JP2008518959A - 1,5−二置換−2−ヒドロキシ−ジバテトラエン−6−オンの合成 - Google Patents

1,5−二置換−2−ヒドロキシ−ジバテトラエン−6−オンの合成 Download PDF

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Abstract

1,5−二置換−2−ヒドロキシ−ジバテトラエン−6−オンはエストロゲン受容体調節因子として、またエストロゲン受容体調節因子の前駆体として有用である。本発明は、単純なインダノン出発物質からロビンソン型環化を経て続いて分子内アルキル化反応を行う、1,5−二置換−2−ヒドロキシ−ジバテトラエン−6−オンの合成方法を提供する。本発明はさらに、分子内環化反応のための潜在的アルキル化基としてのフルオロエチル置換基の新規な使用について記載する。

Description

(発明の背景)
天然および合成エストロゲンは、更年期症状の緩和、座瘡の治療、月経困難症および不正子宮出血の治療、骨粗鬆症の治療、多毛症の治療、前立腺癌の治療、ほてりの治療および心血管疾患の予防を含む、広い治療的有用性を有する。エストロゲンは治療的に大変価値があるため、エストロゲン応答性の組織においてエストロゲン様の作用を模倣する化合物の発見には、大きな関心が持たれている。
1,5−二置換−2−ヒドロキシ−ジバ(gibba)テトラエン−6−オンは、エストロゲン受容体調節因子として、またエストロゲン受容体調節因子の前駆体として有用である。本発明は、単純なインダノン出発物質からロビンソン型環化を経て続いて分子内アルキル化反応を行う、1,5−二置換−2−ヒドロキシ−ジバテトラエン−6−オンの合成方法を提供する。本発明はさらに、分子内環化反応のための潜在的アルキル化基としてのフルオロエチル置換基の新規な使用について記載する。
(発明の概要)
本発明により、構造式Iの化合物の製造方法が提供される。
Figure 2008518959
(発明の詳細な説明)
本発明により、構造式Iの化合物の製造方法であって、
Figure 2008518959
a)式IIの2−置換インダノンを塩基の存在下メチルビニルケトンと反応させ、式IIIのジケトンを形成する段階、
Figure 2008518959
b)式IIIのジケトンを環状化し、式IVのテトラヒドロフルオレノンを形成する段階、
Figure 2008518959
c)分子内アルキル化反応を行い、式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンを形成する段階、
Figure 2008518959
d)式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンのエノン二重結合を置換し、構造式Iの化合物を生成する段階、
[式中、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノおよびORからなる群から選択される1、2または3つの基で場合により置換されており、
は、水素、R、(C=O)R、(C=O)ORであり、
は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−2アルキル、シアノまたはORであり、
Yは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、またはこれらの前駆体であり、
は、水素、C1−4アルキルまたはフェニルである。]
からなる構造式Iの化合物の製造方法が提供される。
Yは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、またはこれらの前駆体として定義される。前駆体は、ヒドロキシルまたは保護されたヒドロキシルを含む。ヒドロキシルに対する適切な保護基は当業者に周知である。
本発明の実施形態において、Rは、水素、R、(C=O)R、(C=O)ORまたはフェノール性ヒドロキシルの保護基である。
式IIの2−置換インダノンを塩基の存在下でメチルビニルケトンと反応させ、式IIIのジケトンを形成する。本発明の実施形態において、塩基は、これらに限らないが、メタノール中のナトリウムメトキシド、エタノール中の水酸化カリウムおよびTHF中のDBUを含む。
式IIIのジケトンは、環状化されて、式IVのテトラヒドロフルオレノンを形成する。この環状化段階は、酸性条件または塩基性条件下で行われる。本発明の実施形態において、適切な塩基性条件は、これらに限らないが、エタノール中の水酸化ナトリウム、メタノール中のナトリウムメトキシド、およびトルエン中のピロリジン酢酸を含む。本発明の実施形態において、適切な酸性条件はこれらに限らないが、酢酸中の塩酸、トリフルオロ酢酸、またはトルエン中のp−トルエンスルホン酸を含む。
式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンは、分子内アルキル化反応で形成される。この反応は、有機塩基の存在下で行われるか、加熱により行われるか、または有機塩基の存在下で加熱により行われる。Yがフルオロの場合、この環状化に適した条件はこれらに限らないが、DMF中のLiClで150℃またはTHF中のKN(TMS)で−78℃から25℃を含む。本発明の分類において、Yがフルオロの場合、反応は有機塩基の存在下で加熱により行われ、ここで有機塩基は、DMF中のLiClであり150℃で加熱される。あるいは、IVのフルオロエチル置換基(Y=F)は、IVをCHCl中のBBrで−78℃から25℃で処理することによって第一にさらに反応性のよいブロモエチル置換基(Y=Br)に変えることができる。化合物IV(Y=Br)は、これらに限らないが、THF中のKOtBuで−78℃から25℃、THF中のDBUで0℃から75℃またはTHF中のKN(TMS)で−78℃から25℃を含む塩基性条件下でその後容易に環状化できる。本発明の分類においては、Yがフルオロの場合、反応を有機塩基の存在下で行い、ここで、有機塩基は、THF中のKN(TMS)、CHCl中のBBrについでTHF中のKOtBu、またはTHF中のDBUである。Yが保護されたヒドロキシル基である場合、保護基は、第一に当該技術分野で周知の従来の方法によって除去され、その後そのヒドロキシル基は、メタンスルホニルオキシ(MsCl、EtN、CHCl)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsCl、ピリジン、DMAP、CHCl)またはヨード(i.MsCl、EtN、CHCl、ii.NaI、アセトン)のような反応性のよい脱離基に変えられる。環状化は、その後Y=Brについて上述のように達成される。
式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンは、ついで、ハロゲン化され、式Iの化合物または保護基がついた式Iの化合物を生成する。本発明の実施形態において、式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンのエノン結合は、DMF中のNCS、DMF中のNBS、CHCl中の臭素およびNaHCO、またはCHCl中のIおよびピリジンといったハロゲン化剤でハロゲン化される。本実施形態の分類において、ハロゲン化を、DMF中のNCSで0℃から60℃、DMF中のNBSで0℃から60℃、CHCl中の臭素およびNaHCO、またはCHCl中のIおよびピリジンで行う。本発明は、R=BrまたはIである化合物Vへのスティル反応または鈴木反応のようなパラジウム触媒を用いたクロスカップリング反応によりさらなるR基の導入も具体化する。R=アリールまたはヘテロアリールの導入に適した条件は、RB(OH)、CsCO、PdCl(PPh、DMF、20℃から100℃である。R=アルキル、アルケニルまたはアルキニルの導入に対して、適した条件は、BuSnR、PdCl(PPh、PhMe、20℃から100℃である。
置換基の導入後、最終産物である式Iの化合物を生成するために最終の脱保護段階が必要である場合がある。脱保護に対して適切な試薬は、当業者に周知である。
本発明において、式IIの化合物の製造方法であって、
Figure 2008518959
a)式VIの5−アルコキシ−1−インダノンをカルボキシル化試薬と反応させ、式VIIのベータ−ケトエステルを形成する段階、
Figure 2008518959
b)式VIIのベータ−ケトエステルをアルキル化し、式VIIIのアルキル化ベータ−ケトエステルを形成する段階、
Figure 2008518959
c)式VIIIのアルキル化エステルを求電子試薬と反応させ、式IXの中間体を形成する段階、
Figure 2008518959
d)式IXの中間体を加水分解および脱炭酸し、式IIの化合物を生成する段階
[式中、Rは、水素、R、(C=O)R、(C=O)ORまたはフェノール性ヒドロキシル基に対する保護基であり、
は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−2アルキル、シアノまたはORであり、
は、メチル、エチル、アリルまたはベンジルであり、
Yは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、またはこれらの前駆体であり、
は、水素、C1−4アルキルまたはフェニルである。]
からなる方法も提供される。
本発明の実施形態において、Rは、水素、R、(C=O)R、(C=O)ORまたはフェノール性ヒドロキシルに対する保護基である。
式VIの5−アルコキシ−1−インダノンをカルボキシル化試薬と反応させ、式VIIのベータ−ケトエステルを形成する。出発物質である5−アルコキシ−1−インダノンは、周知の化合物であるかまたは当業者に周知の従来の方法で製造できる。本発明の実施形態において、適したカルボキシル化試薬は、これらに限定しないが、シアノギ酸エチル、クロロギ酸エチル、カルボン酸ジメチルおよびカルボン酸ジエチルを含む。この反応は、塩基の存在下で行われ得る。適した塩基は、これらに限定しないが、LDA、LiN(TMS)および水素化ナトリウムを含む。
式VIIのベータ−ケトエステルを、その後塩基の存在下アルキル化し、式VIIIのアルキル化エステルを形成する。適したアルキル化剤は、これらに限定しないが、BrCHCHF、ICHCHF、TfOCHCHF、ICHCHClおよびICHCHOBnを含む。適した塩基は、これらに限定しないが、炭酸カリウム、KOt−Bu、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムを含む。
式IXの中間体を形成するため、式VIIIのアルキル化ベータ−ケトエステルは、これらに限定しないが、0℃から60℃でのDMF中のNCS、0℃から60℃でのDMF中のNBS、Accufluor(登録商標)NFTh、MeCN(50℃から80℃で)といった適した求電子試薬と反応する。特定の基の導入を促進するために、この求電子芳香族置換反応に続けて、スティル反応のような遷移金属触媒によるクロスカップリング反応を行ってもよい。R=Meの導入に適した条件は、SnMe、PdCl(PPh、DMF、20℃から120℃である。
式IXの中間体を、加水分解および脱炭酸し、式IIの化合物を生成する。加水分解および脱炭酸に適した試薬は、これらに限定しないが、0℃から50℃でのNaOH、HO、MeOH;60℃から100℃での6N HCl、HOAc;100℃から150℃でのLiCl、DMF;−78℃から0℃でのBBr、CHClを含む。
「アルキル」という用語は、直鎖または分枝鎖の非環式飽和炭化水素から1つの水素原子を概念的に除去することによって得られる一価の置換基(すなわち、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH、−C(CHなど)を意味するものとする。
「アルケニル」という用語は、直鎖または分枝鎖の非環式不飽和炭化水素から1つの水素原子を概念的に除去することによって得られる一価の置換基(すなわち、−CH=CH、−CH=CHCH、−C=C(CH、−CHCH=CHなど)を意味するものとする。
「アルキニル」という用語は、炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分枝鎖の非環式不飽和炭化水素から1つの水素原子を概念的に除去することによって得られる一価の置換基(すなわち、−C≡CH、−C≡CCH、−C≡CCH(CH、−CHC≡CHなど)を意味するものとする。
「アルキリデン」という用語は、同じ炭素原子から2つの水素原子を概念的に除去することによる、直鎖または分枝鎖の非環式飽和炭化水素由来の二価の置換基(すなわち、=CH、=CHCH、=C(CHなど)を意味するものとする。
「シクロアルキル」という用語は、単環式飽和炭化水素から1つの水素原子を概念的に除去することによって得られる一価の置換基(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)を意味するものとする。
本明細書において、「アリール」という用語は、単環式または二環式の芳香族炭化水素から1つの水素原子を概念的に除去することによって得られる、一価の置換基をいう。アリール基の例は、フェニル、インデニル、およびナフチルである。
本明細書において、「ヘテロアリール」という用語は、N、O、またはSから選択される1、2、3、または4つのヘテロ原子を含む単環式または二環式の芳香族環系から1つの水素原子を概念的に除去することによって得られる一価の置換基をいう。ヘテロアリール基の例は、これらに限定しないが、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、およびプリニルを含む。ヘテロアリール置換基は、炭素原子でまたはヘテロ原子を介して結合され得る。
「ハロ」という用語は、ヨード、ブロモ、クロロおよびフルオロを含むものとする。
「置換された」という用語は、指定した置換基による複数の置換を含むものとする。複数の置換基部分を開示または請求する場合、置換された化合物は、1つまたはそれ以上の開示されたまたは請求された置換基部分(単独でまたは複数で)で独立して置換され得る。独立して置換することによって、(2つ以上の)置換基は、同じまたは異なり得る。
以下のスキームおよび実施例中、各種試薬の記号および略語は以下の意味を有する。
AlCl: 塩化アルミニウム
BBr: 三臭化ホウ素
BrCHCHF: 1−ブロモ−2−フルオロエタン
BrCHCHOBn: 1−ブロモ−2−ベンジルオキシエタン
CHCl: ジクロロメタン
DBN: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
DBU: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DMAC: N,N−ジメチルアセトアミド
DMF: ジメチルホルムアミド
EtOH: エタノール
EtN: トリエチルアミン
EtSH: エタンチオール
EVK: エチルビニルケトン
HCl: 塩酸
HOAc: 酢酸
CO: 炭酸カリウム
KI: ヨウ化カリウム
KN(TMS): カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
LiCl: 塩化リチウム
LDA: リチウムジメチルアミド
LiN(TMS): リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeCO: 炭酸メチル
MeCN: アセトニトリル
MeOH: メタノール
MsCl: 塩化メシル
MVK: メチルビニルケトン
NaH: 水素化ナトリウム
NaI: ヨウ化ナトリウム
NaOH: 水酸化ナトリウム
NaOMe: ナトリウムメチラート
NCCOEt: シアノギ酸エチル
NBS: N−ブロモスクシンイミド
NCS: N−クロロスクシンイミド
PdCl(PPh: ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) クロリド
Pd(PPh: テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
PhB(OH): フェニルホウ化水素
PhCH: トルエン
PhH: ベンゼン
PhMe: トルエン
SnMe: テトラメチルスズ
THF: テトラヒドロフラン
本発明の化合物は、適切な物質を使用して、以下の一般のスキームに従って製造でき、さらに後の具体例により例示される。実施例に例証された化合物は、しかしながら、本発明としてみなされる唯一の部類を形成するものとして解釈されるべきではない。当業者は、以下の製造方法の条件および方法の周知の変形が、これらの化合物を製造するために使用できることを容易に理解するであろう。温度は、他に注記がない限り全て摂氏温度である。
Figure 2008518959
段階1−8としてスキームIで示される代表的な試薬および反応条件は以下のとおりである:
段階1 i)LiN(TMS)、THF、−78から40℃
ii)NCCOEt、−78℃から室温 R=Et
MeCO、NaH、PhH、60℃ R=Me
段階2 BrCHCHF、KCO、KI、DMAC、65℃ Y=F
BrCHCHOBn、KCO、KI、DMAC、60から100℃ Y=OBn
段階3 NCS、DMF、50℃ R=Cl
NBS、DMF、室温から50℃ R=Br
Accufluor(登録商標) NFTh、MeCN、50から80℃ R=F
i) NBS、DMF、室温から50℃ R=Me
ii) SnMe、PdCl(PPh、DMF、室温から100℃
段階4 NaOH、HO、MeOH、THF 0から40℃または
6N HCl、HOAc、90から100℃、
段階5 MVK、NaOMe、MeOH、室温から60℃または
MVK、DBN、THF、室温から60℃段階6 ピロリジン、HOAc、THFまたはPhMe、60から85℃または
NaOH、HO、MeOHまたはEtOH、室温から85℃または
6N HCl、HOAc、90から100℃
段階7 LiCl、DMF、150℃ Y=F
i)BBr、CHCl、−78℃ Y=F
ii)KN(TMS)、THF、−78℃
ピリジン−HCl、190℃ Y=OBn
i)NaOMe、MeOH Y=OAc
ii)MsCl、EtN、CHCl
iii)LDA、THF、−78℃から室温
段階8 NCS、DMF、50℃ RII=Cl
NBS、DMF、室温から50℃ RII=Br
i)NBS、DMF、室温から50℃ RII=Ph
ii)PhB(OH)、Pd(PPh、PhCH、室温から100℃
スキームIIはスキームIに示される合成の変形版を表している。この変形版において、出発物質であるインダノン(1a)は、すでに4位でR置換基で置換されている。インダノン(1a)は周知の化合物であるかまたは当該技術分野で周知の従来の方法で製造され得る。スキームIIの段階1において、インダノン(1a)は、2位で−CHCH−Y基で置換されている。これは、還元的アルキル化反応((1a)を、置換されたアルデヒドY−CHCHOと塩基性条件下で反応させ、続いて得られたアルキリデン中間体を水素化する。)によって達成され得る。この場合、Yは、最も適切には置換可能な脱離基に変えることのできる前駆体基である。あるいは、−CHCH−Y基の導入は、インダノン(1a)をアルキル化剤であるZ−CHCH−Y(Zは置換可能な脱離基を表す)と塩基の存在下反応させ、中間体(2)を得ることによって達成できる。Yもまた、置換可能な脱離基を表す場合において、Zがより容易に置換される基であるように、2つの基の相対反応性を適切に選択する。スキームIIの段階2は、スキームIの段階5と類似しているが、メチルビニルケトンの代わりに、置換したビニルケトンであるCHCHCOCHIIを採用している。ジケトン(11)は、その後スキームIIの段階2に組み込まれているためRII置換基を導入するための分離段階が必要でないことを除いて、すでにスキームIで記載された手順で(10a)に変換される。
Figure 2008518959
段階1−2としてスキームIIに表される代表的な試薬および反応条件は以下のとおりである:
段階1 BnOCHCHO、NaOMe、MeOH、H、Pd/C Y=OBn
(HOCHCHO)、NaOMe、MeOH、H、Pd/C Y=OH
段階2 CH=CHC(O)CHII、NaOMe、MeOH、室温から60℃または
CH=CHC(O)CHII、DBN、THF、室温から60℃
スキームIIIは、RIII置換基の導入を可能にするスキームIIで示される合成の変形版を表している。スキームIIIの段階1は、還元段階が除外され、アルキリデン中間体(13)が得られることを除いてはスキームIIの段階1と類似している。RIII置換基の導入は、段階2で(13)を適切な有機金属類と反応し、1,4−共役付加反応を経て(14)を生じさせることによって達成される。インダノン(14)を、その後すでにスキームIに記載した手順で(10b)に変える。
(7−ベータ,9a−ベータ)−1,5−ジクロロ−2−ヒドロキシジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オンの合成
Figure 2008518959
段階1: 5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチル
THF(370mL)中の5−メトキシインダン−1−オン(15.0g、92.5mmol)に−78℃で1.0Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF(200mL、200mmol)中の溶液を15分間で滴下漏斗を介して加えた。40分後、シアノギ酸エチル(14.0mL、142mmol)を数分間で加え、反応混合物を徐々に温めた。30分後、反応混合物をEtOAcと希釈した塩酸水溶液の間に分配し、有機相を水および塩水で洗浄し、NaSOの上で乾燥した。減圧下で溶媒をろ過および除去し、5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチルを茶色の固体として得、精製せずに次の段階で使用した。
15.82g(97.5mmol)の5−メトキシインダン−1−オンで開始して反応を繰り返し、さらに粗5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチルを得た。
段階2: 2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチル
無水ジメチルアセトアミド(792mL)中の5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチル(先の2つの反応からの粗生成物、〜190mmol)、KCO(53.8g、389mmol)およびKI(64.7g、390mmol)の混合物に、1−ブロモ−2−フルオロエタン(18.4mL、247mmol)を加え、その混合物を撹拌および65℃で加熱した。20時間後、NMRによる一定分量の解析により反応が完了したことが、示された。室温に冷却した後、ジメチルアセトアミドの大部分を減圧下留去した。残留物をEtOAcと水の間に分配し、有機相を水(4回)および塩水で洗浄し、NaSOの上で乾燥した。減圧下で溶媒をろ過および除去し、粗2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチルを得、精製せずに次の段階で使用した。
段階3: 4−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチル
2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチル(44.6g、159mmol)のDMF(159mL)中の溶液にN−クロロスクシンイミド(23.4g、175mmol)を分割して加えた。該溶液を50℃で加熱し、反応を一定分量のNMR解析によって定期的に監視した。6時間後、NMR解析によると、反応は約80%完了した。反応混合物を放置し、室温まで冷却し、一晩放置した。50℃に再加熱した後、さらにN−クロロスクシンイミド(2.12g、15.9mmol)を加えた。NMRによる監視を続け、4.5時間後、別の1回分のN−クロロスクシンイミド(2.12g、15.9mmol)を加えた。さらに3時間後、反応物を室温まで冷却し、一晩放置した。DMFの大部分を減圧下留去し、残留物をEtOAcと水の間に分配した。有機相を水(4回)および塩水で洗浄し、NaSOの上で乾燥した。減圧下で溶媒をろ過および除去し、粗4−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチルを得た。この物質を精製せずに次の段階で使用した。
段階4: 4−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシインダン−1−オン
THF(330mL)中の4−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシ−1−オキソインダン−2−カルボン酸エチル(56.4gの前反応物からの粗生成物)にメタノール(50mL)、続けてメタノール(116mL)/水(166mL)の溶液を加えた。得られた透明な赤−オレンジ色の溶液に5NのNaOH水溶液(55.7mL、279mmol)を9分間徐々に加え、黒色の溶液を得た。3.5時間後、12NのHCl水溶液(30mL、360mmol)を加えることにより反応物を停止し、大部分のTHFおよびメタノールを減圧下ロータリーエバポレーションにより留去した。残留物をEtOAcと水の間に分配し、有機相をNaHCO飽和水溶液および塩水で洗浄し、MgSOの上で乾燥した。減圧下で溶媒をろ過および除去し、粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHClでの溶出)により精製し、生成物を得た。混合した分画を再精製することで、さらなる生成物を得た。合わせた生成物は、NMRにより約4%の不要な6−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシインダン−1−オン位置異性体を含む4−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシインダン−1−オンであった。
段階5: 8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン
4−クロロ−2−(2−フルオロエチル)−5−メトキシインダン−1−オン(18.0g、74.2mmol)のメタノール(250mL)中の懸濁液にメチルビニルケトン(7.7mL、92mmol)を2分間加え、続いて0.5Mのナトリウムメトキシドのメタノール(74.2mL、37.1mmol)中の溶液を加えた。室温で3時間後、一定分量のNMRおよびLC/MS解析によって、反応が完了したことが示された。暗色の反応混合物を、減圧下ロータリーエバポレーションにより濃縮した。残った油をトルエン(980mL)に溶解し、酢酸(6.4mL、112mmol)、続いてピロリジン(6.2mL、74.2mmol)を加えた。得られた溶液を、80℃で3.25時間加熱し、その後室温まで冷却し、一晩放置した。反応混合物をEtOAcおよび水の間に分配し、有機相を希釈したHCl水溶液、希釈したNaHCO水溶液および塩水で連続して洗浄した。MgSOの上で乾燥した後、ろ過および留去し粗生成物を得た。400gのシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィー(5% EtOAc/CHClで溶出)により精製し生成物を得た。いくつかの不純な分画を再精製し、さらなる生成物を得た。合わせた生成物は、NMRにより約4%の不要な6−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン位置異性体を含む8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンであった。
段階6: ラセミ化合物の8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンのキラルHPLCによる分割
ラセミ化合物の8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン(17g)を、Daicel Chiralcel ODカラムでのキラルHPLC(15% EtOH:ヘプタンでの溶出、分画を、220nmで測定した)によって分割した。溶出した1つ目のエナンチオマーを含む純粋な分画を合わせ、濃縮し、正回転の(9aR)−8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンを油として得た。溶出した2つ目のエナンチオマーを含む分画を合わせ、濃縮し、逆回転の(9aS)−8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンを油として得た。
段階7: (7ベータ,9aベータ)−1−クロロ−2−ヒドロキシジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オン
(9aS)−8−クロロ−9a−(2−フルオロエチル)−7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン(5.34g、18.1mmol)および塩化リチウム(7.68g、181mmol)の混合物に、DMF(102mL)を加え、撹拌した懸濁液を150℃に加熱し、黄色の溶液を得た。21時間後、その溶液を室温まで冷却し、EtOAcおよび0.2NのHCl水溶液の間に分配した。有機相を水(4回)および塩水で洗浄し、MgSOの上で乾燥した。ろ過および留去し、粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(20% EtOAc/CHClで溶出)により精製し(7ベータ,9aベータ)−1−クロロ−2−ヒドロキシジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オンを得た。
段階8: (7ベータ,9aベータ)−1,5−ジクロロ−2−ヒドロキシジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オン
(7ベータ,9aベータ)−1−クロロ−2−ヒドロキシジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オン(3.51g,13.5mmol)のDMF(54mL)溶液にN−クロロスクシンイミド(1.8g、13.5mmol)を加え、反応混合物を50℃に加熱した。3時間後、一定分量のNMR解析によって反応が完了したことが示された。該反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcと希釈したHCl水溶液の間に分配した。有機相を水(4回)および塩水で洗浄し、MgSOの上で乾燥した。ろ過および留去し粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィーによる精製をCHCl中のMeOH粗生成物をシリカゲル上に前もって吸着させることによって成し遂げた。カラムの溶出を20から35%のEtOAc/CHClで行い、エタノール中に溶解し、水で沈殿する固体として生成物を得た。真空下でろ過および留去し、(7ベータ,9aベータ)−1,5−ジクロロ−2−ヒドロキシジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オンを淡黄色の粉末として得た。
H NMR(CDCl,500MHz):δ1.74−1.80(m,1H),1.96−1.99(m,2H),2.03(dd,1H),2.13(d,1H),2.33−2.40(m,1H),3.17(d,1H),3.25−3.3.0(m,1H),3.32(d,1H),6.01(s,1H),7.09(d,1H),8.25(d,1H).
質量スペクトル:(ESI)m/z=295(M+H).
2−ヒドロキシ−5−メチルジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オンの合成
Figure 2008518959
段階1: 2−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−1−インダノン
5−メトキシ−1−インダノン(500mg、3.08mmol)のメタノール(10mL)中の溶液を、10%パラジウム炭素(53mg)で、続けてグリコアルデヒド二量体(370mg、3.08mmol)およびメタノール(1.3mL、0.65mmol)中の0.5Mナトリウムメトキシドで処理した。その混合物を、水素雰囲気下(バルーン)に置き、室温で65時間強く撹拌した。窒素でパージした後、その混合物を、0.45μmのアクロディスク(Acrodisc)でろ過し、そのディスクをメタノール(2mL)で濯いだ。ろ液をEtOAc(25mL)で希釈し、0.1NのHCl(15mL)および塩水(15mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、真空下で固体になるまで留去した。この物質のLC−MSは、出発物質(主要な)および生成物の混合物であることを示した。
該混合物を、Biotage Flash 12M KP−Silカラム(12mm×15cm)でのクロマトグラフィーにより精製した。このカラムを3:2のEtOAc−ヘキサンで溶出し、30秒毎に6mLの分画を収集した。分画20−36を真空下で濃縮し、ベンゼンでさっと洗い、2−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−1−インダノンを油として得た。
H NMR(CDCl,500MHz)δ1.80および2.05(2つのm,CHCHOH),2.79および3.35(2つのdd,3−CH),2.83(m,H−2),3.77−3.90(m,CHCHOH),3.87(s,OCH),6.86(d,H−4),6.89(dd,H−6),および7.67(d,H−7).
段階2: 2−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−2−(3−オキソペンチル)−1−インダノン
2−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−1−インダノン(105mg、0.51mmol)の室温におけるメタノール(2.0mL)中の溶液を、エチルビニルケトン(EVK、0.102mL)および0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール(0.204mL、0.1mmol)中の溶液で処理した。その混合物をフタ付きのフラスコ内で撹拌し、油浴で60℃、8時間加熱した。冷却した後、反応混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、0.2NのHCl(15mL)、水(15mL)、および塩水(15mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、真空下で留去し、2−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−2−(3−オキソペンチル)−1−インダノンを油として得た。
H NMR(CDCl,500MHz)δ0.99(t,COCHCH),1.84−2.00(m,CHCHOHおよびCHCHCO),2.28(m,CHCHCO),2.33(m,COCHCH),2.92および3.11(2つのd,3−CH),3.63および3.72(2つのm,CHCHOH),3.87(s,OCH),6.86(d,H−4),6.91(dd,H−6),および7.67(d,H−7).
段階3: 9a−(2−ヒドロキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンおよび9a−(2−アセトキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン
2−(2−ヒドロキシエチル)−5−メトキシ−2−(3−オキソペンチル)−1−インダノン(138mg、0.475mmol)の酢酸(3.0mL)中の溶液を6NのHCl水溶液(3.0mL)で希釈し、得られた混合物を撹拌し、油浴で80℃、90分間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(10mL)、1M pH7のリン酸バッファー(15ml)、水(15ml)および塩水(15mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、油になるまで真空下で留去した。LC−MSは、9a−(2−ヒドロキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンおよびそのO−アセチル誘導体である9a−(2−アセトキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンの混合物であることを示した。
段階4: 9a−(2−ヒドロキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン
段階3からの生成物の混合物をメタノール(5mL)に溶解し、その溶液をメタノール(4.5mL)中の0.5Mのナトリウムメトキシドで処理した。その混合物を室温で15分間撹拌し、その後2NのHCl水溶液で酸性にし、真空下で濃縮した。EtOAc(25mL)中の残留物を塩水(20mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、真空下で留去した。粗生成物をBiotage Flash−12M KP−Silカラム(12mm×15cm)でのクロマトグラフィーで精製した。このカラムを3:2のEtOAc−ヘキサン(145mL)、続いて100%EtOAcで溶出し、30秒毎に4mLの分画を収集した。分画30−50を合わせて、減圧下で留去し、生成物を油として得た。この物質をEtOで処理し、生成物である9a−(2−ヒドロキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンを固体として得た。
H NMR(CDCl,500MHz)δ1.72−1.86(m,CHCHOH),1.99および2.21(2つのddd,1−CH),2.04(s,4−CH),2.45および2.63(2つのddd,2−CH),2.76および3.05(2つのd,9−CH),3.47−3.62(m,CHCHOH),3.82(s,OCH),6.81−8.85(m,H−6およびH−8),および7.61(d,H−5).
段階5: 9a−[2−(メタンスルホニルオキシ)エチル]−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン
9a−(2−ヒドロキシエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン(39mg、0.14mmol)およびトリエチルアミン(0.030mL、0.21mmol)の無水ジクロロメタン(1.5mL)中の氷冷溶液を、塩化メタンスルホニル(0.014mL、0.18mmol)で処理し、得られた溶液を0℃で30分間撹拌した。該混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、水(5mL)、0.2NのHCl(5mL)、および塩水(5mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、真空下で留去し、9a−[2−(メタンスルホニルオキシ)エチル]−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンを油として得た。
H NMR(CDCl,500MHz)δ2.03(m,CHCHO),2.08(s,4−CH),2.09および2.22(2つのddd,1−CH),2.53および2.61(2つのddd,2−CH),2.85および3.03(2つのd,9−CH),2.89(s,SOCH),3.85(s,OCH),4.03−4.17(m,CHCHO),6.86(s,H−8),6.87(dd,H−6),および7.64(d,H−5).
段階6: 9a−(2−ヨードエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン
2−(2−メトキシ−5−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−8aH−フルオレン−8a−イル)エチルメタンスルホン酸(49.7mg、0.142mmol)のアセトン(2.0mL)中の溶液をヨウ化ナトリウム(85mg、0.57mmol)で処理し、得られた混合物を撹拌し、油浴で60℃、16時間加熱した。冷却した後、混合物をアセトン(2mL)で希釈し、0.45μmのアクロディスク(Acrodisc)フィルターでろ過した。ろ液を真空下で留去し、CHCl(3mL)中の残留物を再ろ過した。ろ液をBiotage Flash 12M KP−Silカラム(12mm×15cm)でのクロマトグラフィーで精製し、4:1のヘキサン−EtOAcで溶出し、30秒毎に6mLの分画を収集した。分画9−11から9a−(2−ヨードエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンを油として得た。
H NMR(CDCl,500MHz)δ2.03および2.20(2つのddd,1−CH),2.08(s,4−CH),2.24(m,CHCHI),2.51および2.61(2つのddd,2−CH),2.80および2.97(2つのd,9−CH),2.85および2.95(2つのm,CHCHI),3.86(s,OCH),6.86(br s,H−8),6.87(dd,H−6),および7.64(d,H−5).
段階7: 2−メトキシ−5−メチルジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オン
N,N−ジイソプロピルアミン(0.015mL、0.107mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF、1.0mL)中の溶液を窒素雰囲気下に置き、氷浴で冷却し、1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン(0.061mL、0.098mmol)中の溶液で処理した。その溶液を0℃で35分間撹拌し、その後ドライアイス−アセトン浴で冷却し、5分間おいた後、9a−(2−ヨードエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オン(34mg、0.089mmol)のTHF(1.0mL)の中の溶液で処理した。反応混合物を4時間にわたって−78℃から室温に温め、室温で21時間撹拌し、その後2NのHCl水溶液(0.5mL)で停止し、EtOAc(10mL)で希釈した。有機相を水(5mL)および塩水(5mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、そして油になるまで減圧下で留去した。この物質をBiotage Flash 12M KP−Silカラム(12mm×15cm)でのクロマトグラフィーで精製し、6:1のヘキサン−EtOAcで溶出し、30秒毎に7mLの分画を収集した。分画16−20を合わせて、真空下で留去し、2−メトキシ−5−メチルジバ−1(10a),2,4,4b−テトラエン−6−オンおよび出発物質である9a−(2−ヨードエチル)−7−メトキシ−4−メチル−1,2,9,9a−テトラヒドロ−3H−フルオレン−3−オンの混合物(21.7mg)を油として得た。
段階8: 2−ヒドロキシ−5−メチルジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オン
段階7からの生成混合物(21.7mg、約0.1mmol)の無水ジクロロメタン(1.0mL)中の溶液を室温で塩化アルミニウム(75mg、0.56mmol)およびエタンチオール(0.032mL、0.43mmol)で処理した。室温で58分間撹拌した後、黄色の溶液を、2NのHCl水溶液(1mL)およびEtOAc(9ml)で処理し、水(4mL)および塩水(5mL)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過し、固体薄膜になるまで減圧下で留去した。温かいEtOH(1mL)中のその固体を2つの0.1×20×20cmのシリカゲルGFプレートに供し、1:1のヘキサン−EtOAcで展開した。UVで可視の2つのバンドを除去し、EtOAcで溶出し、減圧下で濃縮し、いくらかのアセトンを含むベンゼンからの残留物を凍結乾燥した。Rが0.47−0.57のバンドは、主に2−ヒドロキシ−5−メチルジバ−1,3,4a(10a),4b−テトラエン−6−オンを非晶質の固体として与えた(約16%の9a−ヨードエチル副生成物を含む)。
H NMR(CDCl,500MHz):δ1.63−1.71(m,1H),1.78−1.89(m,2H),1.91(dd,1H),1.98(d,1H),2.09(s,3H),2.24−2.33(m,1H),3.00(d,1H),3.10(dd,1H),3.25(d,1H),5.90(bs,1H),6.86(dd,1H),6.89(bs,1H),7.67(d,1H).

Claims (11)

  1. 式Iの化合物の製造方法であって、
    Figure 2008518959
    a)式IIの2−置換インダノンを塩基の存在下メチルビニルケトンと反応させて、式IIIのジケトンを形成する段階、
    Figure 2008518959
    b)式IIIのジケトンを環状化し、式IVのテトラヒドロフルオレノンを形成する段階、
    Figure 2008518959
    c)分子内アルキル化反応を行い、式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンを形成する段階、
    Figure 2008518959
    d)式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンのエノン二重結合を置換し、式Iの化合物を生成する段階
    [式中、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノおよびORからなる群から選択される1、2または3つの基で場合によって置換されていてもよく、
    は、水素、R、(C=O)Rまたは(C=O)ORであり、
    は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−2アルキル、シアノまたはORであり、
    Yは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、またはこれらの前駆体であり、
    は、水素、C1−4アルキルまたはフェニルである。]
    からなる、方法。
  2. 段階a)における塩基が、メタノール中のナトリウムメトキシド、エタノール中の水酸化カリウムまたはTHF中のDBUである、請求項1の方法。
  3. 環状化段階b)が、塩基性条件または酸性条件下で行われる、請求項1の方法。
  4. 塩基性条件が、エタノール中の水酸化ナトリウム、メタノール中のナトリウムメトキシド、またはトルエン中のピロリジン酢酸である、請求項3の方法。
  5. 酸性条件が、酢酸中の塩酸、トリフルオロ酢酸、またはトルエン中のp−トルエンスルホン酸である、請求項3の方法。
  6. 段階c)が、加熱により行われるか、有機塩基の存在下で行われるか、または有機塩基の存在下で加熱により行われる、請求項1の方法。
  7. Yが、フルオロであり、および段階c)が、有機塩基の存在下で加熱により行われ、ここで、前記有機塩基が、DMF中のLiClであり、かつ150℃で加熱される、請求項6の方法。
  8. Yがフルオロであり、および段階c)が、有機塩基の存在下で行われ、ここで、前記有機塩基が、THF中のKN(TMS)、CHCl中のBBr、次いでTHF中のKOtBuまたはTHF中のDBUである、請求項6の方法。
  9. 式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンのエノン二重結合が、ハロゲン化されて、式Iの化合物を生成する、請求項1の方法。
  10. 式Vの架橋テトラヒドロフルオレノンのエノン二重結合が、DMF中のNCS、DMF中のNBS、CHCl中の臭素およびNaHCO、またはCHCl中のIおよびピリジンであるハロゲン化剤でハロゲン化される、請求項9の方法。
  11. 式IIの化合物の製造方法であって、
    Figure 2008518959
    a)式VIの5−アルコキシ−1−インダノンをカルボキシル化試薬と反応させ、式VIIのベータ−ケトエステルを形成する段階、
    Figure 2008518959
    b)式VIIのベータ−ケトエステルをアルキル化し、式VIIIのアルキル化ベータ−ケトエステルを形成する段階、
    Figure 2008518959
    c)式VIIIのアルキル化ベータ−ケトエステルを求電子試薬と反応させ、式IXの中間体を形成する段階、
    Figure 2008518959
    d)式IXの中間体を加水分解および脱炭酸し、式IIの化合物を生成する段階
    [式中、Rは、水素、R、(C=O)Rまたは(C=O)ORであり、
    は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−2アルキル、シアノまたはORであり、
    は、メチル、エチル、アリルまたはベンジルであり、
    Yは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、またはこれらの前駆体であり、
    は、水素、C1−4アルキルまたはフェニルである。]
    からなる、方法。
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