JP2008300017A - 薄型貼り合わせ基板及び薄型貼り合わせ基板製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易かつ安価に製造することができ、薄型基板が均一に貼り合わされていて接着剤の漏れ出しがなく、面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性がよい薄型貼り合わせ基板を提供する。
【解決手段】センタホールを有する2枚の円板状の薄型基板を中心を揃えて接着剤で貼り合わせた薄型貼り合わせ基板であって、各々の前記薄型基板のセンタホール付近が互いの方向に向かって、又は、同じ方向に一様に反っている。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄型貼り合わせ基板に関する。本発明は、薄型貼り合わせ基板製造方法にも関する。
近年、光ディスクの高容量化を図る様々な試みがなされており、中でも光ディスク基板の厚みを薄くして体積当たりの容量を増やすことが注目されている。例えば、特許文献1では、薄型光ディスクとその薄型光ディスクの面ぶれが少なく安定に回転させるためのスタビライザーとを組み合わせることにより、体積当たりの記録容量を増加させた記録再生システムが提案されている。
しかし、基板の厚さが薄くなり更には光ディスクの基板が単板であると、記録層とのバイメタル効果によって基板が大きく変形するという問題がある。こうした基板変形に対処するためには、従来より知られている方法、即ち基板を2枚貼り合わせて上下対象構造の光ディスクを作製するのが効果的である。薄型光ディスクについても、2枚の薄型シートを貼り合わせる方法が基板変形を抑えるのに効果的であるためこれを適用できる。例えば、特許文献2、3には、エアを吹き付けて薄型シートを平坦に保持しながら貼り合わせる技術が開示されている。
また、貼り合わせ方法そのものに関しては、2P法(光硬化法)による多層膜の形成方法を基板の貼り合わせに応用することも可能である。例えば、特許文献4には、2P法に用いる接着剤をあらかじめ基板上に拡げておき、基板を回転させて振り切り、硬化させる技術が開示されている。
特開2003−91970号公報 特開2000−048419号公報 特開2005−216426号公報 特開平09−161329号公報
しかしながら、上記特許文献2、3に開示されているような光ディスク基板の貼り合わせによる製造方法では、エアを吹き付けて平らにする機構や静電チャック機構が必要なため、これらの機構を通常備えない従来用いているスピンコート装置などを利用することができないという問題があった。さらに、薄型基板同士を貼り合わせる際に両方の薄型基板をエアによって平らに設置するのは機構的により複雑になり、また、薄型基板同士を静電チャックによって固定すると、発生した静電気自身によって接着剤の塗布ムラが生じるという問題もあった。
また、特許文献4に開示されているような2P法などを、基板剛性の小さい例えば0.3mm厚の薄型光ディスク基板同士の貼り合わせの場合に適用すると、面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性が十分に良くならないことが本発明者らの実験により明らかとなっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、容易かつ安価に製造することができ、薄型基板が均一に貼り合わされていて接着剤の漏れ出しがなく、面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性がよい薄型貼り合わせ基板を提供しようとするものである。
本発明の薄型貼り合わせ基板は、センタホールを有する2枚の円板状の薄型基板を中心を揃えて接着剤で貼り合わせた薄型貼り合わせ基板であって、各々の前記薄型基板のセンタホール付近が互いの方向に向かって一様に反っていることを特徴とする。このようにすれば、接着剤の量が多い場合においてもセンタホールから接着剤が漏れ出ることがなく、面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性がよい薄型貼り合わせ基板を製造することができる。
各々の前記薄型基板のセンタホール付近が同じ方向に向かって一様に反っているようにしてもよい。
また、3枚以上のセンタホール付近が反っている薄型基板を、各々のセンタホール付近が同じ方向に反っているように貼り合わせてもよい。
さらには、3枚以上のセンタホール付近が反っている薄型基板を、いくつかの前記薄型基板から成る第1の組はセンタホール付近が同じ方向に向かって反っているように貼りあわされており、残りの前記薄型基板から成る第2の組は前記センタホール付近が同じ方向に向かって反っているように貼りあわされており、前記第1の組と前記第2の組とは、前記センタホール付近が互いの方向に向かって反っているように貼り合わさっているようにしてもよい。
本発明によれば、容易かつ安価に製造することができ、薄型基板が均一に貼り合わされていて接着剤の漏れ出しがなく、面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性がよい薄型貼り合わせ基板を製造することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の薄型貼り合わせ基板とその製造方法及びそれを実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1〜図4は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
本発明者らは、面ぶれ及び面ぶれ加速度が低減された薄型貼り合わせ基板を、従来のスピンコート装置を用いて安価に製造できる方法を模索した。
本発明者らは、従来から用いてきたスピンコート装置に、薄型基板を支持するためのターンテーブルを別に用意し、そのターンテーブル上に0.3mm厚の薄型基板を載置して種々の実験を繰り返した。しかし、薄型基板は従来の0.6mm厚の厚い基板とは異なる挙動を示し、面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性が良好な薄型貼り合わせ基板を作製するのが困難であった。本発明者らは、この原因が薄型基板自身の剛性が低いためであることを見出し、その改善を図った。その結果、接着剤の量を十分多くして、クランプエリア内周部まで接着剤が行き渡るようにすることが解決策になることを発見した。一方、接着剤の量を過度に多くすると、センタホールから接着剤がはみ出し、薄型貼り合わせ基板の偏心が大きくなるなどの問題が生じた。
なお、従来の0.6mm厚基板の場合には、接着剤溜まりとなる窪みを射出成形時に基板のクランプエリアに作ることが出来たが、薄型基板の場合に上記のような窪みを設けると厚み自体が大きく増してしまい、体積当たりの記録容量が下がってしまうという問題が有る。
この問題を解決するため、本発明の薄型貼り合わせ基板では、接着剤の量が多い場合においてもセンタホールから接着剤が漏れ出ないようにするため、センタホール付近が一方の側に一様に反った薄型基板を用いるようにした。
図1及び図2は、本発明の薄型貼り合わせ基板の構造を示す断面図である。
センタホール付近が反った2枚の薄型基板を、図1に示すように各々のセンタホール部付近が互いの方向に向かって反るように貼り合わせて薄型貼り合わせ基板を製造すれば、図1に示すようにセンタホール付近の反り部同士が接することにより、内周部が封入されたような形になる。このような構造にすることにより、平らな薄型基板同士を貼り合わせる場合と比較して、遙かにセンタホール部からの接着剤の漏れ出しが少なくなる。反り部は、貼り合わせの際のターンテーブルへのクランプにより、製造時に矯正されてほぼ平らになるため、使用時に体積当たりの記録容量が下がることは最低限に抑えることができる。
また、図2に示すように、2枚の薄型基板を、各々のセンタホール付近における反りが同じ向きになるように貼り合わせるようにしてもよい。このようにした場合、一方の薄型基板の反り部が他方の薄型基板に接することにより、内周部が封入されたような形になり、図1に示す構造と同様の効果が得られる。
図1及び図2に示す薄型貼り合わせ基板は、以後の接着剤の振り切りによってほぼ同じ厚さになる。接着剤層の厚さ(すなわち薄型張り合わせ基板の厚さ)は、接着剤粘度と、振り切りの際の回転数とに依存する。
本発明の薄型貼り合わせ基板は、3枚以上の薄型基板を貼り合わせたものであってもよい。図3及び図4は、各々6枚の薄型基板を貼り合わせた薄型貼り合わせ基板の構造を示す断面図である。図3に示す例では、真ん中の2枚の薄型基板を各々のセンタホール部付近が互いの方向に向かって反るように配置し、上の3枚の薄型基板と、下の3枚の薄型基板とを、それぞれ、センタホール付近における反りが同じ向きになるように配置している。センタホール部が向かい合う方向に反っている2枚の薄型基板は、真ん中の2枚でなくてもかまわない。図4に示す例では、すべての薄型基板のセンタホール部の反りが同じ方向を向くように配置している。
本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法について説明する。本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法においては、まず、ナノインプリント法によって薄型基板にスタンパのパターンを転写し(ナノインプリント工程)、パターンを転写された薄型基板を貼り合わせて(貼り合わせ工程)薄型貼り合わせ基板を製造する。
図5は、本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法の一実施形態におけるナノインプリント工程における冶具構成を示す図である。スタンパ100を、シリコンゴムシート101を介してスタンパホルダ治具102によって支え、スタンパ100上に薄型基板103を配置し、薄型基板103上に鏡面治具104を配置する。ここでシリコンゴムシート101は各種治具の面精度を吸収するための弾性体であり、ナノインプリント時の熱に耐える素材としている。スタンパホルダー治具102は、円板状であり、一方の面の中心には、スタンパ100、シリコンゴムシート101、薄型基板103、鏡面冶具104のセンタホールに嵌るピン105が立てられている。薄型基板103は、例えばポリカーボネート製とし、あらかじめ円板状にカットし、センタホールを打ち抜いておき、センタホールをスタンパホルダ冶具102のピン105に通して設置する。鏡面治具104も円板状でセンタホールが形成されており、スタンパホルダ102のピン105が通される構造となっている。なお、鏡面治具104の薄型基板103に対する面は、薄型貼り合わせ基板から最終的に製造される光ディスクの記録再生特性が劣化しないように、十分な鏡面精度を持っている。
本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法におけるナノインプリント工程は、図6に示すような手順で行う。ステップS601において、スタンパホルダ冶具102上に、シリコンゴムシート101を介してスタンパ100を設置し、さらにその上に薄型基板103を設置する。ステップS602において、薄型基板103上に鏡面冶具104を設置する。ステップS603において、一連の冶具及び薄型基板103を熱ナノインプリント装置によってプレ加熱し、冶具及び薄型基板103を、薄型基板103のガラス転移点温度付近まで加熱する。ステップS604において、冶具にセットした薄型基板103を、熱ナノインプリント装置によって本加熱及び加圧する。この際、薄型基板103を、そのガラス転移点温度(ポリカーボネートの場合、約150度)以上に加熱する必要がある。ステップS605において、冶具をセットした薄型基板103を冷却台に移し、適切な温度まで冷却する。ステップS606において、スタンパ100から薄型基板103を剥離する。ステップS607において、スタンパ100のパターンを転写された薄型基板103を積載しておき、ステップS601に戻って次の薄型基板103のナノインプリント工程を行う。
ステップS604の加熱の際、熱膨張により薄型基板103のセンタホールの内径が小さくなり、ピン105の外径とほぼ同じになるサイズのセンタホールを薄型基板103に設けておく。このようにすれば、ステップS606において、薄型基板103は、鏡面冶具104にくっついたままスタンパ100から剥離されて薄型基板103のセンタホールがスタンパホルダ冶具102のピン105から抜ける際、図5下部に示すように薄型基板103のセンタホール付近に剥離方向と逆方向に反りが生じる。
次に上記ナノインプリント法によって作製された薄型基板を用いて、以下に示すような貼り合わせ工程を行った。
図7は、本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法における貼り合わせ工程で用いるスピンコート装置の構成の一例を概略的に示す図である。回転台200上にターンテーブル202を配置し、ターンテーブル202上に薄型基板201を配置し、クランプ203にて固定し、ターンテーブル202を回転させて、接着剤の展開、振り切りや薄型基板同士の貼り合わせを行う。ターンテーブル202の内周部には、薄型基板201の内周部を下方から持ち上げるためのスペーサー204を配置している。薄型基板201は、上方のクランプ203と下方のスペーサー204とに挟まれて保持される。スペーサー204により、薄型基板201とターンテーブル202の間には、間隙が確保される。
この状態でターンテーブル202を回転させると、スペーサー204の外周端付近を起点として、薄型基板201とターンテーブル202との間隙の空気が遠心力により内周から外周へと移動し、更に貫通孔205から流入する空気によって内周から外周への定常的な空気流が発生する。これにより、静止時に静電気によってできた局所的なエア噛み現象が全面的に取り除かれる。スペーサー204によってできる薄型基板201とターンテーブル202との間隔は、通常0.01〜0.5mmであるのが望ましい。
本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法における貼り合わせ工程は、図8に示すような手順で行う。2枚の薄型基板を貼り合わせる例を説明する。ステップS801において、第一の薄型基板(薄型基板Aと呼ぶ)をターンテーブル202上に設置する。ステップS802において、薄型基板A上に接着剤を付し、ターンテーブル202を回転させて所定のコート条件で接着剤を展開する。この際のコート条件の一例は、図9の表1に示すコート条件Aである。この際には、ターンテーブル202の回転数が遅いため、薄型基板Aをクランプ203で固定する必要はない。ステップS803において、ターンテーブル202上の薄型基板Aと中心軸を合わせながら、もう一方の薄型基板(薄型基板Bと呼ぶ)をその上に重ね合わせる。ステップS804において、クランプ203によって両方の薄型基板を固定する。
ここで、上記貼り合わせ工程で用いる薄型基板A及びBのセンタホールには、ナノインプリントの剥離工程に伴って図1に示すような円周上の反りが形成されている。このため、ステップS803で薄型基板Bを薄型基板Aに重ね合わせる際には、図1に示すように、薄型基板Aと薄型基板Bの各々のセンタホールにおける反りが互いに向かい合うように重ねる。このようにすれば、反りが貼り合わせの間の接着剤をせき止めるように配置されるため、接着剤がセンタホール部から漏れ出さない。貼り合わせに際して用いる接着剤の量をクランプエリアのほぼ全体に渡るような量にしても、上記センタホール部の構造により、接着剤が漏れ出すことはない。
また、図2に示すように、薄型基板Aと薄型基板Bの各々のセンタホールにおける反りが同じ向きになるように薄型基板Aと薄型基板Bを重ねるようにしてもよい。このようにした場合、一方の薄型基板が他方の薄型基板に向かって反っているため、センタホールからの接着剤の漏れはある程度防止される。
ステップS805において、薄型基板A及び薄型基板Bを、例えば図9の表2に示すコート条件Bによって回転させ、両者間の接着剤を振り切る。接着剤として紫外線硬化樹脂を使用する場合、ステップS806において、薄型基板A及び薄型基板Bに紫外線照射装置から紫外線を照射し、接着剤を硬化させる。ステップS807において、ターンテーブル202の回転を停止し、貼り合わされた薄型基板A及び薄型基板Bをターンテーブル202から取り外して、薄型貼り合わせ基板が完成する。
上記の工程を同様に繰り返すことにより、図3又は図4に示すような3枚以上の薄型基板から成る薄型貼り合わせ基板を製造することもできる。
以上の工程により、本発明による面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性が向上し、かつセンタホール部からの接着剤漏れが無い薄型貼り合わせ基板を製造することができる。以下に、より具体的な実施例を記載する。
<実施例>
まず、保護シートが片面に付いた厚さ92μmのPC(ポリカーボネート)製シートを用意した。該PCシートのガラス転移点(Tg)は、150℃であった。PCシートは、保護フィルムとともに、当初ロール状に巻かれており、保護シート剥離機構とその巻き取り機構、集中除電器による帯電防止機構、及び内外径加工(裁断)機などにより、内径φ15.10mm、外径φ120mmの円板状に成形した。これが薄型基板である。
成形された薄型基板を、ロボットアームによって以下に述べる治具に適切に設置した。本実施例で用いた治具セットは、以下に述べるものである。即ち、0.3mm厚、内径φ15.08mm、外径φ138mmのNi製光ディスク用スタンパと、外径φ15.05mm、高さ20mmの円柱状のピンが中心位置に立った、外径φ140mm、厚さ3mmのSUS420製スタンパホルダー治具と、外径φ140mm、内径φ15.08mm、厚さ3mmのSUS420製の円板状鏡面治具とから成る冶具セットを用意した。このような冶具セットに前記薄型基板を、図5を参照して説明したように設置した。すなわち、スタンパホルダー冶具上にシリコンシートを介してスタンパを配置し、その上に薄型基板を配置し、その上に鏡面冶具を配置した。
上記治具セットに設置した薄型基板を、別に用意した精密な加熱加圧制御が可能な平行平板のシート熱ナノインプリント装置に入れ、適切な温度と圧力下でナノインプリントを行った。その後、治具セットに設置した薄型基板をナノインプリント装置から取り出し、冷却し、更にスタンパから薄型基板を剥離した。ここで、上記ナノインプリント時には、薄型基板自身の熱膨張とプレス圧により、薄型基板のセンタホールの内径は元の内径より縮み、おおよそスタンパホルダ治具のセンタピン外径と同じになる。更にスタンパからの剥離工程によって剥離方向と逆側に、図5下部に示すようにセンタホール部が反りをもつようになる。反り部の大きさは、用意する薄型基板のセンタホールの内径、スタンパホルダ治具のセンタピン外径などによって変えることができるが、本実施例の場合には約50μmの高さを持つように調整した。
次に、上記ナノインプリント工程で作製した薄型基板に色素記録層をスピンコート法により形成し、銀を主成分とする金属合金反射層をアネルバ製スパッタ装置により50nm積層した。
図10は、本実施例で用いたスピンコート装置の構成を概略的に示す図である。回転台300、ターンテーブル301、シリンジ303、シリンジ移動支持機構304、紫外線照射機305、紫外線照射機移動支持機構306、真空チャック307、真空チャック支持移動機構308から構成されている。回転台300の中心棒は、重ね合わせるフレキシブルシート同士の偏心を合わせるために用いるものであり、薄型基板の中心穴φ15.05mm(±0.02)を貫通すべくφ15.00mm(±0.02)とし、貫通しやすいように先端はテーパードコーン形状にした。真空チャック307は、日本タングステン(株)製多孔質セラミックで作製されたものであり、弁の切り替えにより吸着側とエジェクター側に切り替えが可能である。シリンジ303は、接着剤として紫外線硬化樹脂をフレキシブルシート上に滴下量を調整しながら滴下するための装置である。
以下、このスピンコート装置による薄型基板の貼り合わせの手順について説明する。まず、真空チャック307により1枚の薄型基板302を保持し、スピンコート装置の上方からターンテーブル301上に配置した。以下、この薄型基板をシートAと呼ぶ。次に、シリンジ303により、薄型基板Aの内周(r=18〜23mm)の位置に紫外線硬化剤を滴下し、表1に示すコート条件Aに従って、紫外線硬化剤をおおよそr=35mmまで展開した。即ち、回転数30rpmにおいて紫外線硬化剤を4s滴下し、次に50rpmにして6sの間で基板上に拡げ、最後に2sの間に回転を停止した。なお、紫外線硬化樹脂としては30から200mPa・sの粘度の硬化性が良い(約100mJ/cm以下)ものを使用した。次に、真空チャック307により、もう1枚の薄型基板302(以下、薄型基板Bと呼ぶ)をターンテーブル301上の薄型基板Aの上に重ねて配置した。薄型基板A及び薄型基板Bの上からクランプを配置した。
ここで先に述べたように、用いた薄型基板にはセンタホールに沿って約50μmの高さの反りができているため、クランプエリアに樹脂を十分な量展開してもセンタホールから樹脂が漏れ出ることは無かった。
次に、表2に示すコート条件Bに従って、薄型基板Aと薄型基板Bの間の接着剤を振り切ることにより、シートの内周部と外周部で接着剤の厚みむらができないようにした。即ち、回転数を3000rpmまで6s間で上昇させ、3000rpmで4s保持し、最後に4sの間に回転を停止した。次に、紫外線照射機305により貼り合わせた基板に対して紫外線照射を行い、紫外線硬化剤を硬化させた。紫外線硬化剤が硬化したところでターンテーブル301の回転を停止し、クランプを外した。次にクランプ部の樹脂を硬化させるため、再度クランプ部周辺に紫外線照射を施した。
なお、上記した各種の条件は一例であり、紫外線硬化剤の種類や接着層の形成条件はこれに限定されるわけではない。
以下、本実施例において作製した薄型貼り合わせ基板と、従来の方法で作製された薄型貼り合わせ基板とを用意し、その性能を比較した。従来の方法で作製された薄型貼り合わせ基板は、センタホール部に反りがなく平坦な薄型基板を貼り合わせたものである。
まず、これら2種類の薄型貼り合わせ基板については目視でも明確な違いが見られた。従来の製造方法による薄型貼り合わせ基板は、空気が噛み混んだ事による大きな変位変化が基板の所々に数カ所から数十箇所見られた。これは貼り合わせに用いる薄型基板の厚さが薄く、基板剛性は厚みの3乗に比例するため、少しのエア噛みができたとしてもそのエア噛みにならって基板が変形してしまうことを意味している。これに対して本実施例の製法による薄型貼り合わせ基板は、空気の噛み込みがほとんど無く基板全体がフラットに見えた。
次に、従来の方式で作製された薄型貼り合わせ基板と実施例において作製した薄型貼り合わせ基板について、SONY製レーザドップラメータを用いて、基板回転時の面ぶれ加速度の測定を行った。従来の製造方法による薄型貼り合わせ基板は、空気が噛み混んだ事による大きな変位変化により、ディスク面内数カ所で200m/sの面ぶれ加速度を示す場所があった。一方、本発明の方法によって作成された薄型貼り合わせ基板は、ディスク全面で面ぶれ加速度が50m/s以下になった。
このように、本発明の薄型貼り合わせ基板の面ぶれ特性及び面ぶれ加速度特性が従来の薄型貼り合わせ基板より優れていることが実証された。
以上、本発明の薄型基板の製造方法及び製造方法について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
本発明は、薄型貼り合わせ基板に利用可能である。
2枚の薄型基板から成る本発明の薄型貼り合わせ基板の構造の一例を示す断面図である。 2枚の薄型基板から成る本発明の薄型貼り合わせ基板の構造の他の例を示す断面図である。 6枚の薄型基板から成る本発明の薄型貼り合わせ基板の構造の一例を示す断面図である。 6枚の薄型基板から成る本発明の薄型貼り合わせ基板の構造の他の例を示す断面図である。 本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法のナノインプリント工程における冶具構成を示す図である。 本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法のナノインプリント工程の手順を示す流れ図である。 本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法における貼り合わせ工程で用いるスピンコート装置の構成の一例を概略的に示す図である。 本発明の薄型貼り合わせ基板製造方法の貼り合わせ工程の手順を示す流れ図である。 表1及び表2は、接着剤を展開・振り切りするコート条件を示す表である。 スピンコート装置の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
100 スタンパ
101 シリコンゴムシート
102 スタンパホルダー治具
103 薄型基板
104 鏡面冶具
105 ピン
200 回転台
201 薄型基板
202 ターンテーブル
203 クランプ
204 スペーサ
205 貫通孔
300 回転台
301 ターンテーブル
302 薄型基板
303 シリンジ
304 シリンジ移動支持機構
305 紫外線照射機
306 紫外線照射機移動支持機構
307 真空チャック
308 真空チャック支持移動機構

Claims (8)

  1. センタホールを有する2枚の円板状の薄型基板を中心を揃えて接着剤で貼り合わせた薄型貼り合わせ基板であって、各々の前記薄型基板のセンタホール付近が互いの方向に向かって一様に反っていることを特徴とする薄型貼り合わせ基板。
  2. センタホールを有する2枚の円板状の薄型基板を中心を揃えて接着剤で貼り合わせた薄型貼り合わせ基板であって、各々の前記薄型基板のセンタホール付近が同じ方向に向かって一様に反っていることを特徴とする薄型貼り合わせ基板。
  3. センタホールを有する3枚以上の円板状の薄型基板を中心を揃えて接着剤で貼り合わせた薄型貼り合わせ基板であって、各々の前記貼り合わせ基板のセンタホール付近は一様に反っており、いくつかの前記薄型基板から成る第1の組はセンタホール付近が同じ方向に向かって反っているように貼りあわされており、残りの前記薄型基板から成る第2の組は前記センタホール付近が同じ方向に向かって反っているように貼りあわされており、前記第1の組と前記第2の組とは、前記センタホール付近が互いの方向に向かって反っているように貼り合わされていることを特徴とする薄型貼り合わせ基板。
  4. センタホールを有する3枚以上の円板状の薄型基板を中心を揃えて接着剤で貼り合わせた薄型貼り合わせ基板であって、各々の前記薄型基板のセンタホール付近が同じ方向に向かって一様に反っていることを特徴とする薄型貼り合わせ基板。
  5. 円柱状のピンを有するスタンパホルダ冶具上に、前記ピンに嵌るセンタホールを有するスタンパを配置し、前記スタンパ上に前記ピンの直径と略同じサイズの直径のセンタホールを有する円板状の薄型基板を配置し、前記薄型基板上に前記ピンに嵌る鏡面冶具を配置する冶具配置工程と、
    これらを重なり方向に加熱及び加圧する加熱加圧工程と、
    前記薄型基板を前記ピンから引き抜いて、センタホール付近が一様に反っている薄型基板を得る薄型基板取り出し工程と、
    前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板をセンタホール付近が上に反っているようにターンテーブル上に配置する最下層薄型基板配置工程と、
    前記薄型基板上に接着剤を滴下し、前記ターンテーブルを回転させて接着剤を前記薄型基板の表面上に展開させる接着剤展開工程と、
    前記接着剤が展開された前記薄型基板上に、もう一枚の前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板を、双方の薄型基板のセンタホール付近が互いの方向に向かって反っているように配置する薄型基板配置工程と、
    前記ターンテーブルを回転させ、前記薄型基板間の接着剤を振り切る接着剤振り切り工程と、
    前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程とを含むことを特徴とする薄型貼り合わせ基板製造方法。
  6. 円柱状のピンを有するスタンパホルダ冶具上に、前記ピンに嵌るセンタホールを有するスタンパを配置し、前記スタンパ上に前記ピンの直径と略同じサイズの直径のセンタホールを有する円板状の薄型基板を配置し、前記薄型基板上に前記ピンに嵌る鏡面冶具を配置する冶具配置工程と、
    これらを重なり方向に加熱及び加圧する加熱加圧工程と、
    前記薄型基板を前記ピンから引き抜いて、センタホール付近が一様に反っている薄型基板を得る薄型基板取り出し工程と、
    前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板をセンタホール付近が上に反っているようにターンテーブル上に配置する最下層薄型基板配置工程と、
    前記薄型基板上に接着剤を滴下し、前記ターンテーブルを回転させて接着剤を前記薄型基板の表面上に展開させる接着剤展開工程と、
    前記接着剤が展開された前記薄型基板上に、もう一枚の前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板を、双方の薄型基板のセンタホール付近が同じ方向に向かって反っているように配置する薄型基板配置工程と、
    前記ターンテーブルを回転させ、前記薄型基板間の接着剤を振り切る接着剤振り切り工程と、
    前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程とを含むことを特徴とする薄型貼り合わせ基板製造方法。
  7. 円柱状のピンを有するスタンパホルダ冶具上に、前記ピンに嵌るセンタホールを有するスタンパを配置し、前記スタンパ上に前記ピンの直径と略同じサイズの直径のセンタホールを有する円板状の薄型基板を配置し、前記薄型基板上に前記ピンに嵌る鏡面冶具を配置する冶具配置工程と、
    これらを重なり方向に加熱及び加圧する加熱加圧工程と、
    前記薄型基板を前記ピンから引き抜いて、センタホール付近が一様に反っている薄型基板を得る薄型基板取り出し工程と、
    前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板をセンタホール付近が上に反っているようにターンテーブル上に配置する最下層薄型基板配置工程と、
    前記薄型基板上に接着剤を滴下し、前記ターンテーブルを回転させて接着剤を前記薄型基板の表面上に展開させる接着剤展開工程と、
    前記接着剤が展開された前記薄型基板上に、もう一枚の前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板を、双方の薄型基板のセンタホール付近が同じ方向に向かって反っているように配置する薄型基板配置工程と、
    前記ターンテーブルを回転させ、前記薄型基板間の接着剤を振り切る接着剤振り切り工程と、
    前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程とを含み、
    前記接着剤展開工程と、前記薄型基板配置工程と、前記接着剤振り切り工程と、前記接着剤硬化工程とを所定の回数繰り返すことを特徴とする薄型貼り合わせ基板製造方法。
  8. 前記薄型基板配置工程のうち一回は、前記接着剤が展開された前記薄型基板上に、もう一枚の前記センタホール付近が一様に反っている薄型基板を、双方の薄型基板のセンタホール付近が同じ方向に向かって反っているように配置することを特徴とする請求項7記載の薄型貼り合わせ基板製造方法。
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