JP2008310990A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックの締結技術を提供する。
【解決手段】燃料電池スタック100Aは、膜電極接合体とセパレータとを交互に積層した積層体10を備える。積層体10の側面には、矩形に窪んだ外接矩形部11が設けられている。外接矩形部11には、積層体10の積層方向に締結荷重をかけるための締結部材30が収納される。この燃料電池スタック100Aは、高分子樹脂フィルムである締結フィルムが積層体10の側面全体に包帯状に巻き付けられることによって締結力が向上している。
【選択図】図4

Description

この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は通常、膜電極接合体とセパレータとを交互に積層して燃料電池スタックとして構成される。燃料電池スタックは、構成部材の位置ずれを抑制するために、締結部材によって積層方向に荷重を受けて締結される。特に、車両などの移動体に配置される燃料電池スタックにおいては、積層方向以外の方向にも慣性力が働く。そのため、こうした慣性力による構成部材の位置ずれの発生を防ぐために、燃料電池スタックの側面に複数の締結部材を設ける場合がある(特許文献1等)。
特開2005−142145号公報 特開2006−351525号公報 平7−192750号公報 昭61−58175号公報
しかし、この場合には、複数の締結部材を使用するため、燃料電池スタックが大型化する可能性がある。また、締結部材によって燃料電池スタックの目視可能な領域が減少するため、燃料電池スタックの劣化箇所の目視による発見が困難となる可能性がある。これまでこうした問題に対して十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、燃料電池スタックの締結技術を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、燃料電池であって、膜電極接合体とセパレータとが交互に積層された積層体と、前記積層体の積層方向に荷重を加えて締結する締結部材とを備え、前記積層体の側面は、フィルム状部材によって被覆されていることを特徴とする。この構成によれば、フィルム状部材によって積層体の側面が締結されるため、積層方向と交わる方向に発生する外力に対して燃料電池スタックの締結力を向上させることができる。
前記積層体の側面には、前記締結部材を収納するための凹部が設けられており、前記フィルム状部材は、前記積層体とともに前記締結部材を包含するように、配置されているものとしても良い。この構成によれば、締結フィルムによって、燃料電池スタックの締結力を向上させることができるとともに、凹部に締結部材が収納されるだけ燃料電池スタックを小型化することが可能である。
前記フィルム状部材の少なくとも一方の面は粘着性を有しているものとしても良い。この構成によれば、燃料電池スタックの締結力を、さらに、向上させることができる。
前記フィルム状部材は非通気性を有するものとしても良い。この構成によれば、側面に巻かれたフィルム状部材によって、燃料電池スタックの締結力を向上させることができるとともに、燃料電池スタックの構成部材の位置ずれ等のために反応ガスの漏洩が発生した場合に、反応ガスの外部への漏洩量を抑制することができる。
前記フィルム状部材は透明性を有するものとしても良い。この構成によれば、側面に巻かれたフィルム状部材によって、燃料電池スタックの締結力を向上させることができるとともに、燃料電池スタックの側面を目視することが可能である。従って、燃料電池スタックの破損等を目視によって確認することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池スタック、その燃料電池スタックを備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例に用いられる燃料電池スタックの構成を示す概略斜視図である。この燃料電池スタック100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電を行う固体高分子型燃料電池である。なお、燃料電池スタック100としては、固体高分子型燃料電池でなくとも良く、任意の種々のタイプの燃料電池に本発明を適用することが可能である。
燃料電池スタック100は、膜電極接合体とセパレータとを交互に積層した積層体10と、積層体10をその積層方向に挟持する2つのエンドプレート21,22と、燃料電池スタック100を締結するための締結部材30とを備えている。
2つのエンドプレート21,22は、燃料電池スタック100の積層方向に沿って見たときに、積層体10とほぼ重なる略長方形の板状部材である。積層体10は、エンドプレート21,22の四隅24及び2つの長辺の中央部25と重なる部位に、積層方向に延びる矩形状の溝である外接矩形部11を有している。締結部材30の直棒状のシャフト部31は、積層体10の外接矩形部11を通って、2つのエンドプレート21,22の四隅24及び2つの中央部25の計6箇所を貫通している。シャフト部31の両端にはナット部32が設けられており、ナット部32をネジ締めすることによって、積層体10は、2つのエンドプレート21,22から積層方向に締結荷重を受ける。
なお、2つのエンドプレート21,22の外表面の中央部には、嵌合凹部28が設けられている。この嵌合凹部28は、後述する締結フィルム巻付装置に燃料電池スタック100を取り付ける際に嵌合孔として機能する。また、積層体10の積層方向上側(紙面の上方向側)に配置されたエンドプレート21には、反応ガスのためのマニホールド孔と外部の配管とを連結するための貫通孔が設けられているが、図示は省略してある。
この燃料電池スタック100は、締結部材30によって締結されているが、例えば、車両等の移動体に配置される場合には、締結荷重がかけられている方向以外の方向に慣性力が働く場合がある。また、移動体に配置されない場合であっても、燃料電池スタック100の運搬時にそうした慣性力が働く可能性もある。すると、燃料電池スタック100のセパレータや膜電極接合体が、その慣性力によって面方向に位置ずれを引きおこす可能性がある。特に、燃料電池スタック100の発電中には、発電による温度変化によって締結部材30や積層体10の熱膨張差による締結荷重の変化が生じる場合があるため、位置ずれ発生の可能性が高くなる。そこで、本実施例では、燃料電池スタック100の側面部にフィルム状の部材(以後、「締結フィルム」と呼ぶ)を巻き付けることによって、その締結力を向上させる。
図2は、燃料電池スタック100の側面に締結フィルムを巻き付けるため締結フィルム巻付装置200を示す概略図である。締結フィルム巻付装置200は、水平に配置された土台部210の両端にそれぞれ、ロールフィルム取付部220と、スタック取付部230とを備えている。ロールフィルム取付部220には、リール221が回転軸223を中心に回転駆動可能なように取り付けられている。なお、回転軸223の軸方向は、紙面に対して垂直な方向である。
リール221には、締結フィルムFがロール状に巻き付けられている。締結フィルムFとしては、高分子樹脂フィルムを採用することができ、例えば、ポリイミドフィルムや、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム、カプトンフィルム、塩化ビニルフィルム、シリコーン・ガラステープ、テフロンテープ、マイラーテープ、ポリエチレンフィルム、ポリアミドフィルム等を採用することができる。締結フィルムFの幅は、燃料電池スタック100の高さに較べて小さいものが採用される。この場合には、締結フィルムFは、燃料電池スタック100の周りに包帯状に巻き回される。ただし、燃料電池スタック100の高さとほぼ等しい幅を有する締結フィルムFを用いるようにしても良い。
スタック取付部230には、軸受部231が設けられている。軸受部231には、モータによって回転駆動可能な回転軸232が取り付けられている。回転軸232の軸方向は、ロールフィルム取付部220の回転軸223と同様に、紙面に対して垂直な方向である。回転軸232は、燃料電池スタック100の底面に設けられた嵌合凹部28に嵌合することによって、燃料電池スタック100は、スタック取付部230に取り付けら。燃料電池スタック100は、回転軸223に取り付けられた状態で、軸受部231を中心に回転駆動する。
この構成によって、図に示すように、燃料電池スタック100を回転させつつ、リール221の締結フィルムFを燃料電池スタック100の側面全体に巻き付けていく。なお、燃料電池スタック100は、回転軸223に取り付けられた状態で、その軸方向に取付位置を調整することができ、燃料電池スタック100の高さと締結フィルムFのロール幅とが一致しない場合でも、締結フィルムFの巻位置を調整しつつ巻き付けることが可能である。
図3は、締結フィルムFが巻きつけられた状態の燃料電池スタック100Aを示す概略斜視図である。このように、燃料電池スタック100Aの側面は、締結フィルムFによって被覆される。なお、締結フィルムFは、透明性を有することが好ましく、締結フィルムFが巻き付けられた状態であっても燃料電池スタック100Aの側面部が視認できることが好ましい。この理由は、例えば、構成部材の位置ずれなど、燃料電池スタック100Aが破損・劣化を引きおこした場合に、目視で確認することが可能となるからである。
また、締結フィルムFは、表面に粘着性を有することが好ましい。これによって締結フィルムFによる締結力が向上するからである。さらに、締結フィルムFは、非通気性を有することが好ましい。これによって、例え燃料電池スタック100Aから反応ガスが漏洩した場合であっても、締結フィルムFによって漏洩ガスが外部へと拡散することを抑制することができるからである。加えて、このように締結フィルムFによって被覆された状態であれば、燃料電池スタック100Aの保温性が向上する。従って、低温状態(例えば氷点下)において燃料電池スタック100Aを運転する際にその始動性が向上する。
図4は、図3に示す4−4切断における燃料電池スタック100Aの概略断面図である。ただし、図4では、燃料電池スタック100の内部構造の図示は省略してある。図に示すように、締結部材30のシャフト部31は、積層体10とともに締結フィルムFによって被覆される。このように、締結部材30のシャフト部31が積層体10に設けられた外接矩形部11に収納された構成であれば、燃料電池スタックに締結部材を設けることによる体積増加を抑制することができ、燃料電池スタックを小型化することができる。
このように、本実施例の構成によれば、締結フィルムによって燃料電池スタックの構成部材の締結力を容易に向上させることができる。
B.第2実施例:
図5は、本発明の第2実施例としての燃料電池スタック100Bの構成を示す概略断面図である。図5は、図4と同様な概略断面図であが、第2実施例の燃料電池スタック100Bの構成と第1実施例の燃料電池スタック100Aの構成との相違により、以下の点が異なっている。
図5と図4とを比較することにより理解できるように、燃料電池スタック100Bの積層体10Bの側面には外接矩形部11が設けられていない。また、燃料電池スタック100Bの2枚のエンドプレート21B,22Bは、その外周が積層体10Bの外周より大きく構成されている。締結部材30は、積層体10Bの外周縁と2枚のエンドプレート21B,22Bの外周縁との間に設けられている。即ち、締結部材30は、締結フィルムFの外側に設けられている。
この燃料電池スタック100Bは、第1実施例の燃料電池スタック100Aとは異なり、以下の工程によって製造される。燃料電池スタック100Bは、積層体10Bを2枚のエンドプレート21B,22Bによって積層方向に挟持した後、締結部材30によって締結することなく、締結フィルム巻付装置200(図2)に取り付けられる。なお、この際に、積層体10B及び2枚のエンドプレート21B,22Bは、積層方向に荷重をかけられた状態で取り付けられる。この状態で、第1実施例と同様に積層体10Bの側面に締結フィルムFを巻き付けた後、締結部材30を2枚のエンドプレート21B,22Bに取り付けて、燃料電池スタック100Bに締結荷重をかける。
この燃料電池スタック100Bの構成であっても、第1実施例と同様に、締結フィルムによって燃料電池スタックの締結力を向上させることができる。但し、これまでの説明からも理解できるように、第1実施例の燃料電池スタック100Aに比較して、燃料電池スタック100Bは、締結フィルムFの外側に締結部材30とエンドプレート21B,22Bの外周が存在する分だけスタック体積が増加してしまう。従って、燃料電池スタックを小型化する場合には、第1実施例の燃料電池スタック100Aの方が好ましい。
C.第3実施例:
本発明の第3実施例では、第1実施例で用いた締結フィルムFに換えて、締結フィルムFの表面に感圧色素(後述)を塗布した色素塗布締結フィルムFPを締結部材として使用する。なお、以下の説明における燃料電池スタック100は、第1実施例で説明したものと同じものである(図1)。
図6(A)〜(C)は、締結フィルムFに感圧塗料を塗布する工程を説明するための模式図である。ここで、「感圧色素」とは、蛍光や燐光などのルミネッセンスを有する色素であり、ルミネッセンス強度が空気中の酸素分子によって低下する性質を有する色素を言う。即ち、感圧色素とは、その塗布領域付近の酸素濃度(酸素分圧)に応じて発する光の強度が変化する色素である。
第1工程では、色素を物体表面に固着させるための結合剤であるバインダBに、感圧色素Pを溶解させる(図6(A))。感圧色素Pとしては、ピレンや、ペリレン、マラカイトグリーンラクトン、ポリフォラクトン・ピロロピロエール、ポリフィン、1,3-ジクロロ-フルオロベンゼン、バソフェナンスロリン・ルテニウム等を採用することができる。また、バインダBとしては、ポリジメチルシクロヘキサンや、常温硬化型シリコン系ポリマ、ガラス系ポリマなど、高酸素透過性ポリマを採用することができる。
第2工程では、第1工程で得られた感圧塗料PPをエアガン300に注入する(図6(B))。第3工程では、感圧塗料PPを吹き付けて塗布する。図6(C)は、締結フィルム巻付装置200を用いて第3工程を実行する様子を示している。この第3工程では、まず、予め締結フィルム巻付装置200のスタック取付部230に、ロールフィルム取付部220のリール221と同様な巻取用リール235を取り付けておく。巻取用リール235を回転軸232によって回転させるとともに、リール221の締結フィルムFを巻取用リール235に巻取らせる。この際に、図に示すように、リール221から巻取用リール235へと締結フィルムFが移動する間に、エアガン300によって感圧塗料PPを締結フィルムFの表面に吹き付ける。これによって、締結フィルムFの表面に厚さ数十μmの皮膜を成膜し、巻取用リール235に巻き付けられた色素塗布締結フィルムFPを得ることができる。
図7(A)は、色素塗布締結フィルムFPを燃料電池スタック100の側面に巻き付ける工程を示す模式図である。図7(A)は、ロールフィルム取付部220に、図6(C)で説明した色素塗布締結フィルムFPが巻き付けられたリール235が取り付けられている点以外は、図2とほぼ同じである。
図7(B)は、この工程によって得られた燃料電池スタック100Cを示す概略斜視図である。締結フィルムFに替えて色素塗布締結フィルムFPが巻き付けられている点以外は、図3とほぼ同じである。この燃料電池スタック100Cでは、色素塗布締結フィルムFPによってその側面が被覆されているため、第1実施例の燃料電池スタック100Aと同様な効果を得ることができる。さらに、この燃料電池スタック100Cでは、以下に説明するように、色素塗布締結フィルムFPが燃料電池の外部への反応ガスの漏洩の有無を検査するための漏洩ガス被検査部として機能する。従って、燃料電池スタック100Cは、反応ガスの漏洩が生じた場合であっても容易に検知(検出)することができる。
図8(A),(B)は、色素塗布締結フィルムFPによる反応ガス漏洩の検知過程を説明するための模式図である。図8(A),(B)は、燃料電池スタック100Cの側面の一部を拡大して示す概略断面図である。具体的には、積層体10を構成する膜電極接合体50とセパレータ60とが交互に積層されて、その接触界面を色素塗布締結フィルムFPが被覆している状態を示している。色素塗布締結フィルムFPは、上述したように、締結フィルムFの外表面に感圧塗料PPによる薄膜が成膜された構成を有している。なお、膜電極接合体50のセパレータ60との接触面には、シールライン等を有するシール部が設けられており、燃料電池の外部への流体の漏洩を抑制している。
図8(A)は、反応ガスの漏洩が発生していない通常の状態を示している。図に示すように、この通常状態では、色素塗布締結フィルムFPの感圧塗料PPは、外気の酸素分圧に応じた蛍光を発している。図8(B)は、燃料電池スタック100Cに反応ガスの漏洩が発生している状態を示している。具体的には、構成部材の劣化などにより、膜電極接合体50とセパレータ60との接触界面から積層体10の外部へと水素が移動し、色素塗布締結フィルムFPを透過してスタック外部へと水素が漏洩している(矢印L)。図に示すように、この場合には、反応ガスの漏洩によって、当該漏洩箇所付近の酸素濃度が局所的に低下する。そのため、色素塗布締結フィルムFPに塗布された感圧色素の発光量は、酸素濃度の低下に反して増加する。この感圧色素の発光量の増加を検出することによって、燃料電池スタック100Cの反応ガス漏洩を検出することができる。
図9は、燃料電池スタック100Cの反応ガス検出工程を説明するための説明図である。漏洩ガスが微量である場合には、目視による感圧色素の発光量変化の検知は困難となる可能性がある。この場合には、図に示すように、燃料電池スタック100Cに対して、LED光源ユニット400によってLED光を照射するとともに、CCDカメラ500を用いて漏洩箇所を特定することも可能である。具体的には、CCDカメラ500によって得られた画像を、接続されたコンピュータ510に送信して画像処理を行い、色素塗布締結フィルムFPの表面における発光量に応じた酸素の圧力分布を示す画像を作成する。これによって、反応ガスの漏洩の検知及び漏洩箇所の特定を容易に行うことができる。従って、この燃料電池スタック100Cを用いれば、反応ガスの漏洩を検出するためのガスセンサなどのセンサ類及びシステムを省略することも可能である。
このように、第3実施例の構成によれば、色素塗布締結フィルムFPによって、燃料電池スタック100Cの締結力を向上するとともに、反応ガスの漏洩の検出を容易に行うことができる。
D.第4実施例:
図10は、本発明の第4実施例として燃料電池スタック100Dの構成を示す概略断面図である。図10は、図8(A)と同様に、燃料電池スタック100Dの側面部の一部を拡大して示しているが、この燃料電池スタック100Dには、第3実施例の燃料電池スタック100Cとは異なる構成によって、感圧色素が塗布された漏洩ガス被検査部が設けられている。
この燃料電池スタック100Dの積層体10Dは、膜電極接合体50とセパレータ60とが交互に積層さている。セパレータ60は、膜電極接合体50のアノード側に配置されるアノードプレート61と、カソード側に配置されるカソードプレート62とを備える2層式セパレータである。なお、セパレータ60は、さらに複数のプレートを有する多層式セパレータであっても良い。アノードプレート61は、その外周がカソードプレート62の外周及び膜電極接合体50の外周よりも小さく構成されている。これによって、積層体10Dの側面には、アノードプレート61と膜電極接合体50との接触界面ごとに矩形凹部15が生じる。積層体10の側面を構成する外壁(矩形凹部15の壁面を含む)には、感圧塗料PPが塗布される。さらに、積層体10Dの側面には、締結フィルムFが側面全体を被覆するように巻き付けられている。
ここで、この燃料電池スタック100Dにおいて、図に示す矢印Lの経路で水素が漏洩した場合を想定する。すると、矩形凹部15の壁面と締結フィルムFとで囲まれた空間内における酸素濃度が低下して、矩形凹部15の壁面に塗布された感圧塗料PPの発光量は増大する。従って、第3実施例の燃料電池スタック100Cと同様に、この燃料電池スタック100Dは水素漏れを検出することができる。しかも、この燃料電池スタック100Dでは、水素漏れが発生している矩形凹部15の発光量が増大するため、水素漏れの発生箇所の特定が容易である。従って、スタックの修復作業を迅速に処理することが可能となる。即ち、この燃料電池スタック100Dでは、壁面に感圧塗料PPが塗布された矩形凹部15が、漏洩ガス被検査部として機能していると解釈することができる。
図11(A)〜(C)は、燃料電池スタック100Dの製造工程を説明するための説明図である。図11(A)は、膜電極接合体50とセパレータ60とを交互に積層することによって積層体10Dを構成するとともに、積層体10Dを2枚のエンドプレート21,22によって挟持する工程を示している。なお、2枚のエンドプレート21,22の外周サイズは、膜電極接合体50及びセパレータ60のカソードプレート62の外周サイズと同じである。また、この積層体10Dには、締結部材を設けるための外接矩形部11が設けられている。
図11(B)は、積層体10Dの側面に感圧塗料PPをエアガン300によって塗布する工程を示している。感圧塗料PP及びエアガン300は、第2実施例で説明したものと同じものである(図6(A),(B))。なお、感圧塗料PPは、積層体10Dの側面を構成する壁面全体に塗布される必要はなく、少なくとも矩形凹部15の壁面の一部に塗布されることが好ましい。
図11(C)は、完成した燃料電池スタック100Dを示している。積層体10D及び2枚のエンドプレート21,22は、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、締結部材30によって締結され、積層体10Dの側面は、締結フィルムFが包帯状に巻き付けられることによって被覆される。
このように、第4実施例の燃料電池スタック100Dによれば、簡易な構成で第3実施例の燃料電池スタック100Cよりも精度の高い反応ガス漏洩検知部を構成することが可能である。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記第1実施例及び第2実施例において、締結フィルムFとして透明性・非通気性・粘着性を有する高分子フィルムを用いていたが、締結フィルムFは、他の部材であっても良い。例えば、布を燃料電池スタック100の側面に包帯状に巻き付けるものとしても良い。このような構成であっても、燃料電池スタック100の締結力を向上することができる。
E2.変形例2:
上記第3実施例及び第4実施例において、積層体10を有する固体高分子型燃料電池に対して漏洩ガス被検査部が設けられていたが、他の種々の燃料電池に対して感圧色素が塗布された漏洩ガス被検査部を設けることも可能である。
E3.変形例3:
上記第3実施例及び第4実施例において、締結フィルムFは省略されていても良い。例えば、膜電極接合体50とセパレータ60との接触界面近傍に感圧色素が塗布されている構成であっても良い。
燃料電池スタックの構成を説明するための概略斜視図。 燃料電池スタックへの締結フィルムの巻き付け工程を説明するための説明図。 締結フィルムが巻き付けられた燃料電池スタックを示す概略斜視図。 燃料電池スタックの構成を説明するための概略断面図。 第2実施例の燃料電池スタックの構成を説明するための概略断面図。 第3実施例の感圧塗料塗布工程を説明するための説明図。 感圧色素を塗布した締結フィルムの巻き付け工程を説明するための説明図。 反応ガスのスタック外部への漏洩の検知を説明するための説明図。 反応ガスのスタック外部への漏洩の検知を説明するための説明図。 第4実施例の燃料電池スタックの構成を説明するための一部拡大概略断面図。 第4実施例の燃料電池スタックの製造工程を説明するための説明図。
符号の説明
10,10B,10D…積層体
11…外接矩形部
15…矩形凹部
21,22,21B,22B…エンドプレート
24…四隅
25…中央部
28…嵌合凹部
30…締結部材
31…シャフト部
32…ナット部
50…膜電極接合体
60…セパレータ
61…アノードプレート
62…カソードプレート
100,100A,100B,100C,100D…燃料電池スタック
200…締結フィルム巻付装置
210…土台部
220…ロールフィルム取付部
221…リール
223…回転軸
230…スタック取付部
231…軸受部
232…回転軸
235…巻取用リール
300…エアガン
400…LED光源ユニット
500…CCDカメラ
510…コンピュータ
B…バインダ
F…締結フィルム
FP…色素塗布締結フィルム
P…感圧色素
PP…感圧塗料

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    膜電極接合体とセパレータとが交互に積層された積層体と、
    前記積層体の積層方向に荷重を加えて締結する締結部材と、
    を備え、
    前記積層体の側面は、フィルム状部材によって被覆されている、燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記積層体の側面には、前記締結部材を収納するための凹部が設けられており、
    前記フィルム状部材は、前記積層体とともに前記締結部材を包含するように、配置されている、燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池であって、
    前記フィルム状部材の少なくとも一方の面は粘着性を有している、燃料電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記フィルム状部材は非通気性を有する、燃料電池。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記フィルム状部材は透明性を有する、燃料電池。
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