JP2008306127A - 熱電変換材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱依存性を低減して、室温以上の温度領域において、最大クラスのゼーベック係数を持つ熱電変換材料を提供する。
【解決手段】熱電変換材料は、CaFe(カルシウム・フェライト)型構造を有し、そのFeがCoに置換されてなることを特徴とする。本物質は室温付近で大きなゼーベック係数を持ち、さらに、ゼーベック係数は、温度変化に対して、室温より少々高い温度であっても殆ど飽和しないという特長を持つ。
【選択図】図2

Description

本発明は、コバルト酸化物よりなる熱電変換材料に関する。
物質の両端に温度差(ΔT)をつけると、その両端には熱起電力(ΔV)が発生する。このときの比例係数をゼーベック係数(S=ΔV/ΔT)という。試料両端に端子を設け回路を組めば、その物質は温度の差の下で一種の“電池”の役目を果たす。
即ち、熱を電気に変換できることになる。これを熱電変換、その能力・性能を熱電能という。そして、効率よく熱電変換する材料を、熱電材料という。
現在地球上では、燃料の使用によって膨大な廃熱が発生し、ほぼ全てが大気中に放出されている。その一部を電気に変換して有効に再利用すれば、大きな省エネルギーに繋がることは間違いない。これを実現するためには、より効率のいい熱電材料を開発する必要がある。
熱電材料を用いた回路から効率よく電流を取り出すには、材料物質のゼーベック係数が大きいことのみならず、電気抵抗率(ρ)が低い必要がある。これは電池の内部抵抗に相当する。また、試料端の温度差を維持するためには、熱伝導(κ)は低い方が都合がよい。
一般に、熱電性能を表すには、性能指数Z=S/ρκ、または、S/ρが用いられる。Zに温度Tを乗じた無次元指数ZTが1を超えることが実用上の目安とされている。
一方、ゼーベック効果の逆過程も存在する。すなわち、物質に電流を流すと導線との接合部で吸熱・発熱反応が起きる。これをペルチェ効果とよぶ。
この原理に基づく電子冷却素子は、一部実用化されている。
従来知られている熱電材料は、BiTeやPbTe、Si−Ge系などの縮体半導体が主である。通常の半導体は比較的大きなゼーベック係数を持つが、電気抵抗が大きいために熱電材料としては利用できない。一方、金属のゼーベック係数は通常小さい。BiTeやPbTe、Si−Ge系などは、不純物添加などによってキャリアを大量にドープ(N>1019cm;N:キャリア量)することで、大きなゼーベック係数と比較的低い電気抵抗率を両立している。
10年ほど前に、層状コバルト酸化物NaCoが高い熱電能を示すことが報告された(非特許文献1)。その後、一連の層状化合物でも同様に高い熱電能を示すことが判明した。(例えば、CaCo:非特許文献2、BiSrCo:非特許文献3)これらのコバルト酸化物では、従来の縮耐半導体系材料とは異なり、その高い熱起電力の発生メカニズムは3d軌道内で生じる電子相関と強く関連していると考えられている。(例えば、非特許文献4)特異なメカニズム故に、従来の縮体半導体系熱電材料の特性を一気に凌駕してしまう可能性がある。コバルト酸化物は、結晶構造内にCdI型のCoO三角格子層を含むものであって、高熱電能は、銅酸化物の高温超伝導、マンガン酸化物の巨大磁気抵抗効果などと並び、巨視的量子効果のひとつとして、近年、物性研究者等の中で大いに注目を集めている。
しかし、室温以上では、従来の層状コバルト酸化物では飽和傾向にあり、かつ、電気抵抗率も温度と共に上昇するので、効率(S/ρ)が悪くなる欠点がある。
I. Terasaki, Y. Sasago, and K. Uchinokura, Phys. Rev. B 56 (1997) R12685 Ca3Co4O9: A. C. Masset, C. Michel, A. Maignan, M. Hervieu, O. Toulemonde, F. Studer, B. Raveau, and J. Hejtmanek, Phys. Rev. B 62 (2000) 166 F. Chen, K. L. Stokes, R. Funahashi, Appl. Phys. Lett. 81 (2002) 2379. W. Koshibae, K. Tsutsui, and S. Maekawa, Phys. Rev. B 62 (2000) 6869.
本発明は、このような実情に鑑み、熱依存性を低減して、室温以上の温度領域において、最大クラスのゼーベック係数を持つ熱電変換材料を提供することを目的とする。
本発明の熱電変換材料は、CaFe(カルシウム・フェライト)型構造を有し、そのFeがCoに置換されてなることを特徴とする。
今回見いだした物質CaCoは、室温以上の温度領域において、最大クラスのゼーベック係数を持つ。
従来の層状コバルト酸化物では飽和傾向にあり、かつ、電気抵抗率も温度と共に上昇するので、効率(S/ρ)が悪くなる欠点がある。
しかしながら、Koshibaeらの理論予想(前出の文献(非特許文献4))は、特に層状コバルト系物質に限定されるものではなく、適切な電子状態と結晶構造を持つ遷移金属酸化物に拡張されるべきものとの考えから、我々は、様々な遷移金属酸化物を物質合成探索した結果、今回の新物質CaCoを初めて合成することに成功した。
さらにこの物質が、従来の層状コバルト酸化物に優るとも劣らない熱電材料としての潜在能力を持つことを見いだした。
特に、本物質は室温付近で大きなゼーベック係数を持つことを示す。さらに、ゼーベック係数は、温度変化に対して、室温より少々高い温度であっても殆ど飽和しないという特長を持つ。
従来物質に較べ電気抵抗率が少し高めなので、そのまま本物質を熱電材料として用いるのは難しいが、本物質を元に、単結晶化や適度なキャリアドープを行えば電気抵抗率を数桁下げられることは容易に推測できる。このようにして得られた物質は、従来の熱電材料に匹敵する性能を発揮する可能性が十分ある。
<CaCoの合成方法>
CaCo多結晶試料は、高温高圧合成法(高温高圧下での固相反応法)によって人工的に作り出された。(自然界にも恐らく存在しない。)本物質は高圧下でのみ合成可能な物質と考えられる。原料粉が高温高圧下で化学反応して本物質が形成されるが、反応後、高圧を保持したまま室温まで急冷(クエンチ)し、その後、圧力を解放する。これにより、室温常圧でも安定して保持できる。
高圧合成の出発原料にはCo(3N)と(CaCoO0.62CoO粉末を用いた。
ここで後者((CaCoO0.62CoO)の粉末は先んじてCoとCaCO(3N)粉末を常圧下での固相反応法(1気圧Oガス気流中、900-950°Cで反応。途中、数回の粉砕混合を行う。)を用いることですることにより得られた。
Co : (CaCoO0.62CoO = 0.86 : 3のモル比で混合された粉末を作る。今回、混合には瑪瑙乳鉢を使用した。今回は上記の原料を用いたが、原子のモル比がCa:Co:O=1:2:4+δであればよく、他の出発原料の使用も可能と考えられる。ここで、δは過剰な酸素量を意味する。
高圧合成は閉鎖系で反応が進むため、上記以外の元素が入っていてはいけない。たとえば、CaCOなどの炭酸塩は、余分のC原子が存在するので原料としては不可。硝酸塩も同様に不可。混合粉末は、300°Cで数時間乾燥された。
混合粉末を白金カプセルに充填・密閉する。このときの白金カプセルの大きさは、直径(外径)6.8 mm、0.2 mm厚、高さ約5 mmであった。これは高圧合成装置の試料空間の制約から来る大きさである。粉末充填はアルゴンガスを満たしたグローブボックス中で行った。この白金カプセルを圧力セル(岩塩を主成分とした圧力媒体、および、カーボンヒーター等で構成)に組み込む。フラットベルト型の高圧プレス装置を用いて、高温高圧下(1500°C, 6GPa)で1時間反応させた後、室温まで急冷、圧力解放を行う。
熱処理された白金カプセルを取り出し、さらに中の生成物(試料)を取り出す。反応により試料はペレット状に焼結している。試料表面は、カプセル材料の白金と反応している可能性があるので、表面を削り取る。最終的に約0.4 g程度のバルク塊試料が得られた。図8は、得られたペレット上試料を破砕して得た小片の写真である。ほぼ黒い塊である。
高温高圧下で合成されることが重要である。プレス装置の種類や試料の大きさは重要ではない。また、反応温度・圧力・時間などもこの1点でないと合成できないというわけではなく、多少の幅は許容できると思われる。ただし、良質の試料を得るためには、温度・圧力、混合状態などの均一性はある程度保証される必要がある。また、カプセルの種類も他にも可能かもしれない。今回、融点が高く、生成物と比較的反応の少ない白金を選んだ。
<試料評価方法>
試料の同定と結晶構造解析用データを得るため、通常の実験室系の粉末X線回折法を用いた。今回用いた回折装置は、リガクRINT−ULTIMA III(CuKα線、Bragg−Brentano光学系、ゴニオ半径285 mm)である。構造の精密化はリートベルド解析法(RIETAN−2000プログラム)にて行った。測定条件は、2θ=10−110度、ステップスキャンモード、ステップ幅0.02度、データ蓄積時間30秒/1ステップ、発散スリット=散乱スリット=1/3度、受光スリット=0.3 mmであった。結合長と結合角の計算にはORFFEプログラムを使用した。
磁気データ測定には、Quantum Design社製のSQUID (MPMS)装置を用いた。粉末試料(200.97 mg)を用いた。測定磁場は、1000 Oe、温度範囲は、2 K−350 Kである。ゼロフィールドクール測定、フィールドクール測定を行った。
物性測定(電気抵抗、熱起電力、比熱)の測定には、Quantum Design社製のPPMS装置を用いた。ゼーベック係数と抵抗率はTTO(熱伝導測定オプション)を用いて、同時に測定された。バルク試料のサイズは、1.5×2.1×5.5 mm、電圧・温度端子間の距離は2.9 mmである。試料電極には銅線を用い、試料表面に蒸着した金薄膜を介してオーミックコンタクトを形成した。データ収集は連続モードで行い、昇温速度は0.3 K/min.である。温度計にはCernox1050を用いた。電極間の温度差は、測定温度の3%未満に制御された。電気抵抗測定は、4端子法によるものである。0.01−0.05 mA、60−300 Hzの交流電流を用いた。測定温度範囲は、10 K−390 Kである。比熱はPPMSを使用し、緩和法にて302 K−2 Kの範囲で測定した。用いた試料の質量は、12.34 mgであった。
<測定・解析結果(CaCoの結晶構造と物性)>
結晶構造
図1(測定データ:表4−1〜4−6)にCaCoの粉末X線回折パターンを示す。この図は、粉末X線回折法により得られたパターンである。ブラッグの反射条件λ=2dsinθ(λ=1.540593 Å, CuKα特性X線の波長、d:格子面間隔、θ:ブラッグ反射角)を満たす回折角(2θ)から格子面間隔dが求められる。さらに、ピーク強度(Ihkl)の測定値と計算値を数値フィットさせることで結晶構造モデルを精密化する方法がリートベルド法である。赤+は測定値、実線は理論値、青実線はその差分、緑線はブラッグ反射位置を示す。図1は、CaFe構造に特有(類似)のパターンを示している。
ブラッグ反射の強度と2θ角度は表1にまとめられている。全ての反射はa=8.789(2) Å, b=2.9006(7) Å, c=10.282(3)Åの格子定数を持つ斜方晶系格子を用いて指数づけ可能である。これは試料純度が高い(不純物相が含まれていない)ことを示している。消滅則は、k+l=2n (0kl), h=2n (hk0)であるから、可能な空間群はPnma (No. 62)とPn2a (No. 33)になる。ここでは、高対称性のPnmaを仮定する。

CaCoの構造解析は、X線リートベルド解析により行った。図1の回折パターンはリートベルド解析結果をも示すものである。ここで、構造モデルとしてはCaFeと同じモデルを用いた。得られた原子座標等の構造パラメータ、および、結晶学的データは表2にまとめられている。表3には結合距離と結合角度がまとめられている。
図2、図3に得られた結晶構造の図を示す。これは表2の数値を用いて描かれたものである。
図3は、表1の座標データを用いて作図された。(a)では、CoO八面体の頂点の酸素を省略して描かれている。(b) 複数のCoO八面体がb軸方向(紙面に奥方向)に辺共有で結合し、二重鎖を形成する。二重鎖は、頂点共有で隣の二重鎖と結合し、三次元のネットワークを形成する。
図3に示すように、CaCoの構造で最も特徴的な点は、b軸方向に走るCo−Oの二重鎖である。これはCoO6八面体が二重鎖内では辺共有、二重鎖間では頂点共有することで形成されている。Co−Oの三角格子の部分格子を形成していると見なすこともできる。Co原子のt2g軌道はお互いに同一方向を向き、軌道は重なり合っていることが予想される。
Co−O結合長はイオン半径から予測される距離と大局的にはほぼ同じであり、構造としての矛盾はない。Co−O結合長同士で僅かな差が見られるが、その比較解析から、酸素八面体内のCo原子は二重鎖の内側(Co−Co間距離が短くなる側)に僅かに変位していることがわかる。二重鎖構造の特徴である。二重鎖内の結合角はほぼ90度である。これはCo t2g軌道の重なりが可能となる角度であり、二重鎖内では電荷移動が可能な状況にあることを意味する。他方、二重鎖間の結合角は130度前後である。もし180度であれば軌道の重なりはほぼ無視して良いことになるが、実測のように130度であることは、二重鎖間でもt2g軌道が重なる成分が無視できない(即ち、二重鎖間でもある程度の電荷移動が可能な状況にある)ことを意味している。実際に後述する物性でも明確な異方性(1次元性)は観測されなかった。これは本物質が電子構造的には、構造に起因した3次元的な特徴があることを意味している。
磁化率
図4(測定データ:表5,6)に磁化率の温度依存性を示す。図4は、この系の磁性が、キュリーワイス常磁性でほぼ表現できることを意味する。キュリー定数(C)は小さく、基底状態がコバルト3価の低スピン状態(Co3+, 3d2g, S=0)であることを意味する。小さいながらも有限のC値が観測されることから、12%程度のS=1/2の(ほぼ)孤立したスピンが存在すると思われる。孤立スピンの原因は、わずかな(磁気的)不純物や格子欠陥などが考えられるが、経験的な値との比較から、これらだけで説明するのは難しい。むしろ、それに加えて少量(数%程度)のホールが存在すると考えるのが妥当である。ホールの存在は、電気抵抗やゼーベック係数、比熱の測定データからも示唆される。キューリー温度(θ)は小さく、スピン間の相互作用はかなり弱く、ほぼ孤立状態にあると考えて良い。また、磁気転移は、この測定温度範囲では観測されない。相転移によるエントロピーの解放がないことが、低温まで残留エントロピーが存在し、電荷と結合することで大きな熱電起電力を生じる原因と思われる。
磁気転移や低次元性に起因する変化の兆候も全く見られない。温度変化はキュリー・ワイス的である。図内の実線はキュリー・ワイス近似による数値フィットにより求められたものである。これにより、キュリー定数とワイス温度が求まる。比較的小さなキュリー定数は、Coの磁気状態が基本的には3dの低スピン状態(S=0)にあることを意味する。有限のスピンは約12%程度のS=1/2スピンが存在することを意味する。その原因は主に、磁気的不純物であったり格子欠損であったりすると思われるが、それにしては12%という値はやや大きい感がある。恐らく、僅かな量のホールが存在し、その孤立スピンが関与していると考えるのが妥当である。ワイス温度が−1.3 Kで小さいことは、スピン間相互作用が弱く、ほぼ孤立状態にあることを示唆する。
電気抵抗
図5(測定データ:表7)に電気抵抗率の温度依存性を示す。
図5は、半導体的な温度依存性(温度下降に伴い、抵抗が桁で増加する傾向)を示す。低温(100K以下では、アーレニウス型ではなく、バリアブル・レンジ・ホッピング型の温度変化を示す(挿入図)。このことから、本系の電子状態は通常のバンドギャップ型半導体ではなく、むしろ、金属に近いもの(フェルミレベルで有限の状態密度が存在する)と考えられる。比熱データからも求められるように、フェルミレベルでの状態密度はそれほど大きいものではない(金属的な伝導を示す遷移金属酸化物の1桁程度下)。故に、低温では電荷局在が起こると考えられる。フェルミレベルは、恐らくCo t2g軌道を主とするバンドの上端付近を僅かに横切っていると推測される。
測定温度を通じて半導体的な温度依存性を示すことが分かる。抵抗率の絶対値は380 Kにおいて3×10−1 ohm cmであり、電気伝導性酸化物においては半導体と金属のほぼ中間的な典型的な値に近い。100 Kから250 Kの間で温度依存性の曲率の変化が見られるのが特徴である。
この測定結果にから、本系のCo t2g軌道は電子でほぼ満たされていることが推測される。フェルミレベル近傍の電子状態を知るため、挿入図のように、アーレニウス型、および、バリアブルレンジホッピング型の2種類のプロットを試みた。結果は、後者が直線的になることが判明した。これから、フェルミレベルには小さいが有限の状態密度が存在し、少量のキャリアが低温では局在していることが予想される。相の定比性が僅かにずれることによりキャリアが発生したのだと推測される。恐らく、フェルミレベルはCo t2gバンドの上端付近を僅かに横切っているのだと推測される。したがって、本質的には、本系の電子構造は金属的と考えるべきである。
室温付近での温度依存性は、むしろ熱活性型に近い。高温(室温付近)では局在キャリアはポテンシャル束縛から解放されるため、伝導機構の変化が現れる。熱活性型の伝導機構が何に起因するのかは現時点では断定できない。可能性のあるものとして、移動度端へのキャリア励起、ポーラロン、グレインバンダリ散乱などが考えられる。
熱電能(ゼーベック係数)
図6(測定データ:表7)にゼーベック係数の温度依存性を示す。
図6は、大局的には金属的な温度依存性(S∝T)をしている。(バンドギャップ半導体では、S∝1/T。)挿入図は、バリアブル・レンジ・ホッピング状態の熱起電力は、S∝T1/2(3次元的)、S∝T1/3(2次元的)であることを利用して、伝導の次元性を判別しようとしたものであるが、実際には2次元と3次元の中間的な温度変化を示した。少なくとも、1次元的でないことは確かである。これは、結晶構造から得られた知見と整合する。
ゼーベック係数は総じて通常の物質より大きく、層状コバルト酸化物(例えば、CaCo(非特許文献2); BiSrCo(非特許文献3))に相当する。380 Kにおける値は、S=+147 μV/Kである。
室温付近(以上)での温度依存性はかなり特徴的である。通常の層状コバルト酸化物のSは、この温度領域で飽和する傾向にあるが、この系(CaCo)では、殆ど飽和せずに温度上昇と共に増加し続ける。(残念ながら測定装置のスペックの問題でこれ以上の高温領域では測定できなかった。)より高温側ではさらに大きなSと小さなρが期待できるので、高温領域で使う熱電材料としてはたいへん都合がよい。
負号が正であることから、主にp型キャリア(ホール)が存在することが分かる。温度上昇と共にゼーベック係数が増加する傾向は、本系の電子構造が金属的であることを意味しており、電気抵抗の結果と整合する。特に、低温ではバリアブルレンジホッピング伝導が支配的であると考えられるので、挿入図のように対数プロットによって、伝導の次元性を判別した。結果は、本系は3次元、もしくは2次元的な伝導機状態にあることを示唆している。(少なくとも1次元的ではないのは確実。)これは構造からも予想されたように、二重鎖間の電荷移動が存在するという解釈ができる。
温度を上げたとき、100 K付近で一旦ゼーベック係数の増加が鈍る。これは、この温度付近で電荷局在が解放され始めることを示唆している。通常、ゼーベック係数は、フェルミエネルギーにおける対数伝導度のエネルギー微分で表現されるので、ゼーベック係数の温度曲率の変化は、電子構造が著しく変化を受けることを示唆している。
CaCoのゼーベック係数Sの絶対値は、380 Kのとき約147 μV/Kであり、明らかに通常の金属のそれより大きく、近年、熱電材料として期待されている層状コバルト酸化物の値に匹敵するかそれ以上である。これは、CaCoが熱電材料としての潜在能力を持っていることを示唆している。この大きな熱電能の発生原因は、スピンの残留エントロピーに起因すると考えられる。非特許文献4によって与えられた理論式を用いた場合、この系の高温極限での熱電能は、S=344 μV/Kと見積もることができる。実測のS(=147 μV/K)は、温度が380 Kの時の値であり、高温極限の理論値と比較するのは困難であるが、図6に示すように、400 K付近においてもSの飽和傾向が見られないことから、十分な高温では理論値に到達する可能性がある。ちなみに、CaCoのようにSが飽和しない(観測されない)物質は比較的、稀である。(通常の層状コバルト酸化物のSは室温付近以上で飽和傾向がある。)これはCaCoの最大の特徴のひとつであり、高温領域での応用という観点からは重要な要素である。相転移によって解放されないために室温付近において残った大きな残留エントロピーに対し、電子相関によって電荷が張り付くことで大きな熱電能が発生すると考えられる。CaCoのような二重鎖構造は、その舞台として都合の良いものなのかもしれない。
比熱
図7(測定データ:表8)にCaCoの比熱の温度変化を示す。
一般物質では、比熱は電子比熱と格子比熱から構成され、C/T=γ+ATで表現される。このとき、図7のようにC/TをTに対してプロットし直線部を外挿すると、T=0軸との交点から電子比熱係数γが求められる。また。係数A=(12π/5)rN(1/θ )であるので、直線の傾き(A)からデバイ温度(θ)が求まる。求まった電子比熱係数は、γ=4.48(7) mJ/mol Kであり、有限である。電気抵抗データでも示唆されたように、本系の電子状態は通常のバンドギャップ型半導体ではなく、むしろ、金属に近いもの(フェルミレベルで有限の状態密度N(0)が存在する)と考えられる。ただしγの値は、他の金属的な伝導を示す遷移金属酸化物に較べて1桁程度小さいことから、N(0)は小さいと推測される。フェルミレベルは、恐らくCo t2g軌道を主とするバンドの上端付近を僅かに横切っていると推測される。
低温での実測値は直線を外れ、温度下降に伴い増加する。挿入図のように、これはショットキー型比熱で説明できる。ショットキー型比熱は常磁性体でしばしば見られる減少で、孤立スピンに起因した離散準位がフェルミレベル近傍に存在することを意味する。この結果は、局在準位が存在するという推測と整合する。
図7のように温度の2乗(T)に対して比熱を温度で割った値(C/T)をプロットしたとき、直線の外挿線と縦軸との交点が、電子比熱係数gを与える。また、直線の傾きから、デバイ温度(θ)を求めることができる。γはフェルミレベルでの電子状態密度に比例する。得られたγとθの値は、γ=4.48(7) mJ/Co−mol K、θ=621(1) Kである。γの値は金属的な導電性を示す酸化物に較べ約1程度小さいものの、ゼロではない。有限のg値が観測されることから、この系のフェルミレベルでの電子状態密度は有限に存在すること、即ち金属的な状態にあることが分かる。これらは電気抵抗やゼーベック係数の測定結果と整合するものである。
6 K以下の低温で、比熱は温度減少に伴い増加する。これはショットキー異常の効果として理解できる。図7挿入図には、ショットキー比熱の補正を取り入れた式を用いてデータ解析した比熱の温度依存性を示してある。解析曲線と実測データとのよいフィットは、ショットキー比熱がこの系に関与していることを示唆している。ショットキー比熱の原因となるのは、この系の場合、孤立スピンかあるいは孤立局在したホールのスピンに起因した準位の分裂である。これは磁化率や電気抵抗の測定結果と整合するものである。
図8は、高温高圧下合成後に得られたペレットから、その破片の一部を成形して得られたCaCo多結晶試料を示す。
白金カプセルから取り出した直後の試料塊は、直径約6 mm、高さ約3−4 mm程度のペレット上である。写真の試料は、ペレットの一部を切り出して矩形に成形したものである。電気伝導性酸化物に特有の黒色をしている。
<熱電能の改善方法について>
先にも述べたように、熱電性能を表すには、性能指数Z=S/ρκ、または、S/ρが用いられる。今回、κは測定されていない(通常は測定が難しい)のでS/ρを指標とする。代表的な層状コバルト酸化物NaCoに較べ、今回のCaCoのS(ゼーベック係数)は約1.5培(Sは約2倍)であるが、ρ(電気抵抗率)は約2−3桁高い。
結果的にS/ρは2−3桁程度低くなってしまい、このままでは熱電材料としては利用できない。Sは優っているので、ρを如何に下げるかが改善のポイントとなる。(注:NaCoとCaCoの組成比は似通っているが、結晶構造が異なる全く別の相である。前者は、非特許文献1ではNaCoの表記が用いられていたが、最近はNa0.7Coの方が、通常、用いられることが多い。)
改善策1:単結晶化
今回測定に用いた試料は多結晶体(セラミクス)試料である。多結晶試料は、多数の細かい(通常数ミクロン程度の大きさ)の単結晶グレインが集合して焼き固められたものである。このため、電気伝導においてはグレイン境界での散乱が大きくなり、電気抵抗率の絶対値は大きくなる。単結晶を用いればグレイン散乱は無くなるので、電気抵抗率は大幅に(恐らく桁違いに)減少する。実際に、非特許文献1におけるNaCoの小さい電気抵抗率は単結晶を用いて得られた値である。これに対し、非特許文献2におけるCaCoの電気抵抗率は多結晶試料の場合の値であり、今回のCaCo多結晶試料との比較が可能である。
両者は、1桁程度の抵抗率の差しか見られない。(CaCoの抵抗率はCaCoの抵抗率より1桁大きい)(NaCoとCaCoは共に層状コバルト酸化物であり、類似の結晶構造を持つ。)1桁程度の抵抗率の差は改善策2によって修正可能な範疇である。特に、CaCoは、結晶構造から推測できるように伝導の異方性(1次元系ほど強いというわけではない)があるはずなので、b軸方向の電気抵抗率は他の方向のそれに較べて桁違いに小さいはずである。適切な方向で単結晶物質を使用すれば大きな熱電性能の改善が期待できる。
改善策2:キャリアドープ
CaCoにおける高い熱起電力の発生原因は、コバルト原子のt2g電子軌道の縮体と電子相関とにあることが推測される。いずれにしても、CoO八面体が構成する二重鎖のネットワークが構造的に重要であることは間違いない。この構造部分を保持したままキャリア(ホール)を注入すれば、高い熱起電力をほぼ維持したままで電気抵抗が下がることが予想できる。具体的には、Ca2+イオンをNaやK, Rbなどの1価のアルカリ金属で部分置換(恐らく、10%前後)すればホールが注入され、抵抗は1−2桁程度下がることが期待される。このとき、熱起電力も少し下がる可能性はあるが、Co t2g軌道の縮体とそれによる残留エントロピーは保持されるので、僅かな下がりに抑えられると予想される。
合成の観点からは、CaサイトのNa, K, Rb置換は十分可能であると推測できる。Naのイオン半径はCaのそれに近く、固溶されやすい。KやRbのイオン半径はやや大きめであるが、基本的に高圧条件下では大きいイオンはたくさん縮むので、高圧合成には都合がよい。結果的にK, Rbなども固溶されやすいと推測される。同一構造(CaFe型構造)でNaTiという物質も存在するので、Na置換は結晶学的にも不自然ではなく、むしろ有望である。(注:現在までに多くのCaFe型構造物質が知られている。AB (A=Li, Na, Mg, Ca, Sr, Ba, La, and Eu; B= Ti, V, Cr, Mn, Fe, Ru, Rh, Al, Ga, In, Tl, Sc, Y, La, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Yb, and Lu)。B=Coは今回が初めて。)
改善策1および2によって電気抵抗率の2−3桁の改善が予想され、NaCoと同程度(あるいはそれ以上)のS/ρになることが期待できる。しかも、ゼーベック係数Sの温度依存性の測定データで見られたように、380 Kを超えてもまだまだSは増加傾向にあるように見える。(通常の層状コバルト酸化物では、Sは室温付近より高温では飽和する傾向にある。)より高い温度領域で、もしこの増加が続けば高温領域においては従来の層状コバルト酸化物の熱電性能を凌駕することが期待できる。本系の二重鎖ネットワーク構造は、高温領域において高い熱起電力を発生するのに都合の良い構造なのかもしれない。今回の測定データはそれを示唆するに足りるデータであり、そのような観点は恐らく今回の我々が初めてであろう。
前述のように、現在までに多くのCaFe型構造物質が報告されているが、ゼーベック係数を報告しているものは非常に少なく、今回の比較対象とならなかった。従来はそのような観点が少なかったこと、ゼーベック係数を簡単に測定できなかったことなどが理由として考えられる。
現在では、NaRhなどの物質でSが報告されているが、Sの値は小さい。
(K. Yamaura, Q. Qingzhen Huang, M. Moldovan, D. P. Young, A. Sato, Y. Baba, T. Nagai, Y. Matsui, and E. Takayama−Muromachi, Chem. Mater. 17 (2005) 359.)
熱電材料は、コンプレッサーなどを使わない、いわゆる電子的な変換機構を有するため、無騒音かつ超小型化が可能となる利点がある。
近年、コンピュータの CPU (中央演算素子)や赤外線検出器の冷却用としてペルチェ素子の需要が高まっている。今後、CPU の演算処理速度の上昇にともない発熱量も大きくなるため、新熱電材料の開発も含めた高性能の熱電素子の開発は急務であると考えられる。さらに、高い熱電効率を持つ電子材料の開発は、コンプレッサー不要の高効率熱電冷却冷蔵庫の実現、熱電変換による自動車の排気ガスやエンジンの廃熱、あるいはプラントから発生する廃熱からの電力への変換等、新たな応用の可能性を広げ、熱電技術全体の発展に多大な寄与をもたらすと考えられる。
また、熱電材料を用いたエネルギー変換は環境に優しいということがあげられる。冷蔵庫やクーラーなどでは、環境負荷の高いフロンをもちいて冷却を行っている。熱電材料を使えば当然、フロンレスの冷却機が実現できる。
このように、熱電変換材料は 21 世紀のエネルギー・環境問題を考える上でもきわめて重要と思われる。
CaCoの粉末X線パターン(リートベルド解析パターン) CaCoの結晶構造を示す模式図。 CoO八面体の二重鎖ネットワークを示す模式図。直線で囲まれた領域は、単位胞(斜方晶系)を示す。 CaCoにおける、磁化率(χ)の温度依存性。FC:磁場中冷却下での測定データ。ZFC:無磁場冷却後、磁場中昇温での測定データ。実線は、キュリーワイス近似曲線;χ=χ+C/(T-θ): χ=2.2(1)×10−4 emu/Co−mol, C=0.0471(6) emuK/Co−mol, and θ=−1.3(1) K。 CaCo多結晶における、電気抵抗率(r)の温度依存性。挿入図は、アーレニウスプロット(lnρ vs. 1/T)および、モットのバリアブル・レンジ・ホッピング・プロット(lnρ vs. 1/T0.25)を示す。 CaCoにおける、熱電能(ゼーベック係数:S)の温度依存性。挿入図は、両対数プロット(lnS vs. lnT)を示す。 CaCoにおける、定圧比熱(C)の温度依存性(C/T vs. T)。外挿線と縦軸との交点から、電子比熱係数gは、4.48(7) mJ/mol Kと求められる。挿入図は、ショットキー型比熱近似による解析結果。 CaCo多結晶試料の写真。高温高圧下合成後に得られたペレットから、その破片の一部を成形して得られたもの。

Claims (1)

  1. コバルト酸化物よりなる熱電変換材料であって、CaFe(カルシウム・フェライト)型構造を有し、そのFeがCoに置換されてなることを特徴とする熱電変換材料。
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