JP2008526965A - 網膜修復のためのタンポナーデ組成物および方法 - Google Patents

網膜修復のためのタンポナーデ組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本明細書に記載するのは、房水より重く、1つまたは複数のグリコサミノグリカンを含有する、吸収性のタンポナーデ組成物を使用した網膜組織修復の方法である。

Description

技術分野
本明細書において記載するのは、網膜修復のためのタンポナーデ組成物および方法である。
背景
網膜は、眼球の内壁を裏打ちする薄い組織である。網膜は、眼球に侵入する光を、視覚情報を脳へ伝達する神経インパルスへと変換する光受容体を含有する。黄斑は、高密度の光受容体を含有する網膜の小部分であり、これによって細部を見ることが可能となる。外傷、疾患、感染、および加齢の過程は、穿孔、裂傷、および眼球内壁からの網膜剥離などの網膜に対する損傷をもたらす。治療しないまま放置すれば、これらの損傷は重篤な視覚障害を引き起こす。
網膜修復の手法は、レーザー手術および冷凍固定術(冷凍プローブの使用)によって、網膜の裂傷および穿孔を閉鎖する手法を含む。これらの手法は網膜組織を損ない、その結果、組織中の閉鎖された部分は破壊される。しかし、閉鎖されていない破壊部分は、拡大および/または網膜下(すなわち、網膜および眼球の内壁の間)に液体の漏出を引き起こす。この空間への液体の漏出は組織修復を阻害し、網膜剥離を引き起こす。
概要
本明細書において記載されている新規療法および組成物は、少なくともその一部において、房水より高密度で、1つまたは複数のグリコサミノグリカン(GAG)を含む特定の組成物が、網膜剥離(例えば、下方部網膜剥離)および黄斑円孔などの網膜損傷の修復のために、「タンポナーデ組成物」として有用であるという発見にもとづいている。例えば、下方部網膜剥離および黄斑円孔などの網膜損傷の修復のための手法としての、眼球硝子体腔へのタンポナーデ組成物の投与を含む、新規方法が記載される。(i)房水より高密度の無毒性の液体(例えば、重水素を含む重水)、および(ii)1つまたは複数のGAGを含む、新規タンポナーデ組成物が開示される。
本明細書において開示されている新規療法および組成物は、多くの利点を有している。タンポナーデ組成物は房水より高密度である。したがってタンポナーデ組成物は、術後の被験体頭部がぎこちない位置になることなく、下方部網膜裂傷および黄斑円孔を修復するための手法において使用可能である。新規組成物は、それらの高界面張力、高表面張力、および高粘度のために、タンポナーデとして有効である。それらの高表面張力および高界面張力は、眼球内壁に対して網膜組織を圧迫する能力を新規組成物に提供し、それによって結果組織を適所に維持し、その後の剥離を阻止する。新規組成物の高表面張力および高界面張力は、新規組成物(および眼球中の他の液体)が、任意の組織の裂孔(例えば、冷凍固定およびレーザー手術後に残存または発生した裂孔)を通して、網膜と眼球内壁の間の空間へ漏出することも阻止する。この漏出阻止は、網膜の治癒および再接着を可能とする。新規組成物の高粘度は、新規組成物が眼球の房水と容易に混合することを阻止し、したがってタンポナーデ組成物の統合性は、房水と接触した場合でさえも、概して保持される。
一つの局面において、(i)房水より高密度の、無毒性で吸収性の液体、および(ii)1つまたは複数のグリコサミノグリカン(GAG)を含むタンポナーデ組成物が、本明細書において記載される。ある態様において、タンポナーデ組成物は、以下の房水より高密度で無毒性の液体の1つまたは複数を含む:重水素を含む重水(D2O)または、ショ糖、グリセロール、デキストランなどの水溶液。いくつかの例において、タンポナーデ組成物は、容量で少なくとも約5%または少なくとも約10%のD2Oを含む。他の例において、タンポナーデ組成物は、容量で約10%から約25%のD2Oを含む。さらに他の例において、タンポナーデ組成物は、容量で約25%から約50%のD2Oを含む。そしてさらに他の例において、タンポナーデ組成物は、容量で約50%またはそれ以上のD2Oを含む。
いくつかの態様において、タンポナーデ組成物は、以下のGAGの1つまたは複数を含む:ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ケラタン硫酸 II、ヘパラン硫酸、およびデルマタン硫酸。あるタンポナーデ組成物は、1 mlあたり少なくとも約0.01 mgのGAG、1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのGAG、1 mlあたり少なくとも約0.1 mgのGAG、または1 mlあたり少なくとも約0.9 mgのGAG濃度を含む。いくつかのタンポナーデ組成物は、1 mlあたり約0.05から約0.9 mgのGAG、または1 mlあたり約0.9 mgから約2 mgのGAG、または1 mlあたり約2 mgから約5 mgのGAG、または1 mlあたり約5 mgから約10 mgのGAG、または1 mlあたり約10 mgから約20 mgのGAGであるGAG濃度を含む。1つの例において、タンポナーデ組成物は、(i)重水素を含む重水、および(ii)組成物1 mlあたり約0.05 mgから約0.9 mgのヒアルロン酸を含む。もう1つの例において、タンポナーデ組成物は、(i)重水素を含む重水、および(ii)組成物1 mlあたり約0.9 mgから約10 mgのヒアルロン酸を含む。さらにもう1つの例において、タンポナーデ組成物は、(i)重水素を含む重水、(ii)組成物1 mlあたり約0.05 mgから0.9 mgのヒアルロン酸、および(iii)組成物1 mlあたり約0.01 mgまたはそれ以上のコンドロイチン硫酸を含む。そしてさらにもう1つの例において、タンポナーデ組成物は、(i)重水素を含む重水、(ii)組成物1 mlあたり約0.05 mgから約5 mgのヒアルロン酸、および(iii)組成物1 mlあたり約0.01 mgまたはそれ以上のコンドロイチン硫酸を含む。
上述したタンポナーデ組成物は、網膜裂孔(例えば、下方部網膜剥離または黄斑円孔)の治療に用いる医用薬物(例えば、眼内医用薬物)の調製に使用できる。本医用薬物は、硝子体切除後の眼球硝子体腔への眼内注射をともなう方法における使用に適している。
もう1つの局面において、被験体の網膜組織中の裂孔を治療する方法が本明細書に記載される。本方法は、(i)被験体眼球の硝子体腔から硝子体液を除去する段階、および(ii)網膜剥離または黄斑円孔を覆うのに十分な量のタンポナーデ組成物を硝子体腔に投与する段階含む。本方法において使用されたタンポナーデ組成物は、(a)房水より高密度であり、(b)グリコサミノグリカンおよび無毒性で吸収性の液体を含む。いくつかの様態において、本方法で使用されたタンポナーデ組成物は、1 mlあたり少なくとも約0.01 mgのGAG、1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのGAG、1 mlあたり少なくとも約0.1 mgのGAG、または1 mlあたり少なくとも約0.9 mgのGAGの濃度を含む。いくつかの様態において、本方法で使用されたタンポナーデ組成物は、1 mlあたり約0.05 mgから約0.9 mgのGAG、または1 mlあたり約0.9 mgから約2 mgのGAG、または1 mlあたり約2 mgから約5 mgのGAG、または1 mlあたり約5 mgから約10 mgのGAG、または1 mlあたり約10 mgから約20 mgのGAGであるGAG(例えば、ヒアルロン酸)の濃度を含む。任意で、本方法は、GAG(例えば、ヒアルロン酸)に加えて、約0.01 mgまたはそれ以上のコンドロイチン硫酸を含むタンポナーデ組成物を投与する段階を含む。いくつかの様態において、本方法で使用されたタンポナーデ組成物は、少なくとも容量で5%のD2Oを含む。いくつかの例において、本方法で使用されたタンポナーデ組成物は、容量で約10%から約25%のD2O、または容量で約25%から約50%のD2O、または容量で約50%またはそれ以上のD2Oを含む。
いくつかの様態において、本方法は、眼球硝子体腔の容量の少なくとも10%の初期充填量を得るのに十分なタンポナーデ組成物を投与する段階を含む。いくつかの例において、本方法は、硝子体腔の容量の約10%から約25%の初期充填量に十分なタンポナーデ組成物を投与する段階を含む。他の例において、本方法は、硝子体腔の容量の約25%から約50%の初期充填量に十分なタンポナーデ組成物を投与する段階を含む。さらに他の例において、本方法は、硝子体腔の約50%またはそれ以上の容量の初期充填量に十分なタンポナーデ組成物を投与する段階を含む。
いくつかの様態において、本方法は、(i)上方部および下方部網膜剥離の併発、または(ii)上方部網膜剥離および黄斑円孔の併発を治療するための、ガスまたはシリコーンベースのようなタンポナーデ薬剤を投与する段階をさらに含む。
いくつかの様態において、本方法は、下方部網膜剥離および黄斑円孔を有するの患者を選択する段階をさらに含む。
本明細書において使用される「無毒性の液体」とは、被験体の眼球硝子体腔に、硝子体腔の容積と等量またはそれ以下の量で投与した場合に、無毒性の液体である。
本明細書において使用される「タンポナーデ組成物」とは、房水より高密度で、1つまたは複数のGAGを含む組成物である。
本明細書において使用される「タンポナーデ薬剤」とは、公知技術の網膜修復手法においてタンポナーデとして使用されるガスおよびシリコーンオイルを含む。
本明細書において使用される「シリコーンオイル」とは、シリコーンオイルおよびシリコーン共重合オイルを指す。
本明細書において使用される「被験体」とは、ヒトおよび、例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サル、サカナ、トリなどの非ヒト動物を指す。
1つまたは複数の本発明の態様の詳細は、添付図面および下記の記載の中で規定されている。本発明の他の特徴、目的、および利益は、記載および図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
詳細な記載
本明細書において記載したのは、下方部網膜剥離および黄斑円孔などの網膜損傷の修復のための新規の方法および組成物である。一般的に新規方法は、気体網膜復位術などの手法の改良版および硝子体切除術を含む気体網膜復位術の変形における、ガスまたはシリコーンオイルの代りのタンポナーデ組成物の使用を含む。
網膜損傷の診断
網膜剥離の症状は、閃光の出現、波形またはうるんだ視界、ベールまたはカーテンがかかったような視覚障害、飛蚊症の多く、または突発性の失明を含む。黄斑円孔の症状は、中央の視朦、乱視、詳細物が読みづらくまたは見づらくなること、視野中央の灰色領域、中心部の盲点を含む。医師は、網膜損傷の型および解剖学的局在を同定するために、検眼鏡または超音波画像診断を使用する。例えば、検眼鏡または超音波画像診断は、被験体の下方部網膜裂傷もしくは剥離、上方部網膜裂傷もしくは剥離、および/または黄斑円孔を、同定ならびに区別できる。
網膜損傷修復のための公知の方法
網膜剥離は、強膜バックル術、気体網膜復位術、またはこれらの手法の変形によって治療することができる。
強膜バックル術において、スポンジまたはシリコーンバンドは眼球壁を変形させ、眼球の中心に向かって壁を内側に圧迫する。この眼球バックリングは、剥離した網膜組織に対する牽引を緩和し、剥離した組織を(バックリングされた)眼球の内側の壁に接触させる。
気体網膜復位術(PR)は、硝子体腔へのガス気泡の注入をともなう。気泡は、網膜の剥離した部分を眼球の内側の壁に向かって圧迫し、それによって網膜の剥離した部分を剥離していない部分へと結合させる。ガスは溶液中を上昇するので、PRは上部(上方部の)網膜剥離の治療により効果的である。
強膜バックル術およびPRのいずれの後にも、組織中の裂傷を閉鎖するため、かつ以前に剥離した組織を眼球内壁に再接着させながら適所に保つため、典型的にレーザー手術または冷凍固定術を行う。
PRの変形は、(i)ガス気泡、または(ii)シリコーンオイルの注入の前に、眼球の硝子体チャンバーからの硝子体液の除去(硝子体切除)を含む。変形の1つにおいて、硝子体切除の後に、perfluoronなどの粘度のある液体の硝子体チャンバーへの挿入を行う。perfluoronは、剥離した網膜を眼球の内壁に接するように押し戻す。次いで、網膜組織は、例えばレーザー手術によって適所に焼灼される。次いでperfluoronは除去され、硝子体チャンバーはタンポナーデ薬剤で満たされる。公知のタンポナーデ薬剤は、パーフルオロプロパン(C3F8)または六フッ化硫黄(SF6)などのガス、またはシリコーンオイルおよびシリコーン共重合オイルなどの液体を含む。これらのガスおよびシリコーンオイルは、再接着した組織に対して圧迫し、それによってその組織を適所に保つことを補助する、公知技術のタンポナーデ薬剤を代表する。
ガスは溶液中を上昇する傾向があるので、ガス状タンポナーデ薬剤は、眼球上方部分からの網膜剥離の修復に対して最も効果的である。ガス気泡の硝子体チャンバーへの注入の後に、ガス気泡が吸収されるにつれて房水は硝子体腔に分泌される。このようにして、ガス状タンポナーデ薬剤は、増加する房水プールの上側でトラップされた収縮気泡となる。被験体頭部が正常な立位に保たれる場合には、房水は網膜の下方部分を圧迫するが、ガス気泡は網膜の上方部分を圧迫する。下方部網膜剥離の治療のためのガスタンポナーデの使用には、姿勢調整、および術後の被験体頭部を通常とは異なる位置で維持することが、一般的には必要となる。例えば、ガス気泡と網膜下方部との接触維持が確実になるように、被験体には頭部を下に向けた状態またはうつ伏せ状態が要求される。
シリコーンまたはシリコーン共重合オイルは、下方部網膜剥離の修復におけるタンポナーデ薬剤として、ガス気泡より容易に使用できる。しかしこれらのオイルは、白内障、緑内障、および角膜症などの長期的合併症に関連すると思われる。これらのオイルは吸収性ではないので、オイルの除去のための二次的手術手法が必要とされる。オイルの除去自体が、網膜上膜の再増殖および網膜牽引の増加のための網膜再剥離などの他の合併症を引き起こすと報告されている。
網膜損傷修復のための新規の方法
網膜修復の方法は、房水より高密度で、1つまたは複数のグリコサミノグリカン(GAG)を含むタンポナーデ組成物の使用を含む。房水の密度は37℃で水とほぼ同一(1000 kg/m-3)である。GAGは二糖の繰り返し単位からなる非分岐鎖(直鎖)の多糖である。GAGの二糖は、アミノ糖(例えば、N-アセチルガラクトサミン(GlcNAc)またはN-アセチルグルコサミン(GalNAc))、ウロン酸(例えば、グルクロン酸(GlcA)またはイズロン酸(IdoA))、および/または他の糖(例えば、ガラクトース(Gal))を含むことが可能である。GAGは、溶液に高い粘度をもたらす広がった構造を有する、強く負に帯電した分子である。天然のGAGは、細胞表面上または細胞外マトリックス(ECM)中に見出すことができる。
タンポナーデ組成物は、気体網膜復位術またはその変形において、ガスまたはシリコーンベースのオイルの代りに眼内に導入できる。
網膜修復の新規方法は、眼球上方部および下方部の両方に網膜剥離を併発した被験体を治療するために、気体網膜復位術またはその変形と併用して使用することが可能である。例えば、気体網膜復位術の変形におけるperfluoronの除去の後に、ガス(例えば、C3F8またはSF6)および本明細書において記載されたタンポナーデ組成物の両方を、眼球の硝子体チャンバーへ導入する。この手法において、上方部および下方部の両方の剥離は同時に治療される。
本タンポナーデ組成物は、網膜の平坦化を補助するための一般的な術具としても使用可能である。
一般的に、下方部網膜修復のための新規方法において、術後の被験体は、睡眠中は座位から仰臥位、半横臥位を維持しなくてはならない。その他の時間は、術後の被験体は立位でいなくてはいけない。本タンポナーデ組成物(および、上方部および下方部剥離の併発を治療するための方法におけるタンポナーデガス)が、治療中の網膜組織との接触を維持するために、姿勢調整は重要である。
タンポナーデ組成物によって眼内へ導入されたグリコサミノグリカン(GAG)を減少させるか、または排除することが望ましくなる場合、GAGを分解する酵素を含む薬学的組成物を眼内に導入することが可能である。例えば、タンポナーデからのGAGが十分吸収されない場合、またはタンポナーデ中のGAGに関連する合併症が発生した場合は、GAGの減少または排除が望ましい。GAGを分解する酵素は当技術分野において公知である。例えば、ヒアルロン酸は、複数の公知の型の、ヒアルロニダーゼ、β-グルクロニダーゼ、および/またはβ-N-アセチルヘキソサミニダーゼの中の任意の1つによって分解することが可能である。もう1つの例では、コンドロイチン硫酸は、GalNAc-6-SO4スルファターゼ、GalNAc-4-SO4スルファターゼ、β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、および/またはβ-グルクロニダーゼを用いて分解することが可能である。さらに他の例では、動物由来のエキソグリコシダーゼ(β-ガラクトシダーゼおよびβ-ヘキソサミニダーゼ)と同様に、細菌由来のケラタナーゼはケラタン硫酸の分解に使用可能である。スルファターゼおよびエンドグルクロニダーゼの組み合わせは、ヘパラン硫酸の分解に使用可能である。
タンポナーデ組成物
タンポナーデ組成物は、GAGと混合した場合に房水より高密度の溶液をもたらす、任意の無毒性の液体を含むことが可能である。ある態様において、無毒性の液体は重水素を含む重水(D2O)である。重水は25℃で1.1044の比重を有し、35〜40℃で1.1001から1.019の間の比重を有する(Handbook of Chemistry and Physics, 73rd Ed, Ch 6, pg 13 (CRC Press, Boca Raton, FL 1992))。報告によれば、重水素を含む重水は非常に大量に摂取しない限りは毒性を持たない。いくつかの態様において、無毒性の液体は、例えば、ショ糖、グリセロール、またはデキストランの水溶液などの、房水より高密度の水溶液であり得る。他の様態において、無毒性の液体は、水より高密度の生理的緩衝液であり得る。いくつかの様態において、無毒性の液体は、もたらされたタンポナーデ組成物が房水より高密度であるように、十分なGAGと混合するならば、水でもよい。
タンポナーデ組成物に使用するのに例示的なGAGは、ヒアルロン酸(HA)、コンドロイチン硫酸(CS)、ケラタン硫酸(KS)、ケラタン硫酸II(KS II)、デルマタン硫酸(DS)、およびヘパラン硫酸(HS)を含む。HAはGalNAcβ(1, 3)GlcAβ(1, 4)の二糖の繰り返し単位を含む(慣例に従って、各糖残基の後には、その残基と続く糖残基の間の結合タイプの記載が続く)。CSはGalNAcβ(1, 4)GlcAβ(1, 3)の二糖の繰り返し単位から成る。KSおよびKS IIは、Galβ(1, 4)GlcNAcβ(1, 3)の二糖の繰り返し単位から成り、違いは、KSはN結合によってタンパク質に結合し、KS IIはO結合によってタンパク質に結合することにある。DSは、1つまたは複数のイズロン酸の二糖、例えばGalNAcβ(1, 4)IdoA(1, 3)の二糖(コンドロイチン硫酸Bとしても公知である)を含む任意のグリカンを意味し得る。HSはGlcNAcα(1, 4)GlcAβ(1, 4)の二糖の繰り返し単位から成る。これらは糖質構造は似ているが、HSは、一般的にタンポナーデ組成物中のGAGとして使うべきではないヘパリンと区別できる。HSは、ヘパリンと比較して少ない程度の(i)硫酸化、および(ii)ウロン酸のエピマー化を受ける。HSはインビボでほぼ普遍的に産生されるが、ヘパリンはほぼ例外なくマスト細胞によって産生され、ヘパリンはより高い抗凝血活性を有する。
GAG塩は、Sigma(St Louis, Mo)およびAssociates of Cape Cod, Inc(ACC)(Falmouth, MA)などの製造供給元から市販されている。GAGはまた、動物または植物の組織から精製することができる。いくつかのGAGは合成可能である。例えば、KSまたはKS IIは、例えば、Akama et al., J. Biol. Chem., 277:42505-42513, 2002に記載されるように、分子生物学および生化学的技術を用いて産生できる。
GAG混合物も市販されている。例えば、VISCOAT(商標)(Alcon USA, Ft. Worth, TX)は、1 mlあたりコンドロイチン硫酸塩40 mgおよびヒアルロン酸塩30 mgを上限として含む生理的緩衝液である。
本明細書において開示された新規タンポナーデ組成物は、一般的に(i)房水より高密度の液体、および(ii)GAGを含む。好ましいタンポナーデ組成物は、水より粘度の高い液体を含む。房水より高密度で水より粘度の高い液体は、重水、およびショ糖、グリセロール、またはデキストランの水溶液を含む。新規タンポナーデ組成物は、任意のGAGを含むことが可能である。好ましいタンポナーデ組成物は、ヒアルロン酸(HA)またはHAとコンドロイチン硫酸(CS)の組み合わせを含む。
下記は例示的な新規タンポナーデ組成物について記載する:(i)少なくとも25%の重水素を含む重水(重水)を含有する液体中に、少なくとも2 mg/mlのHAを含む溶液、(ii)少なくとも25%の重水を含有する液体中に、1.5〜2 mg/mlのHAを含む溶液、(iii)少なくとも25%の重水を含有する液体中の1.25〜1.5 mg/mlの間のHA溶液、(iv)少なくとも25%の重水を含有する液体中の1.0〜1.24 mg/mlの間のHA溶液、(v)少なくとも25%の重水を含有する液体中の0.75〜0.99 mg/mlの間のHA溶液、(vi)少なくとも25%の重水を含有する液体中の0.5〜0.75 mg/mlの間のHA溶液、(vii)少なくとも25%の重水を含有する液体中の0.25〜0.49 mg/mlの間のHA溶液、(viii)少なくとも25%の重水を含有する液体中の0.1〜0.24 mg/mlの間のHA溶液、(ix)少なくとも25%の重水を含有する液体中の0.1 mg/ml未満のHA溶液。
薬学的組成物
本明細書において記載されたタンポナーデ組成物は、眼内への送達に適した薬学的組成物として調製できる。薬学的組成物としての調製は、本タンポナーデ組成物が眼内投与に対して十分な滅菌を確実にすることのみをともなうことができる。薬学的組成物は、薬学的投与に適合性の溶媒、GAG安定化剤、抗菌および抗真菌薬剤なども含むことができる。
滅菌された薬学的組成物は、本明細書において記載されたタンポナーデ組成物を調製すること、およびその後のタンポナーデ組成物のろ過滅菌によって生成される。薬学的組成物の他の生成方法では、タンポナーデ組成物のための無毒性の液体、およびGAGは別々に滅菌し、その後、タンポナーデ組成物を含む滅菌された薬学的組成物を形成するために、滅菌された条件下で組み合わせる。
タンポナーデ組成物を含む薬学的組成物は、GAGの粉末の調製によっても生成することができる。タンポナーデ組成物のための十分な量の滅菌、例えばろ過滅菌した無毒性の液体は、GAG粉末と組み合わせてGAGを可溶化することができ、それによってタンポナーデ組成物の薬学的組成物を形成することが可能である。GAG粉末はGAG溶液の真空乾燥または凍結乾燥によって調製することができる。
実施例
本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定しない、以下の実施例においてさらに記載される。
実施例1
以下は、下方部網膜剥離の修復の新規手法の例示的なプロトコールである。患者は下方部網膜裂傷と診断されている。しかし本手法は、無水晶体症患者、または後嚢が無傷でない前房眼内インプラントを有する患者には禁忌である。
通常の3ポート硝子体切除術を患者眼球に行ない、その後コア硝子体切除術を続いて行なう。強膜を360°にわたって押さえて、硝子体基部を切る。裂孔は分離され、いかなる牽引も受けない。任意の網膜前膜または網膜下膜がある場合、除去/分割する。次いで網膜は、(a)パーフルオロカーボン(例えば、パーフルオロオクタン)液の導入、または(b)網膜切開術または液空気置換中の既存の裂孔からの網膜下ドレナージのいずれかによって再接着させる。次いで裂孔の光凝固または閉鎖を行なうためにレーザーを使用する。周辺部網膜の遠いところに、360°で円を描くようにレーザーを追加照射する。パーフルオロカーボン液は、使用する場合、液空気置換の一過程として除去される。
本手法においてこの時点では、下方部に剥離/裂孔が位置する場合、0.1 mgから3 mgのヒアルロン酸(HA)/mlを含むタンポナーデ組成物を、完全に空気の満たされた条件下で注入する。タンポナーデ組成物は、好ましくは眼球容積の少なくとも1/2〜2/3を満たし、残りの硝子体腔は空気で満たされる。
術後の期間は、患者は座位から仰臥位、半横臥位で睡眠するように指示される。一般的に、タンポナーデ組成物は吸収されてもよい。タンポナーデ組成物によって眼内に導入されたHAを分解するために、任意でVITRASE(商標)(ISTA Pharmaceutical, Irvine, CA)などのヒアルロニダーゼを含有する薬学的組成物を添加してもよい。
実施例2
以下は、黄斑円孔の修復の新規手法の例示的なプロトコールである。患者は、腹臥位を維持できないので、眼内ガスによる通常の技術を使った手術では修復できない黄斑円孔と診断されている。
通常の硝子体切除術は、実施例1において記載されたように行なう。黄斑を覆う膜の剥ぎ取りを行なった後、液空気置換を行う。タンポナーデ組成物は、少なくとも眼球容積の2/3〜3/4を満たすように大気中で注入される。術後の期間は、患者は日中は立位で過ごすよう指示されるが、睡眠中は仰臥位を想定してもよい。
実施例3
タンポナーデ組成物の、剥離した網膜を修復する能力を試験するために、単離したブタ眼球を通常の手術モデルとして用いた。ブタ眼球は屠殺場から翌日配達によって入手した。典型的に生存していない眼球では不透明になり網膜の見え方を妨害する水晶体を除去するために、水晶体切除術を行った。網膜剥離は、異なるブタ眼球において、異なる大きさおよび数(例えば、1つまたは複数)の裂孔により作製した。各網膜は、液空気置換中の裂孔からの網膜下液のドレナージによって、平坦化した。次いでタンポナーデ組成物を、粘性液注入器の補助により27ゲージのカニューレを使用して、眼内に注入した。眼球を最大容積の50%まで満たした。タンポナーデ組成物を、さまざまなGAG濃度で使用した。いくつかの実験において、HAを重水(SIGMA)と混合し、1 mlあたり0.5から0.67 mgの間のHAを含む溶液を得た。いくつかの実験において、1 mlあたり1.5〜2 mgのHAおよび1 mlあたり2〜2.67 mgのコンドロイチン硫酸(CS)を含む溶液を形成するために、タンポナーデ組成物はVISCOAT(商標)(Alcon USA Inc, Ft. Worth, TX)を重水と混合することによって生成した。
試験した全ての網膜剥離を有する眼球は再接着し、手法を行なった後24時間までは接着したままのようであった。さらに、網膜下液のドレナージ後に、意図的に一部剥離状態で残された眼球は、硝子体網膜の接触面へのタンポナーデ液体の効果のために再接着したようであった。HAおよびCSの両方を含むタンポナーデ組成物は、HA単独を含むタンポナーデ組成物より大きいタンポナーデ効果を示した。
これらの結果は、タンポナーデ組成物は、(i)網膜を平坦化するための術具としての使用、および(ii)下方部網膜剥離修復における使用に適していることを示す。
実施例4
ウサギ(New Zealand White)は、ペントバルビタールで麻酔し、1つの眼球を実施例1に記載された硝子体切除術に供した。各眼球を、実施例3に記載されたタンポナーデ組成物で最大容積の50%まで満たした。次いで、各眼球は通常の技術を用いて閉じた。眼球は、術後に炎症および水晶体の透明度についてモニターした。
2週間目には、目立った炎症または眼圧の上昇は観察されなかった。水晶体は比較的透明であるようだった。タンポナーデ組成物の元の容積の約50%は残存していた。これらの結果は、使用したタンポナーデ組成物は毒性がなく吸収性であったことを示す。
本発明は、発明の詳細な記載と共に記載してきたが、前述の記載は説明することを意図としており、本発明の範囲を限定するものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解すべきである。他の局面、利点、および改変は、添付の特許請求の範囲内にある。

Claims (22)

  1. 房水より高密度の、無毒性で吸収性の液体;およびグリコサミノグリカンを含み、房水より高密度である、薬学的組成物。
  2. 組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのグリコサミノグリカンを含む、請求項1記載の組成物。
  3. 組成物1 mlあたり少なくとも約0.9 mgのグリコサミノグリカンを含む、請求項1記載の組成物。
  4. 組成物1 mlあたり約0.8 mgから約5 mgのグリコサミノグリカンを含む、請求項1記載の組成物。
  5. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水である、請求項1記載の組成物。
  6. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水である、請求項2記載の組成物。
  7. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水である、請求項3記載の組成物。
  8. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水である、請求項4記載の組成物。
  9. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水であり;かつグリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、請求項2記載の組成物。
  10. 組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのコンドロイチン硫酸をさらに含む、請求項9記載の組成物。
  11. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水であり;かつグリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、請求項3記載の組成物。
  12. 組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのコンドロイチン硫酸をさらに含む、請求項11記載の組成物。
  13. 無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水であり;かつグリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、請求項4記載の組成物。
  14. 組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのコンドロイチン硫酸をさらに含む、請求項13記載の組成物。
  15. 以下の段階を含む、被験体の網膜組織中の裂孔を治療する方法:
    被験体の眼球の硝子体腔から硝子体液を除去する段階;および
    網膜剥離または黄斑円孔を覆うのに十分な量のタンポナーデ組成物を硝子体腔へ投与する段階であって、タンポナーデ組成物は、(a)房水より高密度で、(b)グリコサミノグリカンおよび無毒性で吸収性の液体を含む、段階。
  16. タンポナーデ組成物が、組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのグリコサミノグリカンを含む、請求項15記載の方法。
  17. グリコサミノグリカンがヒアルロン酸であり;かつ無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水である、請求項16記載の方法。
  18. タンポナーデ組成物が、組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのコンドロイチン硫酸をさらに含む、請求項17記載の方法。
  19. タンポナーデ組成物が、組成物1 mlあたり約0.9 mgから5 mgのグリコサミノグリカンを含む、請求項15記載の方法。
  20. グリコサミノグリカンがヒアルロン酸であり;かつ無毒性で、吸収性の液体が重水素を含む重水である、請求項19記載の方法。
  21. タンポナーデ組成物が、組成物1 mlあたり少なくとも約0.05 mgのコンドロイチン硫酸をさらに含む、請求項20記載の方法。
  22. 被験体が(i)上方部網膜剥離、および(ii)下方部網膜剥離または黄斑円孔であり、眼球硝子体腔へガス状タンポナーデ薬剤を投与する段階をさらに含む、請求項15記載の方法。
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