JP2008508504A - β細胞不全の標的/マーカーとしての膵臓ポリペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、液体試料中の膵臓ホルモンのレベルを測定することによる糖尿病における疾患の進行のモニタリングおよびβ細胞不全の診断、ならびに糖尿病の予防および/または治療のための新規化合物のスクリーニングに関する。

Description

2型糖尿病は、世界中で急速に重要性を増している疾患であり、かつβ細胞のインスリン分泌の増大で末梢のインスリン抵抗性を補う膵β細胞の不全(β細胞不全)といえる。この不全は、β細胞量の相対的減少、ならびにβ細胞による増大した基礎インスリン分泌を含む分泌欠損、および主に骨格筋における、しかし他の器官においてもおこるインスリンに対する感受性の選択的喪失の両方により説明される。β細胞機能の喪失は、グルコースおよび脂質の増大したレベルに対する長期間の曝露(糖毒性および脂肪毒性)により誘発されると考えられている。
現今、脂肪/糖毒条件下でβ細胞不全を予防する、または遅らせる可能性があると臨床的に証明されている治療は存在しない。治療のためのよりよい標的、およびインスリン、プロインスリン、またはC-ペプチドなどの一般的に用いられているマーカーよりもさらに感受性の高い、またはより信頼性のある、β細胞の不全または機能の検出のためのマーカーを同定することはまた、有用である。
さらに、血漿中で検出され得るマーカーを同定することは、利点である。
発明の説明
本発明の目的は、β細胞不全を予防する、和らげる、または抑制する化合物、ならびにII型糖尿病のより早い段階でβ細胞不全のモニタリングおよび/または診断を可能にし、かつ現在実施され得るものよりもさらに信頼性のあるマーカーをスクリーニングするための新規標的を同定および提供することである。
驚いたことに、タンパク質膵臓ホルモンの使用が、当技術分野の状況から公知である課題を少なくとも一部分を克服し得ることが見出された。
膵臓ポリペプチド(または膵臓ホルモン)、36-アミノ酸ペプチドホルモンは、ランゲルハンスの膵島で合成され、膵臓および胃腸の機能の調節因子として機能する。驚いたことに、分泌される膵臓ホルモンのレベルの増大がβ細胞不全において見られることが見出された。したがって、本発明は糖尿病の治療および/または予防のための標的、ならびに糖尿病におけるβ細胞不全の早期診断のための新規マーカーを提供する。
驚いたことに、分泌される膵臓ホルモンのレベルの増大がβ細胞不全において見られることが見出された。したがって、本発明はβ細胞不全の治療および/または予防のための標的、ならびに糖尿病におけるβ細胞不全の早期診断のための新規マーカーを提供する。
好ましい態様において、新規の標的および/またはマーカー膵臓ホルモンは、診断、モニタリングのために、ならびにスクリーニング目的のために用いられる可能性がある。
患者のモニタリングで用いられる場合、本発明に従う診断方法は、治療の効果、および患者の経過観察におけるβ細胞不全の再発を評価するのに役立つ可能性がある。したがって、本発明は、糖尿病の治療の効果をモニタリングするための、タンパク質膵臓ホルモンの使用を提供する。
好ましい態様において、本発明に従う診断方法は、患者のスクリーニング目的のために用いられる。すなわち、これは、膵臓ホルモンのレベルを測定し、かつ膵臓ホルモンのレベルをβ細胞不全の有無と関連付けることにより、糖尿病の事前の診断なしに対象を評価するために用いられる。
本発明の方法は、糖尿病をもたらす異なる段階、すなわちインスリン抵抗性、耐糖能異常、および糖尿病を経る疾患の進行をモニタリングするのに有用である。
したがって、本発明は、(a)個体から得られる液体試料を提供する段階、(b)結合剤および膵臓ホルモン間の複合体の形成に適切な条件下で、該試料を膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤と接触させる段階、および(c)(b)で形成された複合体の量をβ細胞不全で形成される複合体の量と関連付ける段階を含む、糖尿病の進行をモニタリングするための方法を提供する。
本発明はまた、(a)糖尿病に対する治療を受けた患者から得られる液体試料を提供する段階、(b)結合剤および膵臓ホルモン間の複合体の形成に適切な条件下で、該試料を膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤と接触させる段階、および(c)(b)で形成された複合体の量を治療を欠く場合に形成される複合体の量と関連付ける段階を含む、糖尿病の治療の効果をモニタリングするための方法も提供する。
本発明は、膵臓ホルモンと相互作用する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)該1つの化合物または複数の化合物と膵臓ホルモンとの相互作用を可能にする組成物の下で、タンパク質膵臓ホルモンを該1つの化合物または複数の化合物と接触させる段階;および(b) 該1つの化合物または複数の化合物と該ポリペプチドとの間の相互作用を検出する段階を含む方法を提供する。
本発明は、β細胞不全を予防する、および/または抑制する、および/または和らげる化合物をスクリーニングする方法であって、(a)化合物をタンパク質膵臓ホルモンと接触させる段階;および(b)タンパク質膵臓ホルモンの活性を測定する段階を含む方法であり、ここでタンパク質膵臓ホルモンの活性を刺激するまたは阻害する化合物が、β細胞不全を予防する、および/または抑制する、および/または和らげる可能性がある化合物である方法を提供する。好ましくは、該方法は段階(a)の前、または段階(a)と(b)との間にタンパク質膵臓ホルモンを固定化する段階を追加的に含む。
本明細書において用いられる「活性」という用語は、例えば、その受容体への膵臓ホルモンの結合(Zhang et al., Zhongguo Yao Li Xue Bao, 1999, 20:59-64; Walker et al., 1997, Peptides 18:609-612; Gehlert et al., 1996, Mol. Pharmacol. 50:112-118)、および/または分泌に対する膵臓ホルモンの効果(Louie et al., 1985, Am. J. Physiol. 249:G489-495)に関する。
本発明はまた、無細胞アッセイも含む。このようなアッセイは、膵臓ホルモンのある形態(例えば、全長ポリペプチド、該ポリペプチドの生物学的に活性な断片、または該ポリペプチドの全てまたは一部を含む融合タンパク質)を試験化合物と接触させる段階、およびこの試験化合物の該ポリペプチドへの結合能を決定する段階を含む。該ポリペプチドへのこの試験化合物の結合は、上記のように直接的にまたは間接的にいずれかで決定され得る。1つの態様において、アッセイは該ポリペプチドを、該ポリペプチドと結合してアッセイ混合物を形成する公知の化合物と接触させる段階、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させる段階、およびこの試験化合物の該ポリペプチドと相互作用する能力を決定する段階を含み、ここでこの試験化合物の該ポリペプチドと相互作用する能力を決定する段階は、公知の化合物と比較してこの試験化合物が該ポリペプチドに優先的に結合する能力を決定する段階を含む。
本発明の無細胞アッセイは、ポリペプチドの膜結合型、またはその可溶性断片のいずれかの使用に適している。膜結合型のポリペプチドを含む無細胞アッセイの場合、膜結合型のポリペプチドが溶液中で維持されるような、可溶化剤を利用することが望ましい可能性がある。このような可溶化剤の例は、n-オクチルグルコシド、n-ドデシルグルコシド、n-ドデシルマルトシド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、デカノイル-N-メチルグルカミド、Triton X-100、Triton X-114、Thesit、イソトリデシポリ(Isotridecypoly)(エチレン グリコール エーテル)n、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ(dimethylamminio)]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ(dimethylamminio)]-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホネート(CHAPSO)、またはN-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネートなどの非イオン性界面活性剤を含む。
本発明の上記アッセイ方法の種々の態様において、結合分子を用いてポリペプチドの非複合型からの複合型の分離を容易するために、およびアッセイの自動化に適応させるために、ポリペプチドを固定化することが望ましい可能性がある。ポリペプチドへの試験化合物の結合、または候補化合物の存在下および非存在下における結合分子とポリペプチドの相互作用は、反応物を含むのに適した任意の容器中で行われ得る。このような容器の例は、マイクロタイタープレート、試験管、および微量遠心管を含む。1つの態様において、1つまたは両方のタンパク質をマトリックスに結合させることを可能にするドメインを付加する融合タンパク質が、提供され得る。例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical; St. Louis, Mo.)またはグルタチオン誘導体化されたマイクロタイタープレートの上で吸収されてもよく、その後それを試験化合物または試験化合物および吸収されなかった結合タンパク質またはポリペプチドのいずれかと混合し、混合物を複合体形成を促す条件下(例えば、塩およびpHの生理的な条件で)でインキュベートする。インキュベーションに続いて、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを任意の結合されなかった構成要素を取り除くために洗浄し、複合体形成を例えば上記のように直接的にまたは間接的に測定する。あるいは、複合体をマトリックスから分離してもよく、上記記載の結合のレベルまたはポリペプチドの活性を標準的な技術を用いて決定し得る。
マトリックス上でタンパク質を固定化するための他の技術もまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて用いられ得る。例えば、上記記載のポリペプチド、またはその結合分子のいずれかは、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合を利用して固定化され得る。ビオチン化された本発明のポリペプチドまたは標的分子は、当技術分野において周知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals; Rockford, Ill.)を用いてビオチン-NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)から調製され、ストレプトアビジンでコーティングされた96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェル中に固定化され得る。あるいは、ポリペプチドまたは結合分子と反応するが、本発明のポリペプチドとその結合分子との結合を妨げない抗体を、プレートのウェルに誘導体化してもよい。結合されない本発明の結合タンパク質またはポリペプチドは、抗体結合によりウェル中で捕捉される。このような複合体を検出するための方法は、上記記載のGST-固定化複合体に対する方法に加え、上記記載のポリペプチドまたは結合分子に反応する抗体を用いる複合体の免疫検出、およびポリペプチドまたは結合分子に関連する酵素活性を検出することに依拠する酵素結合アッセイを含む。
本発明はまた、該化合物の存在下または非存在下で宿主から分泌される可溶性膵臓ホルモンを検出する段階を含む、β細胞不全を予防するおよび/または抑制するおよび/または遅らせる化合物をスクリーニングする方法も提供し、ここでβ細胞不全を予防するおよび/または抑制するおよび/または遅らせる化合物は、宿主により分泌される膵臓ホルモンのレベルを変化させる化合物である。
宿主は、培養下でβ細胞を表すモデル細胞、またはβ細胞不全に対するモデルとして用いられ得る動物であってもよい。
本発明はまた、β細胞不全を予防するおよび/または抑制する化合物をスクリーニングするための標的としておよび/またはマーカーとしての、タンパク質膵臓ホルモンの使用も提供する。
本発明に従う診断方法は、個体に由来する液体試料に基づく。当技術分野において公知の方法とは異なり、特異的な結合剤の使用によりこの液体試料から膵臓ホルモンを特異的に測定する。
特異的な結合剤は、例えば、膵臓ホルモンの受容体、または膵臓ホルモンに対する抗体である。当業者は、特異的という用語が、試料中に存在する他の生体分子が膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤に著しく結合しないことを指すのに使用されるということを理解していると考えられる。5%より少ない交差反応のレベルは、有意でないと見なされる。
特異的な結合剤は好ましくは、膵臓ホルモンに反応する抗体である。抗体という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、このような抗体の断片、および抗体の結合ドメインを含む遺伝子構築物を指す。
抗体は、例えば、Tijssen(Tijssen, P., Practice and theory of enzyme immunoassays 11 (1990)全編、特に 43-78ページ; Elsevier, Amsterdam)に記載されているような、最先端の手法により産生される。本発明において開示されるような達成のために、ウサギで産生されるポリクローナル抗体が用いられている。しかしながら、異なる種、例えばラットまたはモルモットからのポリクローナル抗体、およびモノクローナル抗体もまた、明らかに用いられ得る。モノクローナル抗体は、一定の性質で必要とされる任意の量で生産され得るため、それらは臨床上のルーチンに対するアッセイの開発で理想的な道具であることを意味する。本発明に従う方法での膵臓ホルモンに対するモノクローナル抗体の産生および使用は、さらにもう1つの好ましい態様である。
膵臓ホルモンはβ細胞不全の診断で有用であるマーカーとして同定されていると当業者が現在理解しているように、本発明の達成に相当する結果に到達するために別の方法を用いてもよい。例えば、抗体を産生するための別の戦略を用いてもよい。このような戦略は、とりわけ、免疫化のための膵臓ホルモンのエピトープを提示する、合成ペプチドの使用を含む。あるいは、DNAワクチン接種としても公知であるDNA免疫化を用いてもよい。
測定のために、結合剤膵臓ホルモン複合体の形成に適切な条件下で、個体から得られる液体試料を膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤と接触させる。このような条件は、当業者はいかなる発明の努力もなしにその適切なインキュベーション条件を容易に同定し得るので、特定される必要はない。
本発明で開示された方法に従う最終段階として、上記記載のように、複合体の量を測定し、かつβ細胞不全の診断と関連付ける。当業者が理解しているように、特異的な結合剤膵臓ホルモン複合体の量を測定するための非常に多くの方法が存在し、全て関連する教科書(例えば、上記のTijssen P., または Diamandis, et al., 編. (1996) Immunoassay, Academic Press, Bostonを参照のこと)に詳細に記載されている。
好ましくは、膵臓ホルモンをサンドイッチ型のアッセイ形式で検出する。このようなアッセイにおいて、第1の特異的な結合剤を片側で膵臓ホルモンを捕捉するために用い、および直接的にまたは間接的に検出可能なように、標識された第2の特異的な結合剤を、反対側で用いる。
上記のように、驚いたことに膵臓ホルモンを個体試料から得られる液体試料から測定し得ることを見出している。β細胞不全の診断においてマーカー膵臓ホルモンを適用するために、組織および生検試料を必要としない。
好ましい態様において、本発明に従う方法は液体試料材料として血清を用いて実施される。
さらに好ましい態様において、本発明に従う方法は液体試料材料として血漿を用いて実施される。
さらに好ましい態様において、本発明に従う方法は液体試料材料として全血を用いて実施される。
通常のプロテオミクス法の組織試料への適用は、選択された組織のための多くの可能性あるマーカー候補の同定をもたらすのに対し、本発明の発明者らは驚くことに、体液試料でタンパク質膵臓ホルモンの検出が可能であった。さらに驚いたことに、本発明者らは、個体から得られるこのような液体試料中の膵臓ホルモンの存在をβ細胞不全の診断と関連付け得ることを実証してている。
多大な利点を伴う膵臓ホルモンに対する抗体は、確立された手法、例えばβ細胞不全に対する、インサイチュー、生検、または免疫組織学的な手法において用いられ得る。
好ましくは、膵臓ホルモンに対する抗体は、定性的な(膵臓ホルモンが存在するまたは存在しない)イムノアッセイ、または定量的な(膵臓ホルモン量が決定される)イムノアッセイにおいて用いられる。
タンパク質膵臓ホルモンのレベルを測定することは、β細胞不全および糖尿病の領域における多大な利点を証明している。したがって、さらなる好ましい態様において、本発明は、個体から得られる液体試料からのβ細胞不全の診断におけるマーカー分子としての、タンパク質膵臓ホルモンの使用に関する。
マーカー分子という用語は、個体の体液から測定されるような分析物膵臓ホルモンのレベルの変化がβ細胞不全の存在を示すことを指すよう用いられる。
II型糖尿病の早期診断において新規マーカー膵臓ホルモンを使用することは好ましい。
グルコース不耐性の早期診断において新規マーカー膵臓ホルモンを使用することは特に好ましい。
糖尿病における疾患進行のモニタリングにおいて新規マーカー膵臓ホルモンを使用することも特に好ましい。
タンパク質膵臓ホルモンそれ自体の使用は、β細胞不全診断の難しい領域への重要な進歩を意味する。インスリンのような糖尿病の他の公知のマーカー、またはまだ発見されていないβ細胞不全の他のマーカーと膵臓ホルモンの測定を組み合わせることは、さらなる改良をもたらす。したがってさらなる好ましい態様において、本発明は、個体から得られる液体試料からの糖尿病、好ましくはβ細胞不全の診断において、糖尿病、好ましくはβ細胞不全に対するもう1つのマーカー分子との組み合わせにおける、糖尿病、好ましくはβ細胞不全に対するマーカー分子としての膵臓ホルモンの使用に関する。β細胞不全の測定を組み合わせてもよい、好ましい選択される他の糖尿病マーカーはインスリン、プレインスリン、および/またはC-ペプチドである。
イムノアッセイのような特異的結合アッセイの領域における診断試薬は通常、キットの形態で最も良く提供され、それはアッセイを実行するのに必要とされる特異的な結合剤および補助試薬を含む。したがって、本発明はまた、少なくとも1つの膵臓ホルモンに特異的な結合剤および膵臓ホルモンの測定のための補助試薬を含む免疫学的なキットにも関する。
新規マーカー膵臓ホルモンの臨床上の利用を評価する1つの方法は、外因性インスリンの注射に依存している10人の糖尿病患者におけるそのレベルを測定し、正常のβ細胞機能を有すると立証された10人の患者で測定されたものとレベルを比較することによる。統計的分析のために、標準的なスチューデントの t-検定評価を有意として見なされる0.05より小さい値で行う。
試験の精度をその受信者動作特性(ROC)により描写することができる(特にZweig, M. H., and Campbell, G., Clin. Chem. 39 (1993) 561-577を参照のこと)。ROCグラフは、観察されたデータの全範囲にわたって識別閾値(decision thresh-hold)を連続的に変更することに起因する全ての敏感度/特異度 対のプロットである。
実験室試験の臨床上の成績は、その診断の精度、または対象を臨床的に関連性のあるサブグループに正確に分類する能力に依存する。診断の精度は、調査される対象の2つの異なる状態を正確に識別する試験の能力を測定する。このような状態は、例えば健康および疾患である。
それぞれの場合において、ROCプロットは、識別閾値の全範囲について1−特異度に対する敏感度をプロットすることにより、2つの分布間の重なり合う部分を描写する。y軸上は敏感度、すなわち真の陽性率[(真の陽性試験結果の数)(真の陽性試験結果の数+偽陰性試験結果の数)として定義される]である。これはまた、疾患または状態の存在における陽性としても言及されている。それは、影響を受けたサブグループから単独に計算される。x軸上は偽陽性率、すなわち1−特異度[(偽陽性結果の数)/(真の陰性結果の数+偽陽性結果の数)として定義される]である。それは、特異度の指標であり、影響を受けていないサブグループから全体的に計算される。真の陽性率および偽陽性率は2つの異なるサブグループからの試験結果を用いることにより全く別々に計算されるので、ROCプロットは、試料における疾患の有病率と無関係である。ROCプロット上の各点は、特定の識別閾値に対応する敏感度/-特異度 対を表す。完全な区別(結果の2つの分布において重なり合う部分が存在しない)を伴う試験は、左上隅を通過するROCプロットを有し、そこで真の陽性率は1.0、または100%(完全な敏感度)であり、偽陽性率は0(完全な特異度)である。区別を有さない(2群の結果が全く同じ分布)試験に対する理論的なプロットは、左下隅から右上隅への45°対角線である。多くのプロットは、これら2つの両極値の間に入る。(もしROCプロットが45°対角の下に完全に入った場合、これは、「陽性」に対する基準を「より大きい」から「より小さい」に、またはその反対に逆向きにすることにより容易に矯正される。)定性的には、プロットが左上隅に近いほど、試験の全般的な精度が高い。
実験室試験の診断の精度を定量化するための1つの簡便な目標は、単一の数によりその成績を表現することである。最も一般的な世界的な基準は、ROCプロット下の面積である。慣例により、この面積は常に0.5以上である(そうでない場合、そうなるように決定基準を逆にできる)。値は、1.0(2群の試験値の完全な分離)と0.5(試験値の2群間で明らかな分布の差異が見られない)の間で変化する。面積は、対角線または90%特異度での敏感度に最も近いポイントなどのプロットの特定の部分だけではなく、全体のプロットに依存する。これは、ROCプロットが完全なもの(面積=1.0)に対してどれくらい近いかの量的記述的な表現である。
また、本特許請求の範囲は、実質的に上記記載のような方法、使用、およびキットであり、特に以下の実施例に関連する。
以下の実施例、参照、配列表、および図は、本発明の理解を助けるために提供され、その正当な範囲は添付の特許請求の範囲に説明されている。説明された手法において本発明の精神から逸脱しない範囲で変更され得ることが理解される。
実施例
INS-1(Asfari M, Janjic D, Meda P, Li G, Halban PA, Wollheim CB. Establishment of 2-mercaptoethanol-dependent differentiated insulin-secreting cell lines. Endocrinology. 1992 Jan;130(l):167-78)またはRINm5fインスリノーマ細胞(Praz GA, Halban PA, Wollheim CB, Blondel B, Strauss AJ, Renold AE. Regulation of immunoreactive-insulin release from a rat cell line (RINm5F). Biochem J. 1983 Feb 15;210(2):345-52)により分泌されるタンパク質を同定するために、本発明者らは、以下の2つの方法を利用した:(i)その後のMALDI-TOF質量分析法を用いるそれらのペプチドマスフィンガープリントに基づくタンパク質の同定を伴う、細胞内区画の中への示差沈降(differential sedimentation)による細胞の分画、および(ii)ヘパリンクロマトグラフィによる糖タンパク質の濃縮、続いて一次元SDS-PAGE、およびタンパク質配列標識に基づく同定をもたらすタンデム質量分析法と連結している液体クロマトグラフィによるタンパク質消化物に由来するトリプシンペプチドの分析によるタンパク質の同定。これら2つの精製戦略の組合せは、細胞区画中および培養細胞の培地中でのタンパク質同定の効率の増大を可能にする。
細胞培養
発明者らは、高脂血症および高血糖症がβ細胞の代償不全の一因となり得ることを示唆する、β細胞の高グルコース/脂肪酸(FA)の組合せへの慢性の曝露によりβ細胞不全の特性を再現した。10 mMのグルコースおよび0.5 mMのパルミテートの組合せで24時間前処理されたINS-1E細胞およびRINm5f細胞をこれらの実験に対して用いた。
実施例1
2DE-電気泳動による細胞区画中の単一タンパク質のマッピングおよびMALDI-MSによる同定
他に記載されているように(Peyrl A, Krapfenbauer K, Slavc I, et al., PROTEOMICS 3 (9): 1781-1800 SEP 2003; Fountoulakis M., Langen H., Anal. Biochem. 250 (1997) 153-156.)、各細胞株から調製される試料を2-DEに供した。基本的には報告されているように(Langen, H., Roeder, D., Juranville, J.-F., Fountoulakis, M., Electrophoresis 1997, 18, 2085-2090)、2-DEを実施した。膜ろ過管(Millipore, Art. No. UFV4BGC25)を用いて試料を脱塩し、2.0mgを固定化されたpH3〜10非直線勾配ストリップ(Amersham, Pharmacia Biotechnology, Uppsala, Sweden)上のストリップの塩基性および酸性両端にアプライした。200Vでタンパク質をフォーカシングし、その後電位を5000 Vまで2 V/分で徐々に上げた。5000 Vで24時間フォーカシングを続けた。12%のポリアクリルアミドゲル上で二次元目の分離を行った(Biosolve, Walkinswaard, Netherland)。12枚のゲルに対応するEttan DALT IIシステム(Amersham, Pharmacia Biotechnology, Uppsala, Sweden)において、50 mA/ゲルでゲル(180×200×1.5 mm)を泳動した。5%のリン酸を含む50%メタノール中で12時間タンパク質を固定化した後、コロイド性クーマシーブルー(Novex, San Diego, CA)を用いて24時間ゲルを染色した。10から200 kDaの範囲にわたる泳動用標準タンパク質マーカー(Gibco, Basel, Switzerland)により分子量を決定した。IPGストリップの供給業者(Amersham Pharmacia, Uppsala, Sweden)より与えられたようにPI値を用いた。ゲルをH2O を用いて脱染し、AGFA DUOSCAN濃度計でスキャンした。ゲルの電子的イメージをPhotoshop(Adobe)およびPowerPoint(Microsoft)を用いて記録した。
MALDI-MS:
MS分析を、軽微な変更を加えて記載されているように(Langen, H., Roeder, D., Juranville, J.-F., Fountoulakis, M., Electrophoresis 1997, 18, 2085-2090)行った。
簡単に言うと、スポットを切り取り、30%(v/v)のアセトニトリルを含む0.1Mの炭酸水素アンモニウムで脱染し、Speed vacエバポレーターで乾燥した。乾燥させたゲル片を50 ngのトリプシン(Promega, Madison, WI, USA)を含む5 μlの5 mM炭酸水素アンモニウム(pH 8.8)で再膨張させ、添加し、1分間遠心分離し、そして約12時間室温に置いた。消化後、5 μlの水を添加し、続いて10分後、0.3%トリフルオロ酢酸を含む10 μlの75%アセトニトリルを添加し、1分間遠心分離し、内容物を20分間ボルテックスした。MALDI-MSのために、分離された液体からの1.5 μlを、1 μlの、飽和α-シアノ ケイ皮酸を含む50%アセトニトリル、0.1% TFA水と混合し、MALDIターゲットにアプライした。試料をリフレクター(reflector)および遅延引き出し(delayed extraction)を装備した飛行時間型質量分析器(Ultraflex, Bruker, Bremen, Germany)中で分析した。Des-Arg-1 ブラジキニン(Sigma)およびACTH(18-38)(Sigma)を標準ペプチドとして用いた。試料に対する較正は内蔵していた。ペプチド質量を、SWISS-Protデータベースの全種からの全タンパク質の理論上のペプチド質量と照合した。
MALDI質量分析のピークアノテーション(annotation):
機器のベースラインを決定するために、低域メジアンパラメトリックスプラインフィルター(low-pass median parametric spline filter)を用いて質量分析のデータを2回フィルターする。ベースラインから平滑化された残差平均標準偏差をデータ中の機器ノイズレベルの推定として用いる。レベルを超えるノイズの座標におけるデータのベースライン補正およびリスケーリング(rescaling)の後に、ベースラインから最も大きな偏差値を有するデータポイントを、予想されるペプチドピークを検出するための非線形(Levenberg-Marquardt)データフィッティング法をシードするために用いる。特に、適した手法はピーク高さ、分解能、およびモノアイソトピック質量によりパラメータ化された最も適合する平均の理論的ペプチド同位体分布を生じるように試みる。有意な適合度への収束を、シグマ値を追跡することによる通常の方法で決定する。良好な収束後、決定されたパラメータの誤差に対する推定値を、1/3のデータポイントの無作為交換を伴う16回の反復を用いるブーストラップ法を用いて示す。結果として生じる適合度をデータから引き、適合度の付近でのノイズレベルを外挿されるノイズレベルおよびピーク適合度からの偏差値の合計に応じて調整し、ノイズのレベルの5倍を超える候補ピークを見出し得る限り次のピークを見つけるために工程を繰り返す。50データピークより多くを見出した場合、工程を中止する。ゼロ次および一次の飛行時間の質量変換を、検出された内部標準ピークからの線形外挿を用いて補正し、モノアイソトピック質量値に対する信頼区間をピークおよび標準の質量精度から推定する。
インシリコタンパク質消化物へのスペクトルピークの確率的マッチング:
質量スペクトルに対するピーク質量リストを、全タンパク質配列データベースの理論的な消化物と直接比較する。各理論的な消化物について、
Figure 2008508504
を計算し、式中Nは理論上の消化物でのペプチドの数であり、P(pi)は配列データベースにおける全ペプチドの総数により割られるピークのモノアイソトピック質量に対する信頼区間に適合するペプチドの数であり、およびcMatchesは消化物と質量スペクトルとの間の適合物の数である。この値が、消化物とスペクトルとの間の擬陽性適合物を得る確率に比例することを示し得る。確率値はさらに、適合物を生じるスペクトルピークの高い優位性に対して選別される。1回目の同定後、同一条件下でもたらされる質量スペクトルに対する同定の偏差値を、飛行時間の質量変換の二次および三次項を補正するために用いる。結果として生じる質量値は大抵、10ppmより小さい絶対偏差を有する。その後、これらの質量値をマッチングの最終回で用い、そこで0.01/Nタンパク質より小さなPmismを有する(ボンフェローニ補正で1%の有意水準)全ての適合物を認める。
実施例2
培地からヘパリンカラムによる推定上の分泌タンパク質の濃縮およびLC-MSによる同定
単一の機能を有する多くのタンパク質がグリコシル化されているという観察に基づき、ヘパリンセファロースカラムの性質は、それを例えば単一の機能を有するタンパク質、増殖因子、凝固タンパク質およびステロイド受容体のような多くのグリコシル化されたタンパク質の分離のための非常に用途が広い道具としている。ヘパリンセファロースカラムにおけるリガンドは、ブタの腸粘膜の未処置のプロテオグリカンから抽出される自然に生ずる硫酸化グリコサミングリカン(glycosaminglycan)である。ヘパリンは、ウロン酸およびD-グルコサミンの交互の単位からなり、その多くは1つまたは2つの硫酸基で置換される。固定化されたヘパリンはタンパク質との相互作用の2つの主な様式を有する。それは、例えば凝固因子とのその相互作用における、アフィニティリガンドとして機能し得る。ヘパリンはまた、その陰イオン性硫酸基のため、高容量の陽イオン交換体としての機能も有する。発明者らの場合、カラムをシリンジを用いることにより操作した。
両方の場合に対して推奨される溶出条件は、結合緩衝剤は10 mMリン酸ナトリウムpH〜7、および溶出緩衝剤は10 mMリン酸ナトリウム、2M NaCl、pH〜7を含む、2M NaClの段階勾配を用いることにより増加するイオン強度を含んだ。
試料調製
細胞および他の不溶性の物質を取り除くために、25 mlの培地を4℃で10分間、10.000 gで遠心分離した。試料溶液を結合緩衝剤の組成に調整した。25 mlの20 mMリン酸ナトリウム緩衝溶液(pH=7)を添加し試料を希釈することによりこれを行った。カラム上にアプライする直前に、試料を遠心分離した。ヘパリンカラム(HiTrap Heparin HP, 1 ml, Cat.Nr. 17-0406-01, Amersham)に対するオフローディング量(offloading volume)は1 mlカラムに対して5 mlであった。
ヘパリンクロマトグラフィによるタンパク質の濃縮の操作手順:
1. 25 mlシリンジを結合緩衝剤で満たした。これに加えて、栓を取り除き、そしてカラム内に空気が持ち込まれるのを避けるためにカラムを提供されるアダプタ「drop to drop」を用いてシリンジと連結した。
2. ねじ切り(twist-off)末端を取り除き、カラムを平衡化するために、ヘパリンセファロースを10カラム倍量の結合緩衝剤で洗浄した。
3. その後、試料を上記記載のように調製し、ルアーアダプタに適合するシリンジを用いてカラムの上へポンピングすることによりアプライした。
4. その後、5倍量の結合緩衝剤で、または溶出液中に物質が現れなくなるまで、カラムを洗浄した。
5. 試料を溶出するために、カラムを5カラム倍量の溶出緩衝剤で段階勾配を用いて洗浄した。
6. 最後に、精製された画分をPOROS R2カラムを用いて脱塩した。
ヘパリンカラムから溶出された試料画分を逆相クロマトグラフィ(POROS R2, PerSeptive Biosytems)を用いて脱塩し、speed vacを用いて乾燥した。乾燥後、試料を下記の試料緩衝剤で溶解し、タンパク質量をブラッドフォード法(BioRadタンパク質アッセイ, BioRad)により決定した。
1D電気泳動
試料ローディングおよび泳動条件
15 μgの試料を20 μlの試料緩衝剤中で溶解し(10 μlの総量に対して、試料、2.5 μl NuPAGE LDS 試料緩衝剤(4×)、1.0 μl NuPAGE還元剤(10×)、および6.5μlまでの脱イオン水)、ゲルの上にアプライする前に、70℃で10分間加熱した。上部緩衝剤槽を200 mlの1×NuPAGE SDS泳動緩衝剤で満たした(MES SDS泳動緩衝剤を、950 mlの脱イオン水に対し50 mlの2O× NuPAGE MES SDS泳動緩衝剤を添加することにより調製した)。還元剤として、200 μl/200 mlの抗酸化溶液を上部緩衝剤槽中に添加した。最後に、下部緩衝剤槽を600 mlの1× NuPAGE SDS泳動緩衝剤で満たし、ゲル電気泳動を10%BT直線勾配、ポリアクリルアミドゲル(NuPAGE、Invitrogen)上で、室温、200V一定で35分間行った。
染色および脱染手順
5%(v/v)のリン酸を含む50%(v/v)メタノールで12時間タンパク質を固定化した後、ゲルをコロイド性クマシーブルー(Novex, San Diego, CA, USA)でさらに24時間染色した。ゲルをH2Oで脱染し、標準的な平台スキャナでスキャンした。イメージをPhotoshop(Adope)およびPowerPoint(Microsoft)ソフトウエアを用いて加工した。タンパク質バンドをImage Master 2D Eliteソフトウエア(Amersham Pharmacia Biotechnology)を用いて定量化した。
LC-MS:
分泌タンパク質の同定のために、発明者らのプロテオミクス研究もまた、エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析と多次元液体クロマトグラフィを組み合わせる、多次元タンパク質同定技術(MudPIT)と名付けられたLC/MSシステムを用いて行った。ヘパリンカラムにより濃縮された、消化されたタンパク質を分離するために、発明者らの多次元液体クロマトグラフィ法は、強陽イオン交換(SCX)樹脂および逆相樹脂を二相性カラム中に統合している。各MudPIT分析は二重に行われ、分離は2つの分析間で0.5%以内で再現可能であった。さらに、複合ペプチド混合物中で最も豊富な、および最も少ないタンパク質/ペプチド間で10000対1のダイナミックレンジが立証されている。分離に加えて試料調製を改良することで、本方法は、分泌タンパク質が濃縮された画分のタンパク質を同定することによるプロテオームの全般的な分析を向上させた。MudPITシステムは、試料濃縮のための4 cm × 50-μm内径 × 5 μmのC18ミクロSPEプレカラム、および極度に少量の試料の高性能勾配逆相ナノスケールLC分離のための85 cm × 15-μm内径 × 3 μmのC18充填キャピラリーカラムを含んだ。ミクロSPE段階は、5%未満の試料損失(シリンジおよびバルブアダプタのために)で10 μLの溶液をロードするために2分未満を要するナノLCカラムの上に、約8 μL min-1で溶液をロードすることを可能にした。分離を10,000 psiの定圧で実施した。15-μm内径のキャピラリーに充填された長さ3-μm粒子は、約103の分離ピーク容量を提供する。カラムを、溶出ペプチドの高性能イオン化のための約2-μm内径の開口部を有する10-μm内径×150-μm外径の融合シリカキャピラリーからできている取り替え可能なナノESIエミッタに適合するゼロデッドボリュームステンレス鋼接合管により連結する。ESIソースを、ペプチド/タンパク質検出および同定のための、FTICR MSまたはイオントラップMS/MSのいずれかに接続する。FTICR質量分析器を、高精度質量測定および相対保持時間(RRT)情報の使用に基づく一段階MSに対して用い、ならびにFinniganイオントラップ質量分析器(LCQ XP, ThermoQuest Corp., San Jose, CA)をMS/MSに対して用いた。
実施例3
β細胞不全マーカーである膵臓ホルモンに対する抗体の産生
β細胞不全マーカーである膵臓ホルモンに対するポリクローナル抗体は、免疫検出アッセイ、例えばウェスタンブロッティングおよびELISAによる、膵臓ホルモンの、血清、および血漿、および血液レベルの測定における抗体のさらなる使用のために産生される。
大腸菌(E. coli)における組換えタンパク質の発現
膵臓ホルモンに対する抗体を産生するため、タンパク質の組換え発現を免疫源を得るために行う。発現をRTS100発現システムおよび大腸菌の組合せを利用して行う。第一段階として、DNA配列を分析し、高収率cDNA沈黙突然変異変異体およびそれぞれのPCRプライマー配列に対する推奨を「ProteoExpert RTS E.coli HY」システムを用いて得る。これは市販のウェブベースのサービスである(www.proteoexpert.com)。推奨されたプライマー対を用いて、cDNAから直線的なPCR鋳型を産生し、かつ膵臓ホルモンタンパク質をコードするヌクレオチド配列のインビトロの転写および発現のために「RTS 100 E. coli Linear Template Generation Set, His-tag」(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, Cat.No. 3186237)システムを使用する。ウェスタンブロット検出および後の精製のために、発現タンパク質はHis-tagを含む。最も良く発現する変異体を同定する。PCRから発現および検出への全ての段階を製造者の取扱説明書に従って実行する。全ての必要なT7制御領域(プロモーター、リボソーム結合部位、およびT7ターミネーター)を含む各PCR産物を、pBAD TOPO(登録商標)ベクター(Invitrogen, Karlsruhe, Germany, Cat. No. K 4300/01)内に製造者の取扱説明書に従ってクローンニングする。T7制御配列を用いる発現のために、構築物を大腸菌BL 21(DE 3)(Studier, F.W., et al., Methods Enzymol. 185 (1990) 60-89)に形質転換し、形質転換された細菌をタンパク質発現のために1lバッチで培養する。
His-膵臓ホルモン融合タンパク質の精製を標準的な手法に従ってNi-キレートカラム上で行う。簡単に言うと、His-膵臓ホルモン融合タンパク質に対する発現ベクターを含む1lの細菌培養液を遠心分離によりペレット状にする。細胞ペレットを、リン酸pH 8.0、7 Mの塩化グアニジウム、イミダゾール、およびチオグリセロールを含む溶解緩衝剤中で再懸濁し、続いてUltra-Turrax(登録商標)を用いて均質化する。不溶性の物質を高速遠心分離によりペレット状にし、上清をNi-キレートクロマトグラフィカラムにアプライする。カラムを総容積の数倍量の溶解緩衝剤で洗浄し、続いてリン酸pH 8.0および尿素を含む緩衝剤で洗浄する。最後に、結合抗原を酸性条件下でSDSを含むリン酸緩衝剤を用いて溶出する。
タンパク質膵臓ホルモンに対するモノクローナル抗体の産生
a)マウスの免疫化
最初に12週齢のA/Jマウスを100μgの膵臓ホルモンで腹腔内に免疫化する。6週間後、さらに2回の腹腔内の免疫化が1ヶ月間隔で続く。この工程において、各マウスに、水酸化アルミニウムに吸収させた100μgの膵臓ホルモン、および109微生物の百日咳菌(Bordetella pertussis)を投与する。続いて、100μgの膵臓ホルモンを含むPBS緩衝剤を用いて、融合のそれぞれ2日前および3日前において、最後2回の免疫化を静脈内に行う。
b)融合およびクローニング
a)に従って免疫化されたマウスの脾臓細胞を、Galfre, G., and Milstein, C., Methods in Enzymology 73 (1981) 3-46に従って骨髄腫細胞と融合する。この工程において、免疫化されたマウスの約1*108脾臓細胞を2×107の骨髄腫細胞(P3X63-Ag8-653, ATCC CRL1580)と混合し、遠心分離する(300 gおよび4℃で10分)。その後、細胞をウシ胎児血清(FCS)を含まないRPMI 1640培地で一度洗浄し、50 mlのコニカルチューブで400 gで再び遠心分離する。上清を廃棄し、細胞沈降物を軽くたたいて徐々に緩め、1 mlのPEG(分子量4000、Merck, Darmstadt)を添加し、そしてピペッティングにより混合する。37℃のウォーターバス中で1分後、FCSを含まない5 mlのRPMI 1640を室温で4〜5分の時間内に液滴添加する。その後、10%のFCSを含む5 mlのRPMI 1640を約1分以内に液滴添加し、完全に混合し、培地(RPMI 1640+10% FCS)で50 mlまで満たし、続いて400 gおよび4℃で10分間遠心分離する。沈降細胞を10%のFCSを含むRPMI 1640培地中で取り上げ、ヒポキサンチン-アザセリン選択培地(100 mmol/lヒポキサンチン、1μg/mlアザセリンを含むRPMI 1640+10%のFCS)に播種する。インターロイキン6を100 U/mlで増殖因子として培地に添加する。約10日後、初代培養物を特異的抗体に対して試験する。膵臓ホルモン陽性の初代培養物を96ウェル細胞培養プレート中に蛍光標示式細胞分取器の手段によりクローニングする。この工程において、再びインターロイキン6を100 U/mlで増殖因子として培地に添加する。
c)細胞培養上清液からのイムノグロブリン単離
得られたハイブリドーマ細胞をml当たり1×105細胞の密度で10%のFCSを含むRPMI 1640培地に播種し、発酵槽(Thermodux Co., Wertheim/Main, Model MCS-104XL, Order No.144-050)中で7日間増殖させる。平均して、培養上清中にml当たり100μgのモノクローナル抗体の濃度が得られる。培養上清からのこの抗体の精製をタンパク質化学における通常の方法(例えば、Bruck, C., et al., Methods in Enzymology 121 (1986) 587-695に従う)により行う。
ポリクローナル抗体の産生
a)免疫化
免疫化のために、1:1の比でタンパク質溶液(100 μg/mlタンパク質膵臓ホルモン)および完全フロイントアジュバントの新鮮なエマルジョンを調製する。それぞれのウサギを1 mlのエマルジョンで1、7、14、および30、60、および90日目に免疫化する。血液を採り、結果として生じる抗膵臓ホルモン血清を実施例3および4に記載されているようなさらなる実験に対して用いた。
b)カプリル酸および硫酸アンモニウムを用いる連続した沈殿によるウサギ血清からのIgG(イムノグロブリンG)の精製
1倍量のウサギ血清を4倍量のアセテート緩衝剤(60 mM、pH 4.0)で希釈する。pHを2 MのTris塩基で4.5に調整する。カプリル酸(25 μl/mlの希釈試料)を活発な攪拌下で液滴添加する。30分後、試料を遠心分離し(13,000×g、30分、4℃)、ペレットを廃棄し、上清を回収する。上清のpHを2 MのTris塩基の添加により7.5に調整し、ろ過する(0.2 μm)。
上清中のイムノグロブリンを活発な攪拌下で2 Mの最終濃度までの4 Mの硫酸アンモニウム溶液の液滴添加により沈殿させる。沈殿したイムノグロブリンを遠心分離(8000×g、15分、4℃)により回収する。
上清を廃棄する。ペレットを10 mM NaH2PO4/NaOH、pH 7.5、30 mM NaCl中で溶解し、徹底的に透析する。透析物を遠心分離し(13,000×g、15分、4℃)、ろ過する(0.2 μm)。
ポリクローナルウサギIgGのビオチン化
ポリクローナルウサギIgGを10 mMのNaH2PO4/NaOH、pH 7.5、30 mMのNaCl中で10 mg/mlにする。IgG溶液ml当たり50 μlのビオチン-N-ヒドロキシスクシンイミド(DMSO中に3.6 mg/ml)を添加する。室温で30分後、試料をSuperdex200上で色層分析する(10 mM NaH2PO4/NaOH、pH 7.5、30 mM NaCl)。ビオチン化されたIgGを含む画分を回収する。同じ手法に従って、モノクローナル抗体をビオチン化している。
ポリクローナルウサギIgGのジゴキシゲニン化(digoxygenylation)
ポリクローナルウサギIgGを10 mM NaH2PO4/NaOH、30 mM NaCl、pH 7.5中で10 mg/mlにする。IgG溶液ml当たり50 μlのジゴキシゲニン-3-O-メチルカルボニル-ε-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Roche Diagnostics, Mannheim, Germany, Cat. No. 1 333 054)(DMSO中に3.8 mg/ml)を添加する。室温で30分後、試料をSuperdex(登録商標)200上で色層分析する(10 mMのNaH2PO4/NaOH、pH 7.5、30 mMのNaCl)。ジゴキシゲニン化IgGを含む画分を回収する。同じ手法に従ってモノクローナル抗体をジゴキシゲニンで標識化する。
実施例4
ウエスタンブロット
ヘパリンカラム(上記)により培地から濃縮および単離されたタンパク質試料を、10 mM Tris-HCl(pH 7.5)、150 mM NaCl、0.05 % Tween 20、1 % SDSからなる試料緩衝剤で溶解し、そして4℃で10分間、12,000 gで遠心分離した。上清のタンパク質濃度を、公知のウシ血清アルブミン標準の範囲から作成される検量線を用いるブラッドフォード法により測定した。試料を試料緩衝剤(60 mM Tris-HCl、2% SDS、0.1% ブロモフェノールブルー(bromphenol blue)、25% グリセロール、および14.4 mM 2-メルカプトエタノール、pH 6.8)と混合、および70℃で5分間インキュベーションした後、試料を12.5% homogenous ExcelGel SDSゲル(Amersham Bioscience)により分離し、そしてニトロセルロース膜の上に電気的に転写した。膜を、ブロッキング溶液(10 mM Tris-HCl、pH 7.5、150 mM NaCl、0.05% Tween 20、および5% 脱脂粉乳)中でインキュベーションの後、抗ラットウサギ抗体で、それぞれ室温で2時間インキュベートした。洗浄溶液(0.3% Tween 20を含むTris緩衝生理食塩水)で10分間3回洗浄した後、膜をホースラディッシュペルオキシダーゼ結合抗ウサギIgG(H+L)、抗マウスIgG1および抗マウスIgG2a(Southern Biotechnology Associates, Inc., Birmingham, AL)と共にそれぞれ1時間室温でインキュベートした。膜を10分間3回洗浄し、抗原-抗体複合体を、増強された化学発光の試薬(Western Lightning(商標), PerkinElmer Life Sciences, Inc., Boston, MA)により製造者のプロトコルに従ってX線フィルム上で可視化した。
実施例5.1
ヒト血清およびヒト血漿試料中の膵臓ホルモンの測定のためのELISA
ヒト血清またはヒト血漿中の膵臓ホルモンの検出のために、サンドイッチELISA法が開発された。抗原の捕捉および検出のために、抗膵臓ホルモンポリクローナル抗体(実施例2を参照のこと)の一定分量がそれぞれビオチンおよびジゴキシゲニンと結合する。
ストレプトアビジンでコーティングした96ウェルマイクロタイタープレートを100 μlのビオチン化抗膵臓ホルモンポリクローナル抗体と共に、10 mMのリン酸、pH 7.4、1%のBSA、0.9%のNaCl、および0.1%のTween 20中10 μg/mlで60分間インキュベートする。インキュベーション後、プレートを0.9% NaCl、0.1% Tween 20で3回洗浄する。その後、ウェルを、標準抗原として組換えタンパク質(実施例2を参照のこと)の段階希釈、または患者からの希釈血漿試料のいずれかと共に2時間インキュベートする。膵臓ホルモンの結合後、プレートを0.9% NaCl、0.1% Tween 20で3回洗浄する。結合膵臓ホルモンの特異的な検出のために、ウェルを100 μlのジゴキシゲニン化抗膵臓ホルモンポリクローナル抗体と共に、10 mM リン酸、pH 7.4、1% BSA、0.9% NaCl、および0.1% Tween 20中10 μg/mlで60分間インキュベートする。その後、プレートを結合していない抗体を取り除くために3回洗浄する。次の段階において、ウェルを20 mU/mlの抗ジゴキシゲニン-POD複合体(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, Catalog No. 1633716)と共に10 mM リン酸、pH 7.4、1% BSA、0.9% NaCl、および0.1% Tween 20中で60分間インキュベートする。続いてプレートを同じ緩衝剤で3回洗浄する。抗原抗体複合体の検出のために、ウェルを100 μlのABTS溶液(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, Catalog No. 11685767)と共にインキュベートし、ODを30〜60分後ELISAリーダーを用いて405 nmで測定する。
実施例5.2
EIAによるヒト血漿中の膵臓ポリペプチドの確認
膵臓ポリペプチドの確認のために用いられる酵素免疫測定法キットを、特定のペプチド、および「競合的」酵素免疫測定法の原理に基づくその関連ペプチドを検出するよう設計した。キットをPhoenix Pharmaceuticals, Inc.,(Art. Nr. EK-054-02)より購入し、製造者プロトコルに従って実行した。
・アッセイ緩衝剤濃縮物を950mlの蒸留水で希釈した。標準ペプチドを調製した。
・1次抗血清を5mlのアッセイ緩衝剤で再水和し、ボルテックスした。
・ビオチン化ペプチドを5mlのアッセイ緩衝剤で再水和し、ボルテックスした。
・ウェルA-1をブランクとして空のままにした。
・50μlのアッセイ緩衝剤を全結合量を決定するためにウェルの中に添加した。
・50μlの調製ペプチド標準溶液をウェルの中に添加した。
・50μlの試料をそれらが指定されたウェルの中に添加した。
・25μlの再水和1次抗血清をブランクウェルを除く各ウェルの中に添加した。
・25μlの再水和ビオチン化ペプチドをブランクウェルを除く各ウェルの中に添加した。
・イムノプレートをアセテートプレートシーラー(APS)で密閉した。
・イムノプレートを室温で2時間インキュベートした。
・このキット中に供給されるSA-HRPバイアルを遠心分離し(500〜1,000r.p.m.、15秒、4℃)、12μlのSA-HRPを12mlのアッセイ緩衝剤の中にSA-HRP溶液を作るためにピペットで移し、ボルテックスした。
・APSをイムノプレートから取り除いた。
・ウェルの内容物を廃棄した。
・各ウェル(ブランクを除く)を300μlのアッセイ緩衝剤で5回洗浄した。
・100μlのSA-HRP溶液をブランクウェルを除く各ウェルの中に添加した。
・イムノプレートをAPSで再密閉し、室温で1時間インキュベートした。
・上記のようにイムノプレートをアッセイ緩衝剤で6回洗浄およびブロットドライ(blot dry)した。
・このキット中に供給される100μlの基質溶液をブランクウェルを含む各ウェルの中に添加した。
・イムノプレートをAPSで再密閉し、室温で1時間インキュベートした。
・100μlの2N HClを反応を止めるために各ウェル(ブランクを含む)の中に添加した。次の段階を20分以内に開始した。
・イムノプレート底面を70%エタノールで清浄した。
・APSを取り除き、イムノプレートをマイクロタイタープレートリーダーの上にロードした。
・O.D.450nmで吸光度を測定した。
片対数グラフ用紙上に検量線をプロットした。標準ペプチドの公知の濃度およびそれに対応するO.D.読み取り値をそれぞれ対数目盛(X軸)上および均等目盛(Y軸)上にプロットした。検量線は、ペプチド濃度と対応するO.D.吸光度との間に逆の相関を示した。標準濃度が上昇するにつれて、黄色の強度、および言い換えるとO.D.吸光度が減少した。
試料中のペプチドの濃度を、Y軸上に試料のO.D.をプロットし、その後検量線と交差する水平線を描くことにより決定した。この点から引かれる垂線は、未知の試料中のペプチド濃度に対応する座標でX軸と交差すると考えられる。
実施例5.3
RIAによるヒト血漿中の膵臓ポリペプチドの確認
用いられるキットを特定のペプチド、および「競合的」酵素免疫測定法の原理に基づくその関連ペプチドを検出するよう設計した。キットをPhoenix Pharmaceuticals, Inc.,(Art. Nr. RK-054-01)より購入し、製造者プロトコルに従って実行した。
実施例6
患者データの統計分析
新規マーカー膵臓ホルモンの臨床上の有用性を、外因性インスリンの注射に依存する10人の糖尿病患者でそのレベルを測定し、かつ正常なβ細胞機能を有すると立証された10人の患者で測定されたレベルと比較することにより評価した。統計分析を有意と考えられる0.05より小さい値で標準的なスチューデントのt検定評価により行った。
結果は以下の通りである。
対照:30.9 pg/ml +/- 3.4 pg/ml
IGT(耐糖能異常):31.7 pg/ml +/- 5.5 pg/ml、p=0.75
IGT+IFG(空腹時血糖異常):44.6 pg/ml +/- 15.1 pg/ml、p=0.012
II型糖尿病:69.8 pg/ml +/- 26.4 pg/ml、p=0.00022
I型糖尿病:44.6 pg/ml +/- 10.3 pg/ml、p=0.00086

Claims (19)

  1. 配列番号:1または2の膵臓ホルモンと相互作用する化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
    a) 1つの化合物または複数の化合物と膵臓ホルモンとの相互作用を可能にする条件下で、タンパク質膵臓ホルモンを該1つの化合物または複数の化合物と接触させる段階;および
    b)該1つの化合物または複数の化合物と該ポリペプチドとの間の相互作用を検出する段階。
  2. β細胞不全を予防する、および/または抑制する、および/または和らげる可能性がある化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階:
    a)化合物を配列番号:1または2のタンパク質膵臓ホルモンと接触させる段階;
    b)該タンパク質膵臓ホルモンの活性を測定する段階
    を含む方法であり、
    ここで該タンパク質膵臓ホルモンの活性を刺激するまたは阻害する化合物はβ細胞不全を予防するおよび/または抑制する可能性がある化合物である方法。
  3. 段階(a)の前、または段階(a)と(b)との間にタンパク質膵臓ホルモンを固定化する段階を追加的に含む、請求項2記載の方法。
  4. 化合物の存在下または非存在下で宿主から分泌される配列番号:1または2の可溶性膵臓ホルモンを検出する段階を含む、β細胞不全を予防するおよび/または抑制するおよび/または遅らせる化合物をスクリーニングする方法であって、β細胞不全を予防するおよび/または抑制するおよび/または遅らせる化合物が宿主から分泌される該膵臓ホルモンのレベルを変化させる化合物である方法。
  5. β細胞不全を予防するおよび/または抑制する化合物をスクリーニングするための標的および/またはマーカーとしての配列番号:1または2のタンパク質膵臓ホルモンの使用。
  6. 糖尿病の進行をモニタリングするための方法であって、以下の段階を含む方法:
    a)個体から得られる液体試料を提供する段階;
    b)結合剤および膵臓ホルモン間の複合体の形成に適切な条件下で、該試料を配列番号:1の膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤と接触させる段階;ならびに
    c)(b)で形成された複合体の量を、β細胞不全で形成される複合体の量と関連付ける段階。
  7. 糖尿病の治療の効果をモニタリングするための方法であって、以下の段階を含む方法:
    a)糖尿病に対する治療を受けた患者から得られる液体試料を提供する段階;
    b)結合剤および膵臓ホルモン間の複合体の形成に適切な条件下で、該試料を配列番号:1の膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤と接触させる段階;ならびに
    c)(b)で形成された複合体の量を、治療を欠く場合に形成される複合体の量と関連付ける段階。
  8. β細胞不全の診断のための方法であって、以下の段階を含む方法:
    a)個体から得られる液体試料を提供する段階;
    b)結合剤および膵臓ホルモン間の複合体の形成に適切な条件下で、該試料を配列番号:1の膵臓ホルモンに対して特異的な結合剤と接触させる段階;ならびに
    c)(b)で形成された複合体の量を、β細胞不全の診断と関連付ける段階。
  9. 試料が血清であることでさらに特徴付けられる、請求項6〜8いずれか一項記載の方法。
  10. 試料が血漿であることでさらに特徴付けられる、請求項6〜8いずれか一項記載の方法。
  11. 試料が全血であることでさらに特徴付けられる、請求項6〜8いずれか一項記載の方法。
  12. 個体から得られる液体試料からのβ細胞不全の診断におけるマーカー分子としての配列番号:1のタンパク質膵臓ホルモンの使用。
  13. 個体から得られる液体試料からのII型糖尿病の早期診断におけるマーカー分子としての配列番号:1のタンパク質膵臓ホルモンの使用。
  14. 早期診断がグルコース不耐性を患っている患者由来の試料で行われる、請求項13記載の使用。
  15. 糖尿病の進行をモニタリングするための、配列番号:1のタンパク質膵臓ホルモンの使用。
  16. 糖尿病の治療の効果をモニタリングするための、配列番号:1のタンパク質膵臓ホルモンの使用。
  17. 個体から得られる液体試料からのβ細胞不全の診断において、β細胞不全に対する少なくとも1つの他のマーカー分子と組み合わせる、β細胞不全に対するマーカー分子としての配列番号:1のタンパク質膵臓ホルモンの使用。
  18. 配列番号:1の膵臓ホルモンに対する少なくとも1つの特異的結合剤、および膵臓ホルモンの測定に対する補助試薬を含む、免疫学的キット。
  19. 実質的に上記、特に実施例に関して記載されるような、方法、使用、およびキット。
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