JP2008518390A - 放電ランプ - Google Patents

Abstract

−半透明セラミックランプ容器と、−各々が前記ランプ容器内で電極を支持する第１及び第２電流導体と、−前記ランプ容器内の希ガス及び金属ハロゲン化物を含むイオン化可能な充填物とを有し、少なくとも前記第１電流導体が、ハロゲン化物耐性があるものである放電ランプであって、前記第１電流導体が、前記ランプ容器のエンド・キャップを形成し、前記エンド・キャップが、モリブデン、タングステン、イリジウム、ロジウム及びレニウムから成るグループから選択される金属、又はそれらの合金で作成され、前記エンド・キャップが、10乃至60vol.%のモリブデンと、90乃至40vol.%のAl₂O₃とを含むサーメット層を具備する前記ランプ容器上に封着されることを特徴とする放電ランプ。

Description

本発明は、
− 半透明セラミックランプ容器と、
− 各々が前記ランプ容器内で電極を支持する第１及び第２電流導体と、
− 前記ランプ容器内の、希ガス及び金属ハロゲン化物を含むイオン化可能な充填物とを有し、少なくとも前記第１電流導体が、ハロゲン化物耐性があるもの(halide-resistant)である放電ランプに関する。

このような電気ランプは、欧州特許出願公開公報第EP-A-0 587 238号から既知である。この既知のランプはセラミック封止化合物を備えており、イオン化可能な充填物は水銀を含む。このようなランプの電流導体は、ランプの漏れ(leakage)を防止するために、ランプ容器の線熱膨張係数に対応する線熱膨張係数を持たなければならない。ランプの製造時にも、相対的に高い温度で封止化合物が設けられた後にランプが冷える際に漏れが生じ得る。電流導体の膨張係数が低すぎると仮定すると、ランプ容器は、より大幅に縮み、亀裂が入り得る、又は壊れ得る。膨張係数が高すぎると仮定すると、電流導体のまわりで漏れが生じ得る。しかしながら、電流導体はまた、ランプのイオン化可能な充填物、とりわけハロゲン化物に対して、少なくとも、該電流導体がそれらと接触する限りにおいて、耐性がなければならない。即ち、前記電流導体は、少なくとも、実質的には、ハロゲン化物若しくは該ハロゲン化物から形成されるハロゲンによって腐食させられてはならず、又はハロゲン化物若しくは該ハロゲン化物から形成されるハロゲンと化学反応してはならない。低い耐性は、電流導体の損傷及び破壊をもたらすだけでなく、充填物内のハロゲン化物の損失、及びランプによって生成される光の色の変化ももたらし得る。更に、電流導体は、ランプの動作状態及び熱による製造加工に耐えなければならず、且つ電気損失を制限するために、良い導体でなければならない。多くの場合、耐膨張性及び耐化学性に関して課される要件は、１つの材料では兼ね備えられないことから、既知のランプの少なくとも第１電流導体は、ランプ容器と異なる膨張を持つ、ランプ容器内の内側ハロゲン化物耐性部分と、ハロゲン化物耐性はないが、対応する膨張を持つ、封止部から延在する外側部分とを持つ。この部分は、多くの場合、ニオブ、タンタル、又はそれらの合金、金属であって、それらの高温における酸化感受性のため、ランプの外側エンベロープによって空気から保護されるであろう当該金属から成る。ランプ容器が、相対的に狭く、細長く、且つ垂直な動作位置を持つ場合には、ハロゲン化物から形成されるハロゲンは、とりわけ、ランプ容器の上部に存在する。その場合、第１電流導体のみが、内側ハロゲン化物耐性部分を持ち、ランプ容器の上部にあれば十分である。その場合には、このランプは、さかさま、水平又は斜めには動作され得ない。しかしながら、全ての動作位置が得られるべきである場合には、前記ランプに、前記第１電流導体と同様な第２電流導体が与えられ得る。既知のランプの電流導体の内側部分は、一般に、モリブデンのコイル（フォイル）、又はモリブデン及びアルミニウムの酸化物のサーメットを有する。

既知のランプの不利な点は、電流導体のまわりでセラミックランプ容器を封止する封止化合物がランプの高い（動作）温度に影響されやすいことにある。それ故、既知のランプにおいては、ランプ容器の中央部から可能な限り遠く離して、即ち、焼結によってランプ容器の中央部に接続される延長プラグ（即ち、細長い部分）の外側端部において、封止化合物をつける必要がある。その結果として、既知のランプの構成は、望ましい程にはコンパクトではない。更に、前記延長プラグを使用することは、技術的な観点から望ましくない。即ち、前記プラグは、ランプの効果に悪影響を及ぼす冷却フィンとして機能し、前記延長プラグは、ランプに細孔(capillary)をもたらす。ランプの充填物の一部、とりわけ融解塩(molten salt)は、細孔の位置における、前記延長プラグの所謂デッドボリューム(dead volume)において凝結するかもしれず、これは、ランプの色の不安定性を招く。既知のランプにおいては、前記デッドボリュームにおける前記塩の一部の損失を補償するために、余分な量のこのような（高価な）塩が添加される必要がある。

本発明の目的は、これらの不利な点を取り除くことにある。

その目的を達成するために、本発明によれば、導入部において言及されているタイプの電気ランプが、第１電流導体が、ランプ容器のエンド・キャップ(end cap)を形成し、前記エンド・キャップが、モリブデン、タングステン、イリジウム、ロジウム及びレニウムから成るグループから選択される金属、又はそれらの合金で作成され、前記エンド・キャップが、前記ランプ容器上に封着され、前記ランプ容器が、10乃至60vol.%のモリブデン及び90乃至40vol.%のAl₂O₃を含むサーメット層を備えていることを特徴とする。前記第１電流導体を前記ランプ容器のエンド・キャップ（端壁）として形成することが、ランプの非常にコンパクトな構成をもたらす一方で、モリブデン、タングステン、イリジウム、ロジウム及びレニウムといった金属又はそれらの合金には、ハロゲン化物耐性がある。更に、研究は、モリブデン及びAl₂O₃のサーメット層に対して言及した前記容量パーセントが、２つの互いに相反する要求、即ち、一方で、前記サーメット層と、前記ランプ容器との間の領域における付着力を高めるためには、前記モリブデンのvol.%は可能な限り低くなければならないのに対して、他方で、前記サーメット層と、前記金属エンド・キャップとの間の最適の付着力を得るためには、前記モリブデンのvol.%は可能な限り高くなければならないという要求を満たすことを明らかにした。前記サーメット層の使用は、前の製造ステップの間に不注意にもたらされるあらゆる表面欠陥に埋め込むことによる、前記ランプ容器の耐破損性の著しい向上ももたらす。

本発明による電気ランプの或る好ましい実施例においては、前記サーメット層は、略々１／３の33vol.%のモリブデンと、略々２／３の66vol.%のAl₂O₃とを含む。他の例においては、前記サーメット層は複数の層を有し、内側の層から外側の層へモリブデンのvol.%が段階的に増大する。詳細には、（前記ランプ容器に面する）前記内側の層から前記外側の層へモリブデンのvol.%が徐々に増大する。前記サーメット層はモリブデンと Al₂O₃との複合物であるので、それに応じて、Al₂O₃のvol.%は減少する。このようにして、前記サーメット層と、前記ランプ容器との間の領域においては、モリブデンのvol.%が相対的に低く（その位置における強い付着力をもたらし）、前記サーメット層と、前記金属キャップとの間の領域においては、モリブデンのvol.%が相対的に高い（その位置における優れた封止をもたらす）という理想的な状況が得られる。

本発明による電気ランプの別の好ましい実施例においては、前記エンド・キャップと、前記サーメット層との間に封止蝋付け(sealing braze)がある。前記封止蝋付けは、プラチナ、パラジウム、ロジウム及びイリジウムから成るグループから選ばれる金属を含む。前記封止蝋付けは、場合により、Ni、B、Si、Ti、Zr、Y及びNbによって形成されるグループから選ばれる１つ以上の元素も含む。

(Gradl他の)米国特許公報第4,892,498号は、共に蝋付けによって封止される金属エンド・キャップ及びランプ容器を備える蛍光灯を記載している。しかしながら、前記金属キャップ及び前記蝋付けの材料は、ハロゲン化物耐性があるものではない。

図面に図示されている図を参照して以下に本発明をより詳細に説明する。

図１は、ランプの非常にコンパクトな構成が実現される本発明の好ましい実施例による管状半透明セラミックランプ容器１を概略的に示している。前記ランプ容器１上にモリブデン製の金属キャップ２が封着され、ランプ容器は、略々１／３の33vol.%のモリブデンと、略々２／３の66vol.%のAl₂O₃とで構成されるサーメット層４を備えている。中間に封止蝋付け３がある。ランプ容器１の充填は、金属キャップ２の中央穴５を通して行なわれ、前記中央穴５は、後に、電極６（図２参照）及びリードアウトワイヤ（lead-out wire）（図示せず）を挿入することによって閉じられる。

ランプ容器（図１参照）の一方の端部又は両端部において、図２に示されているようなエンド・キャップが用いられ得る。

本発明は、図面に示されている変形例に限定されず、添付されている特許請求の範囲に含まれる他の実施例にも及ぶ。

本発明による放電ランプの半透明セラミックランプ容器であって、金属キャップと、サーメット層とを具備するランプ容器の概略的な斜視図である。 図１のランプ容器の一方の端部の概略的な断面図である。

Claims (7)

1. − 半透明セラミックランプ容器と、
   − 各々が前記ランプ容器内で電極を支持する第１及び第２電流導体と、
   − 前記ランプ容器内の、希ガス及び金属ハロゲン化物を含むイオン化可能な充填物とを有し、少なくとも前記第１電流導体が、ハロゲン化物耐性があるものである放電ランプであって、
   前記第１電流導体が、前記ランプ容器のエンド・キャップを形成し、前記エンド・キャップが、モリブデン、タングステン、イリジウム、ロジウム及びレニウムから成るグループから選択される金属、又はそれらの合金で作成され、前記エンド・キャップが、前記ランプ容器上に封着され、前記ランプ容器が、10乃至60vol.%のモリブデンと、90乃至40vol.%のAl₂O₃とを含むサーメット層を備えていることを特徴とする放電ランプ。
2. 前記サーメット層が、略々１／３の33vol.%のモリブデンと、略々２／３の66vol.%のAl₂O₃とを含む請求項１に記載の放電ランプ。
3. 前記サーメット層が複数の層を有し、内側の層から外側の層へモリブデンのvol.%が段階的に増大する請求項１に記載の放電ランプ。
4. 前記内側の層から前記外側の層へモリブデンのvol.%が徐々に増大する請求項１、２又は３に記載の放電ランプ。
5. 前記エンド・キャップと、前記サーメット層との間に封止蝋付けがある請求項１乃至４のいずれか一項に記載の放電ランプ。
6. 前記封止蝋付けが、プラチナ、パラジウム、ロジウム及びイリジウムから成るグループから選ばれる金属を含む請求項５に記載の放電ランプ。
7. 前記封止蝋付けが、Ni、B、Si、Ti、Zr、Y及びNbによって形成されるグループから選ばれる１つ以上の元素も含む請求項６に記載の放電ランプ。

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