JP2008304693A - 衝撃保護機能付きカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】カメラの落下等を確実に検知することができる衝撃保護機能付きカメラを提供する。
【解決手段】本発明は、衝撃保護機能付きカメラ(1)であって、カメラ本体部(4)と、このカメラ本体部に取り付けられたレンズ鏡筒(6)と、このレンズ鏡筒又はカメラ本体部の角速度を検出する角速度検出手段(34)と、この角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が所定の第1閾値以上であり、且つ過去の所定期間に亘る角速度検出値の変動幅が所定の変動幅以下である場合に、衝撃判定信号を出力する衝撃判定手段(38)と、この衝撃判定手段から衝撃判定信号が出力されると、カメラ本体部又はレンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる制御手段(36)と、を有することを特徴としている。
【選択図】図5

Description

本発明はカメラに関し、特に、衝撃保護機能付きカメラに関する。また、本発明は、アクチュエータに関し、特に、像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関する。
カメラを落下等の衝撃から保護する種々の機能が知られている。最も単純には、カメラが所定時間以上操作されていない場合において、レンズ鏡筒をカメラ本体部の中に沈胴させたり、レンズカバーを閉鎖させる等の機能が知られている。これらの衝撃保護機能は、カメラの不使用時等にカメラが落下された場合等には有効であるが、カメラが撮影中に撮影者の手から滑り落ちた場合等には、カメラを保護することができない。
特開2005−084093号公報(特許文献1)には、レンズ保護機能付カメラが記載されている。このカメラは、カメラ本体部に設けられたグリップセンサと、加速度センサとを備え、これらのセンサの検出値に基づいてカメラの落下を判定し、落下中にズームレンズをカメラ本体内に収納するように構成されている。
また、特開平09−061869号公報(特許文献2)には、カメラが記載されている。このカメラは、カメラの振動を検出するセンサを備え、このセンサがカメラの手ブレではあり得ない大きな値を検出すると、撮影レンズをカメラ内に収納するように構成されている。
一方、カメラの振れを検出し、検出された振れに基づいて像振れ補正用のレンズを移動させ、撮像される画像を安定させる像振れ防止機能付きカメラが知られている。このようなカメラは、像振れ補正用のレンズが鏡筒内で移動可能に支持されているため、落下等により衝撃が加わると、像振れ防止の機能部が損傷される危険性が高い。従って、像振れ防止機能付きカメラには、確実な衝撃保護機能が特に必要とされている。
特開2005−084093号公報 特開平09−061869号公報
しかしながら、特開2005−084093号公報記載のカメラのように、グリップセンサを用いた落下の判定は、撮影者がカメラのグリップセンサ以外の部分を把持して撮影を行っている場合、誤判定される可能性が高いという問題がある。また、グリップセンサを用いた判定は、落下判定用に特別にグリップセンサを設ける必要があるため、カメラのコスト増につながるという問題もある。
また、特開2005−084093号公報記載のカメラに用いられている加速度センサは、カメラの落下の判定には有効であるが、加速度センサによって像振れを検出することは一般に困難である。従って、像振れ防止機能付きのカメラに衝撃保護機能を付加するには、カメラの像振れ検出用の角速度センサ他に等に加え、加速度センサを備える必要があり、カメラのコスト増につながるという問題がある。
さらに、特開平09−061869号公報に記載のカメラでは、カメラの振動を検出するセンサにより、カメラの落下を判定することができるものの、カメラの落下を判定する閾値を小さく設定すると、撮影中にカメラの落下と誤判定され、撮影中に撮影レンズがカメラ内に収納されてしまうという不具合が発生する。このため、判定の閾値は或る程度大きく設定する必要があるが、この場合には、カメラの落下を確実に検知することができないという問題がある。
従って、本発明は、カメラの落下等を確実に検知することができる衝撃保護機能付きカメラを提供することを目的としている。
また、本発明は、角速度を検出することにより、落下等を確実に検知することができる像振れ防止用のアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、衝撃保護機能付きカメラであって、カメラ本体部と、このカメラ本体部に取り付けられたレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒又はカメラ本体部の角速度を検出する角速度検出手段と、この角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が所定の第1閾値以上であり、且つ過去の所定期間に亘る角速度検出値の変動幅が所定の変動幅以下である場合に、衝撃判定信号を出力する衝撃判定手段と、この衝撃判定手段から衝撃判定信号が出力されると、カメラ本体部又はレンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる制御手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、角速度検出手段が、レンズ鏡筒又はカメラ本体部の角速度を検出する。衝撃判定手段は、角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が所定の第1閾値以上であり、且つ過去の所定期間に亘る角速度検出値の変動幅が所定の変動幅以下である場合に、衝撃判定信号を出力する。制御手段は、衝撃判定手段から衝撃判定信号が出力されると、カメラ本体部又はレンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる。
このように構成された本発明によれば、衝撃判定手段が、角速度検出値及びその所定期間に亘る変動幅に基づいて、カメラに衝撃が加わる虞があることを判定しているので、カメラの落下等を確実に検知することができる。
本発明において、好ましくは、衝撃判定手段は、角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が、第1閾値よりも大きい所定の第2閾値以上である場合には、角速度検出値の変動幅に関わりなく衝撃判定信号を出力する。
このように構成された本発明によれば、例えば、カメラに撮影が不可能なほどの角速度が生じた場合にも、衝撃が加わる虞があるとして、カメラ本体部又はレンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、レンズ鏡筒をカメラ本体部に向かって沈み込ませることによりレンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる。
このように構成された本発明によれば、レンズ鏡筒をカメラ本体部に向かって沈み込ませることによりレンズ鏡筒を衝撃から保護することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、レンズ鏡筒内に配置された像振れ補正用レンズを、レンズ鏡筒の光軸に直交する平面内で移動させ像振れを防止する像振れ防止手段を有し、制御手段は、像振れ補正用レンズを係止することによりレンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる。
このように構成された本発明によれば、制御手段が像振れ補正用レンズを係止するので、レンズ鏡筒内で移動可能に支持された像振れ補正用レンズを衝撃から保護することができる。
本発明において、好ましくは、像振れ防止手段は、カメラ本体部の角速度を検出する角速度センサを備え、この角速度センサの検出値に基づいて像振れ補正用レンズを移動させるように構成されており、角速度センサが角速度検出手段としても機能する。
このように構成された本発明によれば、像振れ防止制御用に備えられている角速度センサを使用して、特別なセンサを設けることなく、カメラの落下等を確実に検知することができる。
また、本発明は、レンズ鏡筒内に配置された像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、固定部と、像振れ補正用レンズが取り付けられた可動部と、この可動部を光軸に直交する平面内で移動可能に支持する可動部支持手段と、レンズ鏡筒の角速度を検出する角速度検出手段と、この角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が所定の第1閾値以上であり、且つ過去の所定期間に亘る角速度検出値の変動幅が所定の変動幅以下である場合に、衝撃判定信号を出力する衝撃判定手段と、角速度検出手段によって検出された角速度検出値に基づいて、可動部を移動させて像振れを防止すると共に、衝撃判定手段から衝撃判定信号が出力された場合には、可動部を係止する制御手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、制御手段が可動部を係止するので、衝撃に弱い可動部支持手段等を衝撃から保護することができる。
本発明において、好ましくは、衝撃判定手段は、角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が、第1閾値よりも大きい所定の第2閾値以上である場合には、角速度検出値の変動幅に関わりなく衝撃判定信号を出力する。
また、本発明のレンズユニットは、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の内部に配置された本発明のアクチュエータと、を有することを特徴としている。
さらに、本発明のカメラは、カメラ本体部と、本発明のレンズユニットと、を有することを特徴としている。
本発明の衝撃保護機能付きカメラによれば、カメラの落下等を確実に検知することができる。
また、本発明の像振れ防止用のアクチュエータ、及びそれを備えたレンズユニット、カメラによれば、角速度を検出することにより、落下等を確実に検知することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1乃至図10を参照して、本発明の実施形態によるカメラを説明する。図1は本実施形態によるカメラの使用状態における断面図であり、図2は衝撃保護状態である収納状態における断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は、レンズユニット部2と、カメラ本体部4と、を有する。レンズユニット部2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、撮像用レンズのうちの像振れ補正用レンズ16を所定の平面内で移動させるアクチュエータ10と、カメラ本体部4及びレンズ鏡筒6の振動を検出する角速度検出手段であるジャイロ34と、を有する。従って、アクチュエータ10は、像振れ防止手段として機能する。
レンズユニット部2は、カメラ本体部4に取り付けられ、入射した光をフィルム面Fに結像させるように構成されている。
レンズ鏡筒6は、カメラ本体部4に固定された概ね円筒形の外胴6aと、この外胴6aの内側に、外胴6aに対して軸線方向に摺動可能に配置された中胴6bと、この中胴6bの内側に配置され、カメラ本体部4に固定された内胴6cと、を有する。レンズ鏡筒6は、カメラの使用状態においては、図1に示すように中胴6bが前方に突出され、カメラの収納状態においては、図2に示すように、中胴6bは、カメラ本体部4に向かって沈み込み、外胴6aの内部に収納される。
撮像用レンズ8は、本実施形態のカメラ1においては、中胴6b及び内胴6cに夫々取り付けられており、それらのうちの一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。また、中胴6bにはアクチュエータ10が取り付けられており、このアクチュエータ10により、撮像用レンズ8のうちの一部である像振れ補正用レンズ16が光軸に直交する平面内で移動される。
本発明の実施形態のカメラ1は、ジャイロ34によって角速度を検出し、検出された角速度に基づいてアクチュエータ10を作動させて像振れ補正用レンズ16を移動させ、カメラ本体部4内のフィルム面Fに合焦される画像を安定化させている。本実施形態においては、ジャイロ34として、圧電振動ジャイロを使用している。なお、本実施形態においては、像振れ補正用レンズ16は、3枚のレンズによって構成されているが、画像を安定させるためのレンズは、1枚或いは任意の枚数のレンズ群であっても良い。
次に、図1乃至図4を参照して、アクチュエータ10の構成を説明する。図3は、移動枠が像振れ防止制御の動作中心位置にあるアクチュエータ10の正面図である。また、図4は、図3のIV−IV線に沿う側面断面図である。
図3及び図4に示すように、アクチュエータ10は、レンズ鏡筒6の中胴6bに固定された固定部である固定枠12と、この固定枠12に対して移動可能に支持された可動部である移動枠14と、この移動枠14を支持する可動部支持手段である3つの球状体18と、を有する。
アクチュエータ10は、移動枠14を、レンズ鏡筒6に固定された固定枠12に対して、光軸に直交する平面内、即ちフィルム面Fに平行な平面内で移動させるように構成されている。また、アクチュエータ10は、図1に示す使用状態において、移動枠14に取り付けられた像振れ補正用レンズ16を移動させることにより、レンズ鏡筒6が振動してもフィルム面Fに結像される像が乱れることがないように制御される。一方、アクチュエータ10は、図2に示す収納状態においては、後述するように、移動枠14が固定枠12から僅かに引き離され、球状体18の受面が保護されるように構成されている。
さらに、アクチュエータ10は、固定枠12に取り付けられた2つの駆動用コイル20a、20bと、移動枠14の、駆動用コイル20a、20bに夫々対応する位置に取り付けられた2つの駆動用磁石22a、22bと、を有する。なお、駆動用コイル20a、20b及びこれらに対応する位置に取り付けられた2つの駆動用磁石22a、22bはリニアモーターを構成し、移動枠14を固定枠12に対して駆動する駆動手段として機能する。
また、アクチュエータ10は、移動枠14と固定枠12が互いに近づくように付勢力を発生する付勢手段である2本の可動部付勢バネ26(図4)を有する。
さらに、各駆動用コイル20a、20bの巻線の内側には、磁気センサであるホール素子24a、24bが夫々配置されている。各ホール素子24a、24bは、これらと夫々向き合うように配置されている各駆動用磁石22a、22bの磁気を検出して、固定枠12に対する移動枠14の位置を検出するように構成されている。これらのホール素子24a、24b及び駆動用磁石22a、22bは、位置検出手段を構成する。
また、図1及び図2に示すように、アクチュエータ10は、ジャイロ34によって検出された角速度と、ホール素子24a、24bによって検出された移動枠14の位置情報に基づいて、各駆動用コイル20a、20bに流す電流を制御する制御手段であるコントローラ36を有する。また、アクチュエータ10は、ジャイロ34によって検出された角速度に基づいて、カメラ1が落下されたこと、又はカメラ1に大きな角速度が作用したことを判定し、衝撃判定信号を出力する衝撃判定手段38を有する。
固定枠12は、一方の端部が閉鎖された概ね円筒状の形状を有し、中胴6bの内側に嵌入され固定されている。また、固定枠12の、可動部支持面である端面12aは、その中心に円形の穴が形成されたドーナツ型の円板状に形成されている。固定枠12の端面12aには、球状体18を取り囲むように設けられた3つの脱落防止壁12bが形成されている。これらの脱落防止壁12bは、球状体18を取り囲む円筒形状に形成されており、端面12a上の光軸を中心とする円周上の3箇所に夫々配置されている。
移動枠14は、中央の円筒部14aと、この円筒部14aの周囲に延びる概ねドーナツ板状のフランジ部14bとを有する。円筒部14aには、3枚の像振れ補正用レンズ16が取り付けられている。また、フランジ部14bは、固定枠12の端面12aと平行になるように、3つの球状体18によって支持されている。
球状体18は、図4に示すように、固定枠12の端面12aと移動枠14のフランジ部14bの間に配置されている。また、各球状体18は、図3に示すように、夫々、中心角120゜の間隔を隔てて3つ配置されると共に、固定枠12に形成された脱落防止壁12bの中に受け入れられている。さらに、各球状体18は、可動部付勢バネ26が発生する付勢力により、固定枠12と移動枠14の間に挟持されている。これにより、移動枠14は固定枠12に平行な平面上に支持され、各球状体18が挟持されながら転がることによって、移動枠14の固定枠12に対する移動が許容される。従って、端面12aの脱落防止壁12bによって囲まれた部分、及びフランジ部14bの各球状体18が接触する部分は、球状体18の受面として機能する。
2つの駆動用コイル20a、20bは、固定枠12の端面12a上に夫々配置されている。本実施形態においては、駆動用コイル20aは光軸の鉛直上方に配置され、駆動用コイル20bは、駆動用コイル20aに対して中心角90゜間隔を隔てて配置されている。即ち、駆動用コイル20a、20bは、光軸を交点とする鉛直軸線及び水平軸線上に夫々配置されている。
駆動用磁石22a、22bは、夫々細長い長方形の形状を有し、移動枠14に埋め込まれている。各駆動用磁石22a、22bは、この細長い長方形の長辺がレンズユニット2の光軸を中心とする円の接線方向に向けられ、移動枠14の各駆動用コイル20a、20bに対応する位置に位置決めされている。この構成により、各駆動用コイルに電流が流れると、対応する駆動用磁石との間に鉛直方向及び水平方向の駆動力が発生し、移動枠14が駆動される。
次に、移動枠14の位置検出を説明する。
ホール素子24aは、像振れ防止制御の動作中心位置において、その感度中心点が駆動用磁石22aの着磁境界線上に位置するように配置されている。この場合においては、ホール素子24aからの出力信号はゼロである。駆動用磁石22aが移動枠14と共に動作中心位置から移動され、ホール素子24aの感度中心点が駆動用磁石22aの着磁境界線上から外れると、ホール素子24aの出力信号が変化する。
駆動用磁石22aの移動量が微小である場合には、ホール素子24aは、駆動用磁石22aの移動距離にほぼ比例した信号を出力する。本実施形態において、駆動用磁石22aの移動距離が、駆動用磁石22aの長辺の長さの3%程度以内の場合には、ホール素子24aから出力される信号は、ホール素子24aの感度中心点と駆動用磁石22aの着磁境界線の間の距離にほぼ比例する。また、本実施形態では、アクチュエータ10は、像振れ補正制御の作動領域においては各ホール素子の出力が移動距離にほぼ比例する範囲内で作動する。
ここでは、ホール素子24aについて説明したが、ホール素子24bも、これに対応する駆動用磁石22bとの位置関係に基づいて同様の信号を出力する。このため、各ホール素子24a、24bによって検出された信号に基づいて、移動枠14が固定枠12に対して移動した位置を特定することができる。
次に、移動枠14及びこれに取り付けられた像振れ補正用レンズ16を係止して、球状体18及び球状体18の受面を衝撃から保護する衝撃保護状態に移行する機構を説明する。
図3及び図4に示すように、固定枠12の端面12aには、各球状体18の内周側に、3本の保護ピン28が配置されている。各保護ピン28は、端面12aに形成された孔を貫通するように、摺動可能に配置されている。また、各保護ピン28の先端側には先端拡径部28aが形成され、基端側には基端拡径部28bが形成されており、これらの拡径部により、各孔に貫通された各保護ピン28は孔から脱落しないようになっている。さらに、各保護ピン28の周囲には、保護ピン付勢バネ30が夫々配置されている。これらの保護ピン付勢バネ30は、基端拡径部28bと端面12aの間に夫々配置されており、各保護ピン28をカメラ本体部4側に、即ち、各保護ピン28を移動枠14から離れる方向に付勢している。
また、移動枠14のフランジ部14bには、各保護ピン28に対応するように位置決めされた係合凹部14cが夫々形成されている。各係合凹部14cは、各保護ピン28の先端拡径部28aを隙間なく受け入れるように形成されている。
カメラ1の使用状態においては、図1に示すように、各保護ピン28は引っ込んだ状態に維持され、一方、カメラ1の収納状態においては、図2に示すように、各保護ピン28は突出され、移動枠14に当接される。各保護ピン28が突出されることにより、移動枠14は固定枠12の端面12aから引き離される。これにより、球状体18及び球状体18の受面が衝撃から保護される。
次に、図5乃至図7を参照して、ジャイロ34から出力される電気信号の処理を説明する。図5は、ジャイロ34から出力された電気信号の処理を示すブロック図である。図6は、信号電圧と角速度検出値の関係を示すグラフである。また、図7は、衝撃判定手段38に内蔵されている微小揺れ判定手段における処理を説明する図である。
図5に示すように、ジャイロ34から出力されたアナログの電気信号は、ハイカットフィルタ40によって高周波成分を除去された後、前段アンプ42によって増幅される。この前段アンプ42によって増幅された電気信号はローカットフィルタ44に入力されると共に、衝撃判定手段38にも入力される。ローカットフィルタ44で低周波成分を除去された信号は、後段アンプ46によってさらに増幅され、A/D変換器48によってデジタル信号に変換される。A/D変換器48によって変換されたデジタル信号は、コントローラ36に入力されると共に、衝撃判定手段38にも入力される。
なお、本実施形態においては、ハイカットフィルタ40のカットオフ周波数は約100Hz、ローカットフィルタ44のカットオフ周波数は約3Hzに設定されている。また、本実施形態においては、前段アンプ42及び後段アンプ46の増幅率は約4倍に設定されている。
本実施形態のカメラ1では、ジャイロ34はカメラ1のヨーイング運動の角速度及びピッチング運動の角速度を夫々検出している。カメラ1の振動は、ジャイロ34によって時々刻々検出され、上記の信号処理を経てコントローラ36に入力される。
コントローラ36は、ジャイロ34により検出され、A/D変換器48によってデジタル信号に変換された角速度を、内蔵された積分手段50により時間積分して、ヨー方向、ピッチ方向の振れ角度の信号θy、θpを生成する。コントローラ36は、これらの振れ角度の信号に所定の光学特性補正を行うことによってレンズ位置指令信号の水平方向成分Dx及び鉛直方向成分Dyを生成するように構成されている。即ち、これらのレンズ位置指令信号によって指定された位置に像振れ補正用レンズ16を移動させることにより、合焦される画像の振れが抑制される。
コントローラ36は、生成されたレンズ位置指令信号に従って、各駆動用コイル20a、20bに電流を流して移動枠14を駆動し、これに取り付けられた像振れ補正用レンズ16を時々刻々移動させる。これにより、写真撮影の露光中にレンズユニット部2が振動した場合にも、カメラ本体部4内のフィルム面Fに合焦される像は乱れることなく安定化される。
次に、衝撃判定手段38の構成及び作用を説明する。
衝撃判定手段38は、ジャイロ34の出力に基づいて、カメラ1に衝撃力が加わる可能性があると判断される場合に、衝撃判定信号を出力するように構成されている。まず、図8乃至図10を参照して、衝撃判定手段38の作動原理を説明する。図8は、カメラ1が撮影者によって保持されている場合における、カメラの振れ角速度を模式的に示す図である。また、図9は、撮影者によって保持されていたカメラ1が、撮影者の手から離れて落下した際の角速度の変化の一例を示す図である。さらに、図10は、自由落下するカメラの位置を時系列で示すグラフである。
カメラ1が撮影者によって保持されている場合、カメラは約8Hz程度の周波数で振動され、その振れ角度の両振幅は約0.01[deg]程度であることが知られている。これらの値は、カメラの形態や、撮影者の個人差によって変化するものであるが、一般的な形態のカメラ、一般的な撮影者において、これらの値から大きく外れることはない。この状態を模式的にグラフに表すと、図8のようになる。従って、図8に示す正弦波状の振動において、振れ角速度の最大値は約0.25[deg/sec]となる。
図9は、カメラ1が落下した際にジャイロ34によって検出された角速度を示すものであるが、カメラ1が撮影者の手に把持されている間は、角速度は上記の程度の大きさで、振動的に推移している。ここで、図9の時刻t1において、カメラ1は撮影者の手から離れているが、この場合においても、ジャイロ34によって検出される角速度の絶対値に大きな変化はない。従って、ジャイロ34によって単に角速度を検出するだけでは、撮影者がカメラ1を落としたことを確実に判定することは困難である。
しかしながら、時刻t1においてカメラ1が撮影者の手から離れ、時刻t2において床面に衝突するまでの間は、ジャイロ34によって検出される角速度の時間的変化が非常に少なくなっていることがわかる。これは、カメラ1が撮影者の手から離れた後は、カメラ1は自由落下状態にあるので、作用する外力が重力のみとなるためである。本実施形態においては、この性質を利用して、カメラが落下し始め、直後に大きな衝撃力が加わることを予測している。ただし、角速度の時間的変化を単に検出しただけでは、カメラを三脚に据えた場合等に、カメラ1が落下していると誤判定されることになる。
図10に示すように、カメラ1が時刻0において自由落下を開始した場合、カメラ1は判定期間T1である約0.2秒で、カメラ1が落下を開始したことを判定する。この判定期間T1の間に、カメラ1は約0.2[m]落下する。落下を開始したと判定されると、カメラ1は、その後、保護状態移行期間T2である約0.15秒で、通常の使用状態から衝撃保護状態に移行される。この保護状態移行期間T2の間に、カメラ1は約0.4[m]落下する。従って、本実施形態においては、約0.6[m]よりも高い位置から落下された場合には、カメラ1は衝撃保護状態に移行された状態で床面に衝突することになる。換言すれば、通常使用状態のカメラ1を、約0.6[m]の高さからの落下衝撃に耐えうるように構成しておくことにより、損傷を免れることができる。
具体的には、図5に示すように、衝撃判定手段38には、バッファーアンプA1、4つのコンパレータC1〜C4、3つのオア回路OR1〜OR3、及びアンド回路AND1が内蔵されている。さらに、衝撃判定手段38には、微小揺れ判定手段52が内蔵されている。
衝撃判定手段38は、前段アンプ42から入力された信号が、バッファーアンプA1を介して、コンパレータC1、C2のマイナス入力端子、及びコンパレータC3、C4のプラス入力端子に入力されるように構成されている。また、コンパレータC1、C2のプラス入力端子には、所定の定電圧VU2、VU1が夫々印加され、コンパレータC3、C4のマイナス入力端子には、所定の定電圧VL1、VL2が夫々印加されている。
図6に示すように、これらの定電圧は、定電圧VU1、VL1[V]が角速度検出値の第1閾値L1、−L1[deg/sec]に対応し、定電圧VU2、VL2[V]が角速度検出値の第2閾値L2、−L2[deg/sec]に対応するように設定されている。なお、本実施形態においては、第1閾値は約±2.0[deg/sec]であり、第2閾値は約±30[deg/sec]である。好ましくは、第1閾値を約±0.25乃至2.0[deg/sec]、第2閾値を約±30乃至50[deg/sec]とする。
さらに、コンパレータC1、C4の出力端子は、オア回路OR2の入力端子に夫々接続されている。また、コンパレータC2、C3の出力端子は、オア回路OR1の入力端子に夫々接続されている。このオア回路OR1の出力端子及び微小揺れ判定手段52の出力は、アンド回路AND1の入力端子に接続されている。このアンド回路AND1の出力端子及びオア回路OR2の出力端子は、オア回路OR3の入力端子に夫々接続されている。このオア回路OR3の出力は、衝撃判定手段38の出力として、コントローラ36に入力されている。
まず、バッファーアンプA1の出力電圧が、定電圧VU2よりも高い場合、即ち、ジャイロ34による角速度検出値がL2[deg/sec]以上の場合には、コンパレータC1〜C4の出力は、夫々、真レベル、真レベル、偽レベル、偽レベルとなる。これにより、オア回路OR2の出力は真レベルとなり、オア回路OR3の出力も真レベルとなる。即ち、ジャイロ34による角速度検出値が第2閾値L2以上の場合には、カメラ1がもはや撮影することができないほどの大きな角速度で移動されていると判断され、衝撃判定手段38から衝撃判定信号が出力される。
同様に、バッファーアンプA1の出力電圧が、定電圧VL2よりも低い場合、即ち、ジャイロ34による角速度検出値が第2閾値−L2[deg/sec]以下の場合には、コンパレータC1〜C4の出力は、夫々、偽レベル、偽レベル、真レベル、真レベルとなり、衝撃判定手段38から衝撃判定信号が出力される。このように、ジャイロ34による角速度検出値の絶対値が第2閾値以上の場合には、カメラ1が撮影不能な角速度で移動されていると衝撃判定手段38によって判定され衝撃判定信号が出力される。
一方、バッファーアンプA1の出力電圧が、定電圧VL1よりも高く、VU1よりも低い場合、即ち、ジャイロ34による角速度検出値の絶対値が第1閾値未満の場合には、コンパレータC1〜C4の出力は、全て偽レベルとなる。これにより、オア回路OR1、OR2の出力は何れも偽レベルとなり、オア回路OR3の出力は、微小揺れ判定手段52の出力に関わらず偽レベルとなる。即ち、ジャイロ34による角速度検出値の絶対値が第1閾値未満の場合には、カメラ1が安定した場所に置かれている、或いは三脚等に固定されていると衝撃判定手段38によって判定され、衝撃判定信号は出力されない。
次に、バッファーアンプA1の出力電圧が、定電圧VU1よりも高く、VU2よりも低い場合、即ち、ジャイロ34による角速度検出値が第1閾値L1以上、第2閾値L2未満の場合には、コンパレータC1〜C4の出力は、夫々、偽レベル、真レベル、偽レベル、偽レベルとなる。これにより、オア回路OR1の出力は真レベルとなり、オア回路OR2の出力は偽レベルとなる。従って、この場合には、微小揺れ判定手段52の出力が真レベルであれば、アンド回路AND1の出力が真レベルとなり、オア回路OR3の出力も真レベルとなる。逆に、微小揺れ判定手段52の出力が偽レベルであれば、アンド回路AND1の出力は偽レベルとなり、オア回路OR3の出力も偽レベルとなる。
同様に、バッファーアンプA1の出力電圧が、定電圧VL1よりも低く、VL2よりも高い場合、即ち、ジャイロ34による角速度検出値が第1閾値−L1以下で第2閾値−L2よりも大きい場合には、コンパレータC1〜C4の出力は、夫々、偽レベル、偽レベル、真レベル、偽レベルとなる。このため、オア回路OR3の出力は、微小揺れ判定手段52の出力が真レベルであれば真レベル、偽レベルであれば偽レベルとなる。即ち、ジャイロ34による角速度検出値の絶対値が第1閾値以上、第2閾値未満の場合には、微小揺れ判定手段52の出力に応じて衝撃判定手段38の出力が変化する。
次に、図7を参照して、微小揺れ判定手段52による信号処理を説明する。
A/D変換器48においてデジタル信号に変換された信号は、所定のサンプリングタイム毎に微小揺れ判定手段52に入力される。微小揺れ判定手段52においては、シフトレジスタのような信号処理が実行される。即ち、微小揺れ判定手段52内には、過去の所定期間Tに亘る角度検出値(過去の所定サンプル数の角度検出値データ)が記憶されており、新しいデータが入力される毎に最も古いデータが消去される。さらに、微小揺れ判定手段52は、記憶されている角度検出値の中から最大値ωMAX及び最小値ωMINを抽出し、それらの差ωMAX−ωMINとして角速度検出値の変動幅ωBを計算する。微小揺れ判定手段52は、この変動幅ωBが所定の変動幅ωd以下である場合に出力が真レベルとなり、変動幅ωdよりも大きい場合には出力が偽レベルとなるように構成されている。なお、本実施形態においては、所定期間Tは約0.2秒である。好ましくは、期間Tを約0.2乃至0.3秒とする。また、所定の変動幅ωdは、約0.05[deg/sec]である。好ましくは、変動幅ωdを、約0.02乃至0.05[deg/sec]とする。
従って、ジャイロ34による角速度検出値の絶対値が第1閾値以上、第2閾値未満の場合において、微小揺れ判定手段52内で計算された角速度検出値の変動幅ωBが所定の変動幅ωd以下であると、衝撃判定手段38から衝撃判定信号が出力され、変動幅ωBが所定の変動幅ωdよりも大きいと、衝撃判定信号は出力されない。即ち、角速度検出値の絶対値が第1閾値以上、第2閾値未満であり、角速度検出値の変動幅ωBが小さい場合には、カメラ1が自由落下中である可能性が高いため、衝撃判定手段38から衝撃判定信号が出力される。一方、角速度検出値の絶対値が第1閾値以上、第2閾値未満であっても、角速度検出値の変動幅ωBが大きい場合には、カメラ1が使用者により把持されている可能性が高いため、衝撃判定信号は出力されない。
次に、衝撃判定手段38から衝撃判定信号が出力された場合の作用を説明する。
まず、衝撃判定信号が出力されておらず、コントローラ36によって、アクチュエータ10の像振れ防止制御が実行されている場合においては、図1に示すように、各保護ピン28は、先端拡径部28aが固定枠12の端面12aに当接した状態、即ち、引っ込んだ状態に維持されている。この状態においては、各保護ピン28の先端拡径部28aは移動枠14に当接せず、移動枠14から離れている。このため、移動枠14は、可動部付勢バネ26により、固定枠12の端面12aに近づくように付勢される。この付勢力により、球状体18は、移動枠14のフランジ部14bと固定枠12の端面12aの間に挟持される。
次に、衝撃判定手段38から衝撃判定信号が出力されると、レンズ鏡筒6は、衝撃保護状態である収納状態に移行される。即ち、コントローラ36は、衝撃判定信号が入力されると、レンズ鏡筒6の中胴6bをカメラ本体部4に向かって沈み込むように移動させる。この状態においては、レンズ鏡筒6の中胴6bは、頑強に形成された外胴6aの中に収納されているため、カメラ1に衝撃力が作用しても容易に損傷されることはない。
また、中胴6bがカメラ本体部4に向かって移動されると、各保護ピン28の基端拡径部28bが内胴6cの先端部に当接して押圧される。これにより、各保護ピン28の周囲に配置された保護ピン付勢バネ30が押し縮められ、各保護ピン28は、保護ピン付勢バネ30の付勢力に抗して移動され、移動枠14に向かって突出される。
レンズ鏡筒6の中胴6bが図2に示すカメラ1の収納状態まで移動されると、突出した各保護ピン28の先端拡径部28aは、移動枠14のフランジ部14bに形成された係合凹部14cに当接され、移動枠14は固定枠12の端面12aから離れるように押圧される。これにより、フランジ部14bと端面12aの間に球状体18を挟持する圧力は減少し、ゼロとなる。また、各保護ピン28の先端拡径部28aは、各係合凹部14cに隙間なく受け入れられ、係合される。このため、各先端拡径部28aが各係合凹部14cに受け入れられた状態では、光軸に直交する平面内における移動枠14の移動は係止される。
ここで、移動枠14が移動され、端面12aから離れた状態においても、脱落防止壁12bの先端とフランジ部14bとの間の隙間は、球状体18の直径よりも小さいため、各球状体18は、脱落防止壁12bの内側に維持される。従って、各球状体18は、各脱落防止壁12bとフランジ部14bによって囲まれた空間内に配置されることになり、球状体18はこの空間内で自由に移動可能な状態にされる。
この状態においてカメラ1に衝撃力が作用した場合には、球状体18は空間内で移動され、脱落防止壁12bの内壁面やフランジ部14bの表面に衝突する。この衝突においてフランジ部14bの表面等に作用する衝撃力は、球状体18に作用する慣性力のみに基づくものとなる。ここで、球状体18の質量は非常に小さいため、フランジ部14bの表面等に作用する衝撃力も非常に小さなものになる。これにより、フランジ部14bの表面等の球状体18の受面の損傷も防止される。また、衝撃保護状態においては、移動枠14の移動が係止されているため、比較的質量の大きい移動枠14及び像振れ補正用レンズ16がレンズ鏡筒6内でガタついて、移動枠14や周囲の部材の損傷が防止される。
次に、衝撃判定手段38からの衝撃判定信号が停止した後、所定時間経過すると、コントローラ36は、カメラ1を通常の使用状態に移行させる。即ち、コントローラ36は、レンズ鏡筒6の中胴6bをカメラ本体部4から突出するように移動させる。これにより、保護ピン28の基端拡径部28bが内胴6cから離れ、保護ピン28は保護ピン付勢バネ30の付勢力により、カメラ本体部4に向かって移動される。保護ピン28が移動されると、その先端拡径部28aは移動枠14から離れ、球状体18は、可動部付勢バネ26の付勢力によって、再び、固定枠12と移動枠14の間に挟持されるようになる。
本発明の実施形態のカメラによれば、衝撃判定手段が、角速度検出値及びその所定期間に亘る変動幅に基づいて、カメラに衝撃が加わる虞があることを判定しているので、カメラの落下等を確実に検知することができる。
また、本実施形態のカメラによれば、角速度検出値の絶対値が、第1閾値よりも大きい所定の第2閾値以上である場合には、角速度検出値の変動幅に関わりなく衝撃判定信号を出力するので、カメラに撮影が不可能なほどの角速度が生じた場合にも、レンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させ、衝撃から保護することができる。
さらに、本実施形態のカメラによれば、衝撃保護状態において、移動枠が係止されるので、球状体及びその受面の損傷を防止することができる。
また、本実施形態のカメラによれば、ジャイロが検出した角速度の信号に基づいて衝撃を判定しているので、衝撃判定用に特別なセンサを設ける必要がない。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明をフィルムカメラに適用していたが、本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等、静止画又は動画撮像用の任意のカメラに適用することができる。また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体と共に使用されるレンズユニットに適用することもできる。
また、上述した実施形態においては、移動枠を保護ピンによって係止していたが、種々の方法で移動枠を係止することができる。例えば、移動枠の周囲に係止用のリングを配置しておき、係止が必要なとき、このリングを回転させて移動枠と係合させ、移動枠を係止しても良い。或いは、移動枠を回転駆動可能に構成しておき、係止が必要なとき移動枠を回転させ、移動枠の周囲に配置した係止用の受部と係合させて、移動枠を係止しても良い。
本発明の実施形態によるカメラの使用状態における断面図である。 本発明の実施形態によるカメラの衝撃保護状態である収納状態における断面図である。 移動枠が像振れ防止制御の動作中心位置にあるアクチュエータの正面図である。 図3のIV−IV線に沿う側面断面図である。 ジャイロから出力された電気信号の処理を示すブロック図である。 信号電圧と角速度検出値の関係を示すグラフである。 衝撃判定手段に内蔵されている微小揺れ判定手段における処理を説明する図である。 カメラが撮影者によって保持されている場合における、カメラの振れ角速度を模式的に示す図である。 撮影者によって保持されていたカメラが、撮影者の手から離れて落下した際の角速度の変化の一例を示す図である。 自由落下するカメラの位置を時系列で示すグラフである。
符号の説明
1 本発明の実施形態のカメラ
2 レンズユニット部
4 カメラ本体部
6 レンズ鏡筒
6a 外胴
6b 中胴
6c 内胴
8 撮像用レンズ
10 アクチュエータ(像振れ防止手段)
12 固定枠(固定部)
12a 端面(可動部支持面)
12b 脱落防止壁
14 移動枠(可動部)
14a 円筒部
14b フランジ部
14c 係合凹部
16 像振れ補正用レンズ
18 球状体(可動部支持手段)
20a、20b 駆動用コイル
22a、22b 駆動用磁石
24a、24b ホール素子
26 可動部付勢バネ(付勢手段)
28 保護ピン
28a 先端拡径部
28b 基端拡径部
30 保護ピン付勢バネ
34 ジャイロ(角速度検出手段)
36 コントローラ
38 衝撃判定手段
40 ハイカットフィルタ
42 前段アンプ
44 ローカットフィルタ
46 後段アンプ
48 A/D変換器
50 積分手段
52 微小揺れ判定手段

Claims (9)

  1. 衝撃保護機能付きカメラであって、
    カメラ本体部と、
    このカメラ本体部に取り付けられたレンズ鏡筒と、
    このレンズ鏡筒又は上記カメラ本体部の角速度を検出する角速度検出手段と、
    この角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が所定の第1閾値以上であり、且つ過去の所定期間に亘る角速度検出値の変動幅が所定の変動幅以下である場合に、衝撃判定信号を出力する衝撃判定手段と、
    この衝撃判定手段から衝撃判定信号が出力されると、上記カメラ本体部又は上記レンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる制御手段と、
    を有することを特徴とするカメラ。
  2. 上記衝撃判定手段は、上記角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が、上記第1閾値よりも大きい所定の第2閾値以上である場合には、上記角速度検出値の変動幅に関わりなく上記衝撃判定信号を出力する請求項1記載のカメラ。
  3. 上記制御手段は、上記レンズ鏡筒を上記カメラ本体部に向かって沈み込ませることにより上記レンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる請求項1又は2記載のカメラ。
  4. さらに、上記レンズ鏡筒内に配置された像振れ補正用レンズを、上記レンズ鏡筒の光軸に直交する平面内で移動させ像振れを防止する像振れ防止手段を有し、上記制御手段は、上記像振れ補正用レンズを係止することにより上記レンズ鏡筒を衝撃保護状態に移行させる請求項1乃至3の何れか1項に記載のカメラ。
  5. 上記像振れ防止手段は、上記カメラ本体部の角速度を検出する角速度センサを備え、この角速度センサの検出値に基づいて上記像振れ補正用レンズを移動させるように構成されており、上記角速度センサが上記角速度検出手段としても機能する請求項4記載のカメラ。
  6. レンズ鏡筒内に配置された像振れ補正用レンズをその光軸に直交する平面内で移動させ、像振れを防止するためのアクチュエータであって、
    固定部と、
    上記像振れ補正用レンズが取り付けられた可動部と、
    この可動部を上記光軸に直交する平面内で移動可能に支持する可動部支持手段と、
    上記レンズ鏡筒の角速度を検出する角速度検出手段と、
    この角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が所定の第1閾値以上であり、且つ過去の所定期間に亘る角速度検出値の変動幅が所定の変動幅以下である場合に、衝撃判定信号を出力する衝撃判定手段と、
    上記角速度検出手段によって検出された角速度検出値に基づいて、上記可動部を移動させて像振れを防止すると共に、上記衝撃判定手段から衝撃判定信号が出力された場合には、上記可動部を係止する制御手段と、
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
  7. 上記衝撃判定手段は、上記角速度検出手段によって検出された角速度検出値の絶対値が、上記第1閾値よりも大きい所定の第2閾値以上である場合には、上記角速度検出値の変動幅に関わりなく上記衝撃判定信号を出力する請求項6記載のアクチュエータ。
  8. レンズ鏡筒と、
    このレンズ鏡筒の内部に配置された請求項6又は7記載のアクチュエータと、
    を有するレンズユニット。
  9. カメラ本体部と、
    請求項8記載のレンズユニットと、
    を有するカメラ。
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