JP2008311172A - エキシマランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の放電容器構成部材を接触させて封止部材によって気密構造の放電空間を形成し、放電空間にハロゲンが封入されていても、封止部材にハロゲンが到達する時間を遅らせることができ、長時間に渡って所望の光出力が得られるエキシマランプを提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明のエキシマランプは、放電容器構成部材10,11が接触した状態で封止部材2によって気密構造の放電空間Sが形成されたエキシマランプにおいて、放電空間Sには希ガスとハロゲンが封入され、放電容器構成部材10,11は、光を取り出す窓部材10と基体部材11とからなり、窓部材10は珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなり、基体部材11は、金属、または、珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなり、窓部材10と基体部材12との接触面であって、放電空間Sと封止部材2との間にガス流通遅延手段が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エキシマランプに関するものであり、特に、複数の放電容器構成部材が接触した状態で封止部材によって気密構造の放電空間が形成されたエキシマランプに関するものである。
従来から光化学反応用の紫外線光源としてエキシマランプが使用されており、誘電体により構成された放電容器内に、適宜の発光ガスが充填され、当該放電容器内において誘電体エキシマ放電によりエキシマ分子を生成し、該エキシマ分子から放射されるエキシマ光を放出するエキシマランプが知られている。
このようなエキシマランプは、放電用ガスとしてアルゴン、クリプトンを使用するものであり、必要に応じてフッ素や塩素のハロゲンが封入されている。
例えば、アルゴン−フッ素の放電ガスでは193nmの光が放射され、クリプトン−フッ素の放電ガスでは248nmの光が放射され、キセノン−フッ素の放電ガスでは351nmの光が放射され、キセノン−塩素の放電ガスでは308nmの光が放射される。
ここで、放電ガスとして、ハロゲンを用いた場合、放電容器が石英ガラスよりなる場合、石英ガラス中にハロゲンが取り込まれ、放電空間のハロゲン量が減少し、本来必要とされる希ガスとハロゲンのエキシマ分子の生成量が減少し、エキシマランプから放射される光出力が低下する問題があった。
このように、ハロゲンが石英ガラスに取り込まれ、光出力が減少するメカニズムは明確ではないが、以下のように考えられる。
放電容器を構成する石英ガラスは、エキシマ分子から放射される多量の紫外線の照射を受け、表面の(=Si−O−Si=)の結合の一部が切断され、=Si・(・は不対電子、=は酸素との結合を表す)などの欠陥が生成し、それとハロゲンガスが反応し、石英ガラス中にハロゲンが取り込まれ、放電空間のハロゲン量が減少し、ハロゲンと希ガスのエキシマ分子の生成量が減少し光出力が減少する。
このような問題を解決するために、特開平6−310106号に示されているように、石英ガラス以外の部材を用いて放電容器を構成したエキシマランプが知られている。
このような従来のエキシマランプを図10を用いて説明する。
エキシマランプDは、エキシマ光を取り出す窓部材10と放電容器の基体となる基体部材11が接触した状態で配置され、放電容器1を構成するものである。
窓部材10は、ハロゲンと反応せず光透過性を有するフッ化マグネシウムであり、基体部材11はハロゲンと反応しないニッケルである。
窓部材10と基体部材11は、放電空間Sとなる凹部が形成されており、それぞれの凹部を向かい合わせるようにして、窓部材10と基体部材11を接触させ、窓部材10と基体部材11が接触した状態になっている外側面を耐ハロゲン性の強い封止部材であるエポキシ樹脂2によって封止し、気密構造の放電空間Sを形成するものである。
放電空間Sには、発光ガスとして、アルゴンとフッ素が封入されており、窓部材10の外面には光を透過するためのメッシュ状の一方の電極3が配置されており、基体部材11が他方の電極を兼ねており、一方の電極3と基体部材11に高周波高電圧を印加することにより、放電空間S内に誘電体エキシマ放電によりエキシマが生成され、193nmのエキシマ光が窓部材10より放出されるものである。
特開平6−310106号公報
このようなエキシマランプDでは、窓部材10と基体部材11を接触させて密着状態にして放電空間Sを形成するものであるが、窓部材10と基体部材11の接触面は、機械切削によって形成された切削面であり、それらの接触面には微小な凹凸がある。
図11は、窓部材と基体部材の接触面の拡大図である。
図11に示すように、窓部材10と基体部材11の接触面10a、11aには凹凸があり、それぞれの面粗さをJIS・B0601:2001に定めるところの算術平均粗さ(Ra)で表すと、機械切削で製造されたフッ化マグネシウムより窓部材10では、Ra=10μmであり、機械切削で製造されたニッケルよるなる基体部材11ではRa=10μmである。ここで、窓部材10および基体部材11の接触面10a、11aは、お互いを密着させるために、うねりが小さい形状となっている。具体的にはJIS・B0601:2001に定めるところの、算術平均うねり(Wa)がカットオフ波長λc=0.08mmにおいて10μm以下である。
このように、窓部材10と基体部材11の接触面10a、11aにRaにして10μmほどの面粗さがあると、窓部材10と基体部材11の接触面を密着して接触させても、それらの接触面同士の間に僅かに隙間が空いている状態になっている。
そして、この僅かの隙間は放電空間Sにつながっているものであり、放電空間S内の発光ガスがこの隙間に入り込むものである。
一方、窓部材10と基体部材11が接触した状態になっている外側面を耐ハロゲン性の強い封止部材であるエポキシ樹脂2によって封止しているが、この隙間に入り込んだ発光ガスのうち反応性が強いフッ素は、微量ではあるが、エポキシ樹脂2と反応して吸収されるもある。
封止部材としてエポキシ樹脂以外にも、銀ロウやニッケル−銅−チタンの合金、さらには、ビスフェノールなども可能ではあるが、放電空間に封入されるハロゲンがフッ素の場合は、フッ素との反応を完全になくすことはできず、現在、どのような封止部材を用いたとしても、フッ素の吸収をなくすことはできないものである。
この結果、放電空間S内のフッ素が時間の経過とともに減少し、放電空間のフッ素量が減少し、本来必要とされるアルゴンとフッ素のエキシマ分子の生成量が減少し、エキシマランプから放射される193nmの光出力が低下する問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、複数の放電容器構成部材を接触させて封止部材によって気密構造の放電空間を形成し、放電空間にハロゲンが封入されていても、放電空間と封止部材との間にガス流通遅延手段が設けられているために、封止部材にハロゲンが到達する時間を遅らせることができ、長時間に渡って所望の光出力が得られるエキシマランプを提供することにある。
本発明のエキシマランプは、複数の放電容器構成部材が接触した状態で封止部材によって気密構造の放電空間が形成されたエキシマランプにおいて、前記放電空間には、エキシマ放電によってエキシマ分子を形成する希ガスとハロゲンが封入され、前記放電容器構成部材は、放電空間で発生するエキシマから放射される光を放電容器外に取り出す窓部材と、放電容器の基体となる基体部材とからなり、前記窓部材は、珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなり、前記基体部材は、金属、または、珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなり、前記窓部材と前記基体部材との接触面であって、前記放電空間と前記封止部材との間にガス流通遅延手段が設けられていることを特徴とする。
さらに、前記ガス流通遅延手段は、前記窓部材と前記基体部材のそれぞれの接触面が光学研磨されており、この光学研磨された接触面が互いに接触している構造であることを特徴とする。
或いは、前記ガス流通遅延手段は、前記窓部材の接触面或いは前記基体部材の接触面から内部に向かう凹部が形成され、当該凹部に珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなる粉体が充填されており、前記粉体の粒径の外径をA(μm)前記窓部材と前記基体部材の接触面の算術平均粗さRaをB(μm)とすると、A<Bとなる構造であることを特徴とする。
本発明のエキシマランプによれば、複数の放電容器構成部材を接触させて封止部材によって気密構造の放電空間を形成し、放電空間にハロゲンが封入されていても、放電空間と封止部材との間にガス流通遅延手段が設けられているために、封止部材にハロゲンが到達する時間を遅らせることができ、長時間に渡って所望の光出力が得られるものである。
以下、本願発明のエキシマランプを図面を用いて説明する。
図1は、本願発明のエキシマランプの断面説明図である。
エキシマランプAは、エキシマ光を取り出す窓部材10と放電容器の基体となる基体部材11が接触した状態で配置され、放電容器1を構成するものである。
窓部材10は、珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物であり、ハロゲンと反応せず光透過性を有するフッ化マグネシウムであり、基体部材11はハロゲンと反応しないニッケルである。
なお、窓部材10は、フッ化マグネシウム以外にイットリアやサファイヤ(Al)であってもよい。
窓部材10と基体部材11は、放電空間Sとなる凹部が形成されており、それぞれの凹部を向かい合わせるようにして、窓部材10と基体部材11を接触させ、窓部材10と基体部材11が接触した状態になっている外側面を耐ハロゲン性の強い封止部材であるエポキシ樹脂2によって封止し、気密構造の放電空間Sを形成するものである。
放電空間Sには、発光ガスとして、アルゴンとフッ素の混合ガスが全圧で60kPa封入されており、このうちフッ素の割合は1%(2.6×10−7モル/cc)である。
窓部材10の外面には光を透過するためのメッシュ状の一方の電極3が配置されており、基体部材11が他方の電極を兼ねており、一方の電極3と基体部材11に高周波高電圧を印加することにより、放電空間S内に誘電体エキシマ放電によりエキシマが生成され、193nmのエキシマ光が窓部材10より放出されるものである。
図2は、エキシマランプAを組み立てる前の構成部材説明図である。
窓部材10と基体部材11の形状は、同一形状であって、その外形形状は、L1が45mm、L2が120mm、L3が20mmの直方体形状をしており、それぞれの部材の中央には、放電空間Sとなる凹部S0が形成されている。
この凹部S0の形状は、M1が25mm、M2が110mm、M3が1mmである。
そして、それぞれの凹部S0を向かい合わせるようにして、窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aを接触させ、窓部材10と基体部材11が接触した状態になっている外側面を封止部材であるエポキシ樹脂2によって封止する。
次に、図1に示すエキシマランプAにおいて、放電空間Sから封止部材2に至るガス流通路について説明する。
図3は、窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aを接触させた状態の拡大断面図である。
第1のガス流通路K1は、図2に示すように、窓部材10と基体部材11に形成された凹部S0のそれぞれの接触面上に開いた開口の周縁領域である。
第2のガス流通路K2は、図2に示すように、窓部材10と基体部材11の接触面上であって、放電空間Sとなる凹部S0の端部と封止部材2との間に形成される領域である。
第3のガス流通路K3は、図3に示すように、窓部材10と基体部材11のそれぞれの接触面10aと11aの隙間の領域である。
それぞれのガス流通路について検討する。
放電空間S内に封入された発光ガスは、まず、第1のガス流通路K1を通り、窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aの間の第3のガス流通路K3に流れ込む。
次に、発光ガスは、第2のガス流通路K2を通り、封止部材2に至る。
窓部材10と基体部材11を接触させて封止部材2で封止したエキシマランプの場合、窓部材10と基体部材11の形状が変化するものではないもので、第1のガス流通路K1と第2のガス流通路K2は一定である。
第3のガス流通路K3は、窓部材10と基体部材11のそれぞれの接触面10aと11aの隙間の大きさによって、変化するものである。
この第3のガス流通路K3に関して、接触面10aと接触面11aの隙間が大きい場合、発光ガスの拡散速度は速く、接触面10aと接触面11aの隙間が小さい場合、発光ガスの拡散速度は遅くなる。
つまり、窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aの隙間が小さい場合、放電空間Sの発光ガスが封止部材2に到達するまでの時間を遅らせることができ、封止部材2にフッ素が到達するまでの時間を遅らせることができる。
次に、窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aの隙間を小さくする構造について説明する。
窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aをそれぞれ光学研磨する。
図4は、図2に示すエキシマランプにおいて窓部材と基体部材の接触面の拡大図である。
図4に示すように、窓部材10と基体部材11の接触面には凹凸がある。それぞれの面粗さをJIS・B0601:2001に定めるところの算術平均粗さ(Ra)で表すと、光学研磨で製造されたフッ化マグネシウムより窓部材10では、Ra=0.1μmであり、光学研磨で製造されたニッケルよるなる基体部材11では、Ra=0.1μmである。ここで、窓部材10および基体部材11の接触面10a、11aは、お互いを密着させるために、うねりが小さい形状となっている。具体的にはJIS・B0601:2001に定めるところの、算術平均うねり(Wa)がカットオフ波長λc=0.08mmにおいて10μm以下である。
このように、窓部材10と基体部材11の接触面10a、11aの面粗さがRaにして0.1μm程度であれば、従来、機械切削によって製造された窓部材と基体部材の接触面の隙間より、100分の1以下の隙間にでき、フッ素が封止部材2に到達するまでの時間を十分に遅らせることができる。
特に隙間が小さく、隙間長をd(m)と封入ガス圧をP(Pa)とした時、隙間長dと封入ガス圧Pの積、d×P<0.02(Pa・m)を満たす場合はガス分子の流れはガス分子同士の衝突よりもガス分子と器壁(接触面)との衝突が顕著となる「分子流」特性を示し、フッ素が封止部材2に到達するまでの時間を特に遅らせることができる。封入ガス圧が60kPaの場合、「分子流」特性を示すための隙間長は約0.3μm以下である。
つまり、窓部材10と基体部材11との接触面であって、放電空間Sと封止部材2との間に設けられたガス流通遅延手段とは、窓部材10と基体部材11のそれぞれの接触面10a、11aが光学研磨され、この光学研磨された接触面10a、11aが互いに接触している構造のことである。
図1に示すエキシマランプにおいて、窓部材と基体部材の接触面の面粗さを変えて、フッ素とアルゴンのエキシマ分子による193nmの光出力が点灯初期の70%まで減衰する時間を調べる実験を行った。
実験結果を下記の表1に示す。
Figure 2008311172
表1からわかるように、窓部材と基体部材の接触面を光学研磨し、接触面の面粗さが0.1μm以下であれば、193nmの光出力が点灯初期の70%まで減衰する時間が1000時間以上となり、封止部材2にフッ素が到達するまでの時間を十分に遅らせることができ、長時間に渡って所望の光出力が得られるエキシマランプとなる。
図5は、本願発明の他の実施例のエキシマランプの説明図である。
図1に示すエキシマランプと異なる点は、エキシマランプBの窓部材10には、放電空間Sとなる凹部S0の外周に、接触面10aから内部に向かう環状凹部Tが形成されている。そして、この環状凹部T内にフッ化マグネシウムかる粉体Rが充填されている。
図6は、環状凹部Tの一部拡大断面図であり、粉体Rは平均粒径が2μmであり、発光ガスであるハロゲン、特に、フッ素との反応性が低いことが必要であり、珪素を除く金属の酸化物やフッ化物である。
また、図1に示すエキシマランプBの窓部材10の接触面10aと、基体部材11の接触面11aは機械切削にて製造されたものであり、算術平均粗さ(Ra)で表すと、Ra=10μmである。
ここで、窓部材10および基体部材11の接触面10a、11aは、お互いを密着させるために、うねりが小さい形状となっている。具体的にはJIS・B0601:2001に定めるところの、算術平均うねり(Wa)がカットオフ波長λc=0.08mmにおいて10μm以下である。
図5中、図1と同一符号は同一部分であり、説明は省略する。
図7は、窓部材10のみを取り出して、窓部材10の接触面10aを上方に向けた状態の斜視図であり、図7に示すように、環状凹部Tは、凹部S0を取り囲むように環状に形成されている。なお、粉体は省略して示すものである。
この環状凹部Tは、幅1mm、深さ0.5mmである。
そして、図5に示すように、窓部材10の環状凹部T内に粉体Rが充填された状態で、窓部材10の接触面10aと基体部材11の接触面11aを接触させ、窓部材10と基体部材11が接触した状態になっている外側面を封止部材であるエポキシ樹脂2によって封止する。
このエキシマランプBにおいても、放電空間Sから封止部材2に至るガス流通路は、上述した通りと同じ、第1のガス流通路K1、第2のガス流通路K2、第3のガス流通路K3を有するものである。
そして、このエキシマランプBにおいては、図5に示すように、放電空間Sとなる凹部S0の端部と封止部材2との間である第2のガス流通路K2の途中に、環状凹部Tを形成し、この環状凹部T内に粉体Rを充填し、粉体の粒径の外径が2μm、接触面10a、11aの面粗さRaが10μmであり、粉体の粒径の外径が接触面10a、11aの面粗さの値より小さく、しかも、図6に示すように、粉体Rは環状凹部T内で乱雑に密に充填されるため、それぞれの粉体Rの離間距離が0.3μm前後となり、さらに、粉体Rの間の空間が複雑に入り組んだ状態になっているので、この空間に流れ込んだフッ素の流動特性が「分子流」となる。
この結果、ガス分子の流れはガス分子同士の衝突よりもガス分子と器壁(接触面)との衝突が顕著となる「分子流」特性となり、フッ素が封止部材2に到達するまでの時間を十分に遅らせることができる。
つまり、窓部材10と基体部材11との接触面であって、放電空間Sと封止部材2との間に設けられたガス流通遅延手段とは、窓部材10の接触面10aから内部に向かう環状凹部Tが形成され、この環状凹部Tに、珪素を除く金属の酸化物やフッ化物よりなる粉体が充填され、粉体の粒径の外径をA(μm)、窓部材と基体部材の接触面の算術平均粗さRaをB(μm)とすると、A<Bとなる構造のことである。
上記エキシマランプBでは、環状凹部Tを窓部材10に設けたが、基体部材11に、放電空間Sとなる凹部S0の外周に接触面11aから内部に向かう環状凹部Tを形成してもよく、或いは、窓部材10と基体部材11の両方に形成してもよい。どの場合においても、環状凹部T内には、珪素を除く金属の酸化物やフッ化物よりなる粉体Rが充填された構造である。
図5に示すエキシマランプにおいて、環状凹部に充填される粉体の有無と粒径を変え、さらに、窓部材と基体部材の接触面の面粗さを変えて、フッ素とアルゴンのエキシマ分子による193nmの光出力が点灯初期の70%まで減衰する時間を調べる実験を行った。
実験結果を下記の表2に示す。
Figure 2008311172
表2のランプ1、ランプ2からわかるように、環状凹部に粉体を充填することにより、193nmの光出力が点灯初期の70%まで減衰する時間を0.7時間から900時間に大幅に延ばすことができ、さらに、ランプ2、ランプ3からわかるように、粉体の粒径を小さくすることにより、さらに、193nmの光出力が点灯初期の70%まで減衰する時間を1000時間に延ばすことができた。
つまり、環状凹部に粉体を充填することにより、封止部材にフッ素が到達するまでの時間を十分に遅らせることができ、長時間に渡って所望の光出力が得られるエキシマランプとなる。
さらに、ランプ4からランプ5に示すように、窓部材と基体部材の接触面の面粗さを小さくし、さらに、粉体の粒径を小さくすることにより、より一層、封止部材にフッ素が到達するまでの時間を十分に遅らせることができ、さらに長時間に渡って所望の光出力が得られるエキシマランプとなる。
図8は、本願発明の他の実施例のエキシマランプの説明図であり、図9、図8におけるX−X断面図である。
エキシマランプCは、エキシマ光を取り出す両端が開口した中空円筒状の窓部材10と、この窓部材10の両端開口を塞ぐ放電容器の基体となる基体部材11が接触した状態で配置されている。
窓部材10は、ハロゲンと反応せず光透過性を有するフッ化マグネシウムであり、窓部材10の外面には、一対の帯状の外部電極3が配置されている。基体部材11はハロゲンと反応しないニッケルであり、中央部分に窪みが形成されており、この窪みの底部が窓部材10の端面である接触面10aに接触する接触面11aとなっている。
さらに、窓部材10の両側であって、基体部材11より窓部材中央側にリング状のニッケル製のフランジ4が形成されており、このフランジ4の中央貫通孔に窓部材10が挿通されている。
さらに、基体部材11とフランジ4との間にOリング5が配置されており、基体部材11とフランジ4をボルト6とナット7で締め付けることによりOリング5が窓部材10の外面と基体部材11とフランジ4とに接触して変形する。
また、フランジ4と窓部材10とはエポキシ樹脂2によって封止し、窓部材10内が気密構造の放電空間Sとなる。
基体部材11の接触面11aには、接触面11aから内部に向かう環状凹部Tが形成されている。そして、この環状凹部T内にフッ化マグネシウムかる粉体Rが充填されている。
粉体Rは平均粒径が2μmであり、発光ガスであるハロゲン、特に、フッ素との反応性が低いことが必要であり、珪素を除く金属の酸化物やフッ化物である。
接触面10aと接触面11aは機械切削にて製造されたものであり、面粗さにしてRa=10μmである。
粉体Rは環状凹部T内で乱雑に密に充填されるため、それぞれの粉体Rの離間距離が0.3μm前後となり、さらに、粉体Rの間の空間が複雑に入り組んだ状態になっているので、この空間に流れ込んだフッ素の流動特性が「分子流」となる。
この結果、フッ素が封止部材2に到達するまでの時間を十分に遅らせることができる。
本発明に係るエキシマランプの断面説明図である。 本発明に係るエキシマランプの組み立てる前の構成部材説明図である。 図1に示すエキシマランプの窓部材の接触面と基体部材の接触面を接触させ状態の拡大断面図である。 図1に示すエキシマランプにおいて窓部材と基体部材の接触面の拡大図である。 本発明に係る他のエキシマランプの断面説明図である。 図5に示すエキシマランプの環状凹部Tの一部拡大断面図である。 図5に示すエキシマランプの窓部材のみを取り出して、窓部材の接触面を上方に向けた状態の斜視図である。 本発明に係る他のエキシマランプの断面説明図である。 図8中X−X断面図である。 従来のエキシマランプの断面説明図である。 図10に示すエキシマランプの窓部材と基体部材の接触面の拡大図である。
符号の説明
1 放電容器
10 窓部材
10a 接触面
11 基体部材
11a 接触面
2 封止部材
3 電極
S 放電空間
S0 凹部
T 環状凹部
R 粉体

Claims (3)

  1. 複数の放電容器構成部材が接触した状態で封止部材によって気密構造の放電空間が形成されたエキシマランプにおいて、
    前記放電空間には、エキシマ放電によってエキシマ分子を形成する希ガスとハロゲンが封入され、
    前記放電容器構成部材は、放電空間で発生するエキシマから放射される光を放電容器外に取り出す窓部材と、放電容器の基体となる基体部材とからなり、
    前記窓部材は、珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなり、
    前記基体部材は、金属、または、珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなり、
    前記窓部材と前記基体部材との接触面であって、前記放電空間と前記封止部材との間にガス流通遅延手段が設けられていることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 前記ガス流通遅延手段は、前記窓部材と前記基体部材のそれぞれの接触面が光学研磨されており、この光学研磨された接触面が互いに接触している構造であることを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ。
  3. 前記ガス流通遅延手段は、前記窓部材の接触面或いは前記基体部材の接触面から内部に向かう凹部が形成され、当該凹部に珪素を除く金属の酸化物またはフッ化物よりなる粉体が充填されており、
    前記粉体の粒径の外径をA(μm)
    前記窓部材と前記基体部材の接触面の算術平均粗さRaをB(μm)とすると、
    A<Bとなる構造である請求項1に記載のエキシマランプ。
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