JP2008528732A - 水素管理を改良した水素化処理方法 - Google Patents

水素管理を改良した水素化処理方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ナフサおよび留出物の原料油流れから硫黄を除去する改良された水素化処理プロセスに関する。この改良プロセスは、水素化処理域と、酸性ガス除去処理域と、プロセスに利用する水素の濃度を増大するための合計サイクル時間が約30秒未満の圧力スイング吸着処理域とを利用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナフサおよび留出物の原料油流れから硫黄を除去する改良された水素化処理方法に関する。この改良方法は、水素化処理域と、酸性ガス除去処理域と、プロセスに使用する水素の濃度を増大するための、合計サイクル時間が約1分未満の圧力スイング吸着処理域とを利用する。
水素化処理プロセスは、ナフサ、ケロシン、ディーゼル燃料、軽油、減圧軽油(VGO)および抜頭原油等の炭化水素のストリームから硫黄および窒素のようなヘテロ原子を除去するために製油所において用いられる。水素化処理の運転条件の厳しさは、ヘテロ原子の所要の低濃度に対して、所要の生成物の収率を均衡させるように選定される。米国および諸外国における規制圧力の増大の結果として、非常に硫黄濃度の低い炭化水素の生成物を形成するために、水素化処理プロセスがますます厳しくおよび/または選択的になる傾向がもたらされている。
水素化処理は、一般的に、炭化水素原料油を、水素化処理反応槽または処理域において、水素含有処理ガスが存在する中で、高温高圧の水素化処理条件の下で適切な水素化処理触媒と接触させることによって行われる。これによって、所要の硫黄濃度の生成物が生産される。運転条件および使用する水素化処理触媒が、結果として得られる水素化処理生成物の品質を左右することになる。
水素化処理された生成物中の未反応の水素を少なくとも一部分離して再循環し、新鮮な処理ガス(メークアップガスとしても知られる)および炭化水素原料と結合し得るようにすることは、従来から行われており、水素化処理および他の形式の水素処理法の当業者にはよく知られているところである。この分離は、例えば、水素化処理リアクターの下流側のフラッシュドラムまたは分離槽において行われる。再循環のストリームにおける水素の純度(濃度)の向上も望まれる。従って、当技術分野の目標は、水素利用効率の向上を、エネルギー消費をほとんど付加することなく、かつ、水素化処理機器のメンテナンスおよび運転に甚だしく有害な影響を及ぼすことなく実現することにあった。また、水素の利用効率を高めることによって、既存の機器を、原料油のスループットを増大させてより高い生成物の収率を得るように使用できることも認められてきた。水素の利用効率を高めることの更なる利点は、例えば水素プラントまたは低温装置によって用意しなければならないメークアップ水素の量の節減である。
処理すべき原料油の種類、生成物の品質要求、収率、および特定触媒のサイクル寿命に対する変換量が、水素化処理装置の運転に要求される水素分圧を決定し、装置の運転圧力および処理ガスの純度が、水素化処理装置の水素分圧を決定する。下流側の水素化処理装置セパレータまたはフラッシュドラムから出るフラッシュガスの成分の制御は限定されているので、再循環フラッシュガスの水素成分が、水素化処理装置リアクターに最終的に供給される水素分圧を制限する。再循環を用いると、再循環ガスのストリームにおける水素分圧が比較的低いので、リアクターに流入する水素ガス成分の分圧が実際上低下し、それによって、生成物の量および品質、触媒のサイクル寿命等に関して運転性能にマイナスの影響を及ぼす。この性能低下を補正するために、水素化処理リアクターの運転圧力を高めなければならないが、それは運転上の観点からは望ましくない場合がある。逆に、水素ガス回収率と水素濃度とを向上させることによって、再循環ガスのストリームの水素分圧が改善されるが、これは、これらのパラメータによって測定される水素化処理プロセス装置の全体的な性能を改善する結果をもたらす。
従来のいくつかの方法は、再循環ガスのストリームにおける水素濃度を増大することによって、水素化処理装置の水素利用効率の改善を試みることを提案してきた。このような方法は、一般的に、相当の追加的な機器コストをもたらし、および/または、温度および圧力のような運転条件のかなりの変更を必要とする。これは、通常、資本コストおよび運転コストの増大という結果を招く。
水素処理装置の再循環ストリームの水素純度を改善するために採用されてきた1つの方法は、従来型の圧力スイング吸着である。例えば1984年7月3日出願のルマス・クレスト社(Lummus Crest Inc.)への特許文献1を参照されたい。しかし、PSA装置を組み込むためには、リアクター流出ガスストリームの圧力を約2,500psig(175.8kg/cm)から約350psig(24.6kg/cm)に低下させなければならない。再循環水素ストリームの純度は約99モル%に高めることができるが、再循環されるガスのストリームは、水素処理法の原料ストリームに導入する前に2,500psig(175.8kg/cm)に戻すための圧縮操作にかけなければならない。これに伴う結果は、従来型PSA装置を用いる場合に必要になる大型コンプレッサーの追加による資本コスト、運転コストおよびメンテナンスコストの大幅な増大である。
マクリーン(MacLean)への特許文献2に記載される別の方法は、150気圧までの圧力降下を伴う膜を用いるが、これも大幅な資本投資と運転コストとの負担を強いるものである。
米国特許第4,457,384号明細書 米国特許第4,362,613号明細書 米国特許第6,607,584号明細書 米国特許第6,406,523号明細書 米国特許第6,451,095号明細書 米国特許第6,488,747号明細書 米国特許第6,533,846号明細書 米国特許第6,565,635号明細書 D.M.ラスヴェン(D.M.Ruthven)、S.ファルク(S.Farouq)およびK.S.クネーベル(K.S.Knaebel)著、『圧力スイング吸着(Pressure Swing Adsorption)』、VCH出版(VCH Publishers)、1994年 D.M.ラスヴェン(D.M.Ruthven)およびC.セーロン(C.Thaeron)著「平行通路吸収剤接触器の性能(Performance of a Parallel Passage Absorbent Contactor)」、『分離および精製技術(Separation and Purification Technology)』誌、第12巻(1997年)、43−60頁
従って、既存の水素化処理装置と適合する手段によって、水素の利用効率を高めるための改良方法に対する要求が存在する。この方法は、水素化処理装置のスループットと、資本費用および運転費用とを含むシステムの全体的な経済性に負の影響を与えないことが望まれる。後者の運転費用にはメンテナンス並びにエネルギー消費が含まれる。
換言すれば、種々の水素化処理方法が商業的に実用化されているが、より効率的に、かつ更に高いリアクタースループットを実現するように稼動させ得る改良された水素化処理方法に対する要求が、当分野にはなお存在している。
本発明は、1つの実施態様において、炭化水素原料から硫黄および他のへテロ原子を除去するための方法であって、
a)炭化水素原料を、水素化処理域において、水素化処理条件の下で水素および触媒的に有効な量の水素化処理触媒と接触させ、それによって、液相と、水素および軽質の炭化水素を含む蒸気相とからなる水素化処理生成物を得る工程と、
b)水素化処理生成物から、液相および蒸気相を分離する工程と、
c)急速サイクル圧力スイング吸着装置において蒸気相から軽質の炭化水素を除去して、蒸気相よりも高い水素の容積%濃度を有する精製再循環ガスを生成する工程であり、この急速サイクル圧力スイング吸着装置は、複数の吸着剤床を含み、約30秒未満の合計サイクル時間と、床厚さ1フィート当たり約5インチ水頭より大きい各吸着剤床内の圧力降下とを有する工程と、
d)精製再循環ガスの少なくとも一部を水素化処理域に再循環する工程と、
を含む方法を含む。
別の実施態様においては、急速サイクル圧力スイング吸着装置において、水素を含有するメークアップガスから軽質の炭化水素を除去して、水素含有メークアップガスよりも高い水素の容積%濃度を有する精製メークアップガスを生成し、水素化処理域において利用される水素を、精製メークアップガスの少なくとも一部から構成する。この急速サイクル圧力スイング吸着装置は、複数の吸着剤床を含み、約30秒未満の合計サイクル時間と、床厚さ1フィート当たり約5インチ水頭より大きい各吸着剤床内の圧力降下とを有する。
更に別の実施態様において、本発明は、炭化水素原料から硫黄および他のへテロ原子を除去するための方法であって、
a)炭化水素原料を、水素化処理域において、水素化処理条件の下で水素および触媒的に有効な量の水素化処理触媒と接触させ、それによって、液相と、水素、硫化水素および軽質の炭化水素を含む蒸気相とからなる水素化処理生成物を得る工程であり、
水素の少なくとも一部が、急速サイクル圧力スイング吸着装置において水素含有メークアップガスから軽質の炭化水素を除去することによって生成される精製メークアップガスであり、この急速サイクル圧力スイング吸着装置は、複数の吸着剤床を含み、約30秒未満の合計サイクル時間と、床厚さ1フィート当たり約5インチ水頭より大きい各吸着剤床内の圧力降下とを有し、かつ
精製メークアップガスが水素含有メークアップガスよりも高い水素の容積%濃度を有する工程と、
b)水素化処理生成物から、液相および蒸気相を分離する工程と、
c)蒸気相の少なくとも一部を水素化処理域に再循環する工程と、
を含む方法を含む。
1つの好ましい実施態様においては、急速サイクル圧力スイング吸着プロセスの合計サイクル時間が約10秒未満であり、圧力降下が吸着剤床厚さ1フィート当たり約10インチ水頭より大きい。
更に別の好ましい実施態様においては、急速サイクル圧力スイング吸着プロセスの合計サイクル時間が約5秒未満であり、圧力降下が吸着剤床厚さ1フィート当たり約20インチ水頭より大きい。
更に別の好ましい実施態様においては、水素化処理触媒が、コバルト、ニッケル、タングステン、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトおよびモレキュラーシーブの内の少なくとも1つを含む。
1つの実施態様においては、炭化水素原料を水素化処理する方法が提供される。炭化水素原料の非限定的な例として、ナフサおよび/または留出物沸点範囲の炭化水素原料が含まれる。このようなナフサの原料油流れの非限定的例は、常圧において約50°F〜約450°F(約10〜約232℃)の沸点範囲の成分を含むものである。ナフサ原料油は、一般的に、流動接触分解装置ナフサ(FCC接触分解ナフサ)、コーカーナフサ、水素化分解装置ナフサ、残油水素化処理装置ナフサ、脱ブタン化天然ガソリン(DNG)、およびナフサ沸点範囲のストリームを生成し得る他の原料源からのガソリンブレンド成分のような1種類以上の分解ナフサを含む。他の実施態様においては、原料油流れを、約300〜約500°F(約149〜約260℃)の沸点範囲のケロシンおよびジェット燃料留分から構成することができる。更に別の実施態様においては、約450〜約800°F(約232〜約427℃)の沸点範囲の留出物原料油流れ、例えば、常圧軽油、減圧軽油、脱歴減圧および常圧残留物、マイルド分解残留油、コーカー留出物、直留留出物、溶剤脱歴油、熱分解派生油、高沸点合成油、サイクルオイルおよびキャットクラッカー留出物を水素化処理できる。好ましい水素化処理の原料油は、少なくとも50重量%の成分の沸点範囲、更に通常は少なくとも75重量%の成分の沸点範囲が約600°F(316℃)と1000°F(538℃)との間にある軽油または他の炭化水素留分である。「炭化水素原料」という用語は、製油所、化学プラントまたは他の工業プラントの、炭化水素からなる1つ以上のストリームを包含する。この場合、このストリームは、例えば硫黄、水、アンモニアおよび金属のような、但しこれには限定されない非炭化水素の汚染物質が低濃度(5重量%未満)で炭化水素原料中に存在する可能性があるストリームを含む。
添付の図1は、急速サイクル圧力スイング吸着(Rapid Cycle Pressure Swing Adsorption:「RCPSA」)が、単段の水素化処理装置の水素含有再循環ガスのストリームに用いられる実施態様を示す。処理される炭化水素原料は、ライン10を経由して水素化処理リアクターHTに導かれ、そのリアクターにおいて、ライン120からの精製再循環ガスストリーム、ライン110からの水素含有メークアップガスおよび水素化処理触媒と水素化処理条件において接触する。ここで用いる「水素化処理」という用語は、主として硫黄および窒素のようなヘテロ原子の除去と芳香族のある程度の水素化とに対して活性を有する適切な触媒の存在の下で、水素含有処理ガスを使用するプロセスを言う。適切な水素化処理触媒は、選択された原料を触媒転化条件の下で触媒水素化処理するに有効な触媒であり、アルミナ、シリカその他同類のような高表面積の担体材料上に担持された、少なくとも1つの第VIII族の金属、好ましくは鉄、コバルトおよびニッケル、更に好ましくはコバルトおよび/またはニッケルと、少なくとも1つの第VI族の金属、好ましくはモリブデンおよびタングステンとからなる触媒が含まれる。選択される原料に応じて、ゼオライト含有触媒、並びに、パラジウムおよび白金から選択される貴金属を含む貴金属含有触媒が適している。1つの実施態様においては、単一の反応槽の中で1種類以上の水素化処理触媒が用いられる。第VIII族の金属は、通常、約2〜約20重量%、好ましくは約4〜約12重量%の範囲の量で存在する。第VI族の金属は、通常は約1〜約25重量%、好ましくは約2〜約25重量%の範囲の量で存在することになろう。水素化処理触媒材料の非限定的な例として、コバルト、ニッケル、モリブデン、白金、タングステン、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、またはモレキュラーシーブがある。
前記のように、典型的な水素化処理温度は約400°F(204℃)〜約900°F(482℃)の範囲であり、圧力は、約500〜約2500psig(約3.5〜約17.3MPa)、好ましくは約500〜約2000psig(約3.5〜約13.8MPa)であり、原料油流れの液空間速度は約0.1hr−1〜約10hr−1である。
水素化処理リアクターHTから流出する水素化処理装置生成流出物20は、分離処理域Sに導かれ、好ましくは約300(149℃)〜約800°F(426℃)の温度で操作されて、水素、硫化水素および軽質の炭化水素化合物を含む第1の蒸気相のストリームと、原料油流れよりも硫黄の含有濃度が大幅に低い液相の生成物ストリームとを生成する。液相の生成物ストリームはライン70を経由して集められる。「軽質の炭化水素」という用語は、重量において約1〜約5個の炭素原子の炭化水素化合物(即ちC〜C重量炭化水素化合物)からなる炭化水素の混合体を意味する。第1の蒸気相ストリームは、ライン30を経由して酸性ガス洗浄処理域ASに導かれ、硫化水素のようなヘテロ原子の化学種の濃度を低減して洗浄された蒸気ストリームを生成する。この洗浄された蒸気ストリームは、一般的に、約40容積%〜約80容積%の水素を含み、その残りは主として軽質の炭化水素である。酸性ガス洗浄処理域ASにおいては、蒸気ストリームから酸性ガス好ましくは硫化水素を所要レベルで吸収し得る任意の適切な塩基性溶液を用いることができる。このような塩基性溶液の非限定的な例は、アミン、好ましくはジエタノールアミン、モノエタノールアミンその他同類のものである。ジエタノールアミンがより好ましい。硫化水素の少なくとも一部、好ましくはほぼすべてを吸収したHSリッチな洗浄溶液は、ライン40を経由して再生処理域REGに導かれ、そこで、硫化水素のほぼすべてが、ストリッピング媒体好ましくは水蒸気によって溶液から放散除去される。HSリッチなストリームはライン50を経由して再生装置REGから流出し、通例はクラウス(Claus)プラントのような硫黄回収プラントに送られることになる。HSリーンな洗浄溶液は、ライン60を経由して酸性ガス洗浄処理域ASに再循環される。
洗浄されて得られた、いまや硫化水素をほとんど含まない蒸気ストリームは、酸性ガス洗浄処理域ASから、ライン80を経由して急速サイクル圧力スイング吸着装置(RCPSA)に導かれ、そのRCPSA装置において軽質の炭化水素が除去される。RCPSAの設計に応じて、CO、水およびアンモニアのような、但しこれには限定されない他の汚染物質をも原料から除去できる。洗浄された蒸気ストリームの一部は、もし望ましければ、ライン90を経由してRCPSA装置をバイパスさせてもよい。
軽質の炭化水素および汚染物質からなるテールガスのストリームはライン100を経由してRCPSA処理域から排除される。生成される精製再循環ガスのストリーム120は、RCPSA装置に流入する洗浄された蒸気ストリームよりも容積ベースで高濃度の水素を含んでいる。即ち、この適用例においては、RCPSAから流出する精製再循環ガスストリームの水素含有量を、RCPSAへの流入ストリームよりも、容積%で、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、更に好ましくは少なくとも30%高くすることができる。精製再循環ガスのストリームは、ライン90を経由してRCPSA装置を選択的にバイパスした洗浄蒸気ストリームの任意の部分と合流させることができる。精製再循環ガスのストリームは、更に、ライン110を経由して流入する水素含有メークアップガスおよびライン10から流入する炭化水素原料と合流して、水素化処理リアクターHTに導入するために結合される。
添付の図2は、RCPSAが、単段の水素化処理装置の水素含有メークアップガスストリームにおいて適用される別の実施態様を示す。この場合は、水素含有メークアップストリームが、その水素濃度を増大させるため、および/または、特定の汚染物質を除去するために、RCPSA装置において処理される。RCPSA装置の流入側に導かれる水素含有メークアップストリームは、製油所の外側から、或いは、水素を副生品としてまたは主生成物として発生する製油所内部の1つ以上のプロセス装置から導くことができる。このようなプロセス装置の非限定的な例として改質装置または水素プラントがある。図2のすべての要素は図1と同じ機能を有するが、図2においては、RCPSA装置が、図1のように酸性ガス洗浄処理域ASの下流側の再循環ストリームに設けられていない点が異なっている。その代わりに、図2の実施態様に示すように、洗浄された蒸気ストリーム80は戻されて、ライン130からの水素含有精製メークアップガスストリームと、ライン10から流入する炭化水素原料とに結合される。
図2について続けると、流入する水素含有メークアップストリーム110は急速サイクル圧力スイング吸着装置(RCPSA)を通過し、この装置において軽質の炭化水素および汚染物質がライン100から除去される。生成された精製メークアップガスストリーム130は、RCPSA装置の流入側に流入する水素含有メークアップストリームよりも高い水素濃度を有するであろう。即ち、RCPSAから流出する精製メークアップガスストリームの水素含有量は、RCPSAの流入側への水素含有メークアップストリームよりも、容積%で、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%高くすることができる。しかし、水素純度の増大は、処理されるストリームの純度に依存していることに留意しなければならない。多くの水素含有メークアップガスシステムは、多くの場合高い水素純度を有しており、80〜95容積%の高純度であることが多い。従って、メークアップガスのRCPSA処理は、高い水素純度が必要な場合に、水素純度における増大が10%未満である場合に有利になる可能性がある。もし望ましい場合は、流入する水素含有メークアップストリームの一部を、RCPSA装置をバイパスさせて、ライン140を経由して水素化処理装置HTに直接導くことも可能である。
別の実施態様においては、単段の水素化処理装置に2つのRCPSA装置が設けられる。この場合、1つのRCPSA装置が、図1にRCPSAとして示すように、水素化処理装置の再循環ガスストリーム(即ち洗浄された蒸気ストリーム)の少なくとも一部を精製するように設けられ、1つのRCPSA装置が、図2にRCPSAとして示すように、水素化処理装置に流入する水素含有メークアップガスを精製するように設けられる。更に別の実施態様においては、RCPSAを2段式の水素化処理装置に適用することができる。この実施態様においては、RCPSA装置を、第1段の水素化処理リアクターへの水素含有メークアップガスストリーム、または、第2段の水素化処理リアクターへの水素含有メークアップガスストリーム、または、第1段の水素化処理リアクターに再循環される洗浄された蒸気ストリーム、または、第2段の水素化処理リアクターに再循環される洗浄された蒸気ストリームに配置することができる。他の実施態様においては、これら4つのストリームを任意に組合せて、ストリームの純度および水素濃度の必要度並びに経済性に応じて、RCPSAプロセスにかけることができる。
従来型圧力スイング吸着(「従来型PSA」)においては、ガスの混合体が、加圧されて、一定時間固体収着剤の第1床の上に導かれる。この固体収着剤は、通常、ガスストリームから除去されるべき汚染物質と見做される1種類以上の成分に対して選択的または相対的に選択的である。2種類以上の汚染物質を同時に除去することも可能であるが、便宜上、除去されるべき1つの成分または複数の成分を、単に単数で汚染物質と呼称する。ガスの混合体は、第1槽内の第1吸着床の上を通過し、汚染物質が吸着床に収着され、その濃度が激減して吸着床から出て行く。所定時間の後、或いは代替的に汚染物質の破過が観測されると、ガスの混合体の流れは、精製継続のため第2槽内の第2の吸着床に切り換えられる。第2床が吸着運転されている間、第1吸着床から、収着された汚染物質が、減圧することによって除去される。この減圧操作は、通常、汚染物質を脱着するためにガスの逆の流れを伴う。槽内の圧力が減少するにつれて、吸着床上に先に吸着された汚染物質はテールガス装置の中に漸次脱着されていく。このテールガス装置は、下流側の装置に対する圧力変動を最小化するように設計された制御システムと共に、大型のテールガスドラムを含んでいる。汚染物質は、何らかの適切な方法でテールガス装置から集めて、更に処理または的確に処分できる。脱着が完了すると収着剤床を、不活性ガスのストリーム、例えば窒素またはプロセスガスの精製ストリームでパージするとよい。高温度のパージガスストリームを用いると、パージが簡単になる。
例えば第2床において破過が生じた後、かつ、第1床が再生されて吸着運転の準備がなされた後、ガスの混合体の流れは第2床から第1床に切り換えられ、第2床が再生される。合計サイクル時間は、ガスの混合体が最初に第1サイクルにおいて第1床に導かれる時点から、その直後に続くサイクルにおいて、即ち第1床のただ1回の再生後に、ガスの混合体が最初に第1床に導かれる時点までの時間の長さである。第2槽に加えて、第3、第4、第5等の槽を用いることは、吸着時間は短いが脱着時間は長い場合に必要になることがあるが、これは、サイクル時間を延ばすのに役立つことになろう。
従って、1つの形態においては、圧力スイングサイクルは、供給工程と、少なくとも1回の減圧工程と、パージ工程と、供給工程再導入用として吸着剤材料を準備する最終的な再加圧工程とを含む。汚染物質の収着は、一般的には、汚染物質に対する親和力を有する多孔性の固体、例えば、通常、活性炭、アルミナ、シリカまたはシリカ−アルミナのような固体である収着剤の表面への物理的な収着によって行われる。ゼオライトは、その細孔寸法が制御され、予測可能であるという理由から特定の汚染物質に対する高度の選択性を呈することがあるので、多くの用途に用いられる頻度が高い。一般的には、収着剤との化学反応は、収着剤に化学的に結合されるに至った化学種の脱着の実現が困難になるという点から好ましくないとされるが、サイクルの脱着工程の間に、収着された材料を、例えば減圧と組み合わせて高温を用いることによって効率的に脱着させることができれば、化学収着も決して排除されるべきではない。圧力スイング吸着処理法については非特許文献1に一層完全に記述されている。
従来型PSA法は、さまざまな理由から重大な固有の短所を有している。例えば、従来型PSA装置は、建設および運転のコストが高く、RCPSAに比べて、水素含有ガスストリームから回収する必要がある同じ量の水素に対して装置が著しく大型になる。また、従来型の圧力スイング吸着装置のサイクル時間は、一般的には、1分を超える、通常は2〜4分を超えるであろう。これは、従来型PSAに用いられる大型の吸着床と、装置の機器の形態と、用いられるバルブ装置とを通過して、成分が拡散し得るに必要な時間に限界があるためである。これに対して、本発明においては、合計サイクル時間が1分未満の急速サイクル圧力スイング吸着を利用する。RCPSAの合計サイクル時間は、30秒未満、好ましくは15秒未満、更に好ましくは10秒未満、更には5秒未満、更に一層好ましくは2秒未満にすることができる。これに加えて、急速サイクル圧力スイング吸着装置においては、モノリスの如き構造化された材料のような、但しこれには限定されない、実質的に異なる収着剤の使用が可能である。
従来型PSAまたはRCPSAのいずれにしても、吸着過程の総括的な吸着速度は、ガス相における物質移動速度定数(τg)と、固体相における物質移動速度定数(τs)とによって規定される。材料の材料物質移動速度は吸着剤、被吸着化合物、圧力および温度に依存している。ガス相における物質移動速度定数は、次式、即ち、
τ=D/R (単位:cm/sec) (1)
として定義される。式中、Dgはガス相における拡散係数であり、Rはガス媒体の特性寸法である。この場合、ガス相におけるガス拡散、即ちDは、当分野ではよく知られている(即ち従来の値を使用できる)。ガス媒体の特性寸法のRは、構造化された吸着剤材料の2つの層間の流路の幅として定義される。
材料の固体相における物質移動速度定数は、次式、即ち、
τ=D/R (単位:cm/sec) (2)
として定義される。式中、Dは固体相における拡散係数であり、Rは固体媒体の特性寸法である。この場合、固体相におけるガス拡散係数、即ちDは、当分野ではよく知られている(即ち従来の値を使用できる)。固体媒体の特性寸法のRは、吸着剤層の幅として定義される。
参照により援用される非特許文献2は、モノリスまたは構造化された吸着剤を通過する流れに対しては、流路の幅が、ガス媒体に対する良い特性寸法Rであることを明らかにしている。モロー(Moreau)らへの特許文献3も、これらの移動速度および与えられた吸着剤に対する関連係数の計算に関する詳細と、従来型PSAに用いられる試験標準の構成とを述べている。この特許文献3の内容はこの参照によって本出願に援用される。これらの物質移動速度定数の計算は当業者にはよく知られているところであり、当業者は、標準的な試験データからこれらの計算を導くことも可能であろう。
従来型PSAは、粒子状吸着剤の吸着剤床を用いることに依拠している。更に、構造上の制約から、従来型PSAは、通常、循環使用される2つ以上の別個の吸着剤床から構成される。その結果、処理されるプロセス流れにおける中断またはサージ現象を抑えるために、いかなる時点においても、少なくとも1つ以上の吸着剤床が、完全に或いは少なくとも部分的にサイクルの供給工程の状態に置かれる。しかし、従来型PSAの機器が相対的に大型であるので、吸着剤材料の粒子径は約1mm以上の粒子径に一般的に制限される。そうしなければ、過度の圧力降下、サイクル時間の増大、脱着の制限、および供給材料のチャネリングに見舞われるであろう。
1つの実施態様においては、RCPSAは、回転式収着器モジュールを通してガスの流れを導くために回転式バルブ開閉システムを用いる。この回転式収着器モジュールは、複数個の個別の吸着剤床区画室または「チューブ」を含んでおり、その各区画室またはチューブは、回転モジュールが操作サイクルを進行するにつれて、順次連続的に収着工程と脱着工程との間を循環する。回転式収着器モジュールは、通常、この回転式収着器モジュールの両端部における2枚のシールプレート間に保持される複数個のチューブから構成される。この場合、このシールプレートは、別個のマニホルドから構成されるステータと接触しており、このステータにおいて、流入ガスがRCPSAチューブに導かれ、処理された精製生成ガスおよびRCPSAチューブを出るテールガスが、回転式収着器モジュールから導出される。シールプレートおよびマニホルドを適切に配置することによって、いかなる時点においても、いくつかの個々の区画室またはチューブが全サイクルの特有の工程を通過することができる。従来型PSAとは対照的に、RCPSAの収着/脱着サイクルに必要な流量および圧力の変動は、1サイクル当たり数秒程度の複数の個別の増分として変化する。これは、圧縮機械およびバルブ開閉機構に掛かる圧力および流量のパルスを平準化する。この形式の場合、RCPSAモジュールは、回転する収着モジュールが辿る円形の経路の回りに角度間隔をもって配置されるバルブ開閉要素を含む。これによって、全RCPSAサイクルにおいて圧力/流れ方向を漸増させる工程の1つを実現するために、各区画室が、適切な方向および圧力のガス流れの通路に順次導かれる。RCPSA技術の1つの重要な利点は吸着剤材料のきわめて効率的な使用である。RCPSA技術に必要とされる吸着剤量は、同じ分離の量および質を達成するために従来型PSA技術に必要とされる量の1部分に過ぎない。その結果、RCPSAに必要な設置面積、投資額および活性吸着剤の量は、等量のガスを処理する従来型PSA装置の場合よりも大幅に低くなる。
別の実施態様においては、RCPSA床の単位厚さ当たりの圧力降下、必要な吸着活性度および機械的な制約(RCPSAにおける回転床の遠心加速度に基づく)によって、従来型PSAの多くの吸着剤床材料、特に、緩やかにペレット化された形態、粒子形態、ビード形態、或いは押出し材形態の吸着剤の使用が妨げられる。好ましい実施態様においては、吸着剤材料は、RCPSAの回転装置に用いるために、担体となる基礎構造材料に固定される。例えば、回転RCPSA装置の1つの実施態様は、構造化された補強材料に結合された吸着剤材料を含む吸着剤シートの形にすることができる。吸着剤材料を補強材料に付着させるために適切な結合剤を用いてもよい。補強材料の非限定的な例として、モノリス、鉱物性繊維の基材(ガラス繊維基材のような)、金属ワイヤの基材(ワイヤメッシュスクリーンのような)、或いはアノード処理できる金属箔(アルミニウム箔のような)がある。ガラス繊維基材の例には、織物のガラス繊維スクリム、および不織形態のガラス繊維スクリムが含まれる。吸着剤シートは、結合剤の成分を含むゼオライト結晶のような適切な吸着剤成分のスラリを、補強材料、つまり不織ガラス繊維スクリム、金属の織物、およびエキスパンドアルミニウム箔の上に被覆することによって作ることができる。特別な実施態様においては、吸着剤のシートまたは材料をセラミック担体の上に被覆する。
RCPSA装置における吸収器は、通常、1つ以上の吸着剤材料から形成される吸着剤の固体相と、分離処理されるガスが吸収器の入り側から出側に流れる透過性のガス相とを含む。この場合、ストリームから除去したい成分の大部分が吸着剤の固体相の表面上に吸着される。このガス相は「循環ガス相」と呼称してもよいが、より簡単に「ガス相」と言う。固体相は網状組織の細孔を含み、その平均寸法は通常約0.02μmと20μmとの間にある。「マイクロポア」と呼ばれる更に小さい網状組織の細孔もある。これは、例えばマイクロポア状の炭素吸着剤またはゼオライトにおいて出現する。この固体相は、非吸着剤の担体の上に沈積させることができる。この担体の主要な機能は、活性吸着剤の材料に機械的な強度および/または熱伝導機能を付与すること、或いは、熱を貯留することである。吸着現象は2つの主要な工程を含む。即ち、被吸着物質が循環ガス相から固体相の表面上に移動する工程と、それに続いて被吸着物質が、その表面から固体相の容積に、つまり吸着部位に移動する工程とである。
別の実施態様においては、RCPSAが、RCPSA装置に用いられるチューブに組み込まれる構造化された吸着剤を利用する。構造化された吸着剤においては、構造化された吸着剤シートが形成する流路を通ってガスが流れるので、予期しないほど高い物質移動速度が実現される。このことは、従来型PSAに用いられるような伝統方式の充填固定床配置に比べて、物質移動における大幅な改善を提供する。本発明におけるガス相の物質移動速度(τ)と固体相の物質移動速度(τ)との比は、10より大きく、好ましくは25より大きく、更に好ましくは50より大きい。このように異常に高い物質移動速度比によって、RCPSAが、従来型PSAの機器のサイズ、吸着剤の容積およびコストの1部分のみを用いて、高い回収率で高純度の水素ストリームを生成することが可能になる。
構造化された吸着剤の実施態様は、また、従来型PSAよりも、吸着剤を通過する著しく大きな圧力降下を、粒子床技術に関連する有害な影響なしに実現する結果をもたらす。吸着剤床は、吸着剤床の単位厚さ当たりの圧力降下が、吸着剤床厚さ1フィート当たり5インチ水頭より大きく、更に好ましくは10in.HO/ftより大きく、更に一層好ましくは20in.HO/ftより大きくなるように設計できる。これは、吸着剤床の単位厚さ当たりの圧力降下が、使用吸着剤に応じて一般的に5in.HO/ft以下に制限される従来型PSAと対照的である。大抵の従来型PSA装置は、大きな吸着剤床と、長いサイクル時間と、従来型PSA装置の粒子状吸着剤とに関連する前記の問題点を最小化するために、約1in.HO/ft以下の圧力降下で設計されている。従来型PSAの吸着剤床は、吸着剤床流動化のリスクがあるために、更に高い圧力降下を担うことは不可能である。吸着剤床の流動化が生起すると、過度の摩耗損失と、付随する機器問題および/または失われた吸着剤材料の補充または置換の必要性による装置の早すぎる停止という結果に至る。このように顕著に高い吸着剤床の単位厚さ当たりの圧力降下によって、RCPSA吸着剤床は、従来型PSA装置に用いられる吸着剤床よりも、大幅に小型化し、短縮され、かつ効率的になる。
1つの実施態様においては、高い単位厚さ当たりの圧力降下によって、構造化された吸着剤床を横切る高い蒸気速度が実現される。この結果、プロセス流体と吸着剤材料との間の単位時間における物質接触率が、従来型PSAが達成し得るものよりも大きくなり、これによって、吸着剤床の厚さを短縮でき、ガス相の物質移動速度(τ)が高まり、水素の回収率が改善される。このように吸着剤床の厚さが大幅に短縮されることによって、本発明のRCPSA適用の場合の全圧力降下を、約0.5〜50psig、好ましくは30psig未満という供給サイクルの間の全吸着剤床差圧に維持することができる。これは、活性吸着剤床の厚さを、通常は5フィート厚さ未満、好ましくは2フィート厚さ未満、更には1フィート厚さ未満の短さにまで最小化することに並行して実現される。
RCPSAプロセスにおいて用いられる絶対的な圧力レベルは重要ではない。但しこれは、実際には、吸着工程と脱着工程との間の圧力差が、吸着剤に対する被吸着物質フラクションの負荷における変化を惹起するのに十分であり、それによって、RCPSA装置で処理されるストリーム成分の分離に有効なデルタ負荷が提供されるという条件がある場合である。一般的な絶対操作圧力のレベルは約50〜2500psiaの範囲である。しかし、供給、減圧、パージおよび再加圧の各段階において用いられる実際の圧力は多くの因子に大きく依存していることに留意するべきである。この因子には、分離処理されるべき全体ストリームの実際の運転圧力および温度と、ストリームの組成と、RCPSA生成ストリームの所定の回収率および純度とが含まれるが、これに限定されるわけではない。RCPSAプロセスは、いかなる絶対圧力にも特定的に限定されることはないが、そのサイズが小型であるために、より高い運転圧力において従来型PSAよりも経済性が増大する。特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8がRCPSA技術の種々の態様を開示しているが、これらの内容は、この参照によって本出願に援用される。
1つの実施態様および実施例においては、急速サイクル圧力スイングシステムが、原料ガスを生成ガス(この場合水素リッチなストリーム)とテール(排気)ガスとに分離するための合計サイクル時間tTOTを有する。この方法は、一般的に、F%の水素純度を有する原料ガスをテールガスを選択的に吸着する吸着剤床に導いて水素生成ガスを吸着剤床から送り出す、時間tの工程を含む。ここで、Fは、原料ガスにおける弱吸着可能成分(水素)の百分率であり、水素生成ガスはP%の純度とR%の回収率とを有する。回収率R%は、生成物中に保留された水素の量と、原料中の利用可能な水素の量との比である。続いて、吸着剤床は、時間tCOの間、並行流で減圧され、その後、時間tCNの間、向流で減圧され、被脱着材料(テールガスまたは排気ガス)は1psig以上の圧力で吸着剤床から放出される。更に、吸着剤床は、時間tの間、通常は水素生成ガスの一部でパージされ、引き続いて、時間tRPの間、通常は水素生成ガスまたは原料ガスの一部で再加圧される。サイクル時間tTOTは個別のサイクル時間の合計に等しく、即ち、
TOT=t+tCO+tCN+t+tRP (3)
である。
この実施態様は、生成物純度対原料純度比P%/F%>1.1の場合、回収率R%>80%、或いは、生成物純度対原料純度比0<P%/F%<1.1の場合、回収率R%>90%のいずれかとなるようなRCPSAプロセスを包含するが、これに限定されるわけではない。この高い回収率および純度範囲を支持する結果は、以下の実施例4〜10に見ることができる。他の実施態様は、水素回収率が80%より相当に低いプロセスにおけるRCPSAの適用を含むであろう。RCPSAの実施態様は、何らかの特定の回収率または純度の限界値を超えるものに限定されるわけではなく、特別な用途において、所要の、或いは経済的に正当化し得るような低い回収率および/または純度においても適用可能である。
上記の式(3)の工程tCO、tCNまたはtを、一括して、或いは任意の個々の組み合わせにおいて省略できることも本発明の範囲内であること注記しておかなければならない。しかし、上記の式(3)の全工程が実行されること、或いは、tCOまたはtCNのいずれかのみが全サイクルから省略されることが望ましい。しかし、水素の純度および回収率の強化を支援するために、RCPSAのサイクルの範囲内に付加的な工程を付け加えることも可能である。このような強化は、吸着剤の僅かな一部しか必要なく、しかも従来型PSAを適用する場合に用いられる多数の定置バルブが取り除かれるという理由から、RCPSAにおいて実際に実現することができた。
1つの実施態様においては、テールガスを、テールガス圧縮装置を具備しない他の装置に供給し得るような十分高い圧力で排出することも好ましい。更に好ましくはテールガスの圧力を60psig以上とする。最も好ましい実施態様においては、テールガス圧力は80psig以上である。圧力が高いと、テールガスを燃料ヘッダーに導くことができる。
本発明を実行すると、次のような利点が得られる。
(i)メークアップガスとして利用し得る水素含有ストリーム、または、適正なメークアップガスにするにはより高純度に精製しなければならないストリームの純度の増大。
(ii)水素含有再循環ガスのストリームの純度の増大。これは、水素化処理リアクターにおける全体的な水素処理ガスの純度の増大をもたらし、水素化処理条件のより厳格化または付加的な生成物処理を可能にする。
(iii)水素処理パージガスからH回収するための利用。これは、かなりの濃度のHSが存在する場合(ガス洗浄前)またはガス洗浄後(通常<100vppmHS)のいずれにおいても可能である。
水素処理法においては、H純度の増大は水素処理リアクターにおけるH分圧の上昇を意味する。これは、反応の動力学を高めると共に触媒失活の速度を低減する。高いH分圧の利点はさまざまな形で活用できるが、それには次のようなものがある。
低いリアクター温度における運転。これは、エネルギーコストを低下させ、触媒の失活を低減し、触媒寿命を延長する。
原料供給流量の増大。
よりサワーな(高硫黄)原料油の処理。
より高濃度の分解原料油の処理。
特に処理終期近くの生成物の色調の改善。
既存のコンプレッサーおよび/または処理ガス回路の処理容量障害排除(一定の全流量におけるHscfの増大または低全流量における同一Hscf)。
当業者には明白であるようなその他の手段。
回収率の増大も重要な潜在的利点を提供する。そのいくつかは次のとおりである。
(i)製油所における購入H、製造Hまたは他のH源に対する要求量の低減。
(ii)水素回収量増大の結果としての、一定(既存)のメークアップガス要求量における水素処理原料供給流量の増大。
(iii)へテロ原子除去効率を増大するための水素処理における水素純度の改善。
(iv)製油所の燃料ガスからのHの一部の除去。水素は、そのBTU値が低いためにいくつかの炉のバーナにおける燃焼容量の限界および燃焼の困難さをもたらす可能性があり、燃料ガスに対して有害である。
(v)当業者には明白であるような他の利点。
以下の実施例は、あくまで例示目的のために提示するものであり、決して限定的なものとして引用されるべきではない。
実施例1〜3は、急速サイクル圧力スイング吸着(RCPSA)を用いて水素化処理装置の再循環ガスストリームの一部を処理することによって得られる水素純度の改善の利点を示す。急速サイクル圧力スイング吸着装置を使用しない「基本ケース」の水素化処理運転を用いて、続く以下のケースによって、水素化処理プロセスと連結したRCPSAの利点のいくつかの例を示す。実施例1〜3においては、処理ガス(再循環ガス)流量=30.0Mscf/D、RCPSA原料供給流量=6.0Mscf/D、H回収率=95%、およびRCPSAのH生成物純度=95%である。
実施例1
この実施例においては、RCPSAを用いて、6.0Mscf/Dの再循環ガス(全再循環ストリームの容積流量の約1/5)を処理する。RCPSAの性能は95%のH回収率と想定され、生成物におけるH純度は95%と想定される。RCPSAの排気ストリームは、再循環ガスループから軽質留分の不純物を除去しており、従来型の水素化処理パージストリームは、0.3Mscf/DのHに低下した。この結果を表1のケース01として示す。同じ原料供給流量および硫黄除去程度の基本操作と比べて、(a)リアクターの入り側における処理ガスの純度が80モル%Hから91.5モル%Hに増大し、(b)必要なメークアップガス流量が12.07Mscf/Dから11.28Mscf/Dに低下し、(c)システムからパージされた(燃料ガスに失われた)Hが1.06Mscf/Dから0.3Mscf/Dに減少した。
実施例2
この実施例においては、再び、RCPSAを用いて、6.0Mscf/Dの再循環ガス(全再循環ストリームの容積流量の約1/5)を、95%のH回収率および生成物におけるH純度95%として処理する。この結果を表1のケース02として示す。このケースにおいては、装置の原料供給流量を、当初の13.1Mscf/Dのメークアップガス流量が必要になる値まで増大させた。H純度の増大の結果、同じHメークアップガス流量において、(a)一定の硫黄除去仕様において、原料流量が30,000B/Dから32,150B/Dに増大し、(b)処理ガス純度が91.4モル%Hに改善され、(c)システムからパージされた(燃料ガスに失われた)Hが1.06Mscf/Dから0.3Mscf/Dに減少した。
実施例3
この実施例においては、当初の30kB/Dの原料供給流量と、12.07Mscf/Dのメークアップガス流量とが維持される。この結果を表1のケース03として示す。この場合も、RCPSAを用いて、6.0Mscf/Dの再循環ガス(全再循環ストリームの容積流量の約1/5)を、95%のH回収率および生成物におけるH純度95%として処理する。この場合、再循環ガス流れの一部に対するRCPSA適用運転の結果としてのH純度の増大によって、(a)基本ケースと同じ生成物の硫黄仕様を維持しながら、原料中の硫黄を0.18%だけ高めることが可能になり、(b)全体水素消費量は、メークアップガス要求量の対応する増加なしに、+26scf/Bの対応量だけ増加し、(c)システムからパージされた(燃料ガスに失われた)Hは1.06Mscf/Dから0.3Mscf/Dに減少した。
更に、実施例1および2は、触媒交換の間の処理期間が約15〜40%長いという結果にもなっている。この装置の「基本の」現在の運転と、ケース01〜03との種々の運転条件および計画処理期間を以下の表1に要約する。
Figure 2008528732
実施例4
この実施例においては、製油所ストリームが480psigであり、テールガスは65psigである。それによって圧力スイングは6.18となる。原料組成および圧力は、水素処理装置または水素化処理装置のような製油所の処理装置に典型的なものである。この実施例においては、代表的な炭化水素を、その炭素数、即ちC=メタン、C=エタン等によって記述する。RCPSAは、流量の全域にわたって、>99%の純度および>81%の回収率で水素を生成する能力がある。表2aおよび表2bが、RCPSAのコンピュータシミュレーションの結果と、この実施例における種々の成分の入り側および出側の百分率とを示す。また、表2aおよび表2bは、480psigの6MMSCFDのストリームおよび65psigのテールガスの場合に回収率が89.7%から91.7%に増大すると、水素純度がどのように低下するかをも示している。
表2aおよび2b
精製におけるRCPSA(67ft)の入り側および出側の組成(モル%)。原料は480psig、122°F、テールガスは65psigであり、
原料の供給流量は約6MMSCFDである。
Figure 2008528732
Figure 2008528732
本発明において記述するRCPSAは、異なる工程から構成されるサイクルを循環する。工程1は、その間に生成物が生成される原料の供給であり、工程2は並行流の減圧、工程3は向流の減圧、工程4はパージ(通常は向流)、そして工程5は生成物による再加圧である。ここに述べるRCPSAにおいては、いかなる瞬間においても、吸着剤床の全数の半分は原料供給工程にある。この実施例の場合、tTOT=2秒であり、そのtTOTにおいて原料供給時間tFが全サイクルの半分を占めている。
実施例5
この実施例においては、条件は実施例4の場合と同じである。表3aは、並行流および向流の両方の工程を利用して>99%の水素純度を達成する条件を示す。表3bは、向流の減圧工程を省略できるが、それでも99%の水素純度を維持し得ることを示す。実際は、これは、パージサイクルの時間tを、向流の減圧工程tCNから取り除かれた時間だけ延長することによって、水素の回収率を88%のレベルに高めることができることを示している。
表3aおよび3b
RCPSA(67ft3)によるH純度および回収率に対する工程時間の影響。表1と同条件。原料は480psig、122°F、テールガスは65psigであり、原料の供給流量は約6MMSCFDである。
Figure 2008528732
Figure 2008528732
実施例6
この実施例は、表4の原料の欄に示す(例えば原料組成は74%Hを含む)ように、代表的な成分を同様に含む10MMSCFDの製油所ストリームを示す。このストリームは480psigであり、RCPSAのテールガスは65psigであるので、絶対圧力スイングは6.18となる。再度確認すると、本発明のRCPSAは、これらの原料組成から、>99%の純度および>85%の回収率で水素を生成する能力を有する。表4aおよび表4bがこの実施例の結果を示す。
表4aおよび4b
精製におけるRCPSA(53ft)の入り側および出側の組成(モル%)。原料は480psig、101°F、テールガスは65psigであり、原料の供給流量は約10MMSCFDである。
Figure 2008528732
Figure 2008528732
上記表4aおよび表4bに示す両ケースにおいて、テールガス圧力は65psigと高いけれども、本発明は、パージ工程tPを十分に延長すれば高い純度(99%)を得ることができることを示している。
表3a、3bおよび4aは、6MMSCFDおよび10MMSCFDの両方の流量条件について、非常に高い約99%という水素純度と>85%の回収率とをRCPSAによって達成し得ることを示す。両ケースにおいてテールガスの圧力は65psigである。生成される排気が高圧であるにも拘らず、RCPSAによって達成される生成物のこのように高い純度および回収率はこれまでに発見されておらず、本発明の重要な特徴である。
表4cは、表4aおよび4bで述べたのと同じ製油所のストリームに対して高い水素純度(>99%)を高い回収率で供給するRCPSA(容積=49立方ft)に関する結果を示す。表4aに比べて、表4cは、同様の純度および回収率が、原料供給サイクルtおよびパージサイクルtを同時に短縮することによって達成できることを示す。
Figure 2008528732
実施例7
この実施例においては、表5が、本発明に従って運転されるRCPSAの性能を更に示す。これを以下に述べる。この実施例においては、原料は典型的な製油所ストリームであり、その圧力は300psigである。本発明のRCPSAは、全テールガスが40psigで排気される時に、99%の高純度水素生成物を83.6%の回収率で生成できる。この場合、テールガスは、更に圧縮する必要なしに、フラッシュドラムまたは他のセパレータまたは他の下流側の製油所機器に送り込むことができる。本発明のもう1つの重要な態様は、RCPSAがCOをも除去して<2vppmにする点である。これは、生成物の水素リッチなストリームを使用する製油所装置にとってきわめて望ましいところである。CO濃度が低ければ、下流側装置の触媒が長期間活性を損なうことなく機能することが保証される。従来型PSAは、このCO仕様に適合できず、同時にまた、典型的な燃料ヘッダー圧力またはかかるRCPSA排気を処理する他の機器の高圧力のような高圧力において、全テールガスを排気するという条件にも適合することができない。全テールガスを40psig以上で利用し得るので、RCPSAを製油所機器と組み合わせる場合、追加的な圧縮は全く必要ない。
Figure 2008528732
実施例8
表6aおよび6bは、本発明に従って運転されるRCPSAの性能を比較しており、これを以下に述べる。精製されるストリームは、原料中のHがかなり低く(51モル%)、典型的な製油所/石油化学のストリームである。両ケース(表6aおよび6bに対応)共、並行流工程の後に向流の減圧工程が設けられている。表6aは、本発明によれば、全テールガスを65psig以上で放出しても高いH回収率(81%)が可能であることを示す。これと対照的に、いくらかのテールガスが5psigのような低圧で利用可能なRCPSAは、H回収率が56%に低下する程、向流減圧において水素を失う。付け加えると、表6aのストリームの高圧は、テールガスの圧縮が全く必要ないことを示す。
表6aおよび6b
回収率に対するテールガス圧力の影響。H濃度(51.3モル%)の原料に適用されるRCPSAの例。H精製におけるRCPSA(31ft)の入り側および出側の組成(モル%)。原料は273psig、122°F、原料の供給流量は約5.1MMSCFDである。
Figure 2008528732
Figure 2008528732
実施例9
この実施例においては、表7aおよび7bが、本発明に従って運転されるRCPSAの性能を比較しており、これを以下に述べる。これらのケースにおいては、原料の圧力は800psigであり、テールガスは、65psigまたは100psigのいずれかで排気される。組成は、かかる製油所の適用例において存在する可能性があるHSのような典型的不純物を反映している。見られるとおり、両ケースにおいて、高純度>99%と共に高い回収率(>80%)が確認される。この両ケースにおいては、並行流の減圧のみが用いられ、この工程の間の流出物は、サイクルの他の吸着剤床に送られる。テールガスは向流のパージ工程の間にのみ流出する。表7cは、いくらかのテールガスが、並行流減圧に続く向流減圧工程においても排気される場合に運転されるRCPSAのケースを示す。並行流減圧の流出物は、十分な純度および圧力を有するので、本発明の一部であるRCPSAの槽構成内の他の吸着剤床の1つに戻すことができる。テールガス、即ち排気ガスは、向流減圧および向流のパージ工程の間に流出する。
すべてのケースにおいて、テールガスの全量を、製油所の他の高圧プロセスに統合させ得る高圧力で利用することができる。これは、一方で高純度のガスを高い回収率で生成しながら、圧縮の必要性をいかなる形においても排除する。本発明の広範な特許請求の範囲によれば、これらのケースは、単なる例示として見做されるべきであり、また、製油所、石油化学或いはプロセス処理の箇所、或いは分離される特定分子の特性のいずれにも限定されないものと見做されなければならない。
表7a、7bおよび7c
高圧の原料に適用されるRCPSAの例。H精製におけるRCPSA(18ft3)の入り側および出側の組成(モル%)。原料は800psig、122°F、原料の供給流量は約10.1MMSCFDである。
Figure 2008528732
Figure 2008528732
Figure 2008528732
実施例10
表8a、8bおよび8cは、本発明に従って運転されるRCPSAの性能を比較しており、これを以下に述べる。精製されるストリームは、原料中のHが比較的高く(85モル%)、典型的な製油所/石油化学のストリームである。これらの実施例においては、生成物における純度の増加が10%未満(即ちP/F<1.1)である。この制約の下で、本発明の方法は、テールガス圧縮の必要性なしに、>90%の回収率で水素を生成できる。
表8a、8bおよび8c
濃度(85モル%)の原料に適用されるRCPSAの例。RCPSA(6.1ft)の入り側および出側の組成(モル%)。原料は480psig、135°F、原料の供給流量は約6MMSCFDである。
Figure 2008528732
Figure 2008528732
Figure 2008528732
本発明の1つの好ましい実施態様の簡略なフロー図であり、RCPSAが単段の水素化処理装置の水素含有再循環ガスのストリームにおいて適用される。 本発明の別の好ましい実施態様の簡略なフロー図であり、RCPSAが単段の水素化処理装置の水素含有メークアップガスのストリームにおいて適用される。

Claims (36)

  1. 炭化水素原料から硫黄および他のへテロ原子を除去する方法であって、
    a)前記炭化水素原料を、水素化処理域において、水素化処理条件下で水素および触媒的に有効な量の水素化処理触媒と接触させて、液相と、水素および軽質の炭化水素を含む蒸気相からなる水素化処理生成物を得る工程;
    b)前記水素化処理生成物から、前記液相および前記蒸気相を分離する工程;
    c)前記蒸気相から、急速サイクル圧力スイング吸着装置において軽質の炭化水素を除去して、前記蒸気相よりも高い水素の容積%濃度を有する精製再循環ガスを生成する工程であって、
    前記急速サイクル圧力スイング吸着装置は、複数の吸着剤床を含み、30秒未満の合計サイクル時間と、床厚さ1フィート当たり5インチ水頭より大きい各吸着剤床内の圧力降下を有する工程;および
    d)前記精製再循環ガスの少なくとも一部を前記水素化処理域に再循環する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記炭化水素原料は、ナフサ沸点範囲の原料、ケロシン沸点範囲の原料および留出物沸点範囲の原料からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記炭化水素原料は、直留ナフサ、接触分解ナフサ、コーカーナフサ、水素化分解装置ナフサおよび残油水素化処理装置ナフサからなる群から選択されるナフサ沸点範囲の原料であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記炭化水素原料は、流動接触分解装置(FCC)から生成されるサイクルオイル、常圧および減圧軽油、常圧および減圧残留物、熱分解ガソリン、フィッシャー−トロプシュ液体およびワックス、潤滑油並びに原油からなる群から選択される留出物沸点範囲および更に高い沸点範囲の原料であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記急速サイクル圧力スイング吸着の合計サイクル時間は、15秒未満であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 前記合計サイクル時間は10秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記合計サイクル時間は、5秒未満であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記圧力降下は、吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記合計サイクル時間は10秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記サイクル時間は5秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 急速サイクル圧力スイング吸着装置において前記蒸気相から軽質の炭化水素を除去するに先立って、前記蒸気相から、硫化水素およびアンモニアを塩基性洗浄溶液によって除去することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記合計サイクル時間は10秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記合計サイクル時間は5秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 急速サイクル圧力スイング吸着装置において、水素含有メークアップガスから軽質の炭化水素を除去して、前記水素含有メークアップガスよりも高い水素の容積%濃度を有する精製メークアップガスを生成し、
    前記急速サイクル圧力スイング吸着装置は、複数の吸着剤床を含み、30秒未満の合計サイクル時間と、床厚さ1フィート当たり5インチ水頭より大きい各吸着剤床内の圧力降下を有し、
    前記水素の少なくとも一部は、前記精製メークアップガスの少なくとも一部からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記炭化水素原料は、ナフサ沸点範囲の原料、ケロシン沸点範囲の原料および留出物沸点範囲の原料からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記急速サイクル圧力スイング吸着の合計サイクル時間は10秒未満であり、各吸着床における前記圧力降下は床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記合計サイクル時間は5秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 炭化水素原料から硫黄および他のへテロ原子を除去する方法であって、
    a)前記炭化水素原料を、水素化処理域において、水素化処理条件下で水素および触媒的に有効な量の水素化処理触媒と接触させて、液相と、水素、硫化水素および軽質の炭化水素を含む蒸気相からなる水素化処理生成物を得る工程であって、
    前記水素の少なくとも一部は、急速サイクル圧力スイング吸着装置において水素含有メークアップガスから軽質の炭化水素を除去することによって生成される精製メークアップガスであり、
    前記急速サイクル圧力スイング吸着装置は、複数の吸着剤床を含み、30秒未満の合計サイクル時間と、床厚さ1フィート当たり5インチ水頭より大きい各吸着剤床内の圧力降下を有し、
    前記精製メークアップガスは、前記水素含有メークアップガスよりも高い水素の容積%濃度を有する工程;
    b)前記水素化処理生成物から、前記液相および前記蒸気相を分離する工程;および
    c)前記蒸気相の少なくとも一部を前記水素化処理域に再循環する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  19. 前記炭化水素原料は、ナフサ沸点範囲の原料、ケロシン沸点範囲の原料および留出物沸点範囲の原料からなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  20. 前記炭化水素原料は、直留ナフサ、接触分解ナフサ、コーカーナフサ、水素化分解装置ナフサおよび残油水素化処理装置ナフサからなる群から選択されるナフサ沸点範囲の原料であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  21. 前記炭化水素原料が、流動接触分解装置(FCC)から生成されるサイクルオイル、常圧および減圧軽油、常圧および減圧残留物、熱分解ガソリン、フィッシャー−トロプシュ液体およびワックス、潤滑油並びに原油からなる群から選択される留出物沸点範囲および更に高い沸点範囲の原料であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  22. 前記急速サイクル圧力スイング吸着の合計サイクル時間は、15秒未満であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  23. 前記合計サイクル時間は10秒未満であり、各吸着床の前記圧力降下は床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  24. 前記合計サイクル時間は、5秒未満であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  25. 前記圧力降下は、吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  26. 前記サイクル時間は10秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  27. 前記サイクル時間は5秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  28. 急速サイクル圧力スイング吸着装置において前記蒸気相から軽質の炭化水素を除去するに先立って、前記蒸気相から、硫化水素およびアンモニアを塩基性洗浄溶液によって除去することを特徴とする請求項18に記載の方法。
  29. 前記合計サイクル時間は10秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり10インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 前記合計サイクル時間は5秒未満であり、前記圧力降下は吸着剤床厚さ1フィート当たり20インチ水頭より大きいことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記水素化処理触媒は、コバルト、ニッケル、モリブデン、白金、タングステン、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトおよびモレキュラーシーブからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  32. 前記水素化処理触媒は、コバルト、ニッケル、モリブデン、白金、タングステン、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトおよびモレキュラーシーブからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  33. 前記水素化処理触媒は、コバルト、ニッケル、モリブデン、白金、タングステン、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトおよびモレキュラーシーブからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  34. 前記液相を燃料生成物にブレンドすることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  35. 前記液相を燃料生成物にブレンドすることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  36. 前記液相を燃料生成物にブレンドすることを特徴とする請求項23に記載の方法。
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