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多発性硬化症の発症の遅延または予防
(関連出願)
本出願は参考として全体が本明細書に組み込まれる2005年12月3日出願の米国仮出願60/633,022の利益を主張する。
(背景)
多発性硬化症(MS)は中枢神経系の慢性、多病巣性、脱髄性の自己免疫疾患である。全世界で2百万人超、合衆国で400,000人がMSを有している。MS患者の約80%が再発性の形態を有し、それらの患者の80%超が25年内に二次的な進行性のMSに進行している。
(発明の要旨)
一態様において、本発明は、多発性硬化症(MS)の危険性がある、例えば進行性MSまたは再発性MSの危険性がある対象を治療する方法を特徴とする。方法は、VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体(例えば完全長VLA−4結合抗体またはVLA−4結合抗体フラグメント)を対象に投与することを包含する。一実施形態において、該方法は、MSの臨床発現の開始(例えば、再発性弛張性MS)を防止または遅延(例えば少なくとも1年、2年、3年、4年、5年、10年またはそれ以上)することもできれば、後の(例えば二次的な)臨床発現の重症度を最低限にすることもできる。一実施形態において、対象は限局性神経学的欠損の臨床エピソードを二つ未満有したことがある。
一実施形態において、対象は、限局性神経学的欠損の臨床エピソード一つを経験している。神経学的欠損は、例えば一つ以上の四肢の虚弱、一つ以上の四肢の麻痺、一つ以上の四肢の振せん、制御不可能な筋肉の痙性、感覚の喪失または異常、協調低下、平衡感覚喪失、抽象的思考能力喪失、一般化能力喪失、会話困難、会話理解困難のような一つ以上の症状により明示する場合がある。
VLA−4遮断薬は、臨床エピソードの6、4、3、2または1週間以内に投与することができる。
別の実施形態において、対象は、神経学的損傷の検出により多発性硬化症の危険性を有しているとされる。例えば、対象は、例えば頭部スキャンを使用して、例えば、放射線撮影スキャン、コンピュータ連動断層撮影(CT)スキャン、または磁気共鳴画像化(MRI)スキャンにより評価することができる。脳組織炎症またはミエリン鞘損傷の物理的証拠の検出は、臨床エピソードの非存在下における、または臨床エピソード一つを伴った治療対象に示すことができる。別の例において、対象は、例えばMRIにより少なくとも2、3、5、10、15、20または25の個々の脳病変または瘢痕(例えば1.5または3mm以上のサイズのもの)が検出可能である場合に治療することができる。
別の実施形態において、対象は、生化学的または生理学的基準により、例えば、臨床エピソードの非存在下で、または臨床エピソード一つを伴って、多発性硬化症の危険性を有しているとされる。例えば、ミエリン稀突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン塩基性タンパク質(MBP)の一方または両方に対する血清抗体の存在は、対象が危険性を有していることを示すことができる。
対象は又、本明細書に記載される基準の組み合わせにより治療が示されることもできる。対象は、例えばMSの少なくとも1、2、3、4または5つの危険因子、例えば本明細書に記載される危険因子を有する場合に、VLA−4遮断薬を与えることができる。例えば、神経学的欠損の臨床エピソード一つを経験し、検出可能な神経学的損傷または指標となる生化学的または生理学的基準を有する対象は治療することができる。別の例において、対象は、神経学的欠損の臨床エピソードを経験していないが、検出可能な神経学的損傷または指標となる生化学的または生理学的基準によりされる。例えば、限局性神経学的欠損の臨床エピソードを経験していない対象は、以下の特徴の一つ以上により治療が示される場合がある:即ち、(a)頭部スキャンにより検出可能な3mm以上のサイズの脳の病変または瘢痕を複数有する;(b)ミエリン稀突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン塩基性タンパク質(MBP)の一方または両方に対する血清抗体を有する;(c)対照と比べてCSF IgGの水準が上昇している;および(d)対照と比べてミエリン塩基性タンパク質(MBP)の水準が上昇している。
別の実施形態において、対象は、多発性硬化症の家族歴、例えば多発性硬化症を有した親、兄弟または祖父母の少なくとも1人を有する。一実施形態において、対象は、一つの急性孤立性脱髄事象、例えば視神経、脊髄または小脳の関与する事象を有していたことがある。別の実施形態において、対象は、多発性硬化症の臨床上サイレントな特徴を有する。例えば、対象は、3mm以上のサイズの臨床上サイレントな脳MRI病変を少なくとも1、2、5または10個を有する。一実施形態において、対象は横断脊髄炎または視神経炎を有する。
対象は場合により、MS以外の障害に関連する病的状態の除外に関して評価することができる。例えば、対象は、神経学的欠損を誘発する可能性がある代謝、血管、コラーゲン−血管、感染および/または新生物性の疾患を有さないと判断することができる。又例えば、対象は、卒中、CNSリンパ腫、脳幹神経膠腫またはリソソーム貯蔵疾患を有さないと判断される。
一実施形態において、少なくとも初回投与時点に、対象は、3、2、1.5または1未満のEDSS評点を有する。
一実施形態において、対象は、成人、例えば年齢が16、18、19、20、24または30歳以上の対象である。例えば、対象は19〜40歳である。対象は女性であっても、男性であってもよい。対象は、14週間を超える、例えば6または9ヶ月を超える、1、1.5または2年を超える期間にわたり、例えば一般的に一定間隔で、VLA−4遮断薬の用量を投与されてもよい。
一つの実施例において、方法は、投与手順の前に、(a)ミエリン鞘損傷の証拠を有する頭部スキャン、(b)MOGおよびMBPの一方または両方に対する血清抗体の存在、(c)上昇した水準のCSF IgGの存在、(d)上昇した水準のMBPの存在、および(e)限局性神経学的欠損の臨床エピソードの一つの発生、の一つ以上に基づきMSの危険性があるものとして対象を選択することをさらに包含する。
一実施形態において、VLA−4遮断薬は、VLA−4結合抗体、例えばIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のような完全長抗体を包含する。抗体は、効果的にヒトであってもよければ、ヒトであってもよく、またはヒト化であってもよい。VLA−4結合抗体は、VLA−4の同属体リガンド、例えばVCAM−1とのVLA−4の相互作用を抑制できる。VLA−4結合抗体は、VLA−4の少なくともα鎖、例えば、α4サブユニットの細胞外ドメインに結合する。例えば、VLA−4結合抗体は、VLA−4のα鎖上のエピトープB(例えば、B1またはB2)を認識する。例えば、VLA−4結合抗体は、VLA−4への結合に関して、ナタリズマブ、HP1/2、または本明細書に記載される別のVLA−4結合抗体と競合する場合がある。好ましい実施形態において、VLA−4結合抗体は、ナタリズマブであるか、または、ナタリズマブの重鎖および軽鎖の可変ドメインを包含する。
初期の治療では、例えば長期間にわたる能力障害の発生の防止、一定時間にわたるT2およびGd+病変の低減、二次的な進行性MSの発生の防止、および/または、(例えば、MRIにて検出される)永久的脳組織傷害の発生の防止が可能である。
別の態様において、本開示は、対象を評価する、または対象の評価に関する情報を受領すること;および対象がMSの危険性を有することを評価が示している場合にVLA−4結合抗体を対象に投与することを包含する方法を特徴とする。一実施形態において、方法は、対象に対してスキャンを実施すること、および、MSの臨床上サイレントな特徴(例えば、早期MS)の証拠をスキャンが示している場合にVLA−4遮断薬を対象に投与することを包含する。臨床上サイレントな特徴の例には、脳組織炎症またはミエリン鞘損傷、例えば神経学的欠損の臨床エピソードの非存在下におけるGd+、T1またはT2病変の存在が包含される。その他の代表的な評価は、本明細書に記載される危険因子の評価が包含される。対象は、少なくとも一つ、二つ、三つまたは四つの危険因子に関して評価することができる。対象は、少なくとも一つ、二つ、三つまたは四つの危険因子が検出される場合に、VLA−4遮断薬を投与することができる。
別の態様において、本開示は、単相性脱髄障害を有する対象を同定すること、およびVLA−4結合抗体を、例えば障害を治療する上で有効な量で、対象に投与することを包含する方法を特徴とする。例えば、対象は、臨床上明確な多発性硬化症ではない障害を有する。対象は、例えば横断脊髄炎、視神経炎、または急性播種性脳脊髄炎(ADEM)を有してもよい。
(詳細な説明)
(定義)
「神経学的欠損」とは、中枢神経系の機能の低下である。例としては、会話不能、知覚低下、平衡感覚喪失、虚弱、認知機能不全、視野変化、異常反射、および問題歩行が包含される。「限局性神経学的欠損」とは、特定の位置(例えば、左顔面、右顔面、左腕、右腕)または特定の機能(例えば、会話には影響あるが、筆記能力には影響ない)の何れかに影響するものである。神経学的欠損に言及する場合、「臨床エピソード」という用語は、数時間、数日、または数週間にわたり持続し(但し、そこから部分的または完全な回復が起こる可能性がある)、検査や内部身体組織の画像化のみにより観察可能なものとは異なり、患者の対外的な身体兆候により直接観察できる神経学的欠損を意味する。臨床上の神経学的欠損は、一般的に医療歴および/または身体的神経学的検査により判断される。
「治療する」という用語は、障害に関連する状態、症状またはパラメータを改善する、または障害の進行を防止または低減する上で有効な量、態様および/または様式にて、統計学的に有意な程度まで、または当業者が検出できる程度まで、治療薬を投与することを指す。有効な量、態様または様式は、対象により変動する可能性があり、又、対象に合わせて設定される場合がある。
「頭部スキャン」とは、生存者における脳を検査し、画像を撮る技法である。例としては、CTスキャンおよびMRIスキャンが包含される。
「生物製剤」という用語は、タンパク質に基づく治療薬を指す。
「VLA−4結合剤」とは、10−6M未満のKdVLA−4インテグリンに結合する何れかの化合物を指す。VLA−4結合剤の例には、VLA−4結合タンパク質、例えばナタリズマブのような抗体がある。
「VLA−4拮抗剤」とは、VLA−4インテグリンの活性、特にVLA−4インテグリンの結合活性またはシグナリング活性、例えばVLA−4媒介シグナルを伝達する能力を少なくとも部分的に阻害する何れかの化合物を指す。例えば、VLA−4拮抗剤は、VLA−4の同属体リガンド、例えばVCAM−1のような細胞表面タンパク質への、またはフィブロネクチン若しくはオステオポンチンのような細胞外基質成分へのVLA−4の結合を抑制する場合がある。代表的なVLA−4拮抗剤は、VLA−4に、またはVLA−4リガンド(例えばVCAM−1)若しくは細胞外基質成分(例えばフィブロネクチンまたはオステオポンチン)に結合してもよい。VLA−4に結合するVLA−4拮抗剤は、α4サブユニット若しくはβ1サブユニットの何れか、またはその両方に結合する場合がある。VLA−4拮抗剤は又、他のα4サブユニット含有インテグリン(例えばα4β7)と、または他のβ1含有インテグリンと相互作用する場合もある。VLA−4拮抗剤は、10−6、10−7、10−8、10−9または10−10M未満のK でVLA−4またはVLA−4リガンドに結合する場合もある。
本明細書で使用される「抗体」という用語は、少なくとも一つの免疫グロブリン可変領域、例えば免疫グロブリン可変ドメインまたは免疫グロブリン可変ドメイン配列を与えるアミノ酸配列を含むタンパク質を指す。例えば、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書においてはVHと略記)および軽(L)鎖可変領域(本明細書においてはVLと略記)を包含してもよい。別の例において、抗体は、二つの重(H)鎖可変領域および二つの軽(L)鎖可変領域を包含する。「抗体」という用語は、抗体の抗原結合フラグメント(例えば、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)、Fdフラグメント、FvフラグメントおよびdAbフラグメント)並びに完全な抗体、例えばIgA、IgG、IgE、IgD、IgM型(並びにそのサブタイプ)の未損傷の免疫グロブリンを包含する。免疫グロブリンの軽鎖は、カッパまたはラムダ型のものである場合がある。一実施形態において、抗体はグリコシル化される。抗体は、抗体依存性細胞毒性および/または補体媒介細胞毒性に関して機能的であってもよく、或いはこれらの活性の一方または両方に関して非機能的である場合もある。
VHおよびVL領域は、より保存的な「フレームワーク領域」(FR)と称される領域が点在する、「相補性決定領域」(CDR)と称される超可変性の領域にさらに細分できる。フレームワーク領域およびCDRの範囲は、厳密に定義されている(例えば、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,US Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242、およびChothia et al.(1987)J. Mol. Biol. 196:901−917を参照)。本明細書では、Kabatの定義を使用する。各VHおよびVLは、一般的に以下の順序(即ち、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4)でアミノ末端からカルボキシ末端に配置した三つのCDRおよび四つのFRからなる。
「免疫グロブリンドメイン」とは、免疫グロブリン分子の可変または定常ドメインに由来するドメインを指す。免疫グロブリンドメインは、一般的に約七つのβ鎖より形成された二つのβシートおよび保存されたジスルフィド結合を含有する(例えば、Williams et al.,1988 Ann. Rev Immunol. 6:381−405を参照)。
本明細書で使用される「免疫グロブリン可変ドメイン配列」とは、免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成できるアミノ酸配列を指す。例えば、配列は、天然に存在する可変ドメインのアミノ酸配列の全てまたは一部を含む場合がある。例えば、配列はNまたはC末端のアミノ酸、内部アミノ酸の一つ、二つまたはそれ以上を省略する場合もあれば、一つ以上の挿入または追加の末端アミノ酸を含む場合もあり、その他の改変を含む場合もある。一実施形態において、免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むポリペプチドは、別の免疫グロブリン可変ドメイン配列と会合して、標的結合構造(または「抗原結合部位」)、例えばVLA−4と相互作用する構造を形成することができる。
抗体のVHまたはVL鎖はさらに、重鎖または軽鎖の定常領域の全てまたは一部を含み、それによって重鎖または軽鎖の免疫グロブリン鎖をそれぞれ形成することができる。一実施形態において、抗体は、免疫グロブリン重鎖二つおよび免疫グロブリン軽鎖二つの4量体である。免疫グロブリン重鎖および軽鎖は、ジスルフィド結合により連結されてもよい。重鎖定常領域は、一般的に三つの定常ドメインCH1、CH2およびCH3を含む。軽鎖定常領域は、一般的にCLドメインを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は一般的に、免疫系の種々の細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的な補体系の第1成分(Clq)を含めた、宿主の組織または因子への抗体の結合を媒介する。
抗体の一つ以上の領域は、ヒトのものであってもよければ、効果的にヒトのものであってもよい。例えば、可変領域の一つ以上が、ヒトのものであってもよければ、効果的にヒトのものであってもよい。例えば、CDRの一つ以上、例えばHC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3が、ヒトのものであってもよい。軽鎖CDRの各々がヒトのものであってもよい。HC CDR3がヒトのものであってもよい。フレームワーク領域の一つ以上、例えばHCまたはLCのFR1、FR2、FR3およびFR4がヒトのものであってもよい。一実施形態において、フレームワーク領域の全てがヒトのものであり、例えばヒト体細胞、例えば免疫グロブリンを生産する造血細胞、または非造血細胞に由来するものである。定常領域の一つ以上がヒトのものであってもよければ、効果的にヒトのものであってもよい。別の実施形態において、フレームワーク領域(例えば集合的にFR1、FR2およびFR3、並びに集合的にFR1、FR2、FR3およびFR4)の少なくとも70、75、80、85、90、92、95または98%、または全体の抗体が、ヒトのものであってもよければ、効果的にヒトのものであってもよい。例えば、集合的にFR1、FR2およびFR3が、ヒト生殖細胞系統セグメントによりコード化されるヒト配列に少なくとも70、75、80、85、90、92、95、98または99%同一であってもよい。
「効果的にヒト」の免疫グロブリン可変領域は、免疫グロブリン可変領域が正常なヒトにおいて免疫原性応答を誘発しない程度に十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含む免疫グロブリン可変領域である。「効果的にヒト」の抗体は、抗体が正常なヒトにおいて免疫原性応答を誘発しない程度に十分な数のヒトアミノ酸位置を含む抗体である。
「ヒト化」免疫グロブリン可変領域は、免疫グロブリン可変領域が正常なヒトにおいて免疫原性応答を誘発しない程度に十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含むように改変された免疫グロブリン可変領域である。「ヒト化」免疫グロブリンの説明には、例えば米国特許6,407,213および米国特許5,693,762が包含される。場合によっては、ヒト化免疫グロブリンがフレームワークアミノ酸位置一つ以上において非ヒトアミノ酸を含んでもよい。
抗体の全てまたは一部は、免疫グロブリン遺伝子またはそのセグメントでコード化することができる。代表的なヒト免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA1およびIgA2)、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、デルタ、イプシロンおよびミュウ定常領域遺伝子、並びに多数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が包含される。完全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25Kdまたは214個のアミノ酸)は、NH2末端における可変領域遺伝子(約110アミノ酸)およびCOOH末端におけるカッパまたはラムダ定常領域遺伝子によりコード化されている。完全長免疫グロブリン「重鎖」(約50Kdまたは446個のアミノ酸)も同様に、可変領域遺伝子(約116個のアミノ酸)およびその他の前述の定常領域遺伝子の一つ、例えば(約330個のアミノ酸をコード化する)ガンマによりコード化されている。
完全長抗体の「抗原結合フラグメント」という用語は、対象となる標的、例えばVLA−4に特異的に結合する能力を保持する完全長抗体のフラグメント一つ以上を指す。完全長抗体の「抗原結合フラグメント」という用語に包含される結合フラグメントの例には、(i)Fabフラグメント、即ち、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる1価のフラグメント;(ii)F(ab’)フラグメント、即ち、ヒンジ領域においてジスルフィド架橋により連結されたFabフラグメント二つを含む2価のフラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体のシングルアームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント;(v)VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward et al.,(1989)Nature 341:544−546);および(vi)機能性を保持する単離された相補性決定領域(CDR)が包含される。さらに又、Fvフラグメントの二つのドメインであるVLおよびVHは、別個の遺伝子によりコード化されているが、それらは組み換え法を使用して、VLとVH領域が対となって一本鎖Fv(scFv)として知られる1価の分子を形成する単一のタンパク質鎖としてそれらを作製できるようにする合成リンカーにより連結することができる。例えば、Bird et al.(1988)Science 242:423−426;およびHuston et al.(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照のこと。
(詳細な説明)
(多発性硬化症)
MSの診断は、限局性神経学的欠損の複数の臨床エピソードに基づいて、或いは、MRIのような補助的試験から得られる神経学的損傷を裏付ける証拠とは空間的時間的に分離された限局性神経学的欠損の臨床エピソードに基づいて、行うことができる(McDonald et al.,Ann. Neurol.,2001,50:121−7)。McDonaldの基準は、二回目の発作をMRIで観察される新しい病変により随時特定できるようにする。又、MacDonaldの基準は、MRIにおける9種の代表的な白質病変または1種の増強中病変の何れかに基づいて、空間的な播種度を明確化できるようにする。初期の臨床的顕在性は変動する場合があり、身体性の感覚変化、視神経炎または虚弱を包含する場合がある。真実の臨床診断のためには、少なくとも二つの神経学的減損(neurologic impairment)が観察される必要があり、これらは解剖学的および時間的に分離する必要がある。さらに、減損はMSを有する患者において観察される減損と合致する必要があり、このことは一般的に、欠損の持続時間が数日から数週間であることを意味する。本明細書に記載される方法は、例えば臨床的に確定したMSまたは再発性のMSへの進行を防止または低減するために使用できる。
神経学的減損の単回エピソードの後にMS(例えば、再発性MS)を発症する全体的危険性は、12%もの低値(Beck et al.,1993,N. Engl. J.
Med. 329:1764−1769)から58%もの高値(Rizzo et al.,1988,Neurology 38:185−90)に推定されている。MRIは、MSへの進行を予測する上で最も有用な検査であることが証明されている。臨床的に孤立した事象を有する患者の10年間の追跡調査試験において、異常なMRI所見を有していた54人中45人の患者(83%)が臨床的MSを発症するに至ったのに対し、正常なMRI所見を有していた患者27人中僅か3人がMSを発症している(O’Riordan et al.,1998,Brain 121 (Pt 3):495−503)。
Tintore’et al.は、孤立性神経学的事象から平均28.3ヶ月後の患者70例を追跡調査し、Paty et al.、Fazekas et al.およびBarkhof et al.により定義されたMSの診断に関する種々のMRI基準を比較した(Tintore’ et al.,2000,AJNR Am. J. Neuroradiol. 21:702−706;Paty et al.,1988,Neurology 38:180−185;Fazekas et al.,1988,Neurology 38:1822−1825;Barkhof et al.,1997,Brain 120:2059−2069)。3または4病変(うち一つは室周)を必要とするPaty等の方法を使用した場合、著者等によると、感度は86%であったが、特異性は僅か54%であった。
Fazekas等の基準も、同じ感度および特異性となった。これらの基準は、以下の三つの特徴(即ち、テント下位置、室周位置、および6mm超の病変)のうち二つを有する3病変を必要とする。Barkhofの基準は、一つのテント下病変、一つの傍骨病変、三つの室周病変、並びに一つのガドリニウム増強病変または9つを超える病変を、T2加重MRIにおいて必要とする。これらの基準では、感度73%および特異性73%となった。即ち、MSの診断においてMRI基準がより厳格になるにつれて、感度が低下する代わりに特異性が上昇する。
(臨床孤立症候群(CIS)および単相性炎症障害)
神経学的減損の単回の発生は、症状をVLA−4遮断薬で改善できる患者の指標となる。臨床孤立症候群(CIS)とは、脱髄またはその他の単相性のCNS炎症性障害(例えば、脊髄症候群、脳幹/小脳症候群、および後述するその他の症候群)の単一の臨床エピソードの検出を指す。
Frohman et al.(2003)Neurology. 2003 Sep
9; 61(5):602−11では、CISを有する対象において、T2加重MRIスキャンにおける三つ以上の白質病変(特にこれらの病変の一つが室周領域に位置する場合)が以後7〜10年以内のCDMSの後発の極めて高感度な予測子(>80%)であることが報告されている。ベースラインにおける二つ以上のガドリニウム(Gd)増強病変の存在、並びに追跡調査スキャンにおける新しいT2病変または新しいGd増強の何れかの出現も又、短期内のCDMSの後発を高度に予測するものである。Dalton et
al.(2004)Brain 127 (Pt 5):1101−7では、灰白質の比容量(GMF;頭部全容量の割合)の平均減少がMSに進行する可能性が高いCIS対象の指標となることが報告されている。
本明細書に記載されるVLA−4遮断薬は、例えば後発エピソードの開始を遅延する上で有効な量で、例えば少なくとも1年、2年、3年以上、CISを有する対象に投与することができる。この薬剤は、T2加重MRIスキャンにおいて白質病変の少なくとも一つ、二つまたは三つをも有しており、その一つ以上が室周領域に位置する場合があるCIS対象に投与することができる。該方法はさらに、MRI検出可能な病変の数または灰白質比容量の変化を定するために、例えばMRIスキャンによって、対象を周期的に評価することを包含してもよい。
本明細書に記載されるVLA−4遮断薬は又、単相性のCNS炎症性障害、例えば横断脊髄炎、視神経炎または急性播種性脳脊髄炎(ADEM)を有する対象に治療有効量で投与することもできる。
(脊髄症候群)
脊髄症候群を有する対象は、脱髄事象と合致する脊髄MRIを有し、脊髄症の症状、例えば以下、即ち、(a)ブラウンセカール症候群;(b)下腿および/または上腕不全麻痺または麻痺(片側性または両側性);(c)尿失禁または貯留;(d)便失禁または貯留;(e)発作性失調症;(f)レールミット現象の一つ以上を有する。
(脳幹/小脳症候群)
脳幹/小脳症候群を有する対象は、熟練した神経内科医により判定される対象の症状と合致した神経学的検査の異常を有する。症状には以下、即ち、(a)眩暈、(b)三叉神経痛、(c)核間眼筋不全麻痺(麻痺)、(d)眼振、(e)動揺視および二重視、(f)共同または非共同注視麻痺(不全麻痺)、(g)交差運動症候群、(h)交差感覚症候群、(i)片側顔面痙攣、(j)運動失調、(k)振せん、(l)構語障害の少なくとも二つが包含される。
(横断脊髄炎/部分脊髄炎)
横断脊髄炎は、脊髄の一つの高さまたは分節において両側に渡る炎症により生じる神経学的障害である。炎症の攻撃により、ミエリンが損傷または破壊され、脊髄と身体残余部分との神経の間の連絡が遮断される。横断脊髄炎の症状には、数時間から数週間にわたる脊髄機能の喪失包含される。下背部痛、筋肉虚弱または踵およびの異常な衝撃の突然の発生として開始したものが、急速に進行してより重度の症状、例えば麻痺、尿貯留および腸制御喪失に至り得る。患者によっては横断脊髄炎から回復でき残った問題は僅かまたは皆無であった者もいるが、日常生活の通常の作業を行う能力に影響する永久的な障害を有する者もいる。大部分の患者は、横断脊髄炎のエピソードを一つしか有さない。再発する百分率は低いかもしれない
横断脊髄炎の急性の急速に進行する形態は、時として多発性硬化症(MS)の初回発作のシグナルとなるが;研究では、横断脊髄炎を発症した者の大部分がMSを発症するに至らないことが示されている。にもかかわらず、この診断を有する患者は異なる治療を必要とする場合があるため、横断脊髄炎を有する患者は、MSのスクリーニングを行うことができる。部分的脊髄炎は、より一般的にMSを予測することができる。
(視神経炎)
視神経炎は眼の網膜に作用する視神経(第2脳神経)の脱髄を伴った炎症である。これは以下の症状(即ち、かすみ眼、視力の喪失、一部または全ての覚の喪失、完全または部分的な盲目、および眼後方の疼痛)の何れか一つ以上と共に生じる場合がある。発現は症例の70%で片側性(一方の眼)である。視神経炎は、MS患者の約20%においてMSの初期の顕在化(初回発作)となる。視神経炎の診断試験には、視覚的誘発電位(VEP)および視覚的誘発反応(VER)試験が包含され、これらの試験では視神経に沿った神経伝達の速度を検出することができる。
視神経炎を有する患者は、以下(即ち、(a)片側性(両側性とは対照的)の視神経炎;(b)通常は疼痛を伴った突然の視の喪失;(c)視神経機能不全の証拠(例えば相対的急進的瞳孔作用(RAPD)および罹患眼における視野欠損の存在);(d)罹患眼の正常または腫大した(蒼白ではない)視神経円板;(e)痕跡量未満の黄斑浸出物、虹彩またはガラス体細胞;(f)視覚症状を説明する試験におけるその他何れかの所見の非存在)の一つ以上(好ましくは全て)の存在により同定することができる。
(急性播種性脳脊髄炎(ADEM))
ADEMは、ウィルス性の症候群またはワクチン接種が一般的に先行するCNSの単相性の脱髄障害である。ミエリン喪失と軸索の相対的枯渇を伴う場合がある。細静脈周囲のリンパ球および単核細胞の浸潤および脱髄が観察される場合が多い。
(MSの危険性)
多発性硬化症の病因は複雑である。一つ以上の因子が多発性硬化症の危険性に寄与する場合があり、そのような因子には当業者により現在知られているもの、および当業者により統計学的に有意な影響であると今後判定されるものが包含されるる。
臨床孤立症候群または単相性炎症障害の顕在化は、対象が多発性硬化症の危険性にあることを示すことができる一つの事象である。危険因子のその他の例には、地理的位置、環境因子、および遺伝子の多が包含されてもよい。環境因子には、医薬品およびワクチンへの以前の曝露が包含されてもよい。例えば、Hernan et al.(2004,Neurology 63:838−42)では、B型肝炎に関するワクチン接種が多発性硬化症の危険性に寄与しると報告されている。
遺伝子的な因子も又、多発性硬化症の危険性に寄与する可能性があり、家族集積性が広く報告されている。多発性硬化症の危険性は又、遺伝子的な家族のメンバーが多発性硬化症を有する場合に、一般的集団と比べて約2〜40倍増大する。例えば、一卵性双生児には20倍増の危険性が当てはまる場合がある。
MS1、主要組織適合性複合体。染色体6の短腕上の主要組織適合性複合体(MHC)内のHLA−DR2ハプロタイプ(DRB11501 DQB10602)は、MSで同定される最強の遺伝子的作用であり、家族および症例対照研究において連鎖および関連の両方が一貫して明らかにされている(Olerup et al(1991)Tissue Antigens 38:1−15)。加えて、MSは又、特定のヒト白血球抗原(HLA)のハプロタイプ、特にDR2、DR(11501)、DQ(1602)、DQA102およびDW2ハプロタイプと関連付けられている。ゲノムスクリーンは、この領域への連鎖を一部裏付けており、四つ全てのゲノムスクリーンのメタ分析では、MHCに次ぐ第2の最も有意な領域として19q13が同定されている(Barcellos et al.,(1997)JAMA 278:1256−1271;およびPericak−Vance et al.,(2001)Neurogenetics3:195−201)。
Bilinska et al.では、CTLA−4遺伝子の第1エクソンにおける特定のSNPがMSに関連していると報告されている(Acta Neurol Scand. 2004 Jul; 110(1):67−71)。多発性硬化症の危険性をモジュレートできるその他の遺伝子座には、ApoEをコード化する遺伝子が包含される。例えば、Schmidt et al.,Am. J. Hum. Genet. (2002)70:708−717を参照のこと。
地理的および環境因子も又、多発性硬化症の危険性に寄与する場合がある。例えばSchiffer et al.((2001)Arch Environ Health.
56(5):389−95)では、亜鉛精錬所に起因する顕著な環境重金属曝露の場所である北部中央のイリノイ小地区における多発性硬化症(MS)症例の集団が報告されている。Pugliatti et al.(Neurology. (2002)58(2):277−82)では、サルジニアにおける多発性硬化症の不均一な分布が発見されている。
(代表的な危険因子の検出)
脳脊髄液検査をMS危険性の検出に使用することができる。例えば、一つの因子は、例えばベースラインまたはマッチした正常個体との相対比較における上昇した水準のCSF
IgGにより、またはCSF IgGのCSFアルブミンに対する上昇した比率により示される。例えば、Perkin et al.(1983)J Neurol Sci. 60(3):325−36を参照のこと。例えば、異常な比率は、0.7以上のIgG指数により示すことができる。免疫固定電気泳動による異なるIgGオリゴクローンバンドの存在も又、MSの危険の指標となり得る。
MOGおよびMBPに対する抗体は、これらのタンパク質の組み換え型に対象の血清を接触させることにより検出することができる。ヒト組み換えMOG Igドメインおよびヒトミエリン由来MBPは、例えばReindl et al.(1999)Brain 122:2047−2056に従って調製することができる。例えば、1mgの組み換えMOG−Igまたは2mgのMBPは、SDS−PAGEゲル上で電気泳動に付し、ニトロセルロースまたはニトランメンブレンに移され得る。次に、メンブレンを0.05%Tween−20添加リン酸塩緩衝食塩水(PBS)(PBS−T)中2%粉乳で遮断し得る。その後、メンブレンを対象由来の希釈血清(PBS−T中2%粉乳で、IgGの場合1:1000、IgMまたはIgAの場合1:200)に接触させる。次いで、メンブレンを洗浄し、室温で1時間、二次抗体、例えばアルカリホスファターゼコンジュゲート抗ヒトIgG、IgMまたはIgA(例えば、全て1:5000;G6907、G5204またはG5415;全てAxell[米国、ウエストベリー])を使用して評価する。洗浄後、二次抗体を適切なアルカリホスファターゼ検出系(例えば、p−ニトロブルーテトラゾリウムクロリドおよび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(共にRoche Molecular Diagnostics[ドイツ、マンハイム]))を使用して検出し得る。二次抗体をその他の検出剤に結合する場合は、それに応じてプロトコルを変更できる。例えば、Soderstrom et
al.,Neurology (1998)50:708−14を参照のこと。
視覚的誘発電位試験も又、MSの危険因子を同定するために使用できる。例えば、Cuypers et al.,(1995)Doc Ophthalmol. 90(3):247−57を参照のこと。
(VLA−4結合抗体)
α4インテグリン結合抗体であるナタリズマブは、血液から中枢神経系への白血球の遊走を抑制する。ナタリズマブは、活性化T細胞およびその他の単核白血球の表面上においてVLA−4に結合する。これはT細胞と内皮細胞の間の接着を妨害し、これにより単核白血球が内皮を通過して実質にまで遊走することを防止し得る。その結果、前炎症サイトカインの濃度も低減できる。
ナタリズマブは、再発性弛張性多発性硬化症および再発性の二次的進行性の多発性硬化症を有する患者において、脳の病変および臨床再発の数を低減できる。ナタリズマブは、インターフェロンβ−1a(IFNβ−1a)療法と組み合わせた場合に多発性硬化症の患者に安全に投与できる。その他のVLA−4結合抗体は、これらまたは同様の特性を有してもよい。
ナタリズマブおよび関連するVLA−4結合抗体は、例えば米国特許5,840,299に記載されている。モノクローナル抗体21.6およびHP1/2は、VLA−4を結合する代表的なネズミモノクローナル抗体である。ナタリズマブは、ネズミmAb 21.6のヒト化型である(例えば、米国特許5,840,299を参照)。HP1/2のヒト化型も又記載されている(例えば、米国特許6,602,503を参照)。数種の追加のVLA−4結合モノクローナル抗体、例えばHP2/1、HP2/4、L25およびP4C2も記載されている(例えば、米国特許6,602,503;Sanchez−Madrid et al.,1986 Eur. J. Immunol.,16:1343−1349;Hemler et al.,1987 J. Biol. Chem.
2:11478−11485;Issekutz and Wykretowicz,1991,J. Immunol.,147:109 (TA−2 mab);Pulido et al.,1991 J. Biol. Chem.,266(16):10241−10245;および米国特許5,888,507)。
一部のVLA−4結合抗体は、同属体リガンド、例えばVCAM−1またはフィブロネクチンへの結合に関与するα4サブユニットのエピトープを認識する。多くのこのような抗体が、同属体リガンドとの結合(例えば、VCAM−1およびフィブロネクチンの結合)を抑制する。
多くの有用なVLA−4結合抗体が、細胞、例えばリンパ球上のVLA−4と相互作用するが、細胞凝集は起こさない。しかしながら、その他の抗VLA−4結合抗体は、このような凝集を起こすことが観察されている。HP1/2は、細胞凝集を起こさない。HP1/2 MAb(Sanchez−Madrid et al.,1986)は、非常に高い効力を有し、VCAM−1およびフィブロネクチンの両方とのVLA−4の相互作用を遮断し、VLA−4上のエピトープBに対する特異性を有する。この抗体およびその他のBエピトープ特異的抗体(例えばB1またはB2エピトープ結合抗体;Pulido et al.,1991,前掲)は、有用なVLA−4結合抗体の一つのクラスとなっている。
代表的なVLA−4結合抗体は、一つ以上のCDR、例えば本明細書に記載される特定の抗体の全3種のHC CDRおよび/または全3種のLC CDR、またはこのような抗体、例えばナタリズマブと合計で少なくとも80、85、90、92、94、95、96、97、98、99%同一であるCDRを有する。一実施形態において、H1およびH2超可変ループは、本明細書に記載される抗体のものと同様の極限構造を有する。一実施形態において、L1およびL2超可変ループは、本明細書に記載される抗体のものと同様の極限構造を有する。
一実施形態において、HCおよび/またはLC可変ドメイン配列のアミノ酸配列は、本明細書に記載される抗体、例えばナタリズマブのHCおよび/またはLC可変ドメインのアミノ酸配列と少なくとも70、80、85、90、92、95、97、98、99または100%同一である。HCおよび/またはLC可変ドメイン配列のアミノ酸配列は、少なくとも一つのアミノ酸、但し10、8、6、5、4、3または2を超えないアミノ酸の分だけ、例えばナタリズマブのような本明細書に記載される抗体の相当する配列とは異なることができる。例えば、差は主にまたは全体的にフレームワーク領域にある場合がある。
HCおよびLC可変ドメイン配列のアミノ酸配列は、本明細書に記載される核酸配列若しくは可変ドメインをコード化するものと、または本明細書に記載されるアミノ酸配列をコード化する核酸と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする配列によりコード化されてもよい。一実施形態において、HCおよび/またはLC可変ドメインの一つ以上のフレームワーク領域(例えばFR1、FR2、FR3および/またはFR4)のアミノ酸配列は、本明細書に記載される抗体のHCおよびLC可変ドメインの相当するフレームワーク領域と少なくとも70、80、85、90、92、95、97、98、99または100%同一である。一実施形態において、一つ以上の重鎖または軽鎖のフレームワーク領域(例えばHC FR1、FR2およびFR3)は、ヒト生殖細胞系統の抗体由来の相当するフレームワーク領域の配列と少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98または100%同一である。
二つの配列間の「相同性」または「配列同一性」の計算(該用語は本明細書で交換可能に使用される)は、以下の通り実施する。配列は最適な比較を行うためにアライメントする(例えば、最適にアライメントするために、第1および第2のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入し、非相同の配列を比較のために無視することができる)。最適なアライメントは、ギャップペナルティー12、ギャップエクステンドペナルティー4およびフレームシフトギャップペナルティー5でBlossum 62スコアリングマトリックスによるGCGソフトウェアパッケージにおけるGAPプログラムを使用し、最高のスコアとして求める。次に、相当するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1配列における位置が、第2配列の相当する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占有されている場合、分子はその位置において同一である(本明細書において、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と等しい)。二つの配列間のパーセント同一性は、配列により共有される同一位置の数の関数である。
本明細書で使用される「高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を説明している。ハイブリダイゼーション反応を実施する指針は、参考として本明細書に組み込まれるCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6に見出され得る。水性および非水性の方法は、当該文献に記載されており、何れかを使用できる。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件には、6X SSC、約45℃でのハイブリダイゼーションの後、0.2X SSC、0.1%SDS、65℃での一回以上の洗浄、または実質的に同様の条件が含まれる。
抗体は機能的特性、例えばVLA−4結合に関して、例えば米国特許6,602,503に記載の通り試験することができる。
(抗体作成)
VLA−4に結合する抗体は、例えば動物を使用した免疫化により作成することができる。VLA−4の全体または一部を免疫原として使用することができる。例えば、α4サブユニットの細胞外領域を免疫原として使用することができる。一実施形態において、免疫化した動物は、天然、ヒトまたは部分的にヒトの免疫グロブリン遺伝子座を有する免疫グロブリン産生細胞を含有する。一実施形態において、非ヒト動物は、ヒト免疫グロブリン遺伝子の少なくとも一部を包含する。例えば、ヒトIg遺伝子座の大型フラグメントを使用してマウス抗体の生成が欠損しているマウス系統を操作することが可能である。ハイブリドーマ技術を使用することにより、所望の特異性を有する遺伝子由来の抗原特異的モノクローナル抗体が生成され、選択される場合がある。例えば、XenoMouseTM、Greeet al.,Nature Genetics 7:13−21(1994)、US2003−0070185、米国特許5,789,650およびWO96/34096を参照のこと。
VLA−4に対する非ヒト抗体も又、例えばげっ歯類において生成することができる。非ヒト抗体は、例えば米国特許6,602,503、EP239400、米国特許5,693,761および米国特許6,407,213に記載の通り、ヒト化することができる。
EP239400(Winter et al.)には、ある種の相補性決定領域(CDR)を他の種のものと(所定の可変領域内で)置換することによる抗体の改変が記載されている。CDR置換抗体は、かなり少ない非ヒト成分を含有することから、真のキメラ抗体と比べてヒトにおいて免疫応答を誘発する可能性が低いと予測される(Riechmann et al.,1988,Nature 332:323−327;Verhoeyen et al.,1988,Science 239:1534−1536)。一般的に、ネズミ抗体のCDRを、組み換え核酸手法を使用することによりヒト抗体内の相当する領域に置換することで、所望の置換抗体をコード化する配列を生成する。所望のアイソタイプのヒト定常領域遺伝子セグメント(通常は、CHの場合ガンマI、並びにCLの場合カッパ)を付加することができ、ヒト化された重鎖および軽鎖の遺伝子を哺乳類細胞において同時発現することにより、可溶性ヒト化抗体を生成する。
Queen et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA
86:10029−10033 (1989)、およびWO90/07861では、元のネズミ抗体のV領域フレームワークに対する最適なタンパク質配列相同性に関するコンピュータ分析によりヒトVフレームワーク領域を選択すること、並びにネズミCDRと相互作用する可能性があるフレームワークアミノ酸残基を可視化するためにネズミV領域の3次構造をモデリングすることを包含するプロセスが記載されている。これらのネズミアミノ酸残基は、次に相同ヒトフレームワーク上に重ね合わされる。米国特許5,693,762;5,693,761;5,585,089;および5,530,101も参照のこと。Tempest et al.(1991,Biotechnology 9:266−271)では、マウス残基をラジカル導入することなく、CDRグラフトのためにそれぞれNEWMおよびREIの重鎖および軽鎖に由来するV領域フレームワークを、標準物質として利用している。NEWMおよびREIに基づくヒト化抗体を構築するためにTempest et al.のアプローチを使用する利点は、NEWMおよびREIの可変領域の3次元構造がエックス線結晶撮影研究から既知であり、そのためCDRとV領域フレームワーク残基の間の特異的な相互作用をモデル化できるという点である。
非ヒト抗体は、特定の位置において、例えば以下の位置、即ち(軽鎖の可変ドメインのFRにおいては)4L、35L、36L、38L、43L、44L、58L、46L、62L、63L、64L、65L、66L、67L、68L、69L、70L、71L、73L、85L、87L、98L、および/または(重鎖の可変ドメインのFRにおいては)2H、4H、24H、36H、37H、39H、43H、45H、49H、58H、60H、67H、68H、69H、70H、73H、74H、75H、78H、91H、92H、93H、および/または103H(Kabatの番号付けによる)の一つ以上(好ましくは少なくとも5、10、12箇所または全て)において、ヒト免疫グロブリン配列、例えばコンセンサスヒトアミノ酸残基を挿入する置換を包含するように改変することができる。例えば、米国特許6,407,213を参照のこと。
VLA−4に結合する完全ヒトモノクローナル抗体は、例えばBoerner et al.,1991,J. Immunol.,147,86−95に記載の通り、インビトロプライミングされたヒト脾細胞を使用して生成することができる。これらの抗体は、Persson et al.,1991,Proc. Nat. Acad. Sci. USA 88:2432−2436;またはHuang and Stollar,1991,J. Immunol. Methods 141:227−236;米国特許5,798,230に記載の通り、レパートリーのクローン化により調製される場合がある。大型の非免疫化ヒトファージディスプレイライブラリも又、標準的なファージ技術を使用してヒト治療薬として開発することができる高親和性抗体を単離するために使用される場合がある(例えば、Vaughan et al.(1996)Nat. Biotech. 3:309−314;Hoogenboom et al.(1998)Immunotechnology 4:1−20;およびHoogenboom et al.(2000)Immunol Today 2:371−8;US2003−0232333を参照)。
(抗体の生成)
抗体は、原核生物および真核生物の細胞において生成することができる。一実施形態において、抗体(例えばscFv)は、ピチア(例えば、Powers et al.(2001)J. Immunol. Methods 251:123−35参照)、HanseulaまたはSaccharomycesのようなコウボ細胞中で発現させる。
一実施形態において、抗体、特に完全長抗体、例えばIgGは、哺乳類細胞内で生成される。組み換え発現のための代表的な哺乳類宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(例えばKaufman et al.(1982)Mol. Biol. 159:601−621に記載の通り、DHFR選択マーカーと共に使用される、Urlaub et al (1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220に記載のdhfr−CHO細胞を包む)、リンパ球細胞系統、例えばNS0ミエローマ細胞およびSP2細胞、COS細胞、K562、並びにトランスジェニック動物由来、例えばトランスジェニック哺乳類由来の細胞が包含される。例えば、細胞は哺乳類上皮細胞である。
免疫グロブリンドメインをコード化する核酸配列に加えて、組み換え発現ベクターは、追加の配列、例えば宿主細胞内のベクターの複製を調節する配列(例えば複製起点)および選択マーカー遺伝子を担持する場合がある。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入されている宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許4,399,216、4,634,665および5,179,017を参照)。代表的な選択マーカー遺伝子には、ジヒドロフォレート還元酵素(DHFR)遺伝子(メトトレキセート選択/増幅と共にdhfr 宿主細胞において使用)およびneo遺伝子(G418選のため)が包含される。
抗体(例えば、完全長抗体またはその抗原結合部分)の組み換え発現のための代表的な系において、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコード化する組み換え発現ベクターは、リン酸カルシウム媒介トランスフェクションによりdhfr−CHO細胞に導入する。組み換え発現ベクター内において、抗体重鎖および軽鎖の遺伝子は、それぞれエンハンサー/プロモーター調節エレメント(例えば、SV40、CMV、アデノウィルス等に由来、例えばCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント、またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント)に作動可能に連結することにより、遺伝子の高水準転写を駆動する。組み換え発現ベクターは又、DHFR遺伝子を担持し、この遺伝子がメトトレキセート選択/増幅を使用した、ベクターでトランスフェクトされているCHO細胞の選択を可能にする。選択された形質転換体宿主細胞を培養することで、抗体重鎖および軽鎖の発現が可能となり、未損傷の抗体を培養培地から回収する。組み換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地から抗体を回収するには、標準的な分子生物学の技法を使用する。例えば、抗体によっては、プロテインAまたはプロテインGを使用したアフィニティークロマトグラフィーにより単離することができる。米国特許6,602,503にも又、VLA−4結合抗体を発現して精製するための方法例が記載されている。
抗体は又、例えばFc受容体若しくはC1qまたはその両方との相互作用を低減または排除するために、改変、例えばFc機能を改変する改変を含む場合がある。例えば、ヒトIgG1定常領域を一つ以上の残基、例えば残基234および237の一つ以上において、例えば米国特許5,648,260における番号付けに従い、突然変異させることができる。その他の代表的な改変には、米国特許5,648,260に記載される改変が包含される。
Fcドメインを含む一部の抗体の場合、抗体生成系は、Fc領域がグリコシル化される抗体を合成するように設計される場合がある。例えば、IgG分子のFcドメインが、CH2ドメインのアスパラギン297においてグリコシル化される。このアスパラギンは、2触角型オリゴ糖による修飾のための部位である。このグリコシル化は、Fcγ受容体および補体Clqにより媒介されるエフェクター機能に関与している(Burton and Woof (1992)Adv. Immunol. 51:1−84;Jefferis et al.(1998)Immunol. Rev. 163:59−76)。Fcドメインは、アスパラギン297に相当する残基を適切にグリコシル化する哺乳類発現系において生成することができる。Fcドメインは又、その他の真核生物翻訳後修飾を含んでもよい。
抗体は又、トランスジェニック動物により生成することもできる。例えば、米国特許5,849,992には、トランスジェニック哺乳類の乳腺において抗体を発現するための方法が記載されている。乳汁特異的プロモーター、および対象となる抗体をコード化する核酸、および分泌のためのシグナル配列を含む導入遺伝子を構築する。そのようなトランスジェニック哺乳類のメスにより生成される乳汁は、そこに分泌された状態で対象となる抗体を含む。抗体は乳汁から精製するか、または用途によっては直接使用することができる。
抗体は、例えば血液、血清、リンパ、気管支肺胞洗浄液、またはその他の組織のような循環系において、その安定化および/または滞留を、例えば少なくとも1.5、2、5、10または50倍向上させる部分を使用して改変することができる。
例えば、VLA−4結合抗体は、重合体、例えば実質的に非抗原性の重合体、例えばポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドと会合させることができる。適切な重合体は、実質的には重量により異なる。約200〜約35,000(または約1,000〜約15,000および2,000〜約12,500)の範囲の数平均分子量を有する重合体を使用できる。
例えば、VLA−4結合抗体は、水溶性重合体、例えば、親水性のポリビニル重合体、例えば、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンに合することができる。このような重合体の非限定的な例には、ポルアルキレンオキシドホモポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、その共重合体およびそのブロック共重合体が包含されるが、但し、ブロック共重合体の水溶性は維持されていなければならない。別の有用な重合体には、ポリオキシアルキレン、例えばポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、およびポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体(Pluronics);ポリメタクリレート;カルボマー;糖類の単量体であるD−マンノース、D−およびL−ガラクトース、フコース、フラクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マヌロン酸(例えば、ポリマヌロン酸またはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコースおよびノイラミン酸を含む分枝鎖または未分枝鎖の多糖類、例えばホモ多糖類およびヘテロ多糖類、例えば乳糖、アミロペクチン、澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、アミロース、デキストランスルフェート、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、または酸ムコ多糖類の多糖類サブユニット、例えばヒアルロン酸;糖アルコールの重合体、例えばポリソルビトールおよびポリマンニトール;ヘパリンまたはヘパロンが包含される。
(医薬組成物)
VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体(例えばナタリズマブ)は、医薬組成物として製剤できる。一般的に、医薬組成物には、薬学的に許容可能な担体が含まれる。本明細書で使用される「薬学的に許容可能な担体」には、生理学的に適合する如何なる全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌および抗カビ剤、等張性付与および吸収遅延剤等も包含される。
「薬学的に許容可能な塩」とは親化合物の所望の生物学的活性を保持しており、そして如何なる望ましくない毒性学的作用も付与しない塩を指す(例えば、Berge et al.(1977)J. Pharm. Sci. 66:1−19を参照)。そのような塩の例には、酸付加塩および塩基付加塩が包含される。酸付加塩には、非毒性の無機酸、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、臭化ヨウ素酸、亜リン酸等、並びに、非毒性の有機酸、例えば脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸等から誘導したものが包含される。塩基付加塩には、アルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等から、並びに、非毒性の有機アミン、例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカイン等から誘導したものが包含される。
ナタリズマブおよび本明細書に記載されるその他の薬剤は標準的な方法に従って製剤できる。医薬品製剤は十分確立された技術であり、さらに、Gennaro (ed.),Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed.,Lippincott,Williams & Wilkins (2000)(ISBN:0683306472);Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Ed.,Lippincott Williams & Wilkins Publishers (1999)(ISBN:0683305727);およびKibbe (ed.),Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association,3rd ed. (2000)(ISBN:091733096X)に記載されている。
一実施形態において、VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブは、賦形剤材料、例えば塩化ナトリウム、2塩基性リン酸ナトリウム7水和物、1塩基性リン酸ナトリウムおよびポリソルベート80と共に製剤できる。例えば約20mg/mlの濃度で緩衝液中で提供され、2〜8℃で保存できる。ナタリズマブ(TYSABRI(登録商標))は製造元のラベルに記載されている通り製剤できる。
医薬組成物は又、種々の他の形態であってよい。これらには例えば液体、半固体および固体の剤型、例えば液状の溶液(例えば注射用および注入用の溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソームおよび坐剤が包含される。好ましい形態は意図される投与様式および治療用途に依存し得る。一般的に本明細書に記載される薬剤の組成物は注射用および注入用の溶液の形態である。
このような組成物は非経腸の様式(例えば静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内注射)により投与することができる。本明細書で使用される「非経腸投与」および「非経腸で投与される」という表現は、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与の様式を意味し、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、クモ膜下腔内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨下の注射および注入が包含されるが、これらに限定されない。
医薬組成物は一般的に滅菌され製造および保存の条件下で安定でなければならない。医薬組成物は又投与に関する規制および産業上の基準に合致することを確認するために試験することができる。
組成物は溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソームまたは高い薬剤濃度に適する他の秩序のある構造として製剤できる。滅菌注射溶液は必要に応じて上記列挙した成分の一つまたは組み合わせと共に適切な溶媒中に必要量の活性化合物を配合することにより製造でき、続いて濾過滅菌できる。一般的に、分散液は基剤となる分散媒体および上記列挙したもののうちの必要な他の成分を含有する滅菌されたベヒクル内に活性化合物を配合することにより製造する。滅菌注射溶液の製造のための滅菌粉末の場合は、製造の好ましい方法は、活性成分+何れかの追加の所望の成分の粉末をその予め滅菌濾過された溶液から形成する真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散液の場合は必要な粒径の維持により、そして、界面活性剤の使用により、維持することができる。注射用組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアレート塩およびゼラチンを組成物中に含有させることにより可能である。
(投与)
VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブは対象、例えばヒト対象に対し種々の方法で投与できる。多くの用途のためには、投与経路は静脈内注射または注入、皮下注射、または、筋肉内注射のうちの一つである。VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブは固定用量で、または、mg/kg用量で、但し、好ましくは固定用量で投与できる。抗体は静脈内(IV)または皮下(SC)で投与できる。
VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブは50〜1000mgIV、例えば100〜600mgIV、例えば約300mgIVの固定単位用量で投与できる。単位用量は4週ごとに、またはより低頻度または高頻度で、例えば2週ごとまたは毎週、投与できる。皮下投与する場合は、抗体は一般的に50〜100mgSC(例えば75mg)の用量で、例えば少なくとも週一回(例えば週二回)投与する。瞬時注射により、1〜10mg/kgの用量、例えば約6.0、4.0、3.0、2.0、1.0mg/kgで投与することもできる。一部の場合においては、例えば皮下ポンプを介した連続投与が示されてよい。
用量は又、VLA−4結合抗体に対する抗体の生産を低減または回避するか、α4サブユニットの40、50、70、75または80%超の飽和を達成するか、α4サブユニットの80、70、60、50または40%未満の飽和を達成するか、または、循環白血球濃度上昇を防止するように選択することもできる。
さらに又、臨床的に明確な多発性硬化症を有さない対象は、臨床的に明確な多発性硬化症を有する対象と相対比較して、低減された用量のVLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブを投与されてよい。例えば、多発性硬化症の危険性を有するが臨床的に明確な多発性硬化症を有さない対象は、VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブを、固定単位用量として、20〜300mgIV、例えば20〜150mgIV(例えば4週ごと)、または20〜70または20〜40mgSC(例えば約35mg)を例えば少なくとも週一回、投与を受けることができる。
特定の実施形態において、活性剤は急速な放出に対して化合物を保護する担体を使用して製造してよく、例えば制御放出製剤、例えば、インプラント、ポンプおよびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。生体分解性、生体適合性の重合体、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸を使用できる。このような製剤の製造のための多くの方法が特許付与されているか一般的に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J. R. Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照のこと。
医薬組成物は医療デバイスを使用して投与することができる。例えば医薬組成物はニードルレスの皮下注射デバイス、例えば米国特許5,399,163、5,383,851、5,312,335、5,064,413、4,941,880、4,790,824および4,596,556に開示されているデバイスを使用して投与できる。よく知られたインプラントおよびモジュールの例には、制御された速度で医薬を与えるためのインプラント処置可能なマイクロ注入ポンプを開示している米国特許4,487,603;皮膚を通過して医薬を投与するための治療用デバイスを開示している米国特許4,486,194;厳密な注入速度で医薬を送達するための医薬注入ポンプを開示している米国特許4,447,233;連続薬物送達のための可変流動インプラント処置用注入器具を開示している米国特許4,447,224;多重チャンバーコンパートメントを有する浸透圧式薬物送達系を開示している米国特許4,439,196;および浸透圧式薬物送達系を開示している米国特許4,475,196が包含される。当然ながら多くの他のこのようなインプラント、送達系およびモジュールも知られている。
用法用量は所望の応答、例えば治療応答または治療作用の組み合わせが得られるように調節できる。投薬単位剤型または「固定用量」は、本明細書において使用される場合は、治療すべき対象に対する単位用量として適する物理的に個別の単位を指し;各単位は必要な薬品用担体と共に、そして場合により他剤と共に、所望の治療作用をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。
医薬組成物は本明細書に記載される薬剤の「治療有効量」を含んでよい。薬剤の治療有効量は個体の疾患の状態、年齢、性別および体重、および、個体において所望の応答、例えば危険因子の調節、神経学的欠損の臨床エピソードの開始の遅延または重症度の減衰、少なくとも一つの障害パラメータ、例えば多発性硬化症パラメータの低減、または、少なくとも一つの障害症状、例えば多発性硬化症の緩和を誘発する化合物の能力のような要因に応じて変動してよい。治療有効量は又、組成物の如何なる毒性または有害な作用も、治療上有益な作用により打ち消されるものである。
(組合せ療法)
特定の実施形態において、対象、例えば本明細書に記載される多発性硬化症の危険性を有する対象には、VLA−4遮断薬、例えばVLA−4結合抗体、例えばナタリズマブと組み合わせて、第2の薬剤を投与することができる。VLA−4遮断薬と共に投与できる多発性硬化症を治療または予防するための薬剤の非限定的な例には、「Combination Therapy」との発明の名称の同時係属中の2004年8月20日出願のU.S.S.N.60/603,468、代理人事件番号10287−087P01/P0608に記載されている薬剤が包含される。
本明細書に包含される全ての特許出願、特許、参考文献および出版物は、参考として本明細書に組み込まれている。
その他の実施形態は、以下の請求項の範囲内に包含される。

Claims (30)

  1. 再発性または進行性の多発性硬化症の危険性がある対象を治療するための組成物であって、VLA−4結合抗体を含む組成物
  2. 前記対象が限局性神経学的欠損の一つの臨床エピソードを経験している、請求項1に記載の組成物
  3. 前記抗体が前記臨床エピソードの4週間以内に投与されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物
  4. 前記神経学的欠損が、一つ以上の四肢の虚弱、一つ以上の四肢の麻痺、一つ以上の四肢の振せん、制御不可能な筋肉の痙性、感覚の喪失または異常、協調低下、平衡感覚喪失、抽象的思考能力喪失、一般化能力喪失、会話困難、会話理解困難、単眼または両眼の視力喪失、および膀胱または腸の制御困難からなる群より選択される一つ以上の症状により明示される、請求項2に記載の組成物
  5. 前記対象が脳組織炎症またはミエリン鞘損傷の物理的証拠を示す頭部スキャンを受けたことがある、請求項1に記載の組成物
  6. 前記頭部スキャンが放射線撮影スキャン、コンピュータ連動断層撮影(CT)スキャンおよび磁気共鳴画像化(MRI)スキャンからなる群より選択される、請求項5に記載の組成物
  7. 前記対象がMRIにより検出可能な1〜50個の個別の脳病変を有する、請求項5に記載の組成物
  8. 前記対象がミエリン稀突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン塩基性タンパク質(MBP)の一方または両方に対する血清抗体を有する、請求項1に記載の組成物
  9. 前記対象が神経学的欠損の一つの臨床エピソードを経験している、請求項5に記載の組成物
  10. 前記対象が神経学的欠損の臨床エピソードを経験していない、請求項5に記載の組成物
  11. 前記対象が神経学的欠損の一つの臨床エピソードを経験している、請求項8に記載の組成物
  12. 前記対象が神経学的欠損の臨床エピソードを経験していない、請求項8に記載の組成物
  13. 前記対象が限局性神経学的欠損の臨床エピソードを経験しておらず、以下の特徴:
    (a)頭部スキャンにより検出可能な3mm以上のサイズの脳の病変または瘢痕を複数有する、
    (b)ミエリン稀突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン塩基性タンパク質(MBP)の一方または両方に対する血清抗体を有する、
    (c)陰性対照と比べてCSF IgGの水準が上昇している、および、
    (d)陰性対照と比べてミエリン塩基性タンパク質(MBP)の水準が上昇している、
    のうちの一つ以上を有する、請求項1に記載の組成物
  14. 前記対象が限局性神経学的欠損の一つの臨床エピソードを経験しており、以下の特徴:
    (a)頭部スキャンにより検出可能な3mm以上のサイズの脳の病変または瘢痕を複数有する、
    (b)ミエリン稀突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン塩基性タンパク質(MBP)の一方または両方に対する血清抗体を有する、
    (c)陰性対照と比べてCSF IgGの水準が上昇している、および、
    (d)陰性対照と比べてミエリン塩基性タンパク質(MBP)の水準が上昇している、
    のうちの一つ以上を有する、請求項1に記載の組成物
  15. 前記対象が、(a)ミエリン鞘損傷の頭部スキャン証拠、(b)MOGおよびMBPの一方または両方に対する血清抗体の存在、(c)上昇した水準のCSF IgGの存在、(d)上昇した水準のMBPの存在、および(e)限局性神経学的欠損の臨床エピソードの一つの発生、のうちの一つ以上に基づきMSの危険性があるものとして選択されている、請求項1に記載の組成物
  16. 前記対象が多発性硬化症の家族歴を有する、請求項1に記載の組成物
  17. 前記対象が視神経、脊髄または小脳の関与する一つの急性孤立性脱髄事象を有していたことがある、請求項1に記載の組成物
  18. 前記対象が3mm以上のサイズの臨床上サイレントな脳MRI病変を複数有する、請求項1に記載の組成物
  19. 前記対象が横断脊髄炎を有する、請求項1に記載の組成物
  20. 前記対象が視神経炎を有する、請求項1に記載の組成物
  21. 象を治療するための組成物であって、
    VLA−4結合抗体を含み、ここで、該対象に対しスキャン実施されており
    スキャンが臨床上サイレントな脳組織炎症またはミエリン鞘損傷の証拠を示す、組成物
  22. 単相性脱髄障害に関して対象を治療するための組成物であって、VLA−4結合抗体を含み、ここで、該対象が、単相性脱髄障害を有する同定されている組成物
  23. 前記対象が横断脊髄炎を有する、請求項22に記載の組成物
  24. 前記対象が視神経炎を有する、請求項22に記載の組成物
  25. 前記対象が急性播種性脳脊髄炎(ADEM)を有する、請求項22に記載の組成物
  26. 前記VLA−4結合抗体がVLA−4の少なくともα鎖に結合する、請求項1、13、14、15、21および22のいずれか一項に記載の組成物
  27. 前記VLA−4結合抗体がナタリズマブを含む、請求項1、13、14、15、21および22のいずれか一項に記載の組成物
  28. 前記VLA−4結合抗体がVLA−4への結合に関してHP1/2またはナタリズマブと競合する、請求項1、13、14、15、21および22のいずれか一項に記載の組成物
  29. 前記VLA−4結合抗体がヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1、13、14、15、21および22のいずれか一項に記載の組成物
  30. 前記VLA−4結合抗体が第2の治療薬と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1、13、14、15、21および22のいずれか一項に記載の組成物
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