JP2008515381A - 合成樹脂から成形されたモータ・ハウジング - Google Patents

Abstract

永久磁石モータ用に、ハウジング・アセンブリ（３０）が提供される。このハウジング・アセンブリ（３０）は、外側（３９）と内側（３６）とを持つ鉄磁束・リング構造物（３８）を含む。磁石構造物（３４）は、鉄磁束・リング構造物（３８）の内側に取り付けられる。合成樹脂ハウジング（３２）は、鉄磁束・リング構造物（３８）の外側と、磁石構造物（３４）の少なくとも一部とをほぼ包封している。ハウジング（３２）の閉鎖端には、軸受（４２）が設けられることがある。
【選択図】 図３

Description

本発明は、永久磁石モータ用のハウジングに関し、さらに具体的に言えば、合成樹脂材から成形されたモータ・ハウジングに関する。

（関連出願）
本出願の原出願は、２００４年１０月１日に出願された米国仮出願第６０／６１５，５２９号に基づくものであって、優先権目的で、その利益を主張するものである。

図１ａと図１ｂを参照すると、従来のモータ・ハウジング・アセンブリは、金属製モータ・ハウジング１０、金属製モータ・ハウジング１０に装入される永久磁石１２、金属製モータ・ハウジング１０内で永久磁石１２を支持する磁石保持器１４、スラスト軸受スペーサ１６、軸受１８、軸受保持器２０を含む多数の構成部品を持っている。

上述の個々の構成部品の機能をいくつか統合して、単純化された構成にし、したがって、モータ・アセンブリの部品総数を減らす必要がある。例えば、表面の途切れ（切れ目）を排除することで、モータの磁石の周りの幾何形状を改善して、ノイズを減らす必要もある。

本発明の目的は、上に示される要望を満たすことである。本発明の原理により、この目的は、永久磁石モータ用にハウジング・アセンブリを提供することで、得られる。このハウジング・アセンブリは、外側と内側とを持つ鉄磁束・リング構造物を含む。磁石構造物は、鉄磁束・リング構造物の内側に取り付けられる。合成樹脂ハウジングは、鉄磁束・リング構造物の外側と、磁石構造物の少なくとも一部とをほぼ包封している。

本発明の他の面により、モータ・ハウジング・アセンブリを提供する方法は、外側と内側とを持つ鉄磁束・リング構造物を提供する。磁石構造物は、鉄磁束・リング構造物の内側に取り付けられ、また、合成樹脂材は、鉄磁束・リング構造物の外側と磁石構造物の少なくとも一部をほぼ覆うように提供されて、ハウジングを形成する。

本発明の他の目的、特徴、および特性、並びに、この構造物の関連要素の機能と動作方法、部品の組合せ、製造の経済性は、すべて本明細書の一部を成す添付図面を参照して、以下の詳細な説明および特許請求の範囲を考察すると、さらに明らかになろう。

本発明は、同じ部品には同じ参照番号が示されている添付図面といっしょに、本発明の好ましい実施形態の詳細な下記説明を読めばより良く理解されよう。

図２ａと図２ｂを参照すると、本発明の原理により、全体を３０で表すモータ・ハウジング・アセンブリが示されている。図２ａと図２ｂは、モータ・ハウジング・アセンブリ３０を組み立てられた状態で示し、図３ａと図３ｂは、モータ・ハウジング・アセンブリ３０の分解図を示す。図３ａと図３ｂにもっともよく示されるように、モータ・ハウジング・アセンブリ３０は、合成樹脂モータ・ハウジング３２を含む。モータ・ハウジング３２は、好ましくは、閉鎖端３３と開放端３５を含む。一対の永久磁石３４が、鋼製（鉄）磁束・リング３８の内側３６に圧入される。中に磁石３４が入っている鉄磁束・リング３８が、モータ・ハウジング３２の内側４０に設けられる。さらに具体的に言えば、中に磁石３４が入っている鉄磁束・リング３８の外側３９は、好ましくは、合成樹脂ハウジング３２によりほぼ包封される。

図５と図６を参照すると、モータ・ハウジング・アセンブリ３０はまた、合成樹脂ハウジング３２の閉鎖端３３に設けられた好ましくはＰＴＦＥベースの樹脂などの合成樹脂でできている軸受４２も含む。軸受４２は、合成樹脂ハウジング３２に圧入されるか、あるいは、デュアル・ショット成形機（dual shot molding machine）を用いて合成樹脂ハウジング３２内に成形される。軸受４２は、合成樹脂ハウジング３２に収められてモータを形成する電機子アセンブリ（図示されてない）の軸（図示されてない）の一端を支持するように構成され、かつ配置されている。軸受４２はまた、焼結軸受であることもある。

したがって、モータ・ハウジング・アセンブリ３０により、図１ａと図１ｂの従来の２つの磁石保持器１４、軸受保持器２０、スラスト軸受スペーサまたはエンド・スペーサ１６の必要がなくなるものと理解できる。遮蔽用の「導電性」合成樹脂を用いるか、あるいは、特別の導電性コーティングを用いることで、電磁環境適合性（ＥＭＣ）の問題に取り組むことがある。合成樹脂ハウジング３２の側面に設けられた開口４４のために、鉄磁束・リング３８の金属部分が露出されるのは、熱放散を目的としている。

従来の金属製モータ・ハウジング１０は、磁石３４に係合して磁石３４を鉄磁束・リング３８に固定する切削曲げタブ４６（図３ａと図３ｂ）を取り入れた鉄磁束・リング３８に変えられている。鉄磁束・リング３８は、管状の素材か、平たい素材（あり継ぎ嵌合で転造される）のいずれかから製作されることもある。上記の通り、鉄磁束・リング３８と磁石のサブアセンブリは、ハウジング３２の合成樹脂材でほぼ包封されている。合成樹脂ハウジング３２が、別個の部分として成形され、次に、鉄磁束・リング３８と磁石のサブアセンブリが、合成樹脂ハウジング３２に挿入（例えば、圧入）されるか、あるいは、合成樹脂材が、鉄磁束・リング３８と磁石のサブアセンブリを覆うように成形されて、合成樹脂ハウジング３２を形成することもある。

軸受４２が、別個の構成部品として成形されて、合成樹脂ハウジング３２に圧入されるか、あるいは、合成樹脂モータ・ハウジング３２を成形した直後に、デュアル・ショット・プロセスで成形されることもある。モータ・ハウジングの材料が妥当でないことが判明した場合には、軸受４２は、スラスト軸受機能を組み入れる。

図７は、合成樹脂ハウジング３２’の他の実施形態を示している。自動調心軸受４２が、合成樹脂ハウジング３２’内に設けられて、合成樹脂構造物３２’に一体成形された軸受保持構造物４８により、合成樹脂ハウジング３２’内で保持されている。軸受保持構造物４８は、軸受４２を所定の位置に保持できる撓み性の突起またはタブの形式を取ることがある。したがって、別個の軸受保持リングを必要としない。

合成樹脂ハウジング３２、３２’の開示されたすべての実施形態は、この軸受付近の端部が閉鎖されることを示しているが、合成樹脂ハウジング３２、３２’の端部は、軸受４２の穴と協働して、軸受４２で支えられる軸が合成樹脂ハウジング３２、３２’から突出できるようにしている穴を含むものと理解できる。さらに、軸を回転するように支えるためにグリースを塗った軸受穴を設けた表面が合成樹脂ハウジング３２に含まれるときには、軸受４２を排除できる。

一般に、合成樹脂ハウジング３２、３２’は、電気モータの使用をともなうどんな用途でも使用できる。合成樹脂ハウジング３２、３２’は、自動車ウインドウリフト用途を念頭に置いた上で構成されている。合成樹脂ハウジング３２、３２’の使用の所望の効果は、１）サブアセンブリの総費用の削減、２）製品構成の単純化、３）磁石を合成樹脂ハウジング３２、３２’で包封して、途切れのない環状表面４５（モータが作動している間、空気の乱流によりノイズを起こしかねない表面の途切れがない）を形成することによるモータ・ノイズの減少である。

上記の好ましい実施形態は、これらの好ましい実施形態を使用する方法を例示するだけでなく、本発明の構造上および機能的な原理も例示する目的で図示され、説明されてきた。これらの実施形態は、そのような原理から逸脱しなければ、変更できる。それゆえ、本発明は、「特許請求の範囲」の精神の枠内で、あらゆる変更を含む。

ａは従来のモータ・ハウジング・アセンブリの正面分解図である。ｂは従来のモータ・ハウジング・アセンブリの背面分解図である。 ａは本発明の原理により提供されたモータ・ハウジング・アセンブリの背面図である。ｂはモータ・ハウジング・アセンブリの正面図である。 ａは図２ｂのモータ・ハウジング・アセンブリの正面分解図である。ｂはモータ・ハウジング・アセンブリの背面分解図である。 本発明の原理により提供されたモータ・ハウジング・アセンブリの断面図である。 図４中の線５−５で切断した断面図である。 図４中の線６−６で切断した断面図である。 合成樹脂ハウジング内に設けられた軸受の図であって、本発明の一実施形態による軸受保持構造物を示す図である。

符号の説明

３０ ハウジング・アセンブリ
３２ 合成樹脂ハウジング
３４ 磁石構造物
３８ 鉄磁束・リング構造物
４２ 軸受
４６ タブ

Claims (25)

1. 外側と内側とを持つ鉄磁束・リング構造物と、
   前記鉄磁束・リング構造物の前記内側に取り付けられる磁石構造物と、
   前記鉄磁束・リング構造物の前記外側と、前記磁石構造物の少なくとも一部とをほぼ包封する合成樹脂ハウジングと、
   を含む永久磁石モータ用のハウジング・アセンブリ。
2. 前記合成樹脂ハウジングが閉鎖端と開放端を持ち、また、前記合成樹脂ハウジングの前記閉鎖端に設けられた軸受をさらに含む請求項１に記載のハウジング・アセンブリ。
3. 前記軸受が合成樹脂から構成される請求項２に記載のハウジング・アセンブリ。
4. 前記鉄磁束・リング構造物が、前記鉄磁束・リング構造物の前記内側にタブを含み、また、前記タブが前記磁石構造物に係合し、それにより、前記磁石構造物を前記鉄磁束・リング構造物に固定する請求項１に記載のハウジング・アセンブリ。
5. 前記鉄磁束・リング構造物の一部を、熱放散のために外気にさらすように、前記合成樹脂ハウジングに開口部が設けられている請求項１に記載のハウジング・アセンブリ。
6. 前記磁石構造物が少なくとも２つの永久磁石を含む請求項１に記載のハウジング・アセンブリ。
7. 前記合成樹脂ハウジングと前記磁石構造物が、途切れのない環状表面を形成している請求項１に記載のハウジング・アセンブリ。
8. 前記合成樹脂ハウジングが、前記合成樹脂ハウジングに成形されて、かつ前記軸受を保持する軸受保持構造物を含む請求項２に記載のハウジング・アセンブリ。
9. 外側と内側とを有する、磁束を制御する磁束手段と、
   前記磁束手段の前記内側に取り付けられて、磁束を発生させる磁石手段と、
   前記磁束手段の前記外側と、前記磁石手段の少なくとも一部とをほぼ包封する合成樹脂ハウジングと、
   を含む永久磁石モータ用のハウジング・アセンブリ。
10. 前記合成樹脂ハウジングが閉鎖端と開放端を持ち、また、前記合成樹脂ハウジングの前記閉鎖端に設けられた軸受をさらに含む請求項９に記載のハウジング・アセンブリ。
11. 前記軸受が合成樹脂から構成される請求項１０に記載のハウジング・アセンブリ。
12. 前記磁束手段が、前記磁束手段の前記内側にタブを含む磁束・リングであり、また、前記タブが前記磁石手段に係合し、それにより、前記磁石手段を前記磁束手段に固定する請求項９に記載のハウジング・アセンブリ。
13. 前記磁束手段の一部を、熱放散のために外気にさらすように、前記合成樹脂ハウジングに開口部が設けられている請求項９に記載のハウジング・アセンブリ。
14. 前記磁石手段が、少なくとも２つの永久磁石を含む請求項９に記載のハウジング・アセンブリ。
15. 前記合成樹脂ハウジングと前記磁石手段が、途切れのない環状表面を形成している請求項９に記載のハウジング・アセンブリ。
16. 前記合成樹脂ハウジングが、前記合成樹脂ハウジングに成形されて、かつ前記軸受を保持する軸受保持構造物を含む請求項１０に記載のハウジング・アセンブリ。
17. 外側と内側とを持つ鉄磁束・リング構造物を設けるステップと、
    前記鉄磁束・リング構造物の前記内側に磁石構造物を取り付けるステップと、
    前記鉄磁束・リング構造物の前記外側と前記磁石構造物の少なくとも一部をほぼ覆うように合成樹脂材を供給して、ハウジングを形成するステップと、
    を含む、モータ・ハウジング・アセンブリを製造する方法。
18. 前記合成樹脂材が、前記鉄磁束・リング構造物の少なくとも実質的な部分と、前記磁石構造物の一部を覆うように成形される請求項１７に記載の方法。
19. 前記鉄磁束・リング構造物が、前記ハウジングの内側に圧入される請求項１７に記載の方法。
20. 前記ハウジングを形成するステップが、閉鎖端と開放端を含むように前記ハウジングを形成するステップを含み、また、前記ハウジングの閉鎖端に軸受を設けるステップをさらに含む請求項１７に記載の方法。
21. 前記軸受と前記ハウジングが成形され、しかも、前記ハウジングを成形した後で、前記軸受を、デュアル・ショット・プロセスで合成樹脂から成形する請求項１７に記載の方法。
22. 前記軸受を押し付けて、前記ハウジングに係合させる請求項１７に記載の方法。
23. 前記鉄磁束・リング構造物の前記内側がタブを含み、また、前記取り付けるステップが、前記磁石構造物を前記タブと係合させるステップを含む請求項１７に記載の方法。
24. 前記合成樹脂ハウジングが、前記合成樹脂ハウジングに成形された軸受保持構造物を含み、また、前記軸受保持構造物によって、前記軸受を前記合成樹脂ハウジングに保持するステップを含む請求項２０に記載の方法。
25. 前記合成樹脂材を供給するステップが、前記合成樹脂ハウジングと前記磁石手段により、途切れのない環状表面を形成するステップを含む請求項１７に記載の方法。

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