JP2008311498A - 反射型露光装置 - Google Patents

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仁 佐藤
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Abstract

【課題】空気のゆらぎが少なく、軽量で且つ剛性の高い鏡筒を有する反射型露光装置を提供する。
【解決手段】反射型露光装置(100)は、マスクを保持するマスクステージ(40)と、露光光でマスクを照明する照明光学系(10)と、このマスクを透過した露光光を反射する第1反射ミラー(M1)、この第1反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第2反射ミラー(M2)、この第2反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第3反射ミラー(M3)、及びこの第3反射ミラーで反射して再び第2反射ミラーへ戻り第2反射ミラーで反射された露光光を反射する第4反射ミラー(M4)を有する円筒形の鏡筒(50)と、第4反射ミラーで反射された露光光で露光される被露光基板を保持する基板ステージ(60)と、を備え、鏡筒の円周面に多角形の開口(50r、50s)が複数形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子回路基板、液晶素子用ガラス基板、PDP用ガラス素子基板等又は平面基材の表面に所定のパターンを形成する反射型露光装置に関する。
シリコンウェーハなどの半導体用基板、液晶やPDP用のガラス基板、電子回路用の各種基板(以下、基板という)等に、所定のパターンを露光するために、所定の波長の紫外線を照射する投影露光装置がいろいろと提案されている。多くの投影露光装置では、マスクと基板とを結ぶ直線上に複数のレンズを配置した屈折光学系を使った投影光学系を使用している。
一方、特許文献1のように反射ミラー、凸面ミラー及び凹面ミラーのみを使った反射型露光装置も提案されている。特許文献1に開示される投影光学系は、具体的な開示がほとんどなされていないが反射ミラー、凸面ミラー及び凹面ミラーの全面を覆う筒状の鏡筒であると考えられる。複数の反射ミラーの全面を覆う筒状の鏡筒は、露光時にフォトレジストを塗布した基板からの昇華物が鏡筒内に滞留してミラー表面がくもったりする。また露光光によって鏡筒内部の温度が上がり空気のゆらぎが生じる。
また、空気のゆらぎをなくし軽量化を図るため、図8のような鏡筒150が使用されている。鏡筒150は、第1保持板157、第2保持板158及び4本の支柱159とで構成されている。第1保持板157は、露光光が通過するための2つの矩形開口150aと、台形ミラー保持部151と凸面ミラー保持部153とを固定する固定孔150bを有している。また、第2保持板158は、凹面ミラー保持部152を取り付ける大径開口150dを有している。台形ミラー保持部151は反射ミラーM1と反射ミラーM4とを保持し、凹面ミラー保持部152は大径の凹面ミラーM2を保持し、凸面ミラー保持部153は凸面ミラーM3を保持している。
露光面積の大型化に伴い、凹面ミラーM2が大きくなっている。従って凹面ミラーM2を保持する凹面ミラー保持部152も重量が重くなり、4本の支柱159のたわみが生じたりねじれたりして、4つのミラーの光軸合わせが難しくまた経時変化によりこれらミラーの軸がずれたりしたりした。
特開平07−094404号
支柱159がねじれたりたわんだりしないように4本の支柱159を太くすると重量が重くなってしまう。また、4本の支柱159をつなぐ補強の支柱などを設けても全体重量が重くなってしまう。
そこで本発明は、空気のゆらぎが少なく、軽量で且つ剛性の高い鏡筒を有する反射型露光装置を提供する。
第1の観点の反射型露光装置は、マスクを保持するマスクステージと、露光光でマスクを照明する照明光学系と、このマスクを透過した露光光を反射する第1反射ミラー、この第1反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第2反射ミラー、この第2反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第3反射ミラー、及びこの第3反射ミラーで反射して再び第2反射ミラーへ戻り第2反射ミラーで反射された露光光を反射する第4反射ミラーを有する円筒形の鏡筒と、第4反射ミラーで反射された露光光で露光される被露光基板を保持する基板ステージと、を備え、鏡筒の円周面に、多角形の開口が複数形成されている。
この構成により、多角形の開口を通して空気が取り込まれ鏡筒内の空気のゆらぎが少なくなり、併せて鏡筒も軽量になる。このような鏡筒を使った反射型露光装置は、反射ミラーが大型化しても精度よく露光を行うことができる。
第2の観点の反射型露光装置は、多角形の開口は、三角形又は六角形を含む。
有限要素法(FEM)による解析では、同一開口面積であれば三角形又は六角形の開口を有する鏡筒は円形の開口を有する鏡筒よりも剛性が高い。
第3の観点の反射型露光装置は、鏡筒は、第1反射ミラー、第3反射ミラー及び第4反射ミラーを保持し、直径の小さい第1鏡筒と、第2反射ミラーを保持し直径の大きい第2鏡筒とから構成される鏡筒は、第1反射ミラー、第3反射ミラー及び第4反射ミラーを保持し、直径の小さい第1鏡筒と、第2反射ミラーを保持し直径の大きい第2鏡筒とから構成される。
この構成により、鏡筒をできるだけ小さくすることができるため、剛性を維持したまま軽量化を図ることができる。
第4の観点の反射型露光装置は、露光光でマスクを照明する照明光学系と、このマスクを透過した露光光を反射する第1反射ミラー、この第1反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第2反射ミラー、この第2反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第3反射ミラー、及びこの第3反射ミラーで反射して再び第2反射ミラーへ戻り第2反射ミラーで反射された露光光を反射する第4反射ミラーを有する円筒形の鏡筒と、第4反射ミラーで反射された露光光で露光される被露光基板を保持するステージと、を備え、鏡筒は、第1反射ミラー、第3反射ミラー及び第4反射ミラーを保持する直径の小さい第1鏡筒と、第2反射ミラーを保持する直径の大きい第2鏡筒とから構成される。
この構成により、鏡筒をできるだけ小さくすることができるため、製造コストを下げることができるとともに、剛性を維持したまま軽量化を図ることができる。
第5の観点の反射型露光装置は、第1鏡筒と第2鏡筒との円周面に、多角形の開口が複数形成されている。
この構成の反射型露光装置は、空気のゆらぎが少なく軽量な鏡筒にすることができる。
第6の観点の反射型露光装置の露光光は、g線,h線,i線及びj線の輝線を含む。
反射型露光装置はすべて反射ミラーで構成されているため、g線,h線,i線及びj線を含んでいても色収差による焦点ずれが生じない。
第7の観点の反射型露光装置は、鏡筒を支持する鏡筒支持台と、鏡筒支持台に載置され、マスクステージを支持するマスクステージ支持台と、基板ステージ及び鏡筒支持台を支持する基台と、を備える。
この構成により、マスクステージが鏡筒の上に搭載されておらず、マスクステージの自重により影響を受けることがなく、またマスクステージ及び基板ステージの移動に伴う振動の影響が少なくなっている。
第8の観点の反射型露光装置の第2鏡筒は、第2反射ミラーの全周囲を接着又はクランプして保持する。
この構成により、第2反射ミラーがひずむことなく第2鏡筒に保持される。
反射型露光装置は、反射ミラーのみを使った投影光学系を使うことにより色収差がなく、分光分布の広い、大きな露光量で基板に投影照射することができる。そして、反射ミラーを保持する円筒形の鏡筒は、その円周面に多角形の開口を形成したため空気ゆらぎをなくしさらに軽量化を図ることができる。
<反射型露光装置100の概略構成>
図1は、反射型露光装置100の概略側面図である。
反射型露光装置100は、大別して、紫外線を含む波長域の光束を照射する光源11と、光源11からの光束を集光する照明光学系10と、フォトマスクMを保持するマスクステージ40と、反射式投影光学系50と、基板ステージ60とを備えている。
反射型露光装置100は、マスクステージ40上においてXY平面に平行に支持されたフォトマスクMを均一に照明するための照明光学系10を備えている。照明光学系10は、例えば、点光源に近い水銀ショートアークランプからなる光源11を備えている。光源11は、楕円ミラーの第1焦点位置に配置されているため、光源11から射出された照明光束は、ダイクロイックミラー12を介して、楕円ミラーの第2焦点位置に光源像を形成する。ダイクロイックミラー12は、g線、h線、i線、及びj線を含む波長域以外、つまり、300nm以下の波長成分及び460nm以上の波長成分を除去する。この光源11は、下方から上方へ向けて光路が採られているが、上方から下方へ光路が採られていてもよい。
楕円ミラーの第2焦点位置には不図示のシャッタが配置されている。シャッタにより基板CBに至る露光光をカットする。光源像からの発散光は、コリメートレンズ14によって平行光束に変換されて、波長選択部15に入射する。波長選択部15は、光源11とフォトマスクMとの間の光路中に挿脱可能に構成されている。
波長選択部15を通過した光束は、フライアイレンズ17及びコンデンサレンズ18が順に配置されている。
図1に示すように、波長選択部15を通過した光束は、フライアイレンズ17に入射する。フライアイレンズ17は、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸に沿って延びるように縦横に且つ緻密に配列されている。従って、フライアイレンズ17に入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、その後側焦点面(即ち、射出面の近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源からなる二次光源を形成する。即ち、フライアイレンズ17の後側焦点面には、実質的な面光源が形成される。
フライアイレンズ17の後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、コンデンサレンズ18に入射する。コンデンサレンズ18を介した光束は、パターンが形成されたフォトマスクMを重畳的に照明する。露光光によって照明されフォトマスクMを透過した光束は、オフナー型の反射型投影光学系50に向かう。なお、照明光学系10が備える光源11としては、紫外線放射タイプのLEDやLDであってもよい。
フォトマスクMを透過した光束は、反射ミラーM1により鏡筒内に導かれ、凹面ミラーM2で反射される。凹面ミラーM2で反射された光束は、凸面ミラーM3により反射され、再び凹面ミラーM2に戻る。そして、凹面ミラーM2で反射された光束は、今度は反射ミラーM4に反射され、露光対象である基板CBに照射される。
<マスクステージ40、反射式投影光学系50、及び基板ステージ60の概略構成>
図2は、照明光学系10を除く反射型露光装置100の概略斜視図であり、マスクステージ40、反射式投影光学系50、及び基板ステージ60をそれぞれ分解して示した図である。
マスクステージ40は、マスクMを走査方向であるY軸方向に沿って移動させるためのYステージ41を有している。Yステージ41は、長いストロークを有しており、ステップ・アンド・スキャン方式の露光方法が可能になっている。Yステージ41はその両側に配置されたリニアモータ42により高速に且つ高精度に駆動される。Yステージ41は、X軸方向、Z軸に対してθ回転方向に移動するXθステージ45を載置している。Xθステージ45はボールネジ及び駆動モータによって駆動される。そして、Xθステージ45は移動ミラー48を有しており、マスクMの位置座標が移動ミラー48を用いたレーザー干渉計によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。さらにXθステージ45は、Z軸方向の位置が可変に構成されている。
反射式投影光学系50は、オフナー型と呼ばれる光学系である。反射式投影光学系50には、反射ミラーのほかレーザー干渉計によって計測するための固定ミラーが搭載されるだけで、振動が生じる部材とは直接つながっていない。この詳細については後述する。
基板ステージ60は、電子回路基板、液晶素子用ガラス基板、又はPDP用ガラス素子基板(以下基板という。)を載置する。そして、基板ステージ60は、走査方向であるY軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有するYステージ61と、Yステージ61を走査直交方向であるX軸方向に沿って移動させるとXステージ65とを有している。そして、基板ステージ60の位置座標は、移動ミラー(不図示)を用いたレーザー干渉計(不図示)によって計測され、位置制御される。基板ステージ60もマスクステージ40と同様にZ軸方向に移動可能に構成されている。Yステージ61及びXステージ65はそれぞれ、その両側に配置されたリニアモータ62及びリニアモータ66により高速に且つ高精度に駆動される。
基板ステージ60は、真空吸着により基板CBを吸着保持し、不図示の基板ステージ駆動回路によりX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθ方向に移動することができる。不図示の焦点検出装置により、基板CBの合焦点位置を検出して基板ステージ60はZ軸方向にも移動する。このようにして、オフナー型の反射式投影光学系50で反射された光束は、基板CBに入射し基板CB上で結像する。すなわち、フォトマスクMのパターン像が基板CB上で結像し、基板CB上に塗布されたフォトレジストによってこの像は基板CB上に転写される。
反射型露光装置100は、露光精度を向上させるためすべての部材が防振マウント71に載置されている。まず4本の防振マウント71には、石定盤やアルミナセラミック又は金属で構成される基台72が搭載される。基台72の上には、基板ステージ60が搭載される。さらに、基台72の上には、基板ステージ60の移動範囲を避けて鏡筒支持台73が搭載される。鏡筒支持台73には、反射式投影光学系50が搭載される。また、鏡筒支持台73には、マスクステージ支持台75が搭載される。マスクステージ支持台75上にはマスクステージ40が搭載される。
反射式投影光学系50とマスクステージ支持台75とは、XY方向を位置決めするために、反射式投影光学系50のフランジ50fと接合される。フランジ50fが接合されるマスクステージ支持台75の部材はZ方向の加重及びXY方向の振動ができるだけ反射式投影光学系50に伝わらない構造となっている。このため、マスクステージ40の粗動ステージ41又は微動ステージ45が移動することによって生じる振動は、反射式投影光学系50にほとんど伝達されることがない。また、反射式投影光学系50と基板ステージ60との間に鏡筒支持台73が存在するため、基板ステージ60の移動による振動も直接伝達されない。
<反射式投影光学系50の構成>
図3は、第1の反射式投影光学系50Aを各要素に分解した斜視図であり、(a)は凹面ミラーM2側から見た斜視図であり、(b)は反射ミラーM1側から見た斜視図である。オフナー型の反射式投影光学系50Aは、内径の小さい第1鏡筒50−1と内径の大きい第2鏡筒50−2とで構成され、ともに低熱膨張材で一体に形成されている。そして、第1鏡筒50−1は、反射ミラーM1、凸面ミラーM3及び反射ミラーM4を備えており、第2鏡筒50−2は、凹面ミラーM2を備えている。
第1鏡筒50−1は、その端面に第1鏡筒50−1内に露光光を通すための露光光入射口50a、及び第1鏡筒50−1から露光光を出すための露光光出射口50zを有している。また、第1鏡筒50−1の端面は、反射ミラーM1及び反射ミラーM4を保持する台形ミラー保持部51と、凸面ミラーM3を保持する凸面ミラー保持部53とを取り付けるミラー取り付け孔50bを有している。
第1鏡筒50−1の円周面は、軽量化のために三角形開口50rを複数形成している。三角形開口50rは、第1鏡筒50−1の一箇所に応力が集中しないように配置されている。また、第1鏡筒50−1の内径は軽量化のため光束をさえぎらない範囲でできるだけ小さな直径でできている。三角形開口50rが形成されているため、鏡筒内部に空気が滞留することにより生じる空気のゆらぎを防止できる。
台形ミラー保持部51は、アルミナセラミックで形成されている。反射ミラーM1と反射ミラーM4とは、アルミナセラミックを鏡面加工する際に互いに90度の角度面が形成され、その鏡面加工した上にアルミ蒸着して形成されている。台形ミラー保持部51は基準部材51aを備え、その反対面に円形突起51bを有している。
凸面ミラー保持部53は、凸面ミラーM3を保持する。凸面ミラーM3の保持は接着剤又はクランプ材などの機械的な接合による固定である。台形ミラー保持部51の円形突起51bはミラー取り付け孔50bに取り付けられ、また凸面ミラー保持部53の円形突起53aが第1鏡筒50−1の内部からミラー取り付け孔50bに取り付けられる。円形突起51bと円形突起53aとが面接触することで、反射ミラーM1及び反射ミラーM4と凸面ミラーM3との角度及び位置が調整される。
第2鏡筒50−2は、薄い金属円筒であっても強度が維持されるように、その円周の両端にフランジ50fを形成しており、一対のフランジ50fを上下から支えるように一対のビーム50cを有している。このため、軽量と強度とを両立させている。また軽量化のために円周面も軽量化のために三角形開口50rを複数形成している。三角形開口50rは、第2鏡筒50−2の一箇所に応力が集中しないように配置されている。下側のビーム50cは、鏡筒支持台73と接してボルトなどで固定される。一方、第2鏡筒50−2の上側のビーム50cは、アライメントのためのレーザー干渉計又は固定ミラーなど測定装置が搭載される。
第2鏡筒50−2の一方の面50dには、凹面ミラー保持部52の基準面52aが接するようにボルト固定される。凹面ミラー保持部52は大口径の凹面ミラーM2を保持している。これにより、反射ミラーM1及び反射ミラーM4と凹面ミラーM2との角度及び位置が調整される。凹面ミラーM2の保持は接着剤又はクランプ材などの機械的な接合による固定である。クランプ材による接合については、図7を使って後述する。
<反射式投影光学系における光束>
フォトマスクMを透過した光束は、反射ミラーM1により第1鏡筒50−1の露光光開口50aを通って鏡筒内に導かれ凹面ミラーM2へ向かう。凹面ミラーM2に反射された光束は、凸面ミラーM3により反射され、再び凹面ミラーM2に戻り、今度は反射ミラーM4に反射される。反射ミラーM4で反射された後に、第1鏡筒50−1内から露光対象である基板CBに照射される。
オフナー型の反射式投影光学系50は、1倍の倍率を有し、フォトマスクM上の転写パターンは左右反転して基板CB上に転写する。オフナー型の投影光学系50は、すべて反射ミラーで構成されているため光束の色収差が生じない。本実施例では、g線(435nm)、h線(404nm)、i線(365nm)、及びj線(313nm)を含む紫外光を露光光として使用する。このように、波長差が100nm以上あると、レンズを使用する投影光学系では色収差の補正が大変困難となる。しかし、オフナー型の投影光学系50を使用することで、色収差の問題がなくなり、g線からj線までの露光光を、基板CBに焦点を合わせることができる。
不図示の制御部は、マスクステージ40及び基板ステージ60を駆動することにより、第1方式である“ステップ・アンド・リピート方式”又は第2方式である“ステップ・アンド・スキャン方式”の露光方式を実現する。“ステップ・アンド・スキャン方式”は、マスクMと及び基板CBとを同期させて移動させるが、その際にいずれか一方のステージ速度を調整すると、Y軸方向の伸縮を調整することもできる。制御部の露光選択部は、操作者の設定により、“ステップ・アンド・リピート方式”と“ステップ・アンド・スキャン方式”とを選択することができる。
<その他の反射式投影光学系>
図4は、第2の反射式投影光学系50Bを各要素に分解した斜視図である。同じ構成又は部材には同じ番号を付している。
第2の反射式投影光学系50Bは、第1鏡筒50−1の円周面に軽量化のために六角形開口50sを複数形成している。六角形開口50sは、第1鏡筒50−1の一箇所に応力が集中しないように配置されている。第2の反射式投影光学系50Bの第2鏡筒50−2も円周面も軽量化のために六角形開口50sを複数形成している。第1の反射式投影光学系50Aと第2の反射式投影光学系50Bとは、開口の形状が三角形か六角形かが異なるのみで、それ以外の構成は同じである。
図5は、第3の反射式投影光学系50Cを各要素に分解した斜視図である。第3の反射式投影光学系50Cは、第1鏡筒50−1の円周面に軽量化のために六角形開口50sを複数形成している。また、第3の反射式投影光学系50Cの第2鏡筒50−2も円周面も軽量化のために六角形開口50sを複数形成している。第2の反射式投影光学系50Bよりも、第3の反射式投影光学系50Cの2鏡筒50−2は、多くの六角形開口50sを有している。
<反射式投影光学系50の荷重による変形量>
図6は、反射式投影光学系50の下側のビーム50cを固定し、上側のビーム50cに500Nの荷重をかけたときの変位量を、有限要素法で計算した結果を示した図である。図6(a)は、第1鏡筒50−1の円周面に三角形開口を複数形成し、第2鏡筒50−2も三角形開口を複数形成している。図6(b)は、第1鏡筒50−1の円周面に三角形開口を複数形成し、第2鏡筒50−2に円形開口を複数形成している。図6(c)は、第1鏡筒50−1の円周面に三角形開口を複数形成し、第2鏡筒50−2に六角形開口を複数形成している。(a)から(c)の開口面積はほぼ同じ40%で計算している。
反射式投影光学系50の上側のビーム50cにおいて変位量を測定したところ、(a)に示した反射式投影光学系50では変位量が9.9μmであり、(b)に示した反射式投影光学系50では変位量が100μmであり、(c)に示した反射式投影光学系50では変位量が9.5μmであった。すなわち、図6(b)に示した第2鏡筒50−2の円形開口は、他の三角形開口及び六角形開口よりも約10倍変形量が大きくなった。なお、図3ないし図6において各種の三角形開口及び六角形開口を有する反射式投影光学系50を示した。これら三角形開口及び六角形開口の開口率は第1鏡筒50−1及び第2鏡筒50−2の全体の表面積に対して20パーセントから50パーセントの範囲を可変した。有限要素法で計算した結果、この範囲の開口率であれば三角形開口及び六角形開口において、変位量は10μm以下である。
(a)から(c)の開口面積はほぼ同じであるので鏡筒内部の空気の流れはほぼ同じであり、いずれの開口であっても空気のゆらぎは生じにくくなるが、円形開口は変形量が大きくなった。このため多角形、特に(a)又は(c)で示した三角形開口及び六角形開口が鏡筒の剛性の観点から適切と判断される。
<凹面ミラーM2の固定>
図7(a)は凹面ミラーM2を保持した正面図であり、図7(b)は図7(a)のB−B断面図である。
凹面ミラーM2の周囲には、中空のリング状をした弾性体リング52cが設けられている。弾性体リング52cの中空部には、静止流体52dが充填されている。静止流体52dとしては、例えば、水やアルコール等の液体、アルゴン、ヘリウム又は窒素等の気体を用いることができる。弾性体リング52cの外周部分の3点には、ステンレス、インバー等の部材からなるクランプ材52gが等間隔で設置されている。凹面ミラーM2はクランプ材52gにより垂直に固定されている。
4つのミラーの中で特に凹面ミラーM2が大きいので鏡筒の変形に対して影響を大きく受ける。この凹面ミラーM2は、弾性体リング52cの外周部分が不均一に変形しても、弾性体リング52cの内部の静止流体52fによる緩衝作用により、凹面ミラーM2の全周をほぼ均一な力で支持することができる。この凹面ミラーM2が三角形開口又は六角形開口を有する第1鏡筒50−1及び第2鏡筒50−2で支えられると、さらに荷重の変形による影響が少なくなる。
反射型露光装置100の概略側面図である。 照明光学系10を除く反射型露光装置100の概略斜視図であり、マスクステージ40、反射式投影光学系50、及び基板ステージ60をそれぞれ分解して示した図である。 第1の反射式投影光学系50Aを各要素に分解した斜視図である。 (a)は凹面ミラーM2側から見た斜視図である。 (b)は反射ミラーM1側から見た斜視図である。 第2の反射式投影光学系50Bを各要素に分解した斜視図である。 第3の反射式投影光学系50Cを各要素に分解した斜視図である。 反射式投影光学系50に荷重をかけたときの計算した結果を示した図である。 (a)は凹面ミラーM2を保持した正面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 空気のゆらぎをなくし軽量化した従来の鏡筒150の斜視図である。
符号の説明
10 … 照明光学系
11 … 光源
12 … ダイクロイックミラー
14 … コリメートレンズ
15 … 波長選択部
17 … フライアイレンズ
18 … コンデンサレンズ
40 … マスクステージ(41 … Yステージ,45 … Xθステージ)
42 … リニアモータ
48 … 移動ミラー
50(50A,50B,50C) … 反射式投影光学系(50−1 … 第1鏡筒,50−2 … 第2鏡筒,50a … 露光光入射口,50b … ミラー取り付け孔,50c … ビーム,50d … 面,50f … フランジ,50r … 三角形開口,50s … 六角形開口,50z … 露光光出射口)
51 … 台形ミラー保持部(51a … 基準部材,51b … 円形突起)
52 … 凹面ミラー保持部(52a … 基準面)
53 … 凸面ミラー保持部(53a … 円形突起)
60 … 基板ステージ(61 … Yステージ,65 … Xステージ)
62,66 … リニアモータ
72 … 基台
73 … 鏡筒支持台
75 … マスクステージ支持台
90 … 制御部
91 … マスク駆動回路
92 … 基板ステージ駆動回路
100 … 反射型露光装置
M … フォトマスク
M1,M4 … 反射ミラー
M2 … 凹面ミラー
M3 … 凸面ミラー
CB … 基板

Claims (8)

  1. マスクを保持するマスクステージと、
    露光光で前記マスクを照明する照明光学系と、
    このマスクを透過した露光光を反射する第1反射ミラー、この第1反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第2反射ミラー、この第2反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第3反射ミラー、及びこの第3反射ミラーで反射して再び前記第2反射ミラーへ戻り第2反射ミラーで反射された露光光を反射する第4反射ミラーを有する円筒形の鏡筒と、
    前記第4反射ミラーで反射された露光光で露光される被露光基板を保持する基板ステージと、
    を備え、
    前記鏡筒の円周面に、多角形の開口が複数形成されていることを特徴とする反射型露光装置。
  2. 前記多角形の開口は、三角形又は六角形を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射型露光装置。
  3. 前記鏡筒は、前記第1反射ミラー、第3反射ミラー及び第4反射ミラーを保持し、直径の小さい第1鏡筒と、前記第2反射ミラーを保持し直径の大きい第2鏡筒とから構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射型露光装置。
  4. 露光光でマスクを照明する照明光学系と、
    このマスクを透過した露光光を反射する第1反射ミラー、この第1反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第2反射ミラー、この第2反射ミラーからの反射からの露光光を反射する第3反射ミラー、及びこの第3反射ミラーで反射して再び前記第2反射ミラーへ戻り第2反射ミラーで反射された露光光を反射する第4反射ミラーを有する円筒形の鏡筒と、
    前記第4反射ミラーで反射された露光光で露光される被露光基板を保持する基板ステージと、を備え、
    前記鏡筒は、前記第1反射ミラー、第3反射ミラー及び第4反射ミラーを保持する直径の小さい第1鏡筒と、前記第2反射ミラーを保持する直径の大きい第2鏡筒とから構成されることを特徴とする反射型露光装置。
  5. 前記第1鏡筒と前記第2鏡筒との円周面に、多角形の開口が複数形成されていることを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記露光光は、g線,h線,i線及びj線の輝線を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の反射型露光装置。
  7. 前記鏡筒を支持する鏡筒支持台と、
    前記鏡筒支持台に載置され、前記マスクステージを支持するマスクステージ支持台と、
    前記基板ステージ及び前記鏡筒支持台を支持する基台と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の反射型露光装置。
  8. 前記第2鏡筒は、前記第2反射ミラーの全周囲を接着又はクランプして保持することを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の反射型露光装置。
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