JP2008307985A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りタイヤのトレッド部に配置されたベルト層のタイヤ幅方向の剛性分布を調節可能にしてより均一化し、空気入りタイヤの耐久性や接地性を向上させる。
【解決手段】トレッド部のカーカス層の外周側に配置されたベルト層20の各補強素子21を、タイヤ幅方向の各ベルト端BTからタイヤ幅方向に傾斜して延び、タイヤ赤道面CL近傍で折り返して再びベルト端BTに向かって逆方向に傾斜して延びるように形成する。これら複数本の補強素子21を、両ベルト端BTに沿って所定間隔でタイヤ周方向に順次部分的に重ね合わせて配列し、タイヤ幅方向の複数箇所で互いに交差させる。これら両ベルト端BT側の補強素子21を、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向に離間させ、折り返し端部21Tを互いに対向するように配置してベルト層20を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トレッド部のカーカス層の外周側にベルト層を備えた空気入りタイヤに関し、特に、ベルト層のタイヤ幅方向の剛性分布を均一化させた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、一般に、一対のビードコアと、その間に渡ってトロイダル状に延びる1層以上のカーカスプライからなるカーカス層と、を備えるとともに、トレッド部のカーカス層の外周側に、少なくとも2層のベルト層からなる交差(交錯)ベルト層が設けられている。この交差ベルト層の各ベルト層には、スチールや有機繊維コード等の剛性の高い補強素子が、互いに交差(交錯)する方向に埋設されており、これにより、空気入りタイヤをタイヤ半径方向に圧縮してタイヤ周方向の剛性(以下、周方向剛性という)等を保ち、いわゆるたが効果を発揮する。
図5は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来の交差ベルト層のタイヤ周方向の一部を示す模式図であり、図5Aは、その概略構成を透視して示す平面図、図5Bは、交差ベルト層の一部をタイヤ幅方向(図5AのX方向)から見た側面図である。
この交差ベルト層100は、図示のように、タイヤ半径方向(図5Aでは紙面に直交する方向、図5Bでは上下方向)に重ね合わせて配置された2層のベルト層101、102からなり、それぞれ、複数本の補強素子101C(図では点線で示す)及び補強素子102C(図では実線で示す)をゴムで被覆して形成されている。
各ベルト層101、102内のそれぞれの補強素子101C、102Cは、タイヤ周方向(図5Aでは上下方向)に対して所定角度で傾斜して延び、略一定間隔で並列に配置されている。また、これらベルト層101の補強素子101Cと、ベルト層102の補強素子102Cは、タイヤ周方向に対して互いに逆方向に同程度の角度で傾斜(図5A参照)し、それぞれ層間ゴム103(図5B参照)を挟んで複数箇所で交差している。
この交差ベルト層100を備えた空気入りタイヤでは、内圧充填時や転動時等に作用する主にタイヤ周方向の力(図の矢印F)等を交差ベルト層100で負担し、その際のタイヤの径成長や変形等を抑制している。この交差ベルト層100に作用する力により、各ベルト層101、102はタイヤ周方向に伸張変形等するが、このときの変形量は、交差ベルト層100のタイヤ幅方向各部の剛性に応じてタイヤ幅方向で変化する。
図6は、この従来の交差ベルト層100等のタイヤ幅方向における周方向剛性の変化を示す模式図であり、横軸がタイヤ幅方向位置を、縦軸が周方向剛性をそれぞれ示す。
この交差ベルト層100では、各ベルト層101、102の補強素子101C、102Cが、互いに複数箇所で交差(図5A参照)するタイヤ赤道面CLを含む中央部に対して、各補強素子101C、102Cの端部(自由端)が位置するタイヤ幅方向のベルト端(ベルト層101、102のタイヤ幅方向外側端)BT側ほど、それらが動き易くなる等して交差ベルト層100の剛性が低くなる。その結果、図6に示すように、交差ベルト層100の周方向剛性(図の一点鎖線K)は、タイヤ赤道面CL付近の中央部で高く、タイヤ幅方向外側に向かって低下してベルト端BTで最も低くなる。
この周方向剛性の変化に応じて、交差ベルト層100の変形量は、中央部に比べてベルト端BT側で大きくなり、層間ゴム103(図5B参照)に生じる歪みもベルト端BT側ほど大きくなってベルト端BTで最大となる。また、ベルト端BT付近のトレッドショルダ部では、中央部等の他の部分に比べてタイヤの径成長量も大きくなり、転動時の接地圧が上昇するとともに、路面形状に合わせた変形を受けて大きな歪みが繰り返し作用する。その結果、このような交差ベルト層100を備えた空気入りタイヤでは、ベルト端BT付近の層間ゴム103やその周囲でセパレーション等の欠陥が生じ易くなる等、耐久性が低下する恐れがある。
このような問題に対処するため、従来、1本又は複数本の補強素子をゴムで被覆した部材を、ベルト端BT間を往復させてタイヤ周方向に連続して配置しつつ、複数周に渡って重ね合わせて配置してベルト層(いわゆるエンドレスベルト層)を形成し、ベルト端BTに補強素子の端部が位置しないようにした空気入りタイヤが知られている(特許文献1参照)。
図7は、このようなエンドレスベルト層における補強素子の配置パターンの一例を模式的に示す平面図である。
このエンドレスベルト層110では、図示のように、タイヤ幅方向(図では左右方向)に対して傾斜して延びる1本の補強素子111を、一方のベルト端BTで略逆方向に折り返して他方のベルト端BTまで配置し、これを所定のピッチで繰り返して補強素子111をタイヤ周方向(図では上下方向)にジグザグ状や波状等(ここではジグザグ状)に延びるように配置している。また、補強素子111を、タイヤ周方向に順次ずれるようにして複数周、それぞれ補強素子111同士が互いに部分的に重なるように配置しており、ここでは、タイヤ半径方向内側から外側に向かって順に、補強素子111−1(図の点線)、補強素子111−2(図の二点鎖線)、補強素子111−3(図の一点鎖線)、及び補強素子111−4(図の実線)と、タイヤ周方向に約4周させて重ね合わせて配置し、エンドレスベルト層110を形成している。
このように、このエンドレスベルト層110では、ベルト端BTに補強素子111の端部が配置されず、ベルト端BT付近の剛性を高めることができるため、その付近の変形量及び歪みを減少させることができる。ところが、このエンドレスベルト層110では、上記した交差ベルト層100(図5参照)に対し、タイヤ赤道面CL側(中央部)での補強素子111同士の交差が少なくなり、変形を抑制する効果が低下する等して、中央部の剛性が低くなる。一方、ベルト端BT側では、補強素子111の折り返しによる自由端の消滅や、その折り返し端部がタイヤ周方向に連なる補強素子111の構造等に起因して、剛性が高くなり過ぎる傾向がある。その結果、図6に示すように、このエンドレスベルト層110の周方向剛性(図の点線E)は、交差ベルト層100の周方向剛性(図の一点鎖線K)とは逆に、タイヤ赤道面CL付近の中央部で低く、タイヤ幅方向外側に向かって徐々に高くなってベルト端BTで最大となる。
図8は、このエンドレスベルト層110を備えた空気入りタイヤが路面に接地した状態を模式的に示すタイヤ幅方向の断面図である。
エンドレスベルト層110のたが効果は、ベルト端BTの高い周方向剛性に対応してベルト端BT付近で特に大きくなり、そのタイヤを半径方向に圧縮する力も大きくなる。その結果、図示のように、このようなエンドレスベルト層110を備えた空気入りタイヤ120では、ベルト端BT付近のトレッド部121に、タイヤ内側に引っ張る大きな力(図の矢印H)が作用し、路面Rへの接地時に、その付近のトレッド部121(トレッドショルダ部121S)が路面Rに接地しないことがある等、空気入りタイヤ120の接地性が低下する恐れがある。
以上のように、これら従来の交差ベルト層100及びエンドレスベルト層110では、タイヤ幅方向における剛性の均一性が低く、かつ、不均一化の程度も大きくなる傾向がある。しかしながら、これらベルト層100、110では、各補強素子101C、102C、111が両ベルト端BT間に亘って横断して配置されており、そのタイヤ幅方向の配置密度を部分的に変更できない等、タイヤ幅方向の剛性分布を調節するのは難しい。従って、このようなベルト層100、110では、タイヤ幅方向の剛性分布の均一化や、空気入りタイヤの上記したベルト端BT付近で発生する故障の抑制、及びそれらに伴う耐久性や接地性の向上等の要請に柔軟に対応するのは困難である。
特開平8−156513号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、空気入りタイヤのトレッド部に配置されたベルト層のタイヤ幅方向の剛性分布を調節可能にしてより均一化し、空気入りタイヤの耐久性や接地性を向上させることである。
請求項1の発明は、トレッド部のカーカス層の外周側に少なくとも1層のベルト層を備えた空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、タイヤ幅方向の一方のベルト端から他方のベルト端側に向かって延び、該ベルト層内で折り返して前記一方のベルト端まで延びるタイヤ周方向に配列された複数本の補強素子を、前記両ベルト端に沿って有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記複数本の補強素子が、タイヤ周方向に順次部分的に重ね合わせて配列されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強素子が、前記折り返し端部を挟んでタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜して延びることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強素子の折り返し端部が、湾曲形状に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記両ベルト端のそれぞれから延びる複数本の補強素子が、互いに前記折り返し端部側で重なり合い、又はタイヤ幅方向に離間して配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載された空気入りタイヤにおいて、前記両ベルト端のそれぞれから延びる複数本の補強素子が、タイヤ赤道面において互いに前記折り返し端部側で重なり合い、又はタイヤ赤道面を挟んでタイヤ幅方向に離間して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気入りタイヤのトレッド部に配置されたベルト層のタイヤ幅方向の剛性分布を調節可能にしてより均一化でき、空気入りタイヤの耐久性や接地性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤの構造を模式的に示すタイヤ幅方向の断面図である。
この空気入りタイヤ1は、図示のように、一対のビードコア10間に渡って延びるカーカス層11と、トレッド部2のカーカス層11の外周側に配置された少なくとも1層(ここでは1層)のベルト層20と、その外周側に配置されたトレッド部2の外周面を構成するトレッドゴム12と、を備えている。
カーカス層11は、ビード部3に配置されたビードコア10からサイドウォール部4とトレッド部2を通ってトロイダル状に延びるとともに、その両端部側が、ビードコア10の周りをタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返してタイヤ半径方向外側(図では上側)に向かって巻上げられている。このカーカス層11は、少なくとも1層のラジアル構造のカーカスプライからなり、その内部には、ラジアル方向(略タイヤ幅方向)に延びる例えばスチールコード等の非伸張性のコードが複数本埋設されている。
トレッドゴム12は、トレッド部2の路面等に接するゴム層であり、その表面(踏面)に、タイヤ周方向に延びる主溝や略タイヤ幅方向に延びるラグ溝等の各種の溝12M等からなるトレッドパターンが形成されている。
ベルト層20は、トレッド部2のタイヤ幅方向(図では左右方向)の略全域に亘って、カーカス層11をタイヤ半径方向外側から覆うように隣接して配置されている。このベルト層20の内部には、例えばスチール等の金属や有機繊維からなる単線や撚り線のコード等の複数本の補強素子21が、所定のパターンで配置されている。
図2は、このベルト層20のタイヤ周方向の一部を示す模式図であり、図2Aは、ベルト層20に配置された補強素子21を透視して示す平面図であり、図2Bは、1本の補強素子21を抜き出して示す平面図である。
ベルト層20の各補強素子21は、図示のように、タイヤ幅方向(図では左右方向)の一方のベルト端BTから他方のベルト端BT側に向かって延び、ベルト層20内の両ベルト端BT間の途中(例えばタイヤ赤道面CL近傍)で折り返して再び前記一方のベルト端まで延びる、例えば略U字状やV字状等の折り返し形状に形成されている。ベルト層20は、このような補強素子21を、タイヤ赤道面CLを挟んだ両ベルト端BT側に複数本ずつ有し、それぞれ各ベルト端BTに沿ってタイヤ周方向(図では上下方向)に所定間隔で配列させている。
本実施形態では、この各補強素子21を、ベルト層20内の折り返し端部21Tを挟んで、タイヤ幅方向に対して逆方向に所定角度で傾斜して延びるように形成するとともに、その折り返し端部21Tを所定の曲率の円弧状等の湾曲形状に形成している。また、補強素子21の折り返し端部21Tを挟んだ各部のタイヤ幅方向に対する傾斜角度を略同程度にし、これにより、補強素子21を、タイヤ幅方向に対してほぼ対称な略V字状に形成している。
ベルト層20は、これら各ベルト端BTから延びる複数本の補強素子21を、それぞれタイヤ周方向に順次部分的に重ね合わせて配列し、互いに他の複数本(ここでは折り返し端部21Tを挟んで各3本)の補強素子21と交差させている。また、両ベルト端BTのそれぞれから延びる複数本の補強素子21を、互いにタイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向に離間させ、各補強素子21の折り返し端部21Tを、所定の距離を隔てて対向させて配置している。これにより、このベルト層20では、各補強素子21を、タイヤ幅方向の異なる複数箇所(ここでは折り返し端部21Tを挟んで各3箇所)で互いに交差させるとともに、タイヤ赤道面CLを含む両ベルト端BT側の補強素子21間に、補強素子21が配置されない領域を形成している。
なお、このベルト層20では、各補強素子21の3箇所の交差部を、折り返し端部21Tを挟んでそれぞれ、タイヤ赤道面CLに近い折り返し端部21T側、ベルト端BTに近い補強素子21の端部(自由端)側、及びそれらのタイヤ幅方向の略中間に位置させている。また、タイヤ赤道面CLを挟んだ各側において、これら各補強素子21の3箇所の交差部及び折り返し端部21Tは、それぞれ略同一のタイヤ幅方向位置に配置されており、これにより、各交差部及び折り返し端部21Tは、ベルト層20内で略タイヤ周方向に沿って連なるように所定間隔で配列している。更に、このベルト層20では、両側の複数本の補強素子21を、互いにタイヤ赤道面CLに対して略対称に、又は、略対称位置から僅かにタイヤ周方向にずれた位置に配置している。
以上説明した本実施形態の空気入りタイヤ1では、上記した交差ベルト層100(図5参照)に対しては、ベルト層20のタイヤ赤道面CLを中心に補強素子21が配置されない領域を形成したため、ベルト層20のタイヤ赤道面CLを含む中央部の剛性を低下させることができる。また、上記したエンドレスベルト層110(図7参照)に対しては、各補強素子21をベルト層20内で折り返して、その両端部をベルト端BTに位置させたため、ベルト端BT側の剛性を低下させることができ、かつ、各補強素子21の略タイヤ周方向に連なる折り返し端部21Tにより中央部の変形を抑制できる等、ベルト層20の中央部の剛性をある程度の高さに維持することができる。
図3は、このベルト層20のタイヤ幅方向における周方向剛性の変化を示す模式図であり、横軸がタイヤ幅方向位置を、縦軸が周方向剛性をそれぞれ示す。
図示のように、このベルト層20の周方向剛性(図の実線B)は、タイヤ赤道面CL付近の中央部では、交差ベルト層100の周方向剛性(図の一点鎖線K)と、エンドレスベルト層110の周方向剛性(図の点線E)との間にあり、タイヤ幅方向外側に向かって略一定値を維持した後、ベルト端BTに比較的近い位置から徐々に低下する。また、この周方向剛性は、ベルト端BTで最も低くなるが、これは、ベルト端BTにおける交差ベルト層100の周方向剛性と同程度であり、エンドレスベルト層110に比べて大幅に低くなる。
このように、この空気入りタイヤ1によれば、ベルト層20のタイヤ幅方向における剛性分布の均一性を従来に比べて向上させることができ、空気入りタイヤ1の変形量及び径成長量をタイヤ幅方向でより均一にすることができる。その結果、ベルト端BT側に集中していた大きなトレッド部2の変形及び径成長を緩和できるため、ベルト端BT付近での接地圧及び歪みを低減でき、例えばベルト端BTでの歪みに関しては、エンドレスベルト層110の歪みを0%、交差ベルト層100の歪みを40%としたとき、5%程度に低下させることができる。これにより、ベルト端BTの周囲でセパレーション等の欠陥が生じるのを防止することができ、空気入りタイヤ1に故障が発生するのを抑制して耐久性を向上させることができる。
同時に、ベルト端BT付近でベルト層20の剛性及びたが効果が局部的に大きくなるのを防止することもでき、それに伴うベルト端BT付近のトレッド部2をタイヤ内側に引っ張る力(図8参照)を低下させることができる。その結果、空気入りタイヤ1が路面に接地したときに、トレッド部2が路面に対してタイヤ幅方向でより均一に接地する等、空気入りタイヤ1の接地性を向上させることもできる。
また、このベルト層20では、複数本の補強素子21を、タイヤ周方向に順次部分的に重ね合わせて配列して交差させたため、補強素子21同士が交差部分で互いに変形を抑制し合う等して、ベルト層20に必要な剛性及びたが効果を確実に確保することができる。更に、各補強素子21を、折り返し端部21Tを挟んでタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜させたため、傾斜部分のそれぞれが、他の複数本の補強素子21とタイヤ幅方向の異なる複数箇所で交差し、その交差による効果をタイヤ幅方向で確実に得ることができる。同時に、同一形状の補強素子21を、タイヤ周方向にずらせて順次配置することでベルト層20を形成することが可能であり、その形成手順が比較的簡単である等、ベルト層20及び空気入りタイヤ1の生産性が低下するのを抑制することもできる。加えて、補強素子21の折り返し端部21Tを湾曲形状に形成したため、例えば鋭角形状にした場合に生じる先端部への応力集中を抑制できる等、ベルト層20の中央部における耐久性の低下等を防止することができる。
ここで、本実施形態では、ベルト層20の補強素子21を、折り返し端部21Tを挟んで、それぞれ他の補強素子21と3箇所で交差させたが、そのタイヤ幅方向に対する傾斜角度をより大きく又は小さくする等して交差数を増減等することで、ベルト層20のタイヤ幅方向の剛性分布を変化させることができる。また、タイヤ赤道面CL上の補強素子21が配置されない領域の幅(補強素子21の折り返し端部21T間の距離)を変化させることで、ベルト層21の中央部の剛性を調節することもできる。同様に、両ベルト端BT側の各補強素子21を、互いに重なり合うようにすることで、ベルト層20の中央部の剛性をより高めることもできる。
図4は、このように各補強素子21を互いに重ね合わせて配置したベルト層20のタイヤ周方向の一部を示す模式図であり、ベルト層20に配置された補強素子21を透視して示す平面図である。
このベルト層20では、図示のように、両ベルト端BTから延びる複数本の補強素子21を、それぞれタイヤ赤道面CLを超えた位置まで延びるように形成し、各折り返し端部21Tを、タイヤ赤道面CLの他方側に位置させている。このように、両ベルト端BTから延びる各補強素子21を、タイヤ赤道面CLにおいて互いに折り返し端部21T側で重なり合うように配置し、両折り返し端部21Tにより形成される略環状部をタイヤ赤道面CL上に配列させている。
このベルト層20では、タイヤ赤道面CL付近にも補強素子21が配置されていることに加えて、タイヤ赤道面CLにおける補強素子21同士の重なり合いによる、タイヤ周方向に連なる補強素子21の環状部の形成や、補強素子21の密度や交差数の増加等により、ベルト層20の中央部の変形を抑制する効果が向上して、その付近の剛性を高めることができる。また、補強素子21同士の重なり合う範囲を変化(増減)させることで、ベルト層20の中央部の剛性を調節することもできる。
このように、本実施形態のベルト層20によれば、各補強素子21の配置位置や交差数、或いは重なり合う範囲を変化等させることで、タイヤ赤道面CLを含むベルト層20の中央部を中心として、その剛性を任意に変化(図3の矢印T)させることができる。これにより、必要に応じてベルト層20のタイヤ幅方向の剛性分布を調節することが可能となり、タイヤ幅方向の各位置における剛性をより均一化できる等、空気入りタイヤ1の耐久性や接地性の向上等の要請に柔軟に対応して、それらをより一層向上させることができる。
なお、本実施形態では、トレッド部2のカーカス層11の外周側に1層のベルト層20を設けたが、2層以上の同様のベルト層20をタイヤ半径方向に重ね合わせて配置してもよく、例えば交差ベルト層100やエンドレスベルト層110等の他の構造のベルト層と組み合わせて配置してもよい。また、補強素子21も、上記した略V字状以外に、例えば折り返し端部21Tを挟んだ部分のタイヤ幅方向に対する傾斜角度がより小さい略U字状や、或いは、円弧状や楕円弧状に屈曲又は湾曲する形状等、一方のベルト端BTからベルト層20内で折り返して延びる他の形状に形成してもよい。
更に、ベルト層20を、折り返し端部21Tを挟んでタイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜する補強素子21により形成してもよい。この場合には、ベルト層20は、例えば同じ方向に傾斜する複数本の補強素子21をタイヤ周方向に所定間隔で配置し、その上に逆方向に傾斜する複数本の補強素子21をタイヤ周方向に所定間隔で重ね合わせ、これら上下の補強素子21を互いに複数個所で交差させて配置する等して形成する。
また、両ベルト端BTのそれぞれから延びる複数本の補強素子21を、タイヤ赤道面CL以外のタイヤ幅方向位置で、互いに折り返し端部21T側で重なり合うように、又はタイヤ幅方向に離間するように配置してもよい。
本実施形態の空気入りタイヤの構造を模式的に示すタイヤ幅方向の断面図である。 本実施形態のベルト層のタイヤ周方向の一部を示す模式図である。 本実施形態のベルト層のタイヤ幅方向における周方向剛性の変化を示す模式図である。 他の実施形態のベルト層のタイヤ周方向の一部を示す模式図である。 従来の交差ベルト層のタイヤ周方向の一部を示す模式図である。 従来の各ベルト層のタイヤ幅方向における周方向剛性の変化を示す模式図である。 従来のエンドレスベルト層における補強素子の配置パターンの一例を模式的に示す平面図である。 図7のエンドレスベルト層を備えた空気入りタイヤが路面に接地した状態を模式的に示すタイヤ幅方向の断面図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、3・・・ビード部、4・・・サイドウォール部、10・・・ビードコア、11・・・カーカス層、12・・・トレッドゴム、12M・・・溝、20・・・ベルト層、21・・・補強素子、21T・・・折り返し端部、CL・・・赤道面、BT・・・ベルト端。

Claims (6)

  1. トレッド部のカーカス層の外周側に少なくとも1層のベルト層を備えた空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層は、タイヤ幅方向の一方のベルト端から他方のベルト端側に向かって延び、該ベルト層内で折り返して前記一方のベルト端まで延びるタイヤ周方向に配列された複数本の補強素子を、前記両ベルト端に沿って有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記複数本の補強素子が、タイヤ周方向に順次部分的に重ね合わせて配列されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1または2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強素子が、前記折り返し端部を挟んでタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜して延びることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強素子の折り返し端部が、湾曲形状に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記両ベルト端のそれぞれから延びる複数本の補強素子が、互いに前記折り返し端部側で重なり合い、又はタイヤ幅方向に離間して配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項5に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記両ベルト端のそれぞれから延びる複数本の補強素子が、タイヤ赤道面において互いに前記折り返し端部側で重なり合い、又はタイヤ赤道面を挟んでタイヤ幅方向に離間して配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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