JP2008309283A - 回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置 - Google Patents

回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、製造コストを増大させることなく潤滑油量の減少による潤滑不足をなくする。
【解決手段】 ハウジング10内に支持した回転軸20に中心孔21を同軸的に形成し、回転軸の一端面20bと対向するハウジングの内面に取り付けられた潤滑油送入部材23の導入部23bを中心孔の一端面側から挿入して中心孔内に潤滑油を送り込み、この潤滑油を中心孔から回転軸の外周面20aに向かって放射方向に形成した複数の分配孔21a〜21dにより回転軸の外周面に設けた部材に供給する。中心孔の内面には回転軸20の回転による遠心力により潤滑油が保持される少なくとも1個の環状溝22a〜22cを形成し、複数の分配孔の少なくとも一部の半径方向内端はこの環状溝の底面に開口させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の変速機などにおける回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置、特に回転軸の外周面に設けた部材を中心孔内に供給した潤滑油により潤滑するようにした回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置に関する。
この種の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置としては、例えば特許文献1に記載された技術がある。図2はこの特許文献1と実質的に同じ技術を示すものであり、変速機ハウジング10内に互いに平行に回転自在に支持した2本の回転軸20,24には、互いに噛合される複数対の変速歯車26a,26b、27a,27b、28a,28b及び29a,29bが設けられ、回転軸20には第1及び第2変速クラッチ30,40が設けられている。回転軸20には、その中心孔21と外周面20aの間に、各変速歯車27a,28a,29aの各軸受部及び第2変速クラッチ40に潤滑油を供給する放射方向の分配孔21a〜21dが形成され、フランジ部23aがハウジング10に取り付けられた潤滑油送入部材23のパイプ部23bは一端面20bに形成された開口から回転軸20の中心孔21内に挿入され、その先端は複数の分配孔21a〜21dのうち回転軸20の一端面20bに最も近い第4分配孔21dよりも中心孔21の奥側に延長配置されている。
ハウジング10内で撹拌されて飛散される潤滑油は導入通路(図示省略)を介してハウジング10とフランジ部23aの間の空間Sに送り込まれ、パイプ部23bから矢印aに示すように中心孔21内に放出される。放出された潤滑油は中心孔21の奥に向かう流れと、パイプ部23bと中心孔21の間を通って一端面20b側に向かう流れに分かれ、前者は全て分配孔21a〜21cに供給され、後者は一部が分配孔21dに供給されて残りは矢印dに示すように、回転軸20の一端面20bの開口からハウジング10内に排出される。これにより、各分配孔21a〜21dから回転軸20の外周面20aに設けた部材への潤滑油の供給量を可及的に均一にすることができる。
特公平3−43518号公報(第3欄の第11行〜第16行、第5欄の第22行〜第6欄の第14行、図3)。
上述した技術では、潤滑油送入部材23のパイプ部23bから中心孔21内に供給された潤滑油は、回転軸20の回転による遠心力により通常は中心孔21の内面に一様に延びて広がっているが、作動中に回転軸20の軸線方向に向かう加速度が加わると、中心孔21内の潤滑油はその加速度の方向に流れて偏り、特にその加速度の方向が一端面20b方向に向かう場合は一端面20bに形成された開口から排出され、各分配孔21a〜21dを介して行われる回転軸20の外周面20aに設けた部材への潤滑油の供給が不足するという問題がある。このような問題は、上述した技術の潤滑油供給装置を備えた変速機を横置きに搭載した車両が走行中に繰り返して旋回を行った場合などに発生するおそれがある。これを解決する手段としてはパイプ部23bと中心孔21の間の隙間を減少させ、また螺旋溝により排出とは逆向きの流れを筒部23bと中心孔21の間に発生させる等の対策が考えられるが、加工精度及び組立精度を高める必要があるので製造コストが増大するという別の問題を生じる。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
このために、本発明による回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置は、ハウジング内にほゞ水平に回転自在に回転軸を支持し、回転軸に同軸的に形成した中心孔を回転軸の一端面に開口させ、回転軸の一端面と対向するハウジングの内面に取り付けられた潤滑油送入部材の導入部を中心孔に一端面側から挿入して中心孔内に潤滑油を送り込み、中心孔から回転軸の外周面に向かって放射方向に形成した複数の分配孔により中心孔内に送り込まれた潤滑油を回転軸の外周面に設けた部材に供給するようにした回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、中心孔の内面に回転軸の回転による遠心力により潤滑油が保持される少なくとも1個の環状溝を形成し、複数の分配孔の少なくとも一部の半径方向内端は環状溝の底面に開口させたことを特徴とするものである。
前項に記載の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、潤滑油送入部材の導入部の先端は複数の分配孔のうち回転軸の一端面に最も近い分配孔を越えた位置まで達するようにすることが好ましい。
前2項に記載の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、潤滑油送入部材は、回転軸の一端面と対向するハウジングの内面に取り付けられてこの内面との間に空間を形成するフランジ部と、一端がフランジ部に連結されて空間に連通されフランジ部から略直角に延びて中心孔内に挿入される筒状の導入部からなり、ハウジング内で撹拌される潤滑油はハウジングとフランジの間の空間内に導入されて導入部から中心孔内に送り込まれるようにすることが好ましい。
前3項に記載の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、回転軸の外周面には変速歯車を回転自在に支持するとともに変速歯車を回転軸に離脱可能に連結する変速クラッチを設け、分配孔は変速歯車および変速クラッチに潤滑油を供給することが好ましい。
上述のように、請求項1の発明によれば、中心孔の内面に回転軸の回転による遠心力により潤滑油が保持される少なくとも1個の環状溝を形成し、複数の分配孔の少なくとも一部の半径方向内端は環状溝の底面に開口させたので、潤滑油送入部材の導入部から回転軸の中心孔内に供給された潤滑油は、回転軸の回転による遠心力により環状溝内に入りその底面側に押し付けられてその内部に保持される。従って作動中に回転軸の軸線方向に加速度が加わっても、その加速度の向き如何に関わらず、環状溝内の潤滑油はそこに保持され、このように環状溝内に保持された潤滑油が、各分配孔から回転軸の外周面に設けた部材に供給されるので、軸線方向に加速度が加わった場合でも相当な期間は引き続き潤滑がなされて、一時的にせよ潤滑が不足するという問題は生じない。また、潤滑油送入部材の導入部と中心孔の間の隙間を減少させる必要はなく、中心孔の加工精度や潤滑油送入部材の加工精度及び取付精度を高める必要はないので、製造コストが増大することもない。
潤滑油送入部材の導入部の先端が複数の分配孔のうち回転軸の一端面に最も近い分配孔を越えた位置まで達するようにした請求項2の発明によれば、導入部の先端から中心孔内に供給される潤滑油が一端面に最も近い第4分配孔に過剰に供給されることはなくなるので、中心孔の奥部に形成された分配孔にも充分に潤滑油が分配される。従って前項に記載の効果に加えて、中心孔の奥部に形成された分配孔に連通される部材に潤滑不足が生じるおそれが減少する。
潤滑油送入部材は、回転軸の一端面と対向するハウジングの内面に取り付けられてこの内面との間に空間を形成するフランジ部と、一端がフランジ部に連結されて空間に連通されフランジ部から略直角に延びて中心孔内に挿入される筒状の導入部からなり、ハウジング内で撹拌される潤滑油がハウジングとフランジの間の空間内に導入されて導入部から中心孔内に送り込まれるようにした請求項3の発明によれば、前各項に記載の効果に加えて、潤滑油を供給するポンプを設ける必要がないので回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置の構造を簡略化して製造コストを少なくすることができる。
回転軸の外周面には変速歯車を回転自在に支持するとともに変速歯車を回転軸に離脱可能に連結する変速クラッチを設け、分配孔は変速歯車および変速クラッチに潤滑油を供給するようにした請求項4の発明によれば、前各項の効果を有する変速機を得ることができる。
以下に、図1により、本発明による回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置を実施するための最良の形態の説明をする。図1は本発明による回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置を、自動車の手動変速機に適用したものである。図2で説明した従来技術と同様、変速機ハウジング10内には互いに平行に回転自在に支持した入力軸(回転軸)20及び複軸(図示省略)が水平に設けられ、入力軸20及び複軸には、互いに噛合される複数対の変速歯車26a,2b、27a,27b、28a,28b及び29a,29bが設けられ、入力軸20には第1及び第2変速クラッチ30,40が設けられている。
ハウジング10は、ハウジング本体10aと、このハウジング本体10aの後壁に六角ボルト10cにより固定されたハウジングカバー10bよりなるものであり、ハウジング本体10aの前側(図1において右側)はクラッチハウジング(図示省略)にボルト止め固定されている。入力軸20及び複軸の後部は、ボールベアリング15及びテーパローラベアリング16を介して、ハウジング本体10aの後壁に回転自在に支持され、両ベアリング15,16は、皿ボルト12によりハウジング本体10aに固定される軸受カバー11によりハウジング本体10aに保持されている。入力軸20及び複軸の前部は、ハウジング本体10aが取り付けられるクラッチハウジングに、転がり軸受を介して支持されている。
図1には、各変速歯車対のうち、第2速変速歯車対26a,26b、第3速変速歯車対27a,27b、第4速変速歯車対28a,28b及び第5速変速歯車対29a,29bが図示され、第1速変速歯車対は図示が省略されている。第2速変速歯車対26a,26bの駆動歯車26aはハウジング本体10aの後壁から前側に距離をおいて入力軸20に固定され、第2速駆動歯車26aとボールベアリング15の間となる入力軸20の外周面20aには、第3速駆動歯車27a及び第4速駆動歯車28aがニードルローラベアリングを介して回転自在に支持され、この第3速及び第4速駆動歯車27a,28aの間には、各駆動歯車27a,28aを入力軸20に選択的に連結する第1変速クラッチ30が設けられている。またボールベアリング15のすぐ後側となる入力軸20の外周面20aには、第5速駆動歯車29aがニードルローラベアリングを介して回転自在に支持され、そのすぐ後側には、第5速駆動歯車29aを入力軸20に選択的に連結する第2変速クラッチ40が設けられている。
入力軸20には、第2変速クラッチ40側となる一端面20bから、第2速駆動歯車26aの少し手前に位置に達する中心孔21が同軸的に形成されている。また入力軸20には、第3〜第5速駆動歯車27a〜29aを支持するニードルローラベアリングを設ける軸線方向各位置及び第2変速クラッチ40を設ける軸線方向各位置に、中心孔21から入力軸20の外周面20aに向かって放射方向に延びるそれぞれ複数の分配孔21a〜21dが形成されている。また中心孔21の内面には、第3〜第5速駆動歯車27a〜29aの各ニードルローラベアリングと対応する軸線方向各位置に3個の環状溝22a〜22cが形成され、複数の分配孔21a〜21dのうち、最も一端面20b側となる第4分配孔21dを除く3組の分配孔21a〜21cの半径方向内端は環状溝22a〜22cの底面に開口されている。各環状溝22a〜22cの断面形状は四角で、その横幅は各環状溝22a〜22cの径よりも大きく、深さは横幅と同程度である。
入力軸20の中心孔21内に潤滑油を供給する潤滑油送入部材23は、補強リブの打ち出しにより補強された略平板状のフランジ部23aと、このフランジ部23aの中央に形成されたフランジ付き穴内に一端部が挿入固着されて略直角方向に延びる中心孔21よりも細い外径の筒部(導入部)23bからなるものである。フランジ部23aは、入力軸20の一端面20bと対向するハウジング10のハウジングカバー10bの内面に、筒部23bが中心孔21と同軸的に配置されるように取り付けられ、図1に示すように組み立てた状態では、潤滑油送入部材23の筒部23bは中心孔21内に挿入されて、その先端は入力軸20の一端面20bに最も近い分配孔21dを越えた位置まで達している。フランジ部23aの外周部は上部を除いてはハウジングカバー10bの内面に密着するように取り付けられて、フランジ部23aの中央部にはハウジングカバー10bの内面との間に空間Sが形成され、ハウジング本体10a内で撹拌されて飛散される潤滑油は重力により導入通路(図示省略)を介して空間Sに送り込まれ、筒部23bから矢印aに示すように入力軸20の中心孔21内に放出される。
第1変速クラッチ30は、スプラインを介して入力軸20の外周面20aに固定されたクラッチハブ31と、このクラッチハブ31の外周の外歯スプライン31aに内周の内歯スプライン32aが軸線方向摺動可能にスプライン係合されたスリーブ32を有している。第3速駆動歯車27aに同軸的に固着された第1ギヤピース33とクラッチハブ31の間には第1シンクロナイザリング36が設けられ、第1ギヤピース33と第1シンクロナイザリング36には互いに摩擦係合離脱可能なコーン面とコーン穴が形成され、またスリーブ32の内歯スプライン32aと係合離脱可能な外歯スプライン33a,36aがそれぞれ設けられている。同様に、第4速駆動歯車28aに固着された第2ギヤピース34とクラッチハブ31の間には第2シンクロナイザリング37が設けられ、第2ギヤピース34と第2シンクロナイザリング37には互いに摩擦係合離脱可能なコーン面とコーン穴が形成され、またそれぞれスリーブ32の内歯スプライン32aと係合離脱可能な外歯スプライン34a,37aを備えている。両シンクロナイザリング36,37は、図示の中立位置では何れも軸線方向に多少移動自在である。
作動に際しては、入力軸20とともに回転するスリーブ32が、環状溝32bに係合されたシフトフォーク(図示省略)により、図示の中立位置から右向きにシフトされれば、シフティングキー35を介して第1シンクロナイザリング36が右向きに押され、第1ギヤピース33のコーン面と第1シンクロナイザリング36のコーン穴が摩擦係合され、また第1シンクロナイザリング36の外歯スプライン36aがスリーブ32の内歯スプライン32aと係合されて第3速駆動歯車27aが入力軸20と同期された後、第1ギヤピース33の外歯スプライン33aがスリーブ32の内歯スプライン32aと係合され、第3速駆動歯車27aは入力軸20と連結されて第3速段が形成される。この状態からスリーブ32が中立位置に戻されれば、第3速駆動歯車27aと入力軸20の連結は解除される。これと逆に、スリーブ32が中立位置から左向きにシフトされれば、同様にして第4速駆動歯車28aが入力軸20と同期された後、第2ギヤピース34の外歯スプライン34aがスリーブ32の内歯スプライン32aと係合されて第4速駆動歯車28aは入力軸20と連結されて第4速段が形成され、中立位置に戻されれば、第4速駆動歯車28aと入力軸20の連結は解除される。
第2変速クラッチ40は、スプラインを介して入力軸20の外周面20aに固定されたクラッチハブ41と、このクラッチハブ41の外周の外歯スプライン41aに内周の内歯スプライン42aが軸線方向摺動可能にスプライン係合されたスリーブ42を有している。第5速駆動歯車29aとクラッチハブ41の間には、内側から外側に重なるように、クラッチハブ41に係合されてこれとともに回転されるインナリング44と、第5速駆動歯車29aに係合されてこれとともに回転されるミドルリング45と、スリーブ42に係合されてこれとともに回転されるアウタリング46が、何れも軸線方向に多少移動自在に設けられ、インナリング44とミドルリング45の間、およびミドルリング45とアウタリング46の間には、それぞれ互いに摩擦係合離脱可能なコーン面とコーン穴が形成されており、アウタリング46の背面側にはプルリング47が係合されている。また第5速駆動歯車29aにはスリーブ42の内歯スプライン42aと係合離脱可能な外歯スプライン43が形成されている。クラッチハブ41には、入力軸20の第4分配孔21dと連通される半径方向に貫通する連通孔41bが形成されている。
入力軸20とともに回転するスリーブ42が、環状溝42bに係合されたシフトフォーク(図示省略)により、図示の中立位置から右向きにシフトされれば、第1シフティングキースプリング48を介してアウタリング46が右向きに押され、アウタリング46とミドルリング45とインナリング44が各コーン面とコーン穴により摩擦係合されて第5速駆動歯車29aが入力軸20と同期された後、第5速駆動歯車29aの外歯スプライン43がスリーブ42の内歯スプライン42aと係合され、第5速駆動歯車29aは入力軸20と連結されて第5速段が形成される。この状態からスリーブ42が中立位置に戻されれば、第5速駆動歯車29aと入力軸20の連結が解除されるとともに、第2シフティング
キースプリング49を介して左向きに押されるプルリング47によりアウタリング46が戻されて、アウタリング46とミドルリング45とインナリング44の間の各コーン面とコーン穴による摩擦係合が解除される。
上述した実施形態による手動変速機の作動状態では、変速歯車26a,26b、27a,27b、28a,28b等により撹拌されて飛散されたハウジング本体10a内の潤滑油は、図示を省略した導入通路を介してハウジングカバー10bの内面とフランジ部23aの間の空間Sに送り込まれ、筒部23bから矢印aに示すように中心孔21内に放出される。中心孔21内に挿入された潤滑油送入部材23の筒部23bの先端は回転軸20の一端面20bに最も近い第4分配孔21dを越えた位置まで達しており、筒部23bから中心孔21内に放出された潤滑油は、先ず入力軸20の回転による遠心力により、環状溝22a〜22c内に入りその底面側に押し付けられてその内部に保持される。従って作動中に入力軸20の軸線方向に加速度が加わっても、その加速度の向き如何に関わらず、環状溝22a〜22c内の潤滑油はそこから出ることなく保持される。従って環状溝22a〜22c内に保持された潤滑油が、各分配孔21a〜21cから変速歯車27a,28a,29aを入力軸20に支持する各ニードルローラベアリングに供給されるので、相当な期間は引き続き潤滑がなされて、一時的にせよ潤滑が不足するという問題は生じない。なお、筒部23bと中心孔21の間の隙間を減少させなくても上記作用は行われ、従って中心孔21の加工精度や潤滑油送入部材23の加工精度及び取付精度を高める必要はないので、製造コストが増大することもない。
上述した実施形態では、最も一端面20b側となる第4分配孔21dの中心孔21への開口箇所には環状溝を設けていないが、この部分にも環状溝22a〜22cと同様な環状溝を設けるようにして実施してもよい。
また上述した実施形態では、入力軸20の一端面20bと対向するハウジングカバー10bの内面と、この内面に取り付けられる潤滑油送入部材23のフランジ部23aとの間に空間Sを形成して、この空間Sにハウジング本体10a内で撹拌され飛散される潤滑油が導入通路を介して送り込まれるようにしており、このようにすれば潤滑油を供給するポンプを設ける必要がないので回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置の構造を簡略化して製造コストを少なくすることができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、潤滑油ポンプにより潤滑油送入部材23に潤滑油を送り込むようにして実施することもできる。
なお上述した実施形態では、本発明を自動車の手動変速機に適用した例につき説明したが、本発明は自動車の手動変速機に限られるものではなく、回転軸を備えたその他の機器に適用することも可能である。
本発明による回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置の一実施形態の要部の構造を示す断面図である。 従来技術による回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
10…ハウジング、20…回転軸(入力軸)、20a…外周面、20b…一端面、21…中心孔、21a〜21d…分配孔、22a〜22c…環状溝、23…潤滑油送入部材、23a…フランジ部、23b…導入部(筒部)、27a,28a,29a…変速歯車(駆動歯車)、30,40…変速クラッチ、S…空間。

Claims (4)

  1. ハウジング内にほゞ水平に回転自在に回転軸を支持し、前記回転軸に同軸的に形成した中心孔を前記回転軸の一端面に開口させ、前記回転軸の前記一端面と対向する前記ハウジングの内面に取り付けられた潤滑油送入部材の導入部を前記中心孔に前記一端面側から挿入して前記中心孔内に潤滑油を送り込み、前記中心孔から前記回転軸の外周面に向かって放射方向に形成した複数の分配孔により前記中心孔内に送り込まれた潤滑油を前記回転軸の外周面に設けた部材に供給するようにした回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、前記中心孔の内面に前記回転軸の回転による遠心力により潤滑油が保持される少なくとも1個の環状溝を形成し、前記複数の分配孔の少なくとも一部の半径方向内端は前記環状溝の底面に開口させたことを特徴とする回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置。
  2. 請求項1に記載の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、前記潤滑油送入部材の導入部の先端は前記複数の分配孔のうち回転軸の一端面に最も近い分配孔を越えた位置まで達するようにしたことを特徴とする回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、前記潤滑油送入部材は、前記回転軸の前記一端面と対向する前記ハウジングの内面に取り付けられてこの内面との間に空間を形成するフランジ部と、一端が前記フランジ部に連結されて前記空間に連通され前記フランジ部から略直角に延びて前記中心孔内に挿入される筒状の前記導入部からなり、前記ハウジング内で撹拌される潤滑油は前記ハウジングとフランジの間の前記空間内に導入されて前記導入部から前記中心孔内に送り込まれるようにしたことを特徴とする回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置において、前記回転軸の外周面には変速歯車を回転自在に支持するとともに前記変速歯車を前記回転軸に離脱可能に連結する変速クラッチを設け、前記分配孔は前記変速歯車および変速クラッチに潤滑油を供給することを特徴とする回転軸に設けた部材への潤滑油供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102016205549A1 (de) * 2016-04-04 2017-10-05 Zf Friedrichshafen Ag Hohlwelle für eine Schmiermittelversorgung eines Schaltgetriebes
CN109282132A (zh) * 2018-10-27 2019-01-29 湛江市恒润机械有限公司 一种颗粒机注油系统

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