JP2008304802A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離爪を含む定着装置において、製造価格の上昇を伴うことなく、簡易な構造で、剥離爪へのトナーの付着・堆積を防止し、記録媒体汚れなどの画像汚れのない高画質かつ高品位画像を得る。
【解決手段】トナー像形成手段2と、転写手段3と、定着装置4とを含む画像形成装置1において、定着装置4が定着ローラ31と、加圧ローラ32と、外部加熱手段33と、ウェブクリーニング手段34と、用紙剥離部材35,36と、搬送部材37とを備え、用紙剥離部材35が剥離爪と支持部材と接触部材とからなり、剥離爪を支持部材により回転自在に支持するとともに、接触部材が記録媒体9と接触するように構成することによって、剥離爪の先端部が加圧ローラ32表面に対して離接可能になるように、剥離爪を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置およびそれを用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用する画像形成装置(以下単に「画像形成装置」とする)は、簡単な操作で記録媒体上に高画質画像を印刷できることから、現在では多くの分野において汎用される。画像形成装置は、たとえば、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを含む。感光体はその表面に感光膜を有する。帯電手段は感光体表面を所定の極性および電位に帯電させる。露光手段は帯電状態にある感光体表面に静電潜像を形成する。現像手段は感光体表面の静電潜像にトナーによって現像してトナー像を形成する。転写手段は感光体表面のトナー像を記録媒体上に転写する。定着手段はトナー像を記録媒体に定着させる。これら各手段による処理を経ることによって、記録媒体上に画像情報に応じた画像が形成される。
ここで、定着手段には、定着ローラと、加圧ローラと、内部加熱手段とを含み、熱と圧力とによってトナー像を記録媒体に定着させる熱ローラ定着方式の定着装置が多用される。ここで、定着ローラはトナー像を記録媒体に定着させる。加圧ローラは定着ローラに圧接される。定着ローラと加圧ローラとの圧接部が定着ニップ部である。内部加熱手段は定着ローラおよび加圧ローラの少なくとも一方の内部に設けられる加熱手段であり、たとえば、ハロゲンヒータなどが用いられる。この定着装置においては、内部加熱手段が定着ローラと加圧ローラとをそれぞれ所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー像が転写された記録媒体を定着ニップ部に通過させることによって、トナー像が記録媒体に定着される。
また、最近では、更なる画像形成速度の高速化、カラー化と省エネルギー化の両立を目指して、外部加熱手段が実用化されている。外部加熱手段は、定着ローラおよび加圧ローラの少なくとも一方の表面に接するように設けられる。外部加熱手段は定着ローラおよび加圧ローラの表面を接触加熱するので、内部加熱手段よりも少ない消費電力量で、定着ローラまたは加圧ローラ表面を均一にかつ所定の温度に加熱できるという長所を有する。外部加熱手段には、たとえば、ハロゲンヒータなどの加熱手段を内蔵する外部加熱ローラ、外部加熱ベルトなどが挙げられる。外部加熱ベルトは、加熱されたベルトを定着ローラまたは加圧ローラ表面に当接する構成の外部加熱手段である。外部加熱ベルトは、定着ローラまたは加圧ローラ表面に対して、外部加熱ローラよりも広い幅で接触できるので、加熱効率が一層向上するという利点がある。
また、カラートナー像は複数の色の異なるモノクロトナー像を重ね合わせることによって形成されるので、記録媒体上での単位面積当りのトナー量がモノクロトナー像と比較して最大で3倍程度まで増加する可能性がある。さらに、カラー写真画像などの出力に際しては、モノクロの文字画像を出力するのに比べて、トナー量だけでなく印字率も著しく高くなる。一般的に、記録媒体上の単位面積当りのトナー量および/または印字率が増加すると、定着ニップ部を通過した後の記録媒体の定着ローラまたは加圧ローラ表面に対する接着力が高まり、記録媒体が定着ローラまたは加圧ローラ表面に巻き付き易くなる。したがって、カラー画像を形成する場合には、画像定着後の記録媒体の定着ローラまたは加圧ローラ表面への巻き付きによって、画像不良、記録媒体詰まりなどの発生頻度が高まる。
このため、記録媒体の巻き付きを防止する剥離爪を含む定着装置が開発されている。剥離爪は、記録媒体搬送方向における定着ニップ部よりも下流側において、定着ローラの長手方向に垂直な方向における一方の端部が記録媒体搬送路と定着ローラまたは加圧ローラ表面との間に位置するように設けられる。剥離爪には、記録媒体と定着ローラまたは加圧ローラ表面とを分離する前記先端部が定着ローラまたは加圧ローラ表面に当接しない非接触方式と当接する接触方式とがある。
非接触方式の剥離爪は、爪先端部が定着ローラまたは加圧ローラに接触しないことからその表面へのトナーの付着・堆積が少ないので、記録媒体のトナーによる汚染ひいては画像劣化を引き起こし難い。記録媒体の剥離性については、比較的厚い記録媒体を用いる場合や記録媒体上に形成されたトナーの量が少ない画像の場合は、定着ローラと加圧ローラの形状や荷重条件等の最適化により、記録媒体が定着ローラや加圧ローラに巻き付いたり、剥離不良を起こしたりすることをある程度抑制することができる。
このように記録媒体先端部の剥離状態が比較的良好な場合においては、非接触方式の剥離爪はその先端部で記録媒体に当接して記録媒体を支持することで記録媒体のローラ表面への巻き付きをほぼ完全に防止することができる。
しかしながら、非接触方式の剥離爪は、種々の記録媒体に対してまたは様々な環境条件において、常に、安定した剥離性能を示し得ない。特に薄い記録媒体を用いて、記録媒体の先端部までトナー像を形成した場合等は、記録媒体がその先端部から定着ローラまたは加圧ローラに完全に密着する状態となり、爪先端部がローラに対して非接触状態で配置されている場合は、爪先端部とローラとで形成される隙間に記録媒体が入り込み、爪での機械的な剥離ができないため、紙詰まりを発生させることになる。
一方、接触方式の剥離爪は、その先端部が定着ローラまたは加圧ローラ表面に当接するので、記録媒体の先端部が定着ローラまたは加圧ローラ表面に接着した状態で定着ニップ部から排出されても、記録媒体を機械的に剥離させ得る。したがって、接触方式の剥離爪によれば、記録媒体の各ローラへの巻き付きおよびそれに伴う画像不良の発生をほぼ確実に防止できる。しかしながら、接触方式の剥離爪には、その先端部が各ローラ表面に当接することに起因する問題がある。すなわち、定着ニップ部において熱的または静電的な要因によってトナー像を構成するトナーの一部が記録媒体に定着されず、定着ローラ表面にオフセットすることがある。また、記録媒体の裏面には、記録媒体が定着ニップ部に導入される前に微量のトナーが付着しており(裏面かぶり)、このトナーが定着ニップ部において加圧ローラに付着してオフセットトナーになることがある。また、両面印字の場合には、第1面に定着されたトナー像を構成するトナーの一部が第2面の定着の際に加圧ローラにオフセットすることがある。これらのオフセットトナーが剥離爪の先端部によって堰き止められ、先端部に付着・堆積する。剥離爪の先端部に堆積するトナーが一定量を超えると、定着ローラまたは加圧ローラ表面に移行し易くなり、記録媒体を汚染させ、記録媒体汚れなどの画像劣化を引き起こす。そして、剥離爪に蓄積したトナーの量が、ある一定以上になると、剥離爪からローラへの噴出し易くなり、記録紙汚れなどの画像劣化を引き起こすことになる。
このため、最近では、クリーニング部材を含む定着装置が提案される。クリーニング部材はクリーニングウェブを含み、クリーニングウェブをたとえば定着ローラ表面に当接させることによって、定着ローラ表面のオフセットトナーを除去する。このクリーニング部材を定着ローラの回転方向において剥離爪よりも下流側に設ければ、剥離爪から定着ローラ表面へのトナーの移行が起こっても、クリーニング部材がその大部分を回収できる。これによって、記録媒体汚れなどの発生を防止できる。しかしながら、画像形成装置の小型化が望まれる現状にあっては、定着ローラおよび加圧ローラの両方にクリーニング部材を設けることは困難である。また、剥離爪から各ローラ表面へのトナーの移行は、剥離爪に堆積するトナーが一定量を超えてから起こることが多いので、各ローラ表面に付着するトナー量は比較的多量である。このため、クリーニング部材が設けられても、完全に除去できない場合がある。したがって、回数こそ減るものの、依然として記録紙汚れなどの画像劣化が発生することがある。
このような従来技術の課題を解決するため、たとえば、定着ローラと、加圧ローラと、記録媒体剥離装置(シート分離装置)とを備える定着装置を含む画像形成装置が提案される(たとえば、特許文献1参照)。この定着装置において、記録媒体剥離装置は、剥離爪と、剥離爪保持部材と、ソレノイドと、回転部材とを含む。剥離爪はばね部材を介して剥離爪保持部材によって軸支される。剥離爪保持部材は、画像形成装置本体に設けられる回転支持軸によって回転自在に軸支され、その回動によって、剥離爪を定着ローラ表面に当接する位置と定着ローラ表面から離隔する位置との間で変位可能に支持する。ソレノイドは画像形成装置本体に設けられ、ソレノイド本体と駆動ロッドとを含む。駆動ロッドはソレノイド本体に接続するのとは反対側の先端部が剥離爪保持部材に対して回動可能に接続され、これによって剥離爪保持部材を回動させる。回転部材は、剥離爪保持部材の剥離爪を支持する端部とは反対側の端部近傍に当接するように設けられる偏心カム部材であり、剥離爪保持部材を揺動させる。ソレノイドと回転部材との作用によって、剥離爪保持部材によって支持される剥離爪が変位する。特許文献1の定着装置によれば、剥離爪が必要な時だけ定着ローラ表面に当接するので、剥離爪に付着するトナー量を減らすことができる。しかしながら、特許文献1の記録媒体分離装置は多くの構成部材を含み、その構成が複雑であるため、長期的な耐用性が不充分であり、占有空間が大きくなって画像形成装置の大型化を引き起こし、さらにコストアップに繋がる。
特開2005−099426号公報
本発明の目的は、製造価格の上昇を伴うことなく、簡易な構造で、剥離爪へのトナーの付着・堆積が従来の接触式剥離爪に比べて大幅に低減化され、記録媒体汚れなどの画像汚れのない高画質かつ高品位画像の形成に寄与し得る定着装置および該定着装置を含む画像形成装置を提供することである。
本発明は、
軸線回りに回転駆動可能に設けられてトナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、
定着部材に圧接しかつ軸線回りに回転駆動可能にまたは定着部材の回転に従動回転可能に設けられて定着部材によるトナー像の記録媒体への定着を補助する加圧部材と、
定着部材および加圧部材の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、
定着部材および加圧部材の少なくとも一方に設けられる用紙剥離部材において、定着部材の長手方向に垂直な方向の一端が支持部材によって回転自在に支持されかつ他端が定着部材または加圧部材の表面に離接可能に設けられる剥離爪と、剥離爪を回転自在に支持する支持部材と、剥離爪と一体化され、支持部材の軸線から記録媒体搬送路に向けて下ろす垂線と該搬送路とが交わる位置よりも記録媒体の搬送方向下流側において、剥離爪の回転に伴って記録媒体に対して離接可能に設けられる接触部材とを備える用紙剥離部材とを含むことを特徴とする定着装置である。
また本発明の定着装置は、
用紙剥離部材が、
剥離爪の他端が定着部材または加圧部材の表面に対して離隔状態にある時、記録媒体搬送路において、剥離爪の他端の少なくとも一部と記録媒体とが接触しないように剥離爪の回転を抑止する抑止部材をさらに含むことを特徴とする。
さらに本発明の定着装置は、
接触部材が、
記録媒体搬送路内の記録媒体と接触して回転する回転部材と、
剥離爪と一体化されて回転部材を回転自在に支持する回転支持部材とを含むことを特徴とする。
さらに本発明の定着装置は、
定着部材と加圧部材との圧接部を通過する記録媒体を記録媒体搬送路のさらに下流側に搬送する搬送部材をさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、
表面に感光層を有する感光体と、感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電状態の感光体表面に静電潜像を形成する露光手段と、感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着させる定着手段とを含む画像形成装置において、
定着手段は、前述のいずれか1つの定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、定着部材と、加圧部材と、加熱手段と、用紙剥離部材とを含む定着装置が提供される。定着部材は軸線回りに回転駆動可能に設けられてトナー像を記録媒体に定着させる。加圧部材は定着部材に圧接しかつ軸線回りに回転駆動可能にまたは定着部材の回転に従動回転可能に設けられて、定着部材によるトナー像の記録媒体への定着を補助する。定着部材と加圧部材との圧接部が定着ニップ部である。加熱手段は定着部材および加圧部材の少なくとも一方を加熱する。用紙剥離部材は、定着部材および加圧部材の少なくとも一方に設けられる。用紙剥離部材は、剥離爪と、支持部材と、接触部材とを含む。剥離爪は、定着部材の長手方向に垂直な方向の一端が支持部材によって回転自在に支持されかつ他端が定着部材または加圧部材の表面に離接可能に設けられる。支持部材は剥離爪を回転自在に支持する。接触部材は剥離爪と一体化され、支持部材の軸線から記録媒体搬送路に向けて下ろす垂線と該搬送路とが交わる位置よりも記録媒体の搬送方向下流側において、剥離爪の回転に伴って記録媒体に対して離接可能に設けられる。
すなわち、本発明の定着装置において、用紙剥離部材は剥離爪と、支持部材と、接触部材という僅か3つの部材を含み、従来技術に比べて部品数が低減化される。また、用紙剥離部材は、剥離爪と接触部材とが一体化され、剥離爪が支持部材によって支持されるという非常に簡易な構造を有する。したがって、本発明の定着装置は長期的な耐用性が高く、画像形成装置の大型化を引き起こすことがなく、製造価格がほとんど上昇せず、剥離爪の清浄化、剥離爪の交換などの保守点検も容易である。
また、本発明の定着装置においては、剥離爪を回転自在に支持する支持部材と接触部材との協働によって、剥離爪の定着部材または加圧部材表面への当接および離反が可能になる。剥離爪の定着部材長手方向に垂直な方向の他端(以下単に「剥離爪他端」とする)は、記録媒体の先端部が定着ニップ部から排出され始めた状態では、定着部材または加圧部材表面に当接する。したがって、記録媒体の定着部材または加圧部材表面からの剥離が確実に行われる。このとき、接触部材は記録媒体とは接触しない。そして、記録媒体の定着ニップ部からの排出が進み、記録媒体はその搬送方向(定着ニップ部の入口と出口とを結んだ直線)に押出される。記録媒体の先端部が、支持部材の軸線から記録媒体の搬送方向に下ろした垂線と該搬送方向との交点を過ぎると、記録媒体は接触部材に接触する。剥離爪に一体化された接触部材は、記録媒体と接触することによって剥離爪を支持部材回りに回転させ、剥離爪の他端を定着部材または加圧部材表面から離反させる。これによって、剥離爪他端へのトナーの過度な付着がなくなり、剥離爪へのトナーの付着・堆積が従来の接触式剥離爪に比べて大幅に低減化され、記録媒体汚れなどの画像汚れのない高画質かつ高品位画像の形成に寄与できる。
本発明によれば、用紙剥離部材がさらに抑止部材を含む定着装置が提供される。抑止部材は、剥離爪他端が定着部材または加圧部材表面から離隔する時(すなわち接触部材が記録媒体に当接する時)、剥離爪の過度の回転を抑止し、記録媒体搬送路において剥離爪の他端の少なくとも1部と記録媒体との接触を防止する。剥離爪他端は、定着部材または加圧部材表面から記録媒体を剥離させるという機能上、特にその先端部が鋭利な形状を有する。したがって、剥離爪他端が記録媒体に接触すると、記録媒体に爪跡が残る可能性がある。特に、両面印字の際には、画像印字面である第1面に爪跡、引っ掻き傷などが発生するのは好ましくない。さらに場合によっては、剥離爪他端に記録媒体が引っ掛かり、記録媒体詰まりなどが起こる可能性がある。これに対し、前述のような機能を有する抑止部材を設けることによって、剥離爪他端の記録媒体への当接ひいては爪跡の発生が防止され、記録媒体が円滑に搬送され、画像不良のない高画質・高品位画像を長期的にかつ安定的に形成できる。
本発明によれば、回転部材と回転支持部材とを含む接触部材を用いるのが好ましい。回転部材は、記録媒体搬送路を通過する記録媒体と接触して回転する。回転部材は記録媒体に対して角を有する先端部で接触するのではなく、回転する曲面で接触する。回転支持部材は、剥離爪と一体化されて回転部材を回転自在に支持する。このような構成を採れば、接触部材によって記録媒体に爪跡が生じるのを確実に防止できる。特に、カラー両面印字の際に有利である。
本発明によれば、本発明の定着装置において、搬送部材をさらに含むのが好ましい。搬送部材は、定着ニップ部を通過する記録媒体を記録媒体搬送路のさらに下流側に搬送する。これによって、記録媒体が定着ニップ部から排出され、搬送部材を通過するまで、記録媒体と用紙剥離部材との間に作用する力がほぼ均一になる。記録媒体と用紙剥離部材との間に作用する力がほぼ均一な状態で、用紙剥離部材を定着部材などの長手方向に複数設けると、剥離爪がほぼ同じ回転角度で定着部材または加圧部材から離反する。その結果、離隔不良による剥離爪他端へのトナー付着・堆積、記録媒体における爪跡の発生などを一層確実に防止できる。
本発明によれば、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、本発明の定着装置とを含む画像形成装置が提供される。本発明の画像形成装置によれば、記録媒体汚れなどの画像汚れのなく、剥離爪、接触部材などとの接触による爪跡がなく、高画質かつ高品位の画像を長期的にかつ安定的に形成できる。
図1は、本発明の実施の別形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す図面である。図2は、本発明の実施の第2形態である定着装置4の構成を模式的に示す断面図である。図3は図2に示す定着装置4の要部の構成を模式的に示す側面図である。図4は従来の定着装置4aの要部の構成を模式的に示す側面図である。図5は、図2に示す定着装置4における用紙剥離部材35の作用を示す側面図である。なお、図3〜図5は、定着装置4または従来の定着装置を定着ローラ31の長手方向の一端部から見た側面図である。また、図3〜図5においては、定着ローラ31側の用紙剥離部材36の図示を省略する。
画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナー像を順次重ね合わせて転写するタンデム構成のカラーレーザプリンタである。画像形成装置1は、トナー像形成手段2と、転写手段3と、定着装置4とを含み、画像情報の入力を受けてモノクロ画像およびフルカラー画像を出力する。トナー像形成手段2を構成する各部材および転写手段3に含まれる1次転写ローラ23は、画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色情報に対応するトナー像を形成するため、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表す英小文字を参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段2は、トナー像形成ユニット10b,10c,10m,10yを含む。トナー像形成ユニット10b,10c,10m,10yは、後述する中間転写ベルト20の回転駆動方向(副走査方向)、すなわち矢符25の方向の上流側からこの順番に一列に配置され、デジタル信号などとして入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像に対応する色のトナーを供給し、現像して各色のトナー像を形成する。すなわち、トナー像形成ユニット10bはブラックトナーを用いてブラックの画像情報に対応するトナー像を形成し、トナー像形成ユニット10cはシアントナーを用いてシアンの画像情報に対応するトナー像を形成し、トナー像形成ユニット10mはマゼンタトナーを用いてマゼンタの画像情報に対応するトナー像を形成し、トナー像形成ユニット10yはイエロートナーを用いてイエローの画像情報に対応するトナー像を形成する。トナー像形成ユニット10は、感光体ドラム11と、帯電ローラ12と、レーザ光照射手段13と、現像手段14と、ドラムクリーナ16とを含む。
感光体ドラム11は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転自在に支持され、その表面に図示しない感光層を有するローラ部材である。感光層には画像情報に対応する静電潜像が形成される。なお、感光体ドラム11はローラ部材に限定されず、円柱状、薄膜シート状などの部材であってもよい。感光体ドラム11の周囲には、帯電ローラ12、レーザ光照射手段12、現像手段14およびドラムクリーナ16がこの順番で配置される。帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面を所定の極性および電位に帯電させるローラ部材である。帯電ローラ12には図示しない電源が接続され、該電源から電圧の印加を受けて感光体ドラム11表面を帯電させる。なお、感光体ドラム11を帯電させる帯電器としては、帯電ローラ以外にも、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、スコロトロン型帯電器などを使用できる。レーザ光照射手段12は、帯電状態にある感光体ドラム11表面にブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。レーザ光照射手段12には、たとえば、半導体レーザなどを使用できる。
現像手段14は内部空間を有する容器状部材であり、ブラック、シアン、マゼンタまたはイエローのトナーを含む現像剤と、現像ローラ15とを収容する。現像ローラ15は感光体ドラム11に対して間隙を有して離隔するように設けられ、現像手段14によって回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられるローラ部材である。現像ローラ15はその表面にトナーとキャリアとを含む2成分現像剤を担持して回転し、感光体ドラム11表面の静電潜像にブラック、シアン、マゼンタまたはイエローのトナーを供給する。現像手段14には、図示しないトナーホッパを介して図示しないトナーカートリッジが接続され、現像手段14におけるトナーの消費状況に応じてトナーが供給される。トナーは現像手段14内でキャリアとの混合などによって電荷を付与されて帯電し、現像ローラ15表面に担持され、感光体ドラム11表面の静電潜像に供給される。現像ローラ15から感光体ドラム11へのトナーの移行に際し、現像ローラ15には図示しない電源から現像バイアス電圧が印加される。
ドラムクリーナ16は、後述するように、感光体ドラム表面のトナー像を中間転写ベルト20に転写した後に、感光体ドラム11表面に残留するトナーを除去、回収する。トナー像形成ユニット10によれば、回転駆動する感光体ドラム11表面を帯電ローラ12によって帯電させ、さらにレーザ光照射手段13からレーザ光を照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像ローラ15からトナーを供給してトナー像を形成する。該トナー像を中間転写ベルト20に中間転写し、感光体ドラム11表面に残留するトナーをドラムクリーナ16によって除去し、回収する。以後、同様のトナー像形成動作が繰返し実行される。
転写手段3は、中間転写ベルト20と、駆動ローラ21と、テンションローラ22と、1次転写ローラ23と、クリーニングユニット24と、2次転写ローラ26とを含む。
中間転写ベルト20は、駆動ローラ21とテンションローラ22とに張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。また、中間転写ベルト20は、後述のように、2次転写ローラ26と接触して2次転写ニップ部を形成する。中間転写ベルト20には、たとえば、基材と、基材表面に形成される表面層とを含むベルト状部材が用いられる。基材には、たとえば、ポリイミド、ポリカーボネートなどの合成樹脂が用いられ、特にポリイミドが好ましい。基材の厚みは特に制限されないが、好ましくは30〜150μm、より好ましくは40〜80μmである。また、後述するように、感光体ドラム11と1次転写ローラ23との圧接部に形成される1次転写ニップ部において、1次転写ローラ23に電圧を印加することによって感光体ドラム11表面から中間転写ベルト20表面にトナー像を転写する構成を採るので、基材としてはトナー像の転写を妨げない程度の体積抵抗値を有するものが好ましい。具体的には、1013Ω・cm以下の体積抵抗値を有する基材が好ましい。また、表面層は、離型性を有する材料によって形成しても良い。離型性を有する材料としては、たとえば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂が挙げられる。表面層には、中間転写ベルト20全体としての堆積抵抗、表面抵抗などを調整するために、導電性を付与しても良い。導電性の付与は、たとえば、カーボンブラックその他の導電材を添加することによって行われる。また、表面層の厚みは少なくとも1μm以上であり、耐用性などを考慮すると5〜30μm程度が好ましい。
駆動ローラ21は、中間転写ベルト20に所定の張力を付与するローラ部材であり、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動可能に設けられる。テンションローラ22は、従動回転可能に設けられるローラ部材である。駆動ローラ21およびテンションローラ22には、たとえば、アルミニウムなどの金属からなる中空ローラが使用できる。4つの1次転写ローラ23は、それぞれ、中間転写ベルト20を介して4つの感光体ドラム11に対向し、中間転写ベルト20におけるトナー像担持面の反対側の面に圧接し、かつ感光体ドラム11および中間転写ベルト20の回転により従動回転するローラ部材である。1次転写ローラ23は図示しない電源が接続され、該電源からトナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアス電圧の印加を受け、感光体ドラム11と中間転写ベルト20との間に電界を形成し、感光体ドラム11表面から中間転写ベルト20表面にトナー像を電界転写する。これによって、4つの感光体ドラム11表面に形成されるブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのトナー像が、中間転写ベルト20の所定位置に順次重ね合わされて転写され、多色トナー像が形成される。ただし、4色全てではなく、一部の色の画像情報のみが入力される場合は、それに対応するトナー像形成ユニットのみにおいてトナー像が形成され、中間転写ベルト20に中間転写される。ベルトクリーナ24は、中間転写ベルト20を介してテンションローラ22に対向するように設けられ、中間転写ベルト20表面のトナー像が記録媒体に転写された後に中間転写ベルト20表面に残留するトナーを除去、回収し、中間転写ベルト20表面を清浄化する。
2次転写ローラ26は、中間転写ベルト20を介して駆動ローラ21に圧接して転写ニップ部を形成するローラ部材である。2次転写ローラ26は、中間転写ベルト20の回転駆動に従動回転するように設けてもよく、また、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動可能に設けてもよい。2次転写ローラ26には、たとえば、芯金と、芯金の表面に形成される弾性層とから構成される。また、弾性層の表面に表面層を形成しても良く、これらを含むローラ部材が用いられる。芯金には、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼などの一般的な金属材料を使用でき、中空形状または中実形状のいずれでもよい。弾性層は、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料、シリコーンスポンジなどのゴム材料発泡体などの1種または2種以上を含む。表面層はトナー離型性を有する材料によって形成されるのが好ましい。トナー離型性を有する材料としては、PTFE、PFA、これらの混合物などのフッ素樹脂が好ましい。また表面層の厚みは特に制限されないけれども、好ましくは5〜30μm程度である。2次転写ローラ26には図示しない電源が接続され、該電源から転写バイアス電圧が印加される。中間転写ベルト20の回転駆動によって中間転写ベルト20上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、図示しない記録媒体供給手段から記録媒体9が送給され、駆動ローラ21と2次転写ローラ26とによる加圧、転写バイアス電圧の印加などによって、トナー像が記録媒体9に転写される。
なお、図示しない記録媒体供給手段は、図示しない記録媒体カセット、ピックアップローラ、レジストローラなどを含む。記録媒体カセットは記録媒体9を貯留する。記録媒体9には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用フィルム、葉書などがある。サイズとしては、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどがある。ピックアップローラは、記録媒体9を図示しない搬送路に1枚ずつ送給する。レジストローラは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、中間転写ベルト20上の多色トナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、2次転写ニップ部に記録媒体9を送給する。
転写手段3によれば、感光体ドラム11上に形成される各色トナー像が、中間転写ベルト20表面の所定位置に重ね合わされて転写される。このトナー像が2次転写ローラ26によって記録媒体9に転写された後、中間転写ベルト20表面に残留するトナー、オフセットトナーなどがベルトクリーナ24によって除去され、中間転写ベルト20表面には再度多色トナー像が転写され、同じ動作が繰り返し実行される。一方、トナー像が転写された記録媒体9は、定着装置4に向けて搬送される。
定着装置4は、定着ローラ31と、加圧ローラ32と、外部加熱手段33と、ウェブクリーニング手段34と、用紙剥離部材35,36と、搬送手段37、温度検知手段38,39,40a,40bとを含む。定着装置4は、未定着のトナー像が表面に転写された記録媒体9を加熱および加圧することによって、トナー像を記録媒体9表面に定着させ、記録媒体9表面にモノクロ画像またはカラー画像8aを形成する。
図2によれば、定着ローラ31は、図示しない支持手段によって軸線回りに回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって矢符51の方向に回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。定着ローラ31は、記録媒体9に担持されるトナー像を構成するトナー8を加熱溶融させて記録媒体9に定着させる定着部材である。定着ローラ31は、その表面が記録媒体9の未定着トナー像を担持する面に接触するように設けられる。本実施の形態では、定着ローラ31として、芯金と、弾性体層と、表面層とを含むローラ部材を使用する。芯金の表面に弾性体層が形成され、弾性体層の表面に表面層が形成される。芯金を形成する金属には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、それらの2種以上の合金などが挙げられる。芯金の形状は円筒状、円柱状などが好ましく、円筒状がさらに好ましい。弾性体層を構成する材料としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。表面層を構成する材料としては、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂、フッ素ゴムなどが挙げられる。本実施の形態では、定着ローラ31には、アルミニウム製芯金の表面にシリコーンゴムからなる厚さ3mmの弾性体層およびPFAからなる厚さ30μmの表面層を順次設けた外径φ50mmのローラ部材を使用する。定着ローラ31の内部には、内部加熱手段31aが設けられる。内部加熱手段31aは、図示しない制御回路上に設けられる図示しない電源に接続され、該電源から電圧の印加を受けて発熱する。これによって、定着ローラ31の内周面が加熱され、定着ローラ31全体が加熱される。本実施の形態では、内部加熱手段31aとしてハロゲンランプを使用する。
加圧ローラ32は、図示しない加圧手段によって定着ローラ31に圧接された状態で、図示しない支持手段によって軸線回りに回転自在に設けられるローラ部材である。加圧ローラ32は、定着ローラ31の回転に従動回転し、矢符52の方向すなわち定着ローラ31の回転方向とは反対方向に回転する。加圧ローラ32は、定着ローラ31によるトナー像の記録媒体9への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナー8を記録媒体9に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体9への定着を補助する定着部材である。加圧ローラ32は、その表面が記録媒体9の未定着トナー像を担持する面とは反対側の面に接触するように設けられる。本実施の形態では、加圧ローラ32は定着ローラ31の回転駆動に従動回転するが、図示しない駆動手段に接続して回転駆動可能に設けてもよい。また本実施の形態では、加圧ローラ32は600Nの荷重で定着ローラ31表面に圧接する。定着ローラ31と加圧ローラ32との圧接部が、図2に示すように、定着ニップ部N1である。定着ニップ部N1のニップ幅、すなわち定着ローラ31または加圧ローラ32の回転方向における圧接部分の幅は9mmである。定着ニップ部N1には、2次転写ニップ部においてトナー像が転写された記録媒体9が所定の定着速度(プロセス速度)および複写速度(1分あたりの複写枚数)で搬送される。本実施の形態では、定着速度は355mm/秒であり、複写速度は70枚/分である。加圧ローラ32には、定着ローラ31と同様に、芯金と弾性体層と表面層とを含むローラ部材を使用できる。本実施の形態では、加圧ローラ32には、アルミニウム製芯金の表面にシリコーンゴムからなる厚さ2mmの弾性体層およびPFAからなる厚さ30μmの表面層を順次設けた外径φ50mmのローラ部材を使用する。加圧ローラ32の内部には、内部加熱手段32aが設けられる。内部加熱手段32aは内部加熱手段31aと同様の構成を有する。トナー像が転写された記録媒体9が定着ニップ部N1を通過することによって、記録媒体9上の未定着トナー像を構成するトナー8が加熱されて粘着性を示す溶融状態になり、この溶融状態のトナー8が記録媒体9に対して加圧されることによって、トナー8が記録媒体9に定着され、画像8aが形成される。
外部加熱手段33は、図2に示すように、加熱ベルト41と、第1加熱ローラ42と、第2加熱ローラ43とを含み、定着ローラ31の回転方向(矢符51の方向)において定着ニップ部N1よりも上流側において、図示しない加圧手段によって定着ローラ31表面に圧接するように設けられる。定着ローラ31と外部加熱手段33との圧接部分が加熱ニップ部N2である。本実施の形態では、加熱ニップ部N2のニップ幅、すなわち定着ローラ31の回転方向における圧接部分の幅は20mmである。外部加熱手段33は、たとえば、多量の記録媒体9が定着ニップ部N1を連続的に通過することによって、定着ローラ31の表面温度が急激に低下し、定着不良、トナーの定着ローラ31表面へのオフセットなどが起こるのを防止するために設けられる補助的な加熱手段である。
加熱ベルト41は、第1加熱ローラ42と第2加熱ローラ43との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。また、加熱ベルト41は、第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43によって定着ローラ31表面に圧接される。そして、第1加熱ローラ42の定着ローラ31への圧接点と第2加熱ローラ43の定着ローラ31への圧接点との間において、定着ローラ31の外周方向に長さを持ちかつ定着ローラ31の長手方向に亘る帯状の領域で定着ローラ31に接触するように設けられる。また、加熱ベルト41は定着ローラ31の矢符51方向の回転駆動に従動回転する。加熱ベルト41には、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないが、たとえば、ポリイミド製ベルト、ニッケル電鋳ベルト、ステンレスベルトなどが挙げられる。加熱ベルト41の表面には、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂からなる離型層を設けてもよい。また、加熱ベルト41の寄り力を低減するために、その内面(第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43と接触する面)に、フッ素樹脂などからなる被覆層を設けてもよい。本実施の形態では、加熱ベルト41には、ポリイミド(宇部興産製、商品名:ユーピレックスS)からなる厚さ90μmの基材表面に、PTFEとPFAとの混合物であるフッ素樹脂組成物からなる厚さ20μmの被覆層が設けられた、室温下での周長(内径)94.24mmのベルト部材を用いる。また、本実施の形態では、加熱ベルト41は荷重40Nで定着ローラ31に圧接される。
第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43は、回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって加熱ベルト41を介して定着ローラ31表面に圧接するように設けられるローラ状部材である。第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43は加熱ベルト41の回転に従動回転する。第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43には、アルミニウム、鉄などの熱伝導率の高い金属からなる金属製ローラ(芯金)を使用できる。金属製ローラの外周面には、加熱ベルト41の寄り力を低減することなどを目的として、フッ素樹脂などからなる被覆層が形成されてもよい。本実施の形態では、第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43には、厚さ0.75mmのアルミニウム製芯金の表面に、PTFEとPFAとの混合物であるフッ素樹脂組成物からなる厚さ20μmの被覆層を設けた外径15mmのローラ部材である。第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43は、その内部に加熱手段42a,43aを有する。これによって、加熱ベルト41ひいては定着ローラ31が加熱される。加熱手段42a,43aには図示しない電源が接続され、加熱手段42a,43aを発熱させるための電力が供給される。加熱手段42a,43aには一般的な加熱手段を使用でき、たとえば、赤外線ヒータ、ハロゲンランプなどが挙げられる。なお、第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43は定着ローラ31上において互いの軸線が平行になり、かつ間隙を有して離隔するように設けられる。本実施の形態では、第1加熱ローラ42の軸線と第2加熱ローラ43の軸線との間の長さが23.0mmである。外部加熱手段33によれば、第1加熱ローラ42および第2加熱ローラ43を介して加熱される加熱ベルト41を、定着ローラ31表面に当接させることによって、定着ローラ31表面を加熱し、定着ローラ31表面を所定温度に保持する。
ウェブクリーニング手段34は、クリーニングウェブ44(以下「ウェブ44」とする)と、送出ローラ45と、ウェブ圧接ローラ46と、巻取りローラ47とを含み、定着ローラ31表面に付着するオフセットトナーなどを除去する。
ウェブ44は、送出ローラ45からウェブ圧接ローラ46に向けて矢符54の方向に送り出され、ウェブ圧接ローラ46に巻回されて定着ローラ31表面に圧接した後、巻取りローラ47によって巻き取られるように設けられる。ウェブ44と定着ローラ31表面との圧接部がクリーニングニップ部85である。ウェブ44には、たとえば、耐熱性不織布を使用できる。耐熱性不織布としては特に制限されないけれども、たとえば、芳香族ポリアミド繊維と高温で軟化するポリエステル繊維とを含み、適度の柔軟性と機械的強度とを併せ持つ不織布などが挙げられる。このような耐熱性不織布は市販されており、たとえば、ノーメックス(商標名)、ヒメロン(商品名)などが挙げられる。また、ウェブ44の厚さも特に制限されないけれども、好ましくは30〜100μmである。本実施の形態ではウェブ44として、日本バイリーン(株)製の厚さ40μmのウェブを使用する。また、ウェブ44には離型効果などを有するオイルを含浸させ得る。オイルとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが挙げられる。なお、ウェブ44として、毛羽立ちがなく緻密で清浄化性能(トナー除去性能)が高い表面と、毛羽立ちが多くて目が粗く清浄化性能の低い裏面とを有するものを使用する場合、ウェブ44の表面がクリーニングニップ部85において定着ローラ31表面に圧接するように構成するのが好ましい。
送出ローラ45は軸線回りに従動回転可能に支持され、その表面にウェブ44を巻回して保持するローラ状部材である。本実施の形態では、送出ローラ45は、外部加熱手段33の鉛直方向上方において、外部加熱手段33から離隔しかつ外部加熱手段33を介して定着ローラ31に対向するように設けられる。また、本実施の形態では、送出ローラ45は、反時計回りの方向に従動回転してウェブ44を送り出すように構成される。
ウェブ圧接ローラ46は、長手方向の両端が、図示しない軸受けによって従動回転可能に軸支されるローラ状部材である。ウェブ圧接ローラ46は、定着ローラ31の回転方向における定着ニップ部N1よりも下流側でかつ加熱ニップ部N2よりも上流側において、図示しない押圧手段によってウェブ44を介して定着ローラ31表面に圧接するように設けられる。ウェブ圧接ローラ46は、巻取りローラ47によるウェブ44の巻取り動作時に従動回転する。ウェブ圧接ローラ46には、たとえば、金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される弾性体層とを含むローラ状部材が用いられる。弾性体層を構成する弾性材料としては、たとえば、シリコーンゴムなどの耐熱性ゴム、その発泡体などが挙げられる。押圧手段には、たとえば、ばね部材などが用いられる。
巻取りローラ47は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、定着ローラ31と接触した後のウェブ44を巻き取る。本実施の形態では、巻取りローラ47は、ウェブ圧接ローラ46の鉛直方向上方において、送出ローラ45および外部加熱手段33から離隔するように設けられる。巻取りローラ47の回転駆動によって、ウェブ44が送出ローラ45から矢符54の方向に送り出され、クリーニング動作が開始される。ウェブクリーニング手段34の動作は、図示しない制御手段によって制御される。制御手段は、所定の枚数の記録媒体8が定着ニップ部N1を通過したことをセンサ、定着ローラ31の回転回数などによって検知した後、巻取りローラ47を回転させる図示しない駆動手段(ここでは画像形成装置1の本体内部に設けられるモータ)に制御信号を送る。制御信号を受けた駆動手段は、巻取りローラ47を回転させてウェブ44を一定量巻き取る。この巻取りによってウェブ44が送出ローラ45から矢符54の方向に送り出される。ウェブ44はクリーニングニップ部85を通過して定着ローラ31表面のオフセットトナーなどを取り込む。それとともに定着ローラ31表面にオイルを供給する。その後、ウェブ44はウェブ圧接ローラ46に巻回されて搬送方向を反転され、巻取りローラ47によって巻き取られる。本実施の形態では、巻取りローラ47による巻取り速度は、1回の巻取り当り0.5mmであり、定着ニップ部N1にA4サイズの記録媒体9を6枚通過させる度に巻取りを1回行った。なお、巻取りローラ47によって間欠的に巻取りを行う動作例を示したけれども、それに限定されず、記録媒体9が定着ニップ部N1を通過するタイミングに合わせて連続的に巻取りを行ってもよい。
用紙剥離部材35は、図2〜図3および図5に示すように、剥離爪48と、支持部材49と、接触部材50とを含み、加圧ローラ32表面を臨むように設けられる。用紙剥離部材35は、定着ニップ部N1から排出される記録媒体9が加圧ローラ32に巻き付くのを防止する。用紙剥離部材35は、加圧ローラ32の長手方向に1個または複数個設けられる。複数個設ける場合は、等間隔でもよく、また等間隔でなくてもよい。本実施の形態では、加圧ローラ32の長手方向において、ほぼ等間隔で4個の用紙剥離部材35が設けられる。
剥離爪48は加圧ローラ32表面を臨み、支持部材49によって回転自在に支持され、加圧ローラ32の長手方向に厚みを有する板状部材である。剥離爪48は、薄板状または厚板状のいずれに形成されても良い。また、剥離爪48は、加圧ローラ32の長手方向に複数個設けることができる。剥離爪48は、爪支持部48aと爪部48bとを含む。爪支持部48aは、剥離爪48の、加圧ローラ32の長手方向に垂直な方向における加圧ローラ32から離反する側の一端部に設けられる。爪支持部48aのほぼ中央部には、爪支持部48aを厚み方向に貫通する孔48cが形成される。孔48cには支持部材49が挿通され、爪支持部48aは支持部材49に固定され、支持部材49によって回転自在に支持される。本実施の形態では、加圧ローラ32の長手方向から見た爪支持部48aの側面形状は方形であるが、それに限定されず、三角形、円形などでもよい。一方、剥離爪48の、加圧ローラ32の長手方向に垂直な方向における加圧ローラ32に近接する側の他端部には、爪部48bが設けられる。爪部48bは、爪支持部48aにおける加圧ローラ32側端部の少なくとも一部から、加圧ローラ32に向けて突出するように延びる爪状部材である。爪部48bは、爪支持部48aの回転に伴って回転することによって、その加圧ローラ32側の先端部が加圧ローラ32表面に対して当接および離反を繰り返す。該先端部の加圧ローラ32表面に対する当接位置は、加圧ローラ32の回転方向(矢符52の方向)における定着ニップ部N1の出口近傍である。爪部48bが加圧ローラ32表面に当接する場合は、図示しない引っ張りバネ等の加圧手段によって、加圧ローラ32表面に押圧される。これによって、加圧ローラ32表面に付着して定着ニップ部N1から排出される記録媒体9を加圧ローラ32から剥離できる。剥離爪48は、坪量52g/m程度の薄紙である記録媒体9の第1面に、高濃度(単位面積あたりのトナー量が多い)かつ高印字率(面積率)のカラー画像を形成し、さらに第2面に低濃度かつ低印字率の画像を形成する両面印刷では特に有効である。定着ニップ部において、第2面に低濃度かつ低印字率のトナー像を定着させると、記録媒体9は加圧ローラ32に巻き付いた状態で定着ニップ部N1から排出されることが多い。この記録媒体9を加圧ローラ32表面から剥離するのに、剥離爪48が有効である。また、後述するように、接触部材50が定着ニップ部N1から排出される記録媒体9に接触する場合は、剥離爪48における爪部48bの加圧ローラ32側の先端部が加圧ローラ32表面から離反し、該先端部と加圧ローラ32とは離隔状態になる。
剥離爪48は、たとえば、ポリイミド、フッ素樹脂などの耐熱性の高い合成樹脂によって形成される。フッ素樹脂以外の合成樹脂によって形成する場合は、その表面にフッ素樹脂を含む被覆層を設けてもよい。フッ素樹脂としては、PTFE、PFA、これらの混合物などを使用できる。本実施の形態では、PAFによって形成される剥離爪を用いる。
支持部材49は、加圧ローラ32の長手方向において、加圧ローラ32に平行に延びるように設けられる棒状部材である。支持部材49は、剥離爪48の孔48cに挿通され、剥離爪48を回転自在に支持する。このような支持部材49によって、複数の剥離爪48が加圧ローラ32表面に対して離接するように剥離爪48を設けることができる。支持部材49は、鉄、ステンレス鋼などの金属材料によって形成される。
接触部材50は、剥離爪48における爪支持部48aの記録媒体搬送路53を臨む端部から、記録媒体搬送路53に向けて突出するように設けられる突起部材である。加圧ローラ32の長手方向から見た接触部材50の側面形状(以下単に「接触部材50の側面形状」とする)は略三角形である。接触部材50は剥離爪48と一体化され、剥離爪48の回転に伴って、その記録媒体搬送路53側の先端部が記録媒体搬送路53内の記録媒体9に対して接触または離反を繰り返す。この時、該先端部が記録媒体9に接触または離反する位置が、支持部材49の軸線から記録媒体搬送路53に向けて下ろす垂線54と記録媒体搬送路53との交わる位置(交点)よりも、記録媒体9の搬送方向下流側になるように調整される。この調整は、たとえば、接触部材50の側面形状、爪支持部48aにおける接触部材50の突出位置、爪部48bの長さなど適宜変更することによって実施できる。接触および離反位置をこのような位置とすることで、つまり、搬送方向下流側とすることで、剥離爪48が円滑に回転できると同時に、接触部材50が記録媒体9を押す力を低減でき、接触部材により生ずる画像の傷を抑制することができる。ここで記録媒体搬送路53とは、定着ニップ部N1の出口と後述する搬送ローラ37における1対のローラ部材による圧接部の入口とを結ぶ直線を意味する。接触部材50は剥離爪48と同じ材料によって形成される。接触部材50は剥離爪48と一体成形されてもよい。また、接触部材50を接着剤、機械的な嵌合構造などによって剥離爪48に接合しても良い。
なお、後述の搬送ローラ37は、ローラ状部材60が定着ローラ32よりも速い速度で回転しながら記録媒体9を挟持する。したがって、搬送ローラ37によってその記録媒体搬送方向の先端部が挟持された記録媒体9は、記録媒体搬送方向上流側への引張力を付加されながら、用紙剥離部材35が設けられる位置を通過する。つまり図5の2点鎖線で示す線に沿うように記録媒体は通過することから、記録媒体9の通過の有無により、確実に剥離爪48の加圧ローラへの当接および離間動作を行うためには、少なくとも剥離爪48が加圧ローラ32に当接する状態では、接触部材50の剥離爪48側とは反対側の先端部(接触部材50における回転中心である支持部材49から最も遠い部分)が記録媒体搬送路53と交わる必要がある。このような調整は、たとえば、接触部材50の側面形状、爪支持部48aにおける接触部材50の突出位置、爪部48bの長さなど適宜変更することによって実施できる。
用紙剥離部材35によれば、記録媒体9の先端部が定着ニップ部N1から記録媒体搬送路53に排出され始める時点では、爪部48bの加圧ローラ32側の先端部(以下単に「爪部48bの先端部」とする)が、加圧ローラ32表面に圧接し、加圧ローラ32に巻き付いて付着する記録媒体9を加圧ローラ32表面から剥離し、記録媒体搬送路53に導く。一方、接触部材50の記録媒体搬送路53側の先端部(以下単に「接触部材50の先端部」とする)は、記録媒体9に接触しない。記録媒体9の定着ニップ部N1からの排出が進み、記録媒体9の先端部が記録媒体搬送方向の下流側に移動すると、やがて、接触部材50の先端部と記録媒体9とが接触し、記録媒体9によって接触部材50ひいては剥離爪48が押圧される。その結果、剥離爪48は支持部材49の軸線を中心にして反時計回りの方向に回転し、爪部48bの先端部は加圧ローラ32表面から離反する。記録媒体9の定着ニップ部N1からの排出がさらに進み、記録媒体9の後端部が接触部材50の先端部との接触位置よりも記録媒体搬送方向下流側に至ると、接触部材50の先端部は記録媒体9による押圧から解放される。そして、剥離爪48は支持部材49の軸線を中心にして時計回りの方向に回転し、爪部48bの先端部が加圧ローラ32表面に圧接する。定着ニップ部N1からトナー像定着済の記録媒体9が排出される度に、前記動作すなわち爪部48bの先端部の加圧ローラ32表面に対する離接が繰返し実行される。これによって、剥離爪48における爪部48bの先端部にオフセットトナーなどが付着・堆積するのが防止されるとともに、定着ローラ32表面への記録媒体9の巻き付きが確実に防止される。
用紙剥離部材36は、図2に示すように、剥離爪80と、支持部材81とを含み、定着ローラ31表面を臨み、定着ローラ31の長手方向に1個または複数個設けられる。複数個設ける場合は、等間隔でもよく、また等間隔でなくてもよい。本実施の形態では、定着ローラ31の長手方向において、等間隔で6個の用紙剥離部材36が設けられる。剥離爪80は剥離爪48と同様の構成を有する。すなわち剥離爪80は爪支持部と爪部とを含む板状部材であり、その定着ローラ31長手方向から見た側面形状は、剥離爪48の側面形状と同様である。爪支持部のほぼ中央には、厚み方向に貫通する孔が形成され、支持部材81が挿通される。爪部の定着ローラ31側の先端部は定着ローラ31表面に当接する。なお、剥離爪80は支持部材81によって支持されるが、支持部材81回りに回転することはなく固定され、爪部の定着ローラ31側の先端部は定着ローラ31表面に常に当接する。該先端部が定着ローラ31表面に常に当接していても、定着ローラ31表面を清浄化するウェブクリーニング手段34が設けられるので、オフセットトナーなどが付着・堆積量は少ない。剥離爪80は、剥離爪48と同様の材料によって形成される。本実施の形態では、剥離爪80には、ポリイミドからなる基材の表面にPFAを含む被覆層が設けられた剥離爪を用いる。剥離爪80は、たとえば、坪量52g/m程度の薄紙である記録媒体9に、高濃度(単位面積あたりのトナー量が多い)かつ高印字率(面積率)のカラートナー像を定着させる際に特に有効である。このとき、記録媒体9は、定着ローラ31に巻き付いた状態で定着ニップ部N1から排出されることが多いので、剥離爪80がその効果を充分に発揮する。支持部材81は、定着ローラ31と平行に定着ローラ31の長手方向に延びるように設けられる棒状部材であり、図示しない別の支持部材によって支持され、その軸線回りに回転することはない。支持部材81は1または複数個の剥離爪80を支持する。支持部材81は、支持部材49と同様に、鉄、ステンレス鋼などの金属材料によって形成される。用紙剥離部材36によれば、定着ニップ部N1から定着ローラ31表面に巻き付いて排出される記録媒体9を、定着ローラ31から剥離させ、記録媒体搬送路53に導く。
搬送ローラ37は、記録媒体9の搬送方向における定着ニップ部N1よりも下流側において互いに圧接するように設けられる1対のローラ状部材60,61を含む。
図6はローラ状部材60の構成を模式的に示す側面図である。図6は、加圧ローラ32の定着ローラ31と圧接する側から見た側面図である。ローラ状部材60は、その軸線が加圧ローラ32の軸線と平行になり、かつ図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。ローラ状部材60は、金属シャフト60aと、金属シャフト60a表面に設けられるゴム層60bとを含む。なお、ゴム層60bは金属シャフト60a表面の全面に設けられるのではなく、その長手方向において、加圧ローラ32に対して用紙剥離部材35が配置される位置に対応する位置に設けられる。本実施の形態では、約60mmの間隔を開けて4箇所にゴム層60bが設けられる。このようにゴム層60bを配置することによって、記録媒体9の記録媒体搬送方向の先端部が搬送ローラ37によって挟持されて記録媒体9に引張力が付与されると、記録媒体9の接触部材50ひいては剥離爪48に対する押圧力が、全ての剥離爪48に対してほぼ均等になり、全ての用紙剥離部材35を定着ローラ32から均等に離反させ得る。その結果、離反時における用紙剥離部材35の回転角度の管理が容易になり、剥離爪48へのトナー付着量、剥離爪48から加圧ローラ32表面へのトナーの再付着量などのばらつき、離反角度が大きくなり過ぎることに起因する記録媒体9の加圧ローラ32側の面への接触部材50による擦り傷の増大・ばらつきなどを低減化できる。なお、本実施の形態では、用紙剥離部材35の位置に対応する位置にゴム層60bを配置するローラ状部材60について説明するが、必ずしも用紙剥離部材35とゴム層60bとを対応する位置に配置する必要はない。ローラ状部材60は、定着ローラ31の回転周速に対して、数%、好ましくは1〜7%程度速い周速で回転する。
ローラ状部材61は、図示しない支持手段によって回転自在に設けられるクラウン形状またはタル形状を有する樹脂製ローラである。ローラ状部材61は、図示しない押圧手段によってローラ状部材60表面に圧接しかつその軸線が定着ローラ31の軸線に平行になるように設けられ、図示しない支持手段によって回転自在に支持される。ローラ状部材61は、ローラ状部材60の回転駆動に従動回転する。本実施の形態では、ローラ状部材61の外径は16mmである。
温度検知手段38は、定着ローラ31の回転方向(矢符51の方向)における、定着ニップ部N1よりも上流側かつ加熱ニップ部よりも下流側の定着ローラ31表面近傍に設けられ、定着ローラ31の表面温度を検知する。温度検知手段38は図示しない制御手段に電気的に接続される。温度検知手段38による検知結果は制御手段に入力され、制御手段において、定着ローラ31の表面温度の設定値と比較される。検知結果が設定値と同じかまたは設定値よりも高い場合には、表面温度を高める制御動作は実施されない。検知結果が設定値よりも低い場合には、制御手段は、内部加熱手段31aに発熱用の電力を供給する図示しない電源に制御信号を送り、該電源からの電圧の印加によって内部加熱手段31aの発熱、もしくは後述する加熱ベルト41からの熱により表面温度を高めるように、第1加熱ローラ42、第2加熱ローラ43内部に設けられた加熱手段42a,43aを発熱させるための電力を供給する図示しない電源に制御信号を送ることで定着ローラ31の表面温度を高める。温度検知手段38には、たとえば、各種サーミスタなどを使用できる。
温度検知手段39は、加圧ローラ32の回転方向(矢符52の方向)における、定着ニップ部N1よりも上流側であって、定着ニップ部N1の入口近傍の加圧ローラ32表面近傍に設けられ、加圧ローラ32の表面温度を検知する。画像形成装置1の制御手段は、温度検知手段39による検知結果に応じて、加圧ローラ32の表面温度を制御する。その動作は、温度検知手段38の検知結果による定着ローラ31の表面温度の制御動作と同じである。温度検知手段39による加圧ローラ32の表面温度の検知時期も、温度検知手段38による定着ローラ31の表面温度の検知時期と同じである。温度検知手段39には、たとえば、各種サーミスタなどを使用できる。
温度検知手段40a,40bは、それぞれ、加熱ベルト41を介して第1加熱ローラ42、第2加熱ローラ43に対向する位置に設けられ、加熱ベルト41の表面温度を検知する。画像形成装置1の制御手段は、温度検知手段40a,40bによる検知結果に応じて、加熱ベルト41の表面温度を制御する。その動作は、温度検知手段38の検知結果による定着ローラ31の表面温度の制御動作と同じである。温度検知手段40a,40bによる加熱ベルト41の表面温度の検知時期も、温度検知手段38による定着ローラ31の表面温度の検知時期と同じである。温度検知手段40a,40bには、たとえば、各種サーミスタなどを使用できる。
定着装置4によれば、転写ニップ部から搬送される未定着トナー像を担持する記録媒体9が定着ニップ部N1に導入され、定着ニップ部N1を通過する際に加熱加圧を受けてトナー像が記録媒体9に定着され、堅牢な画像が形成される。定着ニップ部N1から排出される記録媒体9は、用紙剥離部材35,36によって確実に記録媒体搬送路53に導かれ、搬送ローラ37を介して、画像形成装置1の外部に設けられる図示しないトレイに排出される。本実施の形態では、定着ローラ31を加熱ベルト41によって外部から加熱する構成の定着装置4について説明したが、このような構成に限定されない。たとえば、定着ローラと加圧ローラとからなるローラ対の内部に、ハロゲンヒータなどの加熱手段を設け、ローラ対を内部から加熱する定着装置において、用紙剥離部材35を設けても良い。また、定着ローラに代えて定着ベルトを用いる構成の定着装置でもよい。また、誘導加熱法による加熱手段を含む構成の定着装置でも良い。
画像形成装置1は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置1の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの印刷指令、印刷指令に含まれる画像情報、各種制御を実行するためのデータテーブルなどが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、HDVD、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種制御のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前記の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置1内部における各装置にも電力を供給する。
画像形成装置1によれば、モノクロ画像は勿論のこと、トナー量の多いカラー画像の両面印刷を行っても、画像汚れ、記録媒体詰まりなどの不都合が発生せず、高画質かつ高品位画像を安定的に形成できる。
(試験例1)
画像形成装置1および比較用画像形成装置を用い、500枚の記録媒体9(坪量80g/mの記録紙)に全面ハーフトーン画像を両面印字モードで連続印字し、連続印字中における画像汚れを目視により評価した。つぎに、連続印字が終わってから2秒または5分間放置して待機させた後に、再度前記と同じ連続印字を行い、画像汚れおよび用紙剥離部材35における剥離爪48へのトナーの付着・堆積状態を目視により評価した。画像汚れは、「○:汚れなし △:ごま粒状の汚れ ×:筋状の汚れ」の基準に従って評価した。剥離爪48へのトナーの付着・堆積状態は、「◎:なし ○:ほとんどなし △:小さな塊状 ×:大きな塊状」の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
なお、比較用画像形成装置は、定着装置4に代えて図4に示す従来の定着装置4aを用いる以外は、画像形成装置1と同様の構成を有するものである。図4は、従来の定着装置4aの要部の構成を模式的に示す側面図である。図4は、定着ローラ31の長手方向の一端部から見た側面図である。定着装置4aは定着装置4に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。定着装置4aは、加圧ローラ32側の用紙剥離部材として用紙剥離部材35に代えて用紙剥離部材36を使用することを特徴とし、それ以外の構造は定着装置4と同様である。なお、図4においては、定着ローラ31側の用紙剥離部材36の図示を省略する。また、連続印字中における定着ローラ31、加圧ローラ32および加熱ベルト41の表面温度をそれぞれ185℃、140℃および210℃に設定した。また、待機中における定着ローラ31、加圧ローラ32および加熱ベルト41の表面温度をそれぞれ180℃、140℃および200℃に設定した。
Figure 2008304802
画像形成装置1および比較用画像形成装置ともに、連続印字中においては、画像汚れが観察されなかった。一方、放置後1枚目の画像汚れ評価では、画像形成装置1および比較用画像形成装置ともに、放置時間2秒の条件では画像汚れは観察されなかったが、放置時間5分の条件では、比較用画像形成装置において記録媒体9の裏面(第2面)に画像汚れが観察された。画像汚れは、加圧ローラの軸方向に対して加圧ローラ32表面における剥離爪48の当接位置に対応する位置に観察された。定着ローラ31のウェブ44には、定着ローラ31側の剥離爪80から定着ローラ31表面に再付着したトナーと考えられる回収跡が認められた。すなわち、比較用画像形成装置では、連続印字中に剥離爪80に付着・堆積したトナーが、5分間の待機の間に溶融し、放置後1枚目の印字開始に伴ってそれぞれ加圧ローラ32および定着ローラ31に付着する。このトナーは、定着ローラ31側ではウェブクリーニング手段34によって除去されるので、記録媒体9に画像汚れを発生させる原因にはならない。しかしながら、ウェブクリーニング手段を持たない加圧ローラ32側では、再付着トナーは回収されることがないので、そのまま記録媒体9の裏面に付着し、画像汚れを発生させる。
さらに詳しくは、放置後1枚目の印字において、印字開始信号を受けて定着ローラ31および加圧ローラ32が回転を開始して記録媒体9が定着ニップ部N1を通過するまでの間(以下「前回転時間」とする)に、加圧ローラ32に付着したトナーは、前回転時間の間にその一部が定着ローラ31に転写され、ウェブクリーニング手段34によって回収されるが、定着ローラ31に転写されずに加圧ローラ32に残ったトナーは、記録媒体9が定着ニップ部N1を通過する際に、記録媒体9の裏面側に転写、定着され画像汚れが発生したと考えられる。一方、放置時間2秒の条件では、剥離爪80に付着・堆積するトナーが充分に加熱されず、加圧ローラ32への付着が少ないので、放置後1枚目の印字において、記録媒体9に画像汚れが発生しないものと考えられる。このように連続印字中に剥離爪80に付着・堆積するトナーが待機中に加熱されて定着ローラ31または加圧ローラ32に多量に付着し、加圧ローラ32のトナーが充分に回収されない場合に、記録媒体9に画像汚れが発生することが明らかである。これに対し、画像形成装置1では、加圧ローラ32に当接する剥離爪48は、常に加圧ローラ32表面に当接せず、トナーの付着・堆積が少ない。したがって、5分間放置後でも、画像汚れを発生させる量のトナーが加圧ローラ32表面に付着することがない。
(試験例2)
画像形成装置1および比較用画像形成装置を用い、全面ハーフトーン画像に代えて文字画像を両面印字し、記録媒体9の印字枚数を2000枚とする以外は、試験例1と同様にして評価を行った。文字画像は、全面ハーフトーン画像に比べて画像汚れが発生し易いという特性を有する。結果を表2に示す。
Figure 2008304802
文字画像を印字する場合でも、本発明の用紙剥離部材35の構成を採用することによって、画像汚れの発生が完全に防止される。さらに、5分間放置後1枚目出力後の剥離爪48,80のトナー残量の比較でも、剥離爪48のトナー残量が顕著に少ないことが明らかである。なお、印字中の剥離爪48,80の動作状況を観察したところ、搬送ローラ37が記録媒体9を噛み込んだ状態から、記録媒体9の記録媒体搬送方向の後端部が定着ニップ部N1から排出されるまでの間、剥離爪48は加圧ローラ32から安定して離隔しており、記録媒体9の後端部が接触部材50における記録媒体9との接触点を通過した後は、剥離爪48は直ちに加圧ローラ32表面に当接する。この動作を安定して繰り返すことで記録媒体詰まり等が発生することはなかった。また、通紙性能については、記録媒体9の坪量を52g/m(薄紙)〜300g/m(厚紙)まで変更して、印字率(印字面積率)、単位面積あたりのトナー付着量などを変化させ、また片面印字または両面印字を行って様々な画像を形成したが、剥離爪48は加圧ローラ32に対して離接動作を円滑に実行し、紙詰まりが発生することもなかった。
用紙剥離部材35においても、剥離爪48が加圧ローラ32に当接する間は、従来と同様に加圧ローラ32表面のトナーを堰き止めるため、剥離爪48の先端部にトナーが付着する。しかしながら、剥離爪48が加圧ローラに当接し続ける時間は短いので、剥離爪48の先端部で堰き止められたり、剥離爪48の先端部に付着したりするトナー量は極少量であり、これらトナーを離反動作時に加圧ローラへと吐き出しても画像汚れとはならない。また、剥離爪48が加圧ローラ32に当接する際にも、剥離爪48に付着していたごく少量のトナーが加圧ローラ32に再付着することがあるが、この場合も、画像汚れとならないことが確認されている。このように、記録媒体9の1枚毎に、当接離間時の振動等の効果で加圧ローラ32へのトナーの吐き出しが起こり易くなり、画像汚れを発生させる量のトナーが剥離爪48の先端部に堆積することがない。したがって、用紙剥離部材35の採用によって、画像汚れ、記録媒体詰まりなどの発生が確実に防止される。このように、用紙剥離部材35の構成を一部変更するという簡易な手法で、剥離爪48の加圧ローラ32に対する離接制御が可能となり、製造価格をほとんど上昇させることなく、画像汚れの発生などを著しく低減化できる。
本実施の形態では、図5などに示す用紙剥離部材35を使用するが、これに限定されず、剥離爪の加圧ローラ32に対する離接機構を有する種々の用紙剥離部材を使用できる。図7は、別形態の用紙剥離部材65の構成を模式的に示す側面図である。用紙剥離部材65は用紙剥離部材35に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。用紙剥離部材65は、接触部材66の側面形状がほぼ台形状であること、および回転抑止部材67を有することを特徴とし、それ以外は用紙剥離部材35と同じ構成を有する。すなわち、用紙剥離部材65は、剥離爪48と、支持部材49と、接触部材66と、回転抑止部材67とを含む。
接触部材66は、加圧ローラ32の長手方向の一端部から見た側面形状がほぼ台形形状状の部材である。接触部材66は、ほぼ台形状の側面形状において、一端部66aと、角66bと、他端部66cとを含む。一端部66aは台形形状の斜辺に相当し、剥離爪48の記録媒体搬送路53を臨む面に接する。これによって、接触部材66と剥離爪48とが一体化される。接触部材66は、剥離爪48と一体成形されてもよく、また、図示しない嵌合機構、接着剤などによって剥離爪48に接合されても良い。角66bは台形形状において、記録媒体搬送路53に最も近接する側の角である。角66bおよびその近傍部分と記録媒体9とが接触し、記録媒体9の定着ニップ部N1から離反する方向への搬送によって、記録媒体9の搬送と同じ方向に引っ張られる。これによって、接触部材66ひいては剥離爪48を支持部材49回りすなわち矢符68の方向に回転させ得る。他端部66cは、台形形状において剥離爪48の加圧ローラ32から離反する側の端部から記録媒体搬送路53に向けて延びる辺であり、台形形状の上底に相当する。他端部66cは、接触部材66の角66bが記録媒体9と接触して剥離爪48が矢符68の方向に回転する際に、回転抑止部材67に当接する。接触部材66が記録媒体9と接触することによって剥離爪48の爪部48b先端が加圧ローラ32表面から離反し、記録媒体9の搬送が進んで記録媒体9との接触から解放されることによって、剥離爪48の爪部48b先端が加圧ローラ32表面に当接する。すなわち、接触部材66と記録媒体9との接触・非接触によって、剥離爪48の爪部48b先端と加圧ローラ32表面との離接動作が実行される。
回転抑止部材67は、剥離爪48よりも記録媒体搬送方向下流側において、剥離爪48に対して間隙を有して離隔するように設けられる部材であり、接触部材66の他端部66cを臨む面67aを有する。面67aは、剥離爪48および接触部材66が矢符68の方向に回転する際に接触部材66の他端部66cと当接し、剥離爪48のそれ以上の回転を抑止する。このような回転抑止部材67を設ければ、剥離爪48が回転し過ぎることによって剥離爪48の爪部48b先端が記録媒体9(片面印字では画像形成面の裏面)に強く当接して爪跡を付けるのを防止できる。爪部48b先端は比較的鋭利な形状を有するので、強い押圧力で記録媒体9に接触すると、記録媒体9に爪跡が発生することがある。記録媒体9の搬送方向先端部が搬送部材37によって挟持された状態で、記録媒体9に対して最も大きな力が掛かるのは、記録媒体9が記録媒体搬送路53内をほぼ正確に進む場合である。このときに、爪部48b先端が記録媒体9に接触すると、記録媒体9に爪跡が発生し易くなる。特にカラー画像の両面出力の際には顕著である。これに対し、記録媒体9が記録媒体搬送路53内に存在する時に、接触部材66と回転抑止部材67とが当接するように構成することによって、剥離爪48は点線部分69の位置まで回転してそれ以上の回転が抑止される。これによって、爪部48b先端と記録媒体9との接触が防止されるので、記録媒体9表面に爪跡が発生することがない。
図8は、別形態の用紙剥離部材70の構成を模式的に示す側面図である。用紙剥離部材70は用紙剥離部材65に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。用紙剥離部材70は接触部材66xを有することを特徴とし、それ以外は用紙剥離部材65と同じ構成を有する。すなわち、用紙剥離部材70は、剥離爪48と、支持部材49と、接触部材66x、回転抑止部材67とを含む。なお、図8においては、回転抑止部材67の図示を省略する。接触部材66xは、用紙剥離部材65における接触部材66と同一の側面形状を有し、接触部材66における角66bに対応する部分において円筒状回転体71を回転自在に支持する以外は、接触部材66と同様の構成を有する。円筒状回転体71は、剥離爪48の爪部48b先端が加圧ローラ32に対して離隔状態にあるとき、記録媒体9と接触し、記録媒体9の搬送によって摺動回転するように設けられる。円筒状回転体71には、たとえば、コロを使用できる。また、円筒状回転体71の表面には、トナーに対して高い離型性を示すフッ素樹脂などからなる被覆層を設けてもよい。用紙剥離部材70においても記録媒体9の通過時には、回転体71は記録媒体と接触し、かつ、爪先端部が記録媒体9の裏面側に接触しないような位置関係を保つように調整される。円筒状回転体71は記録媒体9に接触するが記録媒体9に対して緩やかに摺動回転するので、記録媒体9に爪跡が発生することはほぼ完全に防止される。このような構成は、両面印字が可能なフルカラー画像形成装置において特に有利である。
また、本実施の形態では、図6に示すローラ状部材60を使用するが、それに限定されず、別形態のローラ状部材を使用できる。図9は、別形態のローラ状部材60xの構成を模式的に示す側面図である。図9は、加圧ローラ32の長手方向に垂直な方向において、定着ローラ31側から見た側面図である。ローラ状部材60xは、金属シャフト60aと、金属シャフト60a表面の周方向に設けられる6個のゴム層60bとを含む。ゴム層60bは金属シャフト60a表面の全面に設けられるのではなく、その長手方向において、金属シャフト60aの6箇所に設けられる。このとき、加圧ローラ32に対して4箇所に用紙剥離部材35が配置されるのに基づき、用紙剥離部材35とそれに隣り合う用紙剥離部材35との間隔に対応する長手方向の幅の中に、2個のゴム層60bを配置する。このように配置することによって、記録媒体9の記録媒体搬送方向の先端部が搬送ローラ37によって挟持されて記録媒体9に引張力が付与されると、記録媒体9の接触部材50ひいては剥離爪48に対する押圧力が、全ての剥離爪48に対してほぼ均等になり、全ての用紙剥離部材35を定着ローラ32から均等に離反させ得る。なお、このような配置では、記録媒体9の記録媒体搬送方向に垂直な方向の両端部に掛かる力が若干小さくなる。このため、たとえば、腰の弱い記録媒体9を搬送する場合には、加圧ローラ32の長手方向両端に位置する用紙剥離部材35を押圧する力が弱まり、剥離爪48の定着ローラ32に対する離反性能がやや低下するおそれがある。
図9に示すローラ状部材60xをさらに改良したのが図10に示すローラ状部材60yである。図10は、別形態のローラ状部材60yの構成を模式的に示す側面図である。図10は、加圧ローラ32の長手方向に垂直な方向において、定着ローラ31側から見た側面図である。ローラ状部材60yは、金属シャフト60aと、金属シャフト60aと、金属シャフト60a表面の周方向に設けられる8個のゴム層60bとを含む。すなわち、ゴム層60bは、金属シャフト60aの長手方向において、金属シャフト60aの外周面に8箇所に設けられる。さらに詳しくは、ゴム層60bは、ローラ状部材60xにおけるのと同じ位置に6個配置されるとともに、金属シフト60aの長手方向の両端部にそれぞれ1個配置される。このように配置すると、搬送ローラ37が記録媒体9に力を付与する際に、用紙剥離部材35に対して、記録媒体搬送方向に直角な方向のほぼ均一な力が働き、全ての剥離爪48が均一に押圧される。これによって、腰の弱い記録媒体9を用いても、剥離爪48の離反性能が低下することがない。
本発明の実施の別形態である画像形成装置の構成を模式的に示す図面である。 本発明の実施の第1形態である定着装置の構成を模式的に示す断面図である。 図2に示す定着装置の要部の構成を模式的に示す側面図である。 従来の定着装置の要部の構成を模式的に示す側面図である。 図2に示す定着装置における用紙剥離部材の作用を示す側面図である。 搬送ローラにおけるローラ状部材の構成を模式的に示す側面図である。 別形態の用紙搬送部材の構成を模式的に示す側面図である。 別形態の用紙搬送部材の構成を模式的に示す側面図である。 搬送ローラにおける別形態のローラ状部材の構成を模式的に示す側面図である。 搬送ローラにおける別形態のローラ状部材の構成を模式的に示す側面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 トナー像形成手段
3 転写手段
4 定着装置
8 トナー
9 記録媒体
10 トナー像形成ユニット
11 感光体ドラム
20 中間転写ベルト
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 外部加熱手段
35,36,65,70 用紙剥離部材
37 搬送ローラ
41 加熱ベルト
48,80 剥離爪
49,81 支持部材
50,66 接触部材
53 記録媒体搬送路
60,61 ローラ状部材
67 抑止部材
71 回転体

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転駆動可能に設けられてトナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、
    定着部材に圧接しかつ軸線回りに回転駆動可能にまたは定着部材の回転に従動回転可能に設けられて定着部材によるトナー像の記録媒体への定着を補助する加圧部材と、
    定着部材および加圧部材の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、
    定着部材および加圧部材の少なくとも一方に設けられる用紙剥離部材において、定着部材の長手方向に垂直な方向の一端が支持部材によって回転自在に支持されかつ他端が定着部材または加圧部材の表面に離接可能に設けられる剥離爪と、剥離爪を回転自在に支持する支持部材と、剥離爪と一体化され、支持部材の軸線から記録媒体搬送路に向けて下ろす垂線と該搬送路とが交わる位置よりも記録媒体の搬送方向下流側において、剥離爪の回転に伴って記録媒体に対して離接可能に設けられる接触部材とを備える用紙剥離部材とを含むことを特徴とする定着装置。
  2. 用紙剥離部材は、
    剥離爪の他端が定着部材または加圧部材の表面に対して離隔状態にある時、記録媒体搬送路において、剥離爪の他端の少なくとも一部と記録媒体とが接触しないように剥離爪の回転を抑止する抑止部材をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 接触部材は、
    記録媒体搬送路内の記録媒体と接触して回転する回転部材と、
    剥離爪と一体化されて回転部材を回転自在に支持する回転支持部材とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 定着部材と加圧部材との圧接部を通過する記録媒体を記録媒体搬送路のさらに下流側に搬送する搬送部材をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 表面に感光層を有する感光体と、感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電状態の感光体表面に静電潜像を形成する露光手段と、感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着させる定着手段とを含む画像形成装置において、
    定着手段は、請求項1〜4のいずれか1つの定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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