JP2008301129A - 通話装置 - Google Patents

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Shinya Kimoto
進弥 木本
Kosaku Kitada
耕作 北田
Yasushi Arikawa
泰史 有川
恵一 ▲吉▼田
Keiichi Yoshida
Osamu Akasaka
修 赤坂
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Abstract

【課題】外殻ケース内部の空きスペースを有効に利用して音響管を配置することで、音質および効率の向上を図った通話装置を提供する。
【解決手段】通話装置Aは、通話モジュールMJと、通話モジュールMJを収納する外殻ケースA2とを備える。通話モジュールMJは、モジュール本体A1と、モジュール本体A1内に配置されたスピーカSPと、モジュール本体A1内でスピーカSPの振動面側と反対側に形成される後気室Brと、マイクロホンM2と、マイクロホンM2よりもスピーカSPに近い位置に配置されたマイクロホンM1と、マイクロホンM1,M2で集音された音声成分を用いてスピーカSPから回り込む音声成分を除去する音声処理を行う音声処理部10と、一端が閉塞するとともに他端が開口し、開口端を後気室Brに連通させた状態で、少なくとも一部をモジュール本体A1の外側で且つ外殻ケースA2の内部空間に配置した音響管40とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、通話装置に関するものである。
従来、インターホンシステム等で屋内に設置される通話装置があり、他の場所に設置された通話装置からの音声を出力するスピーカや、他の通話装置へ伝達する音声を入力するマイクロホン等を備えている。
このようなインターホンシステムでは、スピーカから発生した音声がマイクロホンに回り込むことにより、ハウリングが発生するため、様々なハウリング防止対策が採られている。例えば通話装置に、一対のマイクロホンと、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当する音波の遅延時間だけスピーカに近いほうのマイクロホンの出力を遅延させる遅延回路と、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当するレベル調整を行なってスピーカからの音声に対する両マイクロホンの出力レベルを一致させるレベル調整増幅回路と、遅延回路とレベル調整増幅回路とを通った両マイクロホンの出力を両入力とする差動増幅回路とを設け、差動増幅回路の出力を送話信号とするものが従来提案されている。
この通話装置では、一対のマイクロホンでスピーカからの音声を拾った後、遅延およびレベル調整を行なって両マイクロホンに入力されるスピーカからの音声成分を差動増幅回路で相殺するようにしているから、スピーカからの音声成分のみを除去して受話ブロッキングが生じない状態で送話音声を伝送することができる(例えば、特許文献1参照)。
特許第2607257号公報(2頁左欄第13行〜右欄第3行,4頁右欄第26行〜第49行、第1図、第5図)
上述した従来の通話装置では、音漏れを防止するために、密閉構造のモジュール本体の内部にスピーカおよびマイクを収納して通話モジュールを構成し、この通話モジュールを通話スイッチなどの部品とともに外殻ケースの内部に収納して通話装置を構成しているので、小型化のために通話装置を薄型にした場合、スピーカを収納するモジュール本体の容量が小さくなってしまい、特にスピーカの裏面側の空間である後気室の容量が小さくなると、スピーカの放射音圧が低下して、スピーカの最低共振周波数が高周波数側にずれ、スピーカの音質、効率が悪化するという問題があった。
そこで、本発明者らはスピーカの音質および効率の悪化を抑制するために、スピーカを収納したモジュール本体の内部に、一端が閉塞するとともに他端が開口した音響管を配置することで、スピーカの最低共振周波数を低周波数側に移行させるとともに、スピーカの音圧レベルを増加させて、スピーカの音質および効率を向上させることを検討したが、モジュール本体は音漏れを防ぐために接合部を密閉する必要があるため、モジュール本体を複雑な形状に形成することができず、直方体状や円盤状などのシンプルな形状にしか形成できなかった。このモジュール本体は、通話スイッチなどの他の部品とともに外殻ケースの内部に収納されるのであるが、モジュール本体の形状を直方体状や円盤状などのシンプルな形状にしか形成できないため、外殻ケースの内部に空きスペースがあっても、この空きスペースにモジュール本体の一部が入らなければ、外殻ケースの空きスペースを有効に利用してモジュール本体の内部容積を広げることができなかった。そのため、モジュール本体の後気室の容量が小さくなり、音響管によってスピーカの音質および効率を向上させたとしても、その効果が十分に得られないという問題があった。また、後気室の内部に音響管を収納する場合、音響管の長さは音圧を向上させたい周波数によって決定されるため、後気室の内部スペースが小さいと、音響管を折り曲げた状態で後気室の内部に収納しなければならず、音響管の設計に自由度が少ないため、所望の周波数の音圧を向上させる音響管の設計が難しいという問題もあった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、外殻ケース内部の空きスペースを有効に利用して音響管を配置することで、音質および効率の向上を図った通話装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、外部から伝達された音声情報を一方面側から出力するスピーカ、主マイク、主マイクよりもスピーカに近い位置に配置された副マイク、主マイクで集音された音声成分と副マイクで集音された音声成分とを用いてスピーカから回り込む音声成分を除去する音声処理を行う音声処理部をモジュール本体に備えて、モジュール本体内でスピーカの他方面側に後気室を設けた通話モジュールと、通話モジュールを内部に収納する外殻ケースとを有し、一端が閉塞するとともに他端が開口し、当該開口端を後気室に連通させた音響管を備え、当該音響管の少なくとも一部をモジュール本体の外側であって外殻ケースの内部空間に配置したことを特徴とする。
この発明によれば、副マイクは、主マイクに比べてスピーカに近い位置に配置されており、副マイクによりスピーカが発する音声を確実に集音できるので、音声処理部によるハウリング防止処理を確実に行うことができる。また後気室内に開口端が連通した音響管により、スピーカの最低共振周波数を低周波数側に移行させるとともに、スピーカの音圧レベルを増加させることができるので、スピーカの音質および効率を向上させることができる。さらにモジュール本体は音漏れを少なくするために密閉構造にしなければならず、そのため直方体状や円盤状などのシンプルな形状に形成する必要があるが、音響管はモジュール本体に比べて自由な形状に形成できるので、この音響管の少なくとも一部をモジュール本体の外側であって外殻ケースの内部空間に配置することで、外殻ケースの空きスペースを有効に利用して音響管を配置することができる。したがって、音響管をモジュール本体の外側に出した分だけモジュール本体の内部空間を広げることができ、外殻ケース内部の空きスペースを有効に使用して、音質および効率の向上を図った通話装置を実現することができる。また音響管の全体をモジュール本体の内部に収納している場合に比べて、音響管の形状や大きさの自由度が高くなり、所望の周波数の音圧を向上させることができる音響管の設計を容易に行えるという効果があり、またモジュール本体内部のスペースを広く取ることができるから、通話モジュールの組立作業を容易に行えるという効果もある。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、音響管の開口端を後気室の内壁よりもスピーカに近い位置まで延出させたことを特徴とする。
この発明によれば、音響管の開口端をスピーカに近づけることで、音響管による音質向上効果を高めることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、音響管は、スピーカの出力の音圧レベルを上げる周波数の1/4波長に基づく長さに設定されることを特徴とする。
この発明によれば、スピーカの放射音圧の周波数特性を制御し易くなる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、音響管の少なくとも一部に曲がり部を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、全体の長さを小さくしながら、必要な長さを確保できる。
請求項5の発明は、請求項1乃至3の発明において、音響管の少なくとも一部に可撓部を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、音響管を可撓部で曲げることによって、全体の長さを小さくしながら、必要な長さを確保できる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の発明において、音響管の一部を、モジュール本体の表面で構成したことを特徴とする。
この発明によれば、音響管の一部をモジュール本体の表面で構成することにより、全体の小型化を図ることができる。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の発明において、同じ長さに形成された音響管を複数備えたことを特徴とする。
この発明によれば、長さの同じ音響管を複数備えることで、放射音圧を向上させる効果をさらに高めることができる。
請求項8の発明は、請求項1乃至6の発明において、互いに異なる長さに形成された音響管を複数備えたことを特徴とする。
この発明によれば、放射音圧を向上させたい周波数を複数設定でき、音圧を向上させる効果が得られる周波数帯域を広げることができる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の発明において、音響管は、断面形状が円形、楕円形又は多角形の何れかに形成された部位が少なくとも1つ以上連なって形成され、その断面積は連続もしくは不連続であることを特徴とする。
この発明によれば、所望の音響特性が得られる音響管を実現できるという効果がある。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の発明において、音響管の共振周波数は、無限大の大きさを有するバッフル板に取り付けられたスピーカの最低共振周波数と、音響管を設けていないモジュール本体に取り付けられたスピーカの最低共振周波数との間に設定されることを特徴とする。
この発明によれば、スピーカの音質および効率の向上を容易に実現できる。
請求項11の発明は、請求項1乃至10の発明において、音響管の開口部に吸音材を取り付けたことを特徴とする。
この発明によれば、吸音材により、放射音圧を向上させた音量と、音圧が低下したディップ量とを調整でき、平坦な特性に近づけることができる。
本発明によれば、副マイクは、主マイクに比べてスピーカに近い位置に配置されており、副マイクによりスピーカが発する音声を確実に集音できるので、音声処理部によるハウリング防止処理を確実に行うことができる。また後気室内に開口端が連通した音響管により、スピーカの最低共振周波数を低周波数側に移行させるとともに、スピーカの音圧レベルを増加させることができるので、スピーカの音質および効率を向上させることができる。さらにモジュール本体は音漏れを少なくするために密閉構造にしなければならず、そのため直方体状や円盤状などのシンプルな形状に形成する必要があるが、音響管はモジュール本体に比べて自由な形状に形成できるので、この音響管の少なくとも一部をモジュール本体の外側であって外殻ケースの内部空間に配置することで、外殻ケースの空きスペースを有効に利用して音響管を配置することができる。したがって、音響管をモジュール本体の外側に出した分だけモジュール本体の内部空間を広げることができ、外殻ケース内部の空きスペースを有効に使用して、音質および効率の向上を図った通話装置を実現することができる。また音響管の全体をモジュール本体の内部に収納している場合に比べて、音響管の形状や大きさの自由度が高くなり、所望の周波数の音圧を向上させることができる音響管の設計を容易に行えるという効果があり、またモジュール本体内部のスペースを広く取ることができ、通話モジュールの組立作業を容易に行えるという効果もある。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の通話装置Aは図1〜図3に示され、スピーカやマイクなどを収納した通話モジュールMJと、通話モジュールMJを内部に収納する外殻ケースA2とを備える。
通話モジュールMJは、後面に開口を形成したボディA10と、ボディA10の開口に覆設したカバーA11とでモジュール本体A1を構成し、ボディA10およびカバーA11の接合面を溶着するなどして密閉構造に形成されている。そして、このモジュール本体A1の内部には、外部から伝達された音声情報を一方面側から出力するスピーカSP、マイクロホン基板MB1、通話スイッチSW1、音声処理部10を備えるとともに、モジュール本体A1内でスピーカSPの振動面側と反対側(他方面側)に形成される後気室Brに開口端を連通させた状態で、少なくとも一部をモジュール本体A1の外側に露出させた音響管40を備えている。ここで、モジュール本体A1の内面とスピーカSPの他方面側とで囲まれる空間を後気室Brとしてある。
音声処理部10は、図4に示すように、通信部10a、エコーキャンセル部10b,10c、増幅部10d、信号処理部10eを備えたICで構成され、モジュール本体A1内に配置される。他の部屋等に設置されている通話装置Aから情報線Lsを介して送信された音声信号は、通信部10aで受信され、エコーキャンセル部10bを介して増幅部10dで増幅された後、スピーカSPから出力される。また、通話スイッチSW1を操作することで通話可能状態となり、マイクロホン基板MB1上のマイクロホンM1(副マイク),マイクロホンM2(主マイク)から入力された各音声信号は信号処理部10eで後述する信号処理を施された後、エコーキャンセル部10cを通過し、通信部10aから情報線Lsを介して他の部屋等に設置されている通話装置Aへ送信される。すなわち、部屋間で双方向の通話が可能なインターホンとして機能するものである。なお、通話装置Aの電源は、設置場所の近傍に設けたコンセントから供給されるか、あるいは情報線Lsを介して供給されてもよい。また本実施形態では通話装置Aが情報線Lsを介して他の部屋等に設置されている通話装置Aとの間で信号を授受しているが、通話装置Aに無線通信機能を設け、通話装置Aと他所に設置された通話装置Aとの間で無線により信号を授受するようにしても良い。
スピーカSPは、図1に示すように、冷間圧延鋼板(SPCC,SPCEN)、電磁軟鉄(SUY)等の厚み0.8mm程度の鉄系材料で形成されて一端を開口した円筒状のヨーク20を具備し、ヨーク20の開口端から外側に向かって円形の支持体21が延設されている。
ヨーク20の筒内にはネオジウムで形成された円柱型永久磁石22(例えば、残留磁束密度1.39T〜1.43T)を配置し、ドーム型の振動板23の外周側の縁部が支持体21の縁端面に固定されている。
振動板23は、PET(PolyEthyleneTerephthalate)またはPEI(Polyetherimide)等の熱可塑性プラスチック(例えば、厚み12μm〜50μm)で形成される。振動板23の背面には筒状のボビン24が固定されており、このボビン24の後端にはクラフト紙の紙管にポリウレタン銅線(例えば、φ0.05mm)を巻回することによって形成されたボイスコイル25が設けられている。ボビン24およびボイスコイル25は、ボイスコイル25がヨーク20の開口端に位置するように設けられており、ヨーク20の開口端近傍を前後方向に自在に移動する。
ボイスコイル25のポリウレタン銅線に音声信号を入力すると、この音声信号の電流と永久磁石22の磁界とにより、ボイスコイル25に電磁力が発生するため、ボビン24が振動板23を伴なって前後方向に振動させられる。このとき、振動板23から音声信号に応じた音が発せられる。すなわち、動電型のスピーカSPが構成される。
そして、スピーカSPの振動板23が対向するモジュール本体A1の前壁(つまりボディA10の前面)内側には、リブ11が形成されており、スピーカSPの円形の支持体21の外周端部から前面側に突出した凸部21aの端面がリブ11に当接し、振動板23がモジュール本体A1の前面に内側から対向する状態でスピーカSPが固定される。
モジュール本体A1内にスピーカSPが固定されると、モジュール本体A1の前壁(つまりボディA10の前壁)内側とスピーカSPの表面側(振動板23側)とで囲まれた空間である前気室Bf、モジュール本体A1の後壁(つまりカバーA11)の内側および側壁内側とスピーカSPの裏面側(ヨーク20側)とで囲まれた空間である後気室Brが形成される。前気室Bfは、モジュール本体A1の前面に複数設けた音孔12を介して外部に連通している。後気室Brは、スピーカSPの支持体21の端部とボディA10の内面に突設されたリブ11とが密着することで、前気室Bfとは絶縁した(連通していない)空間となり、さらにカバーA11がボディA10の後面開口に密着することで、外部とも絶縁した密閉された空間となっている。
次に、マイクロホン基板MB1は、図5に示すように、マイクロホンのベアチップBC1とICKa1との対、マイクロホンのベアチップBC2とICKa2との対をモジュール基板2の一面2aに各々実装し、ベアチップBC1、ICKa1、モジュール基板2上の配線パターン(図示せず)の各間、およびベアチップBC2、ICKa2、モジュール基板2上の配線パターン(図示せず)の各間をワイヤWで各々接続(ワイヤボンティング)した後、ベアチップBC1とICKa1の対を覆うようにシールドケースSC1を実装し、ベアチップBC2とICKa2の対を覆うように、シールドケースSC2を実装することで、ベアチップBC1、ICKa1およびシールドケースSC1から構成されるマイクロホンM1と、ベアチップBC2、ICKa2およびシールドケースSC2で構成されるマイクロホンM2とを備えている。
ベアチップBC(ベアチップBC1またはBC2)は、図6に示すように、シリコン基板1bに穿設した孔1cを塞ぐようにシリコン基板1bの一面側にSi薄膜1dが形成され、このSi薄膜1dとの間にエアーギャップ1eを介して電極1fが形成され、さらに音声信号を出力するパッド1gが設けられており、コンデンサ型のシリコンマイクロホンを構成している。そして、外部からの音響信号がSi薄膜1dを振動させることで、Si薄膜1dと電極1fとの間の静電容量が変化して電荷量が変化し、この電荷量の変化に伴ってパッド1g,1gから音響信号に応じた電流が流れる。このベアチップBCは、シリコン基板1bをモジュール基板2上にダイボンディングし、特にベアチップBC2のSi薄膜1dは、モジュール基板2に穿設した音孔F2に対向している。
そして、マイクロホンM1は、音孔F1を穿設したシールドケースSC1の底面側を集音面とし、マイクロホンM2は、音孔F2を穿設したモジュール基板2への実装面側を集音面として、互いに逆方向となるモジュール基板2の両面方向に集音面を有するものになる。このように構成されたマイクロホン基板MB1は、モジュール基板2の一面2aにマイクロホンM1,M2の両方を実装しているので、マイクロホン基板MB1の厚さを薄くできる。
図7(a)は、マイクロホン基板MB1を、モジュール基板2の一面2a側から見た平面図であり、モジュール基板2は、マイクロホンM1を配置する矩形部2fと、マイクロホンM2を配置する矩形部2gと、矩形部2f,2g間を連結する連結部2hとで構成され、矩形部2gは矩形部2fより大きく形成される。そして、矩形部2gの縁部に沿って、負電源パッドP1,正電源パッドP2,出力1パッドP3,出力2パッドP4が設けられている。
そして、図7(b)に示すように、負電源パッドP1には外部から供給される電源電圧の負側、正電源パッドP2には電源電圧の正側が接続されて、モジュール基板2上の配線パターンを介してマイクロホンM1,M2に電源を供給している。また、出力1パッドP3からは、マイクロホンM1が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力され、出力2パッドP4からは、マイクロホンM2が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力される。なお、出力パッドP3,P4から出力される音声信号のグランドは、負電源パッドP1で兼用される。
このように、マイクロホンM1,M2の電源を共通の負電源パッドP1、正電源パッドP2から供給し、さらにマイクロホンM1,M2の各出力のグランドを負電源パッドP1で兼用することで、パッドの数を減らすことができ、構成が簡単になる。
そして、本実施形態の通話装置Aでは、図1〜図3に示すようにスピーカSPの裏面側の後気室Brに開口端を連通させた状態で音響管40が配設されている。この音響管40は2箇所の曲がり部40c,40cで略直角に曲げられて略コ字形に形成されており、一方の端部40aを開口させるとともに、他方の端部40bを閉塞させている。また、開口側の端部40aをボディA10の右側壁に連結して、モジュール本体A1内の後気室Brと開口側の端部40aとを連通させている。本実施形態ではボディA10の右側壁から側方に突出した音響管が曲がり部40cで下方に曲げられ、さらにその先端側の曲がり部40cで左側に曲げられており、ボディA10の外側壁に沿って曲げられた状態で音響管40を形成してある。すなわち音響管40の少なくとも一部に曲がり部40cを設けているので、全体の長さ(最大幅)を小さくしながら、必要な長さを確保できる。また音響管40はモジュール本体A1の外側であって外殻ケースA2の内部空間に音響管40を配置してあり、密閉構造に形成する必要があるモジュール本体A1に比べて音響管40は外形形状の自由度が高いので、外殻ケースA2の空きスペースを有効に利用して音響管40を配置することができ、したがって音響管40をモジュール本体A1の外側に出した分だけモジュール本体A1の内部空間を広げることができ、外殻ケースA2内部の空きスペースを有効に使用して、音質および効率の向上を図った通話装置を実現することができる。また音響管40の全体をモジュール本体A2の内部に収納している場合に比べて、音響管40の形状や大きさの自由度が高くなり、所望の周波数の音圧を向上させることができる音響管40の設計を容易に行えるという効果があり、またモジュール本体A2内部のスペースを広く取ることができ、通話モジュールMJの組立作業を容易に行えるという効果もある。
一方、外殻ケースA2は、例えば2つに分割された樹脂成型品の半割体を接合して形成され、通話モジュールMJを内部に収納した後、各半割体を嵌合手段または接着剤等によって接合する。この外殻ケースA2には、通話モジュールMJのモジュール本体A1に設けた音孔12に連通する音孔60が設けられ、スピーカSPの振動板23側の前気室Bfが音孔12,60を介して外部に連通している。また外殻ケースA2には、モジュール基板2に設けた音孔F2に連通する音孔61とが設けられており、マイクロホンM2の集音面が音孔F2,61を介して外部と連通する。
次に、マイクロホン基板MB1の動作について説明する。
まず、集音した音響信号に応じてベアチップBC1,BC2から流れる各電流は、ICKa1,Ka2によってインピーダンス変換されるとともに電圧信号に変換され、音声信号として出力1パッドP3、出力2パッドP4から各々出力される。
ICKa(ICKa1またはKa2)は、図8に示す回路構成を備えており、電源パッドP1,P2から供給される電源電圧+V(例えば5V)を定電圧Vr(例えば12V)に変換するチップICからなる定電圧回路Kbを備えており、抵抗R11とベアチップBCとの直列回路に定電圧Vrが印加され、抵抗R11とベアチップBCとの接続中点はコンデンサC11を介してジャンクション型のJ−FET素子S11のゲート端子に接続される。J−FET素子S11のドレイン端子は動作電源+Vに接続され、ソース端子は抵抗R12を介して電源電圧の負側に接続される。ここで、J−FET素子S11は電気インピーダンスの変換用であり、このJ−FET素子S11のソース端子の電圧が音声信号として出力される。なお、ICKaのインピーダンスの変換回路は、上記構成に限定されるものではなく、例えばオペアンプによるソースフォロワ回路の機能を有する回路であってもよく、または必要に応じてICKa内に音声信号の増幅回路を設けてもよい。
そして、マイクロホン基板MB1は、上記のようにモジュール基板2上の配線パターンを介して信号伝達、給電を行うことで、信号線、給電線を効率よく構成できるとともに、モジュール本体A1の外面に取付可能となる。本実施形態では、モジュール基板2の一面2aをモジュール本体A1の前面外側に沿って配置し、マイクロホンM1はモジュール本体A1前面の開口13を挿通して集音面を前気室Bfに向けており、シールドケースSC1の底面に穿設したマイクロホンM1の音孔F1はスピーカSPの振動板23に対向して、音孔F1を介して伝達されるスピーカSPからの音声に対して高い指向性を有するので、スピーカSPが発する音声を確実に集音することができる。また、マイクロホンM2は、モジュール本体A1の前面に設けた凹部14に嵌合し、モジュール基板2に穿設したマイクロホンM2の音孔F2はスピーカSPの出力方向に向かってモジュール本体A1の外部(前方)に面している。この音孔F2は外殻ケースA2の前面に穿設した音孔61に連通し、外部の音は音孔61,F2を介してマイクロホンM2に伝達されるので、マイクロホンM2は、通話装置Aの前方に位置する話者からの音声に対して高い指向性を有している。なお、スピーカSPの中心から各マイクロホンM1,M2の中心までの距離をそれぞれX1,X2とすると、X1<X2となっており、マイクロホンM1(副マイク)は、マイクロホンM2(主マイク)よりもスピーカSPに近い位置に配置されている。
また、スピーカSPの裏面が面する後気室Brは、モジュール本体A1内で密閉されるので、スピーカSPの裏面から放射される音声は後気室Brから漏れ難くなり、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合を低減させている。さらにスピーカSPの裏面(振動板23の裏面)から放射される音は、スピーカSPの表面(振動板23の表面)から放射される音と位相が反転しており、このスピーカSPの裏面から放射される音が前方に回り込むと、スピーカSPの表面から放射される音と互いに打ち消しあって、スピーカSPの放射音圧が低下し、前方にいる話者にはスピーカSPが発する音声が聞こえ難いものとなるが、上記のようにスピーカSPの裏面から放射される音はモジュール本体A1の外部に漏れ難いので、上記回り込みによるスピーカSPの放射音圧の低下を防いでいる。
また、マイクロホンM2を収納した凹部14は後気室Brと連通していない分離された空間であるので、マイクロホンM2はスピーカSPの発する音声をさらに集音し難くなり、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合をさらに低減させている。すなわち、上記構成によって、スピーカSPが発する音声と話者の発する音声とをマイクロホンM1,M2で分離して集音しているのである。
また、マイクロホン基板MB1をモジュール本体A1内に配置すると前気室Bfと後気室Brとの間の空間的な絶縁を維持することが困難であるが、本実施形態のようにマイクロホン基板MB1をモジュール本体A1の外面に取り付けることで、前気室Bfと後気室Brとの間の空間的な絶縁を維持することができる。
そして、本実施形態では、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングを防止するために、以下の構成を備えている。
まず、音声処理部10に収納されている信号処理部10eは、図9に示すように、マイクロホンM1の出力を非反転増幅する増幅回路30と、増幅回路30の出力から音声帯域(300〜4000Hz)以外の周波数のノイズを除去するバンドパスフィルター31と、バンドパスフィルター31の出力を遅延させる遅延回路32と、マイクロホンM2の出力を反転増幅する増幅回路33と、増幅回路33の出力から音声帯域(300〜4000Hz)以外の周波数のノイズを除去するバンドパスフィルター34と、バンドパスフィルター34の出力を遅延させる遅延回路35と、遅延回路32の出力と遅延回路35の出力を加算する加算回路36とを備えている。
図10〜図13は、スピーカからの音声をマイクロホンM1,M2で各々集音した場合における信号処理部10eの各部の音声信号波形を示す。スピーカSPの中心から各マイクロホンM1,M2の中心までの距離X1,X2はX1<X2なる関係を有しているので、スピーカSPからの音声をマイクロホンM1,M2で拾った場合、スピーカSPとマイクロホンM1,M2との距離、およびマイクロホンM1,M2の指向性によってマイクロホンM2の出力Y21のほうがマイクロホンM1の出力Y11よりも振幅が小さく、さらに両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)に相当する音波の遅延時間[Td=(X2−X1)/Vs](Vsは音速)だけマイクロホンM2の出力Y21の位相が遅れている(図10(a)(b)参照)。
そして、増幅回路30が出力Y11を非反転増幅した出力Y12を生成し、増幅回路33が出力Y21を反転増幅して位相を180°反転させた出力Y22を生成する。このとき、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)に相当するレベル調整を行ない、スピーカSPからの音声に対する両マイクロホンM1,M2の出力レベルを一致させる(図11(a)(b)参照)。なお、本実施形態において非反転増幅する増幅回路30の増幅率を1とすれば、増幅回路30は省略してもよい。
そして、バンドパスフィルター31,34は、出力Y12,Y22から音声帯域以外の周波数のノイズを除去した出力Y13,Y23を生成する(図12(a)(b)参照)。
次に、遅延回路32,35は、時間遅延素子またはCR位相遅延回路で構成されており、遅延回路32,35の出力Y14,Y24の位相が一致するように、スピーカSPから遠い方のマイクロホンM2の出力に対して、スピーカSPに近い方のマイクロホンM1の出力を上記遅延時間Tdだけ相対的に遅延させるように、両遅延回路32,35による遅延時間を設定してある(図13(a)(b)参照)。
そして、出力Y14に含まれるスピーカSPからの音声成分と、出力Y24に含まれるスピーカSPからの音声成分とは、上記増幅処理および遅延処理によって同一振幅、同一位相であって、極性が反転しているので、加算回路36において出力Y14とY24とを加算することで、スピーカSPからの音声に対応する音声信号が打ち消された出力Yaが生成される(図13(a)〜(c)参照)。すなわち、出力Yaでは、スピーカSPからの音声成分が低減しているのである。
一方、マイクロホンM1,M2の前方にいる話者Hが発する音声に対しては、話者Hが発する音声に対して高い指向性を有するマイクロホンM2の出力Y21の振幅が、マイクロホンM1の出力Y11の振幅よりも大きくなる。さらに、増幅回路33の増幅率は増幅回路30の増幅率より大きいので、出力Y23に含まれる話者Hからの音声成分は、出力Y14に含まれる話者Hからの音声成分よりさらに大きくなる。すなわち、出力Y14に含まれる話者Hからの音声成分と、出力Y24に含まれる話者Hからの音声成分との振幅差は大きくなり、加算回路36で上記加算処理を施しても、出力Yaには、話者Hが発する音声に応じた信号が十分な振幅を維持した状態で残る。
以上のようにして加算回路36の出力YaではスピーカSPからの音声成分が低減されて、通話装置A前方の話者Hからマイクロホン基板MB1に向って発した音声成分は残っており、出力Yaでは、残したい話者Hからの音声成分と、低減したいスピーカSPからの音声成分との相対的な差が大きくなる。すなわち、話者Hからの音声とスピーカSPからの音声とが同時に発生している場合でも、話者Hからの音声成分は十分な振幅を維持しながらスピーカSPからの音声成分のみが低減されるので、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングを防止することができるのである。
そして、上述のようにスピーカSPの裏面から後気室Brへ放射される逆位相の音はハウジングA1外へ漏れ難いので、マイクロホンM1,M2はスピーカSPの表面から発せられる正位相の音をおもに集音し、ハウジングA1から漏れる逆位相のスピーカ音を拾うことなく、信号処理部10eによるハウリング防止処理を確実に行うことができる。
さらにマイクロホンM2は集音面をハウジングA1外部に向けるとともに、スピーカSPの出力方向とマイクロホンM2の指向性とを略同一方向にするので、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合は低減し、マイクロホンM2はスピーカSPの発する音声を集音し難くなって、マイクロホンM2をスピーカSPの近傍に隣接して配置でき、通話装置Aの小型化が可能となる。
次に、加算回路36が出力する音声信号はエコーキャンセル部10cに出力され、エコーキャンセル部10b,10c(図4参照)では、以下の処理を行うことでさらなるハウリング防止を図っている。
まず、エコーキャンセル部10cは、エコーキャンセル部10bの出力を参照信号として取り込み、信号処理部10eの出力に対して演算を施すことにより、スピーカSPからマイクロホンM1,M2に回り込んだ音声信号をさらにキャンセリングする。一方、エコーキャンセル部10bも、エコーキャンセル部10cの出力を参照信号として取り込み、通信部10aの出力に対して演算を施すことにより、通話先の相手側でのスピーカからマイクロホンへの音声信号の回り込みをキャンセリングする。
具体的には、エコーキャンセル部10b,10cは、スピーカSP−マイクロホンM1,M2−信号処理部10e−エコーキャンセル部10c−通信部10a−エコーキャンセル部10b−増幅部10d−スピーカSPで構成されるループ回路内に設けた可変損失手段(図示無し)での損失量を調節することにより、ループゲインが1以下となるようにしてハウリングを防止するのである。ここで、送話信号と受話信号との信号レベルを比較し、音声レベルが小さい方に大きな損失を与えるように、音声レベルが小さい方の伝送路に挿入された可変損失回路の伝送損失を大きくしている。
ここで、本実施形態の通話装置Aでは、開口端側の端部40aが後気室Brに連通した音響管40を備えており、この音響管40の共振周波数を適宜設定することで、スピーカSPの最低共振周波数が低周波数側に移行し、さらにはスピーカSPの音圧レベルが増加するので、スピーカSPの音質および効率が向上する。
なおスピーカの最低共振周波数foは、一般に、スピーカの振動系の等価質量(振動板、コイル、空気付加質量)Moと、それを支持するエッジ等のスティフネスSoと、後気室Br内の空気のスティフネスScとによって決まり、以下の式(1)で示される。
Figure 2008301129
図14は、信号処理部10eによるスピーカSPの音声成分キャンセル量の周波数特性を示し、図15はスピーカSPの前方における放射音圧の周波数特性を示しており、音響管40を用いない場合と、ハウジングとして理想的なバッフル板を用いた場合との両方の場合について各結果を示す。
まず、理想的なバッフル板とは、図16に示すように無限大の大きさを有するバッフル板Cのことであり、スピーカSPおよびマイクロホン基板MB1をバッフル板Cに取り付けた場合のキャンセル量(図14の特性Y1a)は、周波数帯域100Hz〜10000Hzにおいて10dB以上を維持し、放射音圧特性(図15の特性Y2a)は、スピーカSPの最低共振周波数fo1=600Hzとなり、最低共振周波数はスピーカSP単体での特性と同じ理想的な特性を示している。バッフル板Cを用いるとこのように優れた特性を備えるが、これはバッフル板Cが無限大の大きさを有して、スピーカSPの裏面(振動板23の裏面)から放射された音がバッフル板Cで遮断されて前方に回り込まないとした場合の結果であり、現実的ではない。
次に、音響管40を用いない場合のキャンセル量(図14の特性Y1b)も、周波数帯域100Hz〜10000Hzにおいて10dB以上を維持しており、バッフル板Cを用いた場合と略同様のキャンセル量を得ることができる。しかし、後気室Brを密閉した場合の放射音圧特性については、後気室Brの容量が十分に大きければバッフル板Cと同様の特性を得ることができるが、後気室Brの容量が小さいと、後気室Brの機械等価スティフネスが大きくなり、スピーカSPの最低共振周波数は高くなり、放射音圧が低下して、通話音質および効率が悪化する。例えば、モジュール本体A1の後気室Brと同容量且つ音響管40を省略したハウジングを用いた場合の放射音圧特性(図15の特性Y2b)は、スピーカSPの最低共振周波数fo2=1200Hzとなり、バッフル板Cを用いた場合に比べて最低共振周波数が高周波数側にずれ、さらには800Hz以下の周波数帯域でバッフル板Cを用いた場合に比べて音圧レベルが5〜20dB程度減少しており、スピーカSPの音質および効率が悪化している。モジュール本体A1の後気室Brの3倍の容量且つ音響管40を省略したハウジングを用いた場合の放射音圧特性(図15の特性Y2c)は、スピーカSPの最低共振周波数fo3=800Hzとなり、後気室Brの容量が小さい場合に比べてスピーカSPの音質は改善されている。しかし、後気室Brの容量を大きくするとハウジングも大型化し、通話装置の小型化が困難になる。そこで、本実施形態では、小容量の後気室Brに開口側の端部40aを連通させた状態で、モジュール本体A1の外側に音響管40を配置することで、通話装置Aの小型化を図りながら、スピーカSPの音質および効率を向上させている。
また上記音響管40の全長Lは、音圧レベルを増大させたい周波数fの略1/4波長に基づく長さに設定される。詳細には、音響管40の開口端補正を行うので、音速をVs、開口端補正値をσ(=0.8d、但しdは音響管40の開口径)とすると、以下の式(2)で表される。
Figure 2008301129
本実施形態では、音響管40の全長Lは95.2mm、音響管40の断面積は4.2mm(φ2.3相当)である。また、音響管40をコ字形に形成し、モジュール本体A1の外側壁に沿うように配置しているので、通話装置A1の外形寸法が増加するのを抑制することができる。
また音響管40は、閉管の共振周波数(管の全長が1/4波長の奇数倍に一致する周波数)で入力インピーダンスが極めて小さくなることを利用して、スピーカSPの裏面から放射された音波をスピーカSPの裏面側に反射することによって、後気室Brから外部に漏れる音を低減させている。
そして、音響管40の共振周波数が、音響管40を備えていないモジュール本体A1を用いた場合の最低共振周波数fo4(=1200Hz)と、図16に示す上記バッフル板Cを用いた場合の最低共振周波数fo1(=600Hz)との間に位置するように、音響管40の全長Lを設定することで、音響管40を備えたモジュール本体A1を用いた場合のスピーカSPの最低共振周波数fo5(=700Hz付近)が、fo1とfo4との間に設定されており、音響管40を設けることでスピーカSPの音質および効率の向上を容易に実現できる。
なお図17は、上記音響管40を備えた通話装置Aと、音響管40を備えていない通話装置Aとの各放射音圧特性を示しており、音響管40を備えた特性Y3aは、音響管40を備えていない特性Y3bに比べて、800Hz以下の周波数帯域で音圧レベルが5〜10dB程度増大し、最低共振周波数はfo4=1200Hzからfo5=700Hz付近にまで低下しており、スピーカ効率が向上するとともに、音質が向上している。例えば、700Hz付近では音圧レベルが10dB程度増大しており、この音圧レベルの増大によるスピーカ効率の向上は、スピーカSPの入力電流:70%減、入力電力:90%減に相当する。このように、スピーカSPの最低共振周波数近傍でスピーカSPの音圧レベルは増大するので、音響管40の全長を適宜設定して、スピーカSPの最低共振周波数を低周波数側に移行させれば、スピーカSPの音質および効率の向上を実現できる。
また、図1に破線で示すように、音響管40の開口側の端部40aまたはこの端部40aの近傍に、不織布等の吸音材43を配設しても良く、吸音材43により、放射音圧を向上させた音量と、音圧が低下したディップ量とを調整でき、平坦な特性に近づけることができる。
なお本実施形態では音響管40を略コ字形に形成しているが、図18(a)に示すように音響管40の開口側の端部40aをモジュール本体A1の右側壁の上部に連結するとともに、4つの曲がり部40cで略直角に曲げられた形状に形成して略ロ字形とし、モジュール本体A1の外周に沿うように配置しても良い。また図18(a)に示す音響管40はモジュール本体A1と別体に形成されているが、図18(b)に示すようにモジュール本体A1の表面で音響管40の一部を構成するようにしても良く、モジュール本体A1と音響管40とが一部を互いに共用することで、通話装置Aの小型化を図ることができる。
また図19に示すように音響管40の一部に可撓性を有する蛇腹状の可撓部41を形成しても良く、可撓部41を曲げた状態で外殻ケースA2内に納めることで、音響管40の設置位置の自由度が向上するとともに、外殻ケース2の内部最大幅に比べて音響管40の長さを長くできる。なお音響管40の全体が可撓性を有していても良く、音響管40を自由に曲げて取り付けることができ、設置位置の自由度がさらに向上する。
また図20に示すように音響管40の開口側の端部40aを、モジュール本体A1の内壁よりもスピーカSPに近い位置まで延出させることも好ましく、スピーカSPの音質向上効果を高めることができる。
また上述の実施形態では音響管40が1本のみの場合について説明したが、図21(a)に示すように同じ長さに形成された音響管40A,40Bを複数(例えば2本)設けても良く、音質向上効果をさらに高めることができる。また図21(b)に示すように互いに長さの異なる音響管40A,40B,40Cを複数(例えば3本)設けても良く、放射音圧を向上させたい周波数を複数設定できるから、音圧を向上させる効果が得られる周波数帯域を広げることができる。また、放射音圧を向上させたい周波数を警報音などの通話音声以外の音の周波数に設定すれば、通話音声以外の音の音質を改善することもできる。
また本実施形態では、各音響管40,41,42の断面形状は長手方向の全長にわたって同じ形状であり、また断面積も同一の断面積に形成されているが、所望の音響効果が得られるように、断面形状が円形、楕円形又は多角形の何れかに形成された部位が少なくとも1つ以上連なって形成された音響管であって、その断面積が連続もしくは不連続となるように形成したものを用いても良い。
本実施形態の通話装置の構成を示す側面断面図である。 同上の正面図である。 (a)は同上の外観斜視図、(b)は同上に用いる通話モジュールの斜視図である。 同上の音声処理部の構成を示す回路図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す側面断面図である。 同上のベアチップの構成を示す側面断面図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す(a)簡略化した平面図、(b)簡略化した回路図である。 同上のインピーダンス変換回路の回路図である。 同上の信号処理部の回路構成図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)〜(c)同上の信号処理部の信号波形図である。 信号処理部によるキャンセル量を示す図である。 スピーカの放射音圧特性を示す図である。 理想的なバッフル板を用いた場合の構成を示す一部側面断面図である。 同上のハウジングを用いた場合のキャンセル量を示す図である。 (a)(b)は同上の通話装置の他の構成を示す正面図である。 同上の通話装置のまた別の構成を示す正面図である。 同上の通話装置のさらに別の構成を示す側面断面図である。 (a)(b)は同上の通話装置のまた別の構成を示す正面図である。
符号の説明
A 通話装置
A1 ハウジング
A2 外殻ケース
A10 ボディ
A11 カバー
SP スピーカ
MB1 マイクロホン基板
M1,M2 マイクロホン
MJ 通話モジュール
Bf 前気室
Br 後気室
10 音声処理部
40 音響管

Claims (11)

  1. 外部から伝達された音声情報を一方面側から出力するスピーカ、主マイク、主マイクよりもスピーカに近い位置に配置された副マイク、主マイクで集音された音声成分と副マイクで集音された音声成分とを用いてスピーカから回り込む音声成分を除去する音声処理を行う音声処理部をモジュール本体に備えて、モジュール本体内でスピーカの他方面側に後気室を設けた通話モジュールと、通話モジュールを内部に収納する外殻ケースとを有し、一端が閉塞するとともに他端が開口し、当該開口端を後気室に連通させた音響管を備え、当該音響管の少なくとも一部をモジュール本体の外側であって外殻ケースの内部空間に配置したことを特徴とする通話装置。
  2. 音響管の開口端を後気室の内壁よりもスピーカに近い位置まで延出させたことを特徴とする請求項1記載の通話装置。
  3. 前記音響管は、スピーカの出力の音圧レベルを上げる周波数の1/4波長に基づく長さに設定されることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の通話装置。
  4. 前記音響管の少なくとも一部に曲がり部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の通話装置。
  5. 前記音響管の少なくとも一部に可撓部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の通話装置。
  6. 前記音響管の一部を、前記モジュール本体の表面で構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の通話装置。
  7. 同じ長さに形成された前記音響管を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の通話装置。
  8. 互いに異なる長さに形成された前記音響管を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の通話装置。
  9. 前記音響管は、断面形状が円形、楕円形又は多角形の何れかに形成された部位が少なくとも1つ以上連なって形成され、その断面積は連続もしくは不連続であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の通話装置。
  10. 前記音響管の共振周波数は、無限大の大きさを有するバッフル板に取り付けられたスピーカの最低共振周波数と、音響管を設けていない前記モジュール本体に取り付けられたスピーカの最低共振周波数との間に設定されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の通話装置。
  11. 前記音響管の開口部に吸音材を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の通話装置。
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