JP2008308751A - プラスチック成形金型用鋼材およびその製造方法 - Google Patents
プラスチック成形金型用鋼材およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008308751A JP2008308751A JP2007159681A JP2007159681A JP2008308751A JP 2008308751 A JP2008308751 A JP 2008308751A JP 2007159681 A JP2007159681 A JP 2007159681A JP 2007159681 A JP2007159681 A JP 2007159681A JP 2008308751 A JP2008308751 A JP 2008308751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel material
- hardness
- steel
- less
- back surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
【課題手段】加工面の硬さ(ロックウエルC硬さ、以下同じ。)が25以上で、裏面の硬さが22〜28であり、かつ加工面の硬さが裏面の硬さより3以上硬いプラスチック成形金型用鋼材。この鋼材は、例えば、質量%で、C:0.05〜0.55%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.10〜1.50%、Cr:0.50〜1.70%、Mo:0.25〜0.50%、V:0.03〜0.10%、P:0.035%以下、S:0.050%以下、Al:0.02%以下およびO(酸素):0.030%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成を有するものである。
【選択図】なし
Description
C:0.05〜0.55%、 Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.10〜1.50%、 Cr:0.50〜1.70%、
Mo:0.25〜0.50%、 V:0.03〜0.10%、
P:0.035%以下、 S:0.050%以下、
Al:0.02%以下およびO(酸素):0.030%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成を有する上記(1)のプラスチック成形金型用鋼材。
C:0.05〜0.55%、 Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.10〜1.50%、 Cr:0.50〜1.70%、
Mo:0.25〜0.50%、 V:0.03〜0.10%、
P:0.035%以下、 S:0.050%以下、
Al:0.02%以下およびO(酸素):0.030%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなるものである上記(4)のプラスチック成形金型用鋼材の製造方法。
鋼材の加工面の硬さは、ロックウエルC硬さで、25以上とする必要がある。加工面には、金型形状が加工され、加工外周部が成形時の型締めの際に圧力を受けるPL面となる。そのため、PL面を構成する加工面の硬さが25未満の場合、金型の耐久性が不十分となる。
C:0.05〜0.55%
Cは鋼の耐力を高めるのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.05%未満では、鋼の耐力を確保することが難しい。一方、0.55%を超えると、中心部まで十分な焼入れ性を確保するために大量の焼入れ性元素の添加が必要となる。このため、金型材のコストが上昇すると共に、熱伝導率が低下する。従って、Cの含有量は0.05〜0.55%とするのが望ましい。
Siは、溶鋼の脱酸剤であるとともに、被削性を改善するのに有効な元素である。この効果が顕著となるのは、Si含有量が0.10%以上の場合である。しかし、Siは、熱伝導率を低下させるので、0.50%以下に制限するのがよい。従って、Siの含有量は0.1〜0.5%とするのが望ましい。
Mnは、鋼の熱間加工性および焼入性を向上させるのに有効な元素である。この効果はMnの含有量が0.10%以上の場合に顕著となる。しかし、Mn含有量が1.5%を超えると、熱伝導率を低下させる。従って、Mn含有量は0.10〜1.50%とするのが望ましい。
Crは、鋼の熱間加工性および焼入性を向上させるのに有効な元素である。この効果は、Crの含有量が0.50%以上の場合に顕著となる。しかし、Cr含有量が1.7%を超えると、熱伝導率を低下させる。従って、Crの含有量は0.50〜1.70%とするのが望ましい。
Moは、少量の添加で焼入性の向上および焼戻し脆化の防止を実現できる元素である。この効果は、Moの含有量が0.25%以上の場合に顕著となる。しかし、Moは高価であり、他の焼入れ性元素同様に鋼の熱伝導率を低下させる作用もある。従って、Moの含有量は0.25〜0.50%とするのが望ましい。なお、バンパー用途等の大型金型の場合には、そのサイズとコストを考慮して、下限は0.30%、上限は0.40%とすることが好ましい。
Vは、高価な元素であるが、少量で鋼の焼戻し軟化抵抗を向上できる元素である。この効果は、Vの含有量が0.03%以上の場合に顕著となる。しかし、その含有量が多すぎると、鋼の被削性の低下および靱性の低下を招く。従って、Vの含有量は0.03〜0.10%とするのが望ましい。なお、バンパー用途等の大型金型の場合には、そのサイズとコストを考慮して、下限は0.05%、上限は0.07%とすることが好ましい。
Pは、鋼の靱性を害するので、その含有量はできる限り低いことが望ましい。通常の工業的な精錬方法で製造できる範囲として、その含有量は0.035%以下に制限するのが望ましい。
Sは、被削性の向上に有効な元素である。しかし、Sの含有量が過剰な場合には、鋼の靱性には有害であり、また、溶接割れを起こしやすくする。従って、S含有量は、0.050%以下とするのが望ましい。ただし、通常の不純物レベルでもよい。
Alは、溶鋼の脱酸剤として有効な元素であるが、その脱酸生成物であるAl2O3系介在物が鋼中に残る。このAl2O3系介在物は、硬質であり、被削性を低下させ、しかも意匠面の磨きの際にピンホールの原因となる。従って、鋼中のAl含有量は少ない方が望ましい。従って、Al含有量は0.02%とするのが望ましい。なおAl含有量は、sol.Alを含む全Al含有量である。
Oは、AlまたはSiと結合して酸化物となり、磨き工程でのピンホールの原因となる。よって鋼中のO量は少ない方が望ましい。従って、Oの含有量は0.030%以下に制限するのが望ましい。なお、好ましい含有量は0.015%以下である。
本発明のプラスチック成形金型用鋼材は、焼戻し処理以外の工程は、通常工業的に用いられている製造設備および製造方法で製造することができる。例えば、アーク式電気炉で原料を溶解して精錬した後、所定の化学組成になるように合金元素を添加して成分調整し、造塊法よって鋼塊に鋳造する。電気炉の代わりに転炉を用いることもできるし、造塊法の代わりに連続鋳造法を採用してもよい。鋳塊を熱間鍛造により所定形状とし、焼鈍し、その後、焼入れ焼戻し処理を行う。鍛造後の鋼材の形状は直方体、凹形等いずれの形状でも良い。また、焼入れは水焼入れおよび油焼入れのいずれでもよい。
Claims (5)
- ロックウエルC硬さで、加工面の硬さが25以上で、裏面の硬さが22〜28であり、かつ加工面の硬さが裏面の硬さより3以上硬いことを特徴とするプラスチック成形金型用鋼材。
- 質量%で、
C:0.05〜0.55%、
Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.10〜1.50%、
Cr:0.50〜1.70%、
Mo:0.25〜0.50%、
V:0.03〜0.10%、
P:0.035%以下、
S:0.050%以下、
Al:0.02%以下および
O(酸素):0.030%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成を有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形金型用鋼材。 - 加工面の加熱温度より裏面の加熱温度が30℃以上高い条件で焼戻ししたことを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック成形金型用鋼材。
- プラスチック成形金型用鋼材を、裏面の加熱温度が加工面より30℃以上高い条件で焼戻しすることを特徴とするプラスチック成形金型用鋼材の製造方法。
- 鋼材の化学組成が、質量%で、
C:0.05〜0.55%、
Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.10〜1.50%、
Cr:0.50〜1.70%、
Mo:0.25〜0.50%、
V:0.03〜0.10%、
P:0.035%以下、
S:0.050%以下、
Al:0.02%以下および
O(酸素):0.030%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなるものであることを特徴とする請求項4に記載のプラスチック成形金型用鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007159681A JP5126773B2 (ja) | 2007-06-18 | 2007-06-18 | プラスチック成形金型用鋼材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007159681A JP5126773B2 (ja) | 2007-06-18 | 2007-06-18 | プラスチック成形金型用鋼材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008308751A true JP2008308751A (ja) | 2008-12-25 |
JP5126773B2 JP5126773B2 (ja) | 2013-01-23 |
Family
ID=40236607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007159681A Active JP5126773B2 (ja) | 2007-06-18 | 2007-06-18 | プラスチック成形金型用鋼材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5126773B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101956144A (zh) * | 2010-11-01 | 2011-01-26 | 机械科学研究总院先进制造技术研究中心 | 一种制备马氏体加铁素体塑料模具钢的热处理方法 |
CN108165887A (zh) * | 2018-01-09 | 2018-06-15 | 唐山钢铁集团有限责任公司 | 一种钒强化的预硬化塑料模具钢板及其生产方法 |
CN113564457A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-10-29 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种调质预硬型塑料模具钢板及其制备方法 |
CN115478217A (zh) * | 2022-09-15 | 2022-12-16 | 江西理工大学 | 一种高尔夫球头用低密度高强稀土钢及其制备方法和应用 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62136554A (ja) * | 1985-12-10 | 1987-06-19 | Ngk Insulators Ltd | 成形金型用鋳鋼 |
JPH02197548A (ja) * | 1989-01-25 | 1990-08-06 | Kobe Steel Ltd | 鏡面加工性及び被削性にすぐれるプレハードン鋼 |
JPH02301511A (ja) * | 1989-05-15 | 1990-12-13 | Kobe Steel Ltd | 曲げ加工性の優れた耐摩耗用鋼板の製造方法 |
JPH03115523A (ja) * | 1989-09-28 | 1991-05-16 | Kobe Steel Ltd | 直接焼入型プレハードン鋼の製造方法 |
JPH06299235A (ja) * | 1993-02-18 | 1994-10-25 | Kobe Steel Ltd | 被削性の優れた硬さhrc27以上を有する金型用鋼の製造方法 |
JPH0841534A (ja) * | 1994-07-27 | 1996-02-13 | Kobe Steel Ltd | 金型用プリハードン鋼の製造方法 |
JPH11158579A (ja) * | 1997-11-26 | 1999-06-15 | Daido Steel Co Ltd | プラスチック成形金型用鋼 |
-
2007
- 2007-06-18 JP JP2007159681A patent/JP5126773B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62136554A (ja) * | 1985-12-10 | 1987-06-19 | Ngk Insulators Ltd | 成形金型用鋳鋼 |
JPH02197548A (ja) * | 1989-01-25 | 1990-08-06 | Kobe Steel Ltd | 鏡面加工性及び被削性にすぐれるプレハードン鋼 |
JPH02301511A (ja) * | 1989-05-15 | 1990-12-13 | Kobe Steel Ltd | 曲げ加工性の優れた耐摩耗用鋼板の製造方法 |
JPH03115523A (ja) * | 1989-09-28 | 1991-05-16 | Kobe Steel Ltd | 直接焼入型プレハードン鋼の製造方法 |
JPH06299235A (ja) * | 1993-02-18 | 1994-10-25 | Kobe Steel Ltd | 被削性の優れた硬さhrc27以上を有する金型用鋼の製造方法 |
JPH0841534A (ja) * | 1994-07-27 | 1996-02-13 | Kobe Steel Ltd | 金型用プリハードン鋼の製造方法 |
JPH11158579A (ja) * | 1997-11-26 | 1999-06-15 | Daido Steel Co Ltd | プラスチック成形金型用鋼 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101956144A (zh) * | 2010-11-01 | 2011-01-26 | 机械科学研究总院先进制造技术研究中心 | 一种制备马氏体加铁素体塑料模具钢的热处理方法 |
CN101956144B (zh) * | 2010-11-01 | 2012-07-04 | 机械科学研究总院先进制造技术研究中心 | 一种制备马氏体加铁素体塑料模具钢的热处理方法 |
CN108165887A (zh) * | 2018-01-09 | 2018-06-15 | 唐山钢铁集团有限责任公司 | 一种钒强化的预硬化塑料模具钢板及其生产方法 |
CN113564457A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-10-29 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种调质预硬型塑料模具钢板及其制备方法 |
CN115478217A (zh) * | 2022-09-15 | 2022-12-16 | 江西理工大学 | 一种高尔夫球头用低密度高强稀土钢及其制备方法和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5126773B2 (ja) | 2013-01-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100429050B1 (ko) | 플라스틱용금형의제조를위한저합금강,용접용와이어및블록 | |
CN100494457C (zh) | 超厚非调质塑料模具钢及其制造方法 | |
CN102286698B (zh) | 一种塑料模具钢及其制造方法 | |
JP5869475B2 (ja) | 低炭素マルテンサイトステンレス鋼合金、その合金製のプラスチック射出成形金型及びその製造方法、並びに、その金型を利用した方法 | |
EP2586884A2 (en) | Ultra-high-strength steel bar and method for manufacturing same | |
CN104674132A (zh) | 混合型模具钢及其制造方法 | |
KR20100135205A (ko) | 열간가공 공구강 및 이를 이용한 철강제품 | |
JP5093010B2 (ja) | 熱間加工用金型 | |
AU708257B2 (en) | Steel repairable by welding for the manufacture of moulds for plastics | |
JP5126773B2 (ja) | プラスチック成形金型用鋼材およびその製造方法 | |
CN108624826A (zh) | 模具用钢及其制造方法 | |
JP5641298B2 (ja) | プラスチック成形金型用鋼の製造方法 | |
JPH0949067A (ja) | プラスチック成形金型用鋼 | |
US20080073006A1 (en) | Low alloy steel plastic injection mold base plate, method of manufacture and use thereof | |
JP2005240135A (ja) | 曲げ加工性に優れた耐摩耗鋼の製造方法および耐摩耗鋼 | |
JP2866113B2 (ja) | 耐食性金型用鋼 | |
US20080178969A1 (en) | Method of manufacturing plastic injection mold tooling | |
KR101379058B1 (ko) | 고경도 및 고인성 석출경화형 금형강 및 그 제조방법 | |
JP2012149277A (ja) | プラスチック成形金型用鋼の製造方法 | |
JP3206438B2 (ja) | 仕上精度に優れるプラスチック金型および同用鋼 | |
KR101630981B1 (ko) | 냉간가공성이 우수한 선형 또는 봉형 강 및 그 제조방법 | |
JPH0841534A (ja) | 金型用プリハードン鋼の製造方法 | |
JPH11181549A (ja) | 溶接性に優れた鋳物製冷間工具およびその製造方法 | |
KR101909501B1 (ko) | 굽힘강도가 우수한 주강 및 이를 이용한 금형 및 공구 | |
JPH06299235A (ja) | 被削性の優れた硬さhrc27以上を有する金型用鋼の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090827 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121002 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121011 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20121011 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121023 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5126773 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |