JP2004527299A - 体腔内に位置する腫瘍組織を観察するための方法 - Google Patents
体腔内に位置する腫瘍組織を観察するための方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、哺乳動物の身体の体腔または内臓を観察するための方法に関する。より詳細には、本発明は、可視光の範囲にある光によって励起される蛍光性標的指向化構築物(fluorescent targeting construct)を用いて、体内部位にある腫瘍組織を検出するための方法に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、1999年7月28日に提出された米国特許出願第09/362,805号の一部継続出願であり、米国特許出願第09/362,805号は、「体腔内に位置する罹患組織を観察するための方法(Method For Viewing Diseased Tissue Located Within A Body Cavity)」と題する1998年10月15日に提出された米国特許出願第09/173,190号の一部継続出願である。これらはそれぞれ、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
多くの固体材料および液体材料は元来、紫外光の照射を受けると蛍光放射を発する。しかし、この放射は、強度の低い広範囲の波長帯にわたることがある。多くの自然物の場合には、一部には、被験試料中に存在する多くの異なる化合物から同時に放出される天然蛍光のために、観察所見が不明瞭になる。このため、顕微鏡などの画像化装置では、観察中の対象から放出されている望ましくない蛍光を除外するために、選択したUV波長帯用のフィルターを用いることが知られている。
【0004】
医学的用途においても同じような問題が生じるが、これは腫瘍組織および健常組織の両者が、波長は異なるものの蛍光を元来発するためである。このため、健常組織のバックグラウンドから腫瘍を検出するためにUVで活性化される蛍光を用いる場合には、腫瘍の同定は困難である。しかし、身体の他のほとんどの細胞とは異なり、腫瘍細胞にはヘマトポルフィリン誘導体色素を濃縮して貯留する生得的な能力がある。この発見に基づき、腫瘍からの蛍光を正常なバックグラウンド組織のものよりも強めることを目的として、ヘマトポルフィリン誘導体蛍光色素を投与し、検査対象の腫瘍内部で濃縮させる技法が開発された。ヘマトポルフィリン色素は、610〜700nmの蛍光スペクトルの範囲内の蛍光を発し、このスペクトルは検出が容易である。しかし、健常細胞からの天然蛍光は色素からの蛍光よりもはるかに強く、蛍光スペクトルもさらに幅広い。このため、腫瘍の診断に蛍光色素を用いることは必ずしも成功していない。
【0005】
内視鏡システムの場合には、内臓に可視光線を照射して観察可能な画像を入手し、その後に内臓に対して、一定期間を経て腫瘍内に濃縮される蛍光色素を塗布する。色素を濃縮させた後に、色素に対する励起照射を行って第2の蛍光像を得る。内臓の可視光線照射によって生じた画像を蛍光によって生じた画像と比較することにより、癌などの異常組織または罹患組織を有する身体部位を同定しうると思われる。受け取った画像の観察を補助するために、内視鏡システムでは一般に、外部照射源からの光線を内臓に導くためのガイド用光ファイバーおよび罹患部の蛍光像を観察用のテレビモニターに伝送するためのもう1つのガイド用光ファイバーを有する光ファイバースコープと接続されたテレビカメラを用いる。これらの2つのアプローチが、米国特許第4,821,117号に開示されたタイプの方法では統合されており、この場合には蛍光色素を被験対象に適用して腫瘍内に濃縮させた後に、罹患部位に対して可視光および蛍光団の励起波長による照射を交互に行う。可視光および蛍光によりTVカメラを用いて独立に得られた対象の画像をメモリに保存し、テレビモニターに同時に表示して、身体部位の罹患部を健常バックグラウンド組織と視覚的に鑑別する。
【0006】
米国特許第4,786,813号に記載されたようなもう1つのタイプの手順では、光分離システム(beam-splitting system)により、光学系を通過する蛍光放射光を、受け取った各波長領域に対応する対象の各画像を構成する少なくとも3つの部分に分ける。検出器により、対象の単一の点に対応する各画像点に対する累積加重信号が得られる。対象のさまざまな点の加重信号値から、コントラストが改善された対象の画像が得られる。この技法は、罹患組織からの蛍光と健常組織によって生じた蛍光との識別に役立てるために用いられる。
【0007】
内視鏡装置からの画像を観察するためのさらにより複雑な方法では、テレビジョン走査装置を用いる。例えば、米国特許第4,719,508号は、画像信号を保存するための第1のフレームメモリに入力される画像信号を連続的に生成するための画像センサーと、第1のフレームメモリから連続的に読み出される画像信号のインターレース処理および保存を行うための第2のフレームメモリとを内視鏡に含んだ、内視鏡写真撮影装置を用いる方法を開示している。保存されたインターレース画像信号は、罹患した身体部位を観察するのに役立つ表示用のTVモニターに送られる。
【0008】
これらの先行技術の内視鏡システムは、関心対象領域の画像の写真技術的な処理(すなわち、TVモニターを介する)に依拠しており、有効ではあるものの、ますます複雑かつ高価になる装置にこれまで依拠している上に、画像処理せずに罹患した身体部位を直接観察する代わりに、何らかの種類のカメラまたは画像処理装置などにより、診断画像を構築するための画像処理(すなわち、間接的画像化)を行っている。
【0009】
自然な体内プロセスによって腫瘍内に濃縮されるある種の蛍光色素は、診断および治療の目的を果たすためのレーザーによって生じるものに対応する波長で励起させることができる。このため、内視鏡システムを蛍光色素とともに用いる手順においては、レーザーも用いられ、腫瘍を画像化および治療する。この一般的な方法の1つの態様において、一方では組織に損傷をもたらす熱は発生させずに蛍光を励起し、もう一方では周囲組織を破壊するのに十分な熱を色素内に発生させる、2種の異なる波長のレーザー光および/またはレーザー出力のレーザー光を吸収する色素を用いる。例えば、米国特許第第4,768,513号は、腫瘍を含むことが疑われる身体部位に対して、通常は局所注射により、色素を適用する手順を開示している。1日間にわたって色素を腫瘍内に濃縮させて健常組織から除去した後に、既知の強度の白色光、および蛍光励起性レーザー光という2つの光源からのパルスを身体部位に交互に照射する。入射光の角度のばらつきなどに起因する蛍光強度のばらつきを補償するために、白色光の既知の強度を基準として蛍光強度を算出することにより、腫瘍画像化のコンピュータによる画質向上を図る。この方法を用いて検出された腫瘍の除去は、蛍光団が集まった癌組織を破壊するためにレーザーを発熱波長に切り替えることによって達成される。
【0010】
この種の方法は腫瘍の診断および治療のためには有効であるが、大きな欠点が2つある。腫瘍以外の病状を診断できない点、および、レーザーによる観察は、色素の蛍光色素の投与後に、色素を健常組織から排出させるために2日またはそれ以上の期間を遅らせて行う必要がある点である。
【0011】
腫瘍に対して特異的なモノクローナル抗体および他のリガンドが、組織試料およびインビボの双方における腫瘍の診断に用いることを目的として開発されている。この種のリガンドに加えて、ある種の腫瘍集積性(tumor-avid)部分は、腫瘍細胞によって選好的に取り込まれる(さらに選択的には腫瘍細胞によって代謝される)。周知の腫瘍集積性化合物に、腫瘍細胞における解糖に重要な役割を果たすデオキシグルコース、ならびに腫瘍細胞、特に内分泌腫瘍においてソマトスタチン受容体と結合するおよび/またはそれによって取り込まれるソマトスタチンの2つがある。
【0012】
この種の研究において、デオキシグルコースは、フルオロデオキシグルコース(18F-デオキシグルコース)などの、さまざまな型の腫瘍の検出用の放射性標識部分として用いられる。腫瘍細胞は、グルコース消費と、嫌気的解糖が頼らざるおえないグルコース送達との間のずれに直面し、そのために腫瘍組織中の放射性標識の濃度が上昇すると考えられている。また、悪性腫瘍におけるデオキシグルコースの上昇が、天然型グルコースまたはその類似体に対する親和性が異常であるヘキソキナーゼのイソ酵素の存在によって生じている可能性もある(A. Gjedde、第6章:「グルコース代謝(Glucose Metabolism)」、「核医学の原理(Principles of Nuclear Medicine)」第2版、W. B. Saunders Company, Philadelphia, PA, p.54-69)。同様に、ソマトスタチンが腫瘍組織に濃縮されることから、放射標識したソマトスタチンおよびその断片または類似体は、ソマトスタチン受容体シンチグラフィー(SRS)として公知の手順において、さまざまな型の腫瘍の非侵襲性イメージングのために当技術分野で用いられている。
【0013】
これらの技法は、腫瘍組織の存在を判定するにはかなりの成果を収めているが、放射性同位元素によって得られる画像を描出するための装置が必要なため、シンチグラフィー法を外科手術中に行うことは困難である。しかしながら、費用および時間がかかる画像処理装置を必要とせずに、罹患組織の輪郭をリアルタイムで「見る」のに最も有用と考えられるのは、まさに、外科医が切開を加えた時点または体腔内に手を入れた時点である。
【0014】
したがって、当技術分野には、画像処理装置を用いることを必要とせずに、疾患部位と推定される広い範囲を直接観察するために用いうる、新たなより優れた方法に対する需要が存在する。リアルタイム観察が内視鏡装置による、直接観察(画像処理装置によって生成される画像ではなく、写真画像の生成)の場合には、それに必要な装置が、画像を処理するため、またはこの種の画像から写真技術による表示画像を生成するために必要な装置よりも比較的用いやすく、高価でないという別の利点もある。さらに、当技術分野には、外科手術中に罹患組織または異常組織を同定する方法であって、外科医が罹患組織または異常組織の輪郭を「見ながら」、同定した組織の即時摘出または生検を実施しうるような方法に対しても需要がある。
【発明の開示】
【0015】
発明の概要
本発明は、罹患組織のインビボ同定のための、それを必要とする対象における方法を提供することにより、当技術分野におけるこれらの問題の多くを克服する。本発明の方法は、罹患組織を含む対象のインビボ身体部位に対して、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光を照射することを含む。対象に投与されて、身体部位内の罹患組織と特異的に結合した、および/またはそれによって取り込まれた蛍光性標的指向化構築物から、少なくとも1つの励起波長に反応して発せられた蛍光を直接観察し、対象における罹患組織の位置および/または表面積を判定する。
【0016】
もう1つの態様において、本発明は、手術中に診断手順を利用するための、それを必要とする対象における方法を提供する。本発明の診断方法のこの態様では、罹患組織を含む対象のインビボ身体部位に、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光を照射する。対象に事前に投与され、身体部位内の罹患組織と特異的に結合した、および/またはそれによって取り込まれた、少なくとも1つの励起波長に反応して蛍光を発する標的指向化構築物が、標的指向化構築物から直接観察される蛍光により判定される対象において、罹患組織の位置および/または表面積を判定するために直接観察され、罹患組織の少なくとも一部が除去される。
【0017】
さらにもう1つの態様において、本発明は、腫瘍組織のインビボ診断のための、それを必要とする対象における方法を提供する。本態様において、本発明の方法には、対象から入手したインビトロの腫瘍細胞の試料と、各々が別の型の腫瘍と結合する、または選択的に取り込まれる、複数の、検出可能に標識された化合物とを接触させ、どの化合物が試料腫瘍細胞と結合または取り込まれるかを判定することが含まれる。試料腫瘍細胞と結合すること、および/またはそれによって取り込まれることがこのプロセスによって判定された、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光に反応して蛍光を発する化合物を含むように、生体適合性のある蛍光性標的指向化構築物を加工する。インビボ身体部位内の腫瘍組織の位置および/または表面積は、標的指向化構築物の診断的有効量を対象に投与し、標的指向化構築物をインビボ腫瘍細胞と結合させ、または取り込ませた上で、腫瘍組織と結合した、またはその中に取り込まれた標的指向化構築物から、必要な励起波長を与える光による腫瘍組織の照射に反応して発せられる蛍光を直接観察することで診断される。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は、罹患組織のインビボ同定のための、それを必要とする対象における方法を提供する。本発明の方法は、罹患組織を含む対象のインビボ身体部位に対して、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光を照射することを含む。対象に投与されて、身体部位内の罹患組織と特異的に結合した、および/またはそれによって取り込まれた蛍光性標的指向化構築物から、少なくとも1つの励起波長に反応して発せられた蛍光を直接観察し、対象における罹患組織の位置および/または表面積を判定する。
【0019】
401nm〜500nmの波長範囲を有する光は、約4nm〜約400nmの不可視範囲にあるUV光とは異なり、可視範囲のスペクトルにある。このため、本発明の診断方法の実施に用いられる励起光は、周囲組織を照射することに加えて、本発明の方法の実施に用いられる蛍光性標的指向化構築物から蛍光も励起させる少なくとも1つの波長を含むと考えられる。励起光は単色性でも多色性でもよい。この種のバックグラウンドの影響によって所望する診断画像が不明瞭になる傾向を補償するためには、励起光の中の約500nmを超える波長を遮断するためのフィルターを用い、それによって、健常組織から反射して蛍光像の解像度の損失をもたらす可能性のある波長を除外することが好ましい。または、用いる蛍光団のピーク発光波長以外の波長を実質的に遮断するフィルターを通して診断部位を観察することも可能である。例えば、蛍光性標的指向化構築物が520nmという既知のピーク発光波長の蛍光を発する場合には、約520nm以外の光の波長を実質的に除外するフィルターを選択するとよい。本発明の診断方法の実施におけるフィルターの使用は、本発明の診断方法に対して適用される「直接観察すること」という用語に含まれることを明示的に意図している。
【0020】
1つまたは複数のフィルターを、選択した波長帯にある光の波長を遮断するため、または当技術分野で周知の狭帯域にあるものを除くすべての波長を遮断するために用いることには、診断者または医師が診断手順中に装用するフィルター用眼鏡のような単純な装置を用いることも含まれる。フィルターは偏光フィルターでも非偏光フィルターでもよい。例えば、青色フィルターは一般に、紫外光のほかに青色の範囲よりも波長の長い可視光を遮断する。この種のフィルターは、青色の範囲にある蛍光を発する蛍光団からのエミッタンスを観察するのに特に有用である。
【0021】
本発明の診断方法の実施に有用な発光スペクトルの波長の光を生成する頭上からの手術灯、例えばブラックランプまたはウッド灯(「ブラックライトブルー」と呼ばれることもある)などを、手術室に装備することができる。この種の光は単に、観察者(例えば、外科医)の眼が直接受け取る蛍光像のほとんどが視野内の蛍光団から発せられる蛍光像となるように、手術室にある他の光源を消灯し(検査中の身体部位内の組織から反射して観察される可能性のある余分な光を除去するため)、体腔内部または外科的に作成された開口部に励起光を照射することにより、本発明の診断方法の実施に利用することができる。光源から発せられた401〜500nmの範囲の光をフィルターに通すことは、蛍光性部分からのものを除く、身体部位から反射される光をできるだけ抑制するか除去して、観察者による直接観察という目標を達成する助けになると考えられる。
【0022】
401nm〜500nmの波長範囲にある光は組織に容易に吸収される。したがって、本発明の診断方法では、罹患組織(および結合するか取り込まれた標的指向化構築物)を、励起光に「曝露」させる(例えば、外科的に作成した開口部により、または内部位置への光の内視鏡的送達により)。本発明の方法は、生検または外科的摘出の手順を容易にするために罹患組織を「そのまま見える(in plain view)」(すなわち、ヒトの眼に曝される)ようにする、対象の内部、例えば本来の体腔内または外科的に作成した開口部の内部などに位置する罹患組織のインビボ検出に特に適している。腫瘍組織の正確な位置および/または表面積を本発明の診断手順によって容易に判定しうるため、本発明の方法は、手術の進行中に腫瘤の正確な輪郭、大きさなどをリアルタイムで「見る」必要のある外科医にとって有意義な指針となる。
【0023】
罹患部位と推定される部位が本来の体腔または外科的に作成した内部部位であれば、選択的には、励起光をその部位に送達するため、体腔内のその部位から発せられる蛍光を受け取るため、および罹患組織からの蛍光の直接画像の形成を補助するために、内視鏡装置を用いることができる。例えば、内視鏡装置内のレンズを、結像の補助器具として、検出した蛍光に焦点を合わせるために用いることができる。本明細書で用いる場合、内視鏡により送達されるこの種の蛍光は臨床医によって「直接観察」されると表現され、標的指向化構築物が結合する、もしくはそれが取り込まれる組織は、本発明の診断手順に用いられる光は赤外付近の範囲にある波長のように組織を通過する光を含まないと考えられため、内視鏡から「そのまま見える」必要がある。または、上記の通り、励起光を何らかの好都合な手段により、本明細書の記載の通りに投与された標的指向化構築物を含む体腔内または外科的開口部内に導き、そのようにして生成された蛍光像を、内視鏡の助けを借りずに観察者の眼によって直接観察してもよい。何らかの種類の内視鏡装置の利用の有無にかかわらず、本発明の方法によって生成される蛍光像は、CCDカメラ、TVモニター、光子収集装置などの画像処理装置の助けを借りずとも観察しうるものである。
【0024】
本発明の診断方法の1つの態様では、生検または外科的摘出の手順が容易になるように、罹患組織または異常組織を、外科的開口部を通して同時に観察する。罹患組織の位置および/または表面積が本発明の診断手順によって容易に判定されるため、本発明の方法は、手術の進行中に切除のために腫瘤の正確な輪郭、大きさなどを知る必要のある外科医にとって有意義な指針となる。
【0025】
したがって、本態様において、本発明は、手術中に診断手順を利用するための、それを必要とする対象における方法であって、罹患組織を含む対象のインビボ身体部位に、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光を照射すること、その少なくとも1つの励起波長に反応して蛍光を発する標的指向化構築物である、対象に投与されて、身体部位内の罹患組織と特異的に結合した、および/またはそれによって取り込まれた標的指向化構築物から発せられた蛍光を直接観察すること、対象における罹患組織の位置および/または表面積を判定すること、ならびに腫瘍組織の少なくとも一部を除去することを含む方法を提供する。
【0026】
さらにもう1つの態様において、本発明は、腫瘍組織のインビボ診断のための、それを必要とする対象における方法を提供する。本態様において、本発明の方法は、対象から入手したインビトロの腫瘍細胞の試料を、それぞれが特異な型の腫瘍と結合する、またはそれによって選択的に取り込まれる、検出可能な標識がなされた複数の化合物と接触させること、どの化合物が試料腫瘍細胞と結合するか、またはそれによって取り込まれるかを判定すること、試料腫瘍細胞と結合すること、および/またはそれによって取り込まれることが判定された化合物、ならびに約401nm〜約500nmの範囲の光の少なくとも1つの波長に反応する蛍光団を含む、少なくとも1つの生体適合性のある蛍光性標的指向化構築物の診断的有効量を投与すること、ならびに、インビボ身体部位内の腫瘍組織の位置および/または表面積を、腫瘍組織と結合した、またはその中に取り込まれた標的指向化構築物から、少なくとも1つの励起波長を蛍光性標的指向化構築物に与える光による照射に伴って発せられた蛍光を直接観察することによって診断すること、を含む。
【0027】
本発明の方法の1つの態様において、照射された身体部位から(すなわち、罹患組織と結合する、またはそれによって取り込まれる蛍光性標的指向化構築物から)発せられる蛍光の生成は、単一の種類の蛍光性部分に依拠する。ある種の健常組織は元来、蛍光を発するため、このような場合には、周囲の健常組織を可視化する可視範囲にある光の波長を十分には含まない、ある主要な励起波長を有する蛍光性部分を、標的指向化構築物向けに選択することが重要である。このため、本発明の本態様の実施に用いられる光源は、約401nm〜約500nmの範囲の光を発する。
【0028】
代替的な態様において、本発明の方法は、最初の蛍光性標的指向化構築物および/または相互同士と結合して標的組織から発せられる蛍光を増強する1つまたは複数の補足的な蛍光性標的指向化構築物(例えば、蛍光団が結合した抗体またはその生物活性断片)を対象に投与する段階をさらに含んでもよい。例えば、蛍光標識した抗蛍光団抗体を投与し、事前に投与した何らかの蛍光標識抗体または腫瘍集積性分子と結合させてもよい。補足的な蛍光性標的指向化構築物の目的は、最初に投与した標的指向化構築物の標的指向化リガンドからの蛍光強度を増大させ、それによって身体部位内の罹患組織または異常組織の検出を促すことにある。
【0029】
標的指向化構築物を、検査中の部位に存在する可能性のある標的組織と結合させる、および/またはそれによって取り込ませ、続いて、補足的な蛍光性標的指向化構築物の投与の前に、補足的な蛍光性標的指向化構築物からの蛍光が、身体部位内に存在する任意の標的組織の存在を検出するのに役立つ可能性をできるだけ高めるために、結合していないすべての標的指向化構築物を身体部位から実質的に除去する(例えば、洗浄する)ことは一般に優れたやり方である。通常、補足的な蛍光性標的指向化構築物は、標的組織からの蛍光信号を増大させるために逐次的に投与される。例えば、蛍光性標的指向化構築物が乳癌抗原に対して特異的なヒト化IgGモノクローナル抗体を含む場合、次に投与される蛍光性標的指向化構築物が抗フルオレセインなどの抗蛍光団抗体を含み、3番目に投与される蛍光性標的指向化構築物が抗イディオタイプ抗体を含んでもよい。当業者は、それぞれが標的指向化構築物または以前に投与された補足的な蛍光性標的指向化構築物の1つもしくは複数と特異的に結合する、逐次的に投与される蛍光性標的指向化構築物の組み合わせを考案することができる。この際には、本発明の方法の実施に用いられる種々の標的指向化構築物のすべてから同時に蛍光を励起させるために用いる必要のある異なる抗原の数をできるだけ少なくするために、標的組織の同定に用いる蛍光性標的指向化構築物のすべてが、最初に投与した標的指向化構築物と同じ波長帯または同じ波長の蛍光を発する蛍光団(例えば、最初に投与した標的指向化構築物における本発明の光の波長に感受性のある蛍光物質)を含むことが好ましい。
【0030】
さらにもう1つの態様において、本発明の方法は、身体部位内の健常組織もしくは構築物と特異的に結合する、またはそれによって取り込まれる、少なくとも1つの補足的な蛍光性標的指向化構築物(例えば、蛍光団が結合した抗体またはその生物活性断片)を対象に投与する段階であって、照射光に反応した補足的な蛍光性標的指向化構築物からの蛍光が、標的組織と特異的に結合する、またはそれによって取り込まれるように選択された蛍光性標的指向化構築物からのものとは異なる色調(すなわち、異なる波長)であるような段階をさらに含む。正常標的組織および罹患または異常標的組織を標的とする標的指向化構築物中の蛍光団から発せられる蛍光の色調の違いは、観察者が標的組織の位置および大きさを判定する助けとなる。補足的な蛍光団を用いることで、正常組織から発せられるあらゆる自然蛍光が、身体部位内の正常組織を標的とする補足的な標的指向化構築物中の蛍光団から発せられる蛍光によって覆い隠されるという利点が得られる。正常組織および標的組織から発せられる蛍光間の色調の違いが大きいほど、観察者が標的組織の輪郭および大きさを観察することが容易になる。例えば、赤色光を生じる蛍光団を含んだ蛍光性標的指向化構築物を標的組織(すなわち、異常組織)に向け、緑色光を生じる蛍光団を正常組織に向けることは、観察者が標的組織を正常組織と識別する助けとなる。当業者は、視覚的に明瞭な色調のコントラストを呈する蛍光団の組み合わせを容易に選択することができる。
【0031】
本発明の方法の実施に用いられる光のスペクトルは、標的指向化構築物、または標的指向化構築物の内部に含まれる生体適合性のある蛍光性部分の主要な励起波長に対応する少なくとも1つの波長を含むように選択される。一般に、本発明の方法の実施に用いられる励起光は、約401nm〜約500nmの波長範囲にある光の少なくとも1つの励起波長を含む。
【0032】
しかし、異なる波長の蛍光を発する標的指向化リガンドの組み合わせを本発明の実施に用いる場合には、励起光のスペクトルは、用いる蛍光団のそれぞれに対して少なくとも1つの励起波長を与える必要がある。例えば、正常組織を罹患組織と識別するために異なる色調の蛍光団を用いる場合には、光の励起スペクトルが正常組織および標的組織を標的とする蛍光団に対する励起波長を含むことが特に重要である。
【0033】
標的指向化構築物または補足的な蛍光性標的指向化リガンドの蛍光性部分は、生体適合性があり(例えば、インビボ投与に適する)、本明細書に記載の励起光に反応して蛍光を発する任意の化学的部分またはタンパク質部分でありうる。標的指向化リガンドは生きた組織に投与されるため、生体適合性には、投与される用量で、全身投与される場合には個体の全身状態に対して、または局所投与される場合には標的組織に対して、実質的な毒性作用がないことが含まれる。本発明の実施に用いうる蛍光団の非制限的な例には、フルオレセイン、ミトラマイシンおよびカスケードブルー(cascade blue)など、ならびにそれらの2つまたはそれ以上の組み合わせが含まれる。
【0034】
401nm〜約500nmの範囲の励起波長に反応して蛍光を発する蛍光化合物のそのほかの非制限的な例を以下の表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
生体適合性のある蛍光団の蛍光特性はよく知られている、または当業者によって容易に決定しうるため、熟練した臨床医は有用な蛍光団または有用な蛍光団の組み合わせを容易に選択し、励起光の波長を蛍光団に対して適合させることができる。そのほかの有用な蛍光団の毒性は、当技術分野で公知の動物試験を用いて評価することができる。
【0037】
標的指向化構築物(例えば、本発明の標的指向化構築物のリガンド部分)は、関心対象の標的組織と特異的に結合する、および/またはそれによって取り込まれるように、例えば、標的組織における疾患または異常状態を特徴付ける、細胞表面または細胞内に含まれる抗原または他の表面上の特徴的要素と結合するように選択することが好ましい。他の診断アッセイ法の場合と同じく、標的指向化構築物が、選択的に標的組織と結合する、もしくはそれによって取り込まれること、または疾患もしくは異常状態と関連のある抗原と結合することが望ましい;しかし、標的組織中の抗原濃度または標的組織に対する標的指向化構築物の親和性が、標的組織を表す蛍光像を視野内の健常な組織または構造に由来するいかなる蛍光とも異なるものとして明瞭に観察することができる程度に、健常組織に対してよりも十分に高い限り、健常な組織または細胞構造とも結合する、またはそれによっても取り込まれるリガンド部分を含む標的指向化構築物を、本発明の方法の実施に用いることもできる。例えば、結腸癌はしばしば癌胎児性抗原(CEA)の存在によって特徴付けられるが、この抗原は健常個体のある種の組織にも伴ってみられる。しかし、癌性結腸組織中のCEA濃度は健常組織で認められるよりも高いことがしばしばであり、このため、抗CEA抗体を本発明の実施に際してリガンド部分として用いることが可能と考えられる。もう1つの例として、デオキシグルコースは健常組織により種々の程度で取り込まれて利用されるが、健常組織におけるその代謝は、心臓などの特定の既知の臓器を除き、腫瘍内よりもかなり低い。このため、体内でのデオキシグルコースの消費パターンを利用し、デオキシグルコースの予想外に高度な取り込みが腫瘍細胞の存在を示す信号となるような、領域の判定に役立てることができる。
【0038】
本発明による1つの態様において、本発明の方法によって検出される疾患または異常状態は、特異的な結合リガンドが知られている既知の標的組織の存在を特徴とする任意の種類でありうる。例えば、さまざまな心疾患が壊死組織もしくは虚血組織の生成またはアテローム硬化組織の生成を特徴とし、それらに対して特異的な結合リガンドが知られている。もう1つの実証的な例として、乳癌はCA15-3、CA19-9、CEAまたはHER2/neuに対するモノクローナル抗体によって同定される癌組織の生成を特徴とする。多くの標的指向化構築物が細胞膜を通過するため、標的組織が、結合リガンドの知られた表面抗原、または細胞内マーカー(すなわち、抗原)のいずれかを産生する細胞によって特徴づけられてもよいと考えている。本発明の方法を用いて同定しうる代表的な病状には、さまざまな種類の腫瘍、細菌性、真菌性およびウイルス性感染症などのさまざまな病態が含まれる。本明細書で用いる「異常」組織には、前癌状態、壊死組織または虚血組織、ならびに結合組織疾患および自己免疫疾患などを伴う組織が含まれる。さらに、本発明の方法を用いて診断または検査を行うのに適した標的組織の種類の例には、心臓、乳房、卵巣、子宮、肺、内皮、脈管、胃腸、結腸直腸、前立腺の組織、内分泌組織など、さらにはそれらの任意の2つまたはそれ以上の組み合わせが含まれる。
【0039】
いくつかの頻度の高い悪性腫瘍に関する抗原の代表的な例、およびそれらが一般に認められる身体の位置を以下の表2に示した。これらの抗原に対する抗体などの標的指向化リガンドは当技術分野で公知である。
【0040】
【表2】
【0041】
本発明の方法の1つの態様において、標的指向化構築物のリガンド部分は、抗体またはその生物活性断片などのタンパク質またはポリペプチドであり、好ましくはモノクローナル抗体である。本発明の方法の実施に用いられる補足的な蛍光性標的指向化構築物も蛍光団が付加されたポリクローナルもしくはモノクローナル抗体であってよい、またはそれを含んでよい。本明細書で用いる「抗体」という用語には、完全な分子のほかに、エピトープ決定基と結合しうるFab、F(ab')2およびFvなどのその機能的断片も含まれる。これらの機能的な抗体断片はそれぞれの抗原または受容体と選択的に結合する能力をある程度保っており、以下のように定義される:
(1)Fab、これは抗体分子の一価抗原結合性断片を含む断片であり、完全な抗体を酵素パパインによって消化して1本の完全な軽鎖および1本の重鎖の一部を得ることによって作製される;
(2)Fab'、これは完全な抗体をペプシンで処理した後に還元し、1本の完全な軽鎖および1本の重鎖の一部を得ることによって入手しうる抗体分子の断片である;抗体分子1つにつき2つのFab'断片が得られる;
(3)F(ab')2、これは完全な抗体を酵素ペプシンで処理し、その後に還元を行わないことによって入手しうる抗体断片である;F(ab')2は2つのFab'断片が2つのジスルフィド結合によって連結した二量体である;
(4)Fv、これは2本の鎖として発現された軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含む遺伝子操作断片と定義される;ならびに
(5)一本鎖抗体(「SCA」)、これは軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域が適したポリペプチドリンカーによって連結され、遺伝的に融合された一本鎖分子となったものを含む遺伝子操作分子である。
【0042】
これらの断片の作製方法は当技術分野で公知である(例えば、Harlow & Lane、「抗体:実験マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manual)」、Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1988を参照されたい。これは参照として本明細書に組み入れられる)。本発明において用いる場合、「エピトープ」という用語は、抗体のパラトープが結合する抗原の任意の抗原決定基のことを意味する。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖などの化学活性のある表面分子団からなり、通常は特定の三次元構造特性ならびに特定の荷電特性を有する。
【0043】
本発明の抗体断片は、抗体のタンパク質加水分解により、または断片をコードするDNAの大腸菌内での発現により、調製することができる。抗体断片は、完全な抗体の従来の方法によるペプシンまたはパパイン消化によって入手することができる。例えば、抗体断片を抗体のペプシンによる酵素切断によって作製し、F(ab')2と呼ばれる5S断片を得ることができる。この断片をチオール還元剤を用い、選択的にはジスルフィド結合の切断によって生じるスルフヒドリル基に対する保護基を用いることによってさらに切断し、3.5S Fab'一価断片を作製する。または、ペプシンを用いる酵素的切断によって2つのFab'断片および1つのFc断片を直接作製する。これらの方法は例えば、Goldenbergによる米国特許第4,036,945号および第4,331,647号ならびにそれらに含まれる参考文献に記載されており、これらの特許はその全体が参照として本明細書に組み入れられる。Nisonhoffら、Arch. Biochem. Biophys. 89: 230, 1960;Porter, Biochem. J 73: 119, 1959;Edelmanら、Methods in Enzymology, Vol.1, p.422, Academic Press, 1967;ならびにColiganら、2.8.1-2.8.10節および2.10.1-2.10.4節も参照されたい。重鎖の分離による一価軽鎖-重鎖断片の形成、断片のさらなる切断、または他の酵素的、化学的もしくは遺伝学的な技法といった抗体の他の切断方法も、断片が完全な抗体によって認識される抗原と結合する限り用いてよい。
【0044】
Fv断片はVH鎖およびVL鎖の会合物を含む。この会合は、Inbarら、Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 69: 2659, 1972に記載されているように非共有的でもよい。または、可変鎖を分子間ジスルフィド結合によって連結すること、またはグルタルアルデヒドなどの化学物質によって架橋させることも可能である。例えば、Sandhu,前記を参照されたい。Fv断片はVH鎖およびVL鎖がペプチドリンカーによって連結したものを含むことが好ましい。これらの一本鎖抗原結合タンパク質(sFv)は、VHドメインおよびVLドメインがオリゴヌクレオチドによって連結したものをコードするDNAを含む構造遺伝子を構築することによって調製する。構造遺伝子を発現ベクターに挿入し、それを次に大腸菌などの宿主細胞に導入する。この組換え宿主細胞は、2つのVドメインがリンカーペプチドによって架橋された一本鎖ポリペプチドを発現する。sFvを作製するための方法は、例えば、Whitlowら、Methods: a Companion to Methods in EnzyMology, 2: 97, 1991;Birdら、Science 242: 423-426, 1988;Packら、Bio/Technology 11: 1271-77, 1993;Sandhu,前記およびLadnerら、米国特許第4,946,778号に記載されており、これらはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0045】
もう1つの抗体断片形態に、単一の相補性決定領域(CDR)をコードするペプチドがある。CDRペプチド(「最小認識単位」」)は、関心対象の抗体のCDRをコードする遺伝子を構築することによって入手しうる。この種の遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成することによって調製される。例えば、Larrickら、Methods: a Companion to Methods in EnzMology, 2: 106, 1991を参照されたい。
【0046】
腫瘍細胞と結合する抗体は、完全なポリペプチドまたは関心対象の少数のペプチドを含む生物的機能のある断片を免疫化抗原として用いて調製しうる。動物の免疫処置に用いるポリペプチドまたはペプチド(例えば、cDNA翻訳物または化学合成に由来するもの)には、必要に応じて担体タンパク質を結合させることができる。ペプチドと化学結合させてよく用いられる担体には、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、チログロブリン、ウシ血清アルブミン(BSA)および破傷風トキソイドなどが含まれる。結合させたペプチドをその後、動物(例えば、マウス、ラットまたはウサギ)の免疫処置に用いる。
【0047】
この種のモノクローナル抗体の調製は従来からの調整法である。例えば、Kohler & Milstein, Nature 256: 495, 1975;Coliganら、2.5.1-2.6.7節;およびHarlowら、「抗体:実験マニュアル(Antibodies: a Laboratoly Manual)」、p.726(Cold Spring Harbor Pub., 1988)を参照されたい(これらは参照として本明細書に組み入れられる)。簡潔に述べると、モノクローナル抗体の入手は、抗原を含む組成物をマウスに注射すること、血清試料を採取して抗体産生の存在を確認すること、脾臓を採取してBリンパ球を入手すること、Bリンパ球を骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを作製すること、ハイブリドーマをクローン化すること、抗原に対する抗体を産生する陽性クローンを選択すること、およびハイブリドーマ培養物から抗体を単離することによって行ってもよい。ハイブリドーマ培養物からのモノクローナル抗体の単離および精製は、十分に確立されたさまざまな技法によって行うことができる。このような単離法には、プロテインAセファロースを用いるアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーが含まれる。例えば、Coliganら、2.7.1-2.7.12節および2.9.1-2.9.3節;Barnesら、「免疫グロブリンG(IgG)の精製(Purification of Immunoglobulin G(IgG))」、Methods in Molecular Biology, Vol.10, p.79-104(Humana Press, 1992)を参照されたい。
【0048】
本発明の抗体を類人猿抗体から得ることもできる。治療的に有用な抗体をヒヒで産生するための一般的な技法は、例えば、Goldenbergら、国際特許公報・国際公開公報第91/11465号(1991)およびLosmanら、1990, Int. J. Cancer 46: 310に記載されており、これらは参照として本明細書に組み入れられる。または、治療的に有用な抗体を「ヒト化」モノクローナル抗体から得ることもできる。ヒト化モノクローナル抗体は、マウス免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域由来のマウス相補性決定領域をヒト可変ドメインに導入した後に、フレームワーク領域内のヒト残基をマウスのものに置き換えることによって作製される。ヒト化モノクローナル抗体に由来する抗体成分を用いることにより、マウス定常領域の免疫原性に伴う問題が回避される。マウス免疫グロブリン可変ドメインのクローニングのための一般的な技法は、例えば、Orlandiら、Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 86: 3833,1989に記載されており、これはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。ヒト化モノクローナル抗体の作製のための技法は、例えば、Jonesら、Nature 321: 522, 1986;Riechmannら、Nature 332: 323, 1988;Verhoeyenら、Science 239: 1534, 1988;Carterら、Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 89: 4285, 1992;Sandhu, Crit. Rev. Biotech. 12: 437, 1992;およびSingerら、J. Immunol. 150: 2844, 1993に記載されており、これらは参照として本明細書に組み入れられる。
【0049】
また、エピトープを模倣するモノクローナル抗体の作製に抗イディオタイプ技術を用いることも可能である。例えば、第1のモノクローナル抗体に対して作製された抗イディオタイプモノクローナル抗体は、第1のモノクローナル抗体が結合するエピトープの「印像」である結合ドメインを超可変領域内に有すると考えられる。
【0050】
本発明の方法の現時点で好ましい態様において、本発明の実施に用いられる蛍光性標的指向化構築物中のリガンド部分は、受容体と特異的に結合する、および/または腫瘍細胞によって選好的に取り込まれる、生体適合性のある多くの腫瘍集積性化合物から選択され、本発明の標的指向化構築物中のリガンド部分として用いることができる。腫瘍細胞によって選好的に「取り込まれる」腫瘍集積性化合物は、表面受容体または核内受容体(例えば、ホルモン受容体)、孔、細胞脂質二重層内の親水性「開口部(window)」などを通して細胞内に入り込める。
【0051】
この種の腫瘍集積性化合物の例には、ソマトスタチン、ソマトスタチン受容体結合ペプチド、デオキシグルコース、メチオニンなどがある。特に有用なソマトスタチン受容体結合ペプチドには、オクトレオチド(D-フェニルアラニル-L-システイニル-L-フェニルアラニル-D-トリプトフィル-L-リシル-L-トレオニル-N-[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)プロピル]-L-システインアミドサイクリック(2→7)-ジスルフィド)として知られるソマトスタチンの長時間作用型オクタペプチド類似体、オクトレオチドの経口製剤であるランレオチド(lanreotide)、P829、P587などがある。ソマトスタチン結合ペプチドは米国特許第5,871,711号に記載され、この種のペプチドを還元条件下でカルボキシル末端アミノ酸を介して放射性同位体と共有結合させるための方法は米国特許第5,843,401号に開示されており、この2つはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。当業者は、本発明の蛍光性部分を放射性同位体の代わりに用いることにより、この種の技法を、蛍光感受性のあるソマトスタチン受容体結合ペプチドに対して容易に適合化することができる。
【0052】
病態が神経内分泌腫瘍または内分泌腫瘍である場合、ソマトスタチンおよびソマトスタチン受容体結合ペプチドは、本発明の診断手順における標的指向化構築物中の腫瘍集積性リガンド部分として用いるのに特に有効である。本発明の方法を用いて診断しうる神経内分泌腫瘍の例には、腺腫(GH産生性およびTSH産生性)、島細胞腫、カルチノイド、未分化神経内分泌癌、小細胞性および非小細胞性肺癌、神経内分泌癌および/または中間細胞癌、卵巣、子宮頸部、子宮内膜、乳房、腎臓、喉頭、副鼻腔および唾液腺の神経内分泌腫瘍、髄膜腫、高分化型グリア由来腫瘍、褐色細胞腫、神経芽腫、神経節腫(神経節芽腫)、傍神経節腫、甲状腺細胞の乳頭癌、濾胞癌および髄様癌、メルケル細胞癌ならびに黒色腫、さらには肉芽腫およびリンパ腫が含まれる。これらの腫瘍細胞にはソマトスタチン受容体があることが知られており、ソマトスタチンまたはソマトスタチン受容体結合ペプチドを本発明の蛍光性標的指向化構築物中の腫瘍集積性リガンドとして用いて標的とすることができる。
【0053】
VIP受容体シンチグラフィー(I. Virgolini, Eur J. Clin. Invest. 27(10): 793-800, 1997)に用いられる血管作動性腸管ペプチド(VIP)も、本発明の方法における小型の原発性腺癌、肝転移および胃腸管のある種の内分泌腫瘍の診断のために有用である。
【0054】
腫瘍によって選好的に取り込まれる腫瘍集積性リガンドの例となる別の分子にデオキシグルコースがあり、これはさまざまな種類の腫瘍によって選好的に取り込まれることが知られている。デオキシグルコースを本明細書に開示する蛍光性標的指向化構築物中の腫瘍集積性リガンド部分として用いて検出しうる腫瘍の例には、デオキシグルコースの好ましい腫瘍標的として、黒色腫、結腸直腸腫瘍および膵臓腫瘍、リンパ腫(HDおよびNHLの両方)、頭頸部腫瘍、骨髄腫、卵巣癌、癌、乳癌および脳腫瘍(高悪性度下垂体腺腫)、肉腫(悪性度による)、肝腫、精巣癌、甲状腺(悪性度による)、小細胞性肺癌、膀胱癌および子宮癌などが含まれる。
【0055】
本発明の蛍光性標的指向化構築物中の標的指向化リガンドとして用いうるさらに他の腫瘍集積性化合物には、1-アミノ-シクロブタン-1-カルボン酸およびL-メチオニンがある。L-メチオニンはタンパク質合成に必要な必須アミノ酸である。悪性細胞ではメチオニン代謝が変化していて外部のメチオニン源が必要なことが知られている。
【0056】
腫瘍受容体と特異的に結合する、および/または腫瘍細胞によって選好的に取り込まれる生体適合性のある腫瘍集積性化合物のそのほかの例には、哺乳動物ホルモン、特に性ホルモン、神経伝達物質、および腫瘍細胞が互いに情報交換するために腫瘍細胞によって発現され、腫瘍細胞によって選好的に取り込まれる化合物、例えば、クローン内での移行または逆位といった染色体異常に起因する新規分泌タンパク質構築物が含まれる。
【0057】
ホルモンという用語は、本明細書において、離れた位置での作用のために哺乳動物の体内で発現される化合物のことを指して用いられ、性ホルモン、細胞増殖ホルモン、サイトカイン、内分泌ホルモン、エリスロポエチンなどの化合物が含まれる。当技術分野で知られているように、さまざまな種類の腫瘍が、エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲン(例えばテストステロン)等のホルモンに対する受容体を発現する。この種のホルモンは、腫瘍細胞により、特異的受容体などを介して選好的に取り込まれる。当技術分野では、腫瘍細胞によって発現される特定の種類の受容体が同じ細胞または細胞塊の中でも時間経過に伴って変化する、例えば、ある時点ではエストロゲン受容体を発現するが、別の時点ではエストロゲン受容体がアンドロゲン受容体によって実質的に置き換えられるというような場合があることも知られている。
【0058】
このため、本発明によるもう1つの態様において、本発明の診断方法は、どの受容体が標的細胞によって現在発現されているかを判定するために標的腫瘍細胞のプレスクリーニングを行うことを含む。本態様において、本発明の診断方法は、対象から入手した腫瘍細胞のインビトロ試料を、検出可能な標識がなされた複数の腫瘍集積性化合物と接触させること、およびどの腫瘍集積性化合物が試料細胞と結合するか、または試料細胞によって取り込まれるかを判定することを含む。本発明の診断方法は、腫瘍細胞と結合し、および/または腫瘍細胞によって取り込まれ、蛍光性標的指向化構築物を腫瘍組織と結合させる、および/または腫瘍細胞によって選択的に取り込ませるのが可能であると判定された腫瘍集積性化合物の少なくとも1つのリガンド部分をそれぞれが含む、生体適合性のある1つまたは複数の蛍光性標的指向化構築物の診断的有効量を対象に投与すること、腫瘍組織を含むと疑われる対象のインビボ身体部位に対して、インビボ身体部位に対する無関係な光が実質的に除外される条件下で、標的指向化構築物の励起スペクトルにおける少なくとも1つの波長を有する光を照射すること、ならびに、インビボ身体部位における腫瘍組織の位置および/または表面積を判定するために、腫瘍組織と結合した、またはそれによって取り込まれた蛍光性標的指向化構築物から発せられる蛍光を直接観察すること、をさらに含む。当然ながら、この試験によって腫瘍細胞が複数の腫瘍集積性化合物(例えば、エストロゲンおよびプロゲステロンの両方)をかなりの割合で同時に取り込んでいることが明らかになれば、そのように判定された複数の腫瘍集積性化合物を、本発明の診断方法における標的指向化構築物中の腫瘍集積性リガンド部分として用いることができる。
【0059】
現時点で取り込まれている(例えば、腫瘍細胞によって発現される特異的受容体による)腫瘍集積性化合物の種類を判定するプレスクリーニング用の被験腫瘍細胞を入手するための方法は、当技術分野で周知である。例えば、細針吸引生検、擦過生検、摘出生検などの技法を、被験腫瘍細胞を比較的非侵襲的に入手するために用いることができる。
【0060】
被験腫瘍細胞によって取り込まれている腫瘍集積性化合物を判定するのに有用なインビトロ試験は数多くあり、これも当技術分野で周知である。このようなインビトロ試験は一般に、被験細胞を複数の異なる腫瘍集積性化合物と逐次的または同時に接触させることを含む。例えば、被験細胞を、検出可能な標識がなされたホルモンおよび/または他の既知の腫瘍集積性化合物の一団またはライブラリーと接触させ、検出可能な標識がなされた化合物のうちどれが被験細胞と結合するか、および/またはそれによって取り込まれるかを判定することができる。
【0061】
本発明の実施においては、401nm〜500nmの範囲の励起波長に対する感受性のある蛍光性部分を標的指向化構築物中のリガンド部分として用いて、腫瘍集積性化合物と結合させることができ、これはリンカー部分とリガンド部分との結合によって標的指向化構築物と標的組織、例えば細胞表面受容体との結合および/または腫瘍細胞による取り込みが実質的に妨げられない限り、2つの部分を結合させるための当技術分野で現在公知の任意の方法によって行うことができる。当業者は、この必要条件を満たすリガンド/リンカー対をいかにして選択するかを周知していると考えられる。例えば、オクトレオチドについては、リンカーをオクトレオチドのTyr3またはPhe1に結合させても、オクトレオチドのソマトスタチン受容体との結合後の内部取り込みは妨げられないことが示されている(L. J. Hoffandら、Proc. Assoc. Am. Physicians 111: 63-9, 1999)。また、1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸を環の炭素3に対して付加しうることも知られている。
【0062】
最適なリンカー部分の長さは、リガンド部分の標的、例えば抗原または受容体との結合によって誘導される高次構造変化を含め、リガンド結合の動態および特異性が最適化されるように選択される。リンカー部分は、リガンド部分および標的が自由に相互作用する程度には十分に長く柔軟であって、タンパク様リガンド部分と標的との間に立体障害が生じるほどには短かすぎない必要がある。
【0063】
1つの態様において、リンカー部分はヘテロ二官能性切断性リンカー、例えば、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)-アミノベンゾエート;スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)-アミノベンゾエート;4-スクシンイミジル-オキシカルボニル-∀-(2-ピリジルジチオ)トルエン;スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-∀-(ピリジルジチオール)-トルアミド]ヘキサノエート;N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオネート;スクシンイミジル-6-[3(-(-2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート;スルホスクシンイミジル-6-[3(-(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート;3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオニルヒドラジド、エルマン試薬、ジクロロトリアジン酸、S-(2-チオピリジル)-L-システインなどである。そのほかの二官能性連結化合物は、米国特許第5,349,066号、第5,618,528号、第4,569,789号、第4,952,394号および第5,137,877号に記載されており、これらはそれぞれその全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0064】
これらの化学リンカーの精製リガンドとの結合は、ピアスケミカルズ(Pierce Chemicals)社「解決法、タンパク質の架橋:基本的概念および戦略(Solutions, Cross-linking of Proteins: Basic Concepts and Strategies)」、セミナー#12、Rockford, ILに記載されたものなどの、当技術分野で公知のさまざまなプロトコールを用いて行うことができる。
【0065】
現時点で好ましいもう1つの態様において、リンカー部分は、約2〜約60アミノ酸残基、例えば約5〜約40アミノ酸残基または約10〜約30アミノ酸残基のペプチドである。この選択肢はリガンド部分がタンパク様である場合に特に有益である。例えば、リンカー部分が、一本鎖抗体の研究で知られるような柔軟なスペーサーアミノ酸配列であってもよい。この種の既知のリンカー部分の例には、
などが含まれる。配列
を有するジフテリア毒素トリプシン感受性リンカーも有用である。または、ペプチドリンカー部分がVMもしくはAMであるか、または式:AM(G2−4S)xQAM(式中、Qは任意のアミノ酸から選択され、Xは1〜11までの整数である)(配列番号:12)によって記載される構造を有してもよい。そのほかの連結部分は例えば、Hustonら、PNAS 85: 5879-5883, 1988;Whitlow, M.ら、Protein Engineering 6: 989-995, 1993;Newtonら、Biochemistry 35: 545-553, 1996;A. J. Cumberら、Bioconj. Chem. 3: 397-401, 1992;Ladurnerら、J Mol. Biol. 273: 330-337, 1997;および米国特許第4,894,443号に記載されており、このうち最後のものは参照としてその全体が本明細書に組み入れられる。
【0066】
本発明の方法の実施に用いられる標的指向化構築物および補足的な標的指向化構築物は、局所的、関節内、大槽内、眼内、脳室内、髄腔内、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、気管内、腟内など、さらにはその任意の2つまたはそれ以上の任意の組み合わせといった、当業者に知られた任意の経路によって投与することができる。
【0067】
投与に最も適した経路は、治療しようとする病状、または診断しようとする疑われる状態もしくは腫瘍の位置によって異なると考えられる。例えば、炎症性疾患および種々の腫瘍のためには、励起光を照射しようとする身体部位への直接的な注射による投与(例えば、腟内)を含む局所投与により、標的指向化構築物(例えば、蛍光標識抗体)を、その全身投与に付随する合併症のリスクを伴わずに高濃度で投与しうるという利点が得られる。
【0068】
標的指向化構築物は「診断的有効量」として投与される。有効量とは、対象における検査対象の診断部分に位置するあらゆる標的組織の直接観察に役立てるために必要な、標的指向化構築物の量のことである。「対象」という用語は、本明細書で用いる場合、家庭内ペット、家畜または動物園の動物などの任意の哺乳動物を含むと考えているが、好ましくはヒトである。診断的用途に有効な量は、当然ながら、検査対象の身体部位の大きさおよび位置、標的組織に対する標的指向化構築物の親和性、標的組織の種類、ならびに投与経路に依存すると考えられる。標的指向化構築物の局所投与に必要な投与量は一般に、いかなる様式の全身投与よりも少量であると考えられるが、場合によっては、標的指向化構築物の局所濃度は、全身投与によって安全性を保って到達しうる程度よりも局所投与後の方が高い可能性がある。
【0069】
個々の対象が示す症状の重症度には大きなばらつきがあり、それぞれの標的指向化構築物には、標的に対する標的指向化構築物の親和性、体内過程による標的指向化構築物の排出速度、それに含まれる蛍光団の特性を含む独特な診断特性があるため、熟練した臨床医はそのような要因の重みづけを行い、それに応じて投与量を変更しうると考えられる。
【0070】
本発明の組成物を、既知の方法に従い、適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、注射用滅菌懸濁剤として製剤化することもできる。また、注射用滅菌製剤は、非経口用に許容される無毒な希釈剤または溶媒、例えば1-4ブタンジオール溶液中にある、滅菌注射液または懸濁剤でもよい。従来より、滅菌した固定油は溶媒または懸濁媒として用いられている。この目的のためには、合成モノグリセリドまたはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、綿実油などの天然植物油、またはオレイン酸エチルなどの合成脂肪性媒体を含む、任意の商標の固定油を用いうる。緩衝液、保存料、抗酸化剤などを必要に応じて含めてもよく、またはそれらによって製剤を構成してもよい。
【0071】
本発明の蛍光性標的指向化構築物は周知の技法によって作製することができる。例えば、標的指向化構築物のタンパク様成分を、その成分のアミノ酸配列が公知であれば、または必要に応じてその配列を周知の方法によって最初に決定することができれば、周知のタンパク質合成技法を用いて入手することができる。リガンド遺伝子のいくつかは現在市販されている。市販の遺伝子を入手する利点の1つは、それらが一般に大腸菌における発現用に最適化されていることである。関心対象のポリヌクレオチド、またはタンパク質、ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、DNA合成技術を用いて作製可能である。入手できない遺伝子をコードするDNAを入手し、それから遺伝子産物を発現させるための方法は周知であり、本明細書では詳細な説明は行わない。
【0072】
タンパク様リガンド部分、タンパク様リンカー部分およびタンパク様蛍光団を含む蛍光性標的指向化構築物を、融合タンパク質の発現をコードする核酸配列と発現制御配列とが機能的に結合したものを含む発現ベクターを宿主細胞にトランスフェクトする周知の技法を用いて、融合タンパク質として作製することもできる(「分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」、Sambrookら編、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y., 1989)。
【0073】
「ペプチド」および/または「ポリペプチド」とは、単量体がアミノ酸残基であってそれらがアミド結合によって結合した重合体のことを意味し、これはポリペプチドとも呼ばれる。アミノ酸がα-アミノ酸である場合は、L-光学異性体またはD-光学異性体のいずれを用いることもできる。L-異性体の方が好ましい。さらに、β-アラニン、フェニルグリシンおよびホモアルギニンなどの非天然型アミノ酸も含まれるものとする。一般に認められるが遺伝子にはアミノ酸を本発明に用いることもできるが、好ましいアミノ酸はコードされているものである。一般的な概説については、例えば、Spatola, A.F.,「アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の化学および生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins)」、B. Weinstein編、Marcel Dekker, New York, p. 267, 1983を参照されたい。
【0074】
当業者にとっては、本発明に対して、その精神および範囲を逸脱することなくさまざまな変化を加えることができ、したがって、本発明が明細書中に具体的に開示したものに加えて、添付する特許請求の範囲にのみ示される態様も含むことは明らかであると考えられる。
Claims (39)
- 罹患組織を含む対象のインビボ身体部位に対して、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光を照射する段階と、
対象に投与されて身体部位内の罹患組織に特異的に結合したおよび/または取り込まれた蛍光性標的指向化構築物から、光に反応して放出される蛍光を直接観察する段階と、
標的指向化構築物によってもたらされた蛍光から、対象における罹患組織の位置および/または表面積を判定する段階とを含む、
罹患組織のインビボ診断のための、それを必要とする対象における方法。 - 光が、約500nmよりも長い波長を実質的に含まない、請求項1記載の方法。
- 標的指向化構築物が、励起波長に反応する生体適合性のある蛍光性部分をさらに含む、請求項1記載の方法。
- リガンド部分が腫瘍集積性部分である、請求項1記載の方法。
- 腫瘍集積性部分が、ホルモン、ホルモン受容体結合ペプチド、デオキシグルコース、ソマトスタチン、ソマトスタチン受容体結合ペプチド、またはそれらの任意の2つもしくはそれ以上の組み合わせである、請求項4記載の方法。
- 腫瘍集積性部分がソマトスタチンまたはソマトスタチン受容体結合ペプチドである、請求項5記載の方法。
- 罹患組織が神経内分泌腫瘍または内分泌腫瘍である、請求項6記載の方法。
- 腫瘍が、黒色腫、インスリノーマ、膵臓腫瘍、小細胞性および非小細胞性の肺癌、リンパ腫、または卵巣、下垂体、膵臓もしくは副腎の癌、脳腫瘍、結腸直腸癌、皮膚黒色腫、上皮癌、肺癌腫、精巣胚細胞腫瘍または乳癌である、請求項7記載の方法。
- ソマトスタチン受容体結合ペプチドが、オクトレオチド、ランレオチド(lanreotide)、P587またはP829である、請求項5記載の方法。
- 腫瘍集積性部分がデオキシグルコースである、請求項4記載の方法。
- 罹患組織が、脳腫瘍、結腸直腸癌、リンパ腫、皮膚黒色腫、上皮腫瘍、肺癌腫、精巣胚細胞腫瘍または乳癌である、請求項10記載の方法。
- 腫瘍集積性部分が1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸またはメチオニンである、請求項4記載の方法。
- 罹患組織が対象の身体開口部に位置しており、標的指向化構築物の照射および蛍光の直接観察において、光を標的指向化構築物に導くため、および蛍光性標的指向化構築物からの蛍光を受け取るために、内視鏡装置の使用が含まれる、請求項1記載の方法。
- 蛍光像を直接観察しながら、罹患組織の少なくとも一部を外科的に摘出する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 判定される表面積が蛍光強度に基づく、請求項1記載の方法。
- 光が実質的に単色性であり、波長を蛍光性標的指向化構築物の主要な励起波長に一致させる、請求項1記載の方法。
- 光源が500nm未満の波長の光を発する、請求項1記載の方法。
- 開口部が本来の体腔である、請求項13記載の方法。
- 開口部が外科的に作成される、請求項13記載の方法。
- 光源が対象の身体の外側に位置する、請求項1記載の方法。
- 観察が、病状の経過をモニタリングするために行われる、請求項1記載の方法。
- 観察によって、外科的介入のための罹患組織が同定される、請求項1記載の方法。
- 罹患組織の少なくとも一部を外科的に除去する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 標的指向化構築物と結合する少なくとも1つの補足的な蛍光性標的指向化構築物を対象に投与して蛍光を増強する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 少なくとも1つの補足的な蛍光性標的指向化構築物がモノクローナル抗体またはその生物活性断片を含む、請求項24記載の方法。
- リガンド部分が抗体またはその結合断片である、請求項1記載の方法。
- 標的指向化構築物と結合する少なくとも1つの補足的な蛍光性抗体を対象に投与して蛍光を増強する段階をさらに含む、請求項26記載の方法。
- 罹患組織が、腫瘍、細菌性、真菌性およびウイルス性感染症、前癌状態、心発作、脳卒中ならびに壊死性疾患および虚血性疾患からなる群より選択される病態に伴うものである、請求項1記載の方法。
- インビボ身体部位内の健常組織と特異的に会合する補足的な蛍光性標的指向化構築物を対象に投与する段階をさらに含み、励起光に反応した補足的な蛍光性標的指向化構築物からの蛍光が標的指向化構築物からの蛍光とは異なる色調であり、色調の違いによって身体部位内の腫瘍組織が健常組織と識別される、請求項1記載の方法。
- 蛍光性標的指向化構築物が、リガンド部分を蛍光性部分と結合させるためのリンカー部分をさらに含む、請求項3記載の方法。
- 標的指向化構築物を、局所的、関節内、大槽内、眼内、脳室内、髄腔内、静脈内、筋肉内、血管内、腟内、腹腔内、皮内、およびそれらの任意の2つまたはそれ以上の組み合わせからなる群より選択される方法によって投与する、請求項1記載の方法。
- 標的指向化構築物を局所注射によって投与する、請求項1記載の方法。
- 標的指向化構築物を全身投与する、請求項1記載の方法。
- 罹患組織を含む対象のインビボ身体部位に対して、約401nm〜約500nmの範囲の少なくとも1つの励起波長を有する光を照射する段階と、
少なくとも1つの励起波長に反応して蛍光を発する標的指向化構築物であり、対象に投与されて身体部位内の罹患組織に特異的に結合したおよび/または取り込まれた標的指向化構築物から、少なくとも1つの励起波長に反応して発せられる蛍光を直接観察する段階と、
標的指向化構築物から直接観察される蛍光から、対象における罹患組織の位置および/または表面積を判定する段階と、
罹患組織の少なくとも一部を除去する段階とを含む、
手術中に診断手順を利用するための、それを必要とする対象における方法。 - 励起光が、約500nmよりも長い波長を有する光を実質的に含まない、請求項34記載の方法。
- 蛍光の観察および腫瘍組織の除去を実質的に同時に行う、請求項34記載の方法。
- 標的指向化構築物が、腫瘍集積性部分と結合した生体適合性のある蛍光性部分をさらに含む、請求項34記載の方法。
- 腫瘍集積性部分が、ホルモン、デオキシグルコース、ソマトスタチン、ソマトスタチン受容体結合ペプチドまたはそれらの任意の2つもしくはそれ以上の組み合わせである、請求項37記載の方法。
- (a)対象から入手したインビトロの腫瘍細胞の試料と、各々が別の型の腫瘍に結合するまたは選択的に取り込まれる、複数の、検出可能に標識された化合物とを接触させる段階、
(b)どの化合物が、試料腫瘍細胞に結合または取り込まれるのかを判定する段階、
(c)(b)において試料腫瘍細胞と結合するおよび/または取り込まれると判定された化合物を含み、約401nm〜約500nmの範囲の光の少なくとも1つの波長に反応して蛍光を発する、少なくとも1つの生体適合性のある蛍光性標的指向化構築物を診断的有効量投与する段階、ならびに
(d)腫瘍組織に結合したまたは取り込まれた標的指向化構築物から、腫瘍組織への光の照射に反応して発せられた蛍光を直接観察することにより、インビボ身体部位内の腫瘍組織の位置および/または表面積を診断する段階
を含む、腫瘍細胞のインビボ診断のための、それを必要とする対象における方法。
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