JP2008517659A - 粒子成分を含む流体の分別ならびに水簸のためのシステム、チャンバおよび方法 - Google Patents

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Abstract

選択された成分を流体から分離するためのチャンバ、システム、および方法が提供される。チャンバは、遠心分離装置の中心軸を中心に回転することができ、遠心分離機の中心軸からの外側半径方向距離に関連して減少する最適化された可変断面積を有する、半径方向に延びるダクトを含む。ダクトの最適化された幾何学的設計は、チャンバの回転により引き起こされる、選択された成分に作用する遠心力が、選択された成分がダクトを通して流れるときに、流体により、選択された成分に作用する抗力とほぼ平衡を保つようにする。したがって、ダクトは、選択された成分を、ダクトの半径方向長さに沿って平衡に分散できるようにして、選択された成分がダクトに効果的に懸濁され、かつ/または水簸または他の方法で流体から効果的に分離され得るようにする。
【選択図】図7B

Description

発明の分野
本発明は、一般に、遠心分離プロセスによって、血液などの体液の粒子ならびに/または細胞成分を分離および/もしくは浄化して、これらの成分が、輸血、研究および他の利用を始めとする様々な下流での利用のために、効果的かつ安全に除染および分離され得るようにすることに関する。具体的には、本発明は、半径方向に延びるダクト内で特定の成分を分布させるための最適化されたジオメトリを有する水簸(すいひ)用チャンバおよびダクトを提供して、遠心分離および/または水簸プロセス中に、特定の成分をより効果的に分離および/または洗浄するようにする。
発明の背景
全血などの体液には、たとえば赤血球、白血球、血小板、血漿、および病原体を始めとする様々なタイプの汚染物質を含む物質の複雑な混合物が含まれ得る。体液における成分のより効果的な利用および除染を可能にするために、血液などの体液の様々な成分を分離することが望ましい場合が多い。たとえば、血液産業では、全血は、待機している患者への輸血にとって安全であると見なされるためには、除染しなければならない。全血は、様々な液体ならびに粒子および/または細胞成分からなる。血液の液体部分は、主に血漿から構成され、また粒子成分には、たとえば、赤血球、白血球および血小板が含まれ得る。これらの粒子成分は、同じような密度をしているけれども、これらの密度関係は、密度を降順にすると次のように、赤血球、白血球、血小板および血漿になる。全血の粒子成分のサイズは、サイズを降順にすると次のように、白血球、赤血球および血小板になる。全血における様々粒子ならびに液体成分のサイズおよび密度差は、全血の成分を互いに分離する様々な分別方法で用いられる。
全血の粒子成分は、各成分のより効率的な利用および/または除染を可能にするために、しばしば分離および/または分別される。場合によっては、たとえば、白血球除去と呼ばれるプロセスを介して、輸血される血液ユニットにおける白血球を除去または低減して、輸血受血者の組織と白血球の相互作用の機会を低減するようにするのが望ましい。受血者に輸血された場合に、白血球は、受血者のためにはならない。実際に、輸血される赤血球および血小板とは異質な白血球は、うまく受け入れられないことが多く、いくつかのタイプの輸血合併症と関連付けられてきた。さらに、多くの場合に、血液ユニットを安全に除染するために、全血から赤血球を分別すること、および/または全血から血漿を除去することが望ましい。さらにまた、全血サンプルから血小板を除去することが有利である場合が多い。
たとえば、血液ユニットに対してオゾン(O)除染技術を用いるためには、血液サンプルから脂質を含む血漿を除去することが望ましい。なぜなら、オゾンは、脂質を酸化させて、アルデヒドなどの非常に反応的な生成物を生じる可能性があるからである。これらの種の中には、オゾン自体と同様に、血液および他の細胞を損傷し得るものがある。特に、オゾンに関連する環境などの過度の酸化環境は、赤血球を損傷する。かかる損傷の臨床症状は、赤血球に含まれるハインツ小体の形成である。適切な臨床検査は、赤血球をクリスタルバイオレットで着色することである。ハインツ小体の存在は、輸血に使用できないほど細胞が損傷されていることを示す。しかしながら、1970年代の終わりに、脂質の除去によってハインツ小体の形成が防止されることが、大気オゾンの研究中に発見された。しかしながら、1990年代の初めになっても、ハインツ小体の存在ゆえに、血液の除染のためにオゾンを使用できないという主張がなされた。さらに、血漿の除去はまた、輸血された血液製剤における血漿タンパクの存在によって部分的に引き起こされる輸血関連急性肺障害(TRALI)の可能性を低減および/または排除し得る。
さらに、場合によっては、短波長紫外線(UVC)光を用いて、血液および血液成分を除染してもよいが、しかしながらかかる除染方法においては、血液ユニットにUVCエネルギを施す前に血液ユニットから酸素を除去して、活性酸素種(ROS)の生成を防ぐことが必要である。血漿または他の水溶液に溶解された酸素に入射光線が当たると、ROSが生じる。特に、UVCには、溶解された二原子酸素を、酸素の2つのフリーラジカルに分割する十分なエネルギがある。これらのラジカルは、非常にエネルギがあるので、遭遇するあらゆるタンパク質を「燃焼させる」可能性がある。即時的な分解生成物は、ひどく損傷されたために機能できないタンパク質であり、それは、引き続きより大きなタンパク質の損傷を引き起こすより低いエネルギのROSと同様である。ROSによる損傷のタイプおよび程度は、ROSがどこで形成されるか、およびそれらが何と接触するかに依存する。したがって、血漿で形成されたROSは、もはや止血をもたらすことができない凝結タンパク質、病原体などを攻撃できない免疫学的因子等を生じる。ROSが細胞の近くで形成された場合には、細胞膜が破られ、細胞含有物が漏れる可能性があるだけでなく、残った細胞含有物が攻撃に曝される場合がある。最後に、細胞自体の内部におけるROSの形成は、局所的な細胞含有物の全ての破壊に帰着する。
血液用のいくつかの従来の除染技術によれば、結合剤を血液サンプルに加える病原体不活性化プロセスを用いて、結合剤が血液サンプル内の有害なウイルス、バクテリアまたは他の病原体の遺伝物質に結合するようにして、輸血受血者の組織において、それらの繁殖および続く有害な影響を防ぐようにする。さらに、従来の遠心水簸技術は、血液成分(赤血球、白血球、血小板など)の名ばかりの分別に備えるが、しかしながら、かかる従来の技術は、遠心分離を介して血漿および/またはO2を効果的に洗浄して、残りの血液成分におけるハインツ小体の生成または他の有害な影響なしに、他の除染剤ならびに/またはエネルギ(オゾンおよび/またはUVCエネルギなど)の安全で効果的な付加を可能にする能力を欠くことが多い。
たとえば、従来の遠心水簸技術では、水簸チャンバが、遠心分離機シャフトから半径方向に外側へ延び、またチャンバは、全血などの体液で満たされて、遠心分離機シャフトを中心とした水簸チャンバの回転によって発生された遠心力を体液が受けたときに、体液の様々な成分を、それらの相対密度および/またはサイズによって分離するようにする。より具体的には、遠心水簸の目標は、体液の各成分に対して抗力および遠心力間の平衡を達成して、水簸チャンバが回転したときに、様々な成分をそれぞれの平衡層へと分別することである。しかしながら、従来の水簸チャンバ((本明細書では図1に概略的に示すように)ほとんどの場合、遠心分離機シャフトから半径方向に外側へ向かって急激に減少する断面積(すなわち「円錐」形状)を画定する)では、様々な細胞成分は、それぞれの平衡層の内にびっしりと詰め込まれ、成分によっては、密に詰め込まれた細胞の隣接層を通ってそれぞれの平衡層に達することができなくなるものがあり得る。具体的には、任意の所定の細胞サイズのための従来の血液水簸では、平衡は、(遠心分離機の中心軸に対して)かなり狭い範囲の半径方向距離にわたってのみ存在するので、所定のサイズの細胞は、比較的密集している。その結果、異なるサイズの細胞は、これらの成分が、それぞれの密度および/またはサイズ値ゆえに遠心力で分離されると予想される場合であっても、対向する平衡層を横切るのは難しい。特に、類似サイズの(しかし異なる質量/密度を有する)細胞は、細胞の密集および凝集の両方のために(特に、一部の白血球とはサイズが似ているが、平均して単位サイズ当たりはるかに大きな密度値を有する赤血球にとって)、分離することが困難な場合が多い。さらに、従来の水簸チャンバによって引き起こされる密集によってまた、病原体不活性化プロセスと同様に洗浄技術も妨げられる。なぜなら、この場合には、血液サンプルをより効果的に除染および/または分別するために、全ての細胞表面が、容易に接触可能でなければならないからである。たとえば、従来の水簸チャンバでは、細胞がそれらの相対的な平衡層内に密集され、血漿成分が、半径外側方向から水簸チャンバに注入可能な水簸流体によって、血液ユニットから十分に洗い流されず、かくして、残った血液成分のためにオゾン除染を安全に用いることが妨げられる可能性がある。
したがって、所定の血液成分のための、広範な半径方向距離にわたって延びる平衡層を生成するように構成された、体液(全血など)の遠心水簸のためのシステム、チャンバおよび方法であって、全血または他の流体の従来の遠心分離中に、血液成分の容易な分離を可能にするためと、同様に、体液に懸濁された成分の効果的な洗浄を可能にするために、平衡層内に懸濁された細胞成分が適切に分離され得るようにするシステム、チャンバおよび方法の必要性がある。さらに、自身に粒子成分を懸濁させた流体の遠心水簸のためのシステム、チャンバおよび方法であって、特定の成分を流体(たとえば全血など)から選択的に分別できるように、流体に懸濁可能な選択された成分サイズの、最適化された水簸、分離および/または懸濁のために調整可能なシステム、チャンバおよび方法の必要性がある。
発明の概要
上記および他の必要性は、一実施形態において、流体から少なくとも1つの成分を分離するためのチャンバおよびシステムを提供する本発明によって満たされるが、この場合に、チャンバは、遠心分離装置の中心軸を中心に回転できるように構成されている。チャンバには、中心軸と平行に向けられたダクト断面積を画定する少なくとも1つの半径方向に延びるダクトが含まれる。さらに、ダクト断面積は、中心軸からの半径方向距離に関連して減少するように構成されて、遠心分離装置の中心軸を中心に回転するチャンバにより少なくとも1つの成分に作用する遠心力が、ダクトの半径方向長さに沿って流体により少なくとも1つの成分に作用する抗力にほぼ対抗するようにする。
本発明のいくつかの態様によれば、システムおよびチャンバは、さらに、半径方向に延びるダクトを画定することができるが、この場合に、ダクトには、遠心分離機の中心軸から半径方向外側に延びる上部壁、および遠心分離機の中心軸から半径方向外側に延びる下部壁がさらに含まれる。さらに、上部壁および下部壁を、中心軸から半径方向外側に延びる半径によって画定される回転面の近くに収束するように形成して、ダクト断面積を、中心軸からの半径方向距離に関連して減少するように構成してもよい。さらに、収束する上部および下部壁を有するいくつかの実施形態において、ダクトは、やはり中心軸からの半径方向距離に関連して減少するダクト断面積を画定するけれども、中心軸を中心に半径方向外側に360度広がることができる。したがって、360度のダクトは、より大きな全体的ダクト容量をもたらし、かつ側壁の必要性を除去できるだけではなく、360度のダクトはやはり、遠心分離装置の中心軸を中心に回転するチャンバにより少なくとも1つの成分に作用する遠心力が、ダクトの長さに沿って流体により少なくとも1つの成分に作用する抗力にほぼ対抗するように構成されたダクトジオメトリを、提供できる。
本発明のいくつかの実施形態は、最小サイズおよび最大サイズ始めとする複数の対応するサイズを有する複数の成分を均一に分布させるためのチャンバおよびチャンバ内に画定されたダクトをさらに提供することができる。いくつかのかかる実施形態によれば、ダクトには、中心軸からの第1の半径方向距離に配置された、上部壁と下部壁との間に入口領域(および/または入口高さ)を画定する入口をさらに含んでもよい。入口のジオメトリは、最大サイズを有する成分に作用する遠心力が、第1の半径方向距離において、最大サイズを有する成分に作用する抗力にほぼ対抗するように構成して、最大サイズを有する成分が、ダクトの半径方向周辺部で懸濁されるようにしてもよい。ダクトにはまた、中心軸からの第2の半径方向距離に配置された、上部壁と下部壁との間に出口領域(および/または出口高さ)を画定する出口をさらに含んでもよい。出口のジオメトリは、最小サイズを有する成分に作用する遠心力が、第2の半径方向距離において、最小サイズを有する成分に作用する抗力にほぼ対抗するように構成して、最小サイズを有する成分が、ダクト長さの半径方向内側範囲で懸濁されるようにしてもよい。さらに、上部壁および下部壁によって形成される収束領域の輪郭は、最小および最大サイズの中間のサイズを有する複数の成分が、第1および第2の半径方向距離間にほぼ均一な分布を示すように、さらに構成および/または最適化してもよい。いくつかの実施形態によれば、ほぼ均一な分布は、第1および第2の半径方向距離間における、ダクトの単位体積当たりのほぼ均一な数の複数の成分として、より明確に定義してもよい。対応する複数のサイズを有する複数の成分を均一に分布させるための比較的に最適な収束する輪郭を得るために、上部ダクト壁と下側ダクト壁との間に形成される収束する輪郭(収束フロー領域を画定する)は、ダクトの単位体積当たりのほぼ均一な数の複数の成分が、第1および第2の半径方向距離間に懸濁され得るように収束すべく構成してもよい。
本発明の他の態様によれば、システムおよびチャンバには、ダクトを通して半径方向内側に延びる1つまたは複数の収束するベーンをさらに含み、全体的なダクト断面積が、中心軸からの半径方向距離に関連して減少するようにしてもよい。さらに、システムおよびチャンバの他の実施形態において、ダクトには、それぞれ、ダクトの半径方向外側および内側エッジの近くに位置する水簸注入口および排出口をさらに含み、ダクトを通した水簸流体供給の通過を可能にしてもよい。かかる実施形態において、水簸流体は、たとえば多数のオリフィス、バッフル、メッシュスクリーン、およびそれらの組み合わせを含むことができる1つまたは複数の整流装置を通過してもよい。
本発明の別の態様によって、流体から少なくとも1つの成分を分離するための方法が提供される。本方法には、遠心分離装置の中心軸を中心に回転するように構成されたダクトを画定する、半径方向に延びるチャンバを提供することが第1に含まれる。提供されたチャンバは、中心軸に平行に向けられたダクト断面積を画定可能だが、この場合に、ダクト断面積は、中心軸からの半径方向距離に関連して減少するように構成してもよい。いくつかの方法実施形態には、半径方向に延びるチャンバ、流体、およびそこに配された少なくとも1つの成分を、遠心分離装置の中心軸を中心に回転させることをさらに含み、遠心分離装置の中心軸を中心に回転するチャンバにより流体の少なくとも1つの成分に作用する遠心力が、ダクトの長さに沿って流体により少なくとも1つの成分に作用する抗力にほぼ対抗するようにしてもよい。本発明のいくつかの方法実施形態には、最小成分サイズおよび最大成分サイズを有する少なくとも1つの成分のために、半径方向に延びるダクト輪郭を最適化することをさらに含み、遠心分離装置の中心軸を中心に回転するチャンバにより流体の少なくとも1つの成分に作用する遠心力が、ダクトの長さに沿って流体により少なくとも1つの成分に作用する抗力にほぼ対抗するようにしてもよい。
本発明の他の有利な態様によれば、本方法には、次のステップをさらに含んでもよい。すなわち、ほぼ均一な半径方向フローで、ダクトを通して半径方向内側に水簸流体供給を導き、流体および少なくとも1つの成分から汚染物質を洗浄するステップと、整流装置に水簸流体供給を通すステップと、ダクトから半径方向内側に配置されたフィルタ装置を用いて、水簸流体から汚染物質をフィルタリングするステップと、ダクトの内側半径方向壁に画定された水簸排出口と流体連通した収集貯蔵部に水簸流体および汚染物質を収集するステップとである。
本発明の実施形態は、流体から分離される少なくとも1つの成分が、ダクトの半径方向長さを通して均一に分散されるシステム、チャンバおよび方法を有利に提供することができる。したがって、従来の水簸チャンバでは普通の、半径方向に狭くぎっしり詰まった平衡ゾーンを提供する代わりに、本発明のチャンバおよびシステムの実施形態は、成分が、ダクト内で半径方向に遠く離間されるダクトを提供する。したがって、本発明の有利な態様によれば、異なるサイズの成分が、容易にダクトを通過して、流体に懸濁された少なくとも1つの成分および/または他の成分の流体からの分離を向上させることができる。さらに、少なくとも1つの成分が最初に配された液体を水簸流体供給によって容易に入れ替えて、少なくとも1つの成分のより完全な洗浄を可能にすることができる。
かかる実施形態によって、本明細書で説明するような、および別の方法で論じるような著しい利点が提供される。
このように一般的な用語で本発明を説明して、ここで添付の図面を参照するが、図面は、必ずしも一定の縮尺で作成されてはいない。
発明の詳細な説明
ここで、本発明の全ての実施形態ではないがいくつかを示す添付の図面に関連して、下記で本発明をより完全に説明する。実際に、本発明は、多くの異なる形態で具体化が可能であり、本明細書に述べる実施形態に限定されるように解釈すべきではない。もっと正確に言えば、これらの実施形態は、本開示が、該当する法的必要条件を満たすように、提供される。全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。
たとえば全血を始めとする粒子成分を含む体液を水簸するためのシステム、チャンバ、および方法の実施形態が、血漿、血小板、赤血球、白血球、血小板および他の血液成分を始めとする全血成分の分別および洗浄の文脈において下記で説明されるけれども、本発明の実施形態をまた利用して様々な流体内の成分を分別および/または水簸し、これらの成分が、流体から分離および/または流体内で分別されるようにし、また水簸流体が、成分の間を通ってそれらを効果的に洗浄し、懸濁液内に存在するかまたは成分自体に付着した望ましくない汚染物質を除去するようにできることを理解されたい。さらに、本システムの実施形態によってもたらされた、分別および/または洗浄された成分は、限定するわけではないが、UVC放射による除染およびオゾン暴露による除染を含み得る下流および/または並行処理ステップで処理してもよい。それからさらに、処理、分別および/または洗浄された成分は、たとえば研究利用、輸血用途、および本明細書でより完全に説明する他の利用を始めとする様々な用途で用いてもよい。
さらに、本発明の実施形態は、ダクトの半径方向長さに沿って細胞成分を半径方向に分離するように働くことができるので、本発明の実施形態はまた、細胞培養チャンバとして用いてもよい。たとえば、ダクトに導入された流体の細胞成分は、ダクト内で半径方向に効果的に離間することができるので、細胞成分は、「集合体」にまとまる可能性がより少なく、したがって、細胞成分のより一層の表面領域を、本発明の注入口を介して導入可能な栄養物のフローに当てることができる。さらに、本発明の実施形態はまた、次の点で細胞培養に有用になり得る。すなわち、細胞成分をダクト内でさらに半径方向に分布させることができるので、培養細胞によって放出された廃棄物を、懸濁細胞群体からより効果的に洗浄できるという点である。さらに、本発明のチャンバ200およびダクト210によって提供されるものなどの懸濁環境において培養された個々の細胞は、充填ベッドまたは細胞集合体で培養された細胞より、マイクロピペット技術および/または、マイクロ流体法によってより容易に操作できる。
図1Aおよび1Bは、先行技術において開示されているような従来の「拡張円錐」水簸回転子の上面図および側面図をそれぞれ示すが、この水簸回転子には、粒子150(赤血球、白血球、血小板および他の血液粒子を始めとする血液細胞など)を自身に懸濁させた流体(全血など)で満たされた水簸チャンバ110が含まれる。水簸チャンバ110が、中心軸100(遠心分離装置の中心軸など)を中心に回転するにつれて、半径外側方向120において粒子150に作用する遠心力160が生成される。当業者は、チャンバ110の回転によって生成された遠心力160が、次の関係により、中心軸110を中心にしたチャンバの回転速度130に依存することを理解するであろう。すなわち、その関係は、
=(m−m)Rω (1)
である。ここで、mは粒子150の質量であり、mは流体の質量であり、Rは、中心軸120からの、粒子150の半径外側方向120における距離であり、ωは、中心軸100を中心にした粒子の回転速度である。
さらに、図1Aに示すように、粒子150(式1に従って生成される遠心力160によって推進される)が半径外側方向120に線速度で進むときに、粒子150が懸濁された流体によって、抗力170が、粒子150に作用する。当業者は、所定の速度で流体を通って進む粒子150に作用する抗力170を、次の関係を用いて表現できることを理解するであろう。すなわち、その関係は、
=6πrηv (2)
である。ここで、rは、粒子150(簡略化のために、粒子150の形状が球形であると仮定する)の半径であり、ηは流体の粘度値であり、vは、粒子150が流体を通って半径外側方向120に進むときの、粒子150の線速度である。
式(1)および(2)における関係によって概説されるように、遠心力160が抗力170と等しい場合には、当業者は、粒子150が、半径外側方向120に終速度で進み、終速度が、次の関係に従って表現できることを理解するであろう。すなわち、その関係は、
Figure 2008517659
である。ここで、Δρは、流体および粒子150の密度における差であり、kは、非球形粒子(たとえば両凹赤血球など)に係わる補正係数である。
その上さらに、当業者が理解されるであろうように、チャンバ110内の任意の点における流体フロー速度は、次の関係に従って変化する。すなわち、その関係は、
dm/dt=ρAv (4)
であるが、ここで、vは流体フロー速度であり、dm/dtは、チャンバ110における所定の点を通って流れる流体の、単位時間当たりの質量であり、ρは流体の密度であり、Aは、同じ所定の半径方向の点における、チャンバ110の断面積である。したがって、チャンバ110において、半径外側方向120における流体フローの全体的な速度は、一般に、(式(4)で与えられるように)チャンバ110の断面積が広くなるにつれて遅くなる。
したがって、式(4)によって定義されるように、懸濁粒子150の終速度は、チャンバ110の断面積と共に線形的に変化して、抗力170がまた、チャンバ110の断面積と共に線形的に変化するようにする。さらに、式(1)で定義されるように、粒子150に作用する遠心力160は、遠心分離機の中心軸100からの、半径外側方向120における距離と共に変化する。従来の水簸システムに実際に用いられるチャンバ設計を、図1A(上面図)および図1B(側面図)に示す。かかる従来のチャンバは、「拡張円錐」ジオメトリを有する。図1Bに示すように、即時的な結果として、回転面120の上方および下方を進む粒子150は、今や、回転軸100と平行な、力のz成分180を有する。その結果として、合成抗力175(z軸成分180および半径方向内側成分170の両方を含む)が遠心力160と正確に釣り合う唯一の点が、「拡張円錐」ジオメトリに存在する。具体的には、この点は、半径方向内側抗力170が遠心力160と正確に釣り合う単一の点であり、中央チャンバ軸120上にある。したがって、従来のチャンバ設計では、チャンバに懸濁された粒子150に対し、半径方向120において広範な力平衡を維持するのが困難である。
力のz成分180の別の結果として、遷移ゾーン(わずかに不均衡な合成抗力175および遠心力160によって画定される)に、チャンバ中心軸120(図1Bを参照)の上方および下方のスペースが含まれる。しかしながら、これらの遷移ゾーンが同じ強さではないということに留意することが極めて重要である。そうではなく、遷移ゾーンは、z方向180よりも角方向でより強い。この差の根拠は、従来のチャンバの上面図および側面図を示す図1Aおよび1Bを比較することによって分かる。具体的には、図1Bでは、遠心力160は、チャンバ軸と平行に、回転軸に沿った高位点から半径方向外側に作用するように示されている。それに反して、図1Aでは、回転面における遠心力160は、チャンバ軸120と平行ではないかなりの成分を有する。したがって、遷移ゾーンは、半径方向に拡張される。
遷移ゾーンはまた、チャンバ200本体を通る流体フローによって強く影響される。当業者は、理想的な栓流が、中心軸100と直角な円錐断面に沿って拡張することを理解するであろう。残念なことに、前進する栓流は、垂直なz軸100に沿ってのみ均一な遠心力160に遭遇するのに対して、回転面におけるフローは、変化する遠心力160のプロファイルに遭遇する。特に、中心軸100から最も遠い点では、回転面において、一定の遠心力160の大きさにおける理想的な栓形状および位置間に重大なギャップがある。したがって、スライス中心と比較して、スライス境界は、より強い力を経験し、それが再び、抗力170および遠心力160が不均衡になり得る遷移ゾーンを拡張する。
最後に、チャンバ200の流体および粒子150はまた、2つの他の力、すなわち慣性力およびコリオリの力を受ける。慣性力は、始動、動作中の回転子の速度変化および停止時に最も大きい。しかしながら、これらの力が流れ場を変化させる場合には、その結果は、たとえ定常状態動作中であっても、重要になり得る。たとえば、当業者は、回転子速度の変化中に細胞の充填ベッドをシフトすることは、鋭い噴射流を持続的に維持するチャネルをもたらす可能性があることを理解するであろう。
コリオリの力は、遠心力のように、回転するシステムの結果である。ハリケーンおよび他の低気圧が北半球で左回りに旋回する理由として最も一般的に挙げられるけれども、コリオリの力はまた、水簸システムにおける多くのフローの不規則性の理由として広く挙げられる。ここでの基本原理は、流動流体が、定義によって角運動ベクトルと直角な半径ベクトルにほぼ沿って移動するということである。結果としてのベクトル外積によって、z軸と平行で回転面外のコリオリの力が生じる。
チャンバ110内で所定の粒子150に作用する遠心力160および抗力170をより完全に平衡させるために、本発明の実施形態は、少なくとも1つの粒子成分150を含む体液を水簸するためのシステムおよびチャンバを提供するが、この場合に、チャンバ110の断面積は、式(1)によって定義された遠心力160の関係に従って、半径外側方向120に徐々に狭くなって、チャンバ200内に配置されたダクト210(図2を参照)内の各半径方向の点において、遠心力が、(ほぼ半径方向に)抗力に対して実質的に平衡するようにして、各粒子150が、(図2に関連して下記でより詳細に説明するように)ダクト210の内側半径方向壁220からダクト210の外側半径方向壁230へ終速度に近い速度で進むようにする。しかしながら、下記で説明するように、水簸流体供給は、少なくとも1つの成分150の終速度かまたはそれに近い速度で前進する流体流れ場において、(ダクト210から半径方向外側に配置された)水簸注入口205を通して行なわれて、いくつかの水簸プロセスにおいて、選択された成分150が、ダクト210の半径方向長さ215に沿って、半径方向に分離された平衡状態に懸濁されるようにしてもよく、またこのダクト210において、前進する水簸流れ場は、内部に懸濁された選択された成分150をより完全に洗浄および/または除染するように働く。他の成分(ダクト210のジオメトリが最適化されている対象の選択された成分150以外の)は、(それらのより高い終速度のために)ダクトの半径方向外側に落ち着くか、または(それらのより低い終速度のために)半径方向内側で水簸流体によって洗浄される。
したがって、本発明の実施形態によれば、ダクト210がチャンバ200内に設けられるが、このチャンバ200では、ダクト210によって画定された半径方向距離に沿って、選択された粒子150の集まりに作用する遠心力160および抗力170が、半径方向120にほぼ平衡して、選択された粒子150が、ダクト210によって画定された半径方向距離215に沿ってより効果的に半径方向に分離されるようにする。したがって、粒子150が、ダクト210の外側半径方向壁230の方へ進む(水簸フローが導入されない実施形態では終速度で)ときに、水簸流体供給を、外側半径方向壁230に画定された注入口から導入して、下記でより詳細に説明するように、粒子150をより効果的に洗浄および/または懸濁してもよい。さらに、本発明のチャンバ200およびダクト210は、遠心力160の印加を介してより高密度の成分150がダクト210を通って半径方向外側へ通過するのを妨げる可能性がある、ダクト210内の密集平衡層の形成を防ぐように働く。
図2は、本発明の一実施形態に従って、流体から少なくとも1つの成分150を分離するためのシステムおよびチャンバ200を示すが、この場合に、チャンバ200は、遠心分離装置400の中心軸100を中心に回転できるように構成されている。チャンバ200には、中心軸100に平行に向けられたダクト断面積を画定する、少なくとも1つの半径方向に延びるダクト210が含まれる。さらに、ダクト210の断面積は、中心軸100からの半径方向距離215に関連して減少するように構成されて、流体の少なくとも1つの成分150に作用する遠心力160が、ダクト210(図3もまた参照)の半径方向長さ215に沿って流体により少なくとも1つの成分150に作用する抗力170に、ほぼ対抗するようにする。下記でより完全に説明するように、ダクト210には、側壁240ならびに/または上部および下部壁を含み、ダクト210の半径方向断面の形状が、ほぼ矩形になるようにしてもよい。しかしながら、他の実施形態では、ダクト210は、中心軸100からの半径方向距離における増加に関連して減少するように構成される半径方向断面積を有する円形か楕円形かまたは多角形の半径方向断面を画定して、流体の少なくとも1つの成分150に作用する遠心力160が、ダクト210(ほぼ円形の断面積を有するチャンバ200およびダクト210の一実施形態を概略的に示す図6を参照)の半径方向長さ215に沿って流体により少なくとも1つの成分150に作用する抗力170に、ほぼ対抗するようにしてもよい。
いくつかの実施形態に従い、また図3に概略的に示すように、ダクト210には、ダクト210の半径方向中心250を画定する半径からオフセット302してもよい一対の側壁240が含まれる。さらに、一対の側壁240は、ダクト210の半径方向中心250にほぼ平行なラインに対して角度301の向きにされ、ダクト210に囲まれた断面積が、ダクト210の半径方向長さ215に沿って、半径外側方向に減少するようにしてもよい。いくつかの実施形態によれば、(ダクト210の半径方向中心250に平行なラインに対する)側壁240の向きの角度301を調整して、選択された密度および/またはジオメトリの成分150が、ダクト210の半径方向長さ215内で平衡に達し、成分150が、ダクト210の半径方向長さ215内でほぼ懸濁されるようにしてもよい。
当業者には周知の様々な理由で、現代の遠心分離装置は、中心軸100から数十センチメートル以下の半径に制限されている。したがって、半径方向遠心力ベクトル(すなわち、有用なサイズの水簸チャンバ200の遠心力ベクトル160)は、中心軸100を中心に、いくつかの程度にまたがらなければならない。したがって、チャンバ200(および/またはダクト210)の半径方向中心線250に沿った遠心力160は、容易に平衡させることが可能だが、チャンバ200の各側壁に対するベクトルの角度成分は、幅の広い水簸チャンバ(図1に概略的に示す従来のチャンバ110など)に対しては釣り合わせるのが次第により難しくなり、結果として、チャンバ200の壁に沿って成分150が圧縮されることになる。大きく広がる従来の水簸チャンバにおいて直面する別の問題は、たとえスクリーンおよび他の整流装置(本明細書で開示するダクトなどのゆるやかに広がるダクト210において、フロー分離を低減するのに、ずっと多くの効果がある)を用いても、チャンバの壁から流体フローが最終的に分離することである。
したがって、力ベクトルの平衡および分離の両方の制限があるものとすると、本発明の様々な実施形態に従って、ダクト210には、(ダクト210の半径方向中心250と平行なラインに対して)15度以下の、また実施形態によっては7度以下の角度301を有する側壁240が含まれる。ダクト210における側壁240の角度301を制限することによってまた、所定のダクト210で処理可能な流体の量が制限される。全ての成分150、全ての遠心分離装置400および/または全ての流体量に対して、半径方向に離間された平衡ゾーンを生成するための完全に最適であり得る特定の角度301はない。したがって、従来の水簸チャンバ110(図1を参照)の「ワン・サイズ・フィッツ・オール(one size fits all)」の代わりに、本発明は、全血などの流体に存在し得る個々の成分150のための様々な最適化された幾何学的パラメータを有するダクト210および/または周囲チャンバ200を提供する。
本発明のダクト210、チャンバ200およびシステムは、全血の細胞成分などの様々な成分150のための最適化された側壁240の角度301を提供する。さらに、いくつかの実施形態において、本発明は、ベーン310によって分離された多数の半径方向セクタを有するダクト210を提供して、対象の成分150を含む流体サンプルを分別および/または水簸する十分な処理体積を提供するようにする。たとえば、個人の所定の単一の献血からの血小板生成物は、わずか数ミリリットルである。この場合には、中心軸100からの半径方向距離(25cm)における単一のチャンバ200およびのダクト210(たとえば7度の角度301を有する)が、ダクト210を通した水簸を介して白血球を低減するのに非常に適している(たとえば図2を参照)。それに反して、同じ献血からの赤血球は、少なくとも100mlを構成する。この場合には、中心軸100から半径方向外側へ25cmに位置する単一のダクト210は、この量を処理するには全然十分でない。代わりに、(ベーン310によって分離された)多数の半径方向セクタを有するダクト210が必要とされ、(図5に概略的に示すように)各半径方向セクタが7度の最大角度301を有するようにしてもよい。
いくつかの実施形態において、側壁の向きの角度301は、ダクト210の半径方向中心250にほぼ平行なラインに対して約7度未満である。本発明の他の実施形態では、側壁の向きの角度301は、ダクト210の半径方向中心250にほぼ平行なラインに対して約15度未満、約10度未満、または約5度未満であり、選択された成分150に対して、ダクト210の半径方向長さ215内に平衡を生じるのに適した、面積の低減をもたらすようにする。
さらに、ダクト210には、中心軸100に近い内側半径方向壁220と、内側半径方向壁220にほぼ平衡にかつそこから半径方向外側に配置された外側半径方向壁230とをさらに含んでもよい。最後に、完全に囲まれた構造を形成するために、ダクト210には、中心軸100とほぼ直角に配置された上部壁と、中心軸とほぼ直角にかつ上部壁の下方に配置された下部壁とをさらに含んでもよい。
(図7Aおよび7Bに概略的に示す)いくつかの追加的な実施形態によれば、ダクト210の上部壁710および下部壁720を、中心軸100から半径方向外側に延びる半径120によって画定される回転面の近くに収束するように形成して、ダクト210の断面積が、中心軸100からの半径方向距離に関連して(すなわちダクト210の半径方向長さ215にわたって)減少するように構成してもよい。図1Aおよび1Bに関連して上記したように、従来のチャンバ110の主な問題は、半径方向外の力成分である。この問題を回避するただ一つの方法は、角度依存を回避することである。したがって、結果として得られる全体的なチャンバ形状は、本質的に、軸100を指し示すパイウェッジ(pie wedge)形(上面図で本発明の一実施形態を示す図7Aを参照)でなければならない。当業者は、かかる形状によって、従来の遠心分離法にさえ分離がもたらされることを理解するであろう。従来の水簸および/または分離チャンバ(図1Aおよび1Bに概略的に示す)が、半径方向外力成分の除去のために間違った(たとえば半径方向外側)方向を指す楔形からなるので、収束する上部壁710および下部壁720を有する本発明の実施形態は、従来のチャンバに勝るさらに大きな改善を示すことができる。さらに、図7Aに示す楔形状のダクト210を、既存の遠心分離機回転子に見越してあるスペースに嵌合しさえすればよいことを理解されたい。本発明のシステム実施形態は、「拡張」ダクト210を収容できる遠心分離装置400を提供可能だが、この「拡張」ダクト210は、回転軸100を中心に完全に一周(360度)し、それによって、ダクト210内の分離および/または水簸容量を大幅に増加させ、一方でまた、2つの封止された側壁240の必要性を排除することができる。図7Bに示す、収束する上部および下部壁710、720の側面図は、中心軸100からの半径方向距離に関連して(すなわちダクト210の半径方向長さ215にわたって)減少する断面積を画定するダクト210を有する「一周」チャンバの断面の一例を表わす。
当業者は理解されるであろうが、従来の水簸チャンバ110(図1Aおよび1Bを参照)は、前述の問題を全て備えた「充填」または「飽和」粒子150ベッドに基づいている。本発明の実施形態によって提示される代案は、ダクト210の半径方向長さ215に沿って粒子150のベッドを「懸濁」させ、その結果、細胞がほぼ自由に浮遊するようにすることである。この最も望ましい状態を達成するために、遠心力が、上記のようにF=mRωによって半径方向距離に依存することに留意されたい。また、断面積Aという管を通した密度pの流体のフロー速度vが単にdm/dt=ρAvであり、ここで、dm/dtが、単位時間当たりの質量流量であることに留意されたい。したがって、前述のように、抗力が速度に依存するので、粒子150が(所定の半径方向距離に固定された)平衡状態にいつでもあるために必要なのは、それぞれの力と釣り合うように断面積を変えることだけである。したがって、遠心力160が軸に向かって減少するので、ダクト210の断面積は、増加しなければならない。軸外遠心力160(従来のチャンバの上面図を示す図1Aを参照)および他の軸外力の除去にとって、パイウェッジ形状が理想的であるので、ダクト210の断面は、回転軸100と平行に(すなわち垂直に(図7Aおよび7Bに示すダクト210の垂直的拡張および横方向の縮小に留意されたい))(半径内側方向の)面積を増加させなければならない。たとえば、ダクト210への注入口730が、回転軸100から10cmの距離で1cmの高さである場合には、ダクト210の出口(ダクト210の半径方向長さ215の半径方向内側範囲によって画定される)は、軸100から5cmの距離で4cmの高さでなければならない。すなわち、同じ面積を維持するための2倍×この距離では遠心力が半分に削減されることに対応する別の2倍である。この配置の下では、粒子150は、5cmおよび10cm間の距離で均一に分布され、水簸流体が粒子を越えて流れるときに、それぞれの位置に静止した(懸濁された)ままでいることができる。
当業者は、かかる理想的な懸濁が、特定サイズの粒子150に対してのみ有効であり、実際には、たとえ同じタイプの生体細胞であっても、サイズが著しく異なり得ることを理解するであろう。たとえば、有用な血小板は、直径が2〜4ミクロンに及ぶ。上記で示したように、沈降速度が直径の二乗に依存するので、かくして、それぞれの流速度は、4倍変化する。したがって、上記のフロー関係を用いると、面積の増加は、4倍でなければならない。遠心力160を補償するのに必要な面積増加を含めると、かくして、上記の例に対する出口の高さは、16cmになる。この配置の下では、2ミクロンの血小板は、出口(中心軸100から5cm)で懸濁され、4ミクロンの血小板は、注入口(中心軸100からの10cm)で懸濁される。中間サイズの血小板は、これらの2つの端点間に位置する。これらの細胞はすべて、流れている水簸流体において、それらのそれぞれの半径方向距離で懸濁されたままである。
自由に浮遊する分布において、選択された細胞だけを選択された位置に保持するこの能力によって、従来の水簸システムを制約する問題と同様に、血液細胞処理のための上記の多くの問題点を克服する手段が提供される。ここで非常に重要な要素として、選択された細胞が十分に遠く離れているので、加えられた水簸流体は、各選択された細胞に十分に接触することができ、一方で、より大きな細胞およびより小さな細胞は、迅速にシステムから出て行く。最終結果は、除染、ガス処理、貯蔵等に必要な任意の試薬の迅速で完全な追加および除去に加えて、細胞の迅速で完全な洗浄および白血球除去である。さらに、この半径方向に浮遊する分布は、本来的に、ペレット形成、噴流、または従来のチャンバに対して上記した他のフロー不規則のいずれにも曝されない。さらに、成分150がサイズによって効果的に分布され得るので、チャンバは、ダクト210の長さ215に沿って1つまたは複数の点に収集用出口を画定し、選択されたサイズを有する成分を、収集用出口を介して効果的に収集できるようにしてもよい。他のいくつかの実施形態によれば、チャンバはまた、ダクト210の半径方向内側範囲近くに画定された1つまたは複数の制動ゾーン225に収集用出口を画定し、選択されたサイズを有する成分を、収集用出口を介して効果的に収集してもよい。
いくつかの実施形態では、図7Aおよび7Bに概略的に示すように、収集用出口745は、注入口730および/またはダクト210の入口(ダクト210に水簸流体を導入するための)から半径方向外側に画定してもよい。図6に関連して本明細書で説明する球状注入口460と同様の方法で、ダクト注入口730を用いて水簸流体を導入してもよい。収集用出口745を用いて、ダクト210の半径方向周辺部に集まる可能性がある、最大サイズを有する粒子150(全血から分離される単球など)を系統的に収集してもよい。収集用出口745は、粒子(終速度で収縮ゾーン740の中へ進み得る)の半径方向外側への前進を遅くするように構成された収縮ゾーン740から半径方向外側に画定してもよい。さらに、収集流体のフローを導入するために、チャンバの半径方向周辺部に収集チャネル746を画定してもよいが、この収集流体のフローは、入ってきた粒子がチャネル746の半径方向周辺部に到達する前に、チャネル746を空にするのに十分に大きな速度で注入してもよい。したがって、かかる連続的な収集フローを有する収集チャネルを用いることによって、収集用出口745の目詰まりを防いでもよい。このプロセスはまた、本発明のダクト210の最適なジオメトリによって支援され、それによって、粒子150が、ダクト210の長さ215全体にわたって(単位体積当たり)比較的均一に分布されることが保証される。したがって、本発明のほとんどの実施形態によれば、粒子の「充填ベッド」が半径方向周辺部に形成されて、それが、図7Aおよび7Bに示す収集用出口などの半径方向収集用出口740での粒子の収集を阻止および/または妨害することは起こりそうもない。
図7Bに概略的に示す上部および下部壁710、720の収束する輪郭の形状は、粒子150のサイズの所定の範囲に対して最適化してもよい。たとえば、粒子150の開始最大サイズは、特定の半径方向距離において特定してもよい。次に、チャンバ注入口の高さおよび角度幅を特定し、そこからダクト210の開始面積を計算してもよい。次に、ダクト210の半径方向長さ215を特定し、そこから、必要な末端幅は、上記のように、半径内側方向において減少する遠心力160の制約に従う。次に、粒子150の最小サイズを特定し、ダクト210の排出口断面積を適切に増加できるようにしてもよい。第1の近似として、ダクト210の上部および下部壁710、720の収束する輪郭は、(たとえば3.5〜4.5の範囲において)線形的にかまたはべき法則に従って変化すると仮定してもよい。次に、ダクト210の長さ215は等しい段階に分割してもよく、また粒子分布は、遠心力160の式(上記の式(1)を参照)および抗力の式(上記の式(2)を参照)を一つ一つ満たしながら、計算してもよい。粒子150の結果として得られる数密度は、一定ではない可能性があるので、平均密度との差を取り、それを用いて、収束する輪郭を補正する。次に、このプロセスは、均一な粒子数密度が見つかるまで繰り返されるが、典型的には5〜7回の繰り返しが必要である。かかる繰り返しの出力を用いて、ダクト210のプロトタイプを生成するコンピュータ数値制御(CNC)機械加工装置によって直接用いることができる輪郭データと共に、実際のサイズにおけるダクト210の輪郭を生成してもよい。さらに、実験データに応じて、ダクト210の輪郭をさらに洗練し、ダクト長さ215に沿ってダクト210の単位体積当たりにおける粒子の最適分布を達成するようにしてもよい。粒子150の選択されたサイズ範囲に対するいくつかの例示的な結果を、図8Aおよび8Bに示す。
上記の収束する輪郭を画定するための出発点には、複数の対象の粒子のための最大対最小粒径比の定義(たとえば、赤血球は、約1.14のサイズ比(8ミクロン対7ミクロン)を有する可能性がある)を含んでもよい。次に、この情報によって、用いられている特定の遠心分離機および/または遠心分離機回転子のジオメトリの判定と共同して、入口および/または出口の面積もしくは高さ(すなわち、ダクト長さ215の半径方向範囲における、上部壁710および下部壁720間の距離)を決定することができる。入口ならびに出口の面積および/または高さは、ダクト210を回転させるために用いられる特定の遠心分離機回転子のジオメトリに依存してダクト長さ215と共に変化してもよいが、効果的な粒径の比率は、特定の粒子タイプに対して特定してもよい。たとえば2〜4ミクロンのサイズ分布(たとえば直径)を有する血小板に対して、最大粒径対最小粒径の比率は、約1.5〜3対1、より好ましくは約1.75〜2.5対1、最も好ましくは約2.1〜2.25対1として特定してもよい。かかる比率によって、ダクト長さ215内で血小板を効果的に収集しかつ/または懸濁させるジオメトリが提供され得るが、しかしながらかかるサイズ比はまた、同様のサイズ(直径)分布および最大対最小粒径比を有する複数の粒子を収集しかつ/または懸濁させる役割をすることができる。たとえば、(10〜約20ミクロンの粒径分布を有する)単球は、血小板と同じサイズ比を利用してもよい。別の例では、(約8ミクロンの最大サイズ(直径)および約7ミクロンの最小サイズ(直径)を有する)赤血球のためのサイズ比は、約1〜1.5対1、より好ましくは約1〜1.3対1、最も好ましくは約1.05〜1.1対1として特定してもよい。したがって、本発明の様々な実施形態によれば、ダクト210を、成分150のサイズおよび/またはタイプの非常に特有の群を収集しかつ/または懸濁させるように提供することができる。
図8Bは、基本単位サイズから、基本単位サイズより50%大きい粒子150まで(たとえば6〜9ミクロンなど)を保持するのに必要な拡張ゾーンを示す。上記のように、かかる値は、(場合によっては7〜8ミクロンのサイズ範囲を有する可能性がある)赤血球の標準サイズ範囲に及ぶように選択してもよい。ところで、赤血球の両凹形状は、細胞がフローと整列する傾向があるので、結果として有効断面が著しく小さくなる。したがって、チャンバ設計の輪郭設計(図8Bに示す)は、かかる全ての範囲をカバーする。図8Bでは、チャンバの輪郭軸810は左側にあり、上部および下部壁710、720によって画定される対称なダクト210に対応する。垂直開き角820の軸は右側にあり、カーブは、底部に沿っている。この角度は、図7Aで上方から概略的に示した「パイウェッジ」形状に沿って側壁240が縮小しているために、前に挙げた7度の限度を容易に超える可能性があることに留意されたい。チャンバ200にはまた、安定性のために各端部に一定サイズの帯が含まれる。すなわち、最大および最小粒子150が、ポンプ速度、RPM等における変動のために失われないことを保証するために、ダクト210の各端部に一定サイズのゾーン(つまり「制動ゾーン」225)が存在する。かかる「制動ゾーン」225は、対象の成分150を収集するために、上部および/または下部壁710、720に収集用出口を画定してもよい。図8Aは、2〜4ミクロン間の懸濁粒子150(血小板など)のサイズのために最適化されたダクト210を示す。
チャンバ200およびダクト210は、遠心分離プロセスにおいて遭遇する回転応力および速度に適した様々なエンジニアリング材料で構築してもよい。たとえば、チャンバ200および/またはダクト210は、金属、合金、エンジニアリングポリマー(たとえばLEXANなど)、または遠心分離用途に適した他の材料で構成してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、本発明のチャンバ200および/またはダクト210を、たとえば石英ガラスなどのUVC透過材料、または他の様々なUVC透過ポリマーで構成して、下記で特に説明するように、流体およびその成分150が、チャンバ200および/またはダクト210内で、遠心分離、分離および/または水簸を受けるときに、UVC放射線を、流体およびその成分150に直接適用できるようにしてもよい。さらに、完全に囲まれた構造を形成するために、ダクト210に、側壁240、内側半径方向壁220、外側半径方向壁230、ならびに上部および下部壁710、720(図7A、7Bを参照)が含まれるいくつかの実施形態において、ダクト210の構成要素および/または壁240、220、230等を、PTFEまたは洗浄、殺菌および/もしくは使い捨ての代替品との取り替えが容易に可能な別のノンスティックならびに/または洗浄可能ポリマーで構成して、(下記でより完全に説明するように)特定の使い捨て(および/または容易にきれいにされる)ダクト210が、選択された成分150aに適した特定のサイズ、形状および/または断面を有する、成分150の遠心分離、分離、および/または水簸用チャンバ200内に容易に補充され得るようにしてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、ダクト210には、ダクト210のために無菌の使い捨てライナーを提供するPTFEチャンバライナーをさらに含んでもよい。したがって、本発明のいくつかのシステム実施形態によれば、選択された成分150を流体サンプルから分別および/または水簸するのに適した幾何学的構成(側壁240の角度301を含む)を有する様々なチャンバ200および/またはダクト210を代替として装着可能な汎用遠心分離装置400が提供され得る。
図2に概略的に示すように、本発明のチャンバ200を用いて、選択された成分150aを流体から分離することができる。たとえば、場合によっては、全血を、あるサイズ、形状および/または密度の細胞成分150aに分別することが望ましい。一例によれば、本発明のチャンバ200およびダクト210の実施形態は、球形成分150aであって、全血サンプルに存在するか、望ましくない汚染物質、ならびに/または白血球と異なるサイズ、密度および/もしくは形状を有する粒子(この例では、赤血球を始めとするより重い細胞150a)および(血小板および小さな汚染物質を始めとする)より軽くより小さな成分150cを含む流体に存在する白血球などの球形成分150aのある分布を分離および処理するために用いてもよい。白血球は、サイズが約5ミクロン〜約30ミクロンまで変化し、共通点があるタイプからなる。本発明のダクト210の一実施形態によれば、サイズが12ミクロンの白血球を、選択された成分150aとして分別するための対象としてもよい。前に挙げた技術的問題ゆえに、従来の水簸システム(一般的に図1を参照)は、操作者の技量およびサンプルにおける成分分布に依存して、意図せずに比較的広範囲の細胞を含む可能性がある。上述のように、従来の水簸チャンバの根本的な問題は、対象成分150aが、充填ベッド140(図1を参照)(従来の水簸チャンバの非半径方向に分布された平衡ゾーンによって生じた)に存在するか、または対象成分150aが、水簸排出口203(図3を参照)から外へ強く押し流されるということである。近接したいかなる細胞および/または成分150も、同じ運命を受ける。
それに反して、図3に示すように、本発明のチャンバ200およびダクト210の実施形態は、(この例では)12ミクロンの選択された成分150の分布だけのために、ダクト210の半径方向長さ215に沿って安定した平衡ゾーンをもたらす。選択された成分のために遠心力160および抗力170のベクトルを平衡させることによって(たとえば上記の式(2)および(4)を用いて)、12ミクロンの選択された成分150aだけ(図2を参照)が、より大きな成分150aを含む半径方向外側の充填ベッドから半径方向内側で、安定した平衡状態に懸濁される。さらに、12ミクロンの選択された成分150aだけが、水簸注入口205から供給可能でかつチャンバ200の半径方向内側に位置する水簸排出口205から放出可能な水簸流体供給で押し流されることがない。したがって、ダクト210の半径方向長さ215内では、12ミクロンの選択された成分150のほぼ全て(およびほんのわずかな量の他の成分)は、遠心力160が、静止した選択された成分150aを過ぎて流れる水簸流体供給の抗力170と釣り合うときに、懸濁される。水簸流体供給が停止された場合には、選択された成分150aが、たとえば終速度で、ダクト210の半径方向外側端部の方へ移動する可能性があることに留意されたい。
本発明の様々な実施形態によれば、ダクト210の側壁の向きの角度310は、特定の選択された成分150aのために調整可能である。たとえば、ダクト210の外側半径方向壁230が、中心軸100から25cmの半径方向距離にあるように、ダクト210が配置されていると仮定する。しかしながら、ダクト210内において20cmの半径方向距離では、遠心力は、周辺の力(式(1)を参照。)の20/25である。この理由で、20cmの半径方向距離におけるフロー面積は、周辺の抗力と釣り合うために周辺面積の25/20でなければならない。この配置の下では、直径12ミクロンの全ての粒子は、(25cmにおける)外側半径方向壁230から(20cmにおける)内側半径方向壁220まで125%増加したダクト断面積を有する5cm長のダクトにおいて、静止位置に懸濁される。小さな角度力成分、小さなフロー変動および他のフロー変化がダクト内に存在するが、しかし全体的な結果として、最適化されたダクト210の存在によって、改善された水簸、水洗および他の処理を可能にするダクト内における成分150の半径方向分離が準備されることを、当業者は理解するであろう。さらに、場合によっては、(たとえば、水簸注入口205から半径方向内側に流れる)水簸流体速度のわずかな増加によって、ダクト210は、わずかにより大きな成分150のサイズだけに平衡をもたらすことが可能になり、それによって、特定の細胞または成分150のサイズのために最適化可能な所定のダクト210ジオメトリに対して、ある柔軟性がもたらされる。
本発明のダクト210、チャンバ200およびシステムの他の実施形態は、異なるサイズおよび扁平なジオメトリの選択された成分150aのために最適化することができる。たとえば、赤血球は、約7〜8ミクロンの直径および両凹形状を有する比較的高密度の成分150である。図5は、典型的には赤血球を含む血液サンプルによって占められた大きな分量を処理するための十分な体積を提供するために、ベーン310によって半径方向セクタに分割されたダクト210を有するシステムを示す。ダクト210におけるセクタの半径方向外側端部は面積が低減されて、半径方向内側に流れる水簸流体供給と整列される最大の赤血球が、この半径方向の点で平衡に保持され得るようにする。それに反して、水簸流体のフローに垂直に配置される最小の赤血球は、中心軸100に最も近いダクト210の半径方向端部に静止する。したがって、全ての中間の赤血球は、全ての中間の向きで、ダクト210の半径方向長さ215に沿って、これらの両極端の間で平衡に保持され得る。このように、本実施形態において、全ての赤血球は、処理中に、ダクト210の半径方向長さ215内で平衡に懸濁されたままであることができる。さらに、全ての血漿、小さな白血球および血小板は、チャンバ200の半径方向内側壁に画定可能な水簸排出口203(一般に図2を参照)から洗い流すことができる。それに反して、全ての大きな白血球は、(最大の白血球の比較的大きな質量によって部分的に生成される大きな遠心力を介して)、遠心分離機の最も外側の半径方向点(いくつかの実施形態では、図5に関連して下記でより詳細に説明するような球状注入口460であってもよい)へ押しやることができる。自身のより低い密度をまさに克服するのに十分大きな直径を有する非常にわずかな白血球だけが、ダクト210の半径方向長さ215内に保持された広く分散した赤血球から分離されない可能性があるが、しかしかかる白血球は、続くUVC処理または他の続く白血球除去処理ステップで不活性化してもよい。したがって、本発明の様々な実施形態によれば、このように、ダクト210の内側半径方向壁220および外側半径方向壁230間の面積比は、ダクト210の半径方向長さ215内に保持しようとする選択された成分150が示し得る断面サイズの範囲に基づいて決定してもよい。
図2に概略的に示すように、たとえば、ダクト210の外側半径方向壁230に画定された水簸注入口205を通して、(全血の洗浄動作および/または水簸に適している可能性がある様々な添加剤を含む塩水などの)水簸流体供給を注入することによって、1つまたは複数の粒子成分150を含む流体を水簸するために、本発明の実施形態をまた用いてもよい。たとえば、いくつかの実施形態によれば、ダクト210の外側半径方向壁230は、少なくとも1つの水簸注入口205を画定するが、この場合に、少なくとも1つの注入口205は、ダクト210および水簸流体供給部間の流体連通を可能にするするように構成される。水簸注入口205は、さらに次のように構成してもよい。すなわち、ダクト210を通してほぼ均一な半径方向フローで、水簸流体供給を半径方向内側に導いて、遠心分離装置の中心軸100を中心としたチャンバ200の回転によって生成された遠心力160を効果的に平衡させかつ/または抑制するように構成してもよい。図4に示すように、水簸注入口205にはまた、(遠心分離によって生成された遠心力160のベクトルに直接対抗する半径内側方向にほぼ向けられた)水簸注入口205の均一な速度を保証するために使用できる分配装置320をさらに含んでもよい。分配装置320には、多数のオリフィスを画定するプレート、メッシュスクリーン、バッフル、孔、および/または下記で開示する装置に似た他の整流装置をさらに含んでもよい。かくして、水簸注入口205に配置された分配装置320は、コリオリ噴射および従来のジオメトリの他の問題を防ぐことができる。さらに、この装置はまた、栓流を起こしかつ維持し、それによって、水簸プロセスをさらに向上させる。
水簸注入口205は、ダクト210の半径方向外側端部へ水簸流体供給を選択的に向けるか、かつその速度を選択的に変更するのに適した可変速度流体ポンプまたは他の装置と流体連通してもよい。水簸流体は、選択された成分150aの間を通して推し進めることができるが、これらの成分150aは、それがダクト210の半径方向長さ215に沿って半径方向に分離しているために、ダクト内で平衡に保持することができる。したがって、水簸流体は、それが半径方向内側へダクト210を通過するときに、選択された成分の全ての表面により効果的に到達しかつそれらを洗浄することができる。
隣接する選択された成分150a間の接触がわずかかまたは全くない状態で、選択された成分150aを懸濁させるシステムの能力によって、様々な水簸流体を用いて、選択された成分150を徹底的かつ迅速に洗浄する機会を提供することができる。本発明で利用される水簸流体には、上記で概略的に説明したような塩水と同様に、当面の水簸プロセスに適した他の添加剤を含んでもよい。たとえば、全血の水簸プロセスでは、水簸流体は、水簸されている成分150(たとえば赤血球)の生存能力を維持するために用いられる場合がある。この理由で、糖または他の栄養素を、水簸流体に加えてもよい。同様に、細胞と周囲の流体との間での適切な浸透圧バランスを維持するために、塩を加えてもよい。
さらに、いくつかの例では、血液成分150の除染に用いられる水簸流体に、アルデヒドなどの様々な化学除染剤を加えてもよい。後の光暴露のために、光化学物質をまた加えてもよい。場合により有害な病原体を除去するために、オゾンもまた、特に溶液の状態で血液成分150に加えてもよい。この場合には、ダクト210に懸濁された成分150(赤血球、白血球および/または血小板など)を最初に(たとえば、純粋な塩水の水簸流体で)洗浄して、全血の血漿成分を除去してもよい。さもなければ、有毒な脂質分解生成物が、血漿で見つかる脂質とオゾンとの相互作用により生じる。具体的には、全血プロセスにおいて、オゾン含有水簸流体の付加に先立って、ダクト210から血漿が適切に洗い流されない場合には、赤血球は、ハインツ小体を生じる。オゾン処理用途のためには、オゾン含有水簸流体は、回転子のバッグに供給するかまたは一体化された電気化学電池を介して回転子において水または酸素から生成して、従来通りに(すなわち水簸注入口205を通して)注入してもよい。回転子において水からオゾンを生成する場合には、電気化学電池の出力は、適切な浸透圧を維持する塩と組み合わせなければならない。
別の選択肢は、脱ガスされた水簸流体、または酸素以外のガスで飽和された水簸流体で成分150(たとえば血液細胞)を洗浄することである。どちらの実施形態でも、最終結果として、細胞は酸素不足環境に囲まれ、かくして、それらの細胞内酸素も同様に急速に失う。時間とともに、細胞内の残留酸素さえ、通常の新陳代謝かまたはさらに余分な糖などの追加による化学的に促進されたに新陳代謝中に消費される。次に、結果として、酸素不足の細胞および周囲流体は、酸素フリーラジカルまたは他の活性酸素種を水簸された生成物に生成することなしに、UVCまたはより高いエネルギ光子によって照射することができる。本発明のダクト210のジオメトリによって、細胞は、ダクト210内で十分に半径方向に十分に分散することが可能になり、除染および/または赤血球除去用にUVC放射線を下流で安全に用いるために、細胞を十分に脱ガスするようにしてもよい。
他の血液分別および/または水簸によれば、たとえば、ワクチン製造の一部として必要になり得る、免疫反応を引き起こすように構成された薬剤を含む水簸流体に、他の添加剤もまた用いることができる。薬剤はまた、輸血の場合の患者の治療のために、水簸流体に加えてもよい。たとえば、脱ガスされた細胞の場合には、虚血/再灌流損傷を制限するために、酸素をゆっくり再導入することが望ましい。細胞の保護以上に、これらの薬剤はまた、心臓、肺または他の組織への損傷を制限するために極めて有用になり得る。
また、本発明のチャンバ200およびダクト210を用いて、患者への輸液に先立って貯蔵された血液成分150を、分別およびより効果的に水簸してもよい。たとえば、一酸化窒素などのガスがまた、心臓の損傷を防ぐのに有用であるというある指摘がある。この場合には、これらのガスを、貯蔵後の水簸プロセスに導入して、適切で均一な投与量を保証する。また、この貯蔵後の水簸によって、貯蔵中に形成された血漿タンパクから輸血関連急性肺障害(TRALI)の可能性を除去することができる。ダクト210内における血液成分150の半径方向分散によって、次のことがよりよく保証され得る。すなわち、水簸流体供給が、水簸注入口203を通過し、ダクト203を通り、水簸排出口203(下記に説明するような)を通ってチャンバ200から押し流されるときに、潜在的に危険な病原体、汚染物質または他の望ましくない成分を、ダクト210から(およびそこに懸濁された、選択された血液成分150から)、適切に洗い流すことができるということである。
いくつかの実施形態において、ダクト210には、ダクト210の内側半径方向壁220によって画定された水簸排出口203をさらに含んでもよい。いくつかの例では、図2に概略的に示すように、水簸排出口203は、ダクト210から半径方向内側に配置し、かつたとえばチャンバ200の壁に画定してもよい。いくつかの例では、水簸排出口203は、ダクト210と、水簸流体ならびに/または流体および/もしくはそこに懸濁された成分150a、150b、150cから洗浄可能な任意の汚染物質もしくは他の水簸物(elutriates)を収集するのに適した収集容器(図示せず)と、の間の流体連通を可能にするように構成してもよい。水簸注入口203を備えている場合だが、水簸排出口205はまた、ほぼ均一な半径方向フローで、ダクト210を通して半径方向に水簸流体供給を導くようにさらに構成してもよい。たとえば、水簸注入口203および水簸排出口205の両方には、ほぼ均一な半径方向フローで、ダクトを通して半径方向内側に水簸流体供給を導くように構成された少なくとも1つの装置を含んでもよい。本発明の様々な実施形態によれば、かかる装置(時には整流器と呼ばれる)には、多数のオリフィス、バッフル、スクリーン、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。整流スクリーンを用いた本発明の実施形態において、スクリーンには、拡張点におよび水簸経路(すなわち、水簸注入口205から水簸排出口203への半径方向経路)に沿って配置された薄いメッシュシートを含み、ダクト210の側壁240(および/または全チャンバ200の壁)からの流体の分離を防ぎ、かつチャンバ200およびダクト210を通した栓流をより適切に促進してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、半径方向中心線250の近くに配置された、より密なメッシュ密度を含む整流スクリーンを用いて、ダクト210の側壁240および/またはチャンバ200の壁に沿って流体フローをより効果的に促進するようにしてもよい。
整流装置(スクリーン、多数のオリフィス、バッフルなど)は、ダクト210の半径方向内側および外側壁220、230に沿って、チャンバ200の最も内側および/もしくは最も外側半径方向端部(すなわち、図2および3に概略的に示す水簸注入口205および水簸排出口203)に沿って、ならびに/または(下記でより詳細に説明し、かつ整流スクリーン485として図5に示すように)チャンバ200に画定された成分制動ゾーン225の半径方向内側において、様々な点に配置してもよい。さらに、本発明の様々な実施形態によれば、これらの装置の組み合わせは、チャンバ200の遷移ゾーンに配置してもよいが、この「遷移ゾーン」は、チャンバ200の断面積が、徹底的な変化を示す、チャンバ200内の半径方向の点として一般に画定される(すなわち、図2および5の両方に概略的に示すように、たとえば、ダクト210から、ダクト210の半径方向内側に配置された成分制動ゾーン225への遷移部におけるなど、ダクト210の徐々に先細りになる領域の外側のチャンバ200の領域)。さらに、整流および/または分配装置を水簸注入口205内に配置して、水簸流体供給が、外側半径方向壁230からダクト210を入るときに、水簸流体の分配されたフローを供給するようにしてもよい。したがって、この分配ゾーンは、大きな密集した細胞が、遠心分離中に半径方向外側に押し流され、狭い非分散水簸注入口205を塞ぐ可能性があるときに、閉塞を回避するのに役立つ場合がある。
さらにまた、ダクト210の外側半径方向壁230からちょうど半径方向内側に、「リフティングゾーン」を画定してもよい。かかる「リフティングゾーン」は、たとえば、血小板が白血球で汚染されている場合、およびそれらが約2〜30ミクロンのサイズ範囲を有する場合に、有用であり得る。これには、(ダクト210の半径方向内側壁220から外側半径方向壁230へ)900/4=225の面積比を必要とする可能性があるが、それは、現代の遠心分離装置の半径制限が与えられているとすると、非現実的である。代わりに、16/4=4の面積比にとっては、2〜4ミクロンに及ぶ血小板のために平衡を達成することが必要なだけであることに留意されたい。この配置の下では、白血球は、注入口および出口間の「リフティングゾーン」に保持することができる。このゾーンでは理想的なバランスを維持する必要はなく、続く平衡ゾーンで必要なだけである。この理由で、リフティングゾーンは、大きく広がる円錐形または矩形セクションからなることができる。フローを分散させ、いなかるチャギング(水簸注入口205を介してチャンバ200から出る大きな成分150による周期的な閉塞および続く突然の取り込み)または他の不安定性を抑えるために、リフティングゾーンは、より重く、より大きく、かつ/またはより高密度な成分150がチャンバ200の半径方向外側エッジへ推進される時に、それらをリフティングおよび/またはよりよく分散するのに適したバッフル、多数のスクリーン、ファイバプラグで満たしてもよい。
さらに、内側半径方向壁220は、(図4および図5に概略的に示すように)いくつかの実施形態ではゆるやかな内側への先細りを含むチャンバ200へ半径方向内側に通じるダクト210から半径方向内側の出口ゾーンの外側半径方向エッジを画定してもよい。図5におけるように、場合によっては、出口ゾーンには、図2および5に示すように、ダクト210から半径方向内側に配置された成分制動ゾーン225(下記で詳細に論じる)が先行してもよい。したがって、(図4におけるように)チャンバ200によって画定された出口ゾーンのゆるやかな内側の先細りは、チャンバ200の面積が、拡張(すなわち、ダクト210の半径方向長さ215に沿って半径方向内側への)から縮小(すなわち、ダクトの半径方向内側壁220から半径方向内側への)に変化する点におけるフロー分離を回避するのに役立ち得る。かかる徐々に先細りになる出口ゾーンは、ダクト210から半径方向内側のチャンバ200の壁にフローを維持するのに役立つことができ、したがってダクト210の半径方向長さ215内で均一な流体フローを維持するのに役立つ。
本発明の様々な実施形態によれば、水簸注入口203、水簸排出口205、および/または上記の整流装置によって画定される様々な開口部は、ダクト210内の様々な成分150を保持および/またはフィルタリングする大きさにしてもよい。チャンバ200およびダクト210を用いて、全血から成分150を分別および/または水簸するいくつかの場合には、細胞成分150(赤血球、白血球および/または血小板など)は、様々なサイズにわたって全血に存在する。たとえば、血小板は、直径が約2〜約4ミクロンに及ぶ。さらに、細胞血液成分150は、球形ではない。血小板は扁平であり、赤血球は両凹である。したがって、これらのサイズ要素に対処するために、水簸注入口205の開口直径は、フローと整列した最大の細胞(すなわち白血球)を保持する大きさにしてもよい。さらに、水簸排出口203の開口直径は、フローに垂直に整列した最小の細胞(すなわち血小板)に対処する大きさにしてもよい。同様な方法で、上記で一般的に開示した様々な整流装置によって画定される開口部はまた、選択された成分150を、チャンバ200および/もしくはダクト210から排除するかまたはその内部に保持する大きさにしてもよい。たとえば、(たとえば図2に示すような)いくつかの血液水簸実施形態では、半径方向内側および外側壁220、230に画定された開口部は、ダクト210が、ダクト210へ導入された全ての選択されたサイズの細胞血液成分150を、半径方向120に対して全ての可能な向きで保持できるような大きさにしてもよい(一般的に図1を参照)。
図2および5に概略的に示すような他の実施形態において、本発明のチャンバ200は、ダクト210から半径方向内側のチャンバ内に、成分制動ゾーン225をさらに画定してもよい。いくつかの例では、成分制動ゾーン225を、ダクト210の半径方向中心線250とほぼ平行なラインから外側へ朝顔型に開く一対の側壁によって画定し、成分制動ゾーン225により囲まれた断面積が、ダクト210の最も内側の半径方向端部から大幅に増加するようにしてもよい。式(4)に関連して上記したように、チャンバ200における流体フローの全体的速度は、チャンバ200(またはダクト210)の断面積が広がるにつれて、一般に遅くなる。たとえば、ダクト210の最も内側の半径方向端部に画定された成分制動ゾーン225は、水簸流体が水簸注入口203から水簸排出口205へダクト210を通して押し流されるときに、そこに懸濁された成分150が偶然に押し流されるのを防ぐことができる。かかる成分制動ゾーン225が、始動中(すなわち、水簸流体の最初のフロー)および選択された成分150aの収集に先立って、本発明のダクト210、チャンバ200およびシステムに安定性をもたらし得ることを、当業者は理解するであろう(図2を参照)。図7B、8Aおよび8Bに示すように、成分制動ゾーン225をまた、ダクト210の半径方向内側範囲近くで上部および下部壁710、720によって画定された断面積を徐々に増加させることによって画定し、比較的一定したサイズおよび/または直径の粒子150を、制動ゾーン225内に懸濁できるようにしてもよい。
図4は、本発明のチャンバ200およびダクト210の代替実施形態を示すが、この場合に、少なくとも1つのダクト210には、外側半径方向壁230から内側半径方向壁220へ半径方向内側に延びる少なくとも1つのベーン310がさらに含まれ、またこのベーンによって、中心軸100に平行に向けられたベーン断面積が画定される。ベーン断面積は、中心軸100からの半径方向距離に関連して増加するように構成されて、全体的なダクト210の断面積が、(たとえば図2に示す実施形態におけるように)中心軸100から外側への半径方向距離に関連して減少するようにし、また少なくとも1つのベーン310によって、ダクト310内の少なくとも2つの半径方向セクタが画定されるようにする。特に、ベーン310の断面積は、中心軸100からの半径方向距離に関連して増加するように(線形的にまたは他のより高次の関係に従って)構成されて、ベーン310の側部が、中心軸から延びる半径から、ベーン角度の方を向くようにされる。さらに、ベーン310は、ダクト210の内側半径方向壁220から外側半径方向壁230へ、ベーン角度が増加するようにさらに構成してもよい。本発明の様々な実施形態によれば、ベーン角度は、半径外側方向においてダクト210の全体的な断面積を低減するのに適した様々な角度値であってもよいが、これらの角度値には、たとえば、約15度未満、約10度未満、約5度未満、および/または、ダクト210が中心軸100を中心に回転されるときに、ダクト210内に半径方向に懸濁される成分150に作用する遠心力160および抗力170をほぼ平衡させるのに適した他の角度値が含まれる。
さらに、ベーン310は、ダクト210に懸濁された成分150間のより一層の物理的分離をもたらすだけでなく、水簸注入口205から水簸排出口203へ、水簸流体をより効果的に案内することによって、ダクトを通る流体フローの均一性を向上させるように働く。図4に示す実施形態において、ベーン310はまた、半径外側方向においてチャンバ200の断面積の全体的な拡張を抑制して、ダクト内で平衡に懸濁された成分150に作用する抗力170および遠心力160間の力平衡をより適切に維持するようにする。特に、ベーン310は、(完全に半径外側方向に作用する)遠心力160とほぼ反対方向の抗力170のベクトルの大部分と整列するように構成される。さらに、(半径内側方向に)減少するベーン310の断面積は、全体的なダクト断面積が、(図3に関連して上記したように徐々に)半径外側方向に減少することを保証して、半径方向に分散された平衡ゾーンをもたらすようにするが、この平衡ゾーンでは、遠心分離を受ける流体の成分150は、(水簸流体の半径方向内側へのフローが供給されない場合には)、ダクト210の最も外側の半径方向境界へ終速度で進む。
上記の平衡状態が三次元で存在するように保証するために、図4に示すダクト210は、円柱状セクタとして形作られる(すなわち、上部および下部壁が、チャンバ200およびダクト210が回転する中心軸100と直角に向けられている)。さらに、いくつかの実施形態において、ベーン310は少なくとも1つのチャネルを画定するが、この少なくとも1つのチャネルは、少なくとも2つの半径方向セクタ間の流体連通を可能にするように構成されて、流体(およびそこに懸濁された成分150)が、ダクト210の1つの半径方向セクタから隣接する半径方向セクタへ横に流れることができるようにする。ベーン310に画定されたチャネルによって、隣接する半径方向セクタ間の平衡が改善される。これは、1つの半径方向セクタが成分150でいっぱいになりすぎるのに対して、隣接する半径方向セクタには成分150がほとんどない場合に、望ましいであろう。しかしながら、かかるチャネルは、除染用途に用いられる実施形態では望ましくない可能性があるが、それは、半径方向外側の水簸注入口205から導入可能な水簸流体供給のフローを妨害および/または混乱させるチャネルの傾向のためである。
図5は、流体から少なくとも1つの成分150を分離するためのシステムを提供する本発明の別の実施形態を示すが、このシステムには、中心軸100も有する遠心分離装置400と同様に、遠心分離装置400の中心軸100を中心に回転するためように構成されたチャンバ200が含まれる。上述した本発明のチャンバ200の実施形態におけるように、チャンバ200には、中心軸100に平行に向けられたダクト断面積を画定する少なくとも1つの半径方向に延びるダクト210が含まれるが、この場合に、ダクト断面積は、中心軸100からの半径方向距離に関連して減少するように構成されて、遠心分離装置400の中心軸100を中心に回転するチャンバ200により、流体の少なくとも1つの成分150に作用する遠心力160が、ダクト210の半径方向長さ215に沿って流体により少なくとも1つの成分150に作用する抗力170に、ほぼ対抗するようにする。
図5に示すシステムにはまた、ダクト210の外側半径方向壁230から内側半径方向壁220へ、半径方向内側に延びる少なくとも2つの中央ベーン310を有する円柱状セクタを画定するダクト210が含まれる。さらに、ベーン310によって、中心軸100と平行に、かつダクト210の半径方向セクタの半径方向中心線250にほぼ垂直に向けられたベーン断面積が画定される。図4に関連して上述した実施形態におけるように、ベーン断面積は、中心軸100からの半径方向距離に関連して増加するように構成されて、全体的なダクト210の断面積が、中心軸100から外側への半径方向距離に関連して減少するようにし、またベーン310が、ダクト210内の少なくとも2つ(図5に示す実施形態では3つ)の半径方向セクタを画定するようにする。上述のように、ベーン310の断面積は、中心軸100からの半径方向距離に関連して増加するように構成されて、ベーン310の側部が、中心軸から延びる半径からベーン角度に向けられるようにする。さらに、ベーン310は、ベーン角度がダクト210の内側半径方向壁220から外側半径方向壁230へ増加するように、さらに構成してもよい。本発明の様々な実施形態によれば、ベーン角度は、半径外側方向においてダクト210の全体的な断面積を低減するのに適した様々な角度値であってもよいが、これらの角度値には、たとえば、約15度未満、約10度未満、約5度未満、および/または、ダクト210が中心軸100を中心に回転されるときに、ダクト210内に半径方向に懸濁された成分150に作用する遠心力160および抗力170をほぼ平衡させるのに適した他の角度値が含まれる。
図5に示すシステム実施形態において、ベーン断面積は、急激に減少するように構成されて、ベーン310が、ダクト210の半径方向セクタから半径方向内側に画定された3つの成分制動ゾーン225を、画定するようにする。上述のように、いくつかの例では、成分制動ゾーン225を、ダクト210の半径方向中心線250とほぼ平行なラインから外側へ朝顔型に開く一対の側壁によって画定して、成分制動ゾーン225により囲まれた断面積が、ダクト210(または、1つもしくは複数のベーン310によってダクト210に画定された半径方向セクタ)の最も内側の半径方向端部から大幅に増加するようにしてもよい。さらに、式(4)に関連して、チャンバ200における流体フローの全体的速度は、チャンバ200か、ダクト210かまたは半径方向セクタの断面積が広がるにつれて、一般に遅くなる。したがって、たとえばダクト210の最も内側の半径方向端部に画定された成分制動ゾーン225は、水簸流体が水簸注入口203から水簸排出口205へダクト210を通して押し流されるときに、そこに懸濁された成分150が偶然に押し流されるのを防ぐことができる。
さらに、図5に示すシステム実施形態にはまた、成分制動ゾーン225の半径方向内側に配置されたフィルタ装置450が含まれる。フィルタ装置は、水簸流体供給によって、ダクト210を通して半径方向内側へと押し流される、流体の汚染物質または小さな粒子成分を捕捉するように構成できるが、この水簸流体供給は、たとえば、水簸注入口205(図3を参照)からダクト210を通り、水簸排出口203(図3を参照)に向かって半径方向内側へ流れる。かかる場合には、たとえ、(たとえば水簸注入口205を通した)水簸流体フローが、ベーン310および/またはチャンバ200の内壁によって画定された成分制動ゾーン225を通して、選択された成分を押し進めるほど強力な場合であっても、フィルタ装置450は、選択された成分150の位置を、ダクト250の半径方向長さ215内に維持するように構成された所定の大きさの孔を画定することができる。さらに、いくつかの実施形態において、フィルタ装置450には、水簸流体に存在しかつ/または選択された成分150に付着する対象の1つもしくは複数の汚染物質に結合するのに適した選択的な結合要素を含み、対象の汚染物質を、水簸サイクル中にフィルタを通して洗い流せるようにしてもよい。したがって、フィルタ装置450は、水簸流体から有害汚染物質を選択的に除去して、場合によってはそれを再利用できるようにしてもよい。
図5に示すシステム実施形態によれば、ダクト210においてベーン310によって画定された半径方向セクタにはまた、側部注入口および/または排出口480を含んでもよく、側部注入口および排出口は、ベーン310に、および/またはチャンバ200の内壁に画定してもよい。いくつかの実施形態において、側部注入口480を用いて、水簸流体の部分的なフローを、((たとえば、図3に示すような水簸注入口205によって供給される)水簸流体の主供給の半径内側方向に垂直な)円周方向に注入してもよい。側部注入口は、いくつかの例では、水簸流体の主な半径方向フローの速度の約10%の部分的な水簸フローを供給するように構成してもよい。この部分的な(側部)フローは、ダクト210の側壁240および/またはベーン310のわずかな角度によって導入される、前進する半径方向流れ場のわずかな角度成分を平衡させるように働くことができる。(側部注入口480を通した)部分的な側部フロー成分の追加なしでは、ダクト210の半径方向長さ215に懸濁された成分150は、システムの平衡動作中に、ダクトの側壁240の方へ(またはベーン310の方へ)流れる傾向があるであろう。しかしながら、側壁角度301(図3を参照)が約6度未満である本発明の実施形態において、流れ場の角度成分が約10%であることに留意することが重要である。
したがって、いくつかの実施形態によれば、図5に示すシステムはまた側部排出口480を含み、(側壁240および/またはベーン310へ向かう)成分の速度のわずかな角度成分を利用して、ダクト210から成分150を収集するようにしてもよい。たとえば、水簸、分別および/または他の遠心分離ステップが完了した後で、残っている成分150を、側部排出口480を通してダクト210から取り出してもよい。
また、図5のシステム実施形態に示すように、上記のような従来の水簸注入口205を、球状注入口460と取り替えてもよく、この場合には、水簸流体は、球状注入口460の中央に位置する、注入チューブを含む中央水簸注入口461を介して導入することができる。かかる球状注入口460の配置によって、水簸プロセス中に洗浄可能な汚染物質がない経路を通して(水簸注入口または球状注入口460を通してなど)、選択された成分150を取り出すことが可能になる。
これらの結果を達成するために、流体(およびそこに懸濁された成分150)は、ダクト210の半径方向内側に位置する水簸排出口203においてチャンバ200へ導入される。(いくつかの実施形態において、流体および懸濁された成分150が、ダクト210の内側半径方向壁220から半径方向内側にチャンバ200へ導入される場合には、フィルタ装置450を省略してもよいことに留意されたい)。成分150は、水簸流体フローを開始する前に、ダクト210に落ち着くことが可能になる。ひとたび開始されると、最大の成分150(特に単球等)は、ダクト210を通って半径方向外側に、結局は球状注入口460の入口に進むことができる。この時点で、球状注入口460の断面積は、(図5に示すように)広く開き、それによって、水簸流体速度を低減させる。したがって次に、大きな白血球は、球状ジオメトリの半径方向外側端部に急速に進み、そこでそれらは集まり、遠心力160によって適所に保持される。それに反して、より小さな成分は、ダクト210の半径方向長さ215に捕らえられ、かくして、水簸流体が球状注入口460を通して半径方向内側に流れている限りは、球状注入口460には決して進入しない。
このアプローチの利点の1つは、非常に効果的な白血球除去である。別の利点は、水簸流体用の注入チューブ461が、球状注入口460の中央にあり、それが、比較的大きな白血球によって閉鎖され得ないということである。それに反して、従来の水簸システムは、白血球による連続的な閉塞(白血球が、それらの比較的大きな質量に作用する遠心力160によって一時的に注入口を閉塞する)のために、典型的には「チャグ(chug)音」を立てる。さらに、水簸流体がダクト210およびチャンバ200の残部に入るときに、球状注入口460によって、水簸流体供給のために極めて均一な入力流れ場を提供できることを、当業者は理解するであろう。
さらに、球状注入口460の実施形態において、水簸ステップが完了した後で、水簸流体供給を止めてもよく、また(球状注入口460と流体連通した)バルブ470を開いて、収集バッグ465aとの流体連通を可能にしてもよい。このバッグ465aは、特定の量の流体、具体的には球状注入口460に近似した量だけを保持するように制限されている。その結果、ポンプによる損傷も精巧な制御もなしに、細胞の全てが迅速に収集される。
ひとたび水簸流体フローが止められると、次に、ダクト210における他の成分150が、球状注入口460の中へ進む。成分150が、球状ジオメトリの半径方向外側壁に当たって完全に詰め込まれると、第2のバッグ465bへの第2のバルブ470が開かれ、かくして、別個の遠心分離機のステップの必要なしに、選択された成分150が得られる。
したがって、この球状注入口の実施形態を用いれば、(水簸流体で洗浄された)きれいな成分150だけが収集され、したがって、再汚染の危険がない。なぜなら、きれいな成分150は、病原体または他の汚染物質(水簸流体フローによって半径方向内側に押し流される)の通過によって汚染されていない球状注入口460を通過して出て行くからである。それに反して、従来の水簸システムでは、処理された細胞は、汚染物質を除去するために用いられたのと同じ出口を通って出て行かなければならない。
さらに、本発明のいくつかの実施形態には、ダクト210と動作可能に係合された1つまたは複数の超音波トランスデューサをさらに含み、音波を流体へ導入できるようにしてもよい。かかるトランスデューサには、たとえば、ダクト210の外側半径方向壁230(または他の表面)に動作可能に係合できる圧電ウエハを含み、ダクト210および/またはチャンバ200内に含まれる流体フローに超音波エネルギを印加できるようにしてもよい。さらに、トランスデューサを、それらの電源または制御源に遠隔で接続して、かかる電源または制御源が、遠心分離装置400の中心軸100を中心に回転するチャンバ200における平衡または負荷に影響する必要がないようにしてもよい。下記で説明する超音波の利点を実際に達成するために、上記の流体経路(ダクト210および/またはチャンバ200)に超音波を印加することが必要である。超音波は、約20kHzである人間の聴覚の限界を超える音波を一般に指す。超音波トランスデューサを利用する本発明の実施形態にとっては、20〜100kHz範囲の超音波が好ましく、特に、40〜60kHz範囲の音波が好ましい。この範囲は、現在利用可能な「パワー」超音波源にまたがるが、高周波数源がより安くより広く利用可能になれば、かかる周波数源を同様に用いることができる。
一般に、超音波システムは、電源、高周波電気パルス発生器、これらのパルスの増幅器、接続ケーブル、およびこれらのパルスを音波に変換するトランスデューサ(圧電ウエハなど)からなる。次にトランスデューサアセンブリは、電気パルスに応じて膨張および収縮する圧電結晶と、同様に、伸縮する結晶から処理される負荷へ圧力パルスを伝送するある種のカップリングまたはホーンからなる。
回転質量を最小限にすることが必要なので、電源、パルス発生器および増幅器は、全て固定されてチャンバ200およびダクト210の回転質量の外側に保持される。次に、増幅器からの出力は、回転する遠心分離機のシャフトに供給され、そこで出力は、摩耗を最小限にするために好ましくは中心軸100にできる限り近い、遠心分離装置400の回転子におけるラインへ、滑り接点を渡って接続される。次に、このラインは、上記のダクト210のアセンブリを含むチャンバ200に埋め込まれている圧電結晶に接続される。最大の効果のために、超音波源は、ダクト210から半径方向外側に配置され、その結果、遠心力160によってしっかりした結合がもたらされる。
システムを制御するために、超音波出力メータが負荷に取り付けられ、電力線を接続するために用いられるのと同じ技術によって、信号が結合される。細胞処理のためには、音波の低圧部分が液体の蒸気圧以下に落ちた場合に生じるキャビテーションを回避することが特に重要である。結果として生じる気泡の形成が非常に強いので、それは、急速に細胞を破裂させる。この現象を回避するために、キャビテーションの開始を示すものとして当該分野で周知の鋭い「油で揚げたような(frying)」または「クラッキング」音に対して、システムを監視しなければならない。この制御を用いて、下記で説明する利点を達成するために必要なように、システムを調整できる。
これらの実施形態における超音波エネルギの印加には、多くの利点があり得る。たとえば、超音波パルスは、液体の有効粘度を低減するように働き、それによって、(ダクト210における水簸フローの増加、より効果的な水簸、および選択された成分150のより速い収集時間を可能にする)終速度を増加させることができる。超音波によってまた、成分150の回りの流体境界層が低減され、それによって、成分150の有効断面積が低減される。
さらに、ダクト210に超音波エネルギを加えることによって、ダクト210内の栓流が促進される。当業者は、栓流が、成分150の均一な水簸に望ましいことを理解するであろう。超音波は、粘度を低減させることおよび壁の近くの境界層を実質的に除去することによって、栓流を促進する。流れ測定によれば、100kHz領域の超音波により境界層が単一の赤血球より小さくなることが示される。
有利なことに、超音波はまた、オゾンなどの除染剤の反応性を増加させることができる。増加の一部は、(汚染物質が付着している可能性がある)個別の成分150の周囲近くで境界層の分解を促進することによって、ダクト210の流れ場内でオゾンの混合および/または拡散を改善することによる。十分に高い音波レベルでは、基本的な反応自体が促進されるが、しかしかかる強度はまた、ある成分150を損傷する可能性がある。
超音波エネルギの印加はまた、血小板の様々な「形態」を分離する本発明の別の実施形態の有効性を支援し得る。より具体的には、当業者は、血小板が身体において2つの形態、すなわち休止または活性化のどちらかで存在することを理解するであろう。「休止」血小板は、血液循環において自由に流れる。それらは、わずかに扁平な円盤として存在する。しかしながら、凝固プロセスに参加するためには、血小板は、「活性化」しなければならない。活性化プロセス中に、血小板は、突起を備え、ほぼ球状になる。従来の水簸および/または遠心分離装置では、2つのタイプの血小板を分離する効果的な技術は提供されない。
本発明の超音波実施形態によって、かかる血小板分離が達成される。たとえば、かかる分離を達成するために、本発明のチャンバ200およびダクト210は、「逆」モードで運転され、血小板が、ダクト210の半径方向外側端部で(すなわち水簸注入口205を通して)ダクト210から出るようにする。超音波は、ダクトの半径方向中心線250へ垂直に(すなわちダクト210の側壁240から)印加される。ダクト210から出てくる血小板は、活性化された球体と、音響放射力およびトルクゆえに中心線に垂直な血小板との混合物からなる。したがって、休止血小板は、最大抗力の位置にある。次に、血小板は飛行時間型選別機に渡され、超音波が半径方向に沿って印加される。したがって、休止血小板は、最小抗力の位置にあり、かくして、結果として生じる有効断面積の減少によって、所望の分離がもたらされる。
また、図5に示すように、遠心分離装置400は、たとえば釣り合い錘420などの可動平衡錘で平衡させてもよく、この釣り合い錘420は、チャンバ200、ダクト210、およびこれらの内部で移動する流体を動的に平衡させるように向けられたねじ棒410上で、半径方向に前進および/または後退できるように構成されている。この配置の下では、不均衡は、振動、トルクまたは光学的手段によって感知することができる。次に、回転システムをほぼ平衡させる必要に応じて、釣り合い錘420を、半径方向外側にかまたは半径方向内側に移動してもよいことを、当業者は理解するであろう。遠心分離装置400はまた、当業者には理解される多くの他の遠心分離機平衡方法によって平衡させてもよく、これらの方法には、たとえば、遠心分離装置400が回転しているときに、チャンバ200が遠心力によって上におよび半径方向外側に傾斜するように、傾斜機構に吊り下げられたチャンバ200が含まれる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明のチャンバ200およびダクト210を通った、半径方向内側および外側への水簸流体および体液(血液など)の移動を打ち消すために、遠心分離装置400は、遠心分離装置回りの様々な流体の移動によってさらに平衡させてもよい。本発明のシステム実施形態のうちのいくつかの実施形態において、遠心分離装置400の中心軸100を通して水簸材料を供給するコストおよび複雑さを回避するために、水簸流体供給は、(チャンバ200およびダクト210を収容している)回転子自体におけるバッグで行なわれる。したがって、回転子におけるある種の駆動装置(水簸注入口205を通してか、またはダクト210の側壁240および/もしくはベーン310に画定された側部注入口460を通して水簸流体供給を導くのに適した変速ポンプまたは他の装置など)によって、流体を注入することが必要である。いくつかの実施形態において、無菌フィルタ装置を、水簸流体源および注入口205間の流体連通部に設けてもよい。一実施形態によれば、本発明のシステムには、無線制御装置または軸に搭載された制御装置のいずれかを備えた小さな電気ポンプを含んでもよい。
(上記の)流体貯蔵バッグが不均衡を引き起こすのを防ぐために、どんな漏れも防止するようにアクセスが上端を通してのみ行なわれる密閉バケツに各バッグを含むことができるバラスト装置をまた用いてもよい。各バッグは、リブ付チューブがバッグの上端からバッグの底部へ延びる密閉容器からなる。チューブは、バッグの底部でのみ開いている。リブにより、流体はチューブの長さに沿って水柱を形成することが可能になる。たとえば、水簸流体供給は、1つのかかるバッグで開まる。流体は、このバッグからチャンバ200を通って前むが、チャンバ200は、流体(塩水および/または成分150が懸濁された流体)で既に満たされている。その結果、水簸流体供給が第1のバッグを出るにつれて、さらなる流体が、対応するバッグへ戻る。このプロセスは、流体の全部が、1つのバッグからもう一方の対応するバッグへ移されるまで継続する。このアプローチの下では、システムは、質量または質量位置における純変化なしに、平衡がとれている。対応するバッグを互いの上に水平に積み重ねて、軸を中心とするどんなトルクも最小限にすることに留意されたい。さらに、バッグは、いかなるわずかな不均衡も補償するために、揺れ動く遠心分離機のバケツに配置してもよい。
他の実施形態において、これらの対応するバッグは、予め設定された量の流体だけを保持する、特に設計されたバケツに配置される。たとえば、チャンバ200のダクト210は、3cmの流体を保持するように設計することができる。チャンバの残部からの過剰な流体を含まずに、かかるダクト210に懸濁された成分150を収集するために、受け入れバッグもまた、3cmの流体だけを保持するように設計可能であり、また受け入れバッグは、水簸チャンバの半径方向外側端部に(すなわち水簸注入口205を通して)3cmのバラスト流体を注入する間だけ利用可能にできるであろう。したがって、この固定量アプローチによって、高価な秤または他の測定技術なしに、所望量の流体だけを収集することが可能になり、それによって、全体的なコストが低減される。さらに、バラスト流体だけを注入することによって、成分150へのポンプによるどんな損傷も回避されるが、これは、当業者が理解するように、成分150の高濃度のために重要であり得る。
図2〜5はまた、流体から少なくとも1つの成分150を分離する方法を示す。図5に概略的に示す一実施形態において、本方法には、流体およびそこに配された少なくとも1つの成分150を、遠心分離装置400の中心軸100を中心にチャンバ200で回転させるステップと、流体およびそこに配された少なくとも1つの成分150を、チャンバ200内に配置された少なくとも1つの半径方向に延びるダクトを通して導くステップと、が含まれる。上述のように、本発明のチャンバおよびシステム実施形態に関連して、ダクト210は、中心軸100と平行に向けられたダクト断面積を画定するが、この場合に、ダクト断面積は、中心軸100からの半径方向距離に関連して減少すように構成されて、遠心分離装置400の中心軸100を中心に回転するチャンバ200によって流体の少なくとも1つの成分150に作用する遠心力160が、ダクト210の半径方向長さ215に沿って流体により少なくとも1つの成分150に作用する抗力170に、ほぼ対抗するようにする。
本発明の他の実施形態によれば、図2および3に概略的に示すように、本方法には、ほぼ均一な半径方向フローで、(たとえば水簸注入口203を介し)ダクト210を通して半径方向内側に水簸流体供給を導いて、流体およびそこに配された少なくとも1つの成分150から複数の汚染物質を洗い流すようにすることをさらに含んでもよい。他の方法実施形態には、さらに次のことを含んでもよい。すなわち、ほぼ均一な半径方向フローで、ダクト210を通して半径方向内側に水簸流体供給を導くように構成された少なくとも1つの装置(整流スクリーン、バッフル、または他の整流装置など)に水簸流体を通すこと、ダクト210から半径方向内側に配置されたフィルタ装置450(図5を参照)を用いて、水簸流体から複数の汚染物質をフィルタリングすること、および/またはダクト210の内側半径方向壁220によって画定された水簸排出口205(図2および3を参照)と流体連通した収集貯蔵部(図示せず)に、水簸流体および複数の汚染物質を収集することである。
前述の説明および関連する図面に提示した利点を有する、本発明の多くの変更および他の実施形態が、本発明が関係する技術分野における当業者によって想到されるであろう。したがって、本発明が、開示された特定の実施形態に限定されないこと、ならびに変更および他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されていることを理解されたい。本明細書には具体的な用語が用いられているが、それらは、限定のためではなく、あくまで一般的かつ説明的な意味で用いられている。
先行技術による従来の水簸回転子の一例の上面図と同様に、水簸プロセスを受ける体液に懸濁された成分に作用する様々な力を示す。 先行技術による従来の水簸回転子の一例の側面図と同様に、水簸プロセスを受ける体液に懸濁された成分に作用する様々な力を示す。 本発明の一実施形態に従って、流体から少なくとも1つの成分を分離するためのチャンバおよびダクトの上面図を示す。 本発明の一実施形態に従って、流体から少なくとも1つの成分を分離するためのダクトの概略上面図を示す。 流体から少なくとも1つの成分を分離するためのチャンバおよびダクトの上面図を示すが、ダクトには、半径外側方向にダクト断面積を減少させるためのベーンが含まれる。 本発明の一実施形態によるチャンバおよびダクトの上面図を示すが、ダクトには、拡幅ベーン、ならびに水簸プロセス中に細胞をダクトに保持するための制動およびフィルタ領域が含まれる。 本発明の一実施形態によるチャンバおよびダクトの上面図および対応する半径方向図を示すが、チャンバおよびダクトによって、ほぼ円形の断面形状が画定される。 本発明の一実施形態によるチャンバおよびダクトの上面図を示すが、側壁は、半径外側方向に分岐し、上部および下部壁は、半径外側方向に収束して、ダクト断面積が、半径外側方向に全体的な減少を示すようにする。 本発明の一実施形態によるチャンバおよびダクトの側面図を示すが、側壁は、半径外側方向に分岐し、上部および下部壁は、半径外側方向に収束して、ダクト断面積が、半径外側方向に全体的な減少を示すようにする。 ダクト断面積が半径外側方向に全体的な減少を示すように、半径外側方向に収束する上部および下部壁によって画定されたチャンバ輪郭のプロットを示すが、チャンバ輪郭は、約2〜4ミクロンの直径を有する粒子を懸濁するように最適化される。 ダクト断面積が半径外側方向に全体的な減少を示すように、半径外側方向に収束する上部および下部壁によって画定されたチャンバ輪郭のプロットを示すが、チャンバ輪郭は、約6〜9ミクロンの直径を有する粒子を懸濁するように最適化される。

Claims (53)

  1. 流体から少なくとも1つの成分を分離するためのチャンバであって、
    前記チャンバが、遠心分離装置の中心軸を中心に回転できるように構成され、
    前記チャンバが、前記流体およびそこに配された前記少なくとも1つの成分を含むことができるように構成され、
    前記チャンバが、前記中心軸とほぼ平行に向けられたダクト断面積を画定する、少なくとも1つの半径方向に延びるダクトを含み、
    前記ダクト断面積が、前記中心軸からの半径方向距離に関連して減少するように構成されて、前記遠心分離装置の前記中心軸を中心に回転する前記チャンバにより前記流体の前記少なくとも1つの成分に作用する遠心力が、前記ダクトの長さに沿って前記流体により前記少なくとも1つの成分に作用する抗力にほぼ対抗する、
    チャンバ。
  2. 前記少なくとも1つのダクトが、
    前記中心軸から半径方向外側に延びる上部壁と、
    前記中心軸から半径方向外側に延びる下部壁と、
    前記中心軸から半径方向外側に延びる半径によって画定される回転面の近くに、収束する輪郭を形成するように形成された前記上部壁および前記下部壁と、
    をさらに含む、
    請求項1に記載のチャンバ。
  3. 前記ダクトが、前記中心軸を中心に半径方向外側に360度延びる、
    請求項1に記載のチャンバ。
  4. 前記流体が、最小サイズおよび最大サイズを始めとして、対応する複数のサイズを有する複数の成分を含み、
    前記ダクトが、
    前記中心軸からの第1の半径方向距離に配置された、前記上部壁と下部壁との間に入口領域を画定する入口であって、前記入口領域が、前記最大サイズを有する成分に作用する遠心力が前記最大サイズを有する前記成分に作用する抗力に前記第1の半径方向距離においてほぼ対抗するように、構成されて、前記最大サイズを有する前記成分が、前記第1の半径方向距離においてほぼ懸濁されるようにする入口と、
    前記中心軸からの第2の半径方向距離に配置された、前記上部壁と下部壁との間に出口領域を画定する出口であって、前記出口領域が、前記最小サイズを有する成分に作用する遠心力が前記最小サイズを有する前記成分に作用する抗力に前記第2の半径方向距離においてほぼ対抗するように、構成されて、前記最小サイズを有する成分が、前記第2の半径方向距離においてほぼ懸濁されるようにする出口と、
    をさらに含み、
    前記上部壁および前記下部壁によって形成された前記収束する輪郭が、前記最小および前記最大サイズ間のサイズを有する前記複数の成分が前記第1および第2の半径方向距離間においてほぼ均一な分布を示すように、構成されている、
    請求項2に記載のチャンバ。
  5. 前記ほぼ均一な分布が、前記第1および第2の半径方向距離間において、前記ダクトの単位体積当たりほぼ均一な数の前記複数の成分を含む、
    請求項4に記載のチャンバ。
  6. 前記上部壁と下部壁との間に形成された前記収束する輪郭が、前記中心軸からの半径方向距離および前記複数のサイズの二乗に関連して収束するように構成されている、
    請求項4に記載のチャンバ。
  7. 前記流体が血漿を含み、
    前記複数の成分が、約8ミクロンの最大サイズおよび約7ミクロンの最小サイズを有する複数の赤血球を含み、
    前記収束する輪郭が、
    約1〜1.5対1と、
    約1〜1.3対1と、
    約1〜1.05対1と、
    からなる群から選択される最大サイズ対最小サイズ比を有する前記複数の成分を、前記第1および第2の半径方向距離間に懸濁させるように形成されている、
    請求項4に記載のチャンバ。
  8. 前記流体が血漿を含み、
    前記複数の成分が、約4ミクロンの最大サイズおよび約2ミクロンの最小サイズを有する複数の血小板を含み、
    前記収束する輪郭が、
    約1.5〜3対1と、
    約1.75〜2.5対1と、
    約2〜2.25対1と、
    からなる群から選択される最大サイズ対最小サイズ比を有する前記複数の成分を、前記第1および第2の半径方向距離間に懸濁させるように形成されている、
    請求項4に記載のチャンバ。
  9. 前記流体が血漿を含み、
    前記複数の成分が、約20ミクロンの最大サイズおよび約10ミクロンの最小サイズを有する複数の単球を含み、
    前記収束する輪郭が、
    約1.5〜3対1と、
    約1.75〜2.5対1と、
    約2〜2.25対1と、
    からなる群から選択される最大サイズ対最小サイズ比を有する前記複数の成分を、前記第1および第2の半径方向距離間に懸濁させるように形成されている、
    請求項4に記載のチャンバ。
  10. 前記ダクトが、
    矩形と、
    楕円形と、
    円形と、
    多角形と、
    これらの組み合わせと、
    からなる群から選択される断面形状を含む、
    請求項1に記載のチャンバ。
  11. 記少なくとも1つのダクトが一対の側壁をさらに含む、
    請求項1に記載のチャンバ。
  12. 前記一対の側壁のそれぞれが、前記中心軸から半径方向外側に延びて、前記ダクトが半径方向セクタを画定する、
    請求項11に記載のチャンバ。
  13. 前記一対の側壁が、前記中心軸から半径方向外側に延びる半径に対して側壁角度で配置されて、前記ダクト断面積が、前記中心軸からの前記半径方向距離に関連して減少すべく構成される、
    請求項11に記載のチャンバ。
  14. 前記側壁角度が、
    約45度未満と、
    約30度未満と、
    約15度未満と、
    約10度未満と、
    約5度未満と、
    からなる群から選択される値を有する、
    請求項13に記載のチャンバ。
  15. 前記少なくとも1つのダクトが、
    前記中心軸に近い内側半径方向壁と、
    前記内側半径方向壁とほぼ平行に、かつそこから半径方向外側に配置された外側半径方向壁と、
    をさらに含む、
    請求項1に記載のチャンバ。
  16. 前記少なくとも1つのダクトが、
    前記中心軸とほぼ直角な上部壁と、
    前記中心軸とほぼ直角な下部壁と、
    をさらに含む、
    請求項11に記載のチャンバ。
  17. 前記少なくとも1つのダクトが、前記外側半径方向壁から前記内側半径方向壁へ半径方向内側に延びる少なくとも1つのベーンをさらに含み、
    前記少なくとも1つのベーンが、前記中心軸に平行に向けられたベーン断面積を画定し、
    前記ベーン断面積が、前記中心軸からの半径方向距離に関連して増加するように構成されて、前記ダクト断面積が前記中心軸からの前記半径方向距離に関連して減少するようにし、かつ前記ベーンが前記ダクト内に少なくとも2つの半径方向セクタを画定する、
    請求項15に記載のチャンバ。
  18. 前記少なくとも1つのベーンが、少なくとも1つのチャネルを画定し、
    前記少なくとも1つのチャネルが、前記少なくとも2つの半径方向セクタ間の流体連通を可能にするように構成されている、
    請求項17に記載のチャンバ。
  19. 前記少なくとも1つのベーンの前記ベーン断面積が、前記中心軸からの前記半径方向距離に関連して増加するように構成されている、
    請求項17に記載のチャンバ。
  20. 前記少なくとも1つのベーンの前記ベーン断面積が、前記中心軸からの前記半径方向距離に関連して線形的に増加するように構成されて、前記少なくとも1つのベーンの側部が、前記中心軸から延びる半径からベーン角度に向けられるようにし、前記少なくとも1つのベーンが、前記ベーン角度が前記内側半径方向壁から前記外側半径方向壁へ増加するように、さらに構成されている、
    請求項17に記載のチャンバ。
  21. 前記ベーン角度が、
    約15度未満と、
    約10度未満と、
    約5度未満と、
    からなる群から選択される値を有する、
    請求項20に記載のチャンバ。
  22. 前記外側半径方向壁が、少なくとも1つの水簸注入口を画定し、
    前記少なくとも1つの水簸注入口が、前記ダクトと水簸流体供給部との間の流体連通を可能するように構成され、
    前記少なくとも1つの水簸注入口が、ほぼ均一な半径方向フローで、前記ダクトを通して半径方向内側に水簸流体供給を導くようにさらに構成されている、
    請求項15に記載のチャンバ。
  23. 前記少なくとも1つの水簸注入口が、ほぼ均一な半径方向フローで、前記ダクトを通して半径方向内側に前記水簸流体供給を導くように構成された少なくとも1つの装置さらにを含み、
    前記少なくとも1つの装置が、
    多数のオリフィスと、
    バッフルと、
    スクリーンと、
    これらの組み合わせと、
    からなる群から選択される、
    請求項22に記載のチャンバ。
  24. 前記内側半径方向壁が、少なくとも1つの水簸排出口を画定し、
    前記少なくとも1つの水簸排出口が、前記ダクトと収集容器との間の流体連通を可能するように構成され、
    前記少なくとも1つの水簸排出口が、ほぼ均一な半径方向フローで、前記ダクトを通して半径方向内側に前記水簸流体供給を導くようにさらに構成されている、
    請求項15に記載のチャンバ。
  25. 前記少なくとも1つの水簸排出口が、ほぼ均一な半径方向フローで、前記ダクトを通して半径方向内側に前記水簸流体供給を導くように構成された少なくとも1つの装置をさらに含み、
    前記少なくとも1つの装置が、
    多数のオリフィスと、
    バッフルと、
    スクリーンと、
    これらの組み合わせと、
    からなる群から選択される、
    請求項24に記載のチャンバ。
  26. 前記チャンバの半径方向内側壁によって画定された成分制動ゾーンをさらに含み、
    前記成分制動ゾーンが、前記ダクト断面積より大きい制動ゾーン断面積を有し、
    前記成分制動ゾーンが、前記ダクトから半径方向内側に配置されて、前記少なくとも1つの成分が前記ダクトを越えて半径方向内側に進むのを防ぐようにする、
    請求項1に記載のチャンバ。
  27. 前記チャンバが、前記成分制動ゾーンに少なくとも1つの収集用出口をさらに画定し、
    前記収集用出口が、前記成分制動ゾーンから前記少なくとも1つの成分を選択的に取り出すための収集装置と動作可能に係合されるように構成されている、
    請求項26に記載のチャンバ。
  28. 前記チャンバの半径方向内側壁に動作可能に係合されたフィルタ装置をさらに含み、
    前記フィルタ装置が、前記ダクトから半径方向内側に配置されて、前記少なくとも1つの成分が前記ダクトを越えて半径方向内側に進むのを防ぐようにする、
    請求項1に記載のチャンバ。
  29. 前記ダクトが、短波長紫外線光エネルギに透過な材料で構成されている、
    請求項1に記載のチャンバ。
  30. 前記ダクトが、
    石英ガラスと、
    PTFEと
    剛性ポリマー材料と、
    金属合金と、
    これらの組み合わせと、
    からなる群から選択される材料で構成されている、
    請求項1に記載のチャンバ。
  31. 前記ダクトを無菌の使い捨て材料で構成して、前記チャンバの一度の使用後に前記ダクトを取り替えできるようにする、
    請求項1に記載のチャンバ。
  32. 前記チャンバに動作可能に係合された超音波装置をさらに含み、
    前記超音波装置が、超音波信号を前記チャンバに放射できるように構成されている、
    請求項1に記載のチャンバ。
  33. 前記超音波装置が、
    前記チャンバに動作可能に係合された超音波トランスデューサと、
    前記超音波トランスデューサと通信するように構成された制御装置であって、前記超音波装置によって放射される前記超音波信号を制御できるようにさらに構成された制御装置と、
    を含む、
    請求項32に記載のチャンバ。
  34. 前記チャンバが、前記ダクトから前記少なくとも1つの成分を選択的に取り出すために、収集装置と動作可能に係合するように構成された少なくとも1つの収集用出口をさらに画定する、
    請求項1に記載のチャンバ。
  35. 流体から少なくとも1つの成分を分離するための方法であって、
    遠心分離装置の中心軸を中心に回転するように構成されたダクトを画定する、半径方向に延びるチャンバを提供するステップであって、前記チャンバが、前記中心軸と平行に向けられたダクト断面積を画定し、前記ダクト断面積が、前記中心軸からの半径方向距離に関連して減少するように構成されているステップと、
    前記遠心分離装置の前記中心軸を中心に、前記半径方向に延びるチャンバ、前記流体、およびそこに配された前記少なくとも1つの成分を回転させて、前記遠心分離装置の前記中心軸を中心に回転する前記チャンバにより前記流体の前記少なくとも1つの成分に作用する遠心力が、前記ダクトの長さに沿って前記流体により前記少なくとも1つの成分に作用する抗力にほぼ対抗するようにするステップと、
    を含む方法。
  36. 前記提供ステップが、
    前記中心軸から半径方向外側に延びるダクト上部壁を提供するステップと、
    前記中心軸から半径方向外側に延びるダクト下部壁を提供するステップと、
    前記中心軸から半径方向外側に延びる半径によって画定される回転面の近くの前記ダクト上部壁と前記ダクト下部壁との間に、収束する輪郭を形成するステップと、
    をさらに含む、
    請求項35に記載の方法。
  37. 前記提供ステップが、前記中心軸を中心に半径方向外側に360度延びるダクトを提供することをさらに含む、
    請求項35に記載の方法。
  38. 前記流体が、最小サイズおよび最大サイズを始めとして、対応する複数のサイズを有する複数の成分を含み、
    前記提供ステップが、
    前記中心軸からの第1の半径方向距離に配置された、前記ダクト上部壁と下部壁との間に入口領域を画定するダクト入口を提供するステップであって、前記入口領域が、前記最大サイズを有する成分に作用する遠心力が前記最大サイズを有する前記成分に作用する抗力に前記第1の半径方向距離においてほぼ対抗するように、構成されて、前記最大サイズを有する前記成分が、前記第1の半径方向距離においてほぼ懸濁されるようにするステップと、
    前記中心軸からの第2の半径方向距離に配置された、前記ダクト上部壁と下部壁との間に出口領域を画定するダクト出口を提供するステップであって、前記出口領域が、前記最小サイズを有する成分に作用する遠心力が前記最小サイズを有する前記成分に作用する抗力に第2の半径方向距離においてほぼ対抗するように、構成されて、前記最小サイズを有する前記成分が、前記第2の半径方向距離においてほぼ懸濁されるようにするステップと、
    をさらに含み、
    前記形成ステップが、
    前記ダクト上部壁と前記ダクト下部壁との間に前記収束する輪郭を形成して、前記最小および前記最大サイズ間のサイズを有する前記複数の成分が、前記第1および第2の半径方向距離間にほぼ均一な分布を示すようにすることをさらに含む、
    請求項36に記載の方法。
  39. 前記ほぼ均一な分布が、前記第1および第2の半径方向距離間において、前記ダクトの単位体積当たりほぼ均一な数の前記複数の成分を含むように前記収束する輪郭を形成することを、前記形成ステップがさらに含む、
    請求項38に記載の方法。
  40. 前記形成ステップが、前記中心軸からの半径方向距離および前記複数のサイズの二乗に関連して、前記上部壁と下部壁との間に前記収束する輪郭を形成することをさらに含む、
    請求項38に記載の方法。
  41. 前記流体が血漿を含み、
    前記複数の成分が、約8ミクロンの最大サイズおよび約7ミクロンの最小サイズを有する複数の赤血球を含み、
    前記収束する輪郭の前記形成ステップが、
    約1〜1.5対1と、
    約1〜1.3対1と、
    約1〜1.05対1と、
    からなる群から選択される最大サイズ対最小サイズ比を有する前記複数の成分を、前記第1および第2の半径方向距離間に懸濁させる収束する輪郭を形成することをさらに含む、
    請求項38に記載の方法。
  42. 前記流体が血漿を含み、
    前記複数の成分が、約4ミクロンの最大サイズおよび約2ミクロンの最小サイズを有する複数の血小板を含み、
    前記収束する輪郭の前記形成ステップが、
    約1.5〜3対1と、
    約1.75〜2.5対1と、
    約2〜2.25対1と、
    からなる群から選択される最大サイズ対最小サイズ比を有する前記複数の成分を、前記第1および第2の半径方向距離間に懸濁させる収束する輪郭を形成することをさらに含む、
    請求項38に記載の方法。
  43. 前記流体が血漿を含み、
    前記複数の成分が、約20ミクロンの最大サイズおよび約10ミクロンの最小サイズを有する複数の単球を含み、
    前記収束する輪郭の前記形成ステップが、
    約1.5〜3対1と、
    約1.75〜2.5対1と、
    約2〜2.25対1と、
    からなる群から選択される最大サイズ対最小サイズ比を有する前記複数の成分を、前記第1および第2の半径方向距離間に懸濁させる収束する輪郭を形成することをさらに含む、
    請求項38に記載の方法。
  44. ほぼ均一な半径方向フローで、前記ダクトを通して半径方向内側に前記水簸流体供給を導いて、前記流体およびそこに配された前記少なくとも1つの成分から複数の汚染物質を洗浄するようにすることをさらに含む、
    請求項35に記載の方法。
  45. ほぼ均一な半径方向フローで、前記ダクトを通して半径方向内側に前記水簸流体供給を導くように構成された少なくとも1つの装置に前記水簸流体を通すことをさらに含む、
    請求項44に記載の方法。
  46. 前記ダクトから半径方向内側に配置されたフィルタ装置を用いて、前記水簸流体から前記複数の汚染物質をフィルタリングすることをさらに含む、
    請求項44に記載の方法。
  47. 前記少なくとも1つのダクトの内側半径方向壁によって画定された水簸排出口と流体連通している収集貯蔵部に、前記水簸流体および前記複数の汚染物質を収集することをさらに含む、
    請求項44に記載の方法。
  48. 前記チャンバに動作可能に係合された超音波装置から、前記チャンバに超音波信号を放射することをさらに含む、
    請求項35に記載の方法。
  49. 前記チャンバの半径方向内側壁によって画定された成分制動ゾーンから前記少なくとも1つの成分を収集することをさらに含み、
    前記成分制動ゾーンが、前記ダクト断面積より大きい制動ゾーン断面積を有し、前記成分制動ゾーンが、前記ダクトから半径方向内側に配置されて、前記少なくとも1つの成分が前記ダクトを越えて半径方向内側に進むのを防ぐようにする、
    請求項35に記載の方法。
  50. 少なくとも1つの収集用出口を前記チャンバに画定するステップと、
    前記少なくとも1つの収集用出口を収集装置と動作可能に係合するステップと、
    前記収集装置を用いて、前記ダクトから前記少なくとも1つの成分を選択的に取り出すステップと、
    をさらに含む、請求項35に記載の方法。
  51. 遠心分離を受ける流体において、最小サイズおよび最大サイズを始めとする、対応する複数のサイズを有する複数の成分を均一に分布させるためのチャンバを構築する方法であって、
    前記方法が、
    遠心分離装置の中心軸を中心に回転するように構成されたダクトを画定する、半径方向に延びるチャンバを提供するステップと、
    前記中心軸から半径方向外側に延びるダクト上部壁を提供するステップと、
    前記中心軸から半径方向外側に延びるダクト下部壁を提供するステップと、
    前記中心軸から半径方向外側に延びる半径によって画定される回転面の近くで、前記ダクト上部壁と前記ダクト下部壁との間に、半径方向に延びる収束する輪郭を形成するステップと、
    前記中心軸からの第1の半径方向距離に配置された、前記上部壁と下部壁との間に入口領域を画定するダクト入口を提供するステップであって、前記入口領域が、前記最大サイズを有する成分に作用する遠心力が前記最大サイズを有する前記成分に作用する抗力に前記ダクト入口においてほぼ対抗するように、構成されて、前記最大サイズを有する前記成分が、前記第1の半径方向距離においてほぼ懸濁されるようにするステップと、
    前記中心軸からの第2の半径方向距離に配置された、前記上部壁と下部壁との間に出口領域を画定するダクト出口を提供するステップであって、前記出口領域が、前記最小サイズを有する成分に作用する遠心力が前記最小サイズを有する前記成分に作用する抗力に前記ダクト出口においてほぼ対抗するように、構成されて、前記最小サイズを有する前記成分が、前記第2の半径方向距離においてほぼ懸濁されるようにするステップと、
    前記ダクト上部壁と前記ダクト下部壁との間で前記収束する輪郭を修正して、前記最小および最大サイズ間のサイズを有する前記複数の成分が、前記第1および第2の半径方向距離間にほぼ均一な分布を示すようにするステップと、
    を含む方法。
  52. 前記修正ステップが、前記第1および第2の半径方向距離間の複数の半径方向距離において、前記上部壁と下部壁との間に画定される複数のダクト面積を決定して、前記遠心分離装置の前記中心軸を中心に回転する前記チャンバにより前記複数の成分のそれぞれに作用する遠心力が、前記ダクトの長さに沿って前記流体により前記複数の成分のそれぞれに作用する抗力にほぼ対抗するようにする、
    請求項51に記載の方法。
  53. 前記修正ステップが、
    前記遠心分離装置の前記中心軸を中心に回転する前記チャンバにより前記複数の成分のそれぞれに作用する遠心力を、前記ダクトの長さに沿って前記流体により前記複数の成分のそれぞれに作用する抗力と等しくすることによって、前記ダクトの単位体積当たりの前記複数の粒子の分布を決定するステップと、
    前記決定された分布を、前記ダクトの前記長さに沿った、前記ダクトの単位体積当たりの前記複数の成分のほぼ均一な分布と比較して、分布差を決定するステップと、
    前記分布差に少なくとも部分的に基づいて、前記収束する輪郭を補正するステップと、
    前記決定、比較、および補正ステップを繰り返して、前記ほぼ均一な分布が、前記第1および第2の半径方向距離間に、前記ダクトの単位体積当たり、ほぼ均一な数の前記複数の成分を含むようにするステップと、
    を含む、
    請求項51に記載の方法。
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