JP2008529902A - 煎じ出し飲料を入れる飲料容器用の蓋 - Google Patents

Abstract

煎じ出し飲料を入れる飲料容器用の蓋を提供する。ベースプレート２から間隔を空けて閉塞部３を設ける。側壁４にて側部を閉塞した収容空間５をベースプレート２と閉塞部３との間に設ける。ベースプレート２の内部に第１の開口部６を設ける。第１の開口部６より小さな第２の開口部７を閉塞部３に設ける。煎じ出し原料を入れた煎じ出しユニット20を第１の開口部６に挿通する。煎じ出しユニット20の一部を第２の開口部７に挿通する。煎じ出しユニット20の一部を収容空間５に収容できる。持ち帰り販売用の煎じ出し飲料を作る飲料容器の蓋に適している。飲料容器から蓋１を外さずに煎じ出しユニット20を使用できる。
【選択図】図３

Description

本発明は、煎じ出し飲料を入れる飲料容器、好ましくは使い捨て飲料コップ用の蓋に関する。

現在、売店などで持ち帰り用の温かい飲料が販売されている。この温かい飲料は、例えばボール紙または発泡スチロール製の使い捨て飲料コップに入れられて販売されている。そして、この使い捨て飲料コップの口には、蓋が取り付けられて閉じられている。さらに、この蓋は、熱い内容物である飲料がこぼれるのを防止する機能とともに、保温効果を高める機能を有している。

さらに、この種の使い捨て飲料コップと蓋との組み合わせは、例えばコーヒーの場合に良く用いられる。通常、コーヒーの場合に用いられるこの種の蓋は、周縁を挟んで取り付けられる簡単な構成のプラスチック製である。この蓋の縁部近傍には、簡単な構成の開口部、または開口部を有する突出した飲み口が設けられており、これら開口部を介して使い捨て用飲料コップから蓋を取り外さずに温かいコーヒーを飲むことができる。

本発明は、持ち帰り用の温かいコーヒーのように、いわゆる持ち帰り販売に相当する紅茶の販売を目的とする。この紅茶は、特定の品質を有するものでなければならず、特に新しい茶葉で煎じ出した紅茶を使用できるようにする。

すなわち、本発明は、紅茶またはその他の煎じ出し飲料を容易に作ることができつつ、持ち帰り販売で顧客に手渡す飲料容器を確実に密閉でき、煎じ出し飲料を入れる飲料容器用の蓋を提供することを目的とする。

本発明の課題は、請求項１記載の飲料容器用の蓋を用いることで解決できる。

この蓋の好ましい態様は、従属する請求項２ないし９に記載されている。さらに、請求項１０は、蓋と、この蓋およびこの蓋の内側のいずれかに配設された煎じ出し部とを備えた煎じ出しユニットである。

また、蓋は、ベースプレートと、このベースプレートから間隔を空けて設けられた閉塞部と、ベースプレートと閉塞部との間の周囲を囲む側壁にて側部が閉塞されて形成された収容空間と、ベースプレートの内部に設けられ、煎じ出し原料を入れた煎じ出し部が挿通可能な第１の開口部と、閉塞部に設けられ、前記第１の開口部より小さく、前記煎じ出し部の少なくとも一部が挿通可能な第２の開口部とを具備し、収容空間は、煎じ出し部の少なくとも一部が収容可能である。

この蓋を用いて、煎じ出しユニット、好ましくは茶葉を入れた煎じ出し袋を、ベースプレートの内部に設けられた第１の開口部を挿通させて飲料容器、特に使い捨て飲料コップの内部空間に吊り下げることができる。このとき、この煎じ出しユニット、特に把持部の一部を、閉塞部に形成された第２の開口部の内部から突出させて所定の方法で蓋に固定する必要がある。この煎じ出しユニットは、蓋のベースプレートの内部に設けられた第１の開口部を挿通させて、好ましくは煎じ出しユニットが飲料容器内に存在する湯またはその他の煎じ出し飲料に接触する位置まで、この飲料容器の内部に突出している。さらに、この煎じ出しユニットは、煎じ出しする時間が経過した後に、閉塞部に設けられた第２の開口部を挿通して突出している部分を把持し、この第２の開口部を介して引き上げられる。この場合に、ベースプレートの内部に設けられた第１の開口部を挿通して突出した煎じ出しユニットの少なくとも一部が、ベースプレートと閉塞部との間の収容空間の内部に引き上げられる。このとき、この煎じ出しユニットは、煎じ出し液、特に湯または煎じ出しにて作られた煎じ出し飲料と接触しない位置まで飲料容器から引き出される。

このため、蓋は、少なくとも２つの機能を有する。１つ目の機能は、煎じ出し飲料が内部に入っている飲料容器を確実に覆うので、この煎じ出し飲料がこぼれることを防止できるとともに、温かい煎じ出し飲料の早急な冷めを防止できる。さらに、この蓋の２つ目の機能は、煎じ出し飲料を作る際に、蓋を取り外さずにこの蓋を介して煎じ出し液内へ入れることができ、煎じ出し後に煎じ出し液から容易に取り出すことができる煎じ出しユニットの操作が簡単なことである。

本発明の飲料容器用の蓋によれば、例えば持ち帰り販売用の使い捨て飲料コップに品質的に高価な紅茶を煎れるために、葉の形をした紅茶の茶葉を煎じ出し部に入れて、紅茶を作ることができる。

この蓋は、好ましくはプラスチックによる深絞り成形にて製造される。ただし、この蓋は、紙またはボール紙にて成形することもできる。さらに、この蓋は、好ましくは２つの部品で構成され、一方の部品を閉塞部とし、他方の部品をベースプレートとして構成されている。

請求項２記載の発明によれば、第２の開口部を溝状に形成したことにより、閉塞部に設けられた第２の開口部を小さくできるから、この第２の開口部からの飲料容器の内容物のこぼれや、この内容物の早急な冷めをより確実に防止できる。この溝状の第２の開口部は、閉塞部の舌片状または垂れ蓋状の部分にてさらに覆われているので、所定の位置でほぼ閉塞されていることが好ましい。

請求項３記載の発明によれば、飲料容器の上端の周囲を囲んで、この飲料容器の上端に挟んで取り付けられる挟縁部を具備するので、この挟縁部を用いることにより、この蓋を確実に飲料容器の上端に固定できるから、この蓋が飲料容器から誤って外れたり落ちたりすることを確実に防止できる。

請求項４記載の発明によれば、ベースプレートに対して鋭角に傾斜して閉塞部を配設したことにより、断面くさび状の収容空間が形成される。そして、この断面くさび状の収容空間によって煎じ出し部を収容した状態を維持できるとともに、この煎じ出し部を入れる際に支持できる。

請求項５記載の発明によれば、ベースプレートに対して傾斜して設けられ、煎じ出し部の把持部の一部を導くガイド面を具備するため、この傾斜したガイド面は、煎じ出し部をベースプレート内の第１の開口部を挿通させて収容空間に収容させた際に、この収容した状態を保持できる。このため、この煎じ出し部は、圧搾されて絞り出されるとともに、収容空間に保持される。

請求項６記載の発明によれば、ベースプレートとガイド面との間の角度は、ベースプレートと閉塞部との間の角度より大きい。

請求項７記載の発明によれば、収容空間の内部を斜めに延びるガイド面に沿って、第１の開口部および第２の開口部から煎じ出し部を引き出すことができる。このとき、ベースプレート内および閉塞部内の第１の開口部および第２の開口部が直線状に重なって配置され、煎じ出し部の比較的大きな部分が収容空間の内部に引き込まれるおそれがある。そこで、ベースプレートの第２の開口部が位置する側に対向する反対側に設けたことにより、煎じ出し部の把持部の一部を支持する支持台を、煎じ出し部がベースプレート内の第１の開口部が位置する側から最も離れた位置で蓋に固定できるから、このベースプレート内の第１の開口部によって煎じ出し部を確実に保持できる。

請求項８記載の発明によれば、縁部に設けられた飲み口を具備し、この飲み口を飲料容器の上部に蓋を取り付けた状態で、この飲料容器の内部空間に飲み口が連通するから、この飲み口によって、蓋を飲料容器から外さずに飲料容器の内容物を飲むことができる。

請求項９記載の発明によれば、第２の開口部が位置する側に対向する反対側に飲み口が設けられているから、この飲み口から内容物を飲む場合に、煎じ出し部の第２の開口部から突出した部分による不具合を防止できる。

請求項１０記載の発明によれば、請求項１ないし９いずれか記載の飲料容器用の蓋と煎じ出し部とを備えた煎じ出しユニットは、煎じ出し飲料を容易に作るために予め組み合わせることができる。さらに、煎じ出し液、特に紅茶用の湯を使い捨て飲料コップなどの飲料容器へ入れてから、ティーバッグなどの煎じ出し部が予め取り付けられた蓋を取り付けることによって、煎じ出し飲料を容易に作ることができる。この状態で、この煎じ出し飲料を消費者に渡すことができる。さらに、所定の時間が経過した後に、第２の開口部から突出した部分を引くことによって、煎じ出し部を煎じ出し液から取り出すことができるから、できたての煎じ出し飲料を味わうことができる。

以下、本発明の蓋の一実施の形態の構成を図１ないし図６を参照して説明する。

図１において、１は蓋で、この蓋１はベースプレート２および閉塞部３を有している。このベースプレート２と閉塞部３との間には、周囲を囲む側壁４にて側部が閉塞された収容空間５が形成されている。閉塞部３は、ベースプレート２に対して鋭角に傾斜して配設されている。

このベースプレート２の内部には、第１の開口部６が設けられている。この第１の開口部６は、角の部分が丸い略長方形状に形成されている。この第１の開口部６は、この第１の開口部６の短辺に沿って見た第１の方向において、ベースプレート２の中央に設けられている。さらに、この第１の開口部６は、この第１の開口部６の長辺に沿って見た第２の方向において、ベースプレート２の幅方向の略全体に亘って拡開している。

また、閉塞部３の領域、すなわちこの閉塞部３の下部と側壁４との間には、第２の開口部７が設けられている。この第２の開口部７は、略溝状に形成されており、閉塞部３に取り付けられている垂れ蓋状の延長部としての垂れ蓋13にて覆われている。

一方、蓋１は、周囲を囲う挟縁部８を有しており、この狭縁部８を用いて飲料容器の上部、好ましくは使い捨て飲料コップの上部に固定される。また、側壁４の外側、すなわちこの側壁４から挟縁部８に向う方向の領域内の蓋１の上方の縁部には、飲み口11が設けられている。また、ベースプレート２の所定の位置には、支持台10が設けられている。

さらに、閉塞部３は、側壁４の内部に段状に形成された支台縁12上に載置されている。

また、蓋１は、計２つの部品にて構成されており、一方の部品が分離された閉塞部３である。この蓋１の他方の部品は、プラスチックの深絞り成形にて一体的に製造されている。閉塞部３は、蓋１を取り付けるために支台縁12上に設置されている。ここで、この閉塞部３は、例えば接着または溶接などの所定の方法で支台縁12上に固定されている。

次いで、図７（ａ）ないし図７（ｃ）には、煎じ出しユニット20を用いた蓋１の使用方法が示されている。

まず、図７（ａ）は、煎じ出しユニット20の蓋１内への挿入方法を示している。ここで、この煎じ出しユニット20は、茶葉などの煎じ出し原料が中に入れられた袋部21を有している。この袋部21は、把持部22に取り付けられている。この把持部22は、好ましくは紙またはボール紙にて平板状に形成されている。袋部21は、この袋部21と把持部22との間の接続位置において、この把持部22の一部である摘み部23および支持部24のそれぞれに沿って延びて設けられている。

そして、煎じ出しユニット20を飲料容器内に入れるためには、摘み部23を用い、この摘み部23の下側を先行させて第１の開口部６を通過させて蓋１内に挿入させ、この摘み部23を第２の開口部７を通過させて突出させる。このとき、把持部22がガイド面９上を移動するので、摘み部23が確実に第２の開口部７を通過して移動する。そして、この図７（ａ）に示す第１の工程では、垂れ蓋13が折れ曲がっている。煎じ出しユニット20の移動方向は、図７（ａ）中の矢印で示されている。そして、把持部22の支持部24の全体が、第１の開口部６の第２の開口部７に対向する側の縁部に位置する場合に、把持部22の向きが変化して、支持部24の端部が支持台10の最も外側の端部上に設置される位置まで蓋１の収容空間５内に押し戻される。この第２の工程を図７（ｂ）に示し、この場合の煎じ出しユニット20の移動方向が矢印で示されている。このとき、この煎じ出しユニット20は、蓋１またはこの蓋１の内部に確実に固定されており、袋部21は、蓋１のベースプレート２の第１の開口部６から最も長く下方に突出している。すなわち、この袋部21は、例えば煎じ出しユニット20が取り付けられた蓋１を取り付けた使い捨て飲料コップ内の湯の中に挿入されて、煎じ出し飲料を作るために使用される。

この後、この煎じ出し飲料が作られた場合には、把持部22の摘み部23が摘まれて、この把持部22が図７（ｃ）に示す矢印の方向に第２の開口部７から引き出される。このとき、煎じ出しユニット20の袋部21が収容空間５の内部に引き込まれる。そして、この袋部21は、少なくとも一部が収容空間５内に設置される。この第３の工程では、袋部21が圧搾されて絞り出されるので、この袋部21の内部に保持されている煎じ出し飲料が、使い捨て飲料コップなどの飲料容器の内部へ戻される。特に、この袋部21は、摘み部23を引き上げた後、またはこの袋部21を収容空間５の内部に引き込んだ後の状態で、煎じ出し飲料と接触しなくなるため、例えば紅茶の場合に長く煎れ過ぎたり、紅茶から出る苦味の素が湯または煎じ出した液に多量に煎じ出たりすることを防止できる。

また、煎じ出しユニット20は、第２の開口部７から引き出された位置に最終的に固定される。そして、飲料容器の内部の煎じ出し飲料は、この煎じ出し飲料を煎じ出しユニット20の袋部21に接触させることなく飲み口11から飲むことができる。すなわち、この袋部21を煎じ出し飲料から取り出すために蓋１を取り外す必要がなく、この蓋１が飲料容器の上部に残るから、この飲料容器から煎じ出し飲料がこぼれたり早く冷めたりすることを防止できる。

この結果、この蓋１を用いて高品質である品質的に高価な紅茶にて煎じ出された煎じ出し飲料を作り、この煎じ出し飲料を使い捨て飲料コップに入れて持ち帰り販売で提供することが可能となる。

本発明の蓋の一実施の形態を示す斜視図である。 図１に示す蓋の平面図である。 図１および図２に示す蓋の断面図である。 閉塞部のない蓋を示す斜視図である。 閉塞部のない蓋を示す平面図である。 図５中の直線Ａ−Ａに沿った断面図である。 （ａ）ないし（ｃ）は、本発明の蓋の煎じ出しユニットの使用方法を示す断面図である。

符号の説明

１ 蓋
２ ベースプレート
３ 閉塞部
４ 側壁
５ 収容空間
６ 第１の開口部
７ 第２の開口部
８ 挟縁部
９ ガイド面
10 支持台
11 飲み口
12 支台縁
13 垂れ蓋
20 煎じ出しユニット
21 袋部
22 把持部
23 摘み部
24 支持部

Claims (10)

1. 煎じ出し飲料を入れる飲料容器用の蓋であって、
   ベースプレート（２）と、
   このベースプレート（２）から間隔を空けて設けられた閉塞部（３）と、
   前記ベースプレート（２）と閉塞部（３）との間の周囲を囲む側壁（４）にて側部が閉塞されて形成された収容空間（５）と、
   前記ベースプレート（２）の内部に設けられ、煎じ出し原料を入れた煎じ出し部（20）が挿通可能な第１の開口部（６）と、
   前記閉塞部（３）に設けられ、前記第１の開口部（６）より小さく、前記煎じ出し部（20）の少なくとも一部（23）が挿通可能な第２の開口部（７）とを具備し、
   前記収容空間（５）は、煎じ出し部（20）の少なくとも一部が収容可能である
   ことを特徴とした飲料容器用の蓋。
2. 第２の開口部（７）は、溝状に形成されている
   ことを特徴とした請求項１記載の飲料容器用の蓋。
3. 飲料容器の上端の周囲を囲んで、この飲料容器の上端に挟んで取り付けられる挟縁部（８）を具備した
   ことを特徴とする請求項１記載の飲料容器用の蓋。
4. 閉塞部（３）は、ベースプレート（２）に対して鋭角に傾斜して配設されている
   ことを特徴とした請求項１記載の飲料容器用の蓋。
5. ベースプレート（２）に対して傾斜して設けられ、煎じ出し部（20）の把持部（22）の一部を導くガイド面（９）を具備した
   ことを特徴とした請求項１記載の飲料容器用の蓋。
6. ベースプレート（２）とガイド面（９）との間の角度は、前記ベースプレート（２）と閉塞部（３）との間の角度より大きい
   ことを特徴とした請求項４または５記載の飲料容器用の蓋。
7. 第１の開口部（６）は、ベースプレート（２）の断面視略中央に設けられ、
   第２の開口部（７）は、閉塞部（３）の前記第１の開口部（６）が設けられている位置からずれた位置に設けられ、
   前記ベースプレート（２）の前記第２の開口部（７）が位置する側に対向する反対側には、煎じ出し部（20）の把持部（22）の一部（24）を支持する支持台（10）が設けられている
   ことを特徴とした請求項１記載の飲料容器用の蓋。
8. 縁部に設けられた飲み口（11）を具備し、
   この飲み口（11）は、飲料容器の上部に蓋（１）を取り付けた状態で、前記飲料容器の内部空間に連通する
   ことを特徴とした請求項１記載の飲料容器用の蓋。
9. 飲み口（11）は、第２の開口部（７）が位置する側に対向する反対側に設けられている
   ことを特徴とした請求項７または８記載の飲料容器用の蓋。
10. 請求項１ないし９いずれか記載の飲料容器用の蓋（１）と、
    茶葉が入れられた袋部を有し、前記蓋（１）およびこの蓋（１）の内側のいずれかに配設され、ベースプレート（２）の第１の開口部（６）から引き出される摘み部（23）とともに第２の開口部（７）を介して収容空間（５）から引き出される煎じ出し部（20）とを
    備えたことを特徴とした煎じ出しユニット。

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