JP2008501774A - グリア細胞株由来神経栄養因子の不確帯への直接注入による、ヒトのパーキンソン病の治療方法 - Google Patents
グリア細胞株由来神経栄養因子の不確帯への直接注入による、ヒトのパーキンソン病の治療方法 Download PDFInfo
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Abstract
ヒトのパーキンソン病の治療法が開示され、ここでその治療の必要な患者の脳のSNcおよび少なくとも一つの視床下部領域、あるいはSNc、少なくとも一つの視床下部領域および少なくとも一つの被殻領域に、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)が、慢性的に直接投与される。本発明のある局面において、GDNFは、埋め込み可能なポンプと連結した実質内の脳留置カテーテルにより、脳の少なくとも一つの尾側不確帯および少なくとも一つの後方背側被殻に直接注入される。
Description
本発明は、一般的に神経生物学の分野に関する。より詳しくは、本発明はヒトのパーリンソン病を治療する方法に関し、関連のある、萎縮したドーパミン作動性ニューロンの回復方法および変性しやすいドーパミン作動性ニューロンの保護方法も記載される。
特発性パーキンソン病(PD)は、特に、線条体ドーパミンレベルの減少を生じる黒質(SNc)緻密層内のドーパミン作動性ニューロンの選択された集団の進行性の死で特徴付けられる神経変性障害である。青年の黒質緻密層には、およそ500,000の特殊化したドーパミン作動性細胞がある。パーキンソン症候群の症状はドーパミン作動性神経支配の75〜80%が破壊されると現れる。臨床の診断が基づく結果的で基本的な特徴は、震顫、硬直、体位不安定性および運動不能/運動緩徐である(LangおよびLozano, 1998)。報告によると、北米で100万人を超える罹患した個体がおり(LangおよびLozano, 1998)、欧州中で65歳以上の集団100人当り1.6人の推定全体罹患率である(de Rijk et al., 1997)。罹患個体間の死亡率は、同年代の非罹患同等者間よりも2〜5倍高く(Bennett et al., 1996; Morens et al., 1996; Louis et al., 1997)、平均寿命は著しく低下する(Morens et al, 1996)。該疾患に関する最も一貫した単一の危険因子は年齢であり、工業国の人口統計の変化が与えられるとその社会的負担は増加するように思われる。経口投与性であり、小腸を介して吸収され、ドーパミンそれ自体とは異なり血液脳関門を通過し得るドーパミンの直前の前駆体のL-ドーパは、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼインヒビターと組み合わせると最も効果的な治療であり、現在パーキンソン病に対して広く利用可能である(Koller, 2000; Jankovic, 2002)。L-ドーパによりPDの症状が軽減されるが(実際、患者の90%より多くで見られるL-ドーパに対する反応性は、該疾患特有の特徴のひとつである(LangおよびLozano, 1998))、その使用に問題がないわけではない。ドーパミンアゴニストに共通で治療の数年後により明らかに現れる、その主な制限は、明らかな「徐々に消え去る(wearing-off)」および「オン・オフ」現象の形態をとる運動性の変動によって表される患者の反応性の一貫性のなさの増加である(NuttおよびHolford, 1996: LangおよびLozano, 1998; Koller, 2000; Jankovic, 2002)。「用量低下の終末(end of dose deterioration)」とも記載される「徐々に消え去る」は、時間的に生じるL-ドーパの投与に対する応答の、比較的段階的で予測可能な減衰について規定される用語であり、このことはL-ドーパの投与に明確には関連がない運動能力の「オン・オフ」変動と対比される。PDの初期において、運動性の変動はL-ドーパの作用を長くするアプローチ(例えば、該分子の徐放性製剤またはカテコール-O-メチルトランスフェラーゼインヒビターの同時投与)、または長期作用性の合成ドーパミンアゴニストの使用により軽減される;しかし、これらの介入によって運動性の変動の結果として生じる予測不可能なことの増加および制御の減少、ならびに「オン」の期間のジスキネジーの発生率の増加を防ぐことはできない(LangおよびLozano, 1998; Koller, 2000; Jankovic, 2002)。
グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)はトランスホーミング成長因子βスーパーファミリーの遠い一員であり、分離されたラット胚性中脳の培養物内のドーパミン作動性ニューロンに相対的な特異性を有するものとして記載されるような、潜在的な神経栄養因子としてラットグリア細胞株の培地から最初に単離された(Lin et al., 1993; Lin et al., 1994)。それはその後他の神経集団においても効果を発揮することが分かっていた。GDNFはドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、ノルアドレナリン作動性ニューロンおよびグルタミン酸作動性ニューロンの発生および維持に重要である(Lin et al., 1993; Lin et al., 1994; Arenas et al., 1995; Beck et al., 1996; Martin et al., 1996)。ヒトGDNF遺伝子がクローニングされ、完全な生物活性を示す組換えヒトGDNFが大腸菌で発現された(Lin et al., 1993)。
細胞培養(Lin et al., 1993; Lin et al., 1994; Hou et al., 1996)およびPDのげっ歯類モデルで採取したデータによると、脳室に送達されるか、または線条もしくは黒質に直接送達された場合、GDNFは神経保護性であり、繊維の伸長を促進し、運動機能を改善させることが分かった(Hoffer et al., 1994; Bowenkamp et al., 1995; Tomac et al., 1995a; Kearns et al., 1995)。動物モデルにおける実質内送達によると、ボーラス注射もしくはポンプを用いた慢性注入によっての、またはGDNFの送達のために操作された複製欠損の生きたウイルス粒子を用いた脳への感染によっての送達のいずれであったとしても効果的であると分かった(Gash, et al., 1998; Grondin, et al., 2002b; Kordower, et al., 2000)。従って、GDNFは、パーキンソン病(PD)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)のようなヒト神経変性障害の治療に対して、有意に治療的な保証を長期的に維持する(Gash et al., 1996)。しかしながら、PDおよび他のヒト神経学的障害に対するGDNFの治療的な応用についての重大な障害に出くわした。第一に、GDNFは血液脳関門を通過し得ない巨大分子であり、GDNFをヒトの脳へと治療的に送達することは困難である。第二に、脳の相対的な大きさの有意な違いのために、動物モデルはヒトの条件に対してその関連性が制限されると分かった。GDNFの脳室内注入はPDおよびALS患者で実際に行なわれたが、治療的有益性を生じることには失敗した。より具体的に、特発性PDを有する被験体(53人の被験体;これらのうち50人は二重盲検法およびプラシーボ対照試験に参加し、50人のうち38人が研究薬物を受けた)のうち4人の臨床研究において、月毎のボーラス投与(投与当り25〜4000μg)または慢性注入(3〜50μg/日)による脳室(ICM)へのGDNFの送達によって臨床的な効果は示されなかった、すなわちPDの兆しまたは症状において、臨床的にまたは統計学的に有意な改善は観察されなかった(Nutt, et al., 2003)。さらに、ほとんど全ての被験体(92%〜100%)が、研究中に少なくとも一つの不利な事象を経験した。軽〜中程度の吐き気が、最も頻繁に報告された不利な事象である(全研究を通しておよそ70%〜90%の発生率)。全研究を通して30%〜80%の被験体において軽〜中程度の感覚異常が報告された。全研究を通して14%〜63%の被験体において体重の減少が報告された。全研究を通して21%〜44%の被験体において重度の不利な事象が報告された。さらに、1被験体において検視の際に線条のドーパミン繊維の回復の証拠はなかった(Kordower, et al., 1999)。
臨床試験に失敗した、別の一見したところ見込みのあるPDの治療についてのアプローチは、胚性のドーパミン作動性ニューロンのPD患者の脳への埋め込みであった。患者が培養胚性中脳組織の被殻内(intraputaminal)移植を受けるか、または硬膜を貫通しない偽手術を施されるかいずれかである、無作為化された二重盲検試験において、手術から1年後に60歳を超える患者での移植の結果として観察される臨床的改善はなく、中程度の改善のみが60歳以下の患者において見られた(Freed, C. et al., 2001)。移植を受けた患者の12〜36ヶ月続いた追跡調査の間に、失調およびジスキネシーが多くの患者で発症し、その全てが手術当時に60歳未満であり、それぞれが移植後最初の1年間に臨床的な改善を経験した。本研究における研究者は、ドーパミン作動性機能のバランスの取れていない増加により、パーキンソン症候群についての神経移植の所望されない結果を生じることを示唆する発見を後に報告した(Ma, Y. et al., 2002)。
最近まで、ヒト患者におけるパーキンソン病(パーキンソン症候群)のような神経障害により生じる損傷を予防または修復する効果的な方法は存在しなかった。しかし、最近Gillらにより、特発性のPDを有する5人の患者の後方背側被殻へ、ポンプおよびカテーテルシステムを用いた慢性注入によって直接送達されたGDNFは、安全かつ良好に許容されることが示された(Gill et al., 2003)。震顫スコアおよび失調スコア以外の疾患の全ての局面が、慢性的な被殻内へのGDNF注入により改善された(統一パーキンソン病評定スコアのPart IIIおよび IV)。さらに、陽電子断層撮影法(PET)スキャンにより、カテーテルのすぐ近傍で80%も多くの18F-ドーパの取り込みの増加が示された。これらの研究に見られる有意なポジティブな結果にかかわらず、これらの研究に用いられる治療方法は、PDの特徴的な症状である震顫を有意に軽減することに失敗した。実際に、研究の開始時に震顫の優性な疾患を有した二人の患者は、震顫および失調の段階的な悪化に気がついた。これらの患者の両方も、L-ドーパ投薬の効果が「徐々に消え去」った場合に、足のジストニー性体位を経験した。震顫の症状がPD患者の生活の質に実質的に影響し、大用量抗コリン作動性薬のような医薬に対して応答しないので、震顫の症状およびPDの他の弱体化効果を軽減するPDの治療法についての必要性が存在する。
従って、震顫を含むPD関連性の症状の広い範囲の軽減を可能にする、ヒトの脳の特定の領域へのGDNFの慢性注入を含む、ヒトのPDの治療方法を提供することが本発明の目的である。このことおよび他のかかる目的は、本開示から当業者に対して容易に明らかとなる。
本発明は、被殻内GDNF注入を受けたPD患者において、震顫および失調の症状の進行が、罹患している脳の、視床下部領域についての連続的なドーパミンの消失および脳幹神経節についてのドーパミン送達の最適な上方制御よりも少ないことのためであるという仮定に基づく。従って、埋め込み可能ポンプおよび一つ以上の留置カテーテルによるPD患者の脳の、視床下核、不確帯等のSNcまたは視床下部領域、あるいはPD患者の脳の少なくとも一つの被殻領域およびSNc、または視床下部領域へのGDNFの連続的な送達により、震顫を含む劇的な抗パーキンソン症候群および抗ジスキネジー効果を生じる。PDにおいて中脳のドーパミン作動性および非ドーパミン作動性(セロトニン作動性、コリン作動性、およびノルアドレナリン作動性)の両方の変性が生じるので、本発明の方法は、PDに罹患するヒト患者の予め神経伝達物質を欠損しているニューロンにおいて、再神経支配および/または神経伝達物質の貯蔵の回復にさらに関係し得る。
本発明の第一の局面は、PD患者の脳のSNcまたは視床下部領域に、薬学的に有効量のGDNFタンパク質産物を含む医薬組成物の投与工程を包含する、ヒトのパーキンソン病の治療方法に関する。本発明の別の局面は、PD患者の脳の少なくとも一つの被殻領域、ならびに少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域に、薬学的に有効量のGDNFタンパク質産物を含む医薬組成物の投与工程を包含する、ヒトのパーキンソン病の治療方法に関する。GDNFタンパク質産物としては、薬学的有効量のr-metHuGDNF(下記表1に示されるアミノ酸配列を有する二量体タンパク質)またはそのバリアントおよび/もしくは誘導体が挙げられるがこれに限定されない。
また、本出願人らは本明細書中で、パーキンソン病を治療するための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも一つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用を開示し、ここで該組成物は、投与の必要のあるヒト患者の脳の、視床下核および不確帯等のSNcまたは視床下部へ、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域への投与のためである。
本発明の方法は、ヒトにおいてパーキンソン病により損傷された神経経路の修復に有用であるように企図される。さらに、本発明の方法は、パーキンソン病を有する患者において広範囲の神経細胞の機能を、現在のPD治療によっては不可能なレベルにまで回復し得る。具体的に、本明細書中に記載される方法としては、ドーパミン作動性ニューロンが挙げられるがこれに限定されないニューロンにより、損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激し得る。好ましい態様において、投与の必要性のあるヒト被験体の脳の、少なくとも一つのSNcならびに視床下核および不確帯等の少なくとも一つの視床下部領域、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域へと、薬学的有効量のr-metHuGDNFを投与することを含む、ドーパミン作動性ニューロンの機能を増加する方法が提供される。
また、本発明は、ニューロンの機能を増加するための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNF、および少なくとも一つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用にも関し、該組成物は、投与の必要のあるヒト患者の脳の、視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域への投与のためである。
さらに、投与の必要性のあるヒト患者の脳の、視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域へ、薬学的に有効量のr-metHuGDNFを投与することを含む、ヒトの認知障害の治療方法を提供する。ヒトの認知障害の好ましい治療法は、投与の必要性のあるヒト患者の脳の、視床下核または不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域へ、薬学的有効量のr-metHuGDNFの投与を含む。ヒトの認知障害のより好ましい治療法は、側方SNcおよび/または尾側不確帯へ、薬学的有効量のr-metHuGDNFを投与することを含む。ヒトの認知障害の最も好ましい治療法は、投与の必要性のあるヒト患者の脳の、後方背側被殻および側方SNcおよび/または尾側不確帯へ、薬学的有効量のr-metHuGDNFを投与することを含む。
本明細書中に記載される方法および使用において、GDNFまたは薬学的有効量のGDNFを含む、医薬組成物の投与に好ましい部位としては、尾側不確帯、特に視床下核の後方領域およびSNcの上約2mmならびに両被殻の一つの腔状または後方背側領域が挙げられる。
本発明のさらに他の態様において、治療の必要のあるヒト患者の脳の、少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域に、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域に、薬学的有効量のr-metHuGDNFの投与を含む、PDまたは認知障害の治療方法は、手術前、および任意に、手術後に周期的に、前記ヒト脳において、ドーパミン作動性、ノルアドレナリン作動性および/またはセロトニン作動性機能を評価することをさらに含む。
投与の必要のあるヒト患者の脳の、少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域に、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域に、GDNFを投与する、本明細書に開示される方法は、ヒトにおける予防機能も提供し得る。予防的投与は、PDを有するかまたは有する危険のあるヒトの神経細胞の機能を維持する効果を有し得る。本発明に従って、投与の必要のあるヒト患者の脳の、視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下核領域に、あるいは少なくとも一つの被殻領域ならびに視床下核および不確帯等の少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域へのr-metHuGDNFの投与により、ヒト脳の黒色線状体経路の完全性を保存することが企図される。本発明に従って、予防的に投与されるr-metHuGDNFも、パーキンソン病に関連のある黒色線条体経路の変性または機能的なドーパミン作動性、セロトニン作動性および/もしくはノルアドレナリン作動性活性の消失の予防または治療の方法として企図される。
さらに、パーキンソン病を治療するため、ドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させるため、ドーパミン作動性ニューロンを再生させるため、または損傷しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護するための、薬学的有効量のGDNFの送達のための標的領域を特定するための方法が本発明により提供され、該方法は患者の脳のスキャンを用いてSNcおよび視床下部領域から選択される一つ以上の標的領域を特定すること、あるいは標的領域として一つ以上の被殻領域、ならびに別の標的領域として少なくとも一つのSNcおよび視床下部領域を特定することを含む。好ましくは視床下部領域はSTNまたはZIであり、より好ましくは尾側ZIであり、最も好ましくはSTN後方の尾側ZIおよびSNcの上およそ2mmである。
本明細書中に用いられる節の見出しはただ構成目的のためであり、記載される主題を限定して解釈するべきではない。
略語
上記および以下に続く実験的開示ににおいて、以下の略語が適用される:
6-OHDA 6-ヒドロキシドーパミン
ALS 筋萎縮性側索硬化症
ASA 急性全身アナフィラキシー
AUC 濃度対時間曲線下面積
CAPIT 大脳内移植のためのコアアセスメントプログラム
CAPS 3- (シクロヘキシルアミノ)- 1 -プロパンスルホン酸
CHO チャイニーズハムスター卵巣
CI 継続的注入
CM/Pf 視床の中心正中核および束傍核
CSF 脳脊髄液
CT コンピュータートモグラフィー
DA ドーパミン、ドーパミン作動性
DOPAC 3, 4-ジヒドロキシフェニル酢酸
E. coli 大腸菌
FCA フロイント完全アジュバント
GDNF グリア細胞株由来神経栄養因子
Gpe 外側淡蒼球
GPi 内側淡蒼球
GLP 医薬安全性試験実施基準
HPLC 高性能液体クロマトグラフィ
HVA ホモバリニン酸
ICV 脳室内
IM 筋内
ISN 黒質内
IT 鞘内
IV 静脈内
L-dopa 3 ,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(レボドーパ)
r-metHuGDNF 組換え-メチオニルヒトGDNF
MPTP 1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン
NiまたはSNc 側方黒質1
PD パーキンソン病
PET 陽電子断層撮影法
pmn 進行性運動神経障害
Put 被殻
Ret レセプターチロシンキナーゼ
RN 赤核
r-metHuGDNF 組換え-メチオニルヒトGDNF
SC 皮下
SDS-PAGE ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動
SEM 標準誤差
SN 黒質
SNcまたはNi 黒質緻密部2
SNr 黒質網様体
STN 視床下核
TGF トランスホーミング成長因子
TH チロシンヒドロキシラーゼ
TH+ チロシンヒドロキシラーゼ陽性
UPDRS 統一パーキンソン病標定尺度
ZI 不確帯
ZLc 尾側不確帯
上記および以下に続く実験的開示ににおいて、以下の略語が適用される:
6-OHDA 6-ヒドロキシドーパミン
ALS 筋萎縮性側索硬化症
ASA 急性全身アナフィラキシー
AUC 濃度対時間曲線下面積
CAPIT 大脳内移植のためのコアアセスメントプログラム
CAPS 3- (シクロヘキシルアミノ)- 1 -プロパンスルホン酸
CHO チャイニーズハムスター卵巣
CI 継続的注入
CM/Pf 視床の中心正中核および束傍核
CSF 脳脊髄液
CT コンピュータートモグラフィー
DA ドーパミン、ドーパミン作動性
DOPAC 3, 4-ジヒドロキシフェニル酢酸
E. coli 大腸菌
FCA フロイント完全アジュバント
GDNF グリア細胞株由来神経栄養因子
Gpe 外側淡蒼球
GPi 内側淡蒼球
GLP 医薬安全性試験実施基準
HPLC 高性能液体クロマトグラフィ
HVA ホモバリニン酸
ICV 脳室内
IM 筋内
ISN 黒質内
IT 鞘内
IV 静脈内
L-dopa 3 ,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(レボドーパ)
r-metHuGDNF 組換え-メチオニルヒトGDNF
MPTP 1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン
NiまたはSNc 側方黒質1
PD パーキンソン病
PET 陽電子断層撮影法
pmn 進行性運動神経障害
Put 被殻
Ret レセプターチロシンキナーゼ
RN 赤核
r-metHuGDNF 組換え-メチオニルヒトGDNF
SC 皮下
SDS-PAGE ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動
SEM 標準誤差
SN 黒質
SNcまたはNi 黒質緻密部2
SNr 黒質網様体
STN 視床下核
TGF トランスホーミング成長因子
TH チロシンヒドロキシラーゼ
TH+ チロシンヒドロキシラーゼ陽性
UPDRS 統一パーキンソン病標定尺度
ZI 不確帯
ZLc 尾側不確帯
以下に引用される出願および特許ならびに論文の各々、また以下に引用される出願および特許(「文書中に引用される出願および論文」)の各々の続行の間を含む以下に引用される出願および特許ならびに論文の各々に引用または参照される各々の文書、さらに、以下に引用されるかまたは以下に引用される出願および特許ならびに論文の各々、ならびに文書中に引用される任意の出願および論文で言及される任意の製品に関する任意の製造業者の指示書またはカタログは、参照によって本明細書中に援用される。さらに、本文中に引用される全ての文書、および本文中に引用される文書において引用又は参照される全ての文書、ならびに本文中またはそれによって本文脈に援用される任意の文書中で、引用又は言及される任意の製品に関する任意の製造業者の指示書またはカタログは、参照によって本明細書中に援用される。参照によって本文中に援用される文書または本明細書中の任意の教示は、本発明の実施において用いられ得る。参照によって本文中に援用される文書は先行技術とは認められない。
定義
他に記されなければ、専門用語は通常の使用に従って用いられる。本開示に従って用いられる場合、以下の用語は以下の意味を有するものと理解されよう:
他に記されなければ、専門用語は通常の使用に従って用いられる。本開示に従って用いられる場合、以下の用語は以下の意味を有するものと理解されよう:
本明細書で用いる場合、用語「カテーテル」は、治療剤の注射を可能にするために生体哺乳動物の腔、組織、器官、または任意のそれらの下部構造に挿入するための、任意の管状医療装置について言う。特にここで用いられる場合、r-metHuGDNFをZIおよび/または被殻等の脳またはその下部構造に投与または送達するためにカテーテルを用いる。「留置」カテーテルは、15分以上のような長引かされた時間、所定の位置に埋め込まれ、そのままにされるものである。
本明細書で用いる場合、語句「カテーテルシステム」は、アンカー、スタイレット、ガイドチューブ、ガイドワイヤまたはそれらの組み合わせを含むが、これに限定されない、少なくとも一つのカテーテルおよび少なくとも一つの付属装置の組み合わせを言う。
「継続的送達」または「慢性注入」はどちらを用いてもよく、手順が「ボーラス」送達と区別されるように、ある期間の基質の送達を意味することを意図する。一般的に、継続的送達は妨害されることのないある期間にわたる基質の送達を含む。送達速度は一定である必要はなく、送達の期間は非常に長い必要はなく、すなわち一定の送達の期間は30分または1時間または数時間にわたり得るが、数日間、数週間、数ヶ月または数年にもわたり得る。
本発明の好ましい態様において、標的部位へのGDNF投与または送達は、外因的に産生されたGDNFの脳への送達のためにポンプ、カテーテル、および/またはカテーテルシステムを用いてなされる。本発明の特定の態様はまた、GDNF、GDNF産生および/または分泌因子がポンプ、カテーテルおよび/またはカテーテルシステムを用いることなく投与される方法も企図する。本発明の方法においてGDNFの投与が当該分野に周知の、GDNFコード遺伝子配列を用いた遺伝子治療、またはGDNFの産生および分泌ならびに後に標的部位へのGDNFの送達を生じ得る細胞を用いた細胞治療が挙げられるが、これに限定されない代替的な送達方法によってであり得るということは、当業者に理解されよう。本明細書中に開示される、遺伝子または細胞手段によるGDNFの標的部位への治療的送達は、ポンプおよびカテーテルシステムを用いた注入によるGDNFの送達よりも侵襲性が少ないという利点を有する。
本明細書中に開示されるGDNFの標的部位への送達は、GDNFポリペプチドの発現を達成するためのGDNFポリペプチドをコードする核酸(DNAまたはRNA)配列の患者への導入を含み得る。かかる遺伝子治療および遺伝子送達技術は、当該分野に公知である。より十分に以下で議論されるように、GDNFコードポリヌクレオチド配列は、好ましくは細胞に取り込まれた後に治療効果を有し、GDNFは続いてそこで発現する。治療薬であるポリヌクレオチドの限定されない例は、GDNFをコードするrRNAをコードするDNAである。従って、例えば患者由来の細胞は、エクソビボでプロモーターに操作可能に連結されたGDNFコードポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)で操作され得、次いで操作された細胞は本明細書中に開示される標的部位で患者に提供され、続いてかかる標的部位に投与されるGDNFポリペプチドを生じる。かかる方法は当該分野で周知である。例えば、Santodonato, L., et al., Human Gene Therapy 7:1-10(1996); Santodonato, L., et al., Gene Therapy 4:1246-1255(1997); およびZhang, J.-F. et al., Cancer Gene Therapy 3:31-38(1996) を参照。これらの操作された細胞は、当該分野に公知である、直接注射またはカテーテル注射が挙げられるが、これに限定されない種々の手段により本明細書中に開示される標的部位に送達され得る。
細胞および組織の移植は、神経変性障害を含む広範囲の障害において、治療的に利用されている。本発明のいくつかの態様において、GDNFは移植された細胞または組織を用いて本明細書中に開示される標的部位へ送達される。ある態様において、Freed, C.らの方法(Freed, C. et al., 2001)は培養胚性中脳組織が本明細書に開示される標的部位へ移植されるように改変される。別の態様において、患者自身の細胞を操作するか、またはGDNFをコードするDNAを用いたインビボでのトランスフェクションによりGDNFを産生するように誘導する。GDNFコードDNAは、例えばGDNFをコードするむき出しのDNAもしくはリポソームに包まれたDNAの注射によるか、または他のトランスフェクションの手段により、インビボまたはエクソビボで患者の細胞に導入され得る。別の態様において、患者自身の細胞を操作するか、またはGDNFをコードするDNAを用いたエクソビボでのトランスフェクションによりGDNFを産生するように誘導する。次いで、かかる細胞は、任意の適切な手段により本明細書に開示される標的部位に送達される。本発明の別の態様において、全開示が参照によって本明細書に援用されるU.S.特許第6,649,160号(Sanberg, et al.)に開示される方法のいずれか一つに従って、GDNFは本明細書に開示される標的部位に送達される。例えばGDNFをコードする「むき出し」のポリヌクレオチドもしくはリポソームに包まれたポリヌクレオチドを注射することによるか、または当該分野に公知の他のトランスフェクションの手段によって、GDNFコードDNAを患者の細胞に導入することにより、GDNFが本明細書に開示される標的部位に送達され得ることが本明細書において企図される。「むき出し」のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが細胞への侵入を補助、促進または容易にするために作用する、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム製剤、リポフェクチン、沈殿剤等を含む、任意の送達ビヒクルを含まないことを意味する。かかる方法は当該分野に周知であり、例えばU.S.特許第5,593,972号、5,589,466号および5,580,859号に記載される。
本発明の態様に使用されるむき出しのポリヌクレオチドは、宿主細胞のゲノム中に取り込まれていないものであり得る。これらはゲノム取り込み能を欠くように遺伝子的に操作された非複製配列または特異的な複製配列であり得る。あるいは、本発明で使用されるむき出しのポリヌクレオチドは、例えば以下に議論される相同組換えにより、宿主細胞のゲノムに取り込まれ得る。好ましくは、むき出しのGDNFポリヌクレオチドコンストラクトは、プラスミドに包含される。適切な発現ベクターには、pRSVcat (ATCC 37152)、pSVLおよびMSG (Pharmacia, Uppsala, Sweden)、pSV2dhfr (ATCC 37146) ならびに pBC12MI (ATCC 67109)等のベクターが挙げられるが、これに限定されない。むき出しのポリヌクレオチドは、標的部位での直接針注射、カテーテル注入、またはいわゆる「遺伝子銃」が挙げられるが、これに限定されない当該分野公知である任意の方法により、本明細書に開示される標的部位に投与され得る。これらの送達方法は、当該分野に公知であり、以下により詳細に議論される。
むき出しのポリヌクレオチド注射に関して、ポリヌクレオチドの有効投薬量は、約0.05μg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲内である。好ましくは、用量は、約0.005mg/kg〜約20mg/kgであり、より好ましくは約0.05mg/kg〜約5mg/kgである。ポリヌクレオチドコンストラクトの適切で有効な用量は、当業者により容易に決定され得る。
GDNFをコードするコンストラクトはまた、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム製剤、リポフェクチン、沈殿剤等の送達ビヒクルにより送達され得る。送達のかかる方法は当該分野に公知である。特定の態様において、ポリヌクレオチドコンストラクトをコードするGDNFは、リポソーム調製物中に複合体化される。本発明の使用のためのリポソーム調製物には、陽イオン性(正に帯電する)、陰イオン性(負に帯電する)および中性調製物が挙げられる。しかしながら、陽イオン性リポソームは、強く結合された電荷複合体が陽イオン性リポソームと多陰イオン性(polyanionic)核酸との間で形成され得るために特に好ましい。陽イオン性リポソームは、機能的形態のプラスミドDNA(Felgner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1987) 84:7413-7416)およびmRNA(Malone et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1989) 86:6077-6081)の細胞内送達を媒介することが分かっている。陽イオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[l-2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは特に有用であり、商標Lipofectin下でGIBCO BRL、Grand Island、N.Y.から購入可能である(Feigner et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA (1987) 84:7413-7416も参照)。他の市販のリポソームとしては、transfectace(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(Boehringer)が挙げられる。他の陽イオン性リポソームとしては、当該分野に周知の技術を用いて容易に利用可能な物質から調製され得る。例えば、DOTAP(l,2-ビス(オレオイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記載についてPCT公報 WO 90/11092を参照。DOTMAリポソームの調製は文献に説明されており、例えば、P. Felgner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7417を参照。他の陽イオン性脂質物質からのリポソームの調製に同様の方法が使用され得る。同様に、陰イオン性および中性リポソームは、Avanti Polar Lipids(Birmingham, Ala)等から容易に入手可能であるか、または容易に入手可能な物質を用いて容易に調製され得る。かかる物質としては、特にホスファチジル、コリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。これらの物質もDOTMAおよびDOTAPの開始物質と、適当な割合で混合され得る。これらの物質を用いたリポソームの作製方法は当該分野で周知である。例えば市販のジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を種々の組み合わせで使用し、コレステロールを添加するかまたは添加せずに従来のリポソームを作製し得る。従って、例えばDOPG/DOPC小胞は、50mgのDOPGおよびDOPCそれぞれを超音波破砕バイアル中で、窒素ガス気流下で乾燥させることにより調製し得る。試料を一晩バキュームポンプ中に置き、翌日に脱イオン水で水和する。次いで、最大値に設定したさかさまのカップ(浴槽型)プローブを備えたヒートシステムモデル350ソニケーターを、浴槽を15℃で循環させながら用いて、蓋付きバイアル中で試料を2時間超音波破砕する。あるいは、多層小胞を作製するために超音波破砕を行なわずに、または核孔膜を通じて押出して不連続な大きさの単層小胞を作製することによって、負に帯電した小胞を調製し得る。他の方法は当業者に公知であり、利用可能である。リポソームは多層小胞(MLV)、小単層小胞(SUV)、または大単層小胞(LUV)を包含し、SUVが好ましい。種々のリポソーム核酸複合体は、当該分野に周知の方法を用いて調製される。例えば、Straubinger et al., Methods of Immunology (1983), 101:512-527を参照。例えば、核酸を含むMLVは、ガラスチューブの壁にリン脂質の薄いフィルムを配置して、続いて封入される物質の溶液で水和することにより調製され得る。SUVは、単層リポソームの均一の集団を作製するための延長されたMLVの超音波破砕により調製される。閉じ込められる物質に、前もって形成されたMLVの懸濁液を添加し、次いで超音波破砕する。陽イオン性脂質を含むリポソームを用いた場合、乾燥脂質フィルムを、滅菌水または10mM Tris/Nacl等の等張バッファ溶液等の適切な溶液中で再懸濁し、超音波破砕し、次いで前もって形成されたリポソームをDNAと直接混合する。正に帯電したリポソームが陽イオン性DNAと結合するために、リポソームおよびDNAは非常に安定な複合体を形成する。SUVは小核酸断片を伴った使用に見られる。LUVは当該分野に周知の多くの方法で調製される。一般的に用いられる方法としては、Ca2+ -EDTAキレート化(Papahadjopoulos et al., Biochim. Biophys. Acta (1975) 394:483; Wilson et al., Cell (1979) 17:77);エーテル注射(Deamer, D.およびBangham, A., Biochim. Biophys. Acta (1976) 443:629; Ostro et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. (1977) 76:836; Fraley et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1979) 76:3348);界面活性剤透析(Enoch, H. および Strittmatter, P., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1979) 76:145);および逆相エバポレーション(REV)(Fraley et al., J. Biol. Chem. (1980) 255:10431; Szoka, F. および Papahadjopoulos, D., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1978) 75:145; Schaefer-Ridder et al., Science (1982) 215:166)が挙げられる。
有用な陽イオン性脂質のさらなる例としては、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5-カルボキシスペン-ニルアミド(DPPES);5-カルボキシスペルミルグリシンジオクタデシルアミド(DOGS);ジメチルジオクトデシル-アンモニウムブロミド(DDAB);および (±)-N,N-ジメチル-N-[2- (スペルミンカルボキサミド)エチル]-2,3-ビス(ジオレイルオキシ)-l-プロパンイミニウムペンタヒドロクロリド(DOSPA)が挙げられる。DL-1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアミノプロピル-β-ヒドロキシエチルアンモニウム(DORIジエステル)、1,2-O-ジオレイル-3-ジメチルアミノプロピル-β-ヒドロキシエチルアンモニウム(DORIEジエーテル)、1-O-オレイル-2-オレオイル-3-ジメチルアミノプロピル-β-ヒドロキシエチルアンモニウム(DORIエステル/エーテル)およびそれらの塩等の、非ジエーテル陽イオン性脂質は、インビボでの遺伝子送達を促進する。{3β[N-N',N'-ジメチルアミノ)エタン]-カルボモイル}-コレステロール(DC-Chol)等の陽イオン性コレステロール誘導体も有用である。好ましい陽イオン性脂質としては:(±)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)-1-プロパンイミニウムブロミド;3,5-(N,N-ジ-リシル)ジアミノベンゾイルグリシル-3-(DL-1,2-ジオレオイル-ジメチルアミノプロピル-β-ヒドロキシエチルアミン)(DLYS-DABA-GLY-DORIジエステル);3,5-(NN-ジリシル)-ジアミノベンゾイル-3-(DL-l,2-ジオレオイル-ジメチルアミノプロピル-β-ヒドロキシエチルアミン)(DLYS-DABA-DORIジエステル);および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンが挙げられる。また以下の脂質:1対1の割合で、(±)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)-1-プロパンイミニウムブロミドおよびl,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン;ならびに(±)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)-l-プロパンイミニウムブロミドおよびl,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンの組み合わせも好ましい。脂質製剤は、陽イオン性脂質のみを有し得るか、またはカルジオリピン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチルコリン、ジオレオイルホスファチジル-エタノールアミン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、スフィンゴミエリン、およびモノ-、ジ-またはトリ-アシルグリセロール)等の中性脂質もまた含み得る。脂質製剤はリゾホスファチド(lysophosphatide)と共に、陽イオン性脂質も有し得る。リゾホスファチドは中性かまたは負のヘッドグループを有し得る。有用なリゾホスファチドとしては、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、および1-オレオイルリゾホスファチジルコリンが挙げられる。リゾホスファチド脂質が存在する。コレステロール、脂肪酸、ガングリオシド、糖脂質、neobee、ニオソーム(niosome)、プロスタグランジン、スフィンゴリピド、および他の任意の中性または合成両親媒性物等の、他の添加物が用いられ得る。これらの脂質製剤中の陽イオン性脂質対中性脂質の好ましいモル比は、約9対1〜約1対9であり;1対2のリゾ脂質対陽イオン性脂質の比の脂質含有製剤において、等モル比がより好ましい。
一般的に、DNA対リポソームの比は、約10対1〜1対10である。好ましくは、比は約5対1〜約1対5である。より好ましくは、比は約3対1〜約1対3である。さらにより好ましくは、比は1対1である。
U.S.特許第5,676,954号には、陽イオン性リポソーム担体と複合体化された遺伝子物質のマウスへの注射が記載されている。U.S.特許第4,897,355号、4,946,787号、5,049,386号、5,459,127号、5,589,466号、5,693,622号、5,580,859号、5,703,055号および国際公報 WO 94/29469は、DNAの細胞および動物へのトランスフェクションにおける使用のための、陽イオン性脂質を提供する。U.S.特許第5,589,466号、5,693,622号、5,580,859号、5,703,055号および国際公報 WO 94/29469は、DNA陽イオン性脂質複合体を哺乳動物に送達するための方法を提供する。
GDNFを送達するように操作された複製欠損生体ウイルス小胞を脳に感染させることを非限定的に含む、核酸の細胞または生物体への導入のための他の公知の方法によって、本発明の核酸も本明細書中に開示される標的部位へ投与され得る(例えば、Bjorklund, et al., 2000(a);Bjorklund, et al., 2000(b);Gash, et al., 1998;Grondin, et al., 2002b;Kordower, et al., 2000;Kordower, J.H., 2003;およびU.S.特許第6,713,293号、6,683,058号、U.S.特許出願US20020187951 (Aebischer et al.)、ならびに国際特許出願公開公報 WO 97/39629を参照)。これら参照の各々の全開示が参照により本明細書中に援用される。特定の他の態様において、細胞はエクソビボまたはインビボで、アデノウイルスベクターに含まれるプロモーターに操作可能に連結されるGDNFポリヌクレオチドで操作される。アデノウイルスが所望の遺伝子産物をコードして発現するように、かつ同時に正常な溶解性のウイルスライフサイクルにおいて複製する自身の能力について不活性化されるように、アデノウイルスは操作され得る。アデノウイルスの発現は、ウイルスDNAを宿主細胞染色体DNAに取り込ませることなくなされるので、挿入における変異誘発における問題が緩和される。さらに、アデノウイルスは非常にすばらしい安全プロフィールで、何年間も生体腸内ワクチンとして使用されてきた(Schwartz, A. R. et al. (1974) Am. Rev. Respir. Dis. 109:233-238)。最終的に、アデノウイルス媒介の遺伝子導入は、α-1-抗トリプシンおよびCFTRのコットンラットの肺への移入を含む多くの事例において説明されている(Rosenfeld, M. A. et al. (1991) Science 252:431-434;Rosenfeld et al., (1992) Cell 68:143-155)。本発明に有用な適切なアデノウイルスベクターは当該分野で公知である。好ましくは、本発明に使用されるアデノウイルスは複製欠損型である。複製欠損アデノウイルスは、感染粒子を形成するためのヘルパーウイルスおよび/またはパッケージング細胞株の補助を必要とする。得られたウイルスは細胞に感染し得、操作可能にプロモーターに連結される、例えば本発明のこれらの態様に使用されるGDNFポリヌクレオチド等の目的のポリヌクレオチドを発現し得るが、ほとんどの細胞において複製し得ない。複製欠損アデノウイルスは、以下の遺伝子E1a、E1b、E3、E4、E2aまたは L1〜L5の全てまたは一部の一つ以上で欠失され得る。
特定の他の態様において、細胞はアデノ関連ウイルス(AAV)を用いてエクソビボまたはインビボで操作される。AAVは、感染粒子を作製するためにヘルパーウイルスを必要とする、天然に存在する欠損ウイルスである。またAAVは自身のDNAを非分割細胞に組み込み得るわずかなウイルスの一つである。AAVの300塩基対ほどの少ない塩基を含むベクターは、パッケージングされ得、組み込み得るが、外因性遺伝子のためのスペースが約4.5kbに限られる。かかるAAVの作製および使用の方法は当該分野に公知である。例えば、U.S.特許第5,139,941号、5,173,414号、5,354,678号、5,436,146号、5,474,935号、5,478,745および5,589,377号を参照。例えば、本発明の使用に適切なAAVベクターはDNA複製、キャプシド形成、および宿主細胞の取り込みに必要な全ての配列を含む。標準的クローニング法を用いて、GDNFポリヌクレオチドコンストラクトをAAVベクターに挿入する。次いで、組換えAAVベクターを、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿等を含む任意の標準的技術を用いて、ヘルパーウイルスと共に感染されるパッケージング細胞にトランスフェクトする。適切なヘルパーウイルスとしては、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ワクシニアウイルスまたはヘルペスウイルスが挙げられる。一度、パッケージング細胞がトランスフェクトされ、感染されると、それらはGDNFポリヌクレオチドコンストラクトを含む感染性AAVウイルス粒子を産生する。次いでこれらのウイルス粒子を用いて、本明細書に開示された一箇所以上の標的部位で、エクソビボまたはインビボのいずれかで、真核細胞に形質導入される。形質導入された細胞は、自身のゲノムに組み込まれたGDNFポリヌクレオチドコンストラクトを含み、目的の分子を発現する。
いくつかの標的部位において、GDNFを送達するためにウイルスベクター以外の方法を用いることが好ましくあり得る。ウイルスベクターは、標的化されるべきではない脳の他の領域にまで広がり得、これを防ぐことが好ましくあり得る。
本発明の方法において、GDNFを投与するために用いられ得る遺伝子治療の別の方法は、相同組換えにより操作可能に結合される異種の制御領域(例えば目的のプロモーター)および内在性のポリヌクレオチド配列(例えばGDNF)を含む(例えば、U.S.特許第5,641,670号;国際公開公報 WO 96/29411;および国際公開公報 WO 94/12650を参照)。本方法は、標的細胞中に存在するが、該細胞中では正常に発現されないか、または所望よりも低いレベル発現されるような遺伝子の活性化を含む。当該分野に公知の標準的な技術を用いて、標的配列が目的のプロモーターに並んで配置されるような、目的のプロモーターを含むポリヌクレオチドコンストラクトを作製する。標的配列は、プロモーター-標的配列が内在性配列と相同組換え可能なように、内在性配列に対して十分相補的である。相同組換えの際に、プロモーターが内在性配列に操作可能に連結されるように、標的配列は、所望の内在性ポリヌクレオチド配列の5’末端の十分に近傍に存在する。プロモーターおよび標的配列は、PCRを用いて増幅され得る。好ましくは、増幅されるプロモーターは、5’および3'末端に別個の制限酵素部位を含む。好ましくは、第一の標的配列の3'末端は、増幅されるプロモーターの5'末端と同一の制限酵素部位を含み、第二の標的配列の5’末端は増幅されるプロモーターの3’末端と同一の制限酵素部位を含む。増幅されるプロモーターおよび標的配列は共に消化され、連結される。プロモーター-標的配列コンストラクトは、むき出しのポリヌクレオチド、あるいはリポソーム、ウイルス配列、ウイルス粒子、全ウイルス、リポフェクション、沈殿剤等の、上記でさらに詳しく記載したトランスフェクション促進因子との併用のいずれかで細胞に送達される。プロモーター-標的配列は、直接針注射、カテーテル注射、カテーテル注入、粒子促進因子等が挙げられる任意の方法により送達され得る。方法は以下にさらに詳細に記載される。プロモーター-標的配列コンストラクトは細胞に取り込まれる。コンストラクト内在性配列との間の相同組換えは、内在性配列(例えばGDNF)がプロモーターの制御下に配置されるように起こる。次いでプロモーターは内在性配列(例えばGDNF)の発現を制御する。
治療効果を提供するために十分な量でGDNFの発現を生じる限り、本明細書に開示される標的部位への、任意の上述ポリヌクレオチドコンストラクトの任意の投与形態を使用し得る。これには、直接針注射、カテーテル注射注入、粒子促進因子(すなわち「遺伝子銃」)、ゲルフォームスポンジ蓄積(gelfoam sponge depot)、他の蓄積物質、浸透圧ポンプ(例えばAlzaミニポンプ)、または坐剤固形物が含まれる。投与の好ましい方法は、標的部位への直接注射またはカテーテル注射、すなわち本明細書に開示される少なくとも一つの標的部位への物質の送達を可能にするように位置する遠位末端を有するカテーテル内へ注射による。
物質の薬学的または治療的有効量は、所望の薬学的または治療的効果を生じるために必要とされる量である。
送達される物質の有効量の決定は、例えば物質の化学構造および生物学的活性、患者の年齢および体重、ならびに治療を受けている障害の重症度を含む、多くの因子に依存し得る。治療の頻度は、用量当りに投与されるポリヌクレオチドコンストラクトの量、ならびに被験体の健康および病歴等の多くの因子に、同様に依存する。正確な量、投与の回数、および投与の時期は主治医により決定される。
本発明のいくつかの態様において、GDNF送達装置は、U.S. 特許第4,892,538号(Aebischer et al.)およびU.S. 特許出願US20020150603(Aebischer et al.)に記載されるような装置であり得、これら二つはその全体において、参照により本明細書中に援用される。標的部位へのGDNFの投与のための好ましい送達装置の例は、GDNFを分泌し得る被包性の細胞を封入する半透性の壁を有する装置である。あるいは装置は、GDNFを標的部位へ、長時間にわたり徐々に投与する方法において、GDNFもしくはGDNF産生細胞、またはポリマー中もしくはポリマー表面に埋め込まれたベクターを有する、ポリマー挿入物からなり得る。かかる装置は、U.S.特許第4,346,709号(Schmitt)および5,330,768号(Yamahira et al.)に記載され、その二つは参照によって本明細書中に援用される。
本明細書で使用される場合、「混合」は、乾燥剤の混合または溶液もしくは懸濁液中での乾燥剤と試薬との混合、試薬の水性製剤との混合等による、目的のポリペプチドへの賦形剤の添加を示す。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、所望の一貫した効果または安定化効果を提供するために、医薬組成物に添加される、非治療剤を示す。
「埋め込まれる」は、体内に設置され、長時間その位置で維持されることを意味する。本明細書で使用される場合、移植された物体が定位置に維持される時間が、薬物等の物質のボーラスを導入するために慣例上必要とされるよりも、一般的にかなり長いことが意図される。例えば、本発明の方法に使用されるカテーテルは、そのように埋め込まれるカテーテルが長い時間埋め込み位置で保持されることを意図するように、組織または器官中に設置され得る。例えば薬物ポンプおよび/またはカテーテル等の、本発明の方法に使用され得るいくつかの薬物送達装置は、一月およびさらには数年よりも長い期間埋め込まれるように、およびこの期間中に薬物を送達するように設計される。薬物送達装置は、例えば皮下に、または組織もしくは器官内に、または腹膜腔、鎖骨下空間、胸腔、骨盤腔もしくは任意の他の腔等の体腔内に、あるいは意図された物質の送達に都合のいい場所に、埋め込まれ得る。カテーテルは、例えば脳組織等の組織内に埋め込まれ得、カテーテルを、接着剤もしくはネジ、鉗子、縫合、または他の任意の適切な固定手段を使用して、例えば頭蓋または軟骨等の骨等の別の組織に固定することで、定位置に貼り付けられ得る。
語句「ドーパミン作動性機能不全」、「ドーパミン作動性調節障害」、「ドーパミン作動性変性」、「ドーパミン枯渇」、「ドーパミン欠乏」、またはこれらの文法的等価物は、本明細書中に交換可能に使用され得る。全てのこのような語句は、以下の状態または障害の少なくとも1つを含むように意図される:パーキンソン病、神経ドーパミン欠乏、ドーパミン作動性神経欠乏、ドーパミン作動性神経損傷、ヒポドーパミン作動性神経支配、ドーパミン合成不能、ドーパミン貯蔵不能、ドーパミン輸送不能、またはドーパミン取込み不能。ドーパミン作動性機能不全は、以下を含むがこれらに限定されない因子を分析することによって証明され得る:1)TH発現ニューロンの数2)ドーパミン神経細胞の大きさ3)ドーパミン代謝レベル4)ドーパミン取込み、5)ドーパミン輸送、6)神経ドーパミン取込み、7)ドーパミン輸送体結合、8)末端ドーパミン放出の離散的な値をとる大きさ、9)ドーパミン回転の速度、10)TH+細胞計数、11)TH+神経支配密度および12)TH+線維密度。
語句「標的部位」またはその文法的バージョンは、GDNFのような物質の意図された送達のための部位をいう。本発明の特定の態様において、好ましい標的部位は、PDに罹患しているヒトの脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域である。より好ましくは、標的部位は、SNcおよび/またはSTNである。いっそうより好ましくは、標的部位は、SNcおよび/またはZIである。いっそうより好ましくは、標的部位は、SNcおよび/または尾側ZIである。いっそうより好ましくは、少なくとも1つの被殻領域が標的部位である。いっそうより好ましくは、少なくとも1つの被殻領域ならびにSNcおよびZIが標的部位である。いっそうより好ましくは、少なくとも1つの被殻領域ならびにSNcおよび/または尾側ZIが標的部位である。いっそうより好ましくは、SNc、尾側ZIおよび少なくとも1つの被殻領域が標的部位である。いっそうより好ましくは、標的部位は、SNcおよびZIである。いっそうより好ましくは、少なくとも1つの被殻領域ならびに少なくとも1つの側方SNcおよびSTNが標的部位である。いっそうより好ましくは、少なくとも1つの被殻領域が標的部位である。いっそうより好ましくは、側方SNc、ZIおよび少なくとも1つの被殻領域ならびに少なくとも1つの側方SNcおよびZIが標的部位である。いっそうより好ましくは、側方SNc、尾側ZIおよび少なくとも1つの被殻領域が標的部位である。いっそうより好ましくは、側方SNc、尾側ZIおよび背側被殻が標的部位である。いっそうより好ましくは、側方SNc、尾側ZIおよび被殻中央領域が標的部位である。最も好ましくは、側方SNc、尾側ZIおよび後背側被殻が標的部位である。さらに、任意の特定の標的部位が、脳の半球に関して一方のみまたは両方に標的化され得る。
「近位末端」は相対的用語であり、一般的に手術者(すなわち、外科医)に最も近く処置部位から最も遠い、カテーテルのような装置の末端をいう。本発明において、カテーテルは、ポンプまたはレザバのようなアクセスポートまたは薬物送達器具に連絡可能なように接続され得る近位末端を有する。
「チロシンヒドロキシラーゼポジティブ」または「TH+」は、チロシンヒドロキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼコードmRNAまたはチロシンヒドロキシラーゼ活性を検出および/または測定するための手段として当該分野で公知の任意の技術からの結果によって示されるような、参照される神経組織におけるチロシンヒドロキシラーゼの存在をいうことが意図される。
「遠位末端」は相対的用語であり、一般的に手術者(すなわち、外科医)から最も遠く処置部位に最も近い、カテーテルのような装置の末端をいう。本発明において、カテーテルの遠位末端は、標的部位に対する薬物の送達が可能になる開口部に連絡可能なように接続され得る。
「薬物送達器具」としては、本明細書中に使用される場合、任意の種類の薬物レザバおよび/または薬物ポンプ、例えば浸透圧ポンプ、電気機械ポンプ、電気浸透流ポンプ、沸騰ポンプ(effervescent pump)、油圧ポンプ、圧電式ポンプ、エラストマーポンプ(elastormeric pump)、蒸気圧ポンプまたは電解ポンプが挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、このようなポンプは体内に埋め込まれる。
本明細書全体にわたって、用語「GDNF」または語句「GDNFタンパク質産物」もしくは「GDNFポリペプチド」に対する言及は、これらの全ては交換可能に使用されるが、ネイティブ配列または生物学的に活性なフラグメント、類似体、バリアント(挿入、置換および欠失バリアントを含む)およびこれらの誘導体を含むがこれらに限定されない遺伝子操作されたバリアント形態において、マウス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、トリ、および好ましくはヒトを含む任意の種ならびに天然であれ、合成であれまたは組換え的に産生されたものであれ任意の供給源由来のグリア細胞株由来神経栄養因子をいう。「生物学的に有効なフラグメント」は、GDNFと同じ方法で機能し得るフラグメントである。
本発明の方法において有用な例示的なGDNFポリペプチドとしては、米国特許5,731,284、6,362,319、6,093,802および6,184,200に記載される任意のGDNFタンパク質産物を含むがこれらに限定されない(これらの全ては、その全体を参照によって本明細書中に援用される)。本発明の方法における使用のための好ましいGDNFタンパク質産物は、r−metHuGDNF、つまりアミノ末端メチオニンの付加を有しネイティブ成熟ヒトGDNFに同一のアミノ酸配列を有する大腸菌において産生された組換えGDNFタンパク質を含むがこれに限定されない。従って、r−metHuGDNFは、135アミノ酸からなる。アミノ酸の7個がシステインであり、これらは1つの分子間ジスルフィド結合および3つの分子内ジスルフィド結合に関与する。その活性形態において、r−metHuGDNFは、ジスルフィド結合されたホモ二量体である。単量体r−metHuGDNFの一次アミノ酸配列は、表1に提供される。
本発明において有用なGDNFタンパク質産物は、当業者に公知の任意の手段によって単離または産生され得る。好ましくは、GDNFは組換え的に産生される。好ましい方法において、GDNFはクローン化され、そのDNAは、例えば哺乳類細胞または細菌細胞において発現される。本発明に有用なGDNFタンパク質産物を産生するための例示的な方法は、米国特許6,362,319、6,093,802および6,184,200に記載される(これらの全てはその全体を参照によって本明細書中に援用される)。
GDNF医薬組成物は、典型的に治療有効量の少なくとも1つのGDNFタンパク質産物ならびに1つ以上の薬学的および生理学的に受容可能な処方剤を含む。適切な処方剤としては、抗酸化剤、防腐剤、着色料、香味料および希釈剤(diluting agent)、乳化剤、懸濁剤、溶媒、充填剤、膨張性薬剤、バッファ、ビヒクル、希釈剤、賦形剤ならびに/または薬学的アジュバントが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、適切なビヒクルは、生理学的食塩水溶液、クエン酸緩衝化生理食塩水、または非経口投与のための組成物に共通の他の物質を補充された人工的CSFであり得る。中性緩衝化生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらに例示的なビヒクルである。当業者は本発明において使用される組成物および投薬形態において使用され得る種々のバッファを容易に認識する。典型的なバッファとしては、薬学的に受容可能な弱酸、弱塩基またはこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、バッファ成分は、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびこれらの塩のような水溶性物質である。
ビヒクル中の主な溶媒は、性質において水性または非水性のいずれかであり得る。さらに、ビヒクルは、pH、容量オスモル濃度、粘度、透明度、色、滅菌性、安定性、溶解の速度または処方物の香りを変更または維持するために他の薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。GDNFの好ましい医薬組成物は、治療有効量の少なくとも1つのGDNFタンパク質および薬学的に受容可能なビヒクルを含む。より好ましくは、薬学的に受容可能なビヒクルは、水性バッファである。より好ましくは、ビヒクルは、約100mM〜約200mMの濃度で塩化ナトリウムをおよび約5mM〜約20mMの濃度でクエン酸ナトリウムを含む。いっそうより好ましくは、ビヒクルは、約125mM〜約175mMの濃度で塩化ナトリウムをおよび約7.5mM〜約15mMの濃度でクエン酸ナトリウムを含む。いっそうより好ましくは、ビヒクルは、それぞれ約150mMおよび約10mMの濃度で塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムを含む。いっそうより好ましくは、ビヒクルは、それぞれ約120mMおよび約10mMの濃度で塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムを含む。いっそうより好ましくは、GDNF医薬組成物は、約5.0〜約5.5のpHを有する液体として処方される。最も好ましくは、GDNF医薬組成物は、5.0のpHを有する10mMクエン酸ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムを有する液体として処方される。
GDNF医薬組成物は、GDNFタンパク質産物の放出の速度を変更または維持するための他の薬学的に受容可能な処方剤をなお含み得る。このような処方剤は、徐放性の処方物を処方することにおける当業者に公知の物質である。薬学的および生理学的に受容可能な処方剤に関するさらなる参照については、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. (1990, Mack Publishing Co., Easton, Pa. 18042) 1435-1712頁を参照(この開示は、参照によって本明細書中に援用される)。
一旦治療組成物が処方されると、溶液、懸濁物、ゲル、乳化物、固体、または脱水もしくは凍結乾燥された粉末として滅菌ガラス瓶に保存され得る。このような処方物は、すぐに使用可能な形態、使用の前に再構築を必要とする凍結乾燥形態、または使用の前に希釈を必要とする液体形態のいずれかで保存され得る。好ましくは、GDNF医薬組成物は、10mg/mLの濃度で滅菌単回使用ガラス瓶中に提供され、使用まで2〜8℃の温度で保存される。投与の直前に、GDNFタンパク質産物は、上で議論されたいずれかのような適切な滅菌クエン酸緩衝化生理食塩水で適切に希釈される。
霊長類において、SNcへの直接の注入は、実験的パーキンソン症候群の改善を有して、線条へのドーパミン送達の200%までの増加を示した。しかし、パーキンソン病において、変性が、中脳中の比較的分散した核に関わるドーパミンニューロンにおいて生じ、特定の核における変性の程度は、臨床的提示を反映し得る(Grondinら、2002a; Grondinら、2003)。
運動性線条およびGPeを供給するSNcの側方部(DahlstromおよびFuxeの側方領域A9とも呼ばれる)を含む変性は、無動性/運動緩徐なPDと関連し、その一方で、内側SNc(内側領域A9)、STN/不確帯を神経支配する領域A8およびA10の部分ならびにGPiを含む変性は、震顫支配的(tremor predominant)PDおよび「オン−オフ」変動に関連する(Francois, C.ら、1999; Francois, C.ら、2000; Hassani, O.K.ら、1997; Smith, Y.ら、2000; Kolmac, C.ら、1998; Ka, J., 2002; Jellinger, K.ら、1980)(図1を参照)。本発明の好ましい態様において、単一の実質内カテーテルは、先端を尾側ZI中の側方A9領域のすぐ上にして戦略的に配置される。次いで、GDNFは、カテーテル先端から拡散して離れ(カテーテル先端から数mmまで)、STN/ZIに入り、現存のドーパミン末端によって吸収され、内側SNc(内側領域A9)、領域A8、およびA10に逆行して輸送され、STN/ZIおよびGPiへのこれらのドーパミン送達を強化し得る。結果として、末端出芽(terminal sprouting)は、STN/ZIで最も起こりやすいがGPiでは起こらない。これらのニューロン由来の軸索は、Gillら、(Gillら、2003)によって報告されるように後背側被殻(例えば、被殻)またはSNr(Elsberryら、米国特許6,042,579)へのGDNF単独の直接注入をあてにする先行技術の方法によって達成される、より均一かつより広くいきわたるドーパミンの送達を導き得る線条における広い末端領域を有する。さらに、視床下核のドーパミン作動性神経支配は、シナプス前であり、STNニューロンへのグルタミン酸放出を調節する役割を有する(Magill, P. J.ら、2001)。パーキンソン病において、ドーパミンの損失は、その求心性のもの(皮質およびCM/PF駆動体(driver))からのグルタミン酸の過剰の放出を生じる。STNニューロンは、約20Hzの前頭皮質(fronto−cortical)振動数で発火をバーストする傾向がある。各STNニューロンが脳幹神経節出力核(basal ganglia output nuclei)(GPiおよびSNr)において複数のニューロンを神経支配する間、バーストは、その中に同期した振動を生じる。震顫支配的PDにおいて、低振動数(20Hz)の同期した振動は、典型的な5Hz振動と同様に、GPiおよびSTNニューロンにおいて同定された(Brown, P.ら、2001 ; Levy, R.ら、2002)。ZIに対するドーパミンの損失は、それらに発火をバーストさせおよび振動をまた引き起こす(Perier, C.ら、2000)。ZIは、脳幹神経節、上行網様体賦活系(RAS)、小脳中位核ならびに運動性の振る舞いを容易にしかつ調節する連合領域および辺縁系領域からの入力を受容する(Kolmac, C. I., Power, B.D., Mitrofanis, J., 1998; Roger, M.およびCadusseau, J., 1985; Mitrofanis, J.およびdeFonseka, R., 2001)。それは、線条およびSTNにおける神経発火を同期するCM/Pfへの興奮的出力を有する(Power, B.D.ら、2002; Lin, C.S.ら、1990)。それはまた、脳幹において皮質および運動中心に直接供給する(Lin, C. S.ら、1990)。ドーパミン枯渇から得られるZ1ニューロンにおける変更された発火のパターンは、運動性機能に対して深い効果を有しているようである。そして最後に、特発性PDにおいて、SNcおよび領域A8におけるドーパミンニューロンの変性に加えて、PPNにおけるコリン作動性ニューロン、青斑核(locus coerulus)におけるノルアドレナリン作動性ニューロンおよび中脳セロトニン作動性ニューロンは全て、変動する程度に並行して変性することがわかっている(Paulus, W. J.K., 1991)。DoderらによるPET研究において、PDにおける震顫の重症度は、中脳のセロトニン枯渇に相関した(Doderら、2003)。セロトニンは、STN/ZIニューロンの発火閾値を上げることが公知である。従って、セロトニンニューロンがドーパミン作動性ニューロンと並行して変性する場合、STN/ZIニューロンに発火のバーストを引き起こす相乗的効果が存在し得る。GDNFは、セロトニン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンを保護および上方調節することが最近示された。従って、STN/ZIへのGDNFの直接の注入はまた、これらのニューロンの調節因子の完全性を回復し得る。視床下部領域およびより具体的には尾側ZI/STNにおいてドーパミン欠乏を減少することは、PDの症候的制御の有意な改善を導き得るということが結果として起こる。
従って、本発明は、ヒトPD患者における埋め込み可能なポンプおよび少なくとも1つの留置カテーテルによる脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または、より好ましくは、脳の少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび少なくとも1つの視床下部領域へのGDNFの直接の継続的送達が、以前に神経伝達物質が欠乏したニューロン中の再神経支配および非常に重要な神経伝達物質保存の回復に加えて、震顫および/または失調症の改善を含むがこれらに限定されない、抗パーキンソン症候群効果および抗ジスキネジー効果を生じるという概念に基づく。
本発明の特に好ましい態様において、GDNFは、被殻領域に埋め込まれたポンプまたはカテーテルによって被殻領域に送達される。薬物を該領域に送達するためにポンプまたはカテーテルを使用することは有利であり、なぜなら、他の送達の方法は、十分な体積の薬物を送達でき得ないからである。対照的に、GDNFは、例えば、被包性細胞、幹細胞またはウイルスベクターを使用することによって他の標的部位、特にSNcまたは視床下部領域に容易に送達され得、なぜなら、これらの部位は、より局在化された領域により少ない体積の薬物が送達されることを必要とし得るからである。
本発明の特に好ましい態様において、GDNFは、被殻ならびに黒質、不確帯および視床下核のような視床下部領域の両方に送達される。GDNFの被殻のみへの送達は、運動緩徐を含むパーキンソン病のいくつかの局面を改善し得るが、ドーパミンの損失ならびにおそらく視床下核および不確帯のセロトニン神経支配から生じる震顫を改善し得ない。従って、二重送達は、症候的コントロールを達成することにおいてより多い利益がありそうである。軸索出芽および被殻の再神経支配が達成される場合、次いで、被殻の処置を中断し、黒質緻密層のみにGDNFを送達することによって被殻ドーパミン作動性革新(putamenal dopaminergic innovation)を維持することが可能であり得る。被殻の後部1/3(posterior third of the putamen)の比較的大きな体積を処置するために、好ましい方法は、カテーテルを埋め込み、ポンプによってGDNFを送達することである。適切に設計されたカテーテルおよび注入レジームを用いて、被殻の後部1/3は、「対流増強(enhanced)送達」の技術を使用して単一のカテーテルを介して処置され得る。組織に埋め込まれたカテーテルポートから発散する薬物は、最小抵抗の経路をたどる傾向があり、これは典型的にカテーテル組織界面に沿う。この経路における抵抗は、カテーテルの半径の2乗に反比例し、そのためにカテーテルの寸法を1mm未満まで好ましくは0.6mm未満まで減少することによってこの経路における抵抗は、薬物が組織に優先的に流れる点まで増加し得る。次いで、送達の体積は、圧力がカテーテル組織界面に沿う抵抗経路を超える点まで展開される圧力勾配に比例する。外直径0.6mmのカテーテルおよび1時間あたり6と12μgとの間の流速を使用して、注入物(infusate)は、カテーテルがこの体積の中央に適切に位置される場合、背側被殻の後部1/3にわたって分布される。GDNFを産生するウイルスベクターまたは幹細胞を使用して被殻の後部1/3への安全かつ/または十分なGDNFの分布を達成することはより困難である。ウイルスベクターが対流増強送達によって送達され得るが、計画された処置体積内にこれらを含むことは不可能であり、なぜなら、注入物は、例えば、脈管周囲空間に沿って大脳髄液まで運ばれ、そこからウイルスベクターは、中枢神経系の遠くの部位に運ばれ得るからである。幹細胞を使用して後部被殻中の比較的大きな体積の組織をGDNFで処置するために、該体積全体にわたる細胞の一様な分布が必要である。細胞が被包される場合、次いで、多くの移植物が、組織全体にわたるGDNFの十分な分布を達成するために必要とされる。これは、細胞によって産生される薬物の量がナノグラムのオーダーであり、そのような低い濃度ではGDNFの十分な拡散を可能にしない濃度勾配を確立することにその分布が依存しているからである。従って、後部被殻にGDNFを送達するための最も実施可能な手段は、ポンプおよび注入レジメンを有するカテーテルならびに対流増強送達のために設計されたカテーテルを用いることである。黒質緻密層を含む視床下部領域を処置するために必要とされる分布の体積と対照的に、不確帯および視床下部領域は、数mmのみであり、被包された細胞の拡散の範囲内にある。被包された細胞を用いた処置は、GDNFがインサイチュで産生され、患者が月ごとであり得るポンプの繰り返しの再充填を必要としないという利点を有する。従って、好ましい処置レジメンは、各後部被殻へのカテーテルの外科的埋め込み、次いでの、GDNFの連続またはパルス送達の前のポンプへの接続、所望される体積への対流増強送達の達成である。同じ手術において、GDNFを産生する被包された細胞はまた、送達の体積が黒質緻密層、不確帯および視床下核の側方部を含むように視床下部領域に埋め込まれ得る。被殻の再神経支配がGDNFの対流増強送達、2〜3年かかり得るプロセスを使用して達成される場合、次いで、注入は、中止され得、黒質線条体ニューロンおよびこれらの再生された軸索の完全性は、埋め込まれた被包された細胞からのGDNFの継続した送達によって維持される。
本発明の方法は、ヒトにおけるパーキンソン病によって損傷を受けた神経系路を修復することにおいて有用であるとして企図される。特に、本明細書中に記載される方法は、ドーパミン作動性ニューロンを含むがこれに限定されないニューロンによる損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激し得る。好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFを、それを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含する、セロトニン作動性ニューロンを含むがこれに限定されないニューロンによる損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激する方法が提供される。より好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFをそれを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含する、ドーパミン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンを含むがこれらに限定されないニューロンによる損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激する方法が提供される。いっそうより好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFをそれを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含する、ドーパミン作動性ニューロンおよびセロトニン作動性ニューロンを含むがこれらに限定されないニューロンによる損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激する方法が提供される。いっそうより好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFを、それを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含する、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンを含むがこれらに限定されないニューロンによる損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激する方法が提供される。本発明の最も好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFを、それを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNc、好ましくは側方SNcおよび少なくとも1つの視床下部領域、好ましくは尾側不確帯または代替的に少なくとも1つの被殻領域、好ましくは後背側被殻および少なくとも1つのSNc、好ましくは側方SNc、少なくとも1つの視床下部領域、好ましくは尾側不確帯に投与する工程を包含する、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンを含むがこれらに限定されないニューロンによる損傷したヒト脳組織の再神経支配を含む神経再生を刺激する方法が提供される。
本発明はまた、パーキンソン病によって機能不全にされたニューロンの機能を増強するための医薬組成物の調製における薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも1つの薬学的に受容可能なビヒクル、賦形剤または希釈剤の使用に関し、ここで、組成物は、それを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与するためである。従って、本発明の方法は、ヒトにおけるパーキンソン病に罹患するニューロンの機能を増強することにおいて有用であるとして企図される。好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFをそれを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含するドーパミン作動性ニューロンの機能を増強する方法が提供される。より好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFを、それを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含するドーパミン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンの機能を増強する方法が提供される。いっそうより好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFをそれを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含するドーパミン作動性ニューロンおよびセロトニン作動性ニューロンの機能を増強する方法が提供される。いっそうより好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFを、それを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域または代替的に少なくとも1つの被殻領域および少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域に投与する工程を包含するドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンの機能を増強する方法が提供される。本発明の最も好ましい態様において、薬学的有効用量のr−metHuGDNFをそれを必要とするヒト患者の脳の少なくとも1つのSNc、好ましくは側方SNcおよび視床下部領域、好ましくは尾側不確帯または代替的に少なくとも1つの視床下部領域、好ましくは尾側不確帯および少なくとも1つの被殻領域、好ましくは後背側被殻および少なくとも1つの、に投与する工程を包含する、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロンおよびノルアドレナリン作動性ニューロンを含むがこれらに限定されない機能不全ニューロンの機能を増強する方法が提供される。
本発明の方法において、GDNFは、埋め込み可能なポンプおよび1つ以上のカテーテルによってヒト脳中の1つ以上の標的部位に慢性的に投与される。好ましくは、1つ以上の標的部位は、TH発現ニューロンの数2)ドーパミン神経細胞の大きさ3)ドーパミン代謝レベル4)ドーパミン貯蔵、5)ドーパミン輸送、6)神経ドーパミン取込み、7)ドーパミン輸送体結合、8)末端ドーパミン放出の離散的な値をとる大きさ、9)ドーパミン回転の速度、10)TH+細胞計数、11)TH+神経支配密度および12)TH+線維密度を含むがこれらに限定されないPD疾患または疾患進行の生体マーカーを評価することによって同定される。いっそうより好ましくは、1つ以上の標的部位は、脳またはその領域の神経画像化によって決定される。いっそうより好ましくは、GDNFの慢性注入のための1つ以上の標的部位を決定するために使用される神経画像化技術は、18F−フルオロドーパ陽電子断層撮影法(18F−ドーパPET)13および単一光子断層撮影法上の123I−2β−カルボキシメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)トロパン取り込み(123I−β−CIT SPECT)からなる群から選択される。本発明のいっそうより好ましい態様において、GDNFは、PD患者の側方SNcおよび尾側不確帯に加えて少なくとも1つのドーパミン作動性機能不全被殻に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、GDNFは、PD患者の側方SNcおよび尾側不確帯に加えて少なくとも1つのドーパミン作動性機能不全被殻の中央領域に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、GDNFは、PD患者の側方SNcおよび尾側不確帯に加えて少なくとも1つのドーパミン作動性機能不全被殻の背側領域に直接慢性的に注入される。最も好ましくは、GDNFは、PD患者の側方SNcおよび尾側不確帯に加えて少なくとも1つのドーパミン作動性機能不全後背側被殻に直接慢性的に注入される。
多くの薬物送達器具、カテーテル、カテーテルシステムおよびこれらの組み合わせは、体内の特定の部位への医療物質の分配のために開発されてきており、全て本発明の方法における使用のために当業者に容易に入手可能である。従って、ヒトは、特定の濃度および/または特定の時間および/または異なる送達速度で、患者の脳の標的部位にGDNF組成物を送達するための先行技術である薬物送達装置、カテーテルおよびカテーテルシステムを使用し得る。例示および非限定のために、本発明の方法において、ヒトは、米国特許公報US20030120262、US20030208184またはUS20030225372あるいは米国特許4,931,050、4,838,887、5,207,666、4,714,462、5176,641;3,923,060、4,003,379、4,588,394、4,447,224、5,575,770、4,978,338、5,908,414、5,643,207、6,589,205または6,592,571に記載の技術を使用し得る。これら米国特許出願および米国特許の各々の全開示は、本明細書中に参照によって援用される。本発明の文脈において有用な好ましい薬物送達器具は、米国特許5,752,930または米国特許出願US20030216714に記載されるものを含む(これらは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)。本発明の文脈において有用なより好ましい薬物送達器具は、米国特許6,620,151に記載されるものを含む(これは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)。本発明の文脈において有用ないっそうより好ましい薬物送達器具は、米国特許出願US20030216714に記載されるものを含む(これは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)。最も好ましくは、本発明の文脈において使用される薬物送達器具は、米国特許4,146,029、4,013,074または4,692,147に記載されるものであり(これらは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)、その市販される態様は、Synchromed(登録商標)I、Synchromed(登録商標)ELおよびSynchromed(登録商標)II注入ポンプ(Medtronic, Inc., Minneapolis, Minn.)を含むがこれらに限定されない。
本発明の別の態様において、上記または下記態様のいずれかと関連して、多くのカテーテルおよびカテーテルシステムは、体の特定の部位に薬物のような薬剤を分配するために開発されてきており、本発明の方法における使用のために当業者に容易に利用可能である。例示および非限定のために、本発明の方法において、ヒトは、米国特許公報20030216700、20030199831または20030199829あるいは米国特許6,319,241に記載される技術を使用し得る。これら米国特許出願および米国特許の全開示は、本明細書中に参照によって援用される。本発明の文脈において有用な好ましいカテーテルまたはカテーテルシステムとしては、国際特許出願公報WO 02/07810またはWO03/002170あるいは米国特許5,720,720、6,551,290または6,609,020に記載される実質内注入カテーテルまたはカテーテルシステムが挙げられるがこれらに限定されない。これらの特許出願および米国特許の各々の全開示は、本明細書中に参照によって援用される。本発明の文脈において有用ないっそうより好ましいカテーテルおよび/またはカテーテルシステムとしては、米国特許6,093,180(これは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)に記載される実質内注入カテーテルおよび/またはカテーテルシステムが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の文脈において有用な最も好ましいカテーテルまたはカテーテルシステムは、国際特許出願公報WO 03/077785(これは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)および米国特許6, 609,020(これは、その全体を参照によって本明細書中に援用される)に記載される実質内注入カテーテルまたはカテーテルシステムである。
本明細書中で交換可能に使用される語句「治療有効用量」または「薬学的有効用量」は、当業者によってPDを含むがこれに限定されない神経変性障害と一般的に関連する任意の生物学的症候群の任意の改善、妨害、予防、または変更を生じるのに十分なGDNFの量をいう。本発明の好ましい態様において、上記または下記の態様のいずれかと関連して、GDNFは、約1μg/日〜約100μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。より好ましくは、GDNFは、約5μg/日〜約50μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、GDNFは、約10μg/日〜約75μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、GDNFは、約15μg/日〜約50μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、r−metHuGDNFは、約20μg/日〜約40μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、r−metHuGDNFは、約25μg/日〜約30μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。いっそうより好ましくは、r−metHuGDNFは、約15μg/日〜約30μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。最も好ましくは、r−metHuGDNFは、約25μg/日〜約30μg/日の用量で標的部位に直接慢性的に注入される。
本発明の方法において、GDNFは、1つより多い標的部位に投与される。標的部位への投与は、同時、連続的または別々であり得る。すなわち、GDNFは、同時に1つより多い標的部位に投与され得、1つの標的部位に投与され、次いで、直ちに別の標的部位に投与され得るか、または1つの標的部位に投与され、次いで、2つの投与の間に時間遅延を有し別の標的部位に投与され得る。
本出願人らはまた、本明細書中において認知障害の処置またはPDおよび痴呆を含むがこれらに限定されない神経変性障害に関連する認知低下を阻害するための医薬組成物の調製における、r−metHuGDNFを含むがこれに限定されない薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも1つの薬学的に受容可能なビヒクル、賦形剤または希釈剤の使用を開示し、ここで、組成物は、投与の必要のあるヒトの脳の少なくとも1つのSNcおよび視床下部領域への投与のためである。認知障害の処置またはPDおよび痴呆を含むがこれらに限定されない神経変性障害に関連する認知低下を阻害するための医薬組成物の調製における薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも1つの薬学的に受容可能なビヒクル、賦形剤または希釈剤の好ましい使用において、組成物は、投与の必要のあるヒトの脳のSNc、STNおよびZIの少なくとも1つへの投与のためである。認知障害の処置またはPDおよび痴呆を含むがこれらに限定されない神経変性障害に関連する認知低下を阻害するための医薬組成物の調製における薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも1つの薬学的に受容可能なビヒクル、賦形剤または希釈剤のより好ましい使用において、組成物は、投与の必要のあるヒトの脳のSNcおよび/またはZIへの投与のためである。認知障害の処置またはPDおよび痴呆を含むがこれらに限定されない神経変性障害に関連する認知低下を阻害するための医薬組成物の調製における薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも1つの薬学的に受容可能なビヒクル、賦形剤または希釈剤のより好ましい使用において、組成物は、投与の必要のあるヒトの脳のSNcおよび/または尾側ZIへの投与のためである。認知障害の処置またはPDおよび痴呆を含むがこれらに限定されない神経変性障害に関連する認知低下を阻害するための医薬組成物の調製における薬学的有効量のGDNFおよび少なくとも1つの薬学的に受容可能なビヒクル、賦形剤または希釈剤のより好ましい使用において、組成物は、投与の必要のあるヒトの脳のSNc、尾側ZIおよび後背側被殻への投与のためである。
本発明の方法は、パーキンソン症候群患者への適用の際に、震顫および失調症を含むパーキンソン病の症状を有意に低減する効果を有する。さらに、疾患特異的症状の明確な改善は、運動(motoricity)、微小運動および優秀な器用さの限りにおいて、本明細書中に開示される本発明の方法の使用から生じ得る。さらに、可動性および集中力は、上昇し得、反応時間は減少し得る。発音、顔面表現、姿勢、においの感覚、性欲、性機能および感情状態は、改善されるはずであり、精神の状態は、明るくなるはずである。
本発明のさらに別の態様において、GDNFは、適切に投与され得、その結果、認知増強剤として使用され得、特に痴呆または外傷の結果として学習を増強するかまたは例えばPDを有する患者における認知低下および/もしくは痴呆を阻害する。50%より多い高齢者の痴呆を説明するとして国立加齢研究所によって同定されたアルツハイマー病はまた、65歳を超えるアメリカ人の第4または第5の主要な死因である。400万人のアメリカ人、つまり85歳を超えるアメリカ人の40%(米国の人口の最も早く成長している部分)は、アルツハイマー病を有する。パーキンソン病を有する全ての患者の25%はまた、アルツハイマー病様痴呆を罹患する。以前に、GDNFの慢性被殻内投与が、ヒトにおいて認知障害を処置または予防することにおいて応用を有することが示された。特に、GDNFの被殻内投与は、PDに関連する認知障害および/またはアルツハイマー病様痴呆の処置または予防において応用を有する。
(実施例)
以下の実施例は、例示目的のみのために提供され、本発明を限定するとして解釈されるべきではない。
(実施例1:パーキンソン病を処置するための視床下部領域および黒質へのGDNFの直接注入)
(患者含入基準)
1.有意な機能的障害を有し最適な投薬でほとんど制御されない特発性パーキンソン病の診断。
2.65歳未満。
3.有意な共病的な条件を有さない適切な手術候補。
(患者除外基準)
1.妊娠可能年齢の女性。
2.痴呆、うつ病または有意な記憶障害の臨床的に有意な症状の存在。
以下の実施例は、例示目的のみのために提供され、本発明を限定するとして解釈されるべきではない。
(実施例1:パーキンソン病を処置するための視床下部領域および黒質へのGDNFの直接注入)
(患者含入基準)
1.有意な機能的障害を有し最適な投薬でほとんど制御されない特発性パーキンソン病の診断。
2.65歳未満。
3.有意な共病的な条件を有さない適切な手術候補。
(患者除外基準)
1.妊娠可能年齢の女性。
2.痴呆、うつ病または有意な記憶障害の臨床的に有意な症状の存在。
(手順)
皮質下および脳幹核は、以前に報告されたような厳密な定位条件下で取られた高分解能MR画像から位置を突き止められ得る(Patel, et al., 2002)。ガイドチューブは、単一または複数の標的部位での1つ以上の実質内脳カテーテル(0.45〜1.25mm)の正しい配置を確実にするために使用され得る。好ましいガイドチューブおよびカテーテルは、それぞれ米国特許6,609,020および国際特許出願公報WO 03/077785に記載される(これらの両方は、その全体を参照によって本明細書中に援用される)。手術は、一般的な麻酔下で実施され得る。次いで、r−metHuGDNF充填SynchroMedポンプ(Medtronic Inc, Minneapolis)は、上部腹領域において、皮下的にまたは筋膜下的(前部腹直筋鞘の下;筋膜下配置は、腹側におけるポンププロフィール(pump profile)を減少し、美容外観を改善し得る)に埋め込まれ得る。内在する実質内脳カテーテルにポンプを連結するカテーテルは、トンネル状(tunneled)であり得る。
皮質下および脳幹核は、以前に報告されたような厳密な定位条件下で取られた高分解能MR画像から位置を突き止められ得る(Patel, et al., 2002)。ガイドチューブは、単一または複数の標的部位での1つ以上の実質内脳カテーテル(0.45〜1.25mm)の正しい配置を確実にするために使用され得る。好ましいガイドチューブおよびカテーテルは、それぞれ米国特許6,609,020および国際特許出願公報WO 03/077785に記載される(これらの両方は、その全体を参照によって本明細書中に援用される)。手術は、一般的な麻酔下で実施され得る。次いで、r−metHuGDNF充填SynchroMedポンプ(Medtronic Inc, Minneapolis)は、上部腹領域において、皮下的にまたは筋膜下的(前部腹直筋鞘の下;筋膜下配置は、腹側におけるポンププロフィール(pump profile)を減少し、美容外観を改善し得る)に埋め込まれ得る。内在する実質内脳カテーテルにポンプを連結するカテーテルは、トンネル状(tunneled)であり得る。
(r−metHuGDNF注入物)
r−metHuGDNF(Amgen Inc., Thousand Oaks, CA)は、10mMクエン酸ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムpH5.0で処方された液体である。埋め込みの後、SynchroMedポンプは、1日あたり標的部位あたりr−metHuGDNFの連続的な注入物を送達するためにプログラムされ得る。ポンプは、必要とされる場合、例えば、一ヶ月ごとに新鮮な溶液で再充填され得る。注入パラメーターは、規則的なインターバルでの繰り返しMRIモニタリングでもって、安全かつ臨床的に効果的なパラメーターを確立するために異なる用量および/または速度で薬物を送達するように変更され得る。r−metHuGDNFを希釈するためのビヒクル溶液は、滅菌された10mMクエン酸および120mM NaClバッファpH5.5からなり得る。
r−metHuGDNF(Amgen Inc., Thousand Oaks, CA)は、10mMクエン酸ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムpH5.0で処方された液体である。埋め込みの後、SynchroMedポンプは、1日あたり標的部位あたりr−metHuGDNFの連続的な注入物を送達するためにプログラムされ得る。ポンプは、必要とされる場合、例えば、一ヶ月ごとに新鮮な溶液で再充填され得る。注入パラメーターは、規則的なインターバルでの繰り返しMRIモニタリングでもって、安全かつ臨床的に効果的なパラメーターを確立するために異なる用量および/または速度で薬物を送達するように変更され得る。r−metHuGDNFを希釈するためのビヒクル溶液は、滅菌された10mMクエン酸および120mM NaClバッファpH5.5からなり得る。
(標的部位へのGDNF注入のレジメン(各側に尾側不確帯/SNc))
1.第0週〜第6週−3μl/時間でバッファ単独。
2.第6週〜第3月−3μl/時間の速度でGDNF(100μg/mlの濃度)従って1日あたりSTN/ZIあたり14.4μgに等しい用量。
3.第3月〜第12月−3μl/時間の速度でGDNF(200μg/mlの濃度)従って1日あたりSTN/ZIあたり28.8μgに等しい。
4.第12月〜第24月−GDNF用量は、臨床的応答に従って調節され得る。
1.第0週〜第6週−3μl/時間でバッファ単独。
2.第6週〜第3月−3μl/時間の速度でGDNF(100μg/mlの濃度)従って1日あたりSTN/ZIあたり14.4μgに等しい用量。
3.第3月〜第12月−3μl/時間の速度でGDNF(200μg/mlの濃度)従って1日あたりSTN/ZIあたり28.8μgに等しい。
4.第12月〜第24月−GDNF用量は、臨床的応答に従って調節され得る。
(臨床的評価)
1.ビデオ記録を用いてCAPIT基準どおりにUPDRS(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
2.定期の運動試験(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
3.震顫スコア(Fahn- Marsden Tolosa震顫ランク付けスコア)(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
4.患者日記(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
5.神経心理学的試験(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
6.PDQ-39およびSF-(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
7.血液調査(全血球計数、腎、肝機能試験、視床下部機能試験(ベーラインおよび手術後のインターバルで)。
8.生命徴候(脈拍数、血圧、呼吸速度、体重;(ベーラインおよび手術後のインターバルで)。
1.ビデオ記録を用いてCAPIT基準どおりにUPDRS(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
2.定期の運動試験(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
3.震顫スコア(Fahn- Marsden Tolosa震顫ランク付けスコア)(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
4.患者日記(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
5.神経心理学的試験(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
6.PDQ-39およびSF-(ベースラインおよび処置期間にわたるインターバルで)。
7.血液調査(全血球計数、腎、肝機能試験、視床下部機能試験(ベーラインおよび手術後のインターバルで)。
8.生命徴候(脈拍数、血圧、呼吸速度、体重;(ベーラインおよび手術後のインターバルで)。
(非侵襲性再配置可能な定位フレームにおける神経画像化)
1.MRIスキャン(T2加重したおよび拡散テンソル画像化)
a)ベースラインMRスキャン
b)手術前平面スキャン
c)手術前標的確認スキャン
d)手術後1週間
e)手術後6週間
f)手術後3、6、12、18および24ヶ月。
2.PETスキャン(18−Fドーパおよび11C−WAY 100635)
a)ベースライン
b)6、12および24ヶ月。
側方SNcおよび尾側不確帯へのGDNFの直接の注入は、震顫および失調症を含むパーキンソン病における運動症状(motor symptoms)を改善する。
1.MRIスキャン(T2加重したおよび拡散テンソル画像化)
a)ベースラインMRスキャン
b)手術前平面スキャン
c)手術前標的確認スキャン
d)手術後1週間
e)手術後6週間
f)手術後3、6、12、18および24ヶ月。
2.PETスキャン(18−Fドーパおよび11C−WAY 100635)
a)ベースライン
b)6、12および24ヶ月。
側方SNcおよび尾側不確帯へのGDNFの直接の注入は、震顫および失調症を含むパーキンソン病における運動症状(motor symptoms)を改善する。
(臨床的評価および追跡調査)
臨床的評価は、大脳内移植のための芯評価プログラム(CAPIT)( Langston, J. W. et al, 1992)、特発性PDの外科的処置を評価するための検証されたプロトコルに基づき得る。全ての患者は、統一パーキンソン病ランク付けスケール(UPDRS)に基づいて評価され、ベースラインおよびGDNFの導入の後の規則的なインターバルで定期の運動試験を受け得る。評価は、オフ投薬状態およびオン投薬状態の両方において実施され得る。好ましくは、患者がオフ投薬と評価される前に、患者は、絶食するべきであり、投薬は、一晩で引っ込められるべきである。次いで、同様の評価は、患者が「オン」である場合L−ドーパの投与の後、繰り返され得る。
臨床的評価は、大脳内移植のための芯評価プログラム(CAPIT)( Langston, J. W. et al, 1992)、特発性PDの外科的処置を評価するための検証されたプロトコルに基づき得る。全ての患者は、統一パーキンソン病ランク付けスケール(UPDRS)に基づいて評価され、ベースラインおよびGDNFの導入の後の規則的なインターバルで定期の運動試験を受け得る。評価は、オフ投薬状態およびオン投薬状態の両方において実施され得る。好ましくは、患者がオフ投薬と評価される前に、患者は、絶食するべきであり、投薬は、一晩で引っ込められるべきである。次いで、同様の評価は、患者が「オン」である場合L−ドーパの投与の後、繰り返され得る。
(健康関連生活の質結果測定および追跡調査)
患者はまた、検証された生活の質アンケートを使用して評価され得る:39項目パーキンソン病アンケート(PDQ39)および36項目の医療結果研究短い形態健康調査(SF−36)は、手術の前およびGDNFの導入の後の規則的なインターバルで使用され得る。記述統計(平均、標準偏差、範囲、95%信頼区間)は、各変数に対して得られ得る。経時的な比較は、スチューデントの対試料t−検定を使用してなされ得る。
患者はまた、検証された生活の質アンケートを使用して評価され得る:39項目パーキンソン病アンケート(PDQ39)および36項目の医療結果研究短い形態健康調査(SF−36)は、手術の前およびGDNFの導入の後の規則的なインターバルで使用され得る。記述統計(平均、標準偏差、範囲、95%信頼区間)は、各変数に対して得られ得る。経時的な比較は、スチューデントの対試料t−検定を使用してなされ得る。
(神経心理学的評価および追跡調査)
投薬(L−ドーパ当量)必要条件の変化は、測定され得、以前に記載されたとおり(McCarter, R. J., et al, 2000)、言語知性、言語および視覚記憶、注意、実行機能、不安ならびにうつ病の試験を用いる神経心理学的評価は、同様に引き起こされ得る。好ましくは、使用される認知試験の任意のバッテリーは、認知試験結果に対する運動の遅さおよび運動の困難性の両方の可能な交絡効果を最小にするように設計されるべきである。フリードマンの関連試料試験は、ランク付けスコアにおける経時的変化の有意性を評価するために使用され得る。全ての分析は、SPSSにおいて実施され得る。患者は、手術前神経心理学的評価を受け得、次いで、埋め込みおよびGDNF曝露後12および24ヶ月で評価され得る。認知試験実行における変化の有意性は、ベースラインで予測された真のスコアのまわりの予想の標準誤差(Lord and Novack, 1968; Atkinson, L., 1991)に由来する信頼区間を使用して評価され得る。有意な変化は、12または24ヶ月のいずれかのスコアがベースラインスコアの信頼区間の範囲外になる場合推測され得る。さらに、PDに対する他の形態の手術を受けた患者からなるPDコントロール群は、特定の期間にわたる繰り返しの認知評価の効果を確立するために使用され得る。もちろん、任意のコントロール群は、教育の年数、手術時の年齢、手術時のPDの持続時間およびNART評価FSIQ(P>0.05)の点でGDNF患者群に匹敵するべきである。
投薬(L−ドーパ当量)必要条件の変化は、測定され得、以前に記載されたとおり(McCarter, R. J., et al, 2000)、言語知性、言語および視覚記憶、注意、実行機能、不安ならびにうつ病の試験を用いる神経心理学的評価は、同様に引き起こされ得る。好ましくは、使用される認知試験の任意のバッテリーは、認知試験結果に対する運動の遅さおよび運動の困難性の両方の可能な交絡効果を最小にするように設計されるべきである。フリードマンの関連試料試験は、ランク付けスコアにおける経時的変化の有意性を評価するために使用され得る。全ての分析は、SPSSにおいて実施され得る。患者は、手術前神経心理学的評価を受け得、次いで、埋め込みおよびGDNF曝露後12および24ヶ月で評価され得る。認知試験実行における変化の有意性は、ベースラインで予測された真のスコアのまわりの予想の標準誤差(Lord and Novack, 1968; Atkinson, L., 1991)に由来する信頼区間を使用して評価され得る。有意な変化は、12または24ヶ月のいずれかのスコアがベースラインスコアの信頼区間の範囲外になる場合推測され得る。さらに、PDに対する他の形態の手術を受けた患者からなるPDコントロール群は、特定の期間にわたる繰り返しの認知評価の効果を確立するために使用され得る。もちろん、任意のコントロール群は、教育の年数、手術時の年齢、手術時のPDの持続時間およびNART評価FSIQ(P>0.05)の点でGDNF患者群に匹敵するべきである。
(スキャン手順および画像解析)
18F−ドーパPETは、シナプス性アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)活性の測定を提供し、従って、ドーパミン保存およびドーパミン末端の機能的完全性のインビボマーカーとして作用する。以前のヒトおよび動物の損傷研究は、線条体の18F−ドーパPETが、黒質細胞数、線条体末端におけるドーパミン含量(Garnett et al, 1983; Martin et al, 1989; Brooks et al, 1990(b); Pate et al, 1993)およびUPDRSオフ投薬(Morrish, et al, 1998)と、運動緩徐および剛性サブスコア(rigidity sub score)(Otsuka, et al, 1996)と特に相関することを示した。さらに、PDを有する患者における経時的な線条体18F−ドーパ取込みの進行性の低下を示すことは可能である(Morrish, et al, 1998; Morrish, et al, 1996)。18F−ドーパPETは、ここで使用され、慢性的にGDNF注入を受ける線条体ドーパミン末端機能PD患者を評価し得る。
18F−ドーパPETは、シナプス性アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)活性の測定を提供し、従って、ドーパミン保存およびドーパミン末端の機能的完全性のインビボマーカーとして作用する。以前のヒトおよび動物の損傷研究は、線条体の18F−ドーパPETが、黒質細胞数、線条体末端におけるドーパミン含量(Garnett et al, 1983; Martin et al, 1989; Brooks et al, 1990(b); Pate et al, 1993)およびUPDRSオフ投薬(Morrish, et al, 1998)と、運動緩徐および剛性サブスコア(rigidity sub score)(Otsuka, et al, 1996)と特に相関することを示した。さらに、PDを有する患者における経時的な線条体18F−ドーパ取込みの進行性の低下を示すことは可能である(Morrish, et al, 1998; Morrish, et al, 1996)。18F−ドーパPETは、ここで使用され、慢性的にGDNF注入を受ける線条体ドーパミン末端機能PD患者を評価し得る。
患者は、18F−ドーパPETを手術前に受け得、時々少なくとも12時間の間の投薬を中止した後、3D取得モードでECAT EXACT HR++カメラ(CTI/Siemens 966; Knoxville, TN)を手術後に使用する。患者は、150mgのカルビドーパおよび400mgのエンタカポンを投薬され得、次いで、1時間後に、通常の生理食塩水中の111MBqの18F−ドーパが、スキャンの最初に、静脈内ボーラスとして投与され得る。画像は、94.5分間26倍フレームとして3Dモードで取得され得る(1×30秒、4×1分、3×2分、3×3分および15×5分)。18F−ドーパ流入定数(Ki)のパラメーター画像は、PatlakおよびBlasberg (Patlak, C. S. & Blasberg, R. G., 1985))のMTGAアプローチに基づいて、企業内(in house)ソフトウェア(Brooks, D. J. et al, 1990; Rakshi, J. S. et al, 1999)を使用して注入後時間枠25.5〜94.5分から生成し得る。同じ時間枠からの後頭部の計数は、組織参照入力関数を生成するために使用された。統合された画像(時間枠25.5〜94.5)は、Ki画像を標準的な定位のMNI空間に変換するために必要なパラメーターを同定するために使用され得る。次いで、変換行列がKi画像に適用され得る。規格化の後、ガウシアンフィルター(6×6×6mm)が適用され得る。規格化されたKi画像の平均3D画素値は、皮質のシグナルを削除するためのマスクの適用の後、SPM99における対のスチューデントのt−検定を手術後に使用してベースラインおよびインターバルで中脳および脳幹神経節全体にわたって比較され得、そうして統計的比較の数を減少する。18F−ドーパ取込みにおける任意の領域的増加は、目的の体積として規定され得、これらの体積の平均Ki値は、適切なSPMツールを使用して抽出される(Brett, M., et al, 2002)。
統合された画像は、その後、各々の患者の目的の領域(region of interest)(ROI)の解析のためのMRIスキャンに対して共に登録され(co-registered)得る。すべてのMRIはAC-PC平面において再フォーマットされ得る。次いで、その後に続く変換行列を、個々のKi画像に対して、それらを個々のMRI空間に変換するために、適用し得る。目的の領域(ROI)はMRIにて追跡され得る。例えば、尾状核および背側被殻の上部は、前方の半分および後方の半分に分けられ得る。カテーテル先端の位置は、AC-PC線および横断面における該先端位置を中心とする目的の楕円形領域(6 mm x 12 mm)に対して算出され得る。次いで、ROIは2つの平面上に複写され、該断面のいずれかの(either)側が計算された先端の位置を含み、カテーテル先端を中心とする目的の12 mm x 6 mm x 5 mm(0.36 cc)の体積をつくり出し得る。次いで、目的の領域が用いられ、パラメーター画像の18F活性の実例となり(sample)得る。
実施例2:パーキンソン病を治療するための視床下部領域、黒質、および被殻へのGDNFの直接注入
震顫、顕著なPD、および/または、悪化している震顫、ならびに失調症を有するPD患者は、被殻内に慢性的に注入されたGDNFで治療されているにもかかわらず、視床下核に対して後方にあり、黒質緻密層の約2 mm上方の尾側不確帯に、1つ以上の実質内注入カテーテルを定位配置し、被殻内へGDNFの注入を継続することにより治療され得る。ガイドチューブが、標的部位での実質内脳カテーテル(0.45〜1.25 mm)の正確な配置を確実にするために用いられ得る。好ましいガイドチューブおよびカテーテルは、米国特許第6,609,020号および国際特許出願公報第WO 03/077785号にそれぞれ記載されている(これらの両方はその全体が参照によって本明細書により援用される)。カテーテルは、前腹壁に埋め込まれたSynchromedポンプ(Medtronic Inc. Minneapolis, MN.)に連結され、その結果患者は今2つのポンプを有し、両方がGDNFを脳に送達する。GDNFの被殻内注入は、被殻あたり約28.8 μg/日〜被殻あたり約45 μg/日の速度で継続され得るが、1つ以上のSTN/ZI部位への注入は、次の養生法に従って行われる:
第0週〜第6週: 3 μl/時間で緩衝液単独。
第6週〜第18週: 3 μl/時間の速度および100 μg/mlの濃度でのGDNF(1日あたりSTN/ZIあたり14.4 μgに等しい)。
第18週〜第30週: 3 μl/時間の速度および200 μg/mlの濃度でのGDNF(1日あたりSTN/ZIあたり28.8 μgに等しい)。
患者の手術前および手術後のモニタリングおよび評価は、実施例1において上に記載したように、本質的には適切な間隔で行われ得る。
震顫、顕著なPD、および/または、悪化している震顫、ならびに失調症を有するPD患者は、被殻内に慢性的に注入されたGDNFで治療されているにもかかわらず、視床下核に対して後方にあり、黒質緻密層の約2 mm上方の尾側不確帯に、1つ以上の実質内注入カテーテルを定位配置し、被殻内へGDNFの注入を継続することにより治療され得る。ガイドチューブが、標的部位での実質内脳カテーテル(0.45〜1.25 mm)の正確な配置を確実にするために用いられ得る。好ましいガイドチューブおよびカテーテルは、米国特許第6,609,020号および国際特許出願公報第WO 03/077785号にそれぞれ記載されている(これらの両方はその全体が参照によって本明細書により援用される)。カテーテルは、前腹壁に埋め込まれたSynchromedポンプ(Medtronic Inc. Minneapolis, MN.)に連結され、その結果患者は今2つのポンプを有し、両方がGDNFを脳に送達する。GDNFの被殻内注入は、被殻あたり約28.8 μg/日〜被殻あたり約45 μg/日の速度で継続され得るが、1つ以上のSTN/ZI部位への注入は、次の養生法に従って行われる:
第0週〜第6週: 3 μl/時間で緩衝液単独。
第6週〜第18週: 3 μl/時間の速度および100 μg/mlの濃度でのGDNF(1日あたりSTN/ZIあたり14.4 μgに等しい)。
第18週〜第30週: 3 μl/時間の速度および200 μg/mlの濃度でのGDNF(1日あたりSTN/ZIあたり28.8 μgに等しい)。
患者の手術前および手術後のモニタリングおよび評価は、実施例1において上に記載したように、本質的には適切な間隔で行われ得る。
Claims (60)
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をパーキンソン病の治療の必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるパーキンソン病の治療方法。
- 手術前にヒトの一方または双方の被殻におけるドーパミン作動性機能を評価すること、
一方または双方の被殻内のドーパミン作動性機能不全の少なくとも1つの標的部位を特定すること、
薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を被殻内の1つ以上の前記標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与すること、
手術後に、少なくとも1回、1つ以上の前記被殻の標的部位でドーパミン作動性機能を評価すること、ならびに任意に
少なくとも1回、1つ以上の前記他の標的部位でセロトニン作動性機能を評価すること、
を含む、ヒトにおけるパーキンソン病の治療方法。 - 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させる必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させる方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させる必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させる方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を、ドーパミン作動性ニューロンを再生させる必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるドーパミン作動性ニューロンの再生方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を変性しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護する必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与することを含む、ヒトにおける変性しやすいドーパミン作動性ニューロンの保護方法。
- 一方または双方の被殻内の前記標的部位が前記被殻の中央の領域である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
- 一方または双方の被殻内の前記標的部位が前記被殻の後方背側領域である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
- 前記ビヒクル、賦形剤、または希釈剤が塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムを含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
- 前記GDNFタンパク質産物がr-metHuGDNFである、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
- ドーパミン作動性機能を評価することが、ドーパミンの取り込みまたはドーパミンの貯蔵を評価することを含む、請求項2および7〜10のいずれか1つに記載の方法。
- 前記少なくとも1つの他の標的部位が、黒質緻密層、視床下核、および尾側不確帯からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
- 前記少なくとも1つの他の標的部位が、視床下核の後方および黒質緻密層の上方約2 mmの尾側不確帯である、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をパーキンソン病の治療の必要があるヒトの黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるパーキンソン病の治療方法。
- 手術前に、黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択されるヒトの脳の1つ以上の領域のドーパミン作動性機能を評価すること、
脳の1つ以上の前記領域内のドーパミン作動性機能不全の少なくとも1つの標的部位を特定すること、
薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を少なくとも1つの前記標的部位に投与すること、
手術後に、少なくとも1回、1つ以上の前記標的部位でドーパミン作動性機能を評価すること、ならびに任意に
少なくとも1回、前記脳の少なくとも1つの脳領域内でセロトニン作動性機能を評価すること、
を含む、ヒトにおけるパーキンソン病の治療方法。 - 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をヒトの脳の黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させる方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をヒトの脳の黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させる方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をヒトの脳の黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与することを含む、ヒトにおけるドーパミン作動性ニューロンの再生方法。
- 薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物をヒトの脳の黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与することを含む、ヒトにおける変性しやすいドーパミン作動性ニューロンの保護方法。
- 前記ビヒクル、賦形剤、または希釈剤が塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムを含む、請求項1418のいずれか1つに記載の方法。
- 前記GDNFタンパク質産物がr-metHuGDNFである、請求項14〜20のいずれか1つに記載の方法。
- ドーパミン作動性機能を評価することが、ドーパミンの取り込みまたはドーパミンの貯蔵を評価することを含む、請求項15および20〜21のいずれか1つに記載の方法。
- 前記標的部位が、黒質緻密層、視床下核、および尾側不確帯からなる群から選択される、請求項14〜22のいずれか1つに記載の方法。
- 前記標的部位が、視床下核の後方および黒質緻密層の上方約2 mmの尾側不確帯である、請求項14〜23のいずれか1つに記載の方法。
- ドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させるための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させる必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与するためのものである、使用。
- ドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させるための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させる必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与するためのものである、使用。
- ドーパミン作動性ニューロンを再生させるための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がドーパミン作動性ニューロンを再生させる必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与するためのものである、使用。
- 変性しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護するための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物が変性しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護する必要があるヒトの一方または双方の被殻内の標的部位、ならびに黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの他の標的部位に投与するためのものである、使用。
- 一方または双方の被殻内の前記標的部位が前記被殻の中央の領域である、請求項24〜28のいずれか1つに記載の使用。
- 一方または双方の被殻内の前記標的部位が前記被殻の後方背側領域である、請求項24〜28のいずれか1つに記載の使用。
- 前記ビヒクル、賦形剤、または希釈剤が塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムを含む、請求項24〜30いずれか記載の使用。
- 前記GDNFタンパク質産物がr-metHuGDNFである、請求項24〜31いずれか記載の使用。
- 前記少なくとも1つの他の標的部位が、黒質緻密層、視床下核、および尾側不確帯からなる群から選択される、請求項24〜32いずれか記載の使用。
- 前記少なくとも1つの他の標的部位が、視床下核の後方および黒質緻密層の上方約2 mmの尾側不確帯である、請求項24〜32いずれか記載の使用。
- 一方または双方の被殻内の前記標的部位が、前記標的部位でのドーパミンの取り込みまたはドーパミンの貯蔵を評価することにより手術前に特定されている、請求項24〜35いずれか記載の使用。
- 少なくとも1つの前記標的部位が、一方または双方の被殻の中央の領域である、請求項35記載の使用。
- 少なくとも1つの前記標的部位が、一方または双方の被殻の後方背側領域である、請求項35記載の使用。
- パーキンソン病の治療のための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がパーキンソン病の治療の必要があるヒトの黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与するためのものである、使用。
- ドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させるための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させる必要があるヒトの黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与するためのものである、使用。
- ドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させるための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させる必要があるヒトの黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与するためのものである、使用。
- ドーパミン作動性ニューロンを再生させるための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物がドーパミン作動性ニューロンを再生させる必要があるヒトの黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与するためのものである、使用。
- 変性しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護するための医薬組成物の調製における、薬学的有効量のGDNFタンパク質産物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るビヒクル、賦形剤、または希釈剤の使用であって、該組成物が変性しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護する必要があるヒトの黒質緻密層、視床下核、および不確帯からなる群から選択される少なくとも1つの標的部位に投与するためのものである、使用。
- 前記ビヒクル、賦形剤、または希釈剤が塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムを含む、請求項39〜43いずれか記載の使用。
- 前記GDNFタンパク質産物がr-metHuGDNFである、請求項39〜44いずれか記載の使用。
- 前記標的部位が、黒質緻密層、視床下核、および尾側不確帯からなる群から選択される、請求項39〜46いずれか記載の使用。
- 前記標的部位が、視床下核の後方および黒質緻密層の上方約2 mmの尾側不確帯である、請求項39〜47いずれか記載の使用。
- 前記少なくとも1つの標的部位が、前記標的部位でのドーパミンの取り込みまたはドーパミンの貯蔵を評価することにより手術前に特定されている、請求項39〜48いずれか記載の使用。
- 患者の脳のスキャンを用いてSNcおよび視床下部領域から選択される1つ以上の標的域を特定することを含む、パーキンソン病の治療のための薬学的有効量のGDNFタンパク質産物を送達するための標的域の特定方法。
- 患者の脳のスキャンを用いてSNcおよび視床下部領域から選択される1つ以上の標的域を特定することを含む、ドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させるための薬学的有効量のGDNFタンパク質産物を送達するための標的域の特定方法。
- 患者の脳のスキャンを用いてSNcおよび視床下部領域から選択される1つ以上の標的域を特定することを含む、ドーパミン作動性ニューロンによるドーパミンの取り込みを増大させるための薬学的有効量のGDNFタンパク質産物を送達するための標的域の特定方法。
- 患者の脳のスキャンを用いてSNcおよび視床下部領域から選択される1つ以上の標的域を特定することを含む、ドーパミン作動性ニューロンを再生させるための薬学的有効量のGDNFタンパク質産物を送達するための標的域の特定方法。
- 患者の脳のスキャンを用いてSNcおよび視床下部領域から選択される1つ以上の標的域を特定することを含む、変性しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護するための薬学的有効量のGDNFタンパク質産物を送達するための標的域の特定方法。
- 標的域が1つ以上のSNc、STN、およびZIである、請求項50〜54のいずれか1つに記載の方法。
- 標的域が尾側ZIである、請求項50〜54いずれか記載の方法。
- 被殻領域である標的域、ならびにSNcおよび視床下部領域から選択される少なくとも1つの他の標的域について、患者の脳のスキャンを用いて標的域を特定することを含む、パーキンソン病の治療のための薬学的有効量のGDNFを送達するための標的域の特定方法。
- 被殻領域である標的域、ならびにSNcおよび視床下部領域から選択される少なくとも1つの他の標的域について、患者の脳のスキャンを用いて標的域を特定することを含む、ドーパミン作動性ニューロンの機能を増大させるための薬学的有効量のGDNFを送達するための標的域の特定方法。
- 被殻領域である標的域、ならびにSNcおよび視床下部領域から選択される少なくとも1つの他の標的域について、患者の脳のスキャンを用いて標的域を特定することを含む、ドーパミン作動性ニューロンを再生させるための薬学的有効量のGDNFを送達するための標的域の特定方法。
- 被殻領域である標的域、ならびにSNcおよび視床下部領域から選択される少なくとも1つの他の標的域について、患者の脳のスキャンを用いて標的域を特定することを含む、損傷しやすいドーパミン作動性ニューロンを保護するための薬学的有効量のGDNFを送達するための標的域の特定方法。
- 前記少なくとも1つの他の標的域がSNc、STN、およびZIから選択される、請求項57〜60いずれか記載の方法。
- 前記少なくとも1つの他の標的域がSNc、STN、および尾側ZIから選択される、請求項57〜60いずれか記載の方法。
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