JP2008300308A - 放電ランプの製造方法、光源装置、及びプロジェクタの製造方法 - Google Patents

放電ランプの製造方法、光源装置、及びプロジェクタの製造方法 Download PDF

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JP2008300308A
JP2008300308A JP2007147744A JP2007147744A JP2008300308A JP 2008300308 A JP2008300308 A JP 2008300308A JP 2007147744 A JP2007147744 A JP 2007147744A JP 2007147744 A JP2007147744 A JP 2007147744A JP 2008300308 A JP2008300308 A JP 2008300308A
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Kentaro Yamauchi
健太郎 山内
Nariyasu Soma
成泰 相馬
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Abstract

【課題】初期状態から長期間にわって良好な発光状態を維持することができる放電ランプ
及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】一方の電極、例えば第1電極15の先端側の表層を溶かしながら他方の電極
、例えば第2電極16の先端側に先端部16aを突起状に成長させる第1成長工程と、第
1電極15の先端側に先端部15aを突起状に成長させる第2成長工程とを行うことによ
り、両電極15、16の先端側の表面が滑らかになり、先端側に形成された先端部15a
、16aの突起位置やその形状が安定するので、当初からフリッカやアークジャンプの発
生が抑えられる放電ランプを容易に製造できる。つまり、初期状態から長期間にわたって
プロジェクタの照度や照明の利用効率を高い状態に維持することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、一対の電極を有する放電ランプの製造方法、光源装置、及び光源装置を組み
込んだプロジェクタの製造方法に関する。
高圧放電ランプは、一対の電極の間で放電し発光している。一対の電極において互いに
対向している側には電極の他の部分よりも突出している先端部が設けられている。これら
の先端部によって、発光管の点灯時におけるアークの長さ及び位置が定められている(特
許文献1参照)。
特開平6−13029号公報
しかしながら、高圧放電ランプを長時間点灯すると、電極の先端部及びその周辺部に凹
凸が発生し、その凹凸はアーク移動によるフリッカやアークジャンプの原因となる。近年
、プロジェクタ光源用途の高圧放電ランプに対して長寿命化が強く求められており、寿命
を短縮する要因のひとつである電極の劣化への対策が急務となっている。
そこで、本発明は、初期状態から長期間にわたって良好な発光状態を維持することがで
きる放電ランプ及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような放電ランプを有する光源装置及びこの光源装置を備えるプ
ロジェクタの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る放電ランプの製造方法は、(a)第1電極及
び第2電極を有する発光管を備える放電ランプの製造方法であって、(b)第1電極及び
第2電極の少なくとも一方の電極の本体部の先端側の表層を溶かし、他方の電極の本体部
の先端側に先端部を突起状に成長させる第1成長工程と、(c)一方の電極の本体部の先
端側に先端部を突起状に成長させる第2成長工程と、を備える。ここで、表層とは、電極
本体部の表面層を含み、一定以上の厚みを有する外殻部分をいう。
上記放電ランプの製造方法では、第1成長工程及び第2成長工程を行うことによって、
電極の先端側の表面が滑らかになり、電極の先端側に形成された先端部の突起位置やその
形状が安定するので、当初からフリッカやアークジャンプの発生が抑えられる放電ランプ
を容易に製造できる。つまり、初期状態から長期間にわたってプロジェクタの照度や照明
の利用効率を高い状態に維持することができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、第1成長工程において一方の電極の陽極期
間を他方の電極の陽極期間より長くし、第2成長工程において一方の電極の陽極期間を他
方の電極の陽極期間より短くする。この場合、電極の陽極期間を調整することにより、電
極本体部の表層の平滑化及び熱容量が大きく電極本体部との接触面積が広い先端部の形成
を行うことができる。ここで、陽極期間とは、1回の交流サイクルにおいて電極が陽極で
ある期間をいう。
本発明のさらに別の態様によれば、第1成長工程において、第1電極及び第2電極に対
する駆動波形のデューティ比を通常点灯時の駆動波形のデューティ比に対して変化させ、
一方の電極の陽極期間比をaとし、他方の電極の陽極期間比を1−aとして、以下の条件

0.5<a<1
を満足する。この場合、駆動波形(具体的には交流駆動波形)のデューティ比を変化させ
るといった簡単な操作により、必要な程度に電極の先端部及び先端部の周辺部の表層を溶
かしたり、電極の本体部から先端部を成長させたりすることができる。具体的には、一方
の電極の陽極期間比を上記条件を満たす値aとすることにより、一方の電極の本体部が高
温になり、電極の先端部及び先端部の周辺部を溶解させることができる。また、他方の電
極の陽極期間比を結果的に1−aとすることにより、他方の電極の本体部に熱容量が大き
く電極本体部との接触面積が広い先端部を成長させることができる。
本発明のさらに別の態様によれば、第2成長工程において、一方の電極の陽極期間比を
bとし、他方の電極の陽極期間比を1−bとして、以下の条件式
0<b<0.5
を満足する。この場合、一方の電極の陽極期間比を上記条件を満たす値bとすることによ
り、一方の電極の本体部の先端側に熱容量が大きく電極本体部との接触面積が広い先端部
を成長させることができる。
本発明のさらに別の態様によれば、第1成長工程及び第2成長工程は、複数回繰り返し
行われる。この場合、第1及び第2成長工程を電極の先端部のサイズが均等になるまで繰
り返すことにより、両電極に熱容量が大きく電極本体部との接触面積が広い先端部を形成
することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、第1成長工程前に発光管に定電力を供給する通常点
灯動作を行い第1電極及び第2電極に仮突起を形成させる。この場合、発光管に定電力を
供給して通常点灯動作を行なうことで第1電極と第2電極との間が最短となる位置にそれ
ぞれ小さな突起が形成されるので、それを仮突起とすることにより放電起点が安定し、熱
容量が大きく電極本体部との接触面積が広い先端部が形成されるまでの時間を短くするこ
とが可能となる。
本発明のさらに別の態様によれば、一周期における2つの極性期間のうち少なくとも期
間が長い方の駆動波形のピークが極性の切り替わる直前に存在する波形にする。この場合
、陰極期間が長くなる電極の温度が低下しすぎることによるフリッカ発生が抑制され、一
定の位置に集中的に先端部が形成される。
本発明に係る光源装置は、(a)上記放電ランプの製造方法によって製造された光源ユ
ニットと、(b)光源ユニットに電流を供給する光源駆動装置と、を備える。
上記光源装置では、熱容量が大きく電極本体部との接触面積が広い先端部を有する電極
の作製による安定した放電により、当初からフリッカやアークジャンプを少なくでき、ア
ークの位置や長さを長時間安定して維持することができる。そのため、後段に組み込まれ
る光学系での照明の利用効率を高くすることができる。
本発明に係るプロジェクタの製造方法では、(a)第1電極及び第2電極を有する放電
ランプを備える光源装置と、光源装置からの照明光によって照明される光変調装置と、光
変調装置によって形成された像光を投射する投射光学系と、を備えるプロジェクタの製造
方法であって、(b)第1電極及び第2電極の少なくとも一方の電極の陽極期間を他方の
電極の陽極期間より長くすることによって、一方の電極の本体部の先端側の表層を溶かし
ながら他方の電極の本体部の先端側に先端部を突起状に成長させる第1成長工程と、(c
)一方の電極の陽極期間を他方の電極の陽極期間より短くすることによって、一方の電極
の本体部の先端側に先端部を突起状に成長させる第2成長工程と、を備える。
上記プロジェクタの製造方法では、第1成長工程及び第2成長工程を行う放電ランプの
製造方法を有することによって、光源装置のフリッカやアークジャンプの発生が抑えられ
、長期間にわたって照度や照明の利用効率が高い状態を維持することができる良好な画像
を投射できるプロジェクタを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る光源装置の構造等について説明する

図1は、光源装置100の構造を概念的に説明する断面図である。光源装置100にお
いて、放電ランプである光源ユニット10は、放電発光型の発光管1と、楕円型の主反射
鏡であるリフレクタ2と、球面状の副反射鏡である副鏡3とを備える。また、光源駆動装
置70は、詳細は後述するが、光源ユニット10に交流電流を供給して所望の状態に発光
させるための電気回路である。
光源ユニット10において、発光管1は、中央部が球状に膨出した透光性の石英ガラス
管から構成され、照明用の光を放射する本体部分11と、この本体部分11の両端を通る
軸線に沿って延びる第1及び第2封止部13、14とを備える。
本体部分11内に形成される放電空間12には、タングステン製の第1電極15の先端
部分と、同様にタングステン製の第2電極16の先端部分とが所定距離で離間配置されて
おり、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。この
本体部分11の両端に延びる各封止部13、14の内部には、本体部分11に設けた第1
及び第2電極15、16の根元部分に対し電気的に接続されるモリブデン製の金属箔17
a、17bが挿入され、両封止部13、14は、それ自体或いはガラス材料等によって外
部に対して気密に封止されている。これらの金属箔17a、17bに接続されたリード線
18a、18bに光源駆動装置70により交流電圧を印加すると、一対の電極15、16
間でアーク放電が生じ、本体部分11が高輝度で発光する。ここで、図1から明らかなよ
うに、リフレクタ2は、第1電極15側に配置され、副鏡3は、リフレクタ2に対向して
第2電極16側に配置される。したがって、第1電極15は、本体部分11を挟んで副鏡
3と反対側にあることになる。
発光管1の本体部分11のうち光束射出前方側の略半分は、副鏡3によって覆われてい
る。この副鏡3は、石英ガラス製の一体成形品であり、発光管1の本体部分11から前方
に放射された光束を本体部分11に戻す副反射部3aと、この副反射部3aの根元部を支
持した状態で第2封止部14の周囲に固定される支持部3bとを備える。支持部3bは、
第2封止部14を挿通させるとともに、副反射部3aを本体部分11に対してアライメン
トした状態で保持している。
リフレクタ2は、結晶化ガラスや石英ガラス製の一体成形品であり、発光管1の第1封
止部13が挿通される首状部2aと、この首状部2aから拡がる楕円曲面状の主反射部2
bとを備える。首状部2aは、第1封止部13を挿通させるとともに、主反射部2bを本
体部分11に対してアライメントした状態で保持している。
発光管1は、主反射部2bの光軸に対応するシステム光軸OAに沿って配置されるとと
もに、本体部分11内の第1及び第2電極15、16間の発光中心Oが主反射部2bの楕
円曲面の第1焦点F1位置と一致するように配置される。発光管1を点灯した場合、本体
部分11から放射された光束は主反射部2bで反射され、或いは副反射部3aでの反射を
経て主反射部2bでさらに反射され、楕円曲面の第2焦点F2位置に収束する光束となる
。つまり、リフレクタ2及び副鏡3は、システム光軸OAに対して略軸対称な反射曲面を
有し、一対の電極15、16は、その軸心である電極軸をシステム光軸OAと略一致させ
るように配置されている。
光源ユニット10は、リフレクタ2の底部すなわち首状部2aに発光管1の第1封止部
13を挿入した状態で、リフレクタ2の首状部2aと発光管1の第1封止部13との隙間
に、無機接着剤Cを注入及び充填して固化することにより製造されている。発光管1は、
例えば石英ガラス管中に金属箔17a、17bの先端に固定された第1及び第2電極15
、16を支持し、両封止部13、14に対応する部分で石英ガラス管を周囲からバーナで
加熱して軟化、収縮させるシリンクシールによって作製される。
以下、上記光源ユニット10の製造方法について、発光管1の構成要素である第1及び
第2電極15、16に関して主に説明する。
図2は、発光管1内に封入された第1及び第2電極15、16の先端部分の拡大図であ
る。また、図3は、仕上げ工程時における第1及び第2電極15、16の先端部分の状態
の変化を説明する模式図である。第1及び第2電極15、16は、先端部15a、16a
と、本体部15b、16bと、コイル部15c、16cと、芯棒15d、16dとを備え
る。第1及び第2電極15、16の先端部分は、封入前の段階で、芯棒15d、16dに
タングステンを巻き付け、これを加熱・溶融することにより形成される。この際、巻き付
けられたタングステンのうち溶融されなかった残りの部分がコイル部15c、16cとな
る。第1及び第2電極15、16の先端側に塊状の本体部15b、16bを設けることで
、熱容量を大きくすることができる。
さらに、本体部分11中に封入後の仕上げ工程時には、両電極15、16に対し成長工
程としての放電等の処理を行って、両本体部15b、16bの先端側に所望のサイズの突
起である先端部15a、16aを形成することができる。第1及び第2電極15、16の
先端部15a、16aは、発光管1の点灯時における放電の電極間距離を定めるものとな
り、発光管1の動作状態に影響を与える。
図3(A)は、仕上げ工程の第1成長工程前に仮突起である小さな突起15e、16e
が形成された状態の第1電極15及び第2電極16を示す。仮突起は、発光管1に定電力
を供給する通常点灯動作を一定時間行うことにより、形成される。
図3(B)は、第1成長工程において、第1及び第2電極15、16のうち一方の電極
、例えば第1電極15を加熱して先端周辺に溶融部62を発生させると同時に、熱容量が
大きく本体部16bとの接触面積が広い先端部16aを、他方の電極、例えば第2電極1
6に形成した状態を示す。
図3(C)は、第2成長工程において、第1電極15の先端側領域15gの表層の溶融
後に、第1電極15の先端部15aを成長させた状態を示す。
以上の両電極15、16における第1及び第2成長工程の完了により、両電極15、1
6の先端側領域15g、16gの表面が順次滑らかになり、両電極15、16の先端側に
サイズが均等な先端部15a、16aを順次形成することができる。
図4は、図1に示す光源ユニット10を動作させ、電極の成長工程を行わせるための光
源駆動装置70の構成を模式的に示すブロック図である。なお、光源駆動装置70は、通
常点灯動作すなわち光源ユニット10の製造後の製品としての点灯動作も可能である。
光源駆動装置70は、図1等に示す一対の電極15、16間で放電を行うための交流電
流を発生させるとともに、両電極15、16に対する交流電流の供給状態を制御する。光
源駆動装置70は、点灯装置70aと、制御装置70bと、DC/DCコンバータ70c
とを備える。ここで、点灯装置70aと制御装置70bとは、発光管1に電力を供給する
ための駆動装置を構成する。なお、ここでは、一例として、光源駆動装置70が、外部電
源を使用する場合について説明する。つまり、光源駆動装置70は、AC/DCコンバー
タ81に接続されており、AC/DCコンバータ81は、商用電源90に接続されている
。AC/DCコンバータ81は、商用電源90から供給される交流電流を直流に変換する
点灯装置70aは、図1の光源ユニット10を点灯駆動させる回路部分である。点灯装
置70aにより、光源駆動装置70の出力の周波数、デューティ比、正負の電圧比、出力
波形等が調整され、任意の波形、例えば矩形、三角波が出力される。
制御装置70bは、例えば、マイクロプロセッサ等から構成され、点灯装置70aを駆
動制御する。制御装置70bは、電源であるDC/DCコンバータ70cにて生成された
適切な駆動電圧により駆動される。
この制御装置70bは、光源ユニット10の種々の動作を可能にする制御機能を有する
。具体的には、制御装置70bに設けた電力変動制御部74が、点灯開始時に点灯装置7
0aを動作させて光源ユニット10に放電による発光を開始させるとともに、その後の起
動時に点灯装置70aの制御によって光源ユニット10を定電流の交流で駆動し、さらに
その後の通常点灯動作時に点灯装置70aの制御によって光源ユニット10を所望電力の
交流で駆動する。
また、制御装置70bの成長工程動作制御部75は、第1及び第2成長工程における動
作を制御する。すなわち、成長工程動作制御部75は、第1及び第2成長工程の切り替え
を行い、第1及び第2電極15、16の陽極期間中の供給エネルギーをそれぞれ所定のタ
イミングで所定回数増減させる。
図5(A)は、光源駆動装置70の駆動波形の一例を示すグラフであり、図5(B)は
、成長工程の動作のタイミングを示すグラフである。ここで、横軸は時間を示し、縦軸は
それぞれ第1電極15への供給電流値、及び成長工程の動作のオン・オフを示す。また、
図5(B)において、信号SAは第1成長工程のオン・オフ、信号SBは第2成長工程の
オン・オフを示す。
図5(A)に示すように、駆動波形は、通常点灯時波形Taと第1成長工程時波形Tb
と第2成長工程時波形Tcとの3種類で構成されている。両電極15、16への供給エネ
ルギーに対応する供給電流値は、通常点灯時波形Taにおいて、デューティ比が例えば0
.5であり、第1電極15が陽極期間中に電流は値Paに保たれており、第1電極15が
陰極期間中に電流は値−Paに保たれている。図5(B)に示すように、制御装置70b
は、点灯装置70aに対して、これを成長工程で動作させるための成長工程信号を出力す
る。成長工程信号は、第1成長工程信号SAと第2成長工程信号SBとを含み、制御装置
70bによって、各信号が出力されるタイミングが制御されている。そして、電流の値が
正である期間が、第1電極15の陽極期間t1、t2、t3(第2電極16の陰極期間)
となっており、負である期間が、第1電極15の陰極期間T−t1、T−t2、T−t3
(第2電極16の陽極期間)となっている。なお、Tは一周期を表す。図5(A)から明
らかなように、光源駆動装置70は、第1電極15の陽極期間t1、t2、t3と陰極期
間T−t1、T−t2、T−t3との時間比を制御することにより電力制御を行っている
。ここでは、t1=T−t1、t2>T−t2、t3<T−t3となっており、第1成長
工程時波形Tbのデューティ比と第2成長工程時波形Tcのデューティ比とでは逆転した
ようなものとなっている。
第1成長工程では、第1成長工程信号SAがオンになると、図5(A)に示すように、
一周期における第1電極15の陽極期間t2が陰極期間より長い第1成長工程時波形Tb
で所定期間Tp1駆動する。これによって、第1電極15においては、陽極期間のエネル
ギーが、陰極期間のエネルギーより大きいものとなり、先端側領域15gの一部が溶融し
て溶融部62が発生する(図3(B)参照)。一方、他方の電極となる第2電極16は、
その陽極期間(T−t2)のエネルギーを陰極期間のエネルギーより小さくすることで、
熱容量が大きく本体部16bとの接触面積が広い先端部16aが形成される(図3(B)
参照)。なお、本実施形態の説明において、両電極15、16への陽極期間中の供給エネ
ルギーとは、着目する電極が陽極として働く時間における消費電力の累積値をいう。
第2成長工程では、第2成長工程信号SBがオンになると、第1成長工程時波形Tbか
ら第2成長工程時波形Tcに移行し、一周期における第1電極15の陽極期間t3が陰極
期間より短い第2成長工程時波形Tcで所定期間Tp2駆動する。これによって、第1電
極15においては、陽極期間のエネルギーが、陰極期間のエネルギーより小さいものとな
り、先端部15aが成長する(図3(C)参照)。一方、第2電極16は、その陽極期間
(T−t3)のエネルギーが陰極期間のエネルギーより大きくなり先端部16a及び先端
側領域16gの表層はわずかに溶けるものの、第1成長工程にて熱容量が大きく本体部1
6bとの接触面積が広い先端部16aが形成されているので、先端部16aの位置及び形
状が維持される。
なお、具体的な条件として、例えば陽極期間比a=t2/T、b=t3/Tは、0.5
<a<1及び0<b<0.5の範囲となっている。
ここで、第1電極15の陽極期間が長く、陰極期間が短く、第2電極16の陽極期間が
短く、陰極期間が長い場合に、陰極期間が長い第2電極16で突起が成長する仕組みにつ
いては、次のように推測される。
第1電極15が陽極のとき、陽極期間が長いために電極の温度が高くなっている。その
ため、第1電極15の本体部15bからタングステンが蒸発する。蒸発したタングステン
は陽イオンとなり、陰極になっている第2電極16に向かって、静電力によって移動する
。この際、第2電極16は、陽極期間が短く、温度が低くなっているので、タングステン
が固着しやすい状態にある。そのため、第1電極15で蒸発し、陽イオンとなったタング
ステンが第2電極16付近に移動すると、第2電極16に付着する。これと同様の現象が
、第1電極15が陰極、第2電極16が陽極の時にも起こっているが、極性が逆のときに
比べて期間が短く、そのため、第2電極16はそれほど高温にはならず、第2電極16か
らの電極蒸発量が少ない。したがって、第1電極15は、蒸発量の方が固着量より多く、
第2電極16は、固着量の方が蒸発量より多いため、第2電極16において突起成長が起
こると考えられる。
図6は、図5(A)に示す光源駆動装置70の動作に関する変形例を示すグラフである
。この場合、第1成長工程信号SAがオンになった際に、供給電流値を増加させるが、こ
の際、第1成長工程時波形Tbにおいて元の矩形波に対して鋸歯状の波形を重畳させその
ピーク値(例えばPc)を調節した三角波とし、その後、第2成長工程信号SBがオンに
なった際にも、第2成長工程時波形Tcにおいて同様にピーク値(例えば−Pc)を調整
した三角波とし、両信号SA、SBがオフになった際に、通常点灯時波形Taにおいて元
の矩形波に戻す。各周期における2つの極性のうち期間が長い方の駆動波形を三角波にす
ることにより、陰極期間が長くなる電極(第1電極15又は第2電極16)の温度が低下
しすぎることによるフリッカの発生が抑制され、一定の位置に集中的に先端部15a、1
6aが形成される。この場合も、成長工程での動作により、先端側領域15g、16gの
表面は滑らかになり、両電極15、16に先端部15a、16aを形成させることができ
る。なお、三角波による電流増加は、図示のように一様な場合に限らず、一周期における
2つの極性期間のうち少なくとも期間が長い方の駆動波形のピークが極性の切り替わる直
前に存在するように様々な波形に設定することができる。これにより、発光管1の使用開
始から長期間にわたってフリッカやアークジャンプが生じることを防止でき、投射像のチ
ラツキ、照度ムラや照度低下を長期間にわたって抑える光源ユニットを製造することがで
きる。
以下、第1及び第2成長工程を含む仕上げ工程時における動作について詳細に説明する

この仕上げ工程では、発光管1の本体部11の中に封入されている第1及び第2電極1
5、16のうち一方の電極に対する陽極期間中の供給エネルギー及び他方の電極に対する
陽極期間中の供給エネルギーを順次多くしたり少なくしたりする点灯動作が行われる。以
下に説明する成長工程は、第1及び第2電極15、16のうち一方の電極先端部の溶解及
び他方の電極先端部の形成を行う第1成長工程と当該一方の電極先端部の形成を行う第2
成長工程とで構成される。
図7は、仕上げ工程時の光源駆動装置70の動作例を説明するフローチャートである。
制御装置70bは、点灯スイッチの動作を検出して処理を開始する。まず、制御装置7
0bは、点灯装置70aを動作させて光源ユニット10の発光管1に対し放電を開始させ
る(ステップS11)。
次に、制御装置70bは、電力変動制御部74を介して点灯装置70aを適宜動作させ
、光源ユニット10の発光管1を定電流で発光させる(ステップS12)。これにより、
光源ユニット10の発光輝度が徐々に上昇し、光源ユニット10の発光輝度を目標値まで
高めることができる。
その後、制御装置70bは、光源ユニット10の発光管1への供給電力が目標値に達し
たことを検出した段階で、電力変動制御部74を介して点灯装置70aを適宜動作させ、
発光管1に定電力を供給する通常点灯動作に切り替え、図3(A)に示すような小さな仮
突起15e、16eを形成させる(ステップS13)。
次に、第1成長工程信号SAがオンになると、第1成長工程において、制御装置70b
は、成長工程動作制御部75を介して点灯装置70aを適宜動作させ、第1及び第2電極
15、16のうち一方の電極の陽極期間中の供給エネルギーが他方の電極の陽極期間中の
供給エネルギーよりも大きい第1成長時波形Tbにて発光管1を所定期間Tp1駆動させ
る(ステップS14)。具体的に説明すると、成長工程動作制御部75は、第1及び第2
電極15、16に対する駆動波形のデューティ比を調整して、両電極15、16のうち一
方の電極の陽極デューティ比(交流出力の陽極期間の割合)を大きくする。すなわち、第
1成長時波形Tbは、一方の電極(例えば第1電極15)については他方の電極(例えば
第2電極16)よりも陽極期間が長く、他方の電極については一方の電極よりも陰極期間
が長い波形となる。図3(B)に示すように、第1電極15(一方の電極)の本体部15
bの先端側領域15gの一部及び小さな突起15eが溶融した溶融部62が発生し、第2
電極16(他方の電極)に小さな突起16eを基として熱容量が大きくその本体部16b
との接触面積が広い損傷しにくい先端部16aが十分に形成されるまでの所定期間、この
ようなデューティ比の第1成長時波形Tbで発光管1を駆動する。
その後、第2成長工程信号SBがオンになると、第2成長工程において、制御装置70
bは、成長工程動作制御部75を介して点灯装置70aを適宜動作させ、第1成長工程と
は逆に一方の電極の陽極期間中の供給エネルギーが他方の電極の陽極期間中の供給エネル
ギーよりも小さい第2成長工程時波形Tcにて発光管1を所定期間Tp2駆動させる(ス
テップS15)。つまり、陽極デューティ比を通常点灯時よりも減少させ、第1電極15
に先端部15aを成長させる第2成長工程を行う(ステップS15)。具体的に説明する
と、成長動作制御部75は、第1及び第2電極15、16に対する駆動波形のデューティ
比を調整して、第1成長工程において溶融部62を発生させた第1電極15(一方の電極
)の陰極デューティ比(交流出力の陰極期間の割合)を大きくする。すなわち、第2成長
工程時波形Tcは、第1成長工程において溶融部62を発生させた一方の電極(例えば第
1電極15)については他方の電極(例えば第2電極16)よりも陰極期間が長く、他方
の電極については一方の電極よりも陽極期間が長い波形となる。図3(C)に示すように
、第1電極15(一方の電極)に熱容量が大きくその本体部15bとの接触面積が広い損
傷しにくい先端部15aが十分に形成されるまでの所定期間、このようなデューティ比の
第2成長工程時波形Tcで発光管1を駆動する。
成長工程が終了すると、第1及び第2電極15、16の駆動波形のデューティ比を通常
点灯動作時の値に戻し、通常点灯動作時の放電状態の確認を行う(ステップS16)。つ
まり、両電極15、16に対して増減されていた供給エネルギーが通常点灯動作時の値、
すなわち定供給エネルギーに戻される。
以上において、第1及び第2成長工程が実行される上記所定期間Tp1、Tp2は、供
給されるエネルギー量やデューティ比、発光管1のパラメータを考慮して、陽極期間中の
供給エネルギーが減少される電極に、熱容量が大きくその本体部との接触面積が広い先端
部が充分に形成されるまでの期間であり、事前にシミュレーションや実験などによって設
定される。
なお、第1及び第2成長工程での動作は、陽極期間を調整するだけでなく、点灯装置7
0aの電流値、波形等を調整することによっても可能である。以上のような動作を達成す
るため、電力変動制御部74は、制御プログラムにしたがって、点灯装置70aの動作を
管理し、点灯装置70aから図1の光源ユニット10のリード線18a、18bに供給さ
れる駆動電圧及び駆動電流を制御する。これにより、両電極15、16に対する駆動波形
を調整し、具体的には陽極期間中及び陰極期間中における電流の絶対値の最大値を調整し
、或いは矩形波に対して鋸歯状の波形を重畳させて得た三角波のピーク高さを調整するこ
とができる。
以上の成長工程により作製された第1電極15及び第2電極16では、電極を一旦溶解
させてから再度先端部15a、16aを形成するので、先端部15a、16aの熱容量が
大きく電極本体部15b、16bとの接触面積が広い電極15、16にすることができる
。したがって、点灯累積時間が長期間となっても先端部15a、16aの形状を維持しア
ークを安定して発生させ後段の光学系へ安定した光を入射させることができ、後述する投
射像の色ムラや照度低下を長期間にわたって抑えることができる。
図8は、光源ユニット10を組み込んだ実施形態のプロジェクタの構造を説明するため
の概念図である。プロジェクタ200は、上記実施形態の光源ユニット10を組み込むこ
とにより製造される。このプロジェクタ200は、光源装置100と、照明光学系20と
、色分離光学系30と、液晶ライトバルブ40a、40b、40cと、クロスダイクロイ
ックプリズム50と、投射レンズ60とを備える。
上記プロジェクタ200において、光源装置100は、図1に示した光源ユニット10
と、光源駆動装置70とを備え、照明光学系20等を介して液晶ライトバルブ40a、4
0b、40cを照明するための照明光を発生する。光源ユニット10の製造において用い
た光源駆動装置70は、光源ユニット10の通常点灯時においても用いられる。つまり、
図7に示したように、光源駆動装置70の制御装置70bは、点灯装置70aによる放電
をし(ステップS11)、定電流駆動により発光管1を発光させ(ステップS12)、定
電力駆動により通常点灯動作を行う(ステップS13)。
照明光学系20は、光源光の光束方向を平行化する光平行化手段である平行化レンズ2
2と、光を分割して重畳するためのインテグレータ光学系を構成する第1及び第2フライ
アイレンズ23a、23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイ
レンズ23a、23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25と、光の光路を折り曲げるミ
ラー26とを備え、これらにより均一化された略白色の照明光を形成する。照明光学系2
0において、平行化レンズ22は、光源ユニット10から射出された照明光の光束方向を
略平行に変換する。第1及び第2フライアイレンズ23a、23bは、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の要素レンズからなり、第1フライアイレンズ23aを構成する要
素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光し、第2フライアイレ
ンズ23bを構成する要素レンズによって第1フライアイレンズ23aからの分割光束を
適当な発散角にして射出させる。偏光変換素子24は、PBS、ミラー、位相差板等を一
組の要素とするアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された
各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。重畳レンズ25は、偏
光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置であ
る液晶ライトバルブ40a、40b、40cの被照明領域に対する重畳照明を可能にする
色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bと、反射ミラ
ー32a、32b、32cと、3つのフィールドレンズ33a、33b、33cとを備え
、照明光学系20により均一化された照明光を赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3色
に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a、40b、40cへ導く。
より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうち
R光を透過させG光及びB光を反射する。また、第2ダイクロイックミラー31bは、G
Bの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。次に、この色分離光学系30において、
第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、反射ミラー32aを経て入射角度を
調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー3
1aで反射され、さらに、第2ダイクロイックミラー31bでも反射されたG光は、入射
角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイック
ミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1、LL2及び反射ミラー32b、3
2cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。
液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調
する非発光型の光変調装置であり、色分離光学系30から射出された各色光に対応してそ
れぞれ照明される3つの液晶パネル41a、41b、41cと、各液晶パネル41a、4
0b、41cの入射側にそれぞれ配置される3つの第1偏光フィルタ42a、42b、4
2cと、各液晶パネル41a、41b、41cの射出側にそれぞれ配置される3つの第2
偏光フィルタ43a、43b、43cとを備える。第1ダイクロイックミラー31aを透
過したR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液
晶ライトバルブ40aの液晶パネル41aを照明する。第1及び第2ダイクロイックミラ
ー31a、31bの双方で反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ラ
イトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bの液晶パネル41bを照明する。第
1ダイクロイックミラー31aで反射され、第2ダイクロイックミラー31bを透過した
B光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライ
トバルブ40cの液晶パネル41cを照明する。各液晶パネル41a〜41cは、入射し
た照明光の偏光方向の空間的強度分布を変調し、各液晶パネル41a〜41cにそれぞれ
入射した3色の光は、各液晶パネル41a〜41cに電気的信号として入力された駆動信
号或いは画像信号に応じて、画素単位で偏光状態を調節される。この際、第1偏光フィル
タ42a〜42cによって、各液晶パネル41a〜41cに入射する照明光の偏光方向が
調整されるとともに、第2偏光フィルタ43a〜43cによって、各液晶パネル41a〜
41cから射出される変調光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。以上により、
各液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、それぞれに対応する各色の像光を形成す
る。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a、40b、40cか
らの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50
は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼
り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a、51bが形成されて
いる。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51b
は、B光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aか
らのR光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ4
0bからのG光を誘電体多層膜51a、51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバル
ブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このよ
うにして、クロスダイクロイックプリズム50によりR光、G光及びB光が合成され、カ
ラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系であり、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成
された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの
画像を投射する。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能
である。
以上で説明した光源装置100において、第1成長工程時波形Tbと第2成長工程時波
形Tcとの間に通常点灯時波形Taを挿入してもよい。また、第1成長工程時波形Tb、
第2成長工程時波形Tc、及び通常点灯時波形Taは連続でも、それらの間に異なる駆動
波形が挿入されてもよい。さらに、第1成長工程時波形Tbと第2成長工程時波形Tcの
デューティ比等は、駆動波形ごとに設定されてもよい。また、第1成長工程時波形Tb、
第2成長工程時波形Tc及び通常点灯時波形Taのそれぞれの周期は一致している必要は
なく、それぞれ異なる周期でもよい。さらにまた、第1成長工程時波形Tb、第2成長工
程時波形Tc及び通常点灯時波形Taは、それぞれその途中で周波数やデューティ比を変
化させてもよい。
以上で説明した光源装置100の仕上げ工程では、ステップS14の第1成長工程にお
いて、第1電極15に溶融部62を発生させるとともに、第2電極16に完全な先端部1
6aを形成し、ステップS15の第2成長工程において、第2電極15に完全な先端部1
5aを形成させていた。しかし、ステップS14の第1成長工程において、第2電極16
に完全な先端部16aが形成されなくても第1電極15に溶融部62が発生した時点で、
ステップS15の第2成長工程に移行し第1電極15に完全な先端部15aを形成させる
とともに、第2電極16に溶融部62を発生させ、その後、再度ステップS14と同様の
第1成長工程時波形Tbで発光管1を駆動して第2電極16に完全な先端部16aを形成
させてもよい。
以上で説明した光源ユニット10の製造方法において、上記実施形態では、第1及び第
2電極15、16を発光管1に封入した状態で先端部15a、16aを成長させたが、発
光管1に封入しない状態、例えば、チャンバ等に電極を相対させて配置し、放電すること
によって先端部を成長させてもよい。なお、この場合、2つの電極のうち1つは成長工程
専用にし、製品となる電極に対してのみ第1及び第2成長工程を行うこととしてもよい。
以上で説明した光源ユニット10の製造方法において、上記実施形態では、図7におい
て、各電極15、16について第1及び第2成長工程を順番に所定期間行う動作について
説明したが、図9のように、制御装置70bにより両電極15、16の先端部15a、1
6aのサイズが均等になったか否かを自動的に判断し(ステップS17)、先端部15a
、16aのサイズが均等になるまで両電極15、16の成長工程(ステップS14〜S1
6)を行うようにしてもよい。
以上説明した光源装置において、光源ユニット10に用いるランプとしては、高圧水銀
ランプやメタルハライドランプ等種々のものが考えられる。
また、上記実施形態のプロジェクタ200では、光源装置100からの光を複数の部分
光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a、23bを用いていたが、この発明
は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用
可能である。さらに、フライアイレンズ23a、23bをロッドインテグレータに置き換
えることもできる。
また、上記プロジェクタ200において、光源装置100からの光を特定方向の偏光と
する偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用い
ないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について
説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「
透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを
意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意
味している。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用い
た光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェ
クタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがある
が、図8に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶パネル41a〜41cを用いたプロジェクタ20
0の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの
液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタ
にも適用可能である。
また、上記実施形態では、色分離光学系30や液晶ライトバルブ40a、40b、40
c等を用いて各色の光変調を行っているが、これらに代えて、例えば光源装置100及び
照明光学系20によって照明されるカラーホイールと、マイクロミラーの画素によって構
成されカラーホイールの透過光が照射されるデバイスとを組み合わせたものを用いること
によって、カラーの光変調及び合成を行うこともできる。
光源ユニットについて説明する断面図である。 一対の電極の先端周辺部についての一例を示す拡大図である。 図2の電極の先端部分の状態の変化を説明する模式図である。 光源ユニットに組み込まれた電流駆動装置の構成を示すブロック図である。 (A)、(B)は動作波形等の一例を示すグラフである。 図5(A)に示す動作の変形例を説明するグラフである。 光源ユニットの動作を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。 図7に示す光源ユニットの動作の変形例を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…発光管、 2…リフレクタ、 3…副鏡、 10…光源ユニット、 11…本体部
分、 12…放電空間、 13…第1封止部、 14…第2封止部、 15、16…電極
、 15a、16a…先端部、 15b、16b…本体部、 15c、16c…コイル部
、 15d、16d…芯棒、 15g、16g…先端側領域、 17a、17b…金属箔
、 18a、18b…リード線、 20…照明光学系、 22…平行化レンズ、 23a
、23b…フライアイレンズ、 24…偏光変換素子、 25…重畳レンズ、 30…色
分離光学系、 31a、31b…ダイクロイックミラー、 40a、40b、40c…液
晶ライトバルブ、 41a、41b、41c…液晶パネル、 42a、42b、42c…
第1偏光フィルタ、 43a、43b、43c…第2偏光フィルタ、 50…クロスダイ
クロイックプリズム、 60…投射レンズ、 70…光源駆動装置、 70a…点灯装置
、 70b…制御装置、 70c…DC/DCコンバータ、 74…電力変動制御部、
75…成長工程動作制御部、 81…AC/DCコンバータ、 100…光源装置、 2
00…プロジェクタ、 OA…システム光軸

Claims (9)

  1. 第1電極及び第2電極を有する発光管を備える放電ランプの製造方法であって、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の電極の本体部の先端側の表層を溶か
    し、他方の電極の本体部の先端側に先端部を突起状に成長させる第1成長工程と、
    前記一方の電極の本体部の先端側に先端部を突起状に成長させる第2成長工程と、
    を備える放電ランプの製造方法。
  2. 前記第1成長工程において前記一方の電極の陽極期間を前記他方の電極の陽極期間より
    長くし、前記第2成長工程において前記一方の電極の陽極期間を前記他方の電極の陽極期
    間より短くする請求項1記載の放電ランプの製造方法。
  3. 前記第1成長工程において、前記第1電極及び前記第2電極に対する駆動波形のデュー
    ティ比を通常点灯時の駆動波形のデューティ比に対して変化させ、前記一方の電極の陽極
    期間比をaとし、前記他方の電極の陽極期間比を1−aとして、以下の条件式
    0.5<a<1
    を満足する請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の放電ランプの製造方法。
  4. 前記第2成長工程において、前記一方の電極の陽極期間比をbとし、前記他方の電極の
    陽極期間比を1−bとして、以下の条件式
    0<b<0.5
    を満足する請求項3記載の放電ランプの製造方法。
  5. 前記第1成長工程及び前記第2成長工程は、複数回繰り返し行われる、請求項1から請
    求項4までのいずれか一項記載の放電ランプの製造方法。
  6. 前記第1成長工程前に前記発光管に定電力を供給する通常点灯動作を行い前記第1電極
    及び前記第2電極に仮突起を形成させる、請求項1から請求項5までのいずれか一項記載
    の放電ランプの製造方法。
  7. 一周期における2つの極性期間のうち少なくとも期間が長い方の駆動波形のピークが極
    性の切り替わる直前に存在する波形にする、請求項1から請求項6までのいずれか一項記
    載の放電ランプの製造方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項記載の放電ランプの製造方法によって製造さ
    れた光源ユニットと、
    前記光源ユニットに電流を供給する光源駆動装置と、
    を備える光源装置。
  9. 第1電極及び第2電極を有する放電ランプを備える光源装置と、前記光源装置からの照
    明光によって照明される光変調装置と、前記光変調装置によって形成された像光を投射す
    る投射光学系と、を備えるプロジェクタの製造方法であって、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の電極の陽極期間を他方の電極の陽極
    期間より長くすることによって、前記一方の電極の本体部の先端側の表層を溶かしながら
    前記他方の電極の本体部の先端側に先端部を突起状に成長させる第1成長工程と、
    前記一方の電極の陽極期間を前記他方の電極の陽極期間より短くすることによって、前
    記一方の電極の本体部の先端側に先端部を突起状に成長させる第2成長工程と、
    を備えるプロジェクタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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