JP2008523038A - 眼の表面の病理を処置するための組成物 - Google Patents

眼の表面の病理を処置するための組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、眼の病理を処置および/または予防するための組成物および方法に関するものである。本発明は、眼の上皮の傍細胞透過性を制御するための組成物および方法にも関するものである。本発明の組成物および方法は、特に眼の上皮のタイトジャンクションの開口をモジュレーションする薬剤または条件の使用にも基づいている。本発明は、哺乳類、特にヒトにおける眼の表面の病理などのさまざまな病理の予防上または治療上の処置に有用である。

Description

本発明は、眼の病理、特に哺乳類、特にヒトまたは動物における眼の表面の病理を処置するための組成物および方法に関するものである。本発明はより具体的には、眼の前部セグメントに相当する眼の表面の上皮の傍細胞透過性の制御を可能にする組成物および方法に関するものである。本発明の組成物および方法は特に、結膜および角膜の上皮細胞の細胞骨格の緊張をモジュレーションする薬剤または条件の使用に基づいている。本発明は、アレルギー(例えばアレルギー性結膜炎)または炎症によって生じる病理、感染性結膜炎、さまざまな角膜炎、およびドライアイ症候群などの眼の病理の予防上または治療上の処置のために使用され得る。
眼の前部セグメントでは、角膜上皮および結膜上皮がケラチン化されておらず、層をなすタイプである。角膜上皮および結膜上皮は、外部侵襲から眼を保護し、眼の表面は、深層の眼のメディウムと外部環境との間の移行性粘膜である。該上皮は、解剖学的および機能的なバリアーであり、その構造および涙膜(lacrimal film)との界面の性質により、眼内媒体と同様、結膜および角膜の構成要素を保護する。該上皮は、液体損失および病原体の貫通との間の競合的なバリアーである。該バリアーが有効であるために、上皮を構成する細胞は、互いに密接に接着しなければならない。細胞は、基盤をなす細胞の構成要素へも接着しなければならない(Apostol S. and Carstocea B., Oftalmologia 1994; 38(2): 101-6)。眼の外部表面における上皮の傷つきやすい位置を考慮すると、いずれかの侵襲に対する上皮の反応は、迅速かつ効率的でなければならない。
本発明者は、上述の眼の上皮バリアーの抵抗性が、該上皮の透過性と関連することを発見した。眼の上皮は、(主として涙から構成される)眼の外部媒体と内部媒体との間の交換の特有な部位である。これらの交換は、上皮の細胞を横切って、または並行なネットワークを通じてのいずれかで起こり得る。したがって、眼の粘膜のレベルで、水および電解質の輸送、さもなくば(一般に約1000Da未満の分子量の)小分子の吸収が、経細胞経路、すなわち上皮細胞を横切って起こる。その一方で、大分子の吸収ならびに抗原および/または毒素の通過が、上皮細胞同士の間に存在する「タイトジャンクション」のレベルで、主として傍細胞経路によって生じる[(Gobbels M. et al., Fortschr. Ophtamol 1990; 87 (6): 646-8), (Noske W. et al., Arch Clin Exp Ophtalmol 1994; 232 (110): 608-13), (Sugrue S.P. and Zieske J.D., Exp Eye Res 1997; 64: 11-20), (Hamalunem M. et al., Ophtalmol Vis Sci 1997; 38(36): 27-34)]。
上皮のタイトジャンクション(TJ)は、粘膜性上皮を裏打ちする細胞を連結する構造である。眼において、該構造は、眼の組織へ向けての涙膜およびさまざまな巨大分子(アレルゲン、刺激物、毒素、微生物、等)の傍細胞経上皮輸送を確実にし、調節する。アクチンフィラメントおよびミオシンフィラメントから構成される細胞骨格構成要素へ結合したこれらの柔軟な構造(Turner J.R. et al., Am J Physiol 1997; 273 (4Pt): C1378-85)は、経膜タンパク質(オクルディン、クローディン)と細胞質タンパク質(閉鎖帯タンパク質(zona occludens protein)ZO−1、ZO−2、シングリン(cingulin))との関連によって形成される[(Sugue S.P. and Zieske, J.D., Exp Eye Res 1997; 64:11-20), (Yi X. et al., Ophtalmol Sci Res 2000; 41(13): 4093-100)]。結果として、眼の表面の上皮は、その解剖学的構造および、作用が微生物、外来体、および落屑した上皮細胞を連続的に排泄および除去することである涙膜との界面の性質によって、基盤をなす細胞構成要素および眼内媒体の保護に必要なバリアー機能を提供する。
しかしながら、いくつかの侵襲剤は、この眼のバリアーの安定性を崩壊させ、傍細胞透過性の改変に関連した経上皮透過性における変化を誘導し得る。透過性の増大は、基礎となる細胞に向けての特定のアレルゲン、病原体、および化学分子のより大きな貫通を促進する。
酸素フリーラジカルを放出することによって、酸化ストレスは、眼の表面に影響を及ぼす病理の発生に重要な役割を担う。フリーラジカルは、上皮細胞膜を変化させる非常に反応性の高い毒性の化学物質種である。分子状酸素から形成されるスーパーオキシドアニオンは、過酸化水素と反応して、ヒドロキシラジカルを形成する。後者は、順に膜の多価不飽和脂肪酸と反応し、それにより非常に侵襲性の高い脂質過酸化物の形成を誘導し、それが、膜の主要な崩壊を生じる[Fridovitch I., Science 1978; 201 (4359): 875-80]。in vitroの研究は、ビタミンAの欠乏が、透過性の変化に至り得るとともに、H−マンニトールに対する傍細胞透過性を低下させ、結膜上皮のケラチン化を生じ(Huang A.J. et al., Invest Ophtalmol Vis Sci 1991; 31 (3): 429-35)、カリシフォーム(caliciform)の細胞の損失に至り得る。
眼の乾燥の場合、異なる因子が上皮の変化の原因であり得る。これらの眼の疾患は、照射(紫外線AおよびB、X線、光屈折手術)、細菌、ウィルス、菌類、アレルゲン、コンタクトレンズ着用への暴露によって生じ得る(Mc Namara N.A. et al., Br J Ophtamol 1998; 82 (4): 376-81)。それらは、グージェロ−シェーグレン症候群などの原因において遺伝的であり得る。
角膜における傍細胞透過性の変化も示されてきた。それらの変化は、眼の表面の急性または慢性の脱水と連結する[(Lofebalo L. et al., Int J Immunopathol Pharmacol 1999; 12 (3): 133-7), (Kabuyonna I. and Arakawa T.J., Ocul Pharmacol Ther 2003; 19(3): 281-9)]。
西洋ワサビ過酸化酵素(HRP)の使用によって示されるように、眼の表面上皮の透過性は、点眼薬または四級アンモニウム塩などの消毒剤に存在する保存力によって変化し得る。緑内障処置において使用されるなどのすべての複数用量点眼製剤の成分である塩化ベンザルコニウム(BACまたはBAK)は、非常に低用量においてでさえ、眼の表面の細胞膜の溶解(Tonjum A.M., Acta Ophtalmol (Copenh) 1975; 53(3): 335-47)および傍細胞透過性の変化を生じる。
さらに、結膜および角膜の両者の透過性の変化は、眼の表面への外傷後に、治癒相の間に生じ得る。したがって、生検は、上皮の状態と相関して、傍細胞透過性における亢進を誘導することを見出された(Huang A.J. et al., Invest Ophtamol Vis Sci 1990; 32(3): 633-39)。
結果として、特定のアレルゲン、病原体、および/または化学物質の分子が該上皮とクロスして眼の免疫細胞と相互作用し得るため、眼の表面での上皮の密接な接合の変化は、感作をもたらす。該転移が起こり得る条件は、in vitroであまり記されていなおらず、これまで感作の発達におけるin vivoでの該接合部の関与についての証拠はない。それにもかかわらず、微生物、アレルゲン、および/または化学物質分子の存在の増大が、アレルギー性および炎症性現象の原因であり、慢性病理に至る疼痛をしばしば伴うことは公知である。
本発明は、眼の病理、特に眼の表面に影響する病理における上皮のタイトジャンクションの役割のin vivoでの呈示からの結果として生じる。マスト細胞脱顆粒剤(生成物48/80:N−メチル−p−メトキシフェネチルアミンおよびホルムアルデヒド)または塩化ベンザルコニウムなどの刺激性化学物質の滴下に対するアレルギー反応によって誘導されるタイトジャンクションの開口は、眼の上皮の傍細胞透過性を改変する。本発明はまず、眼の該上皮細胞の細胞骨格の緊張のモジュレーションを可能にする化合物または条件の使用に基づいた、眼の病理、特に眼の表面の病理に対する治療上のアプローチを提唱する。したがって、該化合物または条件によって、眼の上皮細胞の細胞骨格緊張のモジュレーション、または眼の上皮のタイトジャンクションの開口部の直接的な制御、好ましくは低下、より好ましくは遮断を可能にする。特に、該アプローチによって、上皮におけるde novoタンパク質合成および/または重要なタンパク質および/または構造上の崩壊に必ずしも頼る必要なく、眼の上皮のタイトジャンクションの開口または閉鎖を調節できる。本発明によって、特異的で、精密で、および反応性のある眼の表面の上皮透過性の制御、それゆえアレルゲン、病原体、および/または化学分子の免疫細胞への通過に及ぼす作用が可能になる。本発明の組成物および方法は、経時的に調節され得る(可逆的であり得る)迅速な生物学的効果を得るのに特に十分に適している。
角膜上へのマスト細胞崩壊剤である生成物48/80の適用後の水性体液への多核性好中球浸潤は、文献(Allansmith et al., Acta Ophtalmol. 1989; 192: 145-153S)に記載される多核性好中球細胞の浸潤によって特徴付けられる。本発明者は、浸潤が、活性化した好中球によって放出される酵素であるミエロペルオキシダーゼ(MPO)の活性における亢進と関連し、該亢進が、ミオシン軽鎖のリン酸化を触媒するキナーゼの作用を阻害することによって作用する、上皮細胞の細胞骨格収縮の阻害剤であるML−7による前処理によって防止されうることを示している。この効果は、炎症によって誘導される角膜上皮細胞における細胞骨格緊張の低下に対応し、水性体液中の好中球の蓄積と関連した該炎症の抑制を生じる。
実験の第二シリーズにおいて、本発明者はさらに、塩化ベンザルコニウム溶液の10分間の滴下した後にすすぐことによって生じる角膜の刺激作用が、眼の中のMPOの亢進に至ることを示した。後者は、6時間後でさえ非常に高く、腹腔内経路によって投与されるML−7による前処理によっても抑制された。
次に、これらの実験において、ML−7は、侵襲剤(P48/80および塩化ベンザルコニウム)の眼の貫通を遮断することによって、炎症を防止し得ることがあきらかとなった。
本発明の第一の目的は、より具体的には、ヒトまたは動物における眼の表面の病理の予防上または治療上の処置のための薬物を調製するための、眼の上皮細胞、特に眼の表面の上皮細胞の細胞骨格の緊張をモジュレーションする化合物の使用に関する。
本発明の別の目的は、眼の表面の上皮細胞の細胞骨格の緊張をモジュレーションする(特にタイトジャンクションの開口をモジュレーションする)少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物に関するものであり、該組成物は、(例えば、眼に直接適用される点眼薬、ジェル等を介しての)局所投与のために製剤される。
本発明は、眼の病理、特に眼の表面の病理の予防上または治療上の処置のための方法にも関するものであり、哺乳類、特にヒト対象者または動物へ、眼の上皮細胞の細胞骨格の緊張をモジュレーションさせる化合物の効果的な量を投与することを含む。
本発明は、眼の上皮細胞、特に眼の前部セグメントの眼の上皮細胞の細胞骨格の収縮の緊張および状態をモジュレーションする(好ましくは阻害する)化合物の使用に基づいている。上述のように、本アプローチによって、上皮におけるde novoタンパク質合成および/または重要なタンパク質および/または構造上の崩壊に必ずしも頼る必要なく、眼の上皮のタイトジャンクションの開口および閉鎖を調節できる。
タイトジャンクションを構成するタンパク質は、それらが互いに連結する細胞の細胞骨格と関連する。本発明によって、眼の疾病または疾患を有する対象における細胞骨格の緊張のモジュレーションが可能となり、それにより眼の上皮の透過性に及ぼす非崩壊性および一過性の方法で作用することが可能となる。したがって、細胞骨格の収縮は、タイトジャンクションの開口を促進するのに対し、細胞骨格の弛緩(または収縮の阻害)は、該接合部の閉鎖を促進する。
好ましくは、次に、眼の上皮細胞の細胞骨格の収縮をモジュレーションする化合物が、本発明において使用される。処置されるべき条件により、眼の上皮細胞の細胞骨格の収縮を阻害するかまたは対照的にそれを活性化または促進する化合物が使用される。
細胞骨格の緊張に及ぼす化合物の活性は、直接的であるかまたは間接的であり得、すなわち、細胞骨格のまさに構成要素またはその緊張の制御因子に向けられ得る。細胞骨格の緊張に直接作用を及ぼす化合物が好ましい。細胞骨格の緊張に及ぼす選択的な活性を示す化合物、すなわち、典型的には、タイトジャンクションを構成するタンパク質の構造に直接影響しない化合物が、特に好ましい。
本発明によれば、化合物は、それがタイトジャンクションの開口をモジュレーションするとき、細胞骨格の緊張をモジュレーションすると考えられる。アクチンフィラメントおよび/またはミオシンフィラメントの収縮または緊張に及ぼす阻害効果は、完全であるかまたは全体である必要は必ずしもない。それが、タイトジャンクションの開口を低下させるのに十分に、細胞骨格の収縮または緊張を低下させることは十分である。この低下は、眼の上皮の傍細胞透過性の少なくとも25%、好ましくは約30%、さらにより好ましくは約50%の低下に相当する。
化合物の異なるタイプは、本発明の範囲内で使用され得る。したがって、本発明にしたがって、「化合物」という用語は、すなわち、細胞骨格の緊張のモジュレーションを可能にするいずれかの薬剤、物質、組成物、条件、処置または方法を示すように、広範な間隔で理解されなければならない。有利なことに、それは、1つの薬剤(例、分子)あるいは薬剤の組み合わせまたは関連である。
第一の好ましい態様によれば、ミオシン軽鎖および/またはアクチン軽鎖の収縮または緊張を阻害(またはモジュレーション)する化合物、またはアクチンの崩壊を阻害(またはモジュレーション)する化合物が使用される。
このような化合物の例には、特にミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の阻害剤が含まれる。
選択的MLCK阻害剤の特定の例は、化合物ML−7{1−(5−ヨードナフタレン−1−スルホニル)−1H−ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピン}である(Makishima M. et al., Feb Lett 1991; 287: 175)。このような阻害剤の他の特定の例は、特に化合物ML−9(Wilson D.P. et al., 2001)、ならびにワートマニン(Warashina A., Life Sci 2000; 13: 2587-93)、H−7(Piao Z.F. et al., Mol Cell Biol Res Commun 2001; 4: 307-12)、およびKT7692(Warashina A., Life Sci 2000; 13: 2597-93)などの他の非選択的化合物である。
細胞骨格の緊張に作用する他の標的は、特に例えばシングリンなどのミオシン結合タンパク質、あるいはカドヘリン−E、カテニン−アルファ、またはデスモソームなどの接合分子である。これらのタンパク質の活性または発現のモジュレーションによって、本発明の範囲において、細胞骨格の緊張を制御できる。
それゆえ、本発明の特定の目的は、細胞骨格分子の活性または発現のモジュレーター(特に阻害剤)の使用である。例えば、化合物は、特に、アンチセンス核酸、合成分子、抗体断片であり得る。
別の態様によれば、細胞骨格のタンパク質とタイトジャンクションのタンパク質との間の結合を確実にするタンパク質または他の分子の合成を阻害する化合物を使用することは可能である。タイトジャンクションのタンパク質のうち、特定の例には、オクルディン、クローディン、ZO−1、およびZO−2が含まれる。本発明は、タイトジャンクションの開口または閉鎖をモジュレーションする手段を開示し、タイトジャンクションの開口または閉鎖はそれゆえ、細胞骨格とタイトジャンクションのタンパク質との間での結合タンパク質の合成を制御することに基づいている。該合成を刺激することによって、タイトジャンクションと細胞骨格との連結は強化され、上皮の透過性を低下させるに至る。
本発明において使用され得る他の化合物は、例えば化合物PDO98,059{2−(アミノ−3−メトキシフェニル)−4H−1−ベンゾピラン−4オン}(Alessai et al., J Biol Chem 1995; 270: 27589)またはLY294002{2−(4−モルフォリニル)−8−フェニル−1(4H)−ベンゾピラン−4−オン}(Vlahos et al., J Biol Chem, 1994; 269: 5241)などの、マイトジェン活性化キナーゼ(MAPKK)、特にMEK1キナーゼまたはPI3−キナーゼの阻害剤である。
細胞骨格の緊張を間接的に制御するのに使用され得る他の分子は、上皮成長因子(EGF)、またはインターロイキン−1、−4、−13などの、免疫細胞により放出され得る特定のサイトカイン、あるいはIGF−1またはインターフェロンガンマなどの因子である。
細胞骨格の緊張を間接的に制御する別のアプローチは、GLP2ペプチド(「グルカゴン様ペプチド2」)またはその誘導体の使用に基づいており、細胞骨格の収縮に及ぼす間接的な効果によって眼の上皮の透過性を改変できる。同様に、上部細胞の頂極に存在する受容体(例、プロテアーゼ受容体PAR−2)に作用するいくつかの分子は、細胞骨格に間接的に作用し得る。
本発明の好ましい態様は、細胞骨格の緊張に直接作用する薬剤、特に細胞骨格の収縮を阻害する分子、特にミオシンおよび/またはアクチン軽鎖の収縮または緊張を阻害するかまたはアクチンの崩壊を阻害する分子の使用を含む。
上述のように、使用される化合物は、有利には、単独でまたは生物学的抽出物の組み合わせであり得る分子などである。該分子は、合成、半合成、または生物学的であり得、特に動物性、ウィルス性、植物性、細菌性由来である。
本発明は、眼の病理または疾患、特に眼の表面の疾患を処置または管理するために使用され得る。
特に、本発明は、眼の病理、特に眼の表面の病理を有する対象において、眼の上皮の傍細胞透過性を調節するための(好ましくは低下させるための)薬物を調製するための、眼の上皮細胞の細胞固骨格の緊張をモジュレーションさせる、上述などの化合物の使用に関するものである。
本発明の上述の使用は、角膜炎、結膜炎、ドライアイ症候群、およびその他の眼の上皮の傍細胞透過性の変化からなる群において選択される眼の病理の処置において特に有効である。このような変化が生じ得る状況は、例えば眼の上皮に対する外傷または手術創を有する対象におけるコンタクトレンズの着用さもなくば治癒相であり得る。
特に、本発明は、アレルゲン感作の予防上または治療上の処置に特に適している。眼の前部セグメントのアレルギーは、北アメリカおよび欧州の人口の20%に影響を及ぼす普遍的な眼の病理である。アレルギーのこのタイプに苦しめられる患者数は、環境因子および/または長寿化によって絶え間なく上昇している。眼の角膜において、該アレルギーは、アレルギー性角膜炎の原因である。結膜において、アレルギーは、赤目として現れる結膜炎を生じる。アレルギー性結膜炎にはいくつものタイプがある。すなわち、季節性結膜炎、環境性結膜炎、上述などのコンタクトレンズの着用により生じる結膜炎(巨大乳頭結膜炎)、アトピー性結膜炎、および化粧品の使用から生じる結膜炎である。
環境因子(特に、公害、空調、化学物質)の効果の下でしばしば放出されるフリーラジカルにより生じる炎症は、角膜および結膜に影響する。このことは、子供および若齢成人における非常に幅広いタイプの春季カタルにおける場合である。アトピー性角結膜炎は、発疹に苦しむより高齢の患者において生じる別のタイプである。非季節性結膜炎のこのタイプは、処置されていないままである場合、角膜および結膜に重度の損傷を生じ得る。
本発明は、細菌性結膜炎(角膜炎は、結膜炎のこのタイプの一般的な合併症である。)およびウィルス性結膜炎などの微生物によって生じる、非常にしばしばバイラテラルであり(および角膜炎とも通常関連する。)、重度の羞明、疼痛、および発赤を有する眼の病理の処置または管理のために使用され得る。
本発明は、強力な免疫炎症性構成要素を有するドライアイの予防上または治療上の処置または管理のためにも使用され得る。米国における(65歳超の集団の15%を表す)1000万人を超える人々が、眼の表面に対するこの侵襲に苦しむ。
この病理において、症候群の2つのタイプが識別され得る。すなわち、
−環境因子(公害、照射、空調、コンタクトレンズ、コンピュータスクリーン、等)によって生じ、加齢、閉経、および特定の処置によって悪化する単純なドライアイ症候群、
−グージェロ−シェーグレン症候群などの遺伝的因子としばしば関連するより重度の形態。これらの形態は、慢性的で非常に無能力にする疾病に至り、最も重度の場合、失明に至り得る。慢性的な炎症は常に、眼に遍在し、グージェロ−シェーグレン症候群において一次的、または乾性角膜炎として二次的であり得る。
本発明は、保存料(消毒剤)へ暴露された対象、特にこのような暴露によって誘導される臨床上のまたは臨床下の炎症と関連した不耐性の徴候を示す対象における眼の表面のいずれかの炎症を予防または処置するために使用され得る。市場における最も周知の保存料は、緑内障の処置のために認可されたものなどの複数用量の点眼薬の成分である塩化ベンザルコニウムなどの四級アンモニウム塩である。該保存料は、眼の細胞のフリーラジカル放出およびアポトーシスを誘導することによって角膜上皮に到達し、炎症性細胞の結膜への浸潤を刺激する。
本発明の別の特定の目的は、(好ましくは緑内障の処置において使用される)患者において複数用量の点眼薬の保存料などの炎症性効果を有することが公知の分子の通過を低下させるための薬物を調製するための、上述に定義された化合物の使用である。
本発明は、上述の疾患に対する素因または感受性を表す対象において予防上使用され得るか、急性または慢性のいずれかの病理学的事象のときに治療上使用され得る。本発明の組成物によって、対象の症状、特に彼らの苦しんでいるおよび/または該疾患の原因を緩和することができる。
本発明の別の特定の目的はしたがって、急性または慢性の炎症性の眼の疾病を有する対象における眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、上述に定義されるなどの化合物の使用に関するものである。
本発明は、例えば傍細胞透過性が亢進する高齢の対象者において予防上および/または治療上の方法で有用である(Nzekwe E.U. and Maurice D.M., J Ocul Pharmacol 1994; 10(3): 521-3)。
本発明は、タイトジャンクションと関連した傍細胞透過性における亢進を抑制することが、眼の疾患、特に眼の表面の疾患の進行を予防することを驚くべき方法で示す。
本発明の特定の対象は、眼のアレルギーに苦しむかまたは影響されやすい対象において、アレルゲン、病原体、および/または化学分子に対する傍細胞透過性および感作を低下させるよう特に企図される薬物を調製するための、上述に定義されるなどの化合物の使用に基づいている。
本発明は、眼の病理を有するかまたはこのような病理に影響されやすい対象へ、上述に定義されるなどの化合物または処置を投与することを含む、上述の病理学的条件を予防または処置するための方法にも関するものである。好ましくは、化合物または処置は、眼の表面の上皮の傍細胞透過性を低下させるか、および/または疼痛への感受性を低下させるか、および/または角膜組織または結膜組織へのアレルゲンの経上皮遊走を低下させる野に有効な用量で投与される。
化合物は、異なる経路および異なる形態によって投与され得る。例えば、化合物は、液体または固体の形態であり得、典型的には、点眼薬、ジェル、坐薬、注射のための溶液、または経口溶液、等の形態にあり得る。局所投与のために製剤される化合物(例えば点眼薬またはジェル)、さもなくば経口投与のための化合物(経口溶液、錠剤、アンプル、等)が好ましい。もちろん、注射(静脈内、腹腔内、皮内、皮下、筋肉内、動脈内、等)などの他の製剤が可能である。
本明細書に定義されるなどの化合物は、単独で、組み合わせで、および/または例えば眼の病理、特に眼の表面の病理の処置に使用される他の活性物質などの少なくとも1つの他の活性剤と関連して使用され得る。例は、人工涙、特定の抗酸化物質、シクロスポリンの異なる形態、消毒薬、抗生物質、または抗ウィルス剤、等である。これらの異なる薬剤は、組み合わせ療法において使用され得、個別に、組み合わせで、長期に拡散されるか又は同時に用い得る。
したがって、本発明の特定の目的は、細菌および/またはウィルス性角膜炎などの、微生物の侵入によって生じる眼の病理を有する対象において、眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、消毒薬組成物、抗生物質組成物、または抗ウィルス組成物と組み合わせて、上述に記載されるなどの化合物の使用である。
本発明の別の目的は、眼の上皮細胞、特に眼の表面の上皮細胞の細胞骨格の緊張(特にタイトジャンクションの開口)をモジュレーションする少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物に関するものであり、該組成物は、局所投与のために製剤される(例えば、点眼薬またはジェル)。好ましくは、組成物は、点眼薬および/またはジェルの形態にある。ジェルまたは点眼薬性剤に適した賦形剤は、注射のための水、水酸化ナトリウム、グリセロール、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ソルビトール、グルコン酸カリウム、蒸留水、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、クエン酸、二塩基性リン酸ナトリウム、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート20、メタ重亜硫酸ナトリウム、エデン酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸メチル、塩化ベンザルコニウム、ワセリン油、およびクロロブタノールからなる群において選択され得る。好ましくは、賦形剤は、グリセロール、塩化ベンザルコニウム、水酸化ナトリウム、および注射のための水の間より選択される。
本発明の組成物における眼の上皮細胞の細胞骨格の緊張(特にタイトジャンクションの開口)をモジュレーションする化合物の量は、幅広い範囲で変動し、特に選択される化合物の性質、処置されるべき対象の条件、治療されるべき病理、および/または望ましい効果にしたがって変動する。したがって、当業者は、本発明に従った組成物におけるおよび/または処置のための眼の上皮細胞の細胞骨格の緊張(特にタイトジャンクションの開口)のモジュレーター化合物の効果的な量を決定できる。
本発明の他の局面および利点は、次の実施例において明白になるであろうし、それらの実施例は、説明の目的のために付与され、制限のために付与されるものではない。
実施例1.マスト細胞の崩壊産物の角膜の滴下によって誘導される眼の炎症に及ぼす全身性投与される(IP)MLCK阻害剤(ML−7)の効果
使用した角膜刺激作用モデルは、ラット(Allansmith et al., Acta Ophtalmol, 1989; 192S: 145-153)およびウサギ(Bucolo et al., J. Ocul. Pharmacol, 1993; 9: 321-332)において認証されている。
a)材料および方法
動物:個々のケージで飼育された8匹の雄性ウィスターラット(200〜250g)の3群を使用した。動物に、標準食(UAR, Villemoisson, Epinay sur Orge)および飲料水を自由に付与した。
炎症誘導:10%P48/80溶液(0.1g/mL)の10μLを眼に滴下することによって、炎症を誘導した。コントロールの眼に1×PBSの10μLを滴下した。
ミエロペルオキシダーゼ活性のアッセイ
眼を摘出し、ポリトロンの補助を伴い、リン酸塩緩衝液中で均質化した。次に、それを3回の凍結/解凍周期(液体窒素/37℃水槽)へ供した。10,000rpm、4℃で15分間遠心分離後、ペレットをHTAB緩衝液中で再懸濁し、10秒間超音波処理した。第二の遠心分離後、塩酸O−ジアニシジンおよび0.0005%過酸化水素を含有する反応緩衝液中の上清からMPO活性をアッセイした。460nmでの吸光度における変化を分光光度計で測定した。
実験プロトコール
動物は、(午前および夕方に)P48/80の滴下前日に、ML−7(1mg/kgIP)による2回の前処置、および滴下2時間前の1回の前処置を受容した。
それらを滴下6時間後に屠殺し、全眼における総ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性をアッセイする(図1)ため、眼を摘出した。
b)結果(図2)
ベースライン条件において、眼のMPO活性は低く(8.5±1.2U/gタンパク質)、値は2つの眼で差がなかった。P48/80による左眼の処置は、好中球の蓄積に相当するMPO活性(43.1±11.3U/gタンパク質)における鋭い407%の増大に至った。この増大は、ML−7により阻害された。
実施例2:塩化ベンザルコニウムの角膜滴下によって誘導される眼の炎症(好中球の浸潤)に及ぼすMLCK阻害剤(ML−7)の効果
塩化ベンザルコニウム(BAK)の角膜刺激作用モデルは、in vitro研究およびin vivo研究の両者において広く使用されてきた。プロトコールは、調整時間および濃度に対する予備検査後のラットにおけるin vivo条件へ適用されたin vitro研究(Xu et al., 2000)に基づいている。
a)材料および方法
動物
個々のケージにおいて飼育された雄性ウィスターラット(200〜250g)を使用した。動物に、標準食(UAR, Villemoisson, Epinay sur Orge)および飲料水を自由に付与した。
炎症誘導
0.1%BAK溶液(1mg/mL)の10μLを眼に滴下することによって炎症を誘導した。滴下10分後、眼を滅菌水1mLですすいだ。コントロール眼に1×PBSの10μLを滴下した。滴下10分後、眼を滅菌水1mLですすいだ。
ミエロペルオキシダーゼ活性のアッセイ
眼を摘出し、ポリトロンの補助を伴い、リン酸塩緩衝液中で均質化した。次に、それを3回の凍結/解凍周期(液体窒素/37℃水槽)へ供した。10,000rpm、4℃で15分間遠心分離後、ペレットをHTAB緩衝液中で再懸濁し、10秒間超音波処理した。第二の遠心分離後、塩酸O−ジアニシジンおよび0.0005%過酸化水素を含有する反応緩衝液中の上清中でMPO活性をアッセイした。460nmでの吸光度における変化を分光光度計で測定した。
実験プロトコール
動物は、(午前および夕方に)0.1%BAKの滴下前日にML−7(1mg/kgIP)による2回の前処置、および滴下2時間前の1回の前処置を受容した。動物をすすぎ6時間後に屠殺し、総ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性(図3)をアッセイするため、眼を摘出した。
b)結果(図4)
ベースライン条件において、眼のMPO活性は、8.2±1.9U/gタンパク質であった。0.1%塩化ベンザルコニウムの滴下は、6時間後に、眼の総MPO活性(26.4±7.2U/gタンパク質)の非常に鋭い321%の増大に至った。この増大は、IP経路によって投与されるML−7による前処置によって阻害された。
実施例3:ラットの眼における塩化ベンザルコニウム(BAK)により誘導される好酸球の浸潤およびタイトジャンクションの透過性に及ぼすML−7の局所適用の効果
a)材料および方法
動物
体重300〜350gの雄性ウィスターラット(Janvier, Le Genest St Isle, France)の4群を使用した。すなわち、BAK+ナトリウムカーメロース、BAK+ML−7、PBS+ナトリウムカーメロス、PBS+ML−7であり、PBSおよびナトリウムカーメロースは、ベンザルコニウム(BAK)およびML−7それぞれについての溶媒であった。
ML−7前処置
動物は、眼の炎症の化学誘導の24時間前、12時間前、および30分前に、ML−7(Sigma, France)の局所適用を受容した。したがって、各眼を、点眼薬(ナトリウムカーメロース4mg/0.4mL)10μL中のML−7の100μgまたは点眼薬10μLのみによって処置した。
炎症誘導
ML−7または点眼薬単独の第三の適用30分後、各眼を、PBS中の0.5%塩化ベンザルコニウム(Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)10μLまたはPBS単独を10μLで処置した。10分後、すべてのラットの眼を滅菌水250μLですすいだ。
眼の摘出
塩化ベンザルコニウムまたはPBSの適用6時間後、動物をペントバルビタール(80mg/kgIP)(Ceva Sante Animale, Libourne, France)で麻酔し、断頭により屠殺し、眼を即時摘出して、直接または表面ビオチン化(タイトジャンクションの透過性検査)後に凍結した。
多核性好酸球浸潤の測定
多核性好酸球白血球をDirect Redで特異的に染色し、強膜の静脈神経叢において計数した。摘出直後、眼を保護組織凍結媒体(Tissue Tek(登録商標)OCTコンパウンド、Sakura Finetek, Inc., CA, USA)中に包埋し、液体窒素中で凍結し、−80℃で保存した。6枚のμm厚さの切片をクリオスタットで調製し、冷アセトン中で10分間固定した。乾燥後、切片をトルエン中の連続槽(5、3、および2分)、その後100%エタノール(3分および2分)、95%エタノール(3分および2分)、および50%エタノール(2分)によって脱水した。次に、切片を50%エタノール中の0.03%Sirius赤の溶液(Direct Red75染色剤含有量30%、Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)中で20分間染色し、流水で5分間すすいだ後、水性媒体(グリセロール/PBS、50:50V/V)中にマウントした。明るい背景に対して鮮やかなピンク色に染色された好酸球を、Nikon DXM1200Fデジタルカメラの装備されたNikon Eclipse90i顕微鏡下で、強膜の静脈神経叢において計数した。計数されるべき領域の面積を、Nikon Lucia画像分析ソフトウェアリリース4.8で決定し、計数を1mmあたりの好酸球の数として表した。4つの実験群について得られた結果を一方向の分散分析によって比較した後、Bonferroni複合比較検定を、p<0.05に設定される統計的な有意差を使用して実施した。
タイトジャンクションの透過性の測定−表面のビオチン化
角膜におけるタイトジャンクションの透過性を、表面タンパク質のビオチン化によって評価した。選択されたビオチン化試薬は、水溶性であり、アビジン連結時に立体的な妨害を低下させるアミノカプロイルスペーサー基を含有する。摘出直後、PBS中のビオチンアミドヘキサンカルボン酸ナトリウムおよび3−スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドを1mg/mLで含有する溶液(Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)中でやさしく撹拌しながら、室温で眼をインキュベーションした。次に、眼をPBSで3回すすぎ、保護組織凍結媒体(Tissue Tek(登録商標)OCTコンパウンド、Sakura Finetek, Inc., CA, USA)中に包埋し、液体窒素中で凍結し、−80℃で保存した。6μm厚さの切片をクリオスタットで調製し、冷アセトン中で10分間固定した。乾燥後、1%BSAを含有するPBS−トゥイーン中で250倍希釈したアビジンD−FITC(Vector Laboratories, Inc., Burlingame, CA, USA)を使用して、切片を暗所で30分間標識した後、暗所で、PBS−トゥイーン中で5分間、3回すすいだ。次に、切片を蛍光媒体(Cappel fluorostab包埋媒体、MP Biomedicals, Inc., Aurora, Ohio, USA)中にマウントし、Nikon DXM1200Fデジタルカメラを装備したNikon Eclipse90i蛍光顕微鏡下で検査した。画像をNikon Lucia画像分析ソフトウェアリリース4.8で分析した。角膜の厚さにおける有意差が、異なる実験群間で観察されなった(BAK+ナトリウムカーメロース、BAK+ML−7、PBS+ナトリウムカーメロース、およびPBS+ML−7群についてそれぞれ、102±10μm、110±9μm、115±13μm、および124±8μm)ため、蛍光標識の深さは、ビオチン化試薬に対する外部角膜上皮のタイトジャンクションの透過性を反映する。
b)結果(図5および6)
a)多核性好酸球浸潤(図5)
塩化ベンザルコニウム10μLの眼における適用は、6時間後、強膜の静脈神経叢におけるDirect Redで染色された多核性好酸球の数における非常に有意な増大に至り、そのことは重度の眼の炎症の証拠である。
この多核性好酸球浸潤は、ML−7の局所適用後、有意に阻害された。
c)タイトジャンクションの透過性の測定(図6)
塩化ベンザルコニウム10μLの眼における適用は、6時間後、蛍光剤のより深い貫通によって、およびその核酸によって明らかにされるように、角膜の上皮のタイトジャンクションの開口に至った。ML−7による前処置は、拡散におけるこの増大および蛍光領域の厚くなることを抑制した。
実施例1についての実験プロトコール。動物は、(午前および夕方における)P48/80の滴下の前日におけるML−7[腹腔内(IP)経路による1mg/kg]による2回の前処置、および滴下2時間前の1回の前処置を受けた。 眼におけるMPO(ミエロペルオキシダーゼ)活性ならびにP48/80およびML−7の効果。ベースライン条件において、眼のMPO活性は低く(8.5±1.2U/gタンパク質)、値は、2個の眼の間で差がなかった。P48/80による左眼の処置は、好中球蓄積に相当するMPO活性(43.1±11.3U/gタンパク質)の鋭い407%の増大に至った。この増大は、ML−7によって阻害された。 実施例2についての実験プロトコール。動物は、(午前および夕方における)0.1%BAKの滴下の前日におけるML−7[腹腔内(IP)経路によって付与される1mg/kg]による2回の前処置、および滴下の2時間前の1回の前処置を受容した。動物をすすぎの6時間後に屠殺し、MPO活性をアッセイするために眼を摘出した。 眼におけるMPO(ミエロペルオキシダーゼ)活性ならびに塩化ベンザルコニウムおよびML−7の効果。ベースライン条件において、眼のMPO活性は、8.2±1.9U/gタンパク質であった。0.1%塩化ベンザルコニウムの適用は、6時間後、眼の総MPO活性(26.4±7.2U/gタンパク質)の非常に鋭い増大(321%)に至った。この増大は、IP経路によって投与されるML−7による前処置によって阻害された。 ML−7によって誘導される角膜−結膜接合部での多核性好酸球に及ぼすML−7の効果。多核性好酸球の浸潤は、BAKの10μLの滴下によって誘導した。6時間後、好酸球における増大が、非常に有意であった。この増大は、ML−7の局所投与によって阻害された。 上部パネル:Direct Red染色後の組織学的画像。下部パネル:強膜の静脈神経叢における好酸球の計数、平方mmあたりの密度(平均±標準偏差、n=8) ラット角膜を通じての蛍光色素貫通の程度に及ぼす塩化ベンザルコニウム(BAK)、PBS(溶媒)、およびBAK+ML−7による局所前処置の比較効果。 アビジン−フルオレセイン後の凍結切片(6μm)(角膜の外側が上向き)による眼全体のex vivoアビジン−フルオレセインビオチン化後のラットにおける外部角膜表面の蛍光によって得られる画像。

Claims (16)

  1. ヒトまたは動物における眼の病理の予防上または治療上の処置のための薬物を調製するための、眼の上皮細胞の細胞骨格の緊張をモジュレーションする化合物の使用。
  2. 前記化合物が、眼の前部セグメントにおける眼の上皮細胞の細胞骨格の収縮をモジュレーションする、請求項1に記載の使用。
  3. 前記化合物が、眼の前部セグメントにおける眼の上皮細胞の細胞骨格の収縮を阻害する、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記化合物が、細胞骨格の緊張に及ぼす選択的な活性を示す、請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の使用。
  5. 前記化合物が、ミオシンおよび/またはアクチン軽鎖の収縮または緊張の阻害剤、またはアクチン分解の阻害剤である、請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の使用。
  6. 前記化合物が、MLCKの阻害剤である、請求項5に記載の使用。
  7. 前記化合物が、ミオシン結合タンパク質または接合分子の活性または発現の阻害剤である、請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の使用。
  8. 眼の疾患、特に眼の表面の疾患を有する対象における、眼の上皮の傍細胞透過性をコントロールするための薬物を調製するための、請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の使用。
  9. 眼の疾患、特に眼の表面の疾患を有する対象における、眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、請求項8に記載の使用。
  10. 前記眼の疾患が、角膜炎、結膜炎、およびドライアイ症候群より選択される、請求項8または9に記載の使用。
  11. コンタクトレンズを着用する患者における眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、請求項9に記載の使用。
  12. 細菌および/またはウィルス性角膜炎のような、微生物の侵入による眼の病理を有する対象における眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、少なくとも1つの消毒剤、抗生物質剤、または抗ウィルス剤と組み合わせた、請求項9に記載の使用であって、該薬剤が、別個に、組み合わせて、長期にわたって拡散されるか、または同時に投与される、使用。
  13. 保存剤に暴露された対象における眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、請求項9に記載の使用。
  14. 眼の上皮に対する外傷または手術創を有する対象における、治癒相の間に眼の上皮の傍細胞透過性を低下させるための薬物を調製するための、請求項9に記載の使用。
  15. 前記化合物が、経口、局所、静脈内、または腹腔内経路によって投与される、請求項1〜14のうちのいずれか1つに記載の使用。
  16. 眼の表面の上皮細胞の細胞骨格の緊張をモジュレーションする少なくとも1つの化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含み、局所経路によって投与するために製剤される、薬学的組成物。
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