JP2008525759A - 製紙機の乾燥セクションの紙通り改善方法、回転乾燥シリンダの使用方法、製紙機の乾燥セクション、及び、乾燥方法選択方法 - Google Patents

製紙機の乾燥セクションの紙通り改善方法、回転乾燥シリンダの使用方法、製紙機の乾燥セクション、及び、乾燥方法選択方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、製紙機や製ボール紙機などの乾燥セクション(40)の紙通りを改善する方法に関する。ペーパーウェブを、少なくとも550メートル/分の機械速度で、複数の連続した乾燥シリンダ(41)の表面と接触させる。乾燥セクションの導入部分における1以上の乾燥シリンダ表面を、少なくとも120℃の温度まで加熱する。本発明は、更に、製紙機等における加熱回転乾燥シリンダの使用方法、製紙機の乾燥セクション、及び、乾燥方法を選択する方法、に関する。

Description

本発明は、製紙機や製ボール紙機などの乾燥セクションに関する。本発明は、特に、製紙機の乾燥セクションの紙通り改善方法であって、ペーパーウェブを製紙機のプレスセクションから製紙機の乾燥セクションへ搬送し、ペーパーウェブを乾燥セクションの複数の連続した乾燥シリンダの表面と接触させ、乾燥シリンダのうち少なくとも一部は加熱される方法に関する。また、本発明は、製紙機等における加熱回転乾燥シリンダの使用方法、製紙機の乾燥セクション、及び、乾燥方法選択方法にも関する。
通常の製紙機又は製ボール紙機において、移動ペーパーウェブは、移動構造又はワイヤ上に形成される。ペーパーウェブは、製紙機内を搬送されるとき、徐々に乾燥される。この乾燥の大部分は、製紙機の乾燥セクションにおいて発生する。
典型的な製紙機又は製ボール紙機において、紙又はボール紙の出発原料(すなわち、繊維パルプ)は、製紙機のいわゆるウェットエンドに入れられる。パルプは、ヘッドボックスを通じて、移動構造又はワイヤ上に持ち込まれ、移動ペーパーウェブが移動構造上に形成される。同時に、移動ウェブからの水の除去が開始される。製紙機の最初のセクションは、ワイヤセクションと呼ばれることが多い。典型的なワイヤセクションにおいては、主として真空ポンプを用いて吸引することによって、ペーパーウェブから水が取り除かれる。
ワイヤセクションの後、ペーパーウェブは、通常、プレスセクションへ搬送される。プレスセクションにおいては、例えば水吸収性のフェルト間で湿ったウェブをプレスすることによって、主として機械的に水が除去される。
プレスセクションの後、ペーパーウェブは、通常、主としてペーパーウェブの乾燥が実行される乾燥セクションへ搬送される。通常、乾燥セクションにおいて、ペーパーウェブは加熱され、水は主として蒸発によって移動ペーパーウェブから除去される。通常、紙は、乾燥率35〜65%の状態で乾燥セクションに入る。
乾燥セクションの後、乾燥したペーパーウェブを例えば表面処理などの仕上げ処理のために搬送してもよい。
製紙機の生産能力を上げるために、製紙機におけるペーパーウェブの移動速度を上げるという継続的な要求が存在する。今日、製紙機速度は2,000メートル/分であり、より高い機械速度を実現するために鋭意研究が行われている。
製紙機における速度を制限している要因のうちの1つは、乾燥セクションである。乾燥セクションの導入部における課題は、ペーパーウェブがシリンダ表面に刺さる又は貼り付くこと、すなわち、ペーパーウェブの繊維が乾燥シリンダ表面に刺さってしまうことである。これにより、乾燥シリンダ表面が汚れ、ひいては、紙に穴が開いたり、乾燥が不均一となったり、紙通りがスムーズでなくなったりする。理論上、貼り付きは、繊維成分としてペーパー内に存在するリグニン及びヘミセルロースの融解温度又は軟化温度の低下によって生じる。リグニン及びヘミセルロースは、アモルファス構造を持つポリマーであって、水中で且つ高温下において構造を変える。リグニンの融解温度は、ポリマー鎖が単一のモノマーへ分解したことによってリグニン構造が固体からプラスチックに変化し始める温度である。リグニンの融解温度は、ペーパーウェブの含水量に依存する。天然の乾燥リグニンの融解温度は約190℃であるが、ペーパーの含水率が30〜40%のとき、リグニンの融解温度は90℃に下がる。従来技術においては、ペーパーウェブが依然として比較的湿っている乾燥セクションの導入部分では乾燥シリンダの温度をリグニンの融解温度未満に保ち、乾燥セクションを奥に進むにしたがい徐々にシリンダ温度を上げていくことが必要である、と示唆されている。通常の製紙では、乾燥セクションの導入部分における乾燥シリンダの温度は、通常、60〜80℃である。乾燥シリンダ温度が低いと、乾燥セクションの乾燥容量が低下する。
製紙機速度の別の制限要因は、プレスセクションから乾燥セクションへのペーパーウェブの移行である。典型的な乾燥セクションは、ペーパーウェブと接触する複数の加熱回転乾燥シリンダから成る。ペーパーウェブは、比較的湿っている状態でプレスセクションを離れる。湿ったペーパーウェブと加熱乾燥シリンダの間の高い粘着力と、いわゆるオープニング・ニップ(opening nip)力又は真空力とにより、乾燥セクションの導入部分において、ペーパーウェブは、容易に、回転乾燥シリンダの表面にくっついたままでいるか、或いは、回転乾燥シリンダの表面を追従しがちになってしまう。ペーパーウェブがシリンダ表面にくっついたままであったり、シリンダ表面に追従してしまったりすると、ペーパーウェブが壊れ、製紙の紙通りが悪くなる可能性が高い。通常、これらの問題は、例えば、紙通りボックス装置(例えば、送風ボックスや、真空ボックス、など)などを用いて、解決が試みられる。これらの紙通りボックス装置は、通常、乾燥セクションのシリンダ間の空間(すなわち、ドライヤーポケット)に負圧を生成するように構成される。負圧は、シリンダ表面からペーパーウェブから剥がれるのを容易にし、そして、ペーパーウェブを支持する構造にペーパーウェブを追従させ続けるために、生成される。
本発明の目的は、従来技術の問題点及び欠点を解決又は最小化することである。
本発明の目的の1つは、特に製紙機や製ボール紙機等の乾燥セクションの導入部分に関連した紙通り問題を低減する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、特に、改善された乾燥容量及び紙通りを提供する製紙機や製ボール紙機等の乾燥セクションを提供することである。
本発明の別の目的は、製紙機の乾燥セクションにおける乾燥方法の選択方法を提供することである。
例えば上述の目的を実現するために、本発明に係る方法、本発明に係る使用方法、及び、本発明に係る製紙機の乾燥セクションは、添付の独立請求項の特徴部分に示されたものによって、特徴付けられる。
本明細書において述べる実施例及び利点は、常に特に言及されていなくても、本発明に係る方法及び製紙機の乾燥セクションの双方に適用可能な適切な部分である。
本明細書において、製紙機は、様々な種類の製紙機、製ボール紙機、又は、他の類似の機械を意味する。本発明は、様々な坪量を持つ、多くの異なるペーパー等級(例えば、上質紙、新聞印刷用紙、LWC、SC、ボール紙、など)の生産に適している。
本発明に係る製紙機の乾燥セクションの紙通りを改善する典型的な方法は、
− 少なくとも550メートル/分の機械速度で、ペーパーウェブを、製紙機のプレスセクションから製紙機の乾燥セクションへ搬送し、
− 前記ペーパーウェブを前記乾燥セクションの複数の連続した乾燥シリンダの表面と接触させ、
− 前記乾燥シリンダのうち少なくとも一部は加熱され、
− 前記乾燥セクションの導入部分において、前記ペーパーウェブと接触する少なくとも1つの乾燥シリンダ表面を少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃、の温度まで加熱する、方法である。
ここで、驚いたことに、粘着力及び/又は真空力から生じる乾燥セクションの導入部分における紙通り問題及び/又は乾燥シリンダ表面に対する湿ったペーパーウェブの貼り付き問題は、単に、乾燥セクションの導入部分の少なくとも1つの乾燥シリンダの表面を少なくとも120℃の温度まで加熱することによって、大幅に低減させることができるか、或いは、完全に解決することさえできることが分かった。この乾燥シリンダの高い表面温度は、オープニング・ニップにおける湿ったペーパーウェブの乾燥シリンダからの分離を妨げている粘着力及び/又は真空力を最小化することによって、回転シリンダ表面へのペーパーウェブの粘着を低減するのに貢献する。
本発明によれば、乾燥セクションの導入部分の乾燥シリンダの高い表面温度が、加熱されるペーパーウェブ内に存在する繊維及び水を、水が過熱されて、ペーパーウェブの加熱乾燥シリンダ側に位置する第一側部において沸騰し始めるほど集中的に加熱させられると仮定される。過熱した沸騰している水は、蒸気を生成して、乾燥シリンダ表面及びペーパーウェブの第一側部の間で過剰圧力を提供する。オープニング・ニップにおいて、この生成された蒸気によって生成された過剰圧力は、ペーパーウェブをシリンダ表面から外側へ向けて「押す」。これにより、ニップに存在している真空力が最小化される。また、生成された蒸気は、乾燥シリンダ表面から離れたところに位置するペーパーウェブの第二側部に存在する水を「押す」。水がペーパーウェブの第一側部から「押しのけられる」と、ペーパーウェブの第一側部の空隙が蒸気で満たされ、シリンダ表面と接する水が減少するにつれて、ペーパーウェブと乾燥シリンダ表面の間の粘着力が大幅に減少する。同時に、水の温度が高くなるにつれて、水の粘性が低下する。これにより、ペーパーウェブの第一側部と乾燥シリンダ表面の間の粘着力が減少する。
従来技術において表明されている信条と異なり、この抜本的なシリンダ表面温度の増加は、ペーパーウェブのシリンダ表面に対する貼り付きを増やさないことが分かった。理論に束縛されずに、これは、乾燥シリンダ表面の高温がペーパーウェブの第一側部を、非常に急速に(実際には、第一側部がシリンダ表面と接触すると直ちに)、「脱水する」ことによるものと仮定する。ウェブの第一側部の乾燥率が高くなるにつれて、ウェブの当該部分に存在するリグニンの融解温度がシリンダ表面温度よりも高くなり、貼り付きはほとんど若しくは全く起こらない。
本発明は、乾燥セクションの長さを短くすること、すなわち、ペーパーウェブを所定の乾燥率へ乾燥させるのに必要な乾燥シリンダの数を減らすこと、も可能にする。乾燥シリンダの高い表面温度により、乾燥セクションの導入部分において既により効果的なペーパーウェブの乾燥を行うことができるからである。
本明細書において、ペーパーウェブが、乾燥セクションの第一端から乾燥セクションに入り、乾燥セクションの第二端からセクション外に出ることは明らかである。さらに、ここでは、乾燥セクションの導入部分は、乾燥セクションの第一端にある乾燥セクションの一部であることは明らかであり、乾燥セクションの導入部分の長さは、乾燥セクションの第一端における乾燥シリンダの数として計算することができ、その数は、乾燥セクションの乾燥シリンダの総数に対して、典型的には50%、好ましくは30%、より好ましくは20%、である。
本発明の一実施形態によれば、乾燥セクションの導入部分における第一の、及び/又は、第二の、及び/又は、第三の乾燥シリンダ表面は、少なくとも120℃の温度まで加熱される。他のシリンダは、第一の加熱シリンダ(例えば吸入シリンダ)の間に置くことができる。まさに一番目のシリンダとして、本発明に係る高温シリンダ以外の1以上の他のシリンダが存在するも可能である。
本発明の一実施形態によれば、ペーパーウェブは、製紙機のプレスセクションから乾燥セクションへ搬送される。通常、この段階において、ペーパーウェブの乾燥率は、35〜65%、より典型的には38〜55%、より典型的には38〜48%である。典型的な乾燥セクションは、所定の順番でウェブと接触するように構成された複数の連続した回転乾燥シリンダを有する。さらに、典型的な乾燥セクションは、乾燥シリンダ表面の少なくとも一部を加熱する手段と、加熱シリンダ表面の温度を制御する手段とを有する。
本発明の一実施形態によれば、乾燥セクションの導入部分における第一の、及び/又は、第二の、及び/又は、第三の乾燥シリンダ表面は、少なくとも150℃の温度まで加熱される。すべての乾燥シリンダ表面を製紙機の導入部分において少なくとも150℃の温度まで加熱しないことも可能である。本発明の一実施形態によれば、すべての第二のシリンダ表面が少なくとも120℃若しくは少なくとも130℃の温度まで加熱され、すべての第二のシリンダ表面が従来の60〜80℃の温度まで加熱される。乾燥セクションの導入部分の乾燥シリンダ表面の数の特定のパーセンテージ(表面総数の、典型的には30%、より典型的には40%、好ましくは60%、より好ましくは70%若しくは90%)だけを、少なくとも120℃若しくは130℃まで加熱することも可能である。通常、乾燥セクションの第一端の3〜4つの乾燥シリンダ表面が、少なくとも130℃の温度まで加熱される。
本発明の別の実施形態によれば、乾燥セクションの導入部分において、ペーパーウェブと接触する少なくとも1つの乾燥シリンダ表面が、少なくとも、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、又は、280℃、及び、450℃未満、典型的には400℃未満、より典型的には350℃未満、より典型的には300℃未満、好ましくは250℃未満、より好ましくは200℃若しくは180℃未満、の温度まで加熱される。本発明のいくつかの実施形態において、乾燥シリンダの高温は、上記温度のいずれかを意味する。
本発明は、特に、少なくとも2000メートル/分、好ましくは最高2500メートル/分、の平均速度を持つ製紙機において用いられるのに適している。本発明に係る乾燥セクションは、製紙機の紙通りを改善し、ウェブを壊すことなく、高速に達し、維持することができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、機械速度は、少なくとも、600メートル/分、700メートル/分、800メートル/分、900メートル/分、1000メートル/分、1100メートル/分、1200メートル/分、1300メートル/分、1400メートル/分、1500メートル/分、1600メートル/分、1700メートル/分、1800メートル/分、1900メートル/分、2000メートル/分、2100メートル/分、2200メートル/分、2300メートル/分、2400メートル/分、2500メートル/分、又は、3000メートル/分、及び、3500メートル/分未満、典型的には3000メートル/分未満、より典型的には2500メートル/分未満、より典型的には2200メートル/分未満、好ましくは2000メートル/分未満、より好ましくは1800メートル/分若しくは1500メートル/分未満、である。
本発明の一実施形態によれば、乾燥セクションの導入部分において、45%未満の乾燥率を持つペーパーウェブと接触する乾燥シリンダ表面が、少なくとも140℃の温度まで加熱される。45%未満の乾燥率を持つペーパーウェブにおいて、リグニンの融解温度は、広範囲な貼り付きを何ら生じることなく、ウェブが少なくとも140℃の温度を持つ乾燥シリンダ表面と接触することができるようなものである、ことが判明した。これに応じて、本発明の別の実施形態によれば、乾燥セクションの導入部分において、50%未満の乾燥率を持つペーパーウェブと接触する乾燥シリンダ表面が、少なくとも120℃若しくは130℃の温度まで加熱される。
本発明の一実施形態によれば、ウェブの乾燥率が55%を超えた後、ウェブは100℃未満の温度まで加熱されたシリンダ表面と接触される。これは、乾燥率が55%未満のペーパーウェブと接触するシリンダ表面のみを100℃を超える温度まで加熱することを可能にする。乾燥率55%が得られた後、ウェブの最終的な乾燥率を実現するために、より低い表面温度の乾燥シリンダを用いてウェブの乾燥を継続することが可能である。この最終乾燥率は、生産されるペーパーの等級に依存する。
典型的ないわゆる単一フェルト製紙機構成において、乾燥セクションは、乾燥シリンダと真空ロールの列から成る。通常、乾燥シリンダは、最上列に配置されて、それらの下には吸入ロール(すなわち掃除ロール)が配置される。ペーパーウェブは、スラロームの形で、乾燥セクションを通過し、最初に第一の乾燥シリンダに到達し、次に、掃除ロールに達する。本発明の一実施例によれば、乾燥セクションの導入部分の複数の乾燥シリンダは、高温乾燥シリンダで置き換えられる。例えば、最大4シリンダの第一の乾燥シリンダは、120℃を超える若しくは130℃を超える表面温度を持つ高温シリンダで置き換えられる。これらのシリンダの後では、従来通りの乾燥セクションを用いてペーパーウェブを乾燥させることができる。
蒸気加熱乾燥シリンダを用いた従来の乾燥セクションでは、複数のシリンダにおいて同じ蒸気圧が用いられる。シリンダは、いわゆる蒸気グループを形成するためにグループ分けされる。ここで、グループメンバーのシリンダの表面温度は、略同じである。例えば、乾燥セクションが5つの蒸気グループを有し、シリンダ1〜10を含む第一グループには1バールの圧力が供給され、シリンダ11〜20を含む第二グループには2バールの圧力が供給され、シリンダ21〜30を含む第三グループには2.5バールの圧力が供給され、シリンダ31〜40を含む第四グループには3バールの圧力が供給され、シリンダ41〜50を含む第五グループには3.5バールの圧力が供給される。この種の蒸気供給システムは、カスケード蒸気圧縮システムと呼ばれる。
本発明の一実施形態によれば、第一グループの第一のシリンダのうちの1〜4つが、高い表面温度を持つ乾燥シリンダとして構成される。乾燥セクションの残りは、従来通りに構成される。これは、乾燥シリンダ表面温度及びシリンダ内部の蒸気圧は、高温シリンダ後のシリンダ・グループにおいて徐々に増加することを意味している。
本発明の別の実施形態によれば、最初の1〜4つのシリンダが、高い表面温度を有するシリンダとして構成される。高温シリンダを用いることにより、ペーパーウェブの安全な乾燥率、すなわちペーパーウェブがもはやシリンダ表面に貼り付くことがない乾燥率、が実現される。この状況は、通常、約55%の乾燥率において、実現される。高い表面温度の後、加熱乾燥シリンダには、より低い圧力の蒸気が供給される。例えば、第一グループの蒸気圧を5.5バールとし、第二グループを4.5バールとし、第三グループを4バールとし、第四グループを3.5バールとし、残りの乾燥シリンダを3バールとすることができる。この新規なシステムは、リバース・カスケード蒸気システムと呼ぶことができる。
本発明の更に別の実施形態によれば、高温シリンダより後ろのすべての加熱シリンダ表面が、略一定の温度に保たれる。すなわち、略同じ蒸気圧が供給される。例えば、乾燥セクションが75個の加熱シリンダを有する場合、そのうち4つの第一のシリンダを高温シリンダとすることができる。これらの後の第5番目から第65番目のシリンダは、定圧レベル(例えば10バール)にセットすることができる。ペーパーウェブを冷却して、ペーパーの品質を制御するために、最後のシリンダだけにより低い圧力(例えば3バール)が供給されてもよい。
換言すれば、本発明の一実施形態によれば、乾燥シリンダ表面は、例えば、蒸気、圧縮蒸気、過熱蒸気、衝突空気、燃焼用空気、又は油などの加熱媒体を用いて、少なくとも120℃若しくは少なくとも130℃の温度まで加熱される。加熱媒体は、少なくとも120℃若しくは少なくとも130℃の温度まで加熱された表面を持つ第一の乾燥シリンダ内へ供給されることが好ましい。シリンダが蒸気加熱される場合、蒸気を第一の乾燥シリンダから、第二の及び/又は第三の連続した乾燥シリンダへ導入することができる。したがって、乾燥シリンダに供給される蒸気の圧力及び温度は、シリンダが置かれている乾燥セクションの第二端へ向かうにつれて減少する。例えば、第一のシリンダに供給される蒸気の圧力を5.5バールとすると、第一のシリンダから連続した第二のシリンダへ導かれた蒸気は、例えば5.0バールの圧力を有する。第二のシリンダから連続した第三のシリンダへ導かれた蒸気は、例えば4.5バールの圧力を有する。第三のシリンダから連続した第四のシリンダへ導かれた蒸気は、例えば4.0バールの圧力を有する。乾燥セクションの導入部分のすべてのシリンダ表面を加熱するために、略同じ圧力(例えば10バール)及び同じ温度を持つ蒸気を用いることができる。
乾燥セクションの第一の加熱シリンダは、本発明を実現するために、容易且つ安価に、高温シリンダに変更することができる。本発明において用いることができる適切な高温乾燥シリンダは、シリンダの表面を加熱するために、例えば燃焼用空気を用いることができる。シリンダ内部に、シリンダの内面を加熱するバーナーを設け、熱がシリンダ壁を通じてシリンダの外表面へ伝達されるようにしてもよい。このようなシリンダ・タイプ及び例えばオイル加熱シリンダの双方が、当業者には知られている。
本発明の別の実施形態によれば、製紙機の乾燥セクションが、
− 乾燥セクションの導入部分に配置されるとともに、各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ加熱回転乾燥シリンダから成る第一のグループと、
− 各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ加熱回転乾燥シリンダから成る第二のグループと、を有する。
この乾燥セクションは、更に、
− 第一のグループのシリンダの表面の少なくとも1つを加熱するように構成された第一のシリンダ加熱手段と、
− 第二のグループのシリンダの表面を加熱するように構成された第二のシリンダ加熱手段と、を有する。本発明のこの実施形態によれば、第一及び第二のシリンダ加熱手段は、互いに別体である。
有益的なことに、第一及び第二のシリンダ加熱手段は別々に制御可能であるため、高温シリンダ(すなわち、加熱回転乾燥シリンダの第一グループ)の温度を加熱回転乾燥シリンダの第二グループの温度から独立して選択できるようになる。
本発明の一実施形態によれば、本発明に係る高温シリンダは、残りの乾燥セクションから別体で且つ別々に制御される加熱システムを備える。
本発明の一実施形態によれば、乾燥セクションは、1つ以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つの)高温シリンダを第一の乾燥シリンダとして有する。これら高温シリンダの後、上述の通りで、乾燥セクションは、リバース・カスケード蒸気システムを有するように構成される。高温シリンダの加熱システムは、リバース・カスケード蒸気システムの蒸気グループの加熱システムとは別体の異なるシステムとして構成することができる。
本発明の一実施形態において、加熱回転乾燥シリンダの第二グループは、第一グループの後でペーパーウェブと接触するように構成される。このようにして、別体の加熱装置を容易に導入し、別々に制御することができる。第一のシリンダ加熱手段は、例えば、蒸気、圧縮蒸気、過熱蒸気、衝突空気、燃焼用空気、油などの加熱媒体を用いて、第一グループのシリンダ表面を加熱する手段を有する。これらの媒体を用いて高温に加熱することは、容易である。
本発明の一実施例は、製紙機の乾燥セクションにおける乾燥方法を選択する方法である。この方法は、
− 特定の等級のペーパーウェブを、特定の時間長の間、加熱シリンダと接触させ、
− 特定の等級のペーパーウェブを、加熱シリンダ表面温度とペーパーウェブの乾燥率とが様々な組み合わせの状態で、加熱シリンダ表面と接触させ、
− ペーパーウェブが加熱シリンダ表面に貼り付いているか否かの情報を電気メモリに保存し、
− 特定のペーパー等級について、ペーパーウェブがシリンダにくっつきやすいのはペーパーウェブの乾燥率がどのくらいで、シリンダ温度がどのくらいのときかを概略的に示すグラフを描き、
− 製紙機の乾燥セクションの乾燥シリンダの表面温度は、グラフに基づいて、該グラフによればペーパーウェブが加熱シリンダ表面に貼り付かないように選択される。
好ましい実施形態によれば、乾燥セクションの導入部分におけるシリンダ温度は、ペーパーウェブが加熱シリンダ表面に貼り付く温度より高く設定される。すなわち、乾燥は、貼り付くことが予想される領域よりも上の温度において、開始される。
本発明の実施例を添付の概略図面を参照して説明する。
図1は、オープニング・ニップにおいて湿ったペーパーウェブに及ぼされる力を概略的に示している。湿ったペーパーウェブ1は、加熱乾燥シリンダ3の表面3’上を、支持構造2によって搬送される。オープニング・ニップにおいて、粘着力4及び真空力5が湿ったペーパーウェブ1に及ぼされて、ウェブ1はシリンダ表面3’に追従してオープニング・ニップ内へ引き込まれる。紙通りを最適なものとするためには、ウェブ1が支持構造2に追従することが好ましい。本発明に係るシステムにおいては、乾燥セクションの導入部分においてシリンダ表面が高温に加熱されるため、ペーパーウェブとシリンダとの間の粘着力及び真空力が大幅に減少する。
図2aは、従来のシリンダ表面、ペーパーウェブ、及び、支持構造システムを概略的に示している。湿ったペーパーウェブ1は、60〜80℃の温度まで加熱された乾燥シリンダ3上を支持構造2によって搬送される。ペーパーウェブは、繊維6、6’と、様々な添加微粒子7、7(例えば、リテンション・エイド、充填材、ストック・サイズ、など)とを有する。繊維6、6’と添加微粒子7、7’との間には、ペーパーウェブ1内に存在する水で満たされた空隙及び空洞8、8’が存在する。水は、繊維6、6’を濡らし、繊維成分の1つであるリグニンの融解温度を低下させる。
図2bは、本発明に係るシリンダ表面、ペーパーウェブ、及び、支持構造システムを概略的に示している。湿ったペーパーウェブ1は、少なくとも150℃の温度まで加熱された乾燥シリンダ3上を支持構造2によって搬送される。ペーパーウェブ1のうち加熱乾燥シリンダ3の表面と接触している第一の側部1’上の空隙及び空洞8、8’に存在する水は、矢印で図示されているように、蒸気に変換される。これにより、ウェブ1の第一の側面には実質的に水のない領域9が生成される。これは、ウェブ1とシリンダ3の間の粘着力及び真空力を低減するとともに、リグニンの融解温度の減少も最小化する。ウェブ1の第一の側面に形成された蒸気は、ウェブ1を通じて、ウェブ1のうち支持構造3と接触している第二の側部1”へ、水を「押す」。これにより、湿ったペーパーウェブ1と支持構造との間の粘着力が増加し、支持構造3へのウェブ1の貼り付けが強化される。
図3は、特定のペーパー等級について、ペーパーウェブがシリンダにくっつきやすいのはペーパーウェブの乾燥率がどのくらいで、シリンダ温度がどのくらいのときかを概略的に示しているグラフである。領域30は、貼り付きをもたらすシリンダ表面温度とペーパーウェブ乾燥率の組み合わせを示している。領域31は、貼り付きをもたらさないシリンダ表面温度とペーパーウェブ乾燥率の組み合わせを示している。破線で示した境界線32は、ここでは、シャープで、美しくて、滑らかな曲線として示されているが、実際には、2つの領域30及び31間の境界は幾分不確かであり、その形状に特定の規則性はないものと考えられる。
図3のグラフは、特定の等級のペーパーウェブを、最初に、特定の時間長の間、加熱シリンダ表面に接触させるという方法で描かれている。この特定の等級のペーパーウェブは、加熱シリンダ表面温度とペーパーウェブの乾燥率とが様々な組み合わせの状態で、加熱シリンダ表面と何回も接触させる。通常、この種の試験を20〜30回行うと、貼り付き領域の全体像が得られる。ペーパーウェブが加熱シリンダ表面に貼り付いているか否かの情報は、好ましくは電気メモリ(例えば、コンピュータ・ハードディスクなどの記憶装置)に、保存される。
図3は、従来の製紙機の乾燥セクションにおける乾燥方法の軌道を矢印33で示している。ペーパーウェブは、スタート地点34において、乾燥セクションに導入される。すなわち、そのときの乾燥率はD1である。シリンダ表面への貼り付きを回避するために、乾燥セクションにおける第一の加熱シリンダのシリンダ表面温度は、境界線32の温度T2より低い温度T1に保たれる。第一のシリンダ温度がわずかでもT2より高いと、第一の加熱シリンダ上にペーパーウェブが貼り付くことが予想される。第一の加熱シリンダを通過すると、ペーパーウェブは既に少し乾燥されている。したがって、第二の加熱シリンダ表面温度を、1つ目の温度T1よりも若干高くすることができる。いずれにしても、温度は、常に、境界線32より下に保たれなければならない。さらに、粘着力及びオープニング・ニップ力によって、特に機械速度が高いときに、紙通りが問題となるため、通常は、効果的な紙通り装置を必要とする。
図3は、本発明に係る製紙機の乾燥セクションにおける乾燥方法の軌道を矢印35で示している。ペーパーウェブは、スタート地点36において、乾燥セクションに導入される。すなわち、そのときの乾燥率はD1である。シリンダ表面への貼り付きを回避するために、乾燥セクションにおける第一の加熱シリンダのシリンダ表面温度は、境界線32の温度T3よりも高い温度T4に保たれる。第一のシリンダ温度がわずかでもT3より低いと、第一の加熱シリンダ上にペーパーウェブが貼り付くことが予想される。第一の加熱シリンダを通過すると、ペーパーウェブは既に少し乾燥されている。したがって、第二の加熱シリンダ表面温度を、所望であれば、1つ目の温度T3よりも若干低くすることができる。
ペーパーウェブの乾燥率が貼り付き領域30における最大乾燥率D2を超えて上昇すると、シリンダ表面温度を、所望であれば、下げることができる。例えば、次のシリンダを、従来通りの蒸気加熱シリンダにすることができる。本発明に係る乾燥方法を用いると、乾燥セクションの導入部分においてシリンダ表面温度が高いため、貼り付きが回避され、粘着力及びオープニング・ニップ力が最小化され、そして、紙通りが改善される。粘着力及びオープニング・ニップ力が低減すると、乾燥ポケットにおける紙通り装置がより効果的でないものでも通常は十分に良好な紙通りを実現できる。
図4は、本発明の一実施例に係る乾燥セクション40を概略的に示している。この乾燥セクションは、複数の蒸気加熱乾燥シリンダ41と、これらの間の回転ロール42と、を有する。ペーパーウェブは、乾燥セクションの一端43から乾燥セクションに入る。ペーパーウェブは、乾燥セクションの他端44からセクション外へ取り出される。シリンダの下のグラフは、蒸気加熱シリンダ41の表面温度を乾燥セクション40におけるそれら位置の関数として表したものである。乾燥セクションは、5つの蒸気グループ45〜49に分けられる。各蒸気グループの乾燥シリンダ41は、略同じ表面温度を有する。表面温度は、他端44へ近づくほど低下する。
第一の蒸気グループ45は、乾燥セクションの最初の4つの加熱シリンダを含む。第二、第三、第四、及び、第5の蒸気グループ46〜49は、それぞれ7つの加熱シリンダを含む。
乾燥シリンダ41は、リバース・カスケード蒸気システムとして構成される。換言すれば、第一のシリンダ・グループ(すなわち、蒸気グループ45)のシリンダ表面は、少なくとも120℃の高温まで加熱される。ここでいう高温は、例えば、130℃、140℃、150℃、160℃、或いは、それ以上、であってもよい。この温度は、工程パラメータに従って、必要に応じて選択される。新鮮な蒸気が第一のシリンダ・グループ45に供給されることが好ましい。蒸気は、第一のシリンダ・グループから第二のシリンダ・グループ46へ、第二のシリンダ・グループ46から第三のシリンダ・グループ47へ、第三のシリンダ・グループ47から第四のシリンダ・グループ48へ、そして、第四のシリンダ・グループ48から第五のシリンダ・グループ49へ、導かれる。したがって、シリンダに供給される蒸気の圧力及び温度は、シリンダが置かれた乾燥セクションの他端44へ向かうほど減少していく。例えば、第一のシリンダ・グループに供給される蒸気の圧力は5.5バールであり、第二のシリンダ・グループ46に供給される蒸気の圧力は5.0バールであり、第三のシリンダ・グループ47に供給される蒸気の圧力は4.5バールであり、第四のシリンダ・グループ48に供給される蒸気の圧力は4.0バールであり、第五のシリンダ・グループ49に供給される蒸気の圧力は3.5バールである。
シリンダ・グループ間に蒸気を導入する配管、バルブ、及び他の機器は、それ自体既知であるため、ここではこれ以上説明しない。
シリンダを高温に加熱するシステムは、別体として構成され、リバース・カスケード蒸気システムとして構成された後の蒸気グループの加熱システムとは異なる。例えば、乾燥セクション40における1〜4つの第一の加熱シリンダは、残りの乾燥シリンダとは別に、蒸気、圧縮蒸気、過熱蒸気、温風、燃料用空気、又は、高温油などによって加熱される。シリンダ・グループ45〜49の各々に対して別々の加熱システムを用いて、図4に示した減少温度プロファイルを生成するようにすることも可能である。
本発明を特定の実施例を参照して図示及び説明してきたが、これらは単に本発明の例を示すためのものであって、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、当業者には明らかなように、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく、形状及び詳細についてさまざまな修正が可能である。
オープニング・ニップにおいて湿ったペーパーウェブに及ぼされる力を概略的に示す図である。 従来のシリンダ表面、ペーパーウェブ、及び、支持構造システムの概略図である。 本発明に係るシリンダ表面、ペーパーウェブ、及び、支持構造システムの概略図である。 本発明に係る、乾燥セクションにおける乾燥方法を計画するためのグラフを概略的に示す図である。 本発明の一実施例に係る乾燥セクションの概略図である。

Claims (23)

  1. 少なくとも550メートル/分の機械速度で、ペーパーウェブを、製紙機のプレスセクションから前記製紙機の乾燥セクション(40)へ搬送し、
    前記ペーパーウェブを前記乾燥セクションの複数の連続した乾燥シリンダ(41)の表面と接触させ、
    前記乾燥シリンダのうち少なくとも一部は加熱された、
    製紙機の乾燥セクションの紙通りを改善する方法であって、
    前記乾燥セクション(40)の導入部分において、前記ペーパーウェブと接触する少なくとも1つの乾燥シリンダ表面(41)を少なくとも120℃の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記乾燥セクション(40)の導入部分において、第一の、及び/又は、第二の、及び/又は、第三の乾燥シリンダ表面を少なくとも120℃の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、
    前記乾燥セクション(40)の導入部分において、前記ペーパーウェブと接触する少なくとも1つの乾燥シリンダ表面(41)を、少なくとも、130℃、140℃、150℃,160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、又は、280℃、及び、450℃未満、典型的には400℃未満、より典型的には350℃未満、好ましくは250℃未満、より好ましくは200℃若しくは180℃未満、の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1記載の方法であって、
    前記ペーパーウェブは、少なくとも、600メートル/分、700メートル/分、800メートル/分、900メートル/分、1000メートル/分、1100メートル/分、1200メートル/分、1300メートル/分、1400メートル/分、1500メートル/分、1600メートル/分、1700メートル/分、1800メートル/分、1900メートル/分、2000メートル/分、2100メートル/分、2200メートル/分、2300メートル/分、2400メートル/分、2500メートル/分、又は、3000メートル/分、の機械速度で搬送され、
    前記ペーパーウェブは、3500メートル/分未満、典型的には3000メートル/分未満、より典型的には2500メートル/分未満、より典型的には2200メートル/分未満、好ましくは2000メートル/分未満、より好ましくは1800メートル/分若しくは1500メートル/分未満、の機械速度で搬送される、
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、
    前記乾燥セクションの導入部分において、45%未満の乾燥率を持つ前記ペーパーウェブと接触する乾燥シリンダ表面を少なくとも150℃の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1記載の方法であって、
    前記乾燥セクションの導入部分において、45%未満の乾燥率を持つ前記ペーパーウェブと接触する乾燥シリンダ表面(41)を少なくとも140℃の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1記載の方法であって、
    前記乾燥セクションの導入部分において、50%未満の乾燥率を持つ前記ペーパーウェブと接触する乾燥シリンダ表面を少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項記載の方法であって、
    前記ウェブの乾燥率が55%を超えた後、前記ウェブを100℃未満の温度まで加熱されたシリンダ表面と接触させる、
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求項1記載の方法であって、
    前記シリンダ表面を、例えば、蒸気、圧縮蒸気、過熱蒸気、衝突空気、燃焼用空気、油などの加熱媒体を用いて、少なくとも120℃の温度まで加熱する、
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項1記載の方法であって、
    前記乾燥セクション(40)は、蒸気加熱乾燥シリンダ(41)を有し、
    前記シリンダは、複数の蒸気グループ(45〜49)を形成するようにグループ分けされ、
    各蒸気グループは、少なくとも1つのシリンダ(41)を有し、
    1グループ内の複数のシリンダには略同じ圧力の蒸気が供給され、
    1グループ内の複数のシリンダの表面温度は、略同じに維持される、
    ことを特徴とする方法。
  11. 請求項10記載の方法であって、
    第一の蒸気グループ(45)は、少なくとも120℃の高い表面温度を持つ複数のシリンダを有する、
    ことを特徴とする方法。
  12. 請求項11記載の方法であって、
    前記第一の蒸気グループを用いて、前記ペーパーウェブが少なくとも55%の乾燥率まで乾燥される、
    ことを特徴とする方法。
  13. 請求項11記載の方法であって、
    前記第一の蒸気グループの後続の蒸気グループ(46〜49)には低減された圧力が供給される、
    ことを特徴とする方法。
  14. 請求項11記載の方法であって、
    前記乾燥シリンダ(41)に導入される蒸気の圧力及び温度は、前記シリンダが位置している前記乾燥セクションの第二端(44)に向かうほど減少する、
    ことを特徴とする方法。
  15. 製紙機の乾燥セクション(40)の導入部分における少なくとも1つの加熱回転乾燥シリンダの使用方法であって、
    前記少なくとも1つの加熱回転乾燥シリンダは、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃の表面温度を持ち、
    前記乾燥セクションは、各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された表面を持つ複数の連続した回転乾燥シリンダ(41)を有する、
    ことを特徴とする使用方法。
  16. 乾燥セクションの導入部分に配置されるとともに、各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ加熱回転乾燥シリンダ(41)から成る第一のグループ(45)と、
    各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ加熱回転乾燥シリンダから成る第二のグループ(46)と、
    を有する、製紙機の乾燥セクションであって、
    前記第一のグループのシリンダの表面の少なくとも1つを加熱するように構成された第一のシリンダ加熱手段と、
    前記第二のグループのシリンダの表面を加熱するように構成された第二のシリンダ加熱手段と、を有し、
    前記第一及び第二のシリンダ加熱手段は、互いに別体である、
    ことを特徴とする乾燥セクション。
  17. 請求項11記載の乾燥セクションであって、
    前記第二のグループは、前記第一のグループの後でペーパーウェブと接触するように構成される、
    ことを特徴とする乾燥セクション。
  18. 請求項11記載の乾燥セクションであって、
    前記第一のシリンダ加熱手段は、例えば、蒸気、圧縮蒸気、過熱蒸気、衝突空気、燃焼用空気、油などの加熱媒体で、前記第一のグループの前記シリンダ表面を加熱する手段を有する、
    ことを特徴とする乾燥セクション。
  19. 製紙機の乾燥セクション(40)における乾燥方法を選択する方法であって、
    特定の等級のペーパーウェブを、特定の時間長の間、加熱シリンダ(41)と接触させ、
    前記特定の等級のペーパーウェブを、加熱シリンダ表面温度とペーパーウェブの乾燥率とが様々な組み合わせの状態で、加熱シリンダ表面と接触させ、
    ペーパーウェブが加熱シリンダ表面に貼り付いているか否かの情報を電気メモリに保存し、
    特定のペーパー等級について、前記ペーパーウェブが前記シリンダにくっつきやすいのはペーパーウェブの乾燥率がどのくらいで、シリンダ温度がどのくらいのときかを概略的に示すグラフを描き、
    製紙機の乾燥セクション(40)の乾燥シリンダ(41)の表面温度は、前記グラフに基づいて、該グラフによれば前記ペーパーウェブが前記加熱シリンダ表面に貼り付かないように選択される、
    ことを特徴とする方法。
  20. 請求項14記載の方法であって、
    前記乾燥セクションの導入部分におけるシリンダ温度は、前記ペーパーウェブが前記加熱シリンダ表面に貼り付いている温度よりも高い温度が選択される、
    ことを特徴とする方法。
  21. 乾燥セクションの導入部分に配置されるとともに、各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ1以上の蒸気加熱回転乾燥シリンダ(41)から成る第一の蒸気グループ(45)と、
    各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ1以上の蒸気加熱回転乾燥シリンダ(41)から成る第二の蒸気グループ(46)と、
    1グループ内の複数のシリンダに略同じ圧力及び温度の蒸気を供給する手段と、
    を有する、製紙機の乾燥セクションであって、
    前記第一の蒸気グループの複数のシリンダ(41)の表面温度が少なくとも120℃になるような圧力及び温度の蒸気を前記第一の蒸気グループへ供給する手段と、
    前記第一の蒸気グループから前記第二の蒸気グループへ蒸気を導き、前記第二の蒸気グループの複数のシリンダの表面温度が前記第一の蒸気グループよりも実質的に低くなるような圧力及び温度の前記蒸気を供給する手段と、
    を有する、ことを特徴とする乾燥セクション。
  22. 請求項21記載の乾燥セクションであって、
    各々が所定の順序でペーパーウェブと接触するように構成された加熱シリンダ表面を持つ蒸気加熱回転乾燥シリンダから成る第三の蒸気グループ(47)と、
    前記第二の蒸気グループから前記第三の蒸気グループへ蒸気を導き、前記第三の蒸気グループの複数のシリンダの表面温度が前記第二の蒸気グループよりも実質的に低くなるような圧力及び温度の前記蒸気を供給する手段と、
    を有する、ことを特徴とする乾燥セクション。
  23. 請求項21記載の乾燥セクションであって、
    蒸気加熱回転乾燥シリンダ(41)から成る複数の蒸気グループ(41〜49)と、
    すべての蒸気グループに対して、それぞれの1つ前の蒸気グループと比較して低い圧力の蒸気が供給されるように、一の蒸気グループから他の蒸気グループへ蒸気を導く手段と、
    を有する、ことを特徴とする乾燥セクション。
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