JP2008309774A - ガスセンサの劣化信号生成装置 - Google Patents

ガスセンサの劣化信号生成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008309774A
JP2008309774A JP2008102994A JP2008102994A JP2008309774A JP 2008309774 A JP2008309774 A JP 2008309774A JP 2008102994 A JP2008102994 A JP 2008102994A JP 2008102994 A JP2008102994 A JP 2008102994A JP 2008309774 A JP2008309774 A JP 2008309774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
deterioration
sensor
output
basic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008102994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4938721B2 (ja
Inventor
Shinji Kumazawa
真治 熊澤
Seiji Maeda
誠治 前田
Katsunori Yazawa
克則 矢澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2008102994A priority Critical patent/JP4938721B2/ja
Publication of JP2008309774A publication Critical patent/JP2008309774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4938721B2 publication Critical patent/JP4938721B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Abstract

【課題】電子制御装置の基準電位を重畳した劣化信号を、基準となるガスセンサ(基準センサ)から出力される検出信号(基準信号)をもとに生成することで、車種、車両を問わず利用でき、かつ精度の高い劣化信号を出力することができるガスセンサの劣化信号生成装置を提供する。
【解決手段】基礎信号生成プログラムの実行に従い、基準センサ2から取得した基準信号の出力値が所望する劣化状態に応じて変更され、基礎信号として基準電位重畳出力回路40に入力され、さらにECU3から取得したECU3自身の基準電位が重畳されることで生成された劣化信号が、ECU3に出力される。これにより、センサシミュレータ1の基準電位とECU3の基準電位とが互いに異なる場合でも、ECU3が劣化信号を受け取った際の劣化信号の大きさを、センサシミュレータ1で生成した基礎信号の大きさと一致させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定ガス中の特定成分の濃度に応じた検出信号を出力するガスセンサが劣化したときの出力値(出力信号)を擬似的に生成し、劣化信号として出力するガスセンサの劣化信号生成装置に関するものである。
従来、自動車のエンジンなど内燃機関の排気通路に取り付けられ、排気ガス中の特定成分の濃度に応じた検出信号を出力するガスセンサが知られている。例えば、酸素の濃度に基づき排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサは、自身の有するセンサ素子を流れる電流の大きさあるいは電圧値が排気ガス中の酸素の濃度に応じて、リニアにあるいは二値的に変化することを利用して、排気ガス中の酸素濃度の検出を行う。空燃比センサから出力される検出信号はエンジンの各種制御を司る電子制御装置(以下、「ECU」という。)に送信され、ECUでは、受信した検出信号に基づき排気ガスの空燃比を算出し、エンジンにおける燃料噴射量の調整等の空燃比フィードバック制御が行われる。
このようなガスセンサは、センサ素子が排気通路内で排気ガスに晒されることとなるため、長期間の使用に伴い経時劣化を生ずる。そしてセンサ素子が劣化すると空燃比フィードバック制御を正常に行えなくなり、排気ガスが十分に浄化されないまま自動車から排出されてしまう虞がある。そこでECUの開発ではガスセンサの劣化を検知するプログラムの設計が行われ、ECUの故障診断装置(いわゆるOBD)の機能として組み込まれている。
ところで、実車において排気ガスの浄化状態を確認する試験が行われる際には、空燃比フィードバック制御が正しく行われているか否かを確認する試験の一環として、上記のガスセンサの劣化を検知するプログラムが正常に作動するか否かについても試験が行われる。この試験を行うにあたり、従来では、例えば加速耐久試験により劣化度合いの異なるガスセンサを用意し、それらガスセンサを実車に取り付け、排気ガスの浄化状態を確認する試験が行われていた。しかし、こうした試験に用いるため、劣化度合いの過渡的な状態を再現した複数種類のガスセンサを加速耐久試験によりそれぞれ目標通りに作成することは困難である。また、試験において、劣化状態の異なるガスセンサを試験の都度取り換えるのは手間がかかる。そのため、ガスセンサが劣化したときに出力する劣化信号を擬似的に生成することができる劣化信号生成装置(劣化シミュレータ)が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような劣化信号生成装置は、実車に取り付けた正常なガスセンサ(換言すれば、劣化信号を生成するための基準となるガスセンサ)とECUとの間に介在され、入力されたガスセンサの検出信号を加工して擬似的に劣化信号を生成し、この劣化信号をECUに対して出力するものである。特許文献1の劣化信号生成装置では、具体的には、排気ガス中の酸素濃度に応じて検出信号がリニアに変化する全領域空燃比センサのその検出信号に対し、ゲインを変化させたり、応答特性に遅れを生じさせたりすることで、擬似的に劣化信号を生成している。
特開2004−93957号公報
しかしながら、ECUは、自動車の製造メーカごと、あるいは車種ごとに異なる規格に沿って設計されるため、ECUが自身の駆動にあたって電位の基準とする基準電位は、規格によって異なる場合がある。このため、ECUに接続されるガスセンサの基準電位も接続先のECUの基準電位に応じたものとなり、ガスセンサからECUへ出力される検出信号もその基準電位に応じた出力となるため、上記した排気ガスの浄化状態を確認する試験では、ECUの基準電位にあわせた出力が可能な劣化信号生成装置を、製造メーカごと、あるいは車種ごとに用意する必要があった。
また、劣化信号生成装置の基準電位をECUの基準電位と同電位にするため、例えば互いの基準電位を接地電位に接続したとしても、それぞれの基板回路上や接地線上で配線抵抗の影響などを受けると互いの基準電位にずれが生ずる場合があり、試験の都度、各々の基準電位を完全な同電位とするのは難しい。このため、例えば車種ごとの規格にあわせた劣化信号生成装置を用いて同一車種に対し同一条件で試験を行ったとしても、試験の都度、また、試験対象となる車両ごとに、ECUの基準電位と劣化信号生成装置の基準電位との間のずれにばらつきが生じ、同一の結果を得られなくなる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、電子制御装置の基準電位を重畳した劣化信号を、基準となるガスセンサ(基準センサ)から出力される検出信号(基準信号)をもとに生成することで、車種、車両を問わず利用でき、かつ精度の高い劣化信号を出力することができるガスセンサの劣化信号生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のガスセンサの劣化信号生成装置は、被測定ガス中の特定成分の濃度に応じた検出信号を出力するガスセンサが劣化したときの前記検出信号の出力値を疑似的に生成し、劣化信号として、内燃機関の制御を司る電子制御装置に出力するガスセンサの劣化信号生成装置であって、基準となる前記ガスセンサである基準センサに接続され、前記基準センサが出力する前記検出信号を基準信号として取得する基準信号取得手段と、取得した前記基準信号の出力値を、所望する劣化状態に応じて変更し、前記劣化信号の基となる基礎信号を生成する基礎信号生成手段と、前記電子制御装置が自身の駆動にあたって電位の基準とする基準電位を、前記電子制御装置から取得する基準電位取得手段と、前記基礎信号の出力値に前記基準電位を重畳し、前記劣化信号を生成する劣化信号生成手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明のガスセンサの劣化信号生成装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記基礎信号生成手段は、前記基準信号の出力値を上下に変更するためのオフセット値を前記基準信号に重畳し、前記基礎信号を生成することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のガスセンサの劣化信号生成装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記劣化信号生成手段は、前記基礎信号生成手段が生成した前記基礎信号と、前記基準電位取得手段が取得した前記基準電位とが入力され、前記劣化信号を生成して前記電子制御装置へ出力する増幅器を含むことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のガスセンサの劣化信号生成装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記劣化信号生成手段は、前記基礎信号生成手段が生成した前記基礎信号と、前記基準電位取得手段が取得した前記基準電位とが入力され、前記劣化信号を生成して前記電子制御装置へ出力するデジタル回路を含むことを特徴とする。
請求項1に係る発明のガスセンサの劣化信号生成装置では、基準センサの出力する基準信号の出力値を所望する劣化状態に応じて変更して生成した基礎信号に、電子制御装置から取得した電子制御装置自身の基準電位を重畳して劣化信号を生成し、その劣化信号を電子制御装置に出力する構成を採っている。このため、劣化信号生成装置と電子制御装置とが互いに異なる基準電位で駆動する場合でも、電子制御装置が劣化信号を受け取った際の劣化信号の大きさが、劣化信号生成装置で生成した基礎信号の大きさと一致する。これにより、劣化信号生成装置の基準電位と電子制御装置の基準電位とが如何なる組み合わせであっても一致させることができ、本発明に係る劣化信号生成装置を、自動車の製造メーカごと、あるいは車種ごとに異なる規格に沿って設計される如何なる電子制御装置に対しても好適に用いることができる。従って、例えば実車において排気ガスの浄化状態を確認する試験が行われる際に、製造メーカごと、あるいは車種ごとに、ECUの基準電位にあわせた出力が可能な劣化信号生成装置をそれぞれ用意する必要がなく、このような試験にかかる費用を節減し手間を軽減することができる。
また、劣化信号生成装置や電子制御装置のそれぞれの基板回路上や接地線上などにおける配線抵抗の影響により生じ得る互いの基準電位の変動に対しても、劣化信号は、受信先となる電子制御装置の基準電位を基礎信号に重畳して生成されるため、その変動に速やかに追従することができる。従って、例えば実車において排気ガスの浄化状態を確認する試験が行われる際に、試験の都度、また、試験対象となる車両ごとに、ECUの基準電位と劣化信号生成装置の基準電位との間のずれにばらつきが生じても、本発明に係る劣化信号生成装置を用いれば、そのばらつきに追従してずれを相殺した精度の高い劣化信号を出力することができる。
ところで、劣化信号生成装置の生成する劣化信号により再現可能な劣化状態としては、基準信号の出力値が上下に変更(オフセット)した状態、基準信号の出力値が増幅あるいは減衰された状態、基準信号が変化を開始し予め設定した値となるまでにかかる時間に変動を生じた状態、基準信号が変化を開始し始めるまでに遅れを生じた状態などが挙げられる。そのいずれの劣化状態に対しても本発明に係る劣化信号生成装置を用いることによる効果を期待できる。その中でも、請求項2に係る発明のように、基準信号の出力値が劣化に応じて上または下にずれる劣化状態を模擬すべく、操作者が任意に設定したオフセット値を基準信号の出力値に重畳させた劣化信号を生成する劣化信号生成装置に対して本発明を適用すれば、精度の高い劣化信号を出力することができる。すなわち、基準信号の出力値にオフセット値を重畳させた劣化信号を電子制御装置に出力する際、電子制御装置の基準電位と劣化信号生成装置の基準電位との間にずれのばらつきがあると、上記のばらつきの影響を受けてオフセット値がばらつくことになり、電子制御装置は精度よく劣化信号を取得できないことがある。これに対し、請求項2に係る発明のガスセンサの劣化信号生成装置では、電子制御装置の基準電位と劣化信号生成装置の基準電位との間のずれのばらつきに追従してそのずれを相殺した劣化信号を出力可能であるため、オフセット値がばらつかず、精度のよい劣化信号を電子制御装置に対して出力することができる。
ところで、このような劣化信号を生成するにあたり、請求項3に係る発明のように、所望する劣化状態に応じて基準信号から生成した基礎信号に対し、信号をリアルタイムに処理できる増幅器を含み構成した電気回路を用い、電子制御装置から取得した基準電位を重畳することで劣化信号を生成すれば、電子制御装置の基準電位のリニアな変動に対しても追従させることができ、精度の高い劣化信号を生成することができる。
また、請求項4に係る発明のように、デジタル回路を含む電気回路を用いて電子制御装置の基準電位の取得と基礎信号への上乗せを行って劣化信号を生成すれば、電気回路の構成を簡易にでき、生産コストを低減することができる。もちろん、デジタル回路にデータ処理の分解能(時分割能)が高いプロセッサを用いれば、より精度よく劣化信号を生成することができる。
以下、本発明を具体化したガスセンサの劣化信号生成装置の一実施の形態について、センサシミュレータ1を例に、図面を参照して説明する。図1は、センサシミュレータ1の概略的な構成を示すブロック図である。
なお、本発明の劣化信号生成装置に接続されるガスセンサとしては、酸素センサや全領域空燃比センサ、NOxセンサなどを用いることができる。本実施の形態では、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化すると共に理論空燃比を境にして出力値が急変する検出信号を出力する酸素センサ(いわゆるλ型酸素センサ)をその一例とし、基準センサ2として、正常な(劣化していない)酸素センサであり、劣化を模擬したい対象品番の酸素センサと同構成の酸素センサを用いたものを、以下では説明する。
なお、酸素センサについては公知のものを使用しているため、その構造等の詳細については説明を省略するが、以下に、酸素センサに用いられるセンサ素子による排気ガスの空燃比(排気ガス中の酸素濃度)の検出原理について簡単に説明する。このセンサ素子は、活性温度以上で酸素イオン導電性を示す性質を有するジルコニア製の固体電解質体を一対の多孔質電極で挟んだ筒状ないしは板状をなす。この固体電解質体で2つの雰囲気を隔て、両雰囲気間で酸素分圧に差が生じたとき、固体電解質体内を酸素イオンが移動することを利用して、酸素濃度の検出を行う。具体的には、固体電解質体で排気ガス雰囲気と基準ガス雰囲気(基準となる酸素濃度を有する雰囲気)とを隔て、両雰囲気間で酸素分圧の平衡化がなされる際に、固体電解質体内を移動する酸素イオンによって電子が運搬されることで、多孔質電極間に起電力(検出信号)が生じる。酸素センサの出力する検出信号の値(起電力)は、排気ガスの空燃比が理論空燃比である場合を境にリッチ側とリーン側とで二値的に変動する。一般に、排気ガスの空燃比がリッチ側である(排気ガス中の酸素濃度が理論空燃比の酸素濃度に対して少ない)場合、センサ素子の出力する検出信号の値は基準電位との電位差で約0.9Vを示し、リーン側である(排気ガス中の酸素濃度が理論空燃比の酸素濃度に対して多い)場合、基準電位との電位差で約0.05Vを示す。このような酸素センサの一例として、本実施の形態では、特開2004−138599号公報に開示する酸素センサを使用しているものとして説明することとする。この酸素センサは、筒型のセンサ素子にヒータを内挿させ、センサ素子の先端部をガス流通孔付きのプロテクタ内に配置させた形態で、主体金具の内側に当該センサ素子を保持させた構造をなすものである。酸素センサは、外部装置(後述の電子制御装置やセンサシミュレータ)と接続するためのコネクタを有しており、このコネクタは、リード線、端子電極を介してセンサ素子に電気的に接続された構造をなしている。
図1に示すように、センサシミュレータ1は、自動車の排気通路(図示外)に取り付けられる酸素センサとしての基準センサ2と、自動車の電子制御を司る電子制御装置(ECU)3との間に介在される装置である。基準センサ2は、上記のように、排気通路内を流通する排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力し、この検出信号が基準信号として、センサシミュレータ1に入力されている。センサシミュレータ1では、入力された基準信号に対し、後述する基礎信号生成プログラムの実行による加工を施して基礎信号を生成し、さらに後述する基準電位重畳出力回路40を介して基礎信号から劣化信号を生成し、ECU3に対して出力を行っている。ECU3は、入力された劣化信号に基づき、図示外のエンジンの制御(例えば、インジェクタから噴射する燃料の噴射量や噴射タイミングの調整や、点火時期の調整など)を行っている。また、ECU3は、基準センサ2のヒータ回路(図示外)にヒータ駆動電圧の供給も行っており、センサ素子(図示外)の早期活性化や活性化後の安定化を図っている。
センサシミュレータ1は、図示しないケーシング内に、自身の制御を司るCPU11と、後述する基礎信号生成プログラム等が記憶された、書き換え可能なEEPROM12と、各種のデータを一時的に記憶するRAM13とを有するマイクロコンピュータ10を備えている。なお、マイクロコンピュータ10のCPU11、EEPROM12およびRAM13は公知の構成からなるものである。また、EEPROM12およびRAM13の記憶エリアの構成については後述する。
マイクロコンピュータ10には、A/Dコンバータ30が接続されている。入力インターフェイス20を介して基準センサ2から入力される基準信号は、このA/Dコンバータ30によりA/D変換されて、マイクロコンピュータ10に入力される。詳細には、基準センサ2はOZ(+)ポートおよびOZ(−)ポートをコネクタに有し、入力インターフェイス20にOZ(+)ポートが接続され、OZ(−)ポートはセンサシミュレータ1の基準電位に接続されている。入力インターフェイス20には、OZ(+)ポートとOZ(−)ポートとの電位差を出力値(電圧値)とする基準信号が入力される。
また、マイクロコンピュータ10には、D/Aコンバータ50が接続されている。D/Aコンバータ50には基準電位重畳出力回路40が接続されており、このD/Aコンバータ50では、マイクロコンピュータ10において生成された基礎信号を、アナログ処理を行う電気回路からなる基準電位重畳出力回路40に出力するため、D/A変換が行われる。
次に、基準電位重畳出力回路40は、入力された基礎信号に、ECU3から取得するECU3自身の基準電位を重畳して劣化信号を生成し、ECU3への出力を行う。具体的な回路構成は後述するが、基準電位重畳出力回路40は複数のオペアンプと抵抗を組み合わせてなるアナログ回路からなり、4つの入出力ポート(INポート,COMポート,OUTポート,REFポート)を有する。基準電位重畳出力回路40のCOMポートはセンサシミュレータ1の基準電位に接続されており、INポートはD/Aコンバータ50に接続されて、マイクロコンピュータ10で生成された基礎信号がD/A変換されて入力される。また、基準電位重畳出力回路40のREFポートおよびOUTポートはそれぞれECU3のOZ(−)ポートおよびOZ(+)ポートに接続されており、REFポートを介し、基準電位重畳出力回路40にはECU3の基準電位が入力される。そしてOUTポートは、基準電位重畳出力回路40で生成した、センサシミュレータ1の出力としての劣化信号を、ECU3に対して出力する。
さらに、マイクロコンピュータ10には、入力部60と表示制御部70とが接続されている。入力部60は、後述する基礎信号生成プログラムに用いられる設定値等を本センサシミュレータ1の操作者が入力できるように設けられている。入力部60としては、例えばプッシュスイッチやロータリースイッチ等が用いられる。表示制御部70は、入力された設定値等を操作者が確認できるように表示する表示部80の表示制御を行うため設けられている。表示部80としては、例えばLCDディスプレイ等が用いられる。また、図示しないが、センサシミュレータ1は電源回路等も備えている。
このような構成をなすセンサシミュレータ1では、上記のように、マイクロコンピュータ10で生成した基礎信号に、ECU3から取得したECU3自身の基準電位を重畳して劣化信号を生成している。そして本実施の形態では、ECU3の基準電位に変動が生じても、その変動に劣化信号を速やかに追従させることができるように、基準電位重畳出力回路40をアナログ回路から構成している。以下、図2を参照し、この基準電位重畳出力回路40の回路構成の一例について説明する。図2は、基準電位重畳出力回路40の概略的な電気回路の構成を示す図である。
図2に示すように、基準電位重畳出力回路40は、一例として、4つのオペアンプOP1,OP2,OP3,OP4、および8つの抵抗R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8により構成される。そのうち、オペアンプOP1,OP2,OP3と、抵抗R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7とは、公知の計測アンプ41を形成する。具体的に、オペアンプOP2,OP3の非反転入力端子はそれぞれ計測アンプ41の入力端子42,43に接続されている。オペアンプOP2,OP3の反転入力端子はそれぞれ抵抗R3,R6を介して自身の出力端子に接続されると共に、抵抗R7を介して互いの反転入力端子に接続されている。また、オペアンプOP2の出力端子は、抵抗R2を介してオペアンプOP1の反転入力端子に接続されると共に、さらに抵抗R1を介し、計測アンプ41の出力端子45に相当するオペアンプOP1の出力端子に接続されている。一方、オペアンプOP3の出力端子は、抵抗R5を介してオペアンプOP1の非反転入力端子に接続されると共に、さらに抵抗R4を介して計測アンプ41の入力端子44に接続されている。なお、計測アンプ41が、本発明における「劣化信号生成手段」に相当する。
そして、計測アンプ41の各端子は、それぞれ基準電位重畳出力回路40の各ポートに接続されている。具体的に、入力端子42および入力端子43はそれぞれCOMポートおよびINポートに接続され、出力端子45はOUTポートに接続されている。また、入力端子44は、自身の非反転入力端子がREFポートに接続されたオペアンプOP4の出力端子に接続されると共に、抵抗R8を介し、オペアンプOP4の反転入力端子に接続されている。このような回路構成をなす基準電位重畳出力回路40は、COMポートから入力されるセンサシミュレータ1の基準電位をベースに作動し、オペアンプOP2,OP3により、INポートから入力される基礎信号の出力値(電圧値)と、その基準電位との差分が出力され、オペアンプOP1に入力される。そしてREFポートから入力されるECU3の基準電位もオペアンプOP1に入力され、基礎信号に重畳されて、劣化信号としてOUTポートからECU3に出力される。なお、オペアンプOP4が、本発明における「基準電位取得手段」に相当する。
次に、劣化信号の基となる基礎信号の生成過程について説明する。上記のように、基礎信号はマイクロコンピュータ10において、基礎信号生成プログラムの実行によって生成される。以下、基礎信号生成プログラムの動作について説明するが、その前に、EEPROM12の記憶エリアおよびRAM13の記憶エリアの概略的な構成について、図3,図4を参照して説明する。図3は、EEPROM12の記憶エリアの構成を示す概念図である。図4は、RAM13の記憶エリアの構成を示す概念図である。
図3に示すように、EEPROM12には、設定値記憶エリア121、プログラム記憶エリア122、初期値記憶エリア123が設けられている。設定値記憶エリア121には、基礎信号生成プログラムの実行時に使用される各種変数(電圧値Vin,Vbase)の初期値が記憶されている。また、予め操作者によって入力部60から入力される変数(オフセット値Offset)も記憶されている。オフセット値Offsetは、EEPROM12に記憶されることで電源切断時にも保存できる。また、プログラム記憶エリア122には、基礎信号生成プログラムが記憶されている。EEPROM12を使用することで、バージョンアップ等にも柔軟に対応できる。そして初期値記憶エリア123には、基礎信号生成プログラムで使用される各変数の初期値が記憶されている。さらにEEPROM12には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図4に示すように、RAM13には、ワークエリア131、変数記憶エリア132が設けられている。ワークエリア131は、基礎信号生成プログラムが読み込まれて展開される記憶エリアであり、その実行に利用される。変数記憶エリア132には、基礎信号生成プログラムの実行の際に使用される各変数(Vin,Vbase,Offset)の値が一時的に記憶される。さらにRAM13には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
ここで、基礎信号生成プログラムで使用される上記した各変数について説明する。「Vin」は、基準センサ2から取得される検出信号である基準信号の出力値(電圧値)を記憶するための変数であり、初期値には0がセットされる。「Vbase」は、基準信号の電圧値Vinに対しオフセット補正(ガスセンサが劣化して検出信号の出力値がオフセットした状態を擬似的に再現するための補正)を施して生成した基礎信号の電圧値を記憶するための変数であり、初期値には0がセットされる。「Offset」は、基準信号の電圧値Vinに対してその値を上側の値または下側の値にオフセット補正を行うためのオフセット値(補正値)を記憶するための変数である。上記したように基準信号の電圧値は、約0.05Vと約0.9Vとの間で変化するため、理論空燃比のときに出力される電圧値は0.45Vに設定される。そして、基準信号の電圧値がリッチ側(電圧値の高い側)に変更されるように基準信号の電圧値Vinをずらす場合、オフセット値Offsetとしては、ずらす分の電圧値の大きさが正の値で入力される。一方、基準信号の電圧値をリーン側(電圧値の低い側)に変更されるように基準信号の電圧値Vinをずらす場合、オフセット値Offsetとしては、ずらす分の電圧値の大きさが負の値で入力される。オフセット値Offsetの初期値には操作者により予め設定された値がセットされる。
次に、基礎信号生成プログラムの動作について説明する。センサシミュレータ1は、基礎信号生成プログラムの実行に従って基準センサ2から1ms毎に基準信号を取得し、加工を施して基礎信号を生成し、この基礎信号に、ECU3から取得したECU3の基準電位を重畳して劣化信号を生成し、ECU3に対し出力する。また、センサシミュレータ1では、基準信号に対し、例えばゲインの変更や応答特性の遅れ、信号の遅延(遅延時間)などの様々な処理を施し生成した基礎信号をもとに、劣化信号を生成する場合もある。ここで、ゲインとは、基準信号の出力値が増幅あるいは減衰された状態をいう。また、応答特性とは、目標空燃比が所定の値を境にしてリッチ側からリーン側、あるいはリーン側からリッチ側へ変更されたことに伴い、酸素センサの出力する検出信号が変化を開始して予め設定した値となるまでにかかる時間をいう。また、遅延時間とは、目標空燃比がリッチ側からリーン側、あるいはリーン側からリッチ側へ変更されたタイミングを起点として、酸素センサの出力する検出信号が目標空燃比の変更に伴って変化を開始し始めるまでの遅れ時間をいう。ゲインの変更、応答特性の遅れ、遅延時間などの処理を施す具体的な方法については公知であるため説明を省略するが、例えば、特願2007−315210号公報に記載のゲイン処理、応答特性処理、遅延処理などを適用することができる。図5のフローチャートで示す基礎信号生成プログラムは、基準信号に対しこのような各種形態の処理を施す過程の中の一処理として提供されるものであり、以下では、劣化信号の基となる基礎信号を基準信号から生成するために施すオフセット補正を例に、説明を行うものとする。図5は、基礎信号生成プログラムのフローチャートである。なお、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
センサシミュレータ1では、操作者により任意の設定値の入力が行われる。具体的には、ガスセンサが劣化して検出信号の出力値(電圧値)が上または下にずれた状態(オフセットした状態)を擬似的に再現するため、所望する大きさのずらし幅としてのオフセット値Offsetが設定される。このオフセット値Offsetは、その値が入力部60の操作により入力され、EEPROM12の設定値記憶エリア121に記憶されることで、センサシミュレータ1の電源が落とされた後に再度使用される場合にも、以前入力された設定値が保存される。
センサシミュレータ1による基準センサ2の基準信号から基礎信号の生成は、基礎信号生成プログラム(図5参照)が、EEPROM12のプログラム記憶エリア122よりRAM13のワークエリア131に読み込まれ実行されることによって開始される。図5に示すように、基礎信号生成プログラムが実行されると、まず、基礎信号生成プログラムで使用される各種変数の初期化が行われる(S10)。この初期化処理では、EEPROM12の初期値記憶エリア123に記憶された各変数(Vin,Vbase)の初期値(前述)が読み込まれ、RAM13の変数記憶エリア132の対応する記憶エリアに記憶されることで行われる。また、予め操作者により設定された上記のオフセット値(Offset)がEEPROM12の設定値記憶エリア121より読み込まれ、同様に、対応する変数記憶エリア132の記憶エリアに記憶される。つまり、基礎信号生成プログラムのS10以降の処理では、各変数の値の読み出し、書き込み等はすべて、変数記憶エリア132に設けられた、それぞれの処理に対応する各変数の記憶エリアに対して行われる。
次に、S11で1ms毎のリセット信号の受信待ちが行われる。本実施の形態では、基礎信号生成プログラムと並列に図示外のタイマプログラムが実行されており、1ms毎にリセット信号が出力されている。S11ではリセット信号の受信待ちが行われ(S11:NO)、リセット信号の受信を契機にS12へ進む(S11:YES)。そしてS12〜S26の処理で、基準センサ2から取得される基準信号(電圧値Vin)に対しオフセット補正が施されることにより基礎信号(電圧値Vbase)が生成されて、D/Aコンバータ50を介し基準電位重畳出力回路40に対し出力される。S26の処理後にはS11に戻り、次のリセット信号の受信待ちが行われる。すなわち、基準信号を加工して基礎信号を生成するS12〜S26の各処理は、1ms毎に行われている。
次のS12〜S26の処理では、基準信号の電圧値Vinにオフセット値Offsetを重畳し、基礎信号(電圧値Vbase)を生成させる処理が行われる。前述したように、本実施の形態の基準センサ2はλ型酸素センサであり、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチ側にあるとき、酸素センサの出力電圧値は約0.9Vを示し、理論空燃比よりもリーン側にあるときには約0.05Vを示す。従って、混合気の目標空燃比が約1秒毎にリッチ側とリーン側とで交番された場合、λ型酸素センサ、すなわち基準センサ2の基準信号の電圧値は、約1秒毎に約0.05Vと約0.9Vとの間で急峻な変化を示す。この基準信号に対しオフセット補正を行うため、まず、S12において、A/Dコンバータ30(図1参照)を介して入力される基準センサ2の出力電圧(より具体的には基準センサ2のOZ(+)ポートとOZ(−)ポートとの電位差であり、センサシミュレータ1自身の基準電位に対する差分値である。)が取得され、その電圧値が変数Vinとして記憶される(S12)。なお、S12で基準センサ2の基準信号を取得してVinとして記憶させるA/Dコンバータ30およびCPU11が、本発明における「基準信号取得手段」に相当する。
そして取得された基準信号の電圧値Vinに、予め操作者に設定されたオフセット値Offsetを加算することによって、基準信号にオフセット値Offsetを重畳する処理が行われる(S14)。前述したように、オフセット値Offsetは、電圧値Vinを上または下にずらすための値がその向き(正負)と大きさによって設定されたものであり、電圧値Vinとオフセット値Offsetとを加算した結果得られた電圧値は、Vbaseとして変数記憶エリア132の記憶エリアに記憶される。なお、S14で基準センサ2の基準信号(電圧値Vin)にオフセット値Offsetを重畳して基礎信号(電圧値Vbase)を生成するCPU11が、本発明における「基礎信号生成手段」に相当する。
S14で基礎信号の電圧値Vbaseを求めた後にはS18に進み、オフセット補正を行ったことによって電圧値Vbaseが予め設定された適正値、すなわち0V以上5V未満の範囲外となった場合、適正値の範囲内に収まるように補正が行われる。具体的には、Vbaseが5V以上であれば(S18:YES)、Vbaseには4.99Vが記憶される(S22)。一方、Vbaseが0V未満であれば(S18:NO,S19:YES)、Vbaseには0Vが記憶される(S20)。また、Vbaseが0V以上5V未満であれば(S18:NO,S19:NO)、Vbaseは適正値であると判断され、適正値の範囲に収めるための補正は行われない。
適正値と判断された基礎信号(電圧値Vbase)または適正値に補正された基礎信号(電圧値Vbase)は、D/Aコンバータ50に出力され(S26)、D/A変換されて、基準電位重畳出力回路40に出力される。今回の基礎信号の出力後、次のタイミングにおける基礎信号の生成のため、S11に戻る。S12〜S26の各処理は次のリセット信号の受信を契機に再び実行され、基礎信号の電圧値Vbaseが定期的に更新されて、新たな基礎信号として出力される。
このように、基礎信号生成プログラムの実行によって生成された基礎信号は、前述したように、図2に示す基準電位重畳出力回路40に、そのINポートから、アナログの電圧値に変換されて1msごとに更新されて入力される。この基礎信号の出力値(電圧値)に、REFポートから取得されたECU3の基準電位が重畳され、劣化信号として、OUTポートからECU3へ出力される。劣化信号の出力値(電圧値)は、次回(1ms後)の基礎信号(電圧値Vbase)の入力まで、維持される。
以上説明したように、本実施の形態のセンサシミュレータ1では、基準信号の電圧値Vinに予め設定されたオフセット値Offsetが重畳されて、任意に設定した大きさ分、電圧値をリッチ側あるいはリーン側にずらし、所望するオフセット値が反映された基礎信号(電圧値Vbase)が生成される。そして、その基礎信号に、ECU3から取得されたECU3の基準電位が重畳されて劣化信号が生成され、ECU3に出力される。つまりECU3側では、センサシミュレータ1におけるセンサシミュレータ1自身の基準電位と基礎信号の出力値との電位差が、ECU3におけるECU3自身の基準電位と劣化信号の出力値との電位差として保持された状態で、劣化信号を受け取ることができる。従って本実施の形態のセンサシミュレータ1を、如何なる形態のガスセンサとECUとの間に介在させても、その使用環境に影響されることなく精度のよい劣化信号を生成し、ECUに対し出力することができる。従って、如何なる形態のECUに対しても、本実施の形態のセンサシミュレータ1を用いることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、基準電位重畳出力回路40の構成に計測アンプ41を用いたが、必ずしも電気回路に計測アンプを組み込む必要はなく、増幅器を用いて基礎信号にECU3の基準電位を重畳できる電気回路を有すればよい。
また、本実施の形態では、基礎信号生成プログラムを実行することでソフトウェア的に基準信号から基礎信号を生成したが、ロジック回路を構成したアナログまたはデジタル回路を作製し、基礎信号の生成し、さらにその基礎信号を基とする劣化信号を生成してもよい。
また、本実施の形態では、基礎信号を基とする劣化信号の生成を、アナログ回路からなる基準電位重畳出力回路40を用いて行ったが、デジタル回路を用いてこの処理を行ってもよい。例えば、図6に示す回路構成を有するセンサシミュレータ101を作製し、前述した基準信号生成プログラムに、基準信号を生成してさらに劣化信号を生成する処理を追加した、図7に示す劣化信号生成プログラムを実行させてもよい。以下、このセンサシミュレータ101について説明する。
図6に示すセンサシミュレータ101は、本実施の形態と同様に、基準センサ2とECU3との間に介在させて使用する。基準センサ2のOZ(+)ポート、OZ(−)ポートおよびECU3の基準電位に接続されるOZ(−)ポートは、センサシミュレータ101の入力インターフェイス120に接続され、各出力が、A/Dコンバータ130を介してA/D変換されて、マイクロコンピュータ110に入力される。マイクロコンピュータ110は、本実施の形態と同様のCPU11、EEPROM12、RAM13を有し、図3で説明したEEPROM12のプログラム記憶エリア122に、図7に示す、劣化信号生成プログラムを記憶する。そして設定値記憶エリア121と初期値記憶エリア123に、劣化信号生成プログラムの実行の際に使用される各変数(Vin,Vbase,Offset,Vout,Vstd)の設定値と初期値がそれぞれ記憶されることは、本実施の形態と同様である。
RAM13は、図4で説明した変数記憶エリア132に、図7に示す、劣化信号生成プログラムの実行の際に使用される各変数(Vin,Vbase,Offset,Vout,Vstd)の値が一時的に記憶される記憶エリアを有する。Vin,Vbase,Offsetについては本実施の形態と同様である。「Vstd」は、ECU3から取得するECU3の基準電位を記憶するための変数であり、初期値には0がセットされる。「Vout」は、基礎信号の電圧値VbaseにECU3の基準電位Vstdを重畳して生成した劣化信号の電圧値を記憶するための変数であり、初期値には0がセットされる。
また、図6に示すように、マイクロコンピュータ110はD/Aコンバータ150を介して出力バッファ140に接続されており、マイクロコンピュータ110で生成される劣化信号は、D/A変換後、出力バッファ140を介してECU3のOZ(+)ポートに対し、出力される。なお、マイクロコンピュータ110に接続された入力部60と、表示制御部70を介してマイクロコンピュータ110に接続された表示部80の構成や動作については本実施の形態と同様である。
次に、劣化信号生成プログラムについて説明する。なお、S30〜S42の処理は、それぞれ、基礎信号生成プログラムのS10〜S22の処理と同内容の処理であり、これら各処理の説明については簡略化または省略する。
図7に示す劣化信号生成プログラムが実行されると、本実施の形態と同様に、劣化信号生成プログラムで使用される各種変数の初期化が行われ(S30)、次いで1ms毎のリセット信号の受信待ちが行われる(S31:NO)。そしてリセット信号の受信を契機に(S31:YES)、A/Dコンバータ130(図6参照)を介して基準センサ2の出力電圧(すなわち基準信号であり電圧値Vin)が取得される(S32)。この基準信号(電圧値Vin)にオフセット値Offsetが加算され、基礎信号(電圧値Vbase)が生成される(S34)。
次に、S38〜S42で、電圧値Vbaseが適正値に収まるように補正が行われる。具体的に、Vbaseが5V以上となれば4.99Vに補正され(S38:YES,S42)、0V未満となれば0Vに補正される(S38:NO,S39:YES,S40)。また、Vbaseが0V以上5V未満であれば(S38:NO,S39:NO)、Vbaseは適正値であると判断され、補正は行われない。
そしてS43に進み、基礎信号にECU3の基準電位を重畳して劣化信号を生成する処理が行われる。まず、A/Dコンバータ130(図6参照)を介して入力されるECU3の基準電位が取得され、変数Vstdとして記憶される(S43)。そして、この基準電位Vstdを基礎信号(電圧値Vbase)に加算することで、劣化信号が生成され、変数Voutとして記憶される(S44)。生成された劣化信号(電圧値Vout)は、D/Aコンバータ150に出力されてD/A変換され(S46)、出力バッファ140に出力される。その後S31に戻り、1msごとに新たに取得される基準信号を基に劣化信号が生成されることは、本実施の形態と同様である。出力バッファ140では、アナログの電圧値に変換された劣化信号をECU3に出力するが、次回の劣化信号(電圧値Vout)が生成されるまで、ECU3への出力は、前回の電圧値が維持された状態で行われる。このように、基準センサ2から取得した基準信号をA/D変換し、デジタル処理によって基礎信号を生成し、さらにその基礎信号から劣化信号をデジタルデータのまま生成して、D/A変換後、ECU3に出力してもよい。
また、本実施の形態のセンサシミュレータ1は、基準信号をオフセット補正した劣化信号を生成することができるが、前述したように、基準信号のゲインや応答特性、遅延時間を変更した劣化信号も生成することができるようにしてもよい。そして、上記のように基準信号のゲインや応答特性、遅延時間を変更する場合、ゲインを変更するための利得率、応答特性を変更するための変移率、遅延時間について、目標空燃比がリッチ側からリーン側へ変更された場合と、リーン側からリッチ側へ変更された場合とで、それぞれ個別に設定できるようにすると、精密な空燃比フィードバック制御を実現可能なシステムの開発をより高度に行えるセンサシミュレータ1を提供できる観点から、なおよい。
また、例えばUSBやRS262C等の入出力インターフェイスを備え、対応するケーブルを用いてパーソナルコンピュータに接続し、設定値等の入力や表示確認等を行ってもよい。また、基準センサ2の基準信号や、生成した劣化信号をその入出力インターフェイスを介してパーソナルコンピュータに出力し、パーソナルコンピュータ上で出力波形を生成してモニタリングできるようにしてもよいし、もちろん、表示部80に出力波形を表示させてもよい。
センサシミュレータ1の概略的な構成を示すブロック図である。 基準電位重畳出力回路40の概略的な電気回路の構成を示す図である。 EEPROM12の記憶エリアの構成を示す概念図である。 RAM13の記憶エリアの構成を示す概念図である。 基礎信号生成プログラムのフローチャートである。 変形例としてのセンサシミュレータ101概略的な構成を示すブロック図である。 変形例としての劣化信号生成プログラムのフローチャートである。
符号の説明
1 センサシミュレータ
2 基準センサ
10 マイクロコンピュータ
11 CPU
Vin 基準信号
Vbase 基礎信号
Vstd 基準電位
Vout 劣化信号
Offset オフセット値

Claims (4)

  1. 被測定ガス中の特定成分の濃度に応じた検出信号を出力するガスセンサが劣化したときの前記検出信号の出力値を疑似的に生成し、劣化信号として、内燃機関の制御を司る電子制御装置に出力するガスセンサの劣化信号生成装置であって、
    基準となる前記ガスセンサである基準センサに接続され、前記基準センサが出力する前記検出信号を基準信号として取得する基準信号取得手段と、
    取得した前記基準信号の出力値を、所望する劣化状態に応じて変更し、前記劣化信号の基となる基礎信号を生成する基礎信号生成手段と、
    前記電子制御装置が自身の駆動にあたって電位の基準とする基準電位を、前記電子制御装置から取得する基準電位取得手段と、
    前記基礎信号の出力値に前記基準電位を重畳し、前記劣化信号を生成する劣化信号生成手段と
    を備えたことを特徴とするガスセンサの劣化信号生成装置。
  2. 前記基礎信号生成手段は、前記基準信号の出力値を上下に変更するためのオフセット値を前記基準信号に重畳し、前記基礎信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの劣化信号生成装置。
  3. 前記劣化信号生成手段は、前記基礎信号生成手段が生成した前記基礎信号と、前記基準電位取得手段が取得した前記基準電位とが入力され、前記劣化信号を生成して前記電子制御装置へ出力する増幅器を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサの劣化信号生成装置。
  4. 前記劣化信号生成手段は、前記基礎信号生成手段が生成した前記基礎信号と、前記基準電位取得手段が取得した前記基準電位とが入力され、前記劣化信号を生成して前記電子制御装置へ出力するデジタル回路を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサの劣化信号生成装置。
JP2008102994A 2008-04-11 2008-04-11 ガスセンサの劣化信号生成装置 Expired - Fee Related JP4938721B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008102994A JP4938721B2 (ja) 2008-04-11 2008-04-11 ガスセンサの劣化信号生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008102994A JP4938721B2 (ja) 2008-04-11 2008-04-11 ガスセンサの劣化信号生成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008309774A true JP2008309774A (ja) 2008-12-25
JP4938721B2 JP4938721B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=40237493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008102994A Expired - Fee Related JP4938721B2 (ja) 2008-04-11 2008-04-11 ガスセンサの劣化信号生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4938721B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063329A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Denso Corp ガスセンサの劣化シミュレータ
JP2010169426A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Ngk Spark Plug Co Ltd 模擬信号生成装置
CN102012396A (zh) * 2009-09-03 2011-04-13 罗伯特.博世有限公司 用于检测物理测量量的电路装置
JP2011149780A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの劣化信号生成装置
JP2011247612A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Ngk Spark Plug Co Ltd NOxセンサの劣化シミュレータ
CN106501136A (zh) * 2016-11-23 2017-03-15 西南大学 一种复合离子电极电动势的采集电路系统和采集方法
JP2018200599A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 矢崎総業株式会社 書換えシステム、書換え装置及びコンピュータ
CN109932604A (zh) * 2019-04-03 2019-06-25 武汉菱电汽车电控系统股份有限公司 宽氧故障模拟方法、装置及系统
CN110687187A (zh) * 2019-11-21 2020-01-14 深圳市久驰精密科技有限公司 一种气体氧浓度传感器
US10936236B2 (en) 2017-04-12 2021-03-02 Yazaki Corporation Rewriting system, rewriting device and computer

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004093957A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの劣化シミュレータ
JP2004308488A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Hitachi Unisia Automotive Ltd 空燃比センサの擬似劣化信号発生装置
JP2004308446A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Toshiba Corp ディーゼル機関のNOx低減方法及びその方法に使用するディーゼル燃料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004093957A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの劣化シミュレータ
JP2004308446A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Toshiba Corp ディーゼル機関のNOx低減方法及びその方法に使用するディーゼル燃料
JP2004308488A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Hitachi Unisia Automotive Ltd 空燃比センサの擬似劣化信号発生装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063329A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Denso Corp ガスセンサの劣化シミュレータ
JP2010169426A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Ngk Spark Plug Co Ltd 模擬信号生成装置
CN102012396A (zh) * 2009-09-03 2011-04-13 罗伯特.博世有限公司 用于检测物理测量量的电路装置
JP2011149780A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの劣化信号生成装置
JP2011247612A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Ngk Spark Plug Co Ltd NOxセンサの劣化シミュレータ
CN106501136A (zh) * 2016-11-23 2017-03-15 西南大学 一种复合离子电极电动势的采集电路系统和采集方法
CN106501136B (zh) * 2016-11-23 2023-10-03 西南大学 一种复合离子电极电动势的采集电路系统和采集方法
US10936236B2 (en) 2017-04-12 2021-03-02 Yazaki Corporation Rewriting system, rewriting device and computer
JP2018200599A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 矢崎総業株式会社 書換えシステム、書換え装置及びコンピュータ
CN109932604A (zh) * 2019-04-03 2019-06-25 武汉菱电汽车电控系统股份有限公司 宽氧故障模拟方法、装置及系统
CN110687187A (zh) * 2019-11-21 2020-01-14 深圳市久驰精密科技有限公司 一种气体氧浓度传感器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4938721B2 (ja) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4938721B2 (ja) ガスセンサの劣化信号生成装置
JP5179523B2 (ja) 酸素センサの劣化信号生成装置
EP2239549B1 (en) Output compensator for in-cylinder pressure sensor, and in-cylinder pressure detector equipped with the same
JPH08201334A (ja) 空燃比検出装置
US9518954B2 (en) Gas sensor control device
JP2008008667A (ja) ガスセンサ制御装置
US20130186169A1 (en) Method for detecting the type of lambda probes
US10669963B2 (en) Anomaly determination apparatus and control system
US8166800B2 (en) Gas concentration detection apparatus and gas concentration detection system
JP6673194B2 (ja) 空燃比センサ制御装置
JP5053657B2 (ja) 酸素センサの劣化信号生成装置
JP5139337B2 (ja) 模擬信号生成装置
JP6265094B2 (ja) 制御装置、および、その製造方法
JP2005241540A (ja) ガス濃度測定装置
JP4758293B2 (ja) 酸素センサの劣化信号発生装置
JP2008256723A (ja) 筒内圧センサの出力補正装置及びこれを備えた筒内圧検出装置
JP2019015672A (ja) センサ状態模擬装置
JP2008291762A (ja) ガスセンサの疑似信号生成装置
US10533980B2 (en) Method for correcting measured values of a sensor element
JP2004028925A (ja) NOx測定装置及びNOxセンサの出力補正方法
US10203299B2 (en) Circuit and method for controlling a single-cell linear oxygen sensor
JP2019015674A (ja) センサ状態模擬装置
JP5118098B2 (ja) ガスセンサの疑似信号生成装置
JP2020047092A (ja) 自己診断機能付き電圧測定装置、及び、電圧測定装置の自己診断方法
JP2013213768A (ja) ガスセンサ回路装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120223

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4938721

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees