JP2008518699A - 抗微生物活性成分を含有するシリコーンエラストマー - Google Patents

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Abstract

本発明は、シリコーンエラストマーおよび抗微生物活性物質を均一に分布して含有する組成物、該組成物の製造方法、ならびに、医療物品における該組成物の使用に関する。

Description

本発明は、シリコーンエラストマーおよび抗微生物活性物質を均一に分布して含有する組成物、該組成物の製造方法、ならびに、医療物品における該組成物の使用に関する。
現在では、プラスチックから作製された医療物品(例えばカテーテル)が、診断および治療目的のために多くの応用分野で使用されている。例えば、中心静脈カテーテルが、最近の集中治療において、侵入的モニタリングおよび治療戦略(例えば連続血液濾過)のために使用されている。尿路カテーテルは、最近の医療ケアの必須成分であり、例えば、尿の流れ不全の治療に不可欠である。最近の医療物品は、集中治療患者の処置を大きく改善するが、その適用はかなりのリスクを伴う。プラスチック物品(例えばカテーテルなど)の頻繁な使用は、いわゆるポリマー付随感染の劇的な増大を導いた。一般に、カテーテル付随感染は、多耐性院内病原体によって引き起こされることが多く、これら病原体が物品のプラスチック表面に付着し、次いでそれをコロニー化する[Urogenitale Infektionen、A.Hofstetter編、Springer 1999、241-64]。
現在では、カテーテル付随感染が、集中治療患者の罹患および死亡の重大な原因である。最近の研究は、院内獲得尿路感染の70〜90%が、尿路の器具使用(カテーテル挿入)に付随することを示す。1回の膀胱カテーテル挿入は、例えば、0.5〜28%の患者において細菌尿を導く。さらに、カテーテル付随尿路感染の発生は、カテーテル期間ならびに患者の年齢、性別および状態(免疫能力)に依存する[Urogenitale Infektionen、A.Hofstetter編、Springer 1999、241-64]。しかし、カテーテルの使用は、患者に比較的高い感染リスクを負わせるだけでなく、高い追加治療コストをも引き起こす。GivensおよびWenzelは、院内尿路感染が、術後入院滞在を平均して2.4日間長くし、それに応じて追加コストを引き起こすことを示した[J.Urol.1980、124:646-48]。従って、カテーテル付随感染の防止は、医療上および経済上の両方の理由から、最近の医学において最も高い優先度を有する。
カテーテル付随感染(敗血症に発展する可能性がある)は、外傷性および血栓塞栓性の合併症に加えて、集中治療における中心静脈カテーテルの使用に伴う重大な問題である。
多くの研究により、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、一過性生物スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)および種々のカンジダ(Candida)種が主なカテーテル付随感染の原因であることがわかった。カテーテルの適用中に、皮膚に偏在して存在するこれらの微生物は、皮膚の生理学的障壁を貫通し、こうして皮下領域に、そして最終的に血流に到達する。プラスチック表面への細菌の付着は、異物感染の病気発生における必須工程であると考えられる。皮膚生物のポリマー表面への付着に続いて、細菌の代謝活性増殖が開始され、ポリマーがコロニー化する。これには、細菌の細胞外多糖外被の排出により、生物膜の生成が伴われる。この生物膜は病原体の付着を助け、それらを免疫系のある種の細胞による攻撃から保護する。さらに、この膜は、多くの抗生物質が貫通しえない障壁を形成する。ポリマー表面における病原生物の甚だしい増殖は、最終的に敗血菌血症につながることもある。このような感染の治療には、感染したカテーテルの除去が必要になる。これは、抗生物質による化学療法が、非生理的な高用量を必要とするためである。
中心静脈カテーテルによる細菌誘発感染の発生は、平均して約5%である。中心静脈カテーテルは、総合的に、集中治療時の全敗血症の約90%の原因であることがわかった。従って、中心静脈カテーテルの使用は、患者に比較的高い感染リスクを負わせるだけでなく、極めて高い追加治療コスト(病院における、その後の治療、滞在の延長)をも引き起こす。
尿路および中心静脈カテーテルに付随する問題は、予防的処置、例えば、衛生的処置(カテーテルの取扱い、スタッフの訓練)または通常の管腔内抗生物質投与などによって、部分的にのみ解決することができる。
ポリマー付随感染を防止するための合理的な戦略は、使用するポリマー材料を修飾することからなる。この修飾の目的は、細菌付着および既に付着した細菌の増殖を阻害し、このようにして異物感染を原因防止するためのものでなければならない。これは、例えば、ポリマーマトリックス中に適当な抗微生物活性物質(例えば抗生物質)を導入することによって達成することができる(ただし、導入した活性成分が、ポリマーマトリックスから制御された様式で拡散しうるという条件のもとで)。従って、感染耐性の材料は、以下の特性を有しているべきである:
(1)適当なカテーテルに付随する感染に関係する微生物に対して、特に、中心静脈カテーテルについてはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、例えばスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)に対して、尿路カテーテルについては腸球菌であるプロテウス(Proteus)、クレブシエラ(Klebsiella)、エンテロバクター(Enterobacter)種に対して広範囲に作用すること;
(2)抗微生物作用が十分な期間であること(30日間より長い作用期間が要求される);
(3)材料の内部および外部表面が保護されること;
(4)ポリマー修飾が、材料の生物適合性(発熱性、細胞毒性)または機械的特性(引張強さ、モジュラス、硬さ)のどちらも損なわないこと。
医療用途のための抗微生物修飾したポリマーの製造方法が、既に開示されている。
欧州特許出願公開EP-A-0696604は、脂肪族の熱可塑性ポリウレタン-尿素を記載する。これは、その尿素基のゆえに親水性であるが、カテーテル表面における細菌の付着および増殖を防止することができない。欧州特許出願公開EP-A-1067974、EP-A-0927222、EP-A-1128724およびEP-A-1128723は、高粘度加工法により活性成分が十分に微細かつ均一に分布して導入された抗細菌作用を有する熱可塑性コンパウンドを記載する。しかし、比較実験は、押出機における剪断力が、カテーテル管の製造に使用するシリコーン固相ゴムにおける粉末活性成分の所望の分布の達成に不十分であることを示している。
また、活性成分含有の被覆を有する医療用途のためのポリマー材料が、欧州特許出願公開EP-A-328421に記載されている。抗微生物活性の被覆の製造方法および医療デバイスの表面への適用方法が記載されている。この被覆は、ポリマーマトリックス、特にポリウレタン、シリコーンまたは生分解性ポリマー、ならびに、抗微生物活性物質、好ましくは銀塩(銀スルファチアジン)とクロルヘキシジンまたは抗生物質との相乗組合せ物からなる。この公開文献は、種々のポリマー(特にシリコーン)と抗生物質との組合せを記載している。しかし、粉末活性成分をシリコーンゴム中に導入する困難性は論じられていない。本発明の方法は、この公開文献には記載されていない。
欧州特許出願公開EP-A-0688564は、活性成分含有のシリコーンエラストマーであって、その放出速度を架橋密度によって制御しうるシリコーンエラストマーを記載している。シリコーンエラストマー中の活性成分の粒径の特別の重要性、ならびに、如何にこれを達成するかについては記載されていない。さらに、活性成分の放出を助ける添加剤が記載されているが、これは本発明においては意図的に除外される。
米国特許US4230686(Schoepflinら)は、非イオン性の親油性活性成分を含有する室温架橋性(RTV)シリコーンエラストマーを記載している。この特許文献(第5欄、第57〜59行)によれば、このようなシリコーンエラストマーは、親油性の非イオン性活性成分についてのみ徐々に放出する活性成分担持体として適する。さらに、第7欄の第51〜60行には、活性成分を乾燥粉末としてシリコーンエラストマー中に導入することが記載されている。この場合の粒径は、活性成分の水溶性が高くなるにつれて、導入する粒子のサイズ(4〜400μm)が大きくなるように選択すべきであると言及されている。
本発明の目的は、短期移植のための医療用造形品(特にカテーテル)の製造に適し、そして長期間(30日間以上)にわたり微生物による表面コロニー形成を効果的に妨げる新規なシリコーンエラストマーを提供することであった。
本発明の別の目的は、活性成分を微細分布させてシリコーンエラストマー中に導入することを可能にする方法を提供することであった。
ここに驚くべきことに、非常に小さい粒径(約3μm)を有する易水溶性の活性成分(例えば、塩酸シプロフロキサシンなど)を含有する本発明のシリコーンエラストマーが、数週間にわたり、カテーテル表面における細菌コロニー形成に対して非常に良好な活性をもたらすことがわかった。
即ち、本発明は、活性成分をシリコーンエラストマー中に0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、特に好ましくは2〜15μm、特に好ましくは2〜15μmの粒径で導入してよいことを保証する。
抗微生物活性物質を均一に分布して含有し、そして抗微生物活性物質を長期間(30日間以上)にわたり、表面において微生物によるコロニー形成を抑制する濃度で放出するシリコーンエラストマーがここに見い出された。
即ち、本発明は、抗微生物活性物質を均一に分布して含有し、活性成分が、特に、平均粒径d50 0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmで、ならびに、粒径分布0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmで、懸濁物の形態で存在するシリコーンゴム配合物およびシリコーンエラストマーに関する。
さらに本発明は、活性成分をシリコーンゴム配合物中に導入するための活性成分懸濁物の使用に関し、好ましい態様においては、懸濁媒体をシリコーンエラストマー中に化学的に導入することが可能である。
さらに本発明は、本発明のシリコーンゴム配合物を、抗細菌活性を保持しながら、150〜350℃、好ましくは150〜200℃で架橋することによって製造した造形品に関する。
特にアミンが架橋中に白金触媒の活性を損なうことが文献から、例えば、Wackerの製品パンフレット「Die platinkatalysierte Additionsvernetzung mit Elastosil R plus」から既知である。
驚くべきことに、アミン基を含む活性成分を添加しているにもかかわらず、白金触媒されるシリコーンゴム配合物の架橋中に、白金触媒がその活性を維持することがわかった。活性成分含有シリコーンエラストマーの機械的特性は、活性成分不含の比較試料のものと同じであった。
さらに本発明は、医療用チューブ、膀胱カテーテル(フォーリーカテーテル、間欠的カテーテル、恥骨上および経尿道カテーテル)、血液透析カテーテル、単一および複数管腔の中心静脈カテーテル、末梢カテーテル、熱希釈カテーテル、経皮経管冠動脈形成(PTCA)用バルーンカテーテルを製造するための、活性成分含有シリコーンエラストマーの使用に関する。
本発明は、本発明のエラストマーを与えるように架橋することができる活性成分含有シリコーンゴム配合物であって、以下の成分を含有するか、または以下の成分からなる活性成分含有シリコーンゴム配合物を提供するものである:
(A)以下の式(I)で示される少なくとも1つのポリシロキサン:
Figure 2008518699
[式中、
1およびR2は、それぞれ同一または異なっていてよく、それぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、
3およびR4は、それぞれ同一または異なっていてよく、各繰返し単位を明示的に包含し、それぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチル、さらに-OSiR23Rであり(ここで、Rは、ポリマー分子が式:SiO4/2およびR3SiO3/2の分岐単位を有しうるように、この分岐において式(I)に類似するシロキサン鎖が連続していることを表す)、
1およびR3は、さらに互いに独立してC1-C12-アルケニルであり、この場合には、ポリマーは0.0002〜3重量%のビニル基を含み、分子は少なくとも2つの二重結合を有し、
xは、2〜15,000の整数であり、ポリマーの粘度が25℃で0.1〜1000Pasの範囲内であるように変化する]、
(B)所望により、50〜500m2/gのBET比表面積を有する少なくとも1つの充填剤、
(C)所望により、50m2/g未満のBET比表面積を有する少なくとも1つの充填剤、
(D)所望により、少なくとも1つのさらなる助剤、
(E)所望により、ジシラザン、シロキサンジオール、アルコキシシラン、シリルアミン、シラノール、アセトキシシロキサン、アセトキシシラン、クロロシラン、クロロシロキサンおよびアルコキシシロキサンからなる群からの少なくとも1つの飽和撥水剤、
(F)所望により、複数ビニル置換されたメチルジシラザン、ならびにメチルシラノールおよびアルコキシシラン(それぞれ、アルケニル、アルケニルアリール、アクリルおよびメタクリルからなる群からの不飽和基を含む)からなる群からの少なくとも1つの不飽和撥水剤、
(G)所望により、少なくとも1つの非機能性ポリシロキサン、
(H)所望により、少なくとも1つのヒドロシリル化反応の阻害剤、
(I)以下の式(II)で示される少なくとも1つのポリヒドロシロキサン:
Figure 2008518699
[式中、
21およびR22は、それぞれ同一または異なっていてよく、それぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、
23は、それぞれ各繰返し単位を明示的に包含し、互いに独立して、水素、C1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチル、さらに-OSiR2324Rであり(ここで、Rは、ポリマー分子が式:SiO4/2およびR23SiO3/2の分岐単位を有しうるように、この分岐において式(II)に類似するシロキサン鎖が連続していることを表す)、また、これらシリルジオキシ単位の少なくとも4つにおけるR23は、分子が少なくとも4つの架橋部位を有するように水素であり、
24は、それぞれ各繰返し単位を明示的に包含し、互いに独立して、C1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチル、さらに-OSiR2324Rであり(ここで、Rは、ポリマー分子が式:SiO4/2およびR23SiO3/2の分岐単位を有しうるように、この分岐において式(II)に類似するシロキサン鎖が連続していることを表す)、
xは、4〜10,000の整数であり、ポリマーの粘度が25℃で0.0005〜0.1Pasの範囲内であるように変化する]、
(J)白金族の元素を含む少なくとも1つの触媒(この場合、100重量部の成分(A)を基準に、最大で3重量部の金属化合物、例えば、Fe、Al、Zn、Ti、Zr、Ceまたは他のランタノイドの酸化物および/または炭酸塩、ならびにこれらのさらなる塩および錯化合物が存在する)、
(K)少なくとも1つの活性成分懸濁物、ここで、懸濁媒体は、式(I)および/または(II)で示されるポリシロキサンおよび/または非機能性シロキサン(G)であり、以下の群からの少なくとも1つの活性成分を、平均粒径d50 0.5〜15μm、好ましくは1〜10μm、および粒径分布0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmで含有する:
- 比較的古いキノロン類、例えば、ナリジクス酸(nalixidic acid)、ピペミド酸およびシノキサシン、
- 比較的新しいキノロン類、例えば、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、モキシフロキサシン、好ましくはシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、特に好ましくはシプロフロキサシン、その内部塩または塩酸塩、
- アミノグリコシド類、例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、シソマイシン(sisomycin)、トブラマイシン、ネチルミシン、好ましくはゲンタマイシンおよびカナマイシン、特に好ましくはゲンタマイシン、これらの硫酸塩または塩基、
- ポリペプチド類、例えば、バシトラシン、ムピロシン、チロトリシン(グラミシジンとチロシジンの組合せ)、
- リンコマイシン類、例えば、リンコマイシンおよびクリンダマイシン、
- 抗マイコバクテリア剤、例えば、リファンピシン。
「各繰返し単位を明示的に包含する」とは、対応する式の正確な定義からの逸脱において、例えば、式(I)で示される本発明に従って使用するポリマーの記載した繰返し単位において、それぞれ個々のR3またはR4(1分子中にx回現れる)を、それぞれの場合に、記載した定義およびその好ましい範囲から自由に選択しうること、即ち、1分子中に現れる該基が同一または異なっていてよいことを意味する。
原則的に、ポリマーマトリックスとして本明細書中に記載した室温で白金触媒の架橋を受けるシリコーンゴム配合物とは別に、加硫触媒(過酸化ベンゾイルまたは過酸化ジ-p-クロロベンゾイルに基づく)を用いて約200℃の温度で加硫され、熱的な後処理を必要とする熱加硫可能(HV)な配合物を使用することもできる。このようなシリコーンエラストマーは、米国特許US2541137または3002951に記載のように製造することができる。
室温で白金触媒の架橋を受けるシリコーンゴムが本発明において好ましいが、これは、使用される活性成分が、HVシリコーンゴム系の場合に、必要な高い加硫温度で、および過酸化物触媒の使用により、化学的に変化する可能性があるためである。さらに、HVシリコーンゴム系の場合にエラストマー中に残存する触媒残留物が、身体において毒性反応の原因となることもある。
また、さらなる添加がなく大気中湿気に暴露したときに室温で硬化するいわゆる1成分シリコーンゴム配合物が使用される。これらの1成分配合物は、主に、2つの末端アシルオキシ基(例えばアセトキシ基など)を含むオルガノポリシロキサンを含んでなり、これらの基は、大気中湿気に暴露したときに加水分解して3官能シロキサン単位を生成し、ポリマー中で架橋剤として作用してエラストマーを生成させる。
大気中湿気に暴露したときに室温加硫の副産物として、通常の湿気硬化型シリコーンゴム配合物から脱離する酢酸は、使用する活性成分と望ましくない副反応を起こすことがある。
従って、好ましい態様において、本発明は、以下の成分を含有する架橋可能な活性成分含有シリコーンゴム配合物に関する:
- ポリシロキサン(A)として、以下の式(I)で示されるポリシロキサン:
Figure 2008518699
[式中、
1およびR2は、それぞれ同一または異なっていてよく、それぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、
3およびR4は、それぞれ同一または異なっていてよく、各繰返し単位を明示的に包含し、それぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、
1およびR3は、さらに互いに独立してC1-C12-アルケニルであり、この場合には、ポリマーは0.0002〜3重量%のビニル基を含み、分子は少なくとも2つの二重結合を有し、
xは、2〜15,000の整数であり、ポリマーの粘度が25℃で0.1〜1000Pasの範囲内であるように変化する]、
- 50〜400m2/gのBET比表面積を有する充填剤(B)、
- 以下の式(II)で示されるポリヒドロシロキサン(I):
Figure 2008518699
[式中、
21およびR22は、それぞれ同一または異なっていてよく、それぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、
23は、それぞれ各繰返し単位を明示的に包含し、互いに独立して、水素、C1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、ここで、これらシリルジオキシ単位の少なくとも4つにおけるR23は、分子が少なくとも4つの架橋部位を有するように水素であり、
24は、それぞれ各繰返し単位を明示的に包含し、互いに独立して、C1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、
xは、4〜10,000の整数であり、ポリマーの粘度が25℃で0.0005〜0.1Pasの範囲内であるように変化する]、
- 白金族由来の触媒(J)として、ヒドロシリル化反応を触媒し、白金族の金属(例えば、Pt、Rh、Ni、Ru)および白金族金属の化合物(例えば、その塩または錯化合物)から選択される触媒、
- 活性成分懸濁物(K)のために使用される懸濁媒体として、成分(A)の式(I)で示される少なくとも1つのポリシロキサン[式中、置換基R1〜R4は、それぞれメチルおよびビニル基であり、ポリマーは0.0002〜3重量%のビニル基を含み、分子は少なくとも2つの二重結合を有し、xは、ポリマーの粘度が25℃で0.1〜1000Pasの範囲内であるように変化する]、
ならびに、以下の群からの少なくとも1つの活性成分:
- 比較的古いキノロン類、例えば、ナリジクス酸、ピペミド酸およびシノキサシン、
- 比較的新しいキノロン類、例えば、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、モキシフロキサシン、好ましくはシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、特に好ましくはシプロフロキサシン、その内部塩または塩酸塩、
- アミノグリコシド類、例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、シソマイシン、トブラマイシン、ネチルミシン、好ましくはゲンタマイシンおよびカナマイシン、特に好ましくはゲンタマイシン、これらの硫酸塩または塩基
[これら活性成分は、それぞれの場合に、平均粒径d50 0.5〜15μm、好ましくは1〜10μm、および粒径分布0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmである]。
本発明の目的のためにC1-C12-アルキルとは、通常は、直鎖または分岐鎖であってよい1〜12個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基である。挙げることができる例は、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、イソプロピル、ネオペンチル、および1,2,3-トリメチルヘキシルである。
本発明の目的のためにC1-C12-フルオロアルキルとは、少なくとも1個のフッ素原子で置換され、直鎖または分岐鎖であってよい、1〜12個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。挙げることができる例は、パーフルオロアルキル、1,1,1-トリフルオロプロピル、1,1,1-トリフルオロブチルであり、トリフルオロプロピルが好ましい。
本発明の目的のために置換フェニルとは、未置換またはF、Cl、CF3、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C3-C7-シクロアルキル、C2-C6-アルケニルまたはフェニルによって1置換もしくは多置換されたフェニル基を意味し、フェニルが好ましい。
本発明の目的のために、成分(A)は、上記した一般式(I)で示される少なくとも1つの直鎖または分岐鎖のポリシロキサンであると規定される。
1およびR2は、それぞれ同一または異なっていてよく、それぞれ好ましくはC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、およびフェニルまたはナフチル(所望により、F、Cl、CF3、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C3-C7-シクロアルキル、C2-C6-アルケニルまたはフェニルによって1置換もしくは多置換されている)である。
3およびR4は、それぞれ同一または異なっていてよく、各繰返し単位を明示的に包含し、それぞれ好ましくはC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、およびフェニルまたはナフチル(所望により、F、Cl、CF3、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C3-C7-シクロアルキル、C2-C6-アルケニルまたはフェニルによって1置換もしくは多置換されている)である。
1およびR3は、好ましくはさらに互いに独立してC1-C12-アルケニルであり、この場合には、ポリマーは0.0002〜3重量%のビニル基を含み、各分子は少なくとも2つの二重結合を有する。
xは、好ましくは2〜15,000の整数であり、ポリマーの粘度が25℃で0.1〜1000Pasの範囲内であるように変化する。
2〜R4は、特に好ましくはC1-C12-アルキルである。
1は、特に好ましくはビニルである。
2〜R4は、極めて好ましくはメチルである。
成分(A)の粘度は、好ましくは0.1〜30,000Pasである。
本発明の目的のために、成分(B)は、50〜500m2/gのBET比表面積を有する充填剤であることを意味する。通常、これらは強化用充填剤である。ここで強化とは、機械的強度特性が改善されること、特に引裂耐性などが改善されることを意味する。通常、強化用充填剤は、硬化した本発明の混合物の電気的特性に陽性の影響を与えるか、または少なくともそれを損なわない形態で添加される。これは、例えば、50〜500m2/gのBET表面積を有する沈降シリカまたは熱分解法シリカ、好ましくは熱分解法シリカの添加によって達成される。BET表面積は、S.Brunauer、P.H.Emmett、E.Tellerの方法[J.Am.Soc. 60、309 (1938)]によって測定する。
充填剤は、疎水性または親水性の充填剤であってよい。充填剤(B)を表面修飾することができる。即ち、例えば有機ケイ素化合物を用いて撥水性にすることができる。この修飾は、本発明のシリコーンゴム配合物の配合前または配合中に行うことができる。
撥水性にするために、好ましくは成分(E)および/または(F)を使用し、適切であれば水を添加して行う。成分(E)または(F)の定義に従って、飽和または不飽和のジシラザンおよびメチルシラノール(適切であれば、ジシラザンから製造することもできる)を、撥水性にするために使用するのが好ましい。
充填剤(B)のBET表面積の好ましい範囲は、50〜400m2/g、特に150〜300m2/gである。成分(B)の量は、100重量部の成分(A)に対して、通常は0〜75重量部、好ましくは20〜50重量部である。
本発明の目的のために、成分(C)は、50m2/g以下、好ましくは40m2/g以下、より好ましくは30m2/g以下のBET比表面積を有する少なくとも1つの充填剤である。機械的特性(特に引張強さ、引裂耐性など)を改善しないいわゆる「非強化用充填剤」が好都合である。好ましいのは、珪藻土、微細粉砕した石英またはクリストバル石、他の無定形シリカまたはシリケートである。成分(C)の量は、100重量部の成分(A)に対して、通常は0〜300重量部、好ましくは0〜50重量部である。
本発明の目的のために、成分(D)に係る用語「助剤」には、通常、顔料、離型剤、押出助剤および熱風安定剤(即ち、熱風老化に対する安定剤)が含まれる。離型剤は、通常、金型離型剤の群から、例えば、ステアリル誘導体またはワックス、脂肪酸の金属塩などから選択される。押出剤は、例えば、ホウ酸またはPTFEペーストである。熱風安定剤は、例えば、金属化合物(Fe、Al、Zn、Ti、Zr、Ceまたは他のランタノイドの酸化物および/または炭酸塩ならびにこれらのさらなる塩および錯化合物など)および酸化防止剤である。成分(D)の量は、100重量部の成分(A)に対して、通常は0〜10重量部であり、3重量部以上、好ましくは2重量部以上の金属化合物(例えば、Fe、Al、Zn、Ti、Zr、Ceまたは他のランタノイドの酸化物および/または炭酸塩ならびにこれらのさらなる塩および錯化合物)の存在は除外する。
本発明のシリコーン配合物は、金属化合物、例えば、Fe、Al、Zn、Ti、Zr、Ceまたは他のランタノイドの酸化物および/または炭酸塩ならびにさらなる塩および錯化合物を含まないのが好ましい。
本発明の目的のために、成分(E)は、ジシラザン、シロキサンジオール、アルコキシシラン、シリルアミン、シラノール、アセトキシシロキサン、アセトキシシラン、クロロシラン、クロロシロキサンおよびアルコキシシロキサンからなる群からの少なくとも1つの飽和撥水剤である。成分(E)は、充填剤(C)、好ましくは(B)を撥水性にするように作用する。さらに、撥水性にする操作は、配合前に独立してまたは配合中にその場で行うことができる。成分(E)の量は、100重量部の(B)を基準に、通常は0〜30重量部、好ましくは2〜25重量部である。
本発明の目的のために、成分(F)は、複数ビニル置換されたメチルジシラザン、ならびにメチルシラノールおよびアルコキシシラン(それぞれ、アルケニル、アルケニルアリール、アクリルおよびメタクリルからなる群からの不飽和基を含む)からなる群からの少なくとも1つの不飽和撥水剤である。成分(F)も同様に、充填剤(B)および(C)を撥水性にするように作用する。成分(F)の量は、100重量部の(A)を基準に、通常は0〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
成分(E)および(F)の合計量は、成分(B)および(C)の合計量を基準に、好ましくは(B)を基準に、好ましくは5〜25重量%である。
本発明の目的のために、成分(G)に係る用語「非機能性ポリシロキサン」とは、通常は低分子量のポリシロキサンであって、ヒドロシリル化反応に対して非機能性であり、非架橋性であり、好ましくはトリメチルシリル末端ブロックされており、ジメチル、ジフェニルまたはフェニルシリルオキシ基を含み、4〜1000の重合度を有し、架橋後に造形品の表面を確実に疎水性にする、例えば欧州特許出願公開EP-A-0057098に記載されているような低分子量ポリシロキサンを意味する。成分(G)の量は、100重量部の(A)を基準に、通常は0〜15重量部、好ましくは1〜3重量部である。
本発明の目的のために、成分(H)に係る用語「ヒドロシリル化反応の阻害剤」には、例えば米国特許US3445420に詳しく記載されているように、Pt族の金属によるヒドロシリル化反応に対する当分野で既知の全ての阻害剤、例えば、マレイン酸およびその誘導体、アミン、アゾール、アルキルイソシアヌレート、ホスフィン、ホスファイトおよびアセチレン性不飽和アルコール(OH基がC-C三重結合に隣接する炭素原子に結合している)が含まれる。成分(G)は、好ましくは2-メチル-3-ブチン-2-オールまたは1-エチニルシクロヘキサノールまたは(±)3-フェニル-1-ブチン-3-オールである。成分(H)は、100重量部の(A)〜(I)の合計を基準に、好ましくは、0〜1重量部の相応量で使用される。成分(H)は、それぞれの場合に混合物の全重量を基準に、好ましくは0.0001〜2重量%、より好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の相応量で存在する。
本発明の目的のために、成分(I)は、異なるケイ素原子に直接結合した少なくとも2つの水素原子を有する上記一般式(II)で示される少なくとも1つのポリヒドロシロキサンと定義される。以下の定義が、その中の基に当てはまる。
21およびR22は、それぞれ同一または異なっていてよく、好ましくはそれぞれC1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルである。
23は、好ましくはそれぞれ各繰返し単位を明示的に包含し、互いに独立して、水素、C1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルであり、ここで、これらシリルジオキシ単位の少なくとも4つにおけるR23は、分子が少なくとも4つの架橋部位を有するように水素である。
24は、それぞれ各繰返し単位を明示的に包含し、互いに独立して、C1-C12-アルキル、C1-C12-フルオロアルキル、および所望により置換されたフェニルまたはナフチルである。
xは、好ましくは4〜10,000の整数であり、ポリマーの粘度が25℃で0.0005〜0.1Pasの範囲内であるように変化する。
成分(I)においてケイ素原子に直接結合した水素原子のモル割合は、好ましくは0.01〜10mモル/g、より好ましくは0.5〜9mモル/g、特に好ましくは1〜7mモル/gである。
成分(I)の量は、100重量部の成分(A)を基準に、好ましくは0.2〜30重量部、特に好ましくは0.2〜20重量部である。
成分(J)は、白金族の少なくとも1つの元素を含む触媒である。
成分(J)は、好ましくは、ヒドロシリル化反応を触媒し、白金族の金属(例えば、Pt、Rh、Ni、Ru)および白金族金属の化合物(例えば、その塩または錯化合物)から選択される触媒である。さらに好ましくは、成分(J)は、所望により支持体上に吸着させてもよい白金および白金化合物、および白金族元素の他の化合物から選択される白金族由来の元素を含む触媒である。白金および白金化合物が最も好ましい。即ち、窒素、リン化合物および/またはアルケン化合物とのPt塩、Pt錯化合物または支持体上のPt金属を使用するのが好ましい。全てのPt(0)およびPt(II)化合物が好ましく、Pt-オレフィン錯体およびPt-ビニルシロキサン錯体が特に好ましい。Pt-ビニルシロキサン錯体、Pt-ビニルジおよびテトラシロキサン錯体(好ましくは少なくとも2個または4個のオレフィン性不飽和二重結合を有する)が特に好ましい(例えば、米国特許US3715334を参照)。ここで、用語「シロキサン」には、ポリシロキサンまたはその他のポリビニルシロキサンが含まれる。
さらに、成分(J)は、反応性白金化合物と阻害剤(H)との反応生成物であることもできる。
本発明の配合物中の成分(J)の量は、成分(A)〜(I)の合計量を基準に、および成分(J)中の白金族金属を基準に算出して、好ましくは10〜100ppm、より好ましくは15〜80ppm、特に好ましくは20〜50ppmである。シリコーンゴム配合物は、成分(A)〜(J)の量を基準に、窒素化合物、リン化合物および/またはアルケン化合物とのPt塩、Pt錯化合物または支持体上のPt金属の形態で、好ましくは20〜100ppmのPtを含有する。
活性成分懸濁物(K)は、一方において、懸濁剤として、好ましくは上記の式(I)で示されるポリシロキサンを含有する。その中の基の定義は次の通りである。
1〜R4は、互いに独立して、特に好ましくはそれぞれメチルおよびビニルであり、ここで、ポリマーは0.0002〜3重量%のビニル基を含み、各分子は少なくとも2つの二重結合を有する。
xは、特に好ましくは、ポリマーの粘度が25℃で0.1〜1000Pasの範囲内であるように変化する。
活性成分懸濁物(K)は、他方において、好ましくは以下の群からの活性成分を含有する:
- 比較的古いキノロン類、例えば、ナリジクス酸、ピペミド酸およびシノキサシン、
- 比較的新しいキノロン類、例えば、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、モキシフロキサシン、好ましくはシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、特に好ましくはシプロフロキサシン、その内部塩または塩酸塩、
- アミノグリコシド類、例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、シソマイシン、トブラマイシン、ネチルミシン、好ましくはゲンタマイシンおよびカナマイシン、特に好ましくはゲンタマイシン、これらの硫酸塩または塩基、
[これら活性成分は、平均粒径d50 0.5〜15μm、好ましくは1〜10μm、および粒径分布0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmで分散している]。
粉末化活性成分は、通常、ミクロ化した形態で供給される。これらをシリコーンゴム中に導入するために、予め適する媒体中に懸濁させる。この際に、媒体がシリコーンエラストマーに良好な溶解性を有することに注意しなければならない。本発明の1つの態様においてこの目的に適するのは、25℃で100〜1,000,000mPas、好ましくは100〜500,000mPasの粘度を有する市販のシリコーン油(R'およびR''=アルキル)、ビニル末端のポリジメチルシロキサン(R'=ビニル;R''=メチル)またはポリヒドロシロキサン(R'=H;R''=メチル)である。適するか否かは、活性成分/媒体の混合物をビーズミルにおいて十分微細に均一化しうるか否かによって決定する。
好ましい態様において、使用する懸濁媒体は、少なくとも1つのビニル基末端のシリコーンポリマーであり、これは、後の架橋反応においてシリコーンエラストマー中に化学的に導入される。従って、シリコーンエラストマーの使用時に、懸濁媒体は、もはや周囲の体組織または体液中に浸出することができない。例えば、ビニル基末端のシリコーンポリマーは、Hanse-Chemieから、ポリマーVS 200[η(25℃)=200mPas;ビニル基含量0.25mモル/g]、ポリマーVS 1000[η(25℃)=1000mPas;ビニル基含量0.11mモル/g]、またはポリマーVS 165000[η(25℃)=165,000mPas;ビニル基含量0.015mモル/g]として入手可能である。同等の製品が、他の供給元から、例えば、Dow Corning[Syl-Off 7673;η(25℃)=425mPas]またはWacker Silicones[Dehesive 920;η(25℃)=500mPas、またはDehesive 924;η(25℃)=200mPas]から入手可能である。
原則的に、適する抗微生物活性物質は、ポリマー付随感染に関係する病原微生物に対して広範囲の効果を有する全ての活性成分である。中心静脈カテーテルの場合、これらは、特にコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、スタフィロコッカス・アウレウスおよびカンジダ種に対して有効な物質である。本発明に従って、抗微生物活性物質を、造形品において活性成分組合せ物として使用することもできる(これらの効果が相互に拮抗性でないとき)。尿路カテーテルの場合、ポリマー付随感染に関係する病原微生物は、特に、腸球菌であるプロテウス(Proteus)、クレブシエラ(Klebsiella)、エンテロバクター(Enterobacter)種である。
使用する活性成分は、シリコーンゴムマトリックス中で十分な(化学的)安定性を有していなければならない。さらに、活性成分の微生物学的活性は、ポリマーマトリックス中で、ならびに、導入および後の熱架橋のための加工条件下で損なわれてはならず、従って、活性成分は、シリコーンゴムの熱架橋に必要な150〜350℃、好ましくは150〜200℃の温度で安定でなければならない。
さらに、活性成分は、室温架橋性2Kシリコーンゴムの架橋反応のために使用する白金触媒の活性を低下させてはならない。不適切に架橋したシリコーンエラストマーは、モノマーをなお含有していることがあり、次いでこれが材料の細胞毒性反応の原因になる。即ち、薬学的に活性な物質の導入は、ポリマー表面の生物適合性あるいはシリコーンエラストマーの他の望ましいポリマー特異的な性質(弾性、引張強さなど)のどちらも損なってはならない。
適する抗生物質活性の物質の例は、次の通りである:
- 比較的古いキノロン類、例えば、ナリジクス酸、ピペミド酸およびシノキサシン、
- 比較的新しいキノロン類、例えば、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、モキシフロキサシン、好ましくはシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、特に好ましくはシプロフロキサシン、その内部塩または塩酸塩、
- アミノグリコシド類、例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、シソマイシン、トブラマイシン、ネチルミシン、好ましくはゲンタマイシンおよびカナマイシン、特に好ましくはゲンタマイシン、これらの硫酸塩または塩基、
- マクロライド類、例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシン、
- ポリペプチド類、例えば、バシトラシン、ムピロシン、チロトリシン(グラミシジンとチロシジンの組合せ)、
- リンコマイシン類、例えば、リンコマイシンおよびクリンダマイシン、
- 抗マイコバクテリア剤、例えば、リファンピシン、または
- フシジン酸。
抗微生物活性物質は、使用する物質が感染を引き起こす種に対して十分な活性を有するなら、消毒剤または殺菌剤であってもよい。
好ましいのは、比較的新しいキノロン類、例えば、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペルフロキサシン、エノキサシン、モキシフロキサシン、特に好ましくはシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、その内部塩または塩酸塩、およびこれらの混合物である。
さらに、微生物活動の影響後に抗微生物活性物質を放出する物質(プロドラッグ)を使用することもできる。
活性成分は、本発明のシリコーン配合物中に、その抗微生物活性に適する濃度で導入するのが好ましい。活性成分は、シリコーンエラストマー中、0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の濃度範囲で使用する。
好ましい、より好ましい、または特に好ましい態様は、好ましい、より好ましい、または特に好ましいと記載したパラメーター、化合物、定義および説明を使用する態様である。
しかし、明細書中に記載した一般的な定義、パラメーター、化合物および説明、あるいは、好ましい範囲に記載した定義、パラメーター、化合物および説明を、互いに組合せることもできる。即ち、必要に応じて、それぞれの範囲と好ましい範囲を組合せることができる。
原則的に、ポリマー添加剤(例えば、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコール)を、シリコーンゴムに、5重量%の濃度まで混合することができる。好ましい態様においては、このような添加剤(表面への放出に影響する)を使用しない。
通常の溶解機(ディソルバー)を使用し、これをビーズミルとして用いて懸濁物(K)を製造する。活性成分、懸濁媒体およびビーズを、温度制御容器に入れる。この全体量に加えて、1/3のガラスビーズをも加える。ガラスビーズの代わりに、他の粉砕用ビーズ、例えば、酸化ジルコニウムのビーズを使用することもできる。
懸濁物(K)中の活性成分の濃度は、10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。粉砕のための材料を、100℃まで加熱して、粉砕に適する粘度に調節することができる。しかし、できるだけ穏やかな条件下で活性成分の処理を行うために、最も低い可能な温度が常に好ましい。
懸濁物(K)を、例えばロールミキサーにおいて、シリコーンゴムマトリックス中に導入する。懸濁物の粘度は、この目的のために低すぎるものであってはならない(懸濁物が容易に流れ落ちてしまうため)。粘稠すぎるペーストに付随するリスクは、懸濁物をシリコーンゴム中に均一に導入しえないことである。
従って、本発明に係る懸濁物(K)は、室温で10,000〜2,000,000mPasの粘度を有しているべきである。本発明の方法に使用するのに好ましくかつ適する懸濁物は、25℃で20,000〜1,000,000mPas、特に好ましくは50,000〜500,000mPasの粘度を有する。
本発明の懸濁物(K)中の活性成分は、通常、平均粒径d50が0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmであり、粒径分布が0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmである。
さらに、この粘度範囲で製造される懸濁物(K)は、数週間にわたって安定なままであり、沈殿しない。追加の分散助剤の使用を省くことができる。
好ましくは、成分(A)+(F)+(K)および(I)は、本発明の活性成分含有シリコーンゴム混合物中に、成分(I)中のケイ素原子に直接結合した水素(SiH)の、成分(A)、(F)および(K)中の不飽和基に対するモル比が0.1〜20、好ましくは0.8〜10、特に好ましくは1〜5であるような量比で存在すべきである。
本発明の活性成分含有シリコーンゴム配合物は、成分(A)〜(K)からなり、成分(B)〜(H)は所望により存在する。本発明のシリコーンゴム配合物は、好ましくは、必須成分(A)、(I)、(J)および(K)に加えて成分(G)を含有する。
本発明のゴム配合物において、成分(A)[即ち式(I)のポリシロキサン]ならびに成分(I)[即ち式(II)のポリヒドロシロキサン]は、成分(K)[即ち活性成分懸濁物]中に懸濁媒体として全体的または部分的に存在することができる。また、本発明に含まれるのは、独立したさらなる成分(A)および/または成分(I)を含まない配合物である。
さらに本発明は、本発明のシリコーンゴム配合物の製造方法であって、初めに成分(A)〜(J)を一緒にして混合し、次いで成分(K)を加えて一体化することを特徴とする方法に関する。
活性成分懸濁物(K)を、ロール練り機において、混練機において、または押出機において、シリコーンゴム組成物に加える。好ましい態様において、2成分系の場合、これら2成分を予め混合し、次いで活性成分懸濁物を加える。
好ましくは、所望により使用される撥水剤(E)および(F)ならびに所望により水を成分(A)に加え、成分(D)(充填剤)を窒素雰囲気下に20〜160℃の温度で導入し、こうして充填剤(D)を成分(E)および(F)との反応によって撥水性にすることにより、本発明のシリコーンゴム配合物を製造する。次いで、過剰の(E)および(F)ならびにこれらに由来する揮発性反応生成物(例えば、シラノール、アルコールおよび水)を除去する(好ましくは150〜170℃に加熱することによって、適切であれば真空中で)。2成分配合物の場合、成分(H)および(I)または(J)のどちらかを、得られた好ましくは冷却した混合物に計量して入れる。成分(C)、(D)および(G)が所望である場合、これらを、揮発性成分(E)および(F)の除去後に計量して入れる。1成分配合物の場合、(H)、(I)および(J)を計量して入れるが、阻害剤(H)を初めに入れる。
通常のミキサー、例えば、内部ミキサー、スクリューミキサー、混練機、好ましくは混練機などを使用する。
さらに、本発明の架橋可能なシリコーンゴム組成物は、1成分系、2成分系またはそれ以上の多成分系であることができる。多成分系は、例えば、(H)、(I)および(J)を独立して含む系である。
以下に挙げる実施例は、本発明の説明のためのものであり、本発明の限定のためのものではない。
原料
シリコーン固体ゴム
50:50 A/B 2K 白金触媒固体シリコーンゴム系 3097/PA(Deganiaから)を実験に使用した。
A成分:ビニル基末端のポリジメチルシロキサン;成分(A)、(B)および(J)を含有する。
B成分:ポリヒドロシロキサン;成分(B)、(G)および(I)を含有する。
成分(A)、(B)、(G)、(I)および(J)の量比は、シリコーンエラストマーがショアーA硬度65を有するように、A/B成分において調節する。
液体ゴム
Silopren H60:ビニル基末端のポリジメチルシロキサン(GE Bayer Siliconesから);粘度(25℃)=60,000mPas;ビニル含量:0.20mモル/g。
Silopren H6:ビニル基末端のポリジメチルシロキサン(GE Bayer Siliconesから);粘度(25℃)=6000mPas;ビニル含量:0.22mモル/g。
Crosslinker 930:ポリヒドロシロキサン(GE Bayer Siliconesから);SiH含量=9.3mモル/g、粘度(25℃)=35mPas。
懸濁媒体
Polymer VS 200:ビニル基末端のポリジメチルシロキサン(Hanse-Chemieから);粘度(25℃)=200mPas;ビニル含量:0.25mモル/g。
Polymer VS 1000:ビニル基末端のポリジメチルシロキサン(Hanse-Chemieから);粘度(25℃)=1000mPas;ビニル含量:0.11mモル/g。
Baysilon M 100:非機能性かつ非架橋性のトリメチルシリル末端ブロック化ポリシロキサン。
活性成分
シプロフロキサシン塩酸塩:Bayer HealthCare AG、Wuppertal、白色粉末、平均粒子直径d50=48μm。
シプロフロキサシン:Bayer HealthCare AG、Wuppertal、白色粉末、平均粒子直径d50=14μm。
実施例1〜3:ポリマーVS 1000中の活性成分懸濁物の製造
Dispermat F 105 溶解機(VMA Getzmannから)を懸濁物の製造に使用した。プラスチックディスクを粉砕用具として使用した。温度制御容器の温度を、サーモスタット(Julabo HCから)を用いて制御した。
ビニル末端シリコーンポリマーVS 1000(45g)、シプロフロキサシン塩酸塩、シプロフロキサシンまたはこれらの混合物(表を参照)(15g)、および直径3mmのガラスビーズ(20ml)を、250mlの温度制御容器に計量して入れた。容器の温度を25℃に制御し、溶解機を始動させた。粉砕する材料を10,000/分で30分間混合した。次いでガラスビーズを除去した。白色クリーム状のペーストが得られた。平均粒子直径を測定した。
Figure 2008518699
実施例4〜6:ポリマーVS 200中の活性成分懸濁物の製造
Dispermat F 105 溶解機(VMA Getzmannから)を懸濁物の製造に使用した。プラスチックディスクを粉砕用具として使用した。温度制御容器の温度を、サーモスタット(Julabo HCから)を用いて制御した。
ビニル末端シリコーンポリマーVS 200(45g)、シプロフロキサシン塩酸塩、シプロフロキサシンまたはこれらの混合物(表を参照)(15g)、および直径3mmのガラスビーズ(20ml)を、250mlの温度制御容器に計量して入れた。容器の温度を25℃に制御し、溶解機を始動させた。粉砕する材料を10,000/分で30分間混合した。次いでガラスビーズを除去した。白色クリーム状のペーストが得られた。平均粒子直径を測定した。
Figure 2008518699
実施例7〜9:Baysilon M 100中の活性成分懸濁物の製造
Dispermat F 105 溶解機(VMA Getzmannから)を懸濁物の製造に使用した。プラスチックディスクを粉砕用具として使用した。温度制御容器の温度を、サーモスタット(Julabo HCから)を用いて制御した。
Baysilon M 100シリコーン油(45g)、シプロフロキサシン塩酸塩、シプロフロキサシンまたはこれらの混合物(表を参照)(15g)、および直径3mmのガラスビーズ(20ml)を、250mlの温度制御容器に計量して入れた。容器の温度を25℃に制御し、溶解機を始動させた。粉砕する材料を10,000/分で30分間混合した。次いでガラスビーズを除去した。白色クリーム状のペーストが得られた。平均粒子直径を測定した。
Figure 2008518699
実施例10:Silopren H60中の活性成分懸濁物の製造(ビーズなし)
Dispermat F 105 溶解機(VMA Getzmannから)を懸濁物の製造に使用した。溶解機ディスクを粉砕用具として使用した。温度制御容器の温度を、サーモスタット(Julabo HCから)を用いて制御した。
Silopren H60シリコーン油(45g)、シプロフロキサシン塩酸塩(15g)を、250mlの温度制御容器に計量して入れた。容器の温度を25℃に制御し、溶解機を始動させた。粉砕する材料を10,000/分で30分間混合した。不均一な液体含有の粗い白色粒子が得られた。粒径の測定は行わなかった。
活性成分含有の架橋可能なシリコーンゴム混合物の製造
実施例11〜25(本発明による)および比較例26〜28(本発明によらない)
等しい部数(表を参照)のそれぞれAおよびBの固体シリコーンゴム成分を、ロールミキサー(Vogtから;2本ロール;ロール直径80mm、ロール幅280mm;動作幅200mm)において、冷却しながら室温で一緒に混合した。前部回転ロールを16.5/分で、および後部ロールを20/分で運転した。次いで、実施例1〜10の活性成分懸濁物(表中に示した)をロール間隙に加え、懸濁物が均一に導入されるまで混合を続けることによって、活性成分を導入した。
Figure 2008518699
実施例29(本発明によらない)
49.5部のそれぞれAおよびBの固体シリコーンゴム成分を、ロールミキサー(Vogtから;2本ロール;ロール直径80mm、ロール幅280mm;動作幅200mm)において、冷却しながら室温で一緒に混合した。前部回転ロールを16.5/分で、および後部ロールを20/分で運転した。次いで1gのシプロフロキサシン塩酸塩を粉末としてロール間隙に加え、懸濁物が均一に導入されるまで混合を続けることによって、活性成分を導入した。
この混合過程を20分後に終了した。粗い白色粒子が広がったシートが得られた。活性成分の分散は不十分であった。この試料について、さらなる試験は行わなかった。
架橋した活性成分含有エラストマーの製造
シリコーンゴム混合物をロールミキサーにおいて混合した後、約3mm厚みのシートを取りはがし、テフロンフィルム上に置いた。次いで、このシートを、循環空気オーブン中で新鮮な空気を供給しながら、180℃で2時間加硫した。
全てのシリコーンゴム混合物が固体の弾性板を与え、これらの板をさらに加工することができた。
これらエラストマー板から、直径が約5mmの丸いディスクを、微生物学的試験のために切り出し、DIN ISO 527に従うS2引張試験片を、機械的試験のために切り出した。
機械的試験の結果
Figure 2008518699
驚くべきことに、本発明の活性成分含有シリコーンエラストマーの機械的特性は、本発明によらない活性成分不含の比較例のものと有意に異ならないことがわかった。即ち、白金触媒の活性に対する、従って架橋反応に対する活性成分の望ましくない効果を見つけることはできない。
微生物試験
修飾したシリコーンエラストマーの抗微生物活性を、グラム陰性細菌株であるCitrobacter freundii、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae、Escherichia coli、Klebsiella oxytoca、Klebsiella pneumoniae、Morganella morganii、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、Pseudomonas aeruginosa、ならびに、グラム陽性細菌株である(29212)Enterococcus faecalis、(29213)Staphylococcus aureus、(25923)Staphylococcus aureus、(1150-93)および(9809)Streptococcus bovisにおいて試験した。
以下の表6は、寒天拡散試験において、種々の試験菌株に対する活性成分不含および活性成分含有のシリコーンエラストマーの抗微生物活性を試験した結果を示す。抗微生物効果を、阻害ゾーンの形成によって示す。阻害ゾーンの直径をmmで報告する。
Figure 2008518699
Figure 2008518699
細菌株を、標準II栄養寒天(Merck KGaA、D-64293 Darmstadtから)における一晩培養でそれぞれ培養し、NaCl溶液(0.85%)中に懸濁させた。密度が0.5 MacFarlandである得られた細菌懸濁物を、NaCl溶液(0.85%)で1:100に希釈し、寒天プレート(Mueller-Hinton寒天;Merck KGaA、D-64293 Darmstadtから)に適用した。大きさが約0.2cm2のポリマー試料(直径が約5mmのディスク)をガンマ滅菌し、わずかな圧力下に寒天プレート上に置き、37℃で20時間インキュベートした。インキュベート後に、寒天プレートの阻害ゾーンをチェックし、阻害ゾーンを測定した。
寒天拡散試験の結果を表6にまとめる。結果から、細菌増殖のない阻害ゾーンが、活性成分不含試料と比較して、活性成分含有ポリマー試料の周りに形成されたことがわかる。即ち、活性成分含有ポリマー試料は、使用した試験菌株に対して大きな抗微生物効果を示す。
試験材料の互いとの比較は、いずれかの材料の比較して良好な抗細菌効果が顕著ではないかまたはその傾向がないことを示す。各細菌株の個々の感受性は、試験菌株の互いとの比較から明らかである。材料の試料が尿路感染の病原体に対して活性であることを示すことができた。
比較例26、27および28の比較実験の3つの材料を用いては、阻害ゾーン、即ち抗細菌活性はいずれも観察されなかった。
30日間にわたる長期活性
試験を30日後に繰り返し、同じ結果を得た。
活性成分の放出
動的試験系において、約100微生物/mlの栄養溶液を、実施例11の活性成分含有シリコーンエラストマーの上に、0.4ml/分の流速で連続的にポンプ送りした。試験系中に存在する栄養溶液の合計量は16mlであった。24時間毎に、4mlの溶液を廃棄し、4mlの約100細菌/mlの新たな栄養溶液で置換した。それぞれ4mlの除去した溶液中のシプロフロキサシン濃度を、HPLCによって測定した。30日後に、試験試料を取り出し、注意深く濯ぎ、3つのピースに切断した。1つのピースは、直ちに滅菌寒天プレート上にこすりつけた。第2のピースは、滅菌食塩溶液中で短時間振盪し、次いで濯ぎ液を寒天プレート上に同様にプレーティングした。第3のピースは、滅菌食塩溶液中で超音波処理した。
これら寒天プレートを、37℃で20時間インキュベートした。インキュベート後に、寒天プレートの細菌コロニーをチェックし、その数を計数した。10個のコロニーだけが、エラストマーのピースをこすりつけただけの寒天プレートにおいて計数された。この場合の原因は、濯ぎ時に洗浄除去されなかった細菌であろう。他のピースの寒天プレートにおいて、細菌コロニーは形成されなかった。
このようにシプロ含有のシリコーンエラストマーは十分な表面保護を有していたので、細菌は表面に付着することができなかった。
30日間の実験中にシリコーンエラストマーのピースから放出されたシプロフロキサシンの合計量の測定において、ピース中に含まれるシプロの合計量の約5%だけが放出されたことは特に驚くべきことであった。このことから、シリコーンエラストマーのピースは30日間よりも明らかに長い期間にわたっても非常に良好な活性を有すると結論することができる。
欧州特許EP688564(第6頁、第32〜36行)の教示(これによれば、易水溶性の活性成分のみがシリコーンエラストマーマトリックスから効率的に放出される)とは対照的に、本発明において、わずか約0.4g/Lの低水溶性を有するシプロフロキサシン ベタインも、細菌付着からのカテーテル表面の非常に良好な保護を与えることを明瞭に示すことができた。

Claims (11)

  1. (a)少なくとも1つのシリコーンエラストマー、および、(b)少なくとも1つの抗微生物活性化合物を、均一に分布して含有する抗微生物組成物。
  2. 少なくとも1つの抗微生物活性化合物が、キノロンまたはキノロンの生理学的に許容しうる塩である請求項1に記載の組成物。
  3. キノロンまたはキノロンの生理学的に許容しうる塩が、シプロフロキサシンまたはシプロフロキサシンの生理学的に許容しうる塩である請求項2に記載の組成物。
  4. 請求項1に記載の組成物を含有する造形品。
  5. カテーテルである請求項4に記載の造形品。
  6. 尿路カテーテルである請求項5に記載の造形品。
  7. 中心静脈カテーテルである請求項5に記載の造形品。
  8. 請求項1に記載の組成物の製造方法であって、少なくとも1つのシリコーンエラストマーおよび少なくとも1つの抗微生物活性化合物を組合せ、該少なくとも1つの抗微生物活性化合物が組成物中に均一に分布するように混合することを含んでなる方法。
  9. 造形品の製造方法であって、請求項1に記載の組成物を供し、該組成物を該造形品に造形することを含んでなる方法。
  10. 請求項6に記載の造形品を、その導入を必要としている患者の尿路に導入することを含んでなる方法。
  11. 請求項7に記載の造形品を、その導入を必要としている患者の静脈に導入することを含んでなる方法。
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