPとDMSO投与を組み合わせても、未処置群と比べて、ローリング流動数が向上した。
BCP点滴注入によって、実験的膀胱炎における機能性毛細血管密度は回復する。図11に、雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、健康な対照(CON、n=6)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=8)、媒体中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+媒体中BCP、n=6)、40%DMSO点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+40%DMSO、n=5)、及び40%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+40%DMSO、n=5)について示す。データは、平均±SDとして示す。*CONに対してp<0.05。図11において認められるとおり、内毒素(LPS)負荷後の膀胱微小循環における機能性毛細血管数は、対照群に比べて有意に減少していた。媒体中BCP並びに40%DMSO中BCPを投与すると、潅流が、健康な対照動物で観察されたレベルに回復した。対照的に、DMSOのみによる処置では、潅流は、改善したものの、健康な対照動物において観察されたレベルに戻らなかった。
DMSO中BCPの点滴注入によって、実験的膀胱炎における白血球付着性は低下する。図12に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な対照(CON、n=6)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=8)、媒体中BCP(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+媒体中BCP、n=6)、5%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+5%DMSO、n=4)、40%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+40%DMSO、n=5)、及び50%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+50%DMSO、n=3)について示す。データは、平均±SDとして示す。*LPS+BCP+50%DMSOに対してp<0.05。図12に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、白血球付着性の増大が観察された。種々のレベルのDMSOと共に点滴注入した群(現行の標準臨床処置)に匹敵する白血球付着性の低下を生じた媒体中BCP処置を含めて、BCPで処置したすべての動物群で、付着白血球数の有意な減少が認められた。5%DMSO中BCPの点滴注入によって、白血球付着性についての全体的な値が最も低くなった。
DMSO中BCPの点滴注入によって、実験的膀胱炎における機能性毛細血管密度は向上する。図13に、雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=8)、媒体中BCP(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+媒体中BCP、n=6)、5%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+5%DMSO、n=4)、40%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+40%DMSO、n=5)、及び50%DMSO中BCP(100mg/kg)点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP+50%DMSO、n=3)で示す。データは、平均±SDとして示す。*LPSに対してp<0.05。図13に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、高いレベルの毛細血管機能不全が観察された。BCPで処置されたすべての実験的膀胱炎動物群において、膀胱の毛細血管潅流に有意な改善が認められた。媒体中BCPによる処置にでは、実験的膀胱炎を有し、種々のレベルのDMSO点滴注入で処置しただけの群に匹敵する、FCDの有意な向上が生じた。媒体中ベータC及び40%DMSO中ベータCの点滴注入によって、FCDについての全体的な値が最も高くなった。
(実施例3)
局所性膀胱炎症モデルを使用しての付加的な研究
(a)ベータCのメチルスルホニルメタン(MSM)との膀胱内投与
ベータCとMSMの組合せの膀胱内投与を調査するための研究を実施した。
群は、次のとおりである。
1.対照
2. LPS(局所)
3. LPS(局所)+ベータC(膀胱内)
4. LPS(局所)+MSM(膀胱内)
5. LPS(局所)+MSM(膀胱内)+ベータC(膀胱内)
LPS(局所)及びベータC(膀胱内)は、上で実施例1において詳述したとおりに与える。MSMは、上で実施例1においてDMSOについて詳述したのと同様にして与える。白血球付着性、白血球ローリング、及び機能性毛細血管密度を、実施例1に記載した技術を使用して測定する。MSMとベータCの組合せ処置は、白血球付着性及び機能性毛細血管密度において、ベータC又はMSM単独より優れた有効性を有する。
(b)膀胱内DMSO又はMSMと組み合わせた経口ベータC
経口ベータCを代替投与経路として調査する。この投与経路では、膀胱内DMSO又はMSM療法に加えて、合間処置の可能性が得られる。臨床的な状況では、合間処置によって、通常は診療所又は病院で施されることになる膀胱内処置間に、CB2ターゲット剤局所麻酔剤、たとえばベータCによる経口処置(すなわち、診療所又は病院の外で施すことができるほど侵襲性が低い)が可能になる場合がある。
群は、次のとおりである。
1.対照
2. LPS(局所)
3. LPS(局所)+ベータC(経口、経管栄養)
4. LPS(局所)+DMSO(膀胱内)
5. LPS(局所)+MSM(膀胱内)
6. LPS(局所)+DMSO(膀胱内)+ベータC(経口、経管栄養)
7. LPS(局所)+MSM(膀胱内)+ベータC(経口、経管栄養)
経口経管栄養群では、LPS暴露の60分前に、経管栄養によって10mg/kgのベータCでマウスを処置する。LPS(局所)及びDMSO(膀胱内)は、上で実施例1において詳述したとおりに与える。MSMは、上で実施例1においてDMSOについて詳述したのと同様にして与える。白血球付着性、白血球ローリング、及び機能性毛細血管密度を、実施例1に記載した技術を使用して測定する。DMSO又はMSMとベータCの組合せ処置は、白血球付着性及び機能性毛細血管密度において、ベータC又はDMSO又はMSM単独より優れた有効性を有する。
(c)経口MSMと組み合わせた経口ベータC
経口ベータCと経口MSMの組合せを、代替投与経路として調査する。この投与経路では、診療所又は病院の外で施すことができるほど侵襲性の低い処置の可能性が得られる。
群は、次のとおりである。
1.対照
2. LPS(局所)
3. LPS(局所)+ベータC(経口、経管栄養)
4. LPS(局所)+MSM(経口、経管栄養)
5. LPS(局所)+MSM(経口、経管栄養)+ベータC(経口、経管栄養)
ベータC経口経管栄養群では、LPS暴露の60分前に、経管栄養によって10mg/kgのベータCでマウスを処置する。MSM経口経管栄養群では、LPS暴露の60分前に、経管栄養によって100mg/kgのMSMでマウスを処置する。ベータC+MSM経口経管栄養群では、LPS暴露の60分前に、経管栄養によって、10mg/kgのベータC及び100mg/kgのMSMでマウスを処置する。LPS(局所)は、上で実施例1において詳述したとおりに与える。白血球付着性、白血球ローリング、及び機能性毛細血管密度を、実施例1に記載した技術を使用して測定する。MSMとベータCの組合せ処置は、白血球付着性及び機能性毛細血管密度において、ベータC又はMSM単独より優れた有効性を有する。
(d)ベータCの局所麻酔効果
単独又はDMSO若しくはMSMと組み合わせたベータCの局所麻酔効果を更に調査するための研究を実施する。群は、次のとおりである。
1.対照
2. LPS
3. LPS+ベータC(経口、経管栄養)
4. LPS+DMSO(膀胱内)
5. LPS+MSM(膀胱内)
6. LPS+DMSO(膀胱内)+ベータC(経口、経管栄養)
7. LPS+MSM(膀胱内)+ベータC(経口、経管栄養)
経口経管栄養群では、LPS暴露の60分前に、経管栄養によって10mg/kgのベータCでマウスを処置する。LPS(局所)及びDMSO(膀胱内)は、上で実施例1において詳述したとおりに与える。MSMは、上で実施例1においてDMSOについて詳述したのと同様にして与える。
ICを誘発する局所LPS負荷後のベータCの局所鎮痛効果を評価するために、行動性疼痛評価を実施する。経口処置と膀胱内処置の組合せを使用する。
行動性疼痛評価: 観察した2つのパラメーター、すなわち、閉眼及び異常体位(猫背及び伸びの姿勢)のそれぞれに、最大で10の値を使用し、動物が腹部をなめる等の他のパラメーター(短時間の疼痛発作)も示すとき、10を上乗せする。したがって、最大スコアは、30である。該当するパラメーターがない場合(疼痛なし)、最小スコアは、0である。短時間の疼痛発作という用語は、尾部過伸展、腹部陥凹、及び後ずさり(backward withdrawal movement)を指す。異常体位は、0-正常体位、5-時々猫背又は伸び、7-ほとんど猫背又は伸びの姿勢、及び10-猫背及び伸びとしてスコア記録する。閉眼は、0-完全に開眼、5-半閉眼、及び10-完全な閉眼としてスコア記録する。最終疼痛スコアは、最大スコアを30とし、膀胱炎が誘発されてから30分後に開始し、15分の間隔を置いた、14回の測定から得られたスコアを合算したものである。
(実施例4)
単独及び膀胱内MSMと組み合わせた経口ベータC
I.材料及び方法
経口ベータCを代替投与経路として調査した。この投与経路では、任意選択で膀胱内DMSO又はMSM療法に加えて、合間処置の可能性が得られる。臨床的な状況では、合間処置によって、通常は診療所又は病院で施されることになる膀胱内処置間に、CB2ターゲット剤局所麻酔剤、たとえばベータCによる経口処置(すなわち、診療所又は病院の外で施すことができるほど侵襲性が低い)が可能になる場合がある。
動物及び局所性膀胱炎症モデルは、上で実施例2において記載したとおりとした。群は、次のとおりとした。
1.健康な動物対照
2. LPS(局所)
3. LPS(局所)+ベータC(経口、経管栄養)
4. 健康な動物対照+ベータC(経口、経管栄養)
5. LPS(局所)+MSM+ベータC(経口、経管栄養)
6. LPS(局所)+MSM(膀胱内)+ベータC(経口、経管栄養)
経口経管栄養群では、100mg/kgのベータC、又は100mg/kgのメチルスルホニルメタン(MSM)中の100mg/kgのベータCで、経管栄養によってマウスを処置した。経口ベータCを投与した健康な動物対照以外の群において、投与は、LPS暴露の60分前とした。LPS(局所)は、上で実施例2において詳述したとおりに与えた。膀胱内MSMは、上で実施例1においてDMSOについて詳述したのと同様にして与えた。白血球付着性、白血球ローリング、及び機能性毛細血管密度を、実施例2において上述したとおりの技術を使用して測定した。結果は、実施例2において上述した統計方法を使用して評価した。
II.結果及び考察
経口BCP投与によって、実験的膀胱炎における白血球付着性は低下する。図14に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、及び経口ベータC(100mg/kg)を投与した健康な動物(BCP、n=5)について示す。平均±SDとして示したデータ。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図14に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、高いレベルの白血球付着性が観察された。経口BCPで処置した群では、付着白血球数の有意な減少が認められた。健康な動物における媒体中ベータCによって、白血球付着に変化は生じなかった。
経口BCP投与によって、対照動物における機能性毛細血管密度は増大する。図15に、雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、及び経口ベータC(100mg/kg)を投与した健康な動物(BCP、n=5)について示す。*LPSに対してp<0.05。平均±SDとして示したデータ。図15に示されるとおり、処置群において、有意差は観察されなかった。BCPで処置しただけの群において、内毒血症群と比べたとき、FCDの有意な向上が見られた。結果から、経口BCP処置が、FCDを向上させる可能性をもちうることは示唆されるが、しかし、内毒血症(LPS)群と比較したとき、検出可能でなかった。
経口BCP及びMSM投与によって、実験的膀胱炎における白血球付着性は低下する。図16に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)を投与した健康な動物(BCP、n=5)、並びに経口ベータC(100mg/kg)及びMSM(100mg/kgでの水溶液、実験当日に調製、研究で使用した動物の概ね平均体重である20gの動物においておよそ0.04mg/μl)で処置したLPS誘発膀胱炎について示す。平均±SDとして示したデータ。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図16に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、高いレベルの白血球付着性が観察された。経口BCPで処置した群では、付着白血球数の有意な減少が認められた。健康な動物における媒体中ベータCによって、白血球付着に有意な変化は生じなかった。ベータC及びMSMで経口的に処置した動物も、未処置動物と比べて、その白血球付着性レベルの有意な低下を示した。
経口BCP及びMSM投与によって、実験的膀胱炎における機能性毛細血管密度は向上する。図17に、雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)を投与した健康な動物(BCP、n=5)、並びに経口ベータC(100mg/kg)及びMSM(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎について示す。データは、平均±SDとして示す。図17に示されるとおり、LPS誘発膀胱炎の動物において、MSM中BCPによる経口処置によって、機能性毛細血管密度が対照のレベルに再び回復した。BCPのみでは、LPS誘発膀胱炎の動物におけるFCDは、有意に向上しなかった。しかし、ベータCで処置しただけの健康な群では、対照群と比べたとき、機能性毛細血管密度の有意な向上が認められた。上で言及したとおり、こうした結果から、経口BCP処置が、単独でFCDを向上させる可能性をもちうることは示唆されるが、しかし、内毒血症(LPS)群と比較したとき、検出可能でなかった。
BCP及びMSM点滴注入によって、実験的膀胱炎における白血球付着性は低下する。図18に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球付着の結果を、健康な動物(CON、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、並びにベータC(100mg/kg)及び5%MSMの点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP/MSM、n=3)について示す。平均±SDとして示したデータ。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図18に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、高いレベルの白血球付着性が観察された。経口ベータC(100mg/kg)と5%MSM点滴注入の組合せによって処置した群では、付着白血球数の有意な減少が認められた。
BCP及びMSM点滴注入によって、実験的膀胱炎における白血球ローリングは回復する。図19に、雌BALB/cマウスの膀胱小静脈における白血球ローリングの結果を、健康な動物(CON、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、並びにベータC(100mg/kg)及び5%MSMの点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP/MSM、n=3)について示す。平均±SDとして示したデータ。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図19に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、白血球ローリングの有意な低下が観察された。経口ベータC(100mg/kg)と5%MSM点滴注入の組合せによって処置した群では、LPS誘発膀胱炎の未処置群と比べたとき、ローリング白血球数の有意な回復が認められた。
BCP及びMSM点滴注入によって、実験的膀胱炎における機能性毛細血管密度は回復する。図20に、雌BALB/cマウスの毛細血管内の、機能性毛細血管密度(FCD)として数量化した毛細血管潅流の結果を、健康な動物(CON、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、並びにベータC(100mg/kg)及び5%MSMの点滴注入で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP/MSM、n=3)について示す。平均±SDとして示したデータ。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図20に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、機能性潅流の有意な減少が観察された。経口ベータC(100mg/kg)と5%MSM点滴注入の組合せによって処置した群では、LPS誘発膀胱炎の未処置群と比べたとき、機能性潅流の有意な増加が認められ、機能性潅流は、対照動物のレベルに戻った。
(実施例5)
ベータCの麻酔効果
ベータCの経口投与の麻酔効果を調査する研究を実施した。動物及び局所性膀胱炎症モデルは、上で実施例2において記載したとおりとした。群は、次のとおりとした。
1.健康な動物対照
2. LPS(局所)
3. LPS+ベータC(経口、経管栄養)
4. 健康な動物対照+ベータC(経口、経管栄養)
経口経管栄養群では、経管栄養によって100mg/kgのベータCでマウスを処置した。経口ベータCを投与したLPS群では、投与は、LPS暴露の60分前とした。LPS(局所)は、上で実施例2において詳述したとおりに与えた。
疼痛評価スコア記録: 健康な動物を、行動に関してスコア記録して、各標本について個々のベースラインを設定した。次いで、動物をイソフルランで麻酔し、膀胱においてLPS点滴注入を施して膀胱炎様状態を誘発した。誘発後、次いで、動物を目覚めさせ、観察下でケージにおける通常の探索/食餌を可能にした。次いで、行動及び外観(すなわち、呼吸率、体位、運動活性、開眼)の変化を再びスコア記録した。各行動パラメーターに、可能な最大スコア10を割り当てて、合計で可能な最大値を40とした。可能な最小スコアは0であり、これは、既存の状態としてパラメーターに該当しないことを意味する。呼吸率- 周期的なそれぞれの低下がスコア増加の根拠となる。開眼- 0完全に開いている、5半分開いている、10完全に閉じている、2及び7は、中間の位置である。体位- 変化なしは0であり、完全な猫背又は跛行は10である。中間の体位は、中間のスコアを取得する。運動活性- 20秒以内の活性(探索、移動、毛づくろい)。たとえば、10秒間移動なし(=50%)=5ポイント、2秒間移動なし(=10%)=1ポイント。本スコア記録システムは、Eschalierら37によって報告されたものに基づいているが、追加の運動活性パラメーターを含む。それは、内臓痛を有する研究動物において極めて顕著であったものとして加えた。
電子フォンフライ知覚測定: これは、動物が侵害刺激に反応する(たとえば、引っ込める)前の、印加された力の量をグラムで測定する定量化疼痛評価であった。この定量化によって、処置の疼痛緩和有効性の正確な検出が可能になる。健康な動物を、処置又は膀胱炎誘発の前にスコア記録して、各標本について個々のベースラインを設定した。膀胱炎を誘発した後にも動物をスコア記録し、処置の影響を測定してもよい。個々の各動物を、誘発前のそれ自身と比較することに加え、集約された群間比較を行った。
統計分析: Prism 6ソフトウェア(GraphPad Software社、米国カリフォルニア州ラホヤ)を使用して結果を分析した。すべてのデータを平均±標準偏差(SD)として表示する。コルモゴロフ-スミルノフ検定によって正規分布を確認した後、ダネットの事後検定を用いた一元配置分散分析(ANOVA)を使用して、群の有意性を検定した。有意性をp<0.05とみなした。
II.結果及び考察
経口BCP投与は、実験的膀胱炎において、呼吸率、開眼、運動活性、及び体位スコアを改善する。図21〜図24に、雌BALB/cマウスの行動に関する個々の部門の結果を、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、及び健康な動物におけるベータC単独(BCP、n=5)について示す。膀胱炎誘発前(T0)及び後(T1)の個々のデータポイント、また各パラメーターについての平均±SDとして表したデータを示す。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図21に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、呼吸率の有意な増大が観察された。動物をベータC(100mg/kg)で経口的に処置すると、呼吸率の有意な低減が引き起こされた。同様に、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、低い開眼スコアも示され、経口BCPで処置した動物では、有意に改善された(図22)。経口BCPで処置した動物には、運動活性(図23)及び体位(図24)の有意な改善もあり、未処置動物と比べて、多方面の改善が示唆された。
経口BCP投与は、実験的膀胱炎において行動性疼痛スコアを下げる。図25に、雌BALB/cマウスの行動に関する結果の合計合算スコアを、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口ベータC(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、及び健康な動物におけるBCP単独(BCP、n=5)について示す。膀胱炎誘発前(T0)及び処置期間後(T1)の、合計スコアでの個々のデータポイント、各群についての平均±SDとして表したデータを示す。*対照に対してp<0.05、#LPSに対してp<0.05。図25に示されるとおり、未処置LPS誘発膀胱炎の動物では、行動性疼痛スコアの有意な増大が観察された。動物をBCP(100mg/kg)で経口的に処置すると、行動性疼痛スコアの有意な低下が引き起こされ、違和感のレベルの低減及び疼痛緩和が示唆された。
経口BCP投与は、実験的膀胱炎において、疼痛引っ込め閾値を上げる。図26に、雌BALB/cマウスにおいて反応(たとえば、引っ込め)が観察される前の、電子フォンフライ知覚計によって印加されたグラムでの力の量を、健康な動物(対照、n=5)、未処置LPS誘発膀胱炎(LPS、n=5)、経口BCP(100mg/kg)で処置したLPS誘発膀胱炎(LPS+BCP、n=5)、及び健康な動物におけるBCP単独(BCP、n=5)について示す。膀胱炎誘発前(T0)及び処置期間後(T1)の、合計印加力での個々のデータポイント、各群についての平均±SDとして表したデータを示す。*対照に対してp<0.05。図26に示されるとおり、経口BCPで処置されたLPS誘発膀胱炎の動物において、印加力の有意な増大が記録された。動物をBCP(100mg/kg)で経口的に処置すると、引っ込め閾値の有意な向上がもたらされ、違和感のレベルの低減及び疼痛緩和が示唆された。
本出願について、現在好ましい実施例であるとみなされているものに関連して述べてきたが、本出願は、記載された実施例に限定されないと理解される。それどころか、本出願は、添付の特許請求の範囲の真意及び範囲内に含まれる種々の変更形態及び等価な取り合わせを網羅するものとする。
すべての刊行物、特許、及び特許出願は、個々のそれぞれの刊行物、特許、及び特許出願は、全体として参照により援用されることを明確かつ個別に示したものとして、その全体が参照により本明細書に援用される。本出願における用語が、参照により本明細書に援用される文書において異なって定義されていることが判明した場合では、本明細書において提供する定義が、その用語の定義として利用されることになる。
本記載で参照された文書の全引用

Claims (21)

  1. 対象において間質性膀胱炎を処置するためのCB2ターゲット剤局所麻酔剤の使用。
  2. 対象において間質性膀胱炎を処置する医薬を調製するための、CB2ターゲット剤局所麻酔剤の使用。
  3. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が、CB2オルソステリックアゴニスト剤局所麻酔剤である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. CB2オルソステリックアゴニスト剤局所麻酔剤が、ベータ-カリオフィレンである、請求項3に記載の使用。
  5. 対象における、間質性膀胱炎処置のための追加の薬剤の使用を更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 追加の薬剤がジメチルスルホキシドである、請求項5に記載の使用。
  7. ジメチルスルホキシドが、約5%〜約50%のジメチルスルホキシドを含む水溶液として膀胱内に使用される、請求項6に記載の使用。
  8. 水溶液が、約5%のジメチルスルホキシドを含む、請求項7に記載の使用。
  9. 追加の薬剤がメチルスルホニルメタンである、請求項5に記載の使用。
  10. メチルスルホニルメタンが、約5%のメチルスルホニルメタンを含む水溶液として膀胱内に使用される、請求項9に記載の使用。
  11. メチルスルホニルメタンが経口的に使用される、請求項9に記載の使用。
  12. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が経口的に使用される、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 経口的な使用が、CB2ターゲット剤局所麻酔剤を含むカプセル剤の形態である、請求項12に記載の使用。
  14. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が、メチルスルホニルメタンと組み合わせて使用され、カプセル剤が、メチルスルホニルメタンを更に含む、請求項13に記載の使用。
  15. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が局所的に使用される、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
  16. 局所的な使用が、CB2ターゲット剤局所麻酔剤を含む局所用クリームの形態である、請求項15に記載の使用。
  17. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が膀胱内に使用される、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
  18. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が、ジメチルスルホキシドと組み合わせて使用され、膀胱内への使用が、CB2ターゲット剤局所麻酔剤とジメチルスルホキシドとを含む水溶液の形態である、請求項17に記載の使用。
  19. CB2ターゲット剤局所麻酔剤が、メチルスルホニルメタンと組み合わせて使用され、膀胱内への使用が、CB2ターゲット剤局所麻酔剤とメチルスルホニルメタンとを含む水溶液の形態である、請求項17に記載の使用。
  20. 対象がヒトである、請求項1から19のいずれか一項に記載の使用。
  21. 対象が女性である、請求項1から20のいずれか一項に記載の使用。
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