JP2008302482A - ねじ締め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭いスペースや壁部の近傍のねじ孔へのねじ締めを位置ずれなく正確に行う。
【解決手段】ねじ締め用のビット4を有するドライバ1と、ドライバを昇降させる上下動手段2と、ねじ9を保持するねじ保持機構と、ビットに配設された軸受機構7とを備えたねじ締め装置30で、ねじ保持機構が、ドライバの昇降方向とは垂直な方向に開閉自在な一対の相対向するねじ保持部材6と、ねじ保持部材を閉じ方向に付勢する弾性体とを備え、ねじ保持部材が上部側に凸形状部16aを有し、軸受機構が、ビットの軸方向に不動でビットの周方向に回転自在に配置され、下部側に凸形状部に嵌合する凹形状部8bを有し、そして、ビットが、下降中にねじを保持して弾性体の付勢に抗してねじ保持部材を開かせ、ねじ保持部材よりも下方に突出し、凹形状部8bが凸形状部16aに嵌合した状態で、ねじ締めをなしている。
【選択図】図2
【解決手段】ねじ締め用のビット4を有するドライバ1と、ドライバを昇降させる上下動手段2と、ねじ9を保持するねじ保持機構と、ビットに配設された軸受機構7とを備えたねじ締め装置30で、ねじ保持機構が、ドライバの昇降方向とは垂直な方向に開閉自在な一対の相対向するねじ保持部材6と、ねじ保持部材を閉じ方向に付勢する弾性体とを備え、ねじ保持部材が上部側に凸形状部16aを有し、軸受機構が、ビットの軸方向に不動でビットの周方向に回転自在に配置され、下部側に凸形状部に嵌合する凹形状部8bを有し、そして、ビットが、下降中にねじを保持して弾性体の付勢に抗してねじ保持部材を開かせ、ねじ保持部材よりも下方に突出し、凹形状部8bが凸形状部16aに嵌合した状態で、ねじ締めをなしている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ねじ締め工程を含む組立工程を自動化、効率化する装置に関し、特に、板金部品へのねじ締め工程において、板金部品の曲げ部や壁形状部の近傍や、曲げ部の下方にあるねじ孔へのねじ締めを可能にする、コンパクトで汎用性の高いねじ締め装置に関するものである。
ねじ締め工程を自動化する従来のねじ締め装置の典型的なものとして、ねじ締め軸であるビットの下方にチャックを設け、ねじ(雄ねじ部品)を空気圧でチャック爪に導き、ビットを下降させてねじを把持すると共に、ねじでチャック爪を押し開き、ねじ締めを行うものがある。
例えば、特許文献1には、狭隘な部位でのねじ締めを可能とする目的で、電動回転工具(ドライバ)をフレームに昇降自在に設け、電動回転工具のプラスドライバ軸であるビットを鉛直に配し、シュートで供給されたねじをばね付勢の一対の保持爪体の間に挟んだ状態で、ビットで押し下げつつ、保持爪体の下方に配置された被締結部材のねじ孔に螺挿させる構成のねじ締め装置(図示せず)が記載されている。
また、特許文献2には、狭いスペースで且つ深い穴位置におけるねじ締め作業を可能とする目的で、第一チャック爪でねじの頭部近傍を保持し、第二チャック爪でねじの先端側を保持した状態で、ビットを下降させてねじの頭部を押し、ねじを第二チャック爪に沿ってワークの被締結物(ナット)に向けて摺動させる構成のねじ締め装置(図示せず)が記載されている。
また、特許文献3には、ねじを吸着パイプ内に配置して真空吸着させた状態で、吸着パイプ内のドライバビットで締付部に設定のトルクで締め付ける構成のねじ締め装置(図示せず)が記載されている。
また、特許文献4には、吸着用パイプの先端に吸着部を設け、吸着部にねじの頭部を吸着させた状態で、吸着用パイプ内のビットをねじの頭部に突き当てて回転させる構成のねじ締め装置(図示せず)が記載されている。
また、参考までに、特許文献5には、画像読み取り装置のレンズ等を保持させる固定部材と本体取付用部材とをねじ締めするに際して、ビット部を筒状の取付部内に遊嵌に支持して、ねじとビット部との位置ずれの許容範囲を拡げた構成のねじ締め装置が記載されている。
特開2005−169512号公報(図1,図7)
特開2006−15443号公報(図3)
特開平3−35946号公報(第1〜2図)
特開昭61−288946号公報(第1図)
特開平8−206933号公報(図1,図3,図5)
しかしながら、特許文献1に記載されたねじ締め装置にあっては、ビットがねじを押し下げつつ、一対のねじ保持爪体をばね力に抗して押し広げる際に、ねじ保持爪体の位置を決める機構がないために、ビットの軸心が不安定になるという懸念があった。すなわち、汎用の電動ドライバとビットを用いた場合、ドライバとビットの嵌め合い部には僅かながら隙間があるために、ビットの先端に向かうに従ってビットのラジアル方向の揺動(振れ)が大きくなりやすく、このために、ねじを安定して狙いの位置に導くことが困難になるという懸念があった。
この懸念を解消するべく、例えば、ビットが通過する前に、ねじ保持爪体の位置を球体と凹形状部とで決めているのと同様の方法で、ビットの通過中のねじ保持爪体の位置を決めるようにすると、ビットの位置は安定するが、ねじ締め作業が終わって、ビットが初期位置に戻った(上昇した)際に、ねじ保持爪体が球体に支えられて開いた状態のままとなってしまう不具合を生じる。
また、引用文献2に記載されたねじ締め装置にあっては、ねじの頭部が一部露出するような形状のチャック爪を用いることで、狭いスペースでのねじ締めを図っているが、チャック爪の開く方向によっては、効果を発揮できず、汎用性に乏しいという懸念があった。
また、引用文献3,4に記載されたねじ締め装置にあっては、吸着用のホースを必要とするために、ねじ締め操作時に、外部に突出したホースが非締結部材に干渉し兼ねないという懸念があった。
本発明は、上記した各点に鑑み、狭いスペースや壁形状部等の近傍にあるねじ孔へのねじ締めを位置ずれなく正確に行うことのできるねじ締め装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係るねじ締め装置は、ねじ締め用のビットを有するドライバと、該ドライバを昇降させる上下動手段と、ねじを保持するねじ保持機構と、該ビットに配設された軸受機構とを備えたねじ締め装置であって、前記ねじ保持機構が、前記ドライバの昇降方向とは垂直な方向に開閉自在な一対の相対向するねじ保持部材と、該一対のねじ保持部材を閉じ方向に付勢する弾性体とを備え、該一対のねじ保持部材が上部側に凸形状部を有しており、前記軸受機構が、前記ビットの軸方向に不動で且つ該ビットの周方向に回転自在に配置され、下部側に前記凸形状部に嵌合する凹形状部を有しており、そして、前記ビットが、下降中に前記ねじを保持して前記一対のねじ保持部材の間を通過する際に、前記弾性体の付勢力に抗して該一対のねじ保持部材を開かせ、該ねじ保持部材よりも下方に突出した時点で前記凹形状部が前記凸形状部に嵌合して、その状態でねじ締めがなされていることを特徴とする。
上記構成により、ビットがねじを保持した後、ビットの下降行程においてねじ保持部材の凸形状部とビット側の軸受機構の凹形状部とが嵌合して、ねじ保持部材が軸受部材を支持することで、ビットのラジアル方向の揺動が規制され、ねじが下方の被締結部材のねじ孔に正確に導かれる。また、ねじ孔付近に壁等の邪魔な構造物があっても、ねじ保持部材は邪魔な構造物よりも高い位置に保たれ、ビットのみが下方に突出するから、邪魔な構造物に何ら干渉することなく、ねじ締め作業がスムーズに行われる。また、ビットと軸受機構との軸方向の摺動がないから、ビット等の摩耗の心配がない。ビットが一対のねじ保持部材を開かせる構造の一例として、保持部材にテーパ部を設け、テーパ部にビットを押し当てることが挙げられる。
請求項2に係るねじ締め装置は、請求項1記載のねじ締め装置において、前記弾性体が板ばねであり、前記一対のねじ保持部材が平行な各板ばねで支持されたことを特徴とする。
上記構成により、板ばねはその幅広面に垂直な力に対しては撓みやすいので、ビットがねじを保持して、例えばねじが一対のねじ保持部材に当接して一対のねじ保持部材を押し広げる際に、板ばねが小さな力で大きく撓んで、一対のねじ保持部材が容易に大きく押し広げられ、ビットがスムーズにねじ保持部材を通過する。また、ねじ保持部材の凸形状部と軸受機構の凹形状部とが嵌合して、ねじ保持部材と軸受機構とが一体になった状態では、板ばねの可撓性が格段に下がり(撓みにくくなり)、ビットがほぼ固定的にねじ保持部材に沿って案内されるので、ビットの揺動が効果的に減ぜられ、ねじが安定してねじ孔に送られる。また、板ばねは、ビットの下降前の待機時においてねじ保持部材を定位置で支持する役割と、ねじ保持部材にコンプライアンスを与える(ビットの昇降に従って開閉支持させる)役割とを兼ねるので、構造のコンパクト化を可能とする。
請求項3に係るねじ締め装置は、請求項1又は2記載のねじ締め装置において、前記ビットが、前記ねじを保持するための磁性体を有することを特徴とする。
上記構成により、磁性体の磁力でスチール製のねじがビットに確実に保持され、ねじ孔まで落下や位置ずれ等なく安定して運ばれる。
請求項4に係るねじ締め装置は、請求項1〜3の何れか一項に記載のねじ締め装置において、前記ビットの軸本体が、前記ねじを保持する先端部の外径よりも小径に形成されたことを特徴とする。
上記構成により、ビットの大径な先端部がねじ保持部材を通過した後は、ビットの小径な軸本体がねじ保持部材に沿ってほぼ無抵抗(無摺動)で下降し、ねじ締めを完了してビットが上昇する際は、ビットの先端部が一対のねじ保持部材を押し広げた後、軸部材がねじ保持部材に沿ってほぼ無抵抗(無摺動)で上昇する。
請求項5に係るねじ締め装置は、請求項1〜4の何れか一項に記載のねじ締め装置において、前記ねじを連続的に供給するねじ供給機構と、一つのねじをねじ列から分離して前記ねじ保持機構に受け渡すねじ分離機構とを備え、前記ビット・該ねじ保持機構・該ねじ供給機構・該ねじ分離機構を含む機構群が移動台上に支持された状態で、前記ドライバの昇降方向と平行でない少なくとも一方向に移動可能であることを特徴とする。
上記構成により、ねじ供給部からビットまでの構成要素が移動台上に一体に保持され、移動台が移動することで、任意(所望)の位置でねじ締めが行われる。特に、ビットの下降の過程で被締結部材とビットが干渉するような状況においても、ねじを保持したビットを下向きに突出させたまま移動台と一体に平面上を移動させることで、ビットと被締結部材との干渉を回避してねじ締め作業を完遂することが可能となり、ねじ締め装置の応用範囲が大幅に拡大する。
請求項1記載の発明によれば、被締結側のねじ孔が狭いスペース内に位置したり、ねじ孔の近傍に壁形状部等の邪魔なものがある場合でも、ねじ保持部材の下方にビットを貫通させることで、狭いスペースでも問題なく、また、ビットを壁形状部等に干渉させることなく、スムーズにねじ孔に到達させて、確実にねじ締めを行うことができる。また、ビット側の軸受機構をねじ保持機構に嵌合させて、ビットの揺動を抑止することで、ビットで保持したねじを狙い通りの孔位置に正確に導いて、ねじ締めを正確に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、弾性体として板ばねを用いることで、一対のねじ保持部材を小さな力で大きく開かせることができ、ビットの通過をスムーズに行わせることができる。また、板ばねを一対のねじ保持部材の開閉のためのヒンジとして用いたことで、ねじ締め装置の構造を簡素化・コンパクトすることができる。
請求項3記載の発明によれば、ビットの磁性体でスチール製のねじを落下や位置ずれ等なく確実に保持してねじ孔まで安定して運ぶことができるから、ねじ締め作業の信頼性が高まる。
請求項4記載の発明によれば、ビットの小径な軸本体がねじ保持部材とほぼ無抵抗で接する、あるいは若干の隙間を存して非接触で位置するから、ビットとねじ保持部材との摩擦が低減されて、ビットとねじ保持部材の長寿命化・摩耗粉の低減・騒音の軽減等が図られる。ビットの小径な軸本体をねじ保持部材に極めて小さな摺動抵抗で接触させた場合は、上記効果に加えて、軸受機構との協働作用でビットの揺動を一層確実に抑えて、ねじ締めを一層位置ずれなく正確に行わせることができる。
請求項5記載の発明によれば、ビットの下降過程で、ビットが被締結部材に干渉し兼ねない場合でも、ねじ締め装置を移動台ごと移動させることで、干渉を回避してねじ締めを効率良く行うことができる。
図1〜図2は、本発明に係るねじ締め装置の一実施形態を示すものである。
このねじ締め装置30は、電動ドライバ1とその鉛直な長軸状のビット4と、電動ドライバ1をフレーム3に沿って昇降させるドライバ上下動手段2と、フレーム3のベースである水平な移動台13と、移動台上に配置されたねじ供給機構11と、ねじ供給機構11のシュート20に水平方向開閉自在に連結されたねじ保持機構5と、ビット4の長手方向中間部に周方向回転自在に設けられ、ねじ保持機構5のねじ保持部材6に係合してビット4の振れを防止する軸受機構7とを備えるものである。
このねじ締め装置30で使用するねじ9は、十字穴付きの六角形の頭部9aに、頭部9aよりも大径な鍔状の座部9bが設けられたスチール製の雄ねじ(ボルト)である。ビット4の先端部(下端部)4aは真直な軸本体4bよりも大径に形成され、ねじ9の頭部9aに係合する六角形状の凹部4c(図2)を内側に有している。軸本体4bの外周面と先端部4aの外周面は横断面円形に形成されている。一例として、軸本体4bの外径は7mm、先端部4aの外径は9mmである。
ビット4の凹部4cの上側には、凹部4cよりも小径な穴部4d(図2)が同心に形成され、穴部4d内にねじ磁着用の磁性体(磁石)14が圧入固定され、磁性体14の下面側が凹部4cの上面側に露出している。
電動ドライバ1は市販のもので、ビット4をワンタッチでチャックすることができ、且つ回転・停止のタイミングを制御できるものである。ドライバ上下動手段2は、鉛直方向に電動ドライバ1を上下動させるもので、市販の電動スライダや一軸ロボット等を適用可能である。例えば、縦長のフレーム3に鉛直方向のガイドレール2bを設け、ガイドレール2bに電動ドライバ側のスライダ2aを係合させ、ガイドレール2bに沿うねじ軸(図示せず)にスライダ側のナット(図示せず)を螺合させ、ねじ軸をモータ(図示せず)で正逆回転させることで、電動ドライバ1がビット4と一体に昇降する。
ねじ保持機構5(図1)は、左右一対の開閉自在なねじ保持部材6と、一対のねじ保持部材6をねじ供給機構11のシュート20の終端部に連結するヒンジとしての弾性体12とを備えている。
ねじ保持部材6は、例えば炭素鋼、工具鋼等、熱処理してHRC50以上の表面硬さが得られる材質のものが好ましい。弾性体12としては、左右一対の金属製の板ばねを用いている。
図3〜図4に、ねじ保持機構5の一形態を示す如く、ねじ保持機構5の一対のねじ保持部材6はそれぞれ横断面半円状(半環状)の周壁16で構成され、各周壁16の相対向する内面側に横断面半円状の溝15を有し、一対のねじ保持部材6の接合状態で、各周壁16が合体して円筒状(環状)の壁部(符号16で代用)を成し、各溝15が合体して断面円形状の孔部(符号15で代用)を成す。
孔部15の底部側にはテーパ部(傾斜部ないし傾斜面)15aが形成され、テーパ部15aで孔部15が縮径されて、下側の小径な短い孔部15bとその下部開口15cに続いている。上側の孔部15は上部開口15dからテーパ部15aに至るまで均一な内径で形成されている。上側の孔部15の内径はねじ9(図1)の座部9bの外径よりも少し大径であり、下側の小径な孔部15bの内径はねじ9の軸部(雄ねじ部)9cの外径よりも大径で、且つねじ9の座部9bの外径よりも小径である。
各周壁16には、シュート20に続く部分においてねじ9を通過させるための切欠開口部21が形成されている。切欠開口部21は接合状態でねじ9の頭部9aと軸部9cに対応して正面視でT字状に形成されている。
ねじ9の軸部9cに対応する切欠開口部21の左右両側において各周壁16から外向きに垂直なガイド壁22が平行に突出形成され、各ガイド壁22の外面に長方形状の各弾性体(板ばね)12の一端部が固定され、シュート20の終端側の左右の側壁(符号20で代用)の外面に各弾性体12の他端部が固定され、ガイド壁22の先端とシュート20の先端とは隙間23を存して対向している。図3,図4で一対のねじ保持部材6の接合面(分割面)を符号17で示す。
図5の如く、ガイド壁22の上端面22aとシュート20の側壁の上端面20aとは同一高さで水平に位置し、各上端面20a,22aに沿ってねじ9の大径の座部9bが摺動する。ガイド壁22やシュート20の底部は開口されており(底部開口を符号24で示す)、ねじ9の軸部9cの先端(下端)はねじ保持部材6の切欠開口部21の底面21aに何ら干渉することなく、切欠開口部21から孔部15内にスムーズに案内される。
一対の垂直なガイド壁22は、例えばシュート20上の一列の複数のねじ9から一つのねじ9を分離させるねじ分離機構として作用する。傾斜状のシュート20を、ねじ供給機構11(図1)内の複数のねじ9から一つのねじ9を分離させるねじ分離機構として作用させることも可能である。ねじ供給機構11は例えば振動を利用した市販のホッパーである。
左右のねじ保持部材6は、それら同士を相互に位置決めするボスや穴等(図示せず)を有していてもよい。左右のねじ保持部材6が所定の位置関係で相互に合体した際に、切欠開口部21の上側において周壁16の一部として完全な円筒形の上向きの凸形状部16aが形成される。この凸形状部16aは、後述する軸受機構7の凹形状部と滑合するように、その外表面の寸法等が仕上げられている。
図1〜図2の如く、軸受機構7は、ビット4の長手方向中間部の上下の周溝に係合した止め輪7aと、上下の止め輪7aの間に上下方向不動に固定され、ビット4の外周面に隙間なく嵌合した軸受(ベアリング)7bと、軸受7bの外周面に上部の小径部(厚肉部)8aを隙間なく嵌合させ、ビット4に対して周方向回転自在に配置され、ねじ保持部材6と係合可能な円筒形もしくは外面ブロック形状の周壁8とで構成されている。
軸受機構7とビット4とは、軸受7bを介して止め輪7aにより互いの軸方向位置を固定させている。止め輪7aは軸受固定用のカラーでもよい。軸受機構7の周壁8は、軸受7b側の上半の厚肉部8aと、軸受7b側から下向きに突出した下半の薄肉の凹形状部8bとで構成されている。凹形状部8bの内周面は断面円形に形成され、凹形状部8bの内周面は下方のねじ保持部材6の凸形状部16aの外周面に隙間なく係合(嵌合)する。凹形状部8bの内周下端縁と凸形状部16aの外周上端縁とには、スムーズな嵌合を可能とする傾斜面が形成されている。
また、図2の如く、ビット4の大径な先端部4aの上側にはテーパ部(傾斜部ないし傾斜面)4eが形成され、先端部4aはテーパ部4eを介して小径な軸本体4bに続いている。このテーパ部4eは、ビット4の先端部4aがねじ保持部材6を下方に貫通してねじ締めをした後、上昇して戻る際に、ねじ保持部材6の下部開口15cの周縁に当接(摺接)して、一対のねじ保持部材6をスムーズに開かせる。ビット4にテーパ部4eを設ける代わりに、ねじ保持部材6の底部にテーパ部(図示せず)を設けることも可能である。
図2の如く、フレーム3のベースである移動台13の下側に被締結部材10が配置される。本例の被締結部材10は二枚の板金であり、上側の板部10aにねじ9の軸部9cよりもやや大径な孔部10c´が設けられ、下側の板部10bにねじ9の軸部9cよりもやや小径な孔部(ねじ孔)10cが同心に設けられている。孔部10cの近傍において上側の板部10aから逆L字状の屈曲壁10dが突出されており、屈曲壁10dはねじ保持部材6の底部の下方に対向して位置している。
屈曲壁10dは従来、ねじ締め作業の邪魔になっているものであるが、本実施形態のねじ締め装置30によれば、細いビット4が固定式のねじ保持部材6を下向きに貫通してねじ孔10cにねじ9を供給するから、屈曲壁10dに何ら干渉することなく、ねじ締めを行うことができる。
図6に示す如く、一対のねじ保持部材6は弾性体12の力に抗して左右に開き、弾性体12の力で迅速且つ確実に閉じることができる。図7〜図10にねじ締め動作の過程を順に示す如く、ビット4が下降してねじ9を鉛直下向きに押し、ねじ9が一対のねじ保持部材6を鉛直下向きに押すことで、その押し力(当接力)がねじ保持部材6のテーパ部15aによって水平方向の力に変わり、一対のねじ保持部材6が左右に押し広げられる。ねじ保持部材6が左右に開くと、ねじ9とビット4がねじ保持部材6を通過してさらに下方に移動することができる。
すなわち、図7はねじ締め前の待機状態を示すものであり、ビット4の先端部4aがねじ保持部材6の上方に位置し、ねじ9はシュート20(図1)から供給されてねじ保持部材6の内側にセットされる。ねじ9の座部9bがねじ保持部材6の内側のテーパ部15aの上端に接して停止し、ねじ9の軸部9cはねじ保持部材6の小径の下部開口15cから下向きに外部に突出している。
図8は、ドライバ上下動手段2でビット4がドライバ1と一体に下降し、ねじ保持部材6の上部開口15dから内側に進入して、ビット4の凹部4c内にねじ9の頭部9aを進入保持させた状態を示すものである。ねじ9は凹部4c内の磁性体14に磁着する。ビット4の先端部4aの外径はねじ9の座部9bの外径よりも小さく、ビット4の先端部4aはねじ保持部材6の内面に接触しにくくなっている。
図9は、ビット4がさらに下降し、ビット4の大径の先端部4aで一対のねじ保持部材6を弾性体12(図1)の付勢に抗して水平方向に押し開いている状態を示すものである。ねじ9は磁性体14の磁力でビット4の先端部4a内に磁着されているので、落下することがない。
図10は、ビット4の大径の先端部4aがねじ保持部材6を完全に通過した状態を示すものであり、通過と同時に一対のねじ保持部材6が弾性体12(図1)の力で閉じて再び図7の如く接合した状態となる。
図11は、ビット4がさらに下降し、軸受機構7の周壁8の凹形状部8bがねじ保持部材6の上半の凸形状部16aの外側に嵌合を開始した状態を示すものである。ねじ9の先端(下端)は被締結部材10の上側の大径な孔部10c´に進入を開始する。ねじ9の頭部9aを保持するビット4の先端部4aは被締結部材10の屈曲壁10d(図2)に何ら干渉することなく、ねじ9を被締結部材10の孔部10c´に進入させる。
図12は、ドライバ1でビット4を右回転させて(右ねじの場合)、ねじ9を被締結部材10の下側の小径な孔部10cに螺挿させ、上下の板部10a,10bを相互にねじ締めで固定した、ねじ締め完了状態を示すものである。
ビット4の回転は軸受機構7の軸受(ベアリング)7bで吸収されて外側の周壁8には伝わらない。従って、周壁8はばね保持部材6に周方向不動に固定された状態で嵌合するので、両者6,7が摩耗する心配がない。また、ビット4の軸本体4bの外周面がねじ保持部材6の下部開口15cの内周端に軽く接触して支持されることで、軸受機構との協働作用でビット4の振れ(揺動)が一層確実に抑止される。
図10の状態では、ビット4とドライバ1とのチャック隙間等によって、図13に示すようなビット4の揺動(振れ)があり、ビット4の先端部4aに保持されたねじ9の位置が不安定であるが、図11以降の状態では、軸受機構7の凹形状部8bとねじ保持部材6の凸形状部16aとが軸方向及び周方向に摺動自在に嵌合し、ビット4が軸受7bによって真直に案内されるため、揺動が減ぜられ、ねじ9はねじ孔10cの位置に傾き等なく正確且つ安定に供給される。ねじ孔10cは雌ねじを有するものであっても、ねじ軸9cよりも小径な下孔のみで雌ねじを有さないものであってもよい。
図12のねじ締め完了後は、ビット4がドライバ1と一体に上昇して、ビット4の先端部4aが一対のねじ保持部材6を弾性体12の付勢に抗して押し広げて、ばね保持部材6の上方に離脱する。これと同時に軸受機構7がばね保持部材6から上方に離脱(離間)して、図7の待機状態となる。
図1,図2において、フレーム3の移動台13はねじ供給機構11やねじ保持機構5やビット4等の機構群と一体に少なくともX方向又はXY方向の水平なねじ軸又は車輪等で少なくともビットの昇降方向とは平行でない一方向又は水平な二次元方向に移動自在に配置されていることが好ましい。移動台13を移動させることで、任意の位置においてねじ締めを効率的に行うことができる。特に、図2のようにビット4の下降の過程で被締結部材10とビット4が干渉するような状況においても、ねじ9を保持したビット4を突出したままの状態で平面上を移動させることで、ビット4と被締結部材10との干渉を回避して、ねじ締め作業を完遂することが可能になり、ねじ締め装置30の適用範囲が大幅に拡大する。
なお、上記実施形態においては、弾性体12として板ばねを用いたが、板ばねに代えて捩り巻きばねやコイルばね(圧縮コイルばね又は引張コイルばね)等を用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、ビット4の先端にねじ9の頭部9aを収容する凹部4cを形成したが、凹部4cに代えて、ねじ頭部9aの十字溝9d(図5)に係合するプラス型のビット先端部を形成し、このビット先端部を励磁して、ビット先端部にねじ9を保持させる(磁着させる)ことも可能である。
また、上記実施形態においては、ねじ9に座部9bを設けたが、座部9bを別体のばね座金等としたり、あるいは座部9bを用いずに頭部9aを直接、ねじ保持部材6の底部側のテーパ部15aに当接させることも可能である。
また、上記実施形態においては、ねじ9の座部9bをねじ保持部材6のテーパ部15aに当接(摺接)させることで、一対のねじ保持部材6を開かせたが、ねじ9に代えてビット4の大径の先端部4aをねじ保持部材6のテーパ部15aに当接させることで、一対のねじ保持部材6を開かせることも可能である。これら何れの場合も、ビット4が一対のねじ保持部材6を開かせるという表現を用いる。
また、上記実施形態においては、ねじ保持部材6の内側にテーパ部15aを形成したが、ビット4の先端部4aの外周に下向きのテーパ部(図示せず)を形成し、ねじ保持部材6にはテーパ部15aではなく直角な段部(図示せず)を形成して、直角な段部にビット4のテーパ部を当接させて、一対のねじ保持部材6を開かせることも可能である。
また、上記実施形態においては、電動式のドライバ1を用いたが、エア式のドライバを用いることも可能である。
1 ドライバ
2 上下動手段
4 ビット
4a 先端部
4b 軸本体
5 ねじ保持機構
6 ねじ保持部材
7 軸受機構
8b 凹形状部
9 ねじ
11 ねじ供給機構
12 弾性体(板ばね)
13 移動台
14 磁性体
16a 凸形状部
22 ガイド壁(ねじ分離機構)
30 ねじ締め装置
2 上下動手段
4 ビット
4a 先端部
4b 軸本体
5 ねじ保持機構
6 ねじ保持部材
7 軸受機構
8b 凹形状部
9 ねじ
11 ねじ供給機構
12 弾性体(板ばね)
13 移動台
14 磁性体
16a 凸形状部
22 ガイド壁(ねじ分離機構)
30 ねじ締め装置
Claims (5)
- ねじ締め用のビットを有するドライバと、該ドライバを昇降させる上下動手段と、ねじを保持するねじ保持機構と、該ビットに配設された軸受機構とを備えたねじ締め装置であって、
前記ねじ保持機構が、前記ドライバの昇降方向とは垂直な方向に開閉自在な一対の相対向するねじ保持部材と、該一対のねじ保持部材を閉じ方向に付勢する弾性体とを備え、該一対のねじ保持部材が上部側に凸形状部を有しており、
前記軸受機構が、前記ビットの軸方向に不動で且つ該ビットの周方向に回転自在に配置され、下部側に前記凸形状部に嵌合する凹形状部を有しており、そして、
前記ビットが、下降中に前記ねじを保持して前記一対のねじ保持部材の間を通過する際に、前記弾性体の付勢力に抗して該一対のねじ保持部材を開かせ、該ねじ保持部材よりも下方に突出した時点で前記凹形状部が前記凸形状部に嵌合して、その状態でねじ締めがなされていることを特徴とするねじ締め装置。 - 前記弾性体が板ばねであり、前記一対のねじ保持部材が平行な各板ばねで支持されたことを特徴とする請求項1記載のねじ締め装置。
- 前記ビットが、前記ねじを保持するための磁性体を有することを特徴とする請求項1又は2記載のねじ締め装置。
- 前記ビットの軸本体が、前記ねじを保持する先端部の外径よりも小径に形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のねじ締め装置。
- 前記ねじを連続的に供給するねじ供給機構と、一つのねじをねじ列から分離して前記ねじ保持機構に受け渡すねじ分離機構とを備え、前記ビット・該ねじ保持機構・該ねじ供給機構・該ねじ分離機構を含む機構群が移動台上に支持された状態で、前記ドライバの昇降方向と平行でない少なくとも一方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のねじ締め装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007153733A JP2008302482A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | ねじ締め装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007153733A JP2008302482A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | ねじ締め装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008302482A true JP2008302482A (ja) | 2008-12-18 |
Family
ID=40231630
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007153733A Withdrawn JP2008302482A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | ねじ締め装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008302482A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR200477876Y1 (ko) * | 2014-06-19 | 2015-07-30 | 이민재 | 핸드헬드형 나사 이송장치 |
JP2018058193A (ja) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | デイル キム | 自動ねじ締め装置 |
DE102018111462A1 (de) | 2017-05-19 | 2018-11-22 | Fanuc Corporation | Schraubenführungsvorrichtung und Schraubenbefestigungs-Robotersystem |
-
2007
- 2007-06-11 JP JP2007153733A patent/JP2008302482A/ja not_active Withdrawn
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US9126310B2 (en) | 2010-07-23 | 2015-09-08 | Hilti Aktiengesellschaft | Device for positioning cutting particles |
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