JP2008514272A

JP2008514272A - 異常上皮組織の検出方法

Info

Publication number: JP2008514272A
Application number: JP2007533447A
Authority: JP
Inventors: ブライド，マーク
Original assignee: ジラファーマシューティカルズ，インコーポレイティド
Priority date: 2004-09-28
Filing date: 2004-09-28
Publication date: 2008-05-08
Also published as: WO2006036149A1; CN101026991A; MX2007003619A; EP1793727A1; US20060241494A1; EP1793727A4; BRPI0419095A; CA2549726A1; AU2004323582A1

Abstract

異常組織を選択的に同定する波長ピークを有する光の下で、波長ピークを透過するが他の波長の透過を阻止するレンズを通して組織を観察することにより、異常組織の視認性は通常の周囲光の存在下で高められる。

Description

本発明は、腫瘍表現型を内包しうる異常上皮組織を検出する方法に関する。
他の実施態様では、本発明は、癌性であるか又は最終的に浸潤癌を発達させうる異常を検出するために、上皮組織についてリアルタイムin vivo試験を行うための改良法に関する。

癌診断を受ける際に少なくとも二ヶ月遅れた患者は、少ししか遅れなかった患者にくらべて有意に高い死亡の相対危険率を有する。こうして、患者が、より定期的に効果的な癌スクリーニングにかかるならば、癌の死亡リスクは低減するであろう。それゆえ、浸潤癌の存在又は浸潤癌の最終的な発達を示しうる腫瘍表現型を内包しうる異常粘膜組織を検出するための単純で迅速なスクリーニング試験への必要性が存在した。

異常上皮組織を、選択的光実験を使用してin vivoにおいてリアルタイムで視覚的に同定し、そして場所を決定することができる。当該実験は、従来の医学及び歯学実験に付属するものとして行われる迅速かつ安価なスクリーニングに見事に適している。例示的に、本明細書中に援用される米国特許第5,179,938号及び第5,329,938号は、４５０、５５０、及び５８０ｎｍでスペクトル・ピークを有する可視の緑、青、及び場合により赤のスペクトルで照射する化学発光光源を備える装置を記載する。通常の周囲光を抑制したかかる照射の下では、異常な粘膜組織は白色に見える。例示的に、こうしたin vivo試験を行うためのかかる選択的光デバイスは、Ｖｉｚｉｌｉｔｅ(登録商標)の下で、Zila Pharmaceuticals Inc., Phoenix, Arizona、 USAから市販されている。

こうした光源を使用する異常粘膜組織の選択的可視化は、試験される組織上に当たる通常の周囲光（太陽光又は通常の人工光）により妨げられ、その結果、こうした試験を行うための標準方法は、試験が行われる部屋を暗くすることを必要とする。これは厄介であるばかりでなく、広い窓を有する部屋で試験が行われる場合、又は他の患者についての他の処置が通常の慣習的な照明がある同じ部屋内で行われる場合、不可能であることもある。

本発明の第一の目的は、こうした選択的な光試験が行われる部屋を暗くすることなく、当該選択的光試験を行うための方法を提供することである。通常の周囲光の存在下で行うことができる選択的な光試験方法が開示される。

発明の簡単な記載
簡潔に記載すると、異常の可能性のある組織について上皮組織をスクリーニングする本発明は、以下の：
前もって選択された波長の光で上皮組織の解剖領域全体を照射し（ここで、当該光は、当該領域全体上の異常な組織部位を可視化するのに選択的に役立つ）、
そして予め選択された波長のみの光を透過するが、一方予め選択された波長以外の波長の周囲光の透過を実質的に阻害するフィルター・レンズをとおして照射された組織の領域全体を観察し、
そうして通常の周囲光の存在下で、異常組織部位の選択的可視化を高める
を含む。

本発明の詳細な記載
以下の実施例は、当業者が本発明を理解し、そして実行することを可能にし、そして本発明の現在好ましい実施態様を同定することを可能にするように示される。これらの実施例は、例示目的のために提供され、そして添付の特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を指し示すものではない。

実施例１
口腔の従来の視覚化実験が行われ、付着歯肉、頬粘膜、口腔底、硬口蓋及び軟口蓋、舌の側面部（lateral tongue）及び舌の腹部（ventral tongue）におけるいずれかの傷の存在を示す。当該従来の実験により示される傷の全てが記録される。

実施例２
実施例１の従来の実験を完了した後に、患者は次に、１％酢酸溶液で最大１分間口をすすぎ、そして吐き出すように指示される。

Lonkyの米国特許第5,329,938号に記載される化学発光光源は、VIZILITE(登録商標)で市販されており、可動性の外側カプセルを曲げ、もろい内部のバイアルを破壊することにより活性化される。当該カプセルは、次にシェイクされ、そして開創器中に入れられる。産生された光は、図１に記載されるように、約４５０ｎｍ、５５０ｎｍ、及び約６００ｎｍの赤色領域における小さいピークを有する。これらのスペクトル・ピークは、青白い光を産生する。

臨床医は次に、図２に記載されるように４００〜６００ｎｍの波長の光のみを透過するレンズで製造された眼鏡をかける。この眼鏡は、上及び横から臨床医の目に到達する光を最小限にするような形にされる。この眼鏡は、Zila Pharmaceuticals, Inc., Phoenix, ArizonaからVIZILITE(登録商標)で市販されている。

通常光源からの周囲光を低減することなく、口腔の視覚化試験は、当該光源により産生された照明を使用して繰返され、白色に見える傷又は他の疑いのある組織を捜し、実施例１の従来の実験で気づいた疑いのある全ての組織部位に特別の注意を払った。白色又は青白色に見える部位全てを示し、そして記録した。

示された部位について、例えば標準組織学についての生検、又は分子分析により更なる評価を行って、当該組織が癌性であるか又は浸潤癌を最終的に発達させる経路にある突然変異を内包するかを決定した。

当業者が本発明を理解しそして実行できるように本発明を記載し、そして現在好ましい実施様態を同定した。

VIZILITE(登録商標)の化学発光光源により産生される光のスペクトル。 VIZILITE(登録商標)の眼鏡のレンズの透過率。

Claims

異常の可能性のある組織部位について上皮組織をスクリーニングする方法であって、当該方法が以下の：
（ａ）上皮組織の解剖領域の全体を、予め選ばれた波長の光で照射し、ここで当該光は、当該領域全体上の異常組織部位を選択的に可視化するのに役立ち；そして
（ｂ）当該予め選ばれた波長の光を透過する一方、当該予め選ばれた波長以外の波長の光の透過を実質的に遮断するフィルターレンズをとおして当該領域全体を観察して、通常の周囲光の存在下で、当該異常組織部位の全ての可視化を高める
を含む、前記方法。
異常上皮組織を検出する方法であって、以下の：
上皮組織の領域を少なくとも１の予め選ばれた波長を有する光で照射し、その結果、当該光が当該領域から反射され、それにより反射光を創出し；
当該少なくとも１の予め選ばれた波長以外の波長を実質的に取り除くために反射光をフィルターにかけ、それによりフィルターにかけられた光を創出し；そして
当該フィルターにかけられた光を観察する
を含む、前記方法。
前記フィルターにかけられた光が白色であるかを決定することをさらに含む、請求項２に記載の方法。
前記フィルターにかけられた光が白色である場合、当該方法がさらに、前記領域を評価することを含み、ここで当該評価が組織生検、組織学的分析、又は分子分析からなる群から選ばれる一つである、請求項３に記載の方法。
前記少なくとも１の予め選ばれた波長が、約４００ｎｍ〜約６００ｎｍである、請求項２に記載の方法。
前記異常上皮組織が、腫瘍表現型を含む、請求項２に記載の方法。
前記光がさらに周囲光を含み、そして前記フィルターにかけるステップが当該周囲光を実質的に取り除く、請求項２に記載の方法。
前記照射ステップが、化学発光光源から放出される光を上皮組織の領域に向けることを含む、請求項２に記載の方法。
前記少なくとも１の予め選ばれた波長が、約４５０ｎｍの第一波長、約５５０ｎｍの第二波長、そして約６００ｎｍの第三波長を含む、請求項２に記載の方法。
フィルターを有する眼鏡を提供することをさらに含み、ここで反射された光をフィルターにかける前記ステップが、当該反射された光を眼鏡を用いてフィルターにかけることを含む、請求項２に記載の方法。