JP2008304416A - 多結晶シリコン基板の欠陥検査装置および欠陥検査方法 - Google Patents

多結晶シリコン基板の欠陥検査装置および欠陥検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多結晶シリコン基板より構成された、表面テクスチャー構造をもつ太陽電池基板等の試料をX線検査する場合に生じる基板表面でのX線散乱による疑似クラック画像を除去することができる欠陥検査装置および欠陥検査方法を得る。
【解決手段】試料を回転させつつ取り込んだX線透過データから、例えば画素間の濃度の差分値、試料の各部位のX線吸収率の空間的変動に係るデータを算出し、その空間的変動データを用いて平面像を再構成演算することにより、試料内部でX線吸収率の空間的変化が大きな部位が強調された平面像を得て、基板上の微小なクラック等を明確に画像化することを可能とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、欠陥検査装置および欠陥検査方法に関し、特に、X線を用いた多結晶シリコン基板の欠陥検査装置および欠陥検査方法に関する。
産業用のX線検査装置においては、一般に、互いに対向配置されたX線源とX線検出器との間に測定に供すべき試料を配置し、その試料に回転を与えるか、あるいはX線源とX線検出器の対を試料に対して回転させつつ、試料にX線を照射して得られるX線透過データを取り込み、そのX線透過データを用いた断層像再構成演算によって、回転軸に直交する平面に沿った試料の断層像を構築する。このようなX線装置を用いることにより、例えば物品内部に存在するクラックなどの欠陥の有無等を、非破壊のもとに調査することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−145641号公報
しかしながら、上述のようなX線透過データを用いて試料の断層像を再構成する従来のX線装置によると、測定対象試料によっては、所望の部位の断層像を正確に得ることができない場合がある。すなわち、例えば、太陽電池のような多結晶シリコン基板の場合には、基板表面に形成されたテクスチャー構造によるX線の散乱により、あたかも微少なクラックが存在しているように見える場合があり、誤検出してしまう可能性があるという問題点があった。
また、測定対象が金属のようなX線吸収率の高い物質と樹脂のようなX線吸収率の低い物質など、複数の材質からなる物質が混在しているような物品の場合、樹脂内部の微小なクラックなどの微妙なコントラストが、吸収率の高い物質の影響でうまく画像化できない場合があり、そのような場合には、精度よく検出を行うことができないという問題点があった。
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、例えば、多結晶シリコン基板、特に、太陽電池基板で基板表面に形成されたテクスチャー構造のためにX線が散乱し、あたかも微少なクラックが存在しているように見えるような試料での微少なクラック等を適切に検査することが可能な多結晶シリコン基板の欠陥検査装置および欠陥検査方法を得ることを目的としている。
この発明は、X線源とX線検出器との間に多結晶シリコン基板を配置し、上記X線源と上記X線検出器の対と上記多結晶シリコン基板とに相対的な回転を与えつつ、上記多結晶シリコン基板にX線を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、上記多結晶シリコン基板の粒界とクラックとを区別して、欠陥の有無を検査する多結晶シリコン基板の欠陥検査装置であって、上記X線透過データに基づいて、上記多結晶シリコン基板の各部位のX線吸収率の空間的変動に係る空間的変動データを算出する空間的変動データ算出手段と、上記空間的変動データを用いて、上記多結晶シリコン基板の平面像を構築して、上記多結晶シリコン基板内部でX線吸収率の空間的変動が大きな部位が強調された平面像を生成する強調画像再構成演算手段と、上記多結晶シリコン基板の粒界のサイズに基づいて上記クラックに対する閾値を設定する閾値設定手段と、上記強調画像再構成演算手段により生成された上記平面像内の上記部位の大きさを上記閾値と比較して、当該閾値よりも大きい部位があれば、それを欠陥として検出する欠陥検出手段とを備えている多結晶シリコン基板の欠陥検査装置である。
この発明は、X線源とX線検出器との間に多結晶シリコン基板を配置し、上記X線源と上記X線検出器の対と上記多結晶シリコン基板とに相対的な回転を与えつつ、上記多結晶シリコン基板にX線を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、上記多結晶シリコン基板の粒界とクラックとを区別して、欠陥の有無を検査する多結晶シリコン基板の欠陥検査装置であって、上記X線透過データに基づいて、上記多結晶シリコン基板の各部位のX線吸収率の空間的変動に係る空間的変動データを算出する空間的変動データ算出手段と、上記空間的変動データを用いて、上記多結晶シリコン基板の平面像を構築して、上記多結晶シリコン基板内部でX線吸収率の空間的変動が大きな部位が強調された平面像を生成する強調画像再構成演算手段と、上記多結晶シリコン基板の粒界のサイズに基づいて上記クラックに対する閾値を設定する閾値設定手段と、上記強調画像再構成演算手段により生成された上記平面像内の上記部位の大きさを上記閾値と比較して、当該閾値よりも大きい部位があれば、それを欠陥として検出する欠陥検出手段とを備えている多結晶シリコン基板の欠陥検査装置であるので、多結晶シリコン基板、特に、太陽電池基板で基板表面に形成されたテクスチャー構造のためにX線が散乱し、あたかも微少なクラックが存在しているように見えるような基板での微少なクラック等を適切に検査することが可能である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る多結晶シリコン基板の欠陥検査装置の構成を示した概略構成図である。図1において、1はX線源、2はX線源1から照射されたX線、3は測定に供すべき検査対象の被検体(試料)、4は被検体3を載置するための試料ステージである。5は被検対3を透過したX線2を検出するためのX線受光素子から構成されたX線検出器、6はX線検出器5で検出されたX線透過データを取り込む画像取込装置、7は画像取込装置6で取り込んだX線透過データの解析を行う演算装置である。
X線源1はX線2を被検体3に対して照射し、被検体3を透過させる。被検体3は例えば多結晶シリコン基板より構成された太陽電池基板である。太陽電池基板は、テクスチャー構造と呼ばれる、表面に無数の凹凸を形成した構造を持っている特徴がある。
通常の半導体基板に対して、X線2を照射した場合には、基板を透過したX線量に応じた透過画像を得ることができる。しかし、基板表面にテクスチャー構造と呼ばれる無数の凹凸が存在する場合には、テクスチャー部分でX線2が散乱するため、散乱したX線同士の衝突部分の境界で透過量が増大するため、この境界部分で線状の画像が得られることがある。このため、この線状画像と、欠陥によるそれとを区別することが難しい。
但し、上記境界部分で見られる線状の画像は、被検体3に対するX線2の照射角度を変化させると、被検体3の透過画像上に検出される位置が異なるという特徴がある。
また、被検体3が多結晶シリコンよりなる基板の場合、X線の入射角度や観察条件により結晶間の粒界がX線透過像に見られることがあり、この粒界部分も欠陥と区別することが難しい。
被検体3は試料ステージ4上に配置される。試料ステージ4は、被検体3をz軸方向(高さ方向)に沿った回転軸を中心として回転させるための回転機構と、そのz軸を含む互いに直交する3軸(x,y,z)方向に移動させるための機構、および、ステージの中心に対してz軸の上下方向に回転させる機構を備えている。これらの機構のうちの少なくとも1つを用いて、X線源1とX線検出器5の対と被検対3とに相対的な回転を与える。
したがって、測定は、試料ステージ4上の被検体3を例えばz軸の上下方向に回転させつつ、所定の回転角度ごとに、X線検出器5により透過したX線2を検出し、そうして得られた、所定の回転角度ごとのX線検出器5の出力、つまりX線透過データが、画像取込装置6を介して、演算装置7に逐次取り込まれる。
演算装置7は、例えば、コンピュータとその周辺機器および解析プログラムより構成されるシステムである。演算装置7は、X線源1とX線検出器5の対と被検対3とに相対的な回転を与えながらX線2を照射して、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、例えば、互いに隣接する画素間のX線強度データ(あるいは、256階調で表現した画素の濃度データ)の差分値などの、被検体3の各部位のX線吸収率の空間的変動に係る空間的変動データを算出する空間的変動データ算出手段と、当該空間的変動データを用いて、被検体3の平面像を構築して、被検体3内部でX線吸収率の空間的変動が大きな部位が強調された平面像を生成する強調画像再構成演算手段と、多結晶シリコン基板の粒界のサイズに基づいて検出したいクラックに対する閾値を設定する閾値設定手段と、強調画像再構成演算手段により生成された平面像内の各部位の大きさを設定された閾値と比較して、当該閾値よりも大きい部位があれば、それを欠陥として検出する欠陥検出手段とを備えている。
なお、ここでは、試料ステージ4を回転させることでX線2の被検体3への入射角度を変化させたが、もちろん試料ステージ4を固定しておき、X線源1およびX線検出器5を回転させることで被検体3へのX線の入射角度を変化させても構わない。
画像取込装置6を介して取り込んだX線検出器5のデータは、演算装置7で逐次解析され、例えば、差分値演算処理を行って、被検体3の各部位におけるX線吸収率の空間変動データを求め、その空間変動データを用いて被検体3の平面像を構築するので、データ上には上記の境界部分での線状の画像データや結晶粒界像は相殺処理されて、被検体3内部でX線吸収率の空間的変化が大きな部位が強調された平面像が得られ、欠陥画像による画像だけを得ることができる。このとき、被検体3を構成している多結晶シリコン基板の粒界の大きさに基づいて閾値を設定しておき、当該閾値よりもサイズの大きい欠陥をクラックとして判別する。これにより、多結晶シリコン基板の粒界とその粒界と同じオーダーのサイズをもつクラックとを区別して、真のクラックのみを欠陥として検出することができる。このように、本実施の形態においては、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、当該回転角度毎に取り込んだ複数のX線透過データから被検体3のX線像を合成する際に、被検対3の各部位のX線吸収率の空間的変動に係るデータを算出し、そのX線吸収率の空間的変動データを用いて、X線検出器5の出力に基づく回転角度ごとのX線強度分布画像を積算していき、平面像を合成するようにしたので、X線の散乱がある基板においても、適切に精度よくクラックの検出を行うことができる。
また、本実施の形態ではX線源1とX線検出器5を一組のみ用いた場合を示したが、X線源1とX線検出器5をそれぞれ二組以上使用して、二組以上のX線検出器5から取り込んだX線透過データを用いて、上記回転の中心軸の平面に沿った像を再構成する際に互いのX線強度分布画像を積算するような画像再構成演算手段を用いることで、試料ステージ4およびX線源1の可動を行わないようにしても構わない。
以上のように、本実施の形態にかかる欠陥検査装置は、X線源1とX線検出器5との間に試料である被検体3を配置し、試料ステージ4を回転させることにより、X線源1とX線検出器5の対と被検体3とに相対的な回転を与えつつ、被検体3にX線2を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、例えば互いに隣接する画素間のX線強度データ(濃度データ)の差分値などの、被検体3の各部位におけるX線吸収率の空間変動データを求め、その空間変動データを用いて被検体3の平面像を構築するので、被検体3内部でX線吸収率の空間的変化が大きな部位が強調された平面像が得られる。また、X線強度データの差分値を用いることで太陽電池基板をX線観察する場合に現れる特有の散乱像を除外した平面像を得ることができる。以上により、本実施の形態によれば、多結晶シリコン基板、特に、太陽電池基板で基板表面に形成されたテクスチャー構造のためにX線が散乱し、あたかも微少なクラックが存在しているように見えるような基板での微少なクラック等を適切に検査することが可能である。
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係る多結晶シリコン基板の欠陥検査装置の構成を示した概略構成図である。図1と同じ構成については同一符号により示し、ここでは、その説明を省略する。なお、図2において、10は、X線源1およびX線検出器5が固定され、それらを同時に回転させるための固定回転治具である。また、11は、固定回転治具10を回転駆動させるための回転駆動モータである。
X線源1はX線2を照射し、被検体3を透過させる。被検体3は例えば多結晶シリコン基板より構成された太陽電池基板である。太陽電池基板の表面には、テクスチャー構造と呼ばれる、表面に無数の凹凸を形成した構造を持っている特徴がある。X線源1とX線検出器5は垂直沿上に設置され、互いに垂直沿上の対角に位置しながら、固定回転治具10により回転する。また、X線源1の横には可視光源および可視光像検出器(図示せず)が、配置されている。可視光像検出器はCCDカメラ等から構成される。可視光源と可視光像検出器は固定回転治具10に固着されているので、X線源1とX線検出器5と共に回転する。なお、X線源1と可視光源および可視光像検出器とを一体に構成してもよい。
本実施の形態における画像取込装置6は、可視光による画像とX線による画像とを読み取る手段と、該X線による画像読み取り手段から、X線の基板表面での散乱による画像情報を検出する手段と、該可視光の読み取り手段から得られた画像情報によるクラックと基板表面のテクスチャー部分で散乱したX線による線状画像の情報に基づいて基板面上のクラックを補正する補正手段とを有している。画像取込装置6によるクラックと該線状画像との判定は閾値によって判定され、該閾値は該読み取り手段の解像度および積算回数に応じて変化するようにする手段を有している。閾値は、閾値a、閾値bの二つから構成し、閾値の少なくとも1つが読み取り解像度に対して非連続的に変化するか、もしくは閾値の少なくとも一つが読み取り解像度を引数とする関数で表すようにする。さらにもう一方の閾値は解像度とは無関係に積算関数に対して非連続的に変化するか、もしくは積算回数を引数とする関数で表わされる。
次に、具体的な検出の流れについて、図2および図3〜図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、図3に示すように、図2(a)の画像取込工程1において、被検体3表面の可視光画像を撮像する(ステップS1)。可視光源は被検体3上部に設置され被検体3表面で反射した可視光像を可視光源とほぼ同一位置に取り付けたCCDカメラにより撮影する。また、この撮影したときの基板位置情報および解像度、倍率を可視光画像とともに取込しておく(ステップS2)。次に、X線源1よりX線2を照射し、被検体3を透過したX線2をX線検出器5により検出し、X線透過画像を撮像する(ステップS3)。
ところで、多結晶シリコン基板より成る被検体3の太陽電池セル表面には、一例として銀を主成分とする金属電極配線が形成されている。一般に、金属電極配線ではX線を透過しないか、もしくは透過してもその透過量は多結晶シリコン部分と比較してごく僅かとなる。このため、X線透過画像では多結晶シリコン部分のX線透過量が多くなり、金属電極配線ではX線透過量がゼロ、もしくはごく僅かとなる。X線の透過画像をX線の透過量に応じて256階調で表現する場合には、仮に100%のX線が透過した部分を255とし、白で表現したとすると、0%すなわち、X線が全く透過してこなかった部分を0とし、黒で表現する。もちろん、階調数を256以上に設定したり、白黒の二値化表現で行わなくても構わない。ここで、多結晶シリコン基板のX線の透過量を80%と仮定し、このように表現したとすると、X線の透過画像上では多結晶シリコン部分が200階調程度の灰色で表現され、金属電極配線部分は、黒く表現される。一方、被検体の表面および内部にクラックが存在していた場合には、そのクラック部分でX線が散乱または吸収されるため、X線の透過量が増大または減少することとなる。このため、クラック部分は白または黒く表現されることとなる。また、基板表面にテクスチャー構造と呼ばれる無数の凹凸が存在する場合には、テクスチャー部分でX線が散乱するため、散乱したX線同士の衝突部分の境界で透過量が増大または減少するため、この境界部分で線状の白または黒の画像(以下、線状画像とする。)が得られることがある。
そのため、ステップS3により得られたX線透過画像から、ステップS1およびS2で得られた可視光画像の金属電極配線部分の位置情報をもとに、この金属電極配線部分のみの画像処理を行い、X線透過画像から配線位置情報を除去する(ステップS4)。なお、除去する処理として、ここでは仮に、金属電極配線部分の画像を、多結晶シリコン部分と同じ階調200の灰色に変換する。また、ステップS3でX線透過画像情報を取得する際にも、可視光像を取得した時と同様に基板位置情報および解像度、倍率を取り込んでおく。当然のことながら、前記金属電極配線部分のみの画像処理を行う場合には、基板の位置情報および画像の解像度、倍率等、種々の画像取り込みに関わる情報を可視光画像およびX線透過画像で一致または調整しておく必要がある。また、太陽電池セルの裏面にも一例としてアルミを主成分とする金属電極が形成されているが、表面と異なり、裏面全面に均一に形成されているためX線の透過量は一様に減少するだけである。
また、太陽電池セルの電気的な短絡を防止するため、裏面側端部には前記アルミを主成分とする金属電極を形成しない部分が存在する場合がある。このように裏面電極を形成した部分としなかった部分では、X線透過状態が異なるため、この境界部分でクラックと同様な線画像が得られる。このような線画像は、上記ステップS1からステップS4を裏面側に適用することで除去することが可能となる。
さらに、太陽電池セルを用いて太陽電池モジュールを組み立てる際に、太陽電池セル同士を接続するためのモジュール電極を接続するために電極パッドを太陽電池セルの裏面の一部分に形成する場合がある。この電極パッドは一例として銀を主成分とする電極が形成される。このように裏面電極として材質の異なる電極が形成されている場合には、X線透過状態が異なるため、異種材質の境界部分でクラックと同様な線画像が得られる。この線画像も、上記ステップS1からステップS4を裏面側に適用することで除去することが可能となる。
次に、X線透過画像から表面の金属電極配線部分の情報を除外した画像、および、X線透過画像を取り込んだ際の画像の解像度、倍率等の情報を用いて、クラックがあるか否かを判定し、クラック部分と仮定した箇所について、順次、その基板面内での座標位置、および面積、長さなどを特定し、クラック検出位置特定テーブル(1)へ書き込んでいって、クラック検出位置特定テーブル(1)を完成させ、最後に、それらの数量を算出する(ステップS5)。なお、この判定処理は、図4に示すフローの手順により行われる。これについては後述する。
ステップS5の判定の結果、クラックが存在していた場合には、ステップS7に進む。一方、クラックが存在してなかった場合には、ステップS13に進み、基板位置の移動または基板交換を行った後、ステップS1の処理に戻る。
ステップS7に進んだ場合について説明する。まず、図2(b)の画像取込工程2のように、X線源1およびX線検出器5を、図の矢印A方向に所定回転角度だけ回転させて、再び、ステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS7〜S11)。なお、ここでは、回転角度を5度程度として処理を実施し、クラック検出位置特定テーブル(2)を完成させ、最後に、それらの数量を算出する。このようにして得られたクラック検出位置特定テーブル(1)およびクラック検出位置特定テーブル(2)を出力する(ステップS12)。
つづいて、図5の処理に移り、クラックと線状画像との識別を行う。まず、クラック検出位置特定テーブル(1)に書き込まれているクラックの情報を読み込む(ステップS41)。次に、クラック検出位置特定テーブル(2)に書き込まれているクラックの情報を読み込む(ステップS42)。次に、クラック検出位置特定テーブル(1)およびクラック検出位置特定テーブル(2)から読み出したクラック情報の比較を実施する(ステップS43)。
基板表面にテクスチャー構造に起因して発生する、散乱したX線による線状画像は、X線の入射角度を変化させると、その出現位置が異なるという特徴を持っている。これは、基板表面にテクスチャー構造が形成された多結晶シリコン基板においてのみ発生する特異な現象である。したがって、クラック検出位置特定テーブル(1)と(2)において、同一座標上に同程度の大きさのクラックが検出されていれば、それは真のクラックと判定することができ、クラック検出位置特定テーブル(1)と(2)で書き込まれているクラックの位置座標が異なっていれば、それは偽のクラック、すなわち線状画像であると判定できる。
従って、ステップS43による比較の結果に基づいて、クラック検出位置特定テーブル(1)と(2)に書き込まれているクラックの位置座標が同じか否かを判定し(ステップS44)、同じであった場合には、クラックと判定し(ステップS45)、同じでなかった場合には、線状画像と判定して(ステップS48)、ステップS49に進む。
ステップS45でクラックと判定した場合には、次に、当該クラックの位置座標と大きさを特定し(ステップS46)、それを確定クラック検出位置特定テーブルに書き込み(ステップS47)、ステップS49に進む。
クラック検出位置特定テーブル(1)に書き込まれているすべてのクラックを読み出したか否かを判定する(ステップS49)。すべて終わっていた場合には、そのまま処理を終了し(ステップS50)、終わっていなければ、ステップS41に戻り、すべてのクラック情報について繰り返し処理を行う(ステップS51)。
なお、上記の処理において、さらに検出精度を高めるためには、X線の入射角度をさらに変化させた場合の画像取り込みを行い、クラック検出位置特定テーブルをより多く作成し、判定に用いればよい。また、複数の画像解像度で取り込んだ画像情報を総合的に判断して検出精度を高めることも可能である。
以上のようにして、真のクラックと判定されたクラックを持つ太陽電池セル基板を特定することが可能となる。
ここで、図4に示したクラック判定処理(図3のステップS5,S9)について説明する。図4(a)が図3のステップS5の処理であり、図4(b)が図3のステップS9の処理である。まず、図4(a)について説明する。まず、X線透過画像を取り込んだ際の画像の解像度、倍率等の情報を読み出し(ステップS21)、その情報と図3のステップS1からS4の処理により得られた、X線透過画像から表面の金属電極配線部分の情報および裏面の金属電極により線画像を排出する影響部分の情報を除外した画像とに基づいて、判定するクラックのサイズ情報をクラック判定サイズ閾値テーブルから読み込み(ステップS22)、クラック検出判定サイズを決定する(ステップS23)。なお、判定したいクラックサイズの閾値情報は、多結晶シリコン基板の粒界とその粒界と同じオーダーのサイズをもつクラックとを区別できるように設定する。すなわち、閾値を多結晶シリコン基板の粒界の大きさと同じ値に設定しておき、閾値よりも大きい欠陥があれば、それをクラックとして判別する。また、クラックサイズの閾値情報は、検査後の製造工程において基板割れや欠け等が影響を及ぼす大きさ等の情報をフィードバックさせることで充実化を計る。あるいは、経年変化により製品に著しい劣化を招くクラックサイズを製品の加速試験等の品質検査工程より算出しフィードバックすることもできる。太陽電池セルの品質検査工程から不良品として除外したいクラックを持つ基板のクラックサイズが決定されると、クラック検査工程の画像の解像度、倍率等を考慮し、判定すべきクラックサイズを決定し、クラック判定サイズ閾値テーブルに予め書き込んでおく。
そして、クラック判定サイズの閾値情報により、多結晶シリコン部分の基準階調度よりも急峻に変化し、かつ、閾値情報よりその長さや幅および面積のうちいずれか一つでも値が大きいものをクラック部分と仮定し(ステップS24)、そのようなものが検出された場合には(ステップS25)、その基板面内での座標位置、および面積、長さなどを特定し(ステップS26)、クラック検出位置特定テーブル(1)へ書き込む(ステップS27)。さらに、クラック判定を繰り返し、基板面内での座標位置、および面積、長さなどの情報を検出位置特定テーブル(1)へ書き込み、最後にその数量を算出する。このようにして、クラック判定を行い、検出位置特定テーブル(1)を完成させる。
また、判定されたクラックのサイズや数量によっては、太陽電池セルそのものを不良品として除外する場合には、検出位置特定テーブル(1)への書き込みを完成させることなく途中で終了し、計測時間の短縮を行うようにしても構わない。
図4(b)においては、図4(a)と同様の処理を行い、クラック検出位置特定テーブル(2)を完成させる。図4(b)の処理は、図4(a)と基本的に同じであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、他の動作については実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上のように、本実施の形態にかかる欠陥検査装置は、X線源1とX線検出器5との間に試料である被検体3を配置し、固定回転治具10により、X線源1とX線検出器5とを回転させることにより、X線源1とX線検出器5の対と被検体3とに相対的な回転を与えつつ、被検体3にX線2を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、例えば互いに隣接する画素間のX線強度データ(濃度データ)の差分値などの、被検体3の各部位におけるX線吸収率の空間変動データを求め、その空間変動データを用いて被検体3の平面像を構築するので、被検体3内部でX線吸収率の空間的変化が大きな部位が強調された平面像が得られる。また、X線強度データの差分値を用いることで太陽電池基板をX線観察する場合に現れる特有の散乱像を除外した平面像を得ることができる。以上により、本実施の形態によれば、多結晶シリコン基板、特に、太陽電池基板で基板表面に形成されたテクスチャー構造のためにX線が散乱し、あたかも微少なクラックが存在しているように見えるような基板での微少なクラック等を適切に検査することが可能である。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3に係る多結晶シリコン基板の欠陥検査装置の構成のうち、X線源およびX線検出器をそれぞれ二組用いた場合を示した概略構成図である。図1と同じ構成については同一符号により示し、ここでは、その説明を省略する。なお、図6において、1−1は、一組目のX線源(1)、1−2は、二組目のX線源(2)、2−1は一組目のX線源1−1から照射されたX線、2−2は二組目のX線源1−2から照射されたX線、5−1は一組目のX線検出器(1)、5−2は二組目のX線検出器(2)である。本実施の形態においては、それぞれのX線源1−1および1−2から照射されるX線が交差するようにそれぞれのX線源1−1および1−2とX線検出器5−1および5−2との組は配置されており、X線2−1および2−2が交差する位置に被検体3を配置し、それぞれのX線検出器5−1および5−2から取り込んだX線透過データを用いて、それぞれのX線2−1および2−2が交差する位置の被検体3の面に沿った像を再構成する際に互いのX線強度分布画像を積算する。
まず、X線源1−1および1−2は、X線2−1および2−2をそれぞれ照射し、被検体3を透過させる。被検体3は例えば多結晶シリコン基板より構成された太陽電池基板である。太陽電池基板の表面には、テクスチャー構造と呼ばれる、表面に無数の凹凸を形成した構造を持っている特徴がある。X線源1−1とX線検出器5−1は垂直沿上に設置されており、また、X線源1−2とX線検出器5−2も互いに垂直沿上に設置されている。
本実施の形態における画像取込装置6は、可視光による画像とX線による画像とを読み取る手段と、該X線による画像読み取り手段により得られた画像からX線の基板表面での散乱による画像情報を検出する手段と、該可視光の読み取り手段により得られた画像の画像情報によるクラックと基板表面のテクスチャー部分で散乱したX線による線状画像の情報に基づいて基板面上のクラックを補正する補正手段とを有している。画像取込装置6によるクラックと該線状画像との判定は閾値によって判定され、該閾値については、該読み取り手段の解像度および積算回数に応じて変化するように制御する手段を有している。閾値は、閾値a、閾値bの二つから構成し、閾値の少なくとも1つが読み取り解像度に対して非連続的に変化するか、もしくは、閾値の少なくとも一つが読み取り解像度を引数とする関数で表すようにする。さらにもう一方の閾値は解像度とは無関係に積算関数に対して非連続的に変化するか、もしくは、積算回数を引数とする関数で表される。
また、X線源1−1の横には可視光源および可視光像検出器(図示せず)が、配置されている。可視光像検出器はCCDカメラ等から構成される。
次に、具体的な検出の流れについて、図6および図3〜図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、図3に示すように、図6のX線源1−1の横に設置した可視光像検出器により被検体3表面の可視光画像を撮像する(ステップS1)。可視光源は被検体3上部に設置され、被検体3表面で反射した可視光像を可視光源とほぼ同一位置に取り付けたCCDカメラにより撮影する。また、この撮影したときの基板位置情報および解像度、倍率を可視光画像とともに取込しておく(ステップS2)。次に、X線源1−1よりX線2−1を照射し、被検体3を透過したX線2−1をX線検出器5−1により検出し、X線透過画像を撮像する(ステップS3)。
ところで、多結晶シリコン基板より成る被検体3の太陽電池セル表面には、一例として銀を主成分とする金属電極配線が形成されている。一般に、金属電極配線ではX線を透過しないか、もしくは透過してもその透過量は多結晶シリコン部分と比較してごく僅かとなる。このため、X線透過画像では多結晶シリコン部分のX線透過量が多くなり、金属電極配線ではX線透過量がゼロ、もしくはごく僅かとなる。X線の透過画像をX線の透過量に応じて256階調で表現する場合には、仮に100%のX線が透過した部分を255とし、白で表現したとすると、0%、すなわち、X線が全く透過してこなかった部分を0とし、黒で表現する。もちろん、階調数を256以上に設定してもよく、必ずしも白黒の二値化表現で行う必要はない。ここで、多結晶シリコン基板のX線の透過量を80%と仮定し、このように表現したとすると、X線の透過画像上では多結晶シリコン部分が200階調程度の灰色で表現され、金属電極配線部分は、黒く表現される。一方、被検体の表面および内部にクラックが存在していた場合には、そのクラック部分でX線が散乱または吸収されるため、X線の透過量が増大または減少することとなる。このため、クラック部分は白または黒く表現されることとなる。また、基板表面にテクスチャー構造と呼ばれる無数の凹凸が存在する場合には、テクスチャー部分でX線が散乱するため、散乱したX線同士の衝突部分の境界で透過量が増大または減少するため、この境界部分で線状の白または黒の画像(以下、線状画像とする。)が得られることがある。
そのため、ステップS3により得られたX線透過画像から、ステップS1およびS2で得られた可視光画像の金属電極配線部分の位置情報をもとに、この金属電極配線部分のみの画像処理を行い、X線透過画像から配線位置情報を除去する(ステップS4)。なお、除去する処理として、ここでは仮に、金属電極配線部分の画像を、多結晶シリコン部分と同じ階調200の灰色に変換する。また、ステップS3でX線透過画像情報を取得する際にも、可視光像を取得した時と同様に基板位置情報および解像度、倍率を取り込んでおく。当然のことながら、前記金属電極配線部分のみの画像処理を行う場合には、基板の位置情報および画像の解像度、倍率等、種々の画像取り込みに関わる情報を可視光画像およびX線透過画像で一致または調整しておく必要がある。また、太陽電池セルの裏面にも一例としてアルミを主成分とする金属電極が形成されているが、表面と異なり、裏面全面に均一に形成されているためX線の透過量は一様に減少するだけである。
また、太陽電池セルの電気的な短絡を防止するため、裏面側端部には前記アルミを主成分とする金属電極を形成しない部分が存在する場合がある。このように裏面電極を形成した部分としなかった部分では、X線透過状態が異なるため、この境界部分でクラックと同様な線画像が得られる。このような線画像は、上記ステップS1からステップS4を裏面側に適用することで除去することが可能となる。
さらに、太陽電池セルを用いて太陽電池モジュールを組み立てる際に、太陽電池セル同士を接続するためのモジュール電極を接続するために電極パッドを太陽電池セルの裏面の一部分に形成する場合がある。この電極パッドは一例として銀を主成分とする電極が形成される。このように裏面電極として材質の異なる電極が形成されている場合には、X線透過状態が異なるため、異種材質の境界部分でクラックと同様な線画像が得られる。この線画像も、上記ステップS1からステップS4を裏面側に適用することで除去することが可能となる。
次に、X線透過画像から表面の金属電極配線部分の情報を除外した画像、および、X線透過画像を取り込んだ際の画像の解像度、倍率等の情報を用いて、クラックがあるか否かを判定し、クラック部分と仮定した箇所について、順次、その基板面内での座標位置、および面積、長さなどを特定し、クラック検出位置特定テーブル(1)へ書き込んでいって、クラック検出位置特定テーブル(1)を完成させ、最後に、それらの数量を算出する(ステップS5)。なお、この判定処理は、図4に示すフローの手順により行われる。これについては後述する。
ステップS5の判定の結果、クラックが存在していた場合には、ステップS7に進む。一方、クラックが存在してなかった場合には、ステップS13に進み、基板位置の移動または基板交換を行った後、ステップS1の処理に戻る。
ステップS7に進んだ場合について説明する。まず、図6のX線源1−2よりX線2−2を照射し、被検体3を透過したX線2−2をX線検出器5−2により検出し、X線透過画像を撮像する(ステップS7)。以下、ステップS4〜S6と同様の処理を行い(ステップS8〜S11)、クラック検出位置特定テーブル(2)を完成させ、最後に、それらの数量を算出する。このようにして得られたクラック検出位置特定テーブル(1)およびクラック検出位置特定テーブル(2)を出力する(ステップS12)。
ここでは、X線2−1とX線2−2の交差角度が30度程度となるようにX線源1−1およびX線源1−2を配置したが、この角度は結晶粒径や基板表面に形成されたテクスチャーサイズにより結晶粒界による影響を受けにくい最適な角度を選択することが好ましい。もちろん、この角度を任意に設定できるような角度調整機能を有する装置構成としても構わない。
つづいて、図5の処理に移り、クラックと線状画像との識別を行う。まず、クラック検出位置特定テーブル(1)に書き込まれているクラックの情報を読み込む(ステップS41)。次に、クラック検出位置特定テーブル(2)に書き込まれているクラックの情報を読み込む(ステップS42)。次に、クラック検出位置特定テーブル(1)およびクラック検出位置特定テーブル(2)から読み出したクラック情報の比較を実施する(ステップS43)。
基板表面にテクスチャー構造に起因して発生する、散乱したX線による線状画像は、X線の入射角度を変化させると、その出現位置が異なるという特徴を持っている。これは、基板表面にテクスチャー構造が形成された多結晶シリコン基板においてのみ発生する特異な現象である。したがって、クラック検出位置特定テーブル(1)と(2)において、同一座標上に同程度の大きさのクラックが検出されていれば、それは真のクラックと判定することができ、クラック検出位置特定テーブル(1)と(2)で書き込まれているクラックの位置座標が異なっていれば、それは偽のクラック、すなわち線状画像であると判定できる。
従って、ステップS43による比較の結果に基づいて、クラック検出位置特定テーブル(1)と(2)に書き込まれているクラックの位置座標が同じか否かを判定し(ステップS44)、同じであった場合には、クラックと判定し(ステップS45)、同じでなかった場合には、線状画像と判定して(ステップS48)、ステップS49に進む。
ステップS45でクラックと判定した場合には、次に、当該クラックの位置座標と大きさを特定し(ステップS46)、それを確定クラック検出位置特定テーブルに書き込み(ステップS47)、ステップS49に進む。
クラック検出位置特定テーブル(1)に書き込まれているすべてのクラックを読み出したか否かを判定する(ステップS49)。すべて終わっていた場合には、そのまま処理を終了し(ステップS50)、終わっていなければ、ステップS41に戻り、すべてのクラック情報について繰り返し処理を行う(ステップS51)。
なお、上記の処理において、さらに検出精度を高めるためには、X線の入射角度をさらに変化させた場合の画像取り込みを行い、クラック検出位置特定テーブルをより多く作成し、判定に用いればよい。また、複数の画像解像度で取り込んだ画像情報を総合的に判断して検出精度を高めることも可能である。
以上のようにして、真のクラックと判定されたクラックを持つ太陽電池セル基板を特定することが可能となる。
ここで、図4に示したクラック判定処理(図3のステップS5,S9)について説明する。図4(a)が図3のステップS5の処理であり、図4(b)が図3のステップS9の処理である。まず、図4(a)について説明する。まず、X線透過画像を取り込んだ際の画像の解像度、倍率等の情報を読み出し(ステップS21)、その情報と図3のステップS1からS4の処理により得られた、X線透過画像から表面の金属電極配線部分の情報および裏面の金属電極により線画像を排出する影響部分の情報を除外した画像とに基づいて、判定するクラックのサイズ情報をクラック判定サイズ閾値テーブルから読み込み(ステップS22)、クラック検出判定サイズを決定する(ステップS23)。なお、判定したいクラックサイズの閾値情報は、多結晶シリコン基板の粒界とその粒界と同じオーダーのサイズをもつクラックとを区別できるように設定する。すなわち、閾値を多結晶シリコン基板の粒界の大きさと同じ値に設定しておき、閾値よりも大きい欠陥があれば、それをクラックとして判別する。また、クラックサイズの閾値情報は、検査後の製造工程において基板割れや欠け等が影響を及ぼす大きさ等の情報をフィードバックさせることで充実化を計る。あるいは、経年変化により製品に著しい劣化を招くクラックサイズを製品の加速試験等の品質検査工程より算出しフィードバックすることもできる。太陽電池セルの品質検査工程から不良品として除外したいクラックを持つ基板のクラックサイズが決定されると、クラック検査工程の画像の解像度、倍率等を考慮し、判定すべきクラックサイズを決定し、クラック判定サイズ閾値テーブルに予め書き込んでおく。
そして、クラック判定サイズの閾値情報により、多結晶シリコン部分の基準階調度よりも急峻に変化し、かつ、閾値情報よりその長さや幅および面積のうちいずれか一つでも値が大きいものをクラック部分と仮定し(ステップS24)、そのようなものが検出された場合には(ステップS25)、その基板面内での座標位置、および面積、長さなどを特定し(ステップS26)、クラック検出位置特定テーブル(1)へ書き込む(ステップS27)。さらに、クラック判定を繰り返し、基板面内での座標位置、および面積、長さなどの情報を検出位置特定テーブル(1)へ書き込み、最後にその数量を算出する。このようにして、クラック判定を行い、検出位置特定テーブル(1)を完成させる。
また、判定されたクラックのサイズや数量によっては、太陽電池セルそのものを不良品として除外する場合には、検出位置特定テーブル(1)への書き込みを完成させることなく途中で終了し、計測時間の短縮を行うようにしても構わない。
図4(b)においては、図4(a)と同様の処理を行い、クラック検出位置特定テーブル(2)を完成させる。図4(b)の処理は、図4(a)と基本的に同じであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、他の動作については実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上のように、本実施の形態にかかる欠陥検査装置は、X線源1−1とX線検出器5−1、および、X線源1−2とX線検出器5−2との間に、試料である被検体3を配置し、各々のX線源とX線検出器との組み合わせごとに取り込んだX線透過データを用いて、例えば互いに隣接する画素間のX線強度データ(濃度データ)の差分値などの、被検体3の各部位におけるX線吸収率の空間変動データを求め、その空間変動データを用いて被検体3の平面像を構築するので、被検体3内部でX線吸収率の空間的変化が大きな部位が強調された平面像が得られる。また、X線強度データの差分値を用いることで太陽電池基板をX線観察する場合に現れる特有の散乱像を除外した平面像を得ることができる。以上により、本実施の形態によれば、多結晶シリコン基板、特に、太陽電池基板で基板表面に形成されたテクスチャー構造のためにX線が散乱し、あたかも微少なクラックが存在しているように見えるような基板での微少なクラック等を適切に検査することが可能である。
なお、上記の実施の形態3においては、X線源とX線検出器とを二組設ける例について説明したが、その場合に限らず、さらにそれ以上設けるようにしてもよい。なお、その場合にも、同様の効果が得られることは言うまでもない。
この発明の実施の形態1に係る欠陥検査装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態2に係る欠陥検査装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態2に係る欠陥検査方法の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る欠陥検査方法の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る欠陥検査方法の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る欠陥検査装置の構成を示した構成図である。
符号の説明
1,1−1,1−2 X線源、2,2−1,2−2 X線、3 被検体、4 試料ステージ、5,5−1,5−2 X線検出器、6 画像取込装置、7 演算装置、10 固定回転治具、11 回転駆動モータ。

Claims (5)

  1. X線源とX線検出器との間に多結晶シリコン基板を配置し、上記X線源と上記X線検出器の対と上記多結晶シリコン基板とに相対的な回転を与えつつ、上記多結晶シリコン基板にX線を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、上記多結晶シリコン基板の粒界とクラックとを区別して、欠陥の有無を検査する多結晶シリコン基板の欠陥検査装置であって、
    上記X線透過データに基づいて、上記多結晶シリコン基板の各部位のX線吸収率の空間的変動に係る空間的変動データを算出する空間的変動データ算出手段と、
    上記空間的変動データを用いて、上記多結晶シリコン基板の平面像を構築して、上記多結晶シリコン基板内部でX線吸収率の空間的変動が大きな部位が強調された平面像を生成する強調画像再構成演算手段と、
    上記多結晶シリコン基板の粒界のサイズに基づいて上記クラックに対する閾値を設定する閾値設定手段と、
    上記強調画像再構成演算手段により生成された上記平面像内の上記部位の大きさを上記閾値と比較して、当該閾値よりも大きい部位があれば、それを欠陥として検出する欠陥検出手段と
    を備えていることを特徴とする多結晶シリコン基板の欠陥検査装置。
  2. 上記空間的変動データ算出手段は、上記多結晶シリコン基板の各部位のX線吸収率の上記空間的変動データとして、上記X線検出器の出力に基づく回転角度ごとのX線強度分布画像における互いに隣接する画素間の濃度データの差分値を算出することを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコン基板の欠陥検査装置。
  3. 上記強調画像再構成演算手段は、上記多結晶シリコン基板の各部位のX線吸収率の上記空間的変動データを用いて上記平面像を構築する際に、上記X線検出器の出力に基づく回転角度ごとのX線強度分布画像を積算していくことを特徴とする請求項1または2に記載の多結晶シリコン基板の欠陥検査装置。
  4. 上記X線源と上記X線検出器とがそれぞれ二組以上あり、
    それぞれの上記X線源から照射されるX線が交差するようにそれぞれの上記X線源と上記X線検出器との組は配置されており、上記X線が交差する位置に多結晶シリコン基板を配置し、それぞれの上記X線検出器から取り込んだX線透過データを用いて、それぞれの上記X線が交差する位置の上記多結晶シリコン基板の面に沿った像を再構成する際に互いのX線強度分布画像を積算することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の多結晶シリコン基板の欠陥検査装置。
  5. X線源とX線検出器との間に多結晶シリコン基板を配置し、上記X線源と上記X線検出器の対と上記多結晶シリコン基板とに相対的な回転を与えつつ、上記多結晶シリコン基板にX線を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだX線透過データを用いて、上記多結晶シリコン基板の粒界とクラックとを区別して、欠陥の有無を検査する多結晶シリコン基板の欠陥検査方法であって、
    上記X線透過データに基づいて、上記多結晶シリコン基板の各部位のX線吸収率の空間的変動に係る空間的変動データを算出する空間的変動データ算出ステップと、
    上記空間的変動データを用いて、上記多結晶シリコン基板の平面像を構築して、上記多結晶シリコン基板内部でX線吸収率の空間的変動が大きな部位が強調された平面像を生成する強調画像再構成演算ステップと、
    上記多結晶シリコン基板の粒界のサイズに基づいて上記クラックに対する閾値を設定する閾値設定ステップと、
    上記強調画像再構成演算ステップにより生成された上記平面像内の上記部位の大きさを上記閾値と比較して、当該閾値よりも大きい部位があれば、それを欠陥として検出する欠陥検出ステップと
    を備えていることを特徴とする多結晶シリコン基板の欠陥検査方法。
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