JP2008308371A - 異方形状粒子および該粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2個の金属酸化物粒子が、金属コロイド粒子を介在して結合してなることを特徴とする異方形状粒子。メルカプト基(チオール基:-SH)含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)と、アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)とが、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)を介在させる。
【選択図】図3
Description
例えば、フォトニック結晶においては,粒子サイズとその配列構造に依存して,光の閉じこめや特定波長のみを透過あるいは反射させることが可能である。また、粒子間の空隙サイズを一定にすることによりサイズ選択的なフィルター材料とすることが期待される。
粒子で単層被覆した複合粒子が得られ、ついで、メルカプト基含有シラン化合物で表面処理した粒子径の小さな金属酸化物粒子(B)分散液を混合し、水酸化ナトリウム水溶液を添加することで、金属酸化物微粒子(B)が、複合粒子表面の金属コロイド粒子と連結し
たのち、金属コロイド粒子とともに、複合粒子表面から脱離し、さらに金属酸化物粒子(B)と粒子径が異なるアミノ基含有シラン化合物で処理した金属酸化物粒子(C)分散液を混合することによって粒子(B)と粒子(C)とが金属コロイド粒子を介在して結合した異方形状の粒子が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は、以下の通りである。
[1]2個の金属酸化物粒子が、金属コロイド粒子を介在して結合してなることを特徴とする異方形状粒子。
[2]メルカプト基(チオール基:-SH)含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)と、
アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)とが、
カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)を介在させて結合してなる[1]の異方形状粒子。
[3]前記金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB)が20〜400nmの範囲にあり、金属酸
化物粒子(C)の平均粒子径(DC)が100〜1000nmの範囲にあり、前記金属コロイ
ド粒子(M)の平均粒子径(DM)が2〜100nmの範囲にあり、各平均粒子径が下記の関係にある[1]または[2]の異方形状粒子。
[4]前記金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB)、金属酸化物粒子(C)の平均粒子
径(DC)および金属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が下記の関係にある[1]〜[3]の異方形状粒子。
DB / DM =2〜10
[5]前記各金属酸化物粒子がシリカ粒子である[1]〜[4]の異方形状粒子。
[6]前記金属コロイド粒子がIB族、VIII族元素から選ばれる金属の1種以上からなる[1]〜[5]の異方形状粒子。
[7]前記金属がAu、Ag、Cu、Pt、Pdから選ばれる1種以上である[6]の異方形状粒子。
[8]下記の工程(a)〜(d)からなることを特徴とする異方形状粒子の製造方法;
(a)アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A)分散液と、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)分散液とを混合する工程、
(b)メルカプト基(チオール基:-SH)含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)分散液を混合する工程、
(c)アルカリ金属水溶液を添加する工程、
(d)アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)分散液を混合す
る工程。
[9]前記金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)が100〜2000nmの範囲にあり、前記金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB)が20〜400nmの範囲にあり、前記金
属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)が100〜1000nmの範囲にあり、前記金
属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が2〜100nmの範囲にあり、各平均粒子
径が下記の関係にある[8]の異方形状粒子の製造方法。
[10]前記金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)、金属酸化物粒子(B)の平均粒子
径(DB)、金属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)および金属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が下記の関係にある[8]または[9]の異方形状粒子の製造方法。
DC/DB=2〜10
DB/DM=2〜10
[11]前記各金属酸化物粒子がシリカ粒子である[8]〜[10]の異方形状粒子の製造方法。
[12]前記金属コロイド粒子がIB族、VIII族元素から選ばれる金属の1種以上からなる[8]
〜[11]の異方形状粒子の製造方法。
[13]前記金属がAu、Ag、Cu、Pt、Pdから選ばれる1種以上である[12]の異方形状粒子の製造方法。
[14]前記で得られた異方形状粒子を不活性ガス雰囲気下または還元ガス雰囲気下、200〜600℃で加熱処理する[8]〜[13]の異方形状子の製造方法。
このような異方形状粒子は、フォトニック結晶においては、粒子サイズとその配列構造
に依存して、光の閉じ込めや特定波長のみを透過あるいは反射させることが可能である。また、粒子間の空隙サイズを一定にすることによりサイズ選択的なフィルター材料とすることが期待されている。
異方形状粒子
本発明に係る異方形状粒子は、2個の金属酸化物粒子が、金属コロイド粒子を介在して
結合してなる
本発明の異方形状粒子の1態様のモデル図を図1に示す。
本発明に用いる金属酸化物粒子としては、SiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2、SiO2・Al2O3、SiO2・ZrO2等の酸化物粒子、複合酸化物粒子を用いることができる。なかでも、シリカ粒子は真球状の微粒子が得られるので好適に用いることができる。金属酸化物粒子(小さいものを粒子(B)と大きいものを粒子(C)とする)は、同じ金属酸化物であっても異なるものであってもよい。
nmの範囲にあることが好ましい。金属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)が100
〜1000nm、さらには200〜500nmの範囲にあることが好ましい。なお、DC
とDBとは同じであってもよいが、好ましくはDCとDBである。
きいと、金属酸化物粒子(B)と(C)で大きさが同程度になり、異方形状の粒子の効果が充分得られないことがある。
状粒子の効果が充分得られないことがある。(DC)が大きすぎても、金属酸化物粒子(B)と(C)との粒子径比が大きく、真球状の粒子と類似し、異方形状粒子の効果が充分得られないことがある。
金属コロイド粒子(M)
金属コロイド粒子としては、IB族、VIII族元素から選ばれる金属の1種以上からなる金属コロイド粒子が用いられる。具体的には、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、Fe等の金属コロイド粒子が挙げられる。なかでも、Au、Ag、Cu、Pt、Pdの金属コロイド粒子は好適に用いることができ、特にAuコロイド粒子は化学的に安定であり、好適に用いることができる。
mの範囲にあることが好ましい。このとき、金属酸化物粒子(B)および(C)の平均粒
子径との関係はDC≧DB>DMの関係あり、特にDB/DM=2〜10の範囲にあることが
好ましい。
ことができない場合があり、大きすぎると金属酸化物粒子を結合できたとしても異方形状粒子として不適合となることがある。
れ、金属コロイド粒子(M)がカルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機
化合物で表面処理されたものであると、金属コロイド粒子を介在して、金属酸化物粒子(B)と(C)が強固に結合したものが得られる。
メルカプト基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)は、金属酸化物粒子(B)の表面を、メルカプト基を有するシラン化合物で処理されている。
アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)は前記金属酸化物粒子(C)の表面を、アミノ基を有するシラン化合物で処理されている。
リング剤処理と同様に行うことができ、具体的には金属酸化物粒子(C)水分散液にアミノ基を有するシラン化合物が必要量溶解したアルコール溶液を添加する。ここで、必要量は金属酸化物粒子(C)の粒子径(粒子表面積)によっても異なるが少なくとも金属酸化物粒子(C)の表面を充分に覆うに足る量であることが好ましいが、金属酸化物粒子(C)のすくなくとも一部分が処理されていれば,異方形状粒子を調製することができる。
カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)は、前記金属コロイド粒子が表面をカルボキシル基および/またはカルボキシレート基を有する有機化合物で処理されている。
る。
法によっても調製することができる。(Frensの方法とは,煮沸した塩化金酸水溶液にク
エン酸ナトリウム水溶液を加えて還元する手法で,調製された金粒子は、表面にクエン酸ナトリウムが吸着しているため、カルボキシアニオン(-COO-)により安定化されている
。)
本発明では、金属コロイド粒子表面のカルボキシル基および/またはカルボキシレート基が、金属酸化物粒子(C)表面のアミノ基および金属酸化物粒子(B)表面のメルカプト基と親和性が高く、これによって、金属酸化物粒子(B)と(C)とを橋渡しするように結合させる。
つぎに、本発明に係る異方形状粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る異方形状粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(d)からなることを特徴としている。
(b)メルカプト基(チオール基:-SH)含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)分散液を混合する工程、
(c)アルカリ金属水溶液を添加する工程、
(d)アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)分散液を混合す
る工程。
[(a)工程]
(i)アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A)分散液
アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A)としては、前記アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)と同様の粒子を用いることができる。この場合、後述する工程(d)で使用するアミノ基を有するシラン化合物で処理した金属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)とアミノ基含有シラン化合物で表面処
理された金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)とが同じであってもよいが、平均粒
子径(DA)が平均粒子径(DC)より大きいことが好ましい。
〜1200nmの範囲にあることが好ましい。
(DA)が小さいと、工程(d)の後、得られた異方形状粒子から必要に応じて金属酸
化物粒子(A)を分離する際に分離が困難となることがある。(DA)が大きすぎると、
中間工程での異方性粒子の生成効率が低く、最終的に得られる異方形状粒子の生成量が少なく、効率的ではない。このため(DA)は他の粒子と分離が容易な範囲で小さくしてお
くことが好ましい。
(ii)カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)分散液
カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金
属コロイド粒子(M)としては前記したものを用いることができる。
アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A)分散液と、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)分散液とを混合すると金属酸化物粒子(A)の表面に金属コロイド粒子(M)が集合し、アミノ基とカルボキシル基および/またはカルボキシレート基とが結合して自己組織化する。
[(b)工程]
ついで、表面をメルカプト基を有するシラン化合物で処理した金属酸化物粒子(B)分散液を混合する。
(iii)メルカプト基含有シラン化合物で表面処理した金属酸化物粒子(B)分散液
メルカプト基含有シラン化合物で表面処理した金属酸化物粒子(B)としては、前記したものが挙げられる。分散液の濃度は特に制限はないが、通常、固形分として0.1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
物粒子(B)分散液を混合すると、金属酸化物粒子(A)の表面に金属コロイド粒子(M)が結合した粒子の表面、すなわち金属コロイド粒子(M)粒子層の外表面に、メルカプト基含有シラン化合物で表面処理した金属酸化物粒子(B)が吸着する。
に、メルカプト基含有シラン化合物で表面処理した金属酸化物粒子(B)の全量が1層に層をなして吸着する量に近似した量であることが好ましい。
[(c)工程]
(b)工程で得られた分散液に、アルカリ金属水溶液を添加する。
ついで、アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)分散液を混合する。アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)としては前記したアミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)を用いることができる。
分散液の混合量は、金属酸化物粒子(C)と前記(c)工程で生成する異方性金属酸化物
粒子の数との比(金属酸化物粒子(C):異方性金属酸化物粒子)=1:1程度の比とな
るように混合する。
活性ガス雰囲気下または還元ガス雰囲気下、200〜600℃で加熱処理する工程(e)を設けてもよい。
は、H2等が好適である。
このような加熱処理をすることによって各金属酸化物粒子、金属コロイド粒子の表面処理に用いた処理剤を除去したり、金属酸化物粒子(B)、金属酸化物粒子(C)と金属コロイド粒子との結合(接合)を促進させることができる。このような加熱処理した異方形状粒子は金属酸化物粒子(B)、金属酸化物粒子(C)が容易に金属コロイド粒子と遊離することがなく、異方形状を維持することができるので、生成した異方形状粒子の安定性が増大し、多くの用途に使用が可能となる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定するものではない。
表面処理金属酸化物粒子(A-1)の調製
水/エタノール/アンモニアの混合溶液50mL(モル比3.75/3.10/0.219)に、テトラエトキシシラン6.23mLをくわえ、振とう器(旋回モード)を用いて2時間攪拌し、いわゆるStoeber法によりシリカ粒子分散液を調製した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(A-1)を調製した。
シリカ粒子(A-1)の平均粒子径は1000nmであった。
エトキシシラン4.44mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(A-1)を調製した。
水/エタノール/アンモニアの混合溶液250mL(モル比3.75/3.10/0.0625)に、テトラエトキシシラン15.38mLをくわえ、振とう器を用いて2時間攪拌し、いわゆるStoeber法によりシリカ粒子分散液を調製した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(B-1)を調製した。シリカ粒子(B-1)の平均粒子径は220nmであった。
プロピルトリメトキシシラン3.53mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄
した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(B-1)を調製した。
水/エタノール/アンモニアの混合溶液100mL(モル比3.75/3.10/0.219)に、テトラエトキシシラン6.23mLをくわえ、振とう器(旋回モード)を用いて2時間攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(C-1)を調製した。シリカ粒子(C-1)の平均粒子径は480nmであった。
エトキシシラン4.44mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(C-1)を調製した。
塩化金酸水溶液(0.340g/L、750mL)を30分間還流した後、クエン酸ナトリウム水溶液(38.8mmol/L、65mL)を加え、溶液の色が深青色から深赤色に変化するのを確認し、さらに30分間還流した。溶液中に含まれている過剰のクエン酸ナトリウムを除去するため、室温まで冷却した後、両性イオン交換樹脂50mLを添加した。1時間放置後、グラスフィルターを用いてイオン交換樹脂を除去して表面処理金属コロイド粒子(M-1)分散液を調製した。表面処理金属コロイド粒子(M-1)の平均粒子径は20nmであった。
表面処理金属コロイド粒子(M-1)分散液21.6mLに、表面処理金属酸化物粒子(A-1)15mgの水分散液を加え6時間撹拌した(工程a)。撹拌後水洗してから、溶媒をメタノールに置換した。これを、表面処理金属酸化物粒子(B-1)61.2mgのメタノール分
散液に加え1時間還流した(工程b)。還流後メタノールで洗浄してから溶媒を水に置換した。ついで、0.01mol/L NaOH水溶液を加えて分散液のNaOH濃度を0.002mol/Lに調整し、10分間撹拌した(工程c)。撹拌後、遠心分離(2000rpm、5分間)によりシリカ粒子(A-1)を分離して上ずみ液を回収し、この上ずみ液を水洗した。上ずみに含まれていた粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を図2に示した。粒子は、表面処理金属酸化物粒子(B-1)の表面の一部に金コロイド粒子が結合した異方性粒子であった。
異方性粒子0.5mgの水分散液を、表面処理金属酸化物粒子(C-1)26mgの水分散液
に混合して終夜撹拌し、その後水洗した。得られた異方形状粒子(1)の走査型電子顕微鏡
(SEM)写真を図3に示した。
得られた異方形状粒子(1)の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図4に示す。
特性評価(2)
異方形状粒子(1)のシリカ粒子接合部分の組成をエネルギー分散形X線分析装置(EDS)による測定した。結果を図5および表1に示す。
[実施例2]
表面処理金属酸化物粒子(B-2)の調製
水/エタノール/アンモニアの混合溶液250mL(モル比3.75/3.10/0.0582)に、テトラエトキシシラン15.58mLをくわえ、振とう器(旋回モード)を用いて2時間攪拌し、いわゆるStoeber法によりシリカ粒子分散液を調製した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(B-2)を調製した。シリカ粒子(B-2)の平均粒子径は110nmであった。
プロピルトリメトキシシラン3.53mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(B-2)を調製した。
水/エタノール/アンモニアの混合溶液100mL(モル比3.75/3.10/0.219)に、テトラエトキシシラン6.23mLをくわえ、振とう器(旋回モード)を用いて2時間攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(C-2)を調製した。シリカ粒子(C-2)の平均粒子径は320nmであった。
エトキシシラン4.44mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(C-2)を調製した。
塩化金酸水溶液(0.340g/L、750mL)を30分間還流した後、クエン酸ナトリウム水溶液(38.8mmol/L、90mL)を加え、溶液の色が深青色から深赤色に変化するのを確認し、さらに30分間還流した。溶液中に含まれている過剰のクエン酸ナトリウムを除去するため、室温まで冷却した後、両性イオン交換樹脂50mLを添加した。1時間放置後、グラスフィルターを用いてイオン交換樹脂を除去して表面処理金属コロイド粒子(M-2) 分散液を調製した。表面処理金属コロイド粒子(M-2)の平均粒子径は
10nmであった。
表面処理金属コロイド粒子(M-2)分散液21.6mLに、実施例1と同様にして調製し
た表面処理金属酸化物粒子(A-1)15mgの水分散液を加え6時間撹拌した(工程a)。
撹拌後水洗してから、溶媒をメタノールに置換した。これを、表面処理金属酸化物粒子(B
-2)61.2mgのメタノール分散液に加え1時間還流した(工程b)。還流後メタノー
ルで洗浄してから溶媒を水に置換した。ついで、0.01mol/LのNaOH水溶液を加えて分散液のNaOH濃度を0.002mol/Lに調整し、10分間撹拌した(工程c)。撹拌後、遠心分離(2000rpm、5分間)によりシリカ粒子(A-1)を分離して
上ずみ液を回収し、この上ずみ液を水洗した。上ずみに含まれていた粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を観察したところ、粒子は、表面処理金属酸化物粒子(B-2)の表面
の一部に金コロイド粒子(M-2)が結合した異方性粒子であった。
異方性粒子0.5mgの水分散液を、表面処理金属酸化物粒子(C-2)26mgの水分散液
に混合して終夜撹拌し、その後水洗した。得られた異方形状粒子(2)の走査型電子顕微鏡
(SEM)写真を観察したところシリカ粒子(B-2)とシリカ粒子(C-2)との接合部に金コロイド粒子(M-2)が存在する異方形状粒子であった。
表面処理金属酸化物粒子(B-3)の調製
水/エタノール/アンモニアの混合溶液100mL(モル比3.75/3.10/0.0625)に、テトラエトキシシラン15.58mLをくわえ、振とう器(旋回モード)を用いて2時間攪拌し、いわゆるStoeber法によりシリカ粒子分散液を調製した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(B-3)を調製した。シリカ粒子(B-3)の平均粒子径は320nmであった。
プロピルトリメトキシシラン3.53mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(B-3)を調製した。
水/エタノール/アンモニアの混合溶液50mL(モル比3.75/3.10/0.250)に、テトラエトキシシラン6.23mLをくわえ、振とう器(旋回モード)を用いて2時間攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で3時間真空乾燥してシリカ粒子(C-3)を調製した。シリカ粒子(C-3)の平均粒子径は800nmであった。
エトキシシラン4.44mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(C-3)を調製した。
実施例1と同様にして表面処理金属コロイド粒子(M-1)分散液21.6mLに、表面処
理金属酸化物粒子(A-1)15mgの水分散液を加え6時間撹拌した(工程a)。撹拌後水
洗してから、溶媒をメタノールに置換した。これを、表面処理金属酸化物粒子(B-3)61
.2mgのメタノール分散液に加え1時間還流した(工程b)。還流後メタノールで洗浄してから溶媒を水に置換した。ついで、0.01mol/L NaOH水溶液を加えて分散液のNaOH濃度を0.002mol/Lに調整し、10分間撹拌した(工程c)。撹拌後、遠心分離(2000rpm、5分間)によりシリカ粒子(A-1)を分離して上ずみ液
を回収し、この上ずみ液を水洗した。上ずみに含まれていた粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を観察したところ、粒子は、表面処理金属酸化物粒子(B-3)の表面の一部に
金コロイド粒子(M-1)が結合した異方性粒子であった。
異方性粒子0.5mgの水分散液を、表面処理金属酸化物粒子(C-3)26mgの水分散液
に混合して終夜撹拌し、その後水洗した。得られた異方形状粒子(3)の走査型電子顕微鏡
(SEM)写真を観察したところシリカ粒子(B-3)とシリカ粒子(C-3)との接合部に金コロイド粒子(M-1)が存在する異方形状粒子であった。
表面処理金属コロイド粒子(M-3)の調製
塩化金酸水溶液(0.340g/L、750mL)を30分間還流した後、クエン酸ナトリウム水溶液(38.8mmol/L、45mL)を加え、溶液の色が深青色から深赤色に変化するのを確認し、さらに30分間還流した。溶液中に含まれている過剰のクエン酸ナトリウムを除去するため、室温まで冷却した後、両性イオン交換樹脂50mLを添加した。1時間放置後、グラスフィルターを用いてイオン交換樹脂を除去して表面処理金属コロイド粒子(M-3) 分散液を調製した。表面処理金属コロイド粒子(M-3)の平均粒子径は
30nmであった。
表面処理金属コロイド粒子(M-3)分散液21.6mLに、実施例1と同様にして調製し
た表面処理金属酸化物粒子(A-1)15mgの水分散液を加え6時間撹拌した(工程a)。
撹拌後水洗してから、溶媒をメタノールに置換した。これを、実施例1と同様にして調製した表面処理金属酸化物粒子(B-1)61.2mgのメタノール分散液に加え1時間還流した(工程b)。還流後メタノールで洗浄してから溶媒を水に置換した。ついで、0.01mol/L NaOH水溶液を加えて分散液のNaOH濃度を0.002mol/Lに調整し、10分間撹拌した(工程c)。撹拌後、遠心分離(2000rpm、5分間)によりシリカ粒子(A-1)を分離して上ずみ液を回収し、この上ずみ液を水洗した。上ずみに含
まれていた粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を観察したところ、粒子は、表面処理金属酸化物粒子(B-1)の表面の一部に金コロイド粒子(M-3)が結合した異方性粒子であった。
散液に混合して終夜撹拌し、その後水洗した。得られた異方形状粒子(4)の走査型電子顕
微鏡(SEM)写真を観察したところシリカ粒子(B-1)とシリカ粒子(C-1)との接合部に金コロイド粒子(M-1)が存在する異方形状粒子であった。
表面処理金属コロイド粒子(M-4)の調製
水960mLを還流した後、塩化白金酸水溶液(2.10g/L、60mL)を加え30分間還流した。ついで、クエン酸ナトリウム水溶液(38.8mmol/L、20mL)を加え、さらに4時間還流し、いわゆるTurkevichらの法により白金コロイド粒子分散液を調製した。溶液中に含まれている過剰のクエン酸ナトリウムを除去するため、室温まで冷却した後、両性イオン交換樹脂60mLを添加した。1時間放置後、グラスフィルターを用いてイオン交換樹脂を除去して表面処理金属コロイド粒子(M-4) 分散液を調製した。表面処理金属コロイド粒子(M-4)の平均粒子径は20nmであった。
実施例1において、表面処理金属コロイド粒子(M-1) 分散液の代わりに表面処理金属コロイド粒子(M-4) 分散液を用いた以外は同様にして異方形状粒子(5)を調製した。
粒子(B-1)とシリカ粒子(C-1)との接合部に白金コロイド粒子(M-4)が存在する異方形状粒
子であった。
表面処理金属酸化物粒子(B-4)の調製
酸化チタンゾル(触媒化成工業(株)製:NEOSUNVEIL PW-6030、平均粒子径60nm
、TiO2濃度10重量%)を110℃で3時間真空乾燥して酸化チタン粒子(B-4)を調
製した。
プトプロピルトリメトキシシラン3.53mLを加え終夜攪拌した。これをエタノールで洗浄した後、110℃で2.5時間真空乾燥して表面処理金属酸化物粒子(B-4)を調製し
た。
実施例2と同様にして調製した表面処理金属コロイド粒子(M-2)分散液21.6mLに
、実施例1と同様にして調製した表面処理金属酸化物粒子(A-1)15mgの水分散液を加
え6時間撹拌した(工程a)。撹拌後水洗してから、溶媒をメタノールに置換した。これを、表面処理金属酸化物粒子(B-4)61.2mgのメタノール分散液に加え1時間還流し
た(工程b)。還流後メタノールで洗浄してから溶媒を水に置換した。ついで、0.01mol/L NaOH水溶液を加えて分散液のNaOH濃度を0.002mol/Lに調整し、10分間撹拌した(工程c)。撹拌後、遠心分離(2000rpm、5分間)によりシリカ粒子(A-1)を分離して上ずみ液を回収し、この上ずみ液を水洗した。上ずみに含
まれていた粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を観察したところ、粒子は、表面処理金属酸化物粒子(B-4)の表面の一部に金コロイド粒子が結合した異方性粒子であった。
方形状粒子(6)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を観察したところ酸化チタン粒子(B-4)とシリカ粒子(C-2)との接合部に金コロイド粒子(M-2)が存在する異方形状粒子であった。
Claims (14)
- 2個の金属酸化物粒子が、金属コロイド粒子を介在して結合してなることを特徴とする
異方形状粒子。 - メルカプト基(チオール基:-SH)含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)と、
アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)とが、
カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)を介在させて結合してなることを特徴とする請求項1に記載の異方形
状粒子。 - 前記金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB)が20〜400nmの範囲にあり、金属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)が100〜1000nmの範囲にあり、前記金属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が2〜100nmの範囲にあり、各平均粒子径が下記の関係にあることを特徴とする請求項1または2に記載の異方形状粒子。
DC ≧ DB> DM - 前記金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB)、金属酸化物粒子(C)の平均粒子径
(DC)および金属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が下記の関係にあることを特徴とする請求項1〜3に記載の異方形状粒子。
DC / DB =2〜10
DB / DM =2〜10 - 前記各金属酸化物粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかにに記載の異方形状粒子。
- 前記金属コロイド粒子がIB族、VIII族元素から選ばれる金属の1種以上からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の異方形状粒子。
- 前記金属がAu、Ag、Cu、Pt、Pdから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項6に記載の異方形状粒子。
- 下記の工程(a)〜(d)からなることを特徴とする異方形状粒子の製造方法;
(a)アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(A)分散液と、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基含有有機化合物で表面処理された金属コロイド粒子(M)分散液とを混合する工程、
(b)メルカプト基(チオール基:-SH)含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(B)分散液を混合する工程、
(c)アルカリ金属水溶液を添加する工程、
(d)アミノ基含有シラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子(C)分散液を混合す
る工程。 - 前記金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)が100〜2000nmの範囲にあり、
前記金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB)が20〜400nmの範囲にあり、前記金
属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)が100〜1000nmの範囲にあり、前記金
属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が2〜100nmの範囲にあり、各平均粒子
径が下記の関係にあることを特徴とする請求項8に記載の異方形状粒子の製造方法。
DA > DC ≧ DB > DM - 前記金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)、金属酸化物粒子(B)の平均粒子径
(DB)、金属酸化物粒子(C)の平均粒子径(DC)および金属コロイド粒子(M)の平均粒子径(DM)が下記の関係にあることを特徴とする請求項8または9に記載の異方形
状粒子の製造方法。
DA/DB=2〜20
DC/DB=2〜10
DB/DM=2〜10 - 前記各金属酸化物粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の異方形状粒子の製造方法。
- 前記金属コロイド粒子がIB族、VIII族元素から選ばれる金属の1種以上からなることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の異方形状粒子の製造方法。
- 前記金属がAu、Ag、Cu、Pt、Pdから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項12に記載の異方形状粒子の製造方法。
- 前記で得られた異方形状粒子を不活性ガス雰囲気下または還元ガス雰囲気下、200〜600℃で加熱処理することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の異方形状子の製造方法。
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JPN6012015107; 大沼明他: '異方性表面修飾球状粒子を用いる特異構造粒子集合体の調製' 北海道支部2007年冬季研究発表会 講演要旨集 , 200701, p. 73 * |
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WO2009072657A1 (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-11 | The University Of Tokushima | ナノ機能性シリカ粒子およびその製造方法 |
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