JP2008308174A - 高温物用充填袋 - Google Patents

高温物用充填袋 Download PDF

Info

Publication number
JP2008308174A
JP2008308174A JP2007155599A JP2007155599A JP2008308174A JP 2008308174 A JP2008308174 A JP 2008308174A JP 2007155599 A JP2007155599 A JP 2007155599A JP 2007155599 A JP2007155599 A JP 2007155599A JP 2008308174 A JP2008308174 A JP 2008308174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
filling bag
kraft paper
bag
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007155599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5054436B2 (ja
Inventor
Hideaki Kawabata
秀昭 川端
Hideaki Takami
秀明 高見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diatex Co Ltd
Original Assignee
Diatex Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Diatex Co Ltd filed Critical Diatex Co Ltd
Priority to JP2007155599A priority Critical patent/JP5054436B2/ja
Publication of JP2008308174A publication Critical patent/JP2008308174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5054436B2 publication Critical patent/JP5054436B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Packages (AREA)

Abstract

【課題】高温物を高温のまま充填しても、紙割れや破袋を生ずるおそれのない高温物用充填袋を提供すること。
【解決手段】合成樹脂製の帯状体21を用いて形成されたクロスシート2とクラフト紙3とをラミネート樹脂層7を介して積層してなる基材4によって袋状に構成され、粉体又は粒体の高温物を充填するための高温物用充填袋であって、クラフト紙3は、縦方向の引張り強度が4.5KN/m以上であり、縦方向の伸びが4.0%以下であり、ラミネート樹脂層7は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなることを特徴とする高温物用充填袋。
【選択図】 図2

Description

本発明は高温物用充填袋に関し、詳しくは、高温物を高温のまま充填しても紙割れや破袋を生ずるおそれのない高温物用充填袋に関する。
プラスチックペレットやカラーペレットなどの製造工場においては、製造工程から送られた製品を充填袋に充填することが行われている。
従来、充填袋は、高密度ポリエチレン(HDPE)等の帯状体により形成されたクロスシートにクラフト紙をラミネート樹脂層を介して積層してなる基材を用いて筒状に形成し、その下端開口部をミシン縫製することにより、上部開口を有する袋状に形成されており、被充填物である製品を上部開口から充填した後、この上部開口を閉じて縫製、接着又はテープ止め等することによって封止される。
かかる充填袋内に被充填物を充填すると、図7に示すように、被充填物100の荷重によって縫製部11に両側から引張り力が作用する。このとき、充填袋10を構成する基材が、この引張り力に対して抵抗するように働き、紙割れや破袋の発生を阻止する。
しかし、被充填物100が製造工程から送られてきたばかりのプラスチックペレットやカラーペレットなどの高温物である場合、基材に紙割れが生じ、激しくなると破袋してしまう現象が発生することがある。
本発明者が鋭意検討したところによると、これは次のような理由によるものと考えられる。
高温物を充填袋に充填すると、高温物の熱によって基材を構成するクロスシートが変形して伸びようとする。通常、クロスシートとクラフト紙とはラミネート樹脂層によって接着一体化されているため、クラフト紙がクロスシートの伸びを抑制するように機能するが、一般にラミネート樹脂層には熱で溶融し易い低密度ポリエチレン(LDPE)を使用しているため、このラミネート樹脂層も高温物の熱によって軟化してしまう。これにより、クロスシートとクラフト紙との接着性が低下し、クラフト紙がクロスシートの伸びを抑制する機能が低下してクロスシートの伸びを許してしまう。クロスシートが伸びると、このクロスシートとクラフト紙とを一体に縫製している糸がクロスシートの伸びに追従してクラフト紙を引張り、これが原因で縫製部において紙割れを発生させ、引いては破袋を発生させる。
このような紙割れや破袋の現象は、高温物の充填時のみならず、高温物を充填した後に充填袋をパレット上に横置きして段積み保管する際にも同様に発生することがわかっている。従って、充填時には紙割れや破袋が発生しなかった場合であっても、段積み保管時にクロスシートの伸びが徐々に進行して紙割れや破袋が発生するおそれがあった。
このため、従来では、紙割れや破袋を防ぐために、高温物を充填袋に入れる前にサイロ等に一旦貯留し、長時間かけて冷却する工程を経なければならなかった。従って、製造後早期に袋詰めして出荷したい要請を満足することができず、また、サイロ等の貯留設備を持たない製造業者の場合には、高温のまま充填せざるを得ず、紙割れや破袋の発生を防ぐことができない問題があった。
特開2004−189307号公報 特開2001−55293号公報 特開平11−278586号公報 実用新案登録第2552852号公報
そこで、本発明は、高温物を高温のまま充填しても、紙割れや破袋を生ずるおそれのない高温物用充填袋を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかになる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
合成樹脂製の帯状体を用いて形成されたクロスシートとクラフト紙とをラミネート樹脂層を介して積層してなる基材によって袋状に構成され、粉体又は粒体の高温物を充填するための高温物用充填袋であって、
前記クラフト紙は、縦方向の引張り強度が4.5KN/m以上であり、縦方向の伸びが4.0%以下であり、
前記ラミネート樹脂層は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなることを特徴とする高温物用充填袋。
(請求項2)
前記基材は、50mm幅、チャック間距離100mm、引張り速度100mm/minで縦方向に引張り試験(JIS L 1096)した際に前記クラフト紙が破断したときの引張り強さが、60℃で380N/5cm以上であり、80℃で360N/5cm以上であることを特徴とする請求項1記載の高温物用充填袋。
(請求項3)
前記基材は、温度耐性が縦方向の引張り強さの所定値に対して25〜40%の向上率を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の高温物用充填袋。
(請求項4)
前記高温物が樹脂ペレットであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の高温物用充填袋。
本発明によれば、高温物を高温のまま充填しても紙割れや破袋を生ずるおそれのない高温物用充填袋を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る高温物用充填袋を一部破断して示す斜視図であり、図中、1は充填袋、2はクロスシート、3はクラフト紙、4は基材、5は上部開口、6は縫製部である。
本発明における充填袋1は、クロスシート2にクラフト紙3を接着することによって積層して構成された基材4を用い、クロスシート2側を内側にして筒状に形成すると共に、その下端開口部をミシン縫製して封止することにより、上部開口5を有する袋状に形成されている。6は下端開口部をミシン縫製した際の縫製部である。縫製に使用される糸は特に限定されない。
本発明に係る充填袋1には、被充填物として高温物を高温のまま充填することができる。本発明において高温物とは、充填袋1内への充填時の温度が50℃以上85℃以下、好ましくは60℃以上80℃以下である粉状又は粒状の被充填物をいう。このような被充填物としては、プラスチックペレット、カラーペレット、添加剤ペレット等の製造直後の樹脂ペレットが好適である。その他、肥料などが挙げられる。かかる高温物を充填した充填袋1は、上部開口5が閉じられて縫製、接着又はテープ止め等されることによって封止される。
図2は基材4の層構成を示す断面図であり、同図に示すように、基材4はクラフト紙3の片面にラミネート樹脂層7を介してクロスシート2を接着し、積層一体化することによって形成される。
このラミネート樹脂層7は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる。この直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.920〜0.941g/cmであるものが好ましく、より好ましくは0.925〜0.941g/cmであり、更に好ましくは0.930〜0.941g/cmである。
また、本発明におけるラミネート樹脂層7で好ましく用いられる直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンの単独重合体またはエチレンと他のα−オレフィンの共重合体である。他のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数が3〜12、好ましくは3〜8のα−オレフィンが挙げられる。中でも、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数6〜8のα−オレフィンをより好ましく用いることができる。
本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレンのMFR(メルトフローレイト)は、190℃、荷重2.16kgで測定した値で、0.1〜25g/10分、より好ましくは0.2〜20g/10分、特に好ましくは0.3〜15g/10分である。
また、本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン系触媒等のいわゆるシングルサイト触媒で製造されたものであっても、マグネシウム担体等を使用するチーグラー・ナッタ系触媒で製造されたものであってもよい。かかる直鎖状低密度ポリエチレンは市販品として入手することができる。
かかるラミネート樹脂層7の厚みは、一般に15〜25μmとすることができる。
本発明において基材4を構成するクロスシート2は、帯状体21、21を縦横方向に用いて形成された布状体であり、クラフト紙3の内側に設けられることによって基材4の機械的強度を向上させる機能を有する。
クロスシート2を形成する帯状体21には、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用される。具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、アクリルニトリル、ビニロン等を用いることができる。中でも加工性と経済性から高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が好ましく、特に好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)である。
帯状体21として高密度ポリエチレンを用いる場合、密度は0.940〜0.965g/cmが好ましく、0.945〜0.960g/cmがより好ましい。
帯状体21は、上記樹脂によって形成したフィルムを所定の幅にスリットすることによって帯状のフラットヤーンとして用いることが好ましい。また、帯状体に多数の切れ目を入れたスプリットヤーンを用いることもできる。帯状体21は一軸延伸加工されているものが好ましい。
帯状体21は、図4(A)に示すように基層21aのみからなる単層であってもよく、また、図4(B)、図4(C)に示すように、基層21aの片面又は両面に表層21bを形成した積層体とすることもできる。更に、図4(D)に示すようにシースコア構造、図4(E)に示すようにサイドバイサイド構造とすることも可能である。
表層21bは、帯状体21を縦横方向に用いてクロスシート2を構成する際、重なり合う帯状体21、21間を接合するために用いることができ、基層21aを構成する樹脂よりも融点が低く熱融着性の優れた熱可塑性樹脂が用いられる。
具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層21aに用いられる樹脂との関係で基層21aより低融点、好ましくは20℃以上融点の低い熱可塑性樹脂が選択される。特に、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が好ましい。
帯状体21を形成する樹脂には、無機充填材を添加することができる。無機充填材としては、熱可塑性樹脂添加材として自体公知のものを使用することができ、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ウオラストナイト、ゼオライト、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等を使用することができる。無機充填材の配合量は、通常、1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%である。
また、帯状体21を形成する樹脂には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;ヒドラジン系、アミンアシド系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
これら添加剤は、適宜組み合わせて、基層21aや表層21bの材料組成物を製造するいずれかの工程で配合される。添加剤の配合は、従来の公知の二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練装置を用いて所定割合に混合して、これを溶融混練して調製してもよいし、高濃度のいわゆるマスターバッチを調製し、これを希釈して使用するようにしてもよい。
帯状体21として、図4(B)、図4(C)に示される積層体が使用される場合、積層フラットヤーン、又は、積層スプリットヤーンの成形材料となる積層フィルムを成形する手段としては、予め基層21aとなるフィルムと表層21bとなるフィルムを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層21aとなるフィルムの表面に表層21bとなる熱可塑性樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層21aとなるフィルムに表層21bを押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層フィルムとして押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用いればよいが、成形の容易さやコスト面、並びに、製品の各層間の接着性の点では、多層共押出法によって基層21aと表層21bの積層体を一段で得る方法が望ましい。シースコア構造あるいはサイドバイサイド構造については共押出法によるのが一般的である。
また、延伸して帯状体21とする手段としては、基層21aとなるフィルムを一軸方向に延伸した後、表層21bとなる熱可塑性樹脂を積層し、これをテープ状にスリットしてもよく、あるいは、基層21aと表層21bが積層された積層フィルムをスリットする前、又は、スリットした後、一軸方向に延伸することによって得ることもできる。延伸倍率は、通常3〜10倍程度とされる。
帯状体21の太さはなんらの制限はなく目的に応じて任意に設定することができるが、500〜10000dtとすることが好ましく、より好ましくは700〜5000dtとすることである。
帯状体21がヤーンの場合、幅は0.3〜200mmとすることが好ましく、より好ましくは1.0〜100mmとすることである。また、厚みは5〜500μmの範囲が好ましい。
こうして得られた帯状体21は、図3に示すように平織に織成してクロスシート2とすることができる。また、綾織、斜文織、畦織、二重織、模紗織等に織製することによってクロスシート2とすることもでき、さらに、タテ編み、ヨコ編み、ラッセル編み、トリコット編み等に編込むことによってクロスシート2とすることも可能である。織成するための織機としては、サーキュラー織機、スルーザー型織機、ウォータージェット型織機など公知の織機を用いることができる。
また、図5に示すように、複数の帯状体21を並列し、その上に該帯状体21と交差する方向に他の帯状体21を並列してその交点を熱接合した交差結合布(ソフ)からなるクロスシート2とすることもできる。
クロスシート2を形成するための帯状体21の打込み本数は、本発明においては特に限定されないが、一般に4×4本/インチ〜8×8本/インチとすることができる。本発明は、この打込み本数を何ら変える必要はなく、従来の充填袋に用いられているクロスシートの打込み本数と同一としても、高温物を高温のまま充填した場合の紙割れや破袋を防止する効果が得られる。すなわち、本発明はクロスシート2の打込み本数を増加しなくても紙割れ破袋の防止効果を得ることができ、打込み本数を増加することによるコスト増の問題は回避できる。
本発明におけるクラフト紙3は、縦方向の引張強さが4.5KN/m以上であり、縦方向の伸びが4.0%以下であるものが用いられる。より好ましくは引張強さが5.0KN/m以上であり、縦方向の伸びが3.0%以下である。このようなクラフト紙3を用いることによって、基材4の縦方向の耐熱物性の向上効果を得やすくできる。なお、縦方向とは、図1における上部開口5から下端の縫製部6に至る方向に沿う方向のことである。
縦方向の引張強さ及び伸びの測定法は、JIS P 8113による。
クラフト紙3の縦方向の引張り強さの上限は、100KN/m以下が適当である。また、縦方向の伸びの下限は、0.5%以上が適当である。
クラフト紙3の横方向の特性は、本発明において特に限定されるわけではないが、袋としての機能を考慮して、引張り強さは2.0KN/m以上、伸びは6.0%以下とすることが好ましい。
かかる条件を満足するクラフト紙3は、一般に坪量40〜120g/mのものから適宜用いることができる。
本発明における基材4は、かかるクロスシート2とクラフト紙3とが、上述した直鎖状低密度ポリエチレンからなるラミネート樹脂層7を介して接着され積層一体化されることによって構成される。ラミネートする方法は特に問わず、適宜公知の方法を採用することができる。
また、このようにして形成された基材4は、該基材4を50mm幅に切り出した基材片を、チャック間距離100mm、引張り速度100mm/minで縦方向に引張り試験(JIS L 1096に準拠)した際に、クラフト紙3が破断したときの引張り強さが、60℃で380N/5cm以上であり、80℃で360N/5cm以上であることが好ましい。この縦方向も、図1における上部開口5から下端の縫製部6に至る方向に沿う方向のことである。
これにより、基材4は縦方向の耐熱物性が良好となり、高温物を高温のまま充填した際の紙割れや破袋の発生をより良好に防止することができる。より好ましくは、60℃で380N/5cm以上、80℃で360N/5cm以上である。
また、本発明者の知見によれば、従来のHDPEのクロスシートとクラフト紙とをLDPEを用いてラミネートした充填袋の場合、その基材を50mm幅に切り出した基材片をチャック間距離100mm、引張り速度100mm/minで縦方向に引張り試験(JIS L 1096に準拠)した際、60℃の温度ではおよそ360N/5cmの引張り力でクラフト紙が破断することが確認されている。
本発明における基材4は、温度耐性が縦方向の引張り強さの所定値に対して25〜40%の向上率を有していることが好ましい。
ここで、温度耐性とは、上記JIS L 1096に準拠する引張り試験を基材4の縦方向に行った際にクラフト紙3が破断したときの温度を意味する。
例えば、上記引張り強さの所定値を360N/5cmに着目した場合、上記知見によれば60℃でクラフト紙の破断が生じたものが、本発明では75℃〜84℃まで温度耐性が向上していることが好ましい。
このように温度耐性が向上することで、高温物による紙割れや破袋の発生を効果的に防止することができる。
このように、本発明に係る充填袋1はラミネート樹脂層7が直鎖状低密度ポリエチレンからなるため、ラミネート樹脂層7の融点が高く、熱による軟化を起こしにくいため、高温物を高温のまま充填しても、クロスシート2とクラフト紙3との接着性を維持でき、クラフト紙3によるクロスシート2の伸び抑止機能を低下させることがなく、充填袋1の耐熱物性が向上する。従って、高温物を高温のまま充填しても、紙割れや破袋を引き起こすおそれを解消することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
(実施例)
1.クロスシートの製造
基層として高密度ポリエチレン(密度0.956、MFR0.55)を用いて、インフレーション成形法によって積層フィルムとし、得られたフィルムをレザーを用いてスリットした。次いで、温度100℃の熱板上で6.5倍に延伸した後、温度110℃の熱風循環式オーブン内で5%の弛緩熱処理を行い、糸幅5.0mm、繊度1050dtのフラットヤーンを得た。
得られたフラットヤーンをウォータージェット型織機を用いて、5×5本/インチの平織のクロスシートとした。
2.基材の製造
得られたクロスシートの片面に、ラミネート樹脂層として直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.922g/cm、MFR11)を用いて、以下のクラフト紙を熱ラミした。
坪量:75g/m
引張り強度:縦方向5.93KN/m
横方向3.14KN/m
伸び:縦方向2.0%
横方向5.0%
(比較例1)
ラミネート樹脂層を低密度ポリエチレン(密度0.918g/cm)に代えた以外は実施例1と同一とした。
(比較例2)
クラフト紙を以下の通りに代えた以外は実施例1と同一とした。
坪量:73g/m
引張り強度:縦方向4.36KN/m
横方向2.58KN/m
伸び:縦方向7.1%
横方向5.4%
<紙切れ強さ試験>
上記実施例、比較例1、2によってそれぞれ得られた基材から、50mm幅の試料片を切り出し、JIS L 1096に準拠し、チャック間距離100mm、引張り速度100mm/minで縦方向に引張り、クラフト紙の破断を起こすまでの強さ(N/5cm)と温度との関係を求めた。
その結果を図6に示す。
<評価>
図6に示されるように、常温(20〜30℃)では実施例、比較例1及び比較例2の間に強さの顕著な差は見られなかったが、実施例は、比較例1及び比較例2に比べて、温度が高くなるにつれて強さの低下率が徐々に小さくなり、50℃以上では顕著な差が生じ、比較例1及び比較例2よりも強さが大きく向上していることがわかる。
本発明者の知見では、従来の充填袋(比較例1)では、60℃でおよそ360N/5cmでクラフト紙が破断することが確認されているが、実施例では、同じ360N/5cmでクラフト紙の破断が生じる温度(温度耐性)が80℃以上まで向上(向上率33%以上)しており、内部に充填可能な高温物の温度の許容範囲が広がった。
また、熱によるクロスシートの伸びによってクラフト紙に紙割れが発生することからすると、クラフト紙に伸びを持たせればよいと考えられるが、比較例1と比較例2との比較から明らかなように、伸びの大きなクラフト紙を用いると、むしろ基材の強度は低下した。
従って、クラフト紙には伸びが小さく、引張り強さの大きいものを用いればよいと考えられるが、実施例と比較例1との比較から明らかなように、クラフト紙を変えなくても、ラミネート樹脂層に直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、温度耐性の大きな向上効果を得ることができた。
本発明に係る高温物充填用充填袋を一部破断して示す斜視図 基材の層構成を示す断面図 クロスシートの部分平面図 (A)〜(E)は帯状体の断面図 クロスシートの他の例を示す部分断面図 紙切れと温度との関係を示すグラフ 従来の問題点を説明する図
符号の説明
1:充填袋
2:クロスシート
21:帯状体
21a:基層
21b:表層
3:クラフト紙
4:基材
5:上部開口
6:縫製部
7:ラミネート樹脂層

Claims (4)

  1. 合成樹脂製の帯状体を用いて形成されたクロスシートとクラフト紙とをラミネート樹脂層を介して積層してなる基材によって袋状に構成され、粉体又は粒体の高温物を充填するための高温物用充填袋であって、
    前記クラフト紙は、縦方向の引張り強度が4.5KN/m以上であり、縦方向の伸びが4.0%以下であり、
    前記ラミネート樹脂層は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなることを特徴とする高温物用充填袋。
  2. 前記基材は、50mm幅、チャック間距離100mm、引張り速度100mm/minで縦方向に引張り試験(JISL 1096)した際に前記クラフト紙が破断したときの引張り強さが、60℃で380N/5cm以上であり、80℃で360N/5cm以上であることを特徴とする請求項1記載の高温物用充填袋。
  3. 前記基材は、温度耐性が縦方向の引張り強さの所定値に対して25〜40%の向上率を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の高温物用充填袋。
  4. 前記高温物が樹脂ペレットであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の高温物用充填袋。
JP2007155599A 2007-06-12 2007-06-12 樹脂ペレット用充填袋 Active JP5054436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007155599A JP5054436B2 (ja) 2007-06-12 2007-06-12 樹脂ペレット用充填袋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007155599A JP5054436B2 (ja) 2007-06-12 2007-06-12 樹脂ペレット用充填袋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008308174A true JP2008308174A (ja) 2008-12-25
JP5054436B2 JP5054436B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=40236138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007155599A Active JP5054436B2 (ja) 2007-06-12 2007-06-12 樹脂ペレット用充填袋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5054436B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102700809A (zh) * 2012-06-12 2012-10-03 江苏艾信兰生物医药科技有限公司 医用灭菌包装袋
EP3392165A4 (en) * 2015-12-18 2019-05-15 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. PACKAGING BAG AND METHOD FOR STORING POLYVINYL ALCOHOL RESIN TO THE MELTING FORM USING THE SAID METHOD
EP4071076A1 (en) 2021-04-06 2022-10-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Package for a granular material

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6470360A (en) * 1987-09-02 1989-03-15 Polyplastics Co Heat resistant bag
JP2000255626A (ja) * 1999-03-09 2000-09-19 Daishowa Paper Mfg Co Ltd 包装用紙
JP2005145561A (ja) * 2003-10-24 2005-06-09 Nippon Seitai Kk 紙袋
JP2006335801A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Nippon Zeon Co Ltd 酸素の捕捉方法および酸素吸収性包装容器の製造方法
JP2007137472A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Dainippon Printing Co Ltd 電子レンジ用包装袋

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6470360A (en) * 1987-09-02 1989-03-15 Polyplastics Co Heat resistant bag
JP2000255626A (ja) * 1999-03-09 2000-09-19 Daishowa Paper Mfg Co Ltd 包装用紙
JP2005145561A (ja) * 2003-10-24 2005-06-09 Nippon Seitai Kk 紙袋
JP2006335801A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Nippon Zeon Co Ltd 酸素の捕捉方法および酸素吸収性包装容器の製造方法
JP2007137472A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Dainippon Printing Co Ltd 電子レンジ用包装袋

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102700809A (zh) * 2012-06-12 2012-10-03 江苏艾信兰生物医药科技有限公司 医用灭菌包装袋
EP3392165A4 (en) * 2015-12-18 2019-05-15 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. PACKAGING BAG AND METHOD FOR STORING POLYVINYL ALCOHOL RESIN TO THE MELTING FORM USING THE SAID METHOD
US10815039B2 (en) 2015-12-18 2020-10-27 Mitsubishi Chemical Corporation Packaging bag, and method for storing melt-processable polyvinyl alcohol resin with the use of the packaging bag
EP4071076A1 (en) 2021-04-06 2022-10-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Package for a granular material

Also Published As

Publication number Publication date
JP5054436B2 (ja) 2012-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201532806A (zh) 疊層織物集裝袋、製備方法及相關系統
US8916647B2 (en) Crosslinked films and articles prepared from the same
US20110143155A1 (en) Multilayer film structure
EP2744656B1 (en) Oriented tape for the production of woven fabrics and products produced therefrom
WO2006023442A1 (en) Beta-nucleation concentrates
JP5054436B2 (ja) 樹脂ペレット用充填袋
JP2020100078A (ja) 難燃シートおよび難燃シートの製造方法
CA2754784A1 (en) An ecologically safe storage and transporting system and method of making same
CN111819237B (zh) 密封用树脂组合物、密封用多层膜、热熔接性叠层膜和包装体
US8722790B2 (en) Heat-sealable polyolefin films
JP2005007756A (ja) 複合シート
JP2004160812A (ja) 透湿性シート
JP7397642B2 (ja) ポリプロピレン系多層延伸フィルムおよびその製造方法
JP2003221750A (ja) 熱可塑性合成樹脂製通気シート
JP3113589B2 (ja) ラミネートシート
JP2006132026A (ja) 耐久性人工芝用基布及び人工芝生
US20170137977A1 (en) Oriented tape for the production of woven fabrics and products produced therefrom
JP4411233B2 (ja) 熱可塑性樹脂シート
JP2019166716A (ja) 良好な剥離性が得られるポリプロピレン系延伸フィルム
JP2013200191A (ja) 土嚢袋用内袋及び土嚢袋
JP2005015972A (ja) 耐久性人工芝用基布及び人工芝生
JP2006062655A (ja) 防滑性を有する包装袋用積層シート
JP2002067254A (ja) 積層シート
JP2006132158A (ja) 連結糸及び耐久性人工芝生
JPS5930934A (ja) 合成樹脂製クロスおよびそのクロスからなる粉粒体用輸送袋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5054436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250